説明

連結ファスナー

【課題】打ち込み作業の効率化を図ることができ、連結材2を廃棄処理する必要がなく、しかも低コストで製造できる。
【解決手段】合成樹脂から構成された連結材2を介して複数のファスナーを連結してなる連結ファスナーにおいて、上記連結材2には、連結される各ファスナーの軸部3aを包囲するように取り付けられた環状部4と、隣り合うファスナーを包囲する環状部4に連結する連結部5とを形成するとともに、上記連結部5はファスナー打ち込み工具による打ち込み時の打撃を受けたときに破断する程度の強度を備え、上記環状部4は軸部3aに保持される程度の強度を備え、環状部4の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧、燃料ガス等を駆動源とするファスナーの打ち込み工具に使用される連結ファスナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数のファスナーを連結した連結ファスナーの連結方式としては、平行な2本のワイヤで各ファスナーの軸部を溶接して連結するワイヤ連結方式のほかに、合成樹脂製の直状連結帯に複数のファスナーを一体的に結合連結させた直状連結方式や合成樹脂製の薄板シート状の連結帯の上下端から一定の間隔で保持片を同方向に突出し、上下保持片にファスナーを挿入して保持させた連結シート方式などが知られている。例えば合成樹脂連結方式の例として特許文献1に示すようなものが、またプラシート連結方式の例として特許文献2に示すようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−301824公報
【特許文献2】特開2000−240622公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ワイヤ連結方式の連結ファスナーは、打ち込み時にワイヤが飛散し、また合成樹脂製連結材による直状連結方式では、コイル状に巻き回すことができないとか、成形上低コストで製造することはできないなどの問題がある。
【0005】
また、連結シート方式では、打ち込み時にファスナーが連結シートから分離され、連結シートはファスナー打ち込み工具の排出穴から排出される構造となっていた。したがって、ファスナーの連結本数分の長さだけ連結シートが排出され、打ち込み工具から垂れ下がるため作業の邪魔となり、作業効率が低下していた。
【0006】
また、一連の連結釘の打ち込み終了後に排出された連結シートはごみとして廃棄しなければならないので、その処理作業が煩わしかった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消し、打ち込み作業の効率化を図ることができ、連結材を廃棄処理する必要がなく、しかも低コストで製造することができる連結ファスナーを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、合成樹脂から構成された連結材を介して複数のファスナーを連結してなる連結ファスナーにおいて、上記連結材には、連結される各ファスナーの軸部を包囲するように取り付けられた環状部と、隣り合うファスナーを包囲する環状部に連結する連結部とを形成するとともに、ファスナーがファスナー打ち込み工具による打ち込み時の打撃を受けたときに上記連結部が破断するものであって、上記環状部は、互いに間隔を空けて配置した上部環状部と下部環状部とを連結片を介して連結してなり、上記連結部は、上記上部環状部を連結した上部連結部と、上記下部環状部を連結した下部連結部と、によって構成され、上記上部連結部と上記下部連結部は隣り合う環状部の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記上部連結部と上記下部連結部は上記連結片側にオフセットされていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記オフセットされた連結部が外側に向くようにコイル状に巻かれたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記環状部の外形はファスナーの頭部と同じ程度の大きさに形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、上記連結材は、上記上部環状部、上記下部環状部、上記連結片、上記上部連結部、及び、上記下部連結部をシート状に形成したものを折り曲げて形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、合成樹脂から構成された連結材には、連結される各ファスナーの軸部を包囲するように取り付けられた環状部と、隣り合うファスナーを包囲する環状部に連結する連結部とを形成するとともに、ファスナーがファスナー打ち込み工具による打ち込み時の打撃を受けたときに上記連結部は破断するから、次位のファスナーとは分離するが、環状部はファスナーとともに被打込み材に打ち込まれるので、環状部は被打ち込み材の表面と釘の頭部との間に挟まれた状態で固定される。したがって、一連の連結釘の打ち込みが終了した時点で、連結材は釘とともに打ち出され、釘の頭部の裏側に固定されるので、連結材を廃棄処理する必要がない。よって、作業性を大きく改善することができる。また、釘打ち込み作業が進むにつれて連結材が釘打機から垂れ下がることがないので、従来の連結シートによる連結釘の打ち込み作業に比べて作業効率が格段に向上する。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、上記上部連結部と上記下部連結部は上記連結片側にオフセットされており、請求項3に係る発明によれば、上記オフセットされた連結部が外側に向くようにコイル状に巻かれているので、中心の径を小さくすることができ、全体をコンパクトにすることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、連結材の環状部は釘の頭部と同じ程度の大きさに形成されているので、釘が釘打機の打ち出し部である筒状の射出口内に送られてドライバの打撃を受けたときに、釘の軸部と足先が射出口内でぶれることなく打ち込み方向に案内することができるので、釘が正しく打ちこまれるのを確保することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、上記連結材は、上記上部環状部、上記下部環状部、上記連結片、上記上部連結部、及び、上記下部連結部をシート状に形成したものを折り曲げて形成されるので、連結材は合成樹脂製シートをプレス成形することにより簡単に製造することができ、また薄肉又は厚肉のシート1枚のみで連結できるので、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る連結釘の斜視図
【図2】連結材の展開図
【図3】環状部の一部が欠けた状態を示す斜視図
【図4】連結釘をコイル状に巻き回した状態を簡潔に示す平面図
【図5】連結釘の打込み状態を示す射出口の断面図
【図6】連結釘の別の形態を示す斜視図
【図7】環状部の一部が欠けた状態を示す斜視図
【図8】連結釘のさらに別の形態を示す斜視図
【図9】環状部の一部が欠けた状態を示す斜視図
【図10】連結釘のさらに他の形態を示す斜視図
【図11】(a)(b)は薄肉で異なる形態の連結材によって連結した状態の連結釘の斜視図
【図12】(a)(b)は厚肉で異なる形態の連結材によって連結した状態の連結釘の斜視図
【図13】連結材による他の連結形態を示す側面図
【図14】(a)(b)は連結釘の別の連結形態の側面図
【図15】(a)(b)は連結釘のさらに他の連結形態の側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の連結ファスナーの実施形態を連結釘について説明する。
【0019】
図1において、符号1は連結釘を示す。この連結釘1は、ポリプロピレン等の合成樹脂から構成された連結材2を介して複数の釘を連結してなるもので、上記連結材2には、連結される各釘3の軸部3aを包囲するように取り付けられた環状部4と隣り合う環状部4を連結する連結部5とが形成されている。なお、連結材2は複数の釘3を連結するものであるが、ここでは2本の釘3の連結態様のみを示す。
【0020】
上記環状部4は上部環状部4aと下部環状部4bとを連結片4cを介して連結してなり、環状部4の外形は円形で、釘3の頭部と同じ程度の大きさに形成されている。
【0021】
連結部5は上記上部環状部4aと下部環状部4bとをそれぞれ連結した上部連結部5aと下部連結部5bによって構成されている。上部環状部4aと下部環状部4bは上記軸部3aに嵌挿されている。
【0022】
ところで、上記連結部5はファスナー打ち込み工具による打ち込み時の打撃を受けたときに破断する程度の強度を備え、上記環状部4は軸部3aに保持される程度の強度を備えているものとする。ただし、上部環状部4aと下部環状部4bとが連結片4cを介して一体的に結合した状態で上記の程度の強度を備えていればよい。
【0023】
上記上部連結部5aと下部連結部5bは隣り合う環状部4の中心を結ぶ線から一側にずれてオフセットされた位置に形成されている。
【0024】
なお、上記連結材2は図2に示す合成樹脂製シートaをプレスで成形したものを折り曲げて組み立てることができる。
【0025】
また、上記環状部4は、釘3の軸部3aの全周を包囲するように形成されている必要はない。例えば、図3に示されるように、一部6が切り欠かれた構成であってもよい。
【0026】
次に、上記構成の連結釘1は、通常のワイヤ連結方式の連結釘と同様にコイル状に巻き回された状態で包装される。巻き回し時には図2に示されるように、上部連結部5aと下部連結部5bは、隣り合う上部環状部4aと下部環状部4bの中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されているから、オフセットされた側をコイルの外側に向くように巻くと、中心の巻き径が小さくなるように巻くことができるので、全体をコンパクトにすることができる。したがって、この連結釘1を使用する釘打機のマガジンも小さくすることができる。
【0027】
コイル状に巻かれた連結釘1は円筒状のマガジン(図示せず)に装填される。マガジンに装填された連結釘1は、先頭の釘3から順次釘打機の射出口に送り込まれ、図5に示されるように、打撃機構によって駆動されたドライバ9によって打ち出される。この釘打ち込みの際、連結材2の環状部4a、4bは軸部3aから外れず、軸部3aに保持される程度の強度を備え、また連結部5a、5bは打ち込み時に破断する程度の強度を備えているから、環状部4は軸部3aに保持されたまま、連結部5は破断して次位の釘3の連結材2から分離される。このため、環状部4は被打ち込み材の表面と釘3の頭部との間に挟まれた状態で固定される。次の釘3の打ち込みも同様にして行われる。したがって、釘打ち込み作業が進むにつれて連結材2が釘打機から垂れ下がることがないので、従来の連結シートによる連結釘1の打ち込み作業に比べて作業効率が格段に向上する。
【0028】
なお、連結材2の環状部4は釘3の頭部3bと同じ程度の大きさの円形に形成されているので、釘3が筒状の射出口10内に送られてドライバ9の打撃を受けたときに、釘3の軸部3aと足先が射出口内でぶれることなく打ち込み方向に案内することができるので、釘3が正しく打ちこまれるのを確保することができる。なお、環状部4の形状は円形に限定されない。例えば、歯車状に形成されていてもよい。
【0029】
したがって、上記構成によれば、一連の連結釘1の打ち込みが終了した時点で、連結材2は釘3とともに打ち出され、釘3の頭部3bの裏側に固定されるので、連結材2を廃棄処理する必要がない。よって、作業性を大きく改善することができる。
【0030】
上記連結材2は合成樹脂製シートをプレス成形することにより簡単に製造することができ、またシート1枚のみで連結できるので、コストダウンを図ることができる。
【0031】
なお、連結釘の実施形態は上述のものに限定されない。以下に各種の形態の連結釘について説明する。
【0032】
図6の連結釘1は、合成樹脂製連結材2の環状部4が厚肉で、釘3の頭部3bと同じ程度の大きさに形成されている。連結部5は薄肉に形成されている。
【0033】
連結部5は薄肉で環状部4に対応する幅を有しているが、打ち込み時に破断する程度の強度となるように中央部に開口部7が形成されている。また、連結部5は隣り合う環状部4の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されている。
【0034】
この場合も、環状部4は釘3の軸部3aの全周を包囲するように形成されている必要はない。図7に示されるように、一部6が切り欠かれた構成であってもよい。
【0035】
上記構成の連結釘1によれば、連結材2の環状部4は打ち込み時に軸部3aから外れず、軸部3aに保持される程度の強度を備え、また連結部5は打ち込み時に破断する程度の強度を備えているから、環状部4は軸部3aに保持されたまま、連結部5は破断して次位の釘3の連結材2から分離される。したがって、釘打ち込み作業が進むにつれて連結材2が釘打機から垂れ下がることがないので、作業効率が格段に向上する。また、連結釘1の打ち込みが終了した時点で、連結材2は釘3とともに打ち出され、釘3の頭部3bの裏側に固定されるので、連結材2を廃棄処理する必要がない。したがって、作業性を格段に改善することができる。
【0036】
しかも、環状部4は厚肉で変形しにくいため、釘3が打ち出されるときにより確実に釘3の軸部3aを打ち込み方向に案内することができる。連結部5は隣り合う環状部4の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されているから、全体をコンパクトにすることができる。
【0037】
また、上記連結材2は肉厚の合成樹脂製シートをプレス成形し、開口部7を形成することにより簡単に製造することができ、またシート1枚のみで連結できるので、コストダウンを図ることができる。
【0038】
さらに、連結材2の環状部4は釘3の頭部3bと同じ程度の大きさの円形に形成されているので、釘打ち込み時に釘3の軸部3aと足先を打ち込み方向に案内することができる。
【0039】
次に、図8に示す連結釘1は、1本の釘軸部3aに、連結部なしのガイド筒8と連結部5付きの環状部4を有する合成樹脂製連結材2とを設けたもので、ガイド筒8は打ち込み時の釘3の軸部3aと足先を案内するものである。ガイド筒8と連結材2とは重合配置されている。
【0040】
連結材2は複数の環状部4を連結部5を介して連結したもので、環状部4も連結部5も薄肉に形成され、連結部5は隣り合う環状部4の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されている。
【0041】
この場合も、ガイド筒8と環状部4は釘3の頭部3bと同じ程度の大きさに形成されている。また、環状部4は釘3の軸部3aの全周を包囲するように形成されている必要はない。図9に示されるように、一部6が切り欠かれた構成であってもよい。歯車状に形成されていてもよい。さらに、釘打機による打ち込み時の打撃を受けたとき、上記環状部4は軸部3aに保持され、上記連結部5は破断する程度の強度を備えているものとする。
【0042】
上記構成の連結釘1によれば、2本の釘3を連結する連結部5は1個所のみであるから、曲がりやすく、全体をコンパクトに巻き回すことができる。連結部5がオフセットされた位置に形成されているのでなおさらである。
【0043】
各釘3にはガイド筒8と環状部4とが形成されているので、釘打ち込み時に釘3の軸部3aと足先をより確実に打ち込み方向に案内することができる。
【0044】
連結材2は薄いシート材をプレス成形することによって安価に製造することができる。
【0045】
釘打ち込み時の連結材2の垂れ下がりや、打ち込み終了後の廃棄が不要となることなども上述の形態と同様である。
【0046】
ところで、図10に示されるように、連結部5は隣り合う環状部4の中心を結ぶ線上に配置してもよい。
【0047】
この構成によれば、特に縦型マガジンに装填された連結釘1を釘打機の射出口に導く場合、縦型マガジンから連結釘1の始端部を引き出して90度捻った後に釘打機の射出口に案内してやる必要があるが、上記連結釘1において隣り合う釘3の連結部5は1個所であるから、容易に捻り曲げることができる。したがって、縦型マガジンのレイアウト上の制約は小さく、工具もコンパクトにすることができる。これに対し、例えば複数の連結釘を2個の連結材によって連結する構成では、連結部が2個になるので捻り曲げにくいから、レイアウト上の制約が大きくなり工具自体が大きくなってしまう。
【0048】
なお、打ち込み作業が終了した時点で数本から10本程度の釘3が残ってしまった場合には、残留連結釘1をいったん釘打機から取り出しておき、翌日の釘打ち込み作業が開始される直前に、取り出しておいた連結釘1を再びノーズ部に装着するのであるが、このような残留連結釘1はもはやコイル状にはなっていないので、工具に装填する場合、連結釘1の連結部5がオフセット位置に設けられているときは、表裏が同じではないから、どちらから装填すべきかに注意する必要がある。しかし、図10のように連結部5が隣り合う環状部4の中心を結ぶ線上に配置されている連結釘1の場合は、表裏が同じであり、どちらの端部から先に装填してもよいので、作業が簡単である。
【0049】
もちろん、図1、図3、図6、図7の形態においても、同様に連結部を隣り合う環状部4の中心を結ぶ線上に配置するようにしてもよい。
【0050】
1本の釘軸部3aに、連結部5なしのガイド筒8と連結部5付きの環状部4を有する合成樹脂製連結材2とを設けたものの形態は上述のものに限定されない。例えば、長軸の釘3の場合は、図11(a)に示されるように、釘3の頭部3bの近くにガイド筒8を嵌合固定し、軸部3aの中間部に図8のものと同じ連結材2で連結してもよい。
【0051】
この場合も、ガイド筒8と環状部4は釘3の頭部3bと同じ程度の大きさに形成されている。また、環状部4は釘3の軸部3aの全周を包囲するように形成されている必要はない。一部が切り欠かれた構成であってもよく、歯車状に形成されていてもよい。さらに、釘打機による打ち込み時の打撃を受けたとき、上記環状部4は軸部3aに保持され、上記連結部5は破断する程度の強度を備えているものとする。
【0052】
上記構成の連結釘1によれば、2本の釘3を連結する連結部5は1個所のみであるから、曲がりやすく、全体をコンパクトに巻き回すことができる。連結部5がオフセットされた位置に形成されているのでなおさらである。
【0053】
各釘3にはガイド筒8と環状部4とが形成され、しかも互いに離間して配置されているので、釘打ち込み時に釘3釘3の軸部3aと足先をより確実に打ち込み方向に案内することができる。
【0054】
ガイド筒8はチューブ状の長尺部材を切断して成形でき、連結材2は薄いシート材をプレス成形すればよいので、低コストで製造することができる。
【0055】
釘打ち込み時の連結材2の垂れ下がりや、打ち込み終了後の廃棄が不要となることなども上述の形態と同様である。
【0056】
ところで、図11(b)に示されるように、連結部5は隣り合う環状部4の中心を結ぶ線上に配置してもよい。この構成によれば、一部しか残っていない連結釘1をマガジンに装填するときに、表裏が同じであり、どちらの端部から先に装填してもよいので、作業が簡単である。
【0057】
なお、連結材2は図12(a)(b)のように肉厚に形成してもよい。
【0058】
また、図11及び図12の形態においても、環状部4は、一部が切り欠かれた構成であってもよく、歯車状に形成されていてもよい。
【0059】
なお、上述の全ての形態において、連結部にはノッチを形成して薄肉にし、破断されやすくしてもよい。
【0060】
また、上述の形態は連結釘であるが、連結ネジ等のファスナーにも適用することができる。
【0061】
以上に加え、ガイド筒と連結材との配置態様についても上述の形態に限定されない。例えば、図13に示すように、ガイド筒8を挟んでその上下に連結材2を配する構成であってもよい。連結材2は同図のようにガイド筒8と離間していてもよいが、重合するように配置してもよい。また、ガイド筒8の厚みは、連結材2と同じ厚みでよいし薄くてもよい。
【0062】
また、図14(a)に示されるように、ガイド筒8の上部に2個(それ以上でもよい)の連結材2を配置する構成でも、あるいは同図(b)に示されるように、ガイド筒8の下部に2個(それ以上でもよい)の連結材2を配置する構成であってもよい。これらの場合も、図15(a)(b)に示されるように、連結材2はガイド筒8から離れていてもよく、あるいは図示はしないが、一方の連結材2のみをガイド筒8に重合させたり、2個の連結材2を重合した状態でガイド筒8から離間させたりする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 連結釘
2 連結材
3 釘(ファスナー)
4 環状部
5 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂から構成された連結材を介して複数のファスナーを連結してなる連結ファスナーにおいて、上記連結材には、連結される各ファスナーの軸部を包囲するように取り付けられた環状部と、隣り合うファスナーを包囲する環状部に連結する連結部とを形成するとともに、ファスナーがファスナー打ち込み工具による打ち込み時の打撃を受けたときに上記連結部が破断するものであって、
上記環状部は、互いに間隔を空けて配置した上部環状部と下部環状部とを連結片を介して連結してなり、
上記連結部は、上記上部環状部を連結した上部連結部と、上記下部環状部を連結した下部連結部と、によって構成され、
上記上部連結部と上記下部連結部は隣り合う環状部の中心を結ぶ線からオフセットされた位置に形成されていることを特徴とする連結ファスナー。
【請求項2】
上記上部連結部と上記下部連結部は上記連結片側にオフセットされていることを特徴とする、請求項1に記載の連結ファスナー。
【請求項3】
上記オフセットされた連結部が外側に向くようにコイル状に巻かれたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の連結ファスナー。
【請求項4】
上記環状部の外形はファスナーの頭部と同じ程度の大きさに形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の連結ファスナー。
【請求項5】
上記連結材は、上記上部環状部、上記下部環状部、上記連結片、上記上部連結部、及び、上記下部連結部をシート状に形成したものを折り曲げて形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の連結ファスナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−197947(P2012−197947A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162471(P2012−162471)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2009−73560(P2009−73560)の分割
【原出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)