説明

車輪の固定構造

【課題】 一の車輪に対し径寸法の異なる複数の車軸を接続しうる車輪の固定構造を提供する。
【解決手段】 複数の径寸法を有する車軸に対し接続可能に形成された車輪の固定構造であって、車輪と、上記車輪に設けられた軸固定孔部と、上記車輪を車軸に対し固定可能に形成されている接続部材により形成され、上記車輪は、一の径寸法を有する車軸に対し、上記軸固定孔部を介して接続されるとともに、上記一の径寸法を有する車軸と異なる他の径寸法を有する車軸に対し、接続部材を介して固定可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪の固定構造、特に、一の車輪に対し径寸法の異なる複数の車軸を接続しうる車輪の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中学校・高等学校、高等専門学校等において、各学生同士が作成したロボット同士をゲーム形式で対戦形式で、箱を積み上げたり、ボールを搬送したりする適宜の作業を行う優劣を競うロボットコンテストが開催されている。
上記ロボットコンテストに際しては、各学生がアイデアを出しながら、工作パーツを組み合わせることにより、各種のロボットが製作されている。
このような工作パーツとしては、例えば、ロボットの走行装置として構成された車輪と、その車輪を回転させるための車軸とがある。
【0003】
一般に市販されている従来の車軸には、径寸法の異なる2種類のもの(3mmのものと4mmのもの)車軸が多く使用されており、径寸法が3mmの車軸は横断面が六角形に形成され、径寸法が4mmの車軸は横断面が円形に形成されている。
これに対し、上記車軸に固定して使用される車輪には、上記2種類の車軸に共通して接続することができるものは存在せず、径の異なる各車軸に対し対応して夫々接続しうる2種類の車輪を備える必要があった。
すなわち、径が3mmの車軸を圧入により接続しうる車輪と、径4mmの車軸を接続しうる車輪とを別個に夫々備えねばならず煩雑であった。
例えば、特許文献1には、車輪を出力軸に接続しうるように形成されたギアボックスが開示されているが、このようなギアボックスに設けられた車軸に接続される車輪は、上記車軸の径寸法や形状に合わせて接続部の寸法や形状が設計されており、異なる径寸法を有する出力軸には固定することができず不便であった。
また、特許文献2には、車軸を備えた模型用減速機が開示されているが、このような減速機に設けられた車軸も、上記車軸に固定される車輪に合わせて寸法や形状が設計されており、径寸法が異なる車軸に取替えた場合は、それに接続する車輪も変更しなければならぬという煩雑がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−258135号公報
【特許文献2】実開昭63−128350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、一の車輪で径寸法の異なる複数種類の車軸に対し接続しうる車輪の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車輪の固定構造は、複数の径寸法を有する車軸に対し接続可能に形成された車輪の固定構造であって、車輪と、上記車輪に設けられた軸固定孔部と、上記車輪を車軸に対し固定可能に形成されている接続部材により形成され、上記車輪は、一の径寸法を有する車軸に対し、上記軸固定孔部を介して接続されるとともに、上記一の径寸法を有する車軸と異なる他の径寸法を有する車軸に対し、接続部材を介して固定可能に形成されていることを特徴とする。
【0007】
すなわち、一の径寸法を有する車軸は、車輪に設けられた上記軸固定孔部を介して直接に車輪と固定することができると共に、上記一の径寸法を有する車軸と異なる他の径寸法を有する車軸は、接続部材を介して上記車輪と固定することができる。
【0008】
また、本発明に係る上記車輪の固定構造にあっては、上記他の径寸法を有する車軸の端部には、上記接続部材に固定するためのネジ部と、上記接続部材と係合することにより上記車軸と上記車輪との相対回転を固定しうる回転止め部とが設けられ、上記回転止め部は、上記車軸の長さ方向に対し、直交する方向に突出して形成された突起として形成されている。
【0009】
すなわち、上記他の径寸法を有する車軸は、上記ネジ部を用いて上記接続部材に固定されると共に、上記回転止め部として形成された上記突起を上記接続部材に係合させることにより、上記接続部材との相互回転を阻止している。
【0010】
また、本発明に係る上記車輪の固定構造にあっては、上記接続部材には、上記他の径寸法を有する車軸に設けられた上記ネジ部と固定しうる車軸取付部と、上記他の径寸法を有する車軸の側面部に形成された上記突起と係合しうる回転止め係合部と、上記車輪に係合しうるように形成された車輪固定部とが設けられている。
【0011】
すなわち、上記接続部材は、上記車軸取付部と上記ネジ部とにより上記車軸に固定されると共に、上記回転止め係合部と上記回転止め部とにより上記車軸との相互回転を阻止している。
また、上記車輪固定部により上記車輪に対し一体に回転しうるように固定される。
【0012】
また、本発明に係る上記車輪の固定構造にあっては、上記接続部材は、基板部と、上記基板部に形成された筒部とを有し、上記車軸取付部は、上記基板部の中心部に設けられ、上記基板部の一方の側面部には、上記突起が係合しうる溝部が設けられると共に、他の側面部には上記車輪固定部が設けられ、上記車輪固定部は、上記筒部の周縁部に沿った複数箇所に端面部が車輪に当接すると共に、車輪固定用のネジ部材を内部に挿通しうるように形成されている。
【0013】
すなわち、上記接続部材は、上記基板部の中心部に上記車軸が固定され、上記基板部の一方の側面部に形成された上記溝部に上記車軸の上記突起が係合する。
また、上記基板部の他の側面部には上記車輪固定部が設けられ、上記車輪固定部の内部にネジ部材が挿通されて車輪と固定される。
【0014】
また、本発明に係る上記車輪の固定構造にあっては、上記軸固定孔部は、上記車輪の中心部に設けられると共に、上記軸固定孔部の周囲複数箇所には、上記接続部材に設けられた上記車輪固定部と対応しうるネジ挿通孔部が設けられている。
【0015】
すなわち、上記車輪は、上記軸固定孔部を中心として上記一の径寸法を有する車軸に対し接続されて回転されるように設けられている。
また、上記接続部材は中心部の周囲複数箇所を上記車輪と固定して接続されるが、上記車輪と固定するために形成された上記車輪固定部は、ネジ部材を挿通しうるように、上記ネジ挿通孔部と対応して形成されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の本発明に係る車輪の固定構造は、複数の径寸法を有する車軸に対し接続可能に形成された車輪の固定構造であって、車輪と、上記車輪に設けられた軸固定孔部と、上記車輪を車軸に対し固定可能に形成されている接続部材により形成され、上記車輪は、一の径寸法を有する車軸に対し、上記軸固定孔部を介して接続されるとともに、上記一の径寸法を有する車軸と異なる他の径寸法を有する車軸に対し、接続部材を介して固定可能に形成されていることから、上記一の径寸法を有する車軸は上記軸固定孔部に挿入することにより車輪に接続することができると共に、その他の径寸法を有する車軸は、上記結合部材を介し車輪に接続することができる。即ち、一の車輪に対し径寸法の異なる複数種類の車軸を接続することができる。
従って、径寸法の異なる複数種類の車軸に対し対応できるように、上記車軸の径寸法に対応しうる複数種類の車輪を準備しておく必要がなくなる。
【0017】
請求項2記載の本発明に係る車輪の固定構造は、上記他の径寸法を有する車軸の端部には、上記接続部材に固定するためのネジ部と、上記接続部材と係合することにより上記車軸と上記車輪との相対回転を固定しうる回転止め部とが設けられ、上記回転止め部は、上記車軸の長さ方向に対し、直交する方向に突出して形成された突起として形成されていることから、上記他の径寸法を有する車軸は、上記ネジ部により上記接続部材に対し容易に固定することができ、又、上記回転止め部により、上記接続部材は上記他の径寸法を有する車軸と一体に回転することから、上記車軸により伝達される回転運動を上記車輪に対し伝達することができる。
また、上記回転止め部は上記突起により容易に形成することができる。
【0018】
請求項3記載の本発明に係る車輪の固定構造は、上記接続部材には、上記他の径寸法を有する車軸に設けられた上記ネジ部と固定しうる車軸取付部と、上記他の径寸法を有する車軸の側面部に形成された上記突起と係合しうる回転止め係合部と、上記車輪に係合しうるように形成された車輪固定部とが設けられていることから、上記接続部材と上記他の径寸法を有する車軸とを相互に回転しないように固定して一体に回転させることができると共に、上記車輪固定部により上記接続部材を上記車輪に固定することにより、上記接続部材を介し、上記他の径寸法を有する車軸と上記車輪とを容易に固定して接続することができる。
【0019】
請求項4記載の本発明に係る車輪の固定構造は、上記接続部材は、基板部と、上記基板部に形成された筒部とを有し、上記車軸取付部は、上記基板部の中心部に設けられ、上記基板部の一方の側面部には、上記突起が係合しうる溝部が設けられると共に、他の側面部には上記車輪固定部が設けられ、上記車輪固定部は、上記筒部の周縁部に沿った複数箇所に端面部が車輪に当接すると共に、車輪固定用のネジ部材を内部に挿通しうるように形成されていることから、上記他の径寸法を有する車軸を上記車軸取付部に固定することにより上記基板部の中心部に接続することができると共に、上記突起を上記溝部に係合させることにより、上記他の径寸法を有する車軸を上記基板部の一方の側面部に容易に回転止めして接続し、上記他の径寸法を有する車軸と上記接続部材とを一体に回転させることができる。
また、上記車輪固定部の端面部により車輪を支持しながら、上記車輪固定部内に挿通したネジ部材により上記接続部材と上記車輪とを容易に接続して安定的に固定することができる。
【0020】
請求項5記載の本発明に係る車輪の固定構造は、上記軸固定孔部は、上記車輪の中心部に設けられると共に、上記軸固定孔部の周囲複数箇所には、上記接続部材に設けられた上記車輪固定部と対応しうるネジ挿通孔部が設けられていることから、上記一の径寸法を有する車軸は、上記軸固定孔部に挿入することにより上記車輪の中心部に接続して上記軸固定孔部を中心として車輪を回転させることができる。
また、上記接続部材に設けられた上記車輪固定部と、それに対応して設けられた車輪のネジ挿通孔部とに、ネジ部材を挿通して固定することにより、上記接続部材と上記車輪とを固定して容易に接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る車輪11の固定構造14は、複数の径寸法を有する車軸12,13に対し接続可能に形成された車輪11の固定構造14であって、図1乃至図6に示すように、車輪11と、上記車輪11に設けられた軸固定孔部22と、上記車輪11を車軸13に対し固定可能に形成されている接続部材15により形成され、上記車輪11は、一の径寸法を有する車軸12に対し、図7に示すように、上記軸固定孔部22を介して接続されるとともに、上記一の径寸法を有する車軸12と異なる他の径寸法を有する車軸13に対し、図9に示すように、接続部材15を介して固定可能に形成されている。
また、上記他の径寸法を有する車軸13の端部には、図2及び図8に示すように、上記接続部材15に固定するためのネジ部16と、上記接続部材15と係合することにより上記車軸13と上記車輪11との相対回転を固定しうる回転止め部17とが設けられ、上記回転止め部17は、上記車軸13の長さ方向に対し、直交する方向に突出して形成された突起18として形成されている。
また、上記接続部材15には、図3乃至図6に示すように、上記他の径寸法を有する車軸13に設けられた上記ネジ部16と固定しうる車軸取付部26と、上記他の径寸法を有する車軸13の側面部に形成された上記突起18と係合しうる回転止め係合部36と、上記車輪11に係合しうるように形成された車輪固定部29とが設けられている。
また、上記接続部材15は、図3乃至図6に示すように、基板部25と、上記基板部25に形成された筒部28とを有し、上記車軸取付部26は、上記基板部25の中心部に設けられ、上記基板部25の一方の側面部には、上記突起18が係合しうる溝部27が設けられると共に、他の側面部には上記車輪固定部29が設けられ、上記車輪固定部29は、上記筒部28の周縁部に沿った複数箇所に端面部31が車輪11に当接すると共に、車輪固定用のネジ部材30を内部に挿通しうるように形成されている。
また、図1に示すように、上記軸固定孔部22は、上記車輪11の中心部に設けられると共に、上記軸固定孔部22の周囲複数箇所には、上記接続部材15に設けられた上記車輪固定部29と対応しうるネジ挿通孔部24が設けられている。
【実施例1】
【0022】
図1乃至10は実施例に係る車輪11と車軸12,13の固定構造14を示したものである。
本実施例に係る上記固定構造14では、図1に示すような車輪11と、図2に示すような2本の車軸12,13と、図3乃至図6に示すような接続部材15とにより構成されている。
【0023】
図2は本実施例に係る固定構造14で使用される2種類の金属製の車軸12,13を示している。
一の径寸法を有する車軸12は、外径寸法が3mmであって、横断面は六角形に形成されている。
他の径寸法を有する車軸13は、外径寸法が4mmであって、横断面は円形に形成されている。
【0024】
上記他の車軸13は、車輪11を取り付ける側の長さ方向端部にネジ部16が設けられると共に、上記ネジ部16の内方近傍に回転止め部17が設けられている。
上記回転止め部17は、上記車軸13の側面部に突起18、18として形成され、上記突起18、18は車軸13の長さ方向に対し直交して突出するように2つ形成されている。
【0025】
図1は上記車輪11の軸方向内側面部を示したものである。
上記車輪11はABS樹脂等のプラスチック製のホイール部19と、上記ホイール部19の外周部に装着されたゴム製のタイヤ部20とからなり、上記ホイール部19の中心部には筒状の軸受部21が設けられ、上記軸受部21の内部に軸固定孔部22が設けられている。
上記軸固定孔部22は、横断面形状が、上記一の車軸12の横断面形状と略同一の形状を有する横断面六角形に形成され、上記一の車軸12を圧入して接続することにより、上記車輪11を上記車軸12に対し固定することができる。
この場合、他の車軸13は上記軸固定孔部22と異なる横断面形状及び径寸法を有することから圧入することはできず、他の車軸13と車輪11は直接接続することはできない。
【0026】
また、上記車輪11において、上記軸固定孔部22の周囲3箇所には、有底の短円筒状の接続部材係合部23、23,23が設けられ、上記各接続部材係合部23の中心部にはネジ挿通孔部24が設けられている。
上記各接続部材係合部23,23,23は、上記軸固定孔部22を中心として略120度毎に均等に3つの箇所に設けられている。
【0027】
図3乃至図6は接続部材15を示したものである。
上記接続部材15は、上記一の車軸と異なる径寸法を有する上記他の車軸13に対し単独で接続することができなかった上記車輪11を接続できるように形成されている。上記接続部材15はABC樹脂等のプラスチックにより形成されている。
【0028】
上記接続部材15は、円板状に形成された基板部25を有し、上記基板部25の中心部には車軸取付部26が設けられている。
上記車軸取付部26は、上記基板部25の一方の側面部から筒状に突出するように形成され、上記車軸取付部26に回転止め係合部36が設けられている。
上記回転止め係合部36は、上記車軸取付部26の先端縁部に略十字状の溝部27として形成されている。
上記溝部27は、上記車軸13に形成された突起18、18が係合しうるように形成されている。
【0029】
上記基板部25の他方の側面部には筒部28が形成され、上記筒部28の周縁部に沿って、上記車輪11に形成された各接続部材係合部23に対応して、上記車軸取付部26を中心として略120度毎に均等に3つの箇所に、夫々筒状の車輪固定部29、29,29が設けられている。
従って、上記車輪11に設けられている軸固定部22と各接続部材係合部23,23,23との間隔寸法と、上記接続部材15に設けられている車軸取付部26と各車軸固定部29,29,29との間隔寸法とは略同じ間隔寸法に形成されている。
また、上記接続部材15に設けられている各車輪固定部29,29,29の各筒部28,28,28の外径寸法は、上記車輪11に設けられている短円筒状に形成されている各接続部材係合部23,23,23の内径寸法と略同じ径寸法に形成されている。
したがって、上記各車輪固定部29,29,29の各筒部28,28,28を、上記各接続部材係合部23,23,23の内側側に嵌めることにより、夫々係合させることにより、上記接続部材15を上記車輪11に対し固定することができる。
また、上記各車輪固定部29は内部にネジ部材30を挿通しうるように形成され、端面部31は上記車輪11に設けられた上記接続部材係合部23と当接しうるように形成されている。
従って、上記接続部材15に設けられている上記各車輪固定部29、29,29と、上記車輪11に設けられている各接続部材係合部23,23,23とに対し、連通してネジ部材30を夫々挿通させることにより、上記接続部材15と、上記車輪11とを互いに接続して固定することができる。
【0030】
次に、本実施例の作用について説明する。
上記一の径寸法を有する車軸12は、長さ方向の一端を上記車輪11における軸受部21の内部に設けられた上記軸固定孔部22に圧入することにより、車輪11に固定して接続することができる。
これに対し、上記他の径寸法を有する車軸13は、上記接続部材15を介して上記車輪11に接続することができる。
すなわち、上記接続部材15を用いることにより、上記複数種類の車軸12,13に対し一の車輪11を用意するだけで接続し固定することができる。
したがって、径の異なる複数種類の車軸と対応して車軸取付部のサイズが異なる複数種類の車輪を準備して用意しておくということが必要がない。
【0031】
上記車輪11を上記他の車軸13に固定するには、まず、図8、図9に示すように、上記他の車軸13と上記接続部材15とを固定する。
図8に示すように、上記車軸13は先端部に形成した上記ネジ部16を、上記接続部材15の上記車軸取付部26に挿通し、上記ネジ部16の長さ方向先端部にナット32を螺着して固定することができる。
その場合、上記車軸13に形成された上記突起18を上記溝部27に係合させる。これにより、上記車軸13は上記接続部材15に対し回転止めされ、上記他の車軸13と上記接続部材15との相対回転が防止され、上記車軸13の回転力が上記接続部材15に対し確実に伝達される。
また、上記接続部材15は、上記各突起18,18と上記ネジ部16の先端部に螺着されたナット32とにより挟着され、上記他の車軸13に対し上記接続部材15が接続して固定される。
次に、車軸13と固定した上記接続部材15と上記車輪11とを固定する。
上記接続部材15と上記車輪11とを固定するには、図9に示すように、上記接続部材15に設けられた上記車輪固定部29の端面部31を、上記車輪11に設けられた上記接続部材係合部23に係合させ、上記車輪固定部29の端面部31を車輪11に当接させる。
この状態で、車輪11の外側面部からネジ部材30を上記車輪11の上記ネジ挿通孔部24に挿通し、さらに、上記ネジ部材30を上記接続部材15の上記車輪固定部29の内部に挿通させ、上記車輪固定部29から貫出した上記ネジ部材30の先端部にナット33を螺着させる。
これにより、上記接続部材15と車輪11とが固定され、上記他の車軸13は上記接続部材15を介して上記車輪11と固定することができる。
すなわち、上記接続部材15を用いることにより、上記他の車軸13に直接固定できない上記車輪11を容易に固定することができる。
なお、図10に示すように、上記車輪11と固定した上記他の車軸13の他端部には、取付基板34上に固定された駆動装置35に接続することができ、上記駆動装置35により車軸13と車輪11とを一体に回転させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、教材用のロボット等を製作するために使用する工作パーツであって、複数の径の異なる車軸と固定する可能性のある車輪に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例に係る車輪の内側面図である。
【図2】本発明の実施例に係る2種類の車軸の斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る接続部材の斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る接続部材の内側面図である。
【図5】本発明の実施例に係る接続部材の外側面図である。
【図6】本発明の実施例に係る接続部材の平面図である。
【図7】本発明の実施例に係る一の径寸法を有する車軸を車輪に接続した状態の断面図である。
【図8】本発明の実施例に係る他の径寸法を有する車軸を接続部材に接続した状態の断面図である。
【図9】本発明の実施例に係る他の径寸法を有する車軸を接続部材を介し車輪に接続した状態の断面図である。
【図10】本発明の実施例に係る車輪と固定した車軸を駆動装置に接続した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
11 車輪
12 車軸
13 車軸
14 固定構造
15 接続部材
16 ネジ部
17 回転止め部
18 突起
19 ホイール部
20 タイヤ部
21 軸受部
22 軸固定孔部
23 接続部材係合部
24 ネジ挿通孔部
25 基板部
26 車軸取付部
27 溝部
28 筒部
29 車輪固定部
30 ネジ部材
31 端面部
32 ナット
33 ナット
34 取付基板
35 駆動装置
36 回転止め係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の径寸法を有する車軸に対し接続可能に形成された車輪の固定構造であって、
車輪と、上記車輪に設けられた軸固定孔部と、上記車輪を車軸に対し固定可能に形成されている接続部材により形成され、
上記車輪は、一の径寸法を有する車軸に対し、上記軸固定孔部を介して接続されるとともに、
上記一の径寸法を有する車軸と異なる他の径寸法を有する車軸に対し、接続部材を介して固定可能に形成されていることを特徴とする車輪の固定構造。
【請求項2】
上記他の径寸法を有する車軸の端部には、上記接続部材に固定するためのネジ部と、上記接続部材と係合することにより上記車軸と上記車輪との相対回転を固定しうる回転止め部とが設けられ、
上記回転止め部は、上記車軸の長さ方向に対し、直交する方向に突出して形成された突起として形成されていることを特徴とする請求項1記載の車輪の固定構造。
【請求項3】
上記接続部材には、上記他の径寸法を有する車軸に設けられた上記ネジ部と固定しうる車軸取付部と、上記他の径寸法を有する車軸の側面部に形成された上記突起と係合しうる回転止め係合部と、上記車輪に係合しうるように形成された車輪固定部とが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の車輪の固定構造。
【請求項4】
上記接続部材は、基板部と、上記基板部に形成された筒部とを有し、
上記車軸取付部は、上記基板部の中心部に設けられ、
上記基板部の一方の側面部には、上記突起が係合しうる溝部が設けられると共に、他の側面部には上記車輪固定部が設けられ、
上記車輪固定部は、上記筒部の周縁部に沿った複数箇所に端面部が車輪に当接すると共に、車輪固定用のネジ部材を内部に挿通しうるように形成されていることを特徴とする請求項3記載の車輪の固定構造。
【請求項5】
上記軸固定孔部は、上記車輪の中心部に設けられると共に、上記軸固定孔部の周囲複数箇所には、上記接続部材に設けられた上記車輪固定部と対応しうるネジ挿通孔部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の車輪の固定構造。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−307991(P2007−307991A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138184(P2006−138184)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000129264)株式会社キクイチ (10)