説明

通信端末装置、通信端末装置を含むメールシステム、通信端末装置におけるメール送信方法及びコンピュータプログラム

【課題】通信端末装置が一度に複数の宛先に対してメールを送信する場合、宛先毎に異なる内容のメールを送信する通信端末装置におけるメール送信方法を提供する。
【解決手段】複数の端末装置に対してメールを送信する通信端末装置1がメール本文及び編集記号を付されたメール送信文書を内容とするメール文章から編集記号に基づきメール文章を分割して第1記憶エリア11に登録するステップと、メール本文及びメール送信文書の一方又はその組合せを表す送信文書種別を複数の宛先毎に設定し宛先毎の送信文書種別を第2記憶エリア12に書込むステップと、宛先毎の送信文書種別に基づきメール本文及びメール送信文書の一方又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し宛先毎のメッセージを第3記憶エリア13に書込むステップと、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各端末装置の宛先へ一斉送信するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、通信端末装置を含むメールシステム、通信端末装置におけるメール送信方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末装置がメールを複数の宛先に対して一斉に送信する場合、これらのメールの文章は実質的に同じである。通信端末装置を用いて複数の宛先に対して異なる内容のメールを送信するためには、ユーザは宛先毎に文章を作成して個別にメールを送信する必要がある。
【0003】
従来、複数の配信先のメンバーに送信する場合であっても、メッセージの一部を変更して送信することができる電子メールシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の電子メールシステム用のアプリケーションプログラムは、題名や本文のメッセージ情報の作成に際して、エディタがメッセージ中に差込フィールドのマークを入れてメッセージを作成する。エディタはウインドウ内にある差込フィールドを選択し、題名または本文入力欄の任意の場所に差込フィールドのマークを記入するようにしている。
【特許文献1】特開平11−88423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、本文入力欄に付加されるメッセージは定型文、即ち予め作成された文書であり、定型のメッセージのみが送信されるものである。宛先の数が複数である場合、ユーザは数回に分けてメールを送信しなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、通信端末装置が複数の宛先に対してメールを送信する場合、宛先毎に異なる内容のメールを一度に送信することが可能な通信端末装置、通信端末装置を含むメールシステム、通信端末装置におけるメール送信方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、本発明の請求項1によれば、複数の記憶エリアを有する記憶部と、メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章を入力されて、この編集記号に基づいてこのメール文章を分割し、これらのメール本文及びメール送信文書を前記記憶部の第1記憶エリアに登録する分割登録部と、これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を複数の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込む宛先管理部と、この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込む編集処理部と、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールをこれらの宛先へ一斉送信するメール送信部と、を備えたことを特徴とする通信端末装置が提供される。
【0007】
また、本発明の請求項2によれば、メールを送信する第1通信端末装置と、それぞれネットワークを介してこの第1通信端末装置からのメールを受信する複数の第2通信端末装置とを備え、前記第1通信端末装置は、複数の記憶エリアを有する記憶部と、メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章を入力されて、この編集記号に基づいてこのメール文章を分割し、これらのメール本文及びメール送信文書を前記記憶部の第1記憶エリアに登録する分割登録部と、これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の第2通信端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込む宛先管理部と、この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込む編集処理部と、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各第2通信端末装置へ一斉送信するメール送信部と、を備えたことを特徴とする通信端末装置を含むメールシステムが提供される。
【0008】
また、本発明の請求項4によれば、ネットワークを介して接続された複数の端末装置に対してメールを送信する通信端末装置におけるメール送信方法であって、メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章から、この編集記号に基づきこのメール文章を分割してこれらのメール本文及びメール送信文書を、複数の記憶エリアを有する記憶部の第1記憶エリアに登録するステップと、これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込むステップと、この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込むステップと、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各端末装置へ一斉送信するステップと、を備えたことを特徴とする通信端末装置におけるメール送信方法が提供される。
【0009】
また、本発明の請求項5によれば、ネットワークを介して接続された複数の端末装置に対してメールを送信する通信端末装置のコンピュータに、メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章から、この編集記号に基づきこのメール文章を分割してこれらのメール本文及びメール送信文書を、複数の記憶エリアを有する記憶部の第1記憶エリアに登録するステップと、これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込むステップと、この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込むステップと、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各端末装置へ一斉送信するステップと、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メール本文とメール送信文書とのうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成することができ、この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールをこれらの宛先へ一斉送信することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る通信端末装置、通信端末装置を含むメールシステム、通信端末装置におけるメール送信方法及びコンピュータプログラムについて、図1乃至図9を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る通信端末装置は、メール送受信用のソフトウェアであるメーラをインストールされた通信端末装置である。本発明の一実施形態に係る通信端末装置を含むメールシステムは、メールを送信する通信端末装置と、それぞれが通信回線及びメールサーバを介してこの送信側の通信端末装置からのメールを受信する複数の受信側の通信端末装置とを備えた電子メールシステムである。メールの送信側の通信端末装置と、これらのメールの受信側の複数の通信端末装置とにはいずれも本実施形態に係る通信端末装置が用いられている。本発明の一実施形態に係る通信端末装置におけるメール送信方法は、メーラが実行可能にされた通信端末装置におけるメールの送信方法である。
【0013】
送信側の通信端末装置及び受信側の通信端末装置は、いずれも、文字や記号及び文字列や記号列を含む文書を作成する機能と、この文書にアドレスを付与してメール送信を行う機能と、メールの受信処理を行う機能と、受信メールの内容を表示装置に表示させる機能とを有する。
【0014】
これらの通信端末装置は、携帯電話端末やPHS(Personal Handyphone System)端末、モバイルパソコンなどの移動端末、又は主として据置型の端末として使われるデスクトップパソコンである。各通信端末装置が移動端末である場合、これらの通信端末装置は、無線信号を受信及び復調し情報データを出力する受信手段と、メール送信される送信文書を変調し無線信号を送信する送信手段とを有する。各通信端末装置がデスクトップパソコンである場合、これらの通信端末装置は、ネットワークを介して受信したデータ信号を受信処理して情報データを出力する受信手段と、メール送信される送信文書を送信処理してネットワークへ送信する送信手段とを有する。
【0015】
図1は本実施形態に係る通信端末装置の機能ブロック図である。通信端末装置1は、図示しない送信手段及び受信手段との間でデータを送受可能にされてこの通信端末装置1の各部を統括制御する主制御部2と、メールの読み書き処理を行うメール処理部3とを有する。主制御部2はCPU、ROM、RAMからなり、通信端末装置1内で実行されるプログラムの全体を管理する処理を行う。メール処理部3はこのプログラム全体のうちのメール処理プログラムであり、このプログラムはROMあるいはハードディスク等の記憶媒体によって実現されている。
【0016】
メール処理部3は、受信した情報データからメールデータを取り出す処理と、文字列及びこの文字列の間に挿入される記号列からなる1つの送信文書(メール文章)を読み込む処理と、複数の宛先についてそれぞれ、この送信文書の全文書領域のうちの記号列によって区切られた各文書領域の送信又は非送信を判別し、この判別結果に基づいて宛先毎に送信メッセージを編集し、この送信メッセージを内容とするメールを予めユーザが登録した全ての宛先に対して一斉に送信する処理とを行えるようにされている。
【0017】
ユーザが通信端末装置1に対して送信文書を作成する際、ユーザは仮名、漢字、英数字などの文字列の間に、===[1S]===、===[1E]===などの記号列(以下、編集記号と呼ぶ。)を挿入するようにして入力を行う。メール処理部3は、送信文書を入力された後、宛先毎に異なるメッセージを作成する処理を行うようユーザから指令されると、編集記号によって区切られた文あるいは文章を取り出して登録するようにしている。
【0018】
メール処理部3は、複数の送信相手に対して一斉にメールを送信する前に、この編集記号を解読することにより、送信文書の全文書領域を複数の文書領域に分割し、これらの文書領域内の文をRAM上に登録しておき、これらの分割しておいた文書領域内の各文を複数の宛先に応じて選択して送信内容の文書エリアを組み立てるといった編集処理を行うようにしている。メール処理部3は、この編集処理を行ったメッセージを複数の宛先に一度にメール送信することによって、複数の送信相手に対してメール内容を区別して送信するようにしている。
【0019】
通信端末装置1は、表示装置4と、この表示装置4の表示処理の全体を管理する表示管理部5と、この表示管理部5に表示されるデータを記憶する表示メモリ6と、通話キー7及びテンキーその他のキー8からなりこれらのキーをユーザが操作して入力された文字や記号のデータを主制御部2へ送る操作部9とを有する。表示装置4は液晶ディスプレイ装置である。表示管理部5はデバイスドライバである。表示メモリ6には表示用RAMが用いられる。操作部9は各キーと、キー操作全体の管理を行うデバイスドライバとからなる。
【0020】
この通信端末装置1では、表示装置4に表示される案内にしたがってユーザがテンキーその他のキー8などを用いて文字列や編集記号からなる送信文書を作成し、メール処理部3はこの送信文書及び編集記号を読み込む。
【0021】
図2はユーザが作成する送信文書の一例を示す図であり、同図にはこの送信文書の文書領域の全領域が示されている。「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」はメール文章としての送信文書のメール本文である。===[1S]===は、全文書領域のうちの第1の文書領域の開始位置を示す編集記号である。「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」はこの第1の文書領域内に挿入される文(以下、メール送信文書01と呼ぶ。)である。===[1E]===は第1の文書領域の終了位置を示す編集記号である。また、===[2S]===は、全文書領域のうちの第2の文書領域の開始位置を示す編集記号である。「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。宜しくお願いします。」はこの第2の文書領域内に挿入される文(以下、メール送信文書02と呼ぶ。)である。===[2E]===は、第2の文書領域の終了位置を示す編集記号である。
【0022】
これらの文及び編集記号をユーザが入力し終えてキー操作を行うと、メール処理部3は、編集記号を解読して、同じ1つの送信文書から宛先毎にメッセージを作成あるいは編集を行うようにしている。
【0023】
通信端末装置1は、入力された送信文書のデータから送信直前の送信形式データへ変換する処理を行うためのRAM10を有する。メール処理部3は、このRAM10の記憶エリアに、元の送信文書を複数の文に分割した後送信文書の本文を展開するための記憶エリアと、メール送信文書01を展開するための記憶エリアと、メール送信文書02を展開するための記憶エリアとを割り当てて、これらの本文、メール送信文書01及び02を、割り当てたRAM10上の各記憶エリアに書込み登録するようにしている。
【0024】
また、メール処理部3が表示管理部5へ指令を行うことにより、この表示管理部5が送信種別(送信文書種別)の入力をユーザに促す画面を表示装置4に表示するようにされている。送信種別とは例えば「10」、「11」、「12」、「01」又は「02」といった2桁の数字で表されている。これらの数字の持つ意味は予めメール処理部3に記憶されている。
【0025】
操作部9を介してユーザからメール処理部3に対して送信種別を指定することにより、メール処理部3は、メール送信される1つの送信文書の全文書領域のうち、本文だけ、本文及びメール送信文書01、本文及びメール送信文書02、メール送信文書01だけ、又はメール送信文書02だけといった所望の文を選択し、送信される文書エリアの組立てを行えるようにされている。
【0026】
RAM10は、本文、メール送信文書01及び02を含む送信文書と、一斉送信される際の複数のメールの宛先と、これらの宛先に応じた編集処理により生成されて、本文、メール送信文書01及び02のうちのいずれか1種又は2種以上の文を含む宛先毎のメッセージと、これらの宛先毎のメッセージをメールの内容とし、件名などを付加された状態の送信形式の送信文書とを記憶する各記憶エリアを有する。具体的には、RAM10は以下に述べる4つの記憶用あるいは管理用のエリア11〜14を有する。
【0027】
送信文書記憶エリア11には、ユーザによって作成あるいは入力された送信文書が記憶される。この送信文書は、メール本文、メール送信文書01及び02の3つに分割されて、それぞれが送信文書記憶エリア11に書込み登録されている。
【0028】
メール宛先管理エリア12には、一斉送信時の複数の宛先と、これらの宛先毎にユーザが区別して設定した送信種別との対応関係を表す情報が記憶されている。
【0029】
図3はメール宛先管理エリア12内に記憶される対応関係の一例を示す図である。複数の宛先アドレスと送信種別とが例えばテーブル15によって対応付けられている。送信種別の1番目の桁はメール本文をメール送信するかどうかを表すための桁である。この第1の桁が0であることは本文をメール送信しないことを表し、この第1の桁が1であることはこの本文をメール送信することを表す。2番目の桁は、メール送信文書01、02をどこまでメール送信するかを表すための桁である。この第2の桁が0であることはメール送信文書01、02のいずれもメール送信しないことを表す。第2の桁が1であることはメール送信文書01を送ることを表す。第2の桁が2であることはメール送信文書01及びメール送信文書02を送ることを表す。
【0030】
このテーブル15の情報は、メール処理部3が、分割しておいたメール本文、メール送信文書01及び02を複数の宛先に応じて選択して組立て処理を行う編集処理を行うときに、このメール処理部3によって読み出されるようにされている。このテーブル15はメール処理部3によって作成される。テーブル15は、ユーザが送信文書を入力し終えた後、画面案内にしたがってユーザが送信種別を入力した後に作成される。
【0031】
図1のメール本文管理エリア13は宛先毎にメッセージを記憶する。メール宛先管理エリア12に記憶された複数の宛先と、これらの宛先毎の送信種別と、送信文書記憶エリア11に分割登録された本文、メール送信文書01及びメール送信文書02とから、メール処理部3が宛先毎のメッセージを生成し、このメッセージをメール本文管理エリア13に書込む。
【0032】
メール宛先エリア毎修正送信文書記憶エリア14には、宛先毎のメッセージから編集記号が取り除かれた状態の送信形式にされたメッセージが記憶される。
【0033】
更に通信端末装置1は、図示しない受信手段からの受信メールを記憶する受信メール記憶部16と、この受信メール記憶部16に記憶された文書から、編集記号の内容によってこの文書を作成し直す処理を行う受信メール処理部17とを備えている。この受信メール処理部17の機能はメーラにより実現されている。
【0034】
上述の構成の通信端末装置1が複数の宛先にメールを一斉送信する際のメール処理部3の処理の手順について説明する。
【0035】
図4は複数アドレス宛にメールを一斉に送信する際のメール処理部3の処理の手順を説明するためのフローチャートである。ステップS1において、メール処理部3は、操作部9を介してユーザ入力された宛先アドレスを読み込む。この際、メール処理部3は送信相手先毎に送信種別を付加して、これらの宛先アドレス及び送信種別をRAM10に書込む。
【0036】
メール処理部3は送信種別を例えば次の(1)〜(5)に分けて管理している。
【0037】
(1)送信種別「10」では本文のみが送信されるものとする。ここで、デフォルトの送信種別の値は「10」にされている。本文のみを送信する場合にはメール処理部3は送信種別の2桁目を設定する必要はない。
【0038】
(2)送信種別「01」とすることでメール送信文書01のみを送信する。
【0039】
(3)送信種別「11」とすることで本文にメール送信文書01を付加して送信する。
【0040】
(4)送信種別「02」とすることでメール送信文書02のみを送信する。
【0041】
(5)送信種別「12」とすることで本文にメール送信文書02を付加して送信する。
【0042】
ユーザは通信端末装置1に複数のアドレスを登録する。アドレス登録の際にはユーザは送信種別情報も登録する。メール処理部3はアドレスが入力された後、表示処理部5に対して表示の指令を行う。表示処理部5は、例えば「送信種別を入力して下さい。」という画面を表示装置4に表示させる。ユーザはこの内容にしたがって送信種別を入力する。これにより、送信相手先毎に送信種別が付加される。ユーザは通信端末装置1に件名を登録する。
【0043】
「送信種別を入力して下さい。」という画面に対して、ユーザが入力操作を行わずにリターンキー操作を行った場合、メール処理部3は、送信種別の登録処理を行わず、送信文書を作成する処理だけを行う。
【0044】
次に、ステップS2において、ユーザはメール文書を作成する。この際、連絡する事項や人数などの必要に応じて1S、1Eや2S、2Eなど編集記号付きの文を入力する。メール処理部3はテキスト及びこのテキスト間に挿入された編集記号の全てを読み込む。
【0045】
図5はメール内容が分割登録された状態のRAM10の記憶エリアの一例を説明するための図である。尚、同図の記憶エリアの割当て位置は適宜変更されている。図5では送信種別「12」の例が示されている。
【0046】
メール処理部3は、送信先管理エリア(メール宛先管理エリア12)に、送信先相手のアドレスと、アドレス毎の送信種別「01」〜「xx」(xxは2桁を表す。)とを登録する。
【0047】
メール処理部3は、送信文書記憶エリア11に、共通のメール本文の内容を書込む。メール本文を送信する場合、送信種別は1x(xは0又は1を表す。)である。メール処理部3による本文の書込み処理は既存のメール方式による処理と同じである。
【0048】
メール処理部3は、送信文書記憶エリア11に、送信種別「01」の相手用に、メール送信文書01の内容を登録する。処理中の文がメール送信文書01であるかどうかをメール処理部3が判断する方法としては、ユーザ操作によって画面切替えを行い、メール本文、メール送信文書01、メール送信文書02などと順番に登録しておく方法を用いることができる。
【0049】
処理中の文がメール送信文書01であるかどうかをメール処理部3が判断する別の方法としては、メール処理部3が文書内容を検索し、文書中に===[1S]===改行などが存在しているかどうかをチェックする方法が用いられる。文書内容の検索やチェックには例えばテキストサーチ手法が用いられる。メール処理部3が[1S]という記号を検出することによって、メール処理部3はこの文がメール送信文書01の始まりであると判断する。文書中に、===[1E]===改行が存在していることをメール処理部3が検出した場合、メール処理部3は、メール送信文書01の終了位置を検出する。
【0050】
引き続き、メール処理部3は、送信文書記憶エリア11に、送信種別「02」の相手用に、メール送信文書02の内容を登録する。処理中の文がメール送信文書02であるかどうかを判断するために、メール処理部3は、ユーザによる画面切替えの操作の順番にしたがって登録する方法や、あるいは、文書中に、===[2S]===改行や、===[2E]===改行を検出する方法を用いる。
【0051】
図4のステップS3において、ユーザはメールの送信操作を行う。ステップS4において、メール処理部3は、送信種別が「10」であるかどうかを判定する。送信種別が「10」であるとメール処理部3が判定した場合、yルートを通り、ステップS5において、メール処理部3は、「2007年2月22日…お越し下さい。」という本文を送信文書記憶エリア11から取り出す。
【0052】
ステップS6において、メール処理部3は、本文だけを内容とするメールを送信種別「10」の相手アドレスへ送信するよう送信手段へ指令する。また、メール処理部3は、宛先毎に送信記録を作成する。
【0053】
ステップS4において、メール処理部3は送信種別が「10」ではないと判定した場合、Noルートを通り、ステップS7において、メール送信相手が送信種別「11」であるかどうかを判別する。送信種別が「11」であるとメール処理部3が判定した場合、ステップS7でyルートを通り、ステップS8において、メール処理部3は、本文をメール本文管理エリア13に書込み、「2007年2月22日…お越し下さい。」というメール送信文書01をこの本文に追加してメール本文管理エリア13に書込む。
【0054】
ステップS9において、メール処理部3は、これらの本文及びメール送信文書01を内容とするメールを、送信種別「11」の相手アドレスへメールを送信するよう送信手段へ指令する。メール処理部3は、宛先毎に送信記録を作成する。
【0055】
ステップS7において、メール処理部3は送信種別が「11」ではないと判定した場合、Noルートを通り、ステップS10において、メール処理部3は、メール送信相手が送信種別「01」であるかどうかを判別する。送信種別が「01」であるとメール処理部3が判定した場合、yルートを通り、ステップS11において、メール処理部3は、メール送信文書01を送信文書記憶エリア11から取り出して、これをメール本文管理エリア13へ書込む。
【0056】
ステップS12において、メール処理部3は、送信種別「01」の相手アドレスへ、メール送信文書01を内容とするメールを送信するよう送信手段へ指令を行う。メール処理部3は、宛先毎に送信記録を作成する。
【0057】
ステップS10においてメール送信相手が送信種別「01」ではないとメール処理部3が判別した場合、Noルートを通り、ステップS13の処理を行う。このステップS13では、メール処理部3はステップS4からステップS12までの処理を送信種別毎に繰返す処理を行う。送信種別毎に繰返される処理も、送信種別「10」、「11」、「01」の処理と同様である。
【0058】
実際に複数のメールをユーザが作成している際の具体例を図6に示す。宛先アドレスaaa@bb.cc、ddd@ee.ff、ggg@hh.ii、及びjjj@kk.ll宛の文書例が同図には示されている。メール処理部3は、ユーザにより挿入された編集記号と、ユーザにより入力された宛先アドレスとを解読する。メール処理部3は、この宛先アドレスに対応する送信種別をメール宛先管理エリア12のテーブル15から読み出して、送信文書記憶エリア11に分割登録されている本文、メール送信文書01及びメール送信文書02の3つの中から、本文、メール送信文書01及び02の3つとも取り出してこれらからメッセージを組み立てる。
【0059】
メール処理部3は、入力された宛先アドレスがddd@ee.ffであると判定すると、メール宛先管理エリア12から、このddd@ee.ffの送信種別が「12」であることを読み込む。メール処理部3は、メール本文管理エリア13に、本文「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」と、編集記号が付いたままのメール送信文書01「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」と、編集記号が付いたままのメール送信文書02「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。宜しくお願いします。」とを書込む。これらの本文と、編集記号付きのメール送信文書01及び02とによって宛先アドレスddd@ee.ff用のメッセージが構成される。
【0060】
宛先アドレスggg@ee.ff用のメッセージも宛先アドレスddd@ee.ff用のメッセージと同じである。宛先アドレスaaa@bb.cc用のメッセージは、本文及びメール送信文書01からなる。宛先アドレスjjj@kk.ll用のメッセージは、メール送信文書02だけからなる。宛先アドレスmmm1@nn.oo用のメッセージ及びmmm2@nn.oo用のメッセージは本文だけからなる。宛先アドレスppp@qq.rr用のメッセージは、メール送信文書01だけからなる。
【0061】
メール処理部3は、宛先毎に生成したメッセージを、送信種別毎に振り分ける。これらの内容は、aaa@bb.cc、ddd@ee.ff、ggg@hh.ii及びjjj@kk.llを含む各アドレスに宛てて一斉に送信される。
【0062】
図6の例からメール処理部3が送信種別「12」の部分を解読し、送信種別「12」用に作成したメッセージの例を図7に示す。図7は送信種別が「12」である場合のアドレス及びメッセージエリアを示す図である。
【0063】
この内容を含むメールを受信したアドレスddd@ee.ffを持つ通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」、「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。宜しくお願いします。」の3つの文が表示される。
【0064】
一斉送信されたメールを受信したアドレスggg@ee.ffを持つ通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」、「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。」の3つの文が表示される。
【0065】
一斉送信されたメールを受信したアドレスaaa@bb.ccを持つ通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」の2つが表示される。一斉送信されたメールを受信したアドレスjjj@kk.llを持つ通信端末装置には、「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。」だけが表示される。
【0066】
一斉送信されたメールを受信したアドレスmmm1@nn.oo及びmmm2@nn.ooの各通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」だけが表示される。一斉送信されたメールを受信したアドレスppp@qq.rrの通信端末装置には、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」だけが表示される。
【0067】
このように、本実施形態に係る通信端末装置1では、送り先毎に付加された送信種別を用いることによって、ユーザの1回のメール送信操作で、複数の宛先に対してそれぞれ違った文章を送ることができるようになる。
【0068】
メールの一斉送信を行った者は、メールを一度に送信するだけで、送信相手別に異なる事項をこれらの複数の送信相手に対して送ることができるようになる。送信相手別にメール文章を作成してからメールを送信するといった手間を省くことができる。
【0069】
複数の送信相手毎に送信すべき文章を、複数の文章のセットによって組み立てられるようにしておき、送信時に、メール処理部3が、これらの文章のうち、必要な事項を伝えるために必要な文だけを取り出して、この取り出した文だけを、作業エリアに書込むため、通信端末装置1では、ユーザは複数の宛先に応じてメールを1つずつ作成する労力が不要となる。
【0070】
また、メール処理部3は、編集記号を解読することによって、送信文書の全文書領域のうちのどこからどこまでの内容を送るかを制御することができるようになる。
【0071】
また、ユーザがメールを入力する際に、通信端末装置1が「送信種別を入力して下さい」という内容を画面に表示し、送信種別を登録して宛先毎に特化させた内容をメール送信する機能を使うかどうかをユーザに選択させている。ユーザがこの機能を使わないと判断してリターンキーを押下することにより、この通信端末装置1は通常のメール送信も行える。従って、ユーザは、宛先毎に特化した内容を送る機能を、通常のメーラの持つ機能に付加的に加えられた機能として利用することができるようになる。
【0072】
また、RAM10上に送信文書を分割登録し、宛先毎のメッセージを作成する各処理のステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを、移動型通信端末装置あるいは固定型通信端末装置を構成するハードウェア装置にインストールすることによって、上述した効果と同じ効果を得ることができるようになる。
【0073】
また、このコンピュータプログラムを、記録媒体に書込むことによって、この記録媒体の持ち運びや頒布が可能になり、このコンピュータプログラムを端末にインストールすることによって、通信端末装置1によって得られた効果と同じ効果をこのインストールされた端末を用いて得ることができるようになる。
【0074】
このようにして、通信端末装置1、通信端末装置1を含むメールシステム、メール送信方法及びコンピュータプログラムによれば、送信側が伝える内容のうち必要な内容あるいは項目を、異なる複数の送信相手に対して、カスタマイズして送信することができ、かつ各送信相手への送信を一回の送信操作によって行うことができるようになる。
【0075】
これらの通信端末装置1、メールシステム、方法及びプログラムによれば、これまで数回に分けて送信しなければいけなかったメールを同時に複数相手に送信することが可能となる。また、複数相手に送るメールの操作手順も簡単にすばやく送れるようになる。
【0076】
従来、複数の相手に対してそれぞれ異なる内容のメールを送るためには、送信者は、1つずつメールを作成しなければならなかった。本実施形態に係る通信端末装置1では、通信端末装置1が同じ文章を作っておき、種々の編集記号を作ることによって、別の内容を一度に送ることができるようになる。複数回かかっていた作業を1回で済ませることができるようになる。複数各個人宛に違うメッセージを送ることは時間をかければできることであるが、この通信端末装置1によれば、異なるメッセージを一度に送ることができるようになる。
【0077】
(変形例)
本発明の実施の形態に係る通信端末装置は、複数の送信相手に対し送信内容をカスタマイズして送る機能に加えて、これらの送信相手のうちの特定の相手に対してのみ情報を付加して送るようにもできる。本実施形態の変形例に係る通信端末装置1Aは特定の相手に対してのみ情報を付加して送る機能を有する。通信端末装置1Aの構成は上記実施形態に係る通信端末装置1の構成と同じである。この変形例に係るメールシステムは、特定相手に対してのみ情報を付加して送る機能を有する送信側の通信端末装置と、この情報を解読する機能を有する複数の受信側の通信端末装置とを備えて構成されている。
【0078】
メール処理部3が付加的な情報をメッセージ中に挿入した例を図8に示す。図8はメール本文管理エリア13に記憶されるメッセージの一例を示す図である。通信端末装置1Aでは、操作者が、例えば宛先アドレスddd@ee.ffに対して「3次会へも参加ください。17時より&&屋です。」という内容を連絡する場合、この操作者の操作指令によって、メール処理部3が、メール送信文書02の文書領域中に、===[1S]===などの編集記号とは別の編集記号+++[ddd@ee.ff S]+++と、+++[ddd@ee.ff E]+++とを挿入するようにしている。
【0079】
+++[ddd@ee.ff S]+++は、宛先ddd@ee.ffを持つ通信端末装置の表示装置4にだけ表示させる文の開始位置を示す編集記号(以下、この編集記号を宛先付き編集記号と呼ぶ。)である。+++[ddd@ee.ff E]+++は、宛先ddd@ee.ffを持つ通信端末装置の表示装置4にだけ表示させる文の終了位置を示す宛先付き編集記号である。これらの宛先付き編集記号を構成する+++[S]+++や+++[E]+++といった記号列は、予め通信端末装置1AのROMに記録されている。
【0080】
メール処理部3は、これらの宛先付き編集記号をROMから読み出して、+++[S]+++の“[”と“S”との間に特定相手の宛先アドレスを挿入し、+++[ddd@ee.ff S]+++を、作業エリアであるメール本文管理エリア13のメッセージに挿入するようにしている。同様に、メール処理部3は+++[E]+++をROMから読み出して、“[”と“E”との間に特定相手の宛先アドレスを挿入し、+++[ddd@ee.ff E]+++を、メール本文管理エリア13のメッセージに挿入する。
【0081】
これらの宛先付き編集記号をメール処理部3がメッセージ中に挿入するタイミングは、メール処理部3がRAM10にメール送信される送信文書を分割して登録した後である。
【0082】
一例として、この送信文書の分割登録処理をメール処理部3が完了すると、メール処理部3は表示処理部5に対して表示の指令を行う。表示処理部5は表示装置4に、「特定の相手に対してのみ表示させる文を入力しますか?」という内容を表示する。この表示内容に対して、ユーザが特定の相手に対してのみ送りたい文を発案した場合、ユーザはキー操作を行う。これによって、メール処理部3はこの特定の相手に対する文の入力画面を表示装置4に表示させるよう表示処理部5に指令する。
【0083】
このような構成のこの変形例に係る通信端末装置1Aに対してユーザが送信文書を作成入力する。メール処理部3は宛先アドレスを入力された後、表示処理部5に対して表示指令を行い、表示処理部5は、「送信種別を入力して下さい。」という画面を表示装置4に表示させる。この画面に対して、ユーザが入力操作を行わずにリターンキーを押下した場合、メール処理部3は、送信種別の登録処理を行わず、送信文書を作成するだけの処理を行う。
【0084】
また、「送信種別を入力して下さい。」という画面に対して、ユーザが送信種別を入力した場合、メール処理部3は送信文書を分割登録する処理を行う。この処理によって、メール本文管理エリア13に宛先毎のメッセージが生成される。
【0085】
また、メール処理部3は、メール内容を分割登録する処理を終えると、画面上に、特定の相手に対してのみ表示させる文を入力するかどうかを尋ねる内容を表示させる。特定の相手に対して通知する内容がない場合、ユーザはリターンキーを押下する。この場合、メール処理部3は、先に入力した送信種別に従って宛先毎に特化した内容のメッセージをメール送信する。
【0086】
また、メール処理部3は、特定の相手に対してのみ表示させる文を入力するかどうかを尋ねる内容を画面表示させたときに、ユーザから、特定の相手に対して通知する内容を、操作キーによって入力された場合、メール処理部3は、メール本文管理エリア13に記憶された複数の宛先毎のメッセージのうちの特定の送信相手用のメッセージの中に情報を付加的に書込む。
【0087】
図9は追加情報を埋め込まれた状態の送信形式に変換されたメール送信文書の一例を示す図である。各宛先へのメッセージから編集記号を取り除く修正処理が行われた後の宛先アドレスddd@ee.ff及びggg@ee.ff宛の送信内容が示されている。同図には宛先の送信種別が「12」である場合の例が示されている。宛先アドレスddd@ee.ffの送信種別と、宛先アドレスggg@ee.ffの送信種別とは同じであるが、メール処理部3は、宛先アドレスddd@ee.ffに対してのみ、「3次会へも参加ください。17時より&&屋です。」という付加情報を挿入する。メール処理部3はこれに件名などを書込む処理を行ってから、同図のメール送信文書をRAM10内の送信バッファに書込む。この後、一斉にメール送信が行われる。
【0088】
この内容を含むメールを受信したアドレスddd@ee.ffを持つ受信側通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」、「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。宜しくお願いします。」、及び「3次会へも参加ください。」の4つの文が表示される。
【0089】
この内容を含むメールを受信したアドレスggg@ee.ffを持つ受信側通信端末装置には、「2007年2月22日 ○○ホテル10階 ○○の間で10時までにお越し下さい。」、「ご親族の方は9:45までに&&の間にお越し下さい。」、及び「2次会への参加をお願いします。15時より%%屋にて会費¥3500です。宜しくお願いします。」の3つの文が表示される。
【0090】
このように、通信端末装置1Aが+++[ddd@ee.ff S]+++及び+++[ddd@ee.ff E]+++を送信メッセージ中に挿入することによって、これらの宛先付き編集記号の間の領域にある文を付加的な情報として、複数の他の通信端末装置に対して送信することができる。通信端末装置1Aが、受信側の通信端末装置に対し、付加情報を表示する、又はこの情報を表示しないに関する設定を行えるようになる。
【0091】
また、この変形例に係るメールシステムでは、受信側の通信端末装置が、宛先付き編集記号で区切られた文書領域の文の表示又は非表示を切替え設定可能にしておくこともできる。受信側の通信端末装置が付加情報を表示するという設定を行うことによって、受信側の通信端末装置のメール処理部3は、受信メールの中に、宛先付き編集記号の有無を検索する。
【0092】
例えばアドレスddd@ee.ffを有する通信端末装置のメール処理部3は、受信メールの文書中に+++[ddd@ee.ff S]+++及び+++[ddd@ee.ff E]+++の記号が含まれているかどうかをチェックする。これらの記号が含まれていることをメール処理部3が検出することにより、アドレスddd@ee.ffを有する通信端末装置は、付加情報を取り出すことができるようになる。一方、上記に当てはまらない場合は受信側で表示をOFFする機能を持たせることができる。
【0093】
このようにして、本変形例に係るメールシステムによれば、送信側の通信端末装置1Aは、複数の送信相手に対して異なる内容のメールを一斉に送信することができるとともに、これらの送信相手のうちの特定の送信相手に対しては更に付加情報をメールに付加することができるようになる。受信側の複数の通信端末装置には実際に受けた内容から必要な内容だけを抜粋する機能が与えられる。
【0094】
受信側の複数の通信端末装置は、一斉送信されたメールを受信することができるとともに、自分宛に付加情報がこのメールに含まれている場合、この付加情報を表示することができるようになる。この付加情報を受信側の各通信端末装置における表示のオン又はオフは、送信側の通信端末装置1A及び受信側の通信端末装置の双方が設定することができる。
【0095】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記の実施形態では、送信種別の桁数や各桁が表す内容などは種々変更可能である。編集記号の記号列の表し方も種々変更可能である。文書領域の数も3領域以上に区切ることができる。この場合、ユーザは===[3S]===改行、===[3E]===改行、===[4S]===改行、===[4E]===改行などの記号列を繰返して記述する。
【0096】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信端末装置の機能ブロック図である。
【図2】ユーザが作成する送信文書の一例を示す図である。
【図3】メール宛先管理エリア内に記憶される対応関係の一例を示す図である。
【図4】複数アドレス宛にメールを一斉に送信する際のメール処理部の処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】メール内容が分割登録された状態の記憶部の記憶エリアの一例を説明するための図である。
【図6】作成中の送信文書のデータイメージの一例を示す図である。
【図7】送信種別が「12」である場合のアドレス及びメッセージエリアを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の変形例に係る通信端末装置のメール本文管理エリアに記憶されるメッセージの一例を示す図である。
【図9】追加情報を埋め込まれた状態の送信形式に変換されたメール送信文書の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1,1A…通信端末装置、2…主制御部、3…メール処理部、4…表示装置、5…表示処理部、6…表示メモリ、7…通話キー、8…テンキーその他のキー、9…操作部、10…RAM(記憶部)、11…送信文書記憶エリア(第1記憶エリア)、12…メール宛先管理エリア(第2記憶エリア)、13…メール本文管理エリア(第3記憶エリア)、14…メール宛先エリア毎修正送信文書記憶エリア、15…テーブル、16…受信メール記憶部、17…受信メール処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶エリアを有する記憶部と、
メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章を入力されて、この編集記号に基づいてこのメール文章を分割し、これらのメール本文及びメール送信文書を前記記憶部の第1記憶エリアに登録する分割登録部と、
これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を複数の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込む宛先管理部と、
この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込む編集処理部と、
この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールをこれらの宛先へ一斉送信するメール送信部と、を備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
メールを送信する第1通信端末装置と、
それぞれネットワークを介してこの第1通信端末装置からのメールを受信する複数の第2通信端末装置とを備え、
前記第1通信端末装置は、
複数の記憶エリアを有する記憶部と、
メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章を入力されて、この編集記号に基づいてこのメール文章を分割し、これらのメール本文及びメール送信文書を前記記憶部の第1記憶エリアに登録する分割登録部と、
これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の第2通信端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込む宛先管理部と、
この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込む編集処理部と、
この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各第2通信端末装置へ一斉送信するメール送信部と、を備えたことを特徴とする通信端末装置を含むメールシステム。
【請求項3】
前記第1通信端末装置は、
前記編集処理部が、前記複数の第2通信端末装置のうちの特定の第2通信端末装置へ宛てたメッセージの中に、この特定の第2通信端末装置宛の付加文書と、この付加文書の文書領域を区切る宛先付き編集記号とを挿入するように構成されて、
前記複数の第2通信端末装置は、
メッセージと、このメッセージ内の付加文書と、この付加文書の文書領域を区切る宛先付き編集記号とを含むメールを受信するメール受信部と、
このメールのメッセージ内に含まれる前記宛先付き編集記号に基づいてこのメッセージ内の付加文書が自端末装置宛の付加文書であるかどうかを判定し、この判定の結果が肯定的である場合、前記メールのメッセージ内の付加文書を表示装置に表示させる受信メール処理部と、を備えたことを特徴とする請求項2記載の通信端末装置を含むメールシステム。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された複数の端末装置に対してメールを送信する通信端末装置におけるメール送信方法であって、
メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章から、この編集記号に基づきこのメール文章を分割してこれらのメール本文及びメール送信文書を、複数の記憶エリアを有する記憶部の第1記憶エリアに登録するステップと、
これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込むステップと、
この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込むステップと、
この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各端末装置へ一斉送信するステップと、を備えたことを特徴とする通信端末装置におけるメール送信方法。
【請求項5】
ネットワークを介して接続された複数の端末装置に対してメールを送信する通信端末装置のコンピュータに、
メール本文と、文書領域を区切る編集記号を付されたメール送信文書とを内容とするメール文章から、この編集記号に基づきこのメール文章を分割してこれらのメール本文及びメール送信文書を、複数の記憶エリアを有する記憶部の第1記憶エリアに登録するステップと、
これらのメール本文及びメール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せを表す送信文書種別を前記複数の端末装置の宛先毎に設定し、宛先毎の送信文書種別を前記記憶部の第2記憶エリアに書込むステップと、
この宛先毎の送信文書種別に基づいて、前記第1記憶エリアに登録された前記メール本文及び前記メール送信文書のうちのいずれか一つ又はその組合せからなるメッセージを宛先毎に生成し、宛先毎のメッセージを前記記憶部の第3記憶エリアに書込むステップと、
この宛先毎のメッセージを送信内容とするメールを各端末装置へ一斉送信するステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−230681(P2009−230681A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78230(P2008−78230)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(390010308)東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 (192)