説明

軌道走行鉄道車両運搬車

少なくとも1個の駆動装置(28)により又は給電装置を介して駆動される電車電動機及びブレーキ設備を一部又は全部が備えた複数個の輪軸(4)と、側ばり(6、6’)を有し、被送自走式鉄道車両(2)の線路(16)のレール(17)が上に取付けられた台枠(5)と、旋回可能に支承されたフロントゲート(7)と、ドッキングランプ(20)のためのドッキング装置と、ブレーキ設備、運転装置、保安装置、照明装置、センサ装置及び制御装置と、被送鉄道車両(2)のために設けられた制御装置とを有する軌道走行鉄道車両運搬車(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念の特徴を有する軌道走行鉄道車両運搬車及び軌道走行鉄道車両運搬車のためのドッキングステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
このような軌道走行鉄道車両運搬車は周知であり、標準軌間鉄道に有効な車両限界長を有する被牽引車として、標準軌間路線での狭軌鉄道車両の輸送、搬送のために、例えば目的地又は同じ軌間の別の路線への貨車の移送のために利用される。この鉄道車両運搬車は低い台枠を有し、また被送鉄道車両の出入りのための旋回可能なフロントゲートを有する。フロントゲートは外側に衝撃緩衝用の顎部材と幹線鉄道連結器を保持し、右又は左へ任意に旋回することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
狭軌路線を有する多数の路面鉄道網があるが、新規建設により、又は異なる軌間の別の既存路線の軌間変更により路面鉄道網を拡張しなければ、都市の広がるサービスエリアにこの多数の路線鉄道網を適応させることはできない。
【0004】
その結果、おびただしい数の乗換えを伴う複雑な構造の交通複合体と、それに対応する対策工事が生じる。それは利用者及び/又は鉄道網の経営者にとって、簡単にできるものではない。
【0005】
同じことが狭軌郊外鉄道網及び地域鉄道網にも当てはまる。それには多数の車両とそれに要する鉄道網の特殊構造物が必要である。
【0006】
標準軌間への軌間変更を行う場合には、コストが高くなるほかに、交通の時間に長い支障をきたすと共に、運転上の不都合が生じるばかりでなく、狭軌によって少ない動力消費、摩耗及び騒音発生などのこれまでに克服されていた課題が、線路の曲線半径が小さくなることによりもたらされてしまう。
【0007】
本発明の課題は、軌道走行鉄道車両運搬車の路線で標準路線に適応して、軌道走行鉄道車両運搬車への被送鉄道車両の乗入れ又は退出時に遅れがほとんどなく、自走式の被送鉄道車両とともに自己の駆動装置で運転することができる軌道走行鉄道車両運搬車を提供することである。
【課題を解決する手段】
【0008】
この課題は、請求項1の上位概念に基づく軌道走行鉄道車両運搬車において、請求項1の特徴開示部分の特徴によって解決される。従属請求項は本発明の特に有利な実施態様に関するものであり、請求項1とともに明細書の構成部分をなす。
【0009】
駆動装置もしくは外部電線網例えば架線又は給電装置から給電される変圧器及び/又は変流器からなる電源装置、並びにこれらの設備及び/又は装置及び軌道走行鉄道車両運搬車の自走運転のために設けられた制御装置、被送鉄道車両で直接に制御を行う又は鉄道車両運搬車の制御装置を介して制御を行う装置、を軌道走行鉄道車両運搬車に装備することによって、上記の課題を解決し、自走式鉄道車両を都市区域の自家路線から特に標準軌間路線又は地下鉄網を含む他の軌間の鉄道へ運ぶことが可能になり、それによって、車両の製造、又は路線の建設、またそれに伴って財務的な多額の支出などの多種の行為を行わずにすむ。その場合、利用者は、路線変更において列車を搬送することによる時間遅れを、ほとんど受けなくてよい。
【0010】
公知の機械的及び電気的連結部材を適用することによって、自走軌道走行鉄道車両運搬車の上の被送鉄道車両とこの運搬車との高性能な、かつ公知の装置の使用に関連した確実な機械的固定及び電気的結合が得られる。その場合この連結及び結合部材のためにフロントゲートを採用することによって、被送鉄道車両の搬入と、この車両が搬出されて別の線路に解放さえる行程が大幅に簡素化され、車両固定の安全性が輸送中に阻害されることはない。制御可能な機械的連結装置によって迅速な嵌脱ができ、また拡張形の差込プラグ電気連結装置によって2つの車両の間の制御とデータ交換が良好に行われるので、走行運転中の応用操作が容易になる。
【0011】
ある路線から別の路線へ車両の移行を迅速かつ簡単に実施するために、特に自走式の被送鉄道車両が自走軌道走行鉄道車両運搬車に搬入され、且つ、この運搬車から搬出されるためのドッキングランプとのドッキング装置が必要である。その場合、2つの車両を向き合わせて直線走行させることにより、被送鉄道車両の移行は、とても容易なものとなる。双方の確実迅速なドッキングのために、鉄道車両運搬車はランプ緩衝器及び制御可能な連結装置を必要とする。通常、標準軌間の幹線鉄道路線での走行のために、フロントゲートが外側に緩衝部材を保持し、さらに前述の連結器及び照明装置を保持すれば好都合である。
【0012】
架線による鉄道車両運搬車の外部給電を行う場合は、さらに強電流に適した電気連結器の接続が不可欠である。しかし、この接続の実施又は切り離しの補助操作が面倒となり、路線の移行を困難にする場合には、この問題を回避するために、この電気連結器を機械的及び電気的連結装置に付設しなければならない。
【0013】
鉄道車両運搬車の汎用性のために、両方の端面にフロントゲートを取付けることが重要である。その場合、運搬車と鉄道車両との連結は走行方向で適宜に行い、被送鉄道車両の他方の端部は開放したままである。しかし、被送鉄道車両の両端で連結が行われるように、縦寸法を選定することも可能である。但しそれによって費用が増加する。
【0014】
横への張り出しを小さくするために、フロントゲートを2枚の開き戸で構成することも可能である。
【0015】
フロントゲートを自在に開閉させるために、フロントゲートの下側を被送鉄道車両の線路のレール頭部の上で終わらせるのが好都合である。
【0016】
フロントゲートは、当該の連結器との距離が短く、公知のフロントゲートよりはるかに大きな厚さ及び高さとなるように、軌道走行運搬車に形成してもよく、これにより、相当に大きな寸法の駆動装置又は給電装置を格納することができる。これらの装置は発電機又は油圧ポンプ併用の内燃機関、例えばガソリン機関、ガスタービン、スターリングエンジン又は特にディーゼル機関もしくは変圧器及び/又は変流器もしくは電気又は電動変換器又は大出力エネルギー貯蔵装置、例えば蓄電池、電気化学的発電装置又は機械式慣性蓄勢装置である。
【0017】
被送鉄道車両のドア区域を空けておく必要がなければ、これらの装置を側ばりの上に置かれた側ばりの付属部の内に格納してもよい。
【0018】
台枠が極めて低く配置された低床車としての鉄道車両運搬車の構造は、取付けのスペースが少ないので、側ばりの付属部をそのために利用し、制御及び充電装置、照明及び検査装置、操縦及び制動装置を含む走行運転装置、給電装置、蓄電装置の機器類をここに取付けること、及び/又は、運転資材及び/又は燃料の容器を取付けること、はすこぶる経済的である。
【0019】
被送鉄道車両が自走式鉄道車両運搬車とともにその路線で走行するときに、プラットホームの縁が、車床の高さと一致しない、被送鉄道車両に対する間隙を有することがよくある。水平方向の間隙に橋渡しするだけでよければ、自走式鉄道車両運搬車の側ばりの上の踏み板、又はドアが開いた時に下車及び乗車に適した位置に自動的に移動させられる制御可能な装置、を設けるによって、この橋渡しを行うことができ、このことは交通の進行のために極めて好都合である。車床とプラットホームの縁の高低差への適応にも同じことが当てはまる。
【0020】
また自走式鉄道車両運搬車の側ばりを適当な高さで終わらせ、固定踏み板を取付けることも可能である。
【0021】
自走式鉄道車両運搬車の駆動装置としての電車電動機にその路線の架線から給電する場合は、被送鉄道車両を経て給電線を導くのが特に有利な解決策である。そのために電力連結器を制御に基づき連結し得るように設けることが好ましく、所望の電圧を要する場合には、変圧器を介して給電を行うことが好ましい。変圧器は被送鉄道車両のとりわけ屋根に取付けてもよい。
【0022】
鉄道車両運搬車の駆動装置の装備は、単数個又は複数個の装置、即ち燃焼機関とりわけ内燃機関、例えばガソリン又はディーゼル機関、ガスタービン、スターリング機関と様々であり、これらは、内燃機関電気式又は内燃機関油圧式に、もしくは被送鉄道車両(2)からの給電の場合は電気油圧式に構成され、鉄道車両運搬車の路線よっては、電気変換装置、即ち変圧器/変流器も備える。
【0023】
路面鉄道における近代的な鉄道車両では、連接構造によって、幹線鉄道路線、さらには郊外鉄道路線で許容される非連接鉄道車両の寸法長さを超える全長にすることが可能である。このため自走式鉄道車両運搬車も、2台以上の連接部分車両に分割することが必要になる。その場合には、運搬車の自由な端面にはフロントゲートが設けられ、被送鉄道車両は、より簡単な操作によって、より大きな走行安定性を得るために、走行方向にあるフロントゲートの連結器により連結されることが好ましい。また、全長を調整して両方のフロントゲートの連結器で連結することも可能である。
【0024】
特に好ましい実施形態は、2つの鉄道車両運搬車部分からなり、関節継手を備えた鉄道車両運搬車である。その場合、垂直方向における関節軸が被送鉄道車両の車両連接部の関節軸と一致するならば特に好都合である。このような場合には、鉄道車両運搬車がレールにより曲線走行したとしても、車両連節部を補償することが可能となり、また、被送鉄道車両は車輪に伝達される縦運動をあまり受けなくてすむからである。
【0025】
鉄道車両運搬車の曲線走行時において、被送鉄道車両のレール間隔の変化を補償するための実際の方法としては、このレールを全体として移動可能に支承することが挙げられる。但し、その場合はスリップを減少するために、走行装置である車輪が、走行中に自走式鉄道車両運搬車の上で無制動となるか、又は車輪が回転とともに解錠されるように車軸に取付けられ、自由回転可能でなければならない。
【0026】
別の方法としては、固定レールを使用してもよい。この場合には、各車両が直線状の位置にあってフロントゲートが開いている時には、連接区域にレール中間片が挿入され、ゲート閉鎖時にはこの中間片が離脱又は旋回するようになっている。このようにして、曲線走行時におけるレール間隔の変化を自由に補償することができる。
【0027】
別の方法としては、レール頭部を分割し、それぞれ右部分と左部分が補い合って1つのレールをなし、相接して摺動するように配置され、鉄道車両運搬車の曲線走行時の長さ補償を可能にすることである。
【0028】
被送鉄道車両は、架線による電気駆動装置で自走式に構成さてることが一般的である。すなわち、このような車両は、単数の又は継手で連結された複数の部分車両からなり、近代的低床構造の路面鉄道列車は、このような車両である。鉄道車両運搬車でも提案されるように、内燃機関と電気連結器による駆動装置を設けることも可能である。その場合には、鉄道車両運搬車の電車電動機の給電は被送鉄道車両から行うこともできる。
【0029】
補助スイッチ装置を備えることにより、鉄道車両運搬車の過剰の駆動電流及び/又は制動電流を被送鉄道車両の暖房のために使用して、当該の駆動装置の負担を軽減し、エネルギーを節約することは重要な処置である。
【0030】
被送鉄道車両がない鉄道車両運搬車の運転のために、補助運転台が不可欠である。
【0031】
鉄道車両運搬車は線路保全用車両、例えば線路建設機械等をある路線から別の路線へ移すことにも適しており、それによってこの分野で大きな節約が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
2つの実施例に基づき本発明を説明する。
【0033】
図1及び2にディーゼル駆動による軌道走行する自走式鉄道車両運搬車1が示されている。鉄道車両運搬車1は、レールが例えば標準軌間で敷設された路線の線路29の上にあって、ドッキングランプ20の端縁に至るまで進入して、鉄道車両運搬車1の台枠5に連続して取付けられた線路16のレール17が、狭軌の線路27のレール30にドッキングされることになる(図示せず)。
【0034】
軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車1は低床車として形成されており、その台枠5は輪軸4の車輪3の上側外周区域の間にある。
【0035】
鉄道車両運搬車1は2つの鉄道車両運搬車部分1’、1”からなり、これらの鉄道車両運搬車部分は大きな長さの被送鉄道車両2、具体的には、この車両の全長が個別の鉄道車両運搬車部分にある線路の収容全長を超える多重連接鉄道車両である例えば路面鉄道低床電動車、を収容し、輸送することができるように、関節継手26により相互に連結されている。
【0036】
自走式鉄道車両運搬車1は台枠5の両側に側ばり6、6’を有する。側ばりは外側で被送鉄道車両2のレール17の高さを超えて高くなっており、車両がドッキングした輸送位置において被送鉄道車両2のドアがこない位置に側ばりの付属部15を備えている。付属部15は、運転及び制動操作のための装置、安全器、照明、センサ装置及びデータ伝送装置並びに運転資材、例えば燃料、潤滑剤、ブレーキ補助剤のための予備容器を収容するためのものであり、必要ならば駆動装置、変圧器、電気変換器、電源、電気化学的発電装置等も格納される。
【0037】
鉄道車両運搬車1の両方の端面14、14’には、フロントゲート7又はそれぞれ1対のフロントゲート開き戸(図示せず)が垂直旋回軸の周りに外へ旋回し得るように、側ばり6、6’に支承されている。
【0038】
図1には、人員輸送用多重連接低床路面鉄道列車の形態をした電動自走式鉄道車両2が架線8から給電され、ドッキングランプ20から軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車1の上に乗入れ、ドッキングランプ20に面した端面14’のフロントゲート7が開放されていることが示され、図2では上から見た鉄道車両運搬車1がドッキングランプ20に進入しており、自走式被送鉄道車両2はすべて乗り入れてはいない。
【0039】
図3及び4では自走式被送鉄道車両2が鉄道車両運搬車1の上に乗入れており、架線8から切り離され、走行方向25にある鉄道車両運搬車1の端面のフロントゲート7の機械式連結器10が制御可能な機械式連結器9と連結されていることが示されている。ドッキングランプ20に面した他方のフロントゲート7はまだ開かれている。その場合には、被送鉄道車両2は停止点のプラットホームの縁23に沿った位置にある。
【0040】
図5の図示は、路線の線路29の曲線部での鉄道車両運搬車1及び被送鉄道車両2を示す。被送鉄道車両2の連接部は2つの鉄道車両運搬車部分1’、1”の間の関節継手26に対して対称であることが明らかである。
【0041】
図6は、ランプ緩衝器18及び機械式鎖錠連結器19を有するドッキングランプ20での鉄道車両運搬車1を示す。フロントゲート7は線路のプラットホームの縁23の反対側へ横外方に旋回されている。
【0042】
両方のフロントゲート7の内側11に機械式連結器10と付設された差込プラグ連結器13が示されている。
【0043】
ドッキングランプ20の後方にあるフロントゲート7に、取付けられたディーゼル電気駆動装置28及び排気管が略示されている。
【0044】
鉄道車両運搬車1の低い台枠5は、被送鉄道車両2の線路27の引込みレール26と繋がっている。側ばり6、6’は、両側でプラットホームの縁23の高さを幾らか超えた高に形成されており、側ばりの付属部15を備えている。
【0045】
図7に路線の停止点での鉄道車両運搬車1を示す。その場合、車輪3は、線路29の上を走る。また低床路面鉄道電動車として形成された自走式被送鉄道車両2が示されており、その車床24は、プラットホームの縁23より高く、側ばり6、6’の高さはその中間にあって、横外側に張り出し、ドア21の踏み板22として形成され、中間段をなし、ドア21の脇には側ばりの付属部15が鉄道車両運搬車1に取付けられている。
【0046】
図8ではプラットホームの縁23の高さと、鉄道車両運搬車1の路線の線路30の高さと、自走式被送鉄道車両2の線路16のレール及びその車床24の高さと、が互いに調整され、被送鉄道車両2の床、プラットホームの縁23及びドア21の踏み板が同じ高さにあり、これらの間の水平間隔は少なくとも規定を満たすように設定されている。被送鉄道車両2は集電装置を介して鉄道車両運搬車1の路線の架線に接続され、架線により鉄道車両運搬車1の駆動装置に給電することができる。
【0047】
図9は停止点のプラットホームの縁23のかたわらにあって、フロントゲート7が開いて横外方へ旋回された状態にある鉄道車両運搬車1を示しており、この図では、自走式鉄道車両運搬車1の機械式連結器10及び差込プラグ連結器13のための被送自走式鉄道車両2の制御可能な機械式連結器9及び付設された特に制御可能な差込プラグ連結器12を示している。
【0048】
別の軌間の鉄道網、例えば幹線鉄道網、郊外鉄道網、地下鉄網を都市路面鉄道網又は同じ軌間の他の路面鉄道網に直接に又は上記の別の鉄道網を利用して接続する場合は、このような路線の移行点にドッキングランプ20を建造する。ドッキングランプ20は接続路線になるべく直線状に、自走式鉄道車両運搬車1の上に等レベルで移行し得る高さで通されている。図1及び2では、その路線の線路29に到着し、ドッキングランプ20でドッキングし、フロントゲート7を開いたディーゼル駆動鉄道車両運搬車1が示されており、路面鉄道連接列車の形態をした自走式被送鉄道車両2が、ドッキングランプ20から鉄道車両運搬車1の上の線路16に乗入れた状態である。図3及び4では、鉄道車両運搬車1の上に乗入れた被送鉄道車両2の制御可能な機械式連結器9及び付設された制御可能な差込プラグ連結器12(見えない)が相対する閉じたフロントゲート7の内側11の機械式連結器10及び差込プラグ電気連結器13に連結されていることが示されている。制動された又は無制動の車輪3にあわせて、−縦移動可能又は自在に可動するような−レール17の構造によって、被送鉄道車両2の輸送が行われる。
【0049】
路線移行部で同じ構造配列が使用された場合には、連結解除及びドッキングの操作が逆方向において行われ、続いて被送鉄道車両2が別の鉄道網に移動するような動作が行われる。これによって別の構造の他の鉄道網を取り込むことができ、既存の鉄道網をほぼ任意に拡張することが容易にできることは明白である。路線の新規建設又は路線の軌間変更に比べ、車両の改造及び補助車両の費用の方が少なくて済み、これに加えて、列車輸送の遅れはほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ドッキングランプに接する軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車及びドッキングランプの上の自走式鉄道車両の側面概略図を示す。
【図2】図1の軌道走行鉄道車両運搬車の平面概略図を示す。
【図3】ドッキングランプに接する図1の軌道走行鉄道車両運搬車及び乗入れて走行方向にドッキングした自走式鉄道車両の側面概略図を示す。
【図4】ドッキングランプに接する図3の鉄道車両運搬車及び乗入れて走行方向にドッキングした自走式被送鉄道車両の平面概略図を示す。
【図5】曲線走行時の軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車及び走行方向にドッキングした被送自走式鉄道車両の平面概略図を示す。
【図6】ドッキングランプでドッキングされ、ランプ側のフロントゲートが開いた軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車の車両方向に見た横断面概略図を示す。
【図7】プラットホームに沿って踏み段がある軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車及び被送自走式鉄道車両の横断面概略図を示す。
【図8】軌道走行電気駆動鉄道車両運搬車及びプラットホームの縁と同じ高さの被送自走式鉄道車両の横断面概略図を示す。
【図9】フロントゲートを開いた、プラットホームの縁に沿って踏み段を有する軌道走行ディーゼル駆動鉄道車両運搬車及び被送自走式鉄道車両の横断面概略図を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 自走式軌道走行鉄道車両運搬車
1’、1” 鉄道車両運搬車部分
2 自走式鉄道車両
3 輪軸4の車輪
4 自走式軌道走行鉄道車両運搬車1の輪軸
5 鉄道車両運搬車1の台枠
6、6’ 鉄道車両運搬車1の側板
7 鉄道車両運搬車1のフロントゲート
8 被送自走式鉄道車両の架線
9 自走式鉄道車両2の制御可能な機械式連結器
10 フロントゲート7の内側11の機械式連結器
11 フロントゲート7の内側
12 機械式連結器9に付設された制御可能な差込プラグ連結器
13 フロントゲート7の機械式連結器10に付設された差込プラグ連結器
14、14’ 鉄道車両運搬車1の端面
15 鉄道車両運搬車1の台枠5の側ばり付属部
16 台枠5の上の自走式鉄道車両の線路
17 線路16のレール
18 鉄道車両運搬車1のランプ緩衝器
19 鉄道車両運搬車1の機械式鎖錠連結器
20 鉄道車両運搬車1のためのドッキングランプ
21 自走式鉄道車両2のドア
22 被送自走式鉄道車両2のドア21に沿った側板6、6’の踏み板
23 鉄道車両運搬車1の路線のプラットホームの縁
24 被送自走式鉄道車両2の車床
25 ドッキングランプ20から退出する時の鉄道車両運搬車1の走行方向
26 鉄道車両運搬車部分1’及び1”の間の関節継手
27 ドッキングランプ20の線路
28 駆動装置
29 鉄道車両運搬車1の路線の線路
30 線路27のレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドッキングランプのためのドッキング装置を備えた軌道走行鉄道車両の運搬車であって、該軌道走行鉄道車両運搬車は、ブレーキ設備によって車輪が制動される複数の輪軸と、上端が輪軸の車輪の上側外周又はそれより高い区域にあり被送鉄道車両(2)の車輪に対して転動する2本の線路を有する側ばり付きの台枠と、端面に取付けられて略垂直な旋回軸の周りに横外方へ旋回可能に側ばりに支承されたフロントゲートと、を有し、該フロントゲートは、鉄道車両運搬車の端面を閉鎖する位置においてロックされ、フロントゲートの外側には、さらに、緩衝部材、車両連結器、接続器具及び照明装置が取付けられており、
前記軌道走行鉄道車両運搬車は、さらに、少なくとも1個又は数個又はすべての輪軸又は車輪の電車電動機によって自走するように構成されており、該電車電動機は、鉄道車両運搬車に取付けられた少なくとも1個の給電装置によって駆動され、
鉄道車両運搬車には、さらに、少なくともブレーキ設備、運転装置及び保安装置が取付けられており、これらが鉄道車両運搬車にある単数個又は複数個の制御装置によって制御され、
前記被送自走式鉄道車両(2)のための転動線路としての線路レールを備えた前記軌道走行鉄道車両運搬車は、さらに、前記電車電動機が少なくとも1個の駆動装置(28)又は取付けられた給電装置によって駆動され、さらに照明装置及びセンサ装置を備え、これらがブレーキ設備、運転装置及び保安装置と同様に、鉄道車両運搬車(1)にある制御装置及び被送鉄道車両(2)のために設けられた制御装置、又は、少なくともその一部によって制御され、
自走式軌道走行鉄道車両運搬車(1)は、被送鉄道車両(2)のために設けられた制御装置によって、直接的に制御され、及び/又は、前記設備及び装置にデータを伝送することを特徴とする軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項2】
前記自走式鉄道車両運搬車(1)の少なくとも一方のフロントゲート(7)は、内側(11)に機械式連結器(10)を装備しており、該連結器(10)が前記被送鉄道車両(2)から制御される機械式連結器(9)と連結可能になっており、また前記フロントゲート(7)は、差込プラグ連結器(13)を装備しており、該差込プラグ連結器(13)は、被送鉄道車両(2)の制御装置を自走式鉄道車両運搬車に接続することが可能であり、該制御装置の機能範囲を拡張して多重制御を行うべく、機械式連結器(9)に付設された、制御可能な差込プラグ連結器(12)と連結し得ることを特徴とする請求項1に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項3】
前記自走式鉄道車両運搬車(1)は、端面(14、14’)にドッキング装置を装備し、該ドッキング装置は、それぞれ少なくとも1個のランプ緩衝器(18)及び当該のドッキングランプ(20)のための制御可能な機械式鎖錠連結器(19)を備えており、さらに、整合するランプ緩衝器受け及び機械式鎖錠片がドッキングランプ(20)に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項4】
電車電動機のための電源電流を運転電流変換器に導く、及び/又は、電車電動機のブレーキ電流を被送鉄道車両(2)のブレーキ抵抗器に導くために、制御可能な差込プラグ連結器(12)及び差込プラグ連結器(13)に加えて、鉄道車両(2)の電力連結プラグ及び自走式鉄道車両運搬車(1)の補助差込プラグ電力連結器が設けられていることを特徴とする上記請求項の1から3のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項5】
前記鉄道車両運搬車(1)の各端面(14、14’)には、前記フロントゲート(7)が、枢結されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項6】
前記フロントゲート(7)は、同じ幅の2枚のフロントゲート開き戸からなり、該フロントゲート開き戸が2つの側ばり(6、6’)に旋回可能に支承され、台枠(5)にロックすることが可能となっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項7】
前記フロントゲート(7)又はフロントゲート開き戸の下側が、被送鉄道車両(2)のレール(17)のレール頭部の高さにあることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレース走行式鉄道車両運搬車。
【請求項8】
少なくとも一方のフロントゲート(7)又は側ばりの付属部(15)には、駆動装置(28)、単数個又は複数個の給電装置と制御装置、及び/又はブレーキ設備の制御装置、並びに自走式転動車両運搬車(1)の運転装置、保安装置、及びセンサ装置が取付けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項9】
鉄道車両運搬車(1)の側ばり(6、6’)の上に、被送鉄道車両(2)のドア(21)の間に、側ばりの付属部(15)が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項10】
運転及びブレーキ装置の機器類及び/又は給電装置、例えば変流器、電気化学的発電装置又はあらゆる種類のエネルギー貯蔵装置例えば蓄電池設備、そのための充電装置、照明及び/又は監視装置並びに運転資材及び/又は燃料用装置等のタンク及び装置の取付けのための側ばりの付属部(15)が設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項11】
鉄道車両運搬車(1)の側ばり(6、6’)が少なくともドア(21)の幅にわたって、鉄道車両運搬車(1)の路線のプラットホームの縁(23)の高さと被送鉄道車両(2)の車床(24)の高さと同じレベルとなるような踏み板(22)を備えていること、又は踏み板(22)が中間段として形成され、被送鉄道車両(2)の車床(24)とプラットホームの端縁(23)の間に取付けられ、ドア(21)によって自動的に車床(24)の高さ又はその中間に調節され、プラットホームの端縁(23)との間隙をまたいで移動し得るように設けられていること、を特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項12】
輪軸(4)の電車電動機が電動モータであって、自走式鉄道車両運搬車(1)の路線の架線から給電する場合は、被送鉄道車両(2)の補助電力連結器を介して給電され、また架線電圧が相応に高い場合は被送鉄道車両の屋根に取付けられた変圧器を介して給電されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項13】
自走式鉄道車両運搬車(1)が少なくとも1個の駆動装置(28)を装備し、該駆動装置(28)は、内燃機関、例えばガソリン又はディーゼルエンジン、ガスタービン、スターリング機関により、電気式又は油圧式に、もしくは被送鉄道車両(2)から給電する場合は電気油圧式に構成される、又は電気変換器即ち変圧器/変流器により構成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項14】
自走式鉄道車両運搬車(1)の両方のフロントゲート(7)の機械式連結器(10)の間の全長が、被送鉄道車両(2)の両端の機械式連結器(9)の間の全長より長い場合には、軌道走行鉄道車両運搬車(1)の上でドッキングされた被送鉄道車両(2)が、車両走行方向(25)の端面(14)に配置されたフロントゲート(7)の一方の機械式連結器(10)のみに連結され、あるいは、2つの機械式連結器(10)の間隔が被送鉄道車両(2)の全長に等しい場合は、鉄道車両(2)が両端のフロントゲート(7)の機械式連結器(10)に連結されることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項15】
自走式鉄道車両運搬車(1)が関節継手(26)で結合された2つの鉄道車両運搬車部分(1’、1”)で構成され、前記継手の垂直の関節軸が、連接車両からなる連結された被送自走式鉄道車両(2)の関節軸と略一致するようになっていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項16】
軌道走行鉄道車両運搬車(1)が関節継手(26)で結合された2つの鉄道車両運搬車部分(1’、1”)からなる場合は、線路(16)のレール(17)が縦移動可能に支承されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項17】
被送鉄道車両(2)のための線路(16)のレール(17)は、連結された鉄道車両運搬車部分(1’、1”)の上に固設され、関節継手(26)の区域において間隙を有するように分割されており、2つの連結された鉄道車両運搬車部分(1’、1”)が直線位置となりかつフロントゲート(7)の開放時には、前記レール間隙に線路中間片が橋渡しされ、2つのフロントゲート(7)の閉鎖の際には、鉄道車両運搬車(1)に対して縦方向への中間片の移動、横向き又は下向きの中間片の移動、もしくは中間片の旋回によって前記間隙が空くように、前記線路中間片が制御される、ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項18】
連結された鉄道車両運搬車部分(1’、1”)の上の、被送鉄道車両(2)のための線路(16)のレール(17)が、関節継手(26)の区域でレール頭部をそれぞれ少なくとも1回縦割りにして形成されており、それぞれ一方の車両運搬車部分(1’)の上の左側レール部分と他方の車両運搬車部分(1”)の上の右側レール部分、及びその逆が、互いに補い合って1つの完全なレール頭部をなしており、こうして相互に係合することにより、固設したレール(17)、又は、移動可能に取付けられたレール(17)において、曲線走行時に関節継手(26)の曲折に対する線路(16)の長さの補償を可能にすることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項19】
被送鉄道車両(2)が自走式に構成され、架線(8)の給電による電気駆動装置又は発電機付き内燃機関による駆動装置を備え、鉄道車両運搬車(1)の電車電動機に給電されるように構成されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項20】
被送自走式鉄道車両(2)が人員輸送用のとりわけ低床車を含む、狭軌の(多重)連接電動車として構成されていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項21】
被送鉄道車両(2)が暖房装置を備えており、暖房装置が、制動電流及び/又は過剰の駆動電流により給電されるようなスイッチ装置を装備することを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。
【請求項22】
鉄道車両運搬車(1)のフロントゲート(7)又はフロントゲート(7)のかたわらの
区域に補助運転台が設けられていることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の軌道走行鉄道車両運搬車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−500281(P2006−500281A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540697(P2004−540697)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010647
【国際公開番号】WO2004/031014
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505104504)フロリアネル バーン フォルシュングス−ウント エリッヒツングスゲゼルシャフト エムベーハー (1)