遊戯装置
【課題】徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれるようなことを低減させて遊戯の興趣性をさらに向上させる。
【解決手段】遊戯装置の制御手段は、特性検出手段が検出した付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す。
【解決手段】遊戯装置の制御手段は、特性検出手段が検出した付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊戯装置に係わり、特にメダル遊戯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メダル遊戯装置として、従来、例えばメダルプッシャ遊戯装置が知られている。このメダルプッシャ遊戯装置は、遊戯者がメダルをメダルプッシャ遊戯装置の特定フィールドに投入することにより、フィールド上を往復動するプッシャに押圧されたメダルがフィールドから落下し、落下したメダルが遊戯者に払い出されるように構成されている。
【0003】
また、多数枚のメダルが堆積しているフィールドにボールを供給し、当該ボールが落下溝に落ちるとメダルが落ちた場合よりも高い配当のメダル払い戻しをすることによりさらに興趣性を向上させたメダル遊戯装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。このようなメダル遊戯装置においては、メダル以外のオブジェクトを落下させて高配当の払い戻しを得るという新しい楽しみを享受することが可能となっている。
【0004】
さらに、このようにメダル以外の落下オブジェクトとしてボールを採用するメダル遊戯装置として、色分けした複数種類のボールを用意し、ボールの落とし方に応じてボールの価値をどんどん高め、ある条件に適合することによって払い戻し枚数を増加させて興趣性を向上させたものも提案されている。例示すれば、一例として黄→黄→黄→黄……というように同色のボールを連続してフィールドから落とした場合、連続した回数に応じて当該色のボール(この場合、黄色ボール)の価値を高め、メダルの払い出し枚数を増加させるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−272429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のようなメダル遊戯装置においては、同色のボールが連続して落下することにより当該色のボールの価値が高まっていても、この価値が途中で初期値(デフォルト値)に戻ってしまうことがあり、この結果、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれるようなことを低減させて遊戯の興趣性をさらに向上させた遊戯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。例えば上述のごときメダル遊戯装置においては、同色のボールが連続して落下することにより当該色のボールの価値が高まっていても(一例として、当該色のボールが落下したときの払い出しメダル枚数が15枚→30枚→45枚→60枚…というように増えていても)、途中で異なる色のボールがひとたび落下してしまえばせっかく増えた価値(メダル枚数)が初期値(デフォルト値)に戻ってしまう。このような遊戯装置においては、同色のボールが落下するたびに期待度が膨らんでいくものの、当該期待度が大きいほど、異なる色のボールが落下したときの落胆も大きく、このことが、徐々に高まってきた遊戯の興趣性を一気に削いでしまうことにつながっている場合が起こり得た。このように興趣性が大きく削がれることがあることについてさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づくものであり、遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置であって、遊戯者が当該装置の外部から遊戯フィールドにメダルを投入するためのメダル投入手段と、遊戯フィールド内にあって、複数のメダルが載置されるメダルフィールドと、該メダルフィールド上で往復動を行い、メダルフィールドのメダルを落下させる往復動手段と、該往復動手段によってメダルフィールドから落下したメダルを検出するメダル検出手段と、該メダル検出手段からのメダル検出情報を受けて抽選処理を行う抽選手段と、遊戯フィールドにメダルを払い出すメダル払い出し手段と、抽選手段の抽選結果に応じて、付加価値遊戯部材を遊戯フィールドに供給する付加価値遊戯部材供給手段と、付加価値遊戯部材の特性を検出する特性検出手段と、該特性検出手段により検出された付加価値遊戯部材の特性に基づいて、付加価値遊戯部材と対応するメダルの払い枚し数を決定する制御手段と、を備え、制御手段は、特性検出手段が検出した付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す、というものである。
【0010】
かかる遊戯装置において累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定する場合、直前まで累積されていた累積メダル払い出し枚数を第1の確率で特別加算値として記憶するとともに、特性検出手段が一の特性の付加価値遊戯部材を検出した場合に、第2の確率で特別加算値として記憶されている累積メダル払い出し枚数を現時のメダル払い出し枚数に加算することが好ましい。
【0011】
また、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、第3の確率で、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定することなく直前の累積メダル払い出し枚数を保持し続けるとともに、他の特性の付加価値遊戯部材に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出すことも好ましい。
【0012】
さらに、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が連続して検出されるごとに、第2の確率を通常時の値から最大設定値まで段階的に増加させてもよい。
【0013】
また、複数の遊戯フィールドのうちの少なくとも一つにおいて電源が切断後の立ち上げが行われた際、当該遊戯フィールドにおける第2の確率が通常時の値よりも高く設定されていてもよい。
【0014】
さらには、上述の遊戯装置が、遊戯フィールドには抽選手段による抽選結果などを表示する表示部を備えるとともに、該表示部内にて、第2の確率の段階的な増加を示す演出表示を行うことも好ましい。
【0015】
遊戯装置の付加価値遊戯部材には、種類別に固有のメダル払い出し枚数が設定されており、もっとも個体数が多い種類の付加価値遊戯部材の固有メダル払い戻し枚数がもっとも少なく設定されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれるようなことを低減させて遊戯の興趣性をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】遊戯端末装置の斜視図である。
【図2】遊戯端末装置のメダルフィールドの拡大図である。
【図3】遊戯装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ボールの色を検出してメダル払い出し枚数を決定するための一般的な処理内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるボール色判別、累積メダル払い出し枚数等の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】オッズブロック発生時における表示部内での演出例を示す図である。
【図7】クリティカルコンボ発生時における表示部内での演出例を示す図である。
【図8】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図9】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図10】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図11】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図12】遊戯装置全体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以後、本発明が適用される遊戯装置について説明するとともに、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
図1は、遊戯端末装置12の斜視図である。遊戯端末装置12には後述する遊戯端末装置制御部30がジャックポットの成立を判定するためのクルーン400と、メダルプッシャ遊戯を行なう各種機構が備わっている。
【0020】
符号406はメダルプッシャ遊戯の領域であるメダルフィールド401上を矢印方向に往復動するプッシャである。特に図示しないが、特開2005−27952号の図9等のように、プッシャ406は、モータの回転による伝達腕の往復動により、伝達腕と連結される往復動プレートがメダルフィールド401を往復する。往復動プレートがメダルフィールド401を往復動すると、複数のメダルが堆積して出来た山を適当に崩れ、その結果メダルが後述のメダル落下端418又は平坦部412の両端部から遊戯端末装置12の内部に落下する。なお、プッシャ406の駆動源はモータに限定されるものではなく、アクチュエータやソレノイドなどの駆動源で構成することもできる。
【0021】
符号410は、プッシャ406上に積まれたメダルがプッシャ406と一体に往復動する際にメダルの平坦面412の方向に対する逆方向への動きが規制する規制板であり、遊戯端末装置12内に固定配置されている。このようにすることで、プッシャ406上に積まれたメダルが規制板410を越えてプッシャ406と一体に移動することはできなくなる。また規制板410の近傍のメダルは、プッシャ406の往復運動によって規制板410に接触することで、規制板410により押し戻されることとなる。
【0022】
符号404は、メダルプッシャ遊戯で獲得に成功したメダルが遊戯者に払い出されるメダルプールである。本実施形態においては、上述のプッシャ406の往復動により、メダルフィールド401から摺落したメダルのうち、メダルプッシャ遊戯で獲得に成功したメダルが遊戯端末装置12内の落下メダル回収機構(図示省略)によって回収された後、メダルプール404に払い出しされる。
【0023】
符号405は、外部から当該装置内のメダルフィールド方向へメダルを放出するメダル放出装置にメダルを投入するメダル投入装置である。すなわち、遊戯者が獲得したメダルをメダルプール404からメダル投入装置405に入れ、メダル放出装置の回転部材402を回転させることで、メダル投入装置405から順次メダルがメダル放出装置内に供給され、メダル放出装置によって、メダルはプッシャ406の上面或いは平坦面412まで放出される。
【0024】
符号414は、メダル放出装置から放出されたメダルの射出方向を変化するメダル放出ノズルである。すなわち、放出ノズル414の向きを特定の方向に向けるノズル方向調整手段(図示しない)により、メダル放出装置から放出されるメダルの射出方向を変化させ、遊戯者が狙った方向へメダルを放出させることができる。なお、放出ノズル414の向きをモータなどの駆動手段により、一定間隔で変化させることもできる。これにより、遊戯者に放出方向を狙わせる方法とは異なる遊戯性を遊戯端末装置12に持たせることも可能となる。
【0025】
符号413は、メダルが傾斜面415を滑落する過程でメダルが通過したことを検出するセンサ(図示しない)が設けられたメダル検出手段である。すなわち、メダル検出手段413をメダルが通過すると、上述のセンサがメダルの通過情報(メダル通過情報)を検出する。例えば、メダル検出手段413を遊戯端末装置12の内部に備え、メダルが傾斜面415を滑落する過程で所定位置に設けられた孔部に落下した際に、その落下するメダルが孔部を通過する情報をメダル通過情報として検出する構成とすることができる。なお、遊戯端末装置制御部30はメダル通過情報に基づき抽選処理を行う。
【0026】
符号416は、遊戯端末装置12の傾斜面415に抽選結果などを表示する表示部である。
【0027】
符号522は、遊戯端末装置12へクルーン400またはジャックポット分離メカ(図示しない)を介して供給されるボールである。なお、ボール522をクルーン400またはジャックポット分離メカを介して供給されるのではなく、遊戯端末装置12内に別途設けられたボール払い出し装置490(図3参照)によって払い出すこともできる。
【0028】
符号408及び符号430(図12参照)は、遊戯端末装置12において、上述の抽選処理に基づく褒賞としてのメダルを遊戯フィールド419に供給するメダル払い出し装置である。すなわち、遊戯端末装置12でメダル遊戯装置が構成される場合、上述の抽選処理に基づく褒賞としてのメダルをプッシャ406の上面又は平坦面412など、遊戯フィールド419(図2参照)へ、メダルホッパを備えたメダル払い出し装置408から供給する。
【0029】
なお、図12の遊戯装置1のように構成される場合、メダル払い出し装置をメダルカプセル430とメダル払い出し装置408とに分けて構成することができる。分けて構成する場合、複数のメダルカプセル430が遊戯端末装置12の近傍を環状に整列している。図12の遊戯端末装置12のいずれかにおいて、獲得メダル数が多い場合にメダルカプセル430からメダルの供給を受けるように構成されている。一つのメダルカプセル430には所定枚数(例:100枚)のメダルが収容されており、獲得メダル数が100枚を越える場合、100枚単位でメダルをメダルカプセル430から供給することができる。この場合、端数のメダルは上述のメダル払い出し装置408から供給することができる。
【0030】
図2は、遊戯端末装置12の一部を拡大した斜視図である。
【0031】
本実施形態における遊戯端末装置12は、メダル524とボール522とが同一のメダルフィールド401に対して供給されうるため、メダル524とボール522とを分離するための分離装置が設けられている。この分離装置は傾斜面415を落下してくるメダル524とボール522とを分離し、ボール522のみを所定のボール回収位置まで搬送する。さらに、分離装置はモータ530とモータ530に取り付けられている駆動プーリ(図示省略)と、駆動プーリにベルトを介して接続される従動プーリ(図示省略)とから構成され、従動プーリには遊戯端末装置12の幅方向に向かって延びる回転軸とこの軸を略中心に備え、螺旋状に形成されている螺旋体532とが結合されて構成されている。なお、螺旋体532の最下端と傾斜面415との間にはメダル524が通過するに足りる隙間が設けられている。
【0032】
なお、上記分離装置は、遊戯者から認識できる位置に設置されることが好ましい。これにより、後述するボールの色に対応するメダル払い出し枚数との関係により遊戯者に対してさらなる期待感を持たすことが可能になるからである。
【0033】
すなわち、図2に示すように、斜面415を落下してくるボール522を螺旋体532で受け止め、モータ530の回転によって螺旋体532が回転し、螺旋体532の回転に合わせてボール522が螺旋体532の回転方向に沿って、傾斜面415に摺接しながら矢印528の方向に移動する。さらに螺旋体532の先にはボール回収孔540があり、このボール回収孔540を通過して一旦回収されたボール522は遊戯端末装置12内部を通過した後にボール貯留部(図示省略)に回収される。
【0034】
つまり、傾斜面415側に落下してきたメダル524は、ボール522と傾斜面415との間で挟まれて螺旋体532を一時的に通過できないことがあったとしても、当該螺旋体532の回転に応じてボール522が矢印528の方向に移動するためにボール522の位置が変化するため、メダル524がボール522に挟まれた状態が解消される構成になっている。
【0035】
そして、螺旋体532の最下端と傾斜面415との間にはメダル524が通過するに足りる隙間が設けられているために、メダル524は螺旋体532に当接しないようにして螺旋体532の下部を矢印526の方向に通過して遊戯端末装置12内部に落下し、上述の落下メダル回収機構に回収される。
【0036】
また、分離装置により所定のボール回収位置まで搬送されたボール522はボール回収孔540に落下する。また、ボール回収孔540の開口端付近には、落下したボール522の通過を検出するボール通過センサ(図示省略)が設けられている。さらにボール回収孔540に落下したボール522は、遊戯端末装置12の内部に配設されたボール522の特性(本実施形態の場合、色)を検出するセンサを有する色検出センサ(特性検出手段)492で色を検出される。なお、ボール回収孔540の開口端付近に直接ボール522の色を検出する色検出センサ492を設けて、ボール522の色を検出することもできる。
【0037】
色検出センサ492は、投光素子に3色(赤色、青色、緑色)のLED光源を使用し、検出物体にスポット光を照射して、被検出部材からの反射による受光の色成分(色相・彩度・明度)の分析を行い、分析の結果に基づいて、色を特定する。なお、本実施形態においては、ボール522の色を検出するために色検出センサ492を用いているが、ボールの特性が検出することのできるものであればよく、ボール内部に円板状のICタグを内蔵し、ICタグにボール522の特性情報を記録し、その特性情報を、電磁誘導を利用することで非接触な通信を行って、ボールの特性を検出することもできる。
【0038】
そして、色検出センサ(特性検出手段)492で色を検出した後、ボール通過センサによる検出情報(検出信号)、及び、色検出センサ492による検出情報(検出信号)が遊戯端末装置制御部30(後述)に送信される。
【0039】
次に、図3を参照して、本実施形態の遊戯端末装置12における遊戯端末装置制御部30(制御構成)について説明する。
【0040】
遊戯端末装置12の遊戯端末装置制御部30は、CPU(制御部、ゲーム実行部)350と、記憶部352と、ブートROM356と、ペリフェラルI/F(周辺機器接続インタフェイス手段)358と、バスアービタ360と、GPU(グラフィックプロセッサ、画像生成手段)362と、グラフィックメモリ364と、オーディオプロセッサ366と、オーディオメモリ368と、通信I/F370とを含んで構成される。
【0041】
CPU350は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えた制御手段である。このCPU350に、後述する記憶部352やGPU(グラフィックプロセッサ)362やオーディオプロセッサ等の機能を備えることも可能である。
【0042】
記憶部352は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含んで構成される。本実施形態の遊戯端末装置12における記憶部352には、プログラムと、データとが備えられている。また、この記憶部352には、遊戯端末装置12をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System、図示せず)が備えられており、プログラム111等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、遊戯端末装置12の各機能にアクセス可能である。
【0043】
プログラムは、遊戯端末装置12を、CPU350が実行するためのゲームプログラムである。なお、プログラム自体を、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりするような構成にすることも可能である。また、データは、このゲームプログラム用の各種データであり、各キャラクタの表示用ポリゴンデータ、音楽データ等のゲーム実行に必要なデータを備えている。また難易度の設定等の情報も記憶することができる。
【0044】
ブートROM356は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリや擬似SRAMなどの不揮発性記憶媒体である。ブートROM356は、遊戯端末装置12が起動する際に、CPU350のマイクロコードの設定を行ったり、各部の初期化を行ったり、記憶部352からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行ったりする。また、通信I/F370のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダル524の枚数やボール522の個数等をカウントするためのプログラムやデータを備えている。
【0045】
ペリフェラルI/F358は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェイスを提供する部位である。このペリフェラルI/F358によって接続される各種周辺機器として、遊戯端末装置12においては、各種ボタンスイッチ494(図3参照)、メダル放出装置、メダル払い出し装置408、電源スイッチ496(図3参照)などを用いることができる。また、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続して用いることもできる。また、ペリフェラルI/F358は、電子スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフにして消費電力を抑えることもできる。
【0046】
バスアービタ360は、いわゆる「チップセット」等の各部を接続するためのバスインタフェイスを提供する集積回路である。このバスアービタ360で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。また、例えば、CPU350と、記憶部352と、バスアービタ360の間はFSBやHTといった高速なバスで接続され、GPU(グラフィックプロセッサ)362とバスアービタ360の間も広帯域なバスで接続されるのが好適である。さらに、CPU350にDDR2/3 SDRAMやXDR DRAM等のバスインタフェイスが内蔵されて、記憶部352を直接読み書きするように構成されていてもよい。
【0047】
GPU362は、3次元CGを描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成手段)である。グラフィックプロセッサは、ポリゴンのジオメトリ(座標)の計算を行うジオメトリプロセッサ362aと、ジオメトリ計算が行われたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリングプロセッサ362bとを含んで構成される。また、グラフィックプロセッサは、描画された画像を表示装置などに出力するため、RAMDAC(RAM D/Aコンバーター)やHDMIインタフェイス等を備えている。
【0048】
ジオメトリプロセッサ362aは、ポリゴンの3次元空間での座標(ワールド座標)について、行列の回転や拡大等を行って、アフィン変換等を行い、ポリゴンの2次元空間での座標を求める部位である。また、ジオメトリプロセッサ362aは、ポリゴンの分割やスプライン補完等のテッセレーションを行う、「ジオメトリシェーダ」(又はバーテックスシェーダ)を備えることもできる。
【0049】
レンダリングプロセッサ362bは、座標計算されたポリゴンについて、テクスチャと呼ばれる画像データを貼り付け、各種効果を加えてグラフィックメモリに描画する部位である。この各種効果としては、プログラマブル・シェーダ等を用いて、光点・影(シェーディング)計算、明暗の表現、半透明、ぶれ、霧、ぼかし、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)等の計算を行うことができる。また、レンダリングプロセッサ362bが描画するポリゴンの種類としては、点ポリゴン(ポイント)、線ポリゴン(ラインリスト)、三角形や四角形といった面ポリゴン、面ポリゴンの集合体等がある。加えて、レンダリングプロセッサ362bがレイ・トレーシング等を用いて描画を行う際には、円、楕円、球、メタボール等の領域で定義される物体を描画することも可能である。
【0050】
なお、ジオメトリプロセッサ362aを、CPU350にて処理するように構成することも可能である。この場合は記憶部352に記憶するプログラムをCPU350が実行して作成したポリゴンの座標を、グラフィックメモリに転送等を行う。レンダリングプロセッサ362bは、このポリゴンの座標に従って、ポリゴンを描画する。
【0051】
グラフィックメモリ364は、GPU(グラフィックプロセッサ)362が描画するために高速に読み書きができる記憶媒体である。たとえば、このグラフィックメモリ364として、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等の広帯域なメモリを高レベルのメモリインターリーブ等を用いて接続することができる。また、システムLSIのようにグラフィックメモリ364をGPU(グラフィックプロセッサ)362に内蔵する構成も可能である。また、GPU(グラフィックプロセッサ)362が描画している間に、ディスプレイモニタに表示するためのデュアルポート構成をとることも可能である。
【0052】
オーディオプロセッサ366は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ366は、物理演算音源、FM音源等の計算を行い、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ366の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、出音部(例:スピーカなど)417で音楽や音声や効果音として再生される。また、オーディオプロセッサ366は、マイクから入力した音声の音声認識等にも対応することができる。
【0053】
オーディオメモリ368は、音楽や音声や効果音のためのデジタル変換されたデータを記憶している記憶媒体である。オーディオプロセッサ366とオーディオメモリ368とを一体的に構成することも当然可能である。
【0054】
通信I/F370は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークに接続するための(例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等)インタフェイスである。本実施形態における遊戯端末装置12は、通信I/F370を介して他の遊戯端末装置や遊戯装置、または図示しないサーバと通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他の遊戯端末装置12のプレイヤとの対戦ゲーム(例えば、対戦などの競争を行うゲームなど。)又は共同ゲーム(例えば協力して課題を解決するゲームなど)をすることができる。また、複数の遊戯端末装置12を通信可能に接続されることで、サーバを介して、ゲームスコア(点数、得点等、以下スコアという。)の集計や、他の遊戯施設に配置された遊戯装置との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0055】
表示部416は、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、複数のLED(発光ダイオード[Light Emitting Diode])で構成されたデジタル表示機等の表示手段(表示装置)である。表示部416には、具体的なゲーム上の展開やスコア等に加え、設定画面等についても表示することができる(図6等参照)。
【0056】
出音部417は、オーディオプロセッサ366から出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力する部位(出音部)である。また、出音部417と同時に、音声入力を行うためのマイク(入音装置)を備えていてもよい。
【0057】
続いて、本実施形態における遊戯端末装置12のメダル通過情報に基づく抽選処理の制御例を示す。
【0058】
メダル検出手段413により検出された上述のメダル通過情報は、遊戯端末装置制御部30の記憶部(記憶手段)352に記憶される。また、記憶部352は、メダル検出手段413で検出されたメダルの枚数分、つまり、複数回数分に相当するメダル通過情報を記憶する。
【0059】
さらに遊戯端末装置制御部30が、その記憶されたメダル通過情報に基づき、上述の抽選処理を連続的に行うことができる。そして、抽選過程および抽選結果に対応した画像を表示部416(後述)に表示させる(図6等参照)。
【0060】
そして、遊戯端末装置制御部30は、抽選結果が所定役(例えば「当たり」役など)であった場合には、役の種類に応じてメダル払い出し装置408(図1参照)にプッシャ406の上面又は平坦面412等、遊戯フィールド419へ褒賞としてのメダルを払い出させる。また、上述の抽選結果が特定役であった場合には、ボール払い出し装置490にプッシャ406の上面又は平坦面412などの遊戯フィールド419へ褒賞としてのボール522を払い出すように構成することができる。
【0061】
次に本実施形態の遊戯端末装置12における、ボール(付加価値遊戯部材)522がメダルフィールド401の傾斜面415を転落してボール回収孔540から回収された場合の制御例を以下に示す(図4〜図11等参照)。
【0062】
遊戯端末装置制御部30は、上述したように、色検出センサ492によってボール回収孔540から回収されたボール522の特性(本実施形態の場合、当該ボール522の色の検出情報)が検出され、その検出情報(検出信号)に基づいてボール522の色を識別する。
【0063】
また、遊戯端末装置制御部30は、記憶部352に予めボール522の色に対して払い出されるメダル枚数を制御テーブル(記憶情報)として記憶しており、その制御テーブル(記憶情報)から払い出されるメダル枚数を決定する。そして、決定したメダル枚数をメダル払い出し装置408に払い出すように制御する。これにより、メダル払い出し装置408からメダルフィールド401に対し、複数枚のメダルが払い出されることとなる。
【0064】
ここで一般的なフローチャートを参照しながら説明すると(図4参照)、色検出センサ492がボール522の色を検出し(ステップSP)し、この検出信号に基づいて遊戯端末装置制御部30が色識別を行う(ステップSP2)。特定色だった場合、所定のメダル枚数n枚を払い出すという一連の処理を行い(ステップSP3)、処理を終了する。ステップSP2においてボール522が特定の色ではない場合には、特定色の場合よりも少ないメダル枚数m枚を払い出す(ステップSP4)。
【0065】
したがって、例えば「黄色」のボールに対しては15枚、「緑色」のボールに対しては100枚というようにメダル524を払い出すことで、プッシャ406の往復動でメダル524を遊戯フィールド419内に落下させてより多くのメダルを獲得できるようにすることの他に、ボール522の色と対応するメダル払い出しを行うことによって、従来のメダルプッシャ遊戯装置とは異なった遊戯性と興趣性を醸し出すことができる。
【0066】
また、遊戯端末装置制御部30は、ボール522の検出順番の情報を読み取り、予め記憶されている色の順番に一致した場合には、メダル払い出し装置408から複数枚のメダルを払い出す(ステップSP5)。
【0067】
本実施形態の遊戯端末装置12においては、さらに興趣性を向上させるため、図5に示すフローチャートに従って処理を行う。以下、処理に連動した表示部416での画面表示例とともにこの処理内容について説明する(図5〜図11参照)。
【0068】
すなわち、ボール(付加価値遊戯部材)522の特性(本実施形態の場合、当該ボール522の色)を色検出センサ492によって検出し、ある特性が連続して検出された場合にはメダル524の払い出し枚数を累積決定する処理を行うとともに、この累積の前の決定済みメダル払い出し枚数を遊戯フィールド419に払い出す。
【0069】
一方、ある特性のボール522とは異なる他の特性のボール522が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールド419に払い出す。
【0070】
本実施形態の遊戯端末装置12はこれらの処理を基本としつつ、興趣性をさらに向上させる処理を実施する。以下、この処理内容について具体例を挙げて説明する。
【0071】
ここでは、ボール522に着色される複数種類の色のうち、もっとも存在割合が多く、尚かつメダル524の払い出し枚数がもっとも少なく設定されている黄色のボール522を対象とし、当該黄色のボール522が連続したとき等に特徴あるイベントを発生させる。
【0072】
まず、上述のボール通過センサ(図示省略)によりボールイン(ボール522がボール回収孔540を通過して回収されたこと)を検出したら(ステップSP11にてYES)、当該ボール522の色を色検出センサ492によって検出する(ステップSP12)。ボール522の色が黄色であれば(ステップSP13)、複合・累積的なチャンス(以下、「コンボ」という)を演出し、黄色以外の色であれば(ステップSP19)、累積メダル払い出し枚数をリセットする等のイベント(以下、単に「イベント」ともいう)を演出する(図5等参照)。
【0073】
前者のようにボール522が黄色の場合(ステップSP13)、遊戯端末装置制御部30のCPU350が抽選処理を実施してコンボの種類を決定する(ステップSP14)。本実施形態の遊戯端末装置12の場合には、この抽選の結果、「クリティカルコンボ」(ステップSP15)と「イエローコンボ」(ステップSP17)のいずれかが選択される。
【0074】
イエローコンボ(ステップSP17)は黄色のボール522が連続したときの通常の演出処理であり、所定のメダル枚数を累積決定するとともに、現時における枚数(当該累積前の決定済み枚数)のメダル524を遊戯フィールド419に払い出す(メダルの「放出」)。例えば本実施形態の場合、黄色のボール522に対して15枚の払い出し枚数および累積枚数を設定しており、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を15上昇させ(ステップSP18)、累積前の枚数のメダル524を払い出す(メダルの「放出」)。また本実施形態においては、表示部416の例えば左下の隅に累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を表示している(図6等参照)。
【0075】
一方、クリティカルコンボ(ステップSP15)は、通常は上述のイエローコンボによって累積メダル払い出し枚数が例えば15ずつしか上昇しなかったのに対し、この累積メダル払い出し枚数を大きく上昇させる演出処理(コンボ)を実行するものである。これによれば、遊戯中における黄色ボール522の価値が高まることになる。また、黄色のボール522が落下した場合の演出パターンが増えて遊戯者の楽しみが増すことにもなる。本実施形態では、「潜伏オッズ」のいずれかを選択し、当該オッズの数だけ累積メダル払い出し枚数を上昇させる(ステップSP16)。
【0076】
また、ボールインしたボール522の色が黄色以外の場合には(ステップSP19)、抽選処理を実施していずれのイベントを実施するかを決定する(ステップSP20)。例えば本実施形態では、「リセット」(ステップSP21)、「オッズブロック」(ステップSP23)、「潜伏リセット」(ステップSP25)のうちのいずれかのイベントを実施する(図5参照)。なお、これらイベントの中では、リセット処理が通常的なイベントであり、抽選確率(発生率)がもっとも高い。これに対し、オッズブロックおよび潜伏リセットの抽選確率(発生率)はリセットのそれよりも低く設定されている。
【0077】
リセット(ステップSP21)は、当該時点まで累積した累積メダル払い出し枚数をデフォルト値に戻す(リセットする)というイベントである。例えば本実施形態では、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をデフォルト値である15に戻す(ステップSP22)。また、これに伴い、表示部416のイエローオッズカウンターYCに表示されている現時の累積メダル払い出し枚数を当該枚数に変更する(図6等参照)。
【0078】
オッズブロック(ステップSP23)は、上述したリセット(ステップSP21)を回避することができるイベントである。すなわち、ボールインしたボール522の色が黄色以外の場合(ステップSP19)には高い確率で累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がリセットされるのは上述したとおりであるが、本実施形態ではこのようなリセットが行われない(別表現をすれば、現時の黄色ボール522の価値が失われずに維持される)イベントとしてこのオッズブロックを設定している(ステップSP24)。このようなオッズブロックの表示部416での演出としては種々のものが考えられるが、リセットされると考えいったんは落胆した遊戯者に期待や驚きを与えうるようなものとすることは好ましい演出の一つである。具体的には、黄色以外のボール(例えば、払い出し枚数が25に設定されているピンクのボール)522をイエローオッズカウンターYCにぶつけ、通常であれば(「リセット」処理であれば)累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がデフォルト値である15に戻るところ、当該黄色以外のボール522がはじかれて飛び越え、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が変化しない(例示している図6の場合、イエローオッズが195のまま変わらない)という動きを演出することができる。(図6参照)。
【0079】
潜伏リセット(ステップSP25)は、現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をリセットしてデフォルト値に戻すまでは上述のリセット(ステップSP21)と同様であるが、ここではさらにリセット時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を「潜伏オッズ」として、黄色ボール522の価値を遊戯端末装置12の内部に保存(遊戯端末装置12の記憶部に記憶)したものとしてストックする(ステップSP26)。例えば本実施形態では、潜伏オッズを最大限5個まで遊戯端末装置制御部30の記憶部352にストック(保存)しておく。
【0080】
上述の潜伏リセット(ステップSP25)によって潜伏オッズがストックされている場合、クリティカルコンボ(ステップSP15)が発生した際には、これら潜伏オッズの中からいずれかを抽選で選択し、当該選択された潜伏オッズの値の分だけこれを特別加算値(原資)として累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を上昇させる(ステップSP16)。この場合、本実施形態の遊戯端末装置12の表示部416では、オッズカウンターYC付近に別の黄色ボール522が潜伏オッズを示す値とともに現れ、現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)に当該潜伏オッズの値を加算して大きく上昇させるという演出をしている(図7参照)。
【0081】
なお、上述した潜伏オッズのストックがすでに最大限である5個ストックされている満杯状態のときは、黄色以外のボール522がボールインしてイベントを決定する際(ステップSP19、ステップSP20)、潜伏リセット(ステップSP25)は選択されない処理内容とすることができるし、さらにはオッズブロック(ステップSP23)のみが選択される処理内容とすることもできる。
【0082】
ここまで、複合・累積的なチャンスであるコンボと、累積メダル払い出し枚数をリセットする等のイベントについてその処理内容や演出を説明したが、上述のイベントにおいて、黄色以外のボール522が連続した場合にさらに別の処理および演出を実行することも遊戯の興趣性を向上させる点で好ましい。例えば本実施形態では、黄色以外のボール522の連続した数に応じて、上述したクリティカルコンボの発生確率を徐々に上昇させる処理および演出を行っている。すなわち、ステップSP22あるいはステップSP26にて累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をリセットした後、黄色以外のボール522が連続してボールインしたかどうかを判断し(ステップSP27)、連続した場合にはクリティカルコンボの発生確率を上昇させる(ステップSP28)。クリティカルコンボの発生確率やその上昇のさせ方には種々あるが、一例を挙げれば、当初のデフォルト発生確率を1/10とし、黄色以外のボール522が2回連続したら1/8、3回連続したら1/6、4回連続したら1/4、5回連続したら1/2とし、以降、この発生確率1/2を上限として変化させないというものがある。
【0083】
また、クリティカルコンボの発生確率の変化に応じて表示部416内で演出を行うことも好ましい。例えば本実施形態では、クリティカルコンボの発生確率が上昇するにつれてイエローオッズカウンターYCに表示されているボール522の周囲に稲妻を表示させるようにしている。より具体的には、黄色以外のボールが2回連続したら弱い稲妻(図8参照)、3回連続したらそれよりも強い稲妻(図9参照)、4回連続したらさらに強い稲妻(図10参照)、5回以上連続したらもっとも強い稲妻(図11参照)を演出する。表示部416内でのこのような演出によれば、黄色以外のボール522が連続するたびに遊戯者が抱く期待感を高めることが可能である。
【0084】
なお、このような遊戯端末装置12において、潜伏オッズが空の状態(1つもストックされていない状態)であっても、所定の条件を満たせば上の稲妻を発生させるようにしてよい。この場合には、黄色ボール522がボールインしても(ステップSP11、ステップSP13)、クリティカルコンボ(ステップSP15)は発生させずイエローコンボ(ステップSP17)のみ発生させる処理、次に黄色ボール522がボールインしたら表示されている稲妻を消す処理などを実行することも好ましい。
【0085】
以上説明した本実施形態の遊戯端末装置12によれば遊戯の興趣性をさらに向上させることができる。すなわち、黄色ボール522が連続してボールインしている場合、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増え、当該遊戯中における黄色ボール522の価値が向上する過程に遊戯者が興趣を感じていても、そこで黄色以外のボール522がボールインしてしまうとせっかく高まった期待と興趣が冷めてしまう可能性があった。このような事態は、黄色ボール522が連続して累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増えれば増えるほど、その反動として興趣が一気に削がれるといった結果にもなりかねない。この点、本実施形態の遊戯端末装置12では、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増えた状態で黄色以外のボール522がボールインしたとしても当該累積メダル払い出し枚数がリセットされる以外の途ないし可能性を残し、遊戯者が期待を抱きつつ遊戯進行をより楽しめるようにすることにより、期待や興趣性が一気に削がれるという従来のような事態が生じるのを低減させている。
【0086】
また、本実施形態の遊戯端末装置12においては、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がリセットされたとしても、当該リセットされたる現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が潜伏オッズとしてストックされ、クリティカルコンボ発生時に(ステップSP15)、この潜伏オッズが選択されて累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が大きく上昇する可能性も秘められている。このことも相まって、この遊戯端末装置12では、遊戯者の期待とは裏腹に黄色以外のボール522がボールインしたとしても興趣性を一気に削ぐような事態を回避し、さらに期待を抱きながら遊戯を続けることを可能としている。
【0087】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態ではクリティカルコンボの発生確率を上昇させるステップ(ステップSP28)など、遊戯中における処理と演出について説明したが、遊戯中以外の局面において本発明を適用することも可能である。例示すれば、ある遊戯端末装置12において異常からの復旧処理等のため電気切断(電断)の後に再立ち上げを行った際、当該遊戯端末装置12においてクリティカルコンボの発生確率を上昇させることとしてもよい。また、これに伴い、イエローオッズカウンターYCに表示されているボール522の周囲に相応の稲妻を表示させてもよい。こうした場合には、再立ち上げ後、黄色ボール522がボールインした際にクリティカルコンボ(ステップSP15)は発生して累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が大きく上昇するという期待感が高まる。また、このような処理と演出を、遊戯中に電気切断せざるを得なかった遊戯端末装置12で遊戯していた遊戯者に謝意を表す手段として利用することも可能である。
【0088】
また、上述した実施形態ではボール522の特性として色が検出される場合を例示して説明したが、色以外の要素を媒介に特性を検出することももちろん可能である。例示すれば、当該ボール522の表面に形成された平面的ないし立体的形状や模様等を種類判別のための検出対象としてもよい。あるいは、当該ボール522の外周部分を透明材料で形成し、内部に設置された平面的ないし立体的形状や模様等を検出対象としてもよい。または、光の透過度の違いなどを検出対象にしてこれを媒介にボール522の種類を判別してもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、累積メダル払い出し枚数に対する「潜伏」又は「放出」を行う場合を例示して説明したが、累積メダル払い出し枚数に限定されず、例えば、所定条件を充たした場合にのみ実行が可能な特別抽選に対する所定条件の達成度や、その特別抽選への挑戦権を「潜伏」又は「放出」を行う対象とすることもできる。
【0090】
さらに、上述した実施形態では、遊戯端末装置12のみで累積メダル払い出し枚数に対する「潜伏」又は「放出」を行う場合を例示して説明したが、遊戯端末装置12のみでの処理に限定されず、同一店舗、或いは、他の店舗において、ネットワークで通信可能に接続された他の遊戯端末装置12との間でそれぞれの累積メダル払い出し枚数を「潜伏」又は「放出」を行う対象とすることもできる。
【0091】
また、上述した実施形態では、遊戯端末装置12のみで遊戯が実行される場合を例示して説明したが、図12(遊戯装置1の斜視図を示したもの)のように、この遊戯装置1は全体として大型の円形状の筐体10から構成し、この大型筐体の円周方向に均等に10基のクライアント装置、即ち遊戯者がメダル遊戯を実行可能な遊戯端末装置12が整列されていても実施可能である。なお、特に図示しないが、筐体10内には、付加価値遊戯部材としてのボール522が転がるようにそれぞれ管状に複数のコースが当該筐体10の上部から螺旋状に筐体下部に向かっていく形態で設けることができる。さらに、筐体10内には、当該筐体10の底部に位置するボール522を各コースに分配しながら筐体上部まで持ち上げ、筐体上部にてこれらボール522をコースの開始端(上端)にリリースするリフタが設けることができる。これにより、遊戯端末装置12のそれぞれで遊戯を行う遊戯者がコース上にどの色のボールが配置されているかを知ることができるため、本実施形態における遊戯装置1での遊戯を行うかどうかを事前に判断できる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0093】
1…遊戯装置、10…筐体、12…遊戯端末装置、30…遊戯端末装置制御部、350…CPU(制御手段、抽選手段)、352…記憶部(記憶手段)、356…ブートROM、358…ペリフェラルI/F、360…バスアービタ、362…GPU、364…グラフィックメモリ、366…オーディオプロセッサ、368…オーディオメモリ、370…通信I/F、400…クルーン、401…メダルフィールド、402…回転部材、404…メダルプール、405…メダル投入装置(メダル投入手段)、406…プッシャ(往復動手段)、408…メダル払い出し装置(メダル払い出し手段)、410…規制板、412…平坦面、413…メダル検出手段、414…放出ノズル、415…傾斜面、416…表示部、418…メダル落下端、419…遊戯フィールド、430…メダルカプセル、490…ボール払い出し装置(付加価値遊戯部材供給手段)、492…色検出センサ(特性検出手段)、522…ボール(付加価値遊戯部材)、524…メダル、528…矢印、530…モータ、532…螺旋体、534…回転軸、540…ボール回収孔、YC…イエローオッズカウンター
【技術分野】
【0001】
本発明は遊戯装置に係わり、特にメダル遊戯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メダル遊戯装置として、従来、例えばメダルプッシャ遊戯装置が知られている。このメダルプッシャ遊戯装置は、遊戯者がメダルをメダルプッシャ遊戯装置の特定フィールドに投入することにより、フィールド上を往復動するプッシャに押圧されたメダルがフィールドから落下し、落下したメダルが遊戯者に払い出されるように構成されている。
【0003】
また、多数枚のメダルが堆積しているフィールドにボールを供給し、当該ボールが落下溝に落ちるとメダルが落ちた場合よりも高い配当のメダル払い戻しをすることによりさらに興趣性を向上させたメダル遊戯装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。このようなメダル遊戯装置においては、メダル以外のオブジェクトを落下させて高配当の払い戻しを得るという新しい楽しみを享受することが可能となっている。
【0004】
さらに、このようにメダル以外の落下オブジェクトとしてボールを採用するメダル遊戯装置として、色分けした複数種類のボールを用意し、ボールの落とし方に応じてボールの価値をどんどん高め、ある条件に適合することによって払い戻し枚数を増加させて興趣性を向上させたものも提案されている。例示すれば、一例として黄→黄→黄→黄……というように同色のボールを連続してフィールドから落とした場合、連続した回数に応じて当該色のボール(この場合、黄色ボール)の価値を高め、メダルの払い出し枚数を増加させるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−272429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のようなメダル遊戯装置においては、同色のボールが連続して落下することにより当該色のボールの価値が高まっていても、この価値が途中で初期値(デフォルト値)に戻ってしまうことがあり、この結果、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれるようなことを低減させて遊戯の興趣性をさらに向上させた遊戯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。例えば上述のごときメダル遊戯装置においては、同色のボールが連続して落下することにより当該色のボールの価値が高まっていても(一例として、当該色のボールが落下したときの払い出しメダル枚数が15枚→30枚→45枚→60枚…というように増えていても)、途中で異なる色のボールがひとたび落下してしまえばせっかく増えた価値(メダル枚数)が初期値(デフォルト値)に戻ってしまう。このような遊戯装置においては、同色のボールが落下するたびに期待度が膨らんでいくものの、当該期待度が大きいほど、異なる色のボールが落下したときの落胆も大きく、このことが、徐々に高まってきた遊戯の興趣性を一気に削いでしまうことにつながっている場合が起こり得た。このように興趣性が大きく削がれることがあることについてさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づくものであり、遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置であって、遊戯者が当該装置の外部から遊戯フィールドにメダルを投入するためのメダル投入手段と、遊戯フィールド内にあって、複数のメダルが載置されるメダルフィールドと、該メダルフィールド上で往復動を行い、メダルフィールドのメダルを落下させる往復動手段と、該往復動手段によってメダルフィールドから落下したメダルを検出するメダル検出手段と、該メダル検出手段からのメダル検出情報を受けて抽選処理を行う抽選手段と、遊戯フィールドにメダルを払い出すメダル払い出し手段と、抽選手段の抽選結果に応じて、付加価値遊戯部材を遊戯フィールドに供給する付加価値遊戯部材供給手段と、付加価値遊戯部材の特性を検出する特性検出手段と、該特性検出手段により検出された付加価値遊戯部材の特性に基づいて、付加価値遊戯部材と対応するメダルの払い枚し数を決定する制御手段と、を備え、制御手段は、特性検出手段が検出した付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す、というものである。
【0010】
かかる遊戯装置において累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定する場合、直前まで累積されていた累積メダル払い出し枚数を第1の確率で特別加算値として記憶するとともに、特性検出手段が一の特性の付加価値遊戯部材を検出した場合に、第2の確率で特別加算値として記憶されている累積メダル払い出し枚数を現時のメダル払い出し枚数に加算することが好ましい。
【0011】
また、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、第3の確率で、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定することなく直前の累積メダル払い出し枚数を保持し続けるとともに、他の特性の付加価値遊戯部材に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出すことも好ましい。
【0012】
さらに、一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が連続して検出されるごとに、第2の確率を通常時の値から最大設定値まで段階的に増加させてもよい。
【0013】
また、複数の遊戯フィールドのうちの少なくとも一つにおいて電源が切断後の立ち上げが行われた際、当該遊戯フィールドにおける第2の確率が通常時の値よりも高く設定されていてもよい。
【0014】
さらには、上述の遊戯装置が、遊戯フィールドには抽選手段による抽選結果などを表示する表示部を備えるとともに、該表示部内にて、第2の確率の段階的な増加を示す演出表示を行うことも好ましい。
【0015】
遊戯装置の付加価値遊戯部材には、種類別に固有のメダル払い出し枚数が設定されており、もっとも個体数が多い種類の付加価値遊戯部材の固有メダル払い戻し枚数がもっとも少なく設定されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、徐々に高まってきた遊戯の興趣性が一気に削がれるようなことを低減させて遊戯の興趣性をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】遊戯端末装置の斜視図である。
【図2】遊戯端末装置のメダルフィールドの拡大図である。
【図3】遊戯装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ボールの色を検出してメダル払い出し枚数を決定するための一般的な処理内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるボール色判別、累積メダル払い出し枚数等の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】オッズブロック発生時における表示部内での演出例を示す図である。
【図7】クリティカルコンボ発生時における表示部内での演出例を示す図である。
【図8】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図9】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図10】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図11】クリティカルコンボの発生確率の変化に応じた表示部内での演出例を示す図である。
【図12】遊戯装置全体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以後、本発明が適用される遊戯装置について説明するとともに、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
図1は、遊戯端末装置12の斜視図である。遊戯端末装置12には後述する遊戯端末装置制御部30がジャックポットの成立を判定するためのクルーン400と、メダルプッシャ遊戯を行なう各種機構が備わっている。
【0020】
符号406はメダルプッシャ遊戯の領域であるメダルフィールド401上を矢印方向に往復動するプッシャである。特に図示しないが、特開2005−27952号の図9等のように、プッシャ406は、モータの回転による伝達腕の往復動により、伝達腕と連結される往復動プレートがメダルフィールド401を往復する。往復動プレートがメダルフィールド401を往復動すると、複数のメダルが堆積して出来た山を適当に崩れ、その結果メダルが後述のメダル落下端418又は平坦部412の両端部から遊戯端末装置12の内部に落下する。なお、プッシャ406の駆動源はモータに限定されるものではなく、アクチュエータやソレノイドなどの駆動源で構成することもできる。
【0021】
符号410は、プッシャ406上に積まれたメダルがプッシャ406と一体に往復動する際にメダルの平坦面412の方向に対する逆方向への動きが規制する規制板であり、遊戯端末装置12内に固定配置されている。このようにすることで、プッシャ406上に積まれたメダルが規制板410を越えてプッシャ406と一体に移動することはできなくなる。また規制板410の近傍のメダルは、プッシャ406の往復運動によって規制板410に接触することで、規制板410により押し戻されることとなる。
【0022】
符号404は、メダルプッシャ遊戯で獲得に成功したメダルが遊戯者に払い出されるメダルプールである。本実施形態においては、上述のプッシャ406の往復動により、メダルフィールド401から摺落したメダルのうち、メダルプッシャ遊戯で獲得に成功したメダルが遊戯端末装置12内の落下メダル回収機構(図示省略)によって回収された後、メダルプール404に払い出しされる。
【0023】
符号405は、外部から当該装置内のメダルフィールド方向へメダルを放出するメダル放出装置にメダルを投入するメダル投入装置である。すなわち、遊戯者が獲得したメダルをメダルプール404からメダル投入装置405に入れ、メダル放出装置の回転部材402を回転させることで、メダル投入装置405から順次メダルがメダル放出装置内に供給され、メダル放出装置によって、メダルはプッシャ406の上面或いは平坦面412まで放出される。
【0024】
符号414は、メダル放出装置から放出されたメダルの射出方向を変化するメダル放出ノズルである。すなわち、放出ノズル414の向きを特定の方向に向けるノズル方向調整手段(図示しない)により、メダル放出装置から放出されるメダルの射出方向を変化させ、遊戯者が狙った方向へメダルを放出させることができる。なお、放出ノズル414の向きをモータなどの駆動手段により、一定間隔で変化させることもできる。これにより、遊戯者に放出方向を狙わせる方法とは異なる遊戯性を遊戯端末装置12に持たせることも可能となる。
【0025】
符号413は、メダルが傾斜面415を滑落する過程でメダルが通過したことを検出するセンサ(図示しない)が設けられたメダル検出手段である。すなわち、メダル検出手段413をメダルが通過すると、上述のセンサがメダルの通過情報(メダル通過情報)を検出する。例えば、メダル検出手段413を遊戯端末装置12の内部に備え、メダルが傾斜面415を滑落する過程で所定位置に設けられた孔部に落下した際に、その落下するメダルが孔部を通過する情報をメダル通過情報として検出する構成とすることができる。なお、遊戯端末装置制御部30はメダル通過情報に基づき抽選処理を行う。
【0026】
符号416は、遊戯端末装置12の傾斜面415に抽選結果などを表示する表示部である。
【0027】
符号522は、遊戯端末装置12へクルーン400またはジャックポット分離メカ(図示しない)を介して供給されるボールである。なお、ボール522をクルーン400またはジャックポット分離メカを介して供給されるのではなく、遊戯端末装置12内に別途設けられたボール払い出し装置490(図3参照)によって払い出すこともできる。
【0028】
符号408及び符号430(図12参照)は、遊戯端末装置12において、上述の抽選処理に基づく褒賞としてのメダルを遊戯フィールド419に供給するメダル払い出し装置である。すなわち、遊戯端末装置12でメダル遊戯装置が構成される場合、上述の抽選処理に基づく褒賞としてのメダルをプッシャ406の上面又は平坦面412など、遊戯フィールド419(図2参照)へ、メダルホッパを備えたメダル払い出し装置408から供給する。
【0029】
なお、図12の遊戯装置1のように構成される場合、メダル払い出し装置をメダルカプセル430とメダル払い出し装置408とに分けて構成することができる。分けて構成する場合、複数のメダルカプセル430が遊戯端末装置12の近傍を環状に整列している。図12の遊戯端末装置12のいずれかにおいて、獲得メダル数が多い場合にメダルカプセル430からメダルの供給を受けるように構成されている。一つのメダルカプセル430には所定枚数(例:100枚)のメダルが収容されており、獲得メダル数が100枚を越える場合、100枚単位でメダルをメダルカプセル430から供給することができる。この場合、端数のメダルは上述のメダル払い出し装置408から供給することができる。
【0030】
図2は、遊戯端末装置12の一部を拡大した斜視図である。
【0031】
本実施形態における遊戯端末装置12は、メダル524とボール522とが同一のメダルフィールド401に対して供給されうるため、メダル524とボール522とを分離するための分離装置が設けられている。この分離装置は傾斜面415を落下してくるメダル524とボール522とを分離し、ボール522のみを所定のボール回収位置まで搬送する。さらに、分離装置はモータ530とモータ530に取り付けられている駆動プーリ(図示省略)と、駆動プーリにベルトを介して接続される従動プーリ(図示省略)とから構成され、従動プーリには遊戯端末装置12の幅方向に向かって延びる回転軸とこの軸を略中心に備え、螺旋状に形成されている螺旋体532とが結合されて構成されている。なお、螺旋体532の最下端と傾斜面415との間にはメダル524が通過するに足りる隙間が設けられている。
【0032】
なお、上記分離装置は、遊戯者から認識できる位置に設置されることが好ましい。これにより、後述するボールの色に対応するメダル払い出し枚数との関係により遊戯者に対してさらなる期待感を持たすことが可能になるからである。
【0033】
すなわち、図2に示すように、斜面415を落下してくるボール522を螺旋体532で受け止め、モータ530の回転によって螺旋体532が回転し、螺旋体532の回転に合わせてボール522が螺旋体532の回転方向に沿って、傾斜面415に摺接しながら矢印528の方向に移動する。さらに螺旋体532の先にはボール回収孔540があり、このボール回収孔540を通過して一旦回収されたボール522は遊戯端末装置12内部を通過した後にボール貯留部(図示省略)に回収される。
【0034】
つまり、傾斜面415側に落下してきたメダル524は、ボール522と傾斜面415との間で挟まれて螺旋体532を一時的に通過できないことがあったとしても、当該螺旋体532の回転に応じてボール522が矢印528の方向に移動するためにボール522の位置が変化するため、メダル524がボール522に挟まれた状態が解消される構成になっている。
【0035】
そして、螺旋体532の最下端と傾斜面415との間にはメダル524が通過するに足りる隙間が設けられているために、メダル524は螺旋体532に当接しないようにして螺旋体532の下部を矢印526の方向に通過して遊戯端末装置12内部に落下し、上述の落下メダル回収機構に回収される。
【0036】
また、分離装置により所定のボール回収位置まで搬送されたボール522はボール回収孔540に落下する。また、ボール回収孔540の開口端付近には、落下したボール522の通過を検出するボール通過センサ(図示省略)が設けられている。さらにボール回収孔540に落下したボール522は、遊戯端末装置12の内部に配設されたボール522の特性(本実施形態の場合、色)を検出するセンサを有する色検出センサ(特性検出手段)492で色を検出される。なお、ボール回収孔540の開口端付近に直接ボール522の色を検出する色検出センサ492を設けて、ボール522の色を検出することもできる。
【0037】
色検出センサ492は、投光素子に3色(赤色、青色、緑色)のLED光源を使用し、検出物体にスポット光を照射して、被検出部材からの反射による受光の色成分(色相・彩度・明度)の分析を行い、分析の結果に基づいて、色を特定する。なお、本実施形態においては、ボール522の色を検出するために色検出センサ492を用いているが、ボールの特性が検出することのできるものであればよく、ボール内部に円板状のICタグを内蔵し、ICタグにボール522の特性情報を記録し、その特性情報を、電磁誘導を利用することで非接触な通信を行って、ボールの特性を検出することもできる。
【0038】
そして、色検出センサ(特性検出手段)492で色を検出した後、ボール通過センサによる検出情報(検出信号)、及び、色検出センサ492による検出情報(検出信号)が遊戯端末装置制御部30(後述)に送信される。
【0039】
次に、図3を参照して、本実施形態の遊戯端末装置12における遊戯端末装置制御部30(制御構成)について説明する。
【0040】
遊戯端末装置12の遊戯端末装置制御部30は、CPU(制御部、ゲーム実行部)350と、記憶部352と、ブートROM356と、ペリフェラルI/F(周辺機器接続インタフェイス手段)358と、バスアービタ360と、GPU(グラフィックプロセッサ、画像生成手段)362と、グラフィックメモリ364と、オーディオプロセッサ366と、オーディオメモリ368と、通信I/F370とを含んで構成される。
【0041】
CPU350は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えた制御手段である。このCPU350に、後述する記憶部352やGPU(グラフィックプロセッサ)362やオーディオプロセッサ等の機能を備えることも可能である。
【0042】
記憶部352は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含んで構成される。本実施形態の遊戯端末装置12における記憶部352には、プログラムと、データとが備えられている。また、この記憶部352には、遊戯端末装置12をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System、図示せず)が備えられており、プログラム111等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、遊戯端末装置12の各機能にアクセス可能である。
【0043】
プログラムは、遊戯端末装置12を、CPU350が実行するためのゲームプログラムである。なお、プログラム自体を、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりするような構成にすることも可能である。また、データは、このゲームプログラム用の各種データであり、各キャラクタの表示用ポリゴンデータ、音楽データ等のゲーム実行に必要なデータを備えている。また難易度の設定等の情報も記憶することができる。
【0044】
ブートROM356は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリや擬似SRAMなどの不揮発性記憶媒体である。ブートROM356は、遊戯端末装置12が起動する際に、CPU350のマイクロコードの設定を行ったり、各部の初期化を行ったり、記憶部352からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行ったりする。また、通信I/F370のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダル524の枚数やボール522の個数等をカウントするためのプログラムやデータを備えている。
【0045】
ペリフェラルI/F358は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェイスを提供する部位である。このペリフェラルI/F358によって接続される各種周辺機器として、遊戯端末装置12においては、各種ボタンスイッチ494(図3参照)、メダル放出装置、メダル払い出し装置408、電源スイッチ496(図3参照)などを用いることができる。また、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続して用いることもできる。また、ペリフェラルI/F358は、電子スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフにして消費電力を抑えることもできる。
【0046】
バスアービタ360は、いわゆる「チップセット」等の各部を接続するためのバスインタフェイスを提供する集積回路である。このバスアービタ360で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。また、例えば、CPU350と、記憶部352と、バスアービタ360の間はFSBやHTといった高速なバスで接続され、GPU(グラフィックプロセッサ)362とバスアービタ360の間も広帯域なバスで接続されるのが好適である。さらに、CPU350にDDR2/3 SDRAMやXDR DRAM等のバスインタフェイスが内蔵されて、記憶部352を直接読み書きするように構成されていてもよい。
【0047】
GPU362は、3次元CGを描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成手段)である。グラフィックプロセッサは、ポリゴンのジオメトリ(座標)の計算を行うジオメトリプロセッサ362aと、ジオメトリ計算が行われたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリングプロセッサ362bとを含んで構成される。また、グラフィックプロセッサは、描画された画像を表示装置などに出力するため、RAMDAC(RAM D/Aコンバーター)やHDMIインタフェイス等を備えている。
【0048】
ジオメトリプロセッサ362aは、ポリゴンの3次元空間での座標(ワールド座標)について、行列の回転や拡大等を行って、アフィン変換等を行い、ポリゴンの2次元空間での座標を求める部位である。また、ジオメトリプロセッサ362aは、ポリゴンの分割やスプライン補完等のテッセレーションを行う、「ジオメトリシェーダ」(又はバーテックスシェーダ)を備えることもできる。
【0049】
レンダリングプロセッサ362bは、座標計算されたポリゴンについて、テクスチャと呼ばれる画像データを貼り付け、各種効果を加えてグラフィックメモリに描画する部位である。この各種効果としては、プログラマブル・シェーダ等を用いて、光点・影(シェーディング)計算、明暗の表現、半透明、ぶれ、霧、ぼかし、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)等の計算を行うことができる。また、レンダリングプロセッサ362bが描画するポリゴンの種類としては、点ポリゴン(ポイント)、線ポリゴン(ラインリスト)、三角形や四角形といった面ポリゴン、面ポリゴンの集合体等がある。加えて、レンダリングプロセッサ362bがレイ・トレーシング等を用いて描画を行う際には、円、楕円、球、メタボール等の領域で定義される物体を描画することも可能である。
【0050】
なお、ジオメトリプロセッサ362aを、CPU350にて処理するように構成することも可能である。この場合は記憶部352に記憶するプログラムをCPU350が実行して作成したポリゴンの座標を、グラフィックメモリに転送等を行う。レンダリングプロセッサ362bは、このポリゴンの座標に従って、ポリゴンを描画する。
【0051】
グラフィックメモリ364は、GPU(グラフィックプロセッサ)362が描画するために高速に読み書きができる記憶媒体である。たとえば、このグラフィックメモリ364として、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等の広帯域なメモリを高レベルのメモリインターリーブ等を用いて接続することができる。また、システムLSIのようにグラフィックメモリ364をGPU(グラフィックプロセッサ)362に内蔵する構成も可能である。また、GPU(グラフィックプロセッサ)362が描画している間に、ディスプレイモニタに表示するためのデュアルポート構成をとることも可能である。
【0052】
オーディオプロセッサ366は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ366は、物理演算音源、FM音源等の計算を行い、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ366の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、出音部(例:スピーカなど)417で音楽や音声や効果音として再生される。また、オーディオプロセッサ366は、マイクから入力した音声の音声認識等にも対応することができる。
【0053】
オーディオメモリ368は、音楽や音声や効果音のためのデジタル変換されたデータを記憶している記憶媒体である。オーディオプロセッサ366とオーディオメモリ368とを一体的に構成することも当然可能である。
【0054】
通信I/F370は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークに接続するための(例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等)インタフェイスである。本実施形態における遊戯端末装置12は、通信I/F370を介して他の遊戯端末装置や遊戯装置、または図示しないサーバと通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他の遊戯端末装置12のプレイヤとの対戦ゲーム(例えば、対戦などの競争を行うゲームなど。)又は共同ゲーム(例えば協力して課題を解決するゲームなど)をすることができる。また、複数の遊戯端末装置12を通信可能に接続されることで、サーバを介して、ゲームスコア(点数、得点等、以下スコアという。)の集計や、他の遊戯施設に配置された遊戯装置との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0055】
表示部416は、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、複数のLED(発光ダイオード[Light Emitting Diode])で構成されたデジタル表示機等の表示手段(表示装置)である。表示部416には、具体的なゲーム上の展開やスコア等に加え、設定画面等についても表示することができる(図6等参照)。
【0056】
出音部417は、オーディオプロセッサ366から出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力する部位(出音部)である。また、出音部417と同時に、音声入力を行うためのマイク(入音装置)を備えていてもよい。
【0057】
続いて、本実施形態における遊戯端末装置12のメダル通過情報に基づく抽選処理の制御例を示す。
【0058】
メダル検出手段413により検出された上述のメダル通過情報は、遊戯端末装置制御部30の記憶部(記憶手段)352に記憶される。また、記憶部352は、メダル検出手段413で検出されたメダルの枚数分、つまり、複数回数分に相当するメダル通過情報を記憶する。
【0059】
さらに遊戯端末装置制御部30が、その記憶されたメダル通過情報に基づき、上述の抽選処理を連続的に行うことができる。そして、抽選過程および抽選結果に対応した画像を表示部416(後述)に表示させる(図6等参照)。
【0060】
そして、遊戯端末装置制御部30は、抽選結果が所定役(例えば「当たり」役など)であった場合には、役の種類に応じてメダル払い出し装置408(図1参照)にプッシャ406の上面又は平坦面412等、遊戯フィールド419へ褒賞としてのメダルを払い出させる。また、上述の抽選結果が特定役であった場合には、ボール払い出し装置490にプッシャ406の上面又は平坦面412などの遊戯フィールド419へ褒賞としてのボール522を払い出すように構成することができる。
【0061】
次に本実施形態の遊戯端末装置12における、ボール(付加価値遊戯部材)522がメダルフィールド401の傾斜面415を転落してボール回収孔540から回収された場合の制御例を以下に示す(図4〜図11等参照)。
【0062】
遊戯端末装置制御部30は、上述したように、色検出センサ492によってボール回収孔540から回収されたボール522の特性(本実施形態の場合、当該ボール522の色の検出情報)が検出され、その検出情報(検出信号)に基づいてボール522の色を識別する。
【0063】
また、遊戯端末装置制御部30は、記憶部352に予めボール522の色に対して払い出されるメダル枚数を制御テーブル(記憶情報)として記憶しており、その制御テーブル(記憶情報)から払い出されるメダル枚数を決定する。そして、決定したメダル枚数をメダル払い出し装置408に払い出すように制御する。これにより、メダル払い出し装置408からメダルフィールド401に対し、複数枚のメダルが払い出されることとなる。
【0064】
ここで一般的なフローチャートを参照しながら説明すると(図4参照)、色検出センサ492がボール522の色を検出し(ステップSP)し、この検出信号に基づいて遊戯端末装置制御部30が色識別を行う(ステップSP2)。特定色だった場合、所定のメダル枚数n枚を払い出すという一連の処理を行い(ステップSP3)、処理を終了する。ステップSP2においてボール522が特定の色ではない場合には、特定色の場合よりも少ないメダル枚数m枚を払い出す(ステップSP4)。
【0065】
したがって、例えば「黄色」のボールに対しては15枚、「緑色」のボールに対しては100枚というようにメダル524を払い出すことで、プッシャ406の往復動でメダル524を遊戯フィールド419内に落下させてより多くのメダルを獲得できるようにすることの他に、ボール522の色と対応するメダル払い出しを行うことによって、従来のメダルプッシャ遊戯装置とは異なった遊戯性と興趣性を醸し出すことができる。
【0066】
また、遊戯端末装置制御部30は、ボール522の検出順番の情報を読み取り、予め記憶されている色の順番に一致した場合には、メダル払い出し装置408から複数枚のメダルを払い出す(ステップSP5)。
【0067】
本実施形態の遊戯端末装置12においては、さらに興趣性を向上させるため、図5に示すフローチャートに従って処理を行う。以下、処理に連動した表示部416での画面表示例とともにこの処理内容について説明する(図5〜図11参照)。
【0068】
すなわち、ボール(付加価値遊戯部材)522の特性(本実施形態の場合、当該ボール522の色)を色検出センサ492によって検出し、ある特性が連続して検出された場合にはメダル524の払い出し枚数を累積決定する処理を行うとともに、この累積の前の決定済みメダル払い出し枚数を遊戯フィールド419に払い出す。
【0069】
一方、ある特性のボール522とは異なる他の特性のボール522が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールド419に払い出す。
【0070】
本実施形態の遊戯端末装置12はこれらの処理を基本としつつ、興趣性をさらに向上させる処理を実施する。以下、この処理内容について具体例を挙げて説明する。
【0071】
ここでは、ボール522に着色される複数種類の色のうち、もっとも存在割合が多く、尚かつメダル524の払い出し枚数がもっとも少なく設定されている黄色のボール522を対象とし、当該黄色のボール522が連続したとき等に特徴あるイベントを発生させる。
【0072】
まず、上述のボール通過センサ(図示省略)によりボールイン(ボール522がボール回収孔540を通過して回収されたこと)を検出したら(ステップSP11にてYES)、当該ボール522の色を色検出センサ492によって検出する(ステップSP12)。ボール522の色が黄色であれば(ステップSP13)、複合・累積的なチャンス(以下、「コンボ」という)を演出し、黄色以外の色であれば(ステップSP19)、累積メダル払い出し枚数をリセットする等のイベント(以下、単に「イベント」ともいう)を演出する(図5等参照)。
【0073】
前者のようにボール522が黄色の場合(ステップSP13)、遊戯端末装置制御部30のCPU350が抽選処理を実施してコンボの種類を決定する(ステップSP14)。本実施形態の遊戯端末装置12の場合には、この抽選の結果、「クリティカルコンボ」(ステップSP15)と「イエローコンボ」(ステップSP17)のいずれかが選択される。
【0074】
イエローコンボ(ステップSP17)は黄色のボール522が連続したときの通常の演出処理であり、所定のメダル枚数を累積決定するとともに、現時における枚数(当該累積前の決定済み枚数)のメダル524を遊戯フィールド419に払い出す(メダルの「放出」)。例えば本実施形態の場合、黄色のボール522に対して15枚の払い出し枚数および累積枚数を設定しており、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を15上昇させ(ステップSP18)、累積前の枚数のメダル524を払い出す(メダルの「放出」)。また本実施形態においては、表示部416の例えば左下の隅に累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を表示している(図6等参照)。
【0075】
一方、クリティカルコンボ(ステップSP15)は、通常は上述のイエローコンボによって累積メダル払い出し枚数が例えば15ずつしか上昇しなかったのに対し、この累積メダル払い出し枚数を大きく上昇させる演出処理(コンボ)を実行するものである。これによれば、遊戯中における黄色ボール522の価値が高まることになる。また、黄色のボール522が落下した場合の演出パターンが増えて遊戯者の楽しみが増すことにもなる。本実施形態では、「潜伏オッズ」のいずれかを選択し、当該オッズの数だけ累積メダル払い出し枚数を上昇させる(ステップSP16)。
【0076】
また、ボールインしたボール522の色が黄色以外の場合には(ステップSP19)、抽選処理を実施していずれのイベントを実施するかを決定する(ステップSP20)。例えば本実施形態では、「リセット」(ステップSP21)、「オッズブロック」(ステップSP23)、「潜伏リセット」(ステップSP25)のうちのいずれかのイベントを実施する(図5参照)。なお、これらイベントの中では、リセット処理が通常的なイベントであり、抽選確率(発生率)がもっとも高い。これに対し、オッズブロックおよび潜伏リセットの抽選確率(発生率)はリセットのそれよりも低く設定されている。
【0077】
リセット(ステップSP21)は、当該時点まで累積した累積メダル払い出し枚数をデフォルト値に戻す(リセットする)というイベントである。例えば本実施形態では、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をデフォルト値である15に戻す(ステップSP22)。また、これに伴い、表示部416のイエローオッズカウンターYCに表示されている現時の累積メダル払い出し枚数を当該枚数に変更する(図6等参照)。
【0078】
オッズブロック(ステップSP23)は、上述したリセット(ステップSP21)を回避することができるイベントである。すなわち、ボールインしたボール522の色が黄色以外の場合(ステップSP19)には高い確率で累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がリセットされるのは上述したとおりであるが、本実施形態ではこのようなリセットが行われない(別表現をすれば、現時の黄色ボール522の価値が失われずに維持される)イベントとしてこのオッズブロックを設定している(ステップSP24)。このようなオッズブロックの表示部416での演出としては種々のものが考えられるが、リセットされると考えいったんは落胆した遊戯者に期待や驚きを与えうるようなものとすることは好ましい演出の一つである。具体的には、黄色以外のボール(例えば、払い出し枚数が25に設定されているピンクのボール)522をイエローオッズカウンターYCにぶつけ、通常であれば(「リセット」処理であれば)累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がデフォルト値である15に戻るところ、当該黄色以外のボール522がはじかれて飛び越え、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が変化しない(例示している図6の場合、イエローオッズが195のまま変わらない)という動きを演出することができる。(図6参照)。
【0079】
潜伏リセット(ステップSP25)は、現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をリセットしてデフォルト値に戻すまでは上述のリセット(ステップSP21)と同様であるが、ここではさらにリセット時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を「潜伏オッズ」として、黄色ボール522の価値を遊戯端末装置12の内部に保存(遊戯端末装置12の記憶部に記憶)したものとしてストックする(ステップSP26)。例えば本実施形態では、潜伏オッズを最大限5個まで遊戯端末装置制御部30の記憶部352にストック(保存)しておく。
【0080】
上述の潜伏リセット(ステップSP25)によって潜伏オッズがストックされている場合、クリティカルコンボ(ステップSP15)が発生した際には、これら潜伏オッズの中からいずれかを抽選で選択し、当該選択された潜伏オッズの値の分だけこれを特別加算値(原資)として累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)を上昇させる(ステップSP16)。この場合、本実施形態の遊戯端末装置12の表示部416では、オッズカウンターYC付近に別の黄色ボール522が潜伏オッズを示す値とともに現れ、現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)に当該潜伏オッズの値を加算して大きく上昇させるという演出をしている(図7参照)。
【0081】
なお、上述した潜伏オッズのストックがすでに最大限である5個ストックされている満杯状態のときは、黄色以外のボール522がボールインしてイベントを決定する際(ステップSP19、ステップSP20)、潜伏リセット(ステップSP25)は選択されない処理内容とすることができるし、さらにはオッズブロック(ステップSP23)のみが選択される処理内容とすることもできる。
【0082】
ここまで、複合・累積的なチャンスであるコンボと、累積メダル払い出し枚数をリセットする等のイベントについてその処理内容や演出を説明したが、上述のイベントにおいて、黄色以外のボール522が連続した場合にさらに別の処理および演出を実行することも遊戯の興趣性を向上させる点で好ましい。例えば本実施形態では、黄色以外のボール522の連続した数に応じて、上述したクリティカルコンボの発生確率を徐々に上昇させる処理および演出を行っている。すなわち、ステップSP22あるいはステップSP26にて累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)をリセットした後、黄色以外のボール522が連続してボールインしたかどうかを判断し(ステップSP27)、連続した場合にはクリティカルコンボの発生確率を上昇させる(ステップSP28)。クリティカルコンボの発生確率やその上昇のさせ方には種々あるが、一例を挙げれば、当初のデフォルト発生確率を1/10とし、黄色以外のボール522が2回連続したら1/8、3回連続したら1/6、4回連続したら1/4、5回連続したら1/2とし、以降、この発生確率1/2を上限として変化させないというものがある。
【0083】
また、クリティカルコンボの発生確率の変化に応じて表示部416内で演出を行うことも好ましい。例えば本実施形態では、クリティカルコンボの発生確率が上昇するにつれてイエローオッズカウンターYCに表示されているボール522の周囲に稲妻を表示させるようにしている。より具体的には、黄色以外のボールが2回連続したら弱い稲妻(図8参照)、3回連続したらそれよりも強い稲妻(図9参照)、4回連続したらさらに強い稲妻(図10参照)、5回以上連続したらもっとも強い稲妻(図11参照)を演出する。表示部416内でのこのような演出によれば、黄色以外のボール522が連続するたびに遊戯者が抱く期待感を高めることが可能である。
【0084】
なお、このような遊戯端末装置12において、潜伏オッズが空の状態(1つもストックされていない状態)であっても、所定の条件を満たせば上の稲妻を発生させるようにしてよい。この場合には、黄色ボール522がボールインしても(ステップSP11、ステップSP13)、クリティカルコンボ(ステップSP15)は発生させずイエローコンボ(ステップSP17)のみ発生させる処理、次に黄色ボール522がボールインしたら表示されている稲妻を消す処理などを実行することも好ましい。
【0085】
以上説明した本実施形態の遊戯端末装置12によれば遊戯の興趣性をさらに向上させることができる。すなわち、黄色ボール522が連続してボールインしている場合、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増え、当該遊戯中における黄色ボール522の価値が向上する過程に遊戯者が興趣を感じていても、そこで黄色以外のボール522がボールインしてしまうとせっかく高まった期待と興趣が冷めてしまう可能性があった。このような事態は、黄色ボール522が連続して累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増えれば増えるほど、その反動として興趣が一気に削がれるといった結果にもなりかねない。この点、本実施形態の遊戯端末装置12では、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が増えた状態で黄色以外のボール522がボールインしたとしても当該累積メダル払い出し枚数がリセットされる以外の途ないし可能性を残し、遊戯者が期待を抱きつつ遊戯進行をより楽しめるようにすることにより、期待や興趣性が一気に削がれるという従来のような事態が生じるのを低減させている。
【0086】
また、本実施形態の遊戯端末装置12においては、累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)がリセットされたとしても、当該リセットされたる現時の累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が潜伏オッズとしてストックされ、クリティカルコンボ発生時に(ステップSP15)、この潜伏オッズが選択されて累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が大きく上昇する可能性も秘められている。このことも相まって、この遊戯端末装置12では、遊戯者の期待とは裏腹に黄色以外のボール522がボールインしたとしても興趣性を一気に削ぐような事態を回避し、さらに期待を抱きながら遊戯を続けることを可能としている。
【0087】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態ではクリティカルコンボの発生確率を上昇させるステップ(ステップSP28)など、遊戯中における処理と演出について説明したが、遊戯中以外の局面において本発明を適用することも可能である。例示すれば、ある遊戯端末装置12において異常からの復旧処理等のため電気切断(電断)の後に再立ち上げを行った際、当該遊戯端末装置12においてクリティカルコンボの発生確率を上昇させることとしてもよい。また、これに伴い、イエローオッズカウンターYCに表示されているボール522の周囲に相応の稲妻を表示させてもよい。こうした場合には、再立ち上げ後、黄色ボール522がボールインした際にクリティカルコンボ(ステップSP15)は発生して累積メダル払い出し枚数(イエローオッズ)が大きく上昇するという期待感が高まる。また、このような処理と演出を、遊戯中に電気切断せざるを得なかった遊戯端末装置12で遊戯していた遊戯者に謝意を表す手段として利用することも可能である。
【0088】
また、上述した実施形態ではボール522の特性として色が検出される場合を例示して説明したが、色以外の要素を媒介に特性を検出することももちろん可能である。例示すれば、当該ボール522の表面に形成された平面的ないし立体的形状や模様等を種類判別のための検出対象としてもよい。あるいは、当該ボール522の外周部分を透明材料で形成し、内部に設置された平面的ないし立体的形状や模様等を検出対象としてもよい。または、光の透過度の違いなどを検出対象にしてこれを媒介にボール522の種類を判別してもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、累積メダル払い出し枚数に対する「潜伏」又は「放出」を行う場合を例示して説明したが、累積メダル払い出し枚数に限定されず、例えば、所定条件を充たした場合にのみ実行が可能な特別抽選に対する所定条件の達成度や、その特別抽選への挑戦権を「潜伏」又は「放出」を行う対象とすることもできる。
【0090】
さらに、上述した実施形態では、遊戯端末装置12のみで累積メダル払い出し枚数に対する「潜伏」又は「放出」を行う場合を例示して説明したが、遊戯端末装置12のみでの処理に限定されず、同一店舗、或いは、他の店舗において、ネットワークで通信可能に接続された他の遊戯端末装置12との間でそれぞれの累積メダル払い出し枚数を「潜伏」又は「放出」を行う対象とすることもできる。
【0091】
また、上述した実施形態では、遊戯端末装置12のみで遊戯が実行される場合を例示して説明したが、図12(遊戯装置1の斜視図を示したもの)のように、この遊戯装置1は全体として大型の円形状の筐体10から構成し、この大型筐体の円周方向に均等に10基のクライアント装置、即ち遊戯者がメダル遊戯を実行可能な遊戯端末装置12が整列されていても実施可能である。なお、特に図示しないが、筐体10内には、付加価値遊戯部材としてのボール522が転がるようにそれぞれ管状に複数のコースが当該筐体10の上部から螺旋状に筐体下部に向かっていく形態で設けることができる。さらに、筐体10内には、当該筐体10の底部に位置するボール522を各コースに分配しながら筐体上部まで持ち上げ、筐体上部にてこれらボール522をコースの開始端(上端)にリリースするリフタが設けることができる。これにより、遊戯端末装置12のそれぞれで遊戯を行う遊戯者がコース上にどの色のボールが配置されているかを知ることができるため、本実施形態における遊戯装置1での遊戯を行うかどうかを事前に判断できる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0093】
1…遊戯装置、10…筐体、12…遊戯端末装置、30…遊戯端末装置制御部、350…CPU(制御手段、抽選手段)、352…記憶部(記憶手段)、356…ブートROM、358…ペリフェラルI/F、360…バスアービタ、362…GPU、364…グラフィックメモリ、366…オーディオプロセッサ、368…オーディオメモリ、370…通信I/F、400…クルーン、401…メダルフィールド、402…回転部材、404…メダルプール、405…メダル投入装置(メダル投入手段)、406…プッシャ(往復動手段)、408…メダル払い出し装置(メダル払い出し手段)、410…規制板、412…平坦面、413…メダル検出手段、414…放出ノズル、415…傾斜面、416…表示部、418…メダル落下端、419…遊戯フィールド、430…メダルカプセル、490…ボール払い出し装置(付加価値遊戯部材供給手段)、492…色検出センサ(特性検出手段)、522…ボール(付加価値遊戯部材)、524…メダル、528…矢印、530…モータ、532…螺旋体、534…回転軸、540…ボール回収孔、YC…イエローオッズカウンター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置であって、
遊戯者が当該装置の外部から前記遊戯フィールドに前記メダルを投入するためのメダル投入手段と、
前記遊戯フィールド内にあって、複数の前記メダルが載置されるメダルフィールドと、
該メダルフィールド上で往復動を行い、前記メダルフィールドのメダルを落下させる往復動手段と、
該往復動手段によって前記メダルフィールドから落下したメダルを検出するメダル検出手段と、
該メダル検出手段からのメダル検出情報を受けて抽選処理を行う抽選手段と、
前記遊戯フィールドに前記メダルを払い出すメダル払い出し手段と、
前記抽選手段の抽選結果に応じて、前記付加価値遊戯部材を前記遊戯フィールドに供給する付加価値遊戯部材供給手段と、
前記付加価値遊戯部材の特性を検出する特性検出手段と、
該特性検出手段により検出された前記付加価値遊戯部材の特性に基づいて、前記付加価値遊戯部材と対応するメダルの払い枚し数を決定する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記特性検出手段が検出した前記付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、前記メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す、遊戯装置。
【請求項2】
前記累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定する場合、直前まで累積されていた累積メダル払い出し枚数を第1の確率で特別加算値として記憶するとともに、前記特性検出手段が前記一の特性の付加価値遊戯部材を検出した場合に、第2の確率で前記特別加算値として記憶されている累積メダル払い出し枚数を現時のメダル払い出し枚数に加算する、請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項3】
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、第3の確率で、前記累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定することなく直前の累積メダル払い出し枚数を保持し続けるとともに、前記他の特性の付加価値遊戯部材に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを前記遊戯フィールドに払い出す、請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項4】
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が連続して検出されるごとに、前記第2の確率を通常時の値から最大設定値まで段階的に増加させる、請求項2に記載の遊戯装置。
【請求項5】
複数の前記遊戯フィールドのうちの少なくとも一つにおいて電源が切断後の立ち上げが行われた際、当該遊戯フィールドにおける前記第2の確率が通常時の値よりも高く設定される、請求項4に記載の遊戯装置。
【請求項6】
前記遊戯フィールドには前記抽選手段による抽選結果などを表示する表示部を備えるとともに、該表示部内にて、前記第2の確率の段階的な増加を示す演出表示を行う、請求項4または5に記載の遊戯装置。
【請求項7】
前記付加価値遊戯部材には、種類別に固有のメダル払い出し枚数が設定されており、もっとも個体数が多い種類の付加価値遊戯部材の固有メダル払い戻し枚数がもっとも少なく設定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の遊戯装置。
【請求項1】
遊戯者が当該装置の外部から当該装置内の遊戯フィールドへメダルを投入して遊戯するための遊戯装置であって、
遊戯者が当該装置の外部から前記遊戯フィールドに前記メダルを投入するためのメダル投入手段と、
前記遊戯フィールド内にあって、複数の前記メダルが載置されるメダルフィールドと、
該メダルフィールド上で往復動を行い、前記メダルフィールドのメダルを落下させる往復動手段と、
該往復動手段によって前記メダルフィールドから落下したメダルを検出するメダル検出手段と、
該メダル検出手段からのメダル検出情報を受けて抽選処理を行う抽選手段と、
前記遊戯フィールドに前記メダルを払い出すメダル払い出し手段と、
前記抽選手段の抽選結果に応じて、前記付加価値遊戯部材を前記遊戯フィールドに供給する付加価値遊戯部材供給手段と、
前記付加価値遊戯部材の特性を検出する特性検出手段と、
該特性検出手段により検出された前記付加価値遊戯部材の特性に基づいて、前記付加価値遊戯部材と対応するメダルの払い枚し数を決定する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記特性検出手段が検出した前記付加価値遊戯部材の特性のうち、一の特性が所定回数連続して検出された場合、前記メダルの払い出し枚数を累積するように決定し、累積前に決定されているメダル払い出し枚数を遊戯フィールドに払い出し、
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定するとともに、異なる特性に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを遊戯フィールドに払い出す、遊戯装置。
【請求項2】
前記累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定する場合、直前まで累積されていた累積メダル払い出し枚数を第1の確率で特別加算値として記憶するとともに、前記特性検出手段が前記一の特性の付加価値遊戯部材を検出した場合に、第2の確率で前記特別加算値として記憶されている累積メダル払い出し枚数を現時のメダル払い出し枚数に加算する、請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項3】
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が検出された場合、第3の確率で、前記累積メダル払い出し枚数を初期値に再設定することなく直前の累積メダル払い出し枚数を保持し続けるとともに、前記他の特性の付加価値遊戯部材に対応したメダル払い出し枚数を決定し、決定された枚数のメダルを前記遊戯フィールドに払い出す、請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項4】
前記一の特性の付加価値遊戯部材とは異なる他の特性の付加価値遊戯部材が連続して検出されるごとに、前記第2の確率を通常時の値から最大設定値まで段階的に増加させる、請求項2に記載の遊戯装置。
【請求項5】
複数の前記遊戯フィールドのうちの少なくとも一つにおいて電源が切断後の立ち上げが行われた際、当該遊戯フィールドにおける前記第2の確率が通常時の値よりも高く設定される、請求項4に記載の遊戯装置。
【請求項6】
前記遊戯フィールドには前記抽選手段による抽選結果などを表示する表示部を備えるとともに、該表示部内にて、前記第2の確率の段階的な増加を示す演出表示を行う、請求項4または5に記載の遊戯装置。
【請求項7】
前記付加価値遊戯部材には、種類別に固有のメダル払い出し枚数が設定されており、もっとも個体数が多い種類の付加価値遊戯部材の固有メダル払い戻し枚数がもっとも少なく設定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の遊戯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−4948(P2011−4948A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151105(P2009−151105)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
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