説明

通気機構付き採血セット

【課題】使用中、医療実務者が、静脈または動脈アクセスの遅延した指標を得、血管が適切にアクセスされなかったと間違って推定する恐れを無くすための、空気の逃げを許容する自己通気機構を有する自己通気式採血セットを提供する。
【解決手段】採血セット10は、静脈注射針アセンブリ24、静脈注射針アセンブリから延在する1本の可撓性プラスチックチューブ46及び非患者側針アセンブリ54を含み、さらに、周囲環境への空気の流出を許容するとともに、血液又はその他の流体の流出を遮断する通気機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己通気機能を有する採血セットに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈切開処置は、多くの場合、採血セットを用いて実行される。典型的な採血セットは、基端部、鋭く先のとがった末端部及び基端部と末端部との間に延びるルーメン(a lumen)を有する静脈注射カニューレを補える静脈注射針アセンブリを含んでいる。針アセンブリは、また、基端部、末端部及び基端部と末端部との間に延びる通路を有するプラスチック製静脈注射ハブを含んでいる。静脈注射カニューレの基端部は、静脈注射カニューレを貫通するルーメンが静脈注射ハブを貫通する通路と連通するように、静脈注射ハブの通路内に取り付けられている。針アセンブリは、使用後、静脈注射カニューレを遮蔽する遮蔽体及び使用前、静脈注射カニューレを安全に覆う包装用カバーをさらに含み得る。包装用カバーは、典型的には、静脈注射カニューレ全体にわたって入れ子式に形成され、静脈注射ハブの末端部と摩擦係合し得る基端部を有する硬いチューブである。採血セット用遮蔽体は、多くの形に成されてきた。いくつかの遮蔽体は、静脈注射ハブ全体にわたって入れ子式に形成され、該カニューレが露出されている基端位置からカニューレが遮蔽される末端位置まで移動させられ得る。別の遮蔽体は、静脈注射ハブにヒンジ結合され、静脈注射カニューレが露出されている開位置から静脈注射カニューレが遮蔽される閉位置まで回転され得る。採血セット用針アセンブリは、また、静脈注射ハブから、又は遮蔽体から横に突出する2つの可撓性翼を含み得る。翼は、互いに向き合う関係に折りたたまれ、針アセンブリの操作を容易にする把手を効率的に画定し得る。次に、翼は、互いから離れるように回転され、患者の皮膚に保持される。
【0003】
採血セットは、また、1本の可撓性プラスチック管を含んでいる。管は、静脈注射ハブの基端部に連結する末端部を有する。管は、また、プラスチック製取り付け具に連結する基端部を有する。かくして、可撓性管の基端部で静脈注射カニューレのルーメンとプラスチック製取り付け具との間の流体連通がもたらされる。プラスチック製取り付け具は、雄ルアー取り付け具に接続され得る雌ルアー取り付け具であってもよい。この時、取り付け具は、血液サンプル採取用タンクすなわち容器と連通状態に置かれ得る。
【0004】
静脈切開処置は、多くの場合、べクトン・ディキンソン社から売られているバキュテイナー(商標名)銘柄の真空チューブのような真空チューブを用いる。真空チューブは、多くの場合、基端部、末端部、及び基端部と末端部との間に延びる管状の側壁を有するチューブ保持器とともに使用される。保持器の基端部は、広く開いており、真空チューブを摺動可能に受け入れるように構成されている。保持器の末端部は、典型的には、取り付け開口を有する端部壁を含んでいる。取り付け開口は、内部ネジ又はその他の取り付け構造を含んでいる。
【0005】
チューブ保持器は、保持器の取り付け開口に取り付けるための外部表面形状を持つ非患者側ハブを有する非患者側針アセンブリとともに使用され得る。非患者側針アセンブリは、ハブから基端方向に延びる非患者側カニューレ及び非患者側カニューレ全体にわたって入れ子式に形成され、ハブの基端部に取り付けられている多重サンプル・スリーブ(a multiple sample sleeve)をさらに含んでいる。非患者側針アセンブリのハブは、ネジが切られ、あるいは、そうでなければ、非患者側針及び多重サンプル・スリーブが保持器のチューブ収容室内に突出するように、チューブ保持器の取り付け開口に係合する。
【0006】
採血セットは、可撓性プラスチック製管の基端部において、非患者側針アセンブリのハブの末端部に取り付け具を取り付けることにより使用され得る。次に、非患者側カニューレを覆う包装用遮蔽体が取り除かれ、非患者側針アセンブリのハブがチューブ保持器と係合され得る。医療実務者は、次に、静脈注射針アセンブリを把持し、静脈注射カニューレから包装用カバーを取り除く。静脈注射針アセンブリの把持は、可撓性翼を対面係合するように折り畳むこと及び折り畳まれた翼を親指と人差し指との間で把持することを含み得る。次に、静脈注射カニューレの先の尖った末端部が対象とされる血管内に押し込められる。次に、翼が患者の皮膚に係合するように折り畳まれ、定位置にテープで止められ得る。次に、真空チューブは、非患者側の針が真空チユーブのストッパを突き抜けるように、採血チューブ保持器の開口基端部に押し込まれる。結果として、患者の血管は、真空チューブの内部と連通状態に置かれる。そして、血管と真空チューブとの間の圧力差が、静脈注射カニューレを通り、静脈注射ハブの通路を通り、可撓性チューブを通り、非患者側ハブを通り、最終的に非患者側針を通り、真空チューブ内に入る血液の流れを発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
血液が真空チューブに入る前に、かなりの量の空気が排出されなければならないことが理解されるであろう。この空気は、流れる血液により排出され、真空チューブ内に押し込まれるであろう。真空チューブ内への空気の流れは、チューブ内の空気圧を増大させ、患者から真空チューブまでの血液の流れを発生させる圧力差を相殺する。したがって、血液の流れは、遅くなる。採血チューブへの血液の流れは、チューブ内の圧力が血液の液圧と等しくなると、停止し得る。実際には、採血セットからの空気は、チューブ内に集められた血液の量を減少させる。減少した血液の量は、それがチューブ内の血液への添加剤の割合に悪影響を及ぼすような場合には望ましくないことになり得る。1つの例は、チューブがクエン酸塩に対する血液の割合が臨界にある凝固時間分析用の添加剤としてのクエン酸塩を含んでいる場合である。
【0008】
医療実務者は、静脈切開の開始時点における採血セット内の空気に関する問題に対処するためのいくつかのアプローチの仕方を持っている。例えば、集められた血液の最初のチューブは、廃棄チューブと考えられ得る。したがって、真空チューブは、血液がチューブ内に流れ始めるまで、非患者側針と連通状態のままである。該チューブは、次に、取り除かれ、廃棄され、2番目のチューブが、確実に使用され得るサンプルを集めるために、保持器内に挿入される。このアプローチでは、処置のコストと時間を増大させ、血液を浪費する。医療実務者の中には、最初の採血チューブが非患者側針と連通状態に置かれる前に、システムから空気を抜くことを試みるものがいる。このアプローチも、血液を浪費し、通気の方法によっては汚染や偶発的突き刺しを招く恐れがある。
【0009】
典型的な針ハブは、不透明なプラスチック材料から形成される。プラスチックチューブは、多くの場合、半透明なプラスチック材料から形成される。不透明なプラスチック材料も半透明な可撓性チューブも、どちらも、静脈または動脈のアクセスの明確な指標を提供しない。真空チューブ内への血液の流れは、静脈または動脈のアクセスの指標を提供する。しかしながら、真空チューブ内への空気の初期移動は、真空チューブが非患者側針に付け加えられるまで、先延ばしされる。したがって、医療実務者は、静脈または動脈アクセスの遅延した指標を得、血管が適切にアクセスされなかったと間違って推定する恐れがある。これらの状態において、医療実務者は、最初のアクセスが成功したにも拘らず、血管に再度アクセスすることを試みるかもしれない。したがって、患者は、対象とする血管にアクセスする試みが繰り返される間、不必要な損傷を受ける恐れがある。したがって、チューブ内に閉じ込められている空気の問題を取り扱うための改善された技術が望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、使用中空気の逃がしを許容する、また、典型的には、血液のような流体の流出を阻止する自己通気機構を有する自己通気式採血セットである。本明細書で使用されるように、通気機構は、空気抜きを提供するが、典型的には、流体が通り抜けることを阻止する1またはそれ以上の機能及び構成部品を示す。したがって、静脈の圧力下にある空気は、血液が通気機構に到達するまで採血セットから該機構を通って逃げることが許容される。次に、通気機構は、該通気機構を通る又は該通気機構を取り囲む血液の流れをシール又は阻止し、血液の漏れを防止し、真空採血チューブ内に又はその他の適切な採血容器内に血液が集められることを可能とするであろう。したがって、本発明は、容認された採血工程に影響を与えることなく、廃棄チューブを必要としない採血セットを提供することができるばかりでなく、良好なフラッシュの視覚化(flash visualization)を提供する。以下に述べるように、いろいろな通気機構、通気媒体及び通気位置が適している。(本明細書で使用されるように、通気機構は、通気を提供する構成要素、構造、材料などの組み合わせを示す。本明細書で使用されるように、通気媒体は、空気を抜く実際の構成要素、例えば、プラグ、塗料、仕上げ材などを示す。)
【0011】
採血セットは、静脈注射針アセンブリ、該静脈注射針アセンブリから延びる1本の可撓性プラスチックチューブ及び非患者側針アセンブリを含むことが好ましい。通気機構は、非患者側針アセンブリの上又はその近くに配置され、最初の真空チューブの使用前に、採血セット内に存在する空気の最大量を抜くことが可能である。
【0012】
静脈注射針アセンブリは、典型的には、基端部、末端部及び両端部間に延びる通路を有する静脈注射ハブを備えている。静脈注射針アセンブリは、典型的には、静脈注射ハブの通路に取り付けられている基端部、静脈注射ハブから末端方向に突出する先の尖った末端部及び静脈注射ハブを通って通路に連通するルーメンを有する静脈注射カニューレを備えている。可撓性チューブは、静脈注射ハブの基端部に連結される。静脈注射針アセンブリは、典型的には、使用前に静脈注射針カニューレを保護するように取り囲む包装用カバーを含んでいる。包装用カバーは、使用前に速やかに取り除かれ、静脈注射カニューレへのアクセスを可能とする。静脈注射針アセンブリは、静脈注射カニューレが露出している開口位置から静脈注射カニューレが略遮蔽されている閉じた位置まで、静脈注射カニューレに対して移動可能である保護遮蔽体をさらに含み得る。遮蔽体は、使用済みの静脈注射カニューレによる偶発的な突き刺しを保護する。一対の可撓性翼が静脈注射ハブに又は遮蔽体に取り付けられ、静脈注射針アセンブリの手操作を容易にし得る。
【0013】
非患者側針アセンブリは、基端部及び末端部を有する非患者側ハブを含んでいる。非患者側針アセンブリは、ハブにしっかりと取り付けられている末端部、非患者側ハブから基端方向に突出する基端部及び非患者側ハブを通って通路に連通するルーメンを有する非患者側カニューレをさらに含んでいる。多重サンプル・スリーブは、典型的には、非患者側カニューレを覆って取り付けられ、非患者側ハブの基端部に固定されている。非患者側ハブの基端部の近くの該非患者側ハブの外側部分には、一連の外側ネジまたはその他の取り付け構造が形成され、非患者側針アセンブリが採血チューブ用保持器又は別のそのような医療用装置に取り付けられことを可能としている。あるいは、保持器が、非患者側針アセンブリに予め取り付けられ得る。採血セットは、可撓性プラスチックチューブの基端部に取り付けられ、非患者側ハブの末端部と結合するように構成された取り付け具をさらに含み得る。例えば、取り付け具は、非患者側ハブの末端部において雄ルアーのテーパに係合され得る雌ルアーの取り付け具であってもよい。
【0014】
1つの実施形態においては、通気機構は、非患者側ハブに又は該ハブの近くに、例えば、非患者側針の末端部の近くのハブそれ自身内に、又はチューブの基端部においてチューブそれ自身内に配置されている。それにより、通気機構は、通路それ自身又は非患者側ハブのいずれかを通って通路と周囲環境との間の連通を提供する。あるいは、通気機構がチューブ内に配置されている場合には、チューブに沿ういずれの位置であっても実行可能である。
【0015】
別の実施態様においては、通気機構の位置は、雌ルアーの接続部と雄ルアーの接続部の間又は雌ルアー内の空間であり、したがって、少量の空気のみが血液の最初のサンプルとともに集められるように、被患者側針に、又は該針の近くにある。
【0016】
さらに別の実施態様では、通気機構は、非患者側カニューレの基端部を越えて配置されている。このことは、空気が、血液が取り出される被患者側カニューレの基端部を通り抜け、次に通気手段を通り抜けることを意味する。具体的には、空気は、流体通路から、そして空気が針外面と多重サンプル・スリーブとの間の空間を通ってさらに流れる非患者側カニューレの基端部から抜き取られる。次に、空気は、通気機構を通って流れる。該通気機構は、非患者側顎、非患者側ハブ用ネジ、非患者側ハブ本体、多重サンプル・スリーブ、又はその他の位置、あるいは非患者側カニューレの基端部を越える位置の結合部にある。非患者側カニューレの基端部に適用される採血チューブは、血液を流体通路のみから取り出すのであって、通気手段空間からは取り出さない。したがって、この実施態様は、チューブ全体のフラッシュのために(for full tubing flash)、血液が採血路全体を通って流れることを可能とし、廃棄チューブの必要性を排除し、添加物に対する望ましい血液の割合を維持する。この実施態様は、また、血小板の活性化、汚染又はその他の望ましくない結果を引き起こしかねない、血液検体が通気手段と接触状態になることを避ける。この実施態様は、また、真空チューブが適用されるとき、空気が流体通路内に引き戻されることを避ける。
【0017】
さらに別の実施態様においては、通気機構は、空気を抜くが、血液を抜かない通気手段、例えば、疎水性の材料からなる通気プラグ、と組み合わされた非患者側カニューレの側面の開口である。
【0018】
本発明の別の実施態様は、焼結プラスチック、焼結セラミック、又は焼結金属のような多孔質材料から少なくとも部分的に構成される、一体化された非患者側ハブからなる通気機構を有する。多孔質材料は、空気が非患者側カニューレに入る前、又は、空気がカニューレを通って、基端部から出てカニューレと多重サンプル・スリーブとの間の空間内に流れ込んだ後のいずれかにおいて、空気を抜くことを提供するために配置され得る。多孔質材料は、空気を抜くことを提供するが、血液の漏れを阻止する。典型的な実施態様においては、多孔質材料は、疎水性である。多孔質材料は、血液をさらに含むべく湿潤で膨らむ材料がさらに入っていてもよいし、該材料で被覆されていてもよい。その他の通気方法も可能である。通路の内壁面は、シーラントで被覆され、多孔質材料による血液サンプルの汚染を防止する。この実施態様は、チューブ全体のフラッシュのために、血液が採血路全体を通って流れることを可能とし、また、廃棄チューブの排除や添加剤に対する血液の割合の多様性を可能とする。状況に応じて、ハブは、チューブ保持器に永久的に結合され、ネジ切り連結の必要性または該連結の不便さを回避し得る。保持器への結合は、溶剤、溶着、加熱、圧力、及びその他の便利な手段、又はこれらの組み合わせにより達成され得る。そのような一体化された装置は、製造効率が高く、保持器が針とともに廃棄されることにより、安全な医療活動を助成する。
【0019】
さらに別の実施態様においては、通気機構は、流体通路に沿ってどこかに配置される側部開口を通って外部へ空気を抜くことを含んでいる。この場合、開口は、開口内に又は開口上に通気材料を機械的に保持する形を有する通気材料により覆われている。表面張力も漏れを防止するように、通気材料は、疎水性であることが好ましい。この実施例における通気媒体材料は、典型的には、弾力性及びバネ力が装置上に通気材料を保持するような形状を有する。例えば、形状の変形が通気手段に対してハブの受け入れ構造体を覆って広がることを要求されるC字形状の通気手段を使用することが可能である。いったん通気手段が受け入れ構造体を覆って置かれると、通気手段は、解放され、それ自身の反発力を使って、通気手段内に不都合なほどに吸収され得るエポキシのような接着材料なしに所定位置に完全に維持される。あるいは、この実施態様の通気機構は、通気材料を最初に圧縮し、該材料を開口内に置き、開口内に向けて膨張させるべく通気材料を解放することを含み得る。この実施態様は、効率的な大量生産を可能とする。
【0020】
さらに別の実施態様においては、通気機構は、例えば、“Y”又は“T”のような流体通路の分岐を利用する。分岐は、流体通路に沿って、いずれかの位置または複数の位置にあってもよいが、非患者側ハブのような基端部にあることが好ましい。分岐は、雌ルアーの取り付け具と雄ルアーの取り付け具との間のような流体通路内に付け足された別の構成要素の形であってもよい。あるいは、ハブ内に一体にされていてもよい。分岐は、本明細書で述べられるように、通気媒体の任意のタイプを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】採血セット及び採決チューブ保持器の斜視図である。
【図1B】図1に示される採血セット及び採決チューブ保持器の平面図である。
【図2】非患者側針アセンブリの部分的に断面された側部立面図である。
【図3】採血セットの非患者側針アセンブリの雌ルアーの実施態様の側断面図である。
【図4】本発明の別の実施態様を示す図3と同様の側断面図である。
【図5】Z−Zの面から見た図4の実施態様の側部立面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施態様を示す図3と同様の側断面図である。
【図7】図6の側部立面図である。
【図8】採血セットの非患者側針アセンブリの実施態様の雄ルアーへの雌ルアーの接続部の側断面図である。
【図9】採血セットの非患者側針アセンブリの雌ルアー設計の斜視図である。
【図10】本発明の別の実施態様を示す、図9と同様の斜視図である。
【図11】本発明のさらに別の実施態様を示す、図9と同様の斜視図である。
【図12】本発明のさらに別の実施態様を示す、図9と同様の斜視図である。
【図13】採血セットの非患者側針アセンブリの実施態様の雄ルアーへの雌ルアーの接続部の側断面図である。
【図14】雄ルアーの非患者側アセンブリの実施態様の側断面図である。
【図15A】本発明の別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図15B】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図15C】図15Bの細部Bの拡大図である。
【図16A】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図16B】X−Xの面から見た図16Aの側部立面図である。
【図17A】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図17B】Y−Yの面から見た図17Aの側部立面図である。
【図18】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図19A】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図19B】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図20】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図21】非患者側カニューレ用ハブと雄ルアーのハブとの間の接続部の実施態様の側断面図である。
【図22】非患者側針アセンブリの実施態様の側断面図である。
【図23】採血セットの非患者側針アセンブリの実施態様の側断面図である。
【図24】本発明の別の実施態様を示す、図23と同様の側断面図である。
【図25A】採血セットの非患者側針アセンブリの実施態様の側断面図である。
【図25B】R−Rの面から見た図25Aの側部立面図である。
【図26】採血セットの非患者側針アセンブリの雌ルアーと雄ルアーの接続部の実施態様の斜視図である。
【図27】採血セットの非患者側針アセンブリの非患者側顎と多重サンプル・スリーブの接続部の実施態様の斜視図である。
【図28】通気性のあるコード設計の実施態様の断面図である。
【図29】本発明の別の実施態様を示す、図28と同様の側断面図である。
【図30】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図31】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図32】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図33】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図34】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図35】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図36】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図37】本発明のさらに別の実施態様を示す、図14と同様の側断面図である。
【図38】採血セットの非患者側針アセンブリの実施態様の側断面図である。
【図39】採血セットの実施態様の可撓性チューブの側断面図である。
【図40】採血セットの1実施態様の斜視図である。
【図41】本発明の別の実施態様を示す、図40と同様の斜視図である。
【図42】採血セットの非患者側針アセンブリの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、使用中、空気の逃げを許容する自己通気機構を有する自己通気式採血セットであり、典型的には、血液のような流体の流出をさらに防止するものである。本明細書で使用されるように、通気機構は、空気を抜くことを提供するが、典型的には、流体が通り抜けることを妨げる1又はそれ以上の機能または要素を示す。
【0023】
通気媒体が、例えば、プラグやインサートのような別個の物理的部品、レーザ穿孔などによって処理された装置や、全部又は一部を多孔質材料で形成された装置の一体部分、あるいは、例えば、浸漬、塗装、噴霧などにより、装置の上に材料を配置することにより形成される被覆、層などであることが留意されるべきである。
【0024】
本発明に一致する従来の採血セットは、概ね、図1A及び1Bの数字10により特定される。採血セット10は、この実施態様においては、採血チューブ保持器12とともに使用される。保持器12は、基端部14、末端部16及び両端部間に延在する管状側壁18を有する。保持器12の基端部14は、広く開口しており、側壁18内の管状容器への入口を画定している。したがって、真空採血チューブは、保持器12の基端部14を通って、末端部16に向かって、基端から末端方向に摺動し得る。保持器12の末端部16は、端部壁20を特徴とする。端部壁20には、図2に示されるように、内面にネジ切りされた取り付け孔22が形成されている。
【0025】
採血セット10は、静脈注射ハブ26を備える静脈注射針アセンブリ24を含んでいる。静脈注射ハブ26は、基端部28、末端部30及び両端部間に延在する通路(不図示)を含んでいる。静脈注射針アセンブリ24は、基端部34、先の尖った末端部36及び両端部間に延在するルーメン38を有する静脈注射カニューレ32をさらに含んでいる。静脈注射カニューレ32の基端部34は、静脈注射ハブ26の通路にしっかりと取り付けられる。したがって、静脈注射カニューレ32を貫通するルーメン38は、静脈注射ハブ26を貫通する通路に連通する。可撓性翼40が、末端部30の近くの位置で静脈注射ハブ26に取り付けられている。翼40は、親指と人差し指との間で便利に把持できるように向かい合わせの関係で互いに折り畳まれ、静脈注射針アセンブリ24の手操作を容易にし得る。しかしながら、翼40は、また、患者の皮膚にテープで止めるために、実質的に同じ平面内に配置されるまで回転し得る。
【0026】
静脈注射針アセンブリ24は、静脈注射ハブ26を覆って入れ子式にされている管状遮蔽体42をさらに含んでいる。遮蔽体42には、翼40を摺動可能に受け入れる横スロット44が形成されている。したがって、遮蔽体42は、図1A及び1Bに示されるように、基端位置から末端位置まで摺動し得る。静脈注射カニューレ32は、遮蔽体42が図1A及び1Bに示される基端位置にあるとき、使用のために露出されている。しかしながら、静脈注射カニューレ32は、遮蔽体42が末端位置に移動すると、実質的に該遮蔽体42に取り囲まれる。さらに、遮蔽体42のスロット44は、遮蔽体42が末端部にあるとき、翼44に固定係合するように構成され、静脈注射カニューレ32の再露出を防止し又は困難にさせる。図1A及び1Bに例示される遮蔽体は、採血セット10内に組み込まれ得る多くの任意の遮蔽体設計の1つである。別の設計では、遮蔽体に直接取り付けられる翼を提供し得る。さらに、別の設計では、静脈注射ハブ26に取り付けられたヒンジ結合の遮蔽体を提供し得る。さらに別の設計では、遮蔽体は、静脈注射針アセンブリ24とは完全に独立していてもよいし、あるいは、遮蔽体は、全く設けられていなくてもよい。さらに、本発明によれば、遮蔽されないセットも可能である。
【0027】
採血セット10は、1本の可撓性プラスチックチューブ46をさらに含んでいる。チューブ46は、対向する基端部48と末端部50及び両端部間に延在する通路を含んでいる。チューブ46の末端部50は、静脈注射ハブ26を貫通する通路がチューブ46を貫通する通路に連通するように、静脈注射ハブ26の基端部28にしっかりと取り付けられている。雌ルアーの取り付け具52が、チューブ46の基端部48にしっかりと取り付けられている。
【0028】
採血セット10は、図2に示されるように、非患者側針アセンブリ54をさらに含んでいる。非患者側針アセンブリ54は、基端部58、末端部60及び両端部間に延在する流体通路62を有する非患者側ハブ56を含んでいる。基端部58の略近くの非患者側ハブ56の外面区域は、採血チューブ保持器12の取り付け孔22に形成されている内ネジとネジ係合するべく構成されている一連の外ネジ64を画定している。末端部の略近くの非患者側ハブ56の外面区域は、雌ルアーの取り付け具52に嵌合するように構成されている雄ルアーのテーパ66を画定している。非患者側針アセンブリ54は、先の尖った基端部70、末端部72及び両端部間に延在するルーメン74を有する非患者側カニューレ68をさらに含んでいる。非患者側カニューレ68の末端部72は、非患者側ハブ56を貫通する通路62にしっかりと取り付けられ、非患者側ハブ56の外ネジ64と略一直線をなす。非患者側針アセンブリ54は、非患者側カニューレ68を覆って取り付けられ、非患者側ハブ56の基端部58としっかり係合している多重サンプル・スリーブ76をさらに含んでいる。多重サンプル・スリーブ76は、非患者側カニューレ68からの流体の流れを阻止するバルブとして効果的に機能する。しかしながら、多重サンプル・スリーブ76は、真空採血チューブのストッパにより生じる力に応答して、非患者側カニューレ68の先の尖った基端部70により突き刺され得る。
【0029】
採血セット10は、翼40を互いに向かい合わせの係合状態で折り畳み、親指と人差し指との間で翼40を把持することにより使用される。次に、静脈注射カニューレ32を覆って取り付けられているかもしれない包装用カバーが取り除かれ、廃棄される。次に、静脈注射カニューレ32の先の尖った末端部36は、対象とされる血管に押し込まれる。医療実務者は、次に、翼40の把持を解放し得る。そして、血管へのアクセスが長期間を要する場合、翼40は、患者の皮膚に向かい合わせの係合状態でテープ止めされる。採血セット10は、最初は周囲の空気圧である複数の内部空間を含んでいる。これらの内部空間は、静脈注射カニューレ32を貫通するルーメン38、静脈注射ハブ26を貫通する通路、可撓性チューブ46を貫通する通路、非患者側ハブ56を貫通する通路62及び非患者側カニューレ68を貫通するルーメン74を含んでいる。静脈注射カニューレ32により達成される静脈又は動脈アクセスは、採血セット10のこれらの内部空間を患者の血液の圧力と連通状態に置く。血圧は、周囲の空気圧を上回る。したがって、上記の内部空間の空気の圧力は、増大し、血液がこれらの内部空間内に流れ込み始めるであろう。上記したように、採血セット内の空気圧が血液の流入により引き起こされる容積の減少に応答して増大すると、従来システムは、平行に達し得る。したがって、従来システムの内部空間の一部は、静脈または動脈の圧力に略等しい圧力にある空気で満たされたままとなり得る。言い換えれば、従来システムは、非患者側針の基端部と採血セットに入る血液との間の空間内に、その空間にもともとある容積の空気を含むことになる。この高圧空気は、非患者側針と連通状態に置かれる最初の真空採血チューブ内に逃げる。したがって、従来システムで使用される最初の採血チューブは、通常、廃棄チューブとなる。しかしながら、本発明では、静脈又は動脈の圧力にある血液の、採血セット10の内部空間との連通は、通気機構を通して空気を押し出すことになる。そのような通気機構のいろいろな実施態様が以下に詳細に説明される。
【0030】
図3−42は、採血チューブセットの通気機構のいろいろな構成を含む、本発明のいろいろな実施態様を示す。特に、図3−12は、通気機構が雌ルアー52部分に配置される実施態様を示す。図13は、通気機構が雌ルアー111の接続部と雄ルアーのテーパ66との間に配置される実施態様を示す。図14−20は、通気機構が非患者側カニューレの基端部70を過ぎて非患者側ハブ56に配置される実施態様を示す。図21は、通気機構が採血流路から離れており、非患者側ハブの曲がりくねった通路を通って通気機構と連通する実施態様を示す。図22は、通気機構が一体化された非患者側ハブ132である実施態様を示す。図23及び24は、通気機構が非患者側カニューレの孔である実施態様を示す。図25は、通気機構が雌ルアーの壁125と非患者側ハブのネジ64との間に配置される実施態様を示す。図26−37は、通気機構が通気性のあるコードである実施態様を示す。図38及び39は、通気機構が一方向バルブである実施態様を示す。図40及び41は、通気機構が、空気が排出される流体通路の“Y字形”又は“T字形”の分岐体である実施態様を示す。図42は、非患者側ハブに配置される2つの通気機構の組み合わせの実施態様を示す。
【0031】
図3は、ルアー52aの内部から外部に半径方向に延在する孔82を含む通気機構を示す。通気プラグ101が、孔82の少なくとも一部内に配置されている。それにより、孔82は、流体通路62と周囲環境との間の連通を提供し、空気が逃げることができるが血液又はその他の流体の流出を阻止する。通気プラグ101(及び本明細書で述べられる同様の構成部品)は、適切な材料から形成され得る。
【0032】
図4は、軸方向に延在する孔82c及び該孔82cに配置される通気プラグ101を有するルアー52cを示す。孔82cは、流体通路62に略平行に延びている。上記実施態様と同様に、孔は、非患者側ハブ56の通路62と周囲環境との間の連通を提供する。図5は、Z−Z方向から見た図4の側面図を示す。図6及び7に、通気機構が2つの軸方向に延在する、それぞれ通気プラグ101を含む孔82e及び82fを備える別の実施態様が示されている。さらに、この実施態様においては、ルアー52cは、孔が配置される2つの突起83e及び83fを含んでいる。別の実施態様では、1又はそれ以上の孔が突起の外側に配置されてもよい。これらの突起は、また、雄ルアー66との嵌合から雌ルアー52eの取り外しを容易にするのに役立つ。別の実施態様では、任意の数の突起及び任意の数の通気孔があってもよい。突起各々は、必ずしも通気孔を有していない。
【0033】
図8及び9は、通気リング102が可撓性チューブ48の基端部99を囲んで位置している別の雌ルアーの通気機構を示している。通気リングは、雌ルアーの内側テーパ103と締り嵌めを形成している。雄ルアーテーパが雌ルアーに嵌合している時、流体室104が、通気リングの接続部/チューブの基端部と非患者側ハブの末端部60との間に形成されているので、空気は、通気リングを通って、通気孔105から周囲環境へ通り抜けることにより逃げることができる。孔は、雌ルアーの本体のどこに配置されていてもよい。図8及び9において、孔は、雌ルアー106の末端部に配置されている。通気孔が通気リング102の末端側に当接する縦軸に沿った通気窓107である別の実施態様が、図10に参照され得る。
【0034】
図11は、各々が通気プラグ101を含む一連の横通気孔108がルアー52の本体に配置されている通気機構を示す。図11において、孔は、雌ルアーの取り付け具109の基端部の周囲を囲んで等しく間隔を置いて配置されている。同様に、図12は、雌ルアーの取り付け具52の末端部の周囲を囲んで等しく間隔を置いて配置されている、各々が通気プラグ101を含む一連の横通気孔108を示す。両方のケースにおいて、流体室は、雄ルアーのテーパと雌ルアーのテーパ面との間に存在する。該流体室では、空気が、流体通路から流出し、そして通気機構から流出する。
【0035】
図13は、雌ルアー111の接続部と雄ルアーのテーパ66との間の位置に通気プラグ101を含む通気機構を示す。該通気機構は、非患者側ハブ56の通路62と周囲環境との間の連通を提供する。通気プラグ101は、スペーサとして作用し、雌ルアーの内側のテーパ103とで締り嵌めを形成する。雄ルアーのテーパ部が、間に配置されている通気プラグとともに雌ルアーに嵌合している時、流体室104は、雌ルアーのテーパの接続部/チューブ99の基端部と非患者側ハブの末端部60との間に形成されているので、空気が雄ルアーと雌ルアーの傾斜面間の隙間110及び通気プラグ101を通り抜けることにより逃げることができる。この実施態様においては、本明細書の他の実施態様と同様に、通気材料は、いろいろな材料又は構成部品であってもよい。典型的には、本実施態様の構成は、例えば、疎水性の材料から形成される、又は疎水性表面を有する多孔性リング、生物学的現象を使って、血液と接触するとシールされた状態になる多孔性リング、膨張可能な材料からなるリング、ざらざらした表面、あるいは、膨張可能な又は同様の材料の塗膜を含み得る。
【0036】
いくつかの実施態様では、非患者側カニューレの基端部70を過ぎた通気機構の配置を含んでいる。図14の実施態様では、空気は、流体通路62から流出し、非患者側カニューレの基端部70から流出する。基端部70では、空気は、針の外面68と多重サンプル・スリーブ76の内面との間の空間112を通って、非患者側顎114を貫通する通路からなる通気手段113の位置までさらに流れ、続いて、空気は、空気の周囲環境への流出を許容するが、血液又はその他の流体の周囲環境への流出を阻止する通気プラグ115を通って流れる。
【0037】
図15A、15B、15C、16A、16B、17A、17B、18、19A及び19Bは、通気機構が非患者側カニューレの基端部70を過ぎて配置される多くの実施態様を例示する。図14に示されるように、空気は、流体通路62から流出し、非患者側カニューレの基端部70から流出する。基端部70では、空気は、針の外面68と多重サンプル・スリーブ76の内面との間の空間112を通って、非患者側顎を貫通、またはそれを囲んでまたはその部分に位置する通気手段の位置までさらに流れる。図15A、15B及び15Cの実施態様は、非患者側顎としても機能する通気プラグ116を示す。図16A及び16Bは、非患者側顎114のスリット117が、空気が通気ディスク118へ逃げることを許容する実施態様を示す。図17A及び17Bは、非患者側顎114のスリット119が通気プラグ120を含む別の実施態様を示す。図18は、通気スリーブ121が、空気が逃げることを許容する改良された非患者側顎の設計122を示す。図19Aは、空気が、非患者側顎114の小さな液路123を通ってネジ部貯槽124内に、続いて雄ルアーの壁125の液路を通って円筒状通気プラグ126内に逃げるさらに別の実施態様を示す。図19Bは、非患者側ハブが2つの別の部品、雄ルアー174及び非患者側ネジアセンブリ175、から作られている別の実施態様を示す。空気は、針の外面68と非患者側顎114の間の小さな液路172を通り、次に、雄ルアーの壁56を通って通気媒体171を含む雄ルアーの貯槽170内に逃げ込み、そして、雄ルアー174と非患者側ハブの非患者側ネジアセンブリ175との間の接続部の液路173を通って周囲空気中に逃げ出す。各実施態様において、通気媒体(及び本明細書で述べられる同様の構成部品)は、空気の流出を許容するが、血液又はその他の流体の周囲環境への流出を阻止する。
【0038】
図20は、通気機構の非患者側カニューレの基端部70を過ぎての配置の別の実施態様を示す。この実施態様によれば、空気は、多重サンプル・スリーブ127自身の材質を通って逃がされる。多重サンプル・スリーブ127は、非患者側カニューレ68からの流体の流れを阻止する通気媒体として機能する。多重サンプル・スリーブ127は、真空採血チューブのストッパにより生じる力に応答して非患者側カニューレ68の先の尖った基端部70により突き刺されるというその通常の機能を維持する。上述した材料のような多孔性で、疎水性の材料からスリーブを形成することにより、通気手段としても機能する多重サンプル・スリーブを作ることが可能である。
【0039】
図21は、採血流路から離れており、曲がりくねった経路を通って採血流路に連通し、それにより、通気媒体との接触で流体通路の血液の汚染を防止する通気機構を示す。空気は、雄ルアー128内の流体通路62から雄ルアー128と非患者側カニューレハブ130とで形成される曲がりくねった空気経路129内に流れる。次に、空気は、曲がりくねった空気経路129から、環状の通気リング131である通気媒体へ、そして周囲環境に進む。
【0040】
図22は、一体化された非患者側ハブ132である通気機構を示す。該ハブ132の少なくとも一部は、多孔性材料から作られている。したがって、該ハブ132自身のこの多孔部分は、通気媒体として作用する。可撓性チューブ48の基端部99は、一体化された非患者側ハブ133の末端部に接合される。非患者側カニューレ68は、一体化された非患者側ハブ134の基端部に接合される。そして、一体化された非患者側ハブ132の性質のせいで、保持器は、典型的には、ハブ132にネジを設けるよりもむしろ接合により予め取り付けられている。しかしながら、所望であるならば、ネジが設けられてもよい。チューブ保持器135の一体化された非患者側ハブ134への接合は、溶剤、溶接、加熱、加圧又はその他の使い易い手段あるいはこれらの組み合わせにより達成される。空気は、流体通路62を通って流れ、一体化された非患者側ハブ132を通り抜けることにより周囲環境に逃げる。別の実施態様は、流体通路62の一部である一体化された非患者側ハブ132の内面壁136に不透過性のスポット塗膜を含浸させる。このことは、結果として、空気のみが非患者側カニューレの基端部70を過ぎた非患者側顎137において、ハブを通って逃げることができることになる。
【0041】
図23及び24の実施態様においては、通気機構は、通気プラグとして示される通気媒体により取り囲まれる非患者側カニューレの開口である。図23は、非患者側カニューレ68の孔138を示す。空気は、流体通路62から孔138を通って流出し、多孔性通気リング139に流れ、続いて、周囲環境に流れる。図24において、非患者側カニューレ68の孔140は、通気リングとしても作用する非患者側顎141に位置する。このことは、静脈注射針アセンブリ間の流体通路にあった空気が孔140を通り、前記孔140の後の流体通路の下流のさらに基端位置にある空気が非患者側顎141を通って逃げることを可能とする。
【0042】
図25A及び25Bは、雄ルアーの壁125と非患者側ハブのネジ64との間に配置されている通気機構を示す。空気は、流体通路62から通気孔142に流れ、次に、C字形のクランプ形通気プラグ143を通って周囲環境へ流れる。上述したように、本実施態様における通気プラグの材料は、典型的には、弾性を有し、バネ力が通気材料を装置に保持するような形状を有する。本実施態様において、C字形の通気プラグの形状の変形は、通気プラグがハブの受け入れ構造を覆って伸びることを要求される。一旦、通気プラグが受け容れ構造を覆って置かれると、プラグは解放され、それ自身の弾力性を使い、不都合にも通気プラグに吸収される恐れのある、エポキシ樹脂のような接着剤なしに、所定位置に完全に維持される。あるいは、本実施態様の通気機構は、通気材料を最初に圧縮し、通気材料を開口に置き、通気材料を解放し、開口で膨張させることを含み得る。
【0043】
図26及び27は、流体通路に沿って2つの異なる位置に通気性のある通気コードを有する通気機構を示す。この通気機構を使う通気は、流体通路に沿う1又は多数のシール面の間に通気媒体(例えば、配置、被覆又は処置)を配置することにより達成し得る。図26は、雌ルアーのテーパ145のシール面と雄ルアーのテーパ146のシール面との間に配置されるコード144を示す。シール面におけるコードの存在は、空気が流体通路62から逃げることを許容するが、コード材料の吸収性及び/又はコードにより作り出される非常に小さなサイズの液路のいずれかにより、流体の漏れを阻止する。図27は、多重サンプル・スリーブ76のシール面と非患者側ハブの顎のシール面との間に配置されるコードを示す。図28−37は、適切な通気性コードの断面を示す。その他の形状又はそのような形状の組み合わせも使用され得る。コードは、例えば、押出し成形されてもよいし、編まれてもよい。また、ワックスのような疎水性の被覆の適用が有益であり得る。
【0044】
さらに別の実施態様では、通気機構は、流体通路に沿って、そのどこかに配置される一方向バルブを利用する。該バルブは、空気が逃げることを許容するが、真空状態が適用されると閉じられる。したがって、真空採血チューブが針先端に適用されると、チューブは、流体通路から血液を引き出すが空気を引き出さない。図38及び39は、一方向バルブの例を示す。通気機構は、流体通路62に沿ってどの位置に又はいくつかの位置にあってもよいが、典型的には、非患者側ハブ56の基端部にある。バルブ148それ自身は、通気手段を覆うプラスチック・フィルムのような薄いフラップ、ゴム又はプラスチック製のダックビル・バルブ(duckbill valve)のような変形可能なシール、通気手段を覆う変形ラップ、又はその他の手段、またはこれらの組み合わせであってもよい。バルブ148は、通気手段に対して基端側又は末端側にあってもよい。図38に示される実施態様においては、薄いプラスチック・フィルム・バルブ149が、フィルム151のシールされた縁部に沿って非患者側ハブ56に取り付けられている。その結果、最初の静脈穿刺時において、空気は、静脈の圧力の下で流体通路62から押し出され、多孔性通気プラグ150を通り、プラスチック・フィルム149の固定されていない縁部の下から押し出される。しかしながら、真空状態が(採血チューブの取り付けにより)流体通路62に適用されると、薄いプラスチック・フィルム・バルブ149は、多孔性通気プラグ150に対して密着するように引っ張られる。それにより、バルブ149は、通気手段をシールし、流体通路に空気が再度入ることを防止する。したがって、この実施態様は、通気が発生した後、システムに空気が再度入り込むことを防止する予備的な又は補助的な機能を提供し得る。別の実施態様が図39に示されている。該実施態様においては、血液は、1本の従来の可撓性チューブ48から1本の多孔性チューブ152からなる通気機構内に流れる。該多孔性チューブ152は、1本の非多孔性の柔軟なフィルム153でその外面を囲んでゆるく包まれている。この包み153は、真空状態では、包み153が密着するように引っ張られ、多孔性チューブ152の長さの外面をシールするように、最初の静脈穿刺時に空気が逃げることを可能とするのに十分に緩やかである。
【0045】
図40及び41は、流体通路内に空気が移動する“Y字形”又は“T字形”の分岐を使用する通気機構を示す。分岐は、流体通路に沿ってどの位置に又はいくつかの位置にあってもよいが、典型的には、非患者側ハブのような基端部にある。図40は、“Y字形”の分岐通気手段154を示す。該分岐154は、雌ルアーの取り付け具155と雄ルアーの取り付け具156との間のような流体通路62に付け加えられた別部材の形をなしている。図41は、“T字形”の分岐通気手段157を示している。該通気手段は、非患者側ハブの一体部分として構成部品点数を減少させる。各実施態様において、通気プラグ158は、空気が逃げることを許容するが、血液の漏れを防止する。“Y字形”又は“T字形”の分岐通気手段の使用は、各構成部品の接続部における使い易い末端形状により達成され得る。既に例示されている実施態様は、ルアーテーパ型取り付け具で示されている。しかし、可撓性チューブに直接接続するようなその他の接続部設計が適用されてもよい。典型的な適用例では、3つのポートを持つ“Y字形”又は“T字形”の分岐通気手段を使用しているけれども、多重ポートを持つ分岐通気システムの使用も可能である。
【0046】
当業者にとって明白であるように、単一の装置に1又はそれ以上の通気機構を組み合わせること、又は、1つの装置に同一の通気機構を1以上の位置に置くことが可能である。さらに、本発明の通気機構にいろいろな通気プラグのいずれかを使用することが可能である。加えて、本明細書における通気機構は、採血セット以外のいろいろな装置に適用可能である。
【0047】
例えば、図42は、2つの通気機構の組み合わせを示す。空気は、流体通路から流出し、非患者側カニューレ68の孔159を通り抜け、多孔性の通気リング160内に入り、次に、周囲環境に抜ける。第2の通気経路は、非患者側カニューレの基端部70を通り過ぎて存在する。孔159の位置に近い空気は、流体通路62から流出し、非患者側カニューレの基端部70から流出し、針の外側68と多重サンプル・スリーブ76の内側との間の空間112を通ってさらに流れ、空気が多孔性通気リング160に逃げることを許容する非患者側顎162のスリット161に流れる。
【0048】
本明細書で使用される通気媒体は、例えば、以下に例示するもの又はそれらの組み合わせを含み得る;
− マトリックス材料やキャリア材料、典型的には疎水性材料から形成される多孔性プラグ、該多孔性プラグは、水性の又は水分を含有する物質と接触して膨張する親水性材料を被覆され、該親水性材料を含浸され、又は該親水性材料を含有する。この膨張可能な性質は、それにより、血液に接触したとき、通気手段をシールする機能を提供する;
− つや消し仕上げ、ミクロサイズ化された液路、レーザドリル孔、曲がりくねった経路により提供された空気通気手段、又は孔、隙間又は液路が空気流を許容するのには十分な大きさであるが血液の漏れを防止するのには十分小さいコードの形でシール面間に設けられる通気手段;
− 生物学的現象を用いて、例えば、通気手段を遮断する凝固及び/又は赤血球凝集反応により、血液と接触するとシールされた状態になる多孔性プラグ;
− 水性流体と接触して膨張することにより通気手段をシールする超吸収材料;
− 一方向バルブ、例えば、通気手段を覆うプラスチック・フィルムのような薄いフラップ、ゴム又はプラスチック製ダックビル・バルブのような変形可能なシール、又は通気手段を覆う変形可能なラップ。
【0049】
典型的には、多孔性プラグは、高密度ポリエチレン(HDPE)のような疎水性材料から形成される。該多孔性プラグは、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリアクリル酸エステルのような親水性材料を被覆され、親水性材料に含浸し、親水性材料を含有する。その他の疎水性材料は、これに限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ナイロン6、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリエーテルスルホン(PES)を含む。
【0050】
通気媒体の実施態様は、外壁に形成されたミクロサイズ化された孔からなる。孔は、空気流を許容するのに十分大きいが、血液の漏れを防止するのに十分小さい。通気孔は、多数の孔がより信頼性の高い機能に対して常であるけれども、孔1つの場合を含めていくつあってもよい。孔は、レーザで穿孔され得る。いってみれば、孔は、壁又は基板を貫通して1又はそれ以上のレーザ・ビームを用いて焼かれてもよい。基板は、薄いプラスチック又はプラスチック・フィルムが典型的であるけれども、使い易ければどのような材料であってもよい。通気機構は、既に述べたように、一方向バルブを含み得る。通気機構は、可撓性チューブ、ルアー又は非患者側ハブの流路に沿って便利であればどのような空間にも配置され得る。あるいは、基端部の位置が典型的であるけれども、チューブの全長に沿ってフラッシュ(flash)を提供するために、別の構成部品に配置され得る。
【0051】
生物学的現象を使って血液と接触するとシールされた状態になる多孔性プラグは、例えば、焼結プラスチック、焼結セラミック又は焼結金属のような多孔性材料あるいは通気性コードを使用し得る。又は、該多孔性プラグは、生物学的原因物質を小さな孔に又は部品間の空間に配置することで使用されうる。通気手段は、使い易ければどのような形状を持っていてもよい。通気は、流体通路のどのような位置又は複数の位置にあってもよいが、採血装置の近くのハブのような基端部にあることが好ましい。通気手段は、凝固及び/又は凝集細胞が通気手段を通って血液の進行中の流れを遮断するように、典型的には、血液と相互に作用し、凝固及び/又は赤血球凝集反応を促進する刺激剤から作られ、該刺激剤を含有し、該刺激剤に隣接し、あるいは該刺激剤とともに作用する。凝固刺激剤の例としては、シリカ又は破砕されたガラス、あるいはガラス繊維がある。凝集剤の例としては、レクチンがある。血小板活性剤の例としては、コラーゲン、又はトロンビンがある。プロトミン硫酸塩(protomine sulfate)のような抗凝固剤用中和物が含まれてもよい。生物学的刺激剤は、粉末、溶液、懸濁液、スラリーまたはその他の形のような製造プロセスを含む使い易いプロセスを使って適用され得る。該刺激剤は、乾燥されてもよいし、凍結乾燥されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のハブ、及び前記第1のハブに取り付けられている第1のカニューレを有する第1の針アセンブリであって、第1のカニューレは、それを貫通して延在するルーメンを有する第1の針アセンブリと、
対向する第1の端部と第2の端部、及び前記両端部間に延在する通路を有する1本の可撓性チューブであって、前記第1のカニューレの前記ルーメンと前記可撓性チューブを貫通する前記通路との間に連通を提供するために、前記可撓性チューブの前記第1の端部は、前記第1のハブと連通状態にある1本の可撓性チューブと、
それを貫通して延在する通路を有し、前記可撓性チューブの前記第2の端部と流体連通状態にある第2のハブと、
対向する基端部と末端部、及び前記両端部間に延在するルーメンを有する非患者側カニューレであって、前記非患者側カニューレの前記末端部は、前記非患者側カニューレを貫通するルーメンが前記第2のハブを貫通する前記通路と連通するように、前記第2のハブに取り付けられている非患者側カニューレと、
前記非患者側カニューレを覆い、前記第2のハブに取り付けられている多重サンプル・スリーブと、
流体通路と周囲環境との間の連通を提供する通気機構であって、前記通気機構は、採血セットから前記通気機構を通って前記周囲環境への空気の流出を許容し、前記通気機構は、前記採血セットから前記通気機構を通って前記周囲環境への流体の流出を阻止する通気機構と、
を備えていることを特徴とする採血セット。
【請求項2】
前記通気機構が前記雌ルアーを貫通して延在するように、前記可撓性チューブの前記第2の端部に取り付けられている雌ルアーの取り付け具をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項3】
前記通気機構は、空気が逃げることができるが血液またはその他の流体の流出を阻止することができる通気媒体を備えていることを特徴とする請求項2に記載の採血セット。
【請求項4】
前記通気機構は、前記雌ルアーを貫通する少なくとも1つの孔を備えており、前記孔は、通気プラグを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の採血セット。
【請求項5】
前記通気機構は、前記可撓性チューブの前記第2の端部を取り囲む通気リング、及び前記通気リングの末端方向に配置され、前記雌ルアーを貫通する少なくとも1つの孔を備えていることを特徴とする請求項2に記載の採血セット。
【請求項6】
前記通気機構は、一方向バルブをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項7】
前記通気機構は、前記非患者側カニューレの前記基端部を過ぎた前記通路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項8】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の採血セット。
【請求項9】
前記第2のハブは、前記多重サンプル・スリーブが取り付けられている非患者側顎をさらに備えており、前記通気機構は、前記非患者側顎を貫通して延在することを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項10】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項9に記載の採血セット。
【請求項11】
前記通気機構は、前記非患者側顎を貫通する通路を備えており、前記通路は、通気プラグを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の採血セット。
【請求項12】
前記通気機構は、前記非患者側顎を貫通するスリット、及び通気ディスクを備えていることを特徴とする請求項9に記載の採血セット。
【請求項13】
前記通気機構は、前記非患者側顎を貫通する少なくとも1つの孔を備えており、前記孔は、通気プラグを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の採血セット。
【請求項14】
前記第2のハブは、非患者側顎をさらに備えており、前記非患者側顎は、前記通気機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項15】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項14に記載の採血セット。
【請求項16】
前記非患者側顎の少なくとも一部は、多孔性で疎水性の材料から形成されている、又は前記非患者側顎の前記部分は、疎水性表面を有する多孔性材料からなることを特徴とする請求項14に記載の採血セット。
【請求項17】
前記通気機構は、疎水性材料を含浸した多孔性材料からなることを特徴とする請求項14に記載の採血セット。
【請求項18】
前記第2のハブは、前記多重サンプル・スリーブが取り付けられている非患者側顎をさらに備えており、前記通気機構は、前記非患者側顎と前記多重サンプル・スリーブとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項19】
前記通気機構は、通気スリーブを備えていることを特徴とする請求項18に記載の採血セット。
【請求項20】
前記通気スリーブは、多孔性で疎水性の材料からなる、又は前記通気スリーブは、疎水性表面を有する多孔性材料からなることを特徴とする請求項19に記載の採血セット。
【請求項21】
前記通気機構は、通気性の通気コードを備えていることを特徴とする請求項18に記載の採血セット。
【請求項22】
前記通気機構は、ざらざらした表面を備えていることを特徴とする請求項18に記載の採血セット。
【請求項23】
前記多重サンプル・スリーブは、前記通気機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項24】
前記多重サンプル・スリーブの少なくとも一部は、多孔性で疎水性の材料から形成される、又は前記多重サンプル・スリーブの前記部分は、疎水性表面を有する多孔性材料からなることを特徴とする請求項23に記載の採血セット。
【請求項25】
前記通気機構は、前記通路と前記周囲環境との間の連通を提供する曲がりくねった経路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項26】
前記第2のハブは、雄ルアー及び非患者側カニューレハブを備えており、前記曲がりくねった経路は、前記雄ルアーと前記被患者側カニューレハブとの間に配置されていることを特徴とする請求項25に記載の採血セット。
【請求項27】
前記第2のハブの少なくとも一部は、前記第2のハブが前記通気機構を構成するように、通気媒体から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項28】
前記第2のハブの少なくとも一部は、前記第2のハブが前記通気機構を構成するように、多孔性材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項29】
前記第2のハブの内面に不透過性のスポット塗膜の層をさらに備えていることを特徴とする請求項28に記載の採血セット。
【請求項30】
前記第2のハブは、雄ルアー及び一緒に嵌合されると貯層を形成する非患者側ネジアセンブリをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項31】
前記通気機構は、前記貯槽まで前記非患者側ネジアセンブリを貫通する第1の液路、前記貯槽から前記周囲環境までの第2の液路、及び前記貯槽に配置されている通気プラグを備えていることを特徴とする請求項30に記載の採血セット。
【請求項32】
前記通気機構は、前記非患者側カニューレを貫通して延在することを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項33】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項32に記載の採血セット。
【請求項34】
前記通気機構は、前記非患者側カニューレを貫通する孔及び多孔性通気リングを備えていることを特徴とする請求項32に記載の採血セット。
【請求項35】
前記通気機構は、前記非患者側カニューレを貫通する孔及び弾性を有する多孔性通気プラグを備えており、前記通気プラグの前記弾性力が、前記孔を囲む位置で前記通気プラグを固定することを特徴とする請求項32に記載の採血セット。
【請求項36】
前記通気機構は、前記可撓性チューブを貫通して延在することを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項37】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項36に記載の採血セット。
【請求項38】
前記通気機構は、1本の多孔性チューブ及び前記1本の多孔性チューブに巻きつけられている一方向バルブを備えていることを特徴とする請求項36に記載の採血セット。
【請求項39】
流体通路と連通状態にある分岐通気手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項40】
前記第2のハブは、流体通路と連通状態にあるY字形の分岐通気手段又はT字形の分岐通気手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項41】
前記通気機構は、通気媒体を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項42】
前記通気機構は、多孔性で疎水性の材料からなる、又は、前記通気機構は、疎水性表面を有する多孔性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項43】
前記疎水性材料は、ガラス繊維、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ナイロン6、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリエーテルスルホン(PES)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項42に記載の採血セット。
【請求項44】
前記通気機構は、親水性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項45】
前記親水性材料は、カルボキシメチルセルロース又はポリアクリル酸エステルであることを特徴とする請求項44に記載の採血セット。
【請求項46】
前記通気機構は、多孔性プラグ及び水性物質と接触して膨張する材料とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項47】
前記通気機構は空気通気手段を備えており、前記空気通気手段は、つや消し仕上げ、ミクロサイズ化された液路、レーザドリル孔、及び曲がりくねった経路からなるグループから選択される少なくとも1つの構成部品を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項48】
前記通気機構は、通気性通気コードを備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項49】
前記通気機構は、一方向バルブを備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項50】
前記通気機構は、多孔性プラグ及び生物学的活性剤を備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項51】
前記通気機構は、超吸収材料からなることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項52】
前記第1のカニューレを選択的に覆うための遮蔽体をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項53】
第2の通気機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。
【請求項54】
前記第1の針アセンブリに取り付けられている少なくとも1つの翼をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の採血セット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2012−66090(P2012−66090A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233153(P2011−233153)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【分割の表示】特願2005−163168(P2005−163168)の分割
【原出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】