説明

速度検出装置、移動部材搬送ユニット、及び、画像形成装置

【課題】移動部材の実速度を短時間で精度良く検出できる速度検出装置、その速度検出装置を有する移動部材搬送ユニット、及び、その移動部材搬送ユニットを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】速度検出装置50は、移動部材Eにおけるレーザ光Lが照射された箇所を撮影した画像データDを取得周期T毎に取得して、一の画像データD{N}の画像G{N}における一部分領域A1に対応する第1部分データD1を抽出し、他の画像データD{N+1}の画像G{N+1}における上記一部分領域A1の下流側にある他部分領域A2に対応する第2部分データD2を抽出し、これら第1部分データD1及び第2部分データD2に基づいて移動部材Eの実速度Vrを検出する。また、取得周期Tが、移動部材Eの目標速度Vtを上記一部分領域A1と上記他部分領域A2との相対距離Hで除した値に基づいて設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動部材の実速度を検出する速度検出装置、その速度検出装置を有する移動部材搬送ユニット、及び、その移動部材搬送ユニットを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のカラー画像形成装置は、高速化への要求に応えるため、4色(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)のトナーに対応した感光体(像担持体)を4つ並列に並べた、いわゆるタンデム方式が主流となってきている。タンデム方式では、各感光体上で現像された各色トナー画像を、最終的に紙等の記録媒体(定形の用紙、葉書、厚紙、OHPシート等)上で重ね合わせる必要があるが、その方式として、記録媒体上で直接重ね合わせる直接転写方式と、中間転写ベルトを用いて、中間転写ベルト上で各色トナー画像を重ね合わせたあとに記録媒体に一括して転写する中間転写ベルト方式の2方式がある。そして、直接転写方式では紙等の記録媒体を送る搬送ベルトを、中間転写ベルト方式では中間転写ベルトを高精度で駆動しなければ、色ずれが発生してしまう。
【0003】
上記の中間転写ベルトを高精度で駆動するために、例えば、図11に示す特許文献1に開示された画像形成装置は、像担持体上の現像画像を転写する転写ベルト830のベルト面に対してレーザ光を照射するレーザ発光装置803を備え、読み取りカメラ804により、転写ベルト830上のレーザ光が照射されている箇所のレーザ光輝点をスペックル画像のパターンとして周期的に読み取る。そして、画像形成装置は、解析制御ユニット805により、スペックル画像の解析結果に基づいて補正量を求めて、転写ベルト830の搬送方向の変位を補正していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の画像形成装置においては、図12に示すように、時刻T0で撮影した第1スペックル画像と、当該時刻T1から転写ベルト830が撮影範囲の約半分程度移動した後の時点である時刻T1で撮影した第2スペックル画像と、に対してフーリエ変換等の演算を行って得た実速度(速度ベクトル)に基づいて上記補正量を求めるところ、撮影した各スペックル画像の全体に対して演算を行っているので、上記実速度を短時間で演算することができず、そのため、補正量を求めるのに時間を要してしまうという問題があった。また、第1スペックル画像と第2スペックル画像とは約半分程度しか画像が一致していないので、これら画像の相関性が低く、そのため、補正量の精度が低いという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、移動部材の実速度を短時間で精度良く検出できる速度検出装置、その速度検出装置を有する移動部材搬送ユニット、及び、その移動部材搬送ユニットを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、移動部材の実速度を検出する速度検出装置において、前記移動部材にレーザ光を照射するレーザ光源と、前記移動部材における前記レーザ光が照射された箇所を撮影して画像データを出力する撮像センサと、前記撮像センサによって出力された前記画像データを周期的に取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段によって取得された一の前記画像データから、当該画像データの示す画像における一部分領域に対応する第1部分データを抽出する第1部分データ抽出手段と、前記画像データ取得手段によって前記一の前記画像データの直後に取得された他の前記画像データから、当該画像データの示す画像における前記一部分領域に対して前記移動部材の移動方向下流側にありかつ前記一部分領域と同一形状の他部分領域に対応する第2部分データを抽出する第2部分データ抽出手段と、前記第1部分データ及び前記第2部分データに基づいて前記移動部材の実速度を検出する速度検出手段と、前記一部分領域と前記他部分領域との相対距離を前記移動部材の目標速度で除した値に基づいて、前記画像データ取得手段で用いられる前記画像データの取得周期を生成する取得周期生成手段と、を有していることを特徴とする速度検出装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載された発明によれば、レーザ光を移動部材に照射するとともに当該移動部材におけるレーザ光が照射された箇所を撮影した画像データを取得周期毎に取得して、一の画像データから、当該画像データの示す画像における一部分領域に対応する第1部分データを抽出して、上記一の画像データの直後に取得された他の画像データから、当該画像データの示す画像における上記一部分領域に対して移動部材の移動方向下流側にありかつ上記一部分領域と同一形状の他部分領域に対応する第2部分データを抽出して、これら第1部分データ及び第2部分データに基づいて移動部材の実速度を検出するので、画像データの全体に対して演算を行うことなく、画像データの部分データのみ演算を行えば良く、そのため、演算量が減少して、移動部材の実速度を短時間で演算することができる。
【0008】
また、画像データを取得する取得周期が、上記一部分領域と上記他部分領域との相対距離を移動部材の目標速度で除した値に基づいて設定されるので、移動部材の目標速度と実速度とが一致している場合に、上記一の画像データの示す画像における上記一部分領域に対応する部分画像は、上記取得周期後に上記他部分領域に到達し、そのため、第1部分データと第2部分データとは相関性が非常に高くなり、したがって、精度良く実速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の速度検出装置及び移動部材搬送ユニットを示す構成図である。
【図2】図1の速度検出装置のレーザ光源によって移動部材上に生じるスペックルパターンの一例を示す図である。
【図3】図1の速度検出装置のエリアセンサの受光面、及び、受光面に重なる画像における一部分領域、他部分領域を説明する図である。
【図4】図1の速度検出装置の速度検出部の一実施形態を示す構成図である。
【図5】図1の速度検出装置の速度検出部において行われるサブピクセル処理を説明する図である。
【図6】図1の速度検出装置のエリアセンサの受光面、及び、受光面に重なる画像における一部分領域、他部分領域の他の構成例を説明する図である。
【図7】図1の速度検出装置における本発明に係る動作(速度検出処理)を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は、時刻T0におけるエリアセンサの受光面とスペックルパターンとの重なり状態を模式的に示す図であり、(b)は、時刻T0から取得周期経過後の時刻T1におけるエリアセンサの受光面とスペックルパターンとの重なり状態を模式的に示す図であり、(c)は、時刻T0で取得した画像データD{N}の示す画像G{N}を模式的に示す図であり、(d)は、時刻T1で取得した画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}を模式的に示す図であり、(e)は、第1部分データの示す部分画像G1を模式的に示す図であり、(f)は、第2部分データD2の示す部分画像G2を模式的に示す図であり、(g)は、相関画像データDgの示す画像Gg、その中心位置O、及び、そのピーク位置Pを模式的に示す図であり、(h)は、相関画像データの示す画像Ggについて、X軸を移動方向X、Y軸をスラスト方向Y、Z軸を輝度としたときのグラフを示す。
【図9】本発明の一実施形態の中間転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図10】本発明の一実施形態の直接転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図11】従来の画像形成装置の構成図である。
【図12】図11の画像形成装置におけるスペックル画像を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、本発明の一実施形態である速度検出装置について、図1〜図8を参照して説明する。
【0011】
この速度検出装置は、例えば、多色画像形成装置に組み込まれて、中間転写方式の画像形成装置においては中間転写ベルト、又は、直接転写方式の画像形成装置において記録媒体を転写位置に搬送する搬送ベルトなどの移動部材の実速度を検出する。
【0012】
図1に示すように、速度検出装置50は、レーザ光源51と、エリアセンサ52と、画像データ取得部61と、第1部分データ抽出部62と、第2部分データ抽出部63と、取得周期生成部64と、速度検出部70と、を有している。
【0013】
レーザ光源51は、レーザビームを出射する発光素子と、当該発光素子から出射されたレーザビームを略平行光であるレーザ光Lにするコリメートレンズと、を有している。レーザ光源51は、移動部材Eにレーザ光Lを照射する。レーザ光源51は、後述の移動部材Eの外側の表面に斜め方向からレーザ光Lを照射するように配置されている。
【0014】
この移動部材Eは、その表面もしくは内部に散乱性を有するベルト状の部材である。そのため、移動部材Eにレーザ光Lが照射されると反射光Ldとして拡散反射して、図2に一例を模式的に示すスペックルと呼ばれる斑点を含む画像(スペックルパターン)が得られる。このスペックルパターンは、移動部材Eの表面もしくは内部の凹凸形状に対応してレーザ光Lの干渉が生じることにより形成され、移動部材Eが移動すると、スペックルパターンもパターン形状を維持したまま同様に移動する。
【0015】
エリアセンサ52は、移動部材Eにおけるレーザ光Lが照射された箇所を撮影して1次元又は2次元の画像データを出力する撮像センサである。エリアセンサ52には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ、フォトダイオードアレイ等を用いることができる。エリアセンサ52は、請求項中の撮像センサの一例である。
【0016】
本実施形態において、エリアセンサ52の受光面52aは、図3に示すように、正方形の画素が、移動方向Xに16個、移動方向Xに直交するスラスト方向Yに8個並べられた、16×8画素の長方形状に形成されている。受光面52aに、上記スペックルパターンが入力されると、このスペックルパターンを16×8画素の大きさで画素毎に量子化した画像データDを出力する。この画像データDには、各画素で検知した光の強さ(輝度)の大きさを表すデータ値が、当該画像データDの示す画像G内の位置に対応したマトリックス状に格納されている。後述する第1部分データD1、第2部分データD2、及び、相関画像データDgにおいても同様である。なお、エリアセンサ52の画素数や形状などの構成、画像データに含まれるデータ値の種類は、本発明の目的に反しない限り任意である。
【0017】
ここで、エリアセンサ52の受光面52aに入力されるスペックルパターンに含まれるスペックルの最小径は、エリアセンサ52の画素ピッチ(画素サイズ)の1/2より大きいことが必要である。この理由は、エリアセンサ52の1画素に対して、少なくともスペックルが2つ以上生じないという制限から出ていることである。スペックルは対象となる移動部材E上の仮想の刻印されたマークの役目を持ち、この刻印マークであるスペックパターンの移動を検出して移動部材Eの速度を検出するところ、エリアセンサ52の1画素に対して2つ以上のスペックルが生じてしまうと、この刻印マークの2つ分の情報をまとめて加算して検出することになってしまうので、一個一個のスペックルパターンのもたらす情報量が削減されてしまい、高精度な移動検出が困難となるからである。スペックルの最小径は、画素ピッチと略同一であることが望ましい。
【0018】
本実施形態において、エリアセンサ52は、2次元の画像データを出力するものを用いている。エリアセンサ52は、その受光面52aを移動部材Eの外側の面と平行に間隔をあけて対向して設けられ、かつ、受光面52aの長手方向が移動部材Eの移動方向X(図1及び図3の右方向)と平行に配置されている。これによりエリアセンサ52には、移動部材Eで反射された反射光Ldを含む画像G(即ち、上記スペックルパターン)が入力される。そして、エリアセンサ52は、当該画像Gを示す2次元の画像データを出力する。なお、1次元の画像データを出力するエリアセンサを用いるときは、エリアセンサの長手方向を移動部材Eの移動方向Xと平行に配置する。また、本実施形態において、移動部材Eとエリアセンサ52とを直接対向させて配置しているが、これに限定されるものではなく、移動部材Eとエリアセンサ52との間にレンズを設けた構成としてもよい。
【0019】
画像データ取得部61は、エリアセンサ52が出力した画像データDを周期的に取得する。具体的には、画像データ取得部61は、後述する取得周期生成部64から入力されるクロック信号Cによって示される取得周期Tで上記画像データDを取得する。そして、画像データ取得部61は、最も新しく取得した画像データD{N+1}(N+1番目の画像データ)と、その直前に取得した画像データD{N}(N番目の画像データ)を保持する。そして、画像データ取得部61は、画像データD{N}を後述の第1部分データ抽出部62に出力し、画像データD{N+1}を第2部分データ抽出部63に出力する。
【0020】
第1部分データ抽出部62は、画像データ取得部61が出力したN番目の画像データD{N}から、当該画像データD{N}の示す画像G{N}における一部分領域A1(図3)に対応する第1部分データD1を抽出する。つまり、第1部分データD1は、一部分領域A1にある部分画像G1を示す。この一部分領域A1は、5×3画素の長方形の領域であり、エリアセンサ52の受光面52a(即ち、画像データDの示す画像G)の移動方向X上流寄りの箇所に配置されている。
【0021】
第2部分データ抽出部63は、画像データ取得部61が出力したN+1番目の画像データD{N+1}から、当該画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}における他部分領域A2(図3)に対応する第2部分データD2を抽出する。つまり、第2部分データD2は、他部分領域A2にある部分画像G2を示す。この他部分領域A2は、上記一部分領域A1と同一形状の5×3画素の長方形の領域であり、上記一部分領域A1に対して移動方向X下流側に配置されている。他部分領域A2は、一部分領域A1から移動方向X下流側に向かって10画素分移動した位置に配置されている。つまり、一部分領域A1と他部分領域A2の相対距離Hが、画素ピッチ10個分に設定されている。
【0022】
取得周期生成部64は、画像データ取得部61における画像データDの取得周期Tを生成する。具体的には、移動部材Eの目標速度をVt[mm/s]、一部分領域A1と他部分領域A2の相対距離をH[mm]、撮像倍率をi[倍]とすると、取得周期T[s]は、次の(1)式、
T = (H/i)/Vt ・・・(1)
によって算出される。
【0023】
ここで、移動部材Eとエリアセンサ52との間にレンズが設けられた構成の場合、エリアセンサ52の受光面52a上での距離は、移動部材E上での実距離に撮像倍率を乗じたものとなる。例えば、撮像倍率が2[倍]の場合、移動部材E上での距離0.01[mm]は、エリアセンサ52の受光面52a上では、その2倍の距離0.02[mm]として認識される。そのため、相対距離Hを撮像倍率iで補正する必要がある。
【0024】
取得周期生成部64は、移動部材Eの目標速度Vtを、例えば、画像形成装置の全体制御を司る上位コントローラ90などから取得するとともに、この目標速度Vtを上記相対距離Hで除して取得周期Tを算出する。そして、取得周期生成部64は、取得周期Tとなる周波数のクロック信号Cを生成して、画像データ取得部61に出力する。画像データ取得部61は、このクロック信号Cによって示される取得周期Tで画像データDを周期的に取得する。また、取得周期生成部64は、取得周期Tを後述する速度検出部70にも出力する。
【0025】
本実施形態において、例えば、移動部材Eの目標速度Vtが300[mm/s]、エリアセンサ52の撮像倍率が1.0[倍]、エリアセンサ52の画素ピッチが0.01[mm]、一部分領域A1と他部分領域A2との位置のずれ量が画素10個分、とすると、相対距離Hは、
H=0.01×10=0.1[mm]
となり、そして、上記(1)式から、取得周期Tは、
T=(0.1/1.0)/300=0.00033[s]=0.33[ms]
となる。これにより上記クロック信号Cの周波数fは、
f=1/T=300/(0.1/1.0)=3000[Hz]=3[kHz]
となる。
【0026】
また、取得周期生成部64は、上位コントローラ90からの目標速度Vtが変更されると、それに応じて取得周期Tを再計算して、新たな取得周期Tに基づきクロック信号Cを生成して画像データ取得部61に出力するとともに、新たな取得周期Tを、速度検出部70に出力する。これにより、目標速度Vtが変更された場合でも、その変化に速やかに追従して実速度を検出することができる。
【0027】
速度検出部70は、第1部分データD1及び第2部分データD2に対して相互相関演算を行うことにより得た相関画像データDgに基づいて、移動部材Eの実速度Vrを検出する。
【0028】
速度検出部70により行われる相互相関演算は以下の(2)式で表される。ここで、第1部分データをD1、第2部分データをD2、フーリエ変換をF[]、逆フーリエ変換をF-1[]、複素共役を記号*、相互相関演算を記号★とすると、
D1★D2* = F-1[F[D1]・F[D2]*] ・・・(2)
となる。
【0029】
第1部分データD1及び第2部分データD2に対して相互相関演算D1★D2*を行うと、相関画像データDgが得られる。ここで、第1部分データD1及び第2部分データD2が2次元画像データであるので、相関画像データDgについても2次元画像データとなる。また、第1部分データD1及び第2部分データD2が1次元画像データであれば、相関画像データDgについても1次元画像データとなる。
【0030】
または、相関画像データDgにおいてブロードな輝度分布が問題になる際は、位相限定相関を用いてもよい。この位相限定相関は以下の式で表される。ここで、P[]とは、複素振幅において、位相のみを取り出す(振幅は全て1にする)ことを示す。
D1★D2* = F−1[P[F[D1]]・P[F[D2]*
【0031】
このように位相限定相関を用いることで、ブロードな輝度分布の場合でも、より高精度に第1部分データD1及び第2部分データD2の位置ずれ量(相関距離J)を計算できる。
【0032】
この相関画像データDgは、第1部分データD1と第2部分データD2との相関関係を示すものであり、第1部分データD1の示す部分画像G1と第2部分データD2の示す部分画像G2との一致度合が高いほど、相関画像データDgの示す画像Ggの中心位置Oに近い位置に急峻なピーク(相関ピーク)輝度が表れて、これら部分画像G1、G2が一致すると相関画像データDgの中心位置Oとピーク位置Pとが重なる。
【0033】
そして、本実施形態においては、取得周期Tが、移動部材Eの目標速度Vtを一部分領域A1と他部分領域A2の相対距離Hで除した値に設定されているので、移動部材Eの実速度Vrと目標速度Vtとが一致していれば、一部分領域A1にある部分画像G1は、取得周期Tを経過した後に他部分領域A2に移動することになり、即ち、第1部分データD1の示す部分画像G1と第2部分データD2の示す部分画像G2とが一致する。
【0034】
つまり、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとが一致していれば、相関画像データDgの中心位置Oとピーク位置Pとが重なり、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとが異なれば、それらの差異に応じて相関画像データDgの中心位置Oとピーク位置Pとがずれる。このことから、上記相関画像データDgにおいて、当該相関画像データDgが示す画像Ggの中心位置Oから最も急峻なピーク位置Pまでの距離(相関距離J)が、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとの速度偏差ΔVを表している。
【0035】
したがって、相関画像データDgに対して最も急峻なピークを探す演算を行うことで、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとの速度偏差ΔVを算出できる。このような相互相関演算を用いた方法では、高速フーリエ変換が利用できるため、比較的少ない演算量で、かつ高精度に速度偏差ΔV、即ち、移動部材の実速度Vrを検出できる。
【0036】
この速度検出部70は、図4に示すように、第1の2次元フーリエ変換部71と、第2の2次元フーリエ変換部72と、相関画像データ生成部73と、ピーク位置探索部74と、実速度演算部75と、変換結果記憶部76と、を有している。
【0037】
第1の2次元フーリエ変換部71は、第1部分データD1についてスラスト方向Yに1次元フーリエ変換を行うフーリエ変換部71aと、フーリエ変換部71aの変換結果について移動方向Xに1次元フーリエ変換を行うフーリエ変換部71bと、を有している。つまり、この第1の2次元フーリエ変換部71は、第1部分データD1が入力されると、第1部分データD1についてスラスト方向Y及び移動方向Xに順次フーリエ変換を行い、この変換結果を後段の相関画像データ生成部73に出力する。
【0038】
第2の2次元フーリエ変換部72は、第2部分データD2についてスラスト方向Yに1次元フーリエ変換を行うフーリエ変換部72aと、フーリエ変換部72aの変換結果について移動方向Xに1次元フーリエ変換を行うフーリエ変換部72bと、フーリエ変換部72bの変換結果について複素共役を求める複素共役部72cと、を有している。つまり、この第2の2次元フーリエ変換部72は、第2部分データD2が入力されると、第2部分データD2についてスラスト方向Y及び移動方向Xに順次フーリエ変換を行い、この変換結果の複素共役を後段の相関画像データ生成部73に出力する。
【0039】
相関画像データ生成部73は、第1の2次元フーリエ変換部71から出力された第1部分データD1の2次元フーリエ変換結果と、第2の2次元フーリエ変換部72から出力された第2部分データD2の2次元フーリエ変換結果の複素共役と、を積算する積算部73aと、積算部73aでの算出結果に対して2次元逆フーリエ変換を行って相関画像データDgを生成する2次元逆フーリエ変換部73bと、を有している。つまり、この相関画像データ生成部73は、第1の2次元フーリエ変換部71による変換結果及び第2の2次元フーリエ変換部72による変換結果を積算したのち2次元逆フーリエ変換を行うことにより相関画像データを生成する。
【0040】
ピーク位置探索部74は、相関画像データ生成部73によって生成された相関画像データDgの示す画像Ggにおいて、最も急峻(立ち上がりが急)なピーク輝度(ピーク値)があるピーク位置Pを探索(検出)する。ここで、この相関画像データDgには、光の強さ(輝度)の大きさを表すデータ値が、当該画像データDgの示す画像Gg内の位置に対応したマトリックス状に格納されているところ、この位置がエリアセンサ52の画素ピッチ間隔で並べられているので、ピーク位置Pが画素ピッチ単位で検出されてしまい、そのため、ピーク位置Pの探索精度が低くなってしまう。そこで、本実施形態では、相関画像データDgについてサブピクセル処理を行って、画素ピッチ未満の位置の検出を行うことで、精度の高いピーク位置Pの検出が可能となり、精度良く実速度Vrを検出することができる(請求項6の効果)。
【0041】
具体的には、図5に示すように、X軸を、相関画像データDgの示す画像Ggにおける移動方向Xに沿う移動方向位置とし、Y軸を、画像Ggにおける輝度として、相関画像データDgのデータ値をコンピュータ上などで仮想的にプロットして、プロットした各点を滑らかに繋ぐ曲線K(図5において実線で示す)を求め、この曲線Kのピークに対応する上記移動方向位置を、ピーク位置Pとして検出する。
【0042】
または、相関画像データDgに含まれる複数のデータ値から、移動方向Xに互いに隣接するデータ値間の差分値が最も大きい(即ち、最も急峻な変化のある)1組の第1のデータ値q1及び第2のデータ値q2、及び、前記1組の第1のデータ値q1及び第2のデータ値q2のうち値の大きい方のデータ値(図5においてはq1)に対して移動方向xに隣接する第3のデータ値q3の3つのみを抽出して、これら3点を滑らかに繋ぐ曲線を求めて、この曲線から同様にしてピーク位置Pを検出してもよい。このようにすることで、サブピクセル処理の演算量を少なくして、より高速にピーク位置Pを検出できる(請求項7の効果)。勿論、サブピクセル処理は、これらに限定されるものではなく、拡大や縮小などの画像処理アルゴリズムを用いた種々の方法など、本発明の目的に反しない限り、サブピクセル処理の方法は任意である。なお、ピーク位置探索部でのサブピクセル処理は任意であって、サブピクセル処理を行わない構成であってもよい。
【0043】
実速度演算部75は、相関画像データDgの示す画像Ggの中心位置Oと、ピーク位置探索部74で検出したピーク位置Pと、の間の距離である相関距離Jを求めて、この相関距離Jに基づいて、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとの速度偏差ΔVと、実速度Vrと、を算出する。
【0044】
具体的には、移動部材Eの目標速度をVt[mm/s]、実速度をVr[mm/s]、速度偏差をΔV(=Vt−Vr)[mm/s]、取得周期をT[s]、相関距離をJ[mm]、エリアセンサ52の撮像倍率をi[倍]とすると、次の(3)式が成立し、
(Vt−Vr)×T = J/i ・・・(3)
この式から、速度偏差ΔVは、
ΔV = Vt−Vr = (J/i)/T[mm/s] ・・・(4)
となる。なお、相関距離Jについては、相関画像データDgの示す画像Gg上での距離(即ち、受光面52a上での距離)であるので、上記(1)式での相対距離Hと同様に撮像倍率iによる補正を行う。
【0045】
そして、この速度偏差ΔVを目標速度Vtに加算して、移動部材Eの実速度Vrを求める。
Vr = Vt+ΔV[mm/s] ・・・(5)
【0046】
変換結果記憶部76は、第2の2次元フーリエ変換部72において、第2部分データD2についてスラスト方向Yに1次元フーリエ変換を行うフーリエ変換部72aでの変換結果を記憶する。
【0047】
上記処理において、実速度Vrの検出に用いられた最も新しい画像データD(即ち、D{N+1})は、その次に実行される実速度Vrの検出において、最も新しい画像データDの直前に取得された画像データD(即ち、D{N})として用いられる。そして、例えば、図6に示すように、一部分領域A1と他部分領域A2との相対距離Hが、一部分領域A1の移動方向Xの長さより短く設定されている場合、一部分領域A1と他部分領域A2とが部分的に互いに重なり、この互いに重なる重複部分A3については、第1部分データD1についてのスラスト方向Yのフーリエ変換結果と、第2部分データD2についてのスラスト方向Yのフーリエ変換結果と、が等しくなる。
【0048】
そこで、第2の2次元フーリエ変換部72において行われた第2部分データD2についてのスラスト方向Yのフーリエ変換結果のうち、少なくとも重複部分A3に係る変換結果を変換結果記憶部76に一時的に記憶して、その次に実行される実速度Vrの検出において、第1の2次元フーリエ変換部71において、変換結果記憶部76に記憶された上記変換結果を読み出して再利用する。このようにすることで、演算量が減少して、移動部材の実速度をより短時間で演算することができる。
【0049】
上述した画像データ取得部61と、第1部分データ抽出部62と、第2部分データ抽出部63と、取得周期生成部64と、速度検出部70とが、それぞれ請求項中の画像データ取得手段と、第1部分データ抽出手段と、第2部分データ抽出手段と、取得周期生成手段と、速度検出手段と、の一例である。また、上述した第1の2次元フーリエ変換部71と、第2の2次元フーリエ変換部72と、相関画像データ生成部73と、ピーク位置探索部74と、実速度演算部75とが、それぞれ請求項中の第1の2次元フーリエ変換手段と、第2の2次元フーリエ変換手段と、相関画像データ生成手段と、ピーク位置探索手段と、実速度演算手段と、の一例である。
【0050】
また、上述した画像データ取得部61と、第1部分データ抽出部62と、第2部分データ抽出部63と、取得周期生成部64と、速度検出部70と、は、それぞれ独立したマイクロコンピュータや電気回路などで構成してもよく、または、1つのマイクロコンピュータなどで構成してもよく、本発明の目的に反しない限り、これらの構成は任意である。
【0051】
次に、上述した速度検出装置50における本発明に係る動作の一例について、図7のフローチャート、及び、図8の各画像の模式図、を参照して説明する。
【0052】
速度検出装置50は、レーザ光源51による移動部材Eの外側の面に対するレーザ光Lの照射を開始するとともに(S110)、エリアセンサ52による移動部材Eにおけるレーザ光Lが照射された箇所の撮影及び2次元の画像データDの出力を開始する(S120)。図8(a)に、時刻T0におけるエリアセンサ52の受光面52aとスペックルパターンとの重なり状態を示し、図8(b)に、時刻T0から取得周期T経過後の時刻T1におけるエリアセンサ52の受光面52aとスペックルパターンとの重なり状態を示す。
【0053】
また、取得周期生成部64による上記取得周期Tとなるクロック信号Cの生成及び当該クロック信号Cの出力を開始する(S130)。
【0054】
そして、画像データ取得部61によって、エリアセンサ52の出力した画像データDを取得周期Tで取得して、画像データDを取得する毎に、最も新しく取得した画像データD{N+1}を第2部分データ抽出部63に出力し、その直前に取得した画像データD{N}を第1部分データ抽出部62に出力する(S140)。図8(c)に、時刻T0で取得した画像データD{N}の示す画像G{N}を示し、図8(d)に、時刻T1で取得した画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}を示す。
【0055】
そして、第1部分データ抽出部62によって、画像データD{N}から、当該画像データD{N}の示す画像G{N}における一部分領域A1に対応する第1部分データD1を抽出して、速度検出部70に出力する(S150)。図8(e)に、第1部分データD1の示す部分画像G1を示す。
【0056】
また、第2部分データ抽出部63によって、画像データD{N+1}から、当該画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}における他部分領域A2に対応する第2部分データD2を抽出して、速度検出部70に出力する(S160)。図8(f)に、第2部分データD2の示す部分画像G2を示す。
【0057】
そして、速度検出部70によって、第1部分データD1について2次元フーリエ変換を行い、第2部分データD2について2次元フーリエ変換を行い、さらに、第1部分データD1についての変換結果と第2部分データについての変換結果の複素共役とを積算して2次元逆フーリエ変換行って、相関画像データDgを求める。そして、この相関画像データDgにおいてピーク位置Pを検出して、このピーク位置Pと、当該相関画像データDgの示す画像Ggの中心位置Oと、の相関距離Jを求める。そして、この相関距離Jを取得周期Tで除して移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとの速度偏差ΔVを算出し、この速度偏差ΔVに目標速度Vtを加えて実速度Vrを算出する(S170)。図8(g)に、相関画像データDgの示す画像Ggの中心位置Oとピーク位置Pとを示す。また、図8(h)に、相関画像データDgの示す画像Ggについて、X軸を移動方向X、Y軸をスラスト方向Y、Z軸を輝度(データ値の大きさ)としたときのグラフを示す。
【0058】
本実施形態では、移動部材Eの実速度を検出する速度検出装置50が、移動部材Eにレーザ光Lを照射するレーザ光源51と、移動部材Eにおけるレーザ光Lが照射された箇所を撮影して画像データDを出力するエリアセンサ52と、エリアセンサ52によって出力された画像データDを周期的に取得する画像データ取得部61と、画像データ取得部61によって取得された一の画像データD{N}から、当該画像データD{N}の示す画像G{N}における一部分領域A1に対応する第1部分データD1を抽出する第1部分データ抽出部62と、画像データ取得部61によって一の画像データD{N}の直後に取得された他の画像データD{N+1}から、当該画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}における一部分領域A1に対して移動部材Eの移動方向X下流側にありかつ一部分領域A1と同一形状の他部分領域A2に対応する第2部分データD2を抽出する第2部分データ抽出部63と、第1部分データD1及び前記第2部分データD2に基づいて移動部材Eの実速度Vrを検出する速度検出部70と、移動部材Eの目標速度Vtを一部分領域A1と他部分領域A2との相対距離Hで除した値に基づいて、画像データ取得部61で用いられる画像データDの取得周期Tを生成する取得周期生成部64と、を有している。
【0059】
そして、本実施形態によれば、レーザ光Lを移動部材Eに照射するとともに当該移動部材Eにおけるレーザ光Lが照射された箇所を撮影した画像データDを取得周期T毎に取得して、一の画像データD{N}から、当該画像データD{N}の示す画像G{N}における一部分領域A1に対応する第1部分データD1を抽出して、上記一の画像データD{N}の直後に取得された他の画像データD{N+1}から、当該画像データD{N+1}の示す画像G{N+1}における上記一部分領域A1に対して移動部材Eの移動方向X下流側にありかつ上記一部分領域A1と同一形状の他部分領域A2に対応する第2部分データD2を抽出して、これら第1部分データD1及び第2部分データD2に基づいて移動部材Eの実速度Vrを検出するので、画像データDの全体に対して演算を行うことなく、画像データDの部分データ(第1部分データD1、第2部分データD2)のみ演算を行えば良く、そのため、演算量が減少して、移動部材Eの実速度Vrを短時間で演算することができる(請求項1の効果)。
【0060】
また、画像データDを取得する取得周期Tが、移動部材Eの目標速度Vtを上記一部分領域A1と上記他部分領域A2との相対距離Hで除した値に基づいて設定されるので、移動部材Eの目標速度Vtと実速度Vrとが一致している場合に、上記一の画像データD{N}の示す画像G{N}における上記一部分領域A1に対応する部分画像G1は、上記取得周期T後に上記他部分領域A2に到達し、そのため、第1部分データD1と第2部分データD2とは相関性が非常に高くなり、したがって、精度良く実速度Vrを検出することができる(請求項1の効果)。
【0061】
また、相対距離Hが、エリアセンサ52の画素ピッチの整数倍に設定されているので、目標速度Vtと実速度Vrとが一致している場合において、相対距離Hが画素ピッチの整数倍でないと、一部分領域A1において1つの画素内に収まり当該1つの画素のみによって検知されたスペックルが、他部分領域A2において2つの画素をまたいでしまいこれら2つの画素によって検知されてしまうおそれがあるところ、エリアセンサ52の画素ピッチの整数倍に設定されていると、目標速度Vtと実速度Vrとが一致している場合に、一部分領域A1において1つの画素のみによって検知されたスペックルは、他部分領域A2においても同様に1つの画素のみによって検知され、そのため、さらに、精度良く実速度Vrを検出することができる(請求項2の効果)。
【0062】
また、第1部分データD1及び第2部分データD2に対して相互相関演算を行うことにより得た相関画像データDgに基づいて、移動部材Eの実速度Vrを検出するように構成されているので、第1部分データD1及び第2部分データD2は、目標速度Vtと実速度Vrとが一致しているときに相関性が非常に高くなり、そのため、相関画像データDgにおけるピーク値が非常に高くなり、さらに、精度良く実速度Vrを検出することができる(請求項3の効果)。
【0063】
また、エリアセンサ52が、2次元の画像データDを出力するように構成され、そして、速度検出部70には、第1部分データD1についてスラスト方向Y及び移動方向Xに順次フーリエ変換を行う第1の2次元フーリエ変換部71と、第2部分データD2についてスラスト方向Y及び移動方向Xに順次フーリエ変換を行う第2の2次元フーリエ変換部72と、第1の2次元フーリエ変換部71による変換結果及び第2の2次元フーリエ変換部72による変換結果(複素共役)を積算したのち2次元逆フーリエ変換を行うことにより相関画像データDgを生成する相関画像データ生成部73と、相関画像データDgの示す画像Ggにおけるピーク位置Pを探索するピーク位置探索部74と、ピーク位置Pと相関画像データDgの示す画像Ggにおける中心位置Oとの相関距離Jを取得周期Tで除した値に基づいて、移動部材Eの実速度Vrを演算する実速度演算部75と、が設けられているので、精度良く実速度Vrを検出することができる(請求項4の効果)。
【0064】
また、相対距離Hが、一部分領域A1と他部分領域A2とが部分的に重なるように設定されているときは、第1の2次元フーリエ変換部71が、直前の実速度Vrの検出において第2の2次元フーリエ変換部72により行われた第2部分データD2についてのスラスト方向Yのフーリエ変換の変換結果のうち、一部分領域A1と他部分領域A2との重複部分A3についての変換結果を再利用するように構成されているので、演算量がさらに減少して、移動部材Eの実速度Vrをより短時間で演算することができる(請求項5の効果)。
【0065】
上述した本実施形態では、第1部分データD1及び第2部分データD2に対してフーリエ変換を用いた相互相関演算を行うことにより得た相関画像データDgに基づいて、移動部材Eの実速度Vrを検出するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、第1部分データD1及び第2部分データD2に含まれる輝度について、この輝度が所定のしきい値以下の場合は「0」、当該しきい値より大きいときは「1」として2値化して、第1部分データD1及び第2部分データD2を直接比較して相関距離Jを求めるなど、本発明の目的に反しない限り、第1部分データD1及び第2部分データD2に基づいて移動部材Eの実速度Vrを検出する方法は任意である。
【0066】
<実施形態2>
以下、本発明の一実施形態である移動部材搬送ユニットについて、図1を参照して説明する。
【0067】
この移動部材搬送ユニットは、上述した速度検出装置を備えており、例えば、多色対応の画像形成装置に組み込まれて、中間転写方式の画像形成装置においては中間転写ベルト、又は、直接転写方式の画像形成装置において記録媒体を転写位置に搬送する搬送ベルトなどの移動部材を搬送(駆動)するとともに、移動部材の実速度を検出する。
【0068】
図1に示すように、移動部材搬送ユニット100は、駆動ローラR1、複数の従動ローラR2、R3(従動ローラの個数は任意)に張架された無端ベルト状の移動部材Eを図中時計回りに搬送(回転移動)するものであって、上述した速度検出装置50と、モータ81と、モータ制御部82と、を有している。
【0069】
移動部材Eは、上述したように、その表面もしくは内部に散乱性を有するベルト状の部材である。移動部材Eの表面は、面粗さが大きい方が散乱光が強くなるため望ましい。また、表面の微小な凹凸構造(面粗さの形状)は、経時的に変化しない方が望ましい。経時的に凹凸構造が劣化しなければ、スペックルパターンも変化しない。スペックルパターンが変化してしまうと、例えば、記憶しておいたスペックルパターンとの演算処理を行う際などに誤差が経時的に増大してしまう恐れがある。また、凹凸構造が磨耗して小さくなってしまうと、光散乱強度が弱くなるため、光量不足に陥る恐れがあり、そうすると検出精度が劣化してしまう恐れがある。よって、移動面の微小な凹凸構造を保護することで、経時的に速度検出精度が劣化することを抑制できる。移動部材Eの微小な凹凸構造を保護するためには、移動部材Eの表面を光透過性媒質でコーティングするのが良い。
【0070】
また、画像形成装置の中間転写ベルト等への適用を考えると、ベルト表面は平坦である方が、転写時のトナーのチリ等が抑制できるため望ましい。従って、光透過性媒質の表面の面粗さよりも、光透過性媒質の下の媒質との境界面の面粗さの方が大きくなるようにするのが良い。そうすると、ベルトの表面の平坦性を保つことができ、且つ、光透過性媒質で覆われているため、光透過性媒質の下の媒質との境界面で強い散乱光を発生させることができるため、望ましい。ベルトの最表面の面粗さを粗くしてしまうと、転写時の画質劣化が引き起こされ、望ましくない。上記のようにすることで、画質劣化を引き起こすことなく、強い散乱光を得ることができる。ここで、光透過性媒質は、光学的に完全に透明である必要はなく、少し吸収があっても良い。
【0071】
モータ81は、例えば、周知のステッピングモータなどで構成され、駆動ローラR1に回転駆動力を伝達可能に配設されている。モータ81が回転することにより駆動ローラR1が回転されて、駆動ローラR1に張架された移動部材Eも図中時計回り(移動方向X)に回転する。
【0072】
モータ制御部82は、マイクロコンピュータや電子回路などで構成されており、モータ81の回転速度等の制御を行うものである。モータ制御部82は、画像形成装置の上位コントローラ90から移動部材Eの目標速度Vtが入力されるとともに、速度検出装置50から上記速度偏差ΔV及び移動部材Eの実速度Vrが入力されて、これら入力された各種情報に基づいて、実速度Vrが目標速度Vtに近づくように、モータの回転速度をフィートバック制御する。モータ制御部82は、請求項中の速度制御装置の一例である。
【0073】
本実施形態では、移動部材Eを移動させるモータ81と、移動部材Eの実速度Vrを検出する上述の速度検出装置50と、速度検出装置50によって検出された実速度Vrに基づいてモータ81を制御するモータ制御部82と、を有している。
【0074】
そして、本実施形態によれば、上述した速度検出装置50を有しているので、移動部材Eの実速度Vrを短時間で演算することができ、また、精度良く実速度Vrを検出することができ、そのため、移動部材Eを高精度で搬送することができる(請求項8の効果)。
【0075】
<実施形態3>
以下、本発明の一実施形態である画像形成装置について、図9、図10を参照して説明する。
【0076】
図9に本発明の一実施形態の多色対応の画像形成装置(図中、符号200で示す)の基本的な構成例を示す。図中の符号1Y、1M、1C、1Kは、中間転写ベルト105に沿って並設された像担持体であり、この像担持体はドラム状の感光体である。各感光体1Y、1M、1C、1Kは図中の矢印方向に回転され、その周囲には、帯電手段である帯電器2Y、2M、2C、2K(各図では帯電ローラによる接触式のものを示しているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等を用いることもできる)、現像手段である各色の現像器4Y、4M、4C、4K、一次転写手段(転写チャージャ、転写ローラ、転写ブラシ等)6Y、6M、6C、6K、感光体クリーニング手段5Y、5M、5C、5K等が配備されている。また、図中の符号30は定着手段、40は二次転写手段、41は搬送手段を示している。
【0077】
また、画像形成装置200は、中間転写ベルト方式の多色画像形成装置であり、中間転写ベルトを搬送する上述の移動部材搬送ユニット100を有している。この移動部材搬送ユニット100において、移動部材Eとしての中間転写ベルト105は、駆動ローラR1、従動ローラR2、R3、R4に張架されており、モータ81が、この中間転写ベルト105(駆動ローラR1)を図中反時計回り(移動方向X)に回転駆動する。また、上述した速度検出装置50が、中間転写ベルト105についての上記速度偏差ΔV及び実速度Vrなどの実速度情報を検出して、モータ制御部82が、この実速度情報に基づいて中間転写ベルト105が目標速度Vtで回転するようにモータ81を制御する。図9において、モータ制御部82及び画像形成装置の上位コントローラ90は記載を省略している。
【0078】
各感光体1Y、1M、1C、1Kは帯電器2Y、2M、2C、2Kにより均一に帯電され、その後、潜像形成手段である光走査装置20により画像情報に応じて強度変調された光ビーム(例えばレーザ光)が露光され、静電潜像が形成される。
【0079】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像は、イエロー(Y)現像器4Y、マゼンタ(M)現像器4M、シアン(C)現像器4C、ブラック(K)現像器4Kによって現像され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕像化される。
【0080】
上記の現像工程で顕像化された各感光体1Y、1M、1C、1K上のトナー像は、中間転写ベルト105に順次重ね合わせて一次転写される。そして、中間転写ベルト105上で重ね合わされた各色のトナー画像は、図示しない給紙部から給紙され、図示しない搬送手段を経て二次転写手段40の位置に搬送されて来た紙等の記録媒体に一括して二次転写される。そして、トナー画像が転写された記録媒体は搬送ベルト等の搬送手段41で定着手段30に搬送され、定着手段30によりトナー画像が記録媒体に定着されることで多色画像またはフルカラー画像が得られる。そして、定着後の記録媒体は図示しない排紙部や後処理装置等に排紙される。
【0081】
また、トナー画像転写後の各感光体1Y、1M、1C、1Kはクリーニング手段5Y、5M、5C、5Kのクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーが除去される。また、トナー画像転写後の中間転写ベルト105も、図示しないベルトクリーニング手段によりクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0082】
なお、図9に示す画像形成装置200では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか1色の画像を形成する単色モード、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか2色の画像を重ねて形成する2色モード、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれか3色の画像を重ねて形成する3色モード、上記のように4色の重ね画像を形成するフルカラーモードを有し、これらのモードを図示しない操作部にて指定して実行することで単色、多色、フルカラーの画像形成が可能である。
【0083】
また、図9に示す構成の画像形成装置200は、中間転写ベルト105を用い、各感光体1Y、1M、1C、1Kから中間転写ベルト105に一次転写して各色の重ね画像を形成した後、中間転写ベルト105から紙等の記録媒体に一括して二次転写する構成の、中間転写方式の多色画像形成装置であるが、図10に示す構成の多色対応の画像形成装置(図中、符号200Aで示す)のように、中間転写ベルトの代わりに紙等の記録媒体を担持搬送する移動部材Eとしての搬送ベルト106を用い、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから紙等の記録媒体に直接転写する方式の多色画像形成装置としてもよい。この直接転写方式の画像形成装置200Aでは、図10に示すように、紙等の記録媒体の進入経路が図9とは異なっており、搬送ベルト106により記録媒体を各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送するようになっている。
【0084】
また、画像形成装置200Aは、搬送ベルト106を搬送する上述の移動部材搬送ユニット100を有している。この移動部材搬送ユニット100において、移動部材Eとしての搬送ベルト106は、駆動ローラR1、従動ローラR2に張架されており、モータ81が、この搬送ベルト106(駆動ローラR1)を図中反時計回り(移動方向X)に回転駆動する。また、上述した速度検出装置50が、搬送ベルト106についての上記速度偏差ΔV及び実速度Vrなどの実速度情報を検出して、モータ制御部82が、この実速度情報に基づいて中間転写ベルト105が目標速度Vtで回転するようにモータ81を制御する。図10において、モータ制御部82及び画像形成装置の上位コントローラ90は記載を省略している。
【0085】
図10に示す画像形成装置200Aでも上記と同様に、各感光体1Y、1M、1C、1Kは帯電器2Y、2M、2C、2Kにより均一に帯電され、その後、潜像形成手段である光走査装置20により画像情報に応じて強度変調された光ビーム(例えばレーザ光)が露光され、静電潜像が形成される。
【0086】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された静電潜像は、イエロー(Y)現像器4Y、マゼンタ(M)現像器4M、シアン(C)現像器4C、ブラック(K)現像器4Kによって現像され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕像化される。
【0087】
そして、この現像工程にタイミングを合わせて図示しない給紙部から紙等の記録媒体が給紙され、図示しない搬送手段を経て搬送ベルト106に搬送されて搬送ベルト106に担持される。搬送ベルト106に担持された記録媒体は各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送され、上記の現像工程で顕像化された各感光体1Y、1M、1C、1K上のトナー像は、転写手段6Y、6M、6C、6Kにより記録媒体に順次重ね合わせて転写される。そして、記録媒体上に転写された4色重ね合わせのトナー画像は定着手段30に搬送され、定着手段30によりトナー画像が記録媒体に定着されることで多色またはフルカラー画像が得られる。そして、定着後の記録媒体は図示しない排紙部や後処理装置等に排紙される。
【0088】
また、トナー画像転写後の各感光体1Y、1M、1C、1Kはクリーニング手段5Y、5M、5C、5Kのクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0089】
以上説明したように、画像形成装置200、200Aは、上述した移動部材搬送ユニット100を有しているので、この移動部材搬送ユニット100の速度検出装置50によって、中間転写ベルト105又は搬送ベルト106の実速度Vrを短時間で演算することができ、また、精度良く実速度Vrを検出することができ、そのため、その実速度Vr等の情報をモータ81にフィードバックすることでベルトの速度変動が略0になるように制御でき、その結果、画像の伸び縮みや色ずれが小さく抑制された高画質なカラー画像を提供することができる(請求項9の効果)。また、定着装置として用いられるベルト状部材やローラ状部材についても、上記で説明した速度検出装置50を用いて速度変動を検出し、補正することも可能である。
【0090】
さらに、上記の中間転写ベルトや搬送ベルトの速度変動の検出結果を、光走査装置20による書込開始位置を補正する書込開始位置補正手段(例えば光走査装置20内に設けた液晶偏向素子)にフィードバックすることも可能である。液晶偏向素子は、液晶に印加する電圧によって、感光体に到達する光の位置を、感光体の回転方向と平行方向にずらすことができる。ベルトの速度変動が発生すると、各色画像の重ね合わせがずれたり、各色画像自体が伸びたり縮んだりするが、液晶偏向素子を用いることで、ベルトの速度変動の補正と同様に、各色トナー画像の形成位置や画像の伸び縮みを補正できるため、結果として色ずれや画像伸び縮みのない高画質な出力画像を得ることができる。
【0091】
上述した実施形態は、画像形成装置について説明するものであったが、本発明は、これに限定されるものではなく、一方向に移動する移動部材の速度検出が必要な装置、システムなどであれば、本発明を適用することができる。
【0092】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0093】
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電器
4Y、4M、4C、4K 現像器
5Y、5M、5C、5K クリーニング手段
6Y、6M、6C、6K 転写手段
20 光走査装置
30 定着手段
40 二次転写手段
50 速度検出装置
51 レーザ光源
52 エリアセンサ(撮像センサの一例)
52a 受光面
61 画像データ取得部(画像データ取得手段の一例)
62 第1部分データ抽出部(第1部分データ抽出手段の一例)
63 第2部分データ抽出部(第2部分データ抽出手段の一例)
64 取得周期生成部(取得周期生成手段の一例)
70 速度検出部(速度検出手段の一例)
71 第1の2次元フーリエ変換部(第1の2次元フーリエ変換手段の一例)
72 第2の2次元フーリエ変換部(第2の2次元フーリエ変換手段の一例)
73 相関画像データ生成部(相関画像データ生成手段の一例)
74 ピーク位置探索部(ピーク位置探索手段の一例)
75 実速度演算部(実速度演算手段の一例)
76 変換結果記憶部(変換結果記憶手段の一例)
81 モータ
82 モータ制御部(速度制御装置の一例)
100 移動部材搬送ユニット
105 中間転写ベルト(移動部材の一例)
106 搬送ベルト(移動部材の一例)
200、200A 画像形成装置
A1 一部分領域
A2 他部分領域
A3 重複部分
C クロック信号
D 画像データ
D1 第1部分データ
D2 第2部分データ
Dg 相関画像データ
E 移動部材
G 画像データの示す画像
G1 第1部分データの示す部分画像
G2 第2部分データの示す部分画像
Gg 相関画像データの示す画像
H 相対距離
J 相関距離
L レーザ光
O 相関画像データの示す画像の中心位置
P 相関画像データの示す画像のピーク位置
T 取得周期
X 移動方向
Y スラスト方向(移動方向に直交する方向)
Vt 目標速度
Vr 実速度
ΔV 速度偏差
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開平2009−15240号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動部材の実速度を検出する速度検出装置において、
前記移動部材にレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記移動部材における前記レーザ光が照射された箇所を撮影して画像データを出力する撮像センサと、
前記撮像センサによって出力された前記画像データを周期的に取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された一の前記画像データから、当該画像データの示す画像における一部分領域に対応する第1部分データを抽出する第1部分データ抽出手段と、
前記画像データ取得手段によって前記一の前記画像データの直後に取得された他の前記画像データから、当該画像データの示す画像における前記一部分領域に対して前記移動部材の移動方向下流側にありかつ前記一部分領域と同一形状の他部分領域に対応する第2部分データを抽出する第2部分データ抽出手段と、
前記第1部分データ及び前記第2部分データに基づいて前記移動部材の実速度を検出する速度検出手段と、
前記一部分領域と前記他部分領域との相対距離を前記移動部材の目標速度で除した値に基づいて、前記画像データ取得手段で用いられる前記画像データの取得周期を生成する取得周期生成手段と、
を有していることを特徴とする速度検出装置。
【請求項2】
前記相対距離が、前記撮像センサの画素ピッチの整数倍に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の速度検出装置。
【請求項3】
前記速度検出手段が、前記第1部分データ及び前記第2部分データに対して相互相関演算を行うことにより得た相関画像データに基づいて、前記実速度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の速度検出装置。
【請求項4】
前記撮像センサが、2次元の画像データを出力するように構成され、そして、
前記速度検出手段には、
前記第1部分データについて前記移動方向に直交する方向及び前記移動方向に順次フーリエ変換を行う第1の2次元フーリエ変換手段と、
前記第2部分データについて前記移動方向に直交する方向及び前記移動方向に順次フーリエ変換を行う第2の2次元フーリエ変換手段と、
前記第1の2次元フーリエ変換手段による変換結果及び前記第2の2次元フーリエ変換手段による変換結果を積算したのち2次元逆フーリエ変換を行うことにより相関画像データを生成する相関画像データ生成手段と、
前記相関画像データの示す画像におけるピーク位置を探索するピーク位置探索手段と、
前記ピーク位置と前記相関画像データの示す画像における中心位置との相関距離を前記取得周期で除した値に基づいて、前記移動部材の実速度を演算する実速度演算手段と、が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の速度検出装置。
【請求項5】
前記相対距離が、前記一部分領域と前記他部分領域とが部分的に重なるように設定され、そして、
前記第1の2次元フーリエ変換手段が、直前の前記実速度の検出において前記第2の2次元フーリエ変換手段により行われた前記第2部分データについての前記移動方向に直交する方向のフーリエ変換の変換結果のうち、前記一部分領域と前記他部分領域とが重なる部分についての変換結果を再利用するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の速度検出装置。
【請求項6】
前記ピーク位置探索手段が、前記相関画像データについてサブピクセル処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の速度検出装置。
【請求項7】
前記ピーク位置探索手段が、前記相関画像データに含まれる複数のデータ値から、移動方向に互いに隣接するデータ値間の差分値が最も大きい1組の第1のデータ値及び第2のデータ値、並びに、前記1組の第1のデータ値及び第2のデータ値のうち値の大きい方のデータ値に対して移動方向に隣接する第3のデータ値を抽出して、これら3つのデータ値のみを用いてサブピクセル処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の速度検出装置。
【請求項8】
移動部材を移動させるモータと、前記移動部材の実速度を検出する速度検出装置と、前記速度検出装置によって検出された前記実速度に基づいて前記モータを制御する速度制御装置と、を有する移動部材搬送ユニットにおいて、
前記速度検出手段が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の速度検出装置で構成されていることを特徴とする移動部材搬送ユニット。
【請求項9】
無端ベルト状の移動部材と、前記移動部材を周回りに移動させる移動部材搬送ユニットと、を有する画像形成装置において、
前記移動部材搬送ユニットが、請求項8に記載の移動部材搬送ユニットで構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−88336(P2013−88336A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230431(P2011−230431)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)