通話音声履歴機能つき電話端末
【課題】発信または着信に対し、電話帳に登録されていない相手の所属や名前を特定する技術を提供する。
【解決手段】電話端末1の発着信履歴機能部104は、発信または着信相手の電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、発話音声抽出部105に指示し、相手電話端末との接続後に相手が最初に発する発話音声を一定期間抽出して発着信履歴情報と関連付けて保存する。そして、ユーザが発着信履歴情報を選択すると、保存されている発話音声を自動再生する。
【解決手段】電話端末1の発着信履歴機能部104は、発信または着信相手の電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、発話音声抽出部105に指示し、相手電話端末との接続後に相手が最初に発する発話音声を一定期間抽出して発着信履歴情報と関連付けて保存する。そして、ユーザが発着信履歴情報を選択すると、保存されている発話音声を自動再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話端末に関し、特に電話帳に登録されていない電話端末からの着信または電話帳に登録されていない電話端末へ発信した場合に発着信履歴または電話帳を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話端末において、発着信イベントで取得した相手電話番号を元に電話帳情報を検索し、相手電話番号と一致する一つの電話帳情報を特定する。そして、当該電話帳情報に含まれている名前などの情報を、発着信イベントの日時などを示す発着信履歴画面に表示する機能がある。しかし、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴情報には相手電話番号しか表示されず、折り返しで電話する場合など相手を特定できず不便である。
【0003】
特許文献1には、着信相手の電話番号から過去の発信に対する折り返し着信であるか否かを判定する技術が開示されている。この技術によれば、着信相手の電話番号から発信履歴を検索し、発信に対する折り返し着信であるか否かを判定して表示することにより、過去に発信したことのある相手であることを着信者に伝えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−45677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、過去に発信したことのある相手であることを着信者に伝えることはできるが、着信者が誰であったかまでは伝えることはできない。また、過去の発信履歴に残っている相手からの着信にしか対応できず、発信履歴に残されていない相手の場合は特定できない。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電話帳情報に登録されていない場合であっても、相手の所属や名前を特定し通知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の音声を所定の期間のみ抽出して保存し、発着信日時や相手電話番号などの発着信履歴情報と関連付ける。そして、ユーザである操作者が発着信履歴情報の一部を一覧化した発着信履歴画面から、保存されている発話音声と関連付けられている一つの発着信履歴情報の一部を選択したことを検出すると、当該保存されている発話音声を自動再生する。
【0007】
例えば、本発明の第一の態様は、発着信履歴機能および電話帳機能を備えた電話端末であって、発着信があった相手電話端末の電話番号が前記電話帳機能に登録されていない場合に、通話が開始されてから所定の期間の相手の発話した音声を録音する発話音声録音手段と、前記発着信履歴機能に記録された前記発着信に係る履歴情報に前記録音した発話音声を関連付けて保存するまたは前記電話帳機能に発着信のあった相手電話端末の電話番号と前記録音した発話音声を新たな電話帳情報として保存する発話音声履歴保存手段と、を有し、前記発話音声を関連付けた履歴情報が選択されるまたは前記電話帳情報が選択されると、当該発話音声を再生する。
【0008】
また、本発明の第二の態様は、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の発話音声を所定の期間のみ抽出して文字情報に変換し、変換した文字情報の中から、単語の前後につく特定の品詞をもとに相手を特定する情報のみを抽出して発着信履歴情報に加える。例えば、本発明の第二の態様は前記発話音声録音手段が録音した発話音声を文字データに変換する文字データ変換手段と、前記文字データ変換手段が変換した文字データを予め定められたアルゴリズムにより通話相手を特定するための相手特定情報を抽出する相手特定情報抽出手段と、前記発着信履歴機能に保存された前記発着信に係る履歴情報または前記電話帳機能の電話帳情報に前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を追加する相手特定情報追加手段と、をさらに有する。
【0009】
また、本発明の第三の態様は、電話帳の情報と通話相手の声紋または顔の特徴情報などの生体情報を関連付けて保存する。そして、発着信時に相手電話番号が電話帳に登録されていない場合に、相手電話端末との接続後に相手の音声または顔画像を取得し、それをもとに前記生体情報を所定の一致判定条件で検索する。検索した結果、取得した音声または顔画像と一致する生体情報が保存されていたならば、発着信履歴情報に当該生体情報と関連付けられている電話帳の情報を加える。更に、その電話帳の情報に当該発着信イベントに係る相手電話番号を加える。
【発明の効果】
【0010】
電話帳に登録されていない発着信相手であっても個人を特定でき、再発信や電話帳の登録に際し便利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の概略機能構成図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の発着信履歴を生成する動作を説明するためのフロー図である。
【図3】図3は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【図4】図4は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の、ユーザからの発着信履歴画面の操作を検出した場合の動作を説明するためのフロー図である。
【図5】図5は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の、発着信履歴情報をもとに表示画に表示する発着信履歴画面の一例である。
【図6】図6は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の概略機能構成図である。
【図7】図7は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴、および電話帳編集データを生成して電話帳機能および他の機器へ転送する動作を説明するためのフロー図である。
【図8】図8は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の電話帳編集データの一例を示した図である。
【図9】図9は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【図10】図10は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴情報をもとに表示画面に表示する発着信履歴画面の一例である。
【図11】図11は、本発明の第三実施の形態に係る電話端末3の概略機能構成図である。
【図12】図12は、本発明の第三実施の形態に係る電話端末3の発着信相手の生体情報を取得して電話帳情報と関連付けて保存する処理と、生体情報を比較して電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加する機能を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
<第一実施の形態>
まず、本発明の第一実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳に登録されていない場合に相手の発話音声を抽出して保存し、発着信履歴と関連付けることができる電話端末を説明する。ここで、発話音声とは発着信応答後に相手が最初に発する音声である。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る電話端末1の概略機能構成図である。
【0015】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末1は、マンマシンインタフェース部100と、通信インタフェース部101と、電話機能部102と、電話帳機能部103と、発着信履歴機能部104と、発話音声抽出部105と、発話音声保存部106と、発話音声再生部107と、を有する。
【0016】
マンマシンインタフェース部100は、ユーザが電話帳情報または発着信履歴情報の一部を抽出した表示用発着信履歴情報を一覧表示する表示部および、電話の発着信など各種操作を行う操作部であり、図示していないが、ハンドセット、スピーカ、フックボタン、ダイヤルキー等の操作部、およびタッチパネル付きLCDを備える。ここで電話帳情報とは、通信相手の所属、名前、電話番号、住所、ホームページのURL、Eメールアドレスである。また、発着信履歴情報とは、発着信日時、発着信イベントの種別、応答状況、相手電話番号、相手特定情報の他、後述する電話帳情報の番号や発話音声ファイル名である。ここで相手特定情報とは相手の所属と名前である。
【0017】
通信インタフェース部101は、図示していないが相手電話端末や各種サーバとの通信を行うためのインタフェースであり、電話回線またはLAN(Local Area Network)またはインターネットに接続する。
【0018】
電話機能部102は、マンマシンインタフェース部100や通信インタフェース部101を制御して電話発着信および通話に係る一般的な電話の機能を実現する。また、電話機能部102は、後述する発着信履歴機能部104に対し、発着信イベントや発着信相手の電話番号の通知を行う。また、電話機能部102は、後述する発話音声抽出部105に対し相手音声の出力を行う。
【0019】
電話帳機能部103は、通信相手の電話帳情報を保存して管理する機能である。また、電話帳機能部103は後述する発着信履歴機能部103の指示により電話帳情報の一部を出力したり、マンマシンインタフェース部100を介して電話帳情報の表示を行う。尚、電話帳機能部103は通信相手毎の電話帳情報に番号を付与して管理する。
【0020】
発着信履歴機能部104は、発着信のイベント毎に、発着信履歴情報を生成および保存する。発着信履歴情報の詳細については図3で、発着信イベント毎の発着信履歴情報の生成および保存の動作は図2で説明する。また、発着信履歴機能部104は、発着信イベント毎に、相手電話番号から電話帳機能部103の電話帳情報を検索して、相手電話番号と一致する電話帳情報が登録されている場合にその情報に含まれる相手特定情報を発着信履歴情報に加える。一方相手電話番号と一致する電話帳情報が登録されていない場合に後述の発話音声抽出部105に発話音声の抽出を指示し、抽出した発話音声と発着信履歴情報を関連付ける。また、発着信履歴機能部104は、マンマシンインタフェース部100を介して発着信イベント毎の表示用発着信履歴情報を一覧化した発着信履歴画面を表示する。具体的には、ユーザから発着信履歴画面の表示操作を受け付けると、予め決められた件数の発着信履歴情報の中から発着信日時、発着信イベントの種別、応答状況、相手特定情報を含む表示用発着信履歴情報を生成し発着信履歴画面として一覧表示する。発着信履歴画面の表示内容は図5で説明する。尚、表示用発着信履歴情報は発着信履歴情報との間で履歴番号にて関連付けられる。また、発着信履歴機能部104は、発着信履歴画面の中から一つの発着信イベントに対応する表示用発着信履情報のユーザによる選択操作を検出した場合に、該当する発着信履歴情報の相手電話番号から電話帳機能部103の電話帳情報を検索して表示したり、後述する発話音声保存部106に保存された該当する発話音声の再生を後述の発話音声再生部107に指示する。
【0021】
発話音声抽出部105は、発着信履歴機能部104からの指示に従い、電話機能部102から発着信イベントに対する相手の発話音声を抽出してファイル化し、ファイル化した発話音声を後述の発話音声保存部106に渡す。
【0022】
発話音声保存部106は、発話音声抽出部105が抽出してファイル化した発話音声を受信するとこれを保存する。また、発話音声保存部106は、後述の発話音声再生部107からの要求に応じて保存された発話音声を発話音声再生部107に渡す。
【0023】
発話音声再生部107は、発着信履歴機能部104からの指示に従い、発話音声保存部106に保存されている発話音声を再生し、マンマシンインタフェース100のスピーカから出力する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る電話端末1の、発着信履歴情報を生成する動作を説明するためのフロー図である。このフロー図は、電話端末1がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0025】
まず、発着信履歴機能部104は、電話機能部102から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ100)。
【0026】
次に、発着信履歴機能部104は、電話機能部102から相手電話番号を取得する(ステップ101)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末1のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0027】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部104は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部103の電話帳情報を検索し(ステップ102)、電話帳機能部103の電話帳情報に相手電話番号が登録されているか否かを判定する(ステップ103)。
【0028】
ここで、発着信履歴機能部104は、相手電話番号が登録されている場合(ステップ103でYES)、その電話帳情報の中から相手特定情報を抽出する(ステップ104)。
【0029】
更に、発着信履歴機能部104は、発着信履歴情報を生成するための相手情報として、ステップ101で取得した相手電話番号と、ステップ102で得た電話帳情報の番号と、ステップ104で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ105)。
【0030】
そして、発着信履歴機能部104は、ステップ105で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存し(ステップ106)、本フローを終了する。
【0031】
一方、発着信履歴機能部104は、電話帳機能部103の電話帳情報に相手電話番号が登録されていない場合(ステップ103でNO)、発話音声抽出部105に発話音声の抽出を指示する。
【0032】
これを受けて発話音声抽出部105は、本フローを開始した発着信イベントにおいて受信した相手の発話音声を、電話機能部102を介して所定の期間抽出する(ステップ107)。ここで所定の期間は受信した最初の音声信号からの時間を固定的に定める。例えば3秒である。もしくは、一定時間の無音期間を一定回数検出するまでと定める。例えば0.2秒の無音期間を2回検出するまでとする。
【0033】
これにより、相手特定情報が含まれる可能性の高い発話音声を発着信履歴情報に取り入れることができる。
【0034】
次に、発話音声抽出部105は、抽出した発話音声をファイル化して発話音声保存部106に保存する(ステップ108)。
【0035】
また、発話音声抽出部105は、発話音声保存部106に保存した発話音声のファイル名を、発着信履歴機能部104に通知する。
【0036】
これを受けて発着信履歴機能部104は、発着信履歴情報を生成するための相手情報に、ステップ101で取得した相手電話番号と発話音声のファイル名を指定する(ステップ109)。
【0037】
そして、発着信履歴機能部104は、前述のステップ106を実行して本フローを終了する。ここで、図2のステップ106で生成・保存される発着信履歴情報について、図3を使って説明する。
【0038】
図3は、発着信履歴機能部104が生成・保存して管理する発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【0039】
発着信履歴情報は、発着信イベントが発生する度にレコード1000に追加される。
【0040】
フィールド1001は、図2のステップ100で付与される履歴番号であり、古い履歴から昇順で付与される。尚、履歴番号の最大値は予め決められており、履歴件数が最大値を超えると、最も古い履歴番号に上書き保存する。
【0041】
フィールド1002と1003は、発信または着信イベントが生じた年月日と時刻を示す。
【0042】
フィールド1004は、発着か着信かのイベント種別を示す。
【0043】
フィールド1005は、発着信イベントに対する応答状況を示し、例えば図示するような通話、不在(未応答)の他、留守番電話の起動などの履歴が記録される。
【0044】
そして、フィールド1006から1009が、図2で説明した相手情報である。
【0045】
フィールド1006は、相手電話番号であり、発信の場合は電話端末1のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は電話網から通知された発信者番号である。
【0046】
フィールド1007は、相手特定情報であり、相手の所属と名前が記録される。但し、電話帳機能部103の電話帳情報にフィールド1006に記録される相手電話番号が登録されていて、その電話帳情報から相手特定情報を抽出できた場合のみ記録される。図ではフィールド1001の履歴番号001および002および003のレコード1000に示される発着信履歴情報に電話帳情報から得た相手特定情報が記録されている。
【0047】
また、フィールド1001の履歴番号003および005のレコード1000は、電話帳機能部103の電話帳情報にフィールド1006に記録されている相手電話番号が登録されていない発着信履歴情報である。
【0048】
フィールド1008は、フィールド1006に記録される相手電話番号が登録されている電話帳機能部103の電話帳情報の番号が記録される。尚、電話帳情報の番号は電話帳機能部103にて、ユーザからの電話帳登録操作の時に自動で付与される。当然、電話帳情報の番号についても、フィールド1006に記録される相手電話番号が電話帳機能部103の電話帳情報に登録されている場合のみ記録される。
【0049】
フィールド1009は、図2のステップ107、108で抽出、そしてファイル化された発話音声ファイルのファイル名が記録される。図では、フィールド1001の履歴番号が003と005のレコード1000に発話音声ファイル名が記録されている。この発着信履歴情報には、フィールド1006に記録された相手電話番号が電話帳機能部103の電話帳情報に登録されていないため、その代わりに発話音声ファイルが発話音声保存部106に保存されている。
【0050】
図4は、本実施の形態に係る電話端末1の、ユーザからの発着信履歴画面の操作を検出した場合の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話端末1がユーザからの発着信履歴画面の操作を受け付けることで開始される。尚、ユーザの発着信履歴画面の操作とは、一つの表示用発着信履歴情報をタッチパネルやカーソルを用いて選択(タップまたはクリック)する操作である。
【0051】
まず、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択された一つの発着信イベントに対応する表示用発着信履情報に関連付けられている発着信履歴情報を検索し、当該発着信履歴情報に電話帳情報の番号が有るか否かを判定する(ステップ200)。
【0052】
そして、発着信履歴機能部104は、電話帳情報の番号が有る場合(ステップ200でYES)、その電話帳情報の番号をもとに電話帳機能部103の電話帳情報を検索してその全てを抽出する(ステップ201)。
【0053】
次に、発着信履歴機能部104は、抽出した電話帳情報を表示し(ステップ202)、本フローを終了する。
【0054】
一方、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択指定された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報に電話帳情報の番号が無い場合(ステップ200でNO)、ユーザにより選択された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報を検索し、当該発着信履歴情報に発話音声ファイルの指定があるか否かを判定する(ステップ203)。
そして、発着信履歴機能部104は、発話音声ファイルの指定が有る場合(ステップ203でYES)、図3のフィールド1009に記録されている発話音声ファイルを指定して、発話音声再生部107に再生を指示する。
【0055】
指示を受けた発話音声再生部107は、指定された音声ファイルを発話音声保存部106から抽出し(ステップ204)、再生する。そして、マンマシンインタフェース部100から再生した音声を出力して(ステップ205)、本フローを終了する。
【0056】
一方、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択指定された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報に発話音声ファイルの指定が無い場合(ステップ203でNO)そのまま本フローを終了する。
【0057】
ここで、図4のステップ204、205を実行する時の発着信履歴画面について図5を用いて説明する。
【0058】
図5の2000は、図3に例示した発着信履歴情報をもとに発着信機能部104が生成した表示用発着信履歴情報を、マンマシンインタフェース部200のLCDに一覧表示する発着信履歴画面の一例であり、発話音声ファイルを有する表示用発着信履歴情報をユーザが選択した状態を示している。
【0059】
2001は、図3のレコード1000に対応し、その一部を用いて生成された表示用発着信履歴情報であり、年月日時刻の新しい履歴から順に表示されている。図で白黒反転している表示用発着信履歴情報が選択指定されていることを示しており、図3のフィールド1001の履歴番号005に該当する。この表示用発着信履歴情報では相手特定情報が不明となっており、その代わりに発話音声が保存されていることを示している。この状態で、電話端末1のスピーカから相手の発話音声が自動的に出力される。
【0060】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0061】
本実施の形態に係る電話端末1は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の最初に発す発話音声を所定の期間抽出して保存する。そして、当該発着信の履歴情報に保存されている発話音声を関連付けることにより、電話端末1のユーザが発着信履歴を選択指定すると同時に、保存されている発話音声を再生してスピーカから出力する。
【0062】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴情報であっても、その発着信履歴情報を選択するだけで、相手の所属や名前が含まれる可能性の高い発話音声が再生出力され、相手を特定することができる。
【0063】
尚、本実施の形態では、発話音声を発着信履歴情報と関連付けて保存し、一つの発着信履歴情報がユーザから選択された場合に当該発話音声を再生する例を説明したが、発話音声を発着信相手の電話番号と関連付けた電話帳情報として保存し、その電話帳情報がユーザから選択された場合に当該発話音声を再生するようにしても良い。
【0064】
尚、本実施の形態では、相手が発する最初の音声としているがこれに限らない。音声認識技術を利用して、相手を特定するためのキーワードが含まれるセンテンスの音声を抽出、保存しても良い。
【0065】
<第二実施の形態>
次に、本発明の第二実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に相手の発話音声を、音声認識技術を利用してテキストに変換し、変換したテキストから相手特定情報を抽出して発着信履歴情報に加えることと、この相手特定情報から電話帳情報を編集するデータを生成し、他の機器や自端末の電話帳機能に転送することができる電話端末を説明する。
【0066】
図6は、本実施の形態に係る電話端末2の概略機能構成図である。
【0067】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末1は、マンマシンインタフェース部200と、通信インタフェース部201と、電話機能部202と、電話帳機能部203と、発着信履歴機能部204と、発話音声抽出部205と、発話音声テキスト変換部208と、相手特定情報抽出部209と、電話帳編集データ生成転送部210と、を有する。
【0068】
尚、マンマシンインタフェース部200、通信インタフェース部201、電話機能部202は、第一実施の形態の図1の100、101、102と同じであり説明は省略する。
【0069】
電話帳機能部203は、第一実施形態の図1の電話帳機能部103で説明した機能の他、後述の電話帳編集データ生成転送部210から電話帳編集データの転送を受ける。電話帳編集データとは、電話帳情報として保存する前のデータであり、ユーザがこのデータを使って、例えば漢字変換や修正を加えたり、電話帳編集データに無い電話帳情報を追加することで電話帳情報として確定させ保存する。そして、電話帳編集データは、ユーザが電話帳機能を起動したときに自動的に表示する。電話帳編集データについては図8で説明する。
【0070】
発着信履歴機能部204は、第一実施形態の図1の発着信履歴機能部104で説明した機能の他、後述の発話音声抽出部205に指示し、後述の相手特定情報抽出部209から受信する、相手の発話音声をテキストに変換して抽出した相手特定情報を発着信履歴情報に加える機能を有している。この動作については図7で説明する。
【0071】
発話音声抽出部205は、発着信履歴機能部204からの指示に従い、電話機能部102から通話相手の発話音声を抽出する。そして、後述の発話音声テキスト変換部208に抽出した発話音声を引き渡す。
【0072】
発話音声テキスト変換部208は、発話音声抽出部205から引き渡された発話音声を音声認識技術を使ってテキストに変換する。そして、後述の相手特定情報抽出部209に変換したテキストを引き渡す。
【0073】
相手特定情報抽出部209は、発話音声テキスト変換部208から引き渡されたテキストを解析することで相手特定情報を抽出し、電話帳編集データ生成転送部210と発着信履歴機能部204に引き渡す。
【0074】
電話帳編集データ生成転送部210は、電話機能部202から取得する相手電話番号と、当該相手電話番号に対応する相手特定情報抽出部209から引き渡された相手特定情報により電話帳編集データを生成し、電話帳機能部203、または通信インタフェース部201を介し電話回線またはLANまたはインターネット上の他の機器へ転送する。また、電話帳編集データ生成転送部210は通信インタフェース部201を介してインターネットから上記相手電話番号や相手特定情報に関連する情報を取得して電話帳編集データに加える。この動作についても図7で説明する。
【0075】
図7は、本実施の形態に係る電話端末2の、発着信履歴情報および電話帳編集データを生成し、電話帳機能部203および他の機器へ転送する動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話端末2がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0076】
まず、発着信履歴機能部204は、電話機能部202から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ300)。
【0077】
次に、発着信履歴機能部204は、電話機能部202から相手電話番号を取得する(ステップ301)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末2のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0078】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部204は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部203の電話帳情報を検索し(ステップ302)、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されているか否かを判定する(ステップ303)。
【0079】
ここで、発着信履歴機能部204は、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されている場合(ステップ303でYES)、その電話帳情報の中から、相手特定情報を抽出する(ステップ304)。
【0080】
更に、発着信履歴機能部204は、発着信履歴を生成するための相手情報として、ステップ301で取得した相手電話番号と、ステップ302で得た電話帳情報の番号と、ステップ304で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ305)。
【0081】
そして、発着信履歴機能部204は、ステップ305で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存し(ステップ306)、本フローを終了する。
【0082】
一方、発着信履歴機能部204は、相手電話番号が電話帳機能部203の電話帳情報に登録されていない場合(ステップ303でNO)、発話音声抽出部205に発話音声の抽出を指示する。
【0083】
これを受けて発話音声抽出部205は、本フローを開始した発着信イベントにおいて受信した相手の発話音声を、電話機能部202を介して所定の期間抽出する(ステップ307)。
【0084】
次に、発話音声抽出部205は、発話音声テキスト変換部208に抽出した相手の発話音声を引き渡す。
【0085】
これを受けた発話音声テキスト変換部208は、相手の発話音声を音声認識技術によりテキストに変換し(ステップ308)、相手特定情報抽出部209に引き渡す。
【0086】
これを受けた相手特定情報抽出部209は、発話音声から変換されたテキストを解析して得た相手特定情報を抽出する(ステップ309)。その抽出方法を以下に説明する。
【0087】
例えば、発話音声には、「もしもし、トッキョショウジのトッキョサブローです」のように自身の所属と名前を名乗る場合が多い。まず、[もしもし]などの感嘆詞や[の]などの助詞、[です]などの助動詞を省く。そして、[の]の前の単語で[ショウジ]など会社名に使われる語句を含む単語は相手の所属を示すものと予測する。また、[ショウジ] などの語句は[商事]と漢字を予測することもできる。更に、[の] と[です]で挟まれた単語は相手の名前を示すものと予測できる。
【0088】
このように、発話音声は、自身を名乗るために構成された数種類の定型文であると予測でき、そこから相手を特定する情報を抽出することができる。尚、前述の抽出方法は基本的な例であり、相手特定情報抽出部209には、いくつかの定型文と語句、抽出アルゴリズムを備え、もっとも相手特定情報である確率の高い抽出結果を選択する。
【0089】
図7に戻って説明する。
【0090】
相手特定情報抽出部209は、抽出した相手特定情報を発着信履歴機能部204と電話帳編集データ生成転送部210に引き渡す。
【0091】
これを受けた電話帳編集データ生成転送部210は、電話機能部202から相手電話番号を取得する。更に、通信インタフェース201を介してインターネットにアクセスして、相手特定情報の所属から会社のホームページを検索したり、相手電話番号から住所を検索する(ステップ310)。
【0092】
尚、会社のホームページを検索する場合は、インターネット上のポータルサイトにアクセスする。また、住所を検索する場合、電話番号から住所を検索するインターネット上のサービスにアクセスする。
【0093】
そして、電話帳編集データ生成転送部210は、相手電話番号と相手特定情報とインターネットを検索して得た情報(ヒットしたホームページのURLや住所)により電話帳編集データを生成する(ステップ311)。尚、相手特定情報とインターネットを検索して得た情報には、候補となる複数の情報があってもよい。
【0094】
ここで、電話帳編集データを、図8を使って説明する。
【0095】
図8は、電話帳編集データの一例を示した図である。
【0096】
図の3000は、1件毎の電話帳編集データである。
【0097】
図の3001は、相手特定情報であり、所属候補と名前候補とからなる。尚、このデータを使って電話端末2もしくは他の機器で電話帳の編集を行う編集者が、漢字への変換などを行い電話帳情報として確定させる。
【0098】
図の3002は電話番号であり、発着信イベントで取得した相手電話番号が一つのデータとして提供される。尚、発着信イベントで取得した相手電話番号以外の電話番号は、編集者が入力して電話帳情報として確定させる。
【0099】
図の3003は、インターネットにアクセスして得た情報であり、これも編集者が確認して電話帳情報として確定させる。この情報は複数候補あっても良く、編集者が関連する情報であると判断して確定させる。
【0100】
図7に戻って説明する。
【0101】
電話帳編集データ生成転送部210は、生成した電話帳編集データを、電話帳機能部203もしくは通信インタフェース部201を介して、電話網またはLANまたはインターネット上の他の機器に転送する(ステップ312)。ここで、他の機器とは、パソコンや電話帳共有サーバや電話交換機であり、予め転送先のアドレスが電話帳編集データ生成転送部210に設定されているものとする。また、電話帳機能部203に転送する設定がなされている場合、電話帳機能部203は、電話端末2のユーザによる電話帳機能の起動を検出すると電話帳編集データを自動表示する。
【0102】
一方、ステップ311で相手特定情報を引き渡された発着信履歴機能部204は、発着信履歴情報を生成するための相手情報に、相手電話番号と相手特定情報を指定し、ステップ306の処理を行い本フローを終了する。
【0103】
ここで、図7のステップ306で生成・保存される発着信履歴情報について、図9を使って説明する。
【0104】
図9は、発着信履歴機能部204が生成・保存して管理する発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【0105】
レコード4000とフィールド4001〜4008は、第一実施の形態の図3のレコード1000とフィールド1001〜1008と同じであり、説明は省略する。
【0106】
フィールド4010は、フィールド4007の相手特定情報が、発話音声から得た情報で有るか否かをレ点で示している。
【0107】
図では、フィールド4001の履歴番号が003と005のレコード4000のフィールド4010にレ点が示されており、このレコードのフィールド4007の記録内容が発話音声から得た情報であることを示している。
【0108】
次に、図10を使って発着信履歴画面について説明する。
【0109】
図10の5000は、図9で例示した発着信履歴情報をもとに発着信機能部204が生成し、マンマシンインタフェース部200のLCDに表示する発着信履歴画面の一例である。
【0110】
5001は、図9のレコード4000に対応し、その一部を用いて生成された表示用発着信履歴情報であり、年月日時刻の新しい履歴から順に表示されている。
【0111】
図では、5001aと5001bにより、この相手特定情報が発話音声から得た情報であることを示している。この表示用発着信履歴情報は、図9のフィールド4001の発着信履歴番号003と005のレコード4000に該当する発着信履歴情報である。
【0112】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。
【0113】
本実施の形態に係る電話端末2は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の最初に発する発話音声を所定の期間抽出して、音声認識技術を使ってテキストに変換する。そして、変換したテキストから相手の所属や名前などの相手特定情報を抽出し、発着信履歴情報に反映させる。
【0114】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴であっても、その発着信履歴に、相手の所属や名前が含まれる可能性の高い発話音声から抽出したテキストにより、相手を特定することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係る電話端末2は、相手電話番号と相手特定情報を含む電話帳編集データを生成し、自端末の電話帳機能に転送したり、LANやインターネットに接続されているPCやサーバに自動転送する。
【0116】
したがって、電話端末2または電話帳情報を編集したり共有したりするためのPCやサーバで、新たに登録する電話帳情報の編集作業を容易にできる。また、本実施の形態に係る電話端末2は、インターネットにアクセスして、相手電話番号や相手特定情報に関連する新たな情報を取得して電話帳編集データに反映する。したがって、更に詳しい相手の情報を電話帳情報に登録する作業を容易にできる。尚、上記新たな情報を得るためにインターネットに限らず専用で設置されている情報収集用のサーバにアクセスしても良い。
【0117】
<第三実施の形態>
次に、本発明の第三実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、通話中に受信する相手の音声や顔画像と、電話帳情報に関連付けて保存されている声紋情報や顔情報などの生体情報を検索して、一致する生体情報が登録されている場合に、それに関連する既存の電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加できる電話端末を説明する。
【0118】
図11は、本実施の形態に係る電話端末3の概略機能構成図である。
【0119】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末3は、マンマシンインタフェース部300と、通信インタフェース部301と、電話機能部302と、電話帳機能部303と、発着信履歴機能部304と、 生体情報取得保存部311と、生体情報比較部312と、電話番号追加処理部313と、を有する。
【0120】
尚、マンマシンインタフェース部300、通信インタフェース部301、電話機能部302は、第一実施の形態の図1の100、101、102と同じであり説明は省略する。
【0121】
電話帳機能部303は、第一実施形態の図1の電話帳機能部103で説明した機能の他、後述の電話番号追加処理部313からの指示により、既存の電話帳情報に自動的に二つ目以降の電話番号を追加する。
【0122】
発着信履歴機能部304は、第一実施形態の図1の発着信履歴機能部104で説明した機能の他、発着信イベントに対し、後述の生体情報取得保存部311に当該発着信イベントで取得可能な生体情報の取得と保存を指示する。また、発着信履歴機能部304は後述する生体情報比較部312に、当該発着信イベントで取得可能な生体情報と生体情報取得保存部311で保存済みの生体情報との比較を指示する。この動作は図12で説明する。
【0123】
生体情報取得保存部311は、発着信履歴機能部304の指示に従い通話相手の音声から声紋情報を取得したり、テレビ電話の場合には顔画像から顔情報(特徴情報)を取得して電話帳情報の番号と関連付けて保存する。
【0124】
生体情報比較部312は、発着信イベントで受信する音声や顔画像から得られる生体情報と、生体情報取得保存部311で既に保存されている生体情報を比較し、一致する生体情報があるか否か、および一致した場合に関連する電話帳情報の番号を発着信履歴機能部304に通知する。
【0125】
電話番号追加処理部313は、発着信履歴機能部304からの通知により、発着信イベントで取得した相手電話番号と、当該発着信イベントで得た相手の生体情報と一致する生体情報取得保存部311で保存済みの生体情報に関連付けられている電話帳情報の番号を取得し、その電話帳情報の番号に該当する電話帳情報に当該相手電話番号を加える処理を電話帳機能部303に対して行う。
【0126】
図12は、本実施の形態に係る電話端末3の、発着信相手の生体情報を取得して電話帳情報と関連付けて保存する処理、および生体情報を比較して既存の電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加する機能を説明するためのフロー図である。 このフローは、電話端末3がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0127】
まず、発着信履歴機能部304は、電話機能部302から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ400)。
【0128】
次に、発着信履歴機能部304は、電話機能部302から相手電話番号を取得する(ステップ401)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末3のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0129】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部304は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部303の電話帳情報を検索し(ステップ402)、電話帳機能部303に相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されているか否かを判定する(ステップ403)。
【0130】
ここで、発着信履歴機能部304は、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されている場合(ステップ403でYES)、その電話帳情報の中から、相手特定情報を抽出する(ステップ404)。
【0131】
更に、発着信履歴機能部304は、発着信履歴情報を生成するための相手情報として、ステップ401で取得した相手電話番号と、ステップ402で得た電話帳情報の番号と、ステップ404で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ405)。
【0132】
そして、発着信履歴機能部304は、ステップ405で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存する(ステップ406)。
【0133】
次に、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報があるか否かを判定する。
【0134】
ここで、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報がある場合(ステップ407でYES)、生体情報取得保存部311にその生体情報の取得と電話帳情報の番号に関連付けた保存を指示する。
【0135】
これを受けた生体情報取得保存部311は、電話機能部302を介して生体情報を取得し、当該発着信イベントに関連する電話帳情報の番号に関連付けて保存し(ステップ408)、本フローを終了する。
【0136】
また、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報が無い場合(ステップ407でNO)、何もせず、本フローを終了する。
【0137】
ステップ408の処理は、当該発着信イベントに関連する生体情報が一つも保存されていない場合の他、例えば当該発着信イベントよりも前に声紋情報を取得して保存済みであり、当該発着信イベントがテレビ電話であった場合、相手の顔画像から顔の特徴情報を取得して電話帳情報に関連付けた新たな生体情報として追加保存する場合にも実行される。二つ以上の生体情報を利用するのは、生体比較の精度を向上させるためである。
【0138】
一方、発着信履歴機能部304は、電話帳情報に相手電話番号が無い場合(ステップ403でNO)、生体情報比較部312に生体情報の比較を指示する。
【0139】
これを受けた生体情報比較部312は、電話機能部302から相手音声または画像を取得し、生体情報を抽出する。
【0140】
そして、生体情報比較部312は、生体情報取得保存部311で保存されている既存の生体情報と比較することで、一致する生体情報を検索する(ステップ409)。
【0141】
ここで、生体情報比較部312は、一致する生体情報を検索できた場合(ステップ410でYES)、その生体情報に関連付けられている電話帳情報の番号を特定し(ステップ411)、その電話帳情報の番号を発着信履歴機能部304に通知する。
【0142】
これを受けた発着信履歴機能部304は、電話番号追加処理部313に、電話帳情報の番号と当該発着信イベントの相手電話番号とを通知し、電話帳情報への電話番号追加指示を行う。
【0143】
これを受けた電話番号追加処理部313は電話帳機能部303に対して相手電話番号の追加処理を実行する(ステップ413)。
【0144】
そして、発着信履歴機能部304は、ステップ404以降の処理を行う。
【0145】
一方、生体情報比較部312は、一致する生体情報を検索できなかった場合(ステップ410でNO)、その旨を発着信履歴機能部304に通知する。
【0146】
それを受けた発着信履歴機能部304は、当該発着信イベントの相手電話番号を相手情報に指定して(ステップ413)、ステップ405以降の処理を行う。
【0147】
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。
【0148】
本実施の形態に係る電話端末3は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の音声や顔画像が、既に登録されている電話帳と関連付けて保存されている生体情報と一致する場合に、当該発着信の相手電話番号をその電話帳情報に追加し更新する。その更新された電話帳情報が発着信履歴として関連付けられる。
【0149】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手電話番号に対する発着信であっても、既に違う電話番号で電話帳情報へ登録済みの相手であれば、その電話帳情報を自動的に検索して相手を特定することができる。また、電話帳情報に二つ目以降の電話番号を自動的に登録できる。
【0150】
また、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0151】
例えば、図1に示す電話端末1、および図6に示す電話端末2、図11に示す電話端末3の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インタフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0152】
1:電話端末、100:マンマシンインタフェース、101:通信インタフェース部、102:電話機能部、103:電話帳機能部、104:発着信履歴機能部、105:発話音声抽出部、106:発話音声保存部、107:発話音声再生部、2:電話端末、200:マンマシンインタフェース部、201:通信インタフェース部、202:電話機能部、203:電話帳機能部、204:発着信履歴機能部、205:発話音声抽出部、208:発話音声テキスト変換部、209:相手特定情報抽出部、210:電話帳編集データ生成転送部、3:電話端末、300:マンマシンインタフェース部、301:通信インタフェース部、302:電話機能部、303:電話帳機能部、304:発着信履歴機能部、311:生体情報保存部、312:生体情報比較部、313:電話番号追加処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は電話端末に関し、特に電話帳に登録されていない電話端末からの着信または電話帳に登録されていない電話端末へ発信した場合に発着信履歴または電話帳を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話端末において、発着信イベントで取得した相手電話番号を元に電話帳情報を検索し、相手電話番号と一致する一つの電話帳情報を特定する。そして、当該電話帳情報に含まれている名前などの情報を、発着信イベントの日時などを示す発着信履歴画面に表示する機能がある。しかし、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴情報には相手電話番号しか表示されず、折り返しで電話する場合など相手を特定できず不便である。
【0003】
特許文献1には、着信相手の電話番号から過去の発信に対する折り返し着信であるか否かを判定する技術が開示されている。この技術によれば、着信相手の電話番号から発信履歴を検索し、発信に対する折り返し着信であるか否かを判定して表示することにより、過去に発信したことのある相手であることを着信者に伝えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−45677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、過去に発信したことのある相手であることを着信者に伝えることはできるが、着信者が誰であったかまでは伝えることはできない。また、過去の発信履歴に残っている相手からの着信にしか対応できず、発信履歴に残されていない相手の場合は特定できない。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電話帳情報に登録されていない場合であっても、相手の所属や名前を特定し通知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の音声を所定の期間のみ抽出して保存し、発着信日時や相手電話番号などの発着信履歴情報と関連付ける。そして、ユーザである操作者が発着信履歴情報の一部を一覧化した発着信履歴画面から、保存されている発話音声と関連付けられている一つの発着信履歴情報の一部を選択したことを検出すると、当該保存されている発話音声を自動再生する。
【0007】
例えば、本発明の第一の態様は、発着信履歴機能および電話帳機能を備えた電話端末であって、発着信があった相手電話端末の電話番号が前記電話帳機能に登録されていない場合に、通話が開始されてから所定の期間の相手の発話した音声を録音する発話音声録音手段と、前記発着信履歴機能に記録された前記発着信に係る履歴情報に前記録音した発話音声を関連付けて保存するまたは前記電話帳機能に発着信のあった相手電話端末の電話番号と前記録音した発話音声を新たな電話帳情報として保存する発話音声履歴保存手段と、を有し、前記発話音声を関連付けた履歴情報が選択されるまたは前記電話帳情報が選択されると、当該発話音声を再生する。
【0008】
また、本発明の第二の態様は、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の発話音声を所定の期間のみ抽出して文字情報に変換し、変換した文字情報の中から、単語の前後につく特定の品詞をもとに相手を特定する情報のみを抽出して発着信履歴情報に加える。例えば、本発明の第二の態様は前記発話音声録音手段が録音した発話音声を文字データに変換する文字データ変換手段と、前記文字データ変換手段が変換した文字データを予め定められたアルゴリズムにより通話相手を特定するための相手特定情報を抽出する相手特定情報抽出手段と、前記発着信履歴機能に保存された前記発着信に係る履歴情報または前記電話帳機能の電話帳情報に前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を追加する相手特定情報追加手段と、をさらに有する。
【0009】
また、本発明の第三の態様は、電話帳の情報と通話相手の声紋または顔の特徴情報などの生体情報を関連付けて保存する。そして、発着信時に相手電話番号が電話帳に登録されていない場合に、相手電話端末との接続後に相手の音声または顔画像を取得し、それをもとに前記生体情報を所定の一致判定条件で検索する。検索した結果、取得した音声または顔画像と一致する生体情報が保存されていたならば、発着信履歴情報に当該生体情報と関連付けられている電話帳の情報を加える。更に、その電話帳の情報に当該発着信イベントに係る相手電話番号を加える。
【発明の効果】
【0010】
電話帳に登録されていない発着信相手であっても個人を特定でき、再発信や電話帳の登録に際し便利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の概略機能構成図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の発着信履歴を生成する動作を説明するためのフロー図である。
【図3】図3は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【図4】図4は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の、ユーザからの発着信履歴画面の操作を検出した場合の動作を説明するためのフロー図である。
【図5】図5は、本発明の第一実施の形態に係る電話端末1の、発着信履歴情報をもとに表示画に表示する発着信履歴画面の一例である。
【図6】図6は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の概略機能構成図である。
【図7】図7は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴、および電話帳編集データを生成して電話帳機能および他の機器へ転送する動作を説明するためのフロー図である。
【図8】図8は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の電話帳編集データの一例を示した図である。
【図9】図9は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【図10】図10は、本発明の第二実施の形態に係る電話端末2の発着信履歴情報をもとに表示画面に表示する発着信履歴画面の一例である。
【図11】図11は、本発明の第三実施の形態に係る電話端末3の概略機能構成図である。
【図12】図12は、本発明の第三実施の形態に係る電話端末3の発着信相手の生体情報を取得して電話帳情報と関連付けて保存する処理と、生体情報を比較して電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加する機能を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
<第一実施の形態>
まず、本発明の第一実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳に登録されていない場合に相手の発話音声を抽出して保存し、発着信履歴と関連付けることができる電話端末を説明する。ここで、発話音声とは発着信応答後に相手が最初に発する音声である。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る電話端末1の概略機能構成図である。
【0015】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末1は、マンマシンインタフェース部100と、通信インタフェース部101と、電話機能部102と、電話帳機能部103と、発着信履歴機能部104と、発話音声抽出部105と、発話音声保存部106と、発話音声再生部107と、を有する。
【0016】
マンマシンインタフェース部100は、ユーザが電話帳情報または発着信履歴情報の一部を抽出した表示用発着信履歴情報を一覧表示する表示部および、電話の発着信など各種操作を行う操作部であり、図示していないが、ハンドセット、スピーカ、フックボタン、ダイヤルキー等の操作部、およびタッチパネル付きLCDを備える。ここで電話帳情報とは、通信相手の所属、名前、電話番号、住所、ホームページのURL、Eメールアドレスである。また、発着信履歴情報とは、発着信日時、発着信イベントの種別、応答状況、相手電話番号、相手特定情報の他、後述する電話帳情報の番号や発話音声ファイル名である。ここで相手特定情報とは相手の所属と名前である。
【0017】
通信インタフェース部101は、図示していないが相手電話端末や各種サーバとの通信を行うためのインタフェースであり、電話回線またはLAN(Local Area Network)またはインターネットに接続する。
【0018】
電話機能部102は、マンマシンインタフェース部100や通信インタフェース部101を制御して電話発着信および通話に係る一般的な電話の機能を実現する。また、電話機能部102は、後述する発着信履歴機能部104に対し、発着信イベントや発着信相手の電話番号の通知を行う。また、電話機能部102は、後述する発話音声抽出部105に対し相手音声の出力を行う。
【0019】
電話帳機能部103は、通信相手の電話帳情報を保存して管理する機能である。また、電話帳機能部103は後述する発着信履歴機能部103の指示により電話帳情報の一部を出力したり、マンマシンインタフェース部100を介して電話帳情報の表示を行う。尚、電話帳機能部103は通信相手毎の電話帳情報に番号を付与して管理する。
【0020】
発着信履歴機能部104は、発着信のイベント毎に、発着信履歴情報を生成および保存する。発着信履歴情報の詳細については図3で、発着信イベント毎の発着信履歴情報の生成および保存の動作は図2で説明する。また、発着信履歴機能部104は、発着信イベント毎に、相手電話番号から電話帳機能部103の電話帳情報を検索して、相手電話番号と一致する電話帳情報が登録されている場合にその情報に含まれる相手特定情報を発着信履歴情報に加える。一方相手電話番号と一致する電話帳情報が登録されていない場合に後述の発話音声抽出部105に発話音声の抽出を指示し、抽出した発話音声と発着信履歴情報を関連付ける。また、発着信履歴機能部104は、マンマシンインタフェース部100を介して発着信イベント毎の表示用発着信履歴情報を一覧化した発着信履歴画面を表示する。具体的には、ユーザから発着信履歴画面の表示操作を受け付けると、予め決められた件数の発着信履歴情報の中から発着信日時、発着信イベントの種別、応答状況、相手特定情報を含む表示用発着信履歴情報を生成し発着信履歴画面として一覧表示する。発着信履歴画面の表示内容は図5で説明する。尚、表示用発着信履歴情報は発着信履歴情報との間で履歴番号にて関連付けられる。また、発着信履歴機能部104は、発着信履歴画面の中から一つの発着信イベントに対応する表示用発着信履情報のユーザによる選択操作を検出した場合に、該当する発着信履歴情報の相手電話番号から電話帳機能部103の電話帳情報を検索して表示したり、後述する発話音声保存部106に保存された該当する発話音声の再生を後述の発話音声再生部107に指示する。
【0021】
発話音声抽出部105は、発着信履歴機能部104からの指示に従い、電話機能部102から発着信イベントに対する相手の発話音声を抽出してファイル化し、ファイル化した発話音声を後述の発話音声保存部106に渡す。
【0022】
発話音声保存部106は、発話音声抽出部105が抽出してファイル化した発話音声を受信するとこれを保存する。また、発話音声保存部106は、後述の発話音声再生部107からの要求に応じて保存された発話音声を発話音声再生部107に渡す。
【0023】
発話音声再生部107は、発着信履歴機能部104からの指示に従い、発話音声保存部106に保存されている発話音声を再生し、マンマシンインタフェース100のスピーカから出力する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る電話端末1の、発着信履歴情報を生成する動作を説明するためのフロー図である。このフロー図は、電話端末1がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0025】
まず、発着信履歴機能部104は、電話機能部102から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ100)。
【0026】
次に、発着信履歴機能部104は、電話機能部102から相手電話番号を取得する(ステップ101)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末1のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0027】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部104は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部103の電話帳情報を検索し(ステップ102)、電話帳機能部103の電話帳情報に相手電話番号が登録されているか否かを判定する(ステップ103)。
【0028】
ここで、発着信履歴機能部104は、相手電話番号が登録されている場合(ステップ103でYES)、その電話帳情報の中から相手特定情報を抽出する(ステップ104)。
【0029】
更に、発着信履歴機能部104は、発着信履歴情報を生成するための相手情報として、ステップ101で取得した相手電話番号と、ステップ102で得た電話帳情報の番号と、ステップ104で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ105)。
【0030】
そして、発着信履歴機能部104は、ステップ105で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存し(ステップ106)、本フローを終了する。
【0031】
一方、発着信履歴機能部104は、電話帳機能部103の電話帳情報に相手電話番号が登録されていない場合(ステップ103でNO)、発話音声抽出部105に発話音声の抽出を指示する。
【0032】
これを受けて発話音声抽出部105は、本フローを開始した発着信イベントにおいて受信した相手の発話音声を、電話機能部102を介して所定の期間抽出する(ステップ107)。ここで所定の期間は受信した最初の音声信号からの時間を固定的に定める。例えば3秒である。もしくは、一定時間の無音期間を一定回数検出するまでと定める。例えば0.2秒の無音期間を2回検出するまでとする。
【0033】
これにより、相手特定情報が含まれる可能性の高い発話音声を発着信履歴情報に取り入れることができる。
【0034】
次に、発話音声抽出部105は、抽出した発話音声をファイル化して発話音声保存部106に保存する(ステップ108)。
【0035】
また、発話音声抽出部105は、発話音声保存部106に保存した発話音声のファイル名を、発着信履歴機能部104に通知する。
【0036】
これを受けて発着信履歴機能部104は、発着信履歴情報を生成するための相手情報に、ステップ101で取得した相手電話番号と発話音声のファイル名を指定する(ステップ109)。
【0037】
そして、発着信履歴機能部104は、前述のステップ106を実行して本フローを終了する。ここで、図2のステップ106で生成・保存される発着信履歴情報について、図3を使って説明する。
【0038】
図3は、発着信履歴機能部104が生成・保存して管理する発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【0039】
発着信履歴情報は、発着信イベントが発生する度にレコード1000に追加される。
【0040】
フィールド1001は、図2のステップ100で付与される履歴番号であり、古い履歴から昇順で付与される。尚、履歴番号の最大値は予め決められており、履歴件数が最大値を超えると、最も古い履歴番号に上書き保存する。
【0041】
フィールド1002と1003は、発信または着信イベントが生じた年月日と時刻を示す。
【0042】
フィールド1004は、発着か着信かのイベント種別を示す。
【0043】
フィールド1005は、発着信イベントに対する応答状況を示し、例えば図示するような通話、不在(未応答)の他、留守番電話の起動などの履歴が記録される。
【0044】
そして、フィールド1006から1009が、図2で説明した相手情報である。
【0045】
フィールド1006は、相手電話番号であり、発信の場合は電話端末1のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は電話網から通知された発信者番号である。
【0046】
フィールド1007は、相手特定情報であり、相手の所属と名前が記録される。但し、電話帳機能部103の電話帳情報にフィールド1006に記録される相手電話番号が登録されていて、その電話帳情報から相手特定情報を抽出できた場合のみ記録される。図ではフィールド1001の履歴番号001および002および003のレコード1000に示される発着信履歴情報に電話帳情報から得た相手特定情報が記録されている。
【0047】
また、フィールド1001の履歴番号003および005のレコード1000は、電話帳機能部103の電話帳情報にフィールド1006に記録されている相手電話番号が登録されていない発着信履歴情報である。
【0048】
フィールド1008は、フィールド1006に記録される相手電話番号が登録されている電話帳機能部103の電話帳情報の番号が記録される。尚、電話帳情報の番号は電話帳機能部103にて、ユーザからの電話帳登録操作の時に自動で付与される。当然、電話帳情報の番号についても、フィールド1006に記録される相手電話番号が電話帳機能部103の電話帳情報に登録されている場合のみ記録される。
【0049】
フィールド1009は、図2のステップ107、108で抽出、そしてファイル化された発話音声ファイルのファイル名が記録される。図では、フィールド1001の履歴番号が003と005のレコード1000に発話音声ファイル名が記録されている。この発着信履歴情報には、フィールド1006に記録された相手電話番号が電話帳機能部103の電話帳情報に登録されていないため、その代わりに発話音声ファイルが発話音声保存部106に保存されている。
【0050】
図4は、本実施の形態に係る電話端末1の、ユーザからの発着信履歴画面の操作を検出した場合の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話端末1がユーザからの発着信履歴画面の操作を受け付けることで開始される。尚、ユーザの発着信履歴画面の操作とは、一つの表示用発着信履歴情報をタッチパネルやカーソルを用いて選択(タップまたはクリック)する操作である。
【0051】
まず、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択された一つの発着信イベントに対応する表示用発着信履情報に関連付けられている発着信履歴情報を検索し、当該発着信履歴情報に電話帳情報の番号が有るか否かを判定する(ステップ200)。
【0052】
そして、発着信履歴機能部104は、電話帳情報の番号が有る場合(ステップ200でYES)、その電話帳情報の番号をもとに電話帳機能部103の電話帳情報を検索してその全てを抽出する(ステップ201)。
【0053】
次に、発着信履歴機能部104は、抽出した電話帳情報を表示し(ステップ202)、本フローを終了する。
【0054】
一方、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択指定された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報に電話帳情報の番号が無い場合(ステップ200でNO)、ユーザにより選択された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報を検索し、当該発着信履歴情報に発話音声ファイルの指定があるか否かを判定する(ステップ203)。
そして、発着信履歴機能部104は、発話音声ファイルの指定が有る場合(ステップ203でYES)、図3のフィールド1009に記録されている発話音声ファイルを指定して、発話音声再生部107に再生を指示する。
【0055】
指示を受けた発話音声再生部107は、指定された音声ファイルを発話音声保存部106から抽出し(ステップ204)、再生する。そして、マンマシンインタフェース部100から再生した音声を出力して(ステップ205)、本フローを終了する。
【0056】
一方、発着信履歴機能部104は、ユーザにより選択指定された表示用発着信履歴情報に関連付けされた発着信履歴情報に発話音声ファイルの指定が無い場合(ステップ203でNO)そのまま本フローを終了する。
【0057】
ここで、図4のステップ204、205を実行する時の発着信履歴画面について図5を用いて説明する。
【0058】
図5の2000は、図3に例示した発着信履歴情報をもとに発着信機能部104が生成した表示用発着信履歴情報を、マンマシンインタフェース部200のLCDに一覧表示する発着信履歴画面の一例であり、発話音声ファイルを有する表示用発着信履歴情報をユーザが選択した状態を示している。
【0059】
2001は、図3のレコード1000に対応し、その一部を用いて生成された表示用発着信履歴情報であり、年月日時刻の新しい履歴から順に表示されている。図で白黒反転している表示用発着信履歴情報が選択指定されていることを示しており、図3のフィールド1001の履歴番号005に該当する。この表示用発着信履歴情報では相手特定情報が不明となっており、その代わりに発話音声が保存されていることを示している。この状態で、電話端末1のスピーカから相手の発話音声が自動的に出力される。
【0060】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0061】
本実施の形態に係る電話端末1は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の最初に発す発話音声を所定の期間抽出して保存する。そして、当該発着信の履歴情報に保存されている発話音声を関連付けることにより、電話端末1のユーザが発着信履歴を選択指定すると同時に、保存されている発話音声を再生してスピーカから出力する。
【0062】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴情報であっても、その発着信履歴情報を選択するだけで、相手の所属や名前が含まれる可能性の高い発話音声が再生出力され、相手を特定することができる。
【0063】
尚、本実施の形態では、発話音声を発着信履歴情報と関連付けて保存し、一つの発着信履歴情報がユーザから選択された場合に当該発話音声を再生する例を説明したが、発話音声を発着信相手の電話番号と関連付けた電話帳情報として保存し、その電話帳情報がユーザから選択された場合に当該発話音声を再生するようにしても良い。
【0064】
尚、本実施の形態では、相手が発する最初の音声としているがこれに限らない。音声認識技術を利用して、相手を特定するためのキーワードが含まれるセンテンスの音声を抽出、保存しても良い。
【0065】
<第二実施の形態>
次に、本発明の第二実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に相手の発話音声を、音声認識技術を利用してテキストに変換し、変換したテキストから相手特定情報を抽出して発着信履歴情報に加えることと、この相手特定情報から電話帳情報を編集するデータを生成し、他の機器や自端末の電話帳機能に転送することができる電話端末を説明する。
【0066】
図6は、本実施の形態に係る電話端末2の概略機能構成図である。
【0067】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末1は、マンマシンインタフェース部200と、通信インタフェース部201と、電話機能部202と、電話帳機能部203と、発着信履歴機能部204と、発話音声抽出部205と、発話音声テキスト変換部208と、相手特定情報抽出部209と、電話帳編集データ生成転送部210と、を有する。
【0068】
尚、マンマシンインタフェース部200、通信インタフェース部201、電話機能部202は、第一実施の形態の図1の100、101、102と同じであり説明は省略する。
【0069】
電話帳機能部203は、第一実施形態の図1の電話帳機能部103で説明した機能の他、後述の電話帳編集データ生成転送部210から電話帳編集データの転送を受ける。電話帳編集データとは、電話帳情報として保存する前のデータであり、ユーザがこのデータを使って、例えば漢字変換や修正を加えたり、電話帳編集データに無い電話帳情報を追加することで電話帳情報として確定させ保存する。そして、電話帳編集データは、ユーザが電話帳機能を起動したときに自動的に表示する。電話帳編集データについては図8で説明する。
【0070】
発着信履歴機能部204は、第一実施形態の図1の発着信履歴機能部104で説明した機能の他、後述の発話音声抽出部205に指示し、後述の相手特定情報抽出部209から受信する、相手の発話音声をテキストに変換して抽出した相手特定情報を発着信履歴情報に加える機能を有している。この動作については図7で説明する。
【0071】
発話音声抽出部205は、発着信履歴機能部204からの指示に従い、電話機能部102から通話相手の発話音声を抽出する。そして、後述の発話音声テキスト変換部208に抽出した発話音声を引き渡す。
【0072】
発話音声テキスト変換部208は、発話音声抽出部205から引き渡された発話音声を音声認識技術を使ってテキストに変換する。そして、後述の相手特定情報抽出部209に変換したテキストを引き渡す。
【0073】
相手特定情報抽出部209は、発話音声テキスト変換部208から引き渡されたテキストを解析することで相手特定情報を抽出し、電話帳編集データ生成転送部210と発着信履歴機能部204に引き渡す。
【0074】
電話帳編集データ生成転送部210は、電話機能部202から取得する相手電話番号と、当該相手電話番号に対応する相手特定情報抽出部209から引き渡された相手特定情報により電話帳編集データを生成し、電話帳機能部203、または通信インタフェース部201を介し電話回線またはLANまたはインターネット上の他の機器へ転送する。また、電話帳編集データ生成転送部210は通信インタフェース部201を介してインターネットから上記相手電話番号や相手特定情報に関連する情報を取得して電話帳編集データに加える。この動作についても図7で説明する。
【0075】
図7は、本実施の形態に係る電話端末2の、発着信履歴情報および電話帳編集データを生成し、電話帳機能部203および他の機器へ転送する動作を説明するためのフロー図である。このフローは、電話端末2がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0076】
まず、発着信履歴機能部204は、電話機能部202から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ300)。
【0077】
次に、発着信履歴機能部204は、電話機能部202から相手電話番号を取得する(ステップ301)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末2のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0078】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部204は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部203の電話帳情報を検索し(ステップ302)、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されているか否かを判定する(ステップ303)。
【0079】
ここで、発着信履歴機能部204は、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されている場合(ステップ303でYES)、その電話帳情報の中から、相手特定情報を抽出する(ステップ304)。
【0080】
更に、発着信履歴機能部204は、発着信履歴を生成するための相手情報として、ステップ301で取得した相手電話番号と、ステップ302で得た電話帳情報の番号と、ステップ304で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ305)。
【0081】
そして、発着信履歴機能部204は、ステップ305で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存し(ステップ306)、本フローを終了する。
【0082】
一方、発着信履歴機能部204は、相手電話番号が電話帳機能部203の電話帳情報に登録されていない場合(ステップ303でNO)、発話音声抽出部205に発話音声の抽出を指示する。
【0083】
これを受けて発話音声抽出部205は、本フローを開始した発着信イベントにおいて受信した相手の発話音声を、電話機能部202を介して所定の期間抽出する(ステップ307)。
【0084】
次に、発話音声抽出部205は、発話音声テキスト変換部208に抽出した相手の発話音声を引き渡す。
【0085】
これを受けた発話音声テキスト変換部208は、相手の発話音声を音声認識技術によりテキストに変換し(ステップ308)、相手特定情報抽出部209に引き渡す。
【0086】
これを受けた相手特定情報抽出部209は、発話音声から変換されたテキストを解析して得た相手特定情報を抽出する(ステップ309)。その抽出方法を以下に説明する。
【0087】
例えば、発話音声には、「もしもし、トッキョショウジのトッキョサブローです」のように自身の所属と名前を名乗る場合が多い。まず、[もしもし]などの感嘆詞や[の]などの助詞、[です]などの助動詞を省く。そして、[の]の前の単語で[ショウジ]など会社名に使われる語句を含む単語は相手の所属を示すものと予測する。また、[ショウジ] などの語句は[商事]と漢字を予測することもできる。更に、[の] と[です]で挟まれた単語は相手の名前を示すものと予測できる。
【0088】
このように、発話音声は、自身を名乗るために構成された数種類の定型文であると予測でき、そこから相手を特定する情報を抽出することができる。尚、前述の抽出方法は基本的な例であり、相手特定情報抽出部209には、いくつかの定型文と語句、抽出アルゴリズムを備え、もっとも相手特定情報である確率の高い抽出結果を選択する。
【0089】
図7に戻って説明する。
【0090】
相手特定情報抽出部209は、抽出した相手特定情報を発着信履歴機能部204と電話帳編集データ生成転送部210に引き渡す。
【0091】
これを受けた電話帳編集データ生成転送部210は、電話機能部202から相手電話番号を取得する。更に、通信インタフェース201を介してインターネットにアクセスして、相手特定情報の所属から会社のホームページを検索したり、相手電話番号から住所を検索する(ステップ310)。
【0092】
尚、会社のホームページを検索する場合は、インターネット上のポータルサイトにアクセスする。また、住所を検索する場合、電話番号から住所を検索するインターネット上のサービスにアクセスする。
【0093】
そして、電話帳編集データ生成転送部210は、相手電話番号と相手特定情報とインターネットを検索して得た情報(ヒットしたホームページのURLや住所)により電話帳編集データを生成する(ステップ311)。尚、相手特定情報とインターネットを検索して得た情報には、候補となる複数の情報があってもよい。
【0094】
ここで、電話帳編集データを、図8を使って説明する。
【0095】
図8は、電話帳編集データの一例を示した図である。
【0096】
図の3000は、1件毎の電話帳編集データである。
【0097】
図の3001は、相手特定情報であり、所属候補と名前候補とからなる。尚、このデータを使って電話端末2もしくは他の機器で電話帳の編集を行う編集者が、漢字への変換などを行い電話帳情報として確定させる。
【0098】
図の3002は電話番号であり、発着信イベントで取得した相手電話番号が一つのデータとして提供される。尚、発着信イベントで取得した相手電話番号以外の電話番号は、編集者が入力して電話帳情報として確定させる。
【0099】
図の3003は、インターネットにアクセスして得た情報であり、これも編集者が確認して電話帳情報として確定させる。この情報は複数候補あっても良く、編集者が関連する情報であると判断して確定させる。
【0100】
図7に戻って説明する。
【0101】
電話帳編集データ生成転送部210は、生成した電話帳編集データを、電話帳機能部203もしくは通信インタフェース部201を介して、電話網またはLANまたはインターネット上の他の機器に転送する(ステップ312)。ここで、他の機器とは、パソコンや電話帳共有サーバや電話交換機であり、予め転送先のアドレスが電話帳編集データ生成転送部210に設定されているものとする。また、電話帳機能部203に転送する設定がなされている場合、電話帳機能部203は、電話端末2のユーザによる電話帳機能の起動を検出すると電話帳編集データを自動表示する。
【0102】
一方、ステップ311で相手特定情報を引き渡された発着信履歴機能部204は、発着信履歴情報を生成するための相手情報に、相手電話番号と相手特定情報を指定し、ステップ306の処理を行い本フローを終了する。
【0103】
ここで、図7のステップ306で生成・保存される発着信履歴情報について、図9を使って説明する。
【0104】
図9は、発着信履歴機能部204が生成・保存して管理する発着信履歴情報の例を模式的に示した図である。
【0105】
レコード4000とフィールド4001〜4008は、第一実施の形態の図3のレコード1000とフィールド1001〜1008と同じであり、説明は省略する。
【0106】
フィールド4010は、フィールド4007の相手特定情報が、発話音声から得た情報で有るか否かをレ点で示している。
【0107】
図では、フィールド4001の履歴番号が003と005のレコード4000のフィールド4010にレ点が示されており、このレコードのフィールド4007の記録内容が発話音声から得た情報であることを示している。
【0108】
次に、図10を使って発着信履歴画面について説明する。
【0109】
図10の5000は、図9で例示した発着信履歴情報をもとに発着信機能部204が生成し、マンマシンインタフェース部200のLCDに表示する発着信履歴画面の一例である。
【0110】
5001は、図9のレコード4000に対応し、その一部を用いて生成された表示用発着信履歴情報であり、年月日時刻の新しい履歴から順に表示されている。
【0111】
図では、5001aと5001bにより、この相手特定情報が発話音声から得た情報であることを示している。この表示用発着信履歴情報は、図9のフィールド4001の発着信履歴番号003と005のレコード4000に該当する発着信履歴情報である。
【0112】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。
【0113】
本実施の形態に係る電話端末2は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の最初に発する発話音声を所定の期間抽出して、音声認識技術を使ってテキストに変換する。そして、変換したテキストから相手の所属や名前などの相手特定情報を抽出し、発着信履歴情報に反映させる。
【0114】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手に対する発着信履歴であっても、その発着信履歴に、相手の所属や名前が含まれる可能性の高い発話音声から抽出したテキストにより、相手を特定することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係る電話端末2は、相手電話番号と相手特定情報を含む電話帳編集データを生成し、自端末の電話帳機能に転送したり、LANやインターネットに接続されているPCやサーバに自動転送する。
【0116】
したがって、電話端末2または電話帳情報を編集したり共有したりするためのPCやサーバで、新たに登録する電話帳情報の編集作業を容易にできる。また、本実施の形態に係る電話端末2は、インターネットにアクセスして、相手電話番号や相手特定情報に関連する新たな情報を取得して電話帳編集データに反映する。したがって、更に詳しい相手の情報を電話帳情報に登録する作業を容易にできる。尚、上記新たな情報を得るためにインターネットに限らず専用で設置されている情報収集用のサーバにアクセスしても良い。
【0117】
<第三実施の形態>
次に、本発明の第三実施の形態として、発着信時に相手電話番号が電話帳情報に登録されていない場合に、通話中に受信する相手の音声や顔画像と、電話帳情報に関連付けて保存されている声紋情報や顔情報などの生体情報を検索して、一致する生体情報が登録されている場合に、それに関連する既存の電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加できる電話端末を説明する。
【0118】
図11は、本実施の形態に係る電話端末3の概略機能構成図である。
【0119】
図示するように、本実施の形態に係る電話端末3は、マンマシンインタフェース部300と、通信インタフェース部301と、電話機能部302と、電話帳機能部303と、発着信履歴機能部304と、 生体情報取得保存部311と、生体情報比較部312と、電話番号追加処理部313と、を有する。
【0120】
尚、マンマシンインタフェース部300、通信インタフェース部301、電話機能部302は、第一実施の形態の図1の100、101、102と同じであり説明は省略する。
【0121】
電話帳機能部303は、第一実施形態の図1の電話帳機能部103で説明した機能の他、後述の電話番号追加処理部313からの指示により、既存の電話帳情報に自動的に二つ目以降の電話番号を追加する。
【0122】
発着信履歴機能部304は、第一実施形態の図1の発着信履歴機能部104で説明した機能の他、発着信イベントに対し、後述の生体情報取得保存部311に当該発着信イベントで取得可能な生体情報の取得と保存を指示する。また、発着信履歴機能部304は後述する生体情報比較部312に、当該発着信イベントで取得可能な生体情報と生体情報取得保存部311で保存済みの生体情報との比較を指示する。この動作は図12で説明する。
【0123】
生体情報取得保存部311は、発着信履歴機能部304の指示に従い通話相手の音声から声紋情報を取得したり、テレビ電話の場合には顔画像から顔情報(特徴情報)を取得して電話帳情報の番号と関連付けて保存する。
【0124】
生体情報比較部312は、発着信イベントで受信する音声や顔画像から得られる生体情報と、生体情報取得保存部311で既に保存されている生体情報を比較し、一致する生体情報があるか否か、および一致した場合に関連する電話帳情報の番号を発着信履歴機能部304に通知する。
【0125】
電話番号追加処理部313は、発着信履歴機能部304からの通知により、発着信イベントで取得した相手電話番号と、当該発着信イベントで得た相手の生体情報と一致する生体情報取得保存部311で保存済みの生体情報に関連付けられている電話帳情報の番号を取得し、その電話帳情報の番号に該当する電話帳情報に当該相手電話番号を加える処理を電話帳機能部303に対して行う。
【0126】
図12は、本実施の形態に係る電話端末3の、発着信相手の生体情報を取得して電話帳情報と関連付けて保存する処理、および生体情報を比較して既存の電話帳情報に発着信相手の電話番号を追加する機能を説明するためのフロー図である。 このフローは、電話端末3がユーザからの発信操作または相手端末からの着信を受け付けることで開始される。
【0127】
まず、発着信履歴機能部304は、電話機能部302から通知を受けた発着信イベントに対し履歴番号を通し番号にて付与する(ステップ400)。
【0128】
次に、発着信履歴機能部304は、電話機能部302から相手電話番号を取得する(ステップ401)。尚、発信の場合の相手電話番号は電話端末3のユーザが入力または指定した番号であり、着信の場合は、電話網から通知された発信者番号である。
【0129】
そして、相手電話番号を取得した発着信履歴機能部304は、取得した相手電話番号が関連付けされている電話帳機能部303の電話帳情報を検索し(ステップ402)、電話帳機能部303に相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されているか否かを判定する(ステップ403)。
【0130】
ここで、発着信履歴機能部304は、相手電話番号に関連付けられた電話帳情報が登録されている場合(ステップ403でYES)、その電話帳情報の中から、相手特定情報を抽出する(ステップ404)。
【0131】
更に、発着信履歴機能部304は、発着信履歴情報を生成するための相手情報として、ステップ401で取得した相手電話番号と、ステップ402で得た電話帳情報の番号と、ステップ404で抽出した相手特定情報とを指定する(ステップ405)。
【0132】
そして、発着信履歴機能部304は、ステップ405で指定された相手情報を含む発着信履歴情報を生成および保存する(ステップ406)。
【0133】
次に、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報があるか否かを判定する。
【0134】
ここで、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報がある場合(ステップ407でYES)、生体情報取得保存部311にその生体情報の取得と電話帳情報の番号に関連付けた保存を指示する。
【0135】
これを受けた生体情報取得保存部311は、電話機能部302を介して生体情報を取得し、当該発着信イベントに関連する電話帳情報の番号に関連付けて保存し(ステップ408)、本フローを終了する。
【0136】
また、発着信履歴機能部304は、生体情報取得保存部311に保存されていない生体情報種別で、当該発着信イベントで取得可能な生体情報が無い場合(ステップ407でNO)、何もせず、本フローを終了する。
【0137】
ステップ408の処理は、当該発着信イベントに関連する生体情報が一つも保存されていない場合の他、例えば当該発着信イベントよりも前に声紋情報を取得して保存済みであり、当該発着信イベントがテレビ電話であった場合、相手の顔画像から顔の特徴情報を取得して電話帳情報に関連付けた新たな生体情報として追加保存する場合にも実行される。二つ以上の生体情報を利用するのは、生体比較の精度を向上させるためである。
【0138】
一方、発着信履歴機能部304は、電話帳情報に相手電話番号が無い場合(ステップ403でNO)、生体情報比較部312に生体情報の比較を指示する。
【0139】
これを受けた生体情報比較部312は、電話機能部302から相手音声または画像を取得し、生体情報を抽出する。
【0140】
そして、生体情報比較部312は、生体情報取得保存部311で保存されている既存の生体情報と比較することで、一致する生体情報を検索する(ステップ409)。
【0141】
ここで、生体情報比較部312は、一致する生体情報を検索できた場合(ステップ410でYES)、その生体情報に関連付けられている電話帳情報の番号を特定し(ステップ411)、その電話帳情報の番号を発着信履歴機能部304に通知する。
【0142】
これを受けた発着信履歴機能部304は、電話番号追加処理部313に、電話帳情報の番号と当該発着信イベントの相手電話番号とを通知し、電話帳情報への電話番号追加指示を行う。
【0143】
これを受けた電話番号追加処理部313は電話帳機能部303に対して相手電話番号の追加処理を実行する(ステップ413)。
【0144】
そして、発着信履歴機能部304は、ステップ404以降の処理を行う。
【0145】
一方、生体情報比較部312は、一致する生体情報を検索できなかった場合(ステップ410でNO)、その旨を発着信履歴機能部304に通知する。
【0146】
それを受けた発着信履歴機能部304は、当該発着信イベントの相手電話番号を相手情報に指定して(ステップ413)、ステップ405以降の処理を行う。
【0147】
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。
【0148】
本実施の形態に係る電話端末3は、発着信相手の情報が電話帳情報に登録されていない場合に、相手の音声や顔画像が、既に登録されている電話帳と関連付けて保存されている生体情報と一致する場合に、当該発着信の相手電話番号をその電話帳情報に追加し更新する。その更新された電話帳情報が発着信履歴として関連付けられる。
【0149】
したがって、電話帳情報に登録されていない相手電話番号に対する発着信であっても、既に違う電話番号で電話帳情報へ登録済みの相手であれば、その電話帳情報を自動的に検索して相手を特定することができる。また、電話帳情報に二つ目以降の電話番号を自動的に登録できる。
【0150】
また、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0151】
例えば、図1に示す電話端末1、および図6に示す電話端末2、図11に示す電話端末3の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インタフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0152】
1:電話端末、100:マンマシンインタフェース、101:通信インタフェース部、102:電話機能部、103:電話帳機能部、104:発着信履歴機能部、105:発話音声抽出部、106:発話音声保存部、107:発話音声再生部、2:電話端末、200:マンマシンインタフェース部、201:通信インタフェース部、202:電話機能部、203:電話帳機能部、204:発着信履歴機能部、205:発話音声抽出部、208:発話音声テキスト変換部、209:相手特定情報抽出部、210:電話帳編集データ生成転送部、3:電話端末、300:マンマシンインタフェース部、301:通信インタフェース部、302:電話機能部、303:電話帳機能部、304:発着信履歴機能部、311:生体情報保存部、312:生体情報比較部、313:電話番号追加処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発着信履歴機能および電話帳機能を備えた電話端末であって、
発着信があった相手電話端末の電話番号が前記電話帳機能に登録されていない場合に、通話が開始されてから所定の期間の相手の発話した音声を録音する発話音声録音手段と、
前記発着信履歴機能に記録された前記発着信に係る履歴情報に前記録音した発話音声を関連付けて保存するまたは前記電話帳機能に発着信のあった相手電話端末の電話番号と前記録音した発話音声を新たな電話帳情報として保存する発話音声履歴保存手段と、を有し、
前記発話音声を関連付けた履歴情報が選択されるまたは前記電話帳情報が選択されると、当該発話音声を再生することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【請求項2】
請求項1に記載の電話端末であって、
前記発話音声録音手段が録音した発話音声を文字データに変換する文字データ変換手段と、
前記文字データ変換手段が変換した文字データを予め定められたアルゴリズムにより通話相手を特定するための相手特定情報を抽出する相手特定情報抽出手段と、
前記発着信履歴機能に保存された前記発着信に係る履歴情報または前記電話帳機能の電話帳情報に前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を追加する相手特定情報追加手段と、をさらに有することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【請求項3】
請求項2に記載の電話端末であって、
前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を電話帳編集データとして自電話端末に保存するまたは電話帳編集用の所定の端末に通知するまたは情報共有用サーバあるいは情報検索用サーバに通知することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【請求項1】
発着信履歴機能および電話帳機能を備えた電話端末であって、
発着信があった相手電話端末の電話番号が前記電話帳機能に登録されていない場合に、通話が開始されてから所定の期間の相手の発話した音声を録音する発話音声録音手段と、
前記発着信履歴機能に記録された前記発着信に係る履歴情報に前記録音した発話音声を関連付けて保存するまたは前記電話帳機能に発着信のあった相手電話端末の電話番号と前記録音した発話音声を新たな電話帳情報として保存する発話音声履歴保存手段と、を有し、
前記発話音声を関連付けた履歴情報が選択されるまたは前記電話帳情報が選択されると、当該発話音声を再生することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【請求項2】
請求項1に記載の電話端末であって、
前記発話音声録音手段が録音した発話音声を文字データに変換する文字データ変換手段と、
前記文字データ変換手段が変換した文字データを予め定められたアルゴリズムにより通話相手を特定するための相手特定情報を抽出する相手特定情報抽出手段と、
前記発着信履歴機能に保存された前記発着信に係る履歴情報または前記電話帳機能の電話帳情報に前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を追加する相手特定情報追加手段と、をさらに有することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【請求項3】
請求項2に記載の電話端末であって、
前記相手特定情報抽出手段が抽出した相手特定情報を電話帳編集データとして自電話端末に保存するまたは電話帳編集用の所定の端末に通知するまたは情報共有用サーバあるいは情報検索用サーバに通知することを特徴とする通話音声履歴機能つき電話端末
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−222798(P2012−222798A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90299(P2011−90299)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
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