説明

通信装置

【課題】デジタルカメラ(カメラ)からの操作で画像データを送信することが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】データを通信する通信装置21において、画像データを記憶する記憶手段54、カメラと接続する接続手段51、接続されたカメラとの間で通信を行う接続通信手段52、接続手段による接続とは異なる回線を介して通信を行う通信手段58、通信手段による通信の相手を予め又は指定により設定する設定手段56、57、接続されたカメラから出力された印刷要求が受信されたことに応じて、当該カメラから出力される画像データを受信して記憶手段に書き込んで記憶させ、当該書き込みが終了した場合に当該カメラに対して印刷完了通知を送信し、これとともに、設定された相手先に対して記憶手段に記憶された画像データを送信する制御手段53、55を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関し、特に、デジタルカメラからの操作で画像データを送信することを可能とした通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル家電技術の進化により、デジタルスチルカメラ(DSC)やプリンタやパーソナルコンピュータ(PC)を用いて、個人が自分で撮影した画像を手軽に印刷できるようになってきている。
特に、DSCとプリンタをUSB(Universal Serial Bus)(例えば、非特許文献1を参照。)等のインターフェイスで直接接続して印刷を実行するダイレクトプリント機能に対応した機器であれば、PCを所有しないユーザであっても印刷が可能となるため、個人による写真印刷は、より一層、身近なものになりつつある。
【0003】
ここで、ダイレクトプリント機能には、幾つかの方式が存在する。代表的なものとしては、有限責任中間法人カメラ映像機器工業会(CIPA:Camera&Imaging Products Association)において標準化されたピクトブリッジ(PictBridge:登録商標)(例えば、特許文献1や非特許文献2を参照。)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−90524号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】USB 2.0
【非特許文献2】CIPA規格 DC−001規格書、カメラ映像機器工業会
【非特許文献3】標準規格 ARIB STD−T79、「市町村デジタル移動通信システム」、社団法人電波産業会
【非特許文献4】標準規格 ARIB STD−T61、「狭帯域デジタル通信方法」、社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、PCなどのデータ伝送装置に一旦データを格納した後に、データ伝送装置から無線端末を起動して、画像などのデータを送信していたため、このようにPCなどのデータ伝送装置を介してデータの送信が行われる点で、無線端末の使用者の利便性が不十分になってしまう場合があった。
例えば、市町村デジタル移動通信システム(非特許文献3参照)や狭帯域デジタル通信システム(非特許文献4参照)では、通常、無線端末にデジタルカメラ機能は付加されていないため、当該システム内で画像データを送信する場合には、デジタルカメラで取得した画像データを一旦PC等に保存し、PCから無線端末を介して画像データを送信しており、ユーザの利便性が悪かった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、デジタルカメラからの操作で画像データを送信することを可能とした通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、データを通信する通信装置において、次のような構成とした。
すなわち、記憶手段が、画像データを記憶する。接続手段が、デジタルカメラと接続する。接続通信手段が、前記接続手段により接続されたデジタルカメラとの間で通信を行う。通信手段が、前記接続手段による接続とは異なる回線を介して通信を行う。設定手段が、前記通信手段による通信の相手を予め設定する機能或いは指定により設定する機能の一方又は両方を有する。制御手段が、前記接続手段により接続されたデジタルカメラから出力された印刷要求が前記接続通信手段により受信されたことに応じて、当該デジタルカメラから出力される画像データを受信して前記記憶手段に書き込んで記憶させ、当該書き込みが終了した場合に前記接続通信手段により当該デジタルカメラに対して印刷完了通知を送信し、これとともに、前記設定手段により設定された相手先に対して前記記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段により送信する。
従って、通信装置では、デジタルカメラからの操作で画像データを送信することができ、例えば、通信装置を使用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0008】
ここで、記憶手段としては、種々なものが用いられてもよい。
また、デジタルカメラや、接続手段や、接続通信手段としては、それぞれ、種々なものが用いられてもよい。デジタルカメラは、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラであり、携帯電話機等に機能として備えられているものも含む。また、デジタルビデオカメラの場合、撮像された動画から取り出した静止画データが、本発明の画像データとなる。
また、通信手段や、通信手段により使用される回線としては、それぞれ、種々なものが用いられてもよい。例えば、回線としては、無線の回線が用いられてもよく、或いは、有線の回線が用いられてもよい。
【0009】
また、通信手段による通信の相手としては、種々なものが用いられてもよい。
また、設定手段としては、例えば、通信の相手を予め設定する機能と、通信の相手を指定により設定する機能のうちの一方のみを有してもよく、又は、両方を有してもよい。通信の相手を予め設定する機能では、例えば、予め、メモリなどに通信の相手の電話番号などの識別情報を記憶させて設定する。また、通信の相手を指定により設定する機能では、例えば、ユーザ(人)による操作入力或いは外部の装置からの入力に応じて、通信の相手の電話番号などの識別情報を受け付けてメモリなどに記憶させて設定する。
【0010】
また、デジタルカメラでは、例えば、ユーザ(人)による操作入力などに応じて、印刷要求を出力し、当該印刷要求に係る画像のデータを出力し、また、印刷完了通知を受信する。
また、制御手段により前記設定手段により設定された相手先に対して前記記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段により送信するタイミングとしては、種々なタイミングが用いられてもよく、例えば、デジタルカメラから出力される画像データを受信して記憶手段に書き込んで記憶させる当該書き込みが終了した後の任意のタイミングが用いられてもよく、或いは、接続通信手段によりデジタルカメラに対して印刷完了通知を送信した後の任意のタイミングが用いられてもよく、或いは、実用上で有効であれば、デジタルカメラから出力される画像データを受信して記憶手段に書き込んで記憶させる当該書き込みが終了する前の任意のタイミングが用いられてもよく、この場合においても、記憶手段に書き込まれた分の画像データについては順次送信することが可能である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る通信装置によると、デジタルカメラからの操作で画像データを送信することができ、例えば、通信装置を使用するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係る無線端末装置の構成例を示す図である。
【図2】無線通信システムの構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る無線端末装置の特徴的な機能の例を示す図である。
【図4】電話番号保持機能により保持されるテーブルの情報の一例を示す図である。
【図5】DSCでのピクトブリッジ印刷操作時の処理の流れの一例を示す図である。
【図6】ファイル転送機能の発信処理の流れの一例を示す図である。
【図7】印刷要求リジェクト時の処理の流れの一例を示す図である。
【図8】画像データを縮小する場合における処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
なお、以下では、発明の実施の形態を通じて本発明を図を用いて説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1には、本発明の一実施例に係る無線端末装置21の構成例を示してある。
本例の無線端末装置21は、電源1、無線部2、アンテナ3、中央制御装置(CPU:Central Processing Unit)4、不揮発メモリ5、RAM(Random Access Memory)6、表示部7、入力部8、LED(Light Emitting Diode)9、マイク10、スピーカ11、USBIF(USB Interface)12、シリアルIF13を備えている。
【0015】
ここで、電源1は、装置に電源を供給する。無線部2は、アンテナ3を使用して、無線により通信(送信や受信)を行う。CPU4は、各種の処理や制御を行う。不揮発メモリ5は、各種のデータを記憶する。RAM6は、データを一時的に記憶する。表示部7は、情報を画面に表示する。入力部8は、ユーザ(人)により操作されるキーなどを有しており、操作内容の情報を入力する。LED9は、発光する。マイク10は、音(例えば、音声など)を入力する。スピーカ11は、音(例えば、音声など)を出力する。USBIF12は、外部機器を接続するためのUSBのインターフェイスである。シリアルIF13は、外部機器を接続するためのシリアル伝送方式のインターフェイスである。
【0016】
図2には、本例の無線端末装置21を含む無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、本例の無線端末装置21、デジタルスチルカメラ(DSC)22、データ伝送装置(例えば、PC)23、無線基地局装置31、回線交換局装置32、有線端末装置33、データ伝送装置(例えば、PC)34、無線回線41、有線伝送路42、43、44、などを有している。
【0017】
ここで、図2に示すように、無線端末装置21に、例えば、USBIF12を介してデジタルスチルカメラ22が接続され、シリアルIF13を介してデータ伝送装置23が接続される。
また、無線基地局装置31、回線交換局装置32、有線端末装置33、データ伝送装置34が、例えば、有線伝送路42、43、44を介して、直列に接続されている。
また、無線端末装置21のアンテナと無線基地局装置31のアンテナとが、無線回線41を介して接続される。
【0018】
本例では、無線端末装置21と無線基地局装置31とが無線回線41を介して無線により通信することで、無線端末装置21から無線基地局装置31を介して送信先となる他の装置(例えば、データ伝送装置34など)に対してデータを送信することができる。
【0019】
図3には、本例の無線端末装置21の特徴的な機能の例を示してある。
本例の無線端末装置21は、特徴的な機能として、USB接続機能51、ピクトブリッジ機能52、仮想バッファ出力機能53、仮想バッファ54、ファイル転送機能55、MMI(Man Machine Interface)機能56、電話番号保持機能57、無線通信機能58を有している。
【0020】
ここで、本例では、これらの機能は、ソフトウェアプログラムを用いて実現される。ソフトウェアプログラム及びデータは、不揮発メモリ5やRAM6に格納され、CPU4により処理される。
また、仮想バッファ54は、RAM6上やCPU4のメモリ(図示略)上等に配置される。電話番号保持機能57は、不揮発メモリ5及び/又はRAM6上に配置される。
【0021】
図4には、電話番号保持機能57により保持されるテーブルの情報の一例を示してある。
本例のテーブルでは、動作モードの情報、送信先設定の情報、送信先電話番号1の情報、送信先電話番号2の情報、送信先電話番号履歴1の情報、送信先電話番号履歴2の情報が保持される。
【0022】
ここで、動作モードとして自動(例えば、0)が設定されている場合には、ファイル転送機能55が、送信先設定の情報を参照して、送信先に対して自動的に発信する。一方、動作モードとして手動(例えば、1)が設定されている場合には、MMI機能56を介してユーザにより手動で、送信先電話番号1、送信先電話番号2、送信先電話番号履歴1、送信先電話番号履歴2の中から送信先を選択し、これに応じて装置が発信する。
【0023】
また、送信先設定の情報としては、例えば、送信先電話番号1を送信先とする値(例えば、1)、或いは、送信先電話番号2を送信先とする値(例えば、2)、のいずれかが設定される。
また、送信先電話番号1の情報や送信先電話番号2の情報は、固定長文字列で設定される。
また、送信先電話番号履歴1の情報や送信先電話番号履歴2の情報は、固定長文字列で設定され、装置の通信状況(送信状況)に基づいて更新される。
なお、電話番号保持機能57のテーブルの内容は、例えば、ユーザが入力部8へ入力した操作内容に応じて、MMI機能56を介して変更される。
【0024】
図5を参照して、DSC22でのピクトブリッジ印刷操作時の処理のシーケンスの一例を示す。
通常、ピクトブリッジ機能がプリンタに搭載される場合には、データの転送が完了した後に受信データをプリント出力するが、本例では、仮想バッファ出力機能53が仮想バッファ54にデータを出力する。
【0025】
具体的には、本例の無線端末装置21では、DSC22から出力される接続要求(T1)の信号がUSBIF12を介してUSB接続機能51により受信され、USB接続機能51がDSC22へ接続完了(T2)の信号を出力する。その後、DSC22において例えばユーザにより印刷を指示する操作(T3)が行われると、DSC22から印刷要求(T4)の信号が出力されてUSBIF12及びUSB接続機能51を介してピクトブリッジ機能52により受信される。
【0026】
すると、ピクトブリッジ機能52は印刷要求(T5)の信号を仮想バッファ出力機能53へ出力し、仮想バッファ出力機能53は当該信号を受信したことに応じて印刷要求許可(T6)の信号をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力する。これにより、USBIF12やUSB接続機能51を介して、DSC22から仮想バッファ出力機能53へ、印刷対象となるデータの送信(転送)処理(T7)が行われる。
【0027】
仮想バッファ出力機能53はDSC22から受信したデータを仮想バッファ54に書き込む処理(T8)を実行し、仮想バッファ54はデータ書き込み完了(T9)の通知を仮想バッファ出力機能53へ出力する。これにより、仮想バッファ出力機能53は、印刷完了通知(T10)の信号をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力する。
【0028】
図6を参照して、ファイル転送機能55の発信処理のシーケンスの一例を示す。
本例では、ファイル転送機能55は、仮想バッファ54にデータがあるか否かをポーリングの手法(他の手法が用いられてもよい)により監視し、仮想バッファ54にデータがある場合には、電話番号保持機能57の動作モードを参照して、例えば、動作モードが自動であったときには、電話番号保持機能57の情報を使用して、無線通信機能58を介して発信する。
【0029】
また、本例では、無線データの伝送が完了した後に、ファイル転送機能55は、無線通信機能58を介して切断し、電話番号保持機能57の履歴を更新して、MMI機能56を介して無線データの伝送完了の表示を行う。
また、本例では、無線データの伝送が異常切断となった場合には、ファイル転送機能55は、MMI機能56を介して無線データの伝送の再送信の表示を行い、所定のリトライ回数分、発信から処理を繰り返して行う。リトライ回数分を繰り返しても異常となった場合には、その旨をMMI機能56を介して表示して、処理を終了する。
【0030】
具体的には、本例の無線端末装置21では、例えば、電話番号保持機能57の更新を指示するユーザによる入力操作(T21)をMMI機能56により受け付けた場合には、MMI機能56が電話番号保持機能57の保持内容(記憶内容)を更新する(T22)。
また、ファイル転送機能55が仮想バッファ54に対してポーリング(T23)の信号を出力し、仮想バッファ54はデータが無い場合にはデータ無し(T24)を示す信号をファイル転送機能55へ出力する。
【0031】
一方、ファイル転送機能55が仮想バッファ54に対してポーリング(T25)の信号を出力し、仮想バッファ54はデータがあった場合にはデータ有り(T26)を示す信号をファイル転送機能55へ出力する。この場合、ファイル転送機能55は、電話番号保持機能57の動作モードを参照して(T27)、例えば、動作モードが自動であったときには、仮想バッファ54に記憶されたデータを読み出して(T28)、電話番号保持機能57に保持された電話番号の情報を使用して、当該電話番号を有する他の装置(例えば、データ伝送装置34など)に対して、無線通信機能58を介して発信する(T29)。これにより、ファイル転送機能55から無線通信機能58を介して無線データの伝送(T30)が行われる。
【0032】
無線データの伝送が(正常に)完了した場合には、ファイル転送機能55は、無線通信機能58を介して無線通信を切断し(T31)、電話番号保持機能57の履歴を更新して(T32)、MMI機能56を介して無線データの伝送完了をユーザに通知するための画面表示を行う(T33)。
【0033】
一方、ファイル転送機能55から無線通信機能58を介して無線データ伝送(T34)が行われた場合に、無線データの伝送が異常切断となり、異常切断(T35)を示す信号が無線通信機能58からファイル転送機能55へ出力されたときには、これに応じて、ファイル転送機能55は、MMI機能56を介して無線データの伝送の再送信を行うことをユーザに通知するための画面表示を行い(T36)、例えば予め設定された所定のリトライ回数分、発信(T37)から処理を繰り返して行う(T38)。なお、リトライ回数分を繰り返しても異常となった場合には、ファイル転送機能55は、MMI機能56を介してその旨をユーザに通知するための画面表示を行って、処理を終了する。
【0034】
ここで、本例では、動作モードが自動であったときを示したが、例えば、動作モードが手動であったときには、ユーザによる手動で送信先が選択され、他の処理動作については本例と同様である。
また、本例では、ファイル転送機能55により自動的なリトライ(再送)が行われる場合を示したが、例えば、ユーザによる手動の指示に応じて、ファイル転送機能55によりリトライ(再送)が行われてもよい。さらに、無線通信機能58により無線状態が正常である(例えば、圏外から圏内になった)と判断されると、ファイル転送機能55によりリトライ(再送)が行われてもよい。
【0035】
図7を参照して、印刷要求リジェクト時の処理のシーケンスの一例を示す。
本例では、DSC22からの印刷要求があった際に、仮想バッファ出力機能53は、DSC22に対してデータサイズの通知を要求し、データサイズの情報を取得する。仮想バッファ出力機能53は、データサイズが予め設定された閾値以上(又は、閾値を超える)か否かを判定し、閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、DSC22に対して印刷要求リジェクトを送信して、以降の処理を行わない。
【0036】
具体的には、本例の無線端末装置21では、DSC22から出力される接続要求(T41)の信号がUSBIF12を介してUSB接続機能51により受信され、USB接続機能51がDSC22へ接続完了(T42)の信号を出力する。その後、DSC22において例えばユーザにより印刷を指示する操作が行われると、DSC22から印刷要求(T43)の信号が出力されてUSBIF12及びUSB接続機能51を介してピクトブリッジ機能52により受信される。
【0037】
すると、ピクトブリッジ機能52は印刷要求(T44)の信号を仮想バッファ出力機能53へ出力する。この信号を受信すると、仮想バッファ出力機能53はデータサイズの通知を要求する信号(T45)をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力し、これに応じて、DSC22はデータサイズを示す応答(T46)の信号をUSBIF12やUSB接続機能51を介して仮想バッファ出力機能53へ出力する。
【0038】
仮想バッファ出力機能53は、通知されたデータサイズ(本例では、印刷対象となる画像データのサイズ)が予め設定された閾値以上(又は、閾値を超える)か否かを判定し(T47)、閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、印刷要求を拒否する印刷要求リジェクト(T48)の信号をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力して、以降の処理を行わないようにする。
【0039】
ここで、図7に示されるデータサイズ要求(T45)の処理及びデータサイズ応答(T46)の処理は、例えば、図5に示される印刷要求(T5)の処理と印刷要求許可(T6)の処理との間で行うことができ、この場合、仮想バッファ出力機能53は、通知されたデータサイズが予め設定された閾値未満(又は、閾値以下)であるか否かを判定し、閾値未満(又は、閾値以下)であった場合には、印刷要求許可(T6)の信号をDSC22へ出力する。
【0040】
図8を参照して、画像データを縮小する場合における処理のシーケンスの一例を示す。
本例では、DSC22からの印刷要求があった際に、仮想バッファ出力機能53は、DSC22に対してデータサイズの通知を要求し、データサイズの情報を取得する。また、仮想バッファ出力機能53は、DSC22に対して印刷要求許可を送信して、データ転送処理を行う。また、仮想バッファ出力機能53は、データサイズが予め設定された閾値以上(又は、閾値を超える)か否かを判定し、閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、画像データの縮小処理を行って、その結果を仮想バッファ54に出力する。仮想バッファ54へのデータ書き込みが完了した後に、仮想バッファ出力機能53は、ピクトブリッジ機能52を介してDSC22へ印刷完了通知を送信する。
【0041】
具体的には、本例の無線端末装置21では、DSC22から出力される接続要求(T51)の信号がUSBIF12を介してUSB接続機能51により受信され、USB接続機能51がDSC22へ接続完了(T52)の信号を出力する。その後、DSC22において例えばユーザにより印刷を指示する操作が行われると、DSC22から印刷要求(T53)の信号が出力されてUSBIF12及びUSB接続機能51を介してピクトブリッジ機能52により受信される。
【0042】
すると、ピクトブリッジ機能52は印刷要求(T54)の信号を仮想バッファ出力機能53へ出力する。この信号を受信すると、仮想バッファ出力機能53はデータサイズの通知を要求する信号(T55)をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力し、これに応じて、DSC22はデータサイズを示す応答(T56)の信号をUSBIF12やUSB接続機能51を介して仮想バッファ出力機能53へ出力する。
【0043】
すると、仮想バッファ出力機能53はデータサイズの通知を受信したことに応じて印刷要求許可(T57)の信号をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力する。これにより、USBIF12やUSB接続機能51を介して、DSC22から仮想バッファ出力機能53へ、印刷対象となるデータの送信(転送)処理(T58)が行われる。
【0044】
その後、仮想バッファ出力機能53は、通知されたデータサイズ(本例では、印刷対象となる画像データのサイズ)が予め設定された閾値以上(又は、閾値を超える)か否かを判定し(T59)、閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、受信したデータ(本例では、印刷対象となる画像データ)の縮小処理(T60)を行って、その結果のデータを仮想バッファ54に書き込む処理(T61)を実行し、仮想バッファ54はデータ書き込み完了(T62)の通知を仮想バッファ出力機能53へ出力する。これにより、仮想バッファ出力機能53は、印刷完了通知(T63)の信号をUSB接続機能51やUSBIF12を介してDSC22へ出力する。
【0045】
一方、仮想バッファ出力機能53は、通知されたデータサイズ(本例では、印刷対象となる画像データのサイズ)が予め設定された閾値未満(又は、閾値以下)であった場合には、受信したデータ(本例では、印刷対象となる画像データ)をそのまま、仮想バッファ54に書き込む処理(T61)を実行する。そして、以降の処理が実行される。
なお、図8の例におけるデータサイズ要求(T55)及びデータサイズ応答(T56)の処理は省略してもよい。また、図8の例においてデータ転送処理(T58)された画像データは、仮想バッファ出力機能53により随時仮想バッファ54又は無線端末装置21内の他の記憶部に一時的に記憶され、その一方で画像データサイズ判定(T59)が行われ、その後画像データ縮小(T60)、データ書き込み(追加又は上書き)(T61)が行われてもよい。
【0046】
以上のように、本例の無線端末装置21では、ピクトブリッジ対応のデジタルスチルカメラ22との接続機能を有するUSB接続機能51及びプリンタ用のピクトブリッジ機能52を搭載している。
なお、本例の無線端末装置21は、例えば、非特許文献3又は非特許文献4のような規格に準拠した構成となっている。
【0047】
また、本例の無線端末装置21では、プリント出力の代わりに仮想バッファ54へ画像データを出力する機能を有する。
また、本例の無線端末装置21では、仮想バッファ54にデータが出力されたことを検出して無線通信機能58を起動するファイル転送機能55を有する。
また、本例の無線端末装置21では、予め送信先電話番号及び他の情報を登録しておくことで、ファイル転送機能55により自動的に発信する機能を有する。
【0048】
また、本例の無線端末装置21では、例えば、ファイル転送機能55により、無線通信の異常終了を監視することで、自動的にリトライ(再送)する機能、正常終了であるか否かを表示する機能、通信失敗であった転送を手動でリトライ(再送)する機能を有する。これによって、ユーザの利便性がより向上する。
また、本例の無線端末装置21では、一例として、デジタルスチルカメラ22から受信した画像データサイズが閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、デジタルスチルカメラ22に対して印刷要求リジェクトを送信する機能を有する。
また、本例の無線端末装置21では、他の一例として、デジタルスチルカメラ22から受信した画像データサイズが閾値以上であった(又は、閾値を超えた)場合には、画像データを展開して、画像データを縮小してから仮想バッファ54へ出力する機能を有する。これによって、ユーザは、DSC22の画像サイズや撮像時の設定画像サイズを無線端末装置21で送信するために設定・変更する必要がなくなり、ユーザの利便性がより向上する。
【0049】
このように、本例では、ピクトブリッジ対応の撮像機器である例えばデジタルスチルカメラ22からの操作によってプリンタから画像を出力する技術に関して、データ通信機能を有する通信装置(本例では、無線端末装置21)が、接続されたデジタルスチルカメラ22からの印刷要求に応じて、デジタルスチルカメラ22から画像データを受信して記憶部(本例では、仮想バッファ54)に書き込み、当該書き込みを終了すると、デジタルスチルカメラ22へ印刷完了通知を送信するとともに、当該画像データを予め設定された相手先又は指定された相手先へ送信する。
【0050】
従って、本例では、例えば、汎用のデジタルスチルカメラ22からの操作によって、通信装置(本例では、無線端末装置21)からの画像データの送信を可能とし、通信装置の使用者(ユーザ)の利便性を向上させることができる。上述した従来技術では、PC等にデータを保存し、それから無線端末装置21とPCを接続して送信しなければならず、手間がかかり、時間もかかった。本発明によれば、ユーザは無線端末装置21とDSC22を接続して、DSC22の印刷要求操作をするだけで、撮像画像を送信でき、ユーザの手間を大幅に減らし、送信操作が容易で、誰でも実行できるようになり、且つ、画像送信にかかる時間を大幅に短縮できる。防災無線システムなどでは、災害時に災害情報の収集・伝達のため、画像データを迅速に送信する必要があるため、操作の容易化や送信までにかかる時間短縮は、非常に大きな効果となる。
【0051】
なお、本例の無線端末装置21(通信装置の一例)では、仮想バッファ54の機能により画像データを記憶する記憶手段が構成されており、USB接続機能51やUSBIF12の機能によりデジタルスチルカメラ22と接続する接続手段が構成されており、ピクトブリッジ機能52により接続手段により接続されたデジタルスチルカメラ22との間で通信を行う接続通信手段が構成されており、無線通信機能58(無線部2やアンテナ3の機能)により接続手段による接続とは異なる回線(本例では、無線回線41)を介して通信を行う通信手段が構成されており、電話番号保持機能57やMMI機能56や入力部8の機能により通信手段による通信の相手を予め設定する機能や指定により設定する機能を有する設定手段が構成されており、仮想バッファ出力機能53やファイル転送機能55により、接続手段により接続されたデジタルスチルカメラ22から出力された印刷要求が接続通信手段により受信されたことに応じて、当該デジタルスチルカメラから出力される画像データを受信して記憶手段に書き込んで記憶させ、当該書き込みが終了した場合に接続通信手段により当該デジタルスチルカメラに対して印刷完了通知を送信し(以上は、仮想バッファ出力機能53)、これとともに、設定手段により設定された相手先に対して記憶手段に記憶された画像データを通信手段により送信する(以上は、ファイル転送機能55)制御手段が構成されている。
【0052】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。例えば上述した実施例では、DSC22のピクトブリッジ機能による印刷要求に基づいて無線端末装置21が画像データの送信処理等を行う場合を例にあげた。しかし、本発明におけるデジタルカメラからの印刷要求は、ピクトブリッジの方式に限定されるものではなく、様々な方式の印刷要求に対応でき、その場合、ピクトブリッジ機能52はその方式に対応するものになり、処理内容は特に変わらない。さらに、上述した実施例のファイル転送機能55の処理(図6)では、ポーリングによりデータ伝送を開始する場合を例にあげた。しかし、本発明はこれに限定されず、ファイル転送機能55は、データ書き込み完了(図5のT9)又は印刷完了通知(図5のT10)に基づいて、画像データ伝送を開始してもよい。この場合、仮想バッファ出力機能53が、データ書き込み完了又は印刷完了通知の出力を示す信号(該通知そのものでも可)を、ファイル転送機能55に送信し、ファイル転送機能55は、その信号に基づいて画像データ伝送を開始してもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・電源、 2・・無線部、 3・・アンテナ、 4・・CPU、 5・・不揮発メモリ、 6・・RAM、 7・・表示部、 8・・入力部、 9・・LED、 10・・マイク、 11・・スピーカ、 12・・USBIF、 13・・シリアルIF、 21・・無線端末装置、 22・・デジタルスチルカメラ、 23・・データ伝送装置、 31・・無線基地局装置、 32・・回線交換局装置、 33・・有線端末装置、 34・・データ伝送装置、 41・・無線回線、 42〜44・・有線伝送路、 51・・USB接続機能、 52・・ピクトブリッジ機能、 53・・仮想バッファ出力機能、 54・・仮想バッファ、 55・・ファイル転送機能、 56・・MMI機能、 57・・電話番号保持機能、 58・・無線通信機能、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを通信する通信装置において、
画像データを記憶する記憶手段と、
デジタルカメラと接続する接続手段と、
前記接続手段により接続されたデジタルカメラとの間で通信を行う接続通信手段と、
前記接続手段による接続とは異なる回線を介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段による通信の相手を予め設定する機能或いは指定により設定する機能の一方又は両方を有する設定手段と、
前記接続手段により接続されたデジタルカメラから出力された印刷要求が前記接続通信手段により受信されたことに応じて、当該デジタルカメラから出力される画像データを受信して前記記憶手段に書き込んで記憶させ、当該書き込みが終了した場合に前記接続通信手段により当該デジタルカメラに対して印刷完了通知を送信し、これとともに、前記設定手段により設定された相手先に対して前記記憶手段に記憶された画像データを前記通信手段により送信する制御手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−61317(P2011−61317A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206250(P2009−206250)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】