説明

透明印鑑

【課題】捺印する際に正確な位置に、かつ書面にまっすぐに捺印可能な印鑑を提供する。
【解決手段】透明性を有する印鑑保持体1aに、印鑑部1bを設け透明印鑑1とし、透明印鑑1を書面上に置いた状態では、印鑑部1bの刻印面1cは書面4との間に隙間を有するようにばねにより支持され、印鑑保持体1aは、押下すると刻印面1cが書面4に接触すし、押下終了後に元に復元するように構成される。透明な印鑑保持体1aを見透かして捺印箇所を確認することが可能である。また印鑑保持体1aを指で押すことによりまっすぐに書面に捺印出来る効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印鑑を書面上に置いた状態で透明体の印鑑を通して見透かして捺印位置を確認し、正確な位置に、かつ書面にまっすぐに捺印することが出来る透明印鑑に関する。
【背景技術】
【0002】
現在よく見られる円柱形の印鑑の場合は、捺印する際に手元が傾いた状態では、印影の1部が欠落したり、また捺印位置のずれなどが生じるという問題が見られた。
一方、特許文献1には「投影可能な印鑑」などが提案されている。これは捺印文字の向きや捺印位置などを正確に確認するために、バックライトにより書面に刻印を投影して位置を確認することが出来るなどで知られる。しかしバックライトは電源式のため、電源切れが懸念される。また従来の円柱形印鑑と同様、手元で傾き易いため均一に捺印が出来ないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献1】特許公開2007−216534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在多く見られる円柱状の印鑑は手元で傾き易く、印影が部分的に不鮮明になったりするという問題がある。本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、捺印位置の確認が容易で、書面にまっすぐに捺印できる印鑑を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、図2に示すように透明性を有する材料にて形成された印鑑保持体1aに、印鑑部1bを設け、印鑑保持体1aに外接するスライドケース5を設け、スライドケース5にばね1dを設けて透明印鑑1を形成し、該透明印鑑1を書面上に自然に置いた状態では、印鑑部1bの刻印面1cは書面に接触しないように書面4との間に隙間を有するように形成され、印鑑保持体1aを押下すると書面4に接触し、押下終了後は、ばねの復元力により印鑑保持体1aおよび印鑑部1bが元の位置に復元するように形成される。
印鑑部1bは印鑑保持体1aと一体成型で構成する手段と印鑑部1bを両面接着テープで印鑑保持体1aに取付ける手段等がある。また印鑑部1bも透明性のある材料にて形成されればより明確に見透かすことが可能となる。
【0005】
請求項2に記載の発明は、図3に示すように、透明性を有する材料にて形成された印鑑保持体1aに、印鑑部1bを設けて透明印鑑1とし、透明印鑑1を書面上に置いた状態では、印鑑部1bの刻印面1cは紙面に接触しないように書面4との間に隙間を有するように形成され、印鑑保持体1aは、これを押下すると変形して、刻印面1cが書面4に接触する程度の柔軟性と、押下終了後には元の形状に復元する性能)を有する材料で構成される。
印鑑保持体1aの透明性を有しかつ柔軟性と復元性を有する材料は、プラスチック、ゴムおよびシリコンゴムなど様々である。
【0006】
図6に示す請求項3に記載の発明は、印鑑保持体1aの縁と係合する容器状のスタンプ台2、又は朱肉台2を追加取付し、該朱肉台2を閉じた状態で印鑑保持体1aを押下すると刻印部1cがスタンプ台2のインク又は前記朱肉台2の朱肉に接触するように形成される。
【発明の効果】
【0007】
捺印する書面上に透明印鑑1を置き、透明な印鑑保持体1aを通して捺印箇所を見透かしながら捺印位置を決めることが出来るので、正確な位置に捺印出来る効果がある。
また印鑑部1bより幅が広い印鑑保持体1aならびにスライドケース5が書面に広く接するために、安定して押印することが出来、印影が均一となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明に係る透明印鑑1の1実施例の平面図である。
【図2】 図1のA−Aに沿った断面図である。
【図3】 本発明に係る第二実施例の断面図である
【図4】 図3の捺印状態を示す図である。
【図5】 図1の平面形状変に変わって四角の平面形状を示す実施例である。
【図6】 本発明に係る第三実施例で朱肉台又はインク台を取り付けた断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0009】
図1は本発明での第一実施例に基づく平面図で、図2は前記平面図のA−A断面図である。図2は本発明での第一実施例に基づく断面図である。前記する印鑑保持体1aに外接するスライドケース5を設け、印鑑保持体1aとスライドケース5の間にばね止め6で保持するばね1dを設け、印鑑保持体1aを前記印鑑保持体は該印鑑保持体を押下時に、刻印面1cが書面4に接触し、押下終了後は、ばね1dの復元力により印鑑保持体1aおよび印鑑部1bが元の位置に戻るように形成される。
印鑑保持体1aの平面形状は図1に示す円形、図5に示す四角形など様々である。図5は本発明での印鑑保持体1aを四角形として形成した場合の平面図である。この場合はスタンプ台2又は朱肉台2の平面形状も四角形での形成となる。またハート形、ダイヤ形など自由な形も成形可能である。
【実施例2】
【0010】
図3は第二実施例に基づく断面図である。透明性を有する印鑑保持体1aと印鑑部1bとからなる透明印鑑1であって、印鑑部1bは印鑑保持体1aに設けて透明印鑑1を構成し、透明印鑑1を書面上に置いた状態では、刻印面1cと書面との間に隙間を有する形状であり、前記印鑑保持体は該印鑑保持体を押下時に、刻印面1cが書面に接触する柔軟性と、押下終了後は図3に点線で示すように復元性を有する材料で形成される。
【実施例3】
【0011】
図6は本発明での第三実施例に基づく断面図である。印鑑保持体1aの縁と係合する容器状のスタンプ台2又は朱肉台2を追加取付し、これを閉じた状態で印鑑保持体1aを押下すると、刻印面1cがスタンプ台2のインク又は朱肉台2の朱肉に接触するように形成される。ばね1dの材料は、ゴム、プラスチック、鋼鉄製など様々である。
【実施例4】
【0012】
透明印鑑1は印鑑保持体1aと印鑑部1bが一体で成型されるか、両面接着テープ材など接着により形成されるか様々である。また印鑑保持体1aに穴を設けて印鑑部1bを差し込む構造とする手段もあり、この場合は複数の印鑑部1bを差替えて使用することが出来るので便利である。
また印鑑保持体1aの縦断面形状は容器の蓋の断面状のようなコの字形や皿を伏せたような円弧形など様々である。
【符号の説明】
【0013】
1 透明印鑑
1a 印鑑保持体
1b 印鑑部
1c 刻印面
1d ばね
2 朱肉台又はスタンプ台
3 朱肉又はインク
4 書面
5 スライドケース
6 ばね止

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明材料で形成される印鑑保持体と印鑑部とからなる透明印鑑であって、前記印鑑保持体に印鑑部を設け前記印鑑保持体を支持するスライドケースと、前記印鑑部の刻印面と書面との間に隙間を有する形状となるように設定されたばねを設け透明印鑑を構成し、該透明印鑑を書面上に置いた状態では、前記印鑑保持体を押下時には、ばねにより前記刻印面が書面に接触するように形成されていることを特徴とする透明印鑑。
【請求項2】
透明材料で形成される印鑑保持体と印鑑部とからなる透明印鑑であって、前記印鑑部は前記印鑑保持体に設けて前記透明印鑑を構成し、該透明印鑑を書面上に置いた状態では、前記印鑑部の刻印面と書面との間に隙間を有する形状とし、前記印鑑保持体は該印鑑保持体を押下時に、前記印鑑部が書面に接触する柔軟性と、押下終了後は形状が復元する弾性を有する材料で形成されていることを特徴とする透明印鑑。
【請求項3】
前記する印鑑保持体の縁と係合する容器状のスタンプ台、又は朱肉台を追加取付し、これを閉じた状態で前記印鑑保持体を押下すると前記スタンプ台のインク又は前記朱肉台の朱肉に接触するように形成してあることを特徴とする請求項1記載の透明印鑑。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−22956(P2013−22956A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174344(P2011−174344)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(593171237)