説明

農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム

【課題】藺草消費者であるオーナー会員が藺草の育成に積極的に関与して消費者個人の嗜好に合った藺草製品を手に入れることができ、また、実際に藺草栽培の現場に出て、健康、趣味、などで藺草農業の安全性をアピールして、藺草製品の生産に従事できる農家・業者と市民のパートナーシップによるオーナー会員制藺草育成システムを提供することにある。
【解決手段】藺草の栽培・育成を推進して、藺草製品を普及・促進するために、藺草栽培投資における藺草育成の農業者と、藺草の製品を製造する製茣蓙業者と、これらをコーディネートとする運営者とに、投資によって藺草栽培の特定区域の権利、藺草の育成の観察、藺草製品である茣蓙製品の製造見学、および藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍価格の製品とを入手できる藺草オーナー会員と、からなっている農家と市民のパートナーシップの藺草農業システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、市民の消費者が藺草の育成と藺草製品の自給に参加し、藺草農業に関心の高い非農業関係者への藺草農業従事を高めるための農家と市民のパートナーシップによるオーナー会員制藺草栽培に関する農業育成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から藺草の育成は農業従事者の手に全て任せられており、消費者は単に市場を介して藺草商品としての藺草敷物を手に入れ、消費しているに過ぎなかった。
【0003】
一方、近年の産業構造では藺草農業従事者が後継者や労働力を確保するのが困難になりつつあり、また、藺草農業の衰退を防ぐためにも、藺草農業従事者が何らかのかたちで消費者との関わりを持ち、自らの育成した藺草の独自性や安全性をアピールして、市民の消費者が藺草農業の育成に参加し、藺草農業に関心の高い非農業関係者への農業従事をたかめるための藺草農家と市民のパートナーシップを行なって、藺草農家を消費者が藺草製品をもとに関心を高められるようなシステムの必要に迫られている。また藺草以外にも農産物の栽培に市民の参加のシステムも検討されている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−73728号
【特許文献2】特開2006−120104号
【特許文献3】特開2008−79590号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
藺草は近年、中国などの安価な製品が流入して、国内の藺草栽培が衰退している。国内の品質の優れている安心・安全製品は減衰の一途を辿っている。このように国内の藺草の栽培を推進させるためには、市民が国内藺草製品の良さを認識して使用することである。しかし国内製品は製造原価が高く、思うように推進できないのが現状である。
【0006】
国内藺草栽培農家を支援して、藺草の栽培を促進する方法を種々検討されているが、思うような手法は成されていない。このため、藺草栽培農家を資金面から支援する基準などと称した市民が参加する藺草生産物の活用によって藺草製品の市場が出回るようにすることである。藺草の製品は何処でも手に入るようになっているが、実際にどのような工程で藺草が育成され、生産されているのかを消費者が直接的に知ることは事実上不可能であった。
【0007】
一般市民で藺草農業と藺草製品の製造に関心の高く、健全かつ建設的な市民は、健康、趣味によって、消費者に受け入れられる藺草生産物を育成すべく、様々な藺草栽培の努力を重ねてはいる。一方高度な嗜好を有する一部の消費者は、ますます、自分の好みに合った藺草製品を手に入れにくくなるといった問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の欠点を解消し、藺草消費者であるオーナー会員が藺草の育成に積極的に関与して消費者個人の嗜好に合った藺草製品を手に入れることができ、また、実際に藺草栽培の現場に出て、健康、趣味、などで藺草農業の独自性や安全性をアピールして、藺草製品の生産に従事できる農家と市民のパートナーシップによるオーナー会員制藺草育成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
藺草の栽培・育成を推進して、藺草製品を普及・促進するために、藺草栽培投資における藺草育成の農業者と、藺草の製品を製造する製茣蓙業者と、これらをコーディネートとする運営者とに、投資によって藺草栽培の特定区域の権利、藺草の育成の観察、藺草製品である茣蓙製品の製造見学、および藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度価格の製品とを入手できる藺草オーナー会員と、からなっており、
前記農業者に対して前記運営者は、藺草苗の提供と藺草の育成のための指示を与えて、藺草収穫物を得るオーナー会員と製茣蓙業者とに、コーディネートする運営者によって藺草の生育・生産と、その環境ならびに情報とを形成して、前記運営者と前記農業者と前記オーナー会員と前記製茣蓙業者とに相互に連絡できる情報端末とをネットワークを介して双方向通信可能に接続しており、
前記運営者用情報端末と前記ネットワークを介して、前記農業者と前オーナー会員を募集して、前記農業運営者から前記オーナー会員への藺草育成の経過と収穫、並びに製品化の状況などの報告を行うとともに、前記藺草農地での栽培状況を適宜に撮影した画像と、藺草の製品化状況を撮影した画像と、藺草製品として価格に対応して数十種類の製品群を提示して、要望製品を投資額の1.5倍程度の価格製品を提供できるような藺草製品群の情報を、前記ネットワークを介して前記オーナー会員用情報端末に配信する情報処理端末とを、設けていることを特徴とした農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システムである。要望製品を投資額の1〜1.5倍程度の価格製品を提供する場合、好ましくは1.2〜1.5倍である。
【0010】
藺草栽培投資における前記藺草栽培促進に関する運営者は、前記農業者と前記オーナー会員を募集して、前記藺草の育成と製品販売にコーディネートすることによって、藺草栽培農業体験と藺草からの敷物製品を入手できる独占的藺草栽培権と、それによる独自の藺草製品を願望している市民を増大させるために、前記オーナー会員用情報端末へ配信できるようなシステムに構成されている。
【0011】
前記運営者は、前記農業者と前記オーナー会員と前記製茣蓙業者とにコーディネートして、前記農業者と前記オーナー会員と前記の製茣蓙業者の各々に、藺草栽培投資における貸借、販売、秘密、個人保護などの契約を締結できるように、前記農業者用と前記オーナー会員用と前記製茣蓙業者用とに、配信するようなシステムを構成している。
【0012】
前記運営者は、前記農業者と前記製茣蓙業者との協力を得て、前記オーナー会員に、藺草の育成年間計画、藺草の収穫予定、配送予定、栽培方法、生育状況写真、農作業予定表などの藺草の栽培と生産の行事と、藺草製品の選択とその配送予定、製造方法と状況写真、製品化工程表などの藺草製品の生産の行事とを、前記オーナー会員の情報端末に配信するようなシステムを構成している。
【0013】
前記運営者は、藺草栽培農園の地域と規模に合わせて、前記オーナー会員と農業者を応募して、その応募状況を農業者用情報端末に配信させるように構成されている。
【0014】
前記運営者は、前記農業者との協力によって、前記オーナー会員に連絡して、年間計画と、栽培作付けの面積と、農作業予定表などの提案書の送付と藺草農産物栽培の基準を基にして、前記農業者への藺草栽培作業の指示・指導の情報の受信を受け、藺草製品を半年後に投資額に対して1〜1.5倍程度価格の製品を入手できるような前記製茣蓙業者用情報端末に配信するようなシステムを構成している。
【0015】
前記運営者の該情報処理端末に藺草の栽培状況と藺草製品化状況とを適宜に撮影された画像を時系列で保存して、前記ネットワークとを介して前記オーナー会員用情報端末に配信するとともに、藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度価格での製品を選択的に入手することができるシステムになっている。
【0016】
前記オーナー会員に、投資によって藺草栽培での特定区域の藺草権利と栽培技術、及び藺草敷物の製品の知識を提供するため、運営者を介して藺草を栽培・生育させる農業者と製茣蓙業者から藺草栽培状況と製品群の情報を前記ネットワークによって、前記オーナー会員の情報配信端末から藺草製品情報の知識を取得できるようになっている。
【0017】
前記情報配信端末は、前記オーナー会員に藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度価格の藺草敷物製品群を選択できるような情報を、藺草製品の専門家である製茣蓙業者によってネットワークを介して、運営者用情報端末に双方向通信可能に接続されたパーソナルコンピュータに提供できるようになっているシステムである。
【0018】
藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度の価格の製品群を入手できるシステムにおいて、4万円以上の製品群と、3万円程度の製品群と、2万円程度製品群と、1万円程度の製品群と、5千円程度の製品群と、千円程度の製品群とを各々数種類提示して、各々選択した合計製品で投資額の1〜1.5倍程度価格の藺草製品を得るシステムになっている農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システムである。
【0019】
藺草生産農家を育成して、収穫された藺草を、藺草製品に仕上げて前記オーナー会員に提供する藺草農家と製茣蓙業者と市民のパートナーシップの藺草農業育成システムである。また運営者は以下のように支援、管理を行なうことである。
【0020】
1.藺草農家に対しては、
1)生産計画書の策定を作る
2)栽培の業務及び指導する
3)栽培技術研鑽のために支援する
4)藺草栽培における経過写真の撮影を行う
5)出荷業務の管理及び支援をする
6)オーナー会員交流の管理及び支援をする
【0021】
・オーナー会員に対しては、
7)年会費の管理を行う
8)農園情報の提供を行う
9)藺草栽培体験の管理及び支援を行う
(ア)藺草農業への理解を高める
(イ)藺草農家への応援・支援を行なう
10)藺草製品の製造体験の管理及び行う
【0022】
・製茣蓙業者に対しては、
11)藺草製品の製造作業管理を行う
12)藺草製品群の管理を行う
13)藺草農家に関する作業を支援する
【0023】
また運営者の運営方法として次のようなものである。
○藺草農家
1)生産計画書及び基準に従って藺草を栽培管理する。
2)栽培履歴を記録管理する。
3)オーナー会員に対して藺草育成の作業を指導する。
4)藺草農地の継承及び栽培技術を伝承するための技術を指導する。
【発明の効果】
【0024】
上記システムを採用することによって、運営者、オーナー会員、藺草農家、製茣蓙業者は次のような効果が得られる。
【0025】
○運営者の効果として
・新しい農業ビジネスモデルとして利潤を得て、将来の藺草業界の発展を図る
・会員獲得により藺草関連商材の販売の可能性に期待できる
・市民が藺草農業に参画することで藺草の生産・消費・流通など既存になかった新たな生産消費スタイルの創出が可能である。
・藺草農家の高齢化対策、耕作放棄地対策として社会的な意義がある。
・藺草農家の栽培技術の伝承ができる。
【0026】
○藺草農家の効果として
・藺草農地でも有効に活用できる。
・収入の増加が期待できる
・藺草農業生産を継続できる
・藺草栽培農地を次の世代に継承できる。
【0027】
○市民としてオーナー会員の効果として
・独自が権利を確保して藺草栽培して、希望の藺草製品を入手できる。
・藺草栽培の農業実施体験、経験により、他分野の認識と健康、趣味の増進が図れる。
・藺草農業を含み農業への理解が深まる。
【0028】
○藺草農業を囲む地域社会の効果として
・藺草農家の衰退の解消につながる。
・市民による藺草への認識と藺草製品の利用につながる。
・藺草農業への理解が深まることで住宅文化の継承に繋がる。
【0029】
本発明のオーナー会員制の藺草育成システムである農家と市民のパートナーシップの藺草農業システムによれば、消費者であるオーナー会員が運営者用情報端末とネットワークおよび藺草農家用情報端末を介して自由に藺草栽培、藺草製造の情報を与えながら藺草を育成することができるので、農業に関心を持っていない都会の消費者の市民であっても自分で栽培して嗜好に合った藺草製品を容易に手に入れることが可能となる。
【0030】
一方、藺草農業の側でも藺草農地を有効に利用して、収入の確保ができて、藺草を生産することが可能となり、藺草農業自体も活性化されて、後継者の獲得が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】運営者の運営作業の流れ。
【図2】パートナーシップ制度の運営全般の流れ。
【図3】藺草栽培の農業・製造体験の流れ。
【図4】藺草栽培と藺草製品化のパートナーシップ制度。
【図5】パートナーシップ藺草栽培システムの役割。
【図6】パートナーシップ藺草栽培システムのメリット。
【図7】募集パンフレット
【図8】オーナー会員の投資会費と製品取得の流れ。
【図9】藺草製品の種類と価格分類
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の幾つかについて説明する。
図1は農業運営者作業の流れであって、このシステムを運営する主体者の行動を示したものである。本発明のパートナーシップ藺草農業システムを藺草の育成と藺草製品の生産について示したシステム構成図である。
【0033】
まず運営者は、1.年間運営計画書の作成にあたり下記の8項目について策定する。
1)栽培区画数の決定
2)募集会員数の決定
3)年間作付け計画書の策定
4)藺草収穫と藺草製品の生産予定表の策定
5)藺草製品の配送予定表の作成
6)ホームページ運営方針の策定
7)書式の整備〔会員入会申込書・藺草農家入会申込書・アンケート挨拶状・細則・規約・契約書・振込依頼書・パンフレット〕
8)広報計画策定
藺草農家の募集は、従来の取引先または紹介先の中から、A地域B規模C人柄などの条件から選任する。契約書については重要事項を説明し1年ごとの契約更新を基本とする。藺草農家と栽培契約を締結したら使用予定農地を測量し区画配分を決定し募集登録する。
【0034】
次にオーナー会員の募集はウェブや雑誌またブレスリリースを利用して会員を募集する。問合せに対しパンフレットや基本事項を記した資料及び入会申込書を送付する。また必要に応じて説明会を開催する。
【0035】
オーナー会員の入会手続きについては入会申込書を受付後、運営資料、契約書、振込依頼書を送付する。契約書受領及び年会費入金確認後オーナー会員登録しホームページアドレスとパスワードを交付する。藺草農家とオーナー会員の整理について。入会会員数確定により区画の割当てをおこなう。
併せて会員ごとの配送希望日の管理表を作成する。
【0036】
O藺草農地の運営資料の提供について次の項目を準備する
1.オーナー会員向け資料
・藺草年間作付け計画表
・藺草栽培の経過情況の報告と体験実習予定表
・藺草製品群の資料
・ホームページ案内資料
2.藺草農家向け資料
・年間作付け表
・栽培レイアウト
・栽培記録表作成簿
・植え付け、刈り取りなどの管理表
・オーナー会員の簡易情報
3.製茣蓙業者向け資料
・製品の製造計画表
・藺草製品の製造工程と見学可能日程
・藺草製品群のランク表
・藺草製品の配送管理表
【0037】
さらに藺草栽培の農業者は、藺草園の土作りを行い、体験用農具の整備、区画ごとにネームプレート整備を行う。
O藺草に関する苗・資材準備において
・藺草収量安定対策として若干必要数以上植え付け
・オーナー会員が植え付け、収穫時に参加したいときの準備。
O藺草作付け計画書にしたがって栽培をスタートする。
藺草農家に藺草栽培作業に対して観察記録指導の伝達も含めて指導する。
また、オーナー会員の農作業体験に対しては適時対応する。
【0038】
O生育管理・記録について藺草農業者は運営者の協力の下、次の5項目について行う。
(ア)藺草栽培基準を遵守して栽培を行う。
(イ)藺草栽培に使用した肥料、農薬、資材を記録する
(ウ)藺草の生育過程を画像(静止画・動画・イラスト・図面等)で定期的にホームページにアップする。
(エ)画像と同時に生育に関するコメント、栽培技術・経験、気候の影響など藺草農業の生の状況を伝える。
【0039】
O製造管理・記録について製茣蓙業者は運営者の協力の下、次の5項目について行う。
(ア)藺草の製品群に沿った基準を遵守して製造を行う。
(イ)藺草製品の製造過程を記録する
(ウ)藺草の製品の製造過程を画像(静止画・動画・イラスト・図面等)で定期的にホームページにアッフする。
(エ)画像と同時に製品製造に関するコメント、製品の状況を伝える。
O藺草製品の配送については3日前に運送会社に対し集荷依頼して、同時にオーナー会員に対し配送予定日を連絡する。
【実施例】
【0040】
運営者は図1に示すような手順によって、ビジネスを解説する、具体的に以下に詳細に解説する。
まず、入会申込書の受付、契約書の授受及び投資会費の確認につき下記の資料を発行する。
・規約、契約書
・会員証
・年間作付け計画書
・藺草農業者および農地所在地
・藺草製品群の配送予定表
・ホームページアドレス・パスワード
・藺草製品の配送希望届け
・投資会費は運営者が授受し、藺草農家と、製茣蓙業者とに規定の補助金を支払う仕組みとしている。
【0041】
次に、藺草の栽培状況は土作り・苗植え、定植・管理・収穫まで生育状況を定期的に画像と注釈を加えて記録保存する。加えて農業者の技術、経験、また気候の変動などによる状況判断なども紹介し、農業現場の状況をリアルに感じることができるようにする。
【0042】
さらに現地に行き藺草農業体験ができ、農家の指導を受けて、プロ藺草農業者の技術や知識を習得できて、栽培現場に行くことで安心安全栽培育成を確認できることと、その藺草から要望の藺草製品群を製造する製茣蓙業者によって製造過程の状況を写真画像などによって説明する。
オーナー会員の予定を考え、半年後の希望配達3日前までに配送連絡を行う。
登録された配送希望日、曜日、時間に配送するようにする。
【0043】
藺草栽培は、アンケートをもとに基準に沿って作付け計画を策定する。また、藺草製品を希望選択できることを特徴としている。運営者は年間収穫予定表を作成し会員に藺草の収穫保証量を設定する。さらに栽培農業者における農地の使用可能状況の確認をする。
【0044】
藺草の作付けと栽培の基本は、藺草栽培の基準で行い。運営者とオーナー会員の交流会など農業の理解を深める企画を実施する。クレーム処理は運営者側で受付し農業者と協議の上対応することにする。
【0045】
農業者が収穫期を迎えた藺草を収穫予定の三日前までに運営者に連絡する。
連絡を受けた運営者は宅配と製茣蓙業者に集荷依頼すると同時に、オーナー会員に配送予定日をメール連絡する。
【0046】
農業者と製茣蓙業者は運営者と協議の上、登録されたオーナー会員の作付け希望や配送予定を考慮して、運営者は配送予定表に沿って製茣蓙業者に渡す。
【0047】
契約は、原則として毎年9月1日を年度開始とし、翌年の8月末日を年度終了とする。
運営者は市民の中から投資希望者を募集し、ネットワークを構築して農業者の作業と製茣蓙業者をサポートする。また将来的に農業者が藺草農地の維持継承することも検討する。あるいは農地保全を図ることも目的に含む。
【0048】
運営者は農業者の依頼に沿って、依頼項目を下記のとおりとして、藺草栽培の作業内容、作業日程、を連絡する。農業者は依頼事項を確認のうえ、運営者に連絡する。作業終了後、農業者はそれぞれ運営者に作業報告書を提出する。運営者は作業開始する前に農業者に投資会費から代金として支払う。
【0049】
具体的な例としては
1)会員一口は10mの面積であって、一口投資額に対して1〜1.5倍の製品を提供する。
2)藺草栽培は通常の肥料使用栽培である。
・オーナーに対して希望があれば栽培勉強会を開く。
3)藺草苗植えと収穫期は作業応援を紹介できるよう計画である。
4)藺草収穫したものは、製茣蓙業者に発送する。
5)収穫日の3日前までに連絡する。
6)オーナー会員には区画内の藺草は原則として全部藺草の権利を取得できる。
契約金額としては
一口投資額として20,000円にして、何口でも契約が可能である。契約口に対して1〜1.5倍の藺草製品を製茣蓙業者から提供する。
【0050】
・藺草の収穫が年間予定収穫量の5割以下の場合会員さんへ5割の返金になる。会員さんが栽培田に見学や農作業に来ることができる。そのときは事前に連絡する。オーナー会員は藺草農家の栽培を見学・手伝を行うこと、藺草農家から指導をうけて藺草を栽培することもできる。
【0051】
運営者がオーナー会員と農家を募集し、責任を持ってオーナー会員と農家と製茣蓙業者との間に入ってお世話する。オーナー会員と藺草農業者は、いつでも手伝いに来れ、栽培地を提供できるような近郊に住む一般の市民、或いは農家であって、公共の会報を通じて募集して、農業者は同一者で継続して栽培従事を行なうことが好ましい。
【0052】
藺草を育成するための藺草農業の環境は、概略において、農家は農業生産物としての藺草を育成して、この契約に対して藺草育成のためのオーナー会員に指示を与える、および、このオーナー会員に対して藺草育成のための専門知識を供給する農業専門家、ならびに、藺草を育成するための耕作地、農地によって形成される。
【0053】
藺草農家にはパーソナルコンピュータ等で構成される情報発信用端末が配備される一方、オーナー会員の自宅には、同じくパーソナルコンピュータ等で構成されるオーナー会員用情報端末が配備される。
【0054】
また、運営者のもとには、このオーナー会員と農業者と製茣蓙業者が情報配信端末として使用するパーソナルコンピュータが配備され、パーソナルコンピュータの各々が、ネットワークを構成するインターネットを介して双方向通信可能に接続されている。
【符号の説明】
【0055】
1. 運営者
2. オーナー会員
3. 藺草農家
4. 製茣蓙業者
5. 藺草
6. 藺草製品群
7. 体験実習
8. ネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
藺草の栽培・育成を推進して、藺草製品を普及・促進するために、藺草栽培に対しての投資における藺草育成の農業者と、藺草の製品を製造する製茣蓙業者と、これらをコーディネートとする運営者とに、投資によって藺草栽培の特定区域の権利と、藺草の育成の観察と、藺草製品である茣蓙製品の製造見学と、および藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度の価格製品とを入手できる藺草オーナー会員と、からなっており、前記農業者に対して前記運営者は、藺草苗の提供と藺草の育成のための指示を与えて、藺草の生育の情報を形成するとともに、コーディネートする運営者によって、前記藺草栽培の農業者と前記藺草育成権のオーナー会員と前記製茣蓙業者に相互に連絡できる情報端末とをネットワークを介して通信可能に接続しており、
前記運営者用情報端末と前記ネットワークを介して、前記農業者と前記オーナー会員を募集して、前記農業運営者から前記オーナー会員への藺草育成の経過と収穫、並びに製品化の状況などの報告を実施するとともに、前記藺草農地での栽培育成状況を適宜に撮影した画像と、藺草の製品化を撮影した画像と、藺草製品として価格に対応して数十種類の製品群を提示して、要望製品を投資額の1〜1.5倍程度の藺草製品を提供できるような藺草製品群の情報を、前記ネットワークを介して前記オーナー会員用情報端末に配信する情報処理端末とを、設けていることを特徴とした農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項2】
藺草栽培投資における前記藺草栽培促進に関する運営者は、前記農業者と前記オーナー会員を募集して、それによる独自の藺草製品の使用を願望している市民を増大させるために、前記藺草の育成と製品販売にコーディネートすることによって、藺草栽培農業体験と藺草からの敷物製品を入手できる独占的藺草栽培権の取得と、前記オーナー会員への情報提供用情報端末へ配信できるシステムになっていることを特徴とした請求項1記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項3】
前記運営者は、前記農業者と前記オーナー会員と前記製茣蓙業者とにコーディネートして、前記農業者と前記オーナー会員と前記の製茣蓙業者の各々に、藺草栽培投資における貸借、販売、秘密、個人保護などの契約を締結できるように、前記農業者用と前記オーナー会員用と前記製茣蓙業者用とに、配信するシステムに構成していることを特徴とした請求項1、又は請求項2に記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項4】
前記運営者は、前記藺草農業者と前記製茣蓙業者との協力を得て、前記オーナー会員に、藺草の育成年間計画、藺草の収穫予定、栽培方法、生育状況写真、農作業予定表などの藺草栽培の行事と、藺草製品の選択とその配送予定と、藺草製品の製造方法と状況写真、および製品化工程表などの藺草製品の生産の行事とを、前記オーナー会員の情報端末に配信するようなシステムを構成していることを特徴とした請求項1〜請求項3のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項5】
前記運営者は、藺草栽培農園の地域と規模に合わせて、前記オーナー会員と農業者を応募して、その応募状況を農業者用情報端末に配信させるように構成されていることを特徴とした請求項1〜請求項4のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項6】
前記運営者は、前記農業者との協力によって、前記オーナー会員に連絡して、年間計画と、栽培作付けの面積と、農作業予定表などの提案書の送付と藺草農産物栽培の基準を基にして、前記農業者への藺草栽培作業の指示・指導の情報の受信を受け、藺草製品を半年後に投資額に対して1〜1.5倍程度の価格の製品を入手できるような前記製茣蓙業者用情報端末に配信するようなシステムを構成していることを特徴とした請求項1〜請求項5のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項7】
前記運営者の該情報処理端末に藺草の栽培状況と藺草製品化状況とを適宜に撮影された画像を時系列で保存して、前記ネットワークとを介して前記オーナー会員用情報端末に配信するとともに、藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度価格での製品を選択的に入手することができるシステムになっていることを特徴とした請求項1〜請求項6のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項8】
前記オーナー会員は、投資によって藺草栽培での特定区域の藺草権利と栽培技術、及び藺草敷物の製品の知識を得るため、運営者を介して藺草を栽培・生育させる農業者と製茣蓙業者から藺草栽培状況と製品群の情報を前記ネットワークによって、前記オーナー会員の情報配信端末から藺草製品情報の知識を取得できるようになっていることを特徴とした請求項1〜請求項7のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項9】
前記情報配信端末は、前記オーナー会員に藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍価格の藺草敷物製品群を選択できるような情報を、藺草製品の専門家である製茣蓙業者によってネットワークを介して、運営者用情報端末に双方向通信可能に接続されたパーソナルコンピュータに提供できるようになっているシステムであることを特徴とした請求項1〜請求項8のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。
【請求項10】
藺草製品を半年後に投資額の1〜1.5倍程度価格の製品群を入手できるシステムにおいて、4万円以上の製品群と、3万円程度の製品群と、2万円程度製品群と、1万円程度の製品群と、5千円程度の製品群と、千円程度の製品群とを各々数種類提示して、各々選択した合計製品で投資額の1〜1.5倍程度品を得るシステムになっていることを特徴とした請求項1〜請求項9のいずれかに記載の農家と市民のパートナーシップの藺草栽培農業システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【公開番号】特開2013−69256(P2013−69256A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224377(P2011−224377)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(591017504)株式会社トーシン (4)