説明

載置台

【課題】狭いスペースに収納可能であって、高さをコントロールできたり、種々の場所に設置することができたりする戴置台の提供。
【解決手段】第1の嵌め合わせ部材と、第2の嵌め合わせ部材と、延長部材とを有し、第1及び第2の嵌め合わせ部材は、環状部と、二又状の2本の脚部と、環状部及び脚部を繋ぐ結合部とをそれぞれ有し、結合部には所定位置に溝が形成され、上記2つの嵌め合わせ部材の溝どうしを嵌め合わせることにより、上記2つの嵌め合わせ部材が一体化して合計4本の脚部にて自立可能になるよう構成され、延長部材は挟持部と挟持部から延びる柄部とを有し、挟持部は上記嵌め合わせた第1及び第2の嵌め合わせ部材のそれぞれの結合部を一括して着脱可能な形態で挟むように構成されてなる、載置台。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を載せるための台である、載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
日用品などの物品を整頓したり、見栄えよく陳列したりするために、その物品ごとにひとつずつ台に載せることがある。いっぽう、載せるべき物品が無く、台のみが目立つことは見栄えがよくないばかりでなく、スペースの無駄でもあるので、物品を載せるための戴置台は物品を載せないときにはコンパクトに収納できることが好ましい。
【0003】
例えば、衣服、装飾品、かつらなどを陳列する際には、人間の頭部・腕・足・脚を除いた胴体部分のみを造形したトルソーであるとか、人間の頭部のみを造形したヘッドマネキンなどを戴置台として用いることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−112869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
限られたスペースにより多くの物品を整頓または陳列する際には、戴置台の高さを自在にコントロールできることが好ましい。また、戴置台自体が自立可能であることも好ましいが、さらに、壁面や柱などに固定することができれば、戴置台自体を置くためのスペースが不要になるなど好ましい。柔らかい物品を置く場合に型崩れなどが懸念されるときは、戴置台自体は用時において嵩高いことが好ましく、いっぽう、戴置台を使用しない場合には狭いスペースに収納できるようになっていることが好ましい。本発明は、狭いスペースに収納可能であって、高さをコントロールできたり、種々の場所に設置することができたりする戴置台の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が鋭意検討した結果、以下のような本発明を完成した。
(1)第1の嵌め合わせ部材と、第2の嵌め合わせ部材と、延長部材とを有し、第1及び第2の嵌め合わせ部材は、環状部と、二又状の2本の脚部と、環状部及び脚部を繋ぐ結合部とをそれぞれ有し、結合部において環状部と2本の脚部とがX字状を呈し、第1の嵌め合わせ部材の結合部における環状部に向かう部分に溝が形成され、第2の嵌め合わせ部材の結合部における脚部に向かう部分に溝が形成され、第1の嵌め合わせ部材の環状部がつくる環の中に第2の嵌め合わせ部材の環状部を入れ込むようにするとともに、上記2つの嵌め合わせ部材の溝どうしを嵌め合わせることにより、上記2つの嵌め合わせ部材が一体化して合計4本の脚部にて自立可能になるよう構成され、延長部材は挟持部と挟持部から延びる柄部とを有し、挟持部は上記嵌め合わせた第1及び第2の嵌め合わせ部材のそれぞれの結合部を一括して着脱可能な形態で挟むように構成されてなる、載置台。
(2)挟持部が第1及び第2の嵌め合わせ部材の4本の脚部の間から結合部を挟むように構成されてなる(1)の載置台。
(3)第1及び第2の嵌め合わせ部材がそれぞれ実質的に一平面上に構成されてなる(1)は(2)の載置台。
(4)第1及び第2の嵌め合わせ部材はそれぞれの環状部が互いに実質的に直角になるように嵌め合わされる(1)〜(3)のいずれかの載置台。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、戴置台はコンパクトに収納できるとともに、用時には嵩高くなり、柔らかい物品を戴置する場合においても型崩れなどが生じにくい。延長部材の使用により、戴置台の高さをコントロールしたり、柱等への固定も可能になるとともに、延長部材の挟持部が第1及び第2の嵌め合わせ部材の結合部を挟むために第1及び第2の嵌め合わせ部材の嵌め込み強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の戴置台の一例を示す斜視図である。
【図2】第1の嵌め合わせ部材の模式平面図である。
【図3】第2の嵌め合わせ部材の模式平面図である。
【図4】本発明の戴置台の別の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。但し、図面は参照のためのものであって、本発明の範囲は図示された態様に限定されるものでは無い。
図1は、本発明の戴置台の一例を示す斜視図である。第1の嵌め合わせ部材10と第2の嵌め合わせ部材20とが一体化されており、そこに、延長部材としての側方アタッチメント30を取り付けようとしているところである。第1の嵌め合わせ部材10と第2の嵌め合わせ部材20とは、それぞれの結合部12、22において溝(図示せず)をはめ込むことにより一体化していて、4本の脚部14、24で自立可能になっている。2つの環状部11、21の上からかぶせるようにして物品(図示せず)を戴置することができる。
【0010】
本発明において、延長部材は挟持部と柄部とを有する。柄部は挟持部から延びていて、好ましくは、挟持部とは反対側の端には柱等への取り付け手段(図示せず)が設けられていたり、脚部が設けられたりしている。柄部は魚釣り用の「振り出し竿」のように、中空の棒状体の中により細い棒状体が仕込まれており、これを引っ張り出す事により長さを調節できるように構成されていることが好ましい。挟持部は第1及び第2の嵌め合わせ部材のそれぞれの結合部を一括して着脱可能な形態で挟むように構成されている。
【0011】
図1の態様では、延長部材として側方アタッチメント30が採用されている。この側方アタッチメント30にはクリップ状の挟持部32、33と、柄部31とが備えられている。柄部31の挟持部32、33とは反対側の端には、柱等に取り付けることができる手段が講じられている(図示せず)。側方アタッチメント30を取り付けるには、挟持部32、33で、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20の結合部12、22を挟む。このとき、一つの結合部12又は22だけを挟持部32、33で挟むのではなく、2つの結合部12、22を一括して挟むことが重要であり、これにより、第1及び第2の嵌め合わせ部材の嵌め合わせ強度も向上する。この側方アタッチメント30は必要に応じて第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20に着脱可能である。
【0012】
第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20を一体化させると、4本の脚部14、24で自立可能ではあるが、図1の態様の側方アタッチメント30を取り付けることにより、柱等への取り付けが可能になり、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20を空中に保持することができ、物品の整頓や陳列の方法の選択肢が広がる。
【0013】
図2は、第1の嵌め合わせ部材10の模式平面図である。第1の嵌め合わせ部材10には、環状部11と、2つの脚部14と、結合部12とが備えられる。環状部11は円環状あるいは楕円状などであることが好ましい。脚部14は結合部12を中心にして二又状になっている。この二又状の2つの脚部14と、環状部11とが、結合部12を中心にしてX字状を呈している。好ましくは、第1の嵌め合わせ部材10は実質的に一平面状に構成され、それにより、不要時にコンパクトに収納することができる。結合部12には溝13が形成されている。溝13は、結合部12のうちの、環状部11に向かう部分に形成されている。
【0014】
図3は、第2の嵌め合わせ部材20の模式平面図である。第2の嵌め合わせ部材20の構成は上述の第1の嵌め合わせ部材10に類似しており、環状部21、脚部24、結合部22を有していて、結合部22において環状部21と脚部24とがX字状を呈しており、2つの脚部24は結合部22を中心に二又状を呈している。好ましくは、第2の嵌め合わせ部材20も実質的に一平面状に構成され、それにより、不要時にコンパクトに収納することができる。第2の嵌め合わせ部材20は溝23の形成の仕方が第1の嵌め合わせ部材10とは異なる。第2の嵌め合わせ部材20の溝23は、結合部22のうちの、環状部21とは反対側の部分、つまり脚部24に向かう部分、好適には、2つの脚部24が呈する二又状の中心部分に形成されている。好ましくは、第1の嵌め合わせ部材10の溝13と、第2の嵌め合わせ部材20の溝23とは実質的に同じ深さであり、これにより、両溝13、23を嵌め合わせたとき、第1の嵌め合わせ部材10と第2の嵌め合わせ部材20との一体化がより強固になる。
【0015】
用時には、2つの嵌め合わせ部材10、20を一体化させる。このとき、第2の嵌め合わせ部材20の脚部24の一つを第1の嵌め合わせ部材10の環状部11に通して、両嵌め合わせ部材10、20の溝13、23どうしを嵌め合わせる。このとき、第2の嵌め合わせ部材20の環状部21が、第1の嵌め合わせ部材10の環状部11の中に入るように構成され、好ましくは、第2の嵌め合わせ部材20の環状部21と、第1の嵌め合わせ部材10の環状部11とが互いに実質的に直角になるように構成される。これにより、環状部11、21が4方向に膨らみを有することになるので、柔らかい物品をかぶせるようにして戴置することができる。
【0016】
第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20は、溝13、23の形成以外のところでは、同じ寸法で構成することが好ましい。それによって、両嵌め合わせ部材10、20を一体化したときに脚部14、24の寸法が揃って自立しやすくなるとともに、2つの環状部11、21が互いに応力を掛け合うことになり、強度向上に寄与する。なお、2つの環状部11、21の接触部分、すなわち、一般的には環状部11、21の頂部には、嵌め合わせが容易になるように互いに向き合うように凹部が形成されていることが好ましい(図2、図3を参照)。両嵌め合わせ部材10、20の一体化とは、溝13、23を嵌め合わせることにより、自立可能なように両嵌め合わせ部材10、20を固定化することであり、好ましくは着脱可能である。
【0017】
第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20は、一般的なプラスチック樹脂などの成型により製造することができる。第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20の大きさは戴置しようとする物品の寸法などに応じて適宜設定することができる。
【0018】
図4は本発明の戴置台の別の一例を示す斜視図である。第1の嵌め合わせ部材10と第2の嵌め合わせ部材20とが一体化されており、そこに、延長部材としての下方アタッチメント40を取り付けようとしているところである。第1の嵌め合わせ部材10と第2の嵌め合わせ部材20とは、それぞれの結合部12、22において溝(図示せず)をはめ込むことにより一体化していて、4本の脚部14、24で自立可能になっている。2つの環状部11、21の上からかぶせるようにして物品(図示せず)を戴置することができる。
【0019】
図4の態様では、下方アタッチメント40は、4本の挟持部42と、挟持部42から延びる柄部41と、柄部41における挟持部42とは反対側の端に設けられた脚部43とを有する。脚部43を水平な台などに置くことにより、柄部41が鉛直上方に向き、下方アタッチメント40全体が自立可能なように構成されている。柄部41の長さは適宜設定することができ、上述した「振り出し竿」のように長さが変更可能であってもよい。挟持部42は4本あり、隣接する挟持部42で、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20の4本の脚部14、24の間から結合部12、22における中心付近の部分を一括して挟持することにより、下方アタッチメント40を第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20に着脱可能に取り付けることができる。
【0020】
図1や図4の態様のように、延長部材としての側方アタッチメント30や下方アタッチメント40の挟持部32、33、42が、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20の結合部12、22を一括して挟持することにより、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20の一体化の強度を向上することと、延長部材の取り付けとが同時に達成される。
【0021】
側方アタッチメント30や下方アタッチメント40等の延長部材の材質、製法は特に制限されず、例えば、一般的なプラスチック材料あるいは、第1及び第2の嵌め合わせ部材10、20と同様の材料から成型によって製造することができる。
【0022】
本発明によれば、この戴置台に載せる物品の種類は特に限定はなく、日用品、衣料品、装身具、かつらなどが挙げられる。かつらのように、下側が開放している中空の物品であれば、その中空部分を、環状部11、21にかぶせるように戴置することにより、型崩れを防ぐことができる。かつらが有する毛髪は用途に応じていろいろな長さのものがあり、例えば、延長部材の柄部41の長さを調節することで、毛髪の長さの違いに対応することができ、毛髪が極めて長い場合などは、図1の態様のように側方アタッチメント30を適用して、柱などに取り付けることにより、環状部11、21を空中に保持して、かつらの毛髪が地面や陳列棚などに接触することを防ぐことができる。かつらの毛髪が地面や陳列棚などに接触すると、意図したヘアスタイルが維持されなかったり、髪形に意図せぬ「癖」が付いたりする懸念があるので、本発明の戴置台を用いて、かつらの毛髪が地面や陳列棚などに接触しないように整頓したり陳列することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によれば、不要時にコンパクトに収納でき、用時には、高さを自在に設定できたり、柱等に取り付けたりすることができる戴置台が提供され、物品の整頓や陳列において有用である。
【符号の説明】
【0024】
10 第1の嵌め合わせ部材
20 第2の嵌め合わせ部材
11、21 環状部
12、22 結合部
13、23 溝
14、24 脚部
30 側方アタッチメント
40 下方アタッチメント
31、41 柄部
32、33、34 挟持部
42 脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の嵌め合わせ部材と、第2の嵌め合わせ部材と、延長部材とを有し、
第1及び第2の嵌め合わせ部材は、環状部と、二又状の2本の脚部と、環状部及び脚部を繋ぐ結合部とそれぞれを有し、結合部において環状部と2本の脚部とがX字状を呈し、
第1の嵌め合わせ部材の結合部における環状部に向かう部分に溝が形成され、
第2の嵌め合わせ部材の結合部における脚部に向かう部分に溝が形成され、
第1の嵌め合わせ部材の環状部がつくる環の中に第2の嵌め合わせ部材の環状部を入れ込むようにするとともに、上記2つの嵌め合わせ部材の溝どうしを嵌め合わせることにより、上記2つの嵌め合わせ部材が一体化して合計4本の脚部にて自立可能になるよう構成され、
延長部材は挟持部と挟持部から延びる柄部とを有し、
挟持部は上記嵌め合わせた第1及び第2の嵌め合わせ部材のそれぞれの結合部を一括して着脱可能な形態で挟むように構成されてなる、
載置台。
【請求項2】
挟持部が第1及び第2の嵌め合わせ部材の4本の脚部の間から結合部を挟むように構成されてなる請求項1記載の載置台。
【請求項3】
第1及び第2の嵌め合わせ部材がそれぞれ実質的に一平面上に構成されてなる請求項1又は2記載の載置台。
【請求項4】
第1及び第2の嵌め合わせ部材はそれぞれの環状部が互いに実質的に直角になるように嵌め合わされる請求項1〜3のいずれかに記載の載置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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