説明

農業用マルチング材

【課題】 農作物の育成培地温度に合せて自在に絡合包被敷設せしめて保温し、育成促進と育成果実の防病と緩衝保持をなし、且収穫後に育成培地と腐食分解同化しえる農業用マルチング材の提供。
【解決手段】
孟宗竹や和竹若しくは笹竹等の竹材を適宜小片に破砕し、加圧押出装置等でその内部圧力が少なくとも15kg/cm以上で加圧混練しカッターでミンチ状に断裁し、その先端の多数の吐出孔を有するノズルより大気中に吐出し膨潤拡散させたその長さが20乃至200mmの竹繊維チョップドストランドを育成培地上面に、その絡合包被厚さが5乃至30mmで、絡合包被重量が0.5乃至9.0kg/mの範囲で散布し絡合包被敷設させ、且育成収穫後には育成培地と混耕させて腐食分解同化させる農業用マルチング材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業用マルチング材に係るもので、更に詳しくは農作物の育成培地温度に合せて自在に包被敷設でき、且育成果実の防病と緩衝保持及び育成収穫後には培地と腐食同化しえる、新規の農業用マルチング材に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物は古くは自然条件下において耕地のうえ藩種や定植し育成のうえ収穫がなされてきたものであるが、自然条件下では気温の急変はもとより時季外れの降霜や降雹、台風や突風等の風害或いは集中豪雨等に加え病害や虫害等の異常発生等により、農業経営は極めて不安定ものとされていた。
そして農業経営も経済の高度成長期における消費の拡大化に対処すべく、農業生産増強のため自然条件の変動に左右されることなく安定した栽培生産をなすうえから、合成樹脂フィルム材を用いたトンネルハウスやビニールハウス等の施設栽培化が積極的に導入され、更には施設化に至らぬ広大な露地栽培地においても育成培地温度を高めて農作物の栽培促成化を図るマルチングシートの採用も積極的になされてきた。
【0003】
ところで高度成長期時代には多量生産、多量消費として多量廃棄がなしえた環境背景でもあったものの、今日においては環境保全が強く呼ばれ且廃棄場所の限界を迎えている状況下においては使用後の廃棄も出来ず、且焼却による減容化においても所定の焼却施設に付着汚泥等を除去のうえ搬入せねばならず、これがための費用も多大なものが強いられる等、現状の合成樹脂フィルムによるマルチングシートには大きな課題を抱えている。
【0004】
ところで一方における地球温暖化と他方における森林や山野への管理並びに手入れ不足や放置によって、成長力の旺盛な孟宗竹を初めとする和竹や笹竹等の竹材が、急激且無為に繁茂して地下茎の伸長拡大による他木の栄養分等の奪取ばかりか、急速な伸長と展葉とによる日照遮断により植林はもとより自然育成樹木や果樹等にまで育成阻害が随所で発生しており、これによる林業や農業被害は莫大なものに至っている。これがためかかる急激且無為に繁茂する竹材の無償筏採が全国的に要請されるに至っている。
【0005】
これがため該急激且無為に繁茂する竹材を筏採してその再利用化を図る試みが各所でなされているが、この繁茂する竹材の筏採処分量は莫大なものであるから、当然に再利用化のための市場も莫大な規模に亘るものが望まれる。
この具体的市場背景の事例として特開2009−24141号で開示されてなる有機肥料や、或いは特開2008−806048号で開示されてなる土壌改良材等が挙げられるが、有機肥料や有機土壌改良材は、農業分野においては早くから多様な素材、より具体的には農産物残片や残滓を初め、畜産糞類、食品廃棄物や残滓等広範囲で且多種多様なものが栽培特性や地域特性等に合せて提案されており、従って竹材を用いても特段の栽培特性や施脂作業性並びにコスト的に極めて安価である等の優位性も発揮されるものでも無く且相対的市場性も僅かなことから、再利用化の対処等にまでは至っていない。
【0006】
発明者等はかかる状況に鑑み、竹材に多様な加工性を保持させる必要上から竹繊維を形成し且その性能について研究を重ねた結果、孟宗竹や和竹或いは笹竹等を予め小片に破砕のうえ加圧押出装置で、少なくともその内部圧力をスクリュー並びにストレーナーで15kg/cm以上に高めて加圧混練し、且カッターでミンチ状に裁断のうえ先端の多数の吐出孔を有ずるノズルより大気中に吐出し膨潤拡散させ解繊された竹繊維チョップドストランドとなすことにより、強靭で且優れた屈撓性に加えて、寸法安定性とガスの吸着性等の物理的性能に加えて抗菌性や鮮度保持性等の化学的性能も保持するとともに、竹繊維チョップドストランドは絡合性にも優れることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は農作物の育成培地温度に合せて自在に絡合包被敷設せしめて保温し、育成促進と育成果実の防病並びに緩衝保持をなすとともに、収穫後に培地と腐食分解同化しえる農業用マルチング材の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために本発明で採用した技術的手段は、育成培地上面に所望の育成培地温度に保温しえるよう自在に絡合包被敷設せしめるうえからは散布性とともに相互の絡合性を発揮させるため、その長さが20乃至200mmのチョップドストランドで、且強靭で屈撓性に優れて絡合による緩衝性とともに病菌類の抑制と且多孔性による保温効果が発揮しえるよう、孟宗竹や和竹若しくは笹竹等の竹材を筏採のうえ適宜小片に破砕し、而も加圧押出装置で少なくともその内部圧力が15kg/cm以上で加圧混練のうえカッターでミンチ状に裁断し且加圧押出装置の先端の多数の吐出孔を有するノズルより大気中に吐出し膨潤拡散させ、解裁された竹繊維チョップドストランドを用い、育成培地上面にその絡合包被厚が5.0乃至30mmで絡合包被重量が0.5乃至9.0kg/mの範囲で絡合包被敷設させることを特徴とする農業用マルチング材に存するものであり、更には絡合包被敷設される農業用マルチング材が風で飛散されることを防止するため竹繊維チョップドストランドに対して5乃至15重量%割合のデキストリンが塗着されてなる構成の農業用マルチング材に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述の如き構成からなるものであって、農作物の育成培地上面に絡合包被敷設される農業用マルチング材が、孟宗竹や和竹或いは笹竹等の竹材を所要の小片に破砕のうえ、加圧押出装置を用いて、その内部圧力が少なくとも15kg/cm以上に加圧し混練し且カッターでミンチ状に而もその長さが20乃至200mmに断裁のうえ、該加圧押出装置先端の多数の吐出孔を有するノズルより大気中に吐出させ膨潤拡散させることで、竹材を強固に形成する表紙細胞や維管束鞘細胞等の硬組織と、その他の柔組織とが解体され且細胞壁を形成しているセルロースやヘミセルロースもリグニンの固定から解離された状態となり柔軟性や嵩高性の増加に加え、このセルロースやヘミセルロースの周囲にはデンプン粒が存在するため、微生物の関与が容易となり腐食による培地との腐食同化が可能となる。
更に解繊させた竹繊維チョップドストランドは、竹材の基本的性能としての強靭性と且屈撓性に極めて優れるとともにその外表面の摩擦抵抗が大きく而も嵩高で柔軟性も保持するため、広大な育成培地でも該育成培地上面に育成農作物の適正培地温を保持しえるような包被厚さ並びに包被重量で散布し絡合包被敷設させることにより、該竹繊維チョップドストランドが相互に絡合して且多層の空気層を創出せしめつつ包被されるため優れた培地の保温性が発揮され、而もその強靭性により降雪や降霜や降雹にも十分に対抗できる。
【0010】
加えて播種した農作物の発芽育成に際しては、相互の絡合空隙より容易に成長が可能であるばかりか、該竹繊維チョップドストランドには、原始時に抗菌性を有するものであるため、育成とともに着果するイチゴやウリ、スイカ、カボチャ等は包被敷設される嵩高で柔軟なマルチング材により、培地と隔絶されて育成がなしえるため悪性土壌菌や土壌病害虫も忌避されつつ育成がなされる。
更に本発明においては、育成培地が突風や強風に晒される立地条件である場合には、該竹繊維チョップドストランドに対し5乃至15重量%でデキストリンが塗着されたうえ絡合包被敷設されるため、該デキストリンにより絡合包被敷設される竹繊維チョップドストランド相互が糊着されて一体的絡合包被敷設状態となり飛散防止が図られる。当然にデキストリンにも微生物が関与し腐食による培地との同化がなしえる。
そして育成農作物の収穫のうえは、該マルチング材を培地とともに耕作することにより培地と腐食同化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
孟宗竹を予め略20乃至50cm程度に破砕のうえ、その内部圧力が50kg/cmの加圧押出装置を用いて混練のうえ、その繊維長が2乃至20cm程度にカッターで裁断のうえ、先端の多数の吐出孔を有するノズルより大気中に吐出させ膨潤拡散させてなる竹繊維チョップドストランドを培地に散布させる。
【実施例1】
【0012】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明農業用マルチング材1の説明図であり、図2は本発明農業用マルチング材1を形成している竹繊維チョップドストランド1Bの拡大説明図であって、本発明農業用マルチング材1は農作物の育成に適合する育成培地温度に合せて自在に絡合包被敷設せしめるのみで所要が保温の可能な保温性を初め、育成保護性即ち育成に際して着果する果実例えばイチゴ、ウリ、スイカ、カボチャ等の培地と直接接地による培地からの病害伝搬や果実接地部の損傷発生を防止する緩衝機能を保持すること、更には育成収穫後には培地と混耕して腐食分解させて培地と同化させる腐食分解性が要請される。
【0013】
かくしてなる素材用件を具備するは無論のこと、本発明は農業の如き広大な培地面積に使用されること並びに収穫後には培地と混耕し腐食分解のうえ培地と同化させるものであるから、コスト的に極めて安価であることが絶対用件とされる。
そこで発明者等は近年の温暖化と経済的背景による植林や自然林或いは原野等の森林管理の放置等とも相俟って、特に温暖な九州、四国、山陰、山陽、近畿、東海及び関東の一部にまで孟宗竹や和竹若しくは笹竹等の竹材1Aが急激に拡大成長し且繁茂しており植林や自然林はもとより果樹園や農地にまで侵入し、栄養分の剥奪と日照の阻害とにより莫大な被害が発生しており、現状では竹材の拡大成長と繁茂に際して管理責任を負う山林、山野の所有者より実質無料にて竹材1Aの筏採要請がなされており、コスト的要件を満足させる素材として提案される。
【0014】
ところで竹材1Aは強靭で屈撓性を保持するものであるが、本発明マルチング材1は広大な育成培地4の培地表面に、育成農作物4Aの育成培地温度に適合しえる保温性を保持しえるよう絡合包被敷設させるための散布性と、散布された本発明マルチング材1相互が絡合しえるよう該マルチング材1を形成する竹繊維チョップドストランド1Bのストランドの長さとしては少なくとも20mmから最大でも200mm程度が好適であって、かかるストランドの長さが20mmより短くなると相互の絡合性が悪く反面200mm以上になると散布性に支障が生ずることに留意すべきである。
更に竹繊維チョップドストランド1Bの絡合固定性を高めるうえからは図2に示す如く竹繊維チョップドストランド1Bの外表面には内部圧力の急激な減圧に伴う硬組織と柔組織の解体や細胞壁を形成するセルロース若しくはヘミセルロースのリグニン固定からの解離により形成される多孔陥部1Cによる摩擦抵抗の向上や嵩高性及び柔軟性の増大に伴う軽量化も大きく寄与することとなる。
【0015】
かくしてなる本発明農業用マルチング1材の形成手段としては、いくつかの手段が提案されるが簡便で能率的且安定した品質で形成する方法として図3に示す如き加圧押出装置3を用いることが有利であって、この加圧押出装置3は図3に示す如く、その一方側には適宜の大きさ形状に予め破砕された竹材1Aを供給するホッパー3Aが設けられ、且該ホッパー3Aが設けられたシリンダー3B内には、回転可能にスクリュー3Cが設けられてなるとともに、このスクリュー3Cの螺回谷部3Dに沿って、ホッパー3Aより供給された竹材1Aは順次前方に移送される。かかる場合においてシリンダー3Bとスクリュー3Cの螺回谷部3Dとの実績容積は、スクリュー3Cの先端部に向って順次小さく形成されてなりホッパー3Aより供給され且移送される竹材1には過大な内部圧力が付加され、この内部圧力により硬組織や柔組織で形成される竹材1Aが混練されて硬組織と柔組の解体がなされる。
【0016】
かかる場合においては使用する竹材1Aは孟宗竹や和竹或いは笹竹等が用いられるものであって、竹の種類によっても硬さや柔らかさが異なるものであるから、使用する竹種により内部圧力を調整することが良好な混練のうえから望ましく、具体例として笹竹の場合の内部圧力は少なくとも15kg/cm以上が、更に孟宗竹においては少なくとも30乃至50kg/cm以上が好適である。そして当然に竹材1Aが移送されるスクリュー3Cの先端部位には、該移送される竹材1Aに背圧に伴う内部圧力を付与させて良好な混練を図るためのストレーナー3Eが設けられ、且該ストレーナー3Eの前部若しくは後部には、竹材1Aが混練されて硬組織と柔組織とが解体された竹繊維を更に所要の長さ範囲にカットするカッター3Fが設けられたうえ、その先端には多数の吐出孔を有するノズル3Gが設けられてなり、高い内部圧力で所要の長さ範囲にカットされ且解体された竹繊維は吐出とともに大気圧下に急激に減圧されることで膨潤拡散されて硬組織と柔組織の明確な解体と、硬細胞と柔細胞を固着させてなるリグニンからセルロースやヘミセルロースが解離されて多孔陥部の形成による一段と嵩高柔軟で、而も摩擦係数の高い竹繊維チョップドストランド1Aが形成される。
【0018】
かくして形成される竹繊維チョップドストランド1Aの実用使用に際しては図4に示すように、農作物を育成栽培する栽培培地4の上面に散布せしめて育成農作物4Aの適性地温に保持しえるよう所要の絡合包被厚さと且絡合包被重量(kg/m)を以って絡合包被敷設させるもので、当然に育成栽培する育成農作物4Aの品種や播種時季或いは外気温の高低等により絡合包被厚さや絡合包被重量(kg/m)も異なるもので、比較的僅かな保温で育成可能な育成培地4では、その絡合包被厚では略5乃至10mmで且その絡合包被重量も略0.5乃至1.5kg/m程度の散布絡合包被が望まれ、他方十分な保温が要請される育成培地では、その絡合包被厚さとしては略25乃至35mm程度で且絡合包被重量としては略3.5乃至7.9kg/m程度が良好である。
【0019】
ところで農作物の育成培地4は、一般的に広面積に亘るものであるから、該育成培地4の上面に本発明農業用マルチング材1を所要の絡合包被厚さ及び絡合包被重量を以って散布絡合包被させる場合に、人力により散布し絡合包被させることは極めて至難となる。
従って通常においてはトラクター等に適宜の散布アタッチメントを装着し、機械的に散布させ絡合包被厚や絡合包被重量を調整させながら散布絡合包被させることが望まれる。
【0020】
そして本発明農業用マルチング材1の絡合包被に際しては、該農業用マルチング材1が竹繊維チョップドストランド1Bからなり、強靭性と屈撓性とともに嵩高性や柔軟性を保持することから、絡合包被に際して多数の竹繊維チョップドストランド1B相互間に多数の空気断熱層2が形成されて保温性に大きく寄与する。
更に本発明農業用マルチング材1は、育成培地4に予め育成作物4Aの種や苗を播種若しくは定植した後に絡合包被敷設させても、或いは本発明農業用マルチング材1を絡合包被させた後に播種若しくは定植も可能である。
【0021】
而して本発明農業用マルチング材1を使用する育成培地4の立地条件も、常時通風に晒される場合や若しくは突風等の発生し易い気象条件である場合も考えられる。
かかる如き条件においての本発明農業用マルチング材1は、嵩高で軽量なうえ単に散布させたうえ自然絡合させるものであるから、強い風雨に際しては本発明農業用マルチング材1の散布絡合包被作業が不能となるばかりか、仮令所要の絡合包被厚さや絡合包被重量に散布包被された場合にも容易に飛散し崩壊し若しくは流失が惹起される。
【0022】
これがため図5に示すように、風雨等の気象条件下においても所要の絡合包被厚さや絡合包被重量を以って育成培地4の上面に散布絡合包被させるうえからは、竹繊維チョップドストランド1B相互が緩やかに接着し合えるよう、該竹繊維チョップドストランド1Bに対して水を溶媒として容易に溶解しえるデキストリン10Aが5乃至15重量%割合で塗着された農業用接着性マルチング材10の使用が好適である。
【0023】
かかる如くしてなる本発明農業用マルチング材1若しくは農業用接着性マルチング材10を用いて、育成培地4上に所要の絡合包被厚さ並びに絡合包被重量で絡合包被せしめたうえ所望の育成農作物4Aを育成し収穫したうえは、図6に示すように絡合包被敷設された農業用マルチング材1若しくは農業用接着性マルチング材10と、育成培地4とを適宜の耕運機等の耕作刃5により混耕させることにより、農業用マルチング材1若しくは農業用接着性マルチング材10は、育成培地4の土壌微生物により腐食分解されて育成培地4と同化する。
【産業上の利用可能性】
【0024】
育成農作物の培地保温性に合せて、所要の絡合包被厚さと絡合包被重量に散布包被敷設させることで実用使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 農業用マルチング材の説明図である。
【図2】 竹繊維チョップドストランドに形成された多孔陥部の説明図である。
【図3】 加圧押出装置の説明図である。
【図4】 育成培地に絡合包被された状態を示す説明図である。
【図5】 農業用接着性マルチング材の説明図である。
【図6】 育成培地との混耕状態を示す参考図である。
【符号の説明】
【0026】
1 農業用マルチング材
1A 竹材
1B 竹繊維チョップドストランド
1C 多孔陥部
2 空気断熱層
3 加圧押出装置
3A ホッパー
3B シリンダー
3C スクリュー
3D スクリューの螺回谷部
3E ストレーナー
3F カッター
3G ノズル
4 育成培地
4A 育成農作物
5 耕作刃
10 農業用接着性マルチング材
10A デキストリン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孟宗竹、和竹、笹竹等の竹材を所要の小片に破砕のうえ、加圧押出装置により少なくともその内部圧力が15kg/cm以上で加圧混練し、カッターでミンチ状に且その長さを20乃至200mmに断裁のうえ、その先端の多孔なノズルより大気中に吐出し、膨潤拡散して硬組織と柔組織の解体と、細胞壁を形成するセルロース及びヘミセルロースをリグニンより解離させた解繊状の竹繊維チョップドストランドを用い、育成培地上面にその絡合包被厚さが5.0乃至30mmで、絡合包被重量が0.5乃至9.0kg/mの範囲で散布し絡合包被敷設させ、而も育成収穫後には育成培地と混耕させて腐食分解同化させることを特徴とする農業用マルチング材。
【請求項2】
竹繊維チョップドストランドに対して、5乃至15重量%割合のデキストリンが塗着されてなる請求項1記載の農業用マルチング材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−147427(P2011−147427A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28149(P2010−28149)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(507095840)長崎工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】