説明

透明パネルを備えた靴

本発明は、少なくとも1つの透明、半透明、又は透光性の特別ディスプレイ部分(SDA)を備えた履物と、インナーライナーのシステムとからなる履物システムに関する。インナーライナーのシステムは、着用者が取替え可能な少なくとも2対のインナーライナーからなるか、又は一方の足から他方の足へインナーライナーを交換、若しくは足の上で裏返し若しくは回転させると複数の組み合わせの外観を提供することが可能な1対のインナーライナーからなる。インナーライナーは、履物を介して表示されるように特別にデザイン及び設計され、履物は色及び光を発するエマネーション効果を提供するインナーライナーを表示するように特別にデザイン及び設計されている。本発明は、少なくとも1つのSDAを備えた履物と特別にデザインされたインナーライナーのシステムとからなる履物システムを用いることにより生み出すことが可能な、SDAを備えた履物とインナーライナーとの非常に多くの組み合わせを提供する。着用者は、ただインナーライナーを変更又は修正することによって、1対の履物から複数の組み合わせの外観を生み出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、より詳細には、インナーライナーを表示するために特別に規定された方法でインナーライナーと重なるディスプレイ部を少なくとも1つ備えた履物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物の下に重ねた靴下を表示可能な透明及び透光性の部分を有する履物は、例えばジェリーズ(登録商標)、メリッサ・ラブ・システム(登録商標)、アディダス・クリマ・レスポンス/クール(登録商標)、又はナイキ・エアー・マックス・リバイバル(登録商標)等が利用可能であった。このコンセプトに関し判明している最初の例は、シャルル・ペローが自らの版のシンデレラ物語にガラスの靴を記した1697年である。着用者は、このような靴を従来の靴下、例えば単色の靴下と合わせて使用することができ、それによって靴下の色が履物を介して透視できるようにすることが可能である。当技術分野においては、スタッフの米国特許第2,887,792号に、同特許が特許された時には透明なアッパー備えた婦人靴が流行しており、同特許発明は着用者のストッキングが見えるようにしたと記されている。スタッフは、着用者が取替え可能なプラスチック挿入物を使用することによって靴の外観を変える、透明な婦人用ドレスシューズを開示している。シレオの米国特許第5,659,929は、透明なソールとアッパーを有し、それゆえ装飾された交換可能な舌革及びインソールが見えるようになっている。又、コーディネートされた靴紐も使用し得る。ワイスの米国特許第6,711,836号も又、取り外し可能な部材即ち長細のインソールの形をした、履物の外観を変えるための交換可能な装置のコンセプトを表している。
【0003】
加えて、ビンガムの米国特許第2,982,033号、ナドラーの米国特許第3,319,360号、セイデルの米国特許第4,096,650号はそれぞれ、製造工程中に永久的に接着されブーツの外観に影響を及ぼすライナーを用いた透明なブーツを開示する。ナイキのエアー・ズーム・ウルトラフライト(登録商標)は、履物と共に提供される取り外し可能な単一のソックライナーを表示することが可能な透明プラスチック・シェルを備えている。ナイキ・エアー・フォース・ツー・エスポ(登録商標)は、透明な部分を備えたスニーカーと、これに付随するフラットな青い靴下に付されたナイキ社のロゴマークを表す白いスワッシュが履物を介して表示されるようにされている。チアー・アスレチック(登録商標)は、メッシュのディスプレイ部を備えたスニーカーを提供する。又シビア・ソックス(登録商標)は、一様な色を備えたスニーカーを提供しており、それは異なる色の靴下を表示することによって着用者が靴上の部分の色を変えることが可能になっている。ナイキ(登録商標)は、マイケル・ジョーダン・サンダルのラインを提供しており、それは色パターンがサンダルの色パターンに一致する付随の靴下を有する。クロックス(登録商標)は、円及び楕円のカット/開口部分を備えたサンダルと、サンダル上のカット/開口部分のレイアウトを模倣したデザインを有する靴下のラインとを提供する。サンダルと靴下が一緒に着用されると、靴下の一部がサンダル上のカット/開口部分の一部と一致し得、サンダルを介して靴下のデザインの一部をルーズに表示する。
【0004】
複数の特許が、履物の内側又は上に配置されたイメージが見えるようにする履物のカットアウト部又はウィンドウ部を開示する。例えば、アダミックの米国特許第4,852,276号及びサヴォカの米国特許第4,852,276号は、中に挿入された物を表示する、履物の外側に置かれた透明のポーチを提供する。そしてシューベルらの米国特許出願2004/0025373は、履物の内側にサイジング目的のためにしるしを見るためのウィンドウを開示する。
【0005】
他の複数の特許及び特許出願は、変えることが可能な履物を扱う。ハルフォードの米国特許第5,083,385号は、履物を容易に変形可能にする取替え可能なアッパーを提供する。米国特許出願第2004/0172853号、米国特許出願第2004/0187351号は、第2の外観を履物に与えるために回転可能な回転式舌革を備えた履物を開示する。この技術を利用する製品はヴァラドス(登録商標)と呼ばれ、タン・ツイスター(登録商標)と共に、長細の舌革の外観を表示可能な透明なメッシュのストライプを有し、現在はK-Swiss(登録商標)によって販売されている。米国特許出願第2005/0016032号は、変えることが可能な履物のストライプを開示しており、それはストライプの異なる表面特徴を開示するためストライプに接続された一方向又は他方向にシフト可能な引き手を有し、目に映るストライプの色及びデザインを多様にすることができるものである。この技術を利用している製品はストライプ・シフターと共に、ワリスと呼ばれ、現在はK-Swissによって販売されている。
【0006】
しかしながら上記の発明又は製品のうちいずれのものも、少なくとも1つの透明、半透明、且つ/又は透光性のディスプレイ部を備えた履物を有する履物システムを提供しておらず、又、ただインナーライナーを変えることによって、着用者が迅速、容易且つ効果的にその履物の外観を変え複数の規定の組み合わせの外観を獲得することを可能にする、特別にデザインされた取替え可能なインナーライナーを開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、少なくとも1つの透明、半透明、又は透光性の特別ディスプレイ部(SDA)を備えた1対の履物と、インナーライナーのシステムとからなる履物システムに関連する。インナーライナーのシステムは、着用者が取替え可能なインナーライナーを少なくとも2対含むか、又はインナーライナーを片足から他方へと交換したり、裏返したり、若しくは足に着用したまま回転させたりすると、履物から複数の組み合わせの外観を提供可能な1対のインナーライナーを含む。インナーライナーは、1つの部分又は履物のディスプレイ部を介して表示されるよう特別にデザインされた部分を含み、履物はインナーライナーを表示するために特別にデザインされている。
【発明の効果】
【0008】
着用者は履物からインナーライナーを容易に取り除くことができる。インナーライナーは足に着用し、履物内に配置又は挿入され、そして単一のユニットとして足に置くことが可能である。インナーライナーは履物に配置された少なくとも1つのSDAを介して透視できる。SDAは、履物外面から、インナーライナーに覆われた足が配置される履物内部の間に延びている。インナーライナー及びSDAのデザイン及び外観は、インナーライナーの部分がSDAを介して透視でき、履物の非SDA部分と一緒に透視される際に着用者が望む組み合わせの外観を作り出すことに寄与する。履物のある特定のモデルとコーディネートするために異なるインナーライナーのシリーズが提供可能で、それによって1対の履物から複数の異なる組み合わせの外観を提供するために着用者がインナーライナーを取替えることが可能なようになっている。更に、1つのインナーライナーは、少なくとも2つの履物のモデルに、特別に計画された組み合わせの外観を提供可能で、本発明により提供される実用性を更に向上させる。
【0009】
インナーライナーは、インナーライナーが着用される足に基づいて、異なる組み合わせの外観を提供するようにデザインすることが可能である。着用者は、履物を除去し、片方の足から他方の足にインナーライナーを交換し、そしてそれらを履物内に戻すことによって、履物の組み合わせの外観を変えることが可能である。インナーライナーは、インナーライナーを裏返すことによって、異なる組み合わせの外観を提供するようにデザインすることが可能である。着用者は、履物を取り除き、インナーライナーを裏返して再び履物内に戻すことによって、履物の組み合わせの外観を変えることが可能である。インナーライナーは、履物を除去し、インナーライナーを例えば90度から180度回転させて再び履物内に戻すことによって履物の異なる組み合わせの外観を提供するようにデザインされることが可能である。インナーライナーのシステムのこれらの各要素は、1対のインナーライナーから生まれ得る組み合わせの外観の数を増加させ、追加的な1対のインナーライナーが容易に使用可能ではないときに着用者に履物の外観を変える能力を提供する。
【0010】
インナーライナーは、着用者によって履物上のSDAと一致する1又はそれ以上の特定の部分を有するようにデザインされ得る。例えば、インナーライナーは、各々が履物の特定のSDAと一致するように異なる色を備えた3つの部分を有し得、それによって各SDAの異なる外観を生み出し得る。
【0011】
SDAは、インナーライナーに影響及び/又は相互作用を与え得る。もう1つの例において、SDAは、履物の外観例えば色等のいくつか又は全てを獲得し得る。エマネーションと呼ばれるプロセスを通して、SDAは、インナーライナーの外観例えば色又はデザイン等のいくつか又は全てがSDAから発され且つ/又はSDAとシームレスに統合されているように見え得るような方法で、インナーライナーに影響及び/又は相互影響し得る。SDAは又、インナーライナーに影響及び/相互作用し得、それはインナーライナー上のイメージ又はインナーライナーの特性を拡大すること、インナーライナーの外観を明るくすること又は暗くすること、インナーライナーから特定の色をフィルタリングすること、SDA内に3次元の外観を備えること、そしてSDA内に不透明な粒子を入れることによってなされる。
【0012】

本発明は又、少なくとも1つのSDAを備えた特別にデザインされた履物の特定部分を介して容易且つ効果的に表示される、着用者が取替え可能なインナーライナーを提供する上での多くの複雑な問題の克服し、且つこの製品のライフサイクルにおける通常の使用を通してこの能力を維持することを補助する様々な技術的進歩を組み込む。これらの技術的進歩は、インナーライナーと、SDAと、履物の残りの非SDA部分との正確な相互関係を通して可能な着用者が望む特定の組み合わせの外観を複数生み出すことを許容する。これらの技術的進歩は、組み合わせの外観をより正確なものにし、組み合わせの外観をより望ましいものにし、SDAを備えた履物とインナーライナーの使用中の履き心地をよりよくすることによって、履物システムに貢献する。これらの結果を獲得するためにしようされるメカニズムは、インナーライナーの外面及び履物のアッパー及び/又はSDAの内面の、相互に関係するトポグラフィの使用を含み得る。追加的に、足に着用したインナーライナー及び履物内の足の動きを管理するための強度バンドを使用し得る。更に、コーディネートされたウィッキング材料及び通気材料の、インナーライナー内及び履物内への組み込みは、例えば使用中にSDAの下及び周囲に蓄積する過剰な湿気及び熱を除去するのを補助し得る。又、様々な材料のインナーライナー内への組み込みは、SDAとの空間的関係をマネージするため又は組み合わせの外観を向上させるために作用し得る。
【0013】
それゆえ、本発明は、単にインナーライナーを変え、交換し、又は変更することによって、着用者に迅速、容易、且つ効果的に履物の外観を変えることを可能にさせる。又、本発明は、少なくとも1つのSDA及び特別にデザインされたインナーライナーを備えた着用者が望む履物の組み合わせを多数提供するが、これは、少なくとも1つのSDAと特別にデザインされたインナーライナーのシステムを備えた履物を組み込んだ履物システムを使用することによって生み出され得る。着用者は、特別にデザインされたインナーライナーを単に交換し、変更し、又は修正することによって、1対の履物から複数の組み合わせの外観を生み出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1A〜1Iは、本発明の履物と、本発明の様々な実施例による複数のインナーライナーとの、様々な組み合わせを図示する。本発明の履物システムは、SDAを備えた履物及びインナーライナーのシステムを含む。
【0015】
履物
本発明による履物は、主として、ソールと、ソール上に配置される靴の一部であるアッパーとを含む。履物は、例えばスニーカー、シューズ、ブーツ、モカシン、スリッパ、ローラーブレード、アイス・スケート等、いかなるタイプのものでもよい。インナーライナーは、例えばソックス、ホーズリー、ストッキング、2部式ライナー、伝統的な履物の内部層、履物と隣接するが必ずしも着用者の足の少なくとも一部の周囲とは連続していないフレキシブル・シェル等、いかなるタイプのものでもよい。インナーライナーは必ずしも足全体を包まない。インナーライナーの材料となり得るものの例は、綿、スパンデックス、ナイロン、レーヨン、ライクラ、シルク、ジュート、ポリエステル、ウール、クールマックス、スパンデックス、皮革、プラスチック、サーモプラスチック、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スポンジ、発泡体、伸縮材、ベルクロ(登録商標)、ゴム、テフロン等を含むが、これに限定されない。
【0016】
履物のアッパーの少なくとも一部分は、少なくとも1つの特別ディスプレイ部(SDA)を含む。SDAは、透明、半透明又は透光性の材料で製造されている。SDAは又、光を透過させ得る物理的開口部を含む構造ともし得る。SDA材料にし得るもの例は、ポリ塩化ビニル(PVC)のシート、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、シリコン、ポリプロピレン、ポリエステル、水、ヘリウム、ネオン、空気、リクロン、グリップ・ガード(登録商標)、アドナノ(トレードマーク)、テフロン(登録商標)、コーティング及び顔料色素等を含むが、これらに限定されない。SDAの構造の例は、固体、メッシュ、ウェビング、織物、紗、シアー等を含むが、これに限定されない。SDAは、履物の内面から外面へと光を通過させ得る。SDAは、履物の小さな部分、又は中位の大きさの部分、又は履物のアッパー部のほぼ全体を覆うことができる。
【実施例1】
【0017】
図1Aは、ソール2及びアッパー3を有する本発明の履物1を図示する。履物1は、アッパー3のトップ、アッパー3の後方の中心部、アッパー3の側部周辺、アッパー3の前、アッパー3の後に配置された、複数のSDA4を含む。一例として、本発明のこの実施例においては、履物1の非SDA部分は黒にし得る。
【0018】
インナーライナー
異なる外観を備えた複数のインナーライナーが各履物モデルに提供されており、それによって着用者が単にインナーライナーを替えることのみによって、迅速、容易且つ効果的に履物の外観を変えることを可能にする。
【0019】
本発明において、交換可能なインナーライナーは履物と合わせて着用され、それによってインナーライナーの少なくとも1つの部分が履物の少なくとも1つのSDAを介して表示され得る。インナーライナーは、SDAを備えた履物の少なくとも1つのモデルと共に着用するためにデザインされている。インナーライナーの特定部分は、SDA又はSDAの一部分を介して表示される。履物がSDAを介してインナーライナーを表示する際、結果として生まれる外観は、履物の他の非SDA部分の外観との相互関係と相まって、全体的にユニークな、着用者が望む組み合わせの外観を呈する。この着用者が望む組み合わせの外観は、履物及びインナーライナーの通常の使用の間、そしてライフサイクルを通して維持され得る。組み合わせの外観は、SDAを備えた特定モデルの履物のために特別にデザインされたインナーライナーをその特定モデルの履物と共に着用し、インナーライナーが履物中のSDAを介して表示される際に、再現される。
【0020】
組み合わせの外観は着用者が望むものである。というのも、SDAと、特別にデザインされたインナーライナーとの組み合わせは、着用者が望むように表示されると、魅力的な外観、即ち、色彩、パターン、アレンジメント、写真、印、ロゴ等を生み出すからである。
【0021】
図1Bは、全体が単色例えば黒のインナーライナー6の実施例を図示する。図1Cは、図1Aに示す履物及び図1Bに示すインナーライナー6との組み合わせを図示する。全体が黒のインナーライナー6と、黒い非SDA部分とを有する履物との組み合わせは、図1Cに示すように、履物の外観全体が黒くなる結果を生み、ドレスシューズの外観を呈する。
【0022】
図において、履物上のSDA、例えばSDA4等を指す参照符号の次にある引用符(“()”)内に示された参照符号は、SDAを介して透視できるインナーライナーの部分の参照番号を指す。例えば、図1Cにおいて、参照符号“4(6)”は、全体が黒いインナーライナー6が特定のSDA4を介して透視できることを示している。
【0023】
図1Dは、2色、例えば灰色の底部7Aと黒色の足首部7Bとを有するインナーライナー7の実施例を図示する。図1Eは、図1Aに示された履物1と、図1Dに示されたインナーライナー7との組み合わせを図示する。灰色の底部7Aは、インナーライナー7と履物1とが着用者の足に置かれると、履物1の内側に配置されるようにデザインされている。インナーライナー7と履物1との組み合わせは、図1Eに示すように、履物1のSDA4を介して透視できる灰色の底部7Aを含む組み合わせの外観を生む。
【0024】
本発明のインナーライナーは、少なくとも1つの履物モデルと取替え可能で、それゆえインナーライナーが履物と共に着用されると、インナーライナーの特定部分が履物のSDAを介して透視でき、それによって、履物の特定のモデルとコーディネートされたユニークで着用者が望む組み合わせの外観を生み出すことができる。従ってインナーライナーは、履物上の1又は複数の所定のSDAを介してのみ透視できるように意図された特定部分を有するようにデザインされ得る。それゆえSDAに関するデザイン及びインナーライナーの付属物の配置は重要となり得、それは下記の本発明の実施例に示す通りである。
【0025】
図1Fは、3つの色部分、例えば白色の上部8A、灰色の底部8B、及び黒色の足首部8Cを有するインナーライナー8の実施例を図示する。図1Gは、図1Aに示された履物1と図1Fに示されたインナーライナー8との組み合わせを図示する。白色の上部8Aと灰色の底部8Bとは、インナーライナー8と履物1とが着用者の足に置かれると、履物1の内側に配置されるように構成される。インナーライナー8と履物1との組み合わせは、組み合わせの外観を生み、図1Gに示すように、白色の上部8Aがアッパー3の上部及び後方中心部のSDA4を介して見え、灰色の底部8Bが履物1のアッパー3の側部、前部、そして後部に及ぶSDA4を介して透視できるようにする。それゆえ、異なるインナーライナーは、履物上の異なるSDAを介して異なる所定の且つ正確な外観を提供する。
【0026】
図1Hは、イメージ又は図形表現例えばインナーライナー9の爪先で最も濃色でインナーライナー9の後部に行くに従って薄くなっていく背景色を備えたフレーム等で装飾された底部9Aを有する、インナーライナー9の実施例を図示する。インナーライナー9は又、異なる色例えば白等の足首部9Bも含む。図1Iは、図1Aに示す履物1と図1Hに示すインナーライナー9との組み合わせを図示する。ここに示された組み合わせは、図1Iに示すように、爪先で最も濃色で履物1の後方に行くに従って薄くなる背景色を備えたフレームで装飾されているように見える履物を生む。それゆえ、図1A〜図1Iより、履物1は、インナーライナーのデザイン及び履物のSDAとの相互関係に基づいて、劇的に異なる外観を有し得ることが明白である。例えば図1Cはコンサバティブな黒いドレスシューズを示すのに対し、図1Iはよりカジュアルな外観を有する。
【実施例2】
【0027】
SDAを履物に配置するには様々な方法があり、履物上のSDAとコーディネートするためにインナーライナーをデザインするには様々な方法がある。図2Aは、ソール12とアッパー13とを有する本発明の履物11の実施例2を図示する。履物11は、アッパー13上の様々な位置に配置された複数のSDA14を含む。本発明におけるこの実施例では、履物11の非SDA部分は様々な色、例えば黒及び白にし得る。
【0028】
図2Bは、単色例えば灰色等にし得る底部16Aと、異なる色例えば白等にし得る足首部16Bとを有する、セグメント化されたインナーライナー16の実施例を示す。灰色の底部16A上の線は、部分の境界又はインナーライナー16の各部分を示す。図2Cは、図2Aに示す履物11と図2Bに示すインナーライナー16との組み合わせを図示する。インナーライナー16と履物11との組み合わせは、図2Cに示すように、灰色の底部16Aが履物11のSDA14を介して透視できる組み合わせの外観を生む。
【0029】
図2Dは、異なる色の区分又はパネル、例えば黄色いパネル17A、青いパネル17B、赤いパネル17C、黄色いパネル17D、赤いパネル17E、そして白色の足首部17F等を備えた多色の底部を有するインナーライナー17の実施例を図示する。インナーライナー16の多色の底部の各区分17A、17B、17C、17D、17Eは、履物11のそれぞれのSDA14の下に位置付けられるようにデザインされている。図2Eは、図2Aに示された履物11と図2Dに示すインナーライナー17との組み合わせを図示する。インナーライナー17と履物11との組み合わせは、図2Eに示すように、履物11のそれぞれのSDA14を介して透視できる多色の底部のパネル17A、17B、17C、17D、17Eを含む組み合わせの外観を生む。それゆえ、図2Bに示すインナーライナー16と合わせるとき、履物11は黒、白、灰色である。図2Dに示すインナーライナー17と合わせるとき、履物11は、黒、白、黄色、赤、青である。それゆえこの場合、複数のSDAを介して複数の色が表示され、そして赤いパネル17Eが透視される履物の舌革がSDAである。
【実施例3】
【0030】
図3Aは、ソール22及びアッパー23を有する本発明の履物21の第3実施例を図示する。履物21は、アッパー23の様々な位置に配置された複数のSDA24を含むが、その中にはアッパーの上部及び側部のストライプ状に形成されたSDA24も含まれる。残りのSDA24は、アッパー23の前部及び後部に配置されアッパー23の側部まで延びている。本発明のこの実施例においては、履物21の非SDA部の大部分は黒にし得る。
【0031】
図3Bは、インナーライナー26の実施例を図示し、そのインナーライナー26は複数の色の部分、例えば黒色の底部26A及び中間部26Cと、薄灰色のストライプ部分26B及び後部26Dと、暗灰色の足首部26Eとを有する。図3Cは、図3Aに示された履物21と、図3Bに示されたインナーライナー26との組み合わせを図示する。インナーライナー26と履物21との組み合わせは、図3Cに示すように、黒色の底部26A及び中間部26Cと、薄灰色の後部26Dとが、履物21のSDA24を介して透視でき、薄灰色のストライプ部分26Bが、履物21の上部及び側部のストライプ状にされたSDA24を介して透視できる、組み合わせの外観を生む。図3Aの履物21は、ストライプを除けば、図1Aの履物1とほぼ同じで、追加的な透視部24を生み、それゆえ潜在的に可能な全く新しい組み合わせの外観を生む。
【実施例4】
【0032】
上記のように、特別にデザインされたインナーライナーは、SDAを介して様々な外観を表示することによって消費者の望む外観に寄与し得る。この履物システムの可能性の広がりは、例えば特定のスポーツ選手に関する情報や印を含む広く多様な外観を備えたインナーライナーと、インナーライナーを表示するためにデザインされたSDAを備えた履物との組み合わせによって示される。例えば、図4Aは、ソール32及びアッパー33を有する本発明の履物31の第4実施例を図示する。履物31は、アッパー33の側部及び上部に配置された複数のSDA34を含む。図4Bは、特定のスポーツ選手の情報を含むデザインを備えたインナーライナー36の実施例を図示する。この実施例において、デザインはスポーツ選手の写真36Aと、スポーツ選手のチームカラー36Bと、スポーツ選手のチーム名36C(ブルズ)と、スポーツ選手の名前(マイケル・ジョーダン)と、背番号(#23)36Dとを含む。インナーライナー36の足首部36Eは、白で、標準的な靴下の足首部に似ている。
【0033】
図4Cは、図4Aに示された履物31と、図4Bに示されたインナーライナー36との組み合わせを図示する。インナーライナー36と履物31の組み合わせは、図4Cに示すように、インナーライナー36のスポーツ選手の名前及び背番号と、スポーツ選手のチーム名及びチームカラーと、スポーツ選手の写真とが、SDA34を介して透視可能な組み合わせの外観を生む。本発明のこの実施例によれば、類似のデザインではあるが他のスポーツ選手についての特有の情報を備えたデザインのものを製造することも可能で、それにより図4Aに示す履物31の着用者が、様々なスポーツ選手のインナーライナーを、履物31の同じ対と、取り替え可能にしてもよい。
【0034】
それゆえ本発明のインナーライナーは、着用者の履物の外観を変えるために使用し、それにより着用者が容易且つ迅速そして効果的に履物の外観を変えることが可能になる。着用者が望むSDAを備えた履物とインナーライナーとの組み合わせを多く生み出すことが可能で、本発明は潜在的に可能な履物モデルの極めて幅広いデザインを提供し、又SDAを備えた1対の履物を補完可能な極めて奥行きの深いインナーライナーのデザインを提供することができる。
【0035】
デザインの相互作用
インナーライナーの特定の所定部分は、履物のサイズと形、履物におけるSDAの配置、インナーライナーの配置とサイズと形、インナーライナーと履物とSDAの膨張特性と収縮特性といった特徴のうち1以上のコーディネートに基づく履物の特定の所定部分を介して表示され得る。インナーライナーと、履物上のSDAの配置は、軸によって、例えば水平方向、垂直方向等にコーディネートされ得、それによってインナーライナーの効果的な表示を容易化する。更に、履物システム中に誤差を許容し、足及び履物内におけるインナーライナーの配置に関する小さな違いと同様に、足のサイズに関する小さな違いを補うようにすることができる。
【実施例5】
【0036】
図5Aは、ソール42及びアッパー43を有する本発明の履物41の第5実施例を図示する。履物41は、アッパー43の側部に配置されたSDA44を含む。本発明のこの実施例のSDA44は、“CRAZY”という語の形に形成されている。
【0037】
図5Bは、それぞれ異なる色の複数のバンド46A、46B、46C、46D、46Eを有するインナーライナー46の実施例を図示する。インナーライナー46の足首部46Fは、白で、標準的な靴下の足首部に似ている。
【0038】
図5Cは、図5Aに示された履物41と図5Bに示されたインナーライナー46との組み合わせを図示する。インナーライナー46と履物41との組み合わせは、図5Cに示すように、インナーライナー46上の複数の色のバンド46A、46B、46C、46D、46EがSDA44を介して透視可能で、それゆえ“CRAZY”という語の各文字が一致するインナーライナー46上の色バンド46A、46B、46C、46D、46Eによって、それぞれ異なる色で示される組み合わせの外観を生む。他のインナーライナーは、図5Bに示すインナーライナー46のバンドと同じ幅の複数のバンドを有する類似のデザインではあるが異なる外観を備えて製造され、それによって図5Aに示す履物41の着用者がインナーライナーを履物41の同じ対と取替え可能にすることで組み合わせの外観を変えることができるようにする。このデザインにおいて、複数の色のバンド46A、46B、46C、46D、46Eは、足の長さに沿って所定の位置に対応するインナーライナー46上に配置されるようにデザインされ、それによって“CRAZY”という語の形に形成されたSDA44の文字に一致する。
【0039】
加えて、図5Aに示すインナーライナー46の色バンド46A、46B、46C、46D、46Eのうちの幾つか又はすべてに合うような語、数、オブジェクト、シンボル、印の形状のSDAを備えた他の履物を製造することもできる。
【0040】
図5Dは、ソール47とアッパー48とを有する本発明の履物45を図示する。履物45は、アッパー48の側部に配置されたSDA49を含む。本発明のこの実施例のSDA49は、“JOHN”という語の形に形成されており、インナーライナー46の4つの彩色部46A、46B、46C、46Dは、それぞれSDA49の4文字即ちJ、O、H、Nに一致する。それゆえ、単一のインナーライナーは、履物の複数の線を備えた、消費者が望む組み合わせの外観を提供するようにデザインされ得る。又、履物の複数の線はそれぞれが、インナーライナーの単一のデザインと組み合わさって、異なる消費者が望む外観を与えることができるようデザインされ得る。
【0041】
履物のSDAは、履物の小部分、中部分、又はアッパーのほぼ全部分を覆うことができる。インナーライナーは、小部分、中部分、又は履物の全部分に及ぶ視覚的特質を含むことができる。
【実施例6】
【0042】
図6Aは、ソール52及びアッパー53を有する、本発明の履物51の第6実施例を図示する。履物51は、アッパー53の小部分を覆う単一のSDA54を含む。本発明のこの実施例において、履物51の非SDA部分は、SDA54よりも大きな部分をアッパー53上に占めている。
【0043】
図6Bは、単一の特性を備えたインナーライナー56の実施例を図示する。この実施例において、インナーライナー56のデザインは小デザイン56A、例えばロゴ“GB”等を含む。
【0044】
図6Cは、図6Aに示す履物51と図6Bに示すインナーライナー56との組み合わせを図示する。インナーライナー56と履物51との組み合わせは、図6Cに示すように、単一のSDA54を介して透視可能なインナーライナー56上の文字“GB”56Aを含む組み合わせの外観を生む。この実施例におけるSDA54は小さく、それゆえSDAに関するインナーライナーの位置は、意図した組み合わせの外観を獲得する上で、非常に重要になり得る。
【0045】
特定の組み合わせの外観は、インナーライナー、SDA、履物の非SDA部分それぞれの、配置、材料、外観を一体化することによって生み出すことができる。上記の特徴の1以上をコーディネートすることによって、非常に多くの組み合わせの外観を生み出すことが可能である。
【0046】
例えば、SDAを花の花弁に用い、非SDA部分を他の花に用いることによって、履物上に、1以上の花をデザインすることができる。様々なインナーライナーを取替えることによって、外観、例えば履物上のSDAの花の花弁の色等を変えることができる。組み合わせの外観は、SDAの花と、他のSDAと、インナーライナーと、非SDA部分による花と、その他の非SDA部分とを統合する。
【実施例7】
【0047】
図7Aは、ソール62及びアッパー63を有する本発明の履物61の第7実施例を図示する。履物61は、靴製造メーカー(BG)のロゴの形状にされたSDA64Aと、アッパー63の側部に配置された花弁を備えた花の形状にされた他のSDA64Bとを含む。履物61は又、インナーライナーを取替えることでは変えられない非SDAの花の花弁の色を備えたSDAではない花64Cのデザインも含む。
【0048】
図7Bは、SDA64Aの下に配置されるようにデザインされたロゴの形状の単色部分66Aと、SDA64Bの下に配置されるようにデザインされた花の形状の他の着色部分66Bと、第3の着色部分66Dとを備えたインナーライナー66を図示する。第3の着色部分66Dは、インナーライナー66の透視不可能な側を包み込み、もしも履物61の透視不可能な側の第3の着色部分と一致するSDAがある場合は、SDAを介して透視可能となる。もしも履物61の見えない側に着色部分66Dに一致するSDAがない場合は、着色部分66Dは、履物61の透視不可能な側のSDAを介して透視可能とはならない。インナーライナー66の足首部66Cは白で標準的な靴下の足首部に似ている。
【0049】
図7Cは図7Aに示す履物61と、図7Bに示すインナーライナー66との組み合わせを図示する。インナーライナー66と履物61との組み合わせは、図7Cに示すように、花の形状のSDA64Bの下に配置されたインナーライナー66の着色部分66Bの色が、花の形状のSDA64Bを介して透視可能な組み合わせの外観を生む。この組み合わせは又、ロゴの形状のSDA64Aの下に配置されたインナーライナー66の着色部分66Aにプリントされた色を有するロゴの形状のSDA64Bも示す。それゆえ、履物61は、着色インナーライナー66と合わせて着用し、履物61に、着用者が選択したインナーライナー66によって色が決まる花弁を備えた花を含む、組み合わせの外観を提供することができる。インナーライナー66の着色部分66Dは、添付の図では見ることができない。
【0050】
さらに、1対のインナーライナーは、インナーライナーの側部の外観、履物の各側部のSDAの配置/存在、そして左右どちらの履物の足にインナーライナーが置かれるかに基づいて、1対の履物に、2つの組み合わせの外観を提供することができる。
【0051】
図7Dは、ロゴの形状のSDA 64Aの下に配置されるようにデザインされた1つの着色部分67Aと、花の形状のSDA64Bの下に配置されるようにデザインされたもう1つの着色部分64Dと、第3の着色部分67Bとを備えるインナーライナー67を図示する。着色部分67Bは、インナーライナーの透視不可能な側の周囲を包み込み、もしも履物61の透視不可能な側の着色部分67Bに一致するSDAがあればSDAを介して透視し得る。もしも履物61の透視不可能な側に、着色部分67Bに一致するSDAがない場合は、着色部分67Bは見えない。インナーライナー67の足首部67Cは白で、標準的な靴下の足首部に似ている。インナーライナー67は、インナーライナー66の逆を表し、インナーライナー66及び67は、一緒に着用される1対のインナーライナーを表し得ると理解される。
【0052】
図7Eは、図7Aに示された履物61と図7Dに示されたインナーライナー67との組み合わせを図示する。インナーライナー67と履物61の組み合わせは、図7Eに示すように、花の形状のSDA64Bの下に配置されたインナーライナー67の着色部分67Dが、花の形状のSDA64Bを介して透視可能な組み合わせの外観を生む。この組み合わせは、ロゴの形状のSDA64Aの下に配置されたインナーライナー67の着色部分67Aにプリントされた色を有するロゴの形状のSDA64Aを示す。インナーライナー67の着色部分67Bは添付の図では見ることができない。
【0053】
それゆえ、履物61とインナーライナー66及び67との対によって着用者は、履物61と合わせて用いるインナーライナー66又は67を着用する足を左から右へ又はその逆に入れ替えることによって、1対のインナーライナー66及び67から2つの組み合わせの外観を生み出すことができる。
【0054】
例えば、もしも図7Aに示す履物61が履物の対の右足用の靴で、着用者がインナーライナー66を右足に着用し、そのインナーライナーを着用した足に履物61を着用すると、1つの組み合わせの外観が生み出される。そこで着用者がインナーライナーを着用した足を履物61から除き、右足からインナーライナー66を除き、右足にインナーライナー67を着用し、そして再びインナーライナーに覆われた右足に履物61を着用すると、第2の組み合わせの外観が生み出される。この例においては、左の靴(図示せず)は、図7Aに示す履物61と組み合わされた履物の対を形成する。インナーライナー66に覆われた足に右の靴61を着用すると、インナーライナー67は左足に着用することができ、それによって左の靴との組み合わせの外観を生み出す。この左の靴は、履物61と同じ、又は逆の、又は異なるタイプ及び/若しくはデザインのSDAと同様に、履物61と同じ、又は逆の、又は異なる配置のSDAを有することができる。それゆえインナーライナーの対は、履物の各靴と同じ、又は逆の、又は異なる組み合わせの外観を生み得、又履物の対の左の靴と同じ、又は逆の、又は異なる組み合わせの外観を右足用の靴を生み出し得る。
【0055】
それゆえ、1対のインナーライナーは、SDAを備えた1対の履物の各靴の組み合わせの外観を2つ生み出すことができる。1対のインナーライナーが有し得る組み合わせの外観を増加させる追加的方法としては、インナーライナーの内側を外側に返す(リバースする)こと、又は足に着用したインナーライナーを回転させることが含まれる。リバーシブルなインナーライナーは、インナーライナーを裏返すことによって、異なる組み合わせの外観を提供するようデザインされ得る。リバーシブルなインナーライナーは、内部又は内面と、外部又は外面とを含む。このように、着用者は、履物を脱ぎ、インナーライナーを裏返して形式上は足に面している部分が今度は履物及びディスプレイ部分に向かって外側に面するようにし、そしてインナーライナーに覆われた足を履物内に再び戻すことによって、組み合わせの外観を変える。
【0056】
もう1つの実施例は、足に着用したインナーライナーを回転させることによって、異なる組み合わせの外観を提供するのに適合するインナーライナーを含む。着用者は、履物を脱ぎ、インナーライナーを例えば90度から180度回転させ、再び履物内に戻すことによって、履物の組み合わせの外観を変えることができる。インナーライナー・システムのこれらの各構成要素は、1対のインナーライナーが有し得る組み合わせの外観の数を増加させ、1対の追加的なインナーライナーがすぐに利用可能ではない場合、例えば職場環境からよりカジュアルな雰囲気の場に移動する場合等に、着用者にその履物の外観を変えることを可能にさせる。
【0057】

SDA効果/インナーライナーとの相互反応
SDAの外観及びデザイン及び材料と、インナーライナーの外観及びデザイン及び材料とをコーディネートすることによって、非常に多くの異なる光学的効果及び視覚的効果及び/又は外観を生み出すことができる。本発明のSDAは、インナーライナーの外観を表示すること、インナーライナーの外観と相互作用し且つ/又は作用することができる。
【0058】
増大したデザインの選択肢と同様に、インナーライナーとSDAとの組み合わせから生じる組み合わせの外観の質の顕著な向上は、様々な材料、構造、及びデザインをSDA内に組み込むことによって得られ、単にインナーライナーを表示すること以上に、SDAはインナーライナーの外観に相互作用し且つ/又は作用し、それによりインナーライナーとSDAとの組み合わせから生じるものにインパクトを与える。そのような効果を達成するための1つの方法は、半透明の着色材料、例えばエー・アンド・シー・プラスチックス・インクにより販売されている着色アクリル、又はウィリアム・コーポレーションにより販売されている着色ポリ塩化ビニル等をSDAに含めることである。例えば、黄のSDAがインナーライナーの緑色部分に重なると、履物の外側から見たときに青の外観を生む。
【0059】
図8A〜8Gは、本発明の履物とインナーライナーとの組み合わせを図示し、この図において、インナーライナーは着色されたSDAを介して透視すると異なる色に変わるように見える。インナーライナー及びSDA(適用可能であれば)の色と、インナーライナーに重なった際にSDAを介して透視できる色については、図面(図8A〜図8G)に示すと共に、下記に述べる。
【実施例8】
【0060】
図8Aは、ソール72及びアッパー73を有する本発明の履物71の第8実施例を図示する。履物71は、アッパー73の様々部分に配置された複数の無色のSDA74Aと、履物71の上部と側部と後部にストライプ状に形成された複数の黄のSDA74Aとを含む。本発明の図において、履物71における非SDA部分は黒で示す。
【0061】
図8Bは、全体が白であるインナーライナー76を図示する。図8Cは、図8Aに示す履物71と、図8Bに示すインナーライナー76との組み合わせを図示する。インナーライナー76と履物71との組み合わせは、図8Cに示すように、履物71の上部及び側部の黄のSDA74が白のインナーライナー76を表示すると黄のストライプを含む、組み合わせの外観を生む。透明のSDA74が白のインナーライナー76に重なる部分は、白く見える。
【0062】
図8Dは、赤い底部77A及び白い足首部77Bを有する本発明の第8実施例のインナーライナー77の、もう1つのバージョンを図示する。図8Eは、図8Aに示す履物71と図8Dに示すインナーライナー77との組み合わせを図示する。インナーライナー77と履物71との組み合わせは、図8Eに示すように、履物71の上部及び側部の黄色いSDA74Aがインナーライナー77の赤い底部77Aを表示するとオレンジのストライプを含む、組み合わせの外観を生む。透明のSDA74が、インナーライナー77の赤い底部77Aを表示する部分は、赤く見える。
【0063】
図8Fは、青い底部78A及び白い足首部78Bを含む、インナーライナー78を図示する。図8Gは、図8Aに示す履物71と、図8Fに示すインナーライナー78との組み合わせを図示する。インナーライナー78と履物71との組み合わせは、図8Gに示すように、履物の上部及び側部の複数の黄のSDA74Aが、インナーライナー78の青い底部78Aを表示すると緑のストライプを含む、組み合わせの外観を生む。透明のSDA74がインナーライナー78の青い底部78Aを表示する部分は、青く見える。
【0064】
もう1つの効果は、インナーライナーの外観がSDA内から又はSDAの外面から発される(エマネートされる)ときに起こるインナーライナーとSDAとの相互作用を通して提供される。この相互作用を通して、SDAは、着用者が望むインナーライナーの特質のいくつかを獲得することができる。この視覚的効果は、SDAに様々な視覚的装置及び材料、例えば光を屈折させるレンズ、光を分散させるプリズム、光を反射又は方向転換させるミラー等を使用することによって起こる。外観を発する上記の視覚的効果は、反射、屈折、集束、拡散、回折、偏向、分光を含む。これらの視覚的効果は様々な方法によって生み出すことができる。1つの例としては、二面ミラーを45度の角度で並べ、その長さの半分だけ重複させる方法がある。ここで再び、光は、最後に変更された方向の位置から発されるように見え、それゆえ外観例えばインナーライナーの色は、SDAから発されている又はSDAを源とするように見える。これらの効果を獲得するための方法は、仕上げ材例えばマット、マイクロシーン、タフタ、又はスェード等を透明材料の上に置くことを含み、仕上げ材は、インナーライナーからの光の一部を屈折又はリダイレクト又は拡散させて、見る者の目に返す。この効果を獲得するための第3の方法は、透明材料の中に小さなレンズを含ませ、レンズが光をリダイレクト、集中、拡散させるようにし、それが実際に反射されているインナーライナーから発されているのではなく、あたかも変更された方向の位置から光が発されているように見えるようにする。外観を発する効果は、様々な材料をSDA及びインナーライナーに組み込むこと、及び/又はSDAの材料とインナーライナーの材料とをコーディネートすることによって、向上させることができる。効果的なインナーライナーの材料は、反射性の材料、例えばスリーエム(登録商標)のスコッチライト(登録商標)又は細い糸を有する材料等を含み、SDAとインナーライナーとの間の空間を最小限にする。
【0065】
インナーライナーとSDAとの空間的関係は重要である。というのも、インナーライナーとSDAとの間の空間は、光をSDAの内側面で反射させ得、それによって見る者の目に伝わるのを防いで、光を発するエマネーション効果を生み出す能力を制限又は排除することができるからである。SDAは又、内側面の仕上げが限られた反射特性を有し、材料が足及びインナーライナーと合わせるのに十分に柔らかく、又SDAの材料及び構造がインナーライナーの材料とコーディネートされると望ましい視覚的効果を生み出すようにするために、重要である。
【実施例9】
【0066】
図9Aは、ソール82及びアッパー83を有する本発明の履物81の第9実施例を図示する。履物81は、光拡散材料例えばレキサン、マイラー、ダイナグラス・プラス・エルディーティー、バイエル社のマクロロン、デライト特殊コーティング等を組み込み、アッパー83の側部に配置されるSDA 84を含む。
【0067】
図9Bは、履物81の側部のSDA84の下に配置され、一様な色例えば黄の部分86Aを含む部分を備えたインナーライナー86を図示する。図9Cは、図9Aに示す履物81と、図9Bに示すインナーライナー86との組み合わせを図示する。インナーライナー86と履物81との組み合わせは、SDA84の下に配置されたインナーライナー86を含み、それによって光がSDA84により拡散され、いくらかの光は着色部分86Aに反射されて、SDA84から出る前に再びSDA84によって拡散される外観を生む。拡散の効果として、光の色のいくつかは、SDA84の下のインナーライナーからではなく、SDA84内又はSDA84の表面からエマネートされる着色部分86Aにより吸収される。この効果は着用者が望むものである。というのも、これは多くの追加的な組み合わせの外観を与えるからであり、又、その最終結果の観察を通して、インナーライナーが履物の外観に寄与するために使用されたとは気付かれない代わりにシームレスなユニットであるような印象を与えるような方法で、SDAを備えた履物の外観を変更するためのインナーライナーの使用を許容するからである。
【実施例10】
【0068】
上記のように、SDAが単にインナーライナーを表示するとき、SDAの内側又は外面からエマネートされるインナーライナーの外観例えば色等を有する効果を獲得するために、様々な材料、構造、技術を使用することができる。外観をエマネートするこの効果を達成するためにミラーを介した反射を利用する技術は、図10Aに示されている。図10Aは、本発明の第10実施例により、インナーライナー96を覆う履物のSDA93の組み合わせの断面図である。SDA93は、内面94Aを含み、それはインナーライナー96の外面と外面94Bにぴったりくっついて配置されている。両面ミラー95はそれぞれがSDA93の内面94A及び外面94Bに関して45度の角度で配置される。複数の両面ミラー95は、各ミラーの底部が次のミラーの上部と垂直方向に並ぶように配置される。外光97は複数のミラー95の間から反射して間接的にインナーライナー96の外面に到達するか、又は外光97はインナーライナー96に直接到達することができる(図示なし)。その後、インナーライナー96に吸収されない光99はほとんど、SDA93から出る前に、反射し返され又複数のミラー95の間で反射する。それゆえ、SDA93から出た反射光99の大部分はインナーライナー96に反射されて少なくとも1つのミラー95に反射され、光の大部分そして反射されたインナーライナー96の視覚的特性とが、SDA93内の複数のミラー95から発される。インナーライナー96の視覚的特性の大部分、例えば色は、SDA93からエマネートされる。又、複数のミラーの45度の角度、光がSDAに入る様々な角度、光がインナーライナー及び/又はミラーに反射される方法、そしてSDAを見る角度から、結果として、組み合わされたインナーライナー及びSDAの外観には複数のバリエーションがありうる。
【0069】
もう1つの技術、即ち外観をエマネートする効果を獲得するために表面処理を利用する技術は、図10Bに示す。この例において、SDAの左側は、いずれかの方向に進む光の偏向又は方向転換を生じる表面処理を有し、対してSDAの右側はSDAを出発する際に光の拡散を生じる表面処理を有する。この効果を獲得するために埋め込みレンズを利用する第3の技術は、図10Cに示す。この例において、凸レンズを通る光線は光が集束させられ、凹レンズを通る光は屈折される。結果として現れる外観は、インナーライナーの特定の面の拡大又は縮小を含み、インナーライナーのいくつかの視覚的特性は、SDAからエマネートされるように見える。
【0070】
SDAのもう1つの光学的効果は、SDAがインナーライナーの隠れた特性を表示するフィルタとして機能する際に生じる。履物はSDAを含み、そのSDAは、多くの場合細かく粉状にされた透明及び半透明の色素、例えばホングメント・ケミカルズ・リミテッド、オキセンズ・パール・ラスター・ピグメンツから販売されているような色素等のように、光の特定色を吸収し、インナーライナーから反射され得る光の色を変え、SDAを介して表示される際にインナーライナーの外観を変える色素を含む。
【実施例11】
【0071】
図11Aは、ソール102及びアッパー103を有する本発明の履物101の第11実施例を図示する。履物101は、アッパー103の側部に配置され子供向けテレビ番組のキャラクター例えばテレタビーズ等の形状に形成されたSDA104Aと、光の様々な色を吸収し且つフィルタリングするよう作用する透明又は半透明の色素を含浸したカラーフィルタリングSDA104Bとを含む。SDA104Aは、三次元のテレタビーズとして形成され、その表面は外観をよりよくするため質感が加工されている。この例においては、SDA104Aは、あるイメージの形状及び質感の両方を備えるのに対し、インナーライナーは色のみを備える。SDA104Bは、光の特定の色をフィルタにかけ、インナーライナーの外観を改良し、インナーライナーの他の隠れた又はまだ現れていない特性を表示するSDAの能力を図示する。例えば、もしも緑の表示又はインナーライナーのデザインに、インディゴ色及びヴァイオレット色の着色繊維又は染料を撒き散らすと、インディゴ色及びヴァイオレット色は、緑の表示又はデザインの透明度を損なう。インナーライナーが、インディゴ色及びヴァイオレット色を吸収する透明又は半透明の色素に含浸されたSDAの裏側に配置されると、緑色の表示又はデザインは、インナーライナーがSDAを介して透視されるときに、より明瞭になる。本発明のこの実施例において、カラーフィルタリングSDA104Bは、アッパー103の側部に置かれたキャラクターの顔のSDA104Aの上に配置されている。アッパー103は又、履物101の側部に他のSDA104Cも含む。SDA104A、104B、104Cは、消費者が望む形状とすることができ、隆起させたり窪ませたりし、且つ/又は履物101の非SDA部分に関し質感を加工してもよい。
【0072】
図11Bは、テレタビーズの顔の形状にされたSDA104Aの下に配置するための第1部分106Aと、カラーフィルタリングSDA104Bの下に配置するための第2部分106Bと、履物101の側部にある他のSDA104Cの下に配置するための部分106C及び106Dとを備えたインナーライナー106の実施例を図示する。インナーライナー106の足首部106Eは白く、標準的な靴下の足首部分に類似している。子供向け番組のキャラクター例えばテレタビーズ等のようにそれぞれの色によって特定されるものには、特定のテレタビーズの色に基づいてインナーライナー106の様々な部分106A、106B、106C、106Dの色を多様にすることによって、異なるインナーライナー106が提供され得る。さらに、カラーフィルタリングSDA104Bは、インナーライナーがカラーフィルタリングSDA104Bの下に配置されるときにSDA104Aを介して透視可能な色の外観を変え、表示する。この例においては、SDA104Bとインナーライナー106とが相互作用し、特定のテレタビーズを識別するためのマーク(即ち図11Cの環108)を表示する。
【0073】
図11Cは、図11Aに示す履物101と、図11Bに示すインナーライナー106との組み合わせを図示する。インナーライナー106と履物101との組み合わせは、図11Cに示すように、個々の色を備えた特定のテレタビーズを含む組み合わせの外観を生む。カラーフィルタリングSDA104Bはこの特定の例において、環108を表示する。それゆえ、この実施例において、履物101に示されたテレタビーズは、SDA104Aを介して表示された色と、カラーフィルタリングSDA104Bを介して表示された環108とによって識別される。というのも、カラーフィルタリングSDA104Bの下にあるインナーライナー106の部分106Bは、吸収されなければ環のデザインの透明性を損なってしまう色を吸収する、透明の色素を含むからである。他のSDA104Cは又、テレタビーズの顔の形状にされたSDA104Aを使用しているのが示されたテレタビーズと同じ色も表示し、又は他の色若しくは外観を示すことができる。
【0074】
それゆえSDAは、インナーライナーの隠れた特性、例えば子供向けテレビ番組のキャラクターの識別に使用可能な色又はデザイン等を表示するフィルタとして使用可能であり、且つ/又はインナーライナーの明らかな色又は外観を変えることによって使用可能である。
【0075】
SDAによって提供される視覚的効果のもう1つの例は、SDAがインナーライナーの特性を拡大させるときに生じる。インナーライナーの小さな特性は、適当な形状のレンズであるSDA又はそのようなレンズを含むSDAを介してインナーライナーの特性を表示することによって、拡大又は強調することができる。
【実施例12】
【0076】
図12Aは、ソール112及びアッパー113を有する本発明の履物111の第12実施例を図示する。履物111は、アッパー113の側部に配置された拡大SDA114を含む。拡大SDA114は、適当な形状にされた拡大レンズ又はそのような拡大レンズを含む。図12Bは、履物111の側部のSDA114の下に配置された小さな車のイメージを含む部分116Aを備えたインナーライナー116を図示する。
【0077】
図12Cは、図12Aに示す履物111と、図12Bに示すインナーライナー116との組み合わせを図示する。インナーライナー116と履物111との組み合わせは、インナーライナー116の部分116AがSDA114の下に配置され、小さな車のイメージが拡大SDA114を介して拡大され、拡大された車のイメージを生み出す組み合わせの外観を生む。
【0078】
SDAとインナーライナーとの相互作用を介して生み出され得る視覚的効果のもう1つの例は、インナーライナーがSDAを介して表示されると三次元の外観を提供することである。三次元の外観を獲得するための方法には、インナーライナー上に又はSDA内に三次元の物体を組み込む方法、位置、色、影、パターンを用いて奥行きの錯覚を起こす方法、光を反射、屈折、拡散、集束、又は拡大させる材料を組み込む方法があり、それによってインナーライナーがSDAを介して表示されると組み合わせが三次元であるようにも見え又は実際に三次元を有するようになる。
【0079】
上記の三次元効果は、SDAの裏にインナーライナーを置いて、組み合わせを見たときのSDAに関するインナーライナーの奥行きの違いが奥行きある外観を提供することには言及しない。むしろ、上記の三次元効果は、インナーライナーとSDAとの相互作用から生じる。例えば、他の透明のSDAの間に配置された光拡散材料製のハートを有するSDAと組み合わせて使用される赤いインナーライナーは、SDA内から発されるように見える赤いハートと赤い背景の外観として現れる。上記の三次元効果は、SDAから発されるように見えるインナーライナーの特性、SDA内の異なる奥行きから発されるインナーライナーの特性、三次元を有する若しくは三次元を有するように見えるインナーライナーの質を向上させるSDA、又は三次元を有するもしくは三次元を有するように見えるSDAの質を向上させるインナーライナーから生じ得る。
【0080】
本発明は又、複数の企業広告を表示するための手段も提供する。異なる広告を備えた複数のインナーライナーは、1対の履物と交換可能である。
【実施例13】
【0081】
図13Aは、ソール122及びアッパー123を有する本発明の履物121の第13実施例を図示する。履物121は、アッパー123の側部及び上部に配置された複数のSDA 124A、124B、124Cを含む。図13Bは、飲料缶126Aと、他の様々な情報例えばスローガン126B(“君に翼を与える”)と、製品126Cの名前(レッドブル)とを示す、二次元のデザインを備えたインナーライナー126を図示する。インナーライナー126の足首部126Dは白く、標準的な靴下の足首部に類似している。
【0082】
履物121の前部に配置されたSDA124Aは、SDA124Aの下のインナーライナー126に二次元のデザイン例えば飲料缶126Aに、三次元であるような外観を与える単一の材料又は複数の材料で製造されている。この三次元の外観を生み出すために、SDA124Aは、インナーライナー126上の飲料缶126Aのイメージの線の配置、色、及び陰影の組み合わせを使用しており、又SDA 124A内の異なる深さに光集束材料を含む。
【0083】
図13Cは、図13Aに示す履物121と、図13Bに示すインナーライナー126との組み合わせを図示する。インナーライナー126と履物121との組み合わせは、図13Cに示すように、インナーライナー126の飲料缶126Aの二次元のデザインが、アッパー123の上部に配置されたSDA124Aを使用して三次元のイメージであるように表示される組み合わせの外観を生む。
【0084】
インナーライナー126の側部にプリントされた様々な情報126B、126Cのピースは、他のSDA124B、124Cを介して表示される。それゆえ、履物とSDAは、異なるインナーライナーを製造することによって、大量の製品を推奨するのに適した“ジェネリックな”デザインを利用し得る。SDAは、製品名、スローガン、及び/または他の製品情報を表示可能である。
【0085】
視覚的効果のもう1つの例は、SDAがその部分を越えて発される光の度合い例えば透明から半透明までの度合い等を変化させ得る際に生じる。SDAは、インナーライナーの純粋な色の部分に重なって、履物の外側からSDAを見た際に色がフェードする外観を生み出すことができる。
【実施例14】
【0086】
図14Aは、ソール132及びアッパー133を有する本発明の履物131の第14実施例を図示する。履物131は、アッパー133の上部及び側部に配置されたSDA 134及び135を含む。SDA134は、履物131の爪先の上部に配置され、不透明のきらきら光る材料を含む。SDA 135は、履物131の側部に配置され、異なる光の量を発する3つの部分135A、135B、及び135Cを含む。SDA部135Aは透明である。SDA部135Cは半透明で、SDA部135A及び135Bよりも少ない光の量を発する。SDA 135Bは中位の量の光を発し、その量は透明なSDA部135Aが発する量よりも少なく、半透明のSDA 135Cが発する量よりも多い。SDA 部135A、135B、及び135Cは、相互に隣接して配置され、一端(SDA部135A)が透明で対向端(SDA 135C)が半透明の、単一の連続的なSDAを形成する。それゆえ、SDA部135A、135B、及び135Cは、SDA135が透明から半透明に変わり、多様な度合いの光を発するように形成される。図14Bは、デザイン136A例えばスマイリーを爪先の上部に備えた単一の純粋色のインナーライナー136を図示する。
【0087】
図14Cは、図14Aに示す履物131と、図14Bに示す履物136との組み合わせを図示する。インナーライナー136と履物131との組み合わせは、例えSDA135の下に配置されたインナーライナー136が単一の純粋色であったとしてもその本体にわたって外観が変わるSDA135を履物131の側部に含む、組み合わせの外観を生む。これはSDA部135A、135B、及び135Cの、多様な発光特徴に起因する。
【0088】
この実施例は又、インナーライナーとSDAとの、非視覚的技術を介した相互作用能力をも図示する。図14Bは、デザイン136A例えばスマイリー等をインナーライナー136の爪先の上部に備えた単一の純粋色のインナーライナー136を図示する。インナーライナー136上のスマイリー136Aは、SDA134中の不透明なきらきら光る材料によって、“キラキラ”して見える。それゆえ本発明のSDAは、特定形状に形成され且つ不透明な印又は他の特徴例えばきらきら光る材料等を含むSDAを備えることによって、インナーライナーに届く光の修正を要することなく、インナーライナーの外観と相互作用することができる。このように、図14A及び14Cに示すきらきら光るSDA134は、SDAが、非視覚的技術によってインナーライナーの外観と相互作用することができる複数の方法のうちの1つである。光の修正は、SDAを介して発される光の量を変え得るが、SDAは、インナーライナーのデザイン、色、又は他の特徴に影響を及ぼさない。
【0089】
追加的な視覚的効果は、多様な環境及び機械的相互作用に基づき外観を変化させる多様な材料を使用することによって、インナーライナーとSDAとの相互作用から生み出される。これらの材料の例及び相互作用は、インナーライナー及び/又はSDAを含むが、このインナーライナー及び/又はSDAは、暗い場所で発光する材料例えばアルテミス・ユー・エス社から販売されているアルミン酸塩蛍光体等、紫外線(UV)照射の変化によって色が変化する光発色性材料例えばプラスチゾル・ライト・センシティブ・インク等、気温変動に反応して色が変化する熱変色性材料例えばデッコ・エンタープライズ社とマツイ・インターナショナル社により製造されている熱変色性材料等、水に反応して変化する水変色性材料、電気を使用する材料例えば電気エネルギー例えばネオン等の外部刺激に起因して色が変化する電気変色性材料等、電動式の感光性ポラロイド・フィルタ、インナーライナー及びSDA自体を照らすLEDライトを含む。磁石又は静電気集束材料は、インナーライナーが強磁性材料を含有する浮遊性着色粒子を有する液体で満たされたSDAの隣に置かれると複製されるデザインをインナーライナー上に生み出すために使用することができる。
【実施例15】
【0090】
図15Aは、ソール142及びアッパー143を有する本発明の履物141の第15実施例を図示する。履物141は、アッパー143の側部に配置された、液体で満たされたSDA 144を含む。液体で満たされたSDA144は又、SDA144の内側の液体中を浮遊する強磁性材料を含む不透明な粒子144Aも含有する。本発明のこの実施例では、強磁性材料144Aは白く着色されている。
【0091】
図15Bは、デザイン146A例えば爪先の上部のスマイリー及びインナーライナー146の側部の虹等を備えたインナーライナー146を図示する。デザイン146Aは、履物141を介して透視できるようには意図されていない。インナーライナー146は又、インナーライナー146に織り込まれた磁性材料146Cを有する青く着色された部分146Bも含む。磁性材料146Cは、着用者に見えるよう図15Bに示されている。しかしながら、磁性材料146Cはインナーライナー146に組み込んで、見ることができないようにすることも可能である。本発明のこの実施例では、磁性材料146Cはスマイリーの形状に形成されている。
【0092】
図15Cは、図15Aに示す履物141と図15Bに示すインナーライナー146との組み合わせを図示するが、その組み合わせは、SDA144中に強磁性材料144Aを含む粒子が、SDA 144の下に配置されたインナーライナー146の青色部分146B内の磁性材料146Cに引き付けられる外観を生む。それゆえ、磁性材料144Aを含有する白い粒子のいくらかは、インナーライナー146の青色部分146Bのスマイリーの形状に形成された磁性材料146Cによって生ずる磁場によって定位置に保持され、白く着色されたスマイリーが、履物141のSDA144の青い背景上に現れる。磁場146Cによって定位置に保持されない強磁性材料144Aを含む粒子は、SDA144内を浮遊する。
【0093】
それゆえ、SDA及び/又はインナーライナーは、環境及び/又は機械的影響に基づいて外観を変えることができる。このSDA及び/インナーライナーの外観の変化は、それゆえ履物のその他の外観との相互作用の結果を組み込んだ組み合わせの外観を変える。さらに、SDA及び/又はインナーライナーが 様々な環境的及び機械的相互作用に基づいて外観を変えることができるという事実を利用することによって、複数の追加的な組み合わせの外観を生み出すことができ、着用者は、履物の組み合わせの外観を、例えば液体で満たされたSDA内の粒子の移動を促すために走ること等によって影響を及ぼす。
【0094】
構造
本発明は、SDA及びインナーライナーを備えた履物における構造上の改良を複数含み、それは他の様々な出願と同様に、上記の履物システムにおける成功のために重要であり得る。履物システムにおいて、構造上の改良は、よりよい履き心地、よりよいパフォーマンス性、着用者が正確に再現可能な組み合わせの外観、そしてそのライフサイクルを通して反復的且つ効果的に組み合わせの外観を再現する能力を与える。
【0095】
SDA及びインナーライナーは、様々な形状にデザインされた材料で作られることによって、快適性、耐久性、そして熱及び湿気の分散性を特にSDAを介して表示される部分において最大限に向上され、又同様に通常の使用及びライフサイクル中における履物とSDAとインナーライナーとの空間的関係の維持を補助する。通常の使用及びライフサイクルには、熱及び湿気の影響と同様、履物システムの擦り減らし、伸び、洗濯、着用が含まれる。履物の通常の使用及びライフサイクルは又、いくつかの実施例において、履物を使用しないインナーライナーの使用も含むことができる。例えば、インナーライナーが反復的に洗濯され又履物以外の用途に用いられる場合には、より耐色性ある材料により製造されることが可能である。
【0096】
インナーライナー、履物、及びSDAの構造、伸縮特性、及び材料劣化の特徴は、履物の通常の使用及びライフサイクルを通して、履物の表示能力を維持し、インナーライナーの着用者が望む部分を向上させるようデザインされている。
【0097】
履き心地は、SDAを備えた履物及び付随のインナーライナーの通常の使用の間、インナーライナー、履物、及び/又はSDAのサイズ、形状、容量、材料、整合性、柔軟性、サポート能力及び特性のうち、1つ又はそれ以上の特徴をコーディネートすることによって維持可能である。例えば、インナーライナー、履物、及びSDAの材料及びデザインは、インナーライナー、履物、及び/又はSDAが通常の使用を通して適切な温度及び湿度レベルを維持できるように変えることができる。又、柔らかい材料例えばゴム、ネオプレン、又はシリコン等の履物システムへの組み込みは、そこにクッション・サポートを提供する。インナーライナー、履物、及びSDAの1つ又はそれ以上の熱発散特性及び湿度分散特性を組み込み且つコーディネートすることによって、適切な温度レベル及び湿度レベルを提供することができる。
【実施例16】
【0098】
図16Aは、適切な温度レベル及び湿度レベルを維持するためにデザインされた本発明のインナーライナー156の第16実施例を図示する。インナーライナー156は、好ましくは適切な温度レベル及び湿度レベルを維持するためにデザインされた履物、例えば図16Bに示された履物151の実施例等とともに使用される。インナーライナー156の第1部分 156Aは、SDA154を介して表示される。インナーライナー156は、足から湿気を逃がすのを補助するウィッキング材料で形成された部分156Bを少なくとも1つ含む。湿気を逃がす材料の例は、デュポン社のクールマックス・ポリエステル(登録商標)、スマートウール(トレードマーク)、メリノ・ウール、そしてワンダー・ウィック・ポリエチレン(登録商標)等である。インナーライナー156は、又、足から熱を逃すのを補助する空気通路で形成された部分136Cも少なくとも1つ含む。
【0099】
図16Bは、図16Aのインナーライナーと、履物151内における適切な温度レベル及び湿度レベルを維持するためにデザインされた本発明の履物151との組み合わせを図示する。履物151は、ソール152、アッパー153、及びアッパー153の側部に配置されたSDA154を含む。
【0100】
履物151の少なくとも1部分155A、例えばSDA154の少なくとも一部分の近傍は、インナーライナー156から湿気を逃がすためにウィッキング材料のうちの1つで製造可能である。湿気は、履物151の外側に出るようにインナーライナー156から逃がされ得る。加えて、履物151の少なくとも一部分、例えばSDA154の少なくとも一部分の近傍は、SDA154の少なくとも一部分の近傍に配置された孔又は通気性材料155Bを含む。孔又は通気性材料155Bは、インナーライナー156と履物151の間に蓄積される過剰な熱の除去を許容する。
【0101】
それゆえ、履物及びインナーライナーは、例えば湿気を逃がすウィッキング材料及び/又は一体化された孔又は他の通気性材料を履物及び/インナーライナー内に使用することによって、履物内の温度レベル及び湿度レベルを制御可能なようにデザインすることができる。
【0102】
本発明によって可能となるデザインのオプションの多くは、着用者により迅速且つ容易に再現可能且つ通常の使用の間維持可能な正確な組み合わせの外観を獲得するために、インナーライナーとSDAとの位置あわせ及び相互関連における十分な正確性を要求する。インナーライナーと履物とSDAと着用者の足との間の空間的関係のコントロール及び維持における、より高い正確性を許容する複数の改良点については、下記に詳述する。
【0103】
履物の表示性能を改良し、インナーライナーの着用者が望む部分の質を向上させるための方法の1つは、インナーライナーと足と履物との空間的関係をコントロールすることによるものである。強度バンドを履物及び/又はインナーライナーに組み込んで、インナーライナーと足と履物との空間的関係のコントロールを補助する。強度バンドは、足の補助的部分例えば土踏まず又は足首連結部等を取り巻くインナーライナー及び/又は履物の中に組み込み可能で、又は、紐結びシステムと併用してインナーライナーと足との間及び/又は履物と足との間の動きを制限することができ、それによってインナーライナーとSDAと履物との間の空間的関係に追加的なコントロールを提供することができる。
【実施例17】
【0104】
図17は、足の土踏まずの周囲に強度バンド167Aを備え、足首の周囲に強度バンド167Bを備えたインナーライナー166の第17実施例を図示する。強度バンド167A、167Bは、ライクラ(登録商標)、ルジマ(登録商標)、スパンデックス(登録商標)、又はコーデュラ(登録商標)のナイロン強化材を用いて形成してもよい。
【0105】
インナーライナーと足と履物との空間的関係の維持するもう1つの方法は、履物システムの通常の使用の間、足及び相互に関する配向を維持するインナーライナー及び/又は履物を設計することによる。インナーライナーはそれゆえ、インナーライナーのサイズ及び形状、インナーライナーの伸縮特性、インナーライナーの材料、熱及び湿気の影響、インナーライナーの他の特徴、そして足の長さといった特徴うち、1つ又はそれ以上をコーディネートすることによって、足に関する配向を維持するように設計される。履物は、履物のサイズ及び形状、履物の伸縮特性、履物の材料、熱及び湿気の影響、インナーライナーの他の特徴、そして足の長さといった特徴のうち1つ又はそれ以上をコーディネートすることによって、履物の通常の使用の間、足に関する配向を維持するように設計される。
【0106】
インナーライナーと履物との空間的関係、より具体的にはインナーライナーとSDAとの間の距離又はインナーライナーによってSDAに加えられる圧力は、インナーライナーと履物とSDAのサイズと形状と配置、インナーライナーと履物とSDAの伸縮特性、インナーライナーと履物とSDAの材料、熱及び湿気の影響、インナーライナーと履物とSDAの他の特徴、そして足の長さといった特徴のうち、1つ又はそれ以上をコーディネートすることによってコントロールされ得る。
【0107】
インナーライナーと履物とSDAとの空間的関係の追加的なコントロールは、インナーライナーの外側及びSDAと残りの履物の内側の材料及び特性のうち1つ又はそれ以上のデザイン及びコーディネートにより得られ維持することができる。インナーライナーとSDAとの空間的関係の追加的なコントロールを可能にし得るインナーライナー、SDA、及び履物の材料の例は、ベルクロ(登録商標)、ゴム、磁石、シリコン、及びテフロン(登録商標)等を含む。インナーライナーと履物とSDAとの空間的関係の追加的なコントロールを可能にし得るインナーライナー、SDA、及び履物の特性は、相互に付着する材料、足周り若しくは履物内にぴったりとフィットする材料、摩擦による動きを制限する粗い表面、特定部分における動きを容易化する滑らかな部分、真空効果を利用した動きを制限する密閉された凹部分、及び(例えば静電気等により)帯電し反対の電気的引力を利用して動きを制限する部分を含む。
【0108】
さらに、インナーライナーと履物とSDAとの位置合わせをマネージするために、インナーライナーと履物のSDA及び非SDA部分の内側とにトポグラフィを使用することも可能である。例えば、本システムは、履物の内部トポグラフィがインナーライナーの外部トポグラフィと“相互にフィットする”ように又は相互連結することができるようにデザイン及びコーディネートすることが可能である。それゆえ、インナーライナーの外部トポグラフィの部分は、履物及びSDAの内部トポグラフィに関して反比例するように設計することができる。インナーライナーは、トポグラフィが相互関係的な力を発達させつつ相互にフィットするため履物内の位置に保持され得、それによりインナーライナーとSDAと履物との空間的関係の追加的コントロールが可能になる。
【0109】
図18A〜18Cは、インナーライナーの外部トポグラフィが、履物及びSDAの内部トポグラフィに関して反比例するようにデザイン及び設計されたインナーライナー及び履物の一例を図示する。
【実施例18】
【0110】
図18Aは、ソール172及びアッパー173を有する本発明の履物171の実施例の断面図を図示する。履物171は、アッパー173の側部に配置されたSDA 174と、SDA 174の反対側の履物171の側部に配置された位置決め溝175とを含む。SDA 174と位置決め溝175とは、履物171のアッパー173の側部内面にそれぞれ窪みを提供するように配置されている。
【0111】
図18Bは、インナーライナー176の外面から外側に突出するインナーライナー176上に配置された第1及び第2突部176A、176Bを備えたインナーライナー176の実施例の断面図を図示する。突部176A、176Bはそれぞれ、インナーライナー176が履物171の内側に置かれると、SDA174により形成された窪みと、履物171の反対側にある位置決め溝175とに受け止められる。
【0112】
図18Cは、図18Aに示す履物171と、図18Bに示すインナーライナー176との組み合わせの断面図を図示する。インナーライナー176が履物171の内側に置かれると、SDA174により形成される窪みはインナーライナー176上の第1の突部176 Aを受け止め、履物171の反対側の位置決め溝175により形成される窪みはインナーライナー176上の第2の突部176Bを受け止める。それゆえ、インナーライナー176は履物171と相互連結する。図18Cは又、インナーライナー176と履物171とSDA174とは、SDA174とインナーライナー176Aとの間に空間を作るようにデザインすることが可能であることを示す。又、SDA 174及び第1の突部174は、インナーライナーとSDAとの間に空間が生じるのを防ぐためのサイズにし得る。
【実施例19】
【0113】
図19A〜19Cは、履物の内部トポグラフィが、インナーライナーの外部トポグラフィと相互連結するよう形成可能な、もう1つの方法を図示する。図19Aは、ソール182及びアッパー183を備えた本発明の履物181の実施例の断面図を図示する。履物181は、アッパー183の側部に配置されたSDA184と、SDA184に対向する履物181の側部に配置された位置決め突部185とを含む。SDA184の内面は、履物181のアッパー183の非SDA部分の内面と同一平面に配置される。履物181内の突部185は、履物181のアッパー183の内部に突出するように配置される。それゆえ、図19Aに示された履物181は、図18Aに示す履物171とは異なる内部トポグラフィを有する。
【0114】
又、図19Bに示すインナーライナー186は、図18Bに示すインナーライナー176とは異なる外部トポグラフィを有する。図19Bは、インナーライナー186の外面上の窪みとして形成された位置決め溝186Aを備えたインナーライナー186の実施例の断面図を図示する。位置決め溝186Aは、インナーライナー186が履物181の内側に置かれた場合におけるSDA184に対向する履物181の側部の突部185の下に配置される。
【0115】
図19Cは、図19Aに示す履物181と、図19Bに示すインナーライナー186との組み合わせの断面図を図示する。インナーライナー186が、履物181の内側に正しく置かれると、インナーライナー186内に形成された窪みは、履物181の内面上の突部185を受け止める。それゆえ、インナーライナー186は、そのトポグラフィが履物181と相互にフィットするため、履物181と相互関係的な力を形成可能である。この相互関係的な力によって、インナーライナー186の特定部分が、SDAを介して表示される。さらに、SDA184の内面が、履物181の非SDA部分の内面と同一平面に配置されるため、SDA184は、インナーライナー186の外面にぴったり接して配置され、それによって、インナーライナーとSDAとの間にいかなる空間もできないよう制限する。
【0116】
この例は相互連結するトポグラフィを図示するが、ここで理解されるべきは、インナーライナーと足と履物との空間的関係及びSDAを用いた表示が意図されたインナーライナー部分の位置合わせをマネージするために、いかなる個々又はグループの構成要素も、いかなる形態又は構造においても、使用可能だということである。インナーライナーとSDAとの空間的関係は、履物及びインナーライナーのライフサイクルを通して、インナーライナー、履物、及びSDAの、材料及び構造の、経時特性及び磨耗特性の1つ又はそれ以上をコーディネートすることによっても、維持可能である。
【0117】
インナーライナーと足と履物との空間的関係、及びSDAを用いた表示が意図されたインナーライナー部分の位置合わせをマネージするためのもう1つの方法は、インナーライナーのディスプレイ部分を、残りのインナーライナーに関する動きの自由を持たせるように設計することである。例えば、ディスプレイ部分を、柔軟な材料を用いてインナーライナーに取り付けることによって、ディスプレイ部分はより大きな運動性を有することとなる。そして、たとえインナーライナーが履物内で移動しても、SDAに対して合わせた位置を維持可能で、それゆえ通常のサイジングの不一致と、履物システムの使用の間伸縮及び運動とを補うことが可能である。本発明のトポグラフィと結合した上記の実施例は、インナーライナーとSDAとの空間的関係の非常に正確なマネージメントを許容する。
【0118】
SDAとインナーライナーとの空間的関係は、インナーライナーとSDAとの組み合わせの結果にも影響を及ぼし得る。例えば、インナーライナーとSDAとの組み合わせの外観は、インナーライナーの外面がSDAの内面に接触するか、又は両者の間に空間があるかによって、様々に変わり得る。組み合わされたインナーライナーとSDAの外観は又、インナーライナーの外面がSDAの内面に接触する圧力の大きさによっても変わり得る。さらに、組み合わせたインナーライナーとSDAの外観は、インナーライナーの外面の一部がSDAの内面に接触するかによっても変わり得る。最後に、組み合わされたインナーライナーとSDAの外観は、インナーライナーの外面とSDAの内面との関係の変化によっても変わり得る。インナーライナーの外面とSDAの内面との関係における変化とは、両者間の距離、両者が接触する圧力の大きさ、両者間の位置合わせ、又は上記のうちのいかなる組み合わせにおけるものである。
【0119】
この光学的効果及び視覚的効果を生み出す方法の例としては、拡大特性を有するインナーライナーとSDAとの距離の変更、圧力を受けると色が変わるピエゾクロミック材料の使用、SDAの高密表面に接触すると形状を変えるインナーライナー上のアルミ箔様の材料を含ませること、そしてSDAの下の全域にわたる多様なトポグラフィを有するインナーライナーによって比較的動きがないときに多様な外観を呈する山と谷を生み出すことを含む。この外観の変化は、SDAに関するインナーライナーの横方向の動きに基づく。
【実施例20】
【0120】
図20A及び図20Bは、インナーライナーがSDAの下の部分の全域にわたる多様なトポグラフィを有する、本発明の実施例を図示する。このタイプのインナーライナーは、インナーライナーの位置によって、履物の異なる外観を生み出す。例えば、異なる外観は、インナーライナーがSDAに関して異なる様々な位置で比較的動きがないときに生み出され、又インナーライナーがSDAに関して横方向に動く際に生み出される。図20Aは、SDA194とインナーライナー196との間に隙間Gがあるときの、SDA194とインナーライナー196との断面図を図示する。インナーライナー196上の山197は、SDA194を介して透視可能なデザイン198を提供する。インナーライナー上の山197の外面とSDA194の内面との間に隙間Gがあるとき、インナーライナー196上の山197により形成されるデザイン198は、より控えめ且つより暗く見える。
【0121】
インナーライナー196は、SDA194に関し横方向に即ちSDA194に近づいたり遠ざかったりするように運動自在であり、又インナーライナー196がSDA194に近づくにつれて隙間Gが小さくなり、それにつれてインナーライナー196上の山197によって形成されるデザイン198の相対的鮮明度は増す。図20Bは、インナーライナー196がSDA194に関して横方向に動かされインナーライナー196上の山197の上面がSDA194の内面と同一平面に位置決めされた後のSDA194及びインナーライナー196の断面図を図示する。それゆえ、インナーライナー196上の山197の外面と、SDA194の内面との間に、隙間はない。この形態において、インナーライナー196上の山197によって形成されたデザイン198は、より明瞭に見える。
【0122】
本発明のこの実施例は、インナーライナーがSDAに関して動くと変化する外観を有する履物を生み出す。図20A及び図20Bに示すように、履物、SDA、及びインナーライナーのデザイン及び設計によって、SDAの下にあるインナーライナーの部分は、着用者の足に応じて、SDAに関し横方向に動く自由をある程度有する。SDAの下のインナーライナーの部分は、SDAに関して横方向に動き、時々、インナーライナーとSDAとの間に様々な大きさの空間を与える。SDAの下のインナーライナーの動きは、履物の外側から見ると、インナーライナー上の特性又はデザインの外観の強さにおける多様性を生み出す。
【0123】
インナーライナー
【実施例21】
【0124】
インナーライナーには複数の異なる実施例がある。例えば、図21は、インナーライナーの最も一般的な概念と、又それがいかにSDAを備えた履物に組み込まれるかを図示する。図21は、本発明の実施例による、SDA204を有する履物201、表示可能部分206Aを有するインナーライナー206、及び着用者の足200を図示する。まずインナーライナー206が着用者の足200に直接置かれ、それから着用者の足200を履物201の中に挿入し、そしてインナーライナー206と共に履物201から取り除く。
【実施例22】
【0125】
図22A及び図22Bは、インナーライナーが履物と合体されるもう1つの方法を図示する。図22A及び図22Bは、SDA214を有する履物211、表示可能な部分216Aを有するインナーライナー216、及び着用者の足210を図示する。図22Aに示すように、インナーライナー216は最初に履物211内に直接入れられる。次に、図22Bに示すように、インナーライナー216が履物211内に挿入された後、インナーライナー216及び履物211は、着用者の足210に着用される。インナーライナー216及び履物211は単一ユニットとして、着用者の足210に着用され又脱がされる。
【0126】
図22A及び図22Bに示す本発明の実施例では、着用者は、履物211とインナーライナー216との組み合わせを、裸足に合わせて使用する。それゆえ着用者が履物211を使用する度毎に履物211の中に新たなインナーライナーを挿入する必要はない。
【実施例23】
【0127】
図23は、複数部分から成るインナーライナーを履物の中に挿入する方法を図示する。履物221内にインナーライナーを挿入するこの方法は、図23に示すインナーライナーが2つの部分即ち履物221内に直接に挿入される外部層227と、着用者の足220に直接置かれる例えば靴下等の内部層228とからなること以外は、図22A及び22Bに示す方法に類似する。着用者は、インナーライナーの外部層227を直接的に履物221の中に置き、又インナーライナーの内部層228を着用者の足220に着用する。次に着用者は、内部層228に覆われた足220を、既に外部層227が挿入されている履物221の中に置く。履物221はSDA224を有し、インナーライナーの外部層227は外部層227が履物221内に置かれるとSDA224を介して透視可能な表示可能部分227Aを有する。それゆえ、インナーライナーの外部層227及び履物221は、単一ユニットとして着用者の足220に着用され又脱がされる。外部層227は、履物221上のSDAにより表示され且つSDAと相互作用可能な表示可能部分227A例えば色、デザイン等を含む。内部層228は、湿度分散特性及び熱分散特性のみならず、追加的な履き心地を与える。内部層228は又、足200と履物221とが相互に作用する間、所定の内部空間的関係を与える性質を備える。
【0128】
それゆえ、インナーライナーは1以上の層を含むことが可能である。外部層227及び履物221の内側から内部層228を取り除いた後、着用者は、内部層228を通常の靴下のように使用し得る。2つの層の使用は、外部層227のディスプレイ特性に影響を与えることなく、頻繁な洗浄及び内部層228の十分な使用を許容する。外部層227は、着用者の足220から内部層228が取り除かれていても履物221内に残すことが可能で、それによって外部層227の磨耗及び裂傷を制限し、インナーライナーの表示可能部分227Aの製品寿命を延ばし、インナーライナーに効果的に使用可能な材料を増加させ、且つ表示可能な外観の数及び質を顕著に向上させる。着用者は、履物の組み合わせの外観を変えたいときには、外部層227を取り除き又取替えることができる。
【実施例24】
【0129】
図24A及び図24Bは、複数の部分から成るインナーライナーの、もう1つの実施例を図示する。図24A及び24Bは、SDA234を有する履物231、表示可能部分237Aを有する外部層237と内部層238を含むインナーライナー、及び着用者の足230を図示する。図24Aに示すように、外部層237及び内部層238は双方とも、外部層237が内部層238に重なるように、着用者の足230に着用される。外部層237は、履物231上のSDA234により表示され且つSDAと相互作用する表示可能部分237A、例えば色、デザイン等を含む。内部層238は、湿気分散特性及び熱発散特性と同様に、追加的な履き心地を提供する。内部層238は、足230と履物231との相互作用の間、所定の内部空間的関係を提供する性質を備える。図24Bに示すように、着用者の足230、外部層237、及び内部層238は、履物231の中に一緒に挿入される。さらに、外部層237が足230を完全に覆わない場合、例えば爪先部分237Bが欠けている場合等には、内部層238は、外部層237の外側部分例えば爪先部分237Bに、もう1つのSDA例えば図24BのSDA234等を介して透視可能なデザイン又はシンボルを有することが可能である。さらに、着用者の足の前部又は爪先部分を覆わないインナーライナーは、インナーライナーをより履き心地のよいものにする。
【0130】
インナーライナーの外部層237と内部層238との関係は、履物システムの特定モデルによって、様々に異なり得る。例えば、外部層237及び内部層238は、2つの層の間における動きを制限するようにデザインされる。或いは、外部層237及び内部層238は、2つの層の間における動きを促すようにデザインされる。さらに、外部層237及び内部層238は、最大限の範囲の動きを提供するようデザインされる。最後に、外部層237及び内部層238は、異なる位置で様々な大きさの動きを提供するようにデザインされる。
【0131】
それゆえ、図23、24A、24Bに示す発明の実施例には、内部層と外部層との間に複数の潜在的関係性がある。
【0132】
外部層及び内部層は、2つの層の間における動きの量を制限するようデザインし得る。この実施例において、内部層の外側及び外部層の内側の材料及び特性は、2つの層の間における動きを制限するようにデザインされる。インナーライナーと履物上のSDAとの空間的関係は、図20に示す本発明の実施例におけるインナーライナーとSDAとの空間的関係に類似する。外部層とSDAとの空間的関係は大部分、足に対するインナーライナーの関係、履物に対するインナーライナーの関係、及び履物に対する足の関係によってコントロールされる。
【0133】
又、図23、24A、24Bに示す図の実施例では、外部層及び内部層は、2つの層の間における動きを促すようにデザインされる。本発明のこの実施例において、内部層の外側及び外部層の内側の材料及び特性は、2つの層の間における動きを促すようにデザインされている。これは、内部層の外側及び外部層の内側を、低摩擦材料例えばシルク、テフロン、エムラロン329(登録商標)のフッ化炭素低摩擦コーティング等によってコーティングすることにより獲得される。それゆえ、外部層は履物に対する関係においてその位置を維持可能な一方、内部層及び足には、SDAを介したインナーライナーの表示を妨げることなく十分に自由な動きが提供される。外部層とSDAとの間の空間的関係は大部分、履物とSDAの内側面に対するインナーライナーの外部層との関係によってコントロールされる。
【0134】
最後に、図23、24A、24Bに示す本発明の実施例では、外部層及び内部層は、他の位置にある2つの層の間における動きを制限しつつ、ある位置における2つの層の間の動きを促すようにデザインすることが可能である。インナーライナーの内部層と外部層との間のある動きを促す本発明の実施例において、外部層は、1又はそれ以上の点において、例えばベルクロ(登録商標)、クリップ、留具、ボタン、又はフック等を用いることによって内部層に一時的に接続され、そうすることでインナーライナーの外部層が内部層と共に履物から取り除かれることを確保する。
【実施例25】
【0135】
図25A及び25Bは、外部層247(図25B)及び内部層248(図25A)を有し、2つの層の間における動きを促すようにデザインされたインナーライナーを図示する。外部層247は、履物(図示せず)の中のSDAを介して表示される部分247Cを有する。少なくとも外部層247の内面の1部分247Aは、インナーライナーの内部層248の外面の少なくとも部分248Aの材料に対し小さな抵抗を提供する上記の材料を含み、それによって外部層247が内部層248上に配置されたときの2つの層の間における十分な動きを許容する。
【0136】
図25A及び図25Bに示す本発明の実施例において、外部層247及び内部層248は、少なくとも複数の機構のうち1つと、局所において2つの層を接続する留具例えばスナップ、ベルクロ(登録商標)、フック、ボタン、クリップ等とを含み、それによって使用者が足を履物から抜くときに内部層248と共に外部層247を取り除くことが確保される。図25A及び25Bに示すように、インナーライナーの外部層247は、少なくとも1つのスナップ247Bをその上端に含む。外部層247上のループ247Bは、内部層248上の少なくとも1つのスナップ248Bに接続する。図25A及び25Bに示す本発明の実施例は、インナーライナーの外部層247及び内部層248を取り付けるための単一の方法を有する。しかしながら、上記のような複数のタイプの留具を外部層247及び内部層248を取り付けるために使用し得ると理解すべきである。
【0137】
図25A及び25Bに示す本発明の実施例において、外部層247は又、履物に関する外部層247の動きを制限する複数の機構も含む。外部層247は又、少なくとも1つのベルクロ(登録商標)のパッチ247Dと、ゴム片247Eとをその外側面に含む。外部層247の外側面上のベルクロ(登録商標)のパッチ247Dとゴム片247Eとは、履物の内側面に接触し、外部層247が、履物の内側面の対応する部分に関する動きに抵抗するようにする。それゆえ、図25A及び図25Bに示す本発明の実施例は、外部層247が履物の内面に関する動きへの抵抗を生じさせる複数の方法を含む。しかしながら、動きに抵抗するための機構の1つのタイプが使用され得ることを理解すべきである。
【実施例26】
【0138】
さらに、インナーライナーは、標準的な靴下にはあまり類似しないものを使用し得る。図26Aは、図22A、22B、23、24A及び25Bに示す様々なインナーライナーの実施例に図示するインナーライナー又はインナーライナーの外部層として用いられる「靴下に非類似のインナーライナー」装置250の例を図示する。装置250は、対応してデザインされた履物のSDAを介して表示される様々な部分251を含み、これらの部分251はデザイン253例えば四角、丸、三角等を含み、その外観を向上させる。加えて、装置250はそれ自体が履物の内側部分としても作用し、サポート、フィット感、そして履き心地を与えるための様々な材料を含みうる。装置250の外部トポグラフィは、対応する履物の内部トポグラフィと相互関係して、装置250を定位置に保持する。例えば、装置250上の部分251は 周囲の履物内面に関して突出したSDAにフィットするように凹状にされ、それにより装置250とSDAと履物との空間的関係の維持を補助する。これに類似して、凹状にされた部分251も又、装置250から突出するように取り付けられ、周囲の履物内面に関して凹状にされたSDA内にフィットするようになっている。最後に、装置250の隆起部分252は、履物の内面の非SDA部分上の凹状部分にフィットし、相互作用強度を生み出して、装置250とSDAと履物との空間的関係についての更なるコントロールを可能にする。
【0139】
図26Bは、図22A、22B、23、24A、24Bに示す様々なインナーライナーの実施例において用いられる、インナーライナー又はインナーライナーの外部層として使用される“靴下に非類似のインナーライナー”装置255のもう1つの例を図示する。もしも装置255が図22A及び22Bに記載される実施例において用いられる場合、装置255はインナーライナーであり、足に隣接しつつも非連続的にフィットすると理解される。もしも装置255が三部構成の履物システム(内部層、外部層、履物)に用いられる場合、装置255は外部層である。この場合、外部層は内部層の周囲に隣接するようにフィットしつつも、内部層の周囲に必ずしも連続的にフィットしない。外部層255の外面全体は、内部層の周囲に必ずしも連続的にフィットしない。というのも、外部層255は開口部256を含むからである。装置235上には部分238があり、これはSDAを介して表示されるようにデザインされている。部分238のうちの1つは、星型の開口部を有し、これは内部層が外部層255の表面下から透視可能となるようにデザインされている。それゆえ、内部層は外部層255を介して透視可能な外観を備えるように使用され、それゆえSDAによって表示可能で、履物の組み合わせの外観に寄与する。
【0140】
装置255は、履物の内側部分として作用し、構造、トポグラフィ、そしてフィット感を提供する様々な材料を含むことができる。外部層255の外部トポグラフィは、履物の内部トポグラフィにマッチし、外部層255を定位置に保持する。例えば、外部層255は、舌革片257を含み、それは履物内の対応する凹部分内に受けられる。舌革片は本発明のこの実施例の履物からは排除されている。
【0141】
本発明は、上記の実施例において開示した色、デザイン、図に限定されず、他の色、デザイン、図も又類似の効果を提供するために用いられ得る。更に、上記の1又はそれ以上を単独で、又は、履物と組み合わせて用いられるようにデザインされたSDAとインナーライナーを備えた履物と組み合わせて使用することができる。
【0142】
以上、添付の図面の参照と共に本発明の実施例を記載したが、本発明はこれらの同一実施例に限定されないと理解され、添付の特許請求の範囲に規定された発明の範囲又は精神から乖離しない範囲で、様々な変更及び改良が当業者によってなしうると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0143】
前記及び本発明の他の特徴は、本発明の実施例についての下記の記述及び図面から、より容易に明白になるであろう。同一の参照番号は類似する構成要素に付す。
【図1A】図1Aは、本発明の第1実施例による履物の斜視図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施例1による図1Aの履物と共に用いるためにデザインされた単色のインナーライナーの斜視図である。
【図1C】図1Cは、それぞれ、図1A及び図1Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図1D】図1Dは、本発明の第1実施例による図1Aの履物と共に用いるためにデザインされた、2色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図1E】図1Eは、それぞれ図1A及び図1Dの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図1F】図1Fは、本発明の第1実施例による図1Aの履物と共に用いるためにデザインされた、3色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図1G】図1Gは、それぞれ、図1A及び図1Fの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図1H】図1Hは、本発明の第1実施例による図1Aの履物と共に用いるためにデザインされたイメージを備えた多色のインナーライナーの斜視図である。
【図1I】図1Iは、本発明の第1実施例による図1Aの履物と共に用いるためにデザインされたイメージを備えた、複数の色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図2A】図2Aは、複数の特別ディスプレイ部を備えた本発明の第2実施例による履物の斜視図である。
【図2B】図2Bは、本発明の第2実施例による図2Aの履物と共に用いるためにデザインされた2色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図2C】図2Cは、それぞれ図2A及び図2Bの履物及びインナーライナーの組み合わせの斜視図である。
【図2D】図2Dは、本発明の第2実施例による図2Aの履物と共に用いるためにデザインされた、異なる色の複数の部分を備えたインナーライナーの斜視図である。
【図2E】図2Eは、それぞれ図2A及び図2Dの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の第3実施例による、複数の部分から成る履物の斜視図である。
【図3B】図3Bは、本発明の第3実施例による図3Aの履物と用いるためにデザインされた異なる色の複数の部分を備えたインナーライナーの斜視図である。
【図3C】図3Cは、それぞれ、図3A及び図3Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図4A】図4Aは、本発明の第4実施例による履物の斜視図である。
【図4B】図4Bは、本発明の第4実施例による図4Aの履物と共に用いるためにデザインされた、複数の部分と文字列とイメージとを備えたインナーライナーの斜視図である。
【図4C】図4Cは、それぞれ、図4A及び図4Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図5A】図5Aは、文字列を形成する特別ディスプレイ部を備える本発明の第5実施例による履物の斜視図である。
【図5B】図5Bは、本発明の第5実施例による図5Aの履物と共に用いるためにデザインされた、異なる色の複数の部分を備えたインナーライナーの斜視図である。
【図5C】図5Cは、それぞれ、図5A及び図5Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図5D】図5Dは、本発明の第5実施例による図5Bのインナーライナーと共に用いるためにデザインされた履物の斜視図である。
【図5E】図5Eは、それぞれ、図5D及び5Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図6A】図6Aは、単一の特別ディスプレイ部を備える本発明の第6実施例による履物の斜視図である。
【図6B】図6Bは、本発明の第6実施例による図6Aの履物と共に用いるためにデザインされた、文字列を有するインナーライナーの斜視図である。
【図6C】図6Cは、それぞれ、図6A及び6Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図7A】図7Aは、履物がデザイン及び文字列を有する、本発明の第7実施例による履物の斜視図である。
【図7B】図7Bは、本発明の第7実施例による図7Aの履物と共に用いるためにデザインされた、複数の部分、複数の色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図7C】図7Cは、それぞれ、図7A及び図7Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図7D】図7Dは、本発明の第7実施例による図7Aの履物と共に用いるためにデザインされた、複数の部分、複数の色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図7E】図7Eは、それぞれ図7A及び7Dの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図8A】図8Aは、着色された特別ディスプレイ部を備えた本発明の第8実施例による履物の斜視図である。
【図8B】図8Bは、本発明の第8実施例による図8Aの履物と用いるためにデザインされたインナーライナーの斜視図である。
【図8C】図8Cは、それぞれ図8A及び図8Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図8D】図8Dは、インナーライナー及びディスプレイ部の色が相互に作用しオレンジ色を生み出す、本発明の第8実施例による図8Aの履物と用いるためにデザインされた、2色から成るインナーライナーである。
【図8E】図8Eは、それぞれ、図8A及び8Dの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図8F】図8Fは、インナーライナー及びディスプレイ部の色が相互に作用し緑色を生み出す、本発明の第8実施例による図8Aの履物と用いるためにデザインされた、2色から成るインナーライナーの斜視図である。
【図8G】図8Gは、それぞれ図8A及び図8Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図9A】図9Aは、インナーライナー或る外観がSDAから発される、本発明の第9実施例による履物の斜視図である。
【図9B】図9Bは、本発明の第9実施例による図9Aの履物と用いるためにデザインされたインナーライナーの斜視図である。
【図9C】図9Cは、それぞれ、図9A及び図9Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図10A】図10Aは、SDAがミラー効果を備え且つ/又はインナーライナーと相互作用しエマネーション効果を引き起こす、本発明の第10実施例によるSDAとインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図10B】図10Bは、SDAが表面処理効果を備え且つ/又はインナーライナーと相互作用しエマネーションを引き起こす、本発明の第10実施例によるSDAとインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図10C】図10Cは、SDAがレンズ効果を備え且つ/又はインナーライナーと相互作用しエマネーションを引き起こす、本発明の第10実施例によるSDAとインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図11A】図11Aは、インナーライナーとコーディネートされる靴上の、或るイメージの形状にされたSDAを備えた本発明の第11実施例による履物の斜視図である。
【図11B】図11Bは、本発明の第11実施例による図11Aの履物と用いるためにデザインされた、複数の色、複数の部分から成るインナーライナーの斜視図である。
【図11C】図11Cは、それぞれ、図11A及び図11Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図12A】図12Aは、インナーライナーの付属物を拡大するSDAを含む本発明の第12実施例による履物の斜視図である。
【図12B】図12Bは、本発明の第12実施例による図12Aの履物と共に用いるためにデザインされたインナーライナーの斜視図である。
【図12C】図12Cは、それぞれ、図12A及び図12Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図13A】図13Aは、本発明の第13実施例による履物の斜視図である。
【図13B】図13Bは、本発明の第13実施例による図13Aの履物と共に用いるためにデザインされた、文字列及びイメージを備えたインナーライナーの斜視図である。
【図13C】図13Cは、それぞれ、図13A及び図13Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図14A】図14Aは、インナーライナーの外観をキラキラ光るものにするSDA及び様々な度合いの光を送るSDAを備えた本発明の第14実施例による履物の斜視図である。
【図14B】図14Bは、本発明の第14実施例による図14Aの履物と共に用いるためにデザインされたインナーライナーの斜視図である。
【図14C】図14Cは、それぞれ、図14A及び図14Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図15A】図15Aは、磁化材料を用いて位置合わせ可能な粒子を備え液体で満たされたSDAを含む本発明の第15実施例による履物の斜視図である。
【図15B】図15Bは、本発明の第15実施例による図15Aの履物と共に用いるためにデザインされた磁化材料を組み込んだインナーライナーの斜視図である。
【図15C】図15Cは、それぞれ図15A及び15Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図16A】図16Aは、温度及び湿度をコントロールする部分を備えた本発明の第16実施例による本発明の斜視図である。
【図16B】図16Bは、本発明の第16実施例による履物と図16Aのインナーライナーとの組み合わせの斜視図である。
【図17】図17は、本発明の第17実施例による強度バンドを有するインナーライナーの斜視図である。
【図18A】図18Aは、対応するインナーライナーと連結する陥凹部分を備えた本発明の第18実施例による履物の断面図である。
【図18B】図18Bは、本発明の第18実施例による図18Aの履物と共に用いるためにデザインされたインナーライナーの断面図である。
【図18C】図18Cは、それぞれ、図18A及び18Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図19A】図19Aは、対応するインナーライナーと連結する突起を備えた本発明の第19実施例による履物の断面図である。
【図19B】図19Bは、本発明の第19実施例による図19Aの履物と共に用いるためにデザインされたインナーライナーの断面図である。
【図19C】図19Cは、それぞれ、図19A及び19Bの履物とインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図20A】図20Aは、両者の間に小さな隙間を備えた、履物とインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図20B】図20Bは、隙間を有さない、図20Aの履物とインナーライナーとの組み合わせの断面図である。
【図21】図21は、本発明の実施例による、着用者の足にインナーライナーを着用する手順と、インナーライナーに覆われた足を履物内に入れる手順とを示す図である。
【図22A】図22Aは、本発明の実施例により、履物内にインナーライナーを挿入する手順を示す図である。
【図22B】図22Bは、図22Aの組み合わされた履物とインナーライナーの中に、着用者の足を置く手順を示す図である。
【図23】図23は、本発明の実施例による、2つの部分から成るインナーライナーと、履物内にインナーライナーの外部層を挿入する手順と、インナーライナーの内部層の中に着用者の足を入れる手順と、内部層に覆われた足を外部層付き履物の中に置いてインナーライナーを生み出す手順とを示す図である。
【図24A】図24Aは、本発明の実施例によって、2つの部分から成るインナーライナーと、着用者の足を内部層の中に入れる手順と、内部層に覆われた足を外部層の中に入れてインナーライナーを形成する手順とを示す図である。
【図24B】図24Bは、着用者の足と図24Aのインナーライナーとを履物の中に入れる手順を示す図である。
【図25A】図25Aは、インナーライナーの内部層の斜視図である。
【図25B】図25Bは、本発明の実施例による、図25Aの内部層の上に着用するように取付けれた外部層の斜視図である。
【図26A】図26Aは、本発明の実施例による外部層又はインナーライナーとして機能する“靴下に非類似の”ライナーの斜視図である。
【図26B】図26Bは、本発明の実施例による外部層又はインナーライナーとして機能する“靴下に非類似の”ライナーの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソール及びアッパーを有する少なくとも第1の靴と、前記アッパーの上に配置された第1のディスプレイ部と、第1部分を有する少なくとも1つの取り外し可能なインナーライナーとからなり、前記少なくとも1つのインナーライナーは前記靴に対して取替え可能に設けられ且つその第1部分が前記ディスプレイ部を介して透視できる履物システム。
【請求項2】
ソール及びアッパーを備える第2の靴と、第2の靴のアッパーの上に配置された第2のディスプレイ部と、第2部分を有する少なくとも1つの第2のインナーライナーとからなり、前記第2部分は靴上の前記第2のディスプレイ部を介して透視できる請求項1に記載の履物システム。
【請求項3】
第1のインナーライナーの第2部分と、第2のアッパー上に配置された第2のディスプレイ部とを有し、前記第1のインナーライナーの前記第2部分が第2のアッパー上の第2のディスプレイ部を介して透視できるように形成された請求項2に記載の履物システム。
【請求項4】
前記ディスプレイ部が、透明、半透明、又は透光性の材料の少なくとも1つからなる請求項1に記載の履物システム。
【請求項5】
前記ディスプレイ部が、前記インナーライナーの外観のための効果を発揮する請求項1に記載の履物システム。
【請求項6】
前記ディスプレイ部の効果が、反射要素、屈折要素、フィルタリング要素、拡大要素、集束要素、拡散要素、又は分散要素を少なくとも1つ発揮する請求項5に記載の履物システム。
【請求項7】
前記ディスプレイ部が流動体部分を含む請求項1に記載の履物システム。
【請求項8】
前記流動体が、不透明、透明、半透明、反射性、薄着色の、着色の、強磁性、非強磁性、又は光放射性の粒子を含む請求項7に記載の履物システム。
【請求項9】
前記ディスプレイ部が照射されている請求項1に記載の履物システム。
【請求項10】
前記ディスプレイ部が凹状又は凸状に形成されている請求項1に記載の履物システム。
【請求項11】
前記インナーライナーが足接触面と靴接触面とを含み、前記インナーライナーの前記第1部分が靴接触面上に配置されている請求項1に記載の履物システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのインナーライナーが交換可能である第1のインナーライナーの第1部分が第2のアッパーの特別ディスプレイ部を介して表示されるように形成されている、請求項2に記載の履物システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのインナーライナーがリバーシブルで、前記インナーライナーの内面が前記靴接触面となりインナーライナーの第3部分が内面に配置され前記インナーライナーが裏返されると前記ディスプレイ部を介して透視できるようにされている、請求項1に記載の履物システム。
【請求項14】
少なくとも1つのインナーライナーが隆起部又は陥凹部を含む、請求項1に記載の履物システム。
【請求項15】
前記インナーライナーの前記第1部分が少なくとも1つのフォトクロミック材料、サーモクロミック材料、ハイドロクロミック材料、マグネティック及びエレクトロクロミック材料を含む請求項1に記載の履物システム。
【請求項16】
前記ディスプレイ部が強磁性粒子を備えた流体部分を含み、前記インナーライナーの前記第1部分が磁石を含み、前記磁石は前記ディスプレイ部内において磁気的効果を前記強磁性粒子に及ぼし或るパターンが生み出されるように形成されている、請求項1に記載の履物システム。
【請求項17】
前記磁石は電源により電磁力を与えられている、請求項16に記載の履物システム。
【請求項18】
ディスプレイ部が電気照明により照射されている、請求項5に記載の履物システム。
【請求項19】
ソール及びアッパーを有する第1の靴と、前記第1の靴のアッパー上に配置された第1のディスプレイ部と、ソール及びアッパーを備えた第2の靴と、第2の靴のアッパー上に配置された第2のディスプレイ部と、内面及び外面を有する第1のインナーライナーとを含む履物システムであって、第1部分が前記外面上に配置され、第2部分が前記内面上に配置され、前記少なくとも1つのインナーライナーが前記第1及び第2の靴に取替え可能に取り付けられ、第1及び第2部分が前記第1及び第2の靴の前記ディスプレイ部を介して透視できるようにされており、第2のインナーライナーが内面及び外面を有し、第1部分が前記外面上に配置され第2部分が前記内面上に配置され、前記第2のインナーライナーが前記第1及び第2の靴に対して取替え可能に取り付けられ、第1及び第2部分が前記第1及び第2の靴の前記ディスプレイ部を介して透視できるように形成されており、前記特別ディスプレイ部がインナーライナーの前記部分にエマネーション効果を備える履物システム。
【請求項20】
インナーライナーの内面及び外面が陥凹部又は隆起部を含む、請求項19に記載の履物システム。
【請求項21】
前記アッパーの特別ディスプレイ部の表面が陥凹部又は隆起部を含む、請求項19に記載の履物システム。
【請求項22】
少なくとも2つの靴と少なくとも2つのインナーライナーとを含み、前記少なくとも2つの靴は特別ディスプレイ部を含み、前記少なくとも2つのインナーライナーは外面、内面、及びスナップ留具を含み、前記インナーライナーは少なくとも1つのデザイン部分を前記外面上に含み、前記少なくとも2つの靴はスナップを受けてインナーライナーと靴とを結合可能に取り付ける部分を更に含み、前記少なくとも2つのインナーライナーは特別ディスプレイ部を介して透視でき、前記特別ディスプレイ部は、少なくとも1つのデザイン部分にエマネーション効果を発揮する履物システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【公表番号】特表2008−515491(P2008−515491A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534924(P2007−534924)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/036414
【国際公開番号】WO2006/042225
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(507109343)
【出願人】(507109354)
【Fターム(参考)】