進捗率算出装置、進捗率算出方法及びプログラム
【課題】電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行う。
【解決手段】様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
【解決手段】様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたは複数の項目によって構成される電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置、進捗率算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部門や人が関わる業務の流れであるワークフローを、効率的に処理するために、当該ワークフローをコンピュータネットワーク上で管理、支援するワークフローシステムが提案されている。ワークフローシステムでは、業務で作成する電子文書の進捗率を推定し、電子文書の進捗率を用いてワークフローの進捗状況を管理している(例えば特許文献1〜特許文献3を参照)。
【0003】
特許文献1には、プロジェクトの成果物である電子文書の情報量と処理完了時に予想される基準値とを比較して進捗率を推定する技術が開示されている。具体的には、作成中の電子文書のページ数、行数またはサイズを所定の基準値と比較することで進捗率の推定を行っている。
また、特許文献2には、ソフトウェア開発プロジェクトで使用する電子文書に出現する記述要素に対応する情報の個数を計数し、当該計数結果に基づいて進捗率の推定を行う技術が開示されている。
また、特許文献3には、電子文書の作成者の習熟度や当該電子文書の作成難易度などのパラメータを入力し、当該パラメータに基づいて電子文書の作成データ量と作成時間との関係を示す曲線を定め、作業中の電子文書のデータ量と当該曲線とを比較することで進捗率の推定を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−213447号公報
【特許文献2】特開2002−14811号公報
【特許文献3】特開平9−74389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
業務で作成する電子文書は、その様式によって入力する項目が異なり、項目によっては、データ量が少ないが、実際の進捗状況に大きい影響を有する項目や、データ量が多くても進捗状況への影響が少ない項目等、様々な項目が存在しうる。ここで、項目とは、定型化された電子文書に設けられた入力領域のことを指す。また、電子文書は、一般的に、項目毎に定型化の度合いが異なる。例えば、プルダウン形式で択一的に選択する項目や、任意の文字列の入力を受け付ける項目などがある。
しかしながら、項目完成に必要なデータ量と作成進捗率に与える影響が必ずしも比例しないため、従来のワークフローシステムのように電子文書のデータ量や情報の数によって進捗率の推定を行うと、推定された進捗率と実際の進捗率との間に乖離が生じてしまうという問題があった。また、電子文書の項目の各々に適した進捗率の推定を行うことができなかった。
【0006】
また、特許文献1には、プロジェクト開始以前またはプロジェクト業務外の日常のオフィスワークで用いる電子文書の進捗率の算定方法は開示されていない。このようなオフィスワークでは必ずしも作業工程が固定的でなく、用いる電子文書も日々発生する業務に応じて流動的に追加・削除・変更等されるケースが多い。また、文書のページ数、行数またはサイズなど、情報量のみに基づいて判断する進捗率が、実際の進捗率とは異なるということは経験的に認識されている。例えば、情報量の少ない短い文書であっても必要キーワードを網羅し、的確な内容であれば情報量の多い文書の進捗率を凌ぐ場合がある。したがって、これらの事実に着目した電子文書の作成進捗率の推定技術が求められている。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術も、特許文献1に記載の技術と同様に、プロジェクト開発工程上における各プロジェクト生産物を基準とした進捗率の推定を行っており、上述したようなオフィスワークにおける電子文書作成の作成進捗率の推定に対応させるには課題が残る。
【0008】
また、特許文献3に記載の技術をオフィスワークに適用した場合、予め作成難易度等のパラメータを設定しておくことは容易ではない。また、特許文献3には、書類全体を最小単位として作成進捗率の推定をする方法が開示されているが、業務によっては1つの文書を作成するのに数日を要するものもあるため、特許文献3に記載の技術では、例えば日単位、時間単位等の詳細な進捗管理を行うことができなかった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子文書の項目の各々に適した進捗率の推定を行う進捗率算出装置、進捗率算出方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置であって、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段と、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段と、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する複数の選択肢から入力内容を選択することで入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目への入力の有無を判定し、入力がある場合に当該項目の入力の有無に基づいて進捗率を決定する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目に入力された文字列の文字数と所定の基準文字数とに基づいて当該項目の文字列充足率を算出し、当該算出した文字列充足率を用いて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記基準文字数は、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列の文字数の平均値であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した文字列充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された文字列の文字数に基づいて前記基準文字数を更新する基準文字数更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、所定のキーワード群に含まれるキーワードの、当該項目に入力された文字列における出現数に基づいて算出した出現率を用いて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明において、前記キーワード群に含まれるキーワードは、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列に含まれる部分文字列のうち、所定の出現数または所定の出現率以上出現した部分文字列であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明において、前記項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目への入力を監視する半定型項目監視手段と、前記半定型項目監視手段が前記項目への入力を検知したときに、画面に前記キーワード群を表示させるキーワード表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、前記文字列充足率と前記キーワードの出現率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、前記入力された情報を画面に表示した際の当該情報の面積を前記所定の枠内の面積で除算することにより得られる入力情報の占有率と、所定の基準占有率とに基づいて、占有充足率を算出し、当該算出した占有充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明において、前記基準占有率は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報の占有率の平均値であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した占有率が所定の値より大きいときに、前記占有率に基づいて前記基準占有率を更新する基準占有率更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目に入力された情報のデータ量と所定の基準データ量とに基づいて、情報量充足率を算出し、当該算出した情報量充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明において、前記基準データ量は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報のデータ量の平均値であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した情報量充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された情報のデータ量に基づいて前記基準データ量を更新する基準データ量更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0025】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、前記占有充足率と前記情報量充足率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0026】
また、本発明において、前記書類進捗率算出手段は、予め前記項目の各々に設定された重みに基づいて、前記項目の進捗率の加重平均を作成進捗率として算出することを特徴とする。
【0027】
また、本発明において、複数の業務からなるワークフローにおいて、前記業務と当該業務において作成される電子文書を紐づけて記憶するワークフロー記憶手段と、前記書類進捗率算出手段が算出した電子文書の進捗率に基づいて、前記ワークフロー記憶手段が当該電子文書に紐づけて記憶する業務の進捗率を算出する業務進捗率算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】
また、本発明において、前記業務進捗率算出手段は、予め前記電子文書の各々に設定された重みに基づいて、前記電子文書の進捗率の加重平均を業務の進捗率として算出することを特徴とする。
【0029】
また、本発明において、前記業務進捗率算出手段が算出した前記業務の各々の進捗率に基づいて前記ワークフローの進捗率を算出するワークフロー進捗率算出手段を備えることを特徴とする。
【0030】
また、本発明において、前記ワークフロー進捗率算出手段は、予め前記業務の各々に設定された重みに基づいて、前記業務の進捗率の加重平均をワークフローの進捗率として算出することを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を用いた進捗率算出方法であって、項目種別判定手段は、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定し、項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出し、書類進捗率算出手段は、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する、を備えることを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段、として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、電子文書の項目の各々の種別に基づいて当該項目の進捗率を算出し、算出された項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による進捗率算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】ワークフローテーブルが格納する情報を示す図である。
【図3】業務テーブルが格納する情報を示す図である。
【図4】様式テーブルが格納する情報を示す図である。
【図5】項目テーブルが格納する情報を示す図である。
【図6】キーワードテーブルが格納する情報を示す図である。
【図7】オプションテーブルが格納する情報を示す図である。
【図8】電子文書の項目の種別を示す図である。
【図9】進捗率算出装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【図11】半定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【図12】非定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による進捗率算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
進捗率算出装置1は、電子文書記憶部11、電子文書監視部12(半定型項目監視手段)、様式記憶部13(プロジェクト記憶手段)、様式解析部14(項目種別判定手段)、電子文書進捗率算出部15(項目進捗率算出手段、書類進捗率算出手段)、ワークフロー進捗率算出部16(業務進捗率算出手段、ワークフロー進捗率算出手段)、進捗率補正部17、キーワード表示部18(キーワード表示手段)を備える。
電子文書記憶部11は、業務を行う作業者が入力端末などによって作成した電子文書を記憶する。
電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書への変更があるか否か、及び当該電子文書が編集中であるか否かを監視する。
様式記憶部13は、電子文書記憶部11に登録される電子文書の様式の情報を格納する様式テーブル、ある様式の電子文書に含まれる入力項目の情報を格納する項目テーブル、入力項目の進捗率を判定する際に用いるキーワードを格納するキーワードテーブル、入力項目の選択肢を格納するオプションテーブル、ワークフローの情報を格納するワークフローテーブル、及び、ワークフローを構成する業務の情報を格納する業務テーブルを記憶する。
様式解析部14は、電子文書の様式を特定し、前記様式記憶部13から当該電子文書に含まれる入力項目の情報を取得する。
電子文書進捗率算出部15は、電子文書に含まれる入力項目の各々の進捗率を当該項目の種別に応じた算出方法で算出し、算出した項目の各々の進捗率を用いて電子文書の進捗率を算出する。
ワークフロー進捗率算出部16は、電子文書作成の進捗率に基づいてワークフローを構成する業務の進捗率を算出し、また、ワークフロー全体の進捗率を算出する。算出した進捗率は管理者端末などの画面に表示させる。
進捗率補正部17は、作成が完了した項目の各々の進捗率についての情報に基づいて様式記憶部13が記憶する項目テーブルの情報を更新する。
キーワード表示部18は、入力端末などが電子文書を編集する際に、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルに格納されているキーワードを表示させる。キーワードの表示は、例えば、入力端末の入力画面に表示させる方法や、入力端末とは別の表示用端末の画面に表示させる方法、編集中の電子文書の入力欄に自動入力させておく方法などがある。
【0036】
次に、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々について説明を行う。
図2は、ワークフローテーブルが格納する情報を示す図である。
ワークフローテーブルは、ワークフローIDに紐づけてワークフロー名を格納する。
ワークフローIDは、ワークフローの識別番号を示す。
ワークフロー名は、ワークフローの名称を示す。
【0037】
図3は、業務テーブルが格納する情報を示す図である。
業務テーブルは、業務IDに紐づけてワークフローID、業務名、重みを格納する。
業務IDは、ワークフローを構成する業務の識別番号を示す。
ワークフローIDは、当該業務IDが示す業務が属するワークフローのワークフローIDを示す。
業務名は、当該業務IDが示す業務の名称を示す。
重みは、ワークフローの進捗率の算出における当該業務IDが示す業務の重要性を示す。
【0038】
図4は、様式テーブルが格納する情報を示す図である。
様式テーブルは、様式IDに紐づけて業務ID、過去文書数、様式名、重みを格納する。
様式IDは、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の様式の識別番号を示す。
業務IDは、当該様式IDが示す様式の電子文書を作成する業務の業務IDを示す。
過去文書数は、過去に作成を完了した当該様式IDの電子文書の数を示す。
様式名は、様式IDに対応する様式の名称を示す。
重みは、業務の進捗率の算出における当該様式IDが示す様式の電子文書の重要性を示す。
【0039】
図5は、項目テーブルが格納する情報を示す図である。
項目テーブルは、項目IDに紐づけて様式ID、項目名、種別、基準文字数、基準占有率、基準データ量、重みを格納する。
項目IDは、電子文書に含まれる項目の識別番号を示す。
様式IDは、当該項目IDが示す項目を含む電子文書の様式IDを示す。
項目名は、項目IDに対応する項目の名称を示す。
種別は、当該項目IDが示す項目の種別を示す。項目の種別は、項目名に対応する特定の文字列群から入力内容を選択することで入力が完成する項目を示す定型項目、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目を示す半定型項目、または、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目を示す非定型項目の何れかを示す。なお、非定型項目は、文字列以外の情報、例えば画像、グラフ、表などの情報も入力することができる。
基準文字数は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された文字列の文字数の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準文字数は、項目の種別が半定型である場合にのみ格納される。
基準占有率は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された情報が所定の枠内を占める度合い(占有率)の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準占有率は、項目の種別が非定型である場合にのみ格納される。
基準データ量は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された情報のデータ量の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準データ量は、項目の種別が非定型である場合にのみ格納される。
重みは、電子文書の進捗率の算出における当該項目IDが示す項目の重要性を示す。
なお、図5に示すように、項目テーブルは、様式IDが無く、種別が非定型である情報を項目ID=0として格納している。この情報は、様式テーブルに様式の情報が格納されていない電子文書の進捗率を算出する際に用いる。なお、本実施形態では、様式IDが無く、種別が非定型である情報を項目ID=0とする例を用いて説明するが、これに限られず、例えば項目IDを他の値としても良いし、または様式IDが無く、種別が非定型である情報を格納しなくても良い。
【0040】
図6は、キーワードテーブルが格納する情報を示す図である。
キーワードテーブルは、キーワードIDに対応付けて項目ID、過去文書出現数、キーワードを格納する。
キーワードIDは、半定型項目の進捗率の算出に用いるキーワードの識別番号を示す。
項目IDは、当該キーワードIDが示すキーワードを用いて進捗率を算出する項目の項目IDを示す。なお、項目IDは、項目テーブルにおいて当該項目IDの種別が半定型として登録されている場合にのみ格納される。
過去文書出現数は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該キーワードIDに紐づけられた項目IDが示す項目に、当該キーワードIDが示すキーワードが出現した数を示す。
キーワードは、当該キーワードIDが示すキーワードを示す。
【0041】
図7は、オプションテーブルが格納する情報を示す図である。
オプションテーブルは、オプションIDに対応付けて項目ID、オプション名を格納する。
オプションIDは、定型項目の選択肢となるオプションの識別番号を示す。
項目IDは、当該オプションIDが示すオプションを選択肢とする項目の項目IDを示す。なお、項目IDは、項目テーブルにおいて当該項目IDの種別が定型として登録されている場合にのみ格納される。
オプション名は、当該オプションIDが示すオプションの名称を示す。
【0042】
図8は、電子文書の項目の種別を示す図である。
図8に示す電子文書を例とすると、定型項目とは、PC・媒体種別、機密性区分のようにチェックボックスなどによって入力内容を選択する項目、管理番号のように予め決められた文字列の入力を行う項目を示す。また、半定型項目とは、持出目的、持出先、情報名称のように任意の文字列を入力する項目を示す。また、非定型項目とは、当該電子文書の最下に与えられた項目のように、画像や文字列などの任意の情報を入力する項目を示す。
【0043】
進捗率算出装置1が上述したような構成を備えることで、様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行う。
【0044】
次に、進捗率算出装置1の動作を説明する。
図9は、進捗率算出装置の動作を示すフローチャートである。
進捗率算出装置1の電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書を定期的に確認し、電子文書への変更があるか否かを判定する(ステップS1)。電子文書の変更の有無の判定方法としては、例えば電子文書のヘッダ等に格納される更新日時の情報を内部メモリに格納し、確認の際に当該更新日時の情報が書き換わっているか否かを判定することで実現することができる。
【0045】
電子文書監視部12が、電子文書への変更があると判定した場合(ステップS1:YES)、様式解析部14は、変更された電子文書の様式の情報が、様式記憶部が記憶する様式テーブルに格納されているか否かを判定する(ステップS2)。様式の情報の有無の判定方法としては、例えば電子文書のヘッダ等に格納されているタイトルの情報と様式テーブルの様式名とが一致するものがあるか否かを判定する方法や、様式に設定された様式IDと様式テーブルの様式IDとが一致するものがあるか否かを判定する方法などによって実現することができる。
【0046】
様式解析部15は、変更された電子文書の様式の情報が様式テーブルに格納されていると判定した場合(ステップS2:YES)、様式テーブルから様式の情報(様式ID等)を取得する(ステップS3)。次に、様式解析部15は、取得した様式IDに紐づけられた項目の情報(項目ID等)を項目テーブルから取得し、さらに、取得した項目IDの各々に紐づけられたキーワード及びオプションの情報をキーワードテーブル及びオプションテーブルから取得する(ステップS4)。
【0047】
様式解析部15が項目の各々の情報を取得すると、進捗率算出装置1は、以下に示すステップS6〜ステップS9の処理を項目の各々に対して行う(ステップS5)。
まず、電子文書進捗率算出部15は、処理を行う項目の項目IDに紐づけられた種別が、定型であるか、半定型であるか、非定型であるかを判定する(ステップS6)。
電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が定型で有ると判定した場合(ステップS6:定型)、定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS7)。定型項目の進捗率算出処理は、入力欄における所定の文字・数値・記号等の有無から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
また、ステップS6で、電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が半定型で有ると判定した場合(ステップS6:半定型)、半定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS8)。半定型項目の進捗率算出処理は、入力欄における文字列(文字・数値・記号等)の文字数や、文字列に含まれる所定のキーワードの数から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
また、ステップS6で、電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が非定型で有ると判定した場合(ステップS6:非定型)、非定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS9)。非定型項目の進捗率算出処理は、入力を行う枠内における入力情報の占有率や入力情報のデータ量から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
【0048】
ステップS5〜ステップS9によって、変更された電子文書に含まれる全ての項目の進捗率を算出すると、電子文書進捗率算出部15は、変更された電子文書の進捗率を算出する(ステップS10)。変更された電子文書の進捗率は、電子文書に含まれる項目の各々の項目IDに紐づけられた重みを用い、項目の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。すなわち、項目の進捗率の各々に当該項目の重みを乗じたものの総和を、当該項目の重みの総和で除算したものを電子文書の進捗率とする。
【0049】
一方、ステップS2で、様式解析部15が、変更された電子文書の様式の情報が様式テーブルに格納されていないと判定した場合(ステップS2:NO)、様式解析部14は、様式記憶部13の項目テーブルから、様式テーブルに格納されていない様式の電子文書の進捗率の算出に用いる情報を取得する(ステップS11)。本実施形態においては、様式テーブルに格納されていない様式の電子文書の進捗率の算出に用いる情報は、図5に示すように、項目IDが0であり、様式IDが無く、種別が非定型として格納されている情報である。
様式解析部14が進捗率の算出に用いる情報を取得すると、電子文書進捗率算出部15は、当該電子文書全体を非定型項目の進捗率算出処理を行うことで電子文書の進捗率を算出する(ステップS12)。
【0050】
ステップS10またはステップS12によって電子文書の進捗率を算出すると、様式解析部14は、様式記憶部13の様式テーブルから、進捗率を算出した電子文書の様式IDに紐づけられた業務IDを取得し、業務テーブルから、取得した業務IDに紐づけられた業務の情報を取得する。また、様式解析部14は、様式記憶部13の業務テーブルから、取得した業務IDに紐づけられたワークフローIDを取得し、ワークフローテーブルから、取得したワークフローIDに紐づけられたワークフローの情報を取得する(ステップS13)。次に、ワークフロー進捗率算出部16は、業務及びワークフローの進捗率を算出する(ステップS14)。ここで、業務の進捗率は、業務に属する電子文書の各々の様式IDに紐づけられた重みを用い、電子文書の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。すなわち、電子文書の進捗率の各々に当該電子文書の様式の重みを乗じたものの総和を、当該様式の重みの総和で除算したものを業務の進捗率とする。また、ワークフローの進捗率の算出は、ワークフローに属する業務の各々の業務IDに紐づけられた重みを用い、業務の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。
ワークフロー進捗率算出部16は、業務及びワークフローの進捗率を算出すると、管理者端末などのビューアに業務及びワークフローの進捗率を表示させ、処理を終了する。
【0051】
次に、ステップS1で、電子文書監視部12が、電子文書への変更がないと判定した場合(ステップS1:NO)の処理について説明する。
ステップS1で電子文書への変更がないと判定されると、電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書への最終更新時刻からの経過時間である非操作時間が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。電子文書監視部12によって非操作時間が所定の閾値未満であると判定された場合(ステップS15:NO)、進捗率算出装置1は処理を行わず、次に電子文書の変更の判定を行う時刻まで待機する。
【0052】
電子文書監視部12によって非操作時間が所定の閾値以上であると判定された場合(ステップS15:YES)、進捗率補正部17は、入力端末などに、当該電子文書への操作が完了しているか否かを確認するメッセージを送信する(ステップS16)。作業者は、当該電子文書への操作が完了している場合、入力端末を介して進捗率算出装置1に操作が完了していることを示すメッセージを送信し、電子文書への操作が完了していない場合、操作が完了していないことを示すメッセージを送信する。
【0053】
次に、進捗率補正部17は、入力端末からメッセージを受信すると、受信したメッセージが、操作が完了していることを示すメッセージであるか否かを判定する(ステップS17)。進捗補正部17によって、受信したメッセージが、操作が完了していないことを示すメッセージであると判定された場合(ステップS17:NO)、進捗率算出装置1は処理を行わず、次に電子文書の変更の判定を行う時刻まで待機する。
他方、進捗補正部17は、受信したメッセージが、操作が完了していることを示すメッセージであると判定した場合(ステップS17:YES)、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々が記憶する進捗率の算出に用いる情報の更新を行う(ステップS18)。情報の更新の詳細については、後述する。
【0054】
次に、ステップS7で行う定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図10は、定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている文字列を抽出する(ステップS701)。次に、電子文書進捗率算出部15は、当該項目に適切な値が入力されているか否かを判定する(ステップS702)。適切な値であるか否かの判定は、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられたオプションのオプション名と抽出した文字列とが同じであるか否かを判定することで行う。
ステップS702で、適切な値が入力されていると判定された場合(ステップS702:YES)、電子文書進捗率算出部15は、当該項目の進捗率を100%と判断する(ステップS703)。他方、ステップS702で、適切な値が入力されていないと判定された場合(ステップS702:NO)、電子文書進捗率算出部15は、当該項目の進捗率を0%と判断する(ステップS704)。
これにより、進捗率算出装置1は、定型項目の進捗率を算出することができる。
【0055】
次に、ステップS8で行う半定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図11は、半定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が半定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている文字列を抽出する(ステップS801)。次に、電子文書進捗率算出部15は、抽出した文字列の文字数を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準文字数で除算することで、文字列充足率を算出する(ステップS802)。
【0056】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した文字列充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS803)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した文字列充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS803:YES)、文字列充足率を100%として扱う(ステップS804)。次に、進捗率補正部17は、ステップS801で抽出した文字列の文字数に基づいて、新たに基準文字数を算出する(ステップS805)。新たな基準文字数は、当該項目の基準文字数に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した文字列の文字数を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された文字列の文字数の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準文字数を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準文字数を、算出した基準文字数に更新する(ステップS806)。
【0057】
ステップS803で、電子文書進捗率算出部15が、算出した文字列充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS803:NO)、またはステップS806で進捗率補正部17が基準文字数を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、キーワードテーブルにおいて当該項目の項目IDに紐づけられたキーワードのうち、様式テーブルにおいて当該項目を含む電子文書の様式の過去文書出現数が所定の値以上となるキーワードを取得する。次に、当該項目に入力された文字列におけるキーワードの出現数を算出し、算出した出現数を過去文書出現数が所定の値以上となるキーワードの数で除算することで、キーワードの出現率を算出する(ステップS807)。
【0058】
電子文書進捗率算出部15は、出現率を算出すると、進捗率補正部17は、キーワードテーブルの更新を行う(ステップS808)。キーワードテーブルの更新処理は、例えば以下のように行う。まず、進捗率補正部17は、半定型項目に入力された文字列に対して形態素解析処理を行い、入力された文字列を単語に分解する。進捗率補正部17は、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルに格納されているキーワードのうち、分解した単語の中に含まれるキーワードに紐づけられた過去文書出現数に1を加える。次に、進捗率補正部17は、分解した単語のうち、キーワードテーブルに格納されていない単語を新たにキーワードとしてキーワードテーブルに登録する。この際、キーワードIDをユニークな値とし、項目IDに当該項目を示す項目IDを登録し、過去文書出現数として1を登録する。
これにより、項目の進捗率の算出に用いる情報を更新することができ、進捗率の自動算出の精度を上げることができる。
【0059】
進捗率補正部17がキーワードテーブルの更新処理を行うと、電子文書進捗率算出部15は、ステップS802で算出した文字列充足率とステップS807で算出した出現率の平均値を算出することで、当該項目の進捗率を算出する(ステップS809)。
これにより、進捗率算出装置1は、半定型項目の進捗率を算出することができる。また、入力文字数が基準文字数を上回った場合に、基準文字数の値を更新することができる。
【0060】
次に、ステップS9及びステップS12で行う非定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図12は、非定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が半定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている情報を抽出する(ステップS901)。次に、電子文書進捗率算出部15は、抽出した入力情報を画面に表示した際の当該情報の面積を、入力領域の面積で除算することにより、入力情報の占有率を算出する(ステップS902)。入力情報の占有率の算出は、例えば、入力情報を含む入力領域の白黒への二値化処理を行い、全体のうちの黒部分の割合を算出することで求めることができる。または、入力情報の領域を矩形で囲い、入力領域のうち当該矩形で囲われた領域が占める割合を算出することで求めることができる。
電子文書進捗率算出部15は、入力情報の占有率を算出すると、算出した占有率を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準占有率で除算することで、占有充足率を算出する(ステップS903)。
【0061】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した占有充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS904)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した占有充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS904:YES)、占有充足率を100%として扱う(ステップS905)。次に、進捗率補正部17は、ステップS902で算出した入力情報の占有率に基づいて、新たに基準占有率を算出する(ステップS906)。新たな基準占有率は、当該項目の基準占有率に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した入力情報の占有率を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された情報の占有率の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準占有率を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準占有率を、算出した基準占有率に更新する(ステップS907)。
【0062】
ステップS904で、電子文書進捗率算出部15が、算出した占有充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS904:NO)、またはステップS907で進捗率補正部17が基準占有率を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、ステップS901で抽出した入力情報のデータ量を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準データ量で除算することで、情報量充足率を算出する(ステップS908)。
【0063】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した情報量充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS909)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した情報量充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS909:YES)、情報量充足率を100%として扱う(ステップS910)。次に、進捗率補正部17は、ステップS901で抽出した入力情報のデータ量に基づいて、新たに基準データ量を算出する(ステップS911)。新たな基準データ量は、当該項目の基準データ量に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した入力情報のデータ量を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された情報のデータ量の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準データ量を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準データ量を、算出した基準データ量に更新する(ステップS912)。
【0064】
ステップS909で、電子文書進捗率算出部15が、算出した情報量充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS909:NO)、またはステップS912で進捗率補正部17が基準データ量を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、ステップS903で算出した占有充足率とステップS908で算出した情報量充足率の平均値を算出することで、当該項目の進捗率を算出する(ステップS913)。
これにより、進捗率算出装置1は、非定型項目の進捗率を算出することができる。また、入力情報の占有率が基準占有率を上回った場合に、基準占有率の値を更新することができ、また入力情報のデータ量が基準データ量を上回った場合に、基準データ量の値を更新することができる。
【0065】
次に、図9に示すステップS18による更新処理の詳細について説明する。
ステップS18では、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々が記憶する進捗率の算出に用いる情報の更新を行う。以下に、情報の更新方法を説明する。まず、進捗率補正部17は、上述したステップS805と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準文字数を更新する。次に、上述したステップS906と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準占有率を更新する。次に、上述したステップS911と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準データ量を更新する。次に、進捗率補正部17は、様式テーブルの過去文書数に1を加える。
これにより、進捗率が100%でないと判定されたために、上述したステップS805、ステップS906及びステップS911で、基準文字数、基準占有率及び基準データ量情報の更新が行われなかった項目の情報を反映させることができる。
【0066】
次に、進捗率算出装置1のキーワード表示部18の動作について説明する。
上述したステップS807で示されるように、半定型項目の進捗率は、キーワードの出現率に基づいて算出している。このとき、進捗率の算出に用いられるキーワードが作業者にとって不明となってしまう問題がある。そこで、キーワード表示部18は、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルのキーワードを作業者が用いる入力端末などの入力画面に表示させることで、作業者がキーワードを参照しつつ円滑に作業を行うことができるようにしている。
例えば、電子文書監視部12は、作業者による電子文書への書き込み動作を監視し、作業者が電子文書の半定型項目の入力フォームが選択されたとき、キーワード表示部18へキーワード表示指示を出力する。キーワード表示部18は、キーワード表示指示を取得すると、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルが記憶するキーワードのうち、選択された項目の項目IDに紐づけられたキーワードを入力端末の入力画面や、入力端末とは別の表示用端末の画面等に表示させる。この際、キーワードの提示は、キーワードのみを個別に提示しても良いし、キーワードを用いた例文を表示させても良い。
【0067】
このように、本実施形態によれば、様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行うことができる。
【0068】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、進捗率補正部17は、電子文書の非操作時間が所定の閾値を超えたときに進捗率の算出に用いる情報の更新処理を行う場合を説明したが、これに限られず、例えば、作業者が入力端末を介して能動的に入力を完了したことを示すメッセージを送信し、当該メッセージを受信することで更新処理を開始しても良い。また、例えば、作業者が作成した電子文書を電子メールに添付し、または印刷を行った場合など、進捗率補正部17が電子文書の作成が完了したと判定した場合に、完了確認メッセージを送信し、更新処理を行っても良い。
【0069】
また、本実施形態では、電子文書記憶部11、様式記憶部13、ワークフロー進捗率算出部16を進捗率算出装置1内に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、電子文書サーバ、様式データベース、ワークフローシステムなど、他の装置と連携して動作をするようにしても良い。
【0070】
上述の進捗率算出装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0071】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0072】
1…進捗率算出装置 11…電子文書記憶部 12…電子文書監視部 13…様式記憶部 14…様式解析部 15…電子文書進捗率算出部 16…ワークフロー進捗率算出部 17…進捗率補正部 18…キーワード表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたは複数の項目によって構成される電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置、進捗率算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部門や人が関わる業務の流れであるワークフローを、効率的に処理するために、当該ワークフローをコンピュータネットワーク上で管理、支援するワークフローシステムが提案されている。ワークフローシステムでは、業務で作成する電子文書の進捗率を推定し、電子文書の進捗率を用いてワークフローの進捗状況を管理している(例えば特許文献1〜特許文献3を参照)。
【0003】
特許文献1には、プロジェクトの成果物である電子文書の情報量と処理完了時に予想される基準値とを比較して進捗率を推定する技術が開示されている。具体的には、作成中の電子文書のページ数、行数またはサイズを所定の基準値と比較することで進捗率の推定を行っている。
また、特許文献2には、ソフトウェア開発プロジェクトで使用する電子文書に出現する記述要素に対応する情報の個数を計数し、当該計数結果に基づいて進捗率の推定を行う技術が開示されている。
また、特許文献3には、電子文書の作成者の習熟度や当該電子文書の作成難易度などのパラメータを入力し、当該パラメータに基づいて電子文書の作成データ量と作成時間との関係を示す曲線を定め、作業中の電子文書のデータ量と当該曲線とを比較することで進捗率の推定を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−213447号公報
【特許文献2】特開2002−14811号公報
【特許文献3】特開平9−74389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
業務で作成する電子文書は、その様式によって入力する項目が異なり、項目によっては、データ量が少ないが、実際の進捗状況に大きい影響を有する項目や、データ量が多くても進捗状況への影響が少ない項目等、様々な項目が存在しうる。ここで、項目とは、定型化された電子文書に設けられた入力領域のことを指す。また、電子文書は、一般的に、項目毎に定型化の度合いが異なる。例えば、プルダウン形式で択一的に選択する項目や、任意の文字列の入力を受け付ける項目などがある。
しかしながら、項目完成に必要なデータ量と作成進捗率に与える影響が必ずしも比例しないため、従来のワークフローシステムのように電子文書のデータ量や情報の数によって進捗率の推定を行うと、推定された進捗率と実際の進捗率との間に乖離が生じてしまうという問題があった。また、電子文書の項目の各々に適した進捗率の推定を行うことができなかった。
【0006】
また、特許文献1には、プロジェクト開始以前またはプロジェクト業務外の日常のオフィスワークで用いる電子文書の進捗率の算定方法は開示されていない。このようなオフィスワークでは必ずしも作業工程が固定的でなく、用いる電子文書も日々発生する業務に応じて流動的に追加・削除・変更等されるケースが多い。また、文書のページ数、行数またはサイズなど、情報量のみに基づいて判断する進捗率が、実際の進捗率とは異なるということは経験的に認識されている。例えば、情報量の少ない短い文書であっても必要キーワードを網羅し、的確な内容であれば情報量の多い文書の進捗率を凌ぐ場合がある。したがって、これらの事実に着目した電子文書の作成進捗率の推定技術が求められている。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術も、特許文献1に記載の技術と同様に、プロジェクト開発工程上における各プロジェクト生産物を基準とした進捗率の推定を行っており、上述したようなオフィスワークにおける電子文書作成の作成進捗率の推定に対応させるには課題が残る。
【0008】
また、特許文献3に記載の技術をオフィスワークに適用した場合、予め作成難易度等のパラメータを設定しておくことは容易ではない。また、特許文献3には、書類全体を最小単位として作成進捗率の推定をする方法が開示されているが、業務によっては1つの文書を作成するのに数日を要するものもあるため、特許文献3に記載の技術では、例えば日単位、時間単位等の詳細な進捗管理を行うことができなかった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子文書の項目の各々に適した進捗率の推定を行う進捗率算出装置、進捗率算出方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置であって、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段と、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段と、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する複数の選択肢から入力内容を選択することで入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目への入力の有無を判定し、入力がある場合に当該項目の入力の有無に基づいて進捗率を決定する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目に入力された文字列の文字数と所定の基準文字数とに基づいて当該項目の文字列充足率を算出し、当該算出した文字列充足率を用いて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記基準文字数は、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列の文字数の平均値であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した文字列充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された文字列の文字数に基づいて前記基準文字数を更新する基準文字数更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、所定のキーワード群に含まれるキーワードの、当該項目に入力された文字列における出現数に基づいて算出した出現率を用いて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明において、前記キーワード群に含まれるキーワードは、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列に含まれる部分文字列のうち、所定の出現数または所定の出現率以上出現した部分文字列であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明において、前記項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目への入力を監視する半定型項目監視手段と、前記半定型項目監視手段が前記項目への入力を検知したときに、画面に前記キーワード群を表示させるキーワード表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、前記文字列充足率と前記キーワードの出現率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、前記入力された情報を画面に表示した際の当該情報の面積を前記所定の枠内の面積で除算することにより得られる入力情報の占有率と、所定の基準占有率とに基づいて、占有充足率を算出し、当該算出した占有充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明において、前記基準占有率は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報の占有率の平均値であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した占有率が所定の値より大きいときに、前記占有率に基づいて前記基準占有率を更新する基準占有率更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、当該項目に入力された情報のデータ量と所定の基準データ量とに基づいて、情報量充足率を算出し、当該算出した情報量充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明において、前記基準データ量は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報のデータ量の平均値であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段が算出した情報量充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された情報のデータ量に基づいて前記基準データ量を更新する基準データ量更新手段を備える、ことを特徴とする。
【0025】
また、本発明において、前記項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、前記占有充足率と前記情報量充足率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、ことを特徴とする。
【0026】
また、本発明において、前記書類進捗率算出手段は、予め前記項目の各々に設定された重みに基づいて、前記項目の進捗率の加重平均を作成進捗率として算出することを特徴とする。
【0027】
また、本発明において、複数の業務からなるワークフローにおいて、前記業務と当該業務において作成される電子文書を紐づけて記憶するワークフロー記憶手段と、前記書類進捗率算出手段が算出した電子文書の進捗率に基づいて、前記ワークフロー記憶手段が当該電子文書に紐づけて記憶する業務の進捗率を算出する業務進捗率算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】
また、本発明において、前記業務進捗率算出手段は、予め前記電子文書の各々に設定された重みに基づいて、前記電子文書の進捗率の加重平均を業務の進捗率として算出することを特徴とする。
【0029】
また、本発明において、前記業務進捗率算出手段が算出した前記業務の各々の進捗率に基づいて前記ワークフローの進捗率を算出するワークフロー進捗率算出手段を備えることを特徴とする。
【0030】
また、本発明において、前記ワークフロー進捗率算出手段は、予め前記業務の各々に設定された重みに基づいて、前記業務の進捗率の加重平均をワークフローの進捗率として算出することを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を用いた進捗率算出方法であって、項目種別判定手段は、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定し、項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出し、書類進捗率算出手段は、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する、を備えることを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段、として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、電子文書の項目の各々の種別に基づいて当該項目の進捗率を算出し、算出された項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による進捗率算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】ワークフローテーブルが格納する情報を示す図である。
【図3】業務テーブルが格納する情報を示す図である。
【図4】様式テーブルが格納する情報を示す図である。
【図5】項目テーブルが格納する情報を示す図である。
【図6】キーワードテーブルが格納する情報を示す図である。
【図7】オプションテーブルが格納する情報を示す図である。
【図8】電子文書の項目の種別を示す図である。
【図9】進捗率算出装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【図11】半定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【図12】非定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による進捗率算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
進捗率算出装置1は、電子文書記憶部11、電子文書監視部12(半定型項目監視手段)、様式記憶部13(プロジェクト記憶手段)、様式解析部14(項目種別判定手段)、電子文書進捗率算出部15(項目進捗率算出手段、書類進捗率算出手段)、ワークフロー進捗率算出部16(業務進捗率算出手段、ワークフロー進捗率算出手段)、進捗率補正部17、キーワード表示部18(キーワード表示手段)を備える。
電子文書記憶部11は、業務を行う作業者が入力端末などによって作成した電子文書を記憶する。
電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書への変更があるか否か、及び当該電子文書が編集中であるか否かを監視する。
様式記憶部13は、電子文書記憶部11に登録される電子文書の様式の情報を格納する様式テーブル、ある様式の電子文書に含まれる入力項目の情報を格納する項目テーブル、入力項目の進捗率を判定する際に用いるキーワードを格納するキーワードテーブル、入力項目の選択肢を格納するオプションテーブル、ワークフローの情報を格納するワークフローテーブル、及び、ワークフローを構成する業務の情報を格納する業務テーブルを記憶する。
様式解析部14は、電子文書の様式を特定し、前記様式記憶部13から当該電子文書に含まれる入力項目の情報を取得する。
電子文書進捗率算出部15は、電子文書に含まれる入力項目の各々の進捗率を当該項目の種別に応じた算出方法で算出し、算出した項目の各々の進捗率を用いて電子文書の進捗率を算出する。
ワークフロー進捗率算出部16は、電子文書作成の進捗率に基づいてワークフローを構成する業務の進捗率を算出し、また、ワークフロー全体の進捗率を算出する。算出した進捗率は管理者端末などの画面に表示させる。
進捗率補正部17は、作成が完了した項目の各々の進捗率についての情報に基づいて様式記憶部13が記憶する項目テーブルの情報を更新する。
キーワード表示部18は、入力端末などが電子文書を編集する際に、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルに格納されているキーワードを表示させる。キーワードの表示は、例えば、入力端末の入力画面に表示させる方法や、入力端末とは別の表示用端末の画面に表示させる方法、編集中の電子文書の入力欄に自動入力させておく方法などがある。
【0036】
次に、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々について説明を行う。
図2は、ワークフローテーブルが格納する情報を示す図である。
ワークフローテーブルは、ワークフローIDに紐づけてワークフロー名を格納する。
ワークフローIDは、ワークフローの識別番号を示す。
ワークフロー名は、ワークフローの名称を示す。
【0037】
図3は、業務テーブルが格納する情報を示す図である。
業務テーブルは、業務IDに紐づけてワークフローID、業務名、重みを格納する。
業務IDは、ワークフローを構成する業務の識別番号を示す。
ワークフローIDは、当該業務IDが示す業務が属するワークフローのワークフローIDを示す。
業務名は、当該業務IDが示す業務の名称を示す。
重みは、ワークフローの進捗率の算出における当該業務IDが示す業務の重要性を示す。
【0038】
図4は、様式テーブルが格納する情報を示す図である。
様式テーブルは、様式IDに紐づけて業務ID、過去文書数、様式名、重みを格納する。
様式IDは、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の様式の識別番号を示す。
業務IDは、当該様式IDが示す様式の電子文書を作成する業務の業務IDを示す。
過去文書数は、過去に作成を完了した当該様式IDの電子文書の数を示す。
様式名は、様式IDに対応する様式の名称を示す。
重みは、業務の進捗率の算出における当該様式IDが示す様式の電子文書の重要性を示す。
【0039】
図5は、項目テーブルが格納する情報を示す図である。
項目テーブルは、項目IDに紐づけて様式ID、項目名、種別、基準文字数、基準占有率、基準データ量、重みを格納する。
項目IDは、電子文書に含まれる項目の識別番号を示す。
様式IDは、当該項目IDが示す項目を含む電子文書の様式IDを示す。
項目名は、項目IDに対応する項目の名称を示す。
種別は、当該項目IDが示す項目の種別を示す。項目の種別は、項目名に対応する特定の文字列群から入力内容を選択することで入力が完成する項目を示す定型項目、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目を示す半定型項目、または、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目を示す非定型項目の何れかを示す。なお、非定型項目は、文字列以外の情報、例えば画像、グラフ、表などの情報も入力することができる。
基準文字数は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された文字列の文字数の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準文字数は、項目の種別が半定型である場合にのみ格納される。
基準占有率は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された情報が所定の枠内を占める度合い(占有率)の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準占有率は、項目の種別が非定型である場合にのみ格納される。
基準データ量は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該項目IDが示す項目に入力された情報のデータ量の平均値を示し、当該項目の進捗率を算出する際の比較対象として用いられる。なお、基準データ量は、項目の種別が非定型である場合にのみ格納される。
重みは、電子文書の進捗率の算出における当該項目IDが示す項目の重要性を示す。
なお、図5に示すように、項目テーブルは、様式IDが無く、種別が非定型である情報を項目ID=0として格納している。この情報は、様式テーブルに様式の情報が格納されていない電子文書の進捗率を算出する際に用いる。なお、本実施形態では、様式IDが無く、種別が非定型である情報を項目ID=0とする例を用いて説明するが、これに限られず、例えば項目IDを他の値としても良いし、または様式IDが無く、種別が非定型である情報を格納しなくても良い。
【0040】
図6は、キーワードテーブルが格納する情報を示す図である。
キーワードテーブルは、キーワードIDに対応付けて項目ID、過去文書出現数、キーワードを格納する。
キーワードIDは、半定型項目の進捗率の算出に用いるキーワードの識別番号を示す。
項目IDは、当該キーワードIDが示すキーワードを用いて進捗率を算出する項目の項目IDを示す。なお、項目IDは、項目テーブルにおいて当該項目IDの種別が半定型として登録されている場合にのみ格納される。
過去文書出現数は、過去に作成を完了した電子文書のうち当該キーワードIDに紐づけられた項目IDが示す項目に、当該キーワードIDが示すキーワードが出現した数を示す。
キーワードは、当該キーワードIDが示すキーワードを示す。
【0041】
図7は、オプションテーブルが格納する情報を示す図である。
オプションテーブルは、オプションIDに対応付けて項目ID、オプション名を格納する。
オプションIDは、定型項目の選択肢となるオプションの識別番号を示す。
項目IDは、当該オプションIDが示すオプションを選択肢とする項目の項目IDを示す。なお、項目IDは、項目テーブルにおいて当該項目IDの種別が定型として登録されている場合にのみ格納される。
オプション名は、当該オプションIDが示すオプションの名称を示す。
【0042】
図8は、電子文書の項目の種別を示す図である。
図8に示す電子文書を例とすると、定型項目とは、PC・媒体種別、機密性区分のようにチェックボックスなどによって入力内容を選択する項目、管理番号のように予め決められた文字列の入力を行う項目を示す。また、半定型項目とは、持出目的、持出先、情報名称のように任意の文字列を入力する項目を示す。また、非定型項目とは、当該電子文書の最下に与えられた項目のように、画像や文字列などの任意の情報を入力する項目を示す。
【0043】
進捗率算出装置1が上述したような構成を備えることで、様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行う。
【0044】
次に、進捗率算出装置1の動作を説明する。
図9は、進捗率算出装置の動作を示すフローチャートである。
進捗率算出装置1の電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書を定期的に確認し、電子文書への変更があるか否かを判定する(ステップS1)。電子文書の変更の有無の判定方法としては、例えば電子文書のヘッダ等に格納される更新日時の情報を内部メモリに格納し、確認の際に当該更新日時の情報が書き換わっているか否かを判定することで実現することができる。
【0045】
電子文書監視部12が、電子文書への変更があると判定した場合(ステップS1:YES)、様式解析部14は、変更された電子文書の様式の情報が、様式記憶部が記憶する様式テーブルに格納されているか否かを判定する(ステップS2)。様式の情報の有無の判定方法としては、例えば電子文書のヘッダ等に格納されているタイトルの情報と様式テーブルの様式名とが一致するものがあるか否かを判定する方法や、様式に設定された様式IDと様式テーブルの様式IDとが一致するものがあるか否かを判定する方法などによって実現することができる。
【0046】
様式解析部15は、変更された電子文書の様式の情報が様式テーブルに格納されていると判定した場合(ステップS2:YES)、様式テーブルから様式の情報(様式ID等)を取得する(ステップS3)。次に、様式解析部15は、取得した様式IDに紐づけられた項目の情報(項目ID等)を項目テーブルから取得し、さらに、取得した項目IDの各々に紐づけられたキーワード及びオプションの情報をキーワードテーブル及びオプションテーブルから取得する(ステップS4)。
【0047】
様式解析部15が項目の各々の情報を取得すると、進捗率算出装置1は、以下に示すステップS6〜ステップS9の処理を項目の各々に対して行う(ステップS5)。
まず、電子文書進捗率算出部15は、処理を行う項目の項目IDに紐づけられた種別が、定型であるか、半定型であるか、非定型であるかを判定する(ステップS6)。
電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が定型で有ると判定した場合(ステップS6:定型)、定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS7)。定型項目の進捗率算出処理は、入力欄における所定の文字・数値・記号等の有無から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
また、ステップS6で、電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が半定型で有ると判定した場合(ステップS6:半定型)、半定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS8)。半定型項目の進捗率算出処理は、入力欄における文字列(文字・数値・記号等)の文字数や、文字列に含まれる所定のキーワードの数から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
また、ステップS6で、電子文書進捗率算出部15が、項目の種別が非定型で有ると判定した場合(ステップS6:非定型)、非定型項目の進捗率算出処理を行う(ステップS9)。非定型項目の進捗率算出処理は、入力を行う枠内における入力情報の占有率や入力情報のデータ量から進捗率を算出するものであり、具体的な処理手順は、後述する。
【0048】
ステップS5〜ステップS9によって、変更された電子文書に含まれる全ての項目の進捗率を算出すると、電子文書進捗率算出部15は、変更された電子文書の進捗率を算出する(ステップS10)。変更された電子文書の進捗率は、電子文書に含まれる項目の各々の項目IDに紐づけられた重みを用い、項目の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。すなわち、項目の進捗率の各々に当該項目の重みを乗じたものの総和を、当該項目の重みの総和で除算したものを電子文書の進捗率とする。
【0049】
一方、ステップS2で、様式解析部15が、変更された電子文書の様式の情報が様式テーブルに格納されていないと判定した場合(ステップS2:NO)、様式解析部14は、様式記憶部13の項目テーブルから、様式テーブルに格納されていない様式の電子文書の進捗率の算出に用いる情報を取得する(ステップS11)。本実施形態においては、様式テーブルに格納されていない様式の電子文書の進捗率の算出に用いる情報は、図5に示すように、項目IDが0であり、様式IDが無く、種別が非定型として格納されている情報である。
様式解析部14が進捗率の算出に用いる情報を取得すると、電子文書進捗率算出部15は、当該電子文書全体を非定型項目の進捗率算出処理を行うことで電子文書の進捗率を算出する(ステップS12)。
【0050】
ステップS10またはステップS12によって電子文書の進捗率を算出すると、様式解析部14は、様式記憶部13の様式テーブルから、進捗率を算出した電子文書の様式IDに紐づけられた業務IDを取得し、業務テーブルから、取得した業務IDに紐づけられた業務の情報を取得する。また、様式解析部14は、様式記憶部13の業務テーブルから、取得した業務IDに紐づけられたワークフローIDを取得し、ワークフローテーブルから、取得したワークフローIDに紐づけられたワークフローの情報を取得する(ステップS13)。次に、ワークフロー進捗率算出部16は、業務及びワークフローの進捗率を算出する(ステップS14)。ここで、業務の進捗率は、業務に属する電子文書の各々の様式IDに紐づけられた重みを用い、電子文書の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。すなわち、電子文書の進捗率の各々に当該電子文書の様式の重みを乗じたものの総和を、当該様式の重みの総和で除算したものを業務の進捗率とする。また、ワークフローの進捗率の算出は、ワークフローに属する業務の各々の業務IDに紐づけられた重みを用い、業務の各々の進捗率の加重平均を算出することで得ることができる。
ワークフロー進捗率算出部16は、業務及びワークフローの進捗率を算出すると、管理者端末などのビューアに業務及びワークフローの進捗率を表示させ、処理を終了する。
【0051】
次に、ステップS1で、電子文書監視部12が、電子文書への変更がないと判定した場合(ステップS1:NO)の処理について説明する。
ステップS1で電子文書への変更がないと判定されると、電子文書監視部12は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書への最終更新時刻からの経過時間である非操作時間が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。電子文書監視部12によって非操作時間が所定の閾値未満であると判定された場合(ステップS15:NO)、進捗率算出装置1は処理を行わず、次に電子文書の変更の判定を行う時刻まで待機する。
【0052】
電子文書監視部12によって非操作時間が所定の閾値以上であると判定された場合(ステップS15:YES)、進捗率補正部17は、入力端末などに、当該電子文書への操作が完了しているか否かを確認するメッセージを送信する(ステップS16)。作業者は、当該電子文書への操作が完了している場合、入力端末を介して進捗率算出装置1に操作が完了していることを示すメッセージを送信し、電子文書への操作が完了していない場合、操作が完了していないことを示すメッセージを送信する。
【0053】
次に、進捗率補正部17は、入力端末からメッセージを受信すると、受信したメッセージが、操作が完了していることを示すメッセージであるか否かを判定する(ステップS17)。進捗補正部17によって、受信したメッセージが、操作が完了していないことを示すメッセージであると判定された場合(ステップS17:NO)、進捗率算出装置1は処理を行わず、次に電子文書の変更の判定を行う時刻まで待機する。
他方、進捗補正部17は、受信したメッセージが、操作が完了していることを示すメッセージであると判定した場合(ステップS17:YES)、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々が記憶する進捗率の算出に用いる情報の更新を行う(ステップS18)。情報の更新の詳細については、後述する。
【0054】
次に、ステップS7で行う定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図10は、定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている文字列を抽出する(ステップS701)。次に、電子文書進捗率算出部15は、当該項目に適切な値が入力されているか否かを判定する(ステップS702)。適切な値であるか否かの判定は、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられたオプションのオプション名と抽出した文字列とが同じであるか否かを判定することで行う。
ステップS702で、適切な値が入力されていると判定された場合(ステップS702:YES)、電子文書進捗率算出部15は、当該項目の進捗率を100%と判断する(ステップS703)。他方、ステップS702で、適切な値が入力されていないと判定された場合(ステップS702:NO)、電子文書進捗率算出部15は、当該項目の進捗率を0%と判断する(ステップS704)。
これにより、進捗率算出装置1は、定型項目の進捗率を算出することができる。
【0055】
次に、ステップS8で行う半定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図11は、半定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が半定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている文字列を抽出する(ステップS801)。次に、電子文書進捗率算出部15は、抽出した文字列の文字数を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準文字数で除算することで、文字列充足率を算出する(ステップS802)。
【0056】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した文字列充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS803)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した文字列充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS803:YES)、文字列充足率を100%として扱う(ステップS804)。次に、進捗率補正部17は、ステップS801で抽出した文字列の文字数に基づいて、新たに基準文字数を算出する(ステップS805)。新たな基準文字数は、当該項目の基準文字数に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した文字列の文字数を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された文字列の文字数の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準文字数を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準文字数を、算出した基準文字数に更新する(ステップS806)。
【0057】
ステップS803で、電子文書進捗率算出部15が、算出した文字列充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS803:NO)、またはステップS806で進捗率補正部17が基準文字数を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、キーワードテーブルにおいて当該項目の項目IDに紐づけられたキーワードのうち、様式テーブルにおいて当該項目を含む電子文書の様式の過去文書出現数が所定の値以上となるキーワードを取得する。次に、当該項目に入力された文字列におけるキーワードの出現数を算出し、算出した出現数を過去文書出現数が所定の値以上となるキーワードの数で除算することで、キーワードの出現率を算出する(ステップS807)。
【0058】
電子文書進捗率算出部15は、出現率を算出すると、進捗率補正部17は、キーワードテーブルの更新を行う(ステップS808)。キーワードテーブルの更新処理は、例えば以下のように行う。まず、進捗率補正部17は、半定型項目に入力された文字列に対して形態素解析処理を行い、入力された文字列を単語に分解する。進捗率補正部17は、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルに格納されているキーワードのうち、分解した単語の中に含まれるキーワードに紐づけられた過去文書出現数に1を加える。次に、進捗率補正部17は、分解した単語のうち、キーワードテーブルに格納されていない単語を新たにキーワードとしてキーワードテーブルに登録する。この際、キーワードIDをユニークな値とし、項目IDに当該項目を示す項目IDを登録し、過去文書出現数として1を登録する。
これにより、項目の進捗率の算出に用いる情報を更新することができ、進捗率の自動算出の精度を上げることができる。
【0059】
進捗率補正部17がキーワードテーブルの更新処理を行うと、電子文書進捗率算出部15は、ステップS802で算出した文字列充足率とステップS807で算出した出現率の平均値を算出することで、当該項目の進捗率を算出する(ステップS809)。
これにより、進捗率算出装置1は、半定型項目の進捗率を算出することができる。また、入力文字数が基準文字数を上回った場合に、基準文字数の値を更新することができる。
【0060】
次に、ステップS9及びステップS12で行う非定型項目の進捗率の算出の詳細について説明する。
図12は、非定型項目の進捗率の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS6で、項目が半定型項目であると判定されると、電子文書進捗率算出部15は、項目に入力されている情報を抽出する(ステップS901)。次に、電子文書進捗率算出部15は、抽出した入力情報を画面に表示した際の当該情報の面積を、入力領域の面積で除算することにより、入力情報の占有率を算出する(ステップS902)。入力情報の占有率の算出は、例えば、入力情報を含む入力領域の白黒への二値化処理を行い、全体のうちの黒部分の割合を算出することで求めることができる。または、入力情報の領域を矩形で囲い、入力領域のうち当該矩形で囲われた領域が占める割合を算出することで求めることができる。
電子文書進捗率算出部15は、入力情報の占有率を算出すると、算出した占有率を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準占有率で除算することで、占有充足率を算出する(ステップS903)。
【0061】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した占有充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS904)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した占有充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS904:YES)、占有充足率を100%として扱う(ステップS905)。次に、進捗率補正部17は、ステップS902で算出した入力情報の占有率に基づいて、新たに基準占有率を算出する(ステップS906)。新たな基準占有率は、当該項目の基準占有率に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した入力情報の占有率を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された情報の占有率の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準占有率を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準占有率を、算出した基準占有率に更新する(ステップS907)。
【0062】
ステップS904で、電子文書進捗率算出部15が、算出した占有充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS904:NO)、またはステップS907で進捗率補正部17が基準占有率を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、ステップS901で抽出した入力情報のデータ量を、上述したステップS4で取得した当該項目の項目IDに紐づけられた基準データ量で除算することで、情報量充足率を算出する(ステップS908)。
【0063】
次に、電子文書進捗率算出部15は、算出した情報量充足率が100%より大きいか否かを判定する(ステップS909)。
電子文書進捗率算出部15は、算出した情報量充足率が100%より大きいと判定した場合(ステップS909:YES)、情報量充足率を100%として扱う(ステップS910)。次に、進捗率補正部17は、ステップS901で抽出した入力情報のデータ量に基づいて、新たに基準データ量を算出する(ステップS911)。新たな基準データ量は、当該項目の基準データ量に当該項目を含む様式の過去文書数を乗じたものに抽出した入力情報のデータ量を加え、得られた値を、過去文書数に1を加えた値で除算することで算出する。つまり、過去に作成を完了した電子文書及び今回変更された電子文書における、当該項目IDが示す項目に入力された情報のデータ量の平均値を算出する。
進捗率補正部17は、基準データ量を算出すると、様式記憶部13が記憶する項目テーブルのうち、当該項目IDに紐づけられた基準データ量を、算出した基準データ量に更新する(ステップS912)。
【0064】
ステップS909で、電子文書進捗率算出部15が、算出した情報量充足率が100%以下であると判定した場合(ステップS909:NO)、またはステップS912で進捗率補正部17が基準データ量を登録した場合、電子文書進捗率算出部15は、ステップS903で算出した占有充足率とステップS908で算出した情報量充足率の平均値を算出することで、当該項目の進捗率を算出する(ステップS913)。
これにより、進捗率算出装置1は、非定型項目の進捗率を算出することができる。また、入力情報の占有率が基準占有率を上回った場合に、基準占有率の値を更新することができ、また入力情報のデータ量が基準データ量を上回った場合に、基準データ量の値を更新することができる。
【0065】
次に、図9に示すステップS18による更新処理の詳細について説明する。
ステップS18では、様式記憶部13が記憶するテーブルの各々が記憶する進捗率の算出に用いる情報の更新を行う。以下に、情報の更新方法を説明する。まず、進捗率補正部17は、上述したステップS805と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準文字数を更新する。次に、上述したステップS906と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準占有率を更新する。次に、上述したステップS911と同様の処理を行うことで、様式記憶部13が記憶する項目テーブルの基準データ量を更新する。次に、進捗率補正部17は、様式テーブルの過去文書数に1を加える。
これにより、進捗率が100%でないと判定されたために、上述したステップS805、ステップS906及びステップS911で、基準文字数、基準占有率及び基準データ量情報の更新が行われなかった項目の情報を反映させることができる。
【0066】
次に、進捗率算出装置1のキーワード表示部18の動作について説明する。
上述したステップS807で示されるように、半定型項目の進捗率は、キーワードの出現率に基づいて算出している。このとき、進捗率の算出に用いられるキーワードが作業者にとって不明となってしまう問題がある。そこで、キーワード表示部18は、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルのキーワードを作業者が用いる入力端末などの入力画面に表示させることで、作業者がキーワードを参照しつつ円滑に作業を行うことができるようにしている。
例えば、電子文書監視部12は、作業者による電子文書への書き込み動作を監視し、作業者が電子文書の半定型項目の入力フォームが選択されたとき、キーワード表示部18へキーワード表示指示を出力する。キーワード表示部18は、キーワード表示指示を取得すると、様式記憶部13が記憶するキーワードテーブルが記憶するキーワードのうち、選択された項目の項目IDに紐づけられたキーワードを入力端末の入力画面や、入力端末とは別の表示用端末の画面等に表示させる。この際、キーワードの提示は、キーワードのみを個別に提示しても良いし、キーワードを用いた例文を表示させても良い。
【0067】
このように、本実施形態によれば、様式解析部14は、電子文書記憶部11が記憶する電子文書の項目の各々の種別を判定し、電子文書進捗率算出部15は、様式解析部14が判定した種別に基づいて項目の各々の進捗率を算出し、算出した項目毎の進捗率を用いて電子文書の作成進捗率を算出する。
これにより、電子文書の各項目に適した進捗率の推定を行うことができる。
【0068】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、進捗率補正部17は、電子文書の非操作時間が所定の閾値を超えたときに進捗率の算出に用いる情報の更新処理を行う場合を説明したが、これに限られず、例えば、作業者が入力端末を介して能動的に入力を完了したことを示すメッセージを送信し、当該メッセージを受信することで更新処理を開始しても良い。また、例えば、作業者が作成した電子文書を電子メールに添付し、または印刷を行った場合など、進捗率補正部17が電子文書の作成が完了したと判定した場合に、完了確認メッセージを送信し、更新処理を行っても良い。
【0069】
また、本実施形態では、電子文書記憶部11、様式記憶部13、ワークフロー進捗率算出部16を進捗率算出装置1内に備える場合を説明したが、これに限られず、例えば、電子文書サーバ、様式データベース、ワークフローシステムなど、他の装置と連携して動作をするようにしても良い。
【0070】
上述の進捗率算出装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0071】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0072】
1…進捗率算出装置 11…電子文書記憶部 12…電子文書監視部 13…様式記憶部 14…様式解析部 15…電子文書進捗率算出部 16…ワークフロー進捗率算出部 17…進捗率補正部 18…キーワード表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置であって、
前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段と、
前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段と、
前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段と、
を備えることを特徴とする進捗率算出装置。
【請求項2】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する複数の選択肢から入力内容を選択することで入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目への入力の有無を判定し、入力がある場合に当該項目の入力の有無に基づいて進捗率を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の進捗率算出装置。
【請求項3】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目に入力された文字列の文字数と所定の基準文字数とに基づいて当該項目の文字列充足率を算出し、当該算出した文字列充足率を用いて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項4】
前記基準文字数は、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列の文字数の平均値であることを特徴とする請求項3に記載の進捗率算出装置。
【請求項5】
前記項目進捗率算出手段が算出した文字列充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された文字列の文字数に基づいて前記基準文字数を更新する基準文字数更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の進捗率算出装置。
【請求項6】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
所定のキーワード群に含まれるキーワードの、当該項目に入力された文字列における出現数に基づいて算出した出現率を用いて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項7】
前記キーワード群に含まれるキーワードは、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列に含まれる部分文字列のうち、所定の出現数または所定の出現率以上出現した部分文字列であることを特徴とする請求項6に記載の進捗率算出装置。
【請求項8】
前記項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目への入力を監視する半定型項目監視手段と、
前記半定型項目監視手段が前記項目への入力を検知したときに、画面に前記キーワード群を表示させるキーワード表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項6または請求項7の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項9】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
前記文字列充足率と前記キーワードの出現率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項3及び請求項6に記載の進捗率算出装置。
【請求項10】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
前記入力された情報を画面に表示した際の当該情報の面積を前記所定の枠内の面積で除算することにより得られる入力情報の占有率と、所定の基準占有率とに基づいて、占有充足率を算出し、当該算出した占有充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項11】
前記基準占有率は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報の占有率の平均値であることを特徴とする請求項10に記載の進捗率算出装置。
【請求項12】
前記項目進捗率算出手段が算出した占有率が所定の値より大きいときに、前記占有率に基づいて前記基準占有率を更新する基準占有率更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の進捗率算出装置。
【請求項13】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目に入力された情報のデータ量と所定の基準データ量とに基づいて、情報量充足率を算出し、当該算出した情報量充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項12の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項14】
前記基準データ量は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報のデータ量の平均値であることを特徴とする請求項13に記載の進捗率算出装置。
【請求項15】
前記項目進捗率算出手段が算出した情報量充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された情報のデータ量に基づいて前記基準データ量を更新する基準データ量更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の進捗率算出装置。
【請求項16】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
前記占有充足率と前記情報量充足率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項10及び請求項13に記載の進捗率算出装置。
【請求項17】
前記書類進捗率算出手段は、予め前記項目の各々に設定された重みに基づいて、前記項目の進捗率の加重平均を作成進捗率として算出することを特徴とする請求項1から請求項16の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項18】
複数の業務からなるワークフローにおいて、前記業務と当該業務において作成される電子文書を紐づけて記憶するワークフロー記憶手段と、
前記書類進捗率算出手段が算出した電子文書の進捗率に基づいて、前記ワークフロー記憶手段が当該電子文書に紐づけて記憶する業務の進捗率を算出する業務進捗率算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項17の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項19】
前記業務進捗率算出手段は、
予め前記電子文書の各々に設定された重みに基づいて、前記電子文書の進捗率の加重平均を業務の進捗率として算出することを特徴とする請求項18に記載の進捗率算出装置。
【請求項20】
前記業務進捗率算出手段が算出した前記業務の各々の進捗率に基づいて前記ワークフローの進捗率を算出するワークフロー進捗率算出手段を備えることを特徴とする請求項18または請求項19のいずれか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項21】
前記ワークフロー進捗率算出手段は、
予め前記業務の各々に設定された重みに基づいて、前記業務の進捗率の加重平均をワークフローの進捗率として算出することを特徴とする請求項20に記載の進捗率算出装置。
【請求項22】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を用いた進捗率算出方法であって、
項目種別判定手段は、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定し、
項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出し、
書類進捗率算出手段は、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する、
を備えることを特徴とする進捗率算出方法。
【請求項23】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を、
前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段、
前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段、
前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段、
として動作させるためのプログラム。
【請求項1】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置であって、
前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段と、
前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段と、
前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段と、
を備えることを特徴とする進捗率算出装置。
【請求項2】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する複数の選択肢から入力内容を選択することで入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目への入力の有無を判定し、入力がある場合に当該項目の入力の有無に基づいて進捗率を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の進捗率算出装置。
【請求項3】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目に入力された文字列の文字数と所定の基準文字数とに基づいて当該項目の文字列充足率を算出し、当該算出した文字列充足率を用いて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項4】
前記基準文字数は、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列の文字数の平均値であることを特徴とする請求項3に記載の進捗率算出装置。
【請求項5】
前記項目進捗率算出手段が算出した文字列充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された文字列の文字数に基づいて前記基準文字数を更新する基準文字数更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の進捗率算出装置。
【請求項6】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
所定のキーワード群に含まれるキーワードの、当該項目に入力された文字列における出現数に基づいて算出した出現率を用いて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項7】
前記キーワード群に含まれるキーワードは、過去に作成された電子文書の該当項目に入力された文字列に含まれる部分文字列のうち、所定の出現数または所定の出現率以上出現した部分文字列であることを特徴とする請求項6に記載の進捗率算出装置。
【請求項8】
前記項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目への入力を監視する半定型項目監視手段と、
前記半定型項目監視手段が前記項目への入力を検知したときに、画面に前記キーワード群を表示させるキーワード表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項6または請求項7の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項9】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、項目名に対応する任意の文字列を入力することにより入力が完成する項目であると判定された場合、
前記文字列充足率と前記キーワードの出現率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項3及び請求項6に記載の進捗率算出装置。
【請求項10】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
前記入力された情報を画面に表示した際の当該情報の面積を前記所定の枠内の面積で除算することにより得られる入力情報の占有率と、所定の基準占有率とに基づいて、占有充足率を算出し、当該算出した占有充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項11】
前記基準占有率は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報の占有率の平均値であることを特徴とする請求項10に記載の進捗率算出装置。
【請求項12】
前記項目進捗率算出手段が算出した占有率が所定の値より大きいときに、前記占有率に基づいて前記基準占有率を更新する基準占有率更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の進捗率算出装置。
【請求項13】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
当該項目に入力された情報のデータ量と所定の基準データ量とに基づいて、情報量充足率を算出し、当該算出した情報量充足率に基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項12の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項14】
前記基準データ量は、過去に作成された電子文書の該当項目における入力情報のデータ量の平均値であることを特徴とする請求項13に記載の進捗率算出装置。
【請求項15】
前記項目進捗率算出手段が算出した情報量充足率が所定の値より大きいときに、前記項目に入力された情報のデータ量に基づいて前記基準データ量を更新する基準データ量更新手段を備える、
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の進捗率算出装置。
【請求項16】
前記項目進捗率算出手段は、
前記項目種別判定手段によって、前記項目の種別が、所定の枠内に任意の情報を入力することで入力が完成する項目であると判定された場合、
前記占有充足率と前記情報量充足率とに基づいて当該項目の進捗率を算出する、
ことを特徴とする請求項10及び請求項13に記載の進捗率算出装置。
【請求項17】
前記書類進捗率算出手段は、予め前記項目の各々に設定された重みに基づいて、前記項目の進捗率の加重平均を作成進捗率として算出することを特徴とする請求項1から請求項16の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項18】
複数の業務からなるワークフローにおいて、前記業務と当該業務において作成される電子文書を紐づけて記憶するワークフロー記憶手段と、
前記書類進捗率算出手段が算出した電子文書の進捗率に基づいて、前記ワークフロー記憶手段が当該電子文書に紐づけて記憶する業務の進捗率を算出する業務進捗率算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項17の何れか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項19】
前記業務進捗率算出手段は、
予め前記電子文書の各々に設定された重みに基づいて、前記電子文書の進捗率の加重平均を業務の進捗率として算出することを特徴とする請求項18に記載の進捗率算出装置。
【請求項20】
前記業務進捗率算出手段が算出した前記業務の各々の進捗率に基づいて前記ワークフローの進捗率を算出するワークフロー進捗率算出手段を備えることを特徴とする請求項18または請求項19のいずれか1項に記載の進捗率算出装置。
【請求項21】
前記ワークフロー進捗率算出手段は、
予め前記業務の各々に設定された重みに基づいて、前記業務の進捗率の加重平均をワークフローの進捗率として算出することを特徴とする請求項20に記載の進捗率算出装置。
【請求項22】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を用いた進捗率算出方法であって、
項目種別判定手段は、前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定し、
項目進捗率算出手段は、前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出し、
書類進捗率算出手段は、前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する、
を備えることを特徴とする進捗率算出方法。
【請求項23】
電子文書の作成進捗率を算出する進捗率算出装置を、
前記電子文書の1つまたは複数の項目の種別を判定する項目種別判定手段、
前記項目種別判定手段が判定した種別に基づいて前記項目の各々の進捗率を算出する項目進捗率算出手段、
前記項目進捗率算出手段によって算出された項目毎の進捗率を用いて前記電子文書の作成進捗率を算出する書類進捗率算出手段、
として動作させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−8504(P2011−8504A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150977(P2009−150977)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
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