説明

通信装置、通信装置の制御方法、携帯情報端末、携帯情報端末の制御方法、及びプログラム

【課題】 通信装置と携帯情報端末が通信している間に、携帯情報端末の振動機能が稼動し、通信装置と携帯除法端末が正常に通信できなくなることを防ぐ。
【解決手段】 着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末と通信部を介して無線で通信する通信手段と、
前記通信手段によって前記携帯情報端末と通信している場合に、前記携帯情報端末の前記振動機能を無効にする制御手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置の制御方法、携帯情報端末、携帯情報端末の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置間で高速に通信を行うための技術がある。例えば、特許文献1の技術を、携帯電話のような携帯情報端末に適用すれば、携帯情報端末は、自装置に格納されたデータを、高速に通信装置に送信することができる。
また、特許文献1の技術によれば、通信を行う装置間の距離を、数cm程度(例えば、3cm程度)の短い距離に設定することで、他の無線通信と干渉することなくデータの近距離通信が行うことができる。
ユーザは、当該技術が搭載された携帯情報端末が備える、近距離通信用のアンテナを、通信装置が備える通信台上の、通信装置が備えるアンテナの近傍(3cm以内)に載置する。それによって、携帯情報端末と通信装置の通信が開始され、携帯情報端末に格納されたデータは、通信装置に送信される。
また、従来の携帯情報端末は、振動機能を有するものがある。例えば、携帯情報端末が携帯電話である場合、携帯電話が着信やメール受信を検知したことに応じて、振動部を振動させることによって、ユーザに、着信やメール受信を検知したことを通知する。それによって、ユーザは着信があったこと、または携帯情報端末がメールを受信したことを容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−99236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の携帯情報端末が、通信台に載置され、通信装置と通信する際に、当該振動機能が働き、携帯情報端末が通信装置のアンテナの位置とずれてしまうことがあった。その結果、携帯情報端末と通信装置が通信できなくなってしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、通信装置と携帯情報端末が通信している間に、携帯情報端末の振動機能が稼動し、通信装置と携帯除法端末が正常に通信できなくなることを防ぐ仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の携帯情報端末は以下に示す構成を備える。
着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末と通信部を介して無線で通信する通信手段と、通信手段によって携帯情報端末と通信している場合に、携帯情報端末の振動機能を無効にする制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通信装置と携帯情報端末が通信している間に、携帯情報端末の振動機能が稼動し、通信装置と携帯除法端末が正常に通信できなくなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態を示すデータ通信システムの構成を説明する図である。
【図2】携帯情報端末の外部構成を説明するための斜視図である。
【図3】無線通信装置の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図4】携帯情報端末の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図5】本実施形態を示す通信装置の構成を説明するブロック図である。
【図6】本実施形態の通信装置のデータ通信処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の通信装置のデータ通信処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の通信装置のデータ通信処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の通信装置のデータ通信処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示すデータ通信システムの構成を説明する図である。本例は、情報処理装置、画像形成装置、無線通信装置がネットワークを介して有線で接続され、無線通信装置と携帯情報端末101とが無線で接続されるシステム例に対応する。
【0009】
図1において、101は無線通信機能を備えた携帯情報端末であり、携帯情報端末101の内部構成については後述する。本実施形態では、携帯情報端末が、第一の無線通信機能である近距離無線通信機能と、第二の無線通信機能である公衆回線通信機能との、2つの無線通信機能備える携帯電話であるとして説明を行う。しかし、携帯情報端末はこれに限定するものではない。例えば、第一の無線通信機能である近距離無線通信機能と、第二の無線通信機能であるBluetooth通信機能を備えた、PDA(Personal Digital Assistance)等であってもよい。また、それ以外に、無線通信機能を備える携帯可能なPC(Personal computer)であってもよい。。
【0010】
102は、無線通信装置であり、操作部103と、表示部104とを備える。表示部104の下には、不図示の近距離無線通信機能のための通信部(アンテナ)を有する。105は、表示部104上に設けられたアンテナの位置を示すマークで、マーク105の直下に近距離無線通信機能のためのアンテナを有する。マーク105は、携帯情報端末101が備えるアンテナ位置が載置される位置を示すもので、ユーザは、このマーク105を手がかりとして、携帯情報端末101を表示部104上に載置する。
【0011】
また、無線通信装置102の表示部104は、携帯情報端末のための置き場所として使用され、ユーザは、携帯情報端末101を表示部104上に置くことで、携帯情報端末101内のデータを無線通信装置102に送信する。なお、無線通信装置102から、携帯情報端末101にデータを送信することもできる。更に、無線通信装置102は、ネットワーク106と接続され、ネットワーク106に接続された他の機器とデータの送受信を行う。無線通信装置102の構成については、後述する。これらの構成を用いて、無線通信装置102は、通信部を介して受信したデータを、無線通信装置の記憶部に格納し、プリンタ108や、データサーバ107に送信する。
【0012】
107はデータサーバであり、内部に不図示のハードディスクドライブを備え、ネットワーク106と接続される。データサーバ107は、ネットワーク106を介して画像データ等の様々なデータを受信し、内部のハードディスクドライブに格納可能である。108はプリンタであり、ネットワーク106に接続され、受信したデータをプリントする。例えば、プリンタ108は、無線通信装置102からデータをプリントする。また、プリンタ108は、ネットワーク106に接続される他の機器(クライアントPC等)からの受信したデータをプリントすることもできる。プリントのタイミングは、データを受信したことに応じて自動的に行ってもよく、データを受信した後、無線通信装置102の操作部305、あるいはプリンタ108の操作部からプリントの指示があった場合に、行ってもよい。なお、プリンタに代えて、複数の機能を有する複合機、例えばMFP(Multi Function Peripheral)で構成されていてもよい。なお、無線通信装置102と、プリンタ108は、同一の装置であってもよい。また、無線通信装置102とデータサーバ107と、プリンタ108が同一の装置であってもよい。
【0013】
図2は、図1に示した携帯情報端末101の外部構成を説明するための斜視図である。
図2において、201は、携帯情報端末101が備える近距離無線通信用アンテナである。ユーザは、携帯情報端末101を無線通信装置102が備える表示部104のマーク105に沿って置き、かつ、近距離無線通信用アンテナ201を、マーク105に近接させる。これにより、携帯情報端末101が備える不図示の無線通信部を用いて、携帯情報端末101は、無線通信装置102との間で近距離無線通信を行う。
【0014】
本実施形態における近距離無線通信用アンテナ201は、携帯情報端末101の外部に明示的に出る形態で設けられているが、その実装方式はこれに限定するものではない。即ち、近距離無線通信用アンテナ201を携帯情報端末101の内部に実装し、携帯情報端末101の外部にその位置を示すマークを記すような形態を取っても良い。
202は、携帯情報端末101が備える公衆回線通信用アンテナであり、公衆回線を通じた音声通話やメールの送受信に用いられる。本実施形態における、公衆回線通信用アンテナ202も外部に設けられているが、上述した近距離無線通信用アンテナ201同様、これに限定するものではく、携帯情報端末101の内部に実装する形態を取っても良い。
【0015】
図3は、図1に示した無線通信装置102の内部構成を説明するためのブロック図である。
図3において、CPU(Central Processing Unit)301は、システムバス302に接続され、装置全体の動作について統括的な制御を行う。CPU301は、同じくシステムバス302に接続されるROM(Read only memory)303から読込んだプログラムに基づき、システムバス302に接続される他の装置の制御や、演算処理等を行う。
【0016】
RAM(Random Access memory)304は、CPU301の動作実行で必要となる一時的な作業メモリ領域や、画像データの処理に係る一時的なデータ保持領域として使用される。
操作部305は、複数のボタンキーを備え、ユーザが装置をするための操作コマンド入力を受け付ける。表示部306は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成され、装置の動作状態の表示や、ユーザへの操作指示の表示等を行う。
【0017】
また、本実施形態に係る近距離無線通信を行う際の携帯情報端末置き場としても使用される。
LANインターフェース307は、ネットワーク106に接続され、ネットワーク106に接続された機器間で所定のネットワークプロトコルを介してデータの送受信を行う。無線通信部308は、本実施形態に係る近距離無線通信の通信部を備え、同じく携帯情報端末101が備える同方式の無線通信部との間で無線通信を行う。無線通信部308の内部構成は、後述する。
【0018】
図4は、図1に示した携帯情報端末101の内部構成を説明するためのブロック図である。
図4において、CPU401は、システムバス402に接続され、装置全体の動作について統括的な制御を行う。CPU401は、同じくシステムバス402に接続されるROM403から読込んだプログラムに基づき、システムバス402に接続される他の装置の制御や、演算処理等を行う。
【0019】
RAM404は、CPU401の動作実行で必要となる一時的な作業メモリ領域や、内部処理に係る一時的なデータやユーザが行う各種設定の保持領域として使用される。
操作部405は、複数のボタンキーを有し、ユーザが装置をするための操作コマンドを入力する。表示部406は、例えば、LCDから構成され、装置の動作状態の表示や、ユーザへの操作指示の表示を行う。
近距離無線通信部407は、本実施形態に係る近距離無線通信を行う。例えば、近距離無線通信部407は、無線通信装置102が備える無線通信部との間で無線通信を行う。近距離無線通信部407の内部構成は、後述する。
近距離無線通信状態検出部408は、本実施形態に係る近距離無線通信の実行状態の検出、および、管理を行う。ここで、近距離無線通信状態としては、通信開始前のアイドル状態、通信対象機器を探す検索状態、通信対象機器と接続され通信が行われる接続状態、通信終了を示す終了状態等があり、近距離無線通信部407の動作を検出し、通信状態を保持する。また、通信状態は、例えば、近距離無線通信状態検出部408の内部レジスタ値として保持されており、CPU401から読み出すことができる。近距離無線通信状態検出部408は、送信すべき画像データの送信が終了した際に、通信対象機器と接続され通信が行われる接続状態から、通信終了を示す終了状態に移行する。また、CPU401は、通信終了を示す信号を、通信相手の装置である無線通信装置102に送信する。
【0020】
公衆無線通信部409は、前述した近距離無線通信とは異なる無線通信部である。当該公衆無線通信部409は、それぞれ不図示のPLL(Phase Lock Loop)シンセサイザ、送受信回路、通信モデム等を備え、携帯情報端末101の公衆回線に係る無線通信で使用する周波数帯における電波の送受信を行う。
即ち、PLLシンセサイザは、ROM403から読み込んだプログラムに基づき、CPU401により設定される周波数により局部発信し、送受信回路での周波数変換のための局部発信信号を送受信回路に出力する。送受信回路は、公衆回線通信用アンテナ202で受信した受信信号を、PLLシンセサイザから入力される局部発信信号と混合することで周波数変換を行い、モデムに出力する。
【0021】
また、モデムから入力される変調波を周波数変換して、公衆回線通信用アンテナ202から送信する。また、モデムは、送受信信号の復変調処理を行う。
公衆回線からの着信を検知して着信状態を通知する着信通知部410は、公衆無線通信部409からの着信(またはメールの受信)を検知した場合に、予め設定された着信通知モードに基づき、ユーザに着信を通知する。着信通知モードの例として、予め設定された音量の音を音声発生部412によって発生させて通知する音声通知機能を用いる音声通知モードがある。
【0022】
また、他の着信通知モードの例として、振動機能を用いて携帯情報端末101の振動部411を振動させることによって着信を通知するバイブレーションモードがある。さらに、他の着信通知モードの例として、表示部406や不図示のLED(Light Emitting Diode)等の発光部を発光させることによって着信を通知する発光通知機能を用いる発光通知モードがある。
また、これらのうち、2つ以上の機能を組み合わせて通知するモードがあってもよい。それによって、より確実にユーザに着信を通知することができる。ユーザは、これらの通知モードのうちのいずれかを、操作部405を介して携帯情報端末101に設定しておく。設定された通知モードは、携帯情報端末101のRAMや着信部410が備える不揮発性メモリに記憶される。そして、携帯情報端末101は、着信を検知した場合に、ユーザによって設定された通知モードに従って、ユーザに着信を通知する。なお、振動部411によって携帯情報端末を振動させるための機械構造には、公知の方法を用いればよい。
【0023】
図5は、本実施形態を示す通信装置の構成を説明するブロック図である。本例は、図1に示した携帯情報端末101及び、無線通信装置102が有する無線通信部308、および、近距離無線通信部407の構成に対応する。
図5において、無線通信部308、近距離無線通信部407は、送受信信号を送受信するアンテナ501と、無線チャンネルを受信する受信部502、送信信号を送信する送信部503を備える。さらに、無線通信部308、近距離無線通信部407は、不図示のデジタルPLL、通信データを変復調するとともに無線伝送速度及び出力を可変可能な変復調部504と、無線通信部全体を制御する無線制御部505を備える。
【0024】
無線制御部505が、変復調部504の無線伝送速度及び出力を制御することにより無線通信の適用距離を可変にすることが可能である。無線伝送に係る出力を一定とすれば、無線通信部308、および、近距離無線通信部407との通信に係る互いのアンテナ距離が最短の時に最も好適な無線伝送速度での通信が可能となる。一方、アンテナ距離が離れるにつれて無線伝送速度は低下し、所定の距離以上離れ、無線伝送出力が所定値以下となると通信が遮断される。
【0025】
図6は、本実施形態示す無線通信装置102の通信処理の一例を示すフローチャートである。本例は、図1に示した携帯情報端末101が、無線通信装置102との間で行う近距離無線通信処理例である。なお、本処理フローは、具体的にはROM403に保持されたプログラムとして実装され、CPU401が、着信通知部410や、その他携帯情報端末101の内部構成部に作用することで実現される。
まず、S601で、ユーザは携帯情報端末101の操作部405より近距離無線通信開始するためのモード設定を行う。例えば、ユーザは、携帯情報端末101に記憶された1つ、または複数の画像を、表示部406に表示させる。そして、ユーザは、表示された画像の中から、無線通信装置101に送信したい画像を、操作部405を介して選択し、近距離無線通信を行うための送信の指示を行う。
【0026】
ユーザによって近距離無線通信送信の指示が行われたことに応じて、携帯情報端末101は、S602以降の処理を行う。なお、ユーザに指示された内容が近距離無線通信ではなく、公衆回線を介して行う通信の指示であった場合には、S602以降の処理を行わず、当該指示に従って、公衆回線を介して通信する。
次に、S602で、CPU401が、着信通知部410内のメモリに保持された設定情報を読み出すことで、着信通知部410に設定されている近距離無線通信開始前の着信通知モードを識別する。
【0027】
これにより、着信通知モードの設定情報として着信通知モード名と、それに対応する、音声、振動、および、発光等に係る詳細設定情報が得られる。詳細設定情報とは、例えば、使用する音声の種類や、振動のタイミング、発行のタイミングを規定した情報である。
次に、S603で、CPU401は、取得した着信通知に係る通知モードの設定情報について、振動通知モードが有効に設定されている(振動通知モードがONになっている)か否かについて判断する。ここで、CPU401は、振動部を駆動させて着信状態を振動により通知する振動通知モードが設定されている場合に、設定されている通知方法が変更すべき設定であると判断する。これは、上述したように、携帯情報端末101が無線通信装置102に接触する状態でマーク105の近傍に置かれた場合、公衆回線からの着信に反応して、本体が振動し、マーク105の近傍から移動してしまうことを防ぐためである。
【0028】
このS603の判定において、振動設定が無効に設定されているとCPU401が判断した場合は、S606で、CPU401は、無線通信装置102との間で近距離無線通信を開始する。
一方、S603の判定において、振動設定が有効に設定されているとCPU401が判断した場合はS604に処理を進める。S604において、CPU401は、S602で取得した着信通知モードの設定情報を、近距離無線通信開始前の着信通知設定として、着信通知部410内部の不図示のメモリに保持する。
【0029】
また、CPU401は、着信通知部410の内部のメモリに近距離無線通信開始前の着信通知設定を保持したことを示す、当該メモリ内の不図示のメモリフラグを真とする。
そして、S605で、CPU401は、着信通知モードの変更を行う。CPU401は、振動着信モードを無効に設定する。また、他の着信通知モードがある場合には、それらの着信通知モードを有効に設定する。S605の処理の詳細は、図7を用いて説明する。その後、S606で、CPU401は、無線通信装置102との間で近距離無線通信開始を開始する。
S605の処理終了後、S606で、ユーザが携帯情報端末101を無線通信装置102の備える表示部306の所定の位置に置くことで、CPU401は、無線通信装置102との間で近距離無線通信を開始する。ここで、携帯情報端末101は、ユーザが操作部405を介して選択した画像に対応する画像データを、無線通信装置102に送信する。また、携帯情報端末101は、ユーザによる画像の選択に関わらず、携帯情報端末101に格納された全ての画像に対応する画像データを無線通信装置102に送信してもよい。
【0030】
そして、S607で、CPU401は、無線通信の終了判定待ちに入る。具体的には、近距離無線通信状態検出部408の状態をCPU401から読み出し、その読み取り値が終了状態であるか否かを判定し、通信終了を検出する。
このS608の判定において、近距離無線通信終了をCPU401が検出した場合は、更に、S608で、先のS604において、着信通知設定を保存したか否かについてCPU401が判定する。
具体的には、CPU401は、S604で設定される保持フラグについて参照し、その値が「真」の状態であれば近距離無線通信開始前の着信通知モードが保持されている、と判定する。
一方、S608で、保持フラグの参照値が「偽」の状態であるとCPU401が判断した場合は、そのまま近距離無線通信に係る、携帯情報端末101における処理を終了する。
また、S608の判定において、着信通知モードが保存されているとCPU401が判断した場合は、S609へ進む。そして、S609で、CPU401は、メモリに保持された着信通知モードを、着信通知部410に再設定し、近距離無線通信に係る携帯情報端末101の処理を終了する。
【0031】
以下、図6に示したS605の詳細について、図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態を示す通信装置におけるデータ通信処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図6に示したS605に示した着信通知設定変更処理の詳細手順例である。なお、S700〜S702は各ステップを示し、各ステップは、具体的にはROM403に保持されたプログラムとして実装され、CPU401が、着信通知部410や、その他携帯情報端末101の内部構成部に作用することで実現される。以下、本実施形態に関わる着信通知制御について詳述する。
【0032】
まず、S700で、CPU401は、着信通知モードの設定情報に基づいて、振動設定が有効に設定されているか否かを判定する。具体的には、CPU401が、着信通知部410内部の不図示のメモリの設定情報を読み取り、振動通知モード設定以外の着信通知モード設定が有効に設定されているか否かについて判定する。
例えば、音声通知モードの設定が有効である場合とは、音声通知モード設定がONに設定されている、かつ、音声通知モード設定に係る音量設定が0(最小値)ではなく、ユーザが着信を認識可能な状態である。
S700の判定において、振動通知モード以外の着信通知モードが無効に設定されているとCPU401が判断した場合は、S701に処理を進める。S701で、CPU401は、振動通知モード以外の着信通知モードである、音声通知モード、発光通知モードの各設定の何れか一方、または、両方を有効に設定する。なお、ここで設定される着信通知モードは、例えば、音声通知モード、または、発光通知モードのいずれか1つでもよく、それらの組み合わせであってもよい。いずれの着信通知モードを採用するかは、ユーザが、操作部405を介して予め設定しておけばよい。
【0033】
その後、S702で、CPU401は、着信通知に係る通知モードの振動設定を無効とし、前述した近距離無線通信開始(S606)前に振動による着信通知を停止する。そして、S702の終了後は、図6に示したS606へ戻り、残りの処理を継続する。
なお、S700の判定において、振動通知モード以外の着信通知モードが有効に設定されている場合は、S702へ遷移し、着信通知モードにおける振動通知モードを無効に設定する。
【0034】
以上のような制御によって、携帯情報端末101が、近距離無線通信を実行している間に、他の公衆回線等を介した着信を検知して振動することによって、携帯情報端末101のアンテナの位置がずれることを防ぐことができる。特に、近距離無線通信の場合、携帯情報端末101のアンテナと、無線通信装置102のアンテナの位置が近距離(3cm程度)にある場合にしか通信を行うことができないので、このような近距離無線通信を行う場合に、上述した制御は有効である。また、図1に示したように、無線通信装置102が、通信台を備えており、その上に、携帯情報端末を載置するという簡単な操作で、ユーザは、それぞれの装置を通信させることができる。このような場合に、通信台に載置された携帯情報端末101は、着信を検出したときの振動によって移動しやすい。そのため、上述した制御を行うことによって、振動機能によって携帯情報端末101が移動し、携帯情報端末101のアンテナの位置が、通信装置102が備えるアンテナの位置とずれてしまうことを防ぐことができる。また、近距離無線通信終了後に、他の公衆回線等を介した無線通信に係る着信通知モードを、ユーザが変更することなく、近距離無線通信を実行する前の設定に戻すことが、利便性が向上する。
なお、上述した実施形態において、図6で、携帯情報端末101は、S606で通信を開始する前に、S602〜S605の処理を行う場合について説明した。しかしながら、これに限らず、S606の処理を、S602〜S605の処理より先に行うようにしてもよい。その場合、携帯情報端末101が、無線通信装置102と通信を開始したことに応じて、S602〜S605の処理が行われる。
なお、上記実施形態では、着信の通知方法を変更して無線通信装置102との通信時における携帯情報端末の振動による移動を着信の通知方法を変更することで抑制する場合について説明した。これに限らず、無線通信装置102との通信開始前に、公衆回線を介して着信を一時的に拒否する設定に変更し、通信終了後、着信拒否の設定を解除するように制御してもよい。
【0035】
また、上述した実施形態では、無線通信装置102が、携帯情報端末101から画像データを受信する場合について説明したが、無線通信装置102が、携帯情報端末101に画像データを送信する場合に、上述の方法を適用してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1の通知モードを他の通知モードに変更する場合について説明したが、第1の通知モードを他の通知モードに変更する際に、ユーザに、代わりにどの着信通知モードを設定するかを指定させてもよい。携帯情報端末101は、ユーザによる指定に基づいて、着信通知モードを変更する。
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態では、携帯情報端末101のCPU401が、図6及び図7に示す制御を行う場合について説明した。
しかしながら、無線通信装置102のCPU301が図6や図7に示す処理と同様の制御をしてもよい。本実施形態では、通信装置102のCPU301が、携帯情報端末101の振動機能を用いた振動通知モードが有効に設定されていると判定した場合に、当該振動通知モードを無効に設定する方法を説明する。
【0036】
図8は、無線通信装置102のCPU301による処理手順を表すフローチャートである。当該フローチャートに示す処理は、CPU301が、ROM303等のメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実行される。
具体的に、CPU301は、携帯情報端末101が通信装置102のアンテナの近傍に設置されたことを検知すると、S801で、近距離無線通信を行うための通信設定を行う。具体的に、CPU301は、携帯情報端末101から画像データを受信するために、通信設定や、画像データの格納先の設定を行う。
そして、S802で、CPU301は、携帯情報端末101と近距離無線通信を開始する。
その後、S803で、CPU301は、携帯情報端末101から、着信通知モードの設定に関する情報を取得し、RAM304に記憶する。なお、取得の方法は、携帯情報端末101が、通信の開示に応じて自発的に着信通知モードの設定に関する情報を送信してもよいし、通信装置102から携帯情報端末に要求して取得してもよい。当該着信通知モードの設定に関する情報には、携帯情報端末101の着信通知モードが、音声通知モード、振動通知モード、発光通知モードのいずれが有効になっているかを示す情報が含まれている。
【0037】
そして、S804で、CPU301は、携帯情報端末101の振動通知モードが有効に設定されているか否かを判定する。振動通知モードが有効に設定されていると判定した場合、S805に処理を進め、無効に設定されていると判定した場合、S807に処理を進める。
S805で、CPU301は、S803で取得された着信通知モードの設定情報を、後に、S809で読み出すためにRAM304に保持(退避)させておく。そして、S806で、CPU301は、携帯情報端末101の着信通知モードを変更するための処理を行う。具体的に、CPU301は、携帯情報端末の振動着信モードを無効に設定するための指示を携帯情報端末101に送信し、当該振動着信モードを無効に設定させる。また、他の着信通知モードがある場合には、それらの着信通知モードを有効に設定するための指示を携帯情報端末101に送信し、当該着信通知モードを有効に設定させる。S805の処理の詳細は、図9を用いて説明する。携帯情報端末101は、各指示に従って着信通知モードを設定し、着信があった場合には、設定された着信通知モードに従った着信通知を行う。
S807で、CPU301は、携帯情報端末101との近距離無線通信が終了したか否かを判定する。CPU301は、近距離無線通信が終了したことを、携帯情報端末101から通信の終了を示す信号を受信することによって判定すればよい。
【0038】
S808で、CPU301は、S805で、着信通知モードの設定情報がRAM304に保持(退避)されているか否かを判定する。この判定の方法は、RAM304に、上述した実施形態1のような保持フラグを設け、当該保持フラグに基づいてCPU301が判定すればよい。設定情報が、RAM304に保持(退避)されていると判定された場合には、S809に処理を進め、設定情報が、RAM304に保持(退避)されていると判定されていないと判定された場合には、処理を終了する。
S809で、CPU301は、RAM304に保持された着信通知モードを、携帯情報端末101に再設定させるための指示を携帯情報端末101に送信し、当該着信通知モードを携帯情報端末101の着信通知モードとして設定させる。ここで、携帯情報端末101は、当該指示に従って、RAM304に保持された着信通知モードを設定する。すなわち、CPU301は、S809で、携帯情報端末101の着信通知モードを、S806による変更前の着信通知モードに戻すための処理を行って処理を終了する。
【0039】
図9は、無線通信装置102のCPU301による処理手順を表すフローチャートである。当該フローチャートに示す処理は、CPU301が、ROM303等のメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実行される。
まず、S901で、CPU301は、着信通知モードの設定情報に基づいて、振動設定が有効に設定されているか否かを判定する。具体的には、CPU301が、RAM304に記憶された設定情報を読み取り、振動通知モード設定以外の着信通知モード設定が有効に設定されているか否かについて判定する。
例えば、音声通知モード設定が有効である場合とは、音声通知モード設定が有効と設定されている、かつ、音声通知モード設定に係る音量設定が0(最小値)ではなく、ユーザが着信を認識可能な状態である。
S901の判定において、振動通知モード以外の着信通知モードが無効に設定されているとCPU301が判断した場合は、S902に処理を進める。S902で、CPU301は、振動通知モード以外の着信通知モードである、音声通知モード、発光通知モードの各設定の何れか一方、または、両方を有効に設定するための指示を携帯情報端末101に送信し、設定させる。なお、ここで設定される着信通知モードは、例えば、音声通知モード、または、発光通知モードのいずれか1つでもよく、それらの組み合わせであってもよい。いずれの着信通知モードを採用するかは、ユーザが、操作部405を介して予め設定しておけばよい。
【0040】
その後、S903で、CPU301は、振動通知モードを無効に設定するための指示を携帯情報端末101に送信し、当該振動通知モードを無効に設定させる。そして、S903の終了後は、図8に示したS807へ戻り、残りの処理を継続する。
なお、S901の判定において、振動通知モード以外の着信通知モードが有効に設定されている場合は、S903へ遷移し、着信通知モードにおける振動通知モードを無効に設定する。S902やS903の指示を受けた場合も、携帯情報端末101は、各指示に従って着信通知モードを設定し、着信があった場合には、設定された着信通知モードに従った着信通知を行う。
以上のような制御によって、携帯情報端末101が、近距離無線通信を実行している間に、他の公衆回線等を介した着信を検知して振動することによって、携帯情報端末101のアンテナの位置がずれることを防ぐことができる。特に、近距離無線通信の場合、携帯情報端末101のアンテナと、無線通信装置102のアンテナの位置が近距離(3cm程度)にある場合にしか通信を行うことができないので、このような近距離無線通信を行う場合に、上述した制御は有効である。また、図1に示したように、無線通信装置102が、通信台を備えており、その上に、携帯情報端末を載置するという簡単な操作で、ユーザは、それぞれの装置を通信させることができる。
【0041】
このような場合に、通信台に載置された携帯情報端末101は、着信を検出したときの振動によって移動しやすい。そのため、上述した制御を行うことによって、振動機能によって携帯情報端末101が移動し、携帯情報端末101のアンテナの位置が、通信装置102が備えるアンテナの位置とずれてしまうことを防ぐことができる。また、近距離無線通信終了後に、他の公衆回線等を介した無線通信に係る着信通知モードを、ユーザが変更することなく、近距離無線通信を実行する前の設定に戻すことが、利便性が向上する。
また、上述した実施形態では、無線通信装置102が、携帯情報端末101から画像データを受信する場合について説明したが、無線通信装置102が、携帯情報端末101に画像データを送信する場合に、上述の方法を適用してもよい。
【0042】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0043】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0044】
101 携帯情報端末
102 無線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末と通信部を介して無線で通信する通信手段と、
前記通信手段によって前記携帯情報端末と通信している場合に、前記携帯情報端末の前記振動機能を無効にする制御手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記携帯情報端末との通信が終了した場合に、前記振動機能を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記携帯情報端末は、前記着信を音声によってユーザに通知する音声通知機能をさらに備え、
前記制御手段は、前記振動機能を無効にした場合に、前記着信を前記音声通知機能によってユーザに通知するよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記携帯情報端末は、前記着信を発光部の発光によってユーザに通知する発光通知機能をさらに備え、
前記制御手段は、前記振動機能を無効にした場合に、前記着信を前記発光通知機能によってユーザに通知するよう制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記携帯情報端末に着信があったことを示す情報を当該携帯情報端末から取得する取得手段と、
前記制御手段は、前記取得手段によって前記情報を取得した場合に、前記携帯情報端末に着信があった旨をユーザに通知する通知手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末であって、
通信装置と通信部を介して無線で通信する通信手段と、
前記通信手段によって前記通信装置と通信している場合に、前記携帯情報端末の前記振動機能を無効にする制御手段とを備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項7】
着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末と通信部を介して無線で通信する通信工程と、
前記通信工程で前記携帯情報端末と通信している場合に、前記携帯情報端末の前記振動機能を無効にする制御工程とを備えることを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項8】
着信を検知した場合に、当該着信を振動によってユーザに通知する振動機能を有する携帯情報端末の制御方法であって、
通信装置と通信部を介して無線で通信する通信工程と、
前記通信工程で前記通信装置と通信している場合に、前記携帯情報端末の前記振動機能を無効にする制御工程とを備えることを特徴とする携帯情報端末の制御方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載された制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−24172(P2011−24172A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170008(P2009−170008)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】