説明

車載機

【課題】車載電話機に対応する電話帳データについての利便性を向上することができる車載機を提供する。
【解決手段】制御部5は、BTインターフェース部6を介してBT電話機13から電話帳データを取得し、その電話帳データを記憶部8に記憶する。記憶部8に記憶されたBT電話機13用の電話帳データに対して利用可能フラグを設ける。制御部5は、利用可能フラグが「1」に設定されると、そのBT電話機13の電話帳データのコピーを車載電話機4用の電話帳データとして記憶部8に記憶する。車載電話機4が使用対象として選択されている場合、記憶部8に記憶されている車載電話機4用の電話帳データが利用可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載電話機を用いたハンズフリー通話および通信手段を介して接続された外部の携帯電話機を用いたハンズフリー通話を実現するものであり、それら携帯電話機および車載電話機のそれぞれに対応する電話帳データを記憶する電話帳機能を備えた車載機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の携帯電話機との間において近距離無線通信などを行うことにより携帯電話機との接続を確立してハンズフリー通話を実現する機能を備えた車載機がある。そのような車載機には、車載電話機としての機能を備えたデータ通信モジュール(DCM)が搭載されたものもある。このような構成の車載機が取り付けられた車両に対し、ユーザが携帯電話機を所持した状態で搭乗すると、その携帯電話機を用いたハンズフリー通話が可能になる。また、上記車両に対し、ユーザが携帯電話機を所持していない状態で搭乗した場合であっても、車載電話機を用いたハンズフリー通話が可能になる。そのため、上記構成の車載機には、接続される携帯電話機または車載電話機ごと、つまり使用する電話機ごとに互いに別々の電話帳データを記憶する電話帳機能が設けられている。
【0003】
携帯電話機用の電話帳データに関しては、接続された携帯電話機の電話帳データを車載機に転送し、車載機側に記憶させるという方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、携帯電話機を用いたハンズフリー通話を行う際、その携帯電話機に保存されていた電話帳データと同一の電話帳データが利用できる。一方、車載電話機の電話帳データに関しては、車載機に設けられる操作部(例えば、タッチパネル上のタッチスイッチなど)に対し、ユーザが所定の入力操作を行うことにより、車載機側への電話帳データの登録(記憶)や、その登録した電話帳データの編集を行い得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−98981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したとおり、車載電話機用の電話帳データに関しては、ユーザによる入力操作(例えば、手入力など)により登録または編集するようになっている。そのため、例えば、登録または編集するデータの数が多い場合には、その際の入力操作が非常に手間となる。このようなことから、車載電話機用の電話帳データについて利便性の改善が望まれていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車載電話機に対応する電話帳データについての利便性を向上することができる車載機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した手段によれば、ハンズフリー手段は、車載電話機を用いたハンズフリー通話と、通信手段を介して外部の携帯電話機を用いたハンズフリー通話とを実行可能に構成されている。第1電話帳管理手段は、外部の携帯電話機に記憶されている電話帳データを、通信手段を介して取得し、その取得した電話帳データを第1電話帳データとして第1電話帳記憶手段に記憶する。これにより、第1電話帳記憶手段には、上記携帯電話機に保存されている電話帳データと同一のデータである第1電話帳データが記憶される。上記携帯電話機を用いたハンズフリー通話の際、第1電話帳記憶手段から第1電話帳データが読み出されることにより、ユーザは、所持している携帯電話機に記憶されているものと同一の電話帳データである第1電話帳データを利用することが可能となる。
【0008】
第2電話帳管理手段は、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段により第1電話帳データの利用を許可する利用許可操作が受け付けられると、第1電話帳記憶手段に記憶されている第1電話帳データをコピーしたデータを第2電話帳データとして第2電話帳記憶手段に記憶する。これにより、第2電話帳記憶手段には、第1電話帳データと同一の第2電話帳データが記憶される。車載電話機を用いたハンズフリー通話の際、第2電話帳記憶手段から第2電話帳データが読み出されることにより、ユーザは、第1電話帳データと同一の電話帳データである第2電話帳データを利用することが可能となる。
【0009】
上記構成によれば、ユーザの利用許可操作に応じて、外部の携帯電話機から取得した第1電話帳データが第2電話帳データとして第2電話帳記憶手段に転送される。従って、車載電話機用の第2電話帳データの登録作業が容易に行えるようになる。また、第2電話帳データのデータ数が多い場合であっても、ユーザは利用許可操作を行うだけでよく、その登録(記憶)作業は車載機側で自動的に行われるため、例えば手入力などの煩わしい操作を行う必要がない。このように、本手段によれば、車載電話機を用いたハンズフリー通話を行う際に利用する車載電話機に対応する電話帳データである第2電話帳データについての利便性が向上する。また、上記した電話帳データを転送する処理は、ユーザの利用許可操作が受け付けられない限り実行されない。そのため、第1電話帳データ、つまり携帯電話機に保存された電話帳データがむやみに利用可能な状態になることを防止でき、そのセキュリティを高めることができる。
【0010】
請求項2に記載した手段によれば、第2電話帳管理手段は、操作受付手段により電話帳編集操作が受け付けられると、その電話帳編集操作に応じて、第2電話帳記憶手段に記憶されている第2電話帳データを編集する。このような構成によれば、転送された第2電話帳データを編集することができるため、その利便性が向上する。また、第2電話帳記憶手段に記憶された第2電話帳データは、第1電話帳データと同一の内容であるが、あくまでもコピーされたものである。そのため、第2電話帳データの内容について、第1電話帳データの内容に影響を及ぼすことなく、独立して編集(変更)することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載した手段によれば、第2電話帳管理手段は、複数の携帯電話機のそれぞれに対応する複数の第1電話帳データが第1電話帳記憶手段に記憶されている場合、それら複数の第1電話帳データのうち、利用許可操作により利用が許可されたものを、第2電話帳データとして第2電話帳記憶手段に記憶する。このような構成によれば、例えば車両のユーザが複数の携帯電話機を所持している場合や、同一の車両を複数のユーザにより共用する場合などにおいて、それら複数の携帯電話機のそれぞれ対応した電話帳データが車載電話機用の第2電話帳データとして利用することが可能となる。ただし、この場合も、電話帳データ転送処理は、ユーザの利用許可操作が受け付けられない限り実行されないため、各携帯電話機の電話帳データに関するセキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、車載機の構成を示すブロック図
【図2】電話帳データ記憶領域の構成を模式的に示す図
【図3】電話帳データ転送処理に関するフローチャート
【図4】電話帳データ転送処理におけるパターン1、2の表示画面の遷移を示す図
【図5】電話帳データ転送処理におけるパターン3の表示画面の遷移を示す図
【図6】電話帳データ転送処理におけるパターン4の表示画面の遷移を示す図
【図7】利用可能フラグの変更に関する表示画面の一例を示す図
【図8】車載電話機の電話帳設定に関する表示画面の一例を示す図
【図9】車載電話機用の電話帳データとして利用可能な携帯電話機用の電話帳データを選択する際の表示画面の一例を示す図
【図10】車載電話機用電話帳データの利用制限に関する表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、車載電話機としての機能およびハンズフリー機能を備えた車載機の概略構成を示すブロック図である。車載機1は、例えば自動車などの車両に搭載されるものであり、ハンズフリー装置2、ディスプレイ装置3およびDCM(Data Communication Module、データ通信モジュール)4を備えている。ハンズフリー装置2は、制御部5、Bluetooth(登録商標、以下BTと称す)インターフェース部6、通話音声処理部7、記憶部8、表示制御部9およびタッチ操作入力部10を備えている。
【0014】
制御部5は、CPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータを主体に構成されており、ハンズフリー装置2の通信動作や電話帳データ管理動作などの動作全般を制御する。BTインターフェース部6は、BTの通信規格で標準化されているハンズフリー通信を行うためのHFP(Hands Free Profile)、BT通信規格で標準化されている電話帳データの転送を行うためのPBAP(Phone Book Access Profile)およびOPP(Object Push Profile)などに対応している(機能を有している)。なお、これらプロファイルは、機能ごとに定義された通信プロトコルを意味している。
【0015】
通話音声処理部7には、マイク11およびオーディオアンプ12が接続されている。マイク11は、車室内にあって例えばステアリングホイールの近傍など、ユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されている。オーディオアンプ12は、ハンズフリー装置2の外部に配置されている。通話音声処理部7は、車室内に持ち込まれたBT対応携帯電話機13を用いたハンズフリー通信(通話)を行う場合に、ユーザが発した音声をマイク11から送話音声として入力すると、その入力した送話音声を音声処理してBTインターフェース部6に出力する。また、通話音声処理部7は、BTインターフェース部6から受話音声を入力すると、その入力した受話音声をオーディオアンプ12に出力する。オーディオアンプ12は、通話音声処理部7から受話音声を入力すると、その入力した受話音声を増幅してスピーカ14、15から出力する。スピーカ14、15は、例えば、運転席ドア、助手席ドアにそれぞれ配置されている。
【0016】
記憶部8には、電話帳データ、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データなどを記憶可能な記憶領域が設けられている。電話帳データは、電話番号と登録名(氏名など)との対応を表すデータである。なお、電話帳データには、さらに他の情報(メールアドレス、生年月日など)を対応付けてもよい。発信履歴データは、後述するDCM4からの発信またはハンズフリー装置2との間でHFPを接続中にあるBT対応携帯電話機13からの発信に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表すデータである。着信履歴データは、DCM4における応答した着信またはハンズフリー装置2との間でHFPを接続中にあるBT対応携帯電話機13における応答した着信に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表すデータである。不在着信履歴データは、DCM4における応答しなかった着信またはハンズフリー装置2との間でHFPを接続中にあるBT対応携帯電話機13における応答しなかった着信に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表すデータである。
【0017】
ディスプレイ装置3は、表示画面を表示する表示装置16と、表示画面上にタッチスイッチを形成するタッチ操作入力装置17とを備えている。ハンズフリー装置2の表示制御部9は、制御部5から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいてディスプレイ装置3における表示装置16の表示動作を制御する。ハンズフリー装置2のタッチ操作入力部10は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じてタッチ操作入力装置17から操作検知信号を入力すると、その操作検知信号を制御部5に出力する。ハンズフリー装置2の制御部5は、タッチ操作入力部10から操作検知信号を入力すると、その操作検知信号を解析して所定の処理を実行する。本実施形態において、タッチ操作入力部10は、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段に相当する。
【0018】
DCM4は、通信網18を介した通信動作を自身に割り当てられた電話番号で行う機能を有している。なお、通信網18は、携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の携帯通話サービスを提供する設備を含むものである。DCM4は、通信網18を利用した音声通話を、ハンズフリー装置2により行い得る構成となっている。すなわち、本実施形態では、DCM4が車載電話機に相当する。そのため、以下では、DCM4のことを車載電話機4と称する。
【0019】
BT対応携帯電話機13(以下、BT電話機13と称す)は、詳細は図示しないが、自機の動作全般を制御する制御部、通信網18を介した音声通話を行う通話部、BT通信を行うBTインターフェース部、ユーザが操作する各種キーが配列されてなるキー入力部、記憶部、各種表示画面を表示する表示部、ユーザが発した音声を入力するマイク、通話相手先から受信した音声を受話音声として出力するスピーカなどを備えている。上記記憶部には、電話帳データ、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データなどを記憶(保存)可能な記憶領域が設けられている。
【0020】
BT電話機13(携帯電話機に相当)のBTインターフェース部は、ハンズフリー装置2との間でBT通信を行う機能を有している。BTインターフェース部は、HFPに対応している。また、BTインターフェース部は、PBAPおよびOPPの少なくとも一方に対応している。つまり、BT電話機13は、ハンズフリー装置2に対して電話帳データを転送する機能を有している。
【0021】
このように、本実施形態では、ハンズフリー装置2は、車載電話機4を用いたハンズフリー通話と、外部のBT電話機13を用いたハンズフリー通話とを実現するハンズフリー手段に相当する。また、BTインターフェース部6は、外部のBT電話機13との間で通信を行う通信手段に相当する。
【0022】
図2は、記憶部8における電話帳データを記憶するための電話帳データ記憶領域の構成を模式的に示している。図2に示すように、電話帳データ記憶領域21には、接続されるBT電話機13のそれぞれに対応する電話帳データ(第1電話帳データに相当)を記憶(保存)可能なBT電話機用電話帳データ記憶領域22(第1電話帳記憶手段に相当)が確保されている。BT電話機用電話帳データ記憶領域22は、ハンズフリー通話を行う対象として登録されたBT電話機13が複数存在する場合、それら複数のBT電話機13のそれぞれに対応した複数の記憶領域が設けられる。BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶される電話帳データは、対応するBT電話機13を使用する際に利用可能となる。BT電話機用電話帳データ記憶領域22に対する電話帳データの記憶(書き込み)は、制御部5により実行される。その記憶方法としては、BT電話機13からの電話帳データの転送(PBAPまたはOPP)による方法と、ユーザが所定の操作を行うことにより作成または編集された電話帳データを記憶する方法とがある。
【0023】
また、電話帳データ記憶領域21には、車載電話機4に対応する電話帳データ(第2電話帳データに相当)を記憶可能な車載電話機用電話帳データ記憶領域23(第2電話帳記憶手段に相当)が確保されている。車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶される電話帳データは、車載電話機4を使用する際に利用可能となる。車載電話機用電話帳データ記憶領域23に対する電話帳データの記憶(書き込み)は、制御部5により実行される。その記憶方法としては、ユーザが所定の操作を行うことにより作成または編集された電話帳データを記憶する方法と、BT電話機用電話帳データ記憶領域22からの電話帳データの転送による方法とがある。後者の方法は、詳細は後述するが、ユーザによる利用許可操作が行われた場合に限り、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶されている電話帳データ(のコピー)が車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送されるというものである。
【0024】
このように、本実施形態において、制御部5は、BTインターフェース部6を介して外部のBT電話機13に記憶されている電話帳データを取得し、その電話帳データをBT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶する第1電話帳管理手段に相当する。また、制御部5は、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶されている電話帳データをコピーしたデータを車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶する第2電話帳管理手段に相当する。ユーザは、このようにして記憶された電話帳データを利用することにより、電話番号を直接入力することなく登録名を選択することで通話相手先への発信動作を簡単且つ迅速に行うことが可能である。
【0025】
次に、上記構成の作用、特に車載機1の電話帳機能(電話帳データの管理方法)に関連する作用について図3〜図10も参照して説明する。
まず、BT電話機13をハンズフリー通話の対象(使用対象)とした場合における電話帳機能について説明する。図3は、制御部5を主体として実行される電話帳データ転送処理を示すフローチャートである。図4〜図7は、電話帳機能に関する画面の表示例を示すものであり、ディスプレイ装置3の表示装置16により表示される表示画面およびタッチ操作入力装置17により形成されるタッチスイッチを示している。ユーザがBT電話機13を所持した状態で車両に搭乗すると、ハンズフリー装置2とBT電話機13との接続が確立される。その後、ユーザにより所定の操作が行われることにより、ハンズフリー装置2においてハンズフリー通信(通話)を行う対象として、ユーザが所持したBT電話機13が登録される。図3に示す電話帳データ転送処理は、そのような登録が完了した後であり、且つ、ハンズフリー装置2と上記BT電話機13とが接続された状態で、上記BT電話機13の電話帳機能が利用される際に実行される。
【0026】
図3に示す電話帳データ転送処理が実行される場合、電話帳データ記憶領域21における電話帳データの記憶状況により以下のパターン1〜4の動作に分けられる。すなわち、パターン1は、接続されたBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22および車載電話機用電話帳データ記憶領域23のいずれにも電話帳データが存在しない場合である。パターン2は、接続されたBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが存在しない場合であり、且つ、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが存在する場合である。パターン3は、接続されたBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが存在する場合であり、且つ、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが存在しない場合である。パターン4は、接続されたBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22および車載電話機用電話帳データ記憶領域23のいずれにも電話帳データが存在する場合である。
【0027】
(1)パターン1、2
図4は、パターン1、2における表示画面の遷移を示している。以下、図3および図4を参照してパターン1、2における電話帳データ転送処理について説明する。なお、図4(a)は、ハンズフリー機能に関するトップ画面に相当する。そのトップ画面には、電話機名表示欄31、発信先表示欄32などが表示されるとともに、タッチスイッチとして、キー入力部33、[電話帳]ボタン34、[接続]ボタン35、[発信]ボタン36、[戻る]ボタン37などが設けられている。
【0028】
電話機名表示欄31には、現在使用対象としている電話機を示す文字が表示される。すなわち、接続されたBT携帯電話機13を使用対象とする場合、その機種名「○○○」が表示され、車載電話機4を使用対象とする場合、「車載電話機」と表示される。発信先表示欄32には、発信先の電話番号が表示される。キー入力部33は、各種キーが配列されてなるものであり、発信先の電話番号を入力する際や、電話帳データを手入力(マニュアル)で作成する際などに用いられる。[電話帳]ボタン34は、電話帳機能を利用するためのものである。[接続]ボタン35は、使用対象とする電話機の切り替えを行うためのものである。[発信]ボタン36は、発信先表示欄32に表示されている電話番号への発信を開始するためのものである。[戻る]ボタン37は、表示画面を一つ前の画面に戻すためのものである。
【0029】
[電話帳]ボタン34がタッチされると、図3に示す電話帳データ転送処理が開始される(スタート)。ステップS1では、接続されたBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが存在するか否かが判断される。この場合、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが存在しない。つまり、電話帳データが空であるため(ステップS1で「YES」)、ステップS2に進む。ステップS2に進むと、BT電話機13に保存されている電話帳データをハンズフリー装置2に転送してもよいか否かをユーザに確認するメッセージが表示される(図4(b)参照)。ここで、[いいえ]が選択された場合(ステップS2で「NO」)、電話帳データが転送されることなく処理が終了する(エンド)。一方、[はい]が選択された場合(ステップS2で「YES」)、ステップS3に進む。
【0030】
ステップS3に進むと、BT電話機13からBT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが転送される。その際、電話帳データの転送中である旨を示す画面表示がなされる(図4(c)参照)。電話帳データの転送が終了すると、ステップS4に進む。ステップS4に進むと、さきほど転送したBT電話機13用の電話帳データを車載電話機4使用時にも利用可能にしてもよいか否かをユーザに確認するメッセージが表示される(図4(d)参照)。ここで、[はい]が選択された場合(ステップS4で「YES」)、ステップS5に進む。
【0031】
ステップS5では、後述する利用可能フラグが「1」に設定され、ステップS7に進む。ステップS7では、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが存在するか否かが判断される。パターン1の場合、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが存在しない。つまり、電話帳データが空であるため(ステップS7で「YES」)、ステップS8に進む。ステップS8に進むと、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶された電話帳データが車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送(コピー)される。これに対し、パターン2の場合、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが存在する。つまり、電話帳データが空ではないため(ステップS7で「NO」)、ステップS8が実行されることなく、ステップS9に進む。
【0032】
一方、図4(d)の表示画面において[いいえ]が選択された場合(ステップS4で「NO」)、ステップS6に進む。ステップS6では、利用可能フラグが「0」に設定され、ステップS9に進む。ステップS9に進むと、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶されている電話帳データの一覧が表示され(図4(e)参照)、処理が終了する(エンド)。電話帳データの一覧には、登録名が50音順に表示されている。ユーザは、BT電話機13を使用対象とする際、上記一覧から所望の登録名をタッチ操作により選択するだけで、その登録名に対応付けられた電話番号への発信動作を行い得るようになる。
【0033】
(2)パターン3
図5は、パターン3における表示画面の遷移を示している。以下、図3および図5を参照してパターン3における電話帳データ転送処理について説明する。なお、図5において、(a)は図4(a)に相当し、(b)は図4(d)に相当し、(c)は図4(e)に相当する。
【0034】
[電話帳]ボタン34がタッチされると、図3に示す電話帳データ転送処理が開始される(スタート)。この場合、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に電話帳データが存在する。つまり、電話帳データが空ではないため(ステップS1で「NO」)、ステップS2、S3が実行されることなくステップS4に進む。ステップS4以降の処理については、パターン1と同じであるため、説明を省略する。
【0035】
(3)パターン4
図6は、パターン4における表示画面の遷移を示している。以下、図3および図6を参照してパターン4における電話帳データ転送処理について説明する。なお、図6において、(a)は図4(a)に相当し、(b)は図4(e)に相当する。
【0036】
[電話帳]ボタン34がタッチされると、図3に示す電話帳データ転送処理が開始される(スタート)。この場合、パターン3と同様、BT電話機用電話帳データ22が空ではないため(ステップS1で「NO」)、ステップS2、S3が実行されることなくステップS4に進む。そして、ステップS4以降の処理については、パターン2と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
図3に示す電話帳データ転送処理においては、利用可能フラグが「1」に設定された場合に限り、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶された電話帳データが、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送され、車載電話機4用の電話帳データとして使用可能になる。すなわち、本実施形態では、利用可能フラグが「1」に設定される操作が、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶された電話帳データの利用を許可する利用許可操作に相当する。しかし、当初は利用可能フラグを「0」に設定したものの、後からその設定を変更したいとユーザが考える場合も想定される。そこで、本実施形態では、以下のようにして利用可能フラグの変更を可能にしている。ただし、以下の操作は利用可能フラグの設定変更を行うためだけのものであり、以下の操作だけでBT電話機13用の電話帳データが車載電話機4用の電話帳データとして利用可能になるわけではない。実際に利用可能にするためには、後述する車載電話機4用の電話帳設定においての操作が必要となる。
【0038】
図7は、利用可能フラグを変更する際における表示画面の遷移を表している。なお、図7では、利用可能フラグの設定変更に関連するもの以外の図示を省略している。BT電話機13を接続した状態において、図示しないメニュー画面から所定の操作が行われることにより、そのBT電話機13に対応した各種設定を行うための設定画面が表示される(図7(a)参照)。その設定画面において、[電話帳設定]ボタン41がタッチされると、BT電話機13の電話帳に関する設定画面である電話帳設定画面が表示される(図7(b)参照)。
【0039】
図7(b)において、[車載電話機の電話帳として利用]ボタン42がタッチされると、図7(c)のような画面表示となる。このとき、[する]がタッチされると、利用可能フラグが「1」に設定され、[しない]がタッチされると、利用可能フラグが「0」に設定される。その後、再び図7(b)の画面表示に戻り、[完了]ボタン43がタッチされると、上記変更が行われた状態で図7(a)の画面表示に戻る。一方、[戻る]ボタン44がタッチされると、上記変更がキャンセルされた状態で図7(a)の画面表示に戻る。[初期化]ボタン45がタッチされると、利用可能フラグの設定が初期状態に戻る。
【0040】
続いて、車載電話機4をハンズフリー通話の対象(使用対象)とした場合における電話帳機能について説明する。図8〜図10は、図4〜図7と同様、電話帳機能に関する画面の表示例を示すものである。図8(a)は、図4(a)と同様、ハンズフリー機能に関するトップ画面に相当する。車載電話機4を使用対象とした状態において、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空である場合、[電話帳]ボタン34がタッチされると、車載電話機4の電話帳に関する設定画面(図8(b)参照)が表示される。図8(b)に示すような設定画面(操作リスト)には、[電話帳作成]ボタン51、[電話帳編集]ボタン52、[電話帳利用設定]ボタン53などがある。
【0041】
[電話帳作成]ボタン51は、新たに電話帳データを作成(登録)する際に用いられる。[電話帳作成]ボタン51がタッチされると、図示しない電話帳作成画面が表示される。その電話帳作成画面において、ユーザにより所定の電話帳作成操作が行われると、その操作に応じた電話帳データが作成される。その作成された電話帳データは、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶される。
【0042】
また、[電話帳編集]ボタン52は、電話帳データを編集する際に用いられる。[電話帳編集]ボタン52がタッチされると、図示しない電話帳編集画面が表示される。その電話帳編集画面において、ユーザにより所定の電話帳編集操作が行われると、その操作に応じて車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶された電話帳データが編集(変更)される。なお、上記電話帳データの作成、編集および記憶は、制御部5を主体として実行される。また、[電話帳利用設定]ボタン53の用途については後述する。
【0043】
一方、車載電話機4を使用対象とした状態において、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空ではなく、既に何らかの電話帳データが記憶されている場合、[電話帳]ボタン34がタッチされると、電話帳データの一覧が表示される(図4(e)など参照)。ここで表示される電話帳データの一覧は、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されているものである。つまり、ここでは、前述した電話帳データ転送処理によりBT電話機用電話帳データ記憶領域22から転送された電話帳データや、ユーザの操作により作成または編集された電話帳データなどの一覧が表示される。ユーザは、車載電話機4を使用対象とする際、上記一覧から所望の登録名をタッチ操作により選択するだけで、その登録名に対応付けられた電話番号への発信動作を行い得るようになる。
【0044】
さて、図3に示した電話帳データ転送処理において、BT電話機13用の電話帳データを車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送しなかった場合でも、次のような操作を行うことにより、上記電話帳データの転送を行うことが可能である。ただし、少なくとも、1つのBT電話機13に対応する利用可能フラグが「1」に設定されている必要がある。図9は、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶されている電話帳データを車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送する際における表示画面の遷移を示している。
【0045】
図9(a)は、車載電話機4の電話帳に関する設定画面であり、図8(b)相当図である。図9(a)は、図示しないメニュー画面から所定の操作を行うことなどによっても表示可能である。なお、図9では、電話帳データの転送に関連するもの以外の図示を省略している。ここで、[電話帳利用設定]ボタン53がタッチされると、車載電話機4用の電話帳データとして利用するBT電話機13用の電話帳データを選択する画面が表示される(図9(b)参照)。なお、ハンズフリー装置2に登録されているBT電話機13の全てについて、利用可能フラグが「0」に設定されている場合、上記した[電話帳利用設定]ボタン53はトーンダウン(無効化)され、選択することができない。図9(b)においては、利用可能フラグが「1」に設定されているBT電話機13に対応する電話帳データ([HFデバイス1]、[HFデバイス2]および[HFデバイス3])だけがトーンアップ(有効化)される。利用可能フラグが「0」に設定されているBT電話機13に対応する電話帳データ([HFデバイス4]および[HFデバイス5])はトーンダウンされる。
【0046】
図9(b)において、所定の電話帳データ(例えば[HFデバイス2]が選択されたものとする)が選択(タッチ)された際、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に電話帳データが記憶されていない場合、選択された電話帳データが車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送される。これに対し、所定の電話帳データが選択された際、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に既に電話帳データが記憶されていた場合、データの転送方法(上書き、追加、中止)についての確認がなされる(図9(c)参照)。
【0047】
図9(c)において、[上書き]ボタン61がタッチされると、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されている電話帳データに代えて、選択されたBT電話機13用の電話帳データ(転送される電話帳データ)が記憶される。すなわち、[上書き]ボタン61がタッチされた場合、車載電話機用電話帳データ記憶領域23には、新たに転送された電話帳データだけが記憶された状態となる。また、[追加]ボタン62がタッチされると、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されている電話帳データに加えて、選択されたBT電話機13用の電話帳データが記憶される。すなわち、[追加]ボタン62がタッチされた場合、車載電話機用電話帳データ記憶領域23には、既存の電話帳データおよび新たに転送された電話帳データの両方が記憶された状態となる。[中止]ボタン63がタッチされると、電話帳データの転送処理が中止される。
【0048】
続いて、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されている車載電話機4用の電話帳データの利用制限(セキュリティ)機能について説明する。図10は、上記利用制限機能を設定する際における表示画面の遷移を示している。図示しないメニュー画面から所定の操作が行われることにより、車載電話機4に関する各種制限などを設定するための設定画面が表示される(図10(a)参照)。図10(a)には、車載電話機4の電話番号を表示する自局電話番号表示欄、暗証番号を表示するロックNo.表示欄などが表示されている。図10(a)に示す設定画面では、自動着信拒否機能、発信制限機能、電話帳制限機能などの設定(する/しない)を変更することができるようになっている。図10(a)に表示されていない項目については、右側のスクロールバー71などを操作することにより表示可能である。
【0049】
電話帳制限機能は、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶された電話帳データを使用する際に暗証番号の入力を要求するというものである。このような電話帳制限機能を利用することにより、車載電話機4用の電話帳データを第三者に無断で利用されることを防止でき、そのセキュリティを高めることができる。電話帳制限機能の設定方法は以下のとおりである。
【0050】
すなわち、[電話帳制限]ボタン72がタッチされると、図10(b)のような画面表示となる。このとき、[する]がタッチされると、電話帳制限機能が有効化され、[しない]がタッチされると、電話帳制限機能が無効化されることになる。また、[戻る]がタッチされると、電話帳制限機能に関する設定を変更することなく、図10(a)の画面表示に戻る。[する]または[しない]がタッチされた場合、暗証番号(ロックNo.)の入力が要求される(図10(c)参照)。ここで、正しい暗証番号が入力された上で[完了]ボタン73がタッチされると、電話帳制限機能の設定が変更された状態で、最初の設定画面に戻る(図10(d)参照)。このとき、入力された暗証番号が誤ったものである場合、その旨を表すメッセージが表示され、暗証番号の再入力が促される。すなわち、正しい暗証番号が入力されない限り、電話帳制限機能の設定は変更されないようになっている。
【0051】
上記構成によれば、次のような効果が得られる。
BT電話機13がハンズフリー装置2に接続中であり且つ使用対象として選択されている場合、そのBT電話機13に対応するBT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶されている電話帳データが利用可能になる。また、車載電話機4が使用対象として選択されている場合、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されている電話帳データが利用可能になる。そのため、ユーザは、各電話帳データの所望の登録名をタッチ操作により選択するだけで、その登録名に対応付けられた電話番号への発信動作を行うことができる。
【0052】
BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶された電話帳データに対して利用可能フラグを設け、その利用可能フラグが「1」に設定されたものは、車載電話機4用の電話帳データとして車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送される。従って、車載電話機4用の電話帳データの登録作業が容易に行えるようになる。また、その電話帳データの数が多い場合であっても、ユーザは利用可能フラグの設定を行うだけでよく、データの転送作業は車載機1側で自動的に行われる。そのため、例えばユーザが手入力などの操作を行うことにより車載電話機4用の電話帳データを登録する場合に比べ、利便性が格段に向上する。
【0053】
上記したように、BT電話機13用の電話帳データは、利用可能フラグが「1」に設定されていない限り、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送されない。各BT電話機13に対する利用可能フラグの設定は、そのBT電話機13を所持するユーザにより行われる。従って、BT電話機用電話帳データ記憶領域22に記憶された電話帳データ、すなわちBT電話機13に保存された電話帳データがむやみに利用可能な状態になることを防止でき、そのセキュリティを高めることができる。
【0054】
利用可能フラグの設定については、BT電話機13を登録した後、最初に電話帳機能を利用する際に行われる。ただし、その後も、利用可能フラグの設定変更を行い得るようにした。これにより、例えば、複数のユーザにより車両を共有する場合、各ユーザは、自身が車両を使用する場合には自身が所持するBT電話機13に対応した電話帳データを車載電話機4用の電話帳データとして利用できるように設定し、そうでない場合には自身が所持するBT電話機13に対応した電話帳データを車載電話機4用の電話帳データとして利用できないように設定することが可能となる。このようにすれば、自身のBT電話機13の電話帳データが他のユーザにより利用されることを抑止することができ、そのセキュリティが高まる。
【0055】
図3に示した電話帳データ転送処理において、利用可能フラグが「1」に設定されたBT電話機13用の電話帳データを車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送する際、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空であるか否かを判断するステップS7を設け、空である(ステップS7で「YES」となる)ことを条件として上記電話帳データの転送を行うようにした。このようにすれば、自動的に電話帳データが転送されてしまうことにより、車載電話機用電話帳データ記憶領域23に既に記憶されていた電話帳データが、不用意に変更または消去されてしまう事態の発生を未然に防止することができる。
【0056】
車載電話機4の電話帳に関する設定において、利用可能フラグが「1」に設定されており、且つ、接続中であるBT電話機13用の電話帳データを車載電話機用電話帳データ記憶領域23に転送する際、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空であれば、そのまま電話帳データの転送が行われる。これに対し、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空でない場合、データの転送方法(上書き、追加)を確認するようにした。ユーザは、既に車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶されている電話帳データが必要ない場合には「上書き」を選択し、必要である場合には「追加」を選択すればよい。このような確認を行うことにより、車載電話機4用の電話帳データについての利便性がさらに高まることになる。
【0057】
車載電話機4を使用対象とした状態において、車載電話機用電話帳データ記憶領域23が空である場合に電話帳機能を利用しようとすると、車載電話機4の電話帳に関する設定画面(図8(b)参照)が表示されるようにした。その設定画面からは、電話帳作成を行うための電話帳作成画面や、前述したBT電話機用電話帳データ記憶領域22からの電話帳データの転送を行うための設定画面などに遷移可能としている。このようにすれば、車載電話機4用の電話帳データが空である場合には、電話帳データの登録をユーザに促すことが可能となる。
【0058】
また、上記設定画面からは、車載電話機4用の電話帳データを編集するための電話帳編集画面にも遷移可能としている。その電話帳編集画面において、ユーザにより所定の電話帳編集操作が行われると、その操作に応じて車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶された電話帳データが編集(変更)される。車載電話機用電話帳データ記憶領域23に記憶された電話帳データが電話帳データ転送処理によりBT電話機用電話帳データ記憶領域22から転送されたものである場合、そのデータはBT電話機13用の電話帳データと同一の内容ではあるが、あくまでもコピーされたものである。そのため、車載電話機4用の電話帳データについて、そのオリジナルであるBT電話機13用の電話帳データに全く影響を及ぼすことなく編集作業を行うことが可能であるため、このような面からも利便性が向上する。
【0059】
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
車載機と外部の携帯電話機との間で通信を行う通信手段としては、BTインターフェース部に限らずともよい。すなわち、車載機と外部の携帯電話機との間の接続は、Bluetoothに限らずともよく、他方式の近距離無線通信であってもよいし、あるいは、有線により接続する構成であってもよい。車載機側の通信手段を変更する場合、外部の携帯電話機側の通信手段についても、採用する車載機側の通信手段に対応するものに変更すればよい。また、その際、ハンズフリー通信、電話帳データの転送などを行うための通信プロトコルについても適宜変更すればよい。
【0060】
車載機1は、車両用のナビゲーション装置と併せた構成でもよい。そのような構成によれば、ナビゲーション装置に搭載される一部の構成(例えば、ディスプレイ装置3、BTインターフェース部6、記憶部8、表示制御部9、タッチ操作入力部10など)を共通利用することが可能になり、全体としての構成が削減される。これにより、全体としてのコストダウン、サイズダウンなどを図ることができる。
【符号の説明】
【0061】
図面中、1は車載機、2はハンズフリー装置(ハンズフリー手段)、4はDCM(車載電話機)、5は制御部(第1電話帳管理手段、第2電話帳管理手段)、6はBTインターフェース部(通信手段)、10はタッチ操作入力部(操作受付手段)、13はBT対応携帯電話機(携帯電話機)、18は通信網、22はBT電話機用電話帳データ記憶領域(第1電話帳記憶手段)、23は車載電話機用電話帳データ記憶領域(第2電話帳記憶手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を通じた音声通話を実行可能に構成された車載電話機と、
外部の携帯電話機との間で通信を行う通信手段と、
前記車載電話機を用いたハンズフリー通話および前記通信手段を介して前記外部の携帯電話機を用いたハンズフリー通話を実行するハンズフリー手段と、
前記外部の携帯電話機を用いたハンズフリー通話の際に利用可能な第1電話帳データが記憶される第1電話帳記憶手段と、
前記車載電話機を用いたハンズフリー通話の際に利用可能な第2電話帳データが記憶される第2電話帳記憶手段と、
前記通信手段を介して前記外部の携帯電話機に記憶されている電話帳データを取得し、その取得した電話帳データを前記第1電話帳データとして前記第1電話帳記憶手段に記憶する第1電話帳管理手段と、
ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により第1電話帳データの利用を許可する利用許可操作が受け付けられると、前記第1電話帳記憶手段に記憶されている前記第1電話帳データをコピーしたデータを前記第2電話帳データとして前記第2電話帳記憶手段に記憶する第2電話帳管理手段とを備えていることを特徴とする車載機。
【請求項2】
前記第2電話帳管理手段は、
前記操作受付手段により電話帳編集操作が受け付けられると、その電話帳編集操作に応じて、前記第2電話帳記憶手段に記憶されている前記第2電話帳データを編集することを特徴とする請求項1に記載の車載機。
【請求項3】
前記第2電話帳管理手段は、
複数の前記携帯電話機のそれぞれに対応する複数の前記第1電話帳データが前記第1電話帳記憶手段に記憶されている場合、それら複数の第1電話帳データのうち、前記利用許可操作により利用が許可されたものを前記第2電話帳データとして前記第2電話帳記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の車載機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−31081(P2013−31081A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166871(P2011−166871)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】