説明

連続用紙搬送機構の搬送制御方法およびプリンター

【課題】連続用紙に大きな負荷をかけることなく、紙送りローラーとトラクターによって連続用紙を精度よく搬送できる連続用紙搬送機構の搬送制御方法を提案すること。
【解決手段】連続用紙搬送機構は紙送りローラーとトラクターを備える。印刷時には、紙送りローラーを、単位時間当たり第2送り量で連続用紙を搬送可能な速度で間歇的に駆動するとともに、トラクターを、単位時間当たり第2送り量より少ない第1送り量で連続用紙を搬送可能な速度で紙送りローラーに同期させて間歇的に駆動する(ステップST1、ST2)。前記紙送りローラーによって連続用紙を1ページ分搬送する毎に、トラクターの回転量から算出される紙送りローラーによる連続用紙の実送り量と設定送り量との差分が解消されるように紙送りローラーの回転量が制御される(ステップST31〜ST33)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙送りローラーとトラクターを備えるプリンターにおいて、連続用紙を精度よく紙送りすることができる連続用紙搬送機構の搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷ヘッドによる印刷位置を経由する用紙搬送路に沿って連続用紙を搬送するための連続用紙搬送機構として紙送りローラーとトラクターを備えるプリンターは、特許文献1に記載されている。同文献のプリンターでは、印刷時には紙送りローラーのみが駆動されており、トラクターは紙送りローラーによって紙送りされる連続用紙に追従して従動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−348012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トラクターは連続用紙の長さ方向に沿って形成されているスプロケットホール(係合孔)に順次にトラクターピン(係合部)を機械的に係合させながら連続用紙を搬送しているので、トラクターによって連続用紙を紙送りすると、スプロケットホール内におけるトラクターピンの位置が変化して、連続用紙の送り量にばらつきを発生させる。従って、特許文献1のように、印刷時における連続用紙の搬送を紙送りローラーのみで担い、連続用紙の搬送を紙送りローラーと連続用紙との摩擦係合力によって行えば、連続用紙の送り量のばらつきを抑制することができる。
【0005】
しかし、トラクターを従動させた場合には、紙送りローラーによる連続用紙の搬送開始時点においてスプロケットホールと係合しているトラクターピンが連続用紙の移動に追従できず、連続用紙に大きな負荷がかかる。ここで、連続用紙の長さ方向に一定間隔でミシン目が形成されている場合には、この負荷によって、搬送開始時点に連続用紙がミシン目から切断されてしまうことがある。特に、プリンターが低温環境下で動作しており連続用紙が硬化している場合、或いは、プリンターが高温環境下で動作しており連続用紙が軟化している場合には、ミシン目における切断が発生しやすい。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、連続用紙に大きな負荷をかけることなく、紙送りローラーとトラクターによって連続用紙を精度よく搬送できる連続用紙の搬送制御方法およびプリンターを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、連続用紙の長さ方向に沿って形成されている係合孔に順次に係合部を係合させながら前記連続用紙を搬送するトラクターと、前記トラクターから引き渡された前記連続用紙を、印刷位置を経由する用紙搬送路に沿って搬送する紙送りローラーとを備えた連続用紙搬送機構の搬送制御方法であって、
前記トラクターを、前記紙送りローラーによって搬送される前記連続用紙に追従して従動可能とし、
少なくとも、前記連続用紙の印刷時には、前記トラクターを、単位時間当たり第1送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で駆動し、前記紙送りローラーを、単位時間当たり前記第1送り量よりも多い第2送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で駆動することを特徴とする。
【0008】
本発明では、連続用紙の印刷時には、紙送りローラーとトラクターの双方を駆動して連続用紙を搬送する。この結果、トラクターを完全な従動状態とした場合と比較して、搬送開始時点で連続用紙にかかる負荷を抑制できる。よって、連続用紙の長さ方向に一定間隔でミシン目が形成されている場合であっても、搬送開始時点で連続用紙がミシン目から切断されてしまうことを回避できる。また、トラクターを紙送りローラーによって搬送される連続用紙に追従して従動可能とし、紙送りローラーによる連続用紙の単位時間当たりの第2送り量をトラクターによる第1送り量よりも多くしてあるので、印刷時における連続用紙の搬送は実質的に紙送りローラーが担うこととなる。この結果、連続用紙の搬送は紙送りローラーと連続用紙との摩擦係合力によって行われるので、トラクターを駆動していても連続用紙の送り量にばらつきが発生することを抑制できる。
【0009】
ここで、トラクターを紙送りローラーによって搬送される連続用紙に追従して従動可能とし、紙送りローラーによる連続用紙の単位時間当たりの第2送り量をトラクターによる連続用紙の単位時間当たりの第1送り量よりも多くすると、紙送りローラーに対して連続用紙が滑ってしまい、紙送りローラーによる連続用紙の送り量が予め設定した設定送り量に対して不足するという問題が発生する。
【0010】
このような問題に対して、本発明では、前記トラクターの回転量を検出し、前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記設定送り量と前記トラクターの回転量に基づき算出した前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量との差分を算出して、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御することが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の実送り量はトラクターの回転量に基づいて算出できるので、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、設定送り量と実送り量の差分として算出できる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出して、この差分を解消できるように紙送りローラーの回転量を制御すれば、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0011】
また、このような問題に対して、本発明では、前記連続用紙の係合部の移動量を検出し、前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記設定送り量と前記連続用紙の係合部の移動量に基づき算出した前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量との差分を算出して、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御することが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の実送り量は連続用紙の係合孔の移動距離に基づいて把握できるので、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、設定送り量と実送り量の差分として算出できる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出して、この差分を解消できるように紙送りローラーの回転量を制御すれば、紙送りローラーの実送り量を設定送り量に合致させることができる。よって、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0012】
また、このような問題に対して、本発明では、前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記紙送りローラーを予め定めた補正回転量だけ回転させることが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、予め測定して求めておくことができるので、この不足分を解消するために必要な紙送りローラーの補正回転量も予め求めておくことができる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出して、この差分を解消できるように紙送りローラーの回転量を制御すれば、紙送りローラーの実送り量を設定送り量に合致させることができる。よって、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0013】
本発明において、前記設定送り量は、前記連続用紙を1ページ分搬送する送り量であることが望ましい。このようにすれば、連続用紙上で新たなページの印刷を開始する時点で、連続用紙上における印刷開始位置を正確な位置とすることができる。
【0014】
本発明において、前記紙送りローラーは、予め定めた設定回転量ずつ間歇的に駆動されており、前記設定送り量は、前記紙送りローラーを前記設定回転量だけ回転させたときの前記連続用紙の送り量であることが望ましい。このようにすれば、連続用紙が間歇的に紙送りされる毎に、連続用紙の送り量の不足分が補正されるので、連続用紙の搬送精度が向上する。
【0015】
本発明において、前記トラクターを駆動するトラクター駆動モーターにステッピングモーターを用いることが望ましい。このようにすれば、紙送りローラーによって紙送りされる連続用紙に追従して従動させることが容易となる。
【0016】
次に、本発明のプリンターは、
連続用紙の長さ方向に沿って形成されている係合孔に順次に係合部を係合させながら、印刷ヘッドによる印刷位置を経由する用紙搬送路に沿って前記連続用紙を搬送するためのトラクターと、
前記用紙搬送路に沿って前記連続用紙を搬送するために、前記印刷位置および前記トラクターの間に配置されている紙送りローラーと、
前記紙送りローラーおよび前記トラクターを駆動して前記連続用紙を搬送し、前記印刷位置において前記連続用紙に印刷を施す印刷制御部とを有し、
前記トラクターは、前記紙送りローラーによって紙送りされる前記連続用紙に追従して従動可能となっており、
前記印刷制御部は、単位時間当たり第1送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で前記トラクターを駆動するとともに、単位時間当たり前記第1送り量よりも多い第2送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で前記紙送りローラーを駆動することを特徴とする。
【0017】
本発明では、印刷制御部は、連続用紙の印刷時に、紙送りローラーとトラクターの双方を駆動して連続用紙を搬送する。この結果、トラクターを完全な従動状態とした場合と比較して、搬送開始時点で連続用紙にかかる負荷を抑制できる。よって、連続用紙の長さ方向に一定間隔でミシン目が形成されている場合であっても、搬送開始時点で連続用紙がミシン目から切断されてしまうことを回避できる。また、トラクターが紙送りローラーによって搬送される連続用紙に追従して従動可能であり、紙送りローラーによる連続用紙の単位時間当たりの第2送り量がトラクターによる第1送り量よりも多いので、印刷時における連続用紙の搬送は実質的に紙送りローラーが担うこととなる。この結果、連続用紙の搬送は紙送りローラーと連続用紙との摩擦係合力によって行われるので、トラクターを駆動していても連続用紙の送り量にばらつきが発生することを抑制できる。
【0018】
ここで、トラクターが紙送りローラーによって搬送される連続用紙に追従して従動可能となっており、紙送りローラーによる連続用紙の単位時間当たりの第2送り量をトラクターによる連続用紙の単位時間当たりの第1送り量よりも多くしてあると、連続用紙が紙送りローラーに対して滑ってしまい、紙送りローラーによる連続用紙の送り量が予め設定した設定送り量に対して不足するという問題が発生する。
【0019】
このような問題に対して、本発明では、前記トラクターの回転量を検出するエンコーダーと、前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部とを有し、紙送りローラー回転量制御部は、前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記トラクターの回転量に基づいて前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量を算出する実送り量算出部と、前記実送り量が算出されると、前記設定送り量と前記実送り量の差分を算出する差分算出部と、前記差分が算出されると、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御する回転量補正部とを備えていることが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の実送り量はトラクターの回転量に基づいて算出できるので、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、設定送り量と実送り量の差分として算出できる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出して、この差分を解消できるように紙送りローラーの回転量を制御すれば、紙送りローラーの実送り量を設定送り量に合致させることができる。よって、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0020】
また、このような問題に対して、本発明では、前記係合孔の移動距離を検出するためのセンサーと、前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部とを有し、紙送りローラー回転量制御部は、前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記係合孔の移動距離に基づいて前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量を算出する実送り量算出部と、前記実送り量が算出されると、前記設定送り量と前記実送り量の差分を算出する差分算出部と、前記差分が算出されると、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御する回転量補正部とを備えていることが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の実送り量は連続用紙の係合孔の移動距離に基づいて把握できるので、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、設定送り量と実送り量の差分として算出できる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出して、この差分を解消できるように紙送りローラーの回転量を制御すれば、紙送りローラーの実送り量を設定送り量に合致させることができる。よって、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0021】
また、このような問題に対して、本発明では、前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部を有し、前記紙送りローラー回転量制御部は、前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記紙送りローラーを予め定めた補正回転量だけ回転させる回転量補正部とを備えていることが望ましい。すなわち、紙送りローラーによる連続用紙の送り量の不足分は、予め測定して求めておくことができるので、この不足分を解消するために必要な紙送りローラーの補正回転量も予め求めておくことができる。従って、紙送りローラーの回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに、補正回転量を付加して紙送りローラーを回転させれば、連続用紙を精度良く搬送できる。
【0022】
本発明において、前記設定送り量は、前記連続用紙を1ページ分搬送する送り量であることが望ましい。このようにすれば、連続用紙上で新たなページの印刷を開始する時点で、連続用紙上における印刷開始位置を正確な位置とすることができる。
【0023】
本発明において、前記印刷制御部は、前記紙送りローラーを予め定めた設定回転量ずつ間歇的に駆動し、前記設定送り量は、前記紙送りローラーを前記設定回転量だけ回転させたときに前記連続用紙が搬送される送り量であることが望ましい。このようにすれば、連続用紙が間歇的に紙送りされる毎に、連続用紙の送り量の不足分が補正されるので、連続用紙の搬送精度が向上する。
【0024】
本発明において、前記トラクターを駆動するトラクター駆動モーターを有しており、前記トラクター駆動モーターは、ステッピングモーターであることが望ましい。このようにすれば、トラクターを間歇的に駆動し、かつ、紙送りローラーによって紙送りされる連続用紙に追従して従動させることが容易となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、連続用紙の印刷時には、紙送りローラーとトラクターの双方を駆動して連続用紙を搬送する。この結果、トラクターを完全な従動状態とした場合と比較して、搬送開始時点で連続用紙にかかる負荷を抑制できる。よって、連続用紙の長さ方向に一定間隔でミシン目が形成されている場合であっても、搬送開始時点で連続用紙がミシン目から切断されてしまうことを回避できる。また、トラクターを紙送りローラーによって搬送される連続用紙に追従して従動可能とし、紙送りローラーによる連続用紙の単位時間当たりの第2送り量をトラクターによる第1送り量よりも多くしてあるので、印刷時における連続用紙の搬送は実質的に紙送りローラーが担うこととなる。この結果、連続用紙の搬送は紙送りローラーと連続用紙との摩擦係合力によって行われるので、トラクターを駆動していても連続用紙の送り量にばらつきが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用したプリンターの斜視図および概略断面図である。
【図2】プリンターの概略ブロック図である。
【図3】連続用紙の印刷動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したプリンターを説明する。
【0028】
(全体構成)
図1(a)はプリンターの斜視図であり、図1(b)はプリンターの主要部を示す概略縦断面図である。プリンター1は、紙幅方向の両端部分にスプロケットホール(係合孔)2aが設けられた連続用紙2に印刷を行なうものである。プリンター1は、プリンター本体3と、プリンター本体3の装置前後方向の後側部分に着脱可能に装着されたトラクター4を有している。連続用紙2は、トラクター4によって装置後方からプリンター本体3内に送り込まれ、印刷が施された後に、プリンター本体3から装置前方に排出される。
【0029】
プリンター本体3の内部には、連続用紙2を印刷ヘッド5による印刷位置Aを経由して搬送するための用紙搬送路6が装置前後方向に直線状に延びるように構成されている。印刷位置Aは用紙搬送路6の下側に配置されたプラテン7によって規定されている。印刷ヘッド5は、インクリボンに記録ワイヤを打ち当ててインクリボンのインクを連続用紙2に付着させて印刷するシリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)プリントヘッドであり、所定のギャップを開けてプラテン7と対向している。
【0030】
印刷位置Aとトラクター4との間には、連続用紙2を印刷位置Aに供給するための紙送りローラー8が配置されている。紙送りローラー8には、連続用紙2を紙送りローラー8に押し付けるための紙送り押圧ローラー9が上方から所定の付勢力で当接している。また、紙送りローラー8には、図2(b)において点線で示すように、紙送りモーター10からの駆動力が歯車列からなる第1駆動力伝達機構11を介して伝達される。紙送りモーター10はプリンター本体3に搭載されている。
【0031】
印刷位置Aよりも装置前方(紙送り方向の下流側)には印刷が施された連続用紙2を排出するための排紙ローラー12が配置されている。排紙ローラー12には、連続用紙2を排紙ローラー12に押し付けるための排紙押圧ローラー13が上方から所定の付勢力で当接している。排紙ローラー12には、紙送りローラー8に伝達された紙送りモーター10の駆動力が、歯車列からなる第2駆動力伝達機構14を介して伝達される。紙送りモーター10、第1駆動力伝達機構11、紙送りローラー8、第2駆動力伝達機構14および排紙ローラー12は、トラクター4とともに連続用紙搬送機構15を構成している。
【0032】
紙送りローラー8とトラクター4の間において、紙送りローラー8の装置後方(紙送り方向の上流側)に隣接する位置には紙検出器16が設置されている。紙検出器16は、例えば、反射型のフォトセンサーであり、トラクター4によって用紙搬送路6へ搬送されてくる連続用紙2を検出する。
【0033】
トラクター4は、連続用紙2のスプロケットホール2aに挿入可能なトラクターピン(係合部)17と、外周面にトラクターピン17が所定間隔で形成されたトラクターベルト18と、トラクターベルト18が架け渡されている駆動スプロケット19および従動スプロケット20を備えている。従動スプロケット20には、この従動スプロケット20の回転量(トラクター4の回転量)を検出するためのロータリーエンコーダー21が搭載されている。なお、ロータリーエンコーダー21は、駆動スプロケット19に取り付けておくこともできる。
【0034】
駆動スプロケット19には、トラクター駆動モーター22からの駆動力が第3駆動力伝達機構23を介して伝達されるようになっている。トラクター駆動モーター22はステッピングモーターであり、トラクター4に搭載されている。ここで、第3駆動力伝達機構23は、駆動スプロケット19が外力によって回転させられた場合には、その回転をトラクター駆動モーター22に伝達するように構成されている。従って、後述するように、紙送りローラー8と同期して駆動されるトラクター4による連続用紙2の単位時間当たりの第1送り量が、紙送りローラー8による連続用紙2の単位時間当たりの第2送り量よりも少ない場合には、トラクター4は紙送りローラー8によって紙送りされる連続用紙2に追従して従動する従動状態となる。
【0035】
トラクター4によって連続用紙2を搬送する際には、連続用紙2は、そのスプロケットホール2aにトラクターピン17が挿入状態となるようにセットされる。その後に、トラクター駆動モーター22の駆動力によって駆動スプロケット19を回転させてトラクターベルト18を回転させ、トラクターピン17を順次にスプロケットホール2aに係合させて、連続用紙2を間歇的に紙送りする。
【0036】
ここで、プリンター1は、連続用紙2に印刷を施す際に、印刷ヘッド5を紙送り方向と直交する走査方向に移動させて印刷を行なう印刷動作と、連続用紙2を紙送りする紙送り動作とを交互に行なう。
【0037】
(制御系)
図2は、プリンター1の制御系を示す概略ブロック図である。プリンター1の制御系は、CPU、ROM、RAMなどを備えた制御部30を中心として構成されている。制御部30には、不図示の外部機器からの印刷命令や、紙検出器16およびロータリーエンコーダー21からの信号が入力される。制御部30の出力側にはヘッドドライバー31を介して印刷ヘッド5が接続されている。また、第1モータードライバー32を介して紙送りモーター10が接続され、第2モータードライバー33を介してトラクター駆動モーター22が接続されている。制御部30は、トラクター駆動制御部34、印刷制御部35、紙送りローラー回転量制御部36を備えている。
【0038】
トラクター駆動制御部34は、制御部30が印刷命令を受け取ると、トラクター駆動モーター22を駆動制御することによってトラクター4を駆動して、トラクター4にセットされた連続用紙2を搬送する。また、トラクター駆動制御部34は、紙検出器16によって連続用紙2の先端部分が検出されると、トラクター4によって所定送り量だけ連続用紙2を搬送して、連続用紙2の先端部分を紙送りローラー8および紙送り押圧ローラー9のニップ部に挟み込まれた状態とし、しかる後に、トラクター駆動モーター22の駆動制御を印刷制御部35に渡す。
【0039】
印刷制御部35は、連続用紙2が紙送りローラー8および紙送り押圧ローラー9に挟み込まれた状態となると、紙送りモーター10を駆動制御して、紙送りローラー8を、単位時間当たり第2送り量で連続用紙2を搬送可能な速度で間歇的に駆動する。紙送りローラー8は予め定めた設定回転量毎に間歇的に回転させられる。これと並行して、印刷制御部35は、紙送りローラー8による連続用紙2の紙送りと同期させてトラクター駆動モーター22を駆動制御して、トラクター4を、単位時間当たり第2送り量より少ない第1送り量で連続用紙2を搬送可能な速度で間歇的に駆動する。さらに、印刷制御部35は、連続用紙2を搬送して連続用紙2を印刷位置Aにセットした後に、印刷ヘッド5を紙送り方向と直交する走査方向に移動させて印刷を行なう印刷動作と、連続用紙2を紙送りする紙送り動作とを交互に行なって連続用紙2に印刷を施す。
【0040】
ここで、紙送りローラー8による連続用紙2の単位時間当たりの第2送り量を、トラクター4による連続用紙2の単位時間当たりの第1送り量よりも多くすると、紙送りローラー8およびトラクター4が同期して駆動された搬送開始時点では紙送りローラー8およびトラクター4が協働して連続用紙2を搬送するが、それ以降は、トラクター4は従動状態となる。すなわち、紙送りローラー8による連続用紙2の紙送りによってスプロケットホール2aに挿入されているトラクターピン17が用紙送り方向に移動してトラクターベルト18を回転させ、駆動スプロケット19および従動スプロケット20が回転する状態となる。また、駆動スプロケット19の回転は第3駆動力伝達機構を介してトラクター駆動モーター22に伝達されるので、トラクター駆動モーター22は、印刷制御部35によって駆動制御されている回転量よりも大きな回転量で回転する従動状態となる。従って、連続用紙2は実質的に紙送りローラー8によって搬送される。
【0041】
次に、紙送りローラー回転量制御部36は、送り量判定部37と、実送り量算出部38と、差分算出部39と、回転量補正部40を備えている。
【0042】
送り量判定部37は、紙送りローラー8の回転に基づいて、連続用紙2の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する。本例では、設定送り量は、連続用紙2を1ページ分搬送する送り量である。
【0043】
実送り量算出部38は、連続用紙2の送り量が設定送り量に達したと判定されると、トラクター4の回転量(従動スプロケット20の回転量)をロータリーエンコーダー21からの信号に基づいて取得する。トラクター4の回転量には、印刷制御部35の駆動制御によって自ら回転した回転量と、紙送りローラー8によって紙送りされた連続用紙2に追従して従動したトラクター4の従動量が含まれている。また、実送り量算出部38は、取得したトラクター4の回転量に基づいて、紙送りローラー8による連続用紙2の実送り量を算出する。
【0044】
差分算出部39は、実送り量算出部38によって実送り量が算出されると、設定送り量と実送り量の差分を算出する。
【0045】
回転量補正部40は、差分が算出されると、次の紙送りの際に、差分を解消できるように紙送りローラー8の回転量を制御して、紙送りローラー8による連続用紙2の送り量を補正する。すなわち、連続用紙2を次のページに紙送りする際に、紙送りローラー8の設定回転量に、算出された差分だけ連続用紙2を送るための補正回転量を付加し、設定回転量と補正回転量を合計した回転量で紙送りローラー8を回転させて、紙送りを行なう。
【0046】
(印刷動作)
図3は、連続用紙2の印刷動作を示すフローチャートである。まず、プリンター1が外部機器から印刷命令を受け取ると、トラクター駆動制御部34は、トラクター4を駆動して、トラクター4にセットされている連続用紙2を用紙搬送路6へ送り込む。その後、紙検出器16によって連続用紙2の先端部分が検出されると、トラクター駆動制御部34は、トラクター4によって所定送り量だけ連続用紙2を搬送して、連続用紙2の先端部分を紙送りローラー8および紙送り押圧ローラー9のニップ部に挟み込ませる(ステップST1)。
【0047】
連続用紙2の先端部分を紙送りローラー8および紙送り押圧ローラー9のニップ部に挟み込ませると、トラクター駆動制御部34は、トラクター4の駆動制御を印刷制御部35に渡す。
【0048】
次に、印刷制御部35は、単位時間当たり第1送り量で連続用紙2を搬送可能な速度でトラクター4を駆動するとともに、単位時間当たり第2送り量で連続用紙2を搬送可能な速度で紙送りローラー8を駆動する(ステップST2)。これにより、印刷制御部35は、連続用紙2を搬送して連続用紙2を印刷位置Aにセットし、しかる後に、印刷ヘッド5を紙送り方向と直交する走査方向に移動させて印刷を行なう印刷動作と、連続用紙2を紙送りする紙送り動作とを交互に行なって、連続用紙2に印刷を施す(ステップST3)。
【0049】
ここで、ステップST3においては、紙送りローラー8の回転に基づき算出した連続用紙2の送り量が連続用紙2を1ページ分搬送する設定送り量に達する毎に(ステップST31)、実送り量算出部38によって連続用紙2に追従するトラクター4の回転量に基づく実送り量が算出される。また、差分算出部39によって設定送り量と実送り量の差分が算出される(ステップST32)。
【0050】
差分が算出されると、回転量補正部40は、連続用紙2を次のページに紙送りする際に、紙送りローラー8の設定回転量に、差分算出部39が算出した差分だけ連続用紙2を送るための補正回転量を付加し、設定回転量と補正回転量を合計した回転量で紙送りローラー8を回転させて、紙送りを行なう(ステップST33)。
【0051】
ここで、ステップST32およびステップST33は、印刷命令による印刷ジョブが終了するまで(ステップST34)、連続用紙2が1ページ分搬送される毎に、繰り返し行なわれる。
【0052】
(作用効果)
本例によれば、連続用紙2の印刷時には、紙送りローラー8とトラクター4の双方を駆動して連続用紙2を搬送する。この結果、トラクター4を完全な従動状態とした場合と比較して、搬送開始時点で連続用紙2にかかる負荷を抑制できる。よって、連続用紙2の長さ方向に一定間隔でミシン目が形成されている場合であっても、搬送開始時点で連続用紙2がミシン目から切断されてしまうことを回避できる。
【0053】
また、本例によれば、トラクター4を紙送りローラー8によって搬送される連続用紙2に追従して従動可能とし、紙送りローラー8による連続用紙2の単位時間当たりの第2送り量をトラクター4による第1送り量よりも多くしてあるので、印刷時における連続用紙2の搬送は実質的に紙送りローラー8が担うこととなる。この結果、連続用紙2の搬送は紙送りローラー8と連続用紙2との摩擦係合力によって行われるので、トラクター4を駆動していても連続用紙2の送り量にばらつきが発生することを抑制できる。
【0054】
ここで、本例では、トラクター4を紙送りローラー8によって搬送される連続用紙2に追従して従動可能とし、紙送りローラー8による連続用紙2の単位時間当たりの第2送り量をトラクター4による連続用紙2の単位時間当たりの第1送り量よりも多くしてあるので、連続用紙2が紙送りローラー8に対して滑ってしまい、紙送りローラー8による連続用紙2の送り量が予め定めた設定送り量に対して不足するという問題が発生する。そこで、紙送りローラー回転量制御部36は、紙送りローラー8の回転量に基づき算出した連続用紙2の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、この送り量の不足分を補正するように紙送りローラー8の回転量を制御している。すなわち、紙送りローラー8による連続用紙2の実送り量はトラクター4の回転量に基づいて算出できるので、紙送りローラー8による連続用紙2の送り量の不足分は、設定送り量と実送り量の差分として算出できる。従って、紙送りローラー8の回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに設定送り量と実送り量の差分を算出し、この差分を解消できるように紙送りローラー8の回転量を制御して、紙送りローラー8の実送り量を設定送り量に合致させている。従って、連続用紙2を精度良く搬送できる。
【0055】
さらに、本例では、トラクター4を駆動するためのトラクター駆動モーター22としてステッピングモーターを採用している。従って、トラクター4に特別な構成を追加することなく、トラクター4を、紙送りローラー8によって紙送りされる連続用紙2に追従して従動させることができる。
【0056】
また、本例では、トラクター駆動モーター22は、紙送りローラー8を駆動するための紙送りモーター10とは別のモーターであり、トラクター4に搭載されている。この結果、紙送りモーター10から紙送りローラー8へ駆動力を伝達する第1駆動力伝達機構11と、トラクター駆動モーター22からトラクター4へ駆動力を伝達する第3駆動力伝達機構23を別々に構成できるので、各駆動力伝達機構の構成が簡易となり、騒音の発生を抑えることができる。また、トラクター駆動モーター22からトラクター4へ駆動力を伝達する伝達経路をトラクター4に構成できるので、トラクター4をプリンター本体3から着脱可能とすることが容易となる。ここで、駆動源を別々とした場合には、個々の駆動源の性能を低く抑えることができるので、装置の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0057】
さらに、本例では、従動スプロケット20の回転量をロータリーエンコーダー21によって検出することによりトラクター4の回転量を取得しているので、駆動スプロケット19の回転量を検出してトラクター4の回転量を取得する場合と比較して、トラクター4の回転量をより正確に検出できる。この結果、連続用紙2の実送り量を正確に算出できる。
【0058】
(その他の実施の形態)
上記の例では、連続用紙2を1ページ分搬送する送り量を設定送り量としているが、設定送り量は、紙送りローラー8を設定回転量だけ回転させたときの連続用紙2の送り量としてもよい。このようにすれば、間歇的に紙送りが行われる毎に、設定送り量と実送り量の差分が算出され、次の紙送りの際に連続用紙2の送り量の不足分が補正される。従って、連続用紙2をより一層精度良く搬送できる。
【0059】
また、上記の例では、実送り量算出部38は、トラクター4に取り付けたロータリーエンコーダー21によって検出されるトラクター4の回転量に基づいて紙送りローラー8による連続用紙2の実送り量を算出しているが、プリンター本体3またはトラクター4に連続用紙2のスプロケットホール2aの移動距離を検出するためのセンサーを取り付け、スプロケットホール2aの移動距離に基づいて、紙送りローラー8による連続用紙2の実送り量を算出するように構成してもよい。この場合には、例えば、用紙搬送路6の幅方向の端部分に透過型フォトセンサーを配置し、センサーを通過するスプロケットホール2aを計数し、この計数値に基づいて連続用紙2の実送り量を算出する。
【0060】
さらに、紙送りローラー8による連続用紙2の送り量の不足分は、予め測定して求めておくことができるので、この不足分を解消するために必要な紙送りローラー8の補正回転量も予め求めておくことができる。従って、紙送りローラー8の回転に基づき算出した送り量が設定送り量に達したときに、回転量補正部40が、補正回転量を付加して紙送りローラー8を回転させるようにしても、連続用紙2を精度良く搬送できる。このように構成すれば実送り量を算出するためのセンサーを必要としないので、プリンター1の製造コストを抑えることができる。
【0061】
なお、上記の例では、トラクター4を駆動するためのトラクター駆動モーター22としてステッピングモーターを採用することにより、トラクター4を間歇的に駆動し、かつ、紙送りローラー8によって紙送りされる連続用紙2に追従して従動させているが、第3駆動力伝達機構23にクラッチ機構を備え、このクラッチ機構によってトラクター駆動モーター22とトラクター4との間の駆動力の伝達経路の遮断と接続を制御することにより、トラクター4を間歇的に駆動し、かつ、紙送りローラー8によって紙送りされる連続用紙2に追従して従動させるように構成してもよい。
【0062】
また、上記の例では、紙送りローラー8およびトラクター4によって連続用紙2を間歇送りしているが、トラクター4を一定速度で駆動する場合においても、本発明を適用することができる。さらに、紙送りローラー8およびトラクター4を一定速度で駆動する場合においても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1・プリンター、2・連続用紙、2a・スプロケットホール、3・プリンター本体、4・トラクター、5・印刷ヘッド、6・用紙搬送路、7・プラテン、8・紙送りローラー、9・紙送り押圧ローラー、10・紙送りモーター、11・第1駆動力伝達機構、12・排紙ローラー、13・排紙押圧ローラー、14・第2駆動力伝達機構、15・連続用紙搬送機構、16・紙検出器、17・トラクターピン、18・トラクターベルト、19・駆動スプロケット、20・従動スプロケット、21・ロータリーエンコーダー、22・トラクター駆動モーター、23・第3駆動力伝達機構、30・制御部、31・ヘッドドライバー、32・第1モータードライバー、33・第2モータードライバー、34・トラクター駆動制御部、35・印刷制御部、36・紙送りローラー回転量制御部、37・送り量判定部、38・実送り量算出部、39・差分算出部、40・回転量補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続用紙の長さ方向に沿って形成されている係合孔に順次に係合部を係合させながら前記連続用紙を搬送するトラクターと、前記トラクターから引き渡された前記連続用紙を、印刷位置を経由する用紙搬送路に沿って搬送する紙送りローラーとを備えた連続用紙搬送機構の搬送制御方法であって、
前記トラクターを、前記紙送りローラーによって搬送される前記連続用紙に追従して従動可能とし、
少なくとも、前記連続用紙の印刷時には、前記トラクターを、単位時間当たり第1送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で駆動し、前記紙送りローラーを、単位時間当たり前記第1送り量よりも多い第2送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で駆動することを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記トラクターの回転量を検出し、
前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記設定送り量と前記トラクターの回転量に基づき算出した前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量との差分を算出して、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御することを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記連続用紙の係合部の移動量を検出し、
前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記設定送り量と前記連続用紙の係合部の移動量に基づき算出した前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量との差分を算出して、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御することを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記紙送りローラーの回転に基づき算出した前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達すると、前記紙送りローラーを予め定めた補正回転量だけ回転させることを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項5】
請求項2ないし4のうちのいずれかの項において、
前記設定送り量は、前記連続用紙を1ページ分搬送する送り量であることを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項6】
請求項2ないし4のうちのいずれかの項において、
前記紙送りローラーは、予め定めた設定回転量ずつ間歇的に駆動されており、
前記設定送り量は、前記紙送りローラーを前記設定回転量だけ回転させたときの前記連続用紙の送り量であることを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、
前記トラクターを駆動するトラクター駆動モーターにステッピングモーターを用いることを特徴とする連続用紙搬送機構の搬送制御方法。
【請求項8】
連続用紙の長さ方向に沿って形成されている係合孔に順次に係合部を係合させながら、印刷ヘッドによる印刷位置を経由する用紙搬送路に沿って前記連続用紙を搬送するためのトラクターと、
前記用紙搬送路に沿って前記連続用紙を搬送するために、前記印刷位置および前記トラクターの間に配置されている紙送りローラーと、
前記紙送りローラーおよび前記トラクターを駆動して前記連続用紙を搬送し、前記印刷位置において前記連続用紙に印刷を施す印刷制御部とを有し、
前記トラクターは、前記紙送りローラーによって紙送りされる前記連続用紙に追従して従動可能となっており、
前記印刷制御部は、単位時間当たり第1送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で前記トラクターを駆動するとともに、単位時間当たり前記第1送り量よりも多い第2送り量で前記連続用紙を搬送可能な速度で前記紙送りローラーを駆動することを特徴とするプリンター。
【請求項9】
請求項8において、
前記トラクターの回転量を検出するエンコーダーと、
前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部とを有し、
紙送りローラー回転量制御部は、
前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、
前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記トラクターの回転量に基づいて前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量を算出する実送り量算出部と、
前記実送り量が算出されると、前記設定送り量と前記実送り量の差分を算出する差分算出部と、
前記差分が算出されると、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御する回転量補正部とを備えていることを特徴とするプリンター。
【請求項10】
請求項8において、
前記係合孔の移動距離を検出するためのセンサーと、
前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部とを有し、
紙送りローラー回転量制御部は、
前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、
前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記係合孔の移動距離に基づいて前記紙送りローラーによる前記連続用紙の実送り量を算出する実送り量算出部と、
前記実送り量が算出されると、前記設定送り量と前記実送り量の差分を算出する差分算出部と、
前記差分が算出されると、前記差分を解消できるように前記紙送りローラーの回転量を制御する回転量補正部とを備えていることを特徴とするプリンター。
【請求項11】
請求項8において、
前記紙送りローラーの回転量を制御する紙送りローラー回転量制御部を有し、
前記紙送りローラー回転量制御部は、前記紙送りローラーの回転に基づいて、前記連続用紙の送り量が予め定めた設定送り量に達したか否かを判定する送り量判定部と、
前記連続用紙の送り量が前記設定送り量に達したと判定されると、前記紙送りローラーを予め定めた補正回転量だけ回転させる回転量補正部とを備えていることを特徴とするプリンター。
【請求項12】
請求項9ないし11のうちのいずれかの項において、
前記設定送り量は、前記連続用紙を1ページ分搬送する送り量であることを特徴とするプリンター。
【請求項13】
請求項9ないし11のうちのいずれかの項において、
前記印刷制御部は、前記紙送りローラーを予め定めた設定回転量ずつ間歇的に駆動し、
前記設定送り量は、前記紙送りローラーを前記設定回転量だけ回転させたときに前記連続用紙が搬送される送り量であることを特徴とするプリンター。
【請求項14】
請求項8ないし13のうちのいずれかの項において、
前記トラクターを駆動するトラクター駆動モーターを有し、
前記トラクター駆動モーターは、ステッピングモーターであることを特徴とするプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−45876(P2012−45876A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191839(P2010−191839)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】