説明

通水装置

【課題】 受圧部のダイヤフラムに一次圧を導入することで二次圧を受ける弁部を閉弁状態に維持させるようにした逆流防止弁を備えて逆流発生防止を図る場合に、ダイヤフラムが破損しても一次側漏水を停止して使用者に早期に警告報知する。
【解決手段】 逆流防止弁4の受圧部45に対し入水路21の給水圧を一次圧として一次圧導入路6dにより導入する。注湯路31の内圧を二次圧として弁部44に導入する。一次圧導入路に自動閉止手段64を介装する。周囲に隙間を残した状態で弁体645を収容室643に収容し、水が静止状態であればバネ646により開弁状態に維持させる。受圧部が破損して大気開放口40に向けて一次圧導入路内の水が流動すると、隙間を通る際の流動抵抗により生じる差圧で弁体645が出口642に押し付けられて閉止される。閉弁移動が磁石647・近接スイッチ648により検知してリモコン71から警告報知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水道水を所定の給水圧に基づいて浴槽等の供給先に連続状態で供給(注湯・注水)するような通水路の途中に逆流防止弁を介装し、これにより、給水元側の負圧発生に伴う供給先側から給水元側への逆流入を防止するようにした通水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、逆流防止弁として、給水元側の圧力(一次圧)と、供給先側の圧力(二次圧)との圧力差により閉弁状態を維持させ、給水元側に負圧発生すると開弁して大気側と連通させることにより逆流を防止するようにしたものが知られている。このような逆流防止弁を用いた通水装置として、図1に示すように給湯器1の出湯路24から注湯路31を分岐させて浴槽に対し給湯器1で加熱して(又は非加熱のまま)注湯・注水し得るようにしたものが考えられている。
【0003】上記の通水装置を説明すると、給湯器1の入水路21には水道水がその給水圧に基づいて入水され、この入水を熱交換器22において燃焼バーナ23からの燃焼熱により熱交換加熱した上で、出湯路24を通して下流端の給湯栓に給湯されるようになっている。また、上記出湯路24の流量調整制御弁27の下流側位置から注湯路31が分岐され、その下流端がそのまま浴槽の底部又は側部の注湯口にあるいは追い焚き循環路等を介して浴槽の底部又は側部に設置されて注湯口を兼ねる循環部品に接続されている。上記注湯路31には注湯流量センサ32、注湯電磁弁33及び一対の逆止弁34,35が介装されている。そして、逆流防止弁4は、そのピストン状弁体42の先端側の弁部44に対し上記一対の逆止弁34,35の中間位置から注湯路31内の圧力が二次圧P2として作用するように接続され、上記ピストン状弁体42の後端側の受圧部(例えばダイヤフラム)45に対し上記入水路21の入水流量センサ26の下流側位置から分岐する一次圧導入路600を通して給水圧が一次圧P1として作用するように接続されている。上記逆流防止弁4は、正常時であるとその弁体42が一次圧P1と二次圧P2(一次圧P1>二次圧P2)との圧力差により弁部44が閉弁されて大気開放口40と注湯路31とを常時遮断する一方、例えば給水元側に停電等に起因して負圧が発生するなどして一次圧P1が二次圧P2以下になると図2に示すように開弁して注湯路31と大気開放口40とを連通させて上記の如く逆流防止を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の逆流防止弁4の受圧部45であるゴム製のダイヤフラムは一次側と二次側との間を確実にシールした状態で仕切る役割をも果たしているが、このダイヤフラムにおいて経時変化による劣化等に起因して孔明きや破れが万一発生すると、次のような種々の不都合を生じることになる。
【0005】第1に、上記一次圧導入路600を通して給水元からの水が大気開放口40から漏水(以下「一次側漏水」という)するおそれがある。
【0006】第2に、一次側漏水が発生すると、それに伴い一次圧P1が低下する結果、その低下度合に応じて弁体42が開弁側に移動してしまい、大気開放口40を通して注湯路31内の水の漏水(以下「二次側漏水」という)をも発生させてしまうことになる。
【0007】第3に、上記の一次側漏水が発生すると、入水流量センサ26が入水流量の発生を検出し、その検出流量が最低作動流量以上であれば、通常の原則通り給湯器1において給湯制御が開始されて燃焼バーナ23の燃焼が開始されてしまうことになる。つまり、上記入水流量センサ26が入水流量の発生を検出したとしても、それが通常通り給湯栓の開操作により水が流れているのか、あるいは、上記の一次側漏水という異常発生により水が流れているのかを判別し得ないために、給湯栓が閉じたままであるにも拘わらず一次側漏水の発生により燃焼バーナ23の誤燃焼をも招くおそれもある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、逆流防止弁のダイヤフラム破損の発生を早期に使用者に報知して補修を促すこと、上記ダイヤフラム破損が発生しても一次側漏水の発生を停止すること、一次側漏水の発生を停止した上で使用者に報知して補修を促すこと、及び、給湯制御が付随していても一次側漏水の発生に起因する誤制御の発生を解消することなどにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置を対象として、以下の如き特定事項を備える種々の解決手段を採用することとした。
【0010】なお、解決手段としては、漏水発生を検知して警告報知を行うもの(請求項1〜請求項6のいずれかに係る発明)と、漏水発生によりその漏水を停止させるもの(請求項7〜請求項17のいずれかに係る発明)とに大別される。
【0011】すなわち、請求項1に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段と、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内に流水の発生を検知する流水検知手段とを備え、上記制御手段として、上記流水検知手段からの流水検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる構成とした。
【0012】この請求項1によれば、逆流防止弁の受圧部に劣化や疲労等に起因して孔明きもしくは破れ等の破損が生じると、正常であれば静止している給水圧導入路内の水が上記破損箇所から大気開放口側に流れて漏水を生じることになる。そこで、この際の給水圧導入路内の流水の発生が流水検知手段により検知されると、漏水発生と判断して報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。
【0013】請求項2に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備えたものとし、加えて、上記通水路として、その上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路と、この分岐路を通過する分岐流量を検知する分岐流量検知手段と、この分岐流量検知手段の下流側位置の分岐路に介装された開閉切換弁とを備えたものとする。そして、上記給水圧導入路を上記分岐流量検知手段と開閉切換弁との中間位置から分岐させ、上記制御手段として、上記開閉切換弁が閉弁状態であるにも拘わらず上記分岐流量検知手段が流量検知したとき上記報知手段により警告報知する構成とした。
【0014】この請求項2によれば、逆流防止弁の受圧部に劣化や疲労等に起因して孔明きもしくは破れ等の破損が生じると、正常であれば静止している上記給水圧導入路内の水が上記破損箇所から大気開放口側に流れて漏水を生じることになる。この漏水発生に伴う給水圧導入路内の流水の発生が上記分岐流量検知手段により検知されることになる。この際、上記開閉切換弁が閉弁状態であるにも拘わらず分岐流量検知手段により流量検知されれば、その検知流量の流水は給水導入路への流水であると判断できるため、報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。つまり、請求項2では漏水発生検知のために特に新たな検知手段を設けることなく、通水路に備わっている検知手段を活用して漏水発生の検知を行うことが可能になる。
【0015】請求項3に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備えたものとする。また、上記通水路として、その上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路部と、この分岐路部を通過する分岐流量を検知する分岐流量検知手段と、この分岐流量検知手段の下流側位置の分岐路に介装された開閉切換弁とを備えたものとする。加えて、上記給水圧導入路として、上記入水路部から分岐されて第1オリフィスが途中に介装される一方、上記分岐流量検知手段と開閉切換弁との中間位置から分岐された連通路の下流端が上記第1オリフィスの下流側位置の給水圧導入路に接続され、かつ、上記連通路は途中位置に分岐路側への流れを阻止する逆止弁と、上記第1オリフィスよりも通水断面積の大きい第2オリフィスとが介装されたものとする。そして、上記制御手段として、上記開閉切換弁が閉弁状態であるにも拘わらず上記分岐流量検知手段が流量検知したとき上記報知手段により警告報知する構成とした。
【0016】この請求項3によれば、給水圧導入路を入水路部から分岐させているため、逆流防止弁の受圧部に対し、給水圧として最も高い上流端側の入水路部から導入させてより確実な逆流防止弁の閉弁維持を図りつつも、漏水発生の検知を請求項2と同様に分岐流量検知手段による流量検知に基づいて行うことが可能になる。すなわち、上記連通路を設けても逆止弁が配設されているため正常時には通水路と給水圧導入路とは遮断されている上に、給水圧導入路の小通水断面積の第1オリフィスを通して逆流防止弁の受圧部に対し入水路部からの給水圧を導入させることが可能となる。一方、漏水が発生すると、大通水断面積に設定された第2オリフィス及び逆止弁を通して分岐路からの水が連通路を通して上記受圧部側に流れるため、分岐流量検知手段による流量検知に基づき漏水発生が的確に検知されることになる。
【0017】請求項4に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とをさらに備え、上記通水路として、その上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路とを備えたものとする。そして、上記給水圧導入路として、上記熱交換器の下流側位置の出湯路部から分岐させ、かつ、給水圧導入路内の温度を検知する温度検知手段を備えたものとし、上記制御手段として、上記温度検知手段からの温度検知出力に基づき所定の昇温変動が発生したと判断したとき上記報知手段により警告報知する構成とした。
【0018】この請求項4によれば、逆流防止弁の受圧部に劣化や疲労等に起因して孔明きもしくは破れ等の破損が生じると、上記熱交換器で加熱された湯又は余熱により他部位よりも高温の水が出湯路部から給水圧導入路を通して受圧部側に移動することになる。このため、上記温度検知手段による検知温度は所定の昇温カーブを描いて上昇することになる。この昇温変動を検知することにより、上記の破損発生に伴う漏水発生と判断することができ、報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。
【0019】請求項5に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路として、その上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水流量検知手段とを備えたものとする。そして、上記給水圧導入路を上記入水流量検知手段の下流側位置の入水路部から分岐させ、上記制御手段として、上記熱交換器を加熱する加熱器の作動スイッチがOFF状態であるにも拘わらず上記入水流量検知手段が流量検知したとき又はその流量検知状態が所定時間継続したとき上記報知手段により警告報知する構成とした。
【0020】この請求項5によれば、逆流防止弁の受圧部に劣化や疲労等に起因して孔明きもしくは破れ等の破損が生じると、入水路部の入水流量検知手段を通った水が給水圧導入路に流入して給水圧導入路内を受圧部側に流動するため、上記入水流量検知手段により流量検知が行われることになる。この際、上記加熱器の作動スイッチがOFF状態であれば給湯使用の意思に基づく水の移動ではないため、何らかの異常発生であると判断される。このため、報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。また、警告報知の内容として、熱交換器の下流側に給湯栓が配設されている場合には、まずは給湯栓の閉め忘れや緩みが生じている旨を警告報知した上で、それでも上記の流量検知が所定時間継続すれば漏水発生のおそれがある旨の警告報知を行うようにしてもよい。以上の請求項5では漏水発生検知のために特に新たな検知手段を設けることなく、通水路に備わっている入水流量検知手段を活用して漏水発生の検知を行うことが可能になる。
【0021】請求項6に係る発明では、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路として、その上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水温度検知手段とを備えたものとし、上記給水圧導入路を上記入水温度検知手段の下流側位置の入水路部から分岐させる。加えて、上記入水温度検知手段を自己発熱式サーミスタにより構成し、温度検出に加え自己発熱時の温度変化により流水の発生を検知可能な構成とする。そして、上記制御手段として、上記熱交換器を加熱する加熱器の作動スイッチがOFF状態であるにも拘わらず上記入水温度検知手段が流水の発生を検知したとき上記報知手段により警告報知する構成とした。
【0022】この請求項6によれば、請求項5の入水流量検知手段の代わりに入水温度検知手段を用いることによっても、請求項5と同様の作用が得られることになる。すなわち、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じると、入水路部の入水温度検知手段を通った水が給水圧導入路に流入して給水圧導入路内を受圧部側に流動するため、上記入水温度検知手段への自己発熱作動により流水発生の検知が行われることになる。水が静止していると自己発熱させても静止水への伝熱による温度低下に止まるものの、流水が発生していると自己発熱の熱が奪われて急激に温度低下するからである。この際、上記加熱器の作動スイッチがOFF状態であれば給湯使用の意思に基づく水の移動ではないため、何らかの異常発生であると判断される。このため、報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。また、警告報知の内容として、まずは給湯栓の閉め忘れや緩みが生じている旨を警告報知した上で、それでも上記の流水検知が継続すれば漏水発生のおそれがある旨の警告報知を行うようにしてもよいことは請求項5と同様である。以上の請求項6においても漏水発生検知のために特に新たな検知手段を設けることなく、通水路に備わっている入水温度検知手段を活用して漏水発生の検知を行うことが可能になる。
【0023】請求項7に係る発明では、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装された自動閉止手段を備え、この自動閉止手段として、上記給水圧導入路内の充満水が静止している間は給水導入路を連通状態に維持する一方、流水の発生により移動して上記給水導入路を閉止する閉止部材を備えたものとした。
【0024】この請求項7によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じると、給水圧導入路内の水が上記の連通状態に維持されている自動閉止手段を通して受圧部側に流動するようになるため、その流水により上記閉止部材が移動して給水圧導入路を閉止することになる。このため、給水圧導入路内での水の移動が停止され、以後の漏水もなくなる。このような自動閉止手段としては、給水圧導入路の内断面に沿って僅かな隙間を残して嵌挿されたピストン状の弁を閉止部材とし、その僅かな隙間を通る流水の発生により上下流側に生じる差圧により閉止側に移動させるもの、あるいは、給水圧導入路の一部に拡径された室内に静置したボール部材を閉止部材とし、流水の発生に伴う拡径室と下流側の給水圧導入路との流速の変化によりボール部材を閉止側に吸い寄せるように移動させるもの、などを採用すればよい。
【0025】この請求項7の通水装置においては、漏水発生に伴う給水圧導入路の自動閉止(自動遮断)を行った上で、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させるための警告報知を行うようにしてもよい。このような警告報知を実現させるための手段として次のいずれかを採用することができる。
【0026】第1の手段としては、報知手段と、上記閉止部材の閉止側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備える(請求項8)。ここで、上記の移動検知手段としては、例えば磁石と、この磁石の磁束線を検知する近接スイッチとの組み合わせにより構成し、閉止部材に磁石を埋め込む一方、給水圧導入路の内側又は外側であって上記閉止部材の閉止位置に上記近接スイッチを設けるようにすればよい。
【0027】第2の手段としては、報知手段と、上記大気開放口からの漏水の発生を検知する漏水検知手段と、上記漏水検知手段からの漏水検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備える(請求項9)。
【0028】第3の手段としては、報知手段と、上記逆流防止弁の弁体の開弁側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備える(請求項10)。ここで、上記の移動検知手段としては、第1の手段と同様に例えば磁石と、この磁石の磁束線を検知する近接スイッチとの組み合わせにより構成し、弁体に磁石を埋め込む一方、上記弁体を収容するハウジングの内側又は外側であって上記弁体の開弁位置に上記近接スイッチを設けるようにすればよい。
【0029】請求項11に係る発明では、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装され常時開弁状態に維持される開閉切換弁と、上記大気開放口からの漏水の発生を検知する漏水検知手段と、上記漏水検知手段からの漏水検知の出力を受けて上記開閉切換弁を閉弁状態に切換える制御手段とを備えることとした。
【0030】この請求項11によれば、上記開閉切換弁が常時、つまり正常時には開弁状態に維持されて給水圧導入路を通しての受圧部への給水圧の導入が行われる。一方、受圧部の破れ等の破損に伴い漏水検知手段により漏水検知が行われると、制御手段により上記開閉切換弁が閉弁作動されて閉弁状態に切換えられる。これにより、給水圧導入路が遮断され、以後の漏水をなくすことが可能になる。このような開閉切換弁としては、通常の電磁開閉弁を用いても、電磁式の三方開閉弁を用いても、いずれでもよい。
【0031】上記請求項11の通水装置においては、報知手段をさらに備え、上記制御手段として、上記開閉切換弁を閉弁状態に切換えたとき上記報知手段により警告報知させる構成としてもよい(請求項12)。これにより、使用者に対し漏水発生したため補修の必要のあることを認知させることが可能になる。
【0032】ここで、上記請求項9又は請求項11における漏水検知手段としては、電極棒による水検知、あるいは、自己発熱式サーミスタによる水検知を採用すればよい。また、上記の漏水検知手段を大気開放口に設ける場合には次のように配設することが好ましい。すなわち、上記大気開放口を構成する通路内の底壁上面に対し漏水の流れる方向にそれぞれ延びかつ上方に突出する一対の堤部を形成し、上記漏水検知手段を上記一対の堤部に挟まれた最低部位に露出させて配設する(請求項13)。このようにすることにより、漏水がたとえ僅かな量であっても、その漏水の発生を正確に検知することが可能になる。
【0033】請求項14に係る発明では、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装された自動閉止手段を備えることとし、上記自動閉止手段として、上記給水圧導入路内を遮断しつつ移動可能に嵌挿されたピストン弁と、このピストン弁を逆流防止弁側位置において当止するよう上記給水圧導入路内に形成されたストッパ部とを備える構成とした。
【0034】この請求項14によれば、給水圧導入路内の水が上記ピストン弁を挟んで上下流両側に分断されるものの、正常時には給水圧が上記ピストン弁を介して上流側の給水圧が下流側に伝搬される結果、逆流防止弁の受圧部に対し給水圧を作用させることが可能になる。一方、上記受圧部に破れ等の破損が生じて漏水が発生すると、その漏水に応じて上記ピストン弁が下流側に押されて移動しストッパ部に当止することになる。これにより、以後の漏水をなくすことが可能になる。
【0035】上記請求項14の通水装置においては、さらに、報知手段と、上記ピストン弁のストッパ部側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とを備えるようにしてもよい(請求項15)。これにより、使用者に対し漏水発生したため補修の必要のあることを認知させることが可能になる。なお、上記の移動検知手段としては、例えば磁石と、この磁石の磁束線を検知する近接スイッチとの組み合わせにより構成し、これらを請求項8の場合において説明したと同様に用いればよい。
【0036】請求項16に係る発明では、上記通水路の上流側部分に介装された熱交換器及びその下流側の閉止機能付き流量調整制御弁と、この流量調整制御弁を制御する制御手段と、上記給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内の温度を検知する温度検知手段とを備えることとする。そして、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路を上記流量調整制御弁の下流側位置から分岐させ、上記制御手段として、上記温度検知手段からの温度検知出力に基づき所定の昇温変動が発生したと判断したとき上記流量調整制御弁を閉止する構成とした。
【0037】この請求項16によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じると、上記熱交換器で加熱された湯又は余熱により他部位よりも高温の水が給水圧導入路を通して受圧部側に移動することになる。このため、上記温度検知手段による検知温度は請求項4の場合に説明したと同様に所定の昇温カーブを描いて上昇することになる。この昇温変動を検知することにより、上記の破損発生に伴う漏水発生と判断することができ、制御手段により流量調整制御弁を閉止することにより、給水圧導入路への水の流入が停止され、以後の漏水をなくすことが可能になる。この請求項16の場合には、給水圧導入路内の水の流動を停止させるための閉止手段等を新たに配設することなく、通水路に備えられている流量調整制御弁を活用して漏水停止を実現させることが可能になる。
【0038】上記の請求項16の通水装置においては、報知手段をさらに備え、上記制御手段として、流量調整制御弁を温度検知手段からの温度検知出力に基づき閉止したとき、上記報知手段により警告報知させる構成を追加するようにしてもよい(請求項17)。報知手段により警告報知することで、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることが可能になる。
【0039】以上の発明の内、請求項1、3、6、8〜15のいずれかの通水装置においては、上記通水路として、その上流側に熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水流量検知手段とを備えた構成である場合には、上記給水圧導入路を上記入水流量検知手段の上流側位置の入水路部から分岐させるようにすることが好ましい(請求項18)。このようにすることにより、受圧部の破れ等に伴う漏水がたとえ発生し給水圧導入路内に流水が発生したとしても、その流水は入水流量検知手段を通過しないため、その入水流量検知手段での流量検知は行われず、従って、上記熱交換器に対する加熱器の自動制御が行われていても、その誤制御防止が図られることになる。
【0040】また、以上の請求項1〜請求項18のいずれかの通水装置においては、上記逆流防止弁の弁部よりも通水路側位置又は上記通水路の途中位置よりも上流側位置に対しフィルタを介装するようにしてもよい(請求項19)。このようにすることにより、逆流防止弁の弁体の弁部側に異物等が流入することを確実に防止して、万一の異物噛み込みに起因する閉弁異常の発生を回避することが可能になる。これにより、逆流防止弁の閉弁状態の維持の確実化が図られる。
【0041】請求項20に係る発明では、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内での水の通過を所定の最低流量以下に制限する通路抵抗手段を備えることとした。
【0042】この請求項20によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じて、給水圧導入路内の水が上記受圧部の破損箇所を通して大気開放口側に流れて漏水が生じたとしても、その給水圧導入路内の流水の流量が上記通路抵抗手段により所定の最低流量以下に制限されるため、漏水発生による被害を最小限に止めることが可能になる。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の通水装置によれば、逆流防止弁の受圧部に劣化や疲労等に起因して孔明きもしくは破れ等の破損が発生し、給水圧導入路内の水が上記破損箇所から大気開放口側に流れて漏水を生じれば、給水圧導入路内での流水の発生を流水検知手段により検知することができ、報知手段による警告報知によって使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることができる。
【0044】請求項2の通水装置によれば、上記の如き逆流防止弁の受圧部における破損発生を通水路上の分岐流量検知手段による流量検知によって把握することができ、この把握に基づいて報知手段による警告報知を行うことにより、使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることができる。この場合、漏水発生検知のために特に新たな検知手段を設けることなく、通水路に備わっている分岐流量検知手段を活用して漏水発生の検知を行うことができる。
【0045】請求項3の通水装置によれば、給水圧導入路を通して受圧部に対し給水圧として最も高い上流端側の入水路部から圧導入させて逆流防止弁の閉弁維持をより確実に図りつつも、漏水発生の検知を請求項2と同様に分岐流量検知手段による流量検知に基づいて行うことができ、報知手段による警告報知により使用者に対し漏水発生の旨を認知させることができる。
【0046】請求項4の通水装置によれば、給水導入路を熱交換器の下流側位置から分岐させることで、逆流防止弁の受圧部における破れ等の破損の発生を温度検知手段による検知温度に基づいて把握することができ、報知手段による警告報知によって使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることができる。
【0047】請求項5の通水装置によれば、逆流防止弁の受圧部における破れ等の破損の発生を通水路上に備わっている入水流量検知手段による流量検知と、加熱器の作動スイッチの状態とに基づいて把握することができる。そして、この把握に基づく報知手段による警告報知によって使用者に対し破損による漏水発生のため補修が必要であることを認知させることができる。この場合、漏水発生検知のために特に新たな検知手段を設けることなく、通水路に備わっている上記入水流量検知手段を活用して漏水発生の検知を行うことができる。
【0048】請求項6の通水装置によれば、請求項5の入水流量検知手段の代わりに、通水路上に備わっている入水温度検知手段を用いそれを自己発熱式サーミスタにより構成することによって、請求項5と同様の効果を得ることができる。
【0049】請求項7の通水装置によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じても、その破損発生に伴い給水圧導入路を自動閉止手段により自動的に閉止して遮断することができ、これにより、給水圧導入路内での水の移動を停止して、以後の漏水発生をなくすことができる。
【0050】請求項8によれば、請求項7での自動遮断の発生を閉止部材の移動検知手段により把握することができ、この把握に基づき報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0051】請求項9によれば、請求項7による自動遮断に加えて、漏水検知手段による漏水検知に基づき、報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0052】請求項10によれば、請求項7による自動遮断に加えて、移動検知手段による逆流防止弁の弁体の開弁側への移動検知に基づき、報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0053】請求項11の通水装置によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損に伴い漏水が発生したとしても、漏水検知手段による漏水検知によって開閉切換弁を閉弁作動させることができ、これにより、給水圧導入路を遮断して、以後の漏水をなくすことができる。また、請求項12によれば、請求項11による開閉切換弁の閉弁作動に基づき、報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0054】請求項13によれば、請求項9又は請求項11において、発生した漏水がたとえ僅かな量であっても、その漏水の発生を正確に検知することができる。
【0055】請求項14の通水装置によれば、給水圧導入路による受圧部に対する給水圧導入を確実に行いつつ、その受圧部に破れ等の破損が生じて漏水が発生しても、ピストン弁により給水圧導入路を自動的に閉止することができ、これにより、以後の漏水をなくすことができる。また、請求項15によれば、上記ピストン弁による自動閉止を移動検知手段からの移動検知に基づき検知することができ、この検知に基づき報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0056】請求項16の通水装置によれば、逆流防止弁の受圧部における破れ等の破損発生に伴う漏水発生を温度検知手段による検知温度に基づき把握することができ、この把握に基づき流量調整制御弁を閉止する制御を行うことができる。これにより、給水圧導入路への水の流入を停止させて、以後の漏水をなくすことができる。この場合、給水圧導入路内の水の流動を停止させるための閉止手段等を新たに配設することなく、通水路に備えられている流量調整制御弁を活用して漏水停止を実現させることができる。また、請求項17によれば、上記閉止する制御に加えて、報知手段により使用者に対し警告報知することができる。
【0057】請求項18によれば、請求項1、3、6、8〜15のいずれかの通水装置において、給水圧導入路を入水流量検知手段の上流側位置の入水路部から分岐させることにより、受圧部の破れ等に伴う漏水が発生し給水圧導入路内に流水が発生したとしても、入水流量検知手段での流量検知を行われないようにすることができ、熱交換器に対する加熱器の自動制御が行われていても、その誤制御防止を図ることができる。
【0058】請求項19によれば、以上の請求項1〜請求項18のいずれかの通水装置において、フィルタの介装により、逆流防止弁の弁体の弁部側に異物等が流入することを確実に防止することができ、万一の異物噛み込みに起因する閉弁異常の発生を回避することができる。これにより、逆流防止弁の閉弁状態の維持の確実化を図ることができる。
【0059】請求項20によれば、逆流防止弁の受圧部に破れ等の破損が生じて、給水圧導入路内の水が上記受圧部の破損箇所を通して大気開放口側に流れて漏水が生じたとしても、その給水圧導入路内の流水の流量が通路抵抗手段により所定の最低流量以下に制限されるため、漏水発生による被害を最小限に止めることができる。特に通水路上に熱交換器及びこれを加熱する加熱器を備え加熱器が最低作動流量以上の入水により燃焼開始される給湯制御を備えている場合において、給水圧導入路が上記熱交換器への入水流量検知手段の下流側位置から分岐されていても、上記最低流量を上記最低作動流量未満に設定することにより、漏水が発生しても上記給湯制御による誤制御の発生を確実に回避することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0061】<第1実施形態>図3は、請求項1の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第1実施形態を示し、2は給湯機能を実現する給湯回路、3は浴槽を湯張り先として上記給湯回路2からの湯を浴槽に注湯可能として湯張り機能を実現する注湯回路、4はこの注湯回路3の途中位置に介装された逆流防止弁、5はこの逆流防止弁4の一端側を注湯回路3と連通させて注湯回路3内の内圧を二次圧として導入する二次圧導入路、6は上記逆流防止弁4の他端側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路、7は制御手段としてのコントローラである。上記一次圧導入路6が「給水圧導入路」を、浴槽が「通水路の供給先」をそれぞれ構成する。
【0062】上記給湯回路2は、水道管に接続された入水路21から水道元圧又は所定の減圧元圧を給水圧として導入される水を、熱交換器22において加熱器である燃焼バーナ23の燃焼熱との熱交換加熱により加熱し、加熱後の湯を出湯路24を通して下流端の図示省略の給湯栓まで給湯させるようになっている。上記入水路21と出湯路24との間にはバイパス路25が設けられて、調整弁25aによる水の混合調節制御により設定温度への温度調整が行われるようになっている。上記給湯栓は例えば台所等に配設されたカランや、浴室や洗面台等に設置されたシャワーカラン等により構成されている。なお、上記熱交換器22は図例においては簡略表示しているが、実際にはパイプが複数回折り返されたフィンパイプにより構成されている。
【0063】上記入水路21には図示省略の入水温度センサと、入水流量検知手段としての入水流量センサ26とが配設され、また、上記出湯路24には上記給湯栓もしくは注湯回路3に供給される湯水の流量を調整する流量調整制御弁27が配設されている。そして、給湯温度や注湯温度を所定の設定温度になるように燃焼バーナ23の燃焼を制御する給湯制御が上記コントローラ7により行われるようになっている。なお、上記流量調整制御弁27としては、この第1実施形態においては全閉にして出湯路24を遮断し得る閉止機能付きのタイプでも、全閉にはし得ないタイプのものでも、いずれにより構成してもよい。
【0064】上記注湯回路3は、上流端が上記流量調整弁27の下流側から分岐し下流端が図示省略の浴槽に連通された注湯路31を備えている。なお、この注湯路31としてはその下流端が上記浴槽の底部又は側部の注湯口に直接接続されたものの他に、浴槽水の追い焚きを行う追い焚き循環路を備えている場合にはその追い焚き循環路のいずれかの位置に連通させて、この追い焚き循環路を介した最終的な下流端が上記浴槽の底部又は側部に設置されて注湯口を兼ねる循環部品に間接的に接続されたものも含む。上記注湯路31には、上流側から順に、注湯流量を検出する注湯流量センサ32と、上記コントローラ7により開閉制御されて注湯か遮断かの切換を行う注湯電磁弁33と、それぞれ浴槽側への流通をのみ許容する構造を有する二段配置の逆止弁34,35とが配設されている。上記注湯流量センサ32からの検出値に基づいて浴槽への湯張り量の把握が上記コントローラ7により行われる。
【0065】以上において、本発明の各請求項における「入水路部」が入水路21により、「出湯路部」が出湯路24により、「分岐路部」が注湯路31によりそれぞれ構成され、これら入水路21、出湯路24及び注湯路31によって「通水路」が構成され、浴槽がこの通水路による「供給先」を構成する。
【0066】上記二次圧導入路5は上記注湯路31の一対の逆止弁34,35の中間位置(通水路の途中位置)から分岐され、上記一次圧導入路6は入水路21の入水流量センサ26よりも上流側位置から分岐されている。
【0067】上記逆流防止弁4は、図4にその詳細を示すように大気開放口40及び二次圧導入口411を有する第1ハウジング41a、中間位置の第2ハウジング41b、並びに、一次圧導入口412及び細孔413を有する第3ハウジング41cから構成されて内部に収容室414を区画形成するハウジング41と、収容室414内に前後動可能に収容されたピストン状の弁体42と、この弁体42を開付勢するためにかなり弱いバネ荷重Sが設定されたバネ43とを備えている。上記弁体42の前端側には上記二次圧導入口411を開閉させる弁部44が設けられ、後端側には一次圧導入口412側と収容室414とを水密に仕切りつつ一次圧を受ける受圧部45が設けられている。この受圧部45はシール性を発揮しつつ弁体42の前後動に追随し得る可撓性を有する構成であればいずれの材質・構造のものを用いてもよいが、図例のものはゴム製のダイヤフラム又はゴム製のベローズを用いている。
【0068】そして、上記二次圧導入口411が上記二次圧導入路5と接続されて弁部44には二次圧P2が作用し、上記一次圧導入口412が一次圧導入路6と接続されて一次圧P1が受圧部45に作用し、この両圧力の差圧に基づいて弁体42が閉弁側(図3及び図4では上動側)に押し付けられて収容室414に連通する大気開放口40と、注湯路31とを互いに遮断した状態に維持されている。
【0069】より詳しくは、注湯電磁弁33が開弁されて注湯路31を通して浴槽へ注湯している注湯状態においては、一次圧P1は入水路21の上流端側からの給水圧(動圧)であるのに対し、二次圧P2は上記熱交換器22での度重なる折返しや流量調整制御弁27・注湯電磁弁33等を通過する間の圧力損失を受けて上記給水圧よりもかなり低下した圧力となっている。これにより、P1>P2+S(バネ荷重)となって、両者の差圧により弁体42はその弁部44が閉弁状態に押し付けられて二次圧導入口411側を閉止した状態に維持される。一方、上記注湯電磁弁33が閉弁されて浴槽へ注湯指令があるまで遮断されている注湯待機状態においては、一次圧P1は入水路21の上流端側からのかなり高い給水圧(静圧)であるのに対し、二次圧P2はそれまでの注湯状態において浴槽側のほぼ大気圧状態のままで一対の逆止弁34,35間に封入された水の圧力となっている。これにより、P1>>P2+Sとなって、上記と同様に閉弁状態に維持されている。
【0070】一方、一次圧P1が例えば停電等の発生に起因して低下するもしくは負圧状態になって圧力バランスがP1<P2+Sになると、弁体42は図5に示すように開弁側(同図での下動側)に移動して弁部44が開弁してしまうことになる。このため、二次圧導入路5が大気開放口40と連通してしまい注湯路31の水が大気開放口40から放出されることになる。これにより、給湯回路2側が負圧状態に陥った場合に注湯路31を通して浴槽側から給湯回路2側への逆流入を阻止するようになっている。
【0071】なお、一次圧が負圧状態に陥る過程において、一次圧と二次圧とが同圧(P1=P2)になった時点で、弁体42はバネ43のバネ荷重(開付勢力)Sを受けて早期に開弁する。つまり、逆流発生直前に開弁し、これにより、給湯回路1側への逆流入発生を未然に防止するするようになっている。
【0072】また、図3中51は二次圧導入路5に介装されたフィルタであり、このフィルタ51は注湯路31を通る注湯中に含まれるおそれがある例えば熱交換器22の内壁付着物の剥離片等をフィルタリングして、逆流防止弁4の弁部44の異物噛み込みの発生を未然に防止するものである。なお、第2実施形態以降の各実施形態においても図示を省略しているが上記のフィルタ51を配設してもよい。
【0073】以上の構造において、上記一次圧導入路6には流水検知手段61が介装され、流水を検知するとコントローラ7にその流水検知を出力するようになっている。このような流水検知手段61としては、例えば水流スイッチ、流量センサ、あるいは、自己発熱式サーミスタが用いられる。自己発熱式サーミスタを流水検知手段61として用いる場合の原理を簡単に説明すると、一次圧導入路6内の水が静止していれば自己発熱させたときに検出される温度は水の温度Twに自己発熱分Tsを加えた温度Taになるが、流水が生じていれば自己発熱させても冷却されてしまうために検出される温度はTaよりも低温になってしまう。これにより、流水が発生しているか否か、つまり、流水検知を行うことができる。
【0074】上記の一次圧導入路6内の流水は、受圧部45が劣化や疲労を受けてこの受圧部45に孔明き、破れ、亀裂等の破損が生じると、この破損個所を通して一次圧導入路6側の水が収容室414内に流入し、これが大気開放口40から漏水となって流出することにより、発生する。従って、流水検知手段61による流水検知を行うことによって、受圧部45の破損に伴う漏水が発生したことを検知することができる。
【0075】そして、上記コントローラ7は、上記流水検知手段61から流水検知が出力されると、報知手段としても機能するリモコン71に対し逆流防止弁4に漏水が発生している旨の警告を警告音、警告灯の点灯・点滅、あるいは、表示部711への案内表示のいずれか一つ又は組み合わせにより報知する指令を発するようになっている。この警告報知によって使用者に対し逆流防止弁4に補修が必要であることを認知させて補修を促すことができる。
【0076】なお、一次圧導入路6が入水流量センサ26の上流側位置から分岐させているため、上記の受圧部45の破損に伴う漏水が発生し一次圧導入路6に流水が発生したとしても、その流水は入水流量センサ26を通過せず、従って、入水流量センサ26での流量検出は行われない。このため、図1の場合に漏水発生によって入水流量を検出してしまい、それが最低作動流量以上になれば燃焼バーナ23が燃焼作動されてしまうという誤給湯制御の発生を回避することができる。
【0077】<第2実施形態>図6は、請求項2の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第2実施形態を示し、8は逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、この一次圧導入路8が「給水圧導入路」を構成する。なお、上記第2実施形態のその他の構成要素は第1実施形態のものと同様構成であるため、同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。以下の各実施形態においても第1実施形態のものと同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0078】上記一次圧導入路8は注湯流量センサ32と注湯電磁弁33との間の注湯路31から分岐されており、この一次圧導入路8により導入される一次圧P1と、二次圧導入路5により逆流防止弁4の弁部44側に導入される二次圧P2との関係は、上記P1が注湯電磁弁33及び上流側逆止弁34を通過する際の圧力損失に基づく圧力低下分が差圧になるようになっている。
【0079】この第2実施形態の場合、受圧部45が破損した結果、一次圧導入路8内の水が大気開放口40から漏水することになると、これに伴い一次圧導入路8内に注湯流量センサ32の下流側からの注湯路31内の水が流入し、この流入する水の流量が注湯流量センサ32により検出されることになる。
【0080】このため、コントローラ7において、このコントローラ7により開閉制御が行われる注湯電磁弁33が閉状態であるにも拘わらず、上記注湯流量センサ32からの流量検出が出力される場合には、受圧部45の破損による漏水が発生していると判定し、報知手段としてのリモコン71に対し第1実施形態と同様の警告報知の指令を出力するようになっている。
【0081】さらに、注湯路31と一次圧導入路8との分岐点よりも上流側に配設されている流量調整制御弁27が閉止機能付きのタイプにより構成されて全閉〜全開までの開度範囲で通過流量を調整し得るようになっている場合には、上記コントローラ7により上記のリモコン71による警告報知と共に流量調整制御弁27を全閉状態に切換える作動制御を行うようにすればよい。これにより、一次圧導入路8に対する水の供給が遮断され、この結果、大気開放口40からの以後の漏水も停止させることができる。
【0082】この流量調整制御弁27を閉止する点については、請求項16又は請求項17に係る実施形態となる。
【0083】<第3実施形態>図7は、請求項3の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第3実施形態を示し、6aは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置に第1オリフィス62が介装されている。この一次圧導入路6aが「給水圧導入路」を構成する。また、8aは一端が注湯流量センサ32と注湯電磁弁33との間の注湯路31に連通され、他端が上記第1オリフィス62よりも下流側位置(逆流防止弁4側の位置)に連通された連通路であり、途中位置に第2オリフィス81と、逆止弁82とが介装されている。
【0084】上記第1オリフィス62は小通路断面積に、上記第2オリフィス81は大通路断面積にそれぞれ設定されている。つまり、第1オリフィス62は逆流防止弁4の受圧部45に対し給水圧を一次圧として導入し得る限り可及的に小さい通路断面積に設定され、第2オリフィス81は受圧部45の破損による受圧部45に向けての流れが生じた場合には第1オリフィス62は不通水状態になって第2オリフィス81のみが通水状態になり得る程度に第1オリフィス62よりも大きい通路断面積に設定されている。なお、上記逆止弁82は注湯路31から一次圧導入路6a側への通水をのみ許容する一方、逆方向への通水を阻止するものである。
【0085】この第3実施形態においては、受圧部45に破損のない正常状態では、その受圧部45に対し一次圧導入路6aを介して一次圧が導入され、これにより、逆流防止弁4は閉弁状態に維持される。一方、上記受圧部45に破損が発生しこれに伴い大気開放口40からの漏水が発生すると、連通路8aを通して注湯路31内の水が受圧部45側に移動して流れることになる。このため、コントローラ7においては、第2実施形態の場合と同様に注湯流量センサ32による流量検出に基づき漏水発生と判定して、リモコン71による警告報知を実行する。これにより、使用者に対し漏水発生の旨を報知して補修等の対策を促すことができる。
【0086】なお、この第3実施形態での第1及び第2オリフィス62,81を用いた形態は、特に受圧部45が一気に破裂するような破損発生時に有効となる。
【0087】<第4実施形態>図8は、請求項4の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第4実施形態を示し、9aは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置に温度検知手段としての温度センサ91が介装されている。この一次圧導入路9aが「給水圧導入路」を構成する。
【0088】上記一次圧導入路9aは給湯回路2の熱交換器22の下流側位置から分岐されており、上記受圧部45に破損が生じて大気開放口40から漏水が生じると、熱交換器22で加熱された湯が一次圧導入路9a内に流入するようになっている。
【0089】このため、上記漏水が発生すると、温度センサ91による検出温度は熱交換器22で加熱された湯が流入してくるため急上昇することになり、検出温度の出力を受けたコントローラ7において上記の検出温度の急上昇の発生により漏水の発生を判定・検知することができる。そして、この漏水発生の検知によりリモコン71による警告報知を実行し、これにより、使用者に対し漏水発生の旨を報知して補修等の対策を促すことができる。
【0090】なお、本実施形態の場合、上記温度検知手段91の代わりに第1実施形態と同様の流水検知手段61を一次圧導入路9aに介装し、流水検知により漏水発生と判定・検知するようにしてもよい。
【0091】<第5実施形態>図9は、請求項4の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第5実施形態を示し、9bは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置に温度検知手段としての温度センサ91が介装されている。この一次圧導入路9bが「給水圧導入路」を構成する。この第5実施形態は流量調整制御弁27が閉止機能付きタイプのもので構成されている場合に好適に適用されるものである。
【0092】上記一次圧導入路9bは給湯回路2の熱交換器22の下流側位置であって流量調整制御弁27の下流側位置の注湯路31から分岐されており、上記受圧部45に破損が生じて大気開放口40から漏水が生じると、第4実施形態と同様に熱交換器22で加熱された湯が一次圧導入路9b内に流入するようになっている。
【0093】このため、上記漏水が発生すると、第4実施形態と同様に、温度センサ91による検出温度は熱交換器22で加熱された湯が流入してくるため急上昇することになり、検出温度の出力を受けたコントローラ7において上記の検出温度の急上昇の発生により漏水の発生を判定・検知することができる。そして、この漏水発生の検知により、リモコン71による警告報知を実行すると共に、流量調整制御弁27を全閉状態に切換える作動制御を行う。これにより、大気開放口40からの以後の漏水を停止させた上で、使用者に対し漏水発生の旨を報知して補修等の対策を促すことができる。
【0094】なお、本実施形態の場合も、上記温度検知手段91の代わりに第1実施形態と同様の流水検知手段61を一次圧導入路9bに介装し、流水検知により漏水発生と判定・検知するようにしてもよい。
【0095】<第6実施形態>図10は、請求項5の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第6実施形態を示し、6bは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置に通路抵抗手段としてのオリフィス63が介装されている。この一次圧導入路6bが「給水圧導入路」を構成する。
【0096】上記一次圧導入路6bは給湯回路2の入水流量センサ26の下流側位置の入水路21から分岐されている。従って、逆流防止弁4の受圧部45の破損に伴う大気開放口40からの漏水が発生し一次圧導入路6b内に流水が生じると、上記入水流量センサ26を通過した水が入水路21から一次圧導入路6bに流入することになる。
【0097】一方、コントローラ7においては、出湯路24の下流端の給湯栓が使用者により開かれて上記入水流量センサ26が最低作動流量以上の流量を検出すると、給湯制御が開始されて燃焼バーナ23の燃焼を開始させるようになっている。
【0098】そこで、上記オリフィス63により、たとえ受圧部45に破損が生じて漏水が発生したとしても、一次圧導入路6bを通して大気開放口40に漏水する流量を上記最低作動流量未満という微小値に制限することにしている。
【0099】これによって、上記破損に伴う漏水が発生したとしても、その漏水量を最低作動流量未満に制限して漏水による被害を最小限に止める対策を施しつつ、使用者に対し適切な案内又は警告の報知を行うことができるようになる。すなわち、コントローラ7において、入水流量センサ26から微小流量検出を受けると、その微小流量検出が上記給湯栓の緩みに起因するものか、上記漏水発生に起因するものかが不明であるため、リモコン71によりまず給湯栓の閉め忘れによる緩みが生じているおそれがある旨の案内報知を行う。それでも、上記微小流量検出が所定時間(例えば1時間)継続すれば、上記リモコン71により次に逆流防止弁4の破損により漏水が生じているおそれがある旨の警告報知を行う。
【0100】一方、上記コントローラ7において、入水流量センサ26から微小流量検出を受けたとき、リモコン71の給湯使用の運転スイッチがOFF状態のままであれば、即座に上記リモコン71により逆流防止弁4の破損により漏水が生じているおそれがある旨の警告報知を行う。
【0101】本実施形態では、漏水検知のために入水路21に本来備わっている入水流量センサ26を活用する一方、この入水流量センサ26を活用する上で不都合となる給湯制御の誤制御発生をオリフィス63による流量制限により防止しつつ、そのオリフィス63により漏水が万一発生したとしてもその漏水被害を最小限に止めることができる。従って、この実施形態の場合にはオリフィス63を設け、上記の制御内容をコントローラ7に追加するだけという、コストアップを抑制した対策により受圧部45の破損に伴う要補修の状態にあることを使用者に報知することができる。
【0102】<第7実施形態>図11は、請求項6の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第7実施形態を示し、符号6cで示すものが「給水圧導入路」を構成する一次圧導入路である。
【0103】上記一次圧導入路6cは、給湯回路2における入水温度検知手段である入水温度センサ28と、この下流側の入水流量センサ26との間の入水路21から分岐されて、逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入するようになっている。
【0104】上記入水温度センサ28は入水路21の上流端で水道管等に接続される入水接続金具211に一体的に付設されている。そして、上記入水温度センサ28は、自己発熱式サーミスタにより構成され、温度検出の他に第1実施形態で説明したように自己発熱により流水の発生を検知し得るようになっている。なお、図11中241は出湯路24の下流端で給湯栓までの配管に接続される出湯接続金具である。
【0105】そして、受圧部45の破損発生により大気開放口40からの漏水が発生すると、上記入水温度センサ28を通過した入水路21の水が一次圧導入路6cに流入するため、この入水温度センサ28からの流水検知を受けてコントローラ7によりリモコン7に対し警告報知の指令が出力され、使用者に対し漏水発生により補修が必要である旨報知される。
【0106】この実施形態では、給湯回路2に本来備えられている入水温度センサとして自己発熱式サーミスタを用いるだけで逆流防止弁4の受圧部45の破損発生を検知して使用者に対し警告報知を行うことができる。
【0107】<第8実施形態>図12は、請求項7又は請求項8の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第8実施形態を示し、符号6dで示すものが「給水圧導入路」を構成する一次圧導入路である。
【0108】上記一次圧導入路6dは、給湯回路2の入水路21の入水流量センサ26よりも上流側位置から分岐し、その途中位置に自動閉止手段64を介装したものである。
【0109】上記自動閉止手段64は、入口641及び出口642を有し内部に収容室643が区画形成されたハウジング644と、上記収容室643に配置された閉止部材としてのピストン状の弁体645と、この弁体645を開付勢するバネ646と、上記弁体645に内蔵又は付設された磁石647と、上記弁体645の閉弁位置に対応する位置の上記ハウジング644に設置された近接スイッチ648とを備えて構成されている。上記磁石647及び近接スイッチ648により移動検知手段が構成されている。
【0110】そして、上記弁体645は収容室643の内周面に対し僅かな隙間を隔てる程度の形状に形成されている。上記隙間は、逆流防止弁4の受圧部45に破損が生じて大気開放口40から漏水し始めることにより一次圧導入路6d内の水が受圧部45側に流動しだすようになると、上記隙間を通る際の流動抵抗により上記弁体645をバネ646に抗して出口642に押し付けて閉弁させ得る差圧を生じさせる程度に設定されている。従って、上記バネ646は一次圧導入路6d内の水が静止している間は弁体645を開弁状態に維持し得るだけの弱いバネ荷重に設定されている。
【0111】このため、上記受圧部45に破損が生じて大気開放口40から漏水し始めると、その漏水発生に伴う一次圧導入路6d内の水の流動によって上記弁体645が図13に示すように出口642に即座に押し付けられて閉弁し、一次圧導入路6dを自動的に遮断することになる。これにより、大気開放口40から漏水し始めると同時に又は即座に以後の漏水を停止させることができる。
【0112】加えて、上記弁体645の閉弁作動が磁石647の磁束線を感知した近接スイッチ648により検知されると、この検知出力を受けたコントローラ7によりリモコン71に対し警告報知指令が出力され、これにより、使用者に対し逆流防止弁4を補修する必要がある旨、漏水は安全停止した旨の警告報知を行うことができる。
【0113】<第9実施形態>図14は、請求項9の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第9実施形態を示す。この第9実施形態は第8実施形態における自動閉止手段64から移動検知手段に係る要素を除去した自動閉止手段64aを採用し、代わりに大気開放口40に対し新たに漏水検知手段47を追加したものである。なお、図14は受圧部45に破損が生じて一次圧導入路6dが上記自動閉止手段64aにより遮断される結果、一次圧の導入が消滅して弁体42が二次圧により開弁してしまった状態を示している。
【0114】上記自動閉止手段64aは、第9実施形態の自動閉止手段64(図12参照)から磁石647及び近接スイッチ648を省略したものである。このため、受圧部45に破損が生じて大気開放口40からの漏水が生じ始めると、弁体645が即座に自動閉弁して一次圧導入路6dが遮断されることになる。このため、受圧部45に対し導入されていた一次圧の作用が消滅し、弁体42は注湯路31側からの二次圧により開弁されてしまうことになり、注湯路31からの水が大気開放口40から漏水するおそれがある。そこで、この実施形態では、この漏水の発生を漏水検知手段47により検知してコントローラ7に出力することにより、使用者に対する警告報知を行うようにしている。
【0115】上記漏水検知手段47は電極棒又は自己発熱式サーミスタにより構成されている。自己発熱式サーミスタにより水(漏水)の有無を検知させる原理は次の通りである。定期的に自己発熱させた場合に、水が無ければその自己発熱は空中に放熱されるだけである一方、水があれば上記自己発熱してもより早期に熱を奪われてしまうことになる。このため、自己発熱させたときの温度の低下状況の如何に基づいて漏水の有無を検知することができる。
【0116】また、上記大気開放口40に対する漏水検知手段47の配設法としては図15に示すようにするのが望ましい。例えば図15(a)は、大気開放口40を構成する配管部材401の最下位に位置する内部底面に上方に開口する凹溝402を形成し、この凹溝402内に漏水検知手段47を上方に露出させて配設したものである。つまり、凹溝402の両側壁を堤部とするものである。図15(b)は、上記配管部材401の内部底面に最下位部位を除き両側位置にそれぞれ滑らかなカーブを描いて上方に突出する一対の堤部403,403を形成することにより間に凹溝部404を形成し、この凹溝部404内に漏水検知手段47を上方に露出させて配設したものである。また、図15(c)は、上記配管部材401の内部底面に最下位部位を除き両側位置にそれぞれ上方に突出する一対の堤部405,405を形成することにより間に凹溝部406を形成し、この凹溝部406内に漏水検知手段47を上方に露出させて配設したものである。つまり、いずれも最低部位に一対の堤部に挟まれた凹溝部を漏水の通路として設定し、この通路の底に漏水検知手段47を露出させるようにしたものである。これにより、漏水量が少なくても、その漏水を確実に検知し得るようにしている。
【0117】<第10実施形態>図16は、請求項7又は請求項9の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第10実施形態を示す。この第10実施形態は第9実施形態のものとは異なる自動閉止手段65を採用した点でのみ第9実施形態と異なり、その他の構成は第9実施形態と同じである。
【0118】上記自動閉止手段65は、一次圧導入路6dの途中位置に少なくとも下方向に拡径された拡径室651と、この拡径室651に対し自由移動可能に収容された閉止部材であるボール652とを備えて構成されたものである。上記ボール652は拡径室651の下流側の一次圧導入路6dの内径よりも大径に形成されている。
【0119】そして、逆流防止弁4の受圧部45に破損が生じて大気開放口40から漏水し始めることにより一次圧導入路6d内の水が受圧部45側に流動し始めるようになると、上記拡径室651を通過する際の流速の変化により上記ボール652が吸い寄せられて図17に示すように下流側の開口に吸い付けられる結果、一次圧導入路6dを閉止することになるようにされている。
【0120】このため、受圧部45に破損が生じて大気開放口40からの漏水が生じ始めると、上記ボール652が即座に一次圧導入路6dを自動閉止させて遮断することができる。そして、受圧部45に対し導入されていた一次圧の作用が消滅するため、弁体42が注湯路31側からの二次圧により開弁されて注湯路31からの水が大気開放口40から漏水し始めると、それが漏水検知手段47により検知されてコントローラ7に出力されることになる。この出力を受けてコントローラ7は、リモコン71による警告報知を使用者に対し行うことができる。
【0121】なお、本実施形態の漏水検知手段47の配設方法も第9実施形態で説明したものと同じである。
【0122】<第11実施形態>図18は、請求項10の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第11実施形態を示す。この第11実施形態は漏水発生を検知するために第10実施形態の漏水検知手段47の代わりに逆流防止弁4の弁体42の開弁位置への移動を検知する移動検知手段48を用いたものであり、この点を除きその他の構成は第10実施形態と同じである。なお、図18R>8は受圧部45に破損が生じて一次圧導入路6dが上記自動閉止手段65により自動閉止された結果、一次圧の導入が消滅して弁体42が二次圧により開弁してしまった状態を示している。
【0123】上記移動検知手段48は、上記弁体42に例えば埋め込みにより設置された磁石481と、この弁体42の開弁位置に対応する位置のハウジング41に設置された近接スイッチ482とを備えて構成されたものである。
【0124】従って、上記の如く弁体42が二次圧により開弁すると、その開弁移動が上記近接スイッチ482により検知され、この検知の出力を受けたコントローラ7によりリモコン71を介した警告報知が行われる。
【0125】なお、本実施形態においては、上記自動閉止手段65の代わりに第9実施形態の自動閉止手段64aを用いてもよい。
【0126】<第12実施形態>図19は、請求項11又は請求項12の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第12実施形態を示し、6eは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置にコントローラ7により開閉制御される開閉切換弁としての三方切換弁66が介装されている。この一次圧導入路6eが「給水圧導入路」を構成する。
【0127】上記一次圧導入路6eは給湯回路2の入水流量センサ26の上流側位置の入水路21から分岐されており、受圧部45の破損に伴う大気開放口40からの漏水が発生して入水路21から一次圧導入路6eへの水の流入が生じたとしても、燃焼バーナ23に対する誤給湯制御の発生を防止するようになっている。
【0128】この実施形態においては、正常時には上記三方切換弁66が一次圧導入路6eを連通させた状態に維持される。一方、受圧部45の破損に伴い大気開放口40から漏水が発生すると、その漏水発生が漏水検知手段47により検知され、この検知出力を受けたコントローラ7により三方切換弁66の一次圧導入路6e側の閉止切換えと、リモコン71を介した警告報知とが行われることになる。これにより、一次圧導入路6eが遮断されて以後の入水路21からの漏水を停止させることができる共に、使用者に対し警告報知を行うことができる。
【0129】<第13実施形態>図20は、請求項14の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第13実施形態を示し、6fは逆流防止弁4の受圧部45側に給水圧を一次圧として導入する一次圧導入路であり、途中位置に自動閉止手段67が介装されている。この一次圧導入路6fが「給水圧導入路」を構成する。
【0130】上記一次圧導入路6fは図例では給湯回路2の入水流量センサ26の下流側位置の入水路21から分岐させているが、これに限らず、入水流量センサ26の上流側位置の入水路21から分岐させてもよい。
【0131】上記自動閉止手段67は、上記一次圧導入路6f内を水密に遮断しつつ移動可能に嵌挿されたピストン弁671と、このピストン弁671を逆流防止弁4側の位置において当止するよう上記給水圧導入路内に形成されたストッパ部672とを備えて構成されている。上記ピストン弁671は弁体とその外周囲に嵌着されたピストンリングとにより構成されている。そして、ピストン弁671を挟んで一次圧導入路6fの上流側(入水路21側)と、下流側(逆流防止弁4側)とにはそれぞれ水が充満され、これにより、入水路21側の給水圧がピストン弁671を介して受圧部45に作用するようになっている。
【0132】上記受圧部45が破損してピストン弁671の下流側の一次圧導入路6f内の水が大気開放口40側に移動すると、その移動に伴いピストン弁671も下流側に向けて移動しストッパ部672に当止することになる。これにより、一次圧導入路6f内での水の移動が停止され、大気開放口40からの漏水も停止されることになる。
【0133】なお、ピストン弁671の下流側の一次圧導入路6f内には水に限らず圧力の伝達が可能であれば気体もしくは液体を問わず他の流体を充満させるようにしてもよい。
【0134】<第14実施形態>図21は、請求項15の通水装置を湯張り機能付き給湯器に適用した第14実施形態を示す。この第14実施形態は、第13実施形態の自動閉止手段67に対し移動検知手段を付設した自動閉止手段67aを用いた点で第13実施形態と異なり、その他の構成は第13実施形態とほぼ同じである。
【0135】上記自動閉止手段67aは、第13実施形態と同様のピストン弁671及びストッパ部672と、上記ピストン弁671に設置された磁石673と、上記ストッパ部672に対応する位置の一次圧導入路6fの構成壁に設置された近接スイッチ674とを備えて構成されたものである。上記の磁石673及び近接スイッチにより移動検知手段が構成されている。
【0136】そして、この実施形態では、逆流防止弁4の受圧部45が破損してピストン弁671が下流側に向けて移動しストッパ部672に当止すると、このピストン弁671の移動が近接スイッチ674により検知され、この検知がコントローラ7に出力される。コントローラ7では、上記のピストン弁671の移動検知を受けて受圧部45の破損発生と判断し、リモコン71による警告報知を行う。これにより、一次圧導入路6f内での水の移動停止及び大気開放口40からの漏水停止を上記ピストン弁671により自動的に行わせつつ、上記近接スイッチ674による検知に基づいて使用者に対する警告報知を行うことができることになる。
【0137】<他の実施形態>なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。
【0138】例えば、上記各実施形態では、逆流防止弁4として、弁部44側に二次圧を作用させる一方、受圧部45に一次圧を作用させる構成のものを示したが、これに限らず、例えば図22に示す構成の逆流防止弁4aを採用してもよい。この逆流防止弁4aは、図23に詳細を示すように弁部44の開閉により大気開放口40の開閉が行われるようにし、注湯路31からの二次圧を二次圧接続口411から収容室414内に作用させるようにしたものである。なお、一次圧は受圧部45に対し作用させている。この場合には、一次圧に加えて二次圧も弁体42の弁部44を閉弁側に作用させることができる。そして、一次圧が負圧状態に陥ると、図24に示すように弁体42が開弁側に引かれて弁部44が開弁状態に切換えられることになる。これにより、注湯路31(図20参照)が二次圧接続口411及び収容室414を介して大気開放口40と連通されることになる。なお、図22の一次圧導入路6gとしては各実施形態の一次圧導入路に置き換えてもよい。
【0139】上記各実施形態における逆流防止弁4では、弁体42の移動方向(開閉方向)が上下方向になるように図示しているが、これに限らず、弁体42が水平方向に移動するように逆流防止弁4を配置するようにしてもよい。
【0140】上記各実施形態では受圧部45としてダイヤフラムにより構成したものを示したが、これに限らず、破損のおそれがある材質もしくは構造のものであれば本発明を適用することができる。
【0141】上記各実施形態では、通水路による供給先を浴槽とした場合について説明したが、浴槽には限らず、例えば洗濯槽等でもよい。この場合には洗濯槽の底部に通水路の下流端を連通接続させればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と対比される通水装置を示す模式図である。
【図2】受圧部が破損した場合の図1対応図である。
【図3】第1実施形態を示す模式図である。
【図4】逆流防止弁の拡大断面図である。
【図5】開弁状態の図4対応図である。
【図6】第2実施形態を示す模式図である。
【図7】第3実施形態を示す模式図である。
【図8】第4実施形態を示す模式図である。
【図9】第5実施形態を示す模式図である。
【図10】第6実施形態を示す模式図である。
【図11】第7実施形態を示す模式図である。
【図12】第8実施形態を示す模式図である。
【図13】受圧部が破損した場合の図12対応図である。
【図14】第9実施形態を示す模式図である。
【図15】漏水検知手段の配設方法を示す図であり、図1515(a)は凹溝を形成した例を、図15(b)は滑らかな堤部を一体形成した例を、図15(c)は堤部を一体形成した例をそれぞれ示す。
【図16】第10実施形態の正常状態を示す模式図である。
【図17】受圧部が破損した場合の図16対応図である。
【図18】第11実施形態を示す模式図である。
【図19】第12実施形態を示す模式図である。
【図20】第13実施形態を示す模式図である。
【図21】第14実施形態を示す模式図である。
【図22】他の形態の逆流防止弁を用いた例を示す模式図。
【図23】図22の逆流防止弁の拡大断面図である。
【図24】図22の逆流防止弁の開弁状態を示す図23対応図である。
【符号の説明】
4,4a 逆流防止弁
6,6a〜6g,8,9,9a,9b 一次圧導入路(給水圧導入路)
7 コントローラ(制御手段)
8a 連通路
21 入水路(入水路部)
22 熱交換器
23 燃焼バーナ(加熱器)
24 出湯路(出湯路部)
26 入水流量センサ(入水流量検知手段)
27 流量調整制御弁
28 入水温度センサ(入水温度検知手段,自己発熱式サーミスタ)
31 注湯路(分岐路部)
32 注湯流量センサ(分岐流量検知手段)
33 注湯電磁弁(開閉切換弁)
40 大気開放口
42 弁体
44 弁部
45 受圧部
47 漏水検知手段
48 移動検知手段
51 フィルタ
61 流水検知手段
62 第1オリフィス
63 オリフィス(通路抵抗手段)
64,64a,65 自動閉止手段
66 三方切換弁(開閉切換弁)
71 リモコン(報知手段)
81 第2オリフィス
82 逆止弁
91 温度検知手段
402 凹溝
404,406 凹溝部
403,405 堤部
645 弁体(閉止部材)
647,673 磁石(移動検知手段)
648,674 近接スイッチ(移動検知手段)
651 拡径室
652 ボール(閉止部材)
671 ピストン弁
672 ストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段と、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内に流水の発生を検知する流水検知手段とを備え、上記制御手段は、上記流水検知手段からの流水検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させるように構成されていることを特徴とする通水装置
【請求項2】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路はその上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路部と、この分岐路部を通過する分岐流量を検知する分岐流量検知手段と、この分岐流量検知手段の下流側位置の分岐路に介装された開閉切換弁とを備え、上記給水圧導入路は上記分岐流量検知手段と開閉切換弁との中間位置から分岐され、上記制御手段は、上記開閉切換弁が閉弁状態であるにも拘わらず上記分岐流量検知手段が流量検知したとき上記報知手段により警告報知するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項3】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路はその上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路と、この分岐路を通過する分岐流量を検知する分岐流量検知手段と、この分岐流量検知手段の下流側位置の分岐路に介装された開閉切換弁とを備え、上記給水圧導入路は上記入水路部から分岐されて第1オリフィスが途中に介装される一方、上記分岐流量検知手段と開閉切換弁との中間位置から分岐された連通路の下流端が上記第1オリフィスの下流側位置の給水圧導入路に接続され、かつ、上記連通路は途中位置に分岐路側への流れを阻止する逆止弁と、上記第1オリフィスよりも通水断面積の大きい第2オリフィスとが介装されており、上記制御手段は、上記開閉切換弁が閉弁状態であるにも拘わらず上記分岐流量検知手段が流量検知したとき上記報知手段により警告報知するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項4】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とをさらに備え、上記通水路はその上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部とを備える一方、上記熱交換器の下流側部分に、出湯路部と、この出湯路部から分岐して上記通水路の下流端まで延びる分岐路とを備え、上記給水圧導入路は、上記熱交換器の下流側位置の出湯路部から分岐され、かつ、給水圧導入路内の温度を検知する温度検知手段を備え、上記制御手段は、上記温度検知手段からの温度検知出力に基づき所定の昇温変動が発生したと判断したとき上記報知手段により警告報知するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項5】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路はその上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水流量検知手段とを備え、上記給水圧導入路は上記入水流量検知手段の下流側位置の入水路部から分岐され、上記制御手段は、上記熱交換器を加熱する加熱器の作動スイッチがOFF状態であるにも拘わらず上記入水流量検知手段が流量検知したとき又はその流量検知状態が所定時間継続したとき上記報知手段により警告報知するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項6】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、報知手段と、この報知手段による警告報知を制御する制御手段とを備え、上記通水路はその上流側部分に、熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水温度検知手段とを備え、上記給水圧導入路は上記入水温度検知手段の下流側位置の入水路部から分岐され、上記入水温度検知手段は自己発熱式サーミスタにより構成されて、温度検出に加え自己発熱時の温度変化により流水の発生を検知可能に構成され、上記制御手段は、上記熱交換器を加熱する加熱器の作動スイッチがOFF状態であるにも拘わらず上記入水温度検知手段が流水の発生を検知したとき上記報知手段により警告報知するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項7】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装された自動閉止手段を備え、上記自動閉止手段は、上記給水圧導入路内の充満水が静止している間は給水導入路を連通状態に維持する一方、流水の発生により移動して上記給水導入路を閉止する閉止部材を備えていることを特徴とする通水装置
【請求項8】 請求項7に記載の通水装置であって、報知手段と、上記閉止部材の閉止側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備えている、通水装置。
【請求項9】 請求項7に記載の通水装置であって、報知手段と、上記大気開放口からの漏水の発生を検知する漏水検知手段と、上記漏水検知手段からの漏水検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備えている、通水装置。
【請求項10】 請求項7に記載の通水装置であって、報知手段と、上記逆流防止弁の弁体の開弁側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備えている、通水装置。
【請求項11】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装され常時開弁状態に維持される開閉切換弁と、上記大気開放口からの漏水の発生を検知する漏水検知手段と、上記漏水検知手段からの漏水検知の出力を受けて上記開閉切換弁を閉弁状態に切換える制御手段とを備えていることを特徴とする通水装置
【請求項12】 請求項11に記載の通水装置であって、報知手段をさらに備え、上記制御手段は上記開閉切換弁を閉弁状態に切換えたとき上記報知手段により警告報知させるように構成されている、通水装置。
【請求項13】 請求項9又は請求項11に記載の通水装置であって、上記大気開放口を構成する通路内の底壁上面には漏水の流れる方向にそれぞれ延びかつ上方に突出する一対の堤部が形成され、上記漏水検知手段は上記一対の堤部に挟まれた最低部位に露出して配設されている、通水装置。
【請求項14】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装された自動閉止手段を備え、上記自動閉止手段は、上記給水圧導入路内を水密に遮断しつつ移動可能に嵌挿されたピストン弁と、このピストン弁を逆流防止弁側位置において当止するよう上記給水圧導入路内に形成されたストッパ部とを備えていることを特徴とする通水装置
【請求項15】 請求項14に記載の通水装置であって、報知手段と、上記ピストン弁のストッパ部側への移動を検知する移動検知手段と、この移動検知手段からの移動検知の出力を受けて上記報知手段により警告報知させる制御手段とをさらに備えている、通水装置。
【請求項16】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、上記通水路の上流側部分に介装された熱交換器及びその下流側の閉止機能付き流量調整制御弁と、この流量調整制御弁を制御する制御手段と、上記給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内の温度を検知する温度検知手段とを備え、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路は上記流量調整制御弁の下流側位置から分岐され、上記制御手段は、上記温度検知手段からの温度検知出力に基づき所定の昇温変動が発生したと判断したとき上記流量調整制御弁を閉止するように構成されていることを特徴とする通水装置。
【請求項17】 請求項16に記載の通水装置であって、報知手段をさらに備え、上記制御手段は、流量調整制御弁を温度検知手段からの温度検知出力に基づき閉止したとき、上記報知手段により警告報知させるように構成されている、通水装置。
【請求項18】 請求項1、請求項3、請求項6、請求項7〜請求項15の内のいずれかに記載の通水装置であって、上記通水路はその上流側に熱交換器と、この熱交換器への入水路部と、この入水路部に介装された入水流量検知手段とを備えて構成され、上記給水圧導入路は上記入水流量検知手段の上流側位置の入水路部から分岐されている、通水装置。
【請求項19】 請求項1〜請求項18のいずれかに記載の通水装置であって、上記逆流防止弁の弁部よりも通水路側位置又は上記通水路の途中位置よりも上流側位置にはフィルタが介装されている、通水装置。
【請求項20】 上流端に給水源からの給水圧が作用する通水路に対しその下流端までの間の途中位置に逆流防止弁が介装され、上記逆流防止弁は、前後動可能に内装された弁体がその前端側の弁部に対し上記途中位置の通水路内の圧力を受け、上記弁体の後端側の受圧部に対し上記途中位置よりも上流側の通水路から給水圧を受け、前後両端側から受ける圧力差により上記弁部が閉弁状態に維持されるように接続される一方、上記圧力差が正負逆転すると開弁して上記途中位置の通水路を大気開放口と連通させるように構成されている通水装置であって、上記受圧部に対し給水圧を導入する給水圧導入路に介装されてその給水圧導入路内での水の通過を所定の最低流量以下に制限する通路抵抗手段を備えている、ことを特徴とする通水装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図15】
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【図3】
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【図6】
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【図23】
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【図7】
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【図8】
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【図24】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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