説明

迅速な再点灯補助手段を備えたHIDランプ

【課題】極度に高い電圧を使用することなく、迅速に再点弧するHIDランプを提供すること
【解決手段】第1の始動電極は熱機械部材を含み、熱機械部材が低温状態にある場合には第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、高温状態にある場合には第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり、低温状態において第1の始動電極の外側終端部から第1の始動電極内側終端部を通って第2の始動電極の内側終端部へ向かうインピーダンスは、第1の主電極の外側終端部から第1の主電極の内側終端部を通って第2の主電極の内側終端部へ向かうインピーダンスより低く、高温状態において第1の始動電極の外側終端部から第1の始動電極内側終端部を通って第2の始動電極の内側終端部へ向かうインピーダンスは、第1の主電極の外側終端部から第1の主電極の内側終端部を通って第2の主電極の内側終端部へ向かうインピーダンスより高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電灯、殊に放電ランプに関する。より詳細には、本発明は再点弧可能な放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度放電(HID)ランプの作動時にアークが一時的に中断され、消滅すると、高温になったランプ充填物の高い電気抵抗によって、新たなアークを瞬時に点弧するのは困難である。このような場合にはランプが冷めるのを待たなければならないか、または一時的な高い抵抗を克服するために充分に高い電圧を用いなければならない。これは高温再点弧問題であり、高温再点弧は幾つかの方法で克服可能である。しかし通常は主電極間の高い電界を用いることによって、例えば自動車用HIDランプにおいて26キロボルトまたは4ミリメータよりも長いアークギャップを用いることによって克服される。この強力な手法の、自動車用HIDランプにおける使用は成功している。自動車用HIDランプでは、夜間運転を安全にするために、HIDヘッドランプを迅速に再点灯する必要性がクリチカルである。しかし高圧源は高価であり、安全に封入されていなければ高い圧力は危険である。HIDランプは消費者市場において競合しているので、HIDランプの始動電圧、殊に再始動電圧が低いことは重要である。消費者の安全性は最も重要であり、実戦的な視点から、既存の多くのランプ固定部は、5キロボルトを越える作動に対しては安全であると評価されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、極度に高い電圧を使用することなく、迅速に再点弧するHIDランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題は、高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と当該第1の始動電極の内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;低温状態において前記第1の位置にある前記第1の始動電極の外側終端部から、前記第1の始動電極内側終端部を通って、前記第2の始動電極の内側終端部へと向かうインピーダンスは、前記第1の主電極の外側終端部から、当該第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かうインピーダンスよりも低く、高温状態において前記第2の位置にある前記第1の始動電極の外側終端部から、前記第1の始動電極内側終端部を通って、前記第2の始動電極の内側終端部へと向かうインピーダンスは、前記第1の主電極の外側終端部から、当該第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かうインピーダンスよりも高い、ことを特徴とする、高輝度放電ランプによって解決される。さらに上述の課題は、高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;低温状態において、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの距離が、前記第1の主電極の内側終端部から前記第2の主電極の内側終端部までの最短距離より短く、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と前記内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;前記第1の始動電極から前記第2の始動電極までの最短距離は低温状態において、前記第1の主電極から前記第2の主電極までの最短距離よりも短く、前記第1の始動電極から前記第2の始動電極までの最短距離は高温状態において、前記第1の主電極から前記第2の主電極までの最短距離よりも長い、ことを特徴とする高輝度放電ランプによって解決される。さらに上述の課題は、高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;低温状態において、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの距離が、前記第1の主電極の内側終端部から前記第2の主電極の内側終端部までの最短距離より短く、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;当該第2の位置にある前記第1の始動電極の内側終端部は、前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に延在する線からより広い距離で離れて位置付けされている、ことを特徴とする高輝度放電ランプによって解決される。さらに、上述の課題は、アーク放電ランプの作動方法であって、以下のステップを有しており、すなわち:第1の主電極および第2の主電極を伴うアーク放電ランプを設けるステップを有しており、当該第1の主電極および第2の主電極は自身の間に通常のランプ作動中にアーク放電領域を定め、前記アーク放電ランプは少なくとも1つの始動電極を伴い、当該始動電極は熱機械部材から形成された部分を有しており;前記始動電極の内側終端部と第2の電極の間に始動アークを点弧するステップを有しており、前記始動アークは通常作動アーク放電の定められた領域において延在し;前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に電圧差を誘導するステップを有しており;前記第1の主電極と第2の主電極の間にメインアークを点弧するステップを有しており;前記始動電極の熱機械部分を加熱するステップを有しており、これによって通常のランプ作動中にアーク放電領域から前記始動電極の内側終端部を機械的に偏位させる、ことを特徴とする、アーク放電ランプの作動方法によって解決される。さらに、上述の課題は、高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を具備した容器を有しており;当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動中にプラズマ放電領域を定め;少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;前記第2の主電極はインピーダンス部材によって前記第2の始動電極に電気的に結合されており;前記第1の始動電極と第1の主電極との間に電気的に結合された第1のインピーダンス部材を有しており;前記第2の始動電極と第2の主電極との間で電気的に結合された第2のインピーダンス部材を有しており;前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;前記第1の始動電極は前記壁部と前記第1の始動電極の内側終端部との間に熱機械部材を有しており、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部は第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部は第2の位置にあり;前記第2の始動電極は前記壁部と前記第2の始動電極の内側終端部との中間に熱機械部材を有しており、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第2の始動電極の内側終端部は第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第2の始動電極の内側終端部は第2の位置にあり;低温状態において、前記第1の主電極の外側終端部から第1のインピーダンス装置を通り、および前記第1の位置にある第1の始動電極を通り、前記第1の位置にある前記第2の始動電極へ向かう、前記第2のインピーダンス装置を通り、前記第2の主電極の外側終端部へ向かうインピーダンスが、前記第1の主電極の外側終端部から、第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かい、前記第2の主電極の外側終端部へと向かうインピーダンスより低く;高温状態において、前記第1の主電極の外側終端部から第1のインピーダンス装置を通り、および第2の位置にある前記第1の始動電極を通り、第2の位置にある第2の始動電極へ向かう、第2のインピーダンス装置を通って、前記第2の主電極の外側終端部へと向かうインピーダンスが、前記第1の主電極の外側終端部から、第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へ向かう、前記第2の主電極の外側終端部までのインピーダンスより大きい、ことを特徴とする、高輝度放電ランプによって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
高輝度放電ランプは壁部を伴う容器によって構成されている。この壁部は、封入された容積、封入された容積内の充填化学物質および充填ガスを定める。第1の主電極は外側終端部と内側終端部を有しており、封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて壁部を通って延在している。
第2の主電極は外側終端部および内側終端部を有し、この第2の主電極も、封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて壁部を通って延在している。第1の主電極の外側終端部は、第2の主電極の内側終端部からずれている。この第1の主電極および第2の主電極は、自身の間で、通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定める。少なくとも、外側終端部および内側終端部を有する第1の始動電極は、封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて壁部を通って延在している。第1の主電極は電気的に、インピーダンス素子によって第1の始動電極に結合される。外側終端部および内側終端部を有する第2の始動電極も、封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて壁部を通って延在している。第1の始動電極の内側終端部は、第2の始動電極の内側終端部からずれている;これらは次のようにアライメントされている。すなわち、ランプ作動中に第1の始動電極の内側終端部から、第2の始動電極の内側終端部へと続く線が、第1の主電極の内側終端部と第2の主電極の内側終端部との間に形成されたプラズマ放電領域と交差する、またはこれに近接するようにアライメントされている。第1の始動電極は熱機械(サーモメカニカル)素子を、壁部と第1の始動電極の内側終端部との間に次のように含んでいる。すなわち、熱機械素子が低温状態にある場合には、第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、サーモ機構素子が高温状態にあるときは、第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあるように含んでいる。始動電極の位置付けは次のようにされている。すなわち、低温状態において第1の主電極の外側終端部からインピーダンス装置を通り、場合によっては、第1の位置の第1の始動電極を通り、第2の始動電極へと向かうインピーダンスが、第1の主電極の外側終端部から第1の主電極の内側終端部を通って、第2の主電極へ向かうインピーダンスより低いようにされている。始動電極の位置付けは高温の安定した、作動状態において次のようなものである。すなわち第1の主電極の外側終端部から、インピーダンス装置を通り、場合によっては第2の位置にある第1の始動電極を通り、第2の始動電極へ向かうインピーダンスが、第1の主電極の外側終端部から第1の主電極の内側終端部を通って第2の主電極へと向かうインピーダンスより高いというものである。
【実施例】
【0006】
図1は室温状態における高輝度放電ランプ10の概略的な断面図を示しており、図2は作動温度状態における、図1に示された高輝度放電ランプの概略的な断面図を示している。高輝度放電ランプ10は容器12、充填化学物質14、第1の主電極16、第2の主電極18、第1の始動電極アセンブリ20および第2の始動電極アセンブリ22によって形成されている。
【0007】
容器12はこの分野では既知のように、あらゆる光透過セラミックから製造される。これには、石英として知られている融解石英、多結晶性アルミナ(PCA)等が含まれる。容器12は、封入されている容積26を定める壁部24および1つまたは複数の密封領域28、29を含んでいる。
【0008】
封入されている容積26内に含まれているのは適切な化学的充填物14であり、これは、2つ(または2つよりも多い)、バイメタル始動電極部材アセンブリを含んでいる、封入されている要素に対して反応しない。このような充填物14は化学的にメタルハライド充填物(塩)を含んでおり、これはランプ製造業界では良く知られている。有利な化学的特性は、タリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ナトリウムおよび金属性水銀と類似したツリウム等の金属のヨージド塩の混合物である。中性の充填ガスが充填物14内に含まれており、これは例えば希ガスである。有利な充填ガスは、20000パスカル(約150トル)の寒冷圧を伴うアルゴンである。他の化学充填物14およびガスが既知であり、使用されており、提供されている。このコンポーネントはバイメタル始動電極アセンブリ要素と反応しない。
【0009】
第1の主電極16は外側終端部30と内側終端部32を有している。第1の主電極16は容器12の壁部24を通って延在しており、封入された容積26内に配置された内側終端部32は密封されている。第1の主電極16は、あらゆる材料およびHIDランプ電極の構造を有していてよい。有利な電極はタングステン内部シャフト終端部を有している。
【0010】
第2の主電極18も外側終端部34と内側終端部36を有しており、容器壁部24の密封領域29を通って延在し、封入された容積26内に配置された内側終端部36が密閉されている。第1の主電極16の内側終端部32は軸方向で、第2の主電極18の内側終端部36からオフセットされている。第1の主電極16および第2の主電極18は、それらの間で、通常のランプ作動時にアーク領域38を定める。これは一般的に、2つの主電極の内側終端部32、36の間の最短直線を取り囲む。これらの間ではプラズマ放電が形成される。
【0011】
第1の始動電極アセンブリ20は外側終端部40と内側終端部42とを有しており、壁部24を通って、封入された容積26内に配置された内側終端部42が密封されて延在している。
【0012】
第2の始動電極アセンブリ22も内側終端部44と外側終端部48を有しており、容器壁部24の密封領域29を通って、封入された容積26内に配置された内側終端部44が密封されて延在している。第1の始動電極アセンブリ20の内側終端部42は、第2の始動電極アセンブリ22の内側終端部44から横方向にずれている。第1の始動電極アセンブリ20の内側終端部42および第2の始動電極アセンブリ22の内側終端部44は低温状態において次のようにアライメントされている。すなわち、第1の始動電極アセンブリ20の内側終端部42から、第2の始動電極アセンブリ22の内側終端部44までの距離52が、第1の主電極16の内側終端部32から、第2の主電極18の内側終端部36までの距離50を下回るようにアライメントされている。さらに、第1の始動電極アセンブリ20の内側終端部42から、第2の始動電極アセンブリ22の内側終端部44までの最短線52は、第1の主電極16の内側終端部32と第2の主電極18の内側終端部36との間に形成された、定められたアーク領域38と交差するか、またはそれに近接する。
【0013】
図3はバイメタル始動電極アセンブリ20の概略図を示している。第1の始動電極アセンブリ20は熱機械部材60を、壁部24と第1の始動電極アセンブリ20の内側終端部42との間に次のように含んでいる。すなわち、熱機械部材60が低温状態にある場合には、内側終端部42が第1の位置にあり、熱機械部材60が通常のランプ作動温度の高温状態にある場合には内側終端部42が第2の位置にあるように含んでいる。熱機械部材60は、第1の金属62と第2金属64とから成るバイメタル部品であってよい。第1の金属62と第2の金属64はそれぞれ、ランプ10の通常の内部作動温度よりも高い融解温度を有しており、ここでバイメタルはその高温位置および偏位位置にある。これは、高温位置および偏位位置に隣接した局部的な温度であり、しばしば考慮される。有利な第1の金属62および有利な第2の金属64の融解温度が、最も熱い、放電プラズマのコア温度を上回る必要はない。第1の金属62および第2の金属64は、それぞれ他方とは異なる熱膨張係数を有する。提案されたバイメタル部材は第1の金属または第1の金属の本質的な合金と、第2の金属または第2の金属の本質的な合金を含んでおり、これらはそれぞれ以下のグループから選択された金属である:すなわち、タングステン、モリブデン、レニウム、オスミウム、タンタル、ニオブ、イリジウムおよびルテニウムである。2つの金属62,64は薄いシートとして形成されており、その後、1つの延在したシャフトまたはストリップとして結合される。これは例えばレーザ溶接、e−ビーム溶接、超音波溶接または類似の側方エッジ融着またはシートの隣接面の融着によって行われ、部品のように固体の結合された単独の細長いシャフトが形成される。バイメタル部材60はその後、機械的かつ電気的に、電気的接続外側終端部または密封部分66と結合される。例えばこれは、密封領域28を通る主電極部分に類似した部分である。始動電極アセンブリ20は密封薄膜68および外側コンタクトリード70を含む。第1の始動電極アセンブリ20の外側終端部または密封部分66はその後、密封領域28によって密封される。バイメタル部材60の内側終端部は機械的にかつ電気的に、導電性の内側終端部72に結合されている。これは例えばタングステン先端部である。有利な実施形態では、第2の始動電極アセンブリ22は同じように形成されている。第1の始動電極アセンブリ20および第2の始動電極アセンブリ22は次のように配置されている。すなわち、それらの各内側終端部42、44が低温(室温)状態において、第1の主電極16の内側終端部と第2の主電極18の内側終端部との間の分断距離50より短い分断距離52を有するように配置されている。さらに最短分断線52はアークエンベロープ38領域の近傍を通過するか、またはこれを横切る。第1の始動電極アセンブリ20および第2の始動電極アセンブリ22はさらに次のように配置される。すなわち、相当する内側終端部42、44が、高温状態において分断距離74を有するように配置されている。これは第1の主電極16と第2の主電極18との間の分断距離50よりも長い。従って、主電極16、18の間の放電距離が有利になる。第1の始動電極20および第2の始動電極22の内側終端部42、44は高温(偏位)状態において、各反対側の主電極16、18からも十分にオフセットされる。これによって、典型的な通常のランプ作動の高温状態時に、択一的な放電経路として作動することはなくなる。
【0014】
図4は熱機械始動電極を伴う、ランプの択一的な実施形態の概略的な断面図を示している。第1の始動電極90は、第2の始動電極94とともに始動アーク92を点弧させるように配置される。この第2の始動電極はバイメタル部分を含んでいない。第2の始動電極94はこの場合には機械的に固定される。これは廉価に製造される。なぜなら、第2の始動電極94はより少ないコンポーネントを有しているからである。他方では、対称性のあるランプを形成するのは容易であり、2つの始動電極は主アーク領域から引っ込んでおり、これによって、より小さい偏位要求を有するように各始動電極を設計することができる。
【0015】
図5は熱機械始動電極を伴う、ランプの択一的な実施形態の概略的な断面図を示している。第1の始動電極100は第2の主電極104とともに始動アーク102を点弧するように位置付けされている。この第2の主電極は作用的には、第2の始動電極と同じである。これはそれほど有効な選択肢ではない。なぜなら、主電極104のフルパワーはバイメタル始動電極を圧倒するからである。電流制限抵抗の使用または他の電子回路が付加的に使用され、バイメタル始動電極を保護する。オーバーパワーはバラストによって収容される。このバラストは、バイメタル始動電極による初期始動アークを提供する。また、主電極によるメインアークへの移動をセンシングする。メインアークが始まると、パワーが増大する。なぜならバイメタル始動電極100が迅速に加熱され、偏位し、メインアーク回路から離れるからである。
【0016】
図6は熱機械始動電極110を伴うランプの択一的な実施形態の概略図を示している。第1の始動電極110は、機械的および電気的に、第1の主電極112の根元部分からサポートされている。この場合には始動電極110の電力は、第1の主電極112を通る。これはそれほど有利な実施形態ではない。なぜなら主電極112のフルパワーはバイメタル始動電極110を圧倒するからである。オーバーパワーはここでもバラストによって収容される。これは、バイメタル始動電極110によって初期始動アークを提供する。また、主電極112によるメインアークへの移動をセンシングする。
メインアークが始まると、電力が増大する。なぜならバイメタル始動電極110は迅速に加熱され、メインプラズマアークから偏位し、回路から離れるからである。始動アークがバイメタル始動電極と第2の主電極との間で点弧されることは明らかである。第2の主電極はこの場合には、効果的に第2の始動電極としても第2の主電極としても用いられる。
【0017】
図7は熱機械始動電極を伴う、ランプの択一的な実施形態の概略図を示している。引き込み線120がバイメタルスパイラルストリップ122の第1の終端部に取り付けられている。バイメタルスパイラルストリップ122の第2の終端部は、軸方向に突出する始動電極先端部124として形成されるか、またはこれに取り付けられる。同じように形成された構造体が、ランプ内部の反対側終端部に配置されてもよい。低温状態においてバイメタルスパイラルストリップ122は収縮し、第1の始動電極先端部124は半径方向に内側へ、中央ランプ軸の方に向かって動く。これによって、第1の始動電極先端部124から第2の始動電極先端部126までの距離が短くなる。第2の始動電極端126は同じように、同様に形成された第2のスパイラルバイメタル構造上に形成されるか、または上述した横方向に偏位する構造体上に形成されるか、または固定された第2の始動電極上に形成されるか、または第2の主電極先端部上に形成される。加熱状態において、スパイラルバイメタルストリップ122は半径方向に延在するか、またはその対応する始動電極先端部は回転するか、または両者とも、第1の始動電極端部124をさらに、対応する第2の始動電極先端部126から離れるように動かす。ここでも、低温状態における始動電極先端部124、126の間の短い距離によって、第1の主電極の固定された終端部と第2の主電極の固定された終端部の間で、容易にアークを点弧することができる。始動アークはその後プラズマ放電を供給する。これは第1の主電極と第2の主電極との間のアークの迅速な開始を可能にする。
【0018】
図8は、熱機械始動補助部142および一般的なインピーダンス部材144、146を備えたランプ140の概略図を示している。これらのインピーダンス部材はそれぞれ、第1の主電極148と第1の始動電極150との間で、および第2の主電極152と第2の始動電極154との間で結合されている。ランプ140は次のように構成されている。すなわち、低温状態において、バイメタル電極142、156を通る回路が低温状態においてインピーダンスを有しており、これはインピーダンス部材144、146のインピーダンスを含んでおり、低温状態において主電極148および152を通る回路のインピーダンスよりも低いように構成されている;さらにバイメタル電極142、156を通る回路は、高温状態においてインピーダンス部材144、146を含んでおり、高温状態において主電極148、152を通る回路のインピーダンスよりも高いインピーダンスを有するように構成されている。加熱によってバイメタル電極142、156の間の距離が増し、バイメタル始動電極路インピーダンスが、主電極148、152によるインピーダンスに比べて高くなる。ここでバイメタル始動電極路インピーダンスはインピーダンス部材144、146によって提供されるインピーダンスを補足し、バイメタル始動電極142、156によるインピーダンスが十分に作成される。バイメタル始動電極路の相対的なインピーダンスは主電極路のインピーダンスを越えて増大するので、バイメタル始動電極142、156の間から主電極148、152の間へと誘導が切り替わる。インピーダンス部材144はシンプルな抵抗であるか、または、タイミング機能、コントロール機能またはその他の機能を有するより複雑な回路である。インピーダンス部材の1つまたは両者が使用されるか、または低温状態および高温状態において各経路の残留インピーダンスに依存して除去されることを理解されたい。
【0019】
1つの実施形態では、熱機械部材60は0.228ミリメータ(0.009インチ)の厚さのモリブデン基板から形成されている。これは、対応する0.033ミリメータ(0.0013インチ)の厚さのタングステンリボンと結合されて、25ミリメータの長さと4ミリメータの幅を有する、構造的に堅固なタングステンモリブデンバイメタルシャフト状構造体が形成される。このバイメタル構造体は、合成ストリップの長方形の周長を取り囲む連続的な継ぎ目をレーザ溶接することによって製造される。この溶接は、モリブデンおよびタングステンコンポーネントの酸化を妨げるために、溶接領域周辺にアルゴン雰囲気を流している間に行われる。モリブデンおよびタングステンストリップは、超音波手段または熱間圧延結合によって溶接される。
【0020】
酸化ダメージのリスク無しに、トーチ炎からの外部放射加熱によるバイメタルストリップの偏位テストを容易にするために、バイメタルストリップが片持ちスタイルで、真空状態にされかつ密封された円柱状の石英カプセル内に取り付けられる(15ミリメータの外側直径×13ミリメータの内側直径×64ミリメータの長さ)。カプセルを摂氏約900℃まで加熱することによって、タングステン−モリブデンバイメタルストリップの自由終端部は約2.5ミリメータの横方向に偏位し、これはモリブデンから側方に湾曲する。タングステン−モリブデンバイメタルストリップの自由端部の横方向偏位を示す実演されたバイメタル湾曲は、HIDアークチューブ内の軸方向に可変の長さのアークギャップとして組み込まれる。モリブデンの熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数との間の差は非常に小さく、対象温度領域(約1000℃までの室温)の上方では、1.5ppm/Cのオーダーである。
【0021】
熱によって引き起こされる、バイメタルストリップの自由終端部の偏位(他方の終端部はクランプ結合されている)は通常は、2つの金属の熱膨張係数における差の積およびバイメタルストリップが曝されている温度の変化に比例する。他の金属を使用する多くの他の低温アプリケーションでは、例えば約20ppm/Cの場合、熱膨張係数の間の差は大きい。しかし動作温度領域は小さい。
【0022】
理論によると、熱によって引き起こされる偏位は実質的に、ストリップの全体的な厚さを低減させること、またはストリップを長くすることによって増大される。有効化のために、第2のタングステン−モリブデンバイメタル部材(これは50.08mmの長さ×3.2mmの幅×0.066mm(0.0026インチ)の厚さを有する)が、同じレーザ溶接プロセスを用いて製造される。バイメタルストリップはこの場合には、大きい円柱状の石英カプセル(50mmの外側直径×47mmの内側直径×80mmの長さ)で密封される。第1の場合と類似した加熱状態(100トルの窒素において900℃)曝された場合の、約20mm横方向に偏位された単独のバイメタルストリップの先端は、400ワットのメタルハライドHIDアーク管での使用に対して十分である(約18mmの内側直径)。
【0023】
外部電流制限抵抗が、軸方向のバイメタル始動電極と直列で使用される。バイメタルストリップの自由終端部は、対応する主電極の先端よりも相互に近いので、適切なイグニッションパルスがアーク管に加えられると、小さいスタートアップアークが、バイメタルストリップの自由終端部の間に形成される。余分のタングステン先端部が有利には各バイメタルストリップの自由終端部に溶接され、始動アークが開始されると、上昇するアーク温度に抵抗する。
【0024】
スタートアップアークはバイメタルアセンブリを加熱し、これによって各自由端部がアーク管の中心線から、円柱状カプセルの側壁に向かって偏位する。幾つかの点では、バイメタル始動電極が横方向に偏位し、先端から先端への距離が増大し、スタートアップアークが消去する。アークギャップの効果的な抵抗がアークギャップの長さとともに増大するので、これが起こる。この結果、始動電極ギャップにわたる電圧(または電力)が、必要とされる電圧(または電力)まで増大し、バラスト電力供給部の出力能力を超える。これによってスタートアップアークが消去する。
【0025】
主電極16、18の間の、取り囲んでいるガスのスタートアップアークから生成される残留イオンによって、主電極16、18の間のインピーダンス(完全にオープンな回路電位で維持される)が低減され、これによって電極16、18の間のメインアークが点弧される。点弧されると、メインアークがランプを加熱する。これには始動電極20、22が含まれる。このメインアークによって生成された維持熱によって始動電極20、22のバイメタル部材が偏位されたままになるか、または広がってさらに離れる。これによって始動電極先端部42、44はアーク管の側壁の近傍または側壁に存在する。このメインアークは、スタートアップアークが消去する前に点弧される。メインアークが点弧されると、このメインアークにわたる電圧はオープン回路開始値から、格段に低い定常状態値まで低減され、効果的にスタートアップアークをオフにする。この結果は、スタートアップアークが、始動電極の十分な横方向偏位によって消去する場合と同じである。
【0026】
アーク管への電力がオフにされると、完全に広がったバイメタル部材60の自由終端部が冷却される。始動電極20、22の内側終端部42、44は相互に再び近づく、なぜなら、熱がバイメタル部材60から引き出されるからである。これは主に、対応する始動電極コンポーネントを通り、アーク管の外側へと向かう、および放射および対流によるレーザ延在部への熱伝導によって行われる。この伝導熱移動プロセスは、アーク管全体(主に放射による)から外部環境までの熱移動より迅速である(少なくとも10倍またはそれ以上迅速であると見積もられる)。バイメタルタングステン先端部間の効果的なギャップが、元来の室温ミッドライン状態に向かって低減するので、スタートアップアークの再点弧が可能であり、これによって上述したサイクルが繰り返される。
【0027】
バイメタル部材60の冷却(および効果を有するアークギャップ長の必従の低減)は、アーク管囲い領域および封入されたガス充填物の全体的な冷却よりも迅速である。メインアークが消滅した後のメインアークの再点灯(再点弧)能力が実質的に改善される。石英テスト容器内の50.8mm長のタングステン−モリブデンバイメタルストリップによる加熱実験では、始動電極の自由終端部は約25秒で約20mm戻る。
この戻り偏位時間遅延は、従来構造の400ワットHID石英ランプで必要とされる典型的な10分再点弧時間よりも格段に短い。上述したアーク管におけるバイメタル始動電極の戻り偏位時間が減少することが予期される。なぜなら、消去したメインアークから、バイメタル始動電極を通ってこれに向かう熱移動は、放射よりも熱伝導によって支配されるからである。
【0028】
同じ原理を用いたセラミックアーク管を、2つの単独の終端アーク管を用いて形成することができる。2つの大きくない欠点は、バイメタルストリップの付加的なコストと、バイメタルストリップによって生じる僅かな陰影(光掩蔽)である。僅かなルーメン損失は、迅速な再点弧能力に対して支払われる小さい代償であると考えられる。 現時点で本発明の有利な実施形態と見なされるものについて示し、説明してきたが、付属の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲を逸脱することなく多様な変更および改良を行えることは当業者にとって明らかであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】室温状態における高輝度放電ランプの概略的な断面図
【図2】作動温度状態における、図1に示された高輝度放電ランプの概略的な断面図
【図3】バイメタル始動電極の概略的な斜視図
【図4】熱機械始動電極を伴うランプの択一的な実施形態の概略的な断面図
【図5】熱機械始動電極を伴うランプの択一的な実施形態の概略的な断面図
【図6】熱機械始動電極を伴うランプの択一的な実施形態の概略図
【図7】熱機械始動電極を伴うランプの択一的な実施形態の概略図
【図8】熱機械始動補助手段およびインピーダンス部材を伴うランプの概略図
【符号の説明】
【0030】
10 ランプ、 12 容器、 14 充填物、 16 第1の主電極、 18 第2の主電極、 20 第1の始動電極アセンブリ、 22 第2の始動電極アセンブリ、 24 壁部、 26 容積、 28、29 密封領域、 30、34、40、48 外側終端部、 32、36、42、44 内側終端部、 60 熱機械部材、 62、64 金属、 66 密封部分、 68 薄膜、 70 外側コンタクトリード、 144、146 インピーダンス部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;
当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;
外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;
前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;
少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;
前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と当該第1の始動電極の内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;
低温状態において前記第1の位置にある前記第1の始動電極の外側終端部から、前記第1の始動電極内側終端部を通って、前記第2の始動電極の内側終端部へと向かうインピーダンスは、前記第1の主電極の外側終端部から、当該第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かうインピーダンスよりも低く、
高温状態において前記第2の位置にある前記第1の始動電極の外側終端部から、前記第1の始動電極内側終端部を通って、前記第2の始動電極の内側終端部へと向かうインピーダンスは、前記第1の主電極の外側終端部から、当該第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かうインピーダンスよりも高い、
ことを特徴とする、高輝度放電ランプ。
【請求項2】
前記第2の始動電極は前記第2の主電極とは異なる、請求項1記載のランプ。
【請求項3】
前記第2の始動電極は前記第2の主電極である、請求項1記載のランプ。
【請求項4】
前記第1の主電極は電気的に、インピーダンス部材によって前記第1の始動電極と結合されている、請求項1記載のランプ。
【請求項5】
前記第2の主電極は電気的に、インピーダンス部材によって前記第2の始動電極と結合されている、請求項2記載のランプ。
【請求項6】
前記第2の始動電極はバイメタル部材を含んでおり、当該バイメタル部材は前記壁部と前記内側終端部との間で前記第2の始動電極の少なくとも一部を形成する、請求項2記載のランプ。
【請求項7】
前記第2の始動電極は、前記壁部と前記内側終端部との間で始動電極の少なくとも一部を形成するバイメタル部材を含んでいない、請求項2記載のランプ。
【請求項8】
前記第1の始動電極は機械的かつ電気的に、前記封入された容積内で、前記第1の主電極の根元部分と結合されている、請求項1記載のランプ。
【請求項9】
前記バイメタル部材は第1の金属を含んでいるか、または以下のグループから選択された第1の金属の実質的な合金を含んでおり、当該グループはタングステン、モリブデン、レニウム、オスミウム、タンタル、ニオブ、イリジウムおよびルテニウムを含む、請求項1記載のランプ。
【請求項10】
前記第1の始動電極は低温状態において、前記第2の主電極によって始動アークが形成されるように配置されている、請求項1記載のランプ。
【請求項11】
前記第1の始動電極は低温状態において、前記第2の主電極とは異なる第2の始動電極によって始動アークが形成されるように配置されている、請求項1記載のランプ。
【請求項12】
前記第2の始動電極はバイメタル部材を含んでおり、当該バイメタル部材は前記壁部と前記内側終端部との間で前記始動電極の少なくとも一部を形成する、請求項2記載のランプ。
【請求項13】
前記第2の始動電極は、前記壁部と前記内側終端部との間で始動電極の少なくとも一部を形成するバイメタル部材を含んでいない、請求項12記載のランプ。
【請求項14】
前記第1の始動電極は、前記壁部と前記内側終端部との間に熱機械部材を含んでおり、当該熱機械部材が高温状態にあると、前記第1の始動電極の内側終端部は、前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に延在する線からより大きな距離で離れて位置付けされる、請求項1記載のランプ。
【請求項15】
インピーダンス部材を有しており、当該インピーダンス部材は前記第1の始動電極と前記第1の主電極との間で電気的に結合されている、請求項1記載のランプ。
【請求項16】
前記インピーダンス部材は抵抗である、請求項15記載のランプ。
【請求項17】
インピーダンス部材を有しており、当該インピーダンス部材は前記第2の始動電極と前記第2の主電極との間で電気的に結合されている、請求項15記載のランプ。
【請求項18】
前記第2の始動電極と前記第2の主電極との間で結合されている前記インピーダンス部材は抵抗である、請求項17記載のランプ。
【請求項19】
高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;
当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;
外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;
前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;
少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;低温状態において、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの距離が、前記第1の主電極の内側終端部から前記第2の主電極の内側終端部までの最短距離より短く、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;
前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と前記内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;
前記第1の始動電極から前記第2の始動電極までの最短距離は低温状態において、前記第1の主電極から前記第2の主電極までの最短距離よりも短く、前記第1の始動電極から前記第2の始動電極までの最短距離は高温状態において、前記第1の主電極から前記第2の主電極までの最短距離よりも長い、
ことを特徴とする高輝度放電ランプ。
【請求項20】
高輝度放電ランプであって;
封入された容積を定める壁部を備えた容器を有しており;
当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;
外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;
前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動時にプラズマ放電領域を定め;
少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、当該第1の始動電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;低温状態において、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの距離が、前記第1の主電極の内側終端部から前記第2の主電極の内側終端部までの最短距離より短く、前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;
前記第1の始動電極は熱機械部材を、前記壁部と内側終端部との間に含んでおり、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部が第2の位置にあり;
当該第2の位置にある前記第1の始動電極の内側終端部は、前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に延在する線からより広い距離で離れて位置付けされている、
ことを特徴とする高輝度放電ランプ。
【請求項21】
アーク放電ランプの作動方法であって、以下のステップを有しており、すなわち:
第1の主電極および第2の主電極を伴うアーク放電ランプを設けるステップを有しており、当該第1の主電極および第2の主電極は自身の間に通常のランプ作動中にアーク放電領域を定め、前記アーク放電ランプは少なくとも1つの始動電極を伴い、当該始動電極は熱機械部材から形成された部分を有しており;
前記始動電極の内側終端部と第2の電極の間に始動アークを点弧するステップを有しており、前記始動アークは通常作動アーク放電の定められた領域において延在し;
前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に電圧差を誘導するステップを有しており;
前記第1の主電極と第2の主電極の間にメインアークを点弧するステップを有しており;
前記始動電極の熱機械部分を加熱するステップを有しており、これによって通常のランプ作動中にアーク放電領域から前記始動電極の内側終端部を機械的に偏位させる、
ことを特徴とする、アーク放電ランプの作動方法。
【請求項22】
高輝度放電ランプであって;封入された容積を定める壁部を具備した容器を有しており;
当該封入された容積内に配置された充填化学物質および充填ガスを有しており;
外側終端部および内側終端部を有する第1の主電極を有しており、当該第1の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
外側終端部および内側終端部を有する第2の主電極を有しており、当該第2の主電極は前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第1の主電極の内側終端部は前記第2の主電極の内側終端部からオフセットされており;
前記第1の主電極および前記第2の主電極は自身の間で通常のランプ作動中にプラズマ放電領域を定め;
少なくとも第1の始動電極を有しており、当該第1の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
第2の始動電極を有しており、当該第2の始動電極は外側終端部および内側終端部を有しており、前記壁部を通って、前記封入された容積内に配置された内側終端部で密封されて延在しており;
前記第2の主電極はインピーダンス部材によって前記第2の始動電極に電気的に結合されており;
前記第1の始動電極と第1の主電極との間に電気的に結合された第1のインピーダンス部材を有しており;
前記第2の始動電極と第2の主電極との間で電気的に結合された第2のインピーダンス部材を有しており;
前記第1の始動電極の内側終端部は前記第2の始動電極の内側終端部からオフセットされて配置されており;前記第1の始動電極の内側終端部から前記第2の始動電極の内側終端部までの線が、通常のランプ作動中に前記第1の主電極の内側終端部と前記第2の主電極の内側終端部との間に形成されるプラズマ放電領域と交差するまたは当該プラズマ放電領域に近接するようにアライメントされており;
前記第1の始動電極は前記壁部と前記第1の始動電極の内側終端部との間に熱機械部材を有しており、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部は第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第1の始動電極の内側終端部は第2の位置にあり;
前記第2の始動電極は前記壁部と前記第2の始動電極の内側終端部との中間に熱機械部材を有しており、当該熱機械部材が低温状態にある場合には前記第2の始動電極の内側終端部は第1の位置にあり、当該熱機械部材が高温状態にある場合には前記第2の始動電極の内側終端部は第2の位置にあり;
低温状態において、前記第1の主電極の外側終端部から第1のインピーダンス装置を通り、および前記第1の位置にある第1の始動電極を通り、前記第1の位置にある前記第2の始動電極へ向かう、前記第2のインピーダンス装置を通り、前記第2の主電極の外側終端部へ向かうインピーダンスが、前記第1の主電極の外側終端部から、第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へと向かい、前記第2の主電極の外側終端部へと向かうインピーダンスより低く;
高温状態において、前記第1の主電極の外側終端部から第1のインピーダンス装置を通り、および第2の位置にある前記第1の始動電極を通り、第2の位置にある第2の始動電極へ向かう、第2のインピーダンス装置を通って、前記第2の主電極の外側終端部へと向かうインピーダンスが、前記第1の主電極の外側終端部から、第1の主電極の内側終端部を通って、前記第2の主電極の内側終端部へ向かう、前記第2の主電極の外側終端部までのインピーダンスより大きい、
ことを特徴とする、高輝度放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−76459(P2009−76459A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−240058(P2008−240058)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(596104131)オスラム シルヴェニア インコーポレイテッド (72)
【氏名又は名称原語表記】OSRAM SYLVANIA Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Endicott Street, Danvers, Massachusetts 01923, USA
【Fターム(参考)】