説明

輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台、それに用いる防振部品及び振動抑制輸送方法

【課題】本発明の目的は、損傷しやすい製品、商品の輸送中に受ける振動及び衝撃を軽減し、損傷を防止、軽減させて、製品、商品の品質を良好に保持する性能を有する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台、それに用いる防振部品及び振動抑制輸送方法を提供することである。
【解決手段】
本発明は、段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台において、上段の積荷を支持する防振部品を有する。防振部品は、段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台の天井又は側壁上部に取り付ける防振部品であって、一端に上段の積荷を支持する把持部を有し、他端に輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台に固定するための取り付け部を有し、かつ、把持部と取り付け部の間にバネ若しくは減衰器若しくは動的吸収器を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、商品の輸送に適用し得る輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台、それに用いる防振部品及び振動抑制輸送方法に関する。さらに詳しくは、積荷が輸送中に受ける振動及び衝撃を大幅に軽減し、製品、商品の損傷を防止、軽減させて、製品、商品の品質を良好に保持する性能を有する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台、それに用いる防振部品及び振動抑制輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電器製品、精密機器、精密部品などの製品、又は、青果物などの商品は、流通の中で長距離輸送時、荷扱い時及び保管時において多くの衝撃及び振動を受ける。そこで、輸送・荷扱いによる振動及び衝撃を軽減し、製品、商品の損傷を防止し、製品、商品の品質を良好に保持することは、輸送・荷扱いに求められる基本機能の一つである。
【0003】
輸送中の積荷への振動及び衝撃を和らげるために、例えばトラック輸送における積荷の緩衝には、エアサスペンションなど車両の支持バネを柔らかくし、また、ダンパーを取り付けるなどの方策がとられている。
【0004】
積荷を載せるパレットに緩衝部材を取り付ける例、コンテナー自体に緩衝部材を取り付ける例がある(例えば、特許文献1又は2を参照。)。また、二重箱にして箱と箱との間に緩衝部材を取り付け、緩衝性能を向上させて衝撃、振動など外力を吸収する例がある(例えば、特許文献3を参照。)。また、積荷の揺れや荷崩れを防止するために積荷をラップフィルムで巻くか、バンドで縛ることは実際の輸送時に行われていることである。さらに、貴重品を輸送する方法として、コンテナーの内部に配置する内枠を防振対策し、そのうち枠に受け袋を配置し、その中に貴重品を入れて保護しながら輸送する方法がある(例えば、特許文献4を参照。)。さらに輸送用容器の床にバネを配置し、容器内面にエアマットを有するものがある(例えば、特許文献5を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−298298号公報
【特許文献2】特開昭63−258776号公報
【特許文献3】特開昭63−272689号公報
【特許文献4】特開2002−234578号公報
【特許文献5】特開平8−268462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜5に開示された技術のように、製品、商品を損傷から保護するために各種手段が講じられているが、いずれの緩衝手法も路面からの振動及び衝撃を低減、減衰することを対象としたものであった。特に特許文献5の技術では、作業時間がかかり、手間と器材に関わる費用などコストが掛かっていた。また、振動によって引き起こされる揺れや積荷の動きについても荷崩れやズレを少なくすることを目的とするもので、積荷の挙動に対応した考え方はなかった。
【0007】
本発明の目的は、損傷しやすい製品、商品の輸送中に受ける振動及び衝撃を軽減し、損傷を防止、軽減させて、製品、商品の品質を良好に保持する性能を有する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台、それに用いる防振部品及び振動抑制輸送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、段積みした積荷の上段を支持することによって、十分な緩衝性能が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台は、段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台において、上段の積荷を支持する防振部品を有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台では、前記防振部品が、前記上段の積荷を抑えるバネ部品若しくは減衰部品若しくは動的吸収部品であることが好ましい。当該防振部品は、支持によるモード特性と支持部機構の減衰によって積荷の振動エネルギーを大幅に減少させることができる。
【0010】
本発明に係る防振部品は、段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台の天井又は側壁上部に取り付ける防振部品であって、一端に上段の積荷を支持する把持部を有し、他端に前記輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台に固定するための取り付け部を有し、かつ、前記把持部と前記取り付け部の間にバネ若しくは減衰器若しくは動的吸収器を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る振動抑制輸送方法は、輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台に積荷を段積みし、上段の積荷が支持端となるようバネ部品若しくは減衰部品若しくは動的吸収部品で抑えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る振動抑制輸送方法では、最下段の積荷を自重によって固定することが好ましい。最下段の積荷を固定することで、段積みした積荷を1つの集合包装ととらえた場合、共振をより小さくすることができる。

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、損傷しやすい製品、商品の輸送中に受ける振動及び衝撃を軽減し、損傷を防止、軽減させて、製品、商品の品質を良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一端が固定端で他端が自由端の段積み積荷箱の実験分析結果であり、(a)はヨコ1次、(b)はヨコ2次、(c)はヨコ3次、の結果である。
【図2】一端が固定端で他端が自由端の段積み積荷箱の実験分析結果であり、(a)はタテ1次、(b)はタテ2次、の結果である。
【図3】最上段の積荷を支持したときのバネ‐質量系の多自由度振動モデルの概略図であり、(a)はタテモード、(b)ヨコモードである。
【図4】最上段の積荷を支持する防振部品を取り付けた状態を示す概略図であり、(a)は2つのバネをV字状に配置した防振部品、(b)は3つのバネをxyz方向に配置した防振部品を示した。
【図5】最上段の積荷を支持端としたときの積荷の挙動を示す図であり、(a)は1本のバネを垂直方向に配置したバネ部品を用いたときのタテの挙動の例(1次モード)、(b)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのタテの挙動の例(2次モード)、(c)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(1次モード)、(d)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(2次モード)、(e)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(1次モード)、(f)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(3次モード)、である。
【図6】最上段の積荷を支持端としたときと自由端としたときの積荷の挙動(タテモード)の比較を示す図であり、(a)は自由端、1次モードの例、(b)は支持端、1次モードの例、(c)は自由端、2次モードの例、(d)は支持端、2次モードの例、である。
【図7】最上段の積荷を支持端としたときと自由端としたときの積荷の挙動(ヨコモード)の比較を示す図であり、(a)は自由端、1次モードの例、(b)は支持端、1次モードの例、(c)は自由端、2次モードの例、(d)は支持端、2次モードの例、である。
【図8】トラックの荷台に適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。なお、同一部材・同一部位には同一符号を付した。
【0016】
輸送中の積荷の挙動を再現させることを目的とする積荷振動実験を行った。条件は、積荷の大きさ355×245×80(m)、積荷重さ1.5kg、積荷段数26段とし、段積みの積荷同士でフィルムで被覆したり、紐で束ねたりすることはせず、かつ、積荷を抑えることもしなかった。
【0017】
この結果、図1及び図2に示すように、積荷の揺れ方は、一端が固定端で他端が自由端を持った連続体ハリ又は多自由度系のモデルで表される知見を得た。図1は、一端が固定端で他端が自由端の段積み積荷箱の実験分析結果であり、(a)はヨコ1次、(b)はヨコ2次、(c)はヨコ3次、の結果である。図2は、一端が固定端で他端が自由端の段積み積荷箱の実験分析結果であり、(a)はタテ1次、(b)はタテ2次、の結果である。図1及び図2において、積荷箱の色(濃淡)は、加速度の大きさを示しており、色が濃いほど加速度が大きいことを示す。積荷のヨコの動きは代表的に1次モード、2次モード及び3次モードの動きを示し、また、積荷のタテの動きは代表的に1次モード及び2次モードの動きを示す。そのため自由端である最上部は共振によって常に大きな揺れが発生する。加速度が大きい積荷箱は、ヨコモードであれば水平方向への飛び出しの運動が生じて箱同士が横ズレを起こし易く、また、タテ方向であれば上下方向への突き上げ若しくは落下の運動が生じて、箱同士が押し合い又は引き離れ、結果として箱が潰されるおそれがある。
【0018】
本実施形態に係る輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台では、段積みした積荷の上段を支持することによって緩衝性能を得る。本実施形態では、段積みした積荷のうち上段の積荷、好ましくは最上段の積荷を支持する。最上段の積荷を支持することによって、段積みした積荷の先端が支持端となり、最も安定化する。これ以降、積荷の最上段を支持する場合を例として、説明する。また、段積みの積荷同士でフィルムで被覆したり、紐で束ねたりすることはせずに段積みのままとした。なお、輸送コンテナーを用いた場合について説明するが、トラック用若しくはバン用荷台を用いた場合も同様に適用することができる。
【0019】
図3は、最上段の積荷を支持したときのバネ‐質量系の多自由度振動モデルの概略図であり、(a)はタテモード、(b)ヨコモードである。三角の記号は、支持方向を示している。段積みした積荷同士が輸送時の振動によって弾性体様の挙動を示すため、図3(a)のタテモードでは、質量mの積荷1が、n段積み(図3では例として5段積みを図示した。)されているとき、積荷1同士の間にそれぞれバネ係数k1のタテバネ51が配置され、かつ、最上段の積荷1bと輸送コンテナー100の天井42との間に同じくタテバネ51が配置されたモデルに近似できる。一方、図3(b)のヨコモードでは、質量mの積荷1が、n段積み(図3では例として5段積みを図示した。)されているとき、積荷1同士の間にそれぞれバネ係数k2のヨコバネ52が配置され、かつ、最上段の積荷1bと輸送コンテナー100の天井42との間に同じくヨコバネ52が配置されたモデルに近似できる。なお、k1とk2が等しいときもある。
【0020】
図1又は図2と図3とを比較すると、いずれの形態も、下端では積荷1aが床41にほぼ固定されていると考えると固定端とみなせるが、図1又は図2では上端の積荷1bが自由端であり、図3では上端の積荷1bが、バネ51,52によって抑えられた支持端である。片側(上端)を支持端とすることで緩衝性能を得る。
【0021】
図4は、最上段の積荷を支持する防振部品を取り付けた状態を示す概略図であり、(a)は2つのバネをV字状に配置した防振部品、(b)は3つのバネをxyz方向に配置した防振部品を示した。図4に示すように、本実施形態に係る輸送コンテナーは、段積みした積荷1を収容する輸送コンテナー100において、最上段の積荷1bを支持する防振部品10,20を有する。
【0022】
輸送コンテナー100は、具体的には、収容空間43を有し、輸送コンテナー100の床41上に積荷1が直接又はパレット(不図示)を介して載せられる。輸送コンテナー100の天井42には、防振部品10,20を吊らす又は固定するための留め具44が設置されている。
【0023】
防振部品10,20は、図4(a)又は(b)に示すように、段積みした積荷1を収容する輸送コンテナー100の天井42に取り付けるバネ部品であって、一端に最上段の積荷1bを支持する把持部11,21を有し、他端に輸送コンテナー100の留め具44に固定するための取り付け部13,23を有し、かつ、把持部11,21と取り付け部13,23の間にバネ14,24を有する。図4(a)では、バネ14は、2つのバネ14a,14bからなり、V字状に配置されている。図4(b)では、バネ24は、3つのバネ(24a,24b,24c)からなり、xyz方向に配置されている。
【0024】
積荷1は、xyzの3次元方向に振動するため、各方向の振動を抑えることが好ましく、バネを少なくとも1つ以上用いれば、xyz方向それぞれの原点回帰するためのベクトルを持たせることができる。複数本のバネを用いれば、xyz方向それぞれの原点回帰するためのベクトルの大きさを等しくなるように近づけることが可能となり、あるいは、振動の大きさについてxyz方向に異方性があれば、その大きさに応じてベクトルの大きさを調整することで、振動をより抑制することができる。
【0025】
2つのバネ14a,14bを用いたとしてもxyz方向それぞれにベクトルを持たせることができ、図4(a)のようにV字状に配置、例えばV字状の正面がトラックの幅方向を向くようにバネ14a,14bを配置すれば、バネ14の複合バネ係数のトラック進行方向成分を大きくすることができる。さらに3つのバネ(24a,24b,24c)を用いたとしてもxyz方向それぞれにベクトルを持たせることができ、バネ24をxyz方向に配置すれば、xyz方向それぞれに個別にバネ係数を設定することもできる。例えば、トラックの進行方向、車両幅方向及び上下方向を前記xyz方向に合わせて、個別にバネ係数を設定することもできる。
【0026】
把持部11,21は、最上段の積荷1bを抑えることができればいかなる形状としてもよいが、例えば、図4(a)(b)に示すように、最上段の積荷1bの天井面を被せる形状が好ましい。このような形状とすることでトラックの進行方向、車両幅方向及び上下方向の振動があっても確実に抑えることができる。
【0027】
留め具44に固定するための取り付け部13,23は、例えば嵌め込み式、引っ掛け式又はねじ込み式であり、その形式に限定されない。
【0028】
留め具44はコンテナー100の天井42、側壁(不図示)に固定されている。バネを所望の方向に配置するため、留め具44を天井から垂下させてもよい。このとき、留め具44は、防振部品10,20を作動させるために、吊り柱等の剛体からなることが好ましい。留め具44の形状は特に制限はないが、図4(b)に示すように、バネ24a,24b,24cの方向を調整するために、天井42から垂下させる長さをバネごとに異なるものとしてもよい。例えば、z方向のバネ24c用の留め具44cよりも、x方向のバネ24a用の留め具44aとy方向のバネ24b用の留め具44bの長さを長くしてもよい。
【0029】
図4(a)(b)では、防振部品としてバネ部品を用いた形態を示したが、バネ部品の代わりに、減衰部品又は動的吸収部品を用いてもよい。減衰部品に使用する減衰器としては、例えばゴム体、バネと粘性体とを組み合わせた振動減衰器を使用できる。動的吸収部品に使用する動的吸収器(ダイナミックダンバー)としては、公知のものが使用できるが、その重りの重さは、積荷の条件(重さ、積み段数など)によって適宜調整し、共振の小さくなるものを選定する。減衰部品又は動的吸収部品のいずれも、バネ部品と同様に把持部、取り付け部を有する。
【0030】
本実施形態に係る振動抑制輸送方法は、本実施形態に係る輸送コンテナー及び防振部品を用いて行う方法であり、具体的には、輸送コンテナーに積荷を段積みし、上段の積荷が支持端となるようバネ部品若しくは減衰部品若しくは動的吸収部品で抑える。好ましくは最上段の積荷が支持端となるようにする。このとき、最下段の積荷1aを自重によって固定することが好ましい。床41と最下段の積荷1aとの摩擦係数が大きい場合など、固定手段によって固定しなくても自重によって実質的に固定状態とすることが可能であり、このとき、床41が平面とすることができ、大きさの違う荷積みを載せたときなど使い勝手がよい。最下段の積荷を自重によって固定することで、段積みした積荷を1つの集合包装ととらえた場合、当該集合包装は、連続体ハリ又は多自由度系モデルの片側固定端としてとらえることができ、他端を把持又は抑えることで共振をより小さくすることができる。
【0031】
以上説明したとおり、輸送コンテナー内の積荷の上部である自由端を、支持端とすることによって段積みした積荷の動きを制御でき、その振動エネルギーを大幅に減少させることができる。このときのシミュレーション結果を図5に示した。最上段の積荷を支持端としたときの積荷の挙動を示す図であり、(a)は1本のバネを垂直方向に配置したバネ部品を用いたときのタテの挙動の例(1次モード)、(b)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのタテの挙動の例(2次モード)、(c)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(1次モード)、(d)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(2次モード)、(e)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(1次モード)、(f)は2本のバネをV字に配置したバネ部品を用いたときのヨコの挙動の例(3次モード)、である。図5(a)では1本のばねを垂直方向に配置した防振部品30、(b)〜(f)では2本のばねをV字状に配置した防振部品10を使用した例を示した。図5において、三角の記号は、支持方向を示し、積荷箱の色(濃淡)は、加速度の大きさを示しており、色が濃いほど加速度が大きいことを示す。図5を参照すればわかるとおり、最上段の積荷を支持端としたときにおいても、タテ方向の挙動としては1次及び2次のモードが観測され、また、ヨコ方向の挙動としては1次、2次及び3次のモードが観測される。しかし、加速度の大きさは、自由端としたときと比較して大幅に低減されている。
【0032】
そのことを示すために図6と図7を示す。図6は、最上段の積荷を支持端としたときと自由端としたときの積荷の挙動(タテモード)の比較を示す図であり、(a)は自由端、1次モードの例、(b)は支持端、1次モードの例、(c)は自由端、2次モードの例、(d)は支持端、2次モードの例、である。図7は、最上段の積荷を支持端としたときと自由端としたときの積荷の挙動(ヨコモード)の比較を示す図であり、(a)は自由端、1次モードの例、(b)は支持端、1次モードの例、(c)は自由端、2次モードの例、(d)は支持端、2次モードの例、である。図6(b)(d)及び図7(b)(d)では2本のばねをV字状に配置した防振部品を使用した例を示した。防振部品を用いた場合、最上段の積荷を支持端となっているため、自由端とした場合と比較して、各積荷の加速度が大幅に低減している。このように本実施形態に係る防振部品、輸送コンテナーによって積荷は十分な緩衝性能を有し、実用され得る。特に製品の出荷、輸送において顕著な効果を奏する。輸送コンテナーにおいては、特別な緩衝手段が無くてもよい。
【0033】
図8は、トラックの荷台に適用した例を示す図である。実質、輸送コンテナーの場合と同様であり、防振部品を用いた場合、最上段の積荷を支持端となっているため、自由端とした場合と比較して、各積荷の加速度が大幅に低減している。
【符号の説明】
【0034】
1 積荷
1b 最上段の積荷
1a 最下段の積荷
10,20,30 防振部品
11,21 把持部
13,23 取り付け部
14,14a,14b,24,24a,24b,24c バネ
41 床
42 天井
44,44a,44b,44c 留め具
51 タテバネ
52 ヨコバネ
100 輸送コンテナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台において、上段の積荷を支持する防振部品を有することを特徴とする輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台。
【請求項2】
前記防振部品が、前記上段の積荷を抑えるバネ部品若しくは減衰部品若しくは動的吸収部品であることを特徴とする請求項1に記載の輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台。
【請求項3】
段積みした積荷を収容する輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台の天井又は側壁上部に取り付ける防振部品であって、一端に上段の積荷を支持する把持部を有し、他端に前記輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台に固定するための取り付け部を有し、かつ、前記把持部と前記取り付け部の間にバネ若しくは減衰器若しくは動的吸収器を有することを特徴とする防振部品。
【請求項4】
輸送コンテナー又はトラック用若しくはバン用荷台に積荷を段積みし、上段の積荷が支持端となるようバネ部品若しくは減衰部品若しくは動的吸収部品で抑えることを特徴とする振動抑制輸送方法。
【請求項5】
最下段の積荷を自重によって固定することを特徴とする請求項4に記載の振動抑制輸送方法。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−84111(P2011−84111A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236621(P2009−236621)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(000201641)全国農業協同組合連合会 (69)