説明

車載機器接続用アダプタ

【課題】 接続ケーブルを所望の方向に引き出すことができ、車載機器接続用アダプタと車載機器との相対位置関係に基づく好ましい配線レイアウトを容易にとること
【解決手段】 ケース本体2と、ケース本体の前面に設けられた、車両に装着するための接続端子部13と、ケース本体の背面から外部に引き出される接続ケーブル15と、その接続ケーブルをケース本体の背面と平行な平面内で設定された角度範囲内で正逆回転可能にする接続ブッシュ14と、ケース本体内に内蔵され、接続端子部と接続ケーブルを電気的に接続する回路部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられた車両情報を出力するコネクタに接続するための車載機器接続用アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、エンジン制御などの各種電子制御ユニットを備え、電子制御ユニット同士は多重伝送路(車両LAN)を介して互いに各種の車両情報を送受可能に接続されている。最近の車両は、この車両情報を外部の装置(携帯型の故障診断装置等)に提供するためのODB−II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「ODB−II」を「ODB2」と記す)コネクタを備えたものがある。
【0003】
通常、故障診断装置は、接続ケーブルを介してODB2コネクタに接続する。つまり、故障診断装置に連結された接続ケーブルの先端に、ODB2コネクタに装着するアダプタを取り付けておく。そして、使用に際し、接続ケーブルに取り付けられたアダプタを、車両側のODB2コネクタに連結することで、故障診断装置は、各種の車両情報を取得し、所定の診断処理を行う。この種の故障診断装置並びにアダプタは、例えば特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−359127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ODB2コネクタから出力される車両情報は、車両の車速、インジェクション噴射時間、吸入空気量等多種多様なものがあり、故障診断以外にも使える有用な情報がある。この車両情報を、ナビゲーション装置、燃費計、ドライブレコーダ、GPSロガー、その他の各種の車載機器に取り込むことで、車載機器の性能・機能の向上をさせることができる。
【0006】
特許文献1の図1中の符号5で示されるように、矩形状のケース本体の一端面側(便宜上、前面)が開口して、車両のODB2コネクタに連結するコネクタ部となり、その反対側の背面側にケーブルが連結され、そのケーブルは、係る背面と直交する方向に延びるように配置される。
【0007】
車両のODB2コネクタは、運転席側の足下付近の右側・左側・中央などの各位置や、ステアリング右脇パネル等各種の位置に設定され、比較的奥まった場所などにある。故障診断装置のように、一時的に車両のODB2コネクタに接続して使用する場合には、そのように奥まった場所のODB2コネクタに対して上記のアダプタを連結し、アダプタの背面に接続されるケーブルを運転席側に向かって引き出すようにすることで、当該故障診断装置を車内の広い空間に持ってくることができるので問題はない。しかし、上述したように、ODB2コネクタから出力される車両情報を車載機器に取り込む使用形態を考えた場合、特許文献1等に示される従来の構造では、以下に示す問題を生じる。
【0008】
すなわち、車載機器は、運転中に使用するものが多いので、車載機器とODB2コネクタとを接続ケーブルで連結した状態で運転することになる。上述したように、ODB2コネクタが運転席の足回り付近に配置されることからも、運転中に運転者の足に引っかかることを防止する必要があるという課題がある。また、運転席前方側の奥まった箇所に装着されたアダプタの背面から真っ直ぐに延びてくる接続ケーブルは、好ましい配線レイアウトを容易にとることができないという課題がある。
【0009】
また、ODB2コネクタの設置位置は、車種により異なるとともに、そのODB2コネクタに連携させる車載機器もその機種や使用者の好み等により車室内での設置位置が異なる。その結果、ODB2コネクタ(アダプタ)と、車載機器の相対的な設置位置関係も多種になる。そのような多種のパターンに対し、接続ケーブルの配線を容易に行いたいという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車載機器接続用アダプタは、(1)ケース本体と、ケース本体の一面に設けられた、車両に装着するための接続端子部と、前記一面と反対側の面から外部に引き出される接続ケーブルと、その接続ケーブルを前記ケース本体の前記反対側の面と平行な平面内で設定された角度範囲内で正逆回転可能にする回転機構と、前記ケース本体内に内蔵され、前記接続端子部と前記接続ケーブルを電気的に接続する回路部と、を備えて構成した。
【0011】
ケース本体の一面は、実施形態では前面であり、反対側の面は背面に対応する。接続端子部は、車両に装着するものであり、実施形態ではODB2コネクタに接続するためのものである。接続ケーブルは、直接或いは所定のケーブルを介して車載機器に連携される。車載機器は、車載機器接続用アダプタを経由して車両から電力供給を受けたり、車両情報を取得したりする。接続ケーブルが接続端子部と反対側の面から引き出され、さらに、係る反対側の面と平行な平面内で回転可能となっている。よって、接続端子部を車両に設けられたコネクタに接続した場合、従来のように差し込み方向と同一方向で手前側に引き出されるのではなく、その差し込み方向と交差する方向に引き出されるので、運転席側等に向かって手前側に配線が出っ張ってきて邪魔になったり、運転中に運転者の足に引っかかったりすることもなく、車室内の壁面などに這わせやすくなる。特に、接続端子部は故障診断用コネクタであって、接続ケーブルは車両の運転中に車載機器に対して電源または信号を供給する構成である場合に優れた効果を発揮する。さらに、接続ケーブルは、前記反対側の面と平行な平面内で回転可能にしているので、車載機器接続用アダプタと(接続端子部)と車載機器の相対位置関係から、接続ケーブルを適切な位置に引き出すことができる。また、接続ケーブルは、所定の回転角度の範囲内で正逆回転するようにしたので、同一方向に何回も回転して接続ケーブルが切断されてしまうこともない。
【0012】
(2)前記ケース本体の表面には、回転する前記接続ブッシュの側面に接触し、それ以上の回転を阻止することで、前記接続ブッシュの回転角度を規定するストッパー部材を設けるとよい。簡単な構成で回転角度が規定できる。
【0013】
(3)前記回転機構は、所望の位置で接続ケーブルの引き出し方向を保持する保持機構を備え、その保持機構は、少なくとも前記接続端子部の長手方向と平行な方向で固定するようにするとよい。固定することで、使用中に配線が揺れて動いたりすることもないので、人が引っかかったりするおそれもなくなる。
【0014】
(4)前記回転機構は、前記ケース本体に対し回転自在に取り付けられる接続ブッシュを備え、接続ケーブルはその接続ブッシュ内に設けた貫通孔を通ってケース本体の内部に導かれるようになり、前記保持機構は、前記ケース本体の表面に設けた突起が、前記接続ブッシュの側面に接触して、その接続ブッシュの回転を規制するようにし、その接続ブッシュの回転方向に一定以上の力が加わった場合には、前記接続ブッシュがその突起を乗り越えて回転可能となるようにするとよい。このようにすると、簡単な構成で、接続ブッシュの角度(接続ケーブルの引き出し方向)の固定と、回転の許容ができる。
【0015】
(5)前記保持機構は、前記接続ブッシュが前記突起を乗り越えながら移動する中間位置で、その突起が前記接続ブッシュに接触して保持する機構を備えるとよい。中間位置は、実施形態では、接続ケーブルを垂直方向(上方)に引き出す配置である。より多段階の位置で保持することで、適切なる配線の引き回しに対応できる。
【0016】
(6)前記ケース本体には、平型ヒューズを装着するヒューズ差込部を備えるとよい。ヒューズを設ける場合、接続ケーブルの途中に実装することもできるが、通常、接続ケーブルは、車室内の適宜位置に固定されることから、本発明のようにケース本体に平型ヒューズを実装するようにすることで、ヒューズ交換が容易に行える。
【0017】
(7)上記の(6)の発明を前提とし、前記ヒューズ差込部の装着口は、前記ケース本体の前記反対側の面に備えるとよい。このようにすることで車載機器接続用アダプタを車両に装着した状態で平型ヒューズを交換することが容易にできる。また、例えばヒューズ差込部を側面側に設ける場合に比べ内部の基板の面積を大きく取ること可能となる。特に、下記の(8)のように構成すると良い。
【0018】
(8)上記の(7)の発明を前提とし、前記接続端子部が接続される第1の基板と、当該第1の基板に重ねるように配置され前記第1の基板と接続される第2の基板を備え、前記第2の基板は、前記平型ヒューズ差込部を避けるように配置するとともに、前記第1の基板に前記平型ヒューズ差込部のコネクタを接続すると良い。このようにすると、小さいケース本体の空間内に効率よく各部品を配置することができる。また、車両側からの電源ラインは、接続端子部を経由してケース本体内の回路に導かれるので、当該電源ラインに近い場所に平型ヒューズを配置することができる。
【0019】
(9)前記回路部は、電源回路と信号処理回路の少なくとも一方を備えるとよい。電源回路のみとして、電源供給のために用いるものでも良いし、電源回路と信号処理回路の両方を備えるものでも良い。また、電源は車載機器の内部電池や、その他から供給を受けるようにし、信号処理回路のみを実装することも妨げない。
【0020】
(10)前記ケース本体の前記反対側の面に、外部機器と接続する接続部を設けるとよい。このようにすると、別の車載機器を接続することができ、拡張性・汎用性が高くなる。
【0021】
(11)前記ケース本体には、スイッチ操作部が露出する開口部を設け、前記スイッチ操作部がない場合には当該開口部をシールで覆うようにするとよい。このようにすると、スイッチ操作部のあるタイプと無いタイプで兼用することができ、しかもスイッチ操作部がない場合にはシールで覆うことで見た目もきれいでほこりが内部に入ることも抑制できる。この種の車載機器接続用アダプタでは、定格銘板などのシールが貼り付けられるので、この開口部を係る定格銘板の貼り付ける面に設けることで、スイッチ操作部の無いタイプの場合、定格銘板シールで隠すことができる。
【発明の効果】
【0022】
接続ケーブルを所望の方向に引き出すことができ、車載機器接続用アダプタと車載機器との相対位置関係に基づく好ましい配線レイアウトを容易にとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す平面図である。
【図7】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースを省略した平面図である。
【図8】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す側面図である。
【図9】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す側面図である。
【図10】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースを省略した側面図である。
【図11】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す背面図である。
【図12】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す底面図である。
【図13】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースと接続ケーブルと接続ブッシュの接続関係を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースと接続ケーブルと接続ブッシュの接続関係を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す回路部と接続ケーブルと接続ブッシュと接続端子部の接続関係を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す回路部と接続端子部の接続関係を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースと接続ケーブルと接続ブッシュの接続関係を示す分解平面図である。
【図18】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な一実施形態を示す上ケースと接続ケーブルと接続ブッシュの接続関係を示す分解背面図である。
【図19】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な他の実施形態を示す上ケースを省略した斜視図である。
【図20】本発明に係る車載機器接続用アダプタの好適な他の実施形態を示す上ケースを省略した平面図である。
【図21】使用状態を説明する図である。
【図22】使用状態を説明する図である。
【図23】使用状態を説明する図である。
【図24】使用状態を説明する図である。
【図25】使用状態を説明する図である。
【図26】使用状態を説明する図である。
【図27】使用状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図に示すように、車載機器接続用アダプタ1は、矩形状のケース本体2と、ケース本体2の前面側に取り付けられる接続端子部13と、ケース本体2の背面側から外部に引き出される接続ケーブル15と、その接続ケーブル15をケース本体2の背面と平行な平面内で180度の角度範囲内で回転可能に連結される接続ブッシュ14と、ケース本体2内に内蔵される回路部16を備えている。なお、図示省略するが、接続ケーブル15の車載機器側の端部は、車載機器に直結していても良いし、コネクタを設け、車載機器の本体或いは車載機器から引き出された接続ケーブルの先に設けたコネクタに着脱可能に装着するようにしても良い。
【0025】
ケース本体2は、上下に2分割された上ケース10と下ケース11を互いの先端縁部同士を突き合わせて連結する。本実施形態では、下ケース11は、底浅で皿状のケースであり、上ケース10は下方及び前方が大きく開放し、さらに下ケース11に比べると高さ(厚さ)が大きく設定している。これら上ケース10,下ケース11は、ABSその他の樹脂から形成され、硬度は110度以上の硬質樹脂と言われる材料で製造するのが好ましい。
【0026】
上ケース10の前壁10aには、その下端側から大きく凹状(略台形)に切り欠かれた凹状切欠部10a′が形成される。また、天板10bの下面の前壁10a側には、下方に延びる支柱10cが一体的に形成される。この支柱10cの長さは上ケース10の壁部の高さよりも長く、支柱10cの下端は、前壁10aの下端よりも下方に突出している。支柱10cの下端には、軸方向に孔部10c′が形成され、ネジ穴となる。
【0027】
上ケース10の前壁10aに設けた凹状切欠部10a′の上端中央は、さらに上方に切り込まれた凹部10a″が形成される。さらに天板10bの下面の前壁10a側の帯板状の突片10dが形成される。この突片10dと前壁10aとは、所定の距離隔てて配置され、両者10d,10aの間には、所定の空間が形成される。
【0028】
上ケース10の後壁10eには、一方の側壁(左側壁)10fに沿って縦長な長方形状の窓孔10e′が形成され、他方の側壁(右側壁)10gに沿って下端から上方に切り込まれた細長凹状切欠部10e″が形成される。窓孔10e′は、外部機器を接続する接続コネクタ部21を配置するための開口部である。USBその他の接続コネクタ部21を設ける場合、この窓孔10e′に当該端子部を配置することで、当該端子部を窓孔10e′を介して外部に露出させ、外部機器と接続できるようにする。また、係る外部機器との接続コネクタ部21を設けない場合、窓孔10e′は、目隠し部材17を貼って閉塞する。さらに,この目隠し部材17は、樹脂などからなる板材や、シール等各種のものを用いることができる。このようにすることで、外部機器との接続コネクタ部を設けるものと設けないものに対し、上ケース10を共用できる。細長凹状切欠部10″は、平型ヒューズ18を着脱するための装着口の一部を構成する。
【0029】
さらに後壁10eの下方中央部位には、後方に向けて突出する台座10hを設けている。の台座10hは、下端中央に半円状の凹部10h′を設け、さらに台座10hの表面上方には2つの突起10h″を設けている。また、後壁10eの内面側には、その下端から下方に突出するように、爪片10iを設けている。
【0030】
一方、下ケース11の前壁11aは、その上端側から凹状に切り欠かれた凹状切欠部11a′が形成される。上ケース10と下ケース11を接合した際に、凹状切欠部10a′,11a′とが一体となってケース本体2の前側開口部を構成する。
【0031】
また、下ケース11の底板11bの上面の前壁11a側には、上記の支柱10cに対向する位置に孔部11cが形成される。さらに、下ケース11の底板11bの上面の前壁11a側には、帯板状の突片11dが形成される。この突片11dと前壁11aとは、所定の距離隔てて配置され、両者11d,11aの間には、所定の空間が形成される。この突片11d,前壁11a間の距離は、上ケース10の突片10d,前壁10a間の距離と等しくしている。さらにまた、底板11bの後側中央には、小窓孔11b′が形成される。
【0032】
下ケース11の後壁11eには、右側壁11gに沿って上端から下方に切り込まれた凹状切欠部11e″が形成される。この凹状切欠部11e″の幅は、上ケース10の後壁10eに形成した細長凹状切欠部10e″の幅と等しくし、さらに、その設置位置も上ケース10と下ケース11とを接合した際に、細長凹状切欠部10e″と凹状切欠部11e″とが対向するように設定している。両者10e″,11e″が一体となって上下に延びる細長な矩形状の開口部を構成する。これら細長凹状切欠部10e″と凹状切欠部11e″からなる開口部が、平型ヒューズ18の装着口を構成する。このように、平型ヒューズ18の装着口をケース本体2の背面となる後壁10e側に設けることで、車載機器接続用アダプタ1を車両に装着した状態で平型ヒューズ18を交換することが容易にできる。また、例えばヒューズ差込部を側面側に設ける場合に比べ内部の基板の面積を大きく取ること可能となる。そして、平型ヒューズ18を装着した状態では、平型ヒューズ18が装着口から露出する。
【0033】
さらに後壁11eの上方中央部位には、後方に向けて突出する台座11hを設けている。台座11hは、上端中央に半円状の凹部11h′を設け、さらに台座11hの表面(外面)下方には、後方に突出する板状のストッパー部11h″を設けている。凹部11h′の半径は、上ケース10の台座10hに設けた凹部10h′と等しくし、上ケース10と下ケース11とを接合した状態では両凹部10h′,11h′が合わさって円形の孔部を構成するようになっている。また、下ケース11の後壁11eの内面(ケース本体2の前方側)の所定位置には、上ケース10の後壁10eの内面側に設けた爪片10iと嵌め合う凸条11iを備える。
【0034】
上ケース10の下端と下ケース11の上端を突き合わせた際には、支柱10cの下端が、下ケース11の孔部11cの周辺に接触する。また、このとき上ケース10の爪片10iが、下ケースの凸条11iを乗り越えて下方に移動することから、両者10i,11iが連携され、位置決めされると共に、ケース本体2の背面側で、上ケート10と下ケース11が仮固定される。よって、孔部11cよりネジ19を挿入し、そのネジ19を締めることで、ネジ19が支柱10cの下端に設けた孔部10c′(ネジ穴)と締結し、上ケート10と下ケース11が連結・固定される。
【0035】
下ケース11の底板11bに設けた小窓孔11b′は、スイッチ用の開口部である。つまり、内蔵される回路部16が設定切替用のスイッチ25(スライドスイッチ等)を備える場合、そのスイッチ25が、小窓孔11b′に対向する位置に来る設定とすることで、回路部16をケース本体2に実装すると、当該スイッチ25が小窓孔11b′を介して外部に露出する(図12等参照)。よって、ユーザは、その露出したスイッチ25を操作して、各種の設定の切り替え等を行うことができる。
【0036】
また、底板11bの下面(外面)には、定格銘板シール20を貼り付ける。上記のスイッチを実装した場合、定格銘板シール20の小窓孔11b′に対向する部位は、開口部20aとして、スイッチ25が露出するようにする。また、小窓孔11b′から露出するスイッチを設けないタイプの場合、底板11bに貼り付ける定格銘板シールは、開口部がないものにすることで、係る定格銘板シールにて小窓孔11b′を覆い隠すことができる。よって、貼り付ける定格銘板シールを変えることで、下ケース11は、「スイッチ有り」のタイプと「スイッチ無し」のタイプに対して兼用できる。
【0037】
接続端子部13は、矩形状のベース13aの前方側に突出するように設けた枠体13bと、枠体13bのベース13a側の外周に突出するように設けたフランジ部13cと、ベース13aを前後方向に貫通するように設けた端子ピン13dと、を備えている。この接続端子部13も、ケース本体2と同様にABSその他の樹脂で形成している。
【0038】
枠体13bは、車両のODB2コネクタの外形状に符合する断面略台形の内形状からなり、その枠体13bの上辺中央には、先端に爪部13e′を有する帯板13eが形成される。帯板13eの両サイドにはスリットが設けられて、枠体13bの上辺と分割され、弾性変形可能となる。帯板13eが弾力性を持つので、この接続端子部13(枠体13b)を図示省略する車両のODB2コネクタに装着した場合、帯板13eが弾性変形(先端が上に移動)してODB2コネクタの表面に設けられた突起を乗り越え、爪部13e′と突起が関わり合い、接続端子部13がODB2コネクタに連結され、不用意に離脱するのが抑制される。また、この装着に伴い、端子ピン13dの先端が、ODB2コネクタに挿入され、ODB2コネクタと電気的に導通される。ODB2コネクタは、車両情報を出力するものであるが、車両から電源も供給されるようになっている。そこで本実施形態では、端子ピン13dは、ODB2コネクタ内の車両情報が出力される信号ラインと、電源ラインのそれぞれに接続される配置とする。
【0039】
一方、接続端子部13のケース本体2への装着は、上ケース10と下ケース11で上下から接続端子部13を挟み込むことで固定する。このとき、フランジ部13cが、上ケース10の突片10d,前壁11a間の空隙、下ケース11の突片11d,前壁11a間の空隙に入り込んで位置決め固定される。
【0040】
回路部16は、本実施形態では、2枚のプリント配線基板16a,16bを前後方向に重ねて配置して構成する。接続端子部13側の第1プリント配線基板16aは,端子ピン13dが直接接続され、電源回路と車両情報の取得のための処理回路の一部が設置される。また、第1プリント配線基板16aは、ベース13aの4角に起立配置された支持柱部13fに保持されて位置決めされる。第2プリント配線基板16bは、車両情報を取得するための処理回路の一部が設置される。第1プリント配線基板16aと第2プリント配線基板16bとは、接続ピン16cにより、電気的・機械的に接続される。つまり、両プリント配線基板16a,16bに形成された回路は、この接続ピン16cにより導通される。また、接続ピン16cを異なる辺(本実施形態では一対の長辺)に複数箇所設けることで、第1プリント配線基板16a上に第2プリント配線基板16bを支持して一体化される。処理回路は、車載機器にとって必要な情報を車両側に問い合わせて取得するものでも良いし、車載機器と車両のODB2コネクタとを結ぶ信号ライン(延長ケーブル)のように具体的な制御・演算処理等は行わずにデータ(送信フレーム)等をスルー状態で通信するものでも良い。後者の場合に、波形整形・ノイズ除去等の正常な通信を行うための簡単な処理を行うようにしても良い。
【0041】
また、外部とのインタフェースとなる接続コネクタ部21は、第2プリント配線基板16b上に実装し、平型ヒューズ18を装着するヒューズ差込部24は、第1プリント配線基板16a上に実装している。このヒューズ差込部24は、箱状の本体の奥側に平型ヒューズ18の2本の端子を差し込むコネクタを備え、コネクタの他端側すなわち本体の外側は、図5に示すように第1プリント配線基板16aに半田付けされ固定されている。この他端側の一方のピン24aは、端子ピン13dのうち、車両バッテリーからの電源が供給される端子に第1プリント配線基板16a上の配線パターンによって電気的に接続されている。他端側の他方のピン24bは、第1プリント配線基板16a上に設けた電源回路に接続され、電源回路からプリント配線基板16a,16b上の各部及び接続ケーブル15の電源線へ電源を供給している。このようにすると、小さいケース本体10の空間内に効率よく各部品を配置することができる。また、車両側からの電源ラインは、接続端子部13を経由してケース本体10内の回路に導かれるので、当該電源ラインに近い場所に平型ヒューズ18を配置することができ、各回路素子の保護が適切に行える。
【0042】
さらに本実施形態では、接続ケーブル15は、電源線として2本(+,アース)、信号線として2本(送信用,受信用)の4芯(図示省略)としている。また、信号線はツイスト線として、送信用と受信用でそれぞれ2本ずつ使用し、合計6芯とすることもできるしその他の形態も可能である。ケース本体2の外側に引き出された4芯の外周は、保護チューブ15aで覆われて断線等しないように保護される。その4芯の先端は、接続ブッシュ14内を貫通してケース本体2内に導かれ、コネクタ部22に接続される。このコネクタ部22は、その端子ピン(図示省略)を第2プリント配線基板16bの所定位置に形成された4つの端子用孔部16b′(図16参照)に接続する。これにより、回路部16に設けられた処理回路・電源回路は、当該4芯に電気的に導通される。また、ケース本体2では、当該4芯は保護チューブ15a,接続ブッシュ14に覆われることなく露出した状態となっているので、容易に曲げることができる。
【0043】
接続ブッシュ14は、略矩形のブロック体からなるブッシュ本体14aを備え、一つの面14a′に接続ケーブル15(保護チューブ)が接続される。また、その接続ケーブル15(保護チューブ)が接続される面14a′に隣接する面が、ケース本体2への取り付け面14a″となる。この取り付け面14a″には、円筒状の首部14cが形成されさらにその首部14cの先端側には外側に突出する円板状のフランジ部14dが形成される。首部14cの外径は、上ケース10の台座10hに設けた凹部10h′,下ケース11の台座11hに設けた凹部11h′の直径と等しいか若干小さくし、首部14cの長さは、上ケース10や下ケース11の台座10h,11hにおける厚さと等しいか若干長く設定している。これにより、首部14cを上下から上ケース10(台座10h),下ケース11(台座11h)で挟み込むことで、首部14cは、凹部10h′,11h′で形成される円形の開口部に収まるとともに、回転可能となる。
【0044】
さらにブッシュ本体14a内には、接続ケーブル15を取り付ける1つの面14a′から取り付け面14a″ひいては首部10cに至るL字型の貫通孔14eが形成され、貫通孔10eの両端は、それぞれの面14a′,14a″に開口する。そして、接続ケーブル15を構成する4芯が貫通孔10e内に挿入され、先端が首部10c側から外部に引き出されるようになっている。
【0045】
また、ブッシュ本体14aは、細長な矩形ブロック体からなり、取り付け面14a″の面14a′側は、一段低くなった低段部14bが形成される。この低段部14bの深さは、突起10h″の高さとほぼ等しくしている。
【0046】
これにより、図1等に示すように、細長なブッシュ本体14aがケース本体2の長手方向と平行な方向に倒れた状態では、接続ケーブル15も水平方向(ここでは、右側壁10g側)に延びる姿勢となる。このとき、ブッシュ本体14aの側壁は、台座10hに設けた突起10h″に接触し、ブッシュ本体14aが起立する方向に垂直平面内で回転するのを阻止する。また、ブッシュ本体14aの逆方向の回転は、ストッパー部材11h″により阻止される。よって、図示する姿勢を保持する。
【0047】
一方、ブッシュ本体14aを起立させるべく垂直平面内で回転させるように付勢すると、その付勢力が一定以上になると、ブッシュ本体14a(取り付け面14a″)は突起10h″を乗り上げ回転を開始する。そして、180度回転させると、ブッシュ本体14aは、上記の図示した姿勢と反対向きでケース本体2の長手方向と平行な方向に倒れた状態となる。この状態では、接続ケーブル15も水平方向(ここでは、左側壁10f側)に延びる姿勢となる。このとき、ブッシュ本体14aの側壁は、台座10hに設けた突起10h″に接触し、ブッシュ本体14aが起立する方向に垂直平面内で回転するのを阻止する。また、ブッシュ本体14aの逆方向の回転は、ストッパー部材11h″により阻止される。よって、係る反対向きに倒れた姿勢を保持する。
【0048】
つまり、接続ケーブル15をケース本体2(上ケース10)の左側壁10f側に引き出す姿勢と、右側壁10h側に引き出す姿勢といった2つの引き出し方向をとることができる。しかも、ストッパー部材11h″を設けたことで、接続ブッシュ14は、180度の回転角度範囲内で正逆回転することになり、同一方向に何回も回転して接続ケーブル15を構成する通信線や電源線が切断されるのを抑制している。
【0049】
また、図1等に示すように接続ブッシュ14が水平方向に倒れた状態から90度回転して、接続ブッシュ14が垂直方向に起立した状態では、接続ケーブル15はケース本体2の上方に延びる配置となる。このとき突起10h″がブッシュ本体14aの低段部10b内に入り込み、その姿勢を軽く保持する。つまり、本実施形態では、接続ブッシュ14の保持姿勢(接続ケーブル15の引き出し方向)は、上記の左右の2つの水平方向に加え、上方に向く姿勢でも保持でき、合計3つの方向となる。
【0050】
また、接続ブッシュ14は、硬質プラスチックよりは軟らかい材料で構成される。本実施形態では、硬度が97±3度のものを用いている。ケース本体2が硬度110度以上の硬質樹脂(プラスチック)で形成している。接続ブッシュ14を回転させるに際し、ブッシュ本体14aが突起10h″に乗り上げるが、接続ブッシュ14の硬度をケース本体2(突起10h″)よりは軟らかい材料を用いることで、突起が摩耗したり損傷したりするのを防止する。そして、接続ブッシュ14の硬度がある程度硬いものとすることで、接続ブッシュ14を回転しようと付勢すると、ある程度の以上の大きさの力が加わるまで突起10h″を乗り超えるのを耐え、最後に一気に乗り越えるので、クリック感が得られ、回転したことや固定されたことを直感的に理解できるので好ましい。接続ブッシュ14の硬度が90度程度までであれば、比較的好ましいクリック感が得られる。90度と本実施形態の97±3度とを比較すると、もちろん本実施形態の方が好ましい。
【0051】
一方、硬度が90度未満になると、比較的小さい力でもブッシュ本体14aが弾性変形して突起10h″を乗り越えることができてしまい、クリック感はあまり感じられなくなる。但し、上記の3つの姿勢で保持することはできるので、クリック感を得られなくても良い場合には、係る硬度の小さい軟らかい材料で接続ブッシュ14を構成するのも妨げない。
【0052】
図19,図20に示すように、本発明は、ケース本体2に内蔵する回路部16として、1枚のプリント配線基板16′で構成しても良い。例えば、車載機器接続用アダプタ1として、電源供給のみする場合、プリント配線基板16′も電源回路だけで回路構成も小さくなり、1枚の基板で構成できる。
【0053】
車載機器の電源を車両からとる場合、従来からシガーソケットに接続するのが簡単に行われている。しかし、最近の車両ではシガーソケットが標準装備されないものもあり、また、複数の車載機器を搭載する場合に、シガーソケットが足りない場合もある。係る場合、車両のバッテリーに直結したり、ヒューズボックスを利用するなど各種の態様で電源供給を受けることができるものの、いずれもある程度の知識や接続するための技術が必要でユーザが簡単に行えない。係る場合に、車載機器接続用アダプタ1を車両のODB2コネクタに装着するだけで、簡単に車載機器の電源供給が可能となる。さらに一度車載機器接続用アダプタ1をODB2コネクタに取り付けると、そのODB2コネクタは奥まった場所にあり、運転中に不用意に車載機器接続用アダプタがODB2コネクタから離脱することもなく、車載機器に確実に電力供給を行えるというメリットも生じる。
【0054】
図21以降は、車載機器接続用アダプタ1の使用態様の一例を示している。車載機器30は、この例では、GPSを用いて車両の運行軌跡(日時・場所・車速)を記録するGPSロガーである。車載機器30は、偏平の本体ケース内に所定の回路・機器が内蔵される。また、ケースの側面には接続ケーブル31が引き出されている。図23に示すように、接続ケーブル31の先端には雌型コネクタ32が接続される。一方、車載機器接続用アダプタ1の接続ケーブル15の端部には、雄型27が接続されている。そして、それら雌型コネクタ32と雄型コネクタ27とを繋ぐことで、車載機器接続用アダプタ1と車載機器30とを接続する。
【0055】
図24(a)は、ODB2コネクタの設置位置の一例を示し、図24(b)はODB2コネクタの正面図を示している。図24(a)に示すように、設置位置は車種により様々であり、たとえは、(1)アクセルペダル脇,(2)運転席足元右側,(3)運転席足元中央,(4)運転席足元左側,(5)センターコンソール右脇,(6)助手席足元右側,(7)ステアリング右脇パネル裏側,(8)助手席足元左側,(9)センターコンソール左脇,(10)センターコンソール下などがある。
【0056】
一方、図25〜図27は、車載機器30の取り付け状態の一例を示している。図25(a)に示すように、まず車載機器30の背面に、第1面ファスナー(例えば雄型)35を貼り付ける。また、図25(b)に示すように、ダッシュボード37の設置位置には、第1面ファスナー35と対となる第2面ファスナー(例えば雌型)36を貼り付ける。そして、図25(c)に示すように、両面ファスナー35,36を貼り合わせることで、車載機器30をダッシュボードの所望位置に固定できる。図では、車載機器30の長手方向が進行方向前面に向き、電源ケーブル31が右側に引き出される姿勢となる。
【0057】
そして、図26に示すように、矩形状の車載機器30の4つの面のいずれも進行方向に向かうように配置することがある。すると、図から明らかなように、接続ケーブル31の引き出し方向も、4方向となる。
【0058】
さらに、図27に示すように、ルームミラー38に取り付けることもできる。ここでは、図27(a)に示すように、車載機器30の背面に、第1面ファスナー35を貼り付け、図27(b)に示すように、ルームミラー38の裏面の設置位置に第2面ファスナー36を貼り付ける。そして両面ファスナー35,36を貼り合わせることで、車載機器30をルームミラー38の所望位置に固定できる(図27(c))。
【0059】
このように、車載機器30の設置位置や、設置時の姿勢は多数有り、さらに、図24に示すようにODB2コネクタの設置位置も多数あることから、車載機器30と車載機器接続用アダプタ1の相対位置関係は多岐にわたる。さらに、接続ケーブル15,31は、車室内のパネル,内壁面などを這わし、その接続ケーブルは、適宜位置にてコードクリップなどで固定することで、運転の邪魔にならないようにする。このとき、車載機器接続用アダプタ1のケース本体2の向きは、ODB2コネクタの位置により一意に特定されるが、ケース本体2に対する接続ケーブル15の引き出し方向を3方向に切り替えて固定できるので、車載機器の設置位置,姿勢と、車載機器接続用アダプタ1の位置関係において適切な方向に接続ケーブル15を引き出すようにすることができる。
【0060】
また、仮に接続ケーブル15の引き出し方向が、図1等に示すようになると、平型ヒューズ18に接続ケーブル15が重なった状態となる。そのため、平型ヒューズ18が切れて交換する場合、そのままでは接続ケーブル15が邪魔となって平型ヒューズ18を引き出すことができない。係る場合、接続ブッシュ14を90度回転させると、平型ヒューズ18の引き出し方向から接続ケーブル15が無くなり、しかも、90度回転させることで接続ブッシュ14はその姿勢を保持されるので、平型ヒューズ18を簡単に交換できる。
【0061】
また、ヒューズは、本実施形態のように平型ヒューズ18としてケース本体2に実装するものにかぎらず、接続ケーブルの途中などに組み込むこともできる。但し、本発明のような車載機器接続用アダプタ1の接続ケーブル15の場合、上述したようにコードクリップ等を用いて接続ケーブルは車室内の壁面等に沿うように貼り付けられている。そのため、接続ケーブルの途中にヒューズを実装した場合、コードクリップから接続ケーブルを取り外すなどする必要があり、ヒューズの交換後に配線のし直しなど煩雑な処理が必要となる。そのため、本実施形態のようにケース本体2に組み込んだ方が交換が容易に行えるので好ましい。
【符号の説明】
【0062】
1 車載機器接続用アダプタ
2 ケース本体
10 上ケース
10h″ 突起
11 下ケース
11h″ ストッパー部
13 接続端子部
14 接続ブッシュ
15 接続ケーブル
16 回路部
17 目隠し部材
18 平型ヒューズ
21 接続コネクタ部
22 コネクタ部
24 ヒューズ差込部
25 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、
ケース本体の一面に設けられた、車両に装着するための接続端子部と、
前記一面と反対側の面から外部に引き出される接続ケーブルと、
その接続ケーブルを前記ケース本体の前記反対側の面と平行な平面内で設定された角度範囲内で正逆回転可能にする回転機構と、
前記ケース本体内に内蔵され、前記接続端子部と前記接続ケーブルを電気的に接続する回路部と、
を備えた車載機器接続用アダプタ。
【請求項2】
前記ケース本体の表面には、回転する前記接続ブッシュの側面に接触し、それ以上の回転を阻止することで、前記接続ブッシュの回転角度を規定するストッパー部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項3】
前記回転機構は、所望の位置で接続ケーブルの引き出し方向を保持する保持機構を備え、
その保持機構は、少なくとも前記接続端子部の長手方向と平行な方向で固定するものである請求項1または2に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項4】
前記回転機構は、前記ケース本体に対し回転自在に取り付けられる接続ブッシュを備え、接続ケーブルはその接続ブッシュ内に設けた貫通孔を通ってケース本体の内部に導かれるようになり、
前記保持機構は、前記ケース本体の表面に設けた突起が、前記接続ブッシュの側面に接触して、その接続ブッシュの回転を規制するようにし、
その接続ブッシュの回転方向に一定以上の力が加わった場合には、前記接続ブッシュがその突起を乗り越えて回転可能となることを特徴とする請求項3に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項5】
前記保持機構は、前記接続ブッシュが前記突起を乗り越えながら移動する中間位置で、その突起が前記接続ブッシュに接触して保持する機構を備えたことを特徴とする請求項4に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項6】
前記ケース本体には、平型ヒューズを装着するヒューズ差込部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項7】
前記ヒューズ差込部の装着口は、前記ケース本体の前記反対側の面に設けたことを特徴とする請求項6に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項8】
前記接続端子部が接続される第1の基板と、当該第1の基板に重ねて配置され前記第1の基板と接続される第2の基板を備え、
前記第2の基板は、前記平型ヒューズ差込部を避けるように配置するとともに、前記第1の基板に前記平型ヒューズ差込部のコネクタを接続するように構成したことを特徴とする請求項7に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項9】
前記回路部は、電源回路と信号処理回路の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項10】
前記ケース本体の前記反対側の面に、外部機器と接続する接続部を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車載機器接続用アダプタ。
【請求項11】
前記ケース本体には、スイッチ操作部が露出する開口部を設け、
前記スイッチ操作部がない場合には当該開口部をシールで覆うようにしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車載機器接続用アダプタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2012−61948(P2012−61948A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207344(P2010−207344)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)