説明

連結用チューブおよびティートカップユニット

【課題】真空圧導入用ニップルに対する装着部位における傷付きや破断を好適に回避し得る連結用チューブを提供する。
【解決手段】弾性材料によって管状に形成されて、ミルククロー11に設けられた真空圧供給用ニップル23と、ティートカップシェル31に設けられた真空圧導入用ニップル35とを相互に連結する連結用チューブ10であって、連結用チューブ10の内側に真空圧導入用ニップル35を挿入するようにして真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10を装着した状態において真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置する部位に、真空圧導入用ニップル35に装着する側の端部(ティートカップ側端部42)の内径よりも大きな内径のティートカップ側大径部42aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルククローに設けられた真空圧供給用ニップルとティートカップシェルに設けられた真空圧導入用ニップルとを相互に連結する連結用チューブ、およびミルククローとティートカップシェルとが連結用チューブによって相互に連結されたティートカップユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人は、ミルククローおよびティートカップを備えて構成されたティートカップユニットを有する搾乳機を特開2004−298143号公報に開示している。この搾乳機は、いわゆる真空2系統式の搾乳機であって、上記のミルククローが真空ラインおよびミルクラインに対して別個独立した配管を介して接続されている。また、この搾乳機では、ミルククローからティートカップに真空圧を供給するための配管接続口(以下、「真空圧供給用ニップル」ともいう)と、ティートカップに真空圧を導入するための配管接続口(以下、真空圧導入用ニップル」ともいう)とが真空配管(以下、「連結用チューブ」ともいう)によって相互に連結されると共に、ティートカップにおけるティートカップライナーがミルククローにおけるミルクの導入口に接続されて上記のティートカップユニットが構成されている。この場合、この種の搾乳機(ティートカップユニット)では、ミルククローに対する各ティートカップの位置を乳牛の各乳房(乳頭)の位置に応じて自由に変更することができるように、上記の連結用チューブが、ティートカップライナーと同様にしてゴム等の弾性材料で形成されている。
【0003】
この搾乳機による搾乳時には、各ティートカップを乳牛の乳房にそれぞれ装着する。この際に、各ティートカップライナー内にミルククローを介して低真空圧が供給された状態において、真空ラインからの真空圧がパルセータを介してミルククローに供給されることにより、パルセータからの真空圧(脈動圧)が連結用チューブを介して各ティートカップに供給される。これにより、各ティートカップにおいてマッサージおよび搾乳が交互に行われて、ティートカップライナー内に吐出されたミルクがミルククローを介してミルクラインに液送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−298143号公報(第4−5頁、第1−7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、出願人が開示しているティートカップユニット、およびその連結用チューブには、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示しているティートカップユニットでは、ゴム等の弾性材料で形成された連結用チューブによってミルククローの真空圧供給用ニップルとティートカップの真空圧導入用ニップルとを相互に連結する構成が採用されている。この場合、出願人が開示しているティートカップユニットでは、真空圧導入用ニップルや真空圧供給用ニップルからの連結用チューブの抜けを防止するために、非装着状態における内径が、真空圧導入用ニップルや真空圧供給用ニップルの外径よりもやや小径の連結用チューブ(各ニップルに装着した際に、縮径方向に復帰しようとする力が生じる連結用チューブ)が採用されている。
【0006】
したがって、図13に示すように、例えば真空圧導入用ニップル35xに連結用チューブ10xを装着した状態においては、真空圧導入用ニップル35xにおける先端部35axの角部が連結用チューブ10xの内面に対して常時押し付けられた状態となっている。以下、出願人が開示している搾乳機に関する構成要素については、符号の末尾に「x」を付して説明する。また、図14に示すように、例えば搾乳時に各ティートカップの位置をミルククローに対して変化させることで連結用チューブ10xを曲げようとする力が加えられたときには、真空圧導入用ニップル35xにおける先端部35axの角部が連結用チューブ10xの内面(同図に矢印Xで示す部位)に対して一層強く押し付けられることとなる。このため、連結用チューブ10xの内面において真空圧導入用ニップル35xにおける先端部35axの角部が押し付けられている部位に対して極所的にストレスが加わる結果、長期間に亘って使用するうちに、ストレスが加わっていた部位において連結用チューブ10xに傷付きが生じ、最悪の場合には破断を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、真空圧導入用ニップルに対する装着部位における傷付きや破断を好適に回避し得る連結用チューブ、およびそのような連結用チューブを備えたティートカップユニットを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の連結用チューブは、弾性材料によって管状に形成されて、ミルククローに設けられた真空圧供給用ニップルと、ティートカップシェルに設けられた真空圧導入用ニップルとを相互に連結する連結用チューブであって、当該連結用チューブの内側に前記真空圧導入用ニップルを挿入するようにして当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブを装着した状態において当該真空圧導入用ニップルの先端部が位置する部位に、当該真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のティートカップ側大径部が設けられている。
【0009】
また、請求項2記載の連結用チューブは、請求項1記載の連結用チューブにおいて、前記ティートカップ側大径部は、前記真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の厚みよりも薄厚に形成されている。
【0010】
さらに、請求項3記載の連結用チューブは、請求項1または2記載の連結用チューブにおいて、前記ティートカップ側大径部は、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている。
【0011】
また、請求項4記載の連結用チューブは、請求項1から3のいずれかに記載の連結用チューブにおいて、当該連結用チューブの内側に前記真空圧供給用ニップルを挿入するようにして当該真空圧供給用ニップルに当該連結用チューブを装着した状態において当該真空圧供給用ニップルの先端部が位置する部位に、当該真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のミルククロー側大径部が設けられている。
【0012】
さらに、請求項5記載の連結用チューブは、請求項4記載の連結用チューブにおいて、前記ミルククロー側大径部は、前記真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の厚みよりも薄厚に形成されている。
【0013】
また、請求項6記載の連結用チューブは、請求項4または5記載の連結用チューブにおいて、前記ミルククロー側大径部は、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている。
【0014】
また、請求項7記載のティートカップユニットは、請求項1から3のいずれかに記載の連結用チューブと、前記ミルククローと、前記ティートカップシェル内にティートカップライナーが装着されたティートカップとを備え、前記連結用チューブにおける前記ティートカップ側大径部内に前記真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブが装着されている。
【0015】
また、請求項8記載のティートカップユニットは、請求項4から6のいずれかに記載の連結用チューブと、前記ミルククローと、前記ティートカップシェル内にティートカップライナーが装着されたティートカップとを備え、前記連結用チューブにおける前記ティートカップ側大径部内に前記真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブが装着されると共に、前記連結用チューブにおける前記ミルククロー側大径部内に前記真空圧供給用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧供給用ニップルに当該連結用チューブが装着されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の連結用チューブでは、真空圧導入用ニップルに装着した状態において真空圧導入用ニップルの先端部が位置する部位に、真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のティートカップ側大径部が設けられている。また、請求項7記載のティートカップユニットでは、上記の連結用チューブにおけるティートカップ側大径部内に真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように真空圧導入用ニップルに連結用チューブが装着されている。
【0017】
したがって、請求項1記載の連結用チューブ、および請求項7記載のティートカップユニットによれば、連結用チューブを曲げようとする力が加わっていない状態において、真空圧導入用ニップルにおける先端部の角部が連結用チューブの内面に対して非接触の状態となり、連結用チューブを曲げようとする力が加わった状態においても、先端部の角部が連結用チューブの内面に対して非接触の状態を維持するか、または、先端部の角部が連結用チューブの内面に対して接触する際の力を十分に小さくすることができるため、連結用チューブの内面に対して極所的にストレスが加わる事態を好適に回避することができる。このため、この連結用チューブおよびティートカップユニットによれば、ストレスに起因する連結用チューブの傷付きや破断を好適に回避することができる結果、ミルククローに供給された真空圧を、連結用チューブを介して各ティートカップに好適に供給し得る状態を長期間に亘って維持することができる。
【0018】
また、請求項2記載の連結用チューブ、および請求項7記載のティートカップユニットによれば、真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の厚みよりもティートカップ側大径部の厚みを薄厚に形成したことにより、連結用チューブを変形させようとする(曲げようとする)力が加わったときにティートカップ側大径部が容易に変形するため、ティートカップ側の端部に伝搬される力を十分に減衰させることができる結果、ティートカップ側の端部に対して極所的なストレスが加わる事態を回避して、連結用チューブの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。また、ティートカップ側大径部において連結用チューブを容易に変形させることができるため、ミルククローに対するティートカップの位置、およびティートカップに対するミルククローの位置を容易に変更することができる結果、乳牛に対するティートカップの着脱作業や、ティートカップユニットのメンテナンス作業(例えば、洗浄作業)を容易に実施することができる。
【0019】
さらに、請求項3記載の連結用チューブ、および請求項7記載のティートカップユニットによれば、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状にティートカップ側大径部を形成したことにより、ティートカップ側の端部に伝搬される力を一層減衰させることができる結果、ティートカップ側の端部に対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避して、連結用チューブの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。
【0020】
また、請求項4記載の連結用チューブでは、真空圧供給用ニップルに装着した状態において真空圧供給用ニップルの先端部が位置する部位に、真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のミルククロー側大径部が設けられている。また、請求項8記載のティートカップユニットでは、上記の連結用チューブにおけるティートカップ側大径部内に真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように真空圧導入用ニップルに連結用チューブが装着されると共に、ミルククロー側大径部内に真空圧供給用ニップルの先端部が位置するように真空圧供給用ニップルに連結用チューブが装着されている。
【0021】
したがって、請求項4記載の連結用チューブ、および請求項8記載のティートカップユニットによれば、連結用チューブを曲げようとする力が加わっていない状態において、真空圧供給用ニップルにおける先端部の角部が連結用チューブの内面に対して非接触の状態となり、連結用チューブを曲げようとする力が加わった状態においても、先端部の角部が連結用チューブの内面に対して非接触の状態を維持するか、または、先端部の角部が連結用チューブの内面に対して接触する際の力を十分に小さくすることができるため、連結用チューブの内面に対して極所的にストレスが加わる事態を好適に回避することができる。このため、この連結用チューブおよびティートカップユニットによれば、ストレスに起因する連結用チューブの傷付きや破断を好適に回避することができる結果、ミルククローに供給された真空圧を、連結用チューブを介して各ティートカップに好適に供給し得る状態を長期間に亘って維持することができる。
【0022】
さらに、請求項5記載の連結用チューブ、および請求項8記載のティートカップユニットによれば、真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の厚みよりもミルククロー側大径部の厚みを薄厚に形成したことにより、連結用チューブを変形させようとする(曲げようとする)力が加わったときにミルククロー側大径部が容易に変形するため、ミルククロー側の端部に伝搬される力を十分に減衰させることができる結果、ミルククロー側の端部に対して極所的なストレスが加わる事態を回避して、連結用チューブの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。また、ミルククロー側大径部において連結用チューブを容易に変形させることができるため、ミルククローに対するティートカップの位置、およびティートカップに対するミルククローの位置を容易に変更することができる結果、乳牛に対するティートカップの着脱作業や、ティートカップユニットのメンテナンス作業(例えば、洗浄作業)を容易に実施することができる。
【0023】
また、請求項6記載の連結用チューブ、および請求項8記載のティートカップユニットによれば、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状にミルククロー側大径部を形成したことにより、ミルククロー側の端部に伝搬される力を一層減衰させることができる結果、ミルククロー側の端部に対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避して、連結用チューブの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る搾乳システム1の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る搾乳システム1におけるティートカップユニット5の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る搾乳システム1におけるティートカップユニット5の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る搾乳システム1におけるティートカップ12の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ10(10A)の真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)に対して非装着状態の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ10(10A)の真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)に対して装着状態の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ10(10A)を曲げようとする力が加わっている状態における真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)に対する連結用チューブ10(10A)の装着部位の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ50(50A)および真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ60(60A)および真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ70(70A)および真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ80(80A)および真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る連結用チューブ80(80A)を曲げようとする力が加わっている状態における真空圧導入用ニップル35(真空圧供給用ニップル23)に対する連結用チューブ80(80A)の装着部位の断面図である。
【図13】従来の連結用チューブ10xおよび真空圧導入用ニップル35xの断面図である。
【図14】従来の連結用チューブ10xを曲げようとする力が加わっている状態における真空圧導入用ニップル35xおよび連結用チューブ10xの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る連結用チューブおよびティートカップユニットの実施の形態について説明する。
【0026】
図1に示す搾乳システム1は、出願人が開示している従来の搾乳機と同様の真空2系統式の搾乳システムであって、図示しない真空圧供給源に接続された真空配管2と、図示しないミルクジャーに接続されたミルク配管3と、支持パイプ4aに吊り下げられると共にミルクインレット4bを介して真空配管2およびミルク配管3に接続された自動離脱装置4と、自動離脱装置4に接続されたティートカップユニット5とを備えて構成されている。なお、真空2系統式の搾乳システムにおける真空配管2、ミルク配管3および支持パイプ4a等の設置形態については公知のため、これらに関する詳細な説明および図示を省略する。
【0027】
自動離脱装置4は、ティートカップユニット5による搾乳処理を制御するコントローラや操作パネル等(図示せず)を備えると共に、後述するようにティートカップユニット5のミルククロー11に対して真空圧(脈動圧)を供給するパルセータ(図示せず)を内蔵している。この自動離脱装置4は、真空配管2およびミルクインレット4bを介して供給された真空圧をパルセータによって脈動圧に変換してティートカップユニット5に供給すると共に、ティートカップユニット5から液送されたミルクを、ミルクインレット4bを介してミルク配管3に液送する。ティートカップユニット5は、図2,3に示すように、ミルククロー11、および4つのティートカップ12を備えると共に、本発明に係る「連結用チューブ」の一例である連結用チューブ10を介してミルククロー11から各ティートカップ12に(脈動圧)を供給する構成が採用されている。
【0028】
ミルククロー11は、自動離脱装置4(パルセータ)から供給された真空圧を各ティートカップ12に供給すると共に、各ティートカップ12から液送されたミルクを自動離脱装置4に液送する。具体的には、ミルククロー11は、自動離脱装置4から供給された搾乳用(マッサージ用)の真空圧を導入するための真空圧導入用ニップル21,21と、自動離脱装置4から供給された調圧用の真空圧を導入するための真空圧導入用ニップル22と、導入した搾乳用(マッサージ用)の真空圧を各ティートカップ12に供給するための(連結用チューブ10を装着するための)4つの真空圧供給用ニップル23(「真空圧供給用ニップル」の一例)と、各ティートカップ12のティートカップライナー32(図4参照)を装着可能な4つのミルク導入用ニップル24と、ミルク導入用ニップル24から導入したミルクを自動離脱装置4に液送するためのミルク液送用ニップル25とが形成されて構成されている。
【0029】
ティートカップ12は、図4に示すように、ティートカップシェル31およびティートカップライナー32を備えて構成されている。この場合、ティートカップライナー32は、乳牛の乳頭が挿入される挿入口が設けられた乳頭挿入部32aと、乳頭から吐出されたミルクをミルククロー11に送乳する送乳部32bと、乳頭挿入部32aおよび送乳部32bの間に設けられて後述するように脈動させられることで乳頭をマッサージするボア部32cとがゴム等の弾性材料によって一体的に成形されている。
【0030】
この場合、ティートカップシェル31は、一例として、ステンレススチール等の金属材料によって円筒状に形成されている。このティートカップシェル31は、一方の開口部31bからティートカップライナー32の送乳部32bが引き出され、かつその内側にボア部32cを収容するようにして、開口部31aにティートカップライナー32が装着されることでティートカップ12を構成する。また、このティートカップシェル31には、ミルククロー11から断続的に供給される搾乳用(マッサージ用)の真空圧を導入することによって、ティートカップ12内を真空圧および大気圧に交互に変化させるための(連結用チューブ10を装着するための)真空圧導入用ニップル35(「真空圧導入用ニップル」の一例)が設けられている。
【0031】
この場合、ティートカップシェル31にティートカップライナー32を装着した状態においては、ティートカップシェル31とティートカップライナー32との間に、ティートカップライナー32の内側空間とは区画された外側空間(ミルククロー11からの真空圧が導入される密閉空間)が形成される。また、このティートカップ12では、後述するように、上記の密閉空間に対する真空圧の供給の有無によって、ティートカップライナー32のボア部32cを、円筒形状態(搾乳状態)、および潰れが生じた状態(マッサージ状態)に交互に変形させる構成が採用されている。
【0032】
連結用チューブ10は、ティートカップ12におけるティートカップライナー32と同様のゴム等の弾性材料によって管状に形成されている。この場合、本例のティートカップユニット5において採用している連結用チューブ10では、図5に示すように、ティートカップ12における真空圧導入用ニップル35に装着されるティートカップ側端部42(「真空圧導入用ニップルに装着する側の端部」の一例)の内径L1が、真空圧導入用ニップル35の外径Laよりもやや小径に形成されている。また、図6に示すように、この連結用チューブ10には、連結用チューブ10の内側に真空圧導入用ニップル35を挿入するようにして真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10(ティートカップ側端部42)を装着した状態において真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置する部位にティートカップ側大径部42a(「ティートカップ側大径部」の一例)が設けられている。
【0033】
この場合、この連結用チューブ10では、ティートカップ側大径部42aにおける真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置する部位の内径L2が、真空圧導入用ニップル35に対して非装着状態のティートカップ側端部42の内径L1や、真空圧導入用ニップル35に対して装着状態のティートカップ側端部42の内径(すなわち、真空圧導入用ニップル35の外径La)よりも大径となるように形成されている。また、この連結用チューブ10では、一例として、ミルククロー11における真空圧供給用ニップル23に装着されるミルククロー側端部41(図2,3参照)からティートカップ側大径部42aにかけての部位の内径L3が、真空圧導入用ニップル35に対して非装着状態のティートカップ側端部42の内径L1と同径となるように形成されている。さらに、この連結用チューブ10では、ティートカップ側大径部42aの厚みT2が、ティートカップ側端部42の厚みT1や、ミルククロー側端部41からティートカップ側大径部42aまでの間の部位の厚みT3よりも薄厚となるように形成されている。
【0034】
また、本例の連結用チューブ10では、真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10を装着した状態においてティートカップ側端部42が縮径方向に復帰しようとする力(すなわち、真空圧導入用ニップル35からの連結用チューブ10の抜けを阻止するための力)を十分に大きくするために、ティートカップ側端部42の厚みT1が十分に厚く規定されている。さらに、この連結用チューブ10では、ミルククロー11に対する各ティートカップ12の動きを妨げることのないように(連結用チューブ10を容易に変形させることができるように)、ミルククロー側端部41からティートカップ側大径部42aまでの間の部位の厚みT3が、厚みT1よりも薄く規定され、かつ、後述するように、ティートカップ側大径部42aを容易に変形させることができるように、ティートカップ側大径部42aの厚みT2が上記の厚みT3よりもさらに薄く規定されている。
【0035】
このティートカップユニット5では、出願人が開示している従来の搾乳機におけるティートカップユニットの真空圧導入用ニップル35xに対する連結用チューブ10xの装着時と同様にして、連結用チューブ10におけるティートカップ側端部42の内側に真空圧導入用ニップル35を挿入するようにして真空圧導入用ニップル35にティートカップ側端部42が装着される。この際に、本例のティートカップユニット5では、図6に示すように、連結用チューブ10の奥深くまで真空圧導入用ニップル35を挿入するようにして真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10(ティートカップ側端部42)を装着することで、真空圧導入用ニップル35の先端部35aがティートカップ側大径部42a内に突出させられる。
【0036】
このように装着した状態においては、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して非接触状態となる。したがって、このティートカップユニット5(連結用チューブ10)では、連結用チューブ10における内面に対して極所的なストレスが加わった状態となるのが回避される。また、このティートカップユニット5では、図7に示すように、例えば搾乳時に各ティートカップ12の位置をミルククロー11に対して変化させることで連結用チューブ10を曲げようとする力が加えられたとしても、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して非接触の状態が維持される。
【0037】
この場合、ティートカップ側大径部42aの厚みT2が薄厚に規定されているため、連結用チューブ10に加えられた力によってティートカップ側大径部42aが容易に変形する。したがって、このティートカップユニット5では、連結用チューブ10を曲げようとする力がティートカップ側大径部42aの変形によって減衰するため、ティートカップ側端部42(真空圧導入用ニップル35に接している部位)に伝搬される力が十分に小さくなる結果、ティートカップ側端部42に対して極所的なストレスが加わる事態が回避される。
【0038】
また、連結用チューブ10をさらに曲げようとする力が加わったときには、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面(ティートカップ側大径部42aの内面)に接触する可能性もある。しかしながら、そのような状態となるまでに、ティートカップ側大径部42a等の変形によって、連結用チューブ10に加えられた力が十分に減衰しているため、破断を招くような大きな力で先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面(ティートカップ側大径部42aの内面)に接触する事態が回避される。
【0039】
このように、この連結用チューブ10では、真空圧導入用ニップル35に装着した状態において真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置する部位に、真空圧導入用ニップル35に装着する側のティートカップ側端部42の内径L1(真空圧導入用ニップル35の外径La)よりも大きな内径L2のティートカップ側大径部42aが設けられている。また、このティートカップユニット5では、上記の連結用チューブ10におけるティートカップ側大径部42a内に真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置するように真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10が装着されている。
【0040】
したがって、この連結用チューブ10およびティートカップユニット5によれば、連結用チューブ10を曲げようとする力が加わっていない状態において、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して非接触の状態となり、連結用チューブ10を曲げようとする力が加わった状態においても、先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して非接触の状態を維持するか、または、先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して接触する際の力を十分に小さくすることができるため、連結用チューブ10の内面に対して極所的にストレスが加わる事態を好適に回避することができる。このため、この連結用チューブ10およびティートカップユニット5によれば、ストレスに起因する連結用チューブ10の傷付きや破断を好適に回避することができる結果、ミルククロー11に供給された真空圧を、連結用チューブ10を介して各ティートカップ12に好適に供給し得る状態を長期間に亘って維持することができる。
【0041】
また、この連結用チューブ10およびティートカップユニット5によれば、真空圧導入用ニップル35に装着する側のティートカップ側端部42の厚みT1よりもティートカップ側大径部42aの厚みT2が薄厚となるように連結用チューブ10を形成したことにより、連結用チューブ10を変形させようとする(曲げようとする)力が加わったときにティートカップ側大径部42aが容易に変形するため、ティートカップ側端部42に伝搬される力を十分に減衰させることができる結果、ティートカップ側端部42に対して極所的なストレスが加わる事態を回避して、連結用チューブ10の傷付きや破断を一層好適に回避することができる。また、ティートカップ側大径部42aにおいて連結用チューブ10を容易に変形させることができるため、ミルククロー11に対するティートカップ12の位置、およびティートカップ12に対するミルククロー11の位置を容易に変更することができる結果、乳牛に対するティートカップ12の着脱作業や、ティートカップユニット5のメンテナンス作業(例えば、洗浄作業)を容易に実施することができる。
【0042】
なお、「連結用チューブ」や「ティートカップユニット」の構成については、上記の例示に限定されるものではない。例えば、図8に示す連結用チューブ50(「連結用チューブ」の他の一例)のように、ティートカップ側端部42の厚みT1aを連結用チューブ10におけるティートカップ側端部42の厚みT1よりも厚手にすることで、ティートカップ側端部42の外径とティートカップ側大径部42aの外径とを互いに等しい外径L4とし、かつ、ティートカップ側大径部42aよりもミルククロー側端部41側の部位の外径L5を外径L4よりも小径とすることもできる。なお、同図に示す連結用チューブ50、および後に説明する連結用チューブ60〜80(図9〜12参照)において、前述した連結用チューブ10やティートカップユニット5と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。このような構成を採用した連結用チューブ50においても、ティートカップ側大径部42aを設けたことで、前述した連結用チューブ10と同様の効果を奏することができる。
【0043】
また、図9に示す連結用チューブ60(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、ティートカップ側大径部42aよりもミルククロー側端部41側の部位の厚みT1aをティートカップ側端部42の厚みT1aと同じ厚みとすることで、長手方向の全体において、同じ径の外径L4とすることもできる。このような構成を採用した連結用チューブ60においても、ティートカップ側大径部42aを設けたことで、前述した連結用チューブ10,50と同様の効果を奏することができる。
【0044】
さらに、図10に示す連結用チューブ70(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、真空圧導入用ニップル35に装着されるティートカップ側端部42からティートカップ側大径部72a(「ティートカップ側大径部」の他の一例)にかけて、断面側面視を楕円状とすることで、断面形状において角部が存在しないように形成することもできる。つまり、この連結用チューブ70では、ティートカップ側大径部72aにおけるティートカップ側端部42側の端部から中央部にかけて径が徐々に大きくなり、また、ミルククロー側端部41側の端部から中央部にかけて径が徐々に大きくなるように形成されている。
【0045】
また、この連結用チューブ70では、ティートカップ側大径部72aにおける真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置する部位の内径L2aが、真空圧導入用ニップル35に対して非装着状態のティートカップ側端部42の内径や、真空圧導入用ニップル35に対して装着状態のティートカップ側端部42の内径(すなわち、真空圧導入用ニップル35の外径La)よりも大径となるように形成されている。さらに、この連結用チューブ70では、ティートカップ側大径部72aの厚みT2が、ティートカップ側端部42の厚みT1や、ミルククロー側端部41からティートカップ側大径部72aまでの間の部位の厚みT3よりも薄厚となるように形成されている。したがって、この連結用チューブ70においても、前述した連結用チューブ10,50,60と同様の効果を奏することができるだけでなく、応力の集中を招くおそれがある角部が存在しないことで、連結用チューブ70に対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避することができる。
【0046】
一方、図11に示す連結用チューブ80(「連結用チューブ」のさらに他の一例)は、その長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹部83を有するティートカップ側大径部82a(「蛇腹形状に形成されたティートカップ側大径部」の一例)が設けられて構成されている。この連結用チューブ80では、同図に示すように、連結用チューブ80の奥深くまで真空圧導入用ニップル35を挿入するようにして真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ80(ティートカップ側端部42)を装着した状態において、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ80の内面に対して非接触状態となる。したがって、この連結用チューブ80では、前述した連結用チューブ10,50,60,70と同様にして、連結用チューブ80における内面に対して極所的なストレスが加わった状態となるのが回避される。
【0047】
また、この連結用チューブ80では、図12に示すように、例えば搾乳時に各ティートカップ12の位置をミルククロー11に対して変化させることで連結用チューブ80を曲げようとする力が加わったときにも、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ10の内面に対して非接触の状態が維持される。
【0048】
この場合、この連結用チューブ80では、ティートカップ側大径部82aに蛇腹部83が設けられている。したがって、連結用チューブ80を曲げようとする力が加えられたときに、ティートカップ側大径部82aにおいて曲がりが生じる部位の内側において縮長し、かつ外側において伸長するように蛇腹部83が変形することで、連結用チューブ80に加えられた力が減衰する。また、この連結用チューブ80では、ティートカップ側大径部82aがティートカップ側端部42の厚みT1よりも薄厚のT2に形成されているため、連結用チューブ80に対して加えられた力によってティートカップ側大径部82aが容易に変形する。したがって、この連結用チューブ80では、連結用チューブ80を曲げようとする力が加えられたときに、ティートカップ側端部42(真空圧導入用ニップル35に接している部位)に伝搬される力が十分に小さくなる結果、ティートカップ側端部42に対して極所的なストレスが加わる事態が回避される。
【0049】
また、連結用チューブ80に対してさらに曲げようとする力が加わったときには、真空圧導入用ニップル35における先端部35aの角部が連結用チューブ80の内面(ティートカップ側大径部82aの内面)に接触する可能性もある。しかしながら、そのような状態となるまでに、ティートカップ側大径部82aや蛇腹部83等の変形によって、連結用チューブ80に加えられた力が十分に減衰しているため、破断を招くような大きな力で先端部35aの角部が連結用チューブ80の内面(ティートカップ側大径部82aの内面)に接触する事態が回避される。このように、この連結用チューブ80、および連結用チューブ80を備えた「ティートカップユニット」によれば、ティートカップ側端部42に伝搬される力を一層減衰させることができる結果、ティートカップ側端部42に対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避して、連結用チューブ80の傷付きや破断を一層好適に回避することができる。
【0050】
一方、図5〜7に示す連結用チューブ10A(「連結用チューブ」のさらに他の一例)は、前述した連結用チューブ10におけるティートカップ側大径部42aに加えて、「ミルククロー側大径部」に相当するミルククロー側大径部41aがミルククロー側端部41に設けられている。なお、この連結用チューブ10Aにおけるミルククロー側大径部41aは、前述した連結用チューブ10におけるティートカップ側大径部42aと同様に構成されているため、その構成および作用に関する詳細な説明を省略する。
【0051】
この連結用チューブ10Aでは、真空圧供給用ニップル23に装着した状態において真空圧供給用ニップル23の先端部23aが位置する部位に、真空圧供給用ニップル23に装着する側の端部の内径L1よりも大きな内径L2のミルククロー側大径部41aが設けられている。また、この連結用チューブ10Aを備えた「ティートカップユニット」では、上記の連結用チューブ10Aにおけるティートカップ側大径部42a内に真空圧導入用ニップル35の先端部35aが位置するように真空圧導入用ニップル35に連結用チューブ10Aを装着すると共に、ミルククロー側大径部41a内に真空圧供給用ニップル23の先端部23aが位置するように真空圧供給用ニップル23に連結用チューブ10Aが装着されている。
【0052】
したがって、この連結用チューブ10A、および連結用チューブ10Aを備えた「ティートカップユニット」によれば、連結用チューブ10を曲げようとする力が加わっていない状態において、真空圧供給用ニップル23における先端部23aの角部が連結用チューブ10Aの内面に対して非接触の状態となり、連結用チューブ10Aを曲げようとする力が加わった状態においても、先端部23aの角部が連結用チューブ10Aの内面に対して非接触の状態を維持するか、または、先端部23aの角部が連結用チューブ10Aの内面に対して接触する際の力を十分に小さくすることができるため、連結用チューブ10Aの内面に対して極所的にストレスが加わる事態を好適に回避することができる。このため、この連結用チューブ10A、および連結用チューブ10Aを備えた「ティートカップユニット」によれば、ストレスに起因する連結用チューブ10Aの傷付きや破断を好適に回避することができる結果、ミルククロー11に供給された真空圧を、連結用チューブ10Aを介して各ティートカップ12に好適に供給し得る状態を長期間に亘って維持することができる。
【0053】
また、この連結用チューブ10A、および連結用チューブ10Aを備えた「ティートカップユニット」によれば、真空圧供給用ニップル23に装着する側のミルククロー側端部41の厚みT1よりもミルククロー側大径部81aの厚みT2を薄厚に形成したことにより、連結用チューブ10Aを変形させようとする(曲げようとする)力が加わったときにミルククロー側大径部41aが容易に変形するため、ミルククロー側端部41に伝搬される力を十分に減衰させることができる結果、ミルククロー側端部41に対して極所的なストレスが加わる事態を回避して、連結用チューブ10Aの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。また、ミルククロー側大径部81aにおいて連結用チューブ10Aを容易に変形させることができるため、ミルククロー11に対するティートカップ12の位置、およびティートカップ12に対するミルククロー11の位置を容易に変更することができる結果、乳牛に対するティートカップ12の着脱作業や、「ティートカップユニット」のメンテナンス作業(例えば、洗浄作業)を容易に実施することができる。
【0054】
さらに、図8に示す連結用チューブ50A(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、ミルククロー側端部41の外径L4とミルククロー側大径部41aの外径L5とを同じ径にしたり、図9に示す連結用チューブ60A(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、長手方向の全体において、その外径L4を同じ径としたりすることもできる。このような構成を採用した連結用チューブ50A,60Aにおいても、ミルククロー側大径部41aを設けたことで、前述した連結用チューブ10Aと同様の効果を奏することができる。
【0055】
また、図10に示す連結用チューブ70A(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、ミルククロー側端部41からミルククロー側大径部71a(「ティートカップ側大径部」の他の一例)にかけて、断面形状において角部が存在しない楕円形状に形成することもできる。このような構成を採用した連結用チューブ70Aにおいても、前述した連結用チューブ10A,50A,60Aと同様の効果を奏することができるだけでなく、応力の集中を招くおそれがある角部が存在しないことで、連結用チューブ70Aに対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避することができる。
【0056】
さらに、図11,12に示す連結用チューブ80A(「連結用チューブ」のさらに他の一例)のように、ミルククロー側大径部81a(「ミルククロー側大径部」のさらに他の一例)に蛇腹部83を設けることもできる。この連結用チューブ80A、および連結用チューブ80Aを備えた「ティートカップユニット」によれば、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状にミルククロー側大径部81aを形成したことにより、ミルククロー側端部41に伝搬される力を一層減衰させることができる結果、ミルククロー側端部41に対して極所的なストレスが加わる事態を一層好適に回避して、連結用チューブ80Aの傷付きや破断を一層好適に回避することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 搾乳システム
5 ティートカップユニット
10,50〜80,10A,50A〜80A 連結用チューブ
11 ミルククロー
12 ティートカップ
21,22,35 真空圧導入用ニップル
23 真空圧供給用ニップル
23a,35a 先端部
24 ミルク導入用ニップル
25 ミルク液送用ニップル
31 ティートカップシェル
32 ティートカップライナー
41 ミルククロー側端部
41a,71a,81a ミルククロー側大径部
42 ティートカップ側端部
42a,72a,82a ティートカップ側大径部
83 蛇腹部
L1〜L3,L2a 内径
T1〜T3,T1a 厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料によって管状に形成されて、ミルククローに設けられた真空圧供給用ニップルと、ティートカップシェルに設けられた真空圧導入用ニップルとを相互に連結する連結用チューブであって、
当該連結用チューブの内側に前記真空圧導入用ニップルを挿入するようにして当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブを装着した状態において当該真空圧導入用ニップルの先端部が位置する部位に、当該真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のティートカップ側大径部が設けられている連結用チューブ。
【請求項2】
前記ティートカップ側大径部は、前記真空圧導入用ニップルに装着する側の端部の厚みよりも薄厚に形成されている請求項1記載の連結用チューブ。
【請求項3】
前記ティートカップ側大径部は、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている請求項1または2記載の連結用チューブ。
【請求項4】
当該連結用チューブの内側に前記真空圧供給用ニップルを挿入するようにして当該真空圧供給用ニップルに当該連結用チューブを装着した状態において当該真空圧供給用ニップルの先端部が位置する部位に、当該真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の内径よりも大きな内径のミルククロー側大径部が設けられている請求項1から3のいずれかに記載の連結用チューブ。
【請求項5】
前記ミルククロー側大径部は、前記真空圧供給用ニップルに装着する側の端部の厚みよりも薄厚に形成されている請求項4記載の連結用チューブ。
【請求項6】
前記ミルククロー側大径部は、長手方向に沿って伸縮可能な蛇腹形状に形成されている請求項4または5記載の連結用チューブ。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載の連結用チューブと、前記ミルククローと、前記ティートカップシェル内にティートカップライナーが装着されたティートカップとを備え、
前記連結用チューブにおける前記ティートカップ側大径部内に前記真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブが装着されているティートカップユニット。
【請求項8】
請求項4から6のいずれかに記載の連結用チューブと、前記ミルククローと、前記ティートカップシェル内にティートカップライナーが装着されたティートカップとを備え、
前記連結用チューブにおける前記ティートカップ側大径部内に前記真空圧導入用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧導入用ニップルに当該連結用チューブが装着されると共に、前記連結用チューブにおける前記ミルククロー側大径部内に前記真空圧供給用ニップルの先端部が位置するように当該真空圧供給用ニップルに当該連結用チューブが装着されているティートカップユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−66447(P2013−66447A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208914(P2011−208914)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)