通信システム、動画再生装置、およびコメント入出力端末
【課題】コメントを表すコメントデータを記憶するコメント管理装置に過大な負荷がかかることを回避しつつ、動画に対して複数の視聴者から寄せられたコメントをそれら視聴者に共有させることを可能にする。
【解決手段】通信網を介して配信される動画の再生を行う動画再生装置には、ユーザが入力したコメントにその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する処理、他の動画再生装置へ当該コメントを送信する処理、通信網を介して受信したコメントを動画の再生に同期させて表示する処理、および記憶したコメントおよびタイムスタンプを動画の再生終了後に他の動画再生装置とは異なる送信タイミングにおいてコメント管理装置へ送信する処理を実行させる。
【解決手段】通信網を介して配信される動画の再生を行う動画再生装置には、ユーザが入力したコメントにその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する処理、他の動画再生装置へ当該コメントを送信する処理、通信網を介して受信したコメントを動画の再生に同期させて表示する処理、および記憶したコメントおよびタイムスタンプを動画の再生終了後に他の動画再生装置とは異なる送信タイミングにおいてコメント管理装置へ送信する処理を実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ソーシャルネットワークサービスに関し、特に、テレビ番組等の動画の視聴者に動画に対する感想や意見を共有させることを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)とは、インターネットなどの電気通信回線を介して社会的ネットワーク(以下、SN)の形成を可能にするサービスのことである。ここで、SNとは、共通の価値観や嗜好などにより互いに結びつけられたノード(個人や組織)の繋がりのことをいう。SNSを実現するためのツールとしては、電子掲示板やブログ、マイクロブログなどが挙げられ、SNSの一例としては、テレビ番組に対するコメント(感想や意見)の共有サービスが挙げられる。
【0003】
例えば、放送局のwebサイトに放送番組の電子掲示板を設け、番組に対するコメントの書き込みや閲覧を各視聴者が自由に行えるようにするのである。これにより、番組に対する感想や意見を共有する者たちによるSNが形成される。また、Twitterに代表されるマイクロブログにおいては、何れかのユーザが視聴中のテレビ番組に対するコメントを書き込むと、当該ユーザをフォロー先とするユーザに対して当該コメントが提示され、これによりコメントの共有が実現される。特許文献1には、テレビ番組に対するコメントを記載したブログをサーバ装置にアップロードし、アップロード後のブログを他のユーザが閲覧できるようにすることでテレビ番組に対するコメントの共有を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−124861号公報
【特許文献2】特開2003−141381号公報
【特許文献3】特開2006−23876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子掲示板やマイクロブログ、特許文献1に開示された技術によるコメントの共有態様では、各ユーザがコメントを入力するたびに、コメントを表すデータの記憶および管理を行うサーバ装置(以下、コメント管理装置)へのアップロードが行われる。このため、従来のコメント共有態様では、特定のタイミングにおいてコメントのアップロードが集中的に発生し、コメント管理装置に過剰な負荷がかかる場合がある、といった問題がある。例えば、サッカーや野球の中継番組では、得失点シーンの直後にコメント管理装置へのアップロードが集中する、といった具合である。このように、コメントのアップロードが短時間のうちに集中的に発生すると、コメント管理装置に過剰な負荷がかかり、以降のサービス継続に支障が生じる場合がある。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、コメント管理装置に過大な負荷がかかることを回避しつつ、テレビ番組などの動画に対するコメントを視聴者に共有させることを可能にする技術を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、各々ユーザによって視聴中の動画に対するコメントが入力される複数のコメント入出力端末と、動画に対するコメントを表すコメントデータを記憶するコメント管理装置と、を含み、前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザによって入力されたコメントを表すコメントデータを記憶するとともに、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のコメント入出力端末へ送信する一方、当該ソーシャルネットワークに沿って他のコメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを通信網を介して受信した場合には当該コメントデータの表すコメントを表示し、前記記憶したコメントデータを他のユーザのコメント入出力端末とは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて前記コメント管理装置へ送信し、前記コメント管理装置は、各コメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを記憶することを特徴とする通信システム、を提供する。
【0007】
例えば、自装置と同じソーシャルネットワークに属する他の全てのコメント入出力端末にコメントデータを送信する処理を各コメント入出力端末に実行させるようにすれば、動画に対してあるユーザが入力したコメントを当該動画を視聴している他の全てのユーザに閲覧させることができる。つまり、本発明の通信システムにおいては、コメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置を介さずに、同一の動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有が実現される。このため、各ユーザが視聴している動画がサッカー中継等であっても、特定のタイミングにコメント管理装置へのコメントのアップロードが集中することはなく、コメント管理装置に過剰な負荷がかかることはない。また、動画をリアルタイムで視聴したユーザから寄せられたコメントをその動画を録画再生するユーザが閲覧できるようにするために、各コメント入出力端末は記憶したコメントデータをコメント管理装置にアップロードして記憶させるのであるが、各動画再生装置のコメントデータの送信タイミングは互いに重なり合わないように定められているため、コメント管理装置に過剰な負荷がかかることはない。なお、特許文献2および特許文献3は、SNSに関する先行技術文献であるが、動画に対して寄せられたコメントの共有に関するものではなく、本願発明とは異なる発明である。
【0008】
また、前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータを前記ソーシャルネットワークに沿って1または複数の他のコメント入出力端末へ送信する際に、当該コメントデータの送信元を示す送信元識別子として自装置を示す識別子を付与して送信し、前記通信網を介して受信したコメントデータにその送信元を示す送信元識別子が付与されていた場合には、前記予め定められた1または複数の他のコメント入出力端末の各々について当該コメントデータとともに受信した送信元識別子の示すコメント入出力端末と一致するか否かを判定し、一致しないと判定されたコメント入出力端末に対してのみ当該コメントデータおよび送信元識別子を転送する、といった態様も考えられる。このような態様によれば、ソーシャルグラフに属する他の全てのコメント入出力端末へコメントデータを転送することなく、同一の動画を視聴している他の全てのユーザにコメントを共有させることが可能になるとともに、ソーシャルグラフに沿ってコメントデータが際限なく転送され続けることを回避することが可能になる。
【0009】
各コメント入出力端末のコメントデータの送信タイミングの定め方としては種々の態様が考えられる。例えば、動画の先頭から一定周期で到来する所定時間長のアップロード期間においてコメント入出力端末毎に互いに重なり合わないように送信タイミングを定めておくことが考えられる。このような態様によれば、動画の再生中に一定周期でコメント管理装置へのコメントおよびタイムスタンプのアップロードが実行される。また、動画の再生終了から所定時間が経過した時点を起算点とする所定時間長のアップロード期間においてコメント入出力端末毎に互いに重なり合わないように送信タイミングを定めておく態様も考えられる。このような態様によれば、動画の再生終了後、所定時間が経過した時点からコメント管理装置へコメントのアップロードが開始される。なお、アップロード期間内における各コメント入出力端末の送信タイミングの決定の仕方についてはハッシュ関数を用いる態様が考えられる。具体的には、複数のコメント入出力端末の各々に端末毎に一意の端末識別子(或いは、当該端末識別子と動画を一意に識別する動画識別子)を引数として所定のハッシュ関数演算により得られる値を上記アップロード期間内の時刻に正規化して得られる時刻を当該コメント入出力端末のコメントデータの送信タイミングとすることが考えられる。
【0010】
コメント入出力端末が、動画を再生する動画再生機能を有している場合には、当該動画再生機能により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させるようにすれば良い。また、前記動画再生機能を有するコメント入出力端末が動画を録画する録画機能をさらに有している場合には、当該録画機能によって録画した動画の再生を指示されたことを契機として、当該動画に対して寄せられたコメントの有無を前記コメント管理装置に問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータにしたがってコメントを表示する処理を当該コメント入出力端末に実行させる一方、コメント管理装置には、コメント入出力端末からの問合せに応じて当該問い合わせに係るコメントデータを記憶しているか否かを判定し、記憶している場合には該当するコメントデータを返信する処理を実行させるのである。このような態様によれば、リアルタイムで視聴することができない動画を録画して視聴する場合に、当該動画の放送中に当該動画をリアルタイムで視聴していたユーザから寄せられたコメントを閲覧することが可能になる。
【0011】
さらに好ましい態様としては、複数のコメント入出力端末の各々には、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータに当該コメントの入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する一方、前記コメント管理装置へコメントデータをアップロードする際には、当該タイムスタンプをコメントデータとともに前記コメント管理装置へアップロードする処理を実行させ、コメント管理装置は、前記複数のコメント入出力端末の各々からアップロードされたコメントデータとタイムスタンプとを互いに対応付けて記憶する一方、前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じてコメントデータを返信する際には、コメントデータとともに当該コメントデータに対応するタイムスタンプを返信する処理を実行させ、録画機能を有するコメント入出力端末には、録画機能により録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無を前記コメント管理装置へ問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータの表すコメントを当該コメントデータとともに返信されてくるタイムスタンプにしたがって当該動画の再生に同期させつつ表示する処理を実行させる態様が考えられる。このような態様によれば、録画した動画の再生を行う際に、当該動画をリアルタイムで視聴したユーザから寄せられたコメントをその入力タイミングにおいて表示させつつ当該動画を再生することが可能になる。
【0012】
また、上記課題を解決するために本発明は、動画再生手段と、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、前記動画再生手段により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とする動画再生装置、を提供する。
【0013】
このような動画再生装置を上記コメント入出力端末として用い、さらに当該装置からアップロードされるコメントデータを記憶するコメント管理装置とともに用いることで上記通信システムを構築することが可能になる。また、本発明の別の態様としては、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムを提供する態様も考えられる。このようなプログラムの具体的な提供態様としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様や、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより上記プログラムを配布する態様などが考えられる。
【0014】
また、本発明のさらに別の態様としては、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とするコメント入出力端末、を提供する態様も考えられる。このようなコメント入出力端末と上記コメント管理装置とを組み合わせて上記通信システムを構成し、テレビ番組に対するコメントを各コメント入出力端末のユーザに入力させるようにすれば、テレビ番組に対するコメントの共有を実現できるからである。なお、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムを提供する態様も勿論考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の通信システムの構成例を示す図である。
【図2】同通信システムに含まれる動画再生装置10の構成例を示す図である。
【図3】同動画再生装置10のユーザI/F部140に表示されるユーザI/F画面の一例を示す図である。
【図4】同通信システムにおけるソーシャルグラフの一例を示す図である。
【図5】同動画再生装置10の不揮発性記憶部152に格納されているローカルコメントデータベース152dのテーブルフォーマットの一例を示す図である。
【図6】同通信システムのコメント管理装置20の構成例を示す図である。
【図7】同コメント管理装置20の不揮発性記憶部252に格納されているコメントデータベース252cのテーブルフォーマットの一例を示す図である。
【図8】動画のリアルタイム再生に関する動作例におけるソーシャルグラフを示す図である。
【図9】同動作例における動画再生装置10−k(k=1〜3)およびコメント管理装置20間の通信シーケンスの一例を示す図である。
【図10】録画した動画の再生を行う場合の動作例を説明するための図である。
【図11】コメントデータのアップロードタイミングに関する変形例およびダウンロードタイミングに関する変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
図1は、本発明の一実施形態の通信システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、この通信システムは動画再生装置10−k(k=1〜4)とコメント管理装置20を通信網30に接続して構成されている。通信網30は、例えばインターネットなど一般公衆回線であり、不特定多数の者に共用される。図1では、4台の動画再生装置が通信システムの構成要素として例示されているが、通信システムに含まれる動画再生装置の台数は、2または3台であっても良く、また、5台以上であっても良い。要は、複数の動画再生装置が通信システムに含まれていれば良い。
【0017】
図1の動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々は、通信網30に接続されている動画配信装置(図1では図示略)からストリーミング配信される動画データを受信し、その動画データにしたがって動画のリアルタイム再生を行う電子機器である。また、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々は、再生中の動画に対してユーザにコメントを入力させたり、当該動画に対する他の視聴者のコメントを表示するコメント入出力端末の役割も果たす。本実施形態では、上記動画データとして、サッカーや野球などのスポーツ中継番組の動画データが配信される。本実施形態では、スポーツ中継番組に対して寄せられたコメントを共有する場合について説明するが、これはあくまでも典型例であり、コメントの共有対象の動画はスポーツ中継番組に限定されるものではない。例えば、ドラマやニュース、バラエティ番組などの動画であっても勿論良く、また、ペットの仕草などを撮像した動画やコンピュータゲームの実況動画であっても良い。図1の動画再生装置10−1、10−2、10−3および10−4の各々は同一の構成を有している。以下、これら4台の動画再生装置の各々を区別する必要がない場合には「動画再生装置10」と表記する。
【0018】
図2は、動画再生装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、動画再生装置10は、制御部110、通信インタフェース(以下、「I/F」と表記する)部120、記録再生部130、ユーザI/F部140、記憶部150、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス160を含んでいる。なお、以下では、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々の構成要素を区別する必要がある場合には、「制御部110−k」といった具合に表記する。
【0019】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。この制御部110は記憶部150に記憶されているプログラムを実行し、動画再生装置10の制御中枢として機能する。通信I/F部120は例えばNIC(Network Interface Card)である。この通信I/F部120は通信網30を介して送信されているデータを受信して制御部110に引き渡す一方、制御部110から引き渡されるデータを通信網30へと送出する。つまり、通信I/F部120は、通信網30を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段の役割を果たす。
【0020】
記録再生部130は、例えばハードディスクレコーダである。この記録再生部130は、制御部110による制御の下、通信I/F部120を介して受信した動画データの表す動画のリアルタイム再生を行う。また、記録再生部130は、通信I/F部120を介して受信した動画データを内蔵ハードディスク(図示略)に書き込んで記録する録画処理と、当該録画処理により録画した動画をユーザの指示に応じて再生する録画再生処理を実行する。
【0021】
ユーザI/F部140は、例えば液晶ディスプレイなどの表示部(図示略)と、例えばキーボードやマウスなどの入力部(図示略)とを有している。ユーザI/F部140の表示部には、制御部110による制御の下、図3(A)に示すユーザI/F画面が表示される。このユーザI/F画面の領域502には、記録再生部130によって再生される動画が表示される。図3(A)の領域504は、領域502に表示されている動画に対するコメントをユーザに入力させるための入力領域である。動画再生装置10のユーザは、ユーザI/F部140の操作部に対する操作により、再生中の動画に対するコメントを表す文字列を入力することができ、送信ボタン506をマウスクリック等することで当該コメントの送信を指示することができる。そして、図3(A)の領域508には、再生中の動画に対して自装置のユーザにより入力されたコメントと、当該動画に対して他のユーザから寄せられたコメントとが表示される。
【0022】
動画のリアルタイム再生が行われている場合には、同じ動画をリアルタイムで視聴している他のユーザのコメントが領域508の上側からその入力順に1つずつコメントA、コメントB・・・コメントXといった具合に表示される。これに対して、録画した動画の再生が行われている場合には、当該動画をリアルタイムで視聴した他のユーザから寄せられたコメントがその入力タイミングにおいて表示されるように、領域508の上側から順に1つずつ表示するコメント表示制御が行われる。
【0023】
例えば、図3(A)に示すようにコメントA〜コメントXが領域508に表示されている状況下で領域504へのコメントYの入力および送信ボタン506の押下が行われると、当該コメントYはコメントXの下に表示される。なお、領域506に表示可能なコメントの最大数は予め定められており、この最大数を超える数のコメントが寄せられた場合には、最新のコメントが領域508の最下行に表示されるようにスクロールが行われる。図3(A)に示すユーザI/F画面では、動画が表示される表示領域とコメントが表示される表示領域とを各別個に設けたが、図3(B)に示すように、コメント表示領域508を設けず、入力タイミングにおいて動画表示領域502の右端から左端へスクロールするように各コメントを動画に重ね合わせて表示させても良く、また、図3(B)に示すコメントの表示態様と図3(A)に示すコメントの表示態様とを並存させても良い。
【0024】
ここで、再生中の動画に対して他のユーザから寄せられたコメントを表すコメントデータの取得は以下の要領で行われる。まず、動画のリアルタイム再生が行われている場合には、同じ動画のリアルタイム再生を行っている各動画再生装置10をノードとするソーシャルグラフに沿って各ユーザの入力したコメントの伝搬が行われる。ソーシャルグラフとは、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザをノードとするSNにおける情報の伝達方向を示す有向グラフのことである。例えば、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各ユーザが同じ動画をリアルタイムで視聴する場合には、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフを動画再生装置10−k(k=1〜4)に形成させるようにすれば良い。なお、同じ動画をリアルタイムで視聴する各ユーザの使用する動画再生装置10をノードとするソーシャルグラフをどのようにして形成するのかについては、種々の態様が考えられる。具体的には、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフが形成されるように各動画再生装置10に対してコメントの転送先を指示する処理を動画配信装置に実行させるようにすれば良い。
【0025】
これに対して、録画した動画の再生を行う場合には、制御部110は、再生を指示された動画に対するコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無をコメント管理装置20に問合せる。ここで、コメントデータとは、コメントを構成する文字列を表すテキストデータであり、タイムスタンプとは、動画の再生開始時点を時刻の起算点とした場合のコメントの入力タイミングを表すデータである。制御部110は、該当するコメントデータおよびタイムスタンプがコメント管理装置20に記憶されていた場合には、それらコメントデータおよびタイムスタンプを取得し、動画再生との同期をとりつつ、各コメントデータの表すコメントをそのコメントデータに対応するタイムスタンプの表す入力タイミングにおいて表示する処理を実行する。
【0026】
記憶部150は、図2に示すように、不揮発性記憶部152と揮発性記憶部154を含んでいる。不揮発性記憶部152は、例えばROM(Read Only Memory)などのデータの書き換えができない不揮発性メモリと、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only
Memory)などデータの書き換えが可能な不揮発性メモリとを含んでいる。前者の不揮発性メモリには、コメント共有支援プログラム152aが予め格納されている。一方、後者の不揮発性メモリには、コメント転送先アドレス152b、コメントアップロード先アドレス152c、およびローカルコメントデータベース152d、動画配信元アドレス152eが格納されている。
【0027】
動画配信元アドレスとは、動画データの送信元である動画配信装置(図1では図示略)の通信アドレス(IPアドレス)である。コメントアップロード先アドレスとは、コメントの記憶および管理を行う装置の通信アドレスである。本実施形態では、コメントアップロード先アドレス152cとしてコメント管理装置20のIP(Internet Protocol)アドレスが不揮発性記憶部152に格納されている。コメント転送先アドレスとは、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフにおいてコメントデータの転送先となる動画再生装置10の通信アドレス(IPアドレス)である。
【0028】
例えば、動画再生装置10−k(k=1〜4)に図4(A)に示すメッシュ型トポロジのソーシャルグラフを形成させる場合には、各動画再生装置10に各々3個ずつコメント転送先アドレスを記憶させておけば良い。具体的には、動画再生装置10−1には、動画再生装置10−2、10−3および10−4の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−2には、動画再生装置10−3、10−4および10−1の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−3には、動画再生装置10−1、10−2および10−4の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−4には、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各々の通信アドレスを、コメント転送先アドレスとして夫々記憶させておけば良い。
【0029】
また、動画再生装置10−k(k=1〜4)に図4(B)に示すループ型トポロジのソーシャルグラフを形成させる場合には、各動画再生装置10に各々1個ずつコメント転送先アドレスを記憶させておけば良い。具体的には、動画再生装置10−1には動画再生装置10−2の通信アドレスを、動画再生装置10−2には動画再生装置10−3の通信アドレスを、動画再生装置10−3には動画再生装置10−4の通信アドレスを、動画再生装置10−4には動画再生装置10−1の通信アドレスを、コメント転送先アドレスとして夫々記憶させておけば良い。
【0030】
揮発性記憶部154は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。この揮発性記憶部154は、コメント共有支援プログラム152aを実行する際のワークエリアとして制御部110によって利用される。コメント共有支援プログラム152aは、図2に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理を制御部110に実行させるためのプログラムである。
【0031】
コメント書き込み処理は、ユーザI/F部140を介して入力されたコメントを表すコメントデータにその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けてローカルコメントデータベース152dに書き込む処理である。図5はローカルコメントデータベース152dのテーブルフォーマットの一例を示す図である。本実施形態のコメント書き込み処理では、制御部110は、記録再生部130による動画の再生開始を契機として計時を開始する。そして、制御部110は、ユーザI/F部140からコメントデータを受け取ると、当該コメントデータに、その入力タイミング(すなわち、動画の再生開始時点を起算点として計時された時間)を示すタイムスタンプと、記録再生部130により再生中の動画を一意に示す動画識別子と、を対応付けてローカルコメントデータベース152dに書き込む。なお、動画識別子としては、例えば動画データの名称やその動画データの表す番組の番組名などを表す文字列を用いるようにすれば良い。このコメント書き込み処理は、動画のリアルタイム再生を行う場合と、録画した動画の再生を行う場合の何れにおいても、再生中の動画に対してコメントが入力される毎に実行される。
【0032】
コメント共有制御処理の処理内容は、録画した動画の再生を行う場合と、動画のリアルタイム再生を行う場合とで異なる。録画した動画の再生を行う場合のコメント共有制御処理では、制御部110は、まず、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの配信を要求する旨の通信メッセージ(以下、コメント配信要求メッセージ)を生成し、このコメント配信要求メッセージにユーザにより再生を指示された動画の動画識別子を書き込んでコメントアップロード先アドレス152c宛に送信する。前述したように、本実施形態では、コメントアップロード先アドレス152cはコメント管理装置20の通信アドレスである。したがって、上記のようにして送信されたコメント配信要求メッセージはコメント管理装置20によって受信される。詳細については後述するが、コメント管理装置20はコメント配信要求メッセージを受信すると、そのコメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子の示す動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータおよびタイムスタンプを返信する処理を実行する。
【0033】
制御部110は、上記コメント配信要求メッセージに応じてコメント管理装置20から返信されてくるコメントデータおよびタイムスタンプを受信し、その受信が完了するまで動画の再生開始を延期する。そして、制御部110は、コメントデータおよびタイムスタンプの受信が完了すると動画の再生を開始し、上記タイムスタンプにしたがって動画の再生に同期するようにコメントデータの表すコメントの表示制御を行う。
【0034】
これに対して、動画のリアルタイム再生を行う場合のコメント共有制御処理では、制御部110は、ユーザI/F部140から引き渡されたコメントデータを、コメント転送先アドレス152bへ宛てて送信する。また、制御部110は、通信網30を介して送信されてくるコメントデータを通信I/F部120を介して受信すると、当該コメントデータの表すコメントをユーザI/F画面のコメント表示領域508に表示させる。なお、ループ型トポロジのソーシャルグラフ(図4(B)参照)を形成する態様においては、制御部110は、通信網30を介して受信したコメントデータの送信元とコメント転送先アドレス152bの示すコメント転送先とが一致しない場合に当該コメントデータを当該コメント転送先へ転送する処理を実行する。
【0035】
より詳細に説明すると、制御部110は、自装置のユーザにより入力されたコメントのコメントデータの送信を行う場合には、その送信元を示す送信元識別子として自装置の通信アドレスを付与して送信する。そして、制御部110は、通信網30を介して受信したコメントデータの転送を行う場合には、そのコメントデータとともに受信した送信元識別子とコメント転送先アドレス152bとが一致しない場合にのみその転送を行うのである。なお、不揮発性記憶部152に複数のコメント転送先アドレス152bが格納されている場合には、制御部110は、上記送信元識別子とは異なるコメント転送先アドレス152bに対してのみ、通信網30を介して受信したコメントデータの転送を行う。これは、ループ型トポロジのソーシャルグラフに沿ってコメントデータが際限なく転送され続けることを回避するためである。
【0036】
スケジューラ処理の処理内容も、録画した動画の再生が行われた場合とリアルタイム再生が行われた場合とで異なる。録画した動画の再生が行われた場合におけるスケジューラ処理では、制御部110は、動画の再生終了を契機として当該動画に対して自装置のユーザが入力したコメントを表すコメントデータ等をコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へアップロードする。より詳細に説明すると、制御部110は、動画の再生終了を契機として、コメントデータの記憶を要求する通信メッセージ(以下、コメント記憶要求メッセージ)に、ローカルコメントデータベース152dに格納されている動画識別子、コメントデータおよびタイムスタンプを書き込み、送信元識別子として自装置を一意に識別する端末識別子(本実施形態ではMACアドレス)を付与してコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へ送信する。
【0037】
これに対して、リアルタイム再生が行われた場合のスケジューラ処理では、制御部110は、同じ動画をリアルタイムで視聴した他のユーザの動画再生装置10とは重ならないように定められた送信タイミングにおいて、当該動画に対して自装置のユーザが入力したコメントを表すコメントデータ等をコメント管理装置20へアップロードする処理を実行する。より詳細に説明すると、制御部110−k(k=1〜4)の各々は、動画のリアルタイム再生が終了した時点から時間長T0の猶予期間が経過した時点を起算点とする時間長T1のアップロード期間内の時刻TA−kにおいて上記コメント記憶要求メッセージをコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へ送信する。なお、猶予期間の時間長T0およびアップロード期間の時間長T1については、同じ動画のリアルタイム再生を行った動画再生装置10の数に応じて定めるようにすれば良い。
【0038】
動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々についての送信タイミングTA−k(k=1〜4)は、以下の式(1)によって定められる。なお、式(1)のTT−k(k=1〜4)は、以下の式(3)にしたがって算出されるH−k(k=1〜4)を以下の式(2)に示す演算により[0、T1]の範囲の値に正規化して得られる値であり、式(3)のHash()は任意のハッシュ関数を表す。なお、式(2)右辺のHMAXは式(3)のハッシュ関数演算により算出される値の最大値である。
TA−k=番組終了時刻+T0+TT−k・・・(1)
TT−k=(T1/HMAX)×H−k・・・(2)
H−k=Hash(動画識別子、動画再生装置10−kの端末識別子)・・・(3)
【0039】
一般にハッシュ関数演算の引数が異なっていれば、そのハッシュ関数演算により得られた値も異なったものとなる。動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々の端末識別子(MACアドレス)は互いに異なっているのであるから、上記式(1)〜(3)の演算により得られる値TA−k(k=1〜4)は互いに異なった値となる。これにより、同じ動画のリアルタイム再生を行った各動画再生装置10がコメントデータ等を互いに重なり合わない送信タイミングにおいてコメント管理装置20へアップロードすることが保証されるのである。なお、本実施形態では、ハッシュ関数演算の引数として動画識別子と動画再生装置10の端末識別子とを用いたため、ある番組の動画をリアルタイム再生中の動画再生装置10に対して、他の番組へチャネルを切り換えることが指示され、当該他の番組に対するコメントの入力が行われた場合には、当初リアルタイム再生していた番組に対するコメントデータ等とチャネル切り換え後の番組に対するコメントデータ等は各々別個の送信タイミングにおいてコメント管理装置20へアップロードされる。本実施形態では、ハッシュ関数演算の引数として動画識別子と動画再生装置10の端末識別子とを用いたが、動画再生装置10の端末識別子のみを用いても勿論良い。
以上が動画再生装置10の構成である。
【0040】
次いで、コメント管理装置20について説明する。
コメント管理装置20は、動画再生装置10から送信されてくるコメント記憶要求メッセージを受信し、このコメント記憶要求メッセージに含まれているコメントデータとタイムスタンプとを対応付けて記憶する装置である。また、コメント管理装置20は、動画再生装置10から送信されてくるコメント配信要求メッセージを受信し、当該メッセージにより配信を要求されたコメントデータを記憶している場合には、当該コメントデータと、このコメントデータに対応するタイムスタンプとを返信する処理も実行する。
【0041】
図6は、コメント管理装置20の構成例を示す図である。
図6に示すようにコメント管理装置20は、制御部210、通信I/F部220、記憶部250、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス260を含んでいる。制御部210は、制御部110と同様にCPUであり、コメント管理装置20の制御中枢の役割を果たす。通信I/F部220は、通信I/F部120と同様にNICであり、通信網30から送信されてくるデータを受信して制御部210に引き渡す一方、制御部210から引き渡されるデータを通信網30へと送出する。
【0042】
記憶部250は、図6に示すように、不揮発性記憶部252と揮発性記憶部254とを含んでいる。不揮発性記憶部252は、不揮発性記憶部152と同様にデータの書き換えができない不揮発性メモリ(例えば、ROM)とデータの書き換えが可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROMやハードディスク)を含んでいる。前者の不揮発性メモリにはコメント管理プログラム252aが格納されている。一方、後者の不揮発性メモリにはユーザ認証テーブル252bとコメントデータベース252cが格納されている。揮発性記憶部254は、揮発性記憶部154と同様にRAMであり、コメント管理プログラム252aを実行する際のワークエリアとして制御部210によって利用される。
【0043】
ユーザ認証テーブル252bには、コメント管理装置20によって提供されるコメント共有サービスの利用を許可されているユーザを一意に識別するユーザ識別子と当該ユーザの使用する動画再生装置10の端末識別子(前述したように、本実施形態では、MACアドレス)が予め登録されている。このユーザ認証テーブル252bの格納内容は、コメント記憶要求メッセージまたはコメント配信要求メッセージを受信した場合に、その送信元に対してコメント共有サービスの利用が許可されているか否かを判定するユーザ認証の際に利用される。
【0044】
コメント管理プログラム252aは、ユーザ認証処理、コメント記憶処理およびコメント配信処理を制御部210に実行させるためのプログラムである。ユーザ認証処理では、制御部210は、前述したユーザ認証を行い、コメント共有サービスの利用が許可されているとの判定結果が得られた場合には要求された処理を実行する一方、許可されていないとの判定結果が得られた場合にはエラーメッセージを返信して当該要求を拒絶する。より詳細に説明すると、制御部210は、コメント記憶要求メッセージまたはコメント配信要求メッセージを受信すると、これらメッセージのヘッダ部に書き込まれているMACアドレスと同一の端末識別子がユーザ認証テーブル252bに登録されているか否かを判定する。そして、制御部210は、同一の端末識別子が登録されていた場合には、上記送信元に対してコメント共有サービスの利用が許可されていると判定し、逆に同一の端末識別子が登録されていない場合には、コメント共有サービスの利用は許可されていないと判定する。このユーザ認証処理は、コメント共有サービスの不正利用を防止するために実行される。
【0045】
コメント記憶処理は、コメント共有サービスの利用を許可されている送信元から送信されたコメント記憶要求メッセージを受信した場合に実行される処理である。このコメント記憶処理では、制御部210は、まず、上記メッセージの送信元識別子と同一の端末識別子に対応付けてユーザ認証テーブル252bに格納されているユーザ識別子を取得する。次いで、制御部210は、上記のようにして取得したユーザ識別子、上記メッセージに含まれている動画識別子、コメントデータ、およびタイムスタンプを互いに対応付けて図7に示すコメントデータベース252cに書き込む。なお、コメントデータベース252cにユーザ識別子、動画識別子、コメントデータ、およびタイムスタンプが既に登録されている場合には、制御部210は、これら登録済みのデータを上書きすることなく、新たなデータを追記する。
【0046】
コメント配信処理は、コメント共有サービスの利用を許可されている送信元から送信されたコメント配信要求メッセージを受信した場合に実行される処理である。このコメント配信処理では、制御部210は、上記メッセージに含まれている動画識別子と同一の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252cに格納されているユーザ識別子、コメントデータおよびタイムスタンプを全て読み出して上記メッセージの送信元へ返信する。
以上がコメント管理装置20の構成である。
【0047】
<B:動作>
以下、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各ユーザが同一の動画をリアルタイムで視聴する一方、動画再生装置10−4のユーザは当該動画を録画し、放送終了後に再生して視聴する場合を例にとって、動画再生装置10−k(k=1〜4)およびコメント管理装置20が実行する動作を説明する。なお、以下では、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々のユーザを「ユーザk」と表記する。これらユーザk(k=1〜4)の各々に対しては本実施形態の通信システムによるコメント共有サービスの利用が予め許可されており、ユーザkのユーザ識別子と動画再生装置10−kの端末識別子とが互いに対応付けられてコメント管理装置20のユーザ認証テーブル252bに予め登録されている。
【0048】
<B−1:動画のリアルタイム視聴を行う場合の動作>
制御部110−k(k=1〜3)の各々は、ユーザI/F部140−kを介して動画のリアルタイム再生を指示されると、当該動画の動画データを配信する動画配信装置にアクセスし、動画データの配信を要求する。制御部110−kは、動画配信装置から指示されたコメント転送先アドレスをコメント転送先アドレス152b−kとして不揮発性記憶部152−kに書き込み、ソーシャルグラフを形成する。
【0049】
本動作例では、動画データの配信の要求を受け付ける期間が予め定められており(例えば、配信開始前の10分間など)、動画配信装置は、当該期間において動画データの配信を受け付けた順番にしたがって、各動画再生装置10にコメントデータの転送先を指示する。具体的には、動画配信装置は、上記期間において最後に動画データの配信要求を行った動画再生装置10に対しては上記期間において最初に動画データの配信要求を行った動画再生装置10をコメントデータの転送先として指示する。そして、動画配信装置は、それ以外の動画画再生装置10に対しては、当該装置の直後に動画データの配信要求を行った動画再生装置10をコメントデータの転送先として指示するのである。
【0050】
このため、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各々が上記期間内にこの順で動画データの配信要求を行うと、動画再生装置10−1に対しては動画再生装置10−2の通信アドレスが、動画再生装置10−2に対しては動画再生装置10−3の通信アドレスが、動画再生装置10−3に対しては動画再生装置10−1の通信アドレスが、夫々コメント転送先アドレスとして動画配信装置から指示され、図8に示すループ型トポロジのソーシャルグラフが形成される。つまり、本動作例では、動画配信装置による制御の下、不揮発性記憶部152−1にはコメント転送先アドレス152b−1として動画再生装置10−2の通信アドレスが格納される。同様に、不揮発性記憶部152−2にはコメント転送先アドレス152b−2として動画再生装置10−3の通信アドレスが格納され、不揮発性記憶部152−3にはコメント転送先アドレス152b−3として動画再生装置10−1の通信アドレスが格納される。
【0051】
図9の時刻TSにおいて動画配信装置からの動画データのストリーミング配信が開始されると、制御部110−kは通信I/F部120−kによって当該動画データを受信し、記録再生部130−kによる動画の再生を開始する。図9は、本動作例において動画再生装置10−k(k=1〜3)の各々とコメント管理装置20とが実行する通信の流れを示すシーケンス図である。なお、図9では、動画配信装置と動画再生装置10−k(k=1〜3)との間の動画データの通信シーケンスについては本願発明との関連が薄いため、描画が省略されている。
【0052】
図9に示すように、動画の再生開始から時間t01が経過した時点において、ユーザ1がユーザI/F部140−1を操作して番組に対するコメントAを入力すると、制御部110−1は、前述したコメント書き込み処理を実行し(SA100)、当該コメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとをローカルコメントデータベース152d−1に書き込む。次いで、制御部110−1は、前述したコメント共有制御処理を実行し(SA110)、上記コメントデータに自装置の通信アドレスを送信元識別子として付与してコメント転送先アドレス152b−1の示す宛先へ送信する(図9:MA12)。前述したように、本動作例では、コメント転送先アドレス152b−1は動画再生装置10−2の通信アドレスであるから、動画再生装置10−1から送信されたコメントデータおよび送信元識別子は動画再生装置10−2によって受信される。
【0053】
制御部110−2は、上記のようにしてコメントデータおよび送信元識別子を受信すると、前述したコメント共有制御処理を実行し(SA200)、当該コメントデータの表すコメントの表示を行うとともに、当該コメントデータおよび送信元識別子をコメント転送先アドレス152b−2の示す宛先(すなわち、動画再生装置10−3)へ転送する(図9:MA23)。ここで、動画再生装置10−2から動画再生装置10−3へのコメントデータおよび送信元識別子の転送が行われるのは、当該送信元識別子とコメント転送先アドレス152b−2とが一致しないからである。同様に制御部110−3も、動画再生装置10−2によって転送されたコメントデータと送信元識別子とを受信すると、コメント共有制御処理を実行する(SA300)。制御部110−3が実行するコメント共有制御処理では、受信したコメントデータの表すコメントの表示のみが行われる。これは、当該コメントデータとともに受信した送信元識別子とコメント転送先アドレス152b−3とが一致するためである。
【0054】
以上の動作により、動画の再生開始から時間t01が経過した時点においてユーザ1によって入力されたコメントAは動画再生装置10−2および10−3においても表示され、ユーザ2およびユーザ3は当該コメントAを、ほぼリアルタイムに(すなわち、通信による遅延の分だけコメントの入力時点から遅れた時刻に)閲覧することができるのである。以降、動画の再生開始から時間t02が経過した時点においてユーザ2がコメントBを入力すると、当該コメントBを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとがローカルコメントデータベース152d−2に書き込まれる。制御部110−2は、自装置の通信アドレスを送信元識別子として上記コメントBを表すコメントデータとともに動画再生装置10−3へ送信する(図9:MB23)。制御部110−3は、当該コメントデータおよび送信元識別子を受信すると、コメントデータの表すコメントの表示と、動画再生装置10−1への転送(図9:MB31)を行い、制御部110−1は、動画再生装置10−3から転送されたコメントデータの表すコメントの表示のみを行う。これにより、ユーザ3およびユーザ1は、動画の再生開始から時間t02が経過した時点においてユーザ2により入力されたコメントBを、ほぼリアルタイムに閲覧することができるのである。同様に、動画の再生開始から時間t03が経過した時点においてユーザ3がコメントCを入力すると、当該コメントCを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとがローカルコメントデータベース152d−3に書き込まれ、当該コメントデータは動画再生装置10−3から動画再生装置10−1へ送信され(図9:MC31)、さらに、動画再生装置10−1から動画再生装置10−2へ転送される(図9:MC12)。これにより、ユーザ1およびユーザ2は、動画の再生開始から時間t03が経過した時点においてユーザ3により入力されたコメントCを、ほぼリアルタイムに閲覧することができるのである。
【0055】
ここで注目すべき点は、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有は、コメント管理装置20を介さずに行われる、という点である。このように、コメント管理装置20を介さずに、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有が実現されるため、当該動画がスポーツ中継のような特定のタイミングにコメントの入力が集中する傾向のあるものであっても、コメント管理装置20に特段の負荷がかかることはない。
【0056】
そして、時刻TEにおいて動画の配信が終了すると、制御部110−k(k=1〜3)の各々は、動画再生を終了し、前述したスケジューリング処理を開始する(図9:ステップSB100、SB200およびSB300)。図9に示すように、制御部110−1は、アップロード期間内の時刻TA−1において、ローカルコメントデータベース152d−1の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージAAを生成し、コメントアップロード先アドレス152c−1宛に送信する。同様に、制御部110−2は、アップロード期間内の時刻TA−2(≠TA−1)において、ローカルコメントデータベース152d−2の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージBAを生成してコメントアップロード先アドレス152c−2宛に送信し、制御部110−3は、アップロード期間内の時刻TA−3(≠TA−1、≠TA−2)において、ローカルコメントデータベース152d−3の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージCAを生成し、コメントアップロード先アドレス152c−3宛に送信する。前述したように、コメントアップロード先アドレス152c−k(k=1〜3)は何れもコメント管理装置20の通信アドレスである。したがって、コメント記憶要求メッセージAA、BA、およびCAは何れもコメント管理装置20によって受信される。
【0057】
コメント管理装置20の制御部210は、コメント記憶要求メッセージAA、BAおよびCAの各々を受信するたびに前述したユーザ認証処理(図9では、図示略)を実行する。本動作例におけるユーザk(k=1〜3)は何れもコメント共有サービスの利用を許可されたものであるから、制御部210は、上記ユーザ認証処理に後続してコメント記憶処理(SS100、SS110およびSS120)を実行する。これにより、コメントデータベース252cには、ユーザ1が入力したコメントAを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプ、ユーザ2が入力したコメントBを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプ、およびユーザ3が入力したコメントCを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの各々に、その入力を行ったユーザを示すユーザ識別子とそれらユーザが視聴した動画を示す動画識別子が対応付けられて格納されるのである。
以上が動画をリアルタイムで視聴する場合の動作である。
【0058】
<B−2:録画した番組を視聴する場合の動作>
次いで、ユーザ4が、動画再生装置10−4に録画した動画の再生を行わせる場合に、動画再生装置10−4およびコメント管理装置20が実行する動作について説明する。
【0059】
図10に示すように、制御部110−4は、ユーザI/F部140−4を介して録画した動画の再生を指示されると、前述したコメント共有制御処理を実行する(SA400)。このコメント共有制御処理では、制御部110−4は、再生を指示された動画のリアルタイム放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータおよびその入力タイミングを表すタイムスタンプの配信を要求するコメント配信要求メッセージRCに当該動画の動画識別子を書き込んでコメントアップロード先アドレス152c−4宛てに(すなわち、コメント管理装置20へ宛てて)送信する。一方、コメント管理装置20の制御部210は、通信I/F部220を介してコメント配信要求メッセージRCを受信すると、前述したユーザ認証処理を実行する。ユーザ4は、コメント管理装置20によるコメント共有サービスの利用を許可された者であるから上記ユーザ認証は成功し、制御部210はコメント配信処理を実行する(SS400)。より詳細に説明すると、制御部210は、動画再生装置10−4から受信したコメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子と同一の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252bに格納されているコメントデータとタイムスタンプとを全て読み出し、同メッセージの送信元へ返信する(図10:DC)。
【0060】
制御部110−4は、上記のようにして返信されてくるコメントデータおよびタイムスタンプの受信を完了すると、動画の再生を開始(図10:SA410)するとともに、その再生に同期させてコメントデータの表すコメントを当該コメントデータに対応するタイムスタンプの表すタイミングにおいて表示する処理を実行する。これにより、動画の再生開始時点から時間t01が経過した時点においてはユーザ1により入力されたコメントAが、同時間t02が経過した時点においてはユーザ2により入力されたコメントBが、同時間t03が経過した時点においてはユーザ3により入力されたコメントCが夫々の入力タイミングにおいて表示される。これにより、ユーザ4は、上記動画をその放送の際にリアルタイムで視聴していた他のユーザにより寄せられたコメントを閲覧することができるのである。
【0061】
再生中の動画に対してユーザ4がコメントDを入力すると、前述したコメント書き込み処理のみが実行される(図10;SA420)。つまり、制御部110−4は、ユーザI/F部140−4を介して入力されたコメントを表すコメントデータに、当該動画の動画識別子およびその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けてローカルコメントデータベース152d−4に書き込む。なお、本動作例において、他の動画再生装置へのコメントデータの転送が行われないのは、ユーザ4と同じ時刻に当該動画の録画再生を行っているユーザが他にいるとは限らないからである。
【0062】
そして、制御部110−4は、録画した動画の再生を終了すると、前述したスケジューラ処理を実行する(図10:SB400)。このスケジューラ処理では、制御部110−4は、前述した猶予期間T0の経過を待つことなく即座に、ローカルコメントデータベース154d−4の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージDDを生成し、コメント管理装置20に送信する。一方、制御部210は、コメント記憶要求メッセージDDを受信すると、前述したユーザ認証処理を実行し、ユーザ認証に成功するとコメント記憶処理を実行する(SS410)。本動作例では、ユーザ4はコメント共有サービスの利用を許可されたユーザであるから、上記ユーザ認証は成功し、コメント記憶処理が実行される。これにより、録画した動画の再生中にユーザ4が入力したコメントDを表すコメントデータおよびその入力タイミングを表すタイムスタンプがコメントデータベース252cに追記されるのである。このため、ユーザ4が録画した動画の視聴を完了した後に、当該動画の録画再生を行うユーザが居る場合には、当該ユーザは、当該動画の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252cに格納されているコメントデータおよびタイムスタンプをダウンロードし、これらデータにしたがったコメントの表示制御を動画再生装置に行わせることで、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3およびユーザ4の各々が入力したコメントを閲覧することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、動画をリアルタイム視聴する場合のコメントの共有に関しては、コメント管理装置20を介さずに実現される。このため、視聴対象の動画がスポーツ中継番組のように特定のタイミングにおいてコメントの書き込みが集中する傾向の動画であっても、当該動画の放送中にコメント管理装置20に対するコメントデータのアップロードが発生することはなく、コメント管理装置20に過剰な負荷がかかることはない。また、本実施形態では、動画をリアルタイム視聴したユーザから寄せられたコメントを当該動画を記録再生するユーザが共有することができるようにするために、動画のリアルタイム再生終了後に、当該動画に対してユーザが入力したコメントを表すコメントデータを動画再生装置10からコメント管理装置20にアップロードさせる。しかし、各動画再生装置10のアップロードタイミングは互いに重なり合わないように定められているため、当該コメントデータのアップロードにおいてコメント管理装置20に過剰な負荷がかかることもない。
【0064】
このように、本実施形態によれば、コメント管理装置に過大な負荷がかかることを回避しつつ、動画に対するコメントを視聴者に共有させることが可能になるのである。
【0065】
<C:変形>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態を以下のように変形しても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生中に寄せられたコメントについては当該動画の放送終了から猶予時間T0が経過した時点を起算点とするアップロード期間T1内にアップロードさせるようにした。しかし、このようにしてアップロードされた各コメントデータを当該アップロード期間T1の末尾から所定時間が経過した時点でコメントデータベース252cから削除する処理を制御部210に実行させても良い。ローカルコメントデータベース152d−k(k=1〜4)に格納されたコメントデータ等についても、同様に、所定のタイミングで制御部110−kに削除させるようにしても良い。例えば、リアルタイム再生された動画に対して入力されたコメントを表すコメントデータについては当該動画についてのアップロード期間の末尾から所定時間が経過した時点で削除するようにすれば良く、録画した動画の再生中に入力されたコメントを表すコメントデータについてはコメント管理装置20へのアップロード後、所定時間が経過した時点で削除するようにすれば良い。
【0066】
(2)上述した実施形態では、通信網30を介して配信される動画データにしたがって動画の再生を行う動画再生装置に本発明を適用し、当該動画再生装置をコメントの入出力を行うためのコメント入出力装置としても用いる場合について説明した。しかし、図2に示す動画再生装置10の構成から記録再生部130を除去して得られる構成の装置を、コメントの入出力、入力されたコメントのキャッシュ、およびキャッシュしたコメントを所定の送信タイミングにおいてコメント管理装置へアップロードするコメント入出力端末として提供しても良い。
【0067】
より詳細に説明すると、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、前記動画をリアルタイムで視聴しているユーザにより形成されるソーシャルネットワークに沿って他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とするコメント入出力端末を提供するのである。そして、このようなコメント入出力端末をテレビ受像器やハードディスクレコーダと組み合わせ使用し、テレビ受像器やハードディスクレコーダには動画の再生を行わせる一方、上記コメント入出力端末には、コメントの入出力、入力されたコメントのキャッシュ、およびキャッシュしたコメントを所定の送信タイミングにおいてコメント管理装置へアップロードする処理を行わせるのである。これにより、上記テレビ受像器やハードディスクレコーダとコメント入出力端末との組み合わせを動画再生装置10として用いることができる。
【0068】
例えば、上記コメント入出力端末とテレビ受像器とを組み合わせて使用し、テレビ番組に対するコメントを各コメント入出力端末のユーザに入力させるようにすれば、テレビ番組のように電気通信回線網を介さずに提供される動画に対するコメントの共有を実現することができる。なお、テビ番組に対するコメントの共有を実現する場合には、コメント管理装置にソーシャルグラフを形成させる処理(すなわち、各コメント入出力端末に対してコメントデータの送信先を指示する処理)を実行させれば良い。各ユーザの視聴対象の動画がテレビ番組である場合、テレビ番組の放送網には、各コメント入出力端末との双方向通信が可能な動画配信装置は存在しないからである。
【0069】
(3)上述した実施形態では、録画した動画をその放送終了後に再生する場合には、その放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとをコメント管理装置20から取得し、当該動画の再生に同期させて当該コメントを表示するコメント共有制御処理を制御部110に実行させた。しかし、コメントデータのみを取得し、動画の再生とは同期させずにコメントの表示を行うようにしても良い。また、コメント管理装置20へのコメントデータのアップロードの際にタイムスタンプを送信しないようにしても良い。また、動画再生装置10に番組の録画機能を設けず、動画のリアルタイム再生のみを実行させるようにしても勿論良い。このように、動画再生装置10に動画のリアルタイム再生のみを実行させる態様の場合には、上記コメント共有制御処理およびスケジューラ処理として動画のリアルタイム再生における処理のみを制御部110に実行させるコメント共有支援プログラムをコメント共有支援プログラム152aに換えて不揮発性記憶部152に書き込んでおけば良い。
【0070】
(4)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生を行う場合のスケジューラ処理として、動画の再生終了後(動画の放送終了後)に、当該動画に対してユーザが入力したコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとを一括してコメント管理装置20へアップロードする処理を制御部110に実行させた。しかし、図11(A)に示すように、動画の再生開始時点から所定の時間間隔T0(例えば、10分など)を開けて時間長T1のアップロード期間を複数設け、各アップロード期間においてコメントデータおよびタイムスタンプをコメント管理装置20へアップロードする処理をスケジューラ処理として制御部110に実行させるようにしても良い。
【0071】
また、コメント管理装置20からのコメントデータのダウンロードについても同様に、図11(B)に示すように、時間長T2のダウンロード期間を複数設け、複数回に分けてダウンロードを行うようにしても良い。図11(C)に示すように、図11(A)の態様と図11(B)の態様とを組み合わせ、アップロード期間とダウンロード期間とを交互に設けても良い。図11(C)に示す態様においては、各ダウンロード期間においては直前にアップロード期間においてアップロードされたコメントデータのみをダウンロードするのである。また、図11(C)に示すように、アップロード期間とダウンロード期間とを交互に設ける態様においては、アップロード期間およびダウンロード期間においてSN管理に関する通信メッセージをコメント管理装置20と動画再生装置10とに送受信させ、ソーシャルグラフを柔軟に構成し直すことができると期待される。例えば、リアルタイム放送中の動画を途中から視聴するユーザがいる場合に、当該ユーザの動画再生装置の通信アドレスを、当該動画を最初から視聴している各ユーザの動画再生装置に通知して新たなコメント転送先アドレスとして記憶させる。一方、動画を途中から視聴するユーザの動画再生装置には当該動画を最初から視聴している各ユーザの動画再生装置の通信アドレスを通知してコメント転送先アドレスとして記憶させる。これにより、動画を途中から視聴するユーザの動画再生装置を、当該動画を最初から視聴しているユーザの動画再生装置のソーシャルグラフに組み込むことができる。
【0072】
(5)上述した実施形態では、本発明の動画再生装置の特徴を顕著に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理をソフトウェアにより実現した。しかし、コメント書き込み処理を実行するコメント書き込み手段、コメント共有制御処理を実行するコメント共有制御手段、およびスケジューラ処理を実行するスケジューラ手段の各手段を電子回路で構成し、これら各手段と、ハードディスク等の記憶手段、他の動画再生装置10と通信網30を介してデータの送受信を行う通信手段、ユーザI/F手段、および動画の記録再生を行う記録再生手段を組み合わせて動画再生装置10を構成しても勿論良い。
【0073】
(6)上述した実施形態では、録画した動画を再生する際には、当該動画の放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータを全てダウンロードする場合について説明した。しかし、これらコメントデータのうち特定の条件(年齢や性別など)を満たすユーザから寄せられたコメントデータのみをダウンロードし、これらコメントデータの表すコメントのみを表示するようにしても良い。このようなことは、以下のようにして実現される。まず、コメント管理装置20の不揮発性記憶部252に、コメント共有サービスの利用を許可されている各ユーザのユーザ識別子に対応付けて当該ユーザの個人情報(年齢、性別など)を表すパーソナルデータを格納した個人情報テーブルを予め格納しておく。一方、動画再生装置10の制御部110には、録画した動画の再生を指示された場合に、どのようなユーザから寄せられたコメントを表示対象とするのかを表す条件(ユーザの年齢層や性別)を自装置のユーザに指定させ、当該条件を表す条件データを追記したコメント配信要求メッセージを送信させる。コメント管理装置20の制御部210は、コメント配信要求メッセージに書き込まれている条件データの表す条件を満たすユーザのユーザ識別子を上記個人情報テーブルを参照して読み出し、当該ユーザ識別子と上記コメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子とに対応付けられているコメントデータおよびタイムスタンプを読み出して上記コメント配信要求メッセージの送信元へ返信する。これにより、特定の条件を満たすユーザから寄せられたコメントデータのみをダウンロードし、これらコメントデータの表すコメントのみを表示することが実現される。
【0074】
(7)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生中に他の動画再生装置10から受信したコメントデータの表すコメント、或いは録画した動画の再生を行う場合にはコメント管理装置20からダウンロードしたコメントデータの表すコメントを無条件に表示した。しかし、これらコメントのうち、特定のユーザにより入力されたコメントを表示しないようにしても勿論良い。コメント共有サービスを利用するユーザのなかには、他者の不快感を煽るようなコメントを敢えて書き込む者もおり、このような者から寄せられたコメントを表示しないようにするためである。例えば、ユーザI/F部140が、液晶ディスプレイの表示面に透明なシート状の感圧センサを貼り付けたタッチパネルである場合には、不快なコメントが領域508に表示された場合には、当該コメントをユーザにタップさせる。制御部110は、上記のようにしてタップされたコメントの送信元を特定し、以後、当該送信元から送信されたコメントについては表示対象から除外するのである。なお、動画のリアルタイム再生を行っている場合には、コメントデータの送信元の通信アドレスを参照して表示対象から除外するコメントを特定すれば良く、録画した動画の再生中であれば、コメントデータとともにコメント管理装置20から受信したユーザ識別子を参照して表示対象から除外するコメントを特定すれば良い。
【0075】
(8)上述した実施形態では、録画した動画の再生中にコメントの入力が行われた場合には、コメント書き込み処理のみを実行し、当該コメントを表すコメントデータの転送は行わなかった。しかし、同一の動画を録画し、当該動画の再生を略同じ時刻に行うユーザによるSNが形成される場合には、録画した動画の再生中に入力されたコメントに関しても、そのSNにおけるソーシャルグラフに沿って転送するようにしても勿論良い。
【0076】
(9)上述した実施形態では、本発明の動画再生装置の特徴を顕著に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理を制御部110に実行させるためのコメント共有支援プログラム152aが不揮発性記憶部152に予め格納されていた。しかし、上記コメント共有支援プログラム152aを例えばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。このようにして配布されるコメント共有プログラムにしたがって一般的なコンピュータ装置を作動させることで、そのコンピュータ装置をコメント入出力端末として機能させることが可能になるからである。
【符号の説明】
【0077】
10−k(k=1〜4)…動画再生装置、20…コメント管理装置、30…通信網、110,210…制御部、120,220…通信I/F部、130…記録再生部、140…ユーザI/F部、150,250…記憶部、152,252…不揮発性記憶部、152a…コメント共有支援プログラム、152b…コメント転送先アドレス、152c…コメントアップロード先アドレス、152d…ローカルコメントデータベース、252a…コメント管理プログラム、252b…ユーザ認証テーブル、252c…コメントデータベース、154,254…揮発性記憶部、160,260…バス。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ソーシャルネットワークサービスに関し、特に、テレビ番組等の動画の視聴者に動画に対する感想や意見を共有させることを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)とは、インターネットなどの電気通信回線を介して社会的ネットワーク(以下、SN)の形成を可能にするサービスのことである。ここで、SNとは、共通の価値観や嗜好などにより互いに結びつけられたノード(個人や組織)の繋がりのことをいう。SNSを実現するためのツールとしては、電子掲示板やブログ、マイクロブログなどが挙げられ、SNSの一例としては、テレビ番組に対するコメント(感想や意見)の共有サービスが挙げられる。
【0003】
例えば、放送局のwebサイトに放送番組の電子掲示板を設け、番組に対するコメントの書き込みや閲覧を各視聴者が自由に行えるようにするのである。これにより、番組に対する感想や意見を共有する者たちによるSNが形成される。また、Twitterに代表されるマイクロブログにおいては、何れかのユーザが視聴中のテレビ番組に対するコメントを書き込むと、当該ユーザをフォロー先とするユーザに対して当該コメントが提示され、これによりコメントの共有が実現される。特許文献1には、テレビ番組に対するコメントを記載したブログをサーバ装置にアップロードし、アップロード後のブログを他のユーザが閲覧できるようにすることでテレビ番組に対するコメントの共有を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−124861号公報
【特許文献2】特開2003−141381号公報
【特許文献3】特開2006−23876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子掲示板やマイクロブログ、特許文献1に開示された技術によるコメントの共有態様では、各ユーザがコメントを入力するたびに、コメントを表すデータの記憶および管理を行うサーバ装置(以下、コメント管理装置)へのアップロードが行われる。このため、従来のコメント共有態様では、特定のタイミングにおいてコメントのアップロードが集中的に発生し、コメント管理装置に過剰な負荷がかかる場合がある、といった問題がある。例えば、サッカーや野球の中継番組では、得失点シーンの直後にコメント管理装置へのアップロードが集中する、といった具合である。このように、コメントのアップロードが短時間のうちに集中的に発生すると、コメント管理装置に過剰な負荷がかかり、以降のサービス継続に支障が生じる場合がある。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、コメント管理装置に過大な負荷がかかることを回避しつつ、テレビ番組などの動画に対するコメントを視聴者に共有させることを可能にする技術を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、各々ユーザによって視聴中の動画に対するコメントが入力される複数のコメント入出力端末と、動画に対するコメントを表すコメントデータを記憶するコメント管理装置と、を含み、前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザによって入力されたコメントを表すコメントデータを記憶するとともに、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のコメント入出力端末へ送信する一方、当該ソーシャルネットワークに沿って他のコメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを通信網を介して受信した場合には当該コメントデータの表すコメントを表示し、前記記憶したコメントデータを他のユーザのコメント入出力端末とは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて前記コメント管理装置へ送信し、前記コメント管理装置は、各コメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを記憶することを特徴とする通信システム、を提供する。
【0007】
例えば、自装置と同じソーシャルネットワークに属する他の全てのコメント入出力端末にコメントデータを送信する処理を各コメント入出力端末に実行させるようにすれば、動画に対してあるユーザが入力したコメントを当該動画を視聴している他の全てのユーザに閲覧させることができる。つまり、本発明の通信システムにおいては、コメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置を介さずに、同一の動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有が実現される。このため、各ユーザが視聴している動画がサッカー中継等であっても、特定のタイミングにコメント管理装置へのコメントのアップロードが集中することはなく、コメント管理装置に過剰な負荷がかかることはない。また、動画をリアルタイムで視聴したユーザから寄せられたコメントをその動画を録画再生するユーザが閲覧できるようにするために、各コメント入出力端末は記憶したコメントデータをコメント管理装置にアップロードして記憶させるのであるが、各動画再生装置のコメントデータの送信タイミングは互いに重なり合わないように定められているため、コメント管理装置に過剰な負荷がかかることはない。なお、特許文献2および特許文献3は、SNSに関する先行技術文献であるが、動画に対して寄せられたコメントの共有に関するものではなく、本願発明とは異なる発明である。
【0008】
また、前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータを前記ソーシャルネットワークに沿って1または複数の他のコメント入出力端末へ送信する際に、当該コメントデータの送信元を示す送信元識別子として自装置を示す識別子を付与して送信し、前記通信網を介して受信したコメントデータにその送信元を示す送信元識別子が付与されていた場合には、前記予め定められた1または複数の他のコメント入出力端末の各々について当該コメントデータとともに受信した送信元識別子の示すコメント入出力端末と一致するか否かを判定し、一致しないと判定されたコメント入出力端末に対してのみ当該コメントデータおよび送信元識別子を転送する、といった態様も考えられる。このような態様によれば、ソーシャルグラフに属する他の全てのコメント入出力端末へコメントデータを転送することなく、同一の動画を視聴している他の全てのユーザにコメントを共有させることが可能になるとともに、ソーシャルグラフに沿ってコメントデータが際限なく転送され続けることを回避することが可能になる。
【0009】
各コメント入出力端末のコメントデータの送信タイミングの定め方としては種々の態様が考えられる。例えば、動画の先頭から一定周期で到来する所定時間長のアップロード期間においてコメント入出力端末毎に互いに重なり合わないように送信タイミングを定めておくことが考えられる。このような態様によれば、動画の再生中に一定周期でコメント管理装置へのコメントおよびタイムスタンプのアップロードが実行される。また、動画の再生終了から所定時間が経過した時点を起算点とする所定時間長のアップロード期間においてコメント入出力端末毎に互いに重なり合わないように送信タイミングを定めておく態様も考えられる。このような態様によれば、動画の再生終了後、所定時間が経過した時点からコメント管理装置へコメントのアップロードが開始される。なお、アップロード期間内における各コメント入出力端末の送信タイミングの決定の仕方についてはハッシュ関数を用いる態様が考えられる。具体的には、複数のコメント入出力端末の各々に端末毎に一意の端末識別子(或いは、当該端末識別子と動画を一意に識別する動画識別子)を引数として所定のハッシュ関数演算により得られる値を上記アップロード期間内の時刻に正規化して得られる時刻を当該コメント入出力端末のコメントデータの送信タイミングとすることが考えられる。
【0010】
コメント入出力端末が、動画を再生する動画再生機能を有している場合には、当該動画再生機能により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させるようにすれば良い。また、前記動画再生機能を有するコメント入出力端末が動画を録画する録画機能をさらに有している場合には、当該録画機能によって録画した動画の再生を指示されたことを契機として、当該動画に対して寄せられたコメントの有無を前記コメント管理装置に問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータにしたがってコメントを表示する処理を当該コメント入出力端末に実行させる一方、コメント管理装置には、コメント入出力端末からの問合せに応じて当該問い合わせに係るコメントデータを記憶しているか否かを判定し、記憶している場合には該当するコメントデータを返信する処理を実行させるのである。このような態様によれば、リアルタイムで視聴することができない動画を録画して視聴する場合に、当該動画の放送中に当該動画をリアルタイムで視聴していたユーザから寄せられたコメントを閲覧することが可能になる。
【0011】
さらに好ましい態様としては、複数のコメント入出力端末の各々には、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータに当該コメントの入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する一方、前記コメント管理装置へコメントデータをアップロードする際には、当該タイムスタンプをコメントデータとともに前記コメント管理装置へアップロードする処理を実行させ、コメント管理装置は、前記複数のコメント入出力端末の各々からアップロードされたコメントデータとタイムスタンプとを互いに対応付けて記憶する一方、前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じてコメントデータを返信する際には、コメントデータとともに当該コメントデータに対応するタイムスタンプを返信する処理を実行させ、録画機能を有するコメント入出力端末には、録画機能により録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無を前記コメント管理装置へ問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータの表すコメントを当該コメントデータとともに返信されてくるタイムスタンプにしたがって当該動画の再生に同期させつつ表示する処理を実行させる態様が考えられる。このような態様によれば、録画した動画の再生を行う際に、当該動画をリアルタイムで視聴したユーザから寄せられたコメントをその入力タイミングにおいて表示させつつ当該動画を再生することが可能になる。
【0012】
また、上記課題を解決するために本発明は、動画再生手段と、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、前記動画再生手段により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とする動画再生装置、を提供する。
【0013】
このような動画再生装置を上記コメント入出力端末として用い、さらに当該装置からアップロードされるコメントデータを記憶するコメント管理装置とともに用いることで上記通信システムを構築することが可能になる。また、本発明の別の態様としては、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムを提供する態様も考えられる。このようなプログラムの具体的な提供態様としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様や、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより上記プログラムを配布する態様などが考えられる。
【0014】
また、本発明のさらに別の態様としては、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とするコメント入出力端末、を提供する態様も考えられる。このようなコメント入出力端末と上記コメント管理装置とを組み合わせて上記通信システムを構成し、テレビ番組に対するコメントを各コメント入出力端末のユーザに入力させるようにすれば、テレビ番組に対するコメントの共有を実現できるからである。なお、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムを提供する態様も勿論考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の通信システムの構成例を示す図である。
【図2】同通信システムに含まれる動画再生装置10の構成例を示す図である。
【図3】同動画再生装置10のユーザI/F部140に表示されるユーザI/F画面の一例を示す図である。
【図4】同通信システムにおけるソーシャルグラフの一例を示す図である。
【図5】同動画再生装置10の不揮発性記憶部152に格納されているローカルコメントデータベース152dのテーブルフォーマットの一例を示す図である。
【図6】同通信システムのコメント管理装置20の構成例を示す図である。
【図7】同コメント管理装置20の不揮発性記憶部252に格納されているコメントデータベース252cのテーブルフォーマットの一例を示す図である。
【図8】動画のリアルタイム再生に関する動作例におけるソーシャルグラフを示す図である。
【図9】同動作例における動画再生装置10−k(k=1〜3)およびコメント管理装置20間の通信シーケンスの一例を示す図である。
【図10】録画した動画の再生を行う場合の動作例を説明するための図である。
【図11】コメントデータのアップロードタイミングに関する変形例およびダウンロードタイミングに関する変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
図1は、本発明の一実施形態の通信システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、この通信システムは動画再生装置10−k(k=1〜4)とコメント管理装置20を通信網30に接続して構成されている。通信網30は、例えばインターネットなど一般公衆回線であり、不特定多数の者に共用される。図1では、4台の動画再生装置が通信システムの構成要素として例示されているが、通信システムに含まれる動画再生装置の台数は、2または3台であっても良く、また、5台以上であっても良い。要は、複数の動画再生装置が通信システムに含まれていれば良い。
【0017】
図1の動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々は、通信網30に接続されている動画配信装置(図1では図示略)からストリーミング配信される動画データを受信し、その動画データにしたがって動画のリアルタイム再生を行う電子機器である。また、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々は、再生中の動画に対してユーザにコメントを入力させたり、当該動画に対する他の視聴者のコメントを表示するコメント入出力端末の役割も果たす。本実施形態では、上記動画データとして、サッカーや野球などのスポーツ中継番組の動画データが配信される。本実施形態では、スポーツ中継番組に対して寄せられたコメントを共有する場合について説明するが、これはあくまでも典型例であり、コメントの共有対象の動画はスポーツ中継番組に限定されるものではない。例えば、ドラマやニュース、バラエティ番組などの動画であっても勿論良く、また、ペットの仕草などを撮像した動画やコンピュータゲームの実況動画であっても良い。図1の動画再生装置10−1、10−2、10−3および10−4の各々は同一の構成を有している。以下、これら4台の動画再生装置の各々を区別する必要がない場合には「動画再生装置10」と表記する。
【0018】
図2は、動画再生装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、動画再生装置10は、制御部110、通信インタフェース(以下、「I/F」と表記する)部120、記録再生部130、ユーザI/F部140、記憶部150、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス160を含んでいる。なお、以下では、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々の構成要素を区別する必要がある場合には、「制御部110−k」といった具合に表記する。
【0019】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。この制御部110は記憶部150に記憶されているプログラムを実行し、動画再生装置10の制御中枢として機能する。通信I/F部120は例えばNIC(Network Interface Card)である。この通信I/F部120は通信網30を介して送信されているデータを受信して制御部110に引き渡す一方、制御部110から引き渡されるデータを通信網30へと送出する。つまり、通信I/F部120は、通信網30を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段の役割を果たす。
【0020】
記録再生部130は、例えばハードディスクレコーダである。この記録再生部130は、制御部110による制御の下、通信I/F部120を介して受信した動画データの表す動画のリアルタイム再生を行う。また、記録再生部130は、通信I/F部120を介して受信した動画データを内蔵ハードディスク(図示略)に書き込んで記録する録画処理と、当該録画処理により録画した動画をユーザの指示に応じて再生する録画再生処理を実行する。
【0021】
ユーザI/F部140は、例えば液晶ディスプレイなどの表示部(図示略)と、例えばキーボードやマウスなどの入力部(図示略)とを有している。ユーザI/F部140の表示部には、制御部110による制御の下、図3(A)に示すユーザI/F画面が表示される。このユーザI/F画面の領域502には、記録再生部130によって再生される動画が表示される。図3(A)の領域504は、領域502に表示されている動画に対するコメントをユーザに入力させるための入力領域である。動画再生装置10のユーザは、ユーザI/F部140の操作部に対する操作により、再生中の動画に対するコメントを表す文字列を入力することができ、送信ボタン506をマウスクリック等することで当該コメントの送信を指示することができる。そして、図3(A)の領域508には、再生中の動画に対して自装置のユーザにより入力されたコメントと、当該動画に対して他のユーザから寄せられたコメントとが表示される。
【0022】
動画のリアルタイム再生が行われている場合には、同じ動画をリアルタイムで視聴している他のユーザのコメントが領域508の上側からその入力順に1つずつコメントA、コメントB・・・コメントXといった具合に表示される。これに対して、録画した動画の再生が行われている場合には、当該動画をリアルタイムで視聴した他のユーザから寄せられたコメントがその入力タイミングにおいて表示されるように、領域508の上側から順に1つずつ表示するコメント表示制御が行われる。
【0023】
例えば、図3(A)に示すようにコメントA〜コメントXが領域508に表示されている状況下で領域504へのコメントYの入力および送信ボタン506の押下が行われると、当該コメントYはコメントXの下に表示される。なお、領域506に表示可能なコメントの最大数は予め定められており、この最大数を超える数のコメントが寄せられた場合には、最新のコメントが領域508の最下行に表示されるようにスクロールが行われる。図3(A)に示すユーザI/F画面では、動画が表示される表示領域とコメントが表示される表示領域とを各別個に設けたが、図3(B)に示すように、コメント表示領域508を設けず、入力タイミングにおいて動画表示領域502の右端から左端へスクロールするように各コメントを動画に重ね合わせて表示させても良く、また、図3(B)に示すコメントの表示態様と図3(A)に示すコメントの表示態様とを並存させても良い。
【0024】
ここで、再生中の動画に対して他のユーザから寄せられたコメントを表すコメントデータの取得は以下の要領で行われる。まず、動画のリアルタイム再生が行われている場合には、同じ動画のリアルタイム再生を行っている各動画再生装置10をノードとするソーシャルグラフに沿って各ユーザの入力したコメントの伝搬が行われる。ソーシャルグラフとは、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザをノードとするSNにおける情報の伝達方向を示す有向グラフのことである。例えば、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各ユーザが同じ動画をリアルタイムで視聴する場合には、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフを動画再生装置10−k(k=1〜4)に形成させるようにすれば良い。なお、同じ動画をリアルタイムで視聴する各ユーザの使用する動画再生装置10をノードとするソーシャルグラフをどのようにして形成するのかについては、種々の態様が考えられる。具体的には、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフが形成されるように各動画再生装置10に対してコメントの転送先を指示する処理を動画配信装置に実行させるようにすれば良い。
【0025】
これに対して、録画した動画の再生を行う場合には、制御部110は、再生を指示された動画に対するコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無をコメント管理装置20に問合せる。ここで、コメントデータとは、コメントを構成する文字列を表すテキストデータであり、タイムスタンプとは、動画の再生開始時点を時刻の起算点とした場合のコメントの入力タイミングを表すデータである。制御部110は、該当するコメントデータおよびタイムスタンプがコメント管理装置20に記憶されていた場合には、それらコメントデータおよびタイムスタンプを取得し、動画再生との同期をとりつつ、各コメントデータの表すコメントをそのコメントデータに対応するタイムスタンプの表す入力タイミングにおいて表示する処理を実行する。
【0026】
記憶部150は、図2に示すように、不揮発性記憶部152と揮発性記憶部154を含んでいる。不揮発性記憶部152は、例えばROM(Read Only Memory)などのデータの書き換えができない不揮発性メモリと、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only
Memory)などデータの書き換えが可能な不揮発性メモリとを含んでいる。前者の不揮発性メモリには、コメント共有支援プログラム152aが予め格納されている。一方、後者の不揮発性メモリには、コメント転送先アドレス152b、コメントアップロード先アドレス152c、およびローカルコメントデータベース152d、動画配信元アドレス152eが格納されている。
【0027】
動画配信元アドレスとは、動画データの送信元である動画配信装置(図1では図示略)の通信アドレス(IPアドレス)である。コメントアップロード先アドレスとは、コメントの記憶および管理を行う装置の通信アドレスである。本実施形態では、コメントアップロード先アドレス152cとしてコメント管理装置20のIP(Internet Protocol)アドレスが不揮発性記憶部152に格納されている。コメント転送先アドレスとは、図4(A)または図4(B)に示すソーシャルグラフにおいてコメントデータの転送先となる動画再生装置10の通信アドレス(IPアドレス)である。
【0028】
例えば、動画再生装置10−k(k=1〜4)に図4(A)に示すメッシュ型トポロジのソーシャルグラフを形成させる場合には、各動画再生装置10に各々3個ずつコメント転送先アドレスを記憶させておけば良い。具体的には、動画再生装置10−1には、動画再生装置10−2、10−3および10−4の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−2には、動画再生装置10−3、10−4および10−1の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−3には、動画再生装置10−1、10−2および10−4の各々の通信アドレスを、動画再生装置10−4には、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各々の通信アドレスを、コメント転送先アドレスとして夫々記憶させておけば良い。
【0029】
また、動画再生装置10−k(k=1〜4)に図4(B)に示すループ型トポロジのソーシャルグラフを形成させる場合には、各動画再生装置10に各々1個ずつコメント転送先アドレスを記憶させておけば良い。具体的には、動画再生装置10−1には動画再生装置10−2の通信アドレスを、動画再生装置10−2には動画再生装置10−3の通信アドレスを、動画再生装置10−3には動画再生装置10−4の通信アドレスを、動画再生装置10−4には動画再生装置10−1の通信アドレスを、コメント転送先アドレスとして夫々記憶させておけば良い。
【0030】
揮発性記憶部154は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。この揮発性記憶部154は、コメント共有支援プログラム152aを実行する際のワークエリアとして制御部110によって利用される。コメント共有支援プログラム152aは、図2に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理を制御部110に実行させるためのプログラムである。
【0031】
コメント書き込み処理は、ユーザI/F部140を介して入力されたコメントを表すコメントデータにその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けてローカルコメントデータベース152dに書き込む処理である。図5はローカルコメントデータベース152dのテーブルフォーマットの一例を示す図である。本実施形態のコメント書き込み処理では、制御部110は、記録再生部130による動画の再生開始を契機として計時を開始する。そして、制御部110は、ユーザI/F部140からコメントデータを受け取ると、当該コメントデータに、その入力タイミング(すなわち、動画の再生開始時点を起算点として計時された時間)を示すタイムスタンプと、記録再生部130により再生中の動画を一意に示す動画識別子と、を対応付けてローカルコメントデータベース152dに書き込む。なお、動画識別子としては、例えば動画データの名称やその動画データの表す番組の番組名などを表す文字列を用いるようにすれば良い。このコメント書き込み処理は、動画のリアルタイム再生を行う場合と、録画した動画の再生を行う場合の何れにおいても、再生中の動画に対してコメントが入力される毎に実行される。
【0032】
コメント共有制御処理の処理内容は、録画した動画の再生を行う場合と、動画のリアルタイム再生を行う場合とで異なる。録画した動画の再生を行う場合のコメント共有制御処理では、制御部110は、まず、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの配信を要求する旨の通信メッセージ(以下、コメント配信要求メッセージ)を生成し、このコメント配信要求メッセージにユーザにより再生を指示された動画の動画識別子を書き込んでコメントアップロード先アドレス152c宛に送信する。前述したように、本実施形態では、コメントアップロード先アドレス152cはコメント管理装置20の通信アドレスである。したがって、上記のようにして送信されたコメント配信要求メッセージはコメント管理装置20によって受信される。詳細については後述するが、コメント管理装置20はコメント配信要求メッセージを受信すると、そのコメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子の示す動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータおよびタイムスタンプを返信する処理を実行する。
【0033】
制御部110は、上記コメント配信要求メッセージに応じてコメント管理装置20から返信されてくるコメントデータおよびタイムスタンプを受信し、その受信が完了するまで動画の再生開始を延期する。そして、制御部110は、コメントデータおよびタイムスタンプの受信が完了すると動画の再生を開始し、上記タイムスタンプにしたがって動画の再生に同期するようにコメントデータの表すコメントの表示制御を行う。
【0034】
これに対して、動画のリアルタイム再生を行う場合のコメント共有制御処理では、制御部110は、ユーザI/F部140から引き渡されたコメントデータを、コメント転送先アドレス152bへ宛てて送信する。また、制御部110は、通信網30を介して送信されてくるコメントデータを通信I/F部120を介して受信すると、当該コメントデータの表すコメントをユーザI/F画面のコメント表示領域508に表示させる。なお、ループ型トポロジのソーシャルグラフ(図4(B)参照)を形成する態様においては、制御部110は、通信網30を介して受信したコメントデータの送信元とコメント転送先アドレス152bの示すコメント転送先とが一致しない場合に当該コメントデータを当該コメント転送先へ転送する処理を実行する。
【0035】
より詳細に説明すると、制御部110は、自装置のユーザにより入力されたコメントのコメントデータの送信を行う場合には、その送信元を示す送信元識別子として自装置の通信アドレスを付与して送信する。そして、制御部110は、通信網30を介して受信したコメントデータの転送を行う場合には、そのコメントデータとともに受信した送信元識別子とコメント転送先アドレス152bとが一致しない場合にのみその転送を行うのである。なお、不揮発性記憶部152に複数のコメント転送先アドレス152bが格納されている場合には、制御部110は、上記送信元識別子とは異なるコメント転送先アドレス152bに対してのみ、通信網30を介して受信したコメントデータの転送を行う。これは、ループ型トポロジのソーシャルグラフに沿ってコメントデータが際限なく転送され続けることを回避するためである。
【0036】
スケジューラ処理の処理内容も、録画した動画の再生が行われた場合とリアルタイム再生が行われた場合とで異なる。録画した動画の再生が行われた場合におけるスケジューラ処理では、制御部110は、動画の再生終了を契機として当該動画に対して自装置のユーザが入力したコメントを表すコメントデータ等をコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へアップロードする。より詳細に説明すると、制御部110は、動画の再生終了を契機として、コメントデータの記憶を要求する通信メッセージ(以下、コメント記憶要求メッセージ)に、ローカルコメントデータベース152dに格納されている動画識別子、コメントデータおよびタイムスタンプを書き込み、送信元識別子として自装置を一意に識別する端末識別子(本実施形態ではMACアドレス)を付与してコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へ送信する。
【0037】
これに対して、リアルタイム再生が行われた場合のスケジューラ処理では、制御部110は、同じ動画をリアルタイムで視聴した他のユーザの動画再生装置10とは重ならないように定められた送信タイミングにおいて、当該動画に対して自装置のユーザが入力したコメントを表すコメントデータ等をコメント管理装置20へアップロードする処理を実行する。より詳細に説明すると、制御部110−k(k=1〜4)の各々は、動画のリアルタイム再生が終了した時点から時間長T0の猶予期間が経過した時点を起算点とする時間長T1のアップロード期間内の時刻TA−kにおいて上記コメント記憶要求メッセージをコメントアップロード先アドレス152cの示す宛先へ送信する。なお、猶予期間の時間長T0およびアップロード期間の時間長T1については、同じ動画のリアルタイム再生を行った動画再生装置10の数に応じて定めるようにすれば良い。
【0038】
動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々についての送信タイミングTA−k(k=1〜4)は、以下の式(1)によって定められる。なお、式(1)のTT−k(k=1〜4)は、以下の式(3)にしたがって算出されるH−k(k=1〜4)を以下の式(2)に示す演算により[0、T1]の範囲の値に正規化して得られる値であり、式(3)のHash()は任意のハッシュ関数を表す。なお、式(2)右辺のHMAXは式(3)のハッシュ関数演算により算出される値の最大値である。
TA−k=番組終了時刻+T0+TT−k・・・(1)
TT−k=(T1/HMAX)×H−k・・・(2)
H−k=Hash(動画識別子、動画再生装置10−kの端末識別子)・・・(3)
【0039】
一般にハッシュ関数演算の引数が異なっていれば、そのハッシュ関数演算により得られた値も異なったものとなる。動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々の端末識別子(MACアドレス)は互いに異なっているのであるから、上記式(1)〜(3)の演算により得られる値TA−k(k=1〜4)は互いに異なった値となる。これにより、同じ動画のリアルタイム再生を行った各動画再生装置10がコメントデータ等を互いに重なり合わない送信タイミングにおいてコメント管理装置20へアップロードすることが保証されるのである。なお、本実施形態では、ハッシュ関数演算の引数として動画識別子と動画再生装置10の端末識別子とを用いたため、ある番組の動画をリアルタイム再生中の動画再生装置10に対して、他の番組へチャネルを切り換えることが指示され、当該他の番組に対するコメントの入力が行われた場合には、当初リアルタイム再生していた番組に対するコメントデータ等とチャネル切り換え後の番組に対するコメントデータ等は各々別個の送信タイミングにおいてコメント管理装置20へアップロードされる。本実施形態では、ハッシュ関数演算の引数として動画識別子と動画再生装置10の端末識別子とを用いたが、動画再生装置10の端末識別子のみを用いても勿論良い。
以上が動画再生装置10の構成である。
【0040】
次いで、コメント管理装置20について説明する。
コメント管理装置20は、動画再生装置10から送信されてくるコメント記憶要求メッセージを受信し、このコメント記憶要求メッセージに含まれているコメントデータとタイムスタンプとを対応付けて記憶する装置である。また、コメント管理装置20は、動画再生装置10から送信されてくるコメント配信要求メッセージを受信し、当該メッセージにより配信を要求されたコメントデータを記憶している場合には、当該コメントデータと、このコメントデータに対応するタイムスタンプとを返信する処理も実行する。
【0041】
図6は、コメント管理装置20の構成例を示す図である。
図6に示すようにコメント管理装置20は、制御部210、通信I/F部220、記憶部250、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス260を含んでいる。制御部210は、制御部110と同様にCPUであり、コメント管理装置20の制御中枢の役割を果たす。通信I/F部220は、通信I/F部120と同様にNICであり、通信網30から送信されてくるデータを受信して制御部210に引き渡す一方、制御部210から引き渡されるデータを通信網30へと送出する。
【0042】
記憶部250は、図6に示すように、不揮発性記憶部252と揮発性記憶部254とを含んでいる。不揮発性記憶部252は、不揮発性記憶部152と同様にデータの書き換えができない不揮発性メモリ(例えば、ROM)とデータの書き換えが可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROMやハードディスク)を含んでいる。前者の不揮発性メモリにはコメント管理プログラム252aが格納されている。一方、後者の不揮発性メモリにはユーザ認証テーブル252bとコメントデータベース252cが格納されている。揮発性記憶部254は、揮発性記憶部154と同様にRAMであり、コメント管理プログラム252aを実行する際のワークエリアとして制御部210によって利用される。
【0043】
ユーザ認証テーブル252bには、コメント管理装置20によって提供されるコメント共有サービスの利用を許可されているユーザを一意に識別するユーザ識別子と当該ユーザの使用する動画再生装置10の端末識別子(前述したように、本実施形態では、MACアドレス)が予め登録されている。このユーザ認証テーブル252bの格納内容は、コメント記憶要求メッセージまたはコメント配信要求メッセージを受信した場合に、その送信元に対してコメント共有サービスの利用が許可されているか否かを判定するユーザ認証の際に利用される。
【0044】
コメント管理プログラム252aは、ユーザ認証処理、コメント記憶処理およびコメント配信処理を制御部210に実行させるためのプログラムである。ユーザ認証処理では、制御部210は、前述したユーザ認証を行い、コメント共有サービスの利用が許可されているとの判定結果が得られた場合には要求された処理を実行する一方、許可されていないとの判定結果が得られた場合にはエラーメッセージを返信して当該要求を拒絶する。より詳細に説明すると、制御部210は、コメント記憶要求メッセージまたはコメント配信要求メッセージを受信すると、これらメッセージのヘッダ部に書き込まれているMACアドレスと同一の端末識別子がユーザ認証テーブル252bに登録されているか否かを判定する。そして、制御部210は、同一の端末識別子が登録されていた場合には、上記送信元に対してコメント共有サービスの利用が許可されていると判定し、逆に同一の端末識別子が登録されていない場合には、コメント共有サービスの利用は許可されていないと判定する。このユーザ認証処理は、コメント共有サービスの不正利用を防止するために実行される。
【0045】
コメント記憶処理は、コメント共有サービスの利用を許可されている送信元から送信されたコメント記憶要求メッセージを受信した場合に実行される処理である。このコメント記憶処理では、制御部210は、まず、上記メッセージの送信元識別子と同一の端末識別子に対応付けてユーザ認証テーブル252bに格納されているユーザ識別子を取得する。次いで、制御部210は、上記のようにして取得したユーザ識別子、上記メッセージに含まれている動画識別子、コメントデータ、およびタイムスタンプを互いに対応付けて図7に示すコメントデータベース252cに書き込む。なお、コメントデータベース252cにユーザ識別子、動画識別子、コメントデータ、およびタイムスタンプが既に登録されている場合には、制御部210は、これら登録済みのデータを上書きすることなく、新たなデータを追記する。
【0046】
コメント配信処理は、コメント共有サービスの利用を許可されている送信元から送信されたコメント配信要求メッセージを受信した場合に実行される処理である。このコメント配信処理では、制御部210は、上記メッセージに含まれている動画識別子と同一の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252cに格納されているユーザ識別子、コメントデータおよびタイムスタンプを全て読み出して上記メッセージの送信元へ返信する。
以上がコメント管理装置20の構成である。
【0047】
<B:動作>
以下、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各ユーザが同一の動画をリアルタイムで視聴する一方、動画再生装置10−4のユーザは当該動画を録画し、放送終了後に再生して視聴する場合を例にとって、動画再生装置10−k(k=1〜4)およびコメント管理装置20が実行する動作を説明する。なお、以下では、動画再生装置10−k(k=1〜4)の各々のユーザを「ユーザk」と表記する。これらユーザk(k=1〜4)の各々に対しては本実施形態の通信システムによるコメント共有サービスの利用が予め許可されており、ユーザkのユーザ識別子と動画再生装置10−kの端末識別子とが互いに対応付けられてコメント管理装置20のユーザ認証テーブル252bに予め登録されている。
【0048】
<B−1:動画のリアルタイム視聴を行う場合の動作>
制御部110−k(k=1〜3)の各々は、ユーザI/F部140−kを介して動画のリアルタイム再生を指示されると、当該動画の動画データを配信する動画配信装置にアクセスし、動画データの配信を要求する。制御部110−kは、動画配信装置から指示されたコメント転送先アドレスをコメント転送先アドレス152b−kとして不揮発性記憶部152−kに書き込み、ソーシャルグラフを形成する。
【0049】
本動作例では、動画データの配信の要求を受け付ける期間が予め定められており(例えば、配信開始前の10分間など)、動画配信装置は、当該期間において動画データの配信を受け付けた順番にしたがって、各動画再生装置10にコメントデータの転送先を指示する。具体的には、動画配信装置は、上記期間において最後に動画データの配信要求を行った動画再生装置10に対しては上記期間において最初に動画データの配信要求を行った動画再生装置10をコメントデータの転送先として指示する。そして、動画配信装置は、それ以外の動画画再生装置10に対しては、当該装置の直後に動画データの配信要求を行った動画再生装置10をコメントデータの転送先として指示するのである。
【0050】
このため、動画再生装置10−1、10−2および10−3の各々が上記期間内にこの順で動画データの配信要求を行うと、動画再生装置10−1に対しては動画再生装置10−2の通信アドレスが、動画再生装置10−2に対しては動画再生装置10−3の通信アドレスが、動画再生装置10−3に対しては動画再生装置10−1の通信アドレスが、夫々コメント転送先アドレスとして動画配信装置から指示され、図8に示すループ型トポロジのソーシャルグラフが形成される。つまり、本動作例では、動画配信装置による制御の下、不揮発性記憶部152−1にはコメント転送先アドレス152b−1として動画再生装置10−2の通信アドレスが格納される。同様に、不揮発性記憶部152−2にはコメント転送先アドレス152b−2として動画再生装置10−3の通信アドレスが格納され、不揮発性記憶部152−3にはコメント転送先アドレス152b−3として動画再生装置10−1の通信アドレスが格納される。
【0051】
図9の時刻TSにおいて動画配信装置からの動画データのストリーミング配信が開始されると、制御部110−kは通信I/F部120−kによって当該動画データを受信し、記録再生部130−kによる動画の再生を開始する。図9は、本動作例において動画再生装置10−k(k=1〜3)の各々とコメント管理装置20とが実行する通信の流れを示すシーケンス図である。なお、図9では、動画配信装置と動画再生装置10−k(k=1〜3)との間の動画データの通信シーケンスについては本願発明との関連が薄いため、描画が省略されている。
【0052】
図9に示すように、動画の再生開始から時間t01が経過した時点において、ユーザ1がユーザI/F部140−1を操作して番組に対するコメントAを入力すると、制御部110−1は、前述したコメント書き込み処理を実行し(SA100)、当該コメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとをローカルコメントデータベース152d−1に書き込む。次いで、制御部110−1は、前述したコメント共有制御処理を実行し(SA110)、上記コメントデータに自装置の通信アドレスを送信元識別子として付与してコメント転送先アドレス152b−1の示す宛先へ送信する(図9:MA12)。前述したように、本動作例では、コメント転送先アドレス152b−1は動画再生装置10−2の通信アドレスであるから、動画再生装置10−1から送信されたコメントデータおよび送信元識別子は動画再生装置10−2によって受信される。
【0053】
制御部110−2は、上記のようにしてコメントデータおよび送信元識別子を受信すると、前述したコメント共有制御処理を実行し(SA200)、当該コメントデータの表すコメントの表示を行うとともに、当該コメントデータおよび送信元識別子をコメント転送先アドレス152b−2の示す宛先(すなわち、動画再生装置10−3)へ転送する(図9:MA23)。ここで、動画再生装置10−2から動画再生装置10−3へのコメントデータおよび送信元識別子の転送が行われるのは、当該送信元識別子とコメント転送先アドレス152b−2とが一致しないからである。同様に制御部110−3も、動画再生装置10−2によって転送されたコメントデータと送信元識別子とを受信すると、コメント共有制御処理を実行する(SA300)。制御部110−3が実行するコメント共有制御処理では、受信したコメントデータの表すコメントの表示のみが行われる。これは、当該コメントデータとともに受信した送信元識別子とコメント転送先アドレス152b−3とが一致するためである。
【0054】
以上の動作により、動画の再生開始から時間t01が経過した時点においてユーザ1によって入力されたコメントAは動画再生装置10−2および10−3においても表示され、ユーザ2およびユーザ3は当該コメントAを、ほぼリアルタイムに(すなわち、通信による遅延の分だけコメントの入力時点から遅れた時刻に)閲覧することができるのである。以降、動画の再生開始から時間t02が経過した時点においてユーザ2がコメントBを入力すると、当該コメントBを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとがローカルコメントデータベース152d−2に書き込まれる。制御部110−2は、自装置の通信アドレスを送信元識別子として上記コメントBを表すコメントデータとともに動画再生装置10−3へ送信する(図9:MB23)。制御部110−3は、当該コメントデータおよび送信元識別子を受信すると、コメントデータの表すコメントの表示と、動画再生装置10−1への転送(図9:MB31)を行い、制御部110−1は、動画再生装置10−3から転送されたコメントデータの表すコメントの表示のみを行う。これにより、ユーザ3およびユーザ1は、動画の再生開始から時間t02が経過した時点においてユーザ2により入力されたコメントBを、ほぼリアルタイムに閲覧することができるのである。同様に、動画の再生開始から時間t03が経過した時点においてユーザ3がコメントCを入力すると、当該コメントCを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとがローカルコメントデータベース152d−3に書き込まれ、当該コメントデータは動画再生装置10−3から動画再生装置10−1へ送信され(図9:MC31)、さらに、動画再生装置10−1から動画再生装置10−2へ転送される(図9:MC12)。これにより、ユーザ1およびユーザ2は、動画の再生開始から時間t03が経過した時点においてユーザ3により入力されたコメントCを、ほぼリアルタイムに閲覧することができるのである。
【0055】
ここで注目すべき点は、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有は、コメント管理装置20を介さずに行われる、という点である。このように、コメント管理装置20を介さずに、同じ動画をリアルタイムで視聴しているユーザ間のコメントの共有が実現されるため、当該動画がスポーツ中継のような特定のタイミングにコメントの入力が集中する傾向のあるものであっても、コメント管理装置20に特段の負荷がかかることはない。
【0056】
そして、時刻TEにおいて動画の配信が終了すると、制御部110−k(k=1〜3)の各々は、動画再生を終了し、前述したスケジューリング処理を開始する(図9:ステップSB100、SB200およびSB300)。図9に示すように、制御部110−1は、アップロード期間内の時刻TA−1において、ローカルコメントデータベース152d−1の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージAAを生成し、コメントアップロード先アドレス152c−1宛に送信する。同様に、制御部110−2は、アップロード期間内の時刻TA−2(≠TA−1)において、ローカルコメントデータベース152d−2の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージBAを生成してコメントアップロード先アドレス152c−2宛に送信し、制御部110−3は、アップロード期間内の時刻TA−3(≠TA−1、≠TA−2)において、ローカルコメントデータベース152d−3の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージCAを生成し、コメントアップロード先アドレス152c−3宛に送信する。前述したように、コメントアップロード先アドレス152c−k(k=1〜3)は何れもコメント管理装置20の通信アドレスである。したがって、コメント記憶要求メッセージAA、BA、およびCAは何れもコメント管理装置20によって受信される。
【0057】
コメント管理装置20の制御部210は、コメント記憶要求メッセージAA、BAおよびCAの各々を受信するたびに前述したユーザ認証処理(図9では、図示略)を実行する。本動作例におけるユーザk(k=1〜3)は何れもコメント共有サービスの利用を許可されたものであるから、制御部210は、上記ユーザ認証処理に後続してコメント記憶処理(SS100、SS110およびSS120)を実行する。これにより、コメントデータベース252cには、ユーザ1が入力したコメントAを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプ、ユーザ2が入力したコメントBを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプ、およびユーザ3が入力したコメントCを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの各々に、その入力を行ったユーザを示すユーザ識別子とそれらユーザが視聴した動画を示す動画識別子が対応付けられて格納されるのである。
以上が動画をリアルタイムで視聴する場合の動作である。
【0058】
<B−2:録画した番組を視聴する場合の動作>
次いで、ユーザ4が、動画再生装置10−4に録画した動画の再生を行わせる場合に、動画再生装置10−4およびコメント管理装置20が実行する動作について説明する。
【0059】
図10に示すように、制御部110−4は、ユーザI/F部140−4を介して録画した動画の再生を指示されると、前述したコメント共有制御処理を実行する(SA400)。このコメント共有制御処理では、制御部110−4は、再生を指示された動画のリアルタイム放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータおよびその入力タイミングを表すタイムスタンプの配信を要求するコメント配信要求メッセージRCに当該動画の動画識別子を書き込んでコメントアップロード先アドレス152c−4宛てに(すなわち、コメント管理装置20へ宛てて)送信する。一方、コメント管理装置20の制御部210は、通信I/F部220を介してコメント配信要求メッセージRCを受信すると、前述したユーザ認証処理を実行する。ユーザ4は、コメント管理装置20によるコメント共有サービスの利用を許可された者であるから上記ユーザ認証は成功し、制御部210はコメント配信処理を実行する(SS400)。より詳細に説明すると、制御部210は、動画再生装置10−4から受信したコメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子と同一の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252bに格納されているコメントデータとタイムスタンプとを全て読み出し、同メッセージの送信元へ返信する(図10:DC)。
【0060】
制御部110−4は、上記のようにして返信されてくるコメントデータおよびタイムスタンプの受信を完了すると、動画の再生を開始(図10:SA410)するとともに、その再生に同期させてコメントデータの表すコメントを当該コメントデータに対応するタイムスタンプの表すタイミングにおいて表示する処理を実行する。これにより、動画の再生開始時点から時間t01が経過した時点においてはユーザ1により入力されたコメントAが、同時間t02が経過した時点においてはユーザ2により入力されたコメントBが、同時間t03が経過した時点においてはユーザ3により入力されたコメントCが夫々の入力タイミングにおいて表示される。これにより、ユーザ4は、上記動画をその放送の際にリアルタイムで視聴していた他のユーザにより寄せられたコメントを閲覧することができるのである。
【0061】
再生中の動画に対してユーザ4がコメントDを入力すると、前述したコメント書き込み処理のみが実行される(図10;SA420)。つまり、制御部110−4は、ユーザI/F部140−4を介して入力されたコメントを表すコメントデータに、当該動画の動画識別子およびその入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けてローカルコメントデータベース152d−4に書き込む。なお、本動作例において、他の動画再生装置へのコメントデータの転送が行われないのは、ユーザ4と同じ時刻に当該動画の録画再生を行っているユーザが他にいるとは限らないからである。
【0062】
そして、制御部110−4は、録画した動画の再生を終了すると、前述したスケジューラ処理を実行する(図10:SB400)。このスケジューラ処理では、制御部110−4は、前述した猶予期間T0の経過を待つことなく即座に、ローカルコメントデータベース154d−4の格納内容に基づいてコメント記憶要求メッセージDDを生成し、コメント管理装置20に送信する。一方、制御部210は、コメント記憶要求メッセージDDを受信すると、前述したユーザ認証処理を実行し、ユーザ認証に成功するとコメント記憶処理を実行する(SS410)。本動作例では、ユーザ4はコメント共有サービスの利用を許可されたユーザであるから、上記ユーザ認証は成功し、コメント記憶処理が実行される。これにより、録画した動画の再生中にユーザ4が入力したコメントDを表すコメントデータおよびその入力タイミングを表すタイムスタンプがコメントデータベース252cに追記されるのである。このため、ユーザ4が録画した動画の視聴を完了した後に、当該動画の録画再生を行うユーザが居る場合には、当該ユーザは、当該動画の動画識別子に対応付けてコメントデータベース252cに格納されているコメントデータおよびタイムスタンプをダウンロードし、これらデータにしたがったコメントの表示制御を動画再生装置に行わせることで、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3およびユーザ4の各々が入力したコメントを閲覧することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、動画をリアルタイム視聴する場合のコメントの共有に関しては、コメント管理装置20を介さずに実現される。このため、視聴対象の動画がスポーツ中継番組のように特定のタイミングにおいてコメントの書き込みが集中する傾向の動画であっても、当該動画の放送中にコメント管理装置20に対するコメントデータのアップロードが発生することはなく、コメント管理装置20に過剰な負荷がかかることはない。また、本実施形態では、動画をリアルタイム視聴したユーザから寄せられたコメントを当該動画を記録再生するユーザが共有することができるようにするために、動画のリアルタイム再生終了後に、当該動画に対してユーザが入力したコメントを表すコメントデータを動画再生装置10からコメント管理装置20にアップロードさせる。しかし、各動画再生装置10のアップロードタイミングは互いに重なり合わないように定められているため、当該コメントデータのアップロードにおいてコメント管理装置20に過剰な負荷がかかることもない。
【0064】
このように、本実施形態によれば、コメント管理装置に過大な負荷がかかることを回避しつつ、動画に対するコメントを視聴者に共有させることが可能になるのである。
【0065】
<C:変形>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態を以下のように変形しても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生中に寄せられたコメントについては当該動画の放送終了から猶予時間T0が経過した時点を起算点とするアップロード期間T1内にアップロードさせるようにした。しかし、このようにしてアップロードされた各コメントデータを当該アップロード期間T1の末尾から所定時間が経過した時点でコメントデータベース252cから削除する処理を制御部210に実行させても良い。ローカルコメントデータベース152d−k(k=1〜4)に格納されたコメントデータ等についても、同様に、所定のタイミングで制御部110−kに削除させるようにしても良い。例えば、リアルタイム再生された動画に対して入力されたコメントを表すコメントデータについては当該動画についてのアップロード期間の末尾から所定時間が経過した時点で削除するようにすれば良く、録画した動画の再生中に入力されたコメントを表すコメントデータについてはコメント管理装置20へのアップロード後、所定時間が経過した時点で削除するようにすれば良い。
【0066】
(2)上述した実施形態では、通信網30を介して配信される動画データにしたがって動画の再生を行う動画再生装置に本発明を適用し、当該動画再生装置をコメントの入出力を行うためのコメント入出力装置としても用いる場合について説明した。しかし、図2に示す動画再生装置10の構成から記録再生部130を除去して得られる構成の装置を、コメントの入出力、入力されたコメントのキャッシュ、およびキャッシュしたコメントを所定の送信タイミングにおいてコメント管理装置へアップロードするコメント入出力端末として提供しても良い。
【0067】
より詳細に説明すると、記憶手段と、通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、前記動画をリアルタイムで視聴しているユーザにより形成されるソーシャルネットワークに沿って他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段とを有することを特徴とするコメント入出力端末を提供するのである。そして、このようなコメント入出力端末をテレビ受像器やハードディスクレコーダと組み合わせ使用し、テレビ受像器やハードディスクレコーダには動画の再生を行わせる一方、上記コメント入出力端末には、コメントの入出力、入力されたコメントのキャッシュ、およびキャッシュしたコメントを所定の送信タイミングにおいてコメント管理装置へアップロードする処理を行わせるのである。これにより、上記テレビ受像器やハードディスクレコーダとコメント入出力端末との組み合わせを動画再生装置10として用いることができる。
【0068】
例えば、上記コメント入出力端末とテレビ受像器とを組み合わせて使用し、テレビ番組に対するコメントを各コメント入出力端末のユーザに入力させるようにすれば、テレビ番組のように電気通信回線網を介さずに提供される動画に対するコメントの共有を実現することができる。なお、テビ番組に対するコメントの共有を実現する場合には、コメント管理装置にソーシャルグラフを形成させる処理(すなわち、各コメント入出力端末に対してコメントデータの送信先を指示する処理)を実行させれば良い。各ユーザの視聴対象の動画がテレビ番組である場合、テレビ番組の放送網には、各コメント入出力端末との双方向通信が可能な動画配信装置は存在しないからである。
【0069】
(3)上述した実施形態では、録画した動画をその放送終了後に再生する場合には、その放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとをコメント管理装置20から取得し、当該動画の再生に同期させて当該コメントを表示するコメント共有制御処理を制御部110に実行させた。しかし、コメントデータのみを取得し、動画の再生とは同期させずにコメントの表示を行うようにしても良い。また、コメント管理装置20へのコメントデータのアップロードの際にタイムスタンプを送信しないようにしても良い。また、動画再生装置10に番組の録画機能を設けず、動画のリアルタイム再生のみを実行させるようにしても勿論良い。このように、動画再生装置10に動画のリアルタイム再生のみを実行させる態様の場合には、上記コメント共有制御処理およびスケジューラ処理として動画のリアルタイム再生における処理のみを制御部110に実行させるコメント共有支援プログラムをコメント共有支援プログラム152aに換えて不揮発性記憶部152に書き込んでおけば良い。
【0070】
(4)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生を行う場合のスケジューラ処理として、動画の再生終了後(動画の放送終了後)に、当該動画に対してユーザが入力したコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプとを一括してコメント管理装置20へアップロードする処理を制御部110に実行させた。しかし、図11(A)に示すように、動画の再生開始時点から所定の時間間隔T0(例えば、10分など)を開けて時間長T1のアップロード期間を複数設け、各アップロード期間においてコメントデータおよびタイムスタンプをコメント管理装置20へアップロードする処理をスケジューラ処理として制御部110に実行させるようにしても良い。
【0071】
また、コメント管理装置20からのコメントデータのダウンロードについても同様に、図11(B)に示すように、時間長T2のダウンロード期間を複数設け、複数回に分けてダウンロードを行うようにしても良い。図11(C)に示すように、図11(A)の態様と図11(B)の態様とを組み合わせ、アップロード期間とダウンロード期間とを交互に設けても良い。図11(C)に示す態様においては、各ダウンロード期間においては直前にアップロード期間においてアップロードされたコメントデータのみをダウンロードするのである。また、図11(C)に示すように、アップロード期間とダウンロード期間とを交互に設ける態様においては、アップロード期間およびダウンロード期間においてSN管理に関する通信メッセージをコメント管理装置20と動画再生装置10とに送受信させ、ソーシャルグラフを柔軟に構成し直すことができると期待される。例えば、リアルタイム放送中の動画を途中から視聴するユーザがいる場合に、当該ユーザの動画再生装置の通信アドレスを、当該動画を最初から視聴している各ユーザの動画再生装置に通知して新たなコメント転送先アドレスとして記憶させる。一方、動画を途中から視聴するユーザの動画再生装置には当該動画を最初から視聴している各ユーザの動画再生装置の通信アドレスを通知してコメント転送先アドレスとして記憶させる。これにより、動画を途中から視聴するユーザの動画再生装置を、当該動画を最初から視聴しているユーザの動画再生装置のソーシャルグラフに組み込むことができる。
【0072】
(5)上述した実施形態では、本発明の動画再生装置の特徴を顕著に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理をソフトウェアにより実現した。しかし、コメント書き込み処理を実行するコメント書き込み手段、コメント共有制御処理を実行するコメント共有制御手段、およびスケジューラ処理を実行するスケジューラ手段の各手段を電子回路で構成し、これら各手段と、ハードディスク等の記憶手段、他の動画再生装置10と通信網30を介してデータの送受信を行う通信手段、ユーザI/F手段、および動画の記録再生を行う記録再生手段を組み合わせて動画再生装置10を構成しても勿論良い。
【0073】
(6)上述した実施形態では、録画した動画を再生する際には、当該動画の放送中に寄せられたコメントを表すコメントデータを全てダウンロードする場合について説明した。しかし、これらコメントデータのうち特定の条件(年齢や性別など)を満たすユーザから寄せられたコメントデータのみをダウンロードし、これらコメントデータの表すコメントのみを表示するようにしても良い。このようなことは、以下のようにして実現される。まず、コメント管理装置20の不揮発性記憶部252に、コメント共有サービスの利用を許可されている各ユーザのユーザ識別子に対応付けて当該ユーザの個人情報(年齢、性別など)を表すパーソナルデータを格納した個人情報テーブルを予め格納しておく。一方、動画再生装置10の制御部110には、録画した動画の再生を指示された場合に、どのようなユーザから寄せられたコメントを表示対象とするのかを表す条件(ユーザの年齢層や性別)を自装置のユーザに指定させ、当該条件を表す条件データを追記したコメント配信要求メッセージを送信させる。コメント管理装置20の制御部210は、コメント配信要求メッセージに書き込まれている条件データの表す条件を満たすユーザのユーザ識別子を上記個人情報テーブルを参照して読み出し、当該ユーザ識別子と上記コメント配信要求メッセージに書き込まれている動画識別子とに対応付けられているコメントデータおよびタイムスタンプを読み出して上記コメント配信要求メッセージの送信元へ返信する。これにより、特定の条件を満たすユーザから寄せられたコメントデータのみをダウンロードし、これらコメントデータの表すコメントのみを表示することが実現される。
【0074】
(7)上述した実施形態では、動画のリアルタイム再生中に他の動画再生装置10から受信したコメントデータの表すコメント、或いは録画した動画の再生を行う場合にはコメント管理装置20からダウンロードしたコメントデータの表すコメントを無条件に表示した。しかし、これらコメントのうち、特定のユーザにより入力されたコメントを表示しないようにしても勿論良い。コメント共有サービスを利用するユーザのなかには、他者の不快感を煽るようなコメントを敢えて書き込む者もおり、このような者から寄せられたコメントを表示しないようにするためである。例えば、ユーザI/F部140が、液晶ディスプレイの表示面に透明なシート状の感圧センサを貼り付けたタッチパネルである場合には、不快なコメントが領域508に表示された場合には、当該コメントをユーザにタップさせる。制御部110は、上記のようにしてタップされたコメントの送信元を特定し、以後、当該送信元から送信されたコメントについては表示対象から除外するのである。なお、動画のリアルタイム再生を行っている場合には、コメントデータの送信元の通信アドレスを参照して表示対象から除外するコメントを特定すれば良く、録画した動画の再生中であれば、コメントデータとともにコメント管理装置20から受信したユーザ識別子を参照して表示対象から除外するコメントを特定すれば良い。
【0075】
(8)上述した実施形態では、録画した動画の再生中にコメントの入力が行われた場合には、コメント書き込み処理のみを実行し、当該コメントを表すコメントデータの転送は行わなかった。しかし、同一の動画を録画し、当該動画の再生を略同じ時刻に行うユーザによるSNが形成される場合には、録画した動画の再生中に入力されたコメントに関しても、そのSNにおけるソーシャルグラフに沿って転送するようにしても勿論良い。
【0076】
(9)上述した実施形態では、本発明の動画再生装置の特徴を顕著に示すコメント書き込み処理、コメント共有制御処理、およびスケジューラ処理を制御部110に実行させるためのコメント共有支援プログラム152aが不揮発性記憶部152に予め格納されていた。しかし、上記コメント共有支援プログラム152aを例えばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。このようにして配布されるコメント共有プログラムにしたがって一般的なコンピュータ装置を作動させることで、そのコンピュータ装置をコメント入出力端末として機能させることが可能になるからである。
【符号の説明】
【0077】
10−k(k=1〜4)…動画再生装置、20…コメント管理装置、30…通信網、110,210…制御部、120,220…通信I/F部、130…記録再生部、140…ユーザI/F部、150,250…記憶部、152,252…不揮発性記憶部、152a…コメント共有支援プログラム、152b…コメント転送先アドレス、152c…コメントアップロード先アドレス、152d…ローカルコメントデータベース、252a…コメント管理プログラム、252b…ユーザ認証テーブル、252c…コメントデータベース、154,254…揮発性記憶部、160,260…バス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々ユーザによって視聴中の動画に対するコメントが入力される複数のコメント入出力端末と、動画に対するコメントを表すコメントデータを記憶するコメント管理装置と、を含み、
前記複数のコメント入出力端末の各々は、
ユーザによって入力されたコメントを表すコメントデータを記憶するとともに、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のコメント入出力端末へ送信する一方、当該ソーシャルネットワークに沿って他のコメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを通信網を介して受信した場合には当該コメントデータの表すコメントを表示し、前記記憶したコメントデータを他のユーザのコメント入出力端末とは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて前記コメント管理装置へ送信し、
前記コメント管理装置は、各コメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを記憶する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記送信タイミングは、動画の先頭から一定周期で到来する所定時間長のアップロード期間、または動画の末尾から所定時間が経過した時点を起算点とする所定時間長のアップロード期間において互いに重なり合わないようコメント入出力端末毎に予め定められていることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数のコメント入出力端末の各々には端末毎に一意の識別子が予め割り当てられており、前記送信タイミングは、当該識別子を引数とする所定のハッシュ関数演算を行って得られる値に基づいて定められていることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数のコメント入出力端末の各々は、
ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータを前記ソーシャルネットワークに沿って1または複数の他のコメント入出力端末へ送信する際に、当該コメントデータの送信元を示す送信元識別子として自装置を示す識別子を付与して送信し、
前記通信網を介して受信したコメントデータにその送信元を示す送信元識別子が付与されていた場合には、前記予め定められた1または複数の他のコメント入出力端末の各々について当該コメントデータとともに受信した送信元識別子の示すコメント入出力端末と一致するか否かを判定し、一致しないと判定されたコメント入出力端末に対してのみ当該コメントデータおよび送信元識別子を転送する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記複数のコメント入出力端末の少なくとも1つは、動画を再生する動画再生機能を有しており、当該動画再生機能により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記動画再生機能を有するコメント入出力端末は、動画を録画する録画機能をさらに有しており、当該録画機能によって録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントの有無を前記コメント管理装置に問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータにしたがってコメントを表示し、
前記コメント管理装置は、
前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じて当該問い合わせに係るコメントデータを記憶しているか否かを判定し、記憶している場合には該当するコメントデータを返信する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータに当該コメントの入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する一方、前記コメント管理装置へコメントデータをアップロードする際には、当該タイムスタンプをコメントデータとともに前記コメント管理装置へアップロードし、
前記コメント管理装置は、前記複数のコメント入出力端末の各々からアップロードされたコメントデータとタイムスタンプとを互いに対応付けて記憶する一方、前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じてコメントデータを返信する際には、コメントデータとともに当該コメントデータに対応するタイムスタンプを返信し、
前記録画機能を有するコメント入出力端末は、前記録画機能により録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無を前記コメント管理装置へ問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータの表すコメントを当該コメントデータとともに返信されてくるタイムスタンプにしたがって当該動画の再生に同期させつつ表示する処理を実行する
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
動画再生手段と、
記憶手段と、
通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、
前記動画再生手段により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させる入力手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段と、
を有することを特徴とする動画再生装置。
【請求項9】
記憶手段と、
通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、
動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段と、
を有することを特徴とするコメント入出力端末。
【請求項1】
各々ユーザによって視聴中の動画に対するコメントが入力される複数のコメント入出力端末と、動画に対するコメントを表すコメントデータを記憶するコメント管理装置と、を含み、
前記複数のコメント入出力端末の各々は、
ユーザによって入力されたコメントを表すコメントデータを記憶するとともに、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のコメント入出力端末へ送信する一方、当該ソーシャルネットワークに沿って他のコメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを通信網を介して受信した場合には当該コメントデータの表すコメントを表示し、前記記憶したコメントデータを他のユーザのコメント入出力端末とは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて前記コメント管理装置へ送信し、
前記コメント管理装置は、各コメント入出力端末から送信されてくるコメントデータを記憶する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記送信タイミングは、動画の先頭から一定周期で到来する所定時間長のアップロード期間、または動画の末尾から所定時間が経過した時点を起算点とする所定時間長のアップロード期間において互いに重なり合わないようコメント入出力端末毎に予め定められていることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数のコメント入出力端末の各々には端末毎に一意の識別子が予め割り当てられており、前記送信タイミングは、当該識別子を引数とする所定のハッシュ関数演算を行って得られる値に基づいて定められていることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数のコメント入出力端末の各々は、
ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータを前記ソーシャルネットワークに沿って1または複数の他のコメント入出力端末へ送信する際に、当該コメントデータの送信元を示す送信元識別子として自装置を示す識別子を付与して送信し、
前記通信網を介して受信したコメントデータにその送信元を示す送信元識別子が付与されていた場合には、前記予め定められた1または複数の他のコメント入出力端末の各々について当該コメントデータとともに受信した送信元識別子の示すコメント入出力端末と一致するか否かを判定し、一致しないと判定されたコメント入出力端末に対してのみ当該コメントデータおよび送信元識別子を転送する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記複数のコメント入出力端末の少なくとも1つは、動画を再生する動画再生機能を有しており、当該動画再生機能により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記動画再生機能を有するコメント入出力端末は、動画を録画する録画機能をさらに有しており、当該録画機能によって録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントの有無を前記コメント管理装置に問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータにしたがってコメントを表示し、
前記コメント管理装置は、
前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じて当該問い合わせに係るコメントデータを記憶しているか否かを判定し、記憶している場合には該当するコメントデータを返信する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記複数のコメント入出力端末の各々は、ユーザにより入力されたコメントを表すコメントデータに当該コメントの入力タイミングを表すタイムスタンプを対応付けて記憶する一方、前記コメント管理装置へコメントデータをアップロードする際には、当該タイムスタンプをコメントデータとともに前記コメント管理装置へアップロードし、
前記コメント管理装置は、前記複数のコメント入出力端末の各々からアップロードされたコメントデータとタイムスタンプとを互いに対応付けて記憶する一方、前記複数のコメント入出力端末の各々からの問合せに応じてコメントデータを返信する際には、コメントデータとともに当該コメントデータに対応するタイムスタンプを返信し、
前記録画機能を有するコメント入出力端末は、前記録画機能により録画した動画の再生を指示された場合には、当該動画に対して寄せられたコメントを表すコメントデータとその入力タイミングを表すタイムスタンプの有無を前記コメント管理装置へ問合せ、前記コメント管理装置から返信されてくるコメントデータの表すコメントを当該コメントデータとともに返信されてくるタイムスタンプにしたがって当該動画の再生に同期させつつ表示する処理を実行する
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
動画再生手段と、
記憶手段と、
通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、
前記動画再生手段により再生中の動画に対するコメントをユーザに入力させる入力手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段と、
を有することを特徴とする動画再生装置。
【請求項9】
記憶手段と、
通信網を介して他の装置とデータの送受信を行う通信手段と、
動画を視聴中のユーザに当該動画に対するコメントを入力させる入力手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを前記記憶手段に書き込むコメント書き込み手段と、
前記入力手段により入力されたコメントを表すコメントデータを、同じ動画を視聴中の各ユーザをノードとするソーシャルネットワークに沿って1または複数の予め定められた他のユーザ宛に送信するように前記通信手段を制御する一方、当該ソーシャルネットワークに属する他のユーザのコメントを表すコメントデータを前記通信手段によって受信した場合には当該受信したコメントデータの表すコメントの表示が行われるように表示制御を行うコメント共有制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているコメントデータを他のユーザとは重ならないように予め定められた送信タイミングにおいて、動画に対して寄せられるコメントを表すコメントデータの記憶および管理を行うコメント管理装置へアップロードするように前記通信手段を制御するスケジューラ手段と、
を有することを特徴とするコメント入出力端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−175221(P2012−175221A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32971(P2011−32971)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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