説明

車載用キッチンユニット

【課題】 自動車の変更に伴って簡単に積み替えられ、また自動車内だけでなく、車外へ引き出すことはもとより、車外へ運び出して使用でき、自動車内に収納した状態でも専有面積が小さく、構造が簡単であり、長期にわたって広範囲に利用できる車載用キッチンユニットを提供する。
【解決手段】 自動車30の後部デッキ31上に搭載可能で、後部開口部より外方へ張り出し可能なキッチンユニット1を備え、キッチンユニット1はシンク1bと水栓金具6とを有し、後部デッキ31上に複数の留め具21を介して着脱可能に固定される支持板2と、この支持板2上からキッチンユニット1の一側面を外方へ張り出し可能に支持する一組のスライドレール4とを備え、支持板2を後部デッキ31上から取り外すことにより、キッチンユニット1を車外へ移動して使用できるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、後部ドアが上方や一側方あるいは両側方に開放される後部開口部を有し、その後部開口部内の車体後部デッキ上に固定可能な車載用キッチンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車載用キッチンユニットに関する先行技術に、「車室後方両側に調理ユニット支持体が配設され、左右に流し槽および加熱器を備えた調理ユニットの左右両側部が、前記左右一対の調理ユニット支持体に摺動支持手段を介して前後に摺動自在に取付けられ、前記左右一対の調理ユニット支持手段のいずれか一方または両方の外側に上水タンクが配置され、前記流し槽に注水手段が設けられ、該上水タンクには該注水手段の開閉操作で動作または停止する給水ポンプが付設され、該給水ポンプと前記流し槽の注水手段とは可撓性給水管を介して相互に接続され、前記流し槽の下方に排水タンクが前記調理ユニットと別体に配設され、該流し槽の底部と該排水タンクとは可撓性排水管を介して相互に接続された車載調理装置」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−118172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の車載調理装置は、車室後方の両側に調理ユニット支持手段が固設され、調理ユニットの左右両側部が左右一対の調理ユニット支持体に摺動支持手段を介して前後に摺動自在に取り付けられている。したがって、調理ユニットを車室後方から車外へ引き出して使用することができる。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の調理ユニットは、つぎのような点で改良の余地が有る。すなわち、
1.調理ユニットを車室後方から車外へ取り出して使用することが困難である。
【0006】
2.搭載する自動車を変更したときに、調理ユニットを積み替えることが困難である。
【0007】
3.調理ユニットが車室後方の幅一杯に設けられているので、車室後方の空きスペースが制限され、荷物を積み込むのに不便である。
【0008】
4.調理ユニット以外の利用が制限され、利用範囲が狭い。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、自動車の変更に伴って簡単に積み替えられ、また自動車内だけでなく、車外へ引き出すことはもとより、車外へ運び出して使用でき、
さらに自動車内に収納した状態でも専有面積が小さく、構造が簡単であり、長期にわたって広範囲に利用できる車載用キッチンユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明にかかる車載用キッチンユニットは、車体の後部デッキ上に搭載可能で、車体の後部開口部より外方へ張り出し可能なキッチンユニットを備え、前記キッチンユニットはシンクと水栓金具とを有し、前記後部デッキ上に複数の留め金具を介して着脱可能に固定される支持板と、この支持板上から前記キッチンユニットの一側面を外方へ張り出し可能に支持する一組のスライドレールとを備え、前記支持板を前記後部デッキ上から取り外すことにより、前記キッチンユニットを車外へ移動して使用できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
上記の構成を有する車載用キッチンユニットによれば、後部が開口する(いいかえれば、開閉可能な後部ドアを備えた)自動車の後部デッキ上に、キッチンユニットを着脱できる。したがって、後部デッキ上に取り付けた状態で、キッチンユニットを車室内に収納して移動し、車室内だけでなく、後部開口部から車外の外方へキッチンユニットを引き出して調理することができる。また、キャンプ場など屋外でキッチンユニットを使用する場合には、留め具を緩めて取り外すことにより後部デッキ上から簡単に車外へ移動することができる。
【0012】
請求項2に記載のように、前記キッチンユニット内には排水タンクと給水タンクとを収納し、前記排水タンクは前記シンクの排水口と排水管で接続し、前記水栓金具は給水ポンプおよび給水管を介して前記給水タンクに接続するとともに、前記給水ポンプはバッテリーにより駆動可能にすることが好ましい。必要があれば、車載のバッテリーとは別個のバッテリーを用いて給水ポンプを駆動するようにもできる。
【0013】
このようにすれば、水栓金具を開放して給水タンク内の水を給水ポンプにより水栓金具から放水し、調理に使用したり洗い物や洗顔などに使用したりできる。そして、シンクの排水口から排水タンクに排水することができる。したがって、排水タンクに溜まった排水は排水タンクを取り出して任意の場所に排水でき、また給水タンク内の水がなくなれば、給水タンクに補給して繰り返し供給できる。
【0014】
請求項3に記載のように、前記バッテリーに接続されたコンセントを前記後部デッキ付近に設け、前記給水ポンプに接続したコンセントプラグ付き電源コードを前記キッチンユニットより取り出すとともに、前記水栓金具の開放操作で前記給水ポンプが駆動されるようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、車載のバッテリーを使用して水栓金具の開閉で簡単に給水ポンプにより給水したり給水を停止したりでき、非常に便利である。また、電源コードを延長するだけで、キッチンユニットを車外へ移動して使用する場合にも車載のバッテリーを用いて給水ポンプを駆動できる。もちろん、車載とは別のバッテリーを使用して給水ポンプを駆動するようにもできる。
【0016】
請求項4に記載のように、前記支持板が長方形の平板で、四隅角部の近傍に貫通孔を設けるとともに、前記支持板を設置する後部デッキにおいて前記各貫通孔に対応する位置にナット等の雌ネジ部を設け、前記各貫通孔を貫通する前記留め具としてのボルト部材を対応する前記雌ネジ部に螺合して締め付けることで前記支持板を後部デッキ上に固定することが好ましい。
【0017】
このようにすれば、自動車の後部デッキに支持板の貫通孔に対応する位置に雌ネジ部を取り付けるだけで済むので、後部デッキにダメージを与えずにキッチンユニットを着脱可能に取り付けることができる。
【0018】
請求項5に記載のように、前記支持板が長方形の平板で、同支持板の両側に側板を立設するとともに、前記各側板の内面と前記キッチンユニットの下端部外面との間にスライドレールを介設してもよい。なお。スライドレールに代えて他のスライド機構、例えばスライドガイドを使用してもよい。
【0019】
このようにすれば、支持板に対し幅一杯に間隔をあけてスライドレールを縦向きに配置してキッチンユニットを移動自在に支持できるので、キッチンユニットに大きな重量があっても、確実にスライドレールで支持して支持板より外方へ張り出すことができる。
【0020】
請求項6に記載のように、前記キッチンユニットの内側面の下端部にストッパー杆を上下動自在に取り付け、前記ストッパー杆の嵌入孔を前記支持板の外端寄りに設けることができる。
【0021】
このようにすれば、キッチンユニットを後部デッキから車体外方へ引き出した状態で、ストッパー杆を下降して支持板の嵌入孔に嵌入することにより、キッチンユニットを支持板の外端寄りに確実に固定することができ、キッチンユニットを安定して使用できる。
【0022】
請求項7に記載のように、前記キッチンユニットの前面および側面に補助テーブルを折り畳み可能に取り付けることが好ましい。
【0023】
このようにすれば、キッチンユニットを使用する際に補助テーブルを起こして携帯用のガスコンロを載置したり、補助テーブルを用いて調理したり、食事したりすることができる。
【0024】
請求項8に記載のように、前記キッチンユニットの底部の外側面寄りに補助脚を折り畳み可能または伸縮可能に設けてもよい。
【0025】
このようにすれば、キッチンユニットを後部デッキ上から車室外方へ引き出した際に、補助脚を伸張するなどして地面に接地してキッチンユニットの外端(外側面)側を支持することで、キッチンユニットを一層安定して使用できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる車載用キッチンユニットには、つぎのような優れた効果がある。
【0027】
・自動車の後部デッキ上に着脱可能に固定されるから、自動車を変更してもキッチンユニットだけを簡単に積み替えることができ、長期間使用できる。
【0028】
・キッチンユニットは車内で使用できるだけでなく、車外へ引き出したり、車外へ運び出したりして広範囲に利用できる。
【0029】
・キッチンユニットの構造が簡単でコンパクトにできるので、専有面積が小さく、自動車内に収納した状態でも邪魔になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の車載用キッチンユニットの実施形態を示す右側面図で、支持板上に位置するキッチンユニットの前面側補助テーブルが水平に展開された状態を、外側面側補助テーブルを省いて表している。
【図2】本発明の車載用キッチンユニットの実施形態を示す正面図で、支持板上に位置するキッチンユニットの前面と側面の補助テーブルを折り畳んだ状態を表している。
【図3】本発明の車載用キッチンユニットの実施形態を示す平面図で、支持板上に位置するキッチンユニットの前面と側面の補助テーブルを展開した状態を表している。
【図4】支持板上からキッチンユニットを最大限張り出してストッパーで保持した状態を示す斜視図である。
【図5】自動車の後部デッキ上に本発明の車載用キッチンユニットを固定し、支持板上からキッチンユニットを最大限張り出した使用状態の一例を示す斜視図である。
【図6】図5の支持板上からキッチンユニットを最大限張り出した使用状態を別の角度から見た斜視図である。
【図7】後部デッキ上に支持板をターンナットを用いて固定する手順を示すもので、図7(a)は後部デッキ31の、各貫通孔2aに対応する位置に貫通孔31aにターンナット32を挿入した後、後部デッキ31上に支持板2を載せた状態で、各貫通孔2aからボルト21を手でターンナット32内に押し込む状態を示す断面図、図7(b)はボルト21を1〜2回逆転させた後、正転させてボルト21をターンナット32のナット部32aにねじ込ンだ状態を示す断面図、図7(c)はボルト21の回転を継続し締め付けて支持板2を後部デッキ31上に固定した状態を示す断面図である。
【図8】スライドレールの一例を示すもので、図8(a)は図8(c)のa−a線拡大断面図、図8(b)は平面図、図8(c)は正面図で、スライドレールの最伸張状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の車載用キッチンユニットについて実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図4に示すように、車載用キッチンユニット1は自動車の後部デッキ(図5)に取り付けるための支持板2を備えている。この支持板2は隅角部を丸くした長方形状の板材で、4隅部に貫通孔2aが穿設されている。各貫通孔2aには頭部21aにゴム製のつまみ22を一体に固着したボルト21を配置し、自動車30の後部デッキ31には各貫通孔2aに対応する位置にネジ孔またはナットなどの雌ネジ部32を設ける。本例では、図7に示すように後部デッキ31の、各貫通孔2aに対応する位置に貫通孔31aを穿設し、各貫通孔31aにターンナット32を挿入する。そして、後部デッキ31上に支持板2を載せた状態で、各貫通孔2aからボルト21を手でターンナット32内に押し込み、ボルト21を1〜2回逆転させた後、正転させる。ボルト21はターンナット32のナット部32aにねじ込まれるので、そのまま回転を継続し締め付ければ、支持板2は後部デッキ31上に固定される。この構成により、支持板2を後部デッキ31上に着脱自在にボルト21で固定することができる。なお、支持板2上の貫通孔2aの周囲には、ワッシャープレートを貼着している。
【0033】
支持板2の前後両側面に、それぞれ側板3の下部内面を縦向きに一体に固定している。キッチンユニット1は前後の側板3・3の間隔に対応する奥行き寸法を有し、キッチンユニット1の前後の下端部と各側板3の内面との間に一組のスライドレール4を縦向き(上下方向)に介在させている。スライドレール4は公知の構造からなり、市販品を使用することができる。例えば、図8に示すように断面コの字状の外レール4a内に断面コの字状の中間レール4cが内装され、中間レール4c内に対向して断面コの字状の内レール4bが内装されている。外レール4aと中間レール4c間にボールベアリング4dが、中間レール4cと内レール4b間にもボールベアリング4dがそれぞれボールリテーナ4eを介して装着されている。スライドレール4は閉状態(最収縮状態)では外レール4a、中間レール4cおよび内レール4bがほぼ全長にわたって三重に重なり合う一方、開状態(最伸張状態)では外レール4aに対し内レール4bがほぼ全長にわたり露呈するように移動し、中間レール4cが外レール4aと内レール4bにほぼ1/2長さずつ跨るように移動する。スライドレール4は内外レール4a・4bを備え、一方のレール4aは側板3の内面に取り付けられ、他方のレール4bはキッチンユニット1の下端部に取り付けられている。そして、キッチンユニット1は支持板2上の位置からスライドレール4を介してスライドさせることにより、外方へ張り出す。キッチンユニット1の内側面の下端部にストッパー杆5が上下動可能に取り付けられ、このストッパー杆5を嵌入可能なストッパー孔2bが支持板2の外端寄りに穿設されている。図4に示すようにストッパー杆5の下端部をストッパー孔2bに嵌入することにより、キッチンユニット1は支持板2から外方へ張り出した状態で固定される。
【0034】
支持板2の内端寄りにも別のストッパー孔2cが設けられており、キッチンユニット1を支持板2上に戻した状態でストッパー杆5を嵌入することで、キッチンユニット1を支持板2上に固定することができる。つまり、キッチンユニット1は自動車30の後部デッキ31上に動かないように保持される。
【0035】
図1〜図3に示すように、キッチンユニット1はキッチンユニット台1aの上面にシンク(洗浄糟)1bを組み込んだ構造で、キッチンユニット台1aの前面に開閉扉1dを有し、キッチンユニット台1a内に収納室1cを備えている。キッチンユニット台1aの上面に水栓金具6を装備し、水栓金具6は蛇口6a部を引き出すことでシャワーになる構造を備えている。収納室1cには排水タンク7と給水タンク8とがそれぞれ取り出し可能に収納されており、排水タンク7内にはシンク1bの排水口1eに一端が接続された排水チューブ9の他端部が開口7aから挿入されている。また、給水タンク8には給水ポンプ10を途中に介在した給水チューブ11の一端部が開口8aから挿入され、給水チューブ11の他端が水栓金具6の給水口6bに接続されている。なお、図1に示すように、キッチンユニット台1aの外側面には、排水タンク7および給水タンク8の出し入れ用開口部1fを設けて、車外から容易に出し入れできるようにしている。
【0036】
給水ポンプ10は本実施形態では、モーター(図示せず)を一体に備え、このモーターを駆動する車載のバッテリー(図示せず)に接続するための電源コード12がキッチンユニット台1aの底部から背面側に延びている。電源コード12の一端にはコンセントプラグ13が取り付けられ、このコンセントプラグ13に対応するコンセント14を自動車の後部デッキ31付近に設けている。図示は省略するが、コンセント14はエンジンルーム(図示せず)に搭載されたバッテリーと電源ケーブルおよびヒューズを介して接続されている。また、水栓金具6の蛇口開閉レバー1cにはスイッチ(図示せず)が連動してON/OFF可能に取り付けられ、蛇口開閉レバー1cを開口方向に回転させることにより、スイッチがONになって給水ポンプ10が駆動され、給水タンク8内の水が給水チューブ11を通って蛇口6aから注出される。蛇口開閉レバー1cを逆向き(閉鎖方向)に回転させると、スイッチがOFFになって給水ポンプ10が停止し、蛇口6aからの給水が止まる。
【0037】
キッチンユニット台1aの前面に補助テーブル15が折り畳み自在に設けられ、キッチンユニット台1aの外側面に補助テーブル17が折り畳み自在に設けられている。前面の補助テーブル15は蝶番15aで水平位置から下向きに90°回転可能に連結され、直角三角形枠状の一対の支持具16を垂直面から90°両側方に展開することで補助テーブル15を水平に支持する。一方、外側面の補助テーブル17も蝶番17aで水平位置から下向きに90°回転可能に連結され、伸縮且つ折り畳み可能な一対の支持具18を収縮且つ折り畳み状態から展開し且つ伸張することで水平に支持される。補助テーブル15および補助テーブル17の折り畳み自在且つ水平に支持する方法については一例であって、本例に限定されない。なお、本例では、カセット式ガスコンロを補助テーブル15上に配置して調理用とし、補助テーブル17を主に食卓用に使用するようにしている。
【0038】
以上のようにして本実施形態にかかる車載用キッチンユニット1が構成されるが、続いて同車載用キッチンユニット1について使用態様を説明する。
【0039】
図5に示すように、車載用キッチンユニット1の支持板21を自動車30の後部デッキ31上に載置し、4隅部の各貫通孔2aのボルト21を後部デッキ31の対応する雌ネジ部32に螺合させ、頭部21aのゴム製つまみ22によりボルト21を時計方向に回転させて締め付け、支持板2を後部デッキ31上に固定する。こうした支持板2の各ボルト21による固定作業は、支持板2の4本のボルト21が露呈するようにキッチンユニット1を一側方へ張り出させた状態で行う。支持板2を後部デッキ31上に固定後は、キッチンユニット1を支持板2上の位置に戻しても、図6に示すように支持板2から外方へ張り出した位置でも使用者の好みに応じて使用できる。
【0040】
キッチンユニット1は調理や食事に使用することはもちろんのことであるが、洗顔や蛇口6a部を引き出してシャワーをすることもできる。そのほか、4本のボルト21を緩めて支持板2を後部デッキ31上から取り外し、キッチンユニット1ごと車外へ運び出して使用することもできる。また、支持板2の隅角部に配置された4本のボルト21に対応する雌ネジ部32を、後部が開口する形式の自動車(図示せず)の後部デッキに設けておけば、別の自動車にキッチンユニット1を積み替えることが可能になる。
【0041】
上記に本発明にかかる車載用キッチンユニットについて1つの実施形態を示したが、例えば、つぎのように実施することができる。すなわち、
・給水ポンプ10を駆動するためのバッテリーは、車載用バッテリーに代えて専用のバッテリーを使用してもよい。
【0042】
・支持板2に対しキッチンユニット1を水平に移動自在に支持するためのスライドレール4は、垂直に配置する代わりに支持板2の上面とキッチンユニット台1aの底面間に水平に配置してもよく、この場合は3本以上を平行に配置してもよい。
【0043】
・支持板2の上面にスライドレール4を水平に配置する場合、支持板2を後部デッキ21上に固定するためのボルト21はスライドレール4とスライドレール4の間あるいはスライドレール4の外側に設け、ボルト21の頭部に干渉しないようにボルト頭部21aとキッチンユニット台1aの底面とに隙間が生じるようにする。
【0044】
・自動車の後部デッキ31には、支持板2の貫通孔2aに対応する位置にドリルで孔を開け、ボルト21の螺合部(雌ネジ部)を設ければよいが、螺合部については上記実施形態のような品で簡単に孔部に取り付けられる製品(ターンナット)があるので、その製品を使うことができる。また、キッチンユニット1が不要になれば、後部デッキ31の孔は溶接等で簡単に塞ぐことができる。
【符号の説明】
【0045】
1 車載用キッチンユニット
1aキッチンユニット台
1bシンク(洗浄糟)
1c収納室
1d開閉扉
1e排水口
1f出し入れ用開口部
2 支持板
2a貫通孔
2b・2cストッパー孔
3 側板
4 スライドレール(スライド機構)
4a・4bレール
5 ストッパー杆
6 水栓金具
6a蛇口
6b給水口
7 排水タンク
8 給水タンク
9 排水チューブ
10 給水ポンプ
11 給水チューブ
12 電源コード
13 コンセントプラグ
14 コンセント
15 補助テーブル
15a・17a蝶番
16・18 支持具
17 補助テーブル
21 ボルト
21a頭部
22 ゴム製つまみ
30 自動車
31 後部デッキ
32 雌ネジ部(ターンナット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の後部デッキ上に搭載可能で、後部開口部より外方へ張り出し可能なキッチンユニットを備え、前記キッチンユニットはシンクと水栓金具とを有し、
前記後部デッキ上に複数の留め金具を介して着脱可能に固定される支持板と、この支持板上から前記キッチンユニットの一側面を外方へ張り出し可能に支持する一組のスライドレールとを備え、
前記支持板を前記後部デッキ上から取り外すことにより、前記キッチンユニットを車外へ移動して使用できるようにしたことを特徴とする車載用キッチンユニット。
【請求項2】
前記キッチンユニット内には排水タンクと給水タンクとを収納し、前記排水タンクは前記シンクの排水口と排水管で接続し、前記水栓金具は給水ポンプおよび給水管を介して前記給水タンクに接続するとともに、前記給水ポンプはバッテリーにより駆動可能にした請求項1記載の車載用キッチンユニット。
【請求項3】
前記バッテリーに接続されたコンセントを前記後部デッキ付近に設け、前記給水ポンプに接続したコンセントプラグ付き電源コードを前記キッチンユニットより取り出すとともに、前記水栓金具の開放操作で前記給水ポンプが駆動されるようにした請求項2記載の車載用キッチンユニット。
【請求項4】
前記支持板が長方形の平板で、四隅角部の近傍に貫通孔を設けるとともに、前記支持板を設置する後部デッキにおいて前記各貫通孔に対応する位置にナット等の雌ネジ部を設け、前記各貫通孔を貫通する前記留め具としてのボルト部材を対応する前記雌ネジ部に螺合して締め付けることで前記支持板を後部デッキ上に固定するようにした請求項1〜3のいずれか記載の車載用キッチンユニット。
【請求項5】
前記支持板が長方形の平板で、同支持板の両側に側板を立設するとともに、前記各側板の内面と前記キッチンユニットの下端部外面との間にスライドレールを介設した請求項4記載の車載用キッチンユニット。
【請求項6】
前記キッチンユニットの内側面の下端部にストッパー杆を上下動自在に取り付け、前記ストッパー杆の嵌入孔を前記支持板の外端寄りに設けた請求項1〜5のいずれかに記載の車載用キッチンユニット。
【請求項7】
前記キッチンユニットの前面および側面に補助テーブルを折り畳み可能に取り付けた請求項1〜6のいずれかに記載の車載用キッチンユニット。
【請求項8】
前記キッチンユニットの底部の外側面寄りに補助脚を折り畳み可能または伸縮可能に設けた請求項1〜7のいずれかに記載の車載用キッチンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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