説明

軽量コンクリート板

【目的】本発明は表面に設けた化粧目地によって、形状が変化に富む意匠的に優れた軽量コンクリート板を目的とする。
【構成】軽量コンクリート板10の表面に、長手方向の巾狭で深い化粧目地11と、巾方向の巾広で浅い化粧目地12とが設けて構成された軽量コンクリート板の構造。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ALC板等の軽量コンクリート板に係り、特に表面に長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地とを設けた軽量コンクリート板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の化粧目地を有する軽量コンクリート板の一般的な構造は、長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地とを夫々同一の深さにしていた。その理由は、この種の軽量コンクリート板に設ける化粧目地は、板強度の制限がある関係で、長手方向と巾方向との深さを一定の巾と深さとにするのが一般的であった。前述の従来一般に用いられた長手方向と巾方向との深さを同一にした場合には、変化がなく、意匠的に劣るので、従来でも、例えば図4(A),(B),(C)に示す如く、深さの異なる化粧目地を混用したものもあった。
【0003】即ち、図4(A)に示す軽量コンクリート板1は、多くの長手方向の浅い化粧目地2と、その長手方向の浅い化粧目地2の途中に1本の長手方向の深い化粧目地2aとを混用して並列し、かつ3本の巾方向の深い化粧目地3を設けた構造である。また、図4(B)に示す軽量コンクリート板4は、長手方向の化粧目地を全部長手方向の浅い化粧目地2とし、巾方向の化粧目地を巾方向の深い化粧目地3とした構造である。また、前述の化粧目地2,2a,3の巾は、夫々図4(C)に示す如く、深さに対応した相似形の巾を持って構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、前述の従来の技術の内で、長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地との深さを同一にした一般的な軽量コンクリート板は、変化がなく意匠性に乏しい問題があった。また、従来の内の後者の図3(A),(B)に示す軽量コンクリート板1,4も、単に化粧目地2,2a,3の深さが異なるのみで、全体の化粧目地2,2a,3は相似しており、これ等の化粧目地2,2a,3にはそれ程目立った差がないので、全体として観察した際には変化がなく、意匠的に優れて目立つ部分がない問題があった。本発明に係る軽量コンクリート板は、前述の従来の問題点に鑑み開発された全く新規な技術であって、特に長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地との深さを相対的に変えることによって、軽量コンクリート板の表面の意匠性を著しく高めるようにした新規な技術である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る軽量コンクリート板は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術であって、その要旨は表面に長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地とを有する軽量コンクリート板に於いて、長手方向の化粧目地を巾方向の化粧目地よりも深く形成して構成したことを特徴とした軽量コンクリート板である。
【0006】
【作用】本発明に係る軽量コンクリート板は、上述の如く、軽量コンクリート板の表面に設けた化粧目地の内、長手方向の化粧目地を巾方向の化粧目地よりも深くしたので、長手方向の深い化粧目地と巾方向の浅い化粧目地とによって軽量コンクリート板の表面に意匠的に著しい変化を形成することが出来る。特に深さの異なる化粧目地の交差部を特定の変化のある形状にすることが出来る。更に、本発明に係る軽量コンクリート板は、深い化粧目地を曲げる強度が大きい長手方向に形成したので、軽量コンクリート板の強度を阻害することもない。
【0007】
【実施例】図により本発明に係る軽量コンクリート板の一実施例を具体的に説明すると、図1は本発明に係る軽量コンクリートの一例を示す平面図、図2はその要部の拡大説明図、図3(A),(B),(C)は夫々図2の化粧目地の深さを示す断面説明図である。
【0008】図1乃至図3に於いて、10は本発明に係る軽量コンクリート板であって、その表面の長手方向には複数の巾狭で、深い化粧目地11が並列して設けられている。また、軽量コンクリート板10の巾方向には、巾広で浅い化粧目地12が並列して設けられている。この長手方向の深い化粧目地11の上端の巾は、深さの1.5倍〜3倍の巾を持って形成されており、かつ巾方向の浅い化粧目地12の巾は深さの5倍〜10倍の巾を持って形成されている。
【0009】特に、長手方向の深い化粧目地11と、巾方向の浅い化粧目地12との交差部13は、図2及び図3R>3(A),(B),(C)に示す如く、巾方向の巾広で浅い化粧目地12の中を、長手方向の巾狭で深い化粧目地11の最深部が通過して、特定の形状を構成している。上述の化粧目地11,12は夫々軽量コンクリート板10の表面を切削することによって構成されている。
【0010】本発明に係る軽量コンクリート板は、上述の如く、表面に設ける長手方向の化粧目地11と巾方向に設ける化粧目地12との巾と深さとを一定の範囲で変えることによって、全体の意匠を変化させることが出来る。特に、深い化粧目地11と浅い化粧目地12との交差部13の形状を著しく変化させることが出来る。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る軽量コンクリートは、上述の如き構造と作用とを有するので、軽量コンクリートの曲げの強度上全く問題なく、かつその軽量コンクリートの表面を著しく変化させ、軽量コンクリートの表面の意匠性を高めることが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軽量コンクリートの一例を示す平面図である。
【図2】図1の要部の拡大説明図である。
【図3(A),(B),(C)】夫々図2の化粧目地の深さを示す断面説明図である。
【図4(A),(B),(C)】従来の軽量コンクリート板を例示する説明図である。
【符号の説明】
1 軽量コンクリート板
2 長手方向の浅い化粧目地
2a 長手方向の深い化粧目地
3 巾方向の深い化粧目地
4 軽量コンクリート板
10 軽量コンクリート板
11 長手方向の深い化粧目地
12 巾方向の浅い化粧目地
13 化粧目地11,12の交差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】表面に長手方向の化粧目地と巾方向の化粧目地とを有する軽量コンクリート板に於いて、長手方向の化粧目地を巾方向の化粧目地よりも深く形成して構成したことを特徴とした軽量コンクリート板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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