説明

農地面積単位収穫権管理システム

【課題】従来の農業においては、収穫までの育成、農作業、収穫作業支援、出荷作業、支援、管理等は単なる収穫量のみの基礎数字による管理システムだったが、収穫物の所有権の会員制度による場合、価格を基礎数字とした取り扱いをしないので、価格を基本単位とした管理や、単なる重量だけの管理は、かえって不便になる。
収穫する植物の本数単位の収穫物の所有権会員制度は従来あったが、農地の面積単位で管理する収穫物所有権、すなわち農地面積単位収穫権制度はなく、それを支援するコンピュターシステムはどの様にすれば最も便利に使えるかを考えた。
【解決手段】農地の面積単位で管理する収穫物所有権、すなわち農地面積単位収穫権制度支援するコンピュターシステムは、農地面積単位で一口として、その収穫量を基礎数字として計算して行くシステムがあれば、生育、収穫管理、収穫支援、収穫作業、出荷管理、出荷支援、出荷作業等がしやすく、最も便利になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、農地の面積を基準とした収穫物の所有権、すなわち農地面積単位収穫権の会員制度において、適切かつ容易に管理運営ができるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本の農業は自給率が低く、また外国の農作物の価格が安い場合もあり、関税が撤廃されて自由貿易になると、農家は益々苦しくなることが予想される。
耕作放棄地は近年減るどころか、増加する一方であり、就農者の平均年例は65歳を越え、後継者問題を抱えている農家は少なくない。
そうかと言っても、就農をこころざしても農家ではない一般社会人は農地を所有、または買うことは出来ないし(農地法第3条)、農業だけでは助成金、補助金がなければ生活が成り立ちにくく、また務めに出ると農作業をする時間や余裕がなくなるので、休耕地、耕作放棄地になってしまうという悪循環になっている実例は多い。
それでも、農作物の収穫は確保したい、食糧高騰に備えたい、農作業は農家にお願いしたい、日本の農業を応援したいという方などから支持されて誕生したのが、農地の面積を基準とした収穫物所有権の会員制度システムである。
【0003】
従来、就農者の農業経営管理は、経費、売上などの経営面の管理や、気温、雨量、日当たりなどの環境データから、農作物の出来具合との関連を調べ、作業を管理する方法などがあった。
また、収穫物の出荷を管理する場合、価格、品質クラス、規格などを基準として管理していた。
また、顧客を管理する場合、買付価格や売値などの価格が一つの単位基準となって管理がされていた。
【0004】
農作物で、収穫する植物の木の本数単位の収穫物の所有権会員制度はあったが、一定の農地面積単位からなる収穫物所有権の管理システムはなかった。
【先行技術文献】
【0005】
【非特許文献】
【非特許文献】特開2002−215717
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
日本の耕作放棄地や休耕地を減らし、就農者の後継者問題を解決するにはどうすれば良いか。また、農業をしたいが事情により出来ない方々に代わって、農作業をするには、また、農地のオーナーになって頂くことはできないが、農作物の所有者になって頂くためにはどの様にすれば良いか。
また、その制度の具体的なコンピュターシステムの支援はどの様な仕組みにすれば良いか、ということである。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するために、多くの方々が農業を支援して頂ける仕組みを作り、耕作放棄地を減らし、多くの就農者の後継者問題を解決し、日本の農業復興を実現することを目的とするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、農地の面積を基準とするものの、農地そのものの所有権ではなく、そこで出来る収穫物を所有権とする収穫権の会員制度を考え、それを容易に管理運営できるコンピュターシステムを考えた。
会員制度は、所有権の単位を価格や収穫物の大きさや重さでなく、農地の面積の一定単位の広さを一単位一口にすることにより、価格や重さ、品質の単位に関係なく、その農地面積の広さに応じた収穫物を会員の所有権とした。
以下、会員とは、農地面積単位で収穫物の所有権を有する会員制度をご利用頂くお客様のことを示す。
そのためには独自のシステムを構築しなければならないが、基本となるのは、価格や品質、規格ではなく、農地の面積の一定単位を一口とし、その収穫量を全ての計算の基本数字としたコンピュターシステムである。土地の面積に応じた収穫物の量という自然法則を利用したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によるコンピュターソフトによるシステムは、農地の面積を基準として、例えば1口1坪の収穫高などとして管理するので、収穫物の価格で管理するのではないので、出荷時において、食糧の高騰など価格に影響されることなく、食糧を収穫してお届けする制度を効果的に支援することができる。
また、収穫物の種類が複数あっても、単位面積の収穫量が計算出来れば、1口1坪などとした計算基礎数字として使えば、それがそのまま出荷単位として使えるので、会員さんに出荷する量を容易に割り出し、出荷作業を支援することが出来る。
また、収穫時期がまばらで収穫日に差が出る場合、先に収穫したものと、後に収穫した割合などは、価格を基準とせずに農地面積単位による収穫量を基準として計算するので収穫管理、出荷管理がしやすくなる。
もし、価格を管理基準、価値基準とすると、先に収穫したものと後日に収穫したものとでは価格格相場により価格が変化してしまい、先の収穫と後の収穫との価格を変えるか、出荷量を変動させなければ、価格基準はこの会員制度においては公平さを保つことができない。
しかし、農地面積単位の収穫量を価値基準としたシステムとすれば、価格は関係なくなるので価格よりも収穫時期を優先とすることができる。
また、価格基準でなく農地面積単位の収穫高なので、入会時に必要だった入金管理、領収書発行、請求書発行などは、出荷前後は不要になるだけでなく金銭授受が無いので、出荷時金銭的トラブルは無くなるし、その分出荷管理を分簡素化できる。
また、農作業や生育管理も、農作物が実を付けてからは、前年度収穫量又は平均の収穫量を利用して農地面積単位で管理し、収穫時期、収穫量を100%として逆算すれば、より管理がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の農地面積単位収穫権管理システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の農地面積単位収穫権管理システムの実施例1を示す図である。
【実施例】
【0011】
実施例を、図面を用いて説明する。
図面1は、本システムの概要を示しており、農地面積単位で収穫物の生育状況を管理し、1口(例1坪)あたりの収穫時期、収穫量を前年度収穫量、平均収穫量を参考に、支援、管理、判断する。
一口あたりの収穫量がわかれば、本システムに情報を入力すれば、農地全体の収穫量が算出される。
【0012】
収穫時、一口単位の収穫量を本システムが管理するので、収穫作業も面積単位で行う際に収穫量がわかるので、コンバインと収穫物を運搬する手配の計画、時間等の割り当てなどが決め易くなり、収穫作業を支援することができる。
【0013】
出荷作業の際には、一口単位で出荷量が管理出来ていると、会員さんに出荷準備をする際、会員さんの所有する収穫権の口数、種類、送付先等を本システムが管理していれば、そのまま農地面積単位出荷量の単位として使えるので、梱包作業がしやすいし、効率が良い。
【0014】
会員さんに出荷、発送しても、会員入会の際にお金を頂いているので、集金、入金管理等をしなくて済む。
ただし、品質管理は今まで通りお客様視点で行ってゆくことは言うまでもない。
【0016】
農地単位のシステムにすれば、1年1回の収穫だけでなく、収穫権の期間を10年満期にして、安くて良い食糧の供給源として長い間確保することもできる。
【0017】
農地面積単位で収穫量を掌握できれば、収穫権会員に、出荷をする前に、出荷量や、収穫予定等を事前に御案内したり、次年度の作付予定、収穫予想などを事前に御案内するなどしたりすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0018】
日本の農業分野において、利用される可能性があり、特に、耕作放棄地、休耕地が増える中、農業をやりたいが、現実には出来ないので、どなたかに耕作、作付をしてもらいたい、農地は買うことは出来ないので、収穫物の所有権がほしい、万一の食糧の高騰に備えたい、万一のインフレに備えたい、日本の農地を海外資本から守りたい、日本の農地を応援したい、などのニーズにお応えする、収穫権会員制度システムなどに利用される。
【符号の説明】
【0019】
1 農地
2 収穫物の流れ
3 本システムの収穫権会員、収穫物送付先
4 本システムである農地面積単位収穫権管理システム
5 農地情報収集の流れ
6 本システムからの支援の流れ
7 農作業、生育管理等を農地に働きかける方向
8 農作業、生育管理
9 収穫物の収穫作業
10 収穫物の出荷作業
11 収穫権会員からの情報
12 本システムから収穫権会員への連絡、報告や御案内など
13 農地面積単位の収穫権の収穫物
14 本システムの農地面積単位収穫情報処理例
15 本システムの出荷支援情報処理例
16 本システムの顧客の収穫権情報処理例
17 出荷のために準備された収穫物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農地において、面積の単位で一口として設定して、農業収穫物の所有権、すなわち収穫権を取り扱う会員制度において、収穫物育成、収穫物の収穫作業、収穫物の支援、収穫物の出荷、配送の管理、情報収集などを、農地の面積単位を一口とした収穫量を基礎数字として管理する農地面積単位収穫権管理システム。
【請求項2】
農地において、面積の一定単位を一口として設定して、農業収穫物の所有権、すなわち収穫権を取り扱う会員制度

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−100644(P2012−100644A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268795(P2010−268795)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(399072222)株式会社アトリー (4)