説明

軟質帯状材の巻取搬送装置及び巻取搬送方法

【課題】巻取り関係の自動化を図り、作業負担を軽減すると共に、ライン全体のスピードアップに対応することができる軟質帯状材の巻取搬送装置及び巻取搬送方法を提供する。
【解決手段】空リール及び実リールの出し入れ位置が巻取作業位置から僅かに離れた場所に設けられ出し入れ位置と巻取作業位置との間を往復するシャトル台車を有するシャトルタイプ巻取装置、シャトルタイプ巻取装置への軟質帯状材の供給装置、チケット貼付け装置、空リールストックレーン、実リールストックレーン、空リールストックレーンの搬出部から取り出された空リールをシャトルタイプ巻取装置の出し入れ位置まで搬送し、かつ実リールをシャトルタイプ巻取装置の出し入れ位置からチケット貼付け装置まで搬送する台車を有するリール搬送装置、チケットが貼り付けられた実リールを反転させて実リールストックレーンに搬入する実リール反転装置及びこれらの装置の制御装置を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取装置への空リールの搬入、巻取装置による軟質帯状材の巻取及び巻取装置からの実リールの搬出を含む軟質帯状材の巻取り及び搬送を行う軟質帯状材の巻取搬送装置及び巻取搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
押出成形によって形成される未加硫ゴムから成るタイヤ構成材料等の軟質帯状材の巻取り搬送工程においては、従来、作業者の人力による作業に頼るところが大きく、作業の自動化が大きく遅れていた。
【0003】
例えば、ストック場所から巻取装置への空リール(軟質帯状材が巻き取られていない空状態のリール)の搬送と巻取装置へのセット、巻取開始時におけるリール状態の監視、巻取完了後の実リール(軟質帯状材が巻取られたリール)の巻取装置からの解除とストック場所への搬送、実リールの軟質帯状材へのチケットの貼付等、これらの作業すべてが作業者の人力により行われていた。
【0004】
また、これらの作業に付随する作業として、ゴム交換やダイプレートの変更などの軟質帯状材の押出し関連作業も並行して行われていた。
【0005】
このように、作業者は多大な作業負担を強いられ、作業を停めることもできないため、作業の安全性も充分とは言えなかった。
【0006】
そこで、巻取の自動化が可能な装置も提案されていたが(特許文献1)、周辺作業は依然として人力に頼らざるを得なかった。
【特許文献1】特開平9−226017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そして、近年、生産性の向上のために、ライン全体のスピードアップを図ることが強く望まれているが、もはや人力に頼るだけでは限界があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑み、巻取り関係の作業の自動化を図り、作業負担を軽減すると共に、ライン全体のスピードアップに対応することができる軟質帯状材の巻取搬送装置及び巻取搬送方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明に係る軟質帯状材の巻取搬送装置は、
軟質帯状材が巻き取られていない空リールを空リールストック場所から巻取作業位置まで搬送して軟質帯状材料を巻取り、前記軟質帯状材が巻取られた実リールを前記巻取作業位置から実リールストック場所まで搬送する軟質帯状材の巻取搬送装置であって、
前記空リール及び前記実リールの出し入れ位置が前記巻取作業位置から僅かに離れた場所に設けられ、前記出し入れ位置と前記巻取作業位置との間を往復するシャトル台車を有するシャトルタイプ巻取装置と、
前記シャトルタイプ巻取装置への軟質帯状材の供給装置と、
前記実リールの前記軟質帯状材にチケットを貼り付けるチケット貼付け装置と、
前記空リールをストックし、一端に空リールの搬入部を、他端に空リールの搬出部をそれぞれ有する空リールストックレーンと、
前記実リールをストックし、一端に実リールの搬入部を、他端に実リールの搬出部をそれぞれ有する実リールストックレーンと、
前記空リールストックレーンの搬出部から取り出された前記空リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置まで搬送し、かつ前記実リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置から前記チケット貼付け装置まで搬送する台車を有するリール搬送装置と、
前記チケットが貼り付けられた前記実リールを反転させて前記実リールストックレーンに搬入する実リール反転装置と、
これらの装置の制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る軟質帯状材の巻取搬送方法は、前記の軟質帯状材の巻取搬送装置を用いた軟質帯状材の巻取搬送方法であって、
前記空リールを空リールストックレーンにストックする工程と、
前記空リールを空リールストックレーンから取り出す工程と、
前記空リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置まで搬送する工程と、
前記空リールを前記出し入れ位置から前記巻取作業位置まで搬送する工程と、
前記空リールに前記軟質帯状材を巻き取る工程と、
前記実リールに前記シャトルタイプ巻取装置の前記巻取作業位置から前記出し入れ位置まで搬送する工程と、
前記実リールを前記チケット貼付け装置まで搬送する工程と、
前記実リールの前記軟質帯状材にチケットを貼り付ける工程と、
前記軟質帯状材に前記チケットが貼り付けされた前記実リールを前記実リールストックレーンに搬入する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、空リールをストック場所から取り出して巻取装置まで搬送して軟質帯状材を巻取り、また実リールを巻取装置から搬出してチケットを貼り付けた後に実リールのストック場所に搬入する一連の作業の自動化が可能になったため、巻取り関係の作業負担を軽減でき、さらにライン全体のスピードアップに対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0013】
1.軟質帯状材の巻取搬送装置の説明
(1)巻取搬送装置全体の構成
最初に本実施の形態に係る巻取搬送装置全体の構成について説明する。図1は本発明の軟質帯状材の巻取搬送装置全体の構成を模式的に示す斜視図である。但し、図1において、図が煩雑になることを避けるため軟質帯状材供給装置は図示していない。本実施の形態に係る巻取搬送装置は、シャトル台車1aを有するシャトルタイプ巻取装置1と、シャトルタイプ巻取装置1に軟質帯状材Aを供給する軟質帯状材供給装置2(図3参照)と、実リールR1にチケットTを貼り付けるチケット貼付け装置3と、空リールR2をストックするための空リールストックレーン4と、実リールR1をストックするための実リールストックレーン5と、空リールR2を空リールストックレーン4からシャトルタイプ巻取装置1に搬入し、かつ実リールR1をシャトルタイプ巻取装置1からチケット貼付け装置3に向けて搬出するための台車6aを有するリール搬送装置6と、チケットが貼付された後に実リールR1をチケット貼付け装置3から実リールストックレーン5に搬入するための実リール反転装置7と、これらの装置を総括的に制御する図外の制御装置とを備えている。
【0014】
そして、本巻取搬送装置により、空リールR2を空リールストックレーン4に一旦ストックした後に、巻取作業位置1Aまで搬送して軟質帯状材Aを巻取り、巻取り完了後の実リールR1を巻取作業位置1Aから搬出し、チケットTを貼り付けた後に実リールストックレーン5にストックする一連の作業を自動的に行えるようになっている。
【0015】
(2)空リールストックレーン
イ.空リールストックレーンの構成
次に図1、図7により空リールストックレーンについて説明する。図7は本装置を構成する空リールストックレーンの搬出側の端部を示す正面図である。図1のように空リールストックレーン4は、傾斜角度θの調整が可能なレーン本体4aと、これを保持するレーンフレーム4bを備え、複数本の空リールR2を一列に並べた状態でレーン本体4a上にストックできるようになっている。また、空リールストックレーン4の空リールR2の搬入側の端部には供給リフター8が配置され、空リールR2の搬出側の端部には受け渡し装置9が配置されている。
【0016】
ロ.レーン本体
レーン本体4aは空リールR2が搬出側の端部に向けて転がるように傾斜し、レーン本体4aの搬出側の端部はレーンフレーム4bにヒンジ連結され、レーン本体4aの搬入側に取り付けられた流体圧シリンダー4cによりレーン本体4aの傾斜角度θの調整が可能になっている。
【0017】
ハ.供給リフター
供給リフター8は、図外の昇降用流体圧シリンダーにより昇降する供給台8aを備えている。供給台8aはレーン本体4aと同方向に傾斜しており、降下した供給台8aに空リールR2を転がして載置するための導入台8bが付設されている。そして空リールR2を導入台8bから供給台8aに載せた後に、供給台8aをレーン本体4aと同レベルにまで上昇させると、空リールR2は供給台8aからレーン本体4a上に転がりながら移動し、更にレーン本体4aの搬出側に向けて転がりながら移動する。
【0018】
ニ.受け渡し装置
受け渡し装置9は、空リールR2を空リールストックレーン4の搬出側の端部からリール搬送装置6の台車6aに受け渡すための装置であって、図7のようにへ字状の受け渡しフレーム9aをレーンフレーム4bに水平軸9bにてヒンジ連結し、受け渡しフレーム9aにローラ9c及びクランク9dを取り付け、流体圧シリンダー9eをクランク9dに取り付けて構成されている。そして流体圧シリンダー9eでクランク9dを操作することにより、図7の二点鎖線で示すように空リールR2をリール搬送装置6の台車6a上に移動させることができ、空リールストックレーン4の搬出側の端部と台車6aとの間に段差があっても空リールR2の受け渡しが可能になる。また、流体圧シリンダー10aにて作動する空リールR2のストッパー10がレーンフレーム4bの天井部分に取り付けられ、受け渡し装置9の流体圧シリンダー9eはa点のときにストッパー10はa1点に位置し、流体圧シリンダー9eがb点のときに、所定タイマー後にストッパー10がb1点にゆっくりと移動することにより空リールR2は台車6aから飛び出ることなく台車6aに確実に積載される。
【0019】
(3)実リールストックレーン
イ.実リールストックレーンの構成
次に図1、図8により実リールストックレーンについて説明する。図8(a)(b)は本装置を構成する実リールストックレーンの搬出側の端部から実リールを搬出する動作を示す正面図である。図1のように実リールストックレーン5は搬送コンベア5aとレーンフレーム5bとを備え、複数本の実リールR1を一列に並べた状態で搬送コンベア5a上にストックできるようになっている。また、搬送コンベア5aの実リールR1の搬出側の端部には払出し装置11が配置されている。
【0020】
ロ.払出し装置
払出し装置11は、図8のように実リールR1を搬送コンベア5aから押出すための、流体圧シリンダーをレーンフレーム5bに取り付けて成る押出し体11aと、押出された実リールR1を受け取って実リールストックレーン5の外にゆっくりと降ろすための受け体11bとを備え、受け体11bはフレーム11cの取り付けられる流体圧シリンダー11dにより揺動する。そして図8の二点鎖線のように実リールR1を実リールストックレーン5の外に移動させる。
【0021】
(4)軟質帯状材供給装置
次に図3により軟質帯状材供給装置について簡単に説明する。図3は本装置を構成するシャトルタイプ巻取装置の動作を示す正面図である。シャトルタイプ巻取装置1の上方には、図3に示すように、軟質帯状材供給装置2が配置され、軟質帯状材Aが巻取作業位置1Aに向けて降下するようになっている。
【0022】
(5)シャトルタイプ巻取装置
次に図2、図3、図9によりシャトルタイプ巻取装置について説明する。図2は本装置を構成するシャトルタイプ巻取装置及びリール搬送装置を示す正面図であり、図9は本発明の軟質帯状材の巻取搬送方法を示す工程図である。図2においてシャトルタイプ巻取装置1のシャトル台車1aは、レール1c上を自走式に走行するものであって、空リールR2に軟質帯状材Aを自動的に巻取るための巻取機構部1bが搭載されている。図2及び図3のように巻取作業位置1Aの前方にはローラ12a付き巻取ガイド部12が配置され、巻取作業位置1Aの後方には巻取作業位置1Aに対して近接・退避自在となった沿接ベルト13a付き初期巻取部13が配置されている。
【0023】
図9のように空リールR2を搬入し、かつ実リールR1を搬出するための出し入れ位置1Bは巻取作業位置1Aから僅かに離れた場所に設定され、かつ巻取作業位置1Aの左右両側に設定され、シャトル台車1aは出し入れ位置1Bと巻取作業位置1Aとの間を往復するようになっている。そして、シャトル台車1aは二本のリールを並列状態で積載可能となっている。シャトル台車1aの往動完了位置ではシャトル台車1aの一方のリールの積載位置が出し入れ位置1Bに、シャトル台車1aの他方のリール積載位置は巻取作業位置1Aにそれぞれ位置し、シャトル台車1aの復動完了位置ではシャトル台車1aの一方のリールの積載位置が巻取作業位置1Aに、シャトル台車1aの他方のリール積載位置は出し入れ位置1Bにそれぞれ位置するように設定されている。
【0024】
そして、空リールR2が出し入れ位置1Bまで搬入されて出し入れ位置1Bに位置するシャトル台車1aの巻取機構部1bに空リールR2がセットされた後は、空リールR2はシャトル台車1aにより巻取作業位置1Aまで搬送される。
【0025】
空リールR2への軟質帯状材Aの巻取りを開始するときには、図3のように空リールR2の巻胴rと巻取ガイド部12との間を軟質帯状材Aを通過させ、また初期巻取部13が巻取作業位置1Aに近接して沿接ベルト13aが空リールR2の巻胴rに巻き付くことにより形成される誘導路13b(図3に示す。)に軟質帯状材Aの先端を導入して巻取りが開始される。リールRへの初期巻き付けが完了した後は、初期巻取部13は巻取作業位置1Aから退避して誘導路が解消され、巻取ガイド部12はリールから退避して巻取り作業が継続される。軟質帯状材Aの巻取り量が所定量に達すると、リールRの回転を停止すると共に軟質帯状材Aの供給を停止する。巻取られた軟質帯状材Aは図外の切断手段によって切断される。実リールR1はシャトル台車1aにより巻取作業位置1Aから出し入れ位置1Bまで搬送される。
【0026】
(6)リール搬送装置
次に図2、図10によりリール搬送装置について説明する。図10は本発明の軟質帯状材の巻取搬送方法を示す工程図である。図2においてリール搬送装置6は、レール6b上を走行する自走式の台車6aと、クレーン6cとを備え、台車6aにはリール支承ローラ6dが取り付けられている。台車6aは二本のリールRを並列状態で積載可能であり、シャトルタイプ巻取装置1の側方位置にまで空リールR2を搬送する。クレーン6cは巻取作業位置1Aの左右にある出し入れ位置1Bの上方を通過するように配置され、各クレーン6cはリールRの回転軸を引掛けてリールRを吊下げる吊下げ体6eと吊下げ体6eを水平方向に移動させる水平ベルト6fを有し、図10のように空リールR2をシャトルタイプ巻取装置1の側方位置からシャトルタイプ巻取装置1の出し入れ位置1Bまで搬送してシャトル台車1a上に積載し、また、出し入れ位置1Bにあるシャトル台車1aに積載された実リールR1をシャトルタイプ巻取装置1の側方位置まで搬送するものである。
【0027】
(7)チケット貼付け装置
次に図4、図5によりをチケット貼付け装置について説明する。図4はチケット貼付け装置を示す正面図であり、図5はチケット貼付け装置の一部分を拡大した斜視図である。図4のようにチケット貼付け装置3は、実リールR1の軟質帯状材AにチケットT付きの短冊状のテープT1を貼り付けて軟質帯状材Aの尾端を止めるものであって、チケットTにバーコード等のデータを印刷するプリンター3aと、チケット貼付け機構3bと、ローラ3cを備えたリール回転駆動機構3dと、軟質帯状材Aの尾端を軟質帯状材Aの厚み段差により検出するリミットスイッチを有する尾端検出体3eと、を備え、これらはチケット貼付けフレーム3fに取り付けられている。
【0028】
チケット貼付け機構3bは、図5のように裏面側に粘着層を有するロール状のテープT2の保持部31bと、テープカッター32bと、ロール状のテープT2を引っ張り出すためのエアー式チャック33bと、尾端がカッターで切断されて短冊状になったテープT1を張設した状態でテープT1の両端を吸着して保持するための一対のテープ保持用バキュームパッド34bと、データが印刷されたチケットTをプリンター3aから取り出してテープT1の表面に貼り付けるためのチケット用バキュームパッド35b(これはテープ保持用も兼ねる。)を備え、テープ保持用バキュームパッド34b及びチケット用バキュームパッド35bは同じブラケット36bに取り付けられ、ブラケット36bは操作機構37bにより操作される。そして、テープ保持用バキュームパッド34bは、操作機構37bにより図7の矢印の方向に移動し、裏面が粘着層になったチケットTをプリンター3aから取り出してテープT1に貼り付け、操作機構37bによりチケットT付きテープT1が実リールR1の軟質帯状材Aの尾端に貼り付けられる。
【0029】
実リールR1は後記の実リール反転装置のリフター7cで下から保持された状態で上昇することによりリール回転駆動機構3dのローラ3cに押し付けられ、この状態で実リールR1を回転させて尾端検出体3eにより軟質帯状材Aの尾端を検出し、チケットT付きテープを軟質帯状材Aに貼り付け、ローラ3cでテープT1を軟質帯状材Aに押え付けて軟質帯状材Aの尾端を止める。
【0030】
尾端検出体3eは、軟質帯状材Aの尾端の貼付け位置の検出のために、2本のローラ31gを支点として動作が可能となり、リミットスイッチの配置によりリール部材の末端検出を可能にしている。
【0031】
(8)実リール反転装置
次に図4、図6により実リール反転装置について説明する。図6は実リール反転装置を示す斜視図である。実リール反転装置7は、図4及び図6のように一対の長寸法のフリーローラ7aを図外の昇降用流体圧シリンダーにより昇降するように構成されるリフター7cと、リフター7cを水平方向に回転させる回転手段7bとを備えている。
【0032】
そしてリール搬送装置6の台車6aにより実リールR1がテープ貼付け位置が位置するテープ貼付け位置まで搬送されると、実リールR1が実リール反転装置7のフリーローラ7aの上方に位置する。したがってリフター7cを上昇させて前記のように実リールR1のテープを貼り付けた後に、リール回転駆動機構3dのローラ3cを実リールR1から退避させ、リフター7cを回転させて実リールR1を90°反転させて実リールストックレーン5に搬入する。
【0033】
以上詳述した本実施の形態に係る巻取搬送装置によれば、空リールストックレーンおよび実リールストックレーンにより、空リールの搬入と搬出および実リールの搬入と搬出をそれぞれ自動で行うことができる。
【0034】
また、シャトルタイプ巻取装置は出し入れ位置と巻取作業位置との間を往復するシャトル台車を有し、リール搬送装置は前記空リールストックレーンの搬出部から取り出された前記空リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置まで搬送し、かつ前記実リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置から前記チケット貼付け装置まで搬送する台車を有するため、ストック場所から巻取装置への空リールの搬出搬入及び巻取装置からストック場所への実リールの搬送の自動化を図ることができる。
【0035】
また、チケット貼付け装置により、実リールへのチケットの貼付けの自動化が図れ、また実リール反転装置により、チケットが貼り付けられた実リールのストック場所への搬入の自動化を図ることができる。
【0036】
上記より、空リールをストック場所から取り出して巻取装置まで搬送して軟質帯状材を巻取り、かつ実リールを巻取装置から搬出してチケットを貼り付けた後に実リールのストック場所に搬入する一連の作業の自動化が可能となる。
【0037】
2.軟質帯状材の巻取搬送方法の説明
本方法は、空リールR2を空リールストックレーン4から巻取作業位置1Aまで搬送して軟質帯状材Aを巻取り、実リールR1を巻取作業位置1Aから実リールストックレーン5まで搬送するためのものであって、軟質帯状材の巻取搬送装置を用いて行われるものである。以下、本方法を図9及び図10に基づいて説明する。
【0038】
(1)図9(a)はシャトルタイプ巻取装置1のシャトル台車1aに実リールR1と空リールR2の二本のリールを積載し、空リールR2は巻取作業位置1Aに位置している。また、リール搬送装置の台車6aには一本の空リールR2が積載されている。
【0039】
この状態から、図9(a)の矢印のようにシャトル台車1aの実リールR1をリール搬送装置のクレーンにより台車6aに搬送して積載した後、台車6aを移動して図9(b)のように台車6a上の空リールR2を出し入れ位置1Bに向けて搬送することが可能になる。
【0040】
(2)次に図9(b)の矢印のように台車6a上の空リールR2を出し入れ位置1Bに搬入した後、台車6aをチケット貼付け位置に向けて移動する。
【0041】
(3)次に図9(c)のようにチケット貼付け位置において実リールR1にチケット付きのテープを貼り付け、矢印のように実リールストックレーン5に搬入すると共に空リールストックレーン4から台車6aに空リールR2を積載した後、台車6aをシャトルタイプ巻取装置1の側方位置まで移動する。
【0042】
(4)次に図9(d)の矢印のようにシャトル台車1aを移動させてシャトル台車1a上の実リールR1を出し入れ位置1Bに位置させる。
【0043】
(5)次に図10(a)の矢印のようにシャトル台車1a上の実リールR1を台車6aに積載した後、台車6aを移動させて台車6a上の空リールR2を出し入れ位置1Bに搬送することを可能にする。
【0044】
(6)次に図10(b)の矢印のように台車6a上の空リールR2を出し入れ位置1Bに搬入した後、台車6aをチケット貼付け位置に向けて移動する。
【0045】
(7)次に図10(c)の矢印のようにチケット貼付け位置において実リールR1にチケット付きのテープを貼り付けた後、実リールストックレーン5に搬入する一方、空リールストックレーンから台車6aに空リールR2を積載し、その後、台車6aをシャトルタイプ巻取装置1の側方位置まで移動する。また、シャトル台車1aを移動してシャトル台車1a上の実リールR1を出し入れ位置1Bに位置させる。
【0046】
以上の操作を繰り返すことにより、空リールストックレーンの空リールR2はシャトルタイプ巻取装置1で実リールR1となり、チケットTが貼り付けられた後に実リールストックレーン5にストックされる一連の作業の自動化が可能になり、作業者の作業負担の軽減および安全性の向上を図ることができる。また、ライン全体のスピードアップに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の軟質帯状材の巻取搬送装置全体の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本装置を構成するシャトルタイプ巻取装置及びリール搬送装置を示す正面図である。
【図3】本装置を構成するシャトルタイプ巻取装置の動作を示す正面図である。
【図4】本装置を構成するテープ貼付け装置を示す正面図である。
【図5】本装置を構成するテープ貼付け装置の一部分を拡大した斜視図である。
【図6】本装置を構成する実リール反転装置を示す斜視図である。
【図7】本装置を構成する空リールストックレーンの搬出側の端部を示すテープ貼付け装置を示す正面図である。
【図8】(a)(b)は本装置を構成する実リールストックレーンの搬出側の端部から実リールを搬出する動作を示す正面図である。
【図9】本発明の軟質帯状材の巻取搬送方法を示す工程図である。
【図10】本発明の軟質帯状材の巻取搬送方法を示す工程図である。
【符号の説明】
【0048】
1 シャトルタイプ巻取搬送装置
1a シャトル台車
1b 巻取機構部
1c、6b レール
1A 巻取作業位置
1B 出し入れ位置
2 軟質帯状材供給装置
3 チケット貼付け装置
3a プリンター
3b チケット貼付け機構
3c、9c、12a、31g ローラ
3d リール回転駆動機構
3e 尾端検出体
3f フレーム
4 空リールストックレーン
4a レーン本体
4b、5b レーンフレーム
4c、9e、10a、11d 流体圧シリンダー
5 実リールストックレーン
5a 搬送コンベア
6 リール搬送装置
6a 台車
6c クレーン
6d リール支承ローラ
6e 吊下げ体
6f 水平ベルト
7 実リール反転装置
7a フリーローラ
7b 回転手段
7c リフター
8 供給リフター
8a 供給台
8b 導入台
9 受け渡し装置
9a 受け渡しフレーム
9b 水平軸
9d クランク
10 ストッパー
11 払出し装置
11a 押出し体
11b 受け体
11c フレーム
12 巻取ガイド部
13 初期巻取部
13a 沿接ベルト
13b 誘導路
31b 保持部
32b テープカッター
33b エアー式チャック
34b テープ保持用バキュームパッド
35b チケット保持用バキュームパッド
36b ブラケット
37b 操作機構
θ 傾斜角度
r 巻胴
R1 実リール
R2 空リール
T チケット
T1、T2 テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質帯状材が巻き取られていない空リールを空リールストック場所から巻取作業位置まで搬送して軟質帯状材料を巻取り、前記軟質帯状材が巻取られた実リールを前記巻取作業位置から実リールストック場所まで搬送する軟質帯状材の巻取搬送装置であって、
前記空リール及び前記実リールの出し入れ位置が前記巻取作業位置から僅かに離れた場所に設けられ、前記出し入れ位置と前記巻取作業位置との間を往復するシャトル台車を有するシャトルタイプ巻取装置と、
前記シャトルタイプ巻取装置への軟質帯状材の供給装置と、
前記実リールの前記軟質帯状材にチケットを貼り付けるチケット貼付け装置と、
前記空リールをストックし、一端に空リールの搬入部を、他端に空リールの搬出部をそれぞれ有する空リールストックレーンと、
前記実リールをストックし、一端に実リールの搬入部を、他端に実リールの搬出部をそれぞれ有する実リールストックレーンと、
前記空リールストックレーンの搬出部から取り出された前記空リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置まで搬送し、かつ前記実リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置から前記チケット貼付け装置まで搬送する台車を有するリール搬送装置と、
前記チケットが貼り付けられた前記実リールを反転させて前記実リールストックレーンに搬入する実リール反転装置と、
これらの装置の制御装置と、
を備えたことを特徴とする軟質帯状材の巻取搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の軟質帯状材の巻取搬送装置を用いた軟質帯状材の巻取搬送方法であって、
前記空リールを空リールストックレーンにストックする工程と、
前記空リールを空リールストックレーンから取り出す工程と、
前記空リールを前記シャトルタイプ巻取装置の前記出し入れ位置まで搬送する工程と、
前記空リールを前記出し入れ位置から前記巻取作業位置まで搬送する工程と、
前記空リールに前記軟質帯状材を巻き取る工程と、
前記実リールに前記シャトルタイプ巻取装置の前記巻取作業位置から前記出し入れ位置まで搬送する工程と、
前記実リールを前記チケット貼付け装置まで搬送する工程と、
前記実リールの前記軟質帯状材にチケットを貼り付ける工程と、
前記軟質帯状材に前記チケットが貼り付けされた前記実リールを前記実リールストックレーンに搬入する工程と、
を備えたことを特徴とする軟質帯状材の巻取搬送方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate