説明

通信装置および通信装置用ファームウェア更新システム

【課題】ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができる通信装置および通信装置用ファームウェア更新システムを提供すること。
【解決手段】ルータ10は、そのルータ10に特有の情報であるユーザ情報をファームウェア配信サーバ30に送信する。ファームウェア配信サーバ30は、ファームウェア更新データを配信する場合に、そのユーザ情報に基づいて、そのルータ10のユーザに合った広告を選択し、その広告データを含む更新時表示データを、ファームウェア更新データと共にルータ10へ送信する。そして、ルータ10は、ファームウェアの更新を行っている間、その更新時表示データを用いて、PC20aの表示装置26に選択された広告を表示させる。よって、ルータ10のファームウェアの更新中、ユーザにとって価値のある広告を表示装置26に表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信装置用ファームウェア更新システムに関し、特に、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができる通信装置および通信装置用ファームウェア更新システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より、通信回線を介して他機種との間で通信を行う通信装置においては、その通信装置自体の性能や機能を向上させたり、通信装置に接続可能な対応機種を増加させたりすることを目的として、その通信装置の制御プログラムであるファームウェアの更新がしばしば行われる。
【0003】
ファームウェアの更新中は、通信装置による他機種との通信は行えないため、通常、ユーザはその更新が完了するまで待機することになる。そこで、通信装置の中には、ユーザに更新状況を伝えることを目的として、ファームウェアの更新中、通信装置に接続されたパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」と称す)やゲーム機等のディスプレイ上に、その更新作業状況を表示するように構成されているものがある。
【0004】
また、次の特許文献1には、電子機器において、その電子機器を制御する電子機器制御プログラム(ファームウェア)の更新を行う場合に、電子機器制御プログラム配信サーバから新しい電子機器制御プログラムと共に広告情報を入手し、電子機器の電子機器制御プログラムの更新が行われる間、電子機器に接続されたユーザ端末のディスプレイに、更新作業状況と合わせて広告情報に基づく広告を表示する技術が開示されている。この技術により、電子機器制御プログラムの更新を行っているユーザに広告を閲覧させながら、その更新が完了するまで待機させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−32012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された技術等では、例え、ディスプレイ上にファームウェアの更新作業状況が表示されたとしても、その更新作業情報の表示は得てして単調であり、また、ユーザが常に見続けるようなものでもないため、ファームウェアの更新中にユーザを退屈させてしまうという問題点があった。また、特許文献1のように、ファームウェアの更新中、ディスプレイに広告を表示させた場合であっても、その広告がユーザにとって興味のないものであれば、ユーザは広告に注目しないため、ユーザの退屈感は免れないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができる通信装置および通信装置用ファームウェア更新システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
請求項1記載の通信装置によれば、特有情報送信手段によって、通信装置に特有の情報である通信装置特有情報が、ファームウェアの更新情報を提供する更新サーバへ送信される。この通信装置特有情報に基づいて更新サーバにより広告が選択され、その選択された広告を表示するための広告情報が更新情報と合わせて更新サーバから送信されると、通信装置では、更新情報取得手段により更新情報が取得され、また、広告情報取得手段により広告情報が取得される。そして、更新情報取得手段により取得された更新情報に基づいて、制御手段により実行されるファームウェアがファームウェア更新手段により更新される。また、ファームウェア更新手段によりファームウェアの更新が行われている間、更新サーバにより選択された広告が通信装置の接続手段に接続された第1装置の表示手段に表示されるように、広告情報取得手段によって取得された広告情報が、広告情報送信手段により該第1装置に対して送信される。これにより、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、該通信装置に特有の情報である通信装置特有情報に基づいて選択された広告が表示される。即ち、表示手段に表示される広告は、通信装置に合わせて選択されるものとなるので、その通信装置を使用するユーザに合った広告を表示手段に表示させることができる。よって、ユーザは、通信装置のファームウェア更新中、ユーザにとって価値のある広告を表示手段から視認できるので、その広告に注目しながら、ファームウェアの更新が完了するまで待機できる。従って、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができるという効果がある。
【0009】
なお、第1装置を接続する接続手段は、通信装置と第1装置とを無線方式によって接続されるものであってもよいし、有線方式によって接続されるものであってもよい。また、該第1装置は、通信装置の外部に設けられる場合に限られるものではなく、通信装置の内部に設けられてもよい。
【0010】
請求項2記載の通信装置によれば、請求項1記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通信装置に割り当てられたMACアドレス(Media Access Control address)が通信装置特有情報の一つとして、特有情報送信手段により更新サーバへ送信される。MACアドレスは、原則、通信装置に対して一意に割り当てられる物理アドレスであるので、更新サーバでは、このMACアドレスから特定される個々の通信装置に合わせて、広告の選択を行うことができる。即ち、表示手段に表示される広告は、個々の通信装置に合わせてきめ細かく選択されたものとなるので、その通信装置を使用するユーザに合った広告をより確実に表示手段に表示させることができるという効果がある。
【0011】
請求項3記載の通信装置によれば、請求項1又は2に記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ファームウェア更新手段によりファームウェアの更新が行われている間、更新サーバにより選択された広告と合わせて、又は、広告の代わりに、ユーザからの入力を受け付ける入力画面が通信装置の接続手段に接続された第1装置の表示手段に表示されるように、その入力画面を表示させるための入力画面情報が、入力画面情報送信手段により該第1装置に対して送信される。これにより、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、前記広告と合わせて、又は、広告の代わりに、前記の入力画面が表示される。よって、通信装置のファームウェア更新中、ユーザに対し、表示手段に表示された入力画面に基づいて、通信装置の接続手段に接続された第2装置の入力手段から、何らかの情報を入力するように仕向けることができる。従って、ユーザが入力手段から何らかの情報を入力する間に、ファームウェアの更新作業を進めることができるので、ユーザをより退屈させることなく、ファームウェアの更新を行うことができるという効果がある。
【0012】
また、表示手段に表示された入力画面に基づいて入力手段によりユーザから入力された入力情報は、入力手段が設けられた第2装置から、ファームウェア更新完了後に入力情報取得手段によって取得され、その取得された入力情報が上記の通信装置特有情報の一つとして特有情報送信手段により更新サーバへ送信される。これにより、次回以降のファームウェアの更新において、更新サーバでは、通信装置特有情報の一つとして、ユーザから入力された入力情報に基づいて広告が選択され、その選択された広告を表示するための広告情報が更新情報と合わせて更新サーバから提供されることになる。よって、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、ユーザから入力された入力情報に基づいて選択された広告が表示されるので、該表示手段に対してよりユーザに適した広告を表示させることができるという効果がある。
【0013】
なお、第2装置を接続する接続手段は、第1装置と同様に、通信装置と第2装置とを無線方式によって接続されるものであってもよいし、有線方式によって接続されるものであってもよい。また、該第2装置は、通信装置の外部に設けられる場合に限られるものではなく、通信装置の内部に設けられてもよい。また、第1装置と第2装置とは同一の装置であってもよい。
【0014】
請求項4記載の通信装置によれば、請求項3記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ユーザの個人情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を表示手段に表示させるための情報が、入力画面情報として、入力画面情報送信手段により第1装置に対して送信される。これにより、第1装置の表示手段には、ユーザの個人情報の入力を受け付ける画面が表示される。ここで、ユーザの個人情報は、ユーザの氏名、住所、年齢、性別、家族構成など、ユーザ個人を特定可能な情報のことである。ユーザの個人情報の入力を受け付ける画面が表示され、入力手段によりユーザから個人情報が入力されると、その個人情報が通信装置特有情報として更新サーバへ送信されるので、次回以降のファームウェアの更新において、更新サーバでは、少なくともユーザから入力された個人情報に基づいて広告が選択され、その選択された広告を表示するための広告情報が更新情報と合わせて更新サーバから提供されることになる。よって、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、ユーザから入力された個人情報に基づいて選択された広告が表示されるので、該表示手段に対してよりユーザに適した広告を表示させることができるという効果がある。
【0015】
請求項5記載の通信装置によれば、請求項3又は4に記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ユーザが所有する機器に関する情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を表示手段に表示させるための情報が、入力画面情報として、入力画面情報送信手段により第1装置に対して送信される。これにより、第1装置の表示手段には、ユーザが所有する機器に関する情報の入力を受け付ける画面が表示される。そして、入力手段によりユーザから該ユーザの所有する機器に関する情報が入力されると、その情報が通信装置特有情報として更新サーバへ送信されるので、次回以降のファームウェアの更新において、更新サーバでは、少なくともユーザの所有する機器に関する情報に基づいて広告が選択され、その選択された広告を表示するための広告情報が更新情報と合わせて更新サーバから提供されることになる。よって、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、ユーザの所有する機器に応じて選択された広告が表示されるので、該表示手段に対してよりユーザに適した広告を表示させることができるという効果がある。
【0016】
請求項6記載の通信装置によれば、請求項3から5のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ユーザの使用状態に関する情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を表示手段に表示させるための情報が、入力画面情報として、入力画面情報送信手段により第1装置に対して送信される。これにより、第1装置の表示手段には、ユーザの使用状態に関する情報の入力を受け付ける画面が表示される。そして、入力手段によりユーザから該ユーザの使用状態に関する情報が入力されると、その情報が通信装置特有情報として更新サーバへ送信されるので、次回以降のファームウェアの更新において、更新サーバでは、少なくともユーザの使用状態に関する情報に基づいて広告が選択され、その選択された広告を表示するための広告情報が更新情報と合わせて更新サーバから提供されることになる。よって、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、ユーザの使用状態に応じて選択された広告が表示されるので、該表示手段に対してよりユーザに適した広告を表示させることができるという効果がある。
【0017】
請求項7記載の通信装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新が行われる場合、ブラウザによって広告を表示させるための広告情報が広告情報取得手段により取得される前に、第1装置が有しているブラウザに関する情報が、ブラウザ情報取得手段により第1装置から取得される。その取得されたブラウザに関する情報は、ブラウザ情報送信手段により更新サーバへ送信される。そして、このブラウザに関する情報と、前記通信装置特有情報に基づいて、更新サーバにより選択された広告を表示するための広告情報であって該ブラウザでの表示に適した広告情報が、更新情報と合わせて更新サーバから送信されると、通信装置では、広告情報取得手段によりその広告情報が取得される。これにより、ファームウェア更新手段によりファームウェアの更新が行われている間、更新サーバにより選択された広告が通信装置の接続手段に接続された第1装置の表示手段に表示されるように、その取得された広告情報が該第1装置に対して広告情報送信手段により送信されるので、通信装置においてファームウェアの更新が行われている間、第1装置の表示手段には、該通信装置に特有の情報である通信装置特有情報に基づいて選択された広告がブラウザによって表示手段に表示される。しかも、第1装置に送信される広告情報は、該ブラウザでの表示に適したものとなっているので、第1装置が有するブラウザによって、表示手段に広告が正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、任意のブラウザに対して適切に該広告を表示させることができるという効果がある。
【0018】
請求項8記載の通信装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の通信装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、更新サーバによって、広告情報に基づき表示手段に表示される広告に関連する情報の所在を示したリンク情報が生成されると、通信装置では、リンク情報取得手段によって、そのリンク情報を更新サーバから取得する。そして、ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新完了後にそのリンク情報が第1表示装置の表示手段に表示されるように、リンク情報取得手段により取得されたリンク情報が、リンク情報送信手段によって、第1装置へ送信される。これにより、ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新が完了すると、そのファームウェアの更新中に表示手段に表示されていた広告に関連する情報の所在を示したリンク情報が、その表示手段に表示される。よって、ファームウェアの更新中に表示される広告の中に、ユーザが興味を持った広告があった場合、ユーザは、更新完了後に表示されるリンク情報に基づいて、その広告に関連する情報を容易に入手できる。よって、ユーザの利便性を高めることができるという効果がある。
【0019】
請求項9記載の通信装置用ファームウェア更新システムによれば、その通信装置用ファームウェア更新システムの通信装置が、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置と同様に作用するので、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態であるルータと、そのルータのファームウェアを更新するためのファームウェア更新システムの構成とを示す概略図である。
【図2】ファームウェア更新システムの構成要素であるルータ及びPCの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ファームウェア更新システムの構成要素であるファームウェア配信サーバの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザ情報格納エリアに格納されるユーザ情報テーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図5】ルータにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】PCの表示装置に表示される設定画面を模式的に示す模式図である。
【図7】ルータにより実行される更新問い合わせ処理を示すフローチャートである。
【図8】PCの表示装置に表示される更新問い合わせ画面を模式的に示す模式図である。
【図9】ルータにより実行される更新処理を示すフローチャートである。
【図10】ファームウェア配信サーバにより実行される更新データ送信処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は、ユーザ登録が行われていない場合に、ファームウェア更新中にPCの表示装置に表示される更新時画面を模式的に示す模式図であり、(b)は、ユーザ登録が行われている場合に、ファームウェア更新中にPCの表示装置に表示される更新時画面を模式的に示す模式図である。
【図12】ファームウェア配信サーバにより実行される更新完了処理を示すフローチャートである。
【図13】ファームウェア更新完了後にPCの表示装置に表示される更新後画面を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実形態であるルータ10と、このルータ10の制御プログラムであるファームウェアを更新するためのファームウェア更新システム100の構成とを概略的に示す概略図である。
【0022】
ルータ10は、異なるネットワーク間を相互接続する通信装置である。本実施形態のルータ10は、無線LAN(Local Area Network)機能を有しており、無線通信50を介してPC20a、ゲーム機20b、ハードディスクレコーダ20c等を接続して構成される無線LANと、WAN(Wide Area Network)の1つであるインターネット40とを相互接続する。
【0023】
ルータ10のファームウェアは、ルータ10に内蔵されたフラッシュメモリ12(図2参照)に記憶されており、ルータ10は、そのフラッシュメモリ12に記憶されたファームウェアを書き換えることで、ファームウェアの更新が行えるように構成されている。
【0024】
ファームウェア更新システム100は、このルータ10と、無線通信50を介してルータ10に接続され、画像を表示する表示装置が設けられた端末装置(例えば「PC20a」)との他に、インターネット40を介してルータ10と通信可能なファームウェア配信サーバ30を有している。
【0025】
ファームウェア配信サーバ30は、ルータ10におけるファームウェアの更新を行うためのデータであるファームウェア更新データを、ルータ10に対して配信する装置である。ルータ10は、このファームウェア配信サーバ30からファームウェア更新データを受信すると、その更新データを用いてルータ10のフラッシュメモリ12に記憶されたファームウェアを書き換えることによって、ファームウェアの更新を行う。
【0026】
このとき、ルータ10およびファームウェア更新システム100は、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができるように構成されている。
【0027】
即ち、ルータ10は、そのルータ10に特有の情報であるユーザ情報をファームウェア配信サーバ30に送信し、ファームウェア配信サーバ30は、ファームウェア更新データを配信する場合に、そのユーザ情報に基づいて、そのルータ10のユーザに合った広告を選択し、その広告データをファームウェア更新データと共にルータ10へ送信する。そして、ルータ10は、ファームウェアの更新を行っている間、PC20a等の表示装置にその広告を表示させる。
【0028】
よって、ルータ10及びファームウェア更新システム100は、ルータ10のファームウェアの更新中、ユーザにとって価値のある広告をPC20a等の表示装置に表示させることができるので、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができる。
【0029】
なお、以下の説明において、ファームウェア更新システム100の構成要素のうち、無線通信50を介してルータ10に接続され、画像を表示する表示装置が設けられた端末装置として、PC20aを例に説明する。但し、この端末装置はPC20aに限定されないことは言うまでもなく、例えば、表示装置を有し無線LAN機能によってルータ10と接続可能なゲーム機20bも、ファームウェア更新システム100の端末装置に含まれる。また、この端末装置は、表示装置を必ずしも内蔵している必用はなく、例えばハードディスクレコーダ20cのように、外部の表示装置と接続し、その接続された表示装置に所定の画像を表示することで、その端末装置の機能を発揮するようなものであってもよい。
【0030】
次いで、図2,3を参照して、ファームウェア更新システム100の構成要素であるルータ10、PC20a及びファームウェア配信サーバ30の詳細構成について説明する。まず、図2は、ルータ10及びPC20aの電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
ルータ10は、CPU(Central Processing Unit)11、フラッシュメモリ12、RAM(Random Access Memory)13、WANインターフェース14、無線LANインターフェース15を主に有している。
【0032】
CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13は、バスライン16を介して互いに接続されている。また、WANインターフェース14、無線LANインターフェース15は、いずれも入出力ポート17に接続され、その入出力ポート17は、バスライン16に接続されている。これにより、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13と入出力ポート17に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0033】
CPU11は、フラッシュメモリ12及びRAM13に記憶されるプログラムやデータに従って、また、WANインターフェース14又は無線LANインターフェース15を介して送受信される各種信号に従って、ルータ10が有している各機能の制御や、入出力ポート17と接続された各部の制御を実行する演算装置である。
【0034】
フラッシュメモリ12は、CPU11で実行される各種の制御プログラムや、その制御プログラムにて参照される固定値を記憶する書換可能な不揮発性のメモリである。このフラッシュメモリ12は、ファームウェアエリア12aと、更新処理プログラムエリア12bと、設定値格納エリア12cと、MACアドレス格納エリア12dとを少なくとも有している。
【0035】
ファームウェアエリア12aは、ルータ10の制御プログラムであるファームウェアを格納するエリアであり、例えば、ファームウェアの1つである後述のメイン処理(図5参照)を実行するプログラムや、更新問い合わせ処理(図7参照)を実行するプログラムが格納されている。CPU11は、電源が投入されると、このファームウェアエリア12aに格納されたファームウェアに従って、ルータ10全体を制御し、ルータ10の各種機能を実現する。
【0036】
このファームウェアエリア12aには、ルータ10の出荷時にその時点における最新のファームウェアが格納される。CPU11は、1回目のファームウェアの更新が行われるまで、その出荷時に格納されたファームウェアに従って、ルータ10の制御を行う。
【0037】
また、ルータ10は、インターネット40を介してファームウェア配信サーバ30よりファームウェア更新データを受信し、その更新データを用いてファームウェアエリア12aのファームウェアを書き換えることによってファームウェアの更新を行う。CPU11は、ファームウェアの更新が行われると、その書き換えられたファームウェアエリア12aのファームウェア、即ち、更新後のファームウェアに従って、新たにルータ10の制御を行うことになる。
【0038】
更新処理プログラムエリア12bは、後述する図9のフローチャートに示す更新処理を実行するプログラムを格納するエリアである。この更新処理は、ルータ10のファームウェアを更新するための処理である。
【0039】
ルータ10におけるファームウェアの更新は、ユーザがPC20aの入力装置27を操作することによって行えるようになっており、CPU11は、入力装置27の操作に基づいてPC20aからルータ10のファームウェア更新の要求があった場合に、更新処理プログラムエリア12bに格納されたプログラムを実行し、更新処理を行う(図5のS16,S17参照)。
【0040】
そして、この更新処理が実行されると、CPU11は、ファームウェア配信サーバ30からファームウェア更新データを取得して、ファームウェアエリア12aのファームウェアを書き換え、ルータ10のファームウェアを更新する。
【0041】
また、ファームウェア更新データの取得と合わせて、広告データを含む更新時表示データをファームウェア配信サーバ30より取得し、その更新時表示データをPC20a(端末装置)へ送信する。これにより、ルータ10にてファームウェアの更新が行われている間、広告を含む更新時画面(図11参照)がPC20aの表示装置26に表示される。
【0042】
なお、更新処理を実行するプログラムがファームウェアエリア12aではなく、ファームウェアエリア12aとは別に更新処理プログラムエリア12bに格納されているのは次の理由による。
【0043】
更新処理はファームウェアの更新を行う処理であり、その処理によって、ファームウェアエリア12aが書き換えられる。従って、ファームウェアエリア12aに更新処理を実行するプログラムを格納すると、ファームウェアの更新中にその更新処理のプログラム自体が書き換えられてしまい、CPU11が更新処理を正常に完了できないおそれがある。
【0044】
そこで、更新処理を実行するプログラムをファームウェアエリア12aとは別の更新処理プログラムエリア12bに格納することで、ファームウェアの更新が行われている間、その更新処理のプログラムが書き換えられることを抑制し、CPU11が更新処理を正しく行えるようにしている。
【0045】
設定値格納エリア12cは、ルータ10において変更可能な設定項目、例えば、無線LAN側のルータ10のIPアドレス設定、無線LAN内におけるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ設定、無線LANの通信方式設定や暗号化設定、無線LANで使用するチャンネル設定といった、各種の設定項目と、その設定項目に対して設定される設定値とを格納するエリアである。
【0046】
CPU11は、ファームウェアエリア12aに格納されたファームウェアを実行する場合に、そのファームウェアに従って設定値格納エリア12cに格納された各種の設定項目の設定値を参照し、その設定値に従ってルータ10の制御を実行する。
【0047】
設定値格納エリア12cには、ルータ10の出荷時に各設定項目に対して初期設定値(ディフォルト値)が格納される。また、PC20aを介してユーザから設定変更の指示があった場合や、自動設定が行われる場合などに、設定値格納エリア12cに格納されている各種設定項目のうち、変更対象となった設定項目の設定値を書き換えることで、CPU11が、その設定値の変更を行えるようになっている。
【0048】
このように、ルータ10の各種設定項目は、その設定値がフラッシュメモリ12に格納されるので、一度設定が行われると、たとえ電源がオフされた場合が生じても、次に設定の変更が行われるまでその設定値が保持され続ける。
【0049】
なお、ルータ10において変更可能な設定項目は、ファームウェアの更新と合わせて一部が削除されたり新たに追加されたりする。これに対応するため、ファームウェア更新データは、ファームウェアエリア12aの書き換えだけでなく、設定値格納エリア12cの書き換えも行うようにデータが構成されている。
【0050】
CPU11は、このファームウェア更新データによって、ファームウェアエリア12aのファームウェアを更新し、また、設定値格納エリア12cも書き換える。そして、この書き換えによって、設定値格納エリア12cに、更新後のファームウェアで用いられる各設定項目と、その設定項目の初期設定値(ディフォルト値)とが格納される。
【0051】
なお、CPU11は、ファームウェアの更新を開始する前に、予め、設定値格納エリア12cに格納されていた各設定項目(即ち、更新直前のファームウェアで用いられる各種設定項目)の設定値を、RAM13へ一時的に保存する。そして、ファームウェアの更新が完了後(即ち、設定値格納エリア12cが書き換えられた後)、その更新後の設定値格納エリア12cに格納されている各種設定項目の中に、一時的にRAM13に保存された設定項目があれば、そのRAM13に保存されている設定項目の設定値を、設定値格納エリア12cの該当する設定項目の設定値として上書きし、復元する。
【0052】
これにより、更新前と更新後とで同一の設定項目については、ファームウェア更新前の設定値がファームウェアの更新後にも引き継がれる。よって、ファームウェアの更新後も以前の設定状態からルータ10の使用を開始できる。
【0053】
MACアドレス格納エリア12dは、ルータ10に対して割り当てられたMACアドレスを格納するエリアである。MACアドレスは、ネットワークに接続される通信機器に対して一意に割り当てられる物理アドレスである。即ち、同一機種のルータ10であっても、個々のルータ10に対して異なるMACアドレスが割り当てられる。
【0054】
このように、個々のルータ10に対して割り当てられたMACアドレスが、ルータ10の出荷時にMACアドレス格納エリア12dに格納される。そして、一度MACアドレス格納エリア12dに格納されたMACアドレスは、上書きや消去されずに、そのまま保持される。これにより、MACアドレス格納エリア12dに格納されたMACアドレスを参照することで、そのMACアドレスが割り当てられたルータ10を容易に特定することができる。
【0055】
本実施形態では、そのようなMACアドレスの性質を利用して、ルータ10がファームウェア配信サーバ30に対してファームウェア更新データの送信要求を送信する場合や、そのファームウェア配信サーバ30に対してそのルータ10のユーザ情報を送信する場合に、MACアドレス格納エリア12dに格納されているMACアドレスを含めて送信する。
【0056】
これにより、ファームウェア更配信サーバ30は、ユーザ情報をMACアドレスに対応付けて登録できる。即ち、ファームウェア配信サーバ30は、個々のルータ10毎にユーザ情報を登録できる。そして、送信要求に含まれるMACアドレスから送信要求のあったルータ10を特定し、そのルータ10のユーザ情報を特定できるので、その特定されたルータ10のユーザ情報に応じて、ファームウェアの更新時にPC20aの表示装置26に対して表示する広告を選択することができる。
【0057】
これにより、PC20aの表示装置26には、個々のルータ10に合わせてきめ細かく選択された広告を表示させることができるので、そのルータ10を使用するユーザに合った広告を、より確実に表示装置26に表示させることができる。
【0058】
RAM13は、書き替え可能な揮発性のメモリであり、ルータ10の動作時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM13には、ファームウェア更新データエリア13a、更新時表示データエリア13b、入力情報エリア13c、更新後表示データエリア13dを少なくとも有している。
【0059】
ファームウェア更新データエリア13aは、ファームウェア配信サーバ30より取得したファームウェア更新データを一時的に格納するためのエリアである。
【0060】
CPU11は、更新処理(図9参照)において、ファームウェア更新データをファームウェア配信サーバ30より取得すると、その取得したファームウェア更新データをファームウェア更新データエリア13aに格納する。そして、CPU11は、ファームウェア更新データエリア13aに格納されたファームウェア更新データを用いて、ファームウェアエリア12aおよび設定値格納エリア12cを書き換えてファームウェアの更新を行う。
【0061】
更新時表示データエリア13bは、ファームウェア配信サーバ30からファームウェア更新データと合わせて取得した更新時表示データを、一時的に格納するためのエリアである。更新時表示データは、ルータ10にてファームウェアの更新を行っている間、PC20aの表示装置26に更新時画面を表示させるためのデータである。
【0062】
CPU11は、更新処理(図9参照)において、ファームウェア更新データと合わせて更新時表示データをファームウェア配信サーバ30より取得すると、その取得した更新時表示データを更新時表示データエリア13bに格納する。
【0063】
そして、CPU11は、取得したファームウェア更新データによってファームウェアの更新を行う前に、更新時表示データエリア13bに格納された更新時表示データをPC20aに送信し、ファームウェアの更新が行われている間、その更新時表示データに基づいて更新時画面がPC20aの表示装置26に表示されるように制御する。
【0064】
この更新時表示データには、上述した通り、ルータ10のMACアドレスに基づいてファームウェア配信サーバ30により選択された広告を表示するための広告データが含まれるほか、ユーザ登録画面を表示するためのユーザ登録画面データや、ユーザへのアンケート画面を表示するためのアンケート画面データが含まれる。
【0065】
ユーザ登録画面は、ユーザ登録の入力を受け付けるための画面であり、アンケート画面はユーザからアンケートの回答入力を受け付けるための画面である。
【0066】
詳細については後述するが、ファームウェア配信サーバ30は、ルータ10からファームウェア更新データの送信要求を受信した場合に、ユーザ登録画面データ又はアンケート画面データと、広告データとから、更新時表示データを生成して、ファームウェア更新データとあわせて、その更新時表示データをルータ10へ送信する。よって、ルータ10のファームウェアの更新が行われている間、PC20aの表示装置26には、更新時画面として、ファームウェア配信サーバ30によって選択された広告と、ユーザ登録画面またはアンケート画面とが表示される。
【0067】
入力情報エリア13cは、PC20aの表示装置26に表示されたユーザ登録画面またはアンケート画面に対し、入力装置27を介してユーザより入力された情報(以下「入力情報」と称す)を一時的に格納するためのエリアである。
【0068】
CPU11は、ルータ10のファームウェアの更新を完了すると、PC20aから入力情報を取得し、一旦、この入力情報エリア13cに格納する。そして、CPU11は、入力情報エリア13cに格納された入力情報と、上述のMACアドレス格納エリア12dに格納されたルータ10のMACアドレスとを含めて、更新完了通知をファームウェア配信サーバ30へ送信する。
【0069】
詳細については後述するが、ファームウェア配信サーバ30では、ルータ10より送信される更新完了通知に含まれる入力情報に基づいて、ルータ10のユーザ情報を、その入力情報と合わせて送信されるMACアドレスに対応付けて記憶する。これにより、次回、ルータ10よりファームウェア更新データの送信要求があった場合、ファームウェア配信サーバ30は、その送信要求に含まれるMACアドレスに対応付けられて記憶された入力情報を参照することで、ルータ10のユーザに合った広告を選択できる。
【0070】
更新後表示データエリア13dは、ルータ10のファームウェアの更新が完了したときに、ファームウェア配信サーバ30から取得する更新後表示データを、一時的に格納するためのエリアである。更新後表示データは、ルータ10にてファームウェアの更新が完了した後に、PC20aの表示装置26に更新後画面を表示させるためのデータである。
【0071】
この更新後画面は、ルータ10のファームウェア更新中に表示された更新時画面に含まれる広告に関連するサイトへリンクした情報を表示する画面である。CPU11が、ファームウェアの更新完了を通知する更新完了通知を、ファームウェア配信サーバ30に対して送信すると、ファームウェア配信サーバ30は、更新後画面を表示するための更新後表示データを生成して、ルータ10へ送信する。
【0072】
CPU11は、ファームウェア配信サーバ30よりこの更新後表示データを取得すると、一旦、それを更新後表示データエリア13dに格納し、その後、更新後表示データエリア13dに格納された更新後表示データを、PC20aへ送信する。
【0073】
これにより、ルータ10のファームウェアの更新が完了した後、PC20aの表示装置26には、更新後表示データに基づいて更新後画面が表示される。これにより、ファームウェアの更新中に表示される広告の中にユーザが興味を持った広告があった場合、ユーザは、その更新完了後に表示される更新後画面によって、興味を持った広告に関連するサイトへ容易にアクセスでき、その広告に関する情報を容易に入手できる。
【0074】
WANインターフェース14は、ルータ10をインターネット40に接続し、インターネット40を介して他機器との間で通信を行うためのインターフェースである。また、無線LANインターフェース15は、アンテナ15aを有しており、アンテナ15aを介してPC20a等の端末装置との間で無線通信50を行うためのインターフェースである。
【0075】
ルータ10は、無線LANインターフェース15を介して無線通信50を行う端末装置を相互に接続して、LANを構築する。また、そのLANに接続された各端末装置を、WANインターフェース14を介してインターネット40に接続することで、端末装置がインターネット40に接続された他機器との間で通信を行えるように制御する。なお、ルータ10は、ファームウェア更新サーバ30との間で行われる各種信号やデータのやりとりを、WANインターフェース14を介して行う。
【0076】
次いで、PC20aは、CPU21、ROM22、RAM23、無線LANインターフェース24,ハードディスク装置(Hard Disc Drive。以下「HDD」と称す。)25、表示装置26、入力装置27を主に有している。
【0077】
CPU21、ROM22、RAM23は、バスライン28を介して互いに接続されている。また、無線LANインターフェース24、HDD25、表示装置26、入力装置27は、いずれも入出力ポート29に接続され、その入出力ポート29は、バスライン28に接続されている。これにより、CPU21、ROM22、RAM23と入出力ポート29に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0078】
CPU21は、ROM22、RAM23、及びHDD25に記憶されるプログラムやデータに従って、或いは、無線LANインターフェース24を介して送受信される各種信号に従って、各種処理を実行する演算装置である。
【0079】
ROM22は、BIOS(Basic Input/Output System)等を記憶する書換不能な不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21が各種プログラムやデータを一時的に記憶するための書換可能な揮発性のメモリである。
【0080】
無線LANインターフェース24は、アンテナ24aを有しており、アンテナ24aを介してルータ10との間で無線通信50を行うためのインターフェースである。
【0081】
PC20aは、この無線LANインターフェース24を介してルータ10と無線通信50を行うことで、そのルータ10と無線通信50が行われる他の端末装置(ゲーム機20b、ハードディスクレコーダ20c等)と共にLANを形成したり、ルータ10の制御によりインターネット40に接続して、インターネット40に接続された他機器との間で通信を行ったりすることができる。
【0082】
また、PC20aは、無線LANインターフェース24を介して、ルータ10に対し、設定の変更を指示したり、ルータ10のファームウェア更新を指示したりする。更に、PC20aは、無線LANインターフェース24を介して、ルータ10から更新時表示データや更新後表示データを受信する。
【0083】
HDD25は、OSやアプリケーションプログラムといったCPU21により実行される各種プログラムや各種データを記憶する、書換可能で不揮発性のメモリディスクである。このHDD25には、アプリケーションプログラムの一つとしてブラウザプログラム25aが記憶されている。
【0084】
ブラウザプログラム25aは、ウェブページを表示装置26に表示させるブラウザを実行するためのプログラムである。ルータ10の設定変更を行うための設定画面やファームウェアの更新問い合わせ画面、ルータ10のファームウェア更新中に表示される更新時画面、ファームウェア更新後に表示される更新後画面は、このブラウザプログラム25aで実行されるブラウザによって、表示装置26に表示される。
【0085】
ここで、ルータ10は、ファームウェア配信サーバ30に対してファームウェア更新データの送信要求を行う場合に、予め、ブラウザプログラム25aの種別やバージョンといったブラウザ情報をPC20aから取得し、そのブラウザ情報を送信要求に含めてファームウェア配信サーバ30に送信する。これにより、ファームウェア配信サーバ30は、このブラウザ情報に基づき、そのブラウザで表示可能なデータ形式や、そのブラウザで表示される画像の解像度を考慮して、そのブラウザでの表示に適した更新時表示データを生成し、ルータ10に送信する。
【0086】
よって、ブラウザプログラム25aによって実行されるブラウザによって、更新時表示データに基づき表示装置26に表示される更新時画面が、正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、適切に表示させることができる。
【0087】
表示装置26は、液晶ディスプレイ等によって構成され、PC20aにおける処理の結果を表示する装置である。上述した通り、更新時画面や更新後画面は、この表示装置26に表示される。
【0088】
入力装置27は、各種の操作ボタンや、キーボード、マウス等によって構成され、ユーザから各種の入力操作を受け付ける装置である。表示装置26にユーザ登録画面またはアンケート画面が表示された場合、CPU21は、その画面に対するユーザの入力をこの入力装置27から受け付ける。
【0089】
次いで、図3は、ファームウェア配信サーバ30の電気的構成を示すブロック図である。このファームウェア配信サーバ30は、CPU31、ROM32、RAM33、インターフェース34、HDD35、表示装置36、入力装置37を少なくとも有している。
【0090】
CPU31、ROM32、RAM33は、バスライン38を介して互いに接続されている。また、インターフェース34、HDD35、表示装置36、入力装置37は、いずれも入出力ポート39に接続され、その入出力ポート39は、バスライン38に接続されている。これにより、CPU31、ROM32、RAM33と入出力ポート39に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0091】
CPU31は、ROM32、RAM33、及びHDD35に記憶されるプログラムやデータに従って、或いは、インターフェース34を介して送受信される各種信号に従って、各種処理を実行する演算装置である。
【0092】
ROM32は、BIOS(Basic Input/Output System)等を記憶する書換不能な不揮発性のメモリである。RAM33は、CPU31が各種プログラムやデータを一時的に記憶するための書換可能な揮発性のメモリである。
【0093】
インターフェース34は、ファームウェア配信サーバ30をインターネット40に接続し、インターネット40を介して他機器との間で通信を行うためのインターフェースである。ルータ10との各種信号やデータのやりとりは、このインターフェース34を介して行う。
【0094】
HDD35は、OSやアプリケーションプログラムといったCPU31により実行される各種プログラムや各種データを記憶する、書換可能で不揮発性のメモリディスクである。ファームウェアを最新バージョンに更新するためのファームウェア更新データは、このHDD35に格納される。また、後述する図10の更新データ送信処理を実行するプログラムや、図12の更新完了処理を実行するプログラムも、HDD35に格納される。また、HDD35には、ユーザ情報格納エリア35a、表示データエリア35b、更新時表示種別エリア35cが少なくとも設けられている。
【0095】
ユーザ情報格納エリア35aは、ユーザ情報テーブルを格納するためのエリアである。ユーザ情報テーブルは、ファームウェアの配信対象である複数のルータ10について、そのルータ10のユーザ情報をルータ10毎に登録するためのテーブルである。そして、このユーザ情報テーブルは、ルータ10に対してファームウェア更新データと更新時表示データとを送信する場合に、ルータ10におけるファームウェアの更新中に、PC20aの表示装置26で表示すべき広告を選択するために参照される。
【0096】
ここで、図4を参照して、ユーザ情報格納エリア35aに格納されるユーザ情報テーブルの詳細について説明する。図4は、そのユーザ情報テーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【0097】
図4に示すように、ユーザ情報テーブルには、各ルータ10を識別するための通し番号である「ID」35a1に対し、その「ID」35a1で特定されるルータ10の「MACアドレス」35a2、そのルータ10を使用するユーザの「ユーザ名」35a3、そのユーザの「性別」35a4、そのルータ10の現在の「ファームウェアバージョン」35a5、そのユーザがルータ10と共に使用している「使用機種」35a6、そのユーザが使用するルータ10の「使用状況」35a7、及び、そのルータ10におけるファームウェアの「更新履歴」35a8といった、各ルータ10に特有の情報(ユーザ情報)が対応付けられて登録される。
【0098】
なお、本実施形態では、ユーザの使用機種を最大10機種まで登録可能に構成されている。即ち、「使用機種」35a6は、「使用機種1」〜「使用機種10」に分けられており、「使用機種1」〜「使用機種10」に、それぞれ1機種ずつユーザの使用機種が登録される。
【0099】
「使用状況」には、例えば、ルータ10を「PCの無線LAN接続」に使用しているとか、「ゲーム機の無線LAN接続」に使用しているといった、ユーザがルータ10をどのような目的で使用しているかといった内容が登録される。
【0100】
「更新履歴」35a8は、例えば、直近5回分の更新履歴を登録可能に構成されている。具体的には、「更新履歴」35a8は、「更新履歴1」〜「更新履歴5」に分けられており、「更新履歴1」には最も直近の更新履歴が登録され、次いで、「更新履歴2」、「更新履歴3」、「更新履歴4」、「更新履歴5」の順に、古い更新履歴が登録される。
【0101】
「更新履歴1」〜「更新履歴5」は、それぞれ「更新日(1〜5)」、「更新バージョン(1〜5)」、「更新理由(1〜5)」に分かれており、「更新日(1〜5)」には、更新が行われた日にちが登録され、「更新バージョン(1〜5)」には、その更新によって更新されたファームウェアの更新後のバージョンが登録され、「更新理由(1〜5)」には、ユーザがなぜその更新を行ったかの理由が登録される。
【0102】
CPU31は、一のルータ10よりファームウェア更新データの送信要求を受信すると、後述の図10に示す更新データ送信処理を実行し、その送信要求に含まれる該ルータ10のMACアドレスを抽出して、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに、該ルータ10が登録されているか否かを、抽出したMACアドレスと「MACアドレス」35a2に登録されているMACアドレスとを比較して判断する。
【0103】
即ち、CPU31は、抽出したMACアドレスが「MACアドレス」35a2に登録されていない場合、CPU31は、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10が登録されていないと判断する。この場合、CPU31は、登録が行われていない場合に表示する広告を選択し、その広告を表示するための広告データと、ユーザ登録の入力を受け付けるユーザ登録画面(図11(a)参照)を表示するためのユーザ登録画面データとから更新時表示データを生成して、その更新時表示データをファームウェア更新データとあわせて送信要求のあったルータ10に送信する。
【0104】
これにより、ルータ10のファームウェアの更新が行われている間、PC20aの表示装置26には、広告と共にユーザ登録画面が表示される。そして、ルータ10においてファームウェアの更新が完了すると、ユーザ登録画面に対してユーザから入力された入力情報がPC20aからルータ10により取得され、ファームウェア配信サーバ30に対して送信される。
【0105】
そこで、CPU31は、更新完了処理を実行して、ルータの登録がなされていない「ID」35a1のIDに対応付けて、ファームウェアの更新を行ったルータ10のMACアドレスを「MACアドレス」35a1に新規登録すると共に、ルータ10より受信した入力情報に基づいて、ユーザがユーザ登録画面に対して入力した各種のユーザ情報を、そのIDに対応付けて、「ユーザ名」35a3、「性別」35a4、「使用機種」35a6、及び、「使用状況」35a7等に新規登録する。
【0106】
また、CPU31は、入力情報からルータ10のファームウェア更新を行った理由(更新理由)を抽出し、更新日(即ち、更新完了処理が行われた日にち)と、更新後のファームウェアのバージョンと、抽出した更新理由とを、MACアドレス等を登録した上記のIDに対応付けて、「更新履歴」35a8に設けられた「更新履歴1」の「更新日1」、「更新バージョン1」、「更新理由1」にそれぞれ登録する。更に、更新後のファームウェアバージョンを、現在のルータ10のファームウェアのバージョンとして、MACアドレス等を登録した上記のIDに対応付けて、「ファームウェアバージョン」35a5に登録する。
【0107】
一方、一のルータ10よりファームウェア更新データの送信要求を受信した場合に、その送信要求から抽出したMACアドレスが「MACアドレス」35a2に登録されている場合、CPU31は、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10が登録されていると判断する。そして、CPU31は、MACアドレスが登録されている「MACアドレス」35a2と同じ「ID」35a1に対応付けられた各種のユーザ情報から、そのルータ10のユーザに合った広告を1種類以上選択し、その広告を表示するための広告データを含む更新時表示データを、ファームウェア更新データとあわせて、送信要求のあったルータ10に送信する。
【0108】
ここで、ユーザ情報にはユーザの「性別」35a4が含まれているので、この「性別」35a4に基づいて広告を選択すれば、性別に応じて需要の高い広告を選択することができる。
【0109】
また、ユーザ情報には、ルータ10の現在の「ファームウェアバージョン」35a5、即ち、これから更新が行われるルータ10における更新直前のファームウェアのバージョンが含まれているので、この「ファームウェアバージョン」35a5に基づいて広告を選択すれば、今回のファームウェアの更新によってルータ10が新たに接続対応可能となる端末装置の広告を選択することができる。
【0110】
また、ユーザ情報に含まれるユーザの「使用機種」35a6に基づいて広告を選択すれば、そのユーザが使用する機器の最新機種や関連機器の広告を選択することができる。ルータ10の「使用状況」35a7に基づいて広告を選択すれば、その使用状況にふさわしいネットワーク環境の構築の提案やその構築に必用な機器の広告を選択することができる。「更新履歴」35a8に基づいて広告を選択すれば、ファームウェアの更新状況からユーザが何を目的としてどのようなタイミングでファームウェアを更新しているかを判断し、それに見合った広告を選択することができる。
【0111】
なお、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録されるユーザ情報は、図4に示す情報に限られるものではなく、その他のユーザ情報、例えば、ユーザ情報としてユーザの「年齢」や「住所」、「家族構成」といった情報を登録可能に構成してもよい。ユーザの「年齢」や「家族構成」に基づいて広告を選択すれば、その年齢や家族構成に応じて需要の高い広告を選択できるし、ユーザの「住所」に基づいて広告を選択すれば、その地域にある販売店の広告を選択することもできる。
【0112】
また、CPU31は、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10が登録されていると判断した場合に、上記のようにして選択した広告を表示するための広告データだけでなく、ユーザからアンケートの入力を受け付けるアンケート画面(図11(b)参照)を表示するためのアンケート画面データを含めて更新時表示データを生成し、その更新時表示データをファームウェア更新データとあわせて送信要求のあったルータ10に送信する。
【0113】
これにより、ルータ10のファームウェア更新中、PC20aの表示装置26には、選択された広告とアンケート画面とが表示される。広告の選択は、上述した通り、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録された該ルータ10のユーザ情報に応じて行われるので、ファームウェアの更新中、よりルータ10のユーザに適した広告を表示装置26に表示させることができる。
【0114】
また、ルータ10においてファームウェアの更新が完了すると、その更新中に表示されたアンケート画面に対してユーザから入力された入力情報が、ルータ10によってPC20aから取得され、ファームウェア配信サーバ30に対して送信される。
【0115】
そこで、CPU31は、更新完了処理を実行し、ルータ10より受信した入力情報に基づいて、ユーザがアンケート画面に対して入力した各種の情報を、そのルータ10が登録されている「ID」35a1のIDに対応付けて、「使用機種」35a6や「使用状況」35a7等に上書きして追加登録する。
【0116】
また、CPU31は、「更新履歴」35a8の「更新履歴1」〜「更新履歴4」に登録されている内容を、それぞれ、「更新履歴2」〜「更新履歴5」へシフトさせると共に、入力情報からルータ10のファームウェア更新を行った理由(更新理由)を抽出し、更新日(即ち、更新完了処理が行われた日にち)と、更新後のファームウェアのバージョンと、抽出した更新理由とを、MACアドレス等を登録した上記のIDに対応付けて、「更新履歴」35a8に設けられた「更新履歴1」の「更新日1」、「更新バージョン1」、「更新理由1」にそれぞれ登録する。更に、更新後のファームウェアバージョンを、現在のルータ10のファームウェアのバージョンとして、ファームウェアの更新を行ったルータ10が登録されている上記のIDに対応付けて、「ファームウェアバージョン」35a5に登録する。
【0117】
図3に戻り、HDD35の説明を続ける。表示データエリア35bは、上述の更新時表示データの生成に用いられる各種のデータを格納したエリアである。具体的には、ルータ10のファームウェア更新中にPC20aの表示装置26に表示させる種々の広告について、その広告を表示するための広告データが、その広告毎に表示データエリア35bに格納されている。また、上述のユーザ登録画面を表示するためのユーザ登録画面データや、アンケート登録画面を表示するためのアンケート登録画面データも、この表示データエリア35bに格納されている。
【0118】
また、各広告データ、ユーザ登録画面データ、及び、アンケート登録画面データは、それぞれ、複数の画像の大きさおよびデータ形式に対応させて複数のデータが用意されており、それらのデータが全て表示データエリア35bに格納されている。
【0119】
CPU31は、ルータ10からファームウェア更新データの送信要求を受信した場合に、PC20aのブラウザ情報を抽出する。そして、そのブラウザで表示可能なデータ形式や、そのブラウザで表示される画像の解像度を考慮して、そのブラウザに合った画像の大きさ及びデータ形式の広告データ、ユーザ登録画面データ、又は、アンケート画面データを表示データエリア35bから抽出し、ルータ10に対して送信する更新時表示データを生成する。
【0120】
これにより、ルータ10のファームウェア更新中に、PC20aの表示装置26に表示される更新時画面が、そのPC20aで使用されるブラウザによって正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、その画面を適切に表示させることができる。
【0121】
更新時表示種別エリア35cは、ファームウェア更新データの送信要求があったルータ10に対して送信した更新時表示データの内容を一時的に格納するエリアである。CPU31は、そのルータ10に対して更新時表示データを送信する場合に、その更新時表示データに含まれる内容が、そのルータ10のMACアドレスに対応付けて格納する。
【0122】
具体的には、更新時表示データに含まれる広告データで表示される広告の種別が、ルータ10のMACアドレスに対応付けられて、更新時表示種別エリア35cに格納される。また、更新時表示データにユーザ登録画面データが含まれている場合は、その旨が、アンケート登録画面が含まれている場合は、その旨が、ルータ10のMACアドレスに対応付けられて、更新時表示種別エリア35cに格納される。
【0123】
CPU31は、ルータ10から更新完了通知を受信すると、そのルータ10のMACアドレスに対応付けて更新時表示種別エリア35cに格納された広告の種別から、その広告に関連するサイトへリンクする更新後画面を表示する更新後表示データを生成し、更新完了通知のあったルータ10へ送信する。
【0124】
また、更新時表示種別エリア35cにおいて、そのルータ10のMACアドレスに対応付けられて、更新時表示データにユーザ登録画面データが含まれている旨が格納されている場合は、更新完了通知と合わせて送信される入力情報が、ユーザ登録画面に対してユーザより入力された情報であると解釈して、その入力情報から、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルにユーザ情報を新規登録する。
【0125】
また、更新時表示種別エリア35cにおいて、そのルータ10のMACアドレスに対応付けられて、更新時表示データにアンケート画面データが含まれている旨が格納されている場合は、更新完了通知と合わせて送信される入力情報が、アンケート画面に対してユーザより入力された情報であると解釈して、その入力情報から、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルにユーザ情報を追加登録する。
【0126】
表示装置36は、液晶ディスプレイ等によって構成され、ファームウェア配信サーバ30における処理の結果を表示する装置である。また、入力装置37は、各種の操作ボタンや、キーボード、マウス等によって構成され、各種の入力操作を受け付ける装置である。
【0127】
ファームウェア配信サーバ30は、これら表示装置36および入力装置37を備えているので、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルを解析して、ユーザがルータ10をどのような状況で使用しているかといった解析や、ファームウェアの更新をどのようなタイミングで、どのような理由で行っているかといった解析を行うことできる。よって、その解析結果を利用して、今後のルータ10の開発や、ファームウェアのバージョンアップ等のサポート等に役立てることができる。
【0128】
次いで、図5〜13を参照して、ファームウェア更新システム100の構成要素であるルータ10内のCPU11およびファームウェア配信サーバ30内のCPU31により実行される各処理について説明する。
【0129】
まず、図5は、ルータ10内のCPU11により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、ルータ10に電力が投入された場合に実行が開始され、ルータ10内の内部状態や、外部装置(PC20a等の端末装置、ファームウェア配信サーバ30等のインターネット40を介して接続される他機器など)からの制御信号の受信状態などに応じて、各種処理を実行し、ルータ10の制御を行う処理である。このメイン処理は、ルータ10に電力が供給され続けている間CPU11により実行され続ける。
【0130】
このメイン処理では、まず、初期化処理を実行し(S11)、ルータ10内の各部を初期化して動作可能な状態にする。そして、S11の初期化処理が終了すると、S12〜S18のループ処理へ移行して、ルータ10の内部状態や、外部装置からの制御信号の受信状態に応じて、ルータ10の各種処理を実行する。
【0131】
S12の処理では、PC20a等の端末装置から設定画面表示の要求があったかを判断し(S12)、設定画面表示の要求があった場合は(S12:Yes)、図6に示す設定画面61を表示させるブラウザ用データを、その要求のあったPC20a(端末装置)へ送信する(S13)。
【0132】
これにより、PC20a(端末装置)の表示装置26には、ルータ10の設定画面61が、PC20a(端末装置)のブラウザによって表示される。ここで、図6を参照して、ルータ10の設定画面61について説明する。図6は、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される設定画面61を模式的に示した模式図である。
【0133】
設定画面61は、ルータ10に対し、各種設定の開始、設定の確認、設定の初期化、及び、ファームウェアの更新といった指示を受け付ける画面である。この設定画面61は、「かんたん設定」、「詳細設定」、「設定確認」、「設定初期化」、「ファームウェア更新」の各文字列が表示され、それぞれの文字列に対して、その文字列が入力装置27の操作によって選択された場合に実行すべき動作が対応付けられている。
【0134】
具体的には、「かんたん設定」に対しては、ルータ10における主要な設定が簡易に行える「かんたん設定画面」の表示が対応付けられ、「詳細設定」に対しては、ルータ10における詳細な設定が行える「詳細設定画面」の表示が対応付けられ、「設定確認」に対しては、ルータ10の各設定項目に対して現在の設定値が表示される「設定確認画面」の表示が対応付けられ、「設定初期化」に対しては、ルータ10へ設定初期化の要求送信が対応付けられている。また、「ファームウェア更新」に対しては、ルータ10へファーム更新問い合わせの要求送信と、上述の「更新時画面」の表示とが対応付けられている。
【0135】
よって、PC20aは、表示装置26に設定画面61が表示されている場合に、入力装置27によって「かんたん設定」が選択されたときは、表示装置26に所定の「かんたん設定画面」を新たに表示し、「詳細設定」が選択されたときは、表示装置26に所定の「詳細設定画面」を新たに表示し、「設定確認」が選択されたときは、表示装置26に所定の「設定確認画面」を新たに表示し、「設定初期化」が選択されたときは、ルータ10に対し設定初期化の要求を送信し、「ファームウェア更新」が選択されたときは、ルータ10に対しファームウェア更新問い合わせの要求を送信し、また、表示装置26に所定の「更新時画面」を新たに表示する。
【0136】
図5に戻って、メイン処理の説明を続ける。S13の処理が行われた後、または、S12の処理により、PC20a(端末装置)から設定画面表示の要求がないと判断された場合(S12:No)、次いで、PC20a(端末装置)から、ファームウェア更新問い合わせの要求があったかを判断する(S14)。
【0137】
その結果、ファームウェア更新問い合わせの要求があった場合は(S14:Yes)、図7に示す更新問い合わせ処理を実行する(S15)。ここで、図7を参照して、この更新問い合わせ処理(S15)について説明する。図7は、ルータ10内のCPU11によって実行される更新問い合わせ処理(S15)を示すフローチャートである。
【0138】
更新問い合わせ処理(S15)は、ファームウェア配信サーバ30に最新バージョンのファームウェアがあるか否かを確認した上で、ユーザに対してファームウェアの更新の意志を再確認の意味で問い合わせる処理である。
【0139】
この更新問い合わせ処理では、まず、ファームウェア配信サーバ30に対し、ファームウェアの最新バージョンを問い合わせて確認する(S21)。そして、S21の処理で確認したファームウェアのバーションと、ファームウェアエリア12aに格納されているファームウェアのバージョンとを比較し、自機器(ルータ10)のファームウェアが最新バージョンであるかを判断する(S22)。
【0140】
その結果、ルータ10のファームウェアが最新バージョンであった場合は(S22:Yes)、ルータ10のファームウェアが最新であることを通知する通知画面を表示するためのブラウザ用データを、ファームウェア更新問い合わせの要求を送信したPC20a(端末装置)へ送信し(S23)。更新問い合わせ処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0141】
S23の処理により、PC20a(端末装置)の表示装置26には、ブラウザにて上記の通知画面が表示されるので、ファームウェアの更新指示を行ったユーザは、ルータ10のファームウェアが最新バージョンであることを認識できる。
【0142】
一方、S22の処理の結果、ルータ10のファームウェアが最新バージョンではない、即ち、古いバージョンであった場合は(S22:No)、図8に示す最新バージョンへの更新問い合わせ画面62を表示するブラウザ用データをPC20a(端末装置)へ送信して(S24)、更新問い合わせ処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0143】
S24の処理により、PC20a(端末装置)の表示装置26には、ブラウザによって更新問い合わせ画面62が表示される。ここで、図8を参照して、更新問い合わせ画面62について説明する。図6は、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される更新問い合わせ画面62を模式的に示した模式図である。
【0144】
更新問い合わせ画面62は、ファームウェアの更新指示を行ったユーザに対し、ファームウェア配信サーバ30に最新のファームウェアが存在する旨を知らせた上で、ルータ10のファームウェアをその最新のファームウェアに更新するか否かを再確認の意味で問い合わせる画面である。
【0145】
この更新問い合わせ画面62では、図8に示す通り、「最新のファームウェアがあります。更新しますか?」のメッセージと共に、「Yes」の文字が記載されたYesアイコン62aと、「No」の文字が記載されたNoアイコン62bとが表示される。
【0146】
そして、Yesアイコン62aに対しては、そのYesアイコン62aが選択操作された場合の動作として、ルータ10へファーム更新の要求送信が対応付けられている。一方、Noアイコン62bに対しては、そのNoアイコン62bが選択操作された場合の動作として、ファームウェアの更新処理を中止する旨のメッセージが記載された中止表示画面の表示が対応付けられている。
【0147】
よって、PC20aの表示装置26に更新問い合わせ画面62が表示されている場合に、ユーザが入力装置27を介してNoアイコン62bを選択操作した場合、PC20aの表示装置には、前記の中止表示画面が表示されるので、ユーザは、ファームウェアの更新処理が中止されたことを認識できる。一方、ユーザが入力装置27を介してYesアイコン62aを選択操作した場合、PC20aは、ルータ10に対して、ファームウェア更新の要求を送信する。
【0148】
図5に戻って、メイン処理の説明を続ける。S15の処理が行われた後、または、S14の処理により、PC20a(端末装置)からファームウェア更新問い合わせの要求がないと判断された場合(S14:No)、次いで、PC20a(端末装置)から、ファームウェア更新の要求があったかを判断する(S16)。
【0149】
その結果、ファームウェア更新の要求があった場合は(S16:Yes)、更新処理を実行し(S17)、ルータ10のファームウェアの更新を行う。なお、この更新処理(S17)の詳細については、図9を参照して後述する。
【0150】
一方、S16の処理により、PC20a(端末装置)からファームウェア更新の要求がないと判断された場合(S16:No)、または、更新処理(S17)が行われた後は、その他の処理が行われる(S18)。
【0151】
その他の処理としては、ルータ10の内部状態や、外部装置からの制御信号の受信状態に応じて、ルータ10の無線LAN機能や、ルータ機能を制御する処理が含まれる。また、PC20a(端末装置)からの制御信号に応じてルータ10の設定を行ったり、PC20a(端末装置)からの設定初期化の要求に応じて設定値格納エリア12cに格納された各種設定値を初期設定値(ディフォルト値)に戻したりする処理も、このその他の処理の中で実行される。
【0152】
そして、S18の処理の後、S12の処理へ回帰し、以後、S12〜S18の処理が繰り返し実行される。これにより、ルータ10の内部状態や、外部装置からの制御信号の受信状態に応じて、ルータ10の各種処理が実行される。
【0153】
次いで、図9を参照して、ルータ10内のCPU11により実行される更新処理(S17)について説明する。図9は、この更新処理(S17)を示すフローチャートである。この更新処理(S17)は、上述した通り、ルータ10内のCPU11により実行されるメイン処理(図5)のS17の処理で、ルータ10のファームウェアエリア12aに格納されるファームウェアの更新を行う処理である。
【0154】
この更新処理(S17)は、ファームウェア配信サーバ30内のCPU31で実行される更新データ送信処理(図10参照)及び更新完了処理(図12参照)と協働して、ルータ10のファームウェアを更新する。そこで、この更新処理(S17)の説明では、図9に加えて図10及び図12も参照しながら、更新データ送信処理および更新完了処理についても説明する。
【0155】
なお、上述した通り、更新処理(S17)を実行するプログラムは、その更新処理(S17)によりファームウェアが書き換えられるファームウェアエリア12aとは別の更新処理プログラムエリア12bに格納されており、更新処理(S17)を実行中、その更新処理(S17)を実行するプログラムが書き換えられることはない。よって、ファームウェアの更新中も更新処理(S17)が正常に実行される。
【0156】
この更新処理(S17)では、まず、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)から、そのPC20a(端末装置)で使用されるブラウザプログラム(25a)の種別やバージョン等のブラウザ情報を取得する(S31)。そして、ファームウェア配信サーバ30に対し、ファームウェア更新データの送信要求を送信する(S32)。このとき、S32の処理では、MACアドレス格納エリア12dに格納されている自機器(ルータ10)のMACアドレスと、S31の処理で取得したブラウザ情報とを含めて、ファームウェア更新データの送信要求をファームウェア配信サーバ30に対し送信する。
【0157】
ファームウェア配信サーバ30内のCPU31は、ルータ10からファームウェア更新データの送信要求を受信すると、図10に示す更新データ送信処理の実行を開始する。ここで、図10を参照して、この更新データ送信処理について説明する。図10は、ファームウェア配信サーバ30内のCPU31により実行される更新データ送信処理を示すファームウェアである。
【0158】
この更新データ送信処理は、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10に対して、ファームウェア更新データを送信する処理であると共に、ファームウェアの更新が行われる間、そのルータ10に接続されるPC20a(端末装置)の表示装置26に更新時画面を表示させる更新時表示データを送信する処理である。
【0159】
この更新データ送信処理では、まず、ルータ10より受信したファームウェア更新データの送信要求から、MACアドレスとブラウザ情報とを抽出する(S51)。
【0160】
このMACアドレスとブラウザ情報とは、上述した通り、ルータ10がファームウェア配信サーバ30に対してファームウェア更新データの送信要求を送信するためにそのルータ10内のCPU11によって実行される更新処理(S17)のS32の処理(図9参照)によって、そのファームウェア更新データの送信要求に含められた情報である。
【0161】
よって、このS51により抽出されたMACアドレスが、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10のMACアドレスである。また、合わせて抽出されたブラウザ情報が、そのルータ10に対し、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)で用いられるブラウザプログラム25aのブラウザ情報である。
【0162】
次いで、更新データ送信処理では、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10が、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判断するために、そのルータ10のMACアドレスが、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに格納されているかを判断する(S52)。即ち、S52の処理では、S51の処理で抽出したMACアドレスが、ユーザ情報テーブルの「MACアドレス」35a2(図4)に登録されているか否かを確認する。
【0163】
その結果、S51の処理で抽出したMACアドレスが、ユーザ情報テーブルの「MACアドレス」35a2に登録されていないと判断される場合は(S52:No)、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10がユーザ情報テーブルに登録されていないと判断し、S53〜S55の処理を実行する。
【0164】
S53の処理では、ユーザ登録画面を表示するためのユーザ登録画面データを表示データエリア35bから抽出する(S53)。このとき、S51の処理で抽出したブラウザ情報に基づき、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザプログラム(25a)の種別やバージョンから、そのブラウザで表示可能なデータ形式や、そのブラウザで表示される画像の解像度といった、ブラウザの仕様に合った画像の大きさ及びデータ形式のユーザ登録画面データを表示データエリア35bより抽出する。
【0165】
次いで、S54の処理では、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10のユーザ情報が、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録されていない場合に表示する広告を1種類以上選択し、その広告を表示するための広告データを表示データエリア35bから抽出する(S54)。即ち、そのルータ10のユーザ情報がユーザ情報テーブルに登録されていなければ、そのルータ10のユーザに合った広告を選択できないので、S54の処理では、ユーザ情報が登録されていない場合に表示される予め定められた広告を選択して、その広告データを抽出する。なお、予め定められた広告を選択することに代えて、ランダムに広告を選択し、その広告データを抽出するようにしてもよい。
【0166】
ここで、S54の処理においても、S53の処理と同様に、選択した広告の広告データを抽出する場合、S51の処理で抽出したブラウザ情報に基づき、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザの仕様(ブラウザで表示可能なデータ形式や解像度など)に合った画像の大きさ及びデータ形式の広告データを表示データエリア35bより抽出する。
【0167】
そして、S55の処理では、S53の処理で抽出したユーザ登録画面データと、S54の処理で抽出した広告データとから、更新時表示データを生成し(S55)、S60の処理へ移行する。
【0168】
一方、S52の処理の結果、S51の処理で抽出したMACアドレスが、ユーザ情報テーブルの「MACアドレス」35a2に登録されていると判断される場合は(S52:Yes)、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10がユーザ情報テーブルに登録されていると判断し、S56〜S59の処理を実行する。
【0169】
S56の処理では、アンケート画面を表示するためのアンケート画面データを表示データエリア35bから抽出する(S56)。このとき、S53やS55の処理と同様に、S51の処理で抽出したブラウザ情報に基づき、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザの仕様(ブラウザで表示可能なデータ形式や解像度など)に合った画像の大きさ及びデータ形式のアンケート画面データを表示データエリア35bより抽出する。
【0170】
次いで、S57の処理では、S51の処理で抽出したMACアドレス、即ち、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10のMACアドレスに対応したユーザ情報(「ユーザ名」35a3、「性別」35a4、「ファームウェアバージョン」35a5、「使用機種」35a6、「使用状況」35a7、「更新履歴」35a8)をユーザ情報格納エリア35aに格納されたユーザ情報テーブルより取得する(S57)。
【0171】
そして、S57の処理で取得したユーザ情報に応じて、そのルータ10のユーザに合った広告を1種類以上選択し、その選択された広告について、その広告を表示するための広告データを表示データエリア35bから抽出する(S58)。このとき、S58の処理においても、S53,S55やS56の処理と同様に、選択した広告の広告データを抽出する場合、S51の処理で抽出したブラウザ情報に基づき、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザの仕様(ブラウザで表示可能なデータ形式や解像度など)に合った画像の大きさ及びデータ形式の広告データを表示データエリア35bより抽出する。
【0172】
その後、S56の処理で抽出したアンケート画面データと、S58の処理で抽出した広告データとから、更新時表示データを生成し(S59)、S60の処理へ移行する。
【0173】
S60の処理では、HDD35に格納されているファームウェア更新データと、S55又はS59の処理で生成した更新時表示データとを、ファームウェア更新データの送信要求を送信したルータ10へ送信する(S60)。
【0174】
そして、S60の処理により生成された更新時表示データの内容、即ち、S54又はS58の処理で選択された広告の種別と、更新時表示データの中にユーザ登録画面またはアンケート登録画面が含まれる旨の情報とを、S51の処理で抽出したMACアドレス、即ち、その更新時表示データを送信したルータ10のMACアドレスに対応付けて、更新時表示種別エリア35cに格納して(S61)、更新データ送信処理を終了する。
【0175】
詳細については後述するが、S60の処理により、ルータ10では、ファームウェア更新データを用いてルータ10のファームウェアが更新され、また、そのファームウェアの更新が行われている間、更新時表示データを用いて、PC20a(端末装置)の表示装置26に更新時画面が表示される。
【0176】
また、S61の処理で更新時表示種別エリア35cに格納された情報は、ルータ10でのファームウェアの更新が完了した場合にファームウェア配信サーバ30内のCPU31で実行される更新完了処理の中で参照される。
【0177】
図9に戻り、ルータ10内のCPU11により実行される更新処理(S17)の説明を続ける。上述のS32の処理によりファームウェア配信サーバ30に対して送信したファームウェア更新データの送信要求に応じて、ファームウェア配信サーバ30からファームウェア更新データと更新時表示データとが送信されてくると、CPU11は、そのファームウェア更新データおよび更新時表示データとを取得し、その取得したファームウェア更新データをファームウェア更新データエリア13aへ格納し、更新時表示データを更新時表示データエリア13bに格納する(S33)。
【0178】
そして、更新時表示データエリア13bに格納された更新時表示データを読み出して端末装置へ送信し(S34)、その後、ファームウェア更新データエリア13a1に格納されたファームウェア更新データを用いて、ファームウェアエリア12aのファームウェアを更新する(S35)。
【0179】
このS35の処理を具体的に説明すると、まず、設定値格納エリア12cに格納された各設定項目の設定値をRAM13に保存し、次いで、ファームウェア更新データに従って、ファームウェアエリア12aのファームウェアを書き換え、また、ファームウェアで用いられる設定項目およびその設定初期値(ディフォルト値)を、設定値格納エリア12cに上書きして格納する。
【0180】
そして、ファームウェアの書き換えが正常に行われていることをテストし、その書き換えが正常に行われた場合は、書き換え後の設定値格納エリア12cに格納されている各種設定項目の中で、先にRAM13に保存された設定項目があれば、そのRAM13に保存されている設定項目の設定値を、設定値格納エリア12cの該当する設定項目の設定値として上書きし、復元する。
【0181】
S35の処理では、以上の処理を経て、ファームウェアの更新を完了する。そして、S35の処理の後、更新処理(S17)では、自機器(ルート10)をリブートし(S36)、更新後のファームウェアによってルート10の制御を可能にした後、NTP(Network Time Protocol)サーバにアクセスして、ルータ10が持つ時計を正しい時刻に同期させて(S37)、ルータ10における各種機能の制御を再開する。
【0182】
ここで、S35〜S37の処理が行われている間、ルータ10はファームウェアに従って各種機能の制御を行うことができない。従って、ルータ10のユーザは、S35〜S37の処理が完了するまで、ルータ10を使用できない状態となる。
【0183】
一方、S34の処理によって、ファームウェアの更新が行われる前に、予め、更新時表示データが、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)に対して送信されており、PC20a(端末装置)では、ルータ10にてS35〜S37の処理が行われている間、即ち、少なくともファームウェアの更新が行われる間、表示装置26に、その更新時表示データに対応する更新時画面を表示させるように制御が行われる。
【0184】
ここで、図11を参照して、ファームウェアの更新が行われている間、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される更新時画面について説明する。図11(a)は、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録が行われていない場合に、ファームウェアの更新が行われている間、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される更新時画面を模式的に示す模式図であり、図11(b)は、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録が行われている場合に、ファームウェアの更新が行われている間、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される更新時画面を模式的に示す模式図である。
【0185】
まず、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録が行われていない場合は、ファームウェア配信サーバ30で実行される更新データ送信処理のS53〜S55の処理によって、図11(a)に示すような、ユーザ登録画面と広告とを含む更新時画面63が、表示装置26に表示される。
【0186】
ここで、更新時画面63を表示させるための更新時表示データに含まれる広告データおよびユーザ登録画面データは、上記のS53及びS54の処理により、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザプログラム(25a)の種別やバージョンから、そのブラウザの仕様に合った画像の大きさ及びデータ形式のものが選択されて用いられている。よって、PC20a等の端末装置によって異なるブラウザが用いられても、そのブラウザの仕様にあった更新時表示データが生成されるので、更新時画面を表示装置26に表示させた場合に、その更新時画面が正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、適切に表示させることができる。
【0187】
この更新時画面63は、図11(a)に示す通り、ユーザ登録領域63a〜63fと広告領域63gとに分けられ、広告領域63gに、ファームウェア配信サーバ30で実行される更新データ送信処理のS54の処理により選択された広告が表示される。
【0188】
なお、広告が複数選択されている場合は、広告領域63gに複数の広告を空間的に並べて表示してもよいし、また、広告領域63gに広告を1つずつ(または、所定の数ずつ)所定の時間毎に切り替えて表示してもよい。
【0189】
また、ユーザ登録領域63a〜63fは、各種のユーザ情報の入力が受け付けられるように表示され、ユーザの氏名の入力を受け付ける氏名入力領域63a、その氏名のフリガナの入力を受け付けるフリガナ入力領域63b、ユーザの性別の入力を受け付ける性別入力領域63c、ユーザにおけるルータ10の使用状況を受け付ける使用状況入力領域63d、ユーザがルータ10と共に使用している使用機種の入力を受け付ける使用機種入力領域63e、及び、ユーザがファームウェアを更新した理由の入力を受け付ける更新理由入力領域63fといった入力領域に分かれている。
【0190】
なお、ユーザ登録画面によって入力が受け付けられるユーザ情報は、これらに限られるものではなく、ユーザ登録画面は、ユーザの年齢や住所、家族構成といった種々のユーザ情報を受け付けるものであってもよい。
【0191】
ルータ10は、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録がなされていない場合に、PC20a(端末装置)の表示装置26に、このような更新時画面63を表示することで、ルータ10のユーザに対し、ユーザ情報の入力を行うように仕向けることができる。よって、ユーザが入力装置27からユーザ情報の入力を入力する間に、ファームウェアの更新を進めることができるので、ユーザを退屈させることなく、ファームウェアの更新を行うことができる。
【0192】
また、詳細については後述するが、この更新時画面63を介して入力されたユーザ情報は、ファームウェアの更新が完了した後、ルータ10を介してファームウェア配信サーバ30に送信される。これにより、ファームウェア配信サーバ30は、このユーザ情報をユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録することで、ユーザ登録を行うことができる。よって、ファームウェア配信サーバ30は、次回以降のファームウェアの更新時に、その登録されたユーザ情報に応じて、ユーザに合った広告を選択できる。
【0193】
次いで、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録が行われている場合は、ファームウェア配信サーバ30で実行される更新データ送信処理のS56〜S59の処理によって、図11(b)に示すような、アンケート画面と広告とを含む更新時画面64が、表示装置26に表示される。
【0194】
ここで、更新時画面64を表示させるための更新時表示データに含まれる広告データおよびアンケート画面データは、上記のS56及びS58の処理により、更新時画面63と同様に、PC20a(端末装置)で用いられるブラウザプログラム(25a)の種別やバージョンから、そのブラウザの仕様に合った画像の大きさ及びデータ形式のものが選択されて用いられている。よって、PC20a等の端末装置によって異なるブラウザが用いられても、そのブラウザの仕様にあった更新時表示データが生成されるので、更新時画面を表示装置26に表示させた場合に、その更新時画面が正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、適切に表示させることができる。
【0195】
この更新時画面64は、アンケート領域64a〜64cと広告領域64dとに分けられる。アンケート領域64a〜64cは、各種アンケート項目に対する回答の入力が受け付けられるように表示され、ユーザがファームウェアを更新した理由の入力を受け付ける更新理由入力領域64a、以前ユーザが登録したルータ10の使用状況に対する変更の入力を受け付ける使用状況変更入力領域64b、以前ユーザが登録した使用機種の追加・変更の入力を受け付ける使用機種追加変更入力領域64cといった入力領域に分かれている。
【0196】
なお、アンケート画面によって入力が受け付けられる回答項目は、これらに限られるものではない。また、アンケート画面は、例えば、以前ユーザが登録した年齢、住所、家族構成といったユーザ情報の変更を受け付けるものを含んでいてもよい。
【0197】
ルータ10は、ファームウェア配信サーバ30にルータ10のユーザ登録がなされている場合は、PC20a(端末装置)の表示装置26に、このようなアンケート画面を含む更新時画面64を表示することで、ルータ10のユーザに対し、アンケートの入力を行うように仕向けることができる。よって、ユーザが入力装置27からアンケートの入力を入力する間に、ファームウェアの更新を進めることができるので、ユーザを退屈させることなく、ファームウェアの更新を行うことができる。
【0198】
また、詳細については後述するが、この更新時画面63を介して入力されたアンケートの内容は、ファームウェアの更新が完了した後、ルータ10を介してファームウェア配信サーバ30に送信される。これにより、ファームウェア配信サーバ30は、このアンケートの内容をユーザ情報として、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに追加登録することができる。よって、ファームウェア配信サーバ30は、次回以降のファームウェアの更新時に、最初のユーザ登録によって登録されたユーザ情報だけでなく、その追加登録されたユーザ情報にも応じて、よりユーザにふさわしい広告を選択できる。
【0199】
また、広告領域64dには、ファームウェア配信サーバ30で実行される更新データ送信処理のS58の処理により選択された広告が表示される。なお、広告が複数選択されている場合は、広告領域63gと同様に、広告領域64dに複数の広告を空間的に並べて表示してもよいし、また、広告領域64dに広告を1つずつ(または、所定の数ずつ)所定の時間毎に切り替えて表示してもよい。
【0200】
ここで、上記S57及びS58の処理では、上述した通り、ファームウェア更新データ及び更新時表示データを送信するルータ10のユーザ情報(「ユーザ名」35a3、「性別」35a4、「ファームウェアバージョン」35a5、「使用機種」35a6、「使用状況」35a7、「更新履歴」35a8)を、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルから取得し、そのユーザ情報に応じて、ユーザに合った広告を選択する。これにより、ルータ10にてファームウェアの更新が行われている間、ユーザは、そのユーザにとって価値のある広告を表示装置26から視認できるので、その広告に注目しながら、ファームウェアの更新が完了するまで待機できる。
【0201】
また、そのユーザ情報は、上述のユーザ登録画面を有する更新時画面63や、アンケート画面を有する更新時画面64によって入力された情報であるので、更新時画面64にて表示される広告は、ユーザが入力した情報に基づいて選択されたものとなる。よって、表示装置26には、よりユーザに適した広告を表示させることができる。
【0202】
図9に戻り、ルータ10内のCPU11により実行される更新処理(S17)の説明を続ける。S37の処理によって、ルータ10による各種機能の制御が再開されると、更新処理(S17)では、ルータ10のファームウェア更新中に、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示された更新時表示画面63のユーザ登録画面、又は、更新時表示画面64のアンケート画面に対して、ユーザより入力された入力情報(ユーザ情報)を、そのPC20a(端末装置)より取得し、入力情報エリア13cへ一旦格納する(S38)。
【0203】
そして、MACアドレス格納エリア12dに格納されている自機器(ルータ10)のMACアドレスと、入力情報エリア13cに格納された入力情報とを含めて、ファームウェアの更新が完了したことを通知する更新完了通知を、ファームウェア配信サーバ30へ送信する(S39)。
【0204】
ファームウェア配信サーバ30内のCPU31は、この更新完了通知を受信すると、更新完了処理(図12)を実行し、その更新完了通知を送信したルータ10において、ファームウェアの更新中に表示装置26に表示された広告に関連するサイトへリンクした画面を表示する更新後表示データを、そのルータ10に対して送信する。また、CPU31は、表示装置26に表示されたユーザ登録画面またはアンケート画面に対してユーザより入力された入力情報から、各種のユーザ情報をユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに新規または追加登録する。
【0205】
ここで、図12を参照して、この更新完了処理について説明する。図12は、ファームウェア配信サーバ30内のCPU31によって実行される更新完了処理を示すフローチャートである。
【0206】
更新完了処理では、まず、ルータ10より受信した更新完了通知から、そのルータ10のMACアドレスと、ファームウェアの更新中にユーザ登録画面またはアンケート画面に対してユーザより入力された入力情報とを抽出する(S71)。
【0207】
次いで、抽出したMACアドレスに対応付けられて更新時表示種別エリア35cに格納された更新時表示データの種別、即ち、ファームウェアの更新中に表示装置26に表示した広告の種別と、ユーザ登録画面またはアンケート画面のいずれが表示されたかを表す情報とを、取得する(S72)。
【0208】
そして、取得した更新時表示データの種別から、表示装置26に表示した広告の種別を特定し(S73)、その特定した広告の種別から、その広告に関連するサイトへリンクした更新後画面(図13参照)を表示するデータを生成し、それを更新後表示データとして更新完了通知を送信したルータ10へ送信する(S74)。詳細については後述するが、ルータ10は、この更新後表示データをファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)へ送信し、ファームウェア更新中に表示した広告に関連するサイトへリンクした更新後画面を表示装置26に表示させる。
【0209】
次いで、S72の処理で取得した更新表示データの種別から、S71の処理で抽出した入力情報の内容が、ユーザ登録画面に対する入力情報であるのか、アンケート画面に対する入力情報であるのかを特定する(S75)。そして、S75の処理による特定から、S71の処理で抽出した入力情報が、ユーザ登録画面に対するものであるかを判断する(S76)。
【0210】
その結果、その入力情報がユーザ登録画面に対するものであれば(S76:Yes)、ファームウェアの更新が行われたルータ10に関するユーザ情報が、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録されていないと判断し、入力情報の内容に基づいて、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに、ルータ10のユーザ情報を新規登録して(S77)、更新完了処理を終了する。
【0211】
具体的には、S77の処理では、まず、ルータの登録がなされていないユーザ情報テーブルの「ID」35a1に対応付けて、S71の処理で抽出したMACアドレス、即ち、ファームウェアの更新が行われたルータ10のMACアドレスを、ユーザ情報テーブルの「MACアドレス」35a2に登録する。そして、ルータ10より受信した入力情報に基づいて、ユーザがユーザ登録画面に対して入力した各種の情報を、そのMACアドレスが対応付けられたIDに対応付けて、「ユーザ名」35a3、「性別」35a4、「使用機種」35a6、及び、「使用状況」35a7等に登録する。
【0212】
即ち、CPU31は、入力情報から、ユーザ登録画面を有する更新時画面63(図11(a))の氏名入力領域63aおよびフリガナ入力領域63bに入力された情報と、性別入力領域63cにされた情報と、使用状況入力領域63dに入力された情報と、使用機種入力領域63eに入力された情報とを抽出して、それぞれ、「ユーザ名」35a3、「性別」35a4、「使用機種」35a6、「使用状況」35a7へ登録する。
【0213】
また、CPU31は、入力情報から更新理由入力領域63fに入力された情報(更新理由)を抽出し、更新日と、更新後のファームウェアのバージョンと、抽出した更新理由とを、「更新履歴」35a8に設けられた「更新履歴1」の「更新日1」、「更新バージョン1」、「更新理由1」にそれぞれ登録する。更に、更新後のファームウェアバージョンを「ファームウェアバージョン」35a5に登録する。
【0214】
このように、ファームウェア配信サーバ30は、ルータ10からそのルータ10のユーザ情報を受信し、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルにそのユーザ情報を登録できるように構成されている。よって、ファームウェア配信サーバ30は、次回以降のファームウェアの更新時に、その登録されたユーザ情報に応じて、ユーザに合った広告を選択できる。
【0215】
一方、S76の処理の結果、S71の処理で抽出した入力情報が、ユーザ登録画面に対するものではなく、アンケート画面に対するものであると判断される場合は(S76:No)、ファームウェアの更新が行われたルータ10に関するユーザ情報が、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに登録されていると判断し、そのユーザ情報テーブルに登録されているユーザ情報に対し、入力情報の内容に含まれるユーザ情報を追加登録して(S78)、更新完了処理を終了する。
【0216】
具体的には、S78の処理では、入力情報から、アンケート画面を有する更新時画面64(図11(b))の使用状況変更入力領域64bに入力された情報と、使用機種追加変更入力領域64cに入力された情報とを抽出し、その抽出した情報に合わせて、それぞれ、「使用状況」35a7、「使用機種」35a6を書き換えることで、ユーザ情報の追加登録を行う。
【0217】
また、CPU31は、「更新履歴」35a8の「更新履歴1」〜「更新履歴4」に登録されている内容を、それぞれ、「更新履歴2」〜「更新履歴5」へシフトさせると共に、入力情報から更新理由入力領域64aに入力された情報を抽出し、更新日と、更新後のファームウェアのバージョンと、抽出した更新理由とを、「更新履歴」35a8に設けられた「更新履歴1」の「更新日1」、「更新バージョン1」、「更新理由1」にそれぞれ登録する。更に、更新後のファームウェアバージョンを「ファームウェアバージョン」35a5に登録する。
【0218】
このように、ファームウェア配信サーバ30は、このアンケートの内容をユーザ情報として、ユーザ情報格納エリア35aのユーザ情報テーブルに追加登録できる。よって、ファームウェア配信サーバ30は、次回以降のファームウェアの更新時に、最初のユーザ登録によって登録されたユーザ情報だけでなく、その追加登録されたユーザ情報にも応じて、よりユーザにふさわしい広告を選択できる。
【0219】
図9に戻り、ルータ10内のCPU11により実行される更新処理(S17)の説明を続ける。S39の処理により送信された更新完了通知に応じて、ファームウェア配信サーバ30から更新後表示データが送信されてくると、更新処理(S17)では、この更新後表示データを取得して、一旦、更新後表示データエリア13dに格納する(S40)。そして、更新後表示データエリア13dに格納された更新後表示データを、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)へ送信し(S41)、この更新処理を終了して、メイン処理(図6)へ戻る。
【0220】
このS40の処理によって、PC20a(端末装置)では、ルータ10のファームウェアの更新完了後に、更新後表示データに基づいて更新後画面65(図13)を表示装置26に表示する。ここで、図13を参照して、更新後画面65について説明する。図13は、ファームウェアの更新完了後に、PC20a(端末装置)の表示装置26に表示される更新後画面65を模式的に示す模式図である。
【0221】
更新後画面65は、上述した通り、ファームウェアの更新中に表示装置26に表示される更新時画面63,64の広告領域63g,64dに表示された全ての広告について、その広告に関連するサイトへのリンクを表示する画面である。
【0222】
例えば、広告領域63g,64dに3種類の広告1〜3が表示された場合、図13に示すように、更新後画面65には、3つの広告リンク領域(第1広告リンク領域65a、第2広告リンク領域65b、及び、第3広告リンク領域65c)が設けら、第1広告リンク領域65aには広告1の内容を表す情報(画像や文字列)が表示されると共に、その情報に対して広告1に関連するサイトへのリンクがなされている。
【0223】
同様に、第2広告リンク領域65bには広告2の内容を表す情報が表示されると共に、その情報に対して広告2に関連するサイトへのリンクがなされ、第3広告リンク領域65cには広告3の内容を表す情報(画像や文字列)が表示されると共に、その情報に対して広告3に関連するサイトへのリンクがなされている。
【0224】
このように、ルータ10のファームウェアの更新後、そのファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)の表示装置26に、図13に示す更新後画面65が表示されるので、ファームウェアの更新中に表示装置26に表示される広告の中に、ユーザが興味を持った広告があった場合、ユーザは、この更新後画面によって、その広告に関連するサイトへ容易にアクセスできる。よって、その広告の関連情報を容易に入手できるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0225】
以上、本実施形態におけるルータ10およびファームウェア更新システム100によれば、そのルータ10に特有の情報であるユーザ情報をファームウェア配信サーバ30に送信する。ファームウェア配信サーバ30は、ファームウェア更新データを配信する場合に、そのユーザ情報に基づいて、そのルータ10のユーザに合った広告を選択し、その広告データを含む更新時表示データを、ファームウェア更新データと共にルータ10へ送信する。そして、ルータ10は、ファームウェアの更新を行っている間、その更新時表示データを用いて、PC20aの表示装置27に選択された広告を表示させる。
【0226】
よって、ルータ10及びファームウェア更新システム100は、ルータ10のファームウェアの更新中、ユーザにとって価値のある広告を表示装置27に表示させることができるので、ユーザは、その広告に注目しながらファームウェアの更新が完了するまで待機できる。従って、ユーザを退屈させることなくファームウェアの更新を行うことができる。
【0227】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0228】
例えば、上記実施形態では、ファームウェア配信サーバ30において、ルータ10のユーザ登録がなされていない場合、そのルータ10に対してファームウェア更新データを送信するのに合わせて、ユーザ登録画面を表示するユーザ登録画面データを送信することで、ルータ10におけるファームウェアの更新中に表示装置26にユーザ登録画面を表示して、そのユーザ登録画面に入力された情報に基づき、ルータ10のユーザ登録を行う場合について説明した。
【0229】
しかしながら、ユーザ登録は必ずしもファームウェアの更新中に行われる必要はなく、任意のタイミングで行われてもよい。例えば、ルータ10を購入後、初めてインターネット40にルータ10を接続させたタイミングで、PC20a等の端末装置の表示装置26にユーザ登録画面を表示させ、そのユーザ登録画面に入力された情報に基づき、ルータ10のユーザ登録を行ってよい。この場合、ルータ10が初めてファームウェアの更新を行うときに、ファームウェア配信サーバ30において、そのルータ10のユーザ登録がなされている可能性を高めることができるので、初めてのファームウェアの更新が行われるときから、その更新中に、そのルータ10のユーザに合った広告を、表示装置26に表示させることができる。
【0230】
また、ファームウェア配信サーバ30において、ルータ10のユーザ登録がなされていない場合に、ファームウェア配信サーバ30は、ユーザ登録画面だけで更新時表示データを生成し、ルータ10におけるファームウェアの更新が行われている間、PC20a等の端末装置の表示装置26に、更新時画面64として、ユーザ登録画面だけを表示させてもよい。ファームウェア配信サーバ30において、あるルータ10のユーザ登録がなされていない場合は、ユーザに合った広告を選択できない。よって、このような場合に、更新時画面64としてユーザ登録画面だけを表示するようにすれば、ユーザにとって価値の薄い広告に注意を向かわせることなく、ユーザをユーザ登録画面への入力に集中させることができる。
【0231】
上記実施形態では、ルータ10内のCPU11で実行される更新処理において、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)のブラウザ情報を取得し、そのブラウザ情報をファームウェア配信サーバ30へ送信することで、ファームウェア配信サーバ30は、そのブラウザ情報に基づき、そのブラウザで表示可能なデータ形式や、そのブラウザで表示される画像の解像度を考慮して、そのブラウザでの表示に適した更新時表示データを生成し、ルータ10に送信するように構成した。これに対し、ファームウェア配信サーバ30は、更新時表示データだけでなく、更新後表示データも、このブラウザ情報に基づき、そのブラウザで表示可能なデータ形式や、そのブラウザで表示される画像の解像度を考慮して、そのブラウザでの表示に適したものを生成してもよい。これにより、ブラウザプログラム25aによって実行されるブラウザによって、更新後表示データに基づき表示装置26に表示される更新後画面が、正しく表示されなかったり、必要以上に拡大または縮小されて表示されたりすることなく、適切に表示させることができる。
【0232】
また、ルータ10内のCPU11で実行される更新処理において、ファームウェア更新の要求を送信したPC20a(端末装置)のブラウザ情報を取得することに代えて、そのPC20a(端末装置)のMACアドレスを取得し、そのMACアドレスの上位24ビットで示されるベンダーIDをファームウェア配信サーバ30へ送信することで、ファームウェア配信サーバ30は、そのベンダーIDに基づき、端末装置が有する表示装置の解像度等を判断して、その表示装置での表示に適した更新時表示データや更新後表示データを生成し、そのデータをルータ10に送信するように構成してもよい。この場合も、更新時画面や更新後画面を、適切な大きさで表示装置に表示させることができる。
【0233】
また、ファームウェア配信サーバ30は、ルータ10に種々のブラウザ又は表示装置の解像度に対応した更新時表示データ又は更新後表示データを送信し、ルータ10側で、端末装置のブラウザ又は表示装置に適した更新時表示データ又は更新後表示データを選択して、その選択されたデータを端末装置へ送信してもよい。この場合も、更新時画面や更新後画面を、適切な大きさで表示装置に表示させることができる。
【0234】
上記実施形態では、ルータ10が無線通信50によって端末装置と接続される場合について説明したが、ルータ10における端末装置との接続方式は、有線方式であってもよいし、また、無線方式と有線方式との両方に対応したものであってもよい。
【0235】
上記実施形態では、PC20aに設けられた表示装置26にユーザ登録画面やアンケート画面を表示させ、その表示装置26を有するPC20aに設けられた入力装置27から、それらの画面に対する入力を受け付ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その表示装置26を有するPC20a(端末装置)とは別の端末装置に設けられた入力装置から、その表示装置26に表示されたユーザ登録画面やアンケート画面に対する入力を受け付けるものであってもよい。
【0236】
この場合、その表示装置26を有するPC20a(端末装置)と、入力装置を有する別の端末装置とを、何らかの手段によって接続し、その別の端末装置の入力装置に対して入力された情報を、表示装置26を有するPC20a(端末装置)へ出力されて、その表示装置26に入力された情報を表示装置26に表示させるように構成してもよい。
【0237】
上記実施形態では、ルータ10に対して本発明を適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、通信回線を介して他装置との間で通信を行える通信装置であって且つ少なくとも表示装置を有する装置と接続可能な通信装置であれば、本発明を適用可能である。
【0238】
また、この場合、表示装置を有する装置は、通信装置の内部に設けられてもよい。更に、その通信装置が入力装置を有する装置とも接続可能に構成されている場合は、その入力装置を有する装置は、通信装置の内部に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0239】
10 ルータ(通信装置)
11 CPU(制御手段)
14 WANインターフェース(通信手段)
15 無線LANインターフェース(接続手段)
20a PC(第1装置)
25a ブラウザプログラム(広告表示手段)
26 表示装置(表示手段)
30 ファームウェア配信サーバ(更新サーバ)
40 インターネット(通信回線)
63,64 更新時画面(入力画面)
S31 (ブラウザ情報取得手段)
S32 (ブラウザ情報送信手段)
S33 (更新情報取得手段、広告情報取得手段)
S34 (広告情報送信手段、入力画面情報送信手段)
S35 (ファームウェア更新手段)
S38 (入力情報取得手段)
S39 (特有情報送信手段)
S40 (リンク情報取得手段)
S41 (リンク情報送信手段)
S60 (情報送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して他装置との間で通信を行う通信手段を備えた通信装置であって、
所定のファームウェアを実行して該通信装置を制御する制御手段と、
表示手段を備えた第1装置を接続する接続手段と、
ファームウェアの更新情報を提供する更新サーバから前記通信回線を介して該更新情報を取得する更新情報取得手段と、
その更新情報取得手段により取得された更新情報に基づいて前記制御手段により実行されるファームウェアを更新するファームウェア更新手段と、
該通信装置に特有の情報である通信装置特有情報を前記通信手段により前記更新サーバへ送信する特有情報送信手段と、
前記更新情報と合わせて前記更新サーバから送信される情報であって、前記特有情報送信手段により前記更新サーバへ送信された通信装置特有情報に基づいて前記更新サーバにより選択された広告を表示するための広告情報を取得する広告情報取得手段と、
前記ファームウェア更新手段によりファームウェアの更新が行われる間、前記更新サーバにより選択された広告が前記表示手段に表示されるように、前記広告情報取得手段により取得された広告情報を前記第1装置に対して送信する広告情報送信手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記特有情報送信手段は、前記通信装置に割り当てられたMACアドレスを前記通信装置特有情報の一つとして前記更新サーバへ送信するものであることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記接続手段は、前記第1装置と共に、入力手段を備えた第2装置を接続するものであり、
前記通信装置は、
前記ファームウェア更新手段によりファームウェアの更新が行われる間、前記更新サーバにより選択された広告と合わせて、又は、広告の代わりに、ユーザからの入力を受け付ける入力画面が前記表示手段に表示されるように、該入力画面を表示させるための入力画面情報を前記第1装置に対して送信する入力画面情報送信手段と、
前記表示手段に表示された入力画面に基づいて前記入力手段によりユーザから入力された入力情報を、前記ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新完了後に、前記第2装置から取得する入力情報取得手段とを備え、
前記特有情報送信手段は、前記入力情報取得手段により取得された前記入力情報を、前記通信装置特有情報の一つとして前記更新サーバへ送信するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記入力画面情報送信手段により送信される入力画面情報は、ユーザの個人情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を前記表示手段に表示させるための情報であることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記入力画面情報送信手段により送信される入力画面情報は、ユーザが所有する機器に関する情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を前記表示手段に表示させるための情報であることを特徴とする請求項3又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記入力画面情報送信手段により送信される入力画面情報は、ユーザの使用状態に関する情報の入力を受け付ける画面を含む入力画面を前記表示手段に表示されるための情報であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記接続手段は、前記表示手段に所定の情報を表示させるブラウザを有する第1装置を接続するものであり、
前記通信装置は、
前記ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新を行う場合に、ブラウザによって広告を表示させるための広告情報を前記広告情報取得手段により取得する前に、前記第1装置から前記ブラウザに関する情報を取得するブラウザ情報取得手段と、
そのブラウザ情報取得手段により取得された前記ブラウザに関する情報を前記更新サーバへ送信するブラウザ情報送信手段とを備え、
前記広告情報取得手段は、前記更新情報と合わせて前記更新サーバから送信される情報であって、前記特有情報送信手段により前記更新サーバへ送信された通信装置特有情報と前記ブラウザ情報送信手段により前記更新サーバへ送信された前記ブラウザに関する情報とに基づいて、前記更新サーバにより選択された広告を表示するための広告情報であって前記ブラウザでの表示に適した広告情報を取得するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記更新サーバにより生成される情報であって、前記広告情報に基づき前記表示手段に表示される広告に関連する情報の所在を示したリンク情報を、前記更新サーバより取得するリンク情報取得手段と、
前記ファームウェア更新手段によるファームウェアの更新完了後に前記リンク情報が前記第1表示装置の前記表示手段に表示されるように、前記リンク情報取得手段により取得されたリンク情報を前記第1装置へ送信するリンク情報送信手段とを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
通信回線を介して他装置との間で通信を行う通信装置と、
その通信装置を制御するために該通信装置に設けられた制御手段で実行されるファームウェアの更新情報を提供する更新サーバと、
前記通信装置に接続され、表示手段を有する第1装置とを備える通信装置用ファームウェア更新システムであって、
前記通信装置は、請求項1から8のいずれかに記載の通信装置であり、
前記更新サーバは、
前記更新情報を前記通信装置へ提供する場合に、前記通信装置の前記特有情報送信手段により該更新サーバへ送信された通信装置特有情報に基づいて前記表示手段に表示させる広告を選択し、その選択された広告を表示するための広告情報を前記更新情報と合わせて前記通信装置へ送信する情報送信手段を備え、
前記第1装置は、
前記通信装置の前記広告情報送信手段により送信された広告情報を取得した場合に、その通信装置においてファームウェアの更新が行われる間、その広告情報に基づいて前記表示手段に広告を表示する広告表示手段を備えていることを特徴とする通信装置用ファームウェア更新システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−63975(P2012−63975A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207624(P2010−207624)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】