説明

遊技台

【課題】不正行為の有無を的確に判断することが可能で、遊技を円滑に進行させることができる遊技台を提供する。
【解決手段】メダルMがメダル通路202から落下したことを検出可能なメダル落下検出手段を備えると共に、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様以外の態様で通過した場合であってもメダルMの落下を検出した場合にはエラー報知を行わないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル(コイン)の投入により遊技の実施が可能な遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルの投入により遊技の実施が可能な遊技台の一つとして、投入されたメダルが通過するメダル通路に配設され、前記メダルが前記メダル通路を所定の通過態様で通過したことを検出可能なメダル通過検出手段を備え、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合にエラー報知が可能とされた遊技台が広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された遊技台は、図30に示されるようなメダルセレクタ(メダル選別装置)10を有して構成されており、このメダルセレクタ10は、投入されたメダルMが通過するメダル通路11に配設された2つの第1センサ12及び第2センサ13を備えている。
【0004】
この遊技台では、第1、第2センサ12、13によりメダルMがメダル通路11を所定の通過態様で通過したことを検出可能で、メダルMがメダル通路11を適正に通過した場合にメダルMの枚数がカウントされ、遊技の実施が可能となる。
【0005】
一方、メダルMが第1、第2センサ12、13を所定の通過態様以外の態様で通過した場合(例えば、メダルMの引き抜き行為や不正メダルの投入等の不正行為が行われた場合)には、アラームによる警告や遊技の中断等のエラー報知がなされるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−24434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の遊技台においてメダルMが何らかの原因でメダル通路11から落下した場合には、メダルMがメダル通路11を所定の通過態様以外の態様で通過したと判定されてしまうため、遊技台の派手なランプ点滅、大音量のアラーム警告等によるエラー報知がなされ、不正行為をしていない遊技者に対して多大な不快感を与えてしまう上に、遊技者は、エラー報知の間、遊技の中断等を強いられてしまうといった問題があった。
【0008】
又、遊技場の店員は、メダルMが普通に返却され、メダル詰まり等の異常が特に発生していないにもかかわらず、エラー報知がなされる度にエラーの解除作業をしなければならず、遊技場の店員にとっては無駄な手間がかかってしまうといった問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、不正行為の有無を的確に判断することが可能で、遊技を円滑に進行させることができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、投入されたメダルが通過するメダル通路に配設され、前記メダルが前記メダル通路を所定の通過態様で通過したことを検出可能なメダル通過検出手段を備え、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合にエラー報知が可能とされた遊技台において、前記メダルが前記メダル通路から落下したことを検出可能なメダル落下検出手段を備えると共に、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合であっても前記メダルの落下を検出した場合には前記エラー報知を行わないようにされていることによって、上記課題を解決したものである。
【0011】
本発明によれば、不正行為の有無を的確に判断し、遊技を円滑に進行させることができる。
【0012】
なお、前記メダル落下検出手段は、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過したことを前記メダル通過検出手段が検出するタイミングで前記メダルの落下を検出可能な位置に配設されたセンサを含んで構成されていれば、メダルの落下をすばやく検出できるようになる。
【0013】
又、前記メダル落下検出手段が、前記メダル通路の下方に配設されたセンサを含んで構成されていれば、メダル落下検出手段の設置の自由度をより一層高めることが可能となる。
【0014】
更に、前記メダル落下検出手段が、前記メダル通路における前記メダルの上縁部が通過する位置に配設されたセンサを含んで構成されていれば、メダルの落下を容易に検出することが可能となる。
【0015】
更に又、前記メダル落下検出手段が、複数個のセンサを含んで構成されていれば、メダルの検出範囲を広げることができ、メダルの落下をより確実に検出することが可能となる。
【0016】
又、前記メダル落下検出手段は、前記メダルの進行方向に対して略垂直方向に並べて配設された一対のセンサを含んでなり、該一対のセンサの一方が前記メダルを検出するタイミングと、他方が前記メダルを検出するタイミングが異なっていた場合には前記メダルの落下と判定するようにされていれば、メダルの落下判定をより単純化することができるようになる。
【0017】
更に、前記メダル通過検出手段が、前記メダル落下検出手段の機能を兼ねていれば、メダル通過検出手段だけでメダルの正常通過の判定やメダルの落下の判定を行うことができる。
【0018】
更に又、前記メダル通過検出手段は、前記メダルの進行方向に対して略平行方向に並べて配設された一対のセンサを含んでなり、該一対のセンサが前記メダルの検出状態から略同時に前記メダルの非検出状態になった場合には前記メダルが前記メダル通路から落下したと判定するようにされていれば、一対のセンサだけでメダルの正常通過の判定やメダルの落下の判定を行うことができる。
【0019】
なお、複数種類の絵柄が施された複数のリールと、該リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるためのストップスイッチと、予め定めた入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、を備え、停止時の前記リールにより表示される前記絵柄の組合せが、前記内部当選した入賞役に対応して予め定めた絵柄の組合せである場合に当該入賞役に入賞するように構成すれば、例えば、スロットマシンに適用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る遊技台によれば、不正行為の有無を的確に判断し、遊技を円滑に進行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、投入されたメダルが通過するメダル通路に配設され、前記メダルが前記メダル通路を所定の通過態様で通過したことを検出可能なメダル通過検出手段を備え、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合にエラー報知が可能とされた遊技台において、前記メダルが前記メダル通路から落下したことを検出可能なメダル落下検出手段を備えると共に、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合であっても前記メダルの落下を検出した場合には前記エラー報知を行わないようにされていることによって、上記課題を解決したものである。
【実施例1】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明の実施例1に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
【0023】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
【0024】
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0025】
又、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0026】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0027】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、後述するメダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0028】
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
【0029】
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
【0030】
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
【0031】
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置157は、例えば開閉自在な扉(シャッター)が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置157には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。
【0032】
<制御部>
次に、図2及び図3を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
【0033】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
【0034】
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、図2は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
【0035】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0036】
又、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0037】
更に、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル通過センサ(以下、単に、通過センサと称す。)203、メダル落下センサ(以下、単に、落下センサと称す。)204、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
【0038】
スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、通過センサ203及び落下センサ204については後述する。
【0039】
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リール110乃至112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示省略。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)、ブロッカソレノイド209が接続されている。
【0040】
又、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。
乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施例1における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0041】
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、図3は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
【0042】
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0043】
又、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0044】
又、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0045】
更に、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
【0046】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部490からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
【0047】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ156、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、演出装置制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部490は、図1の演出装置157を制御する制御部である。
【0048】
<遊技の基本的制御>
次に、図4を用いて、スロットマシン100における遊技の基本的制御について説明する。なお、図4は遊技の基本的制御の流れを示すフローチャートを示したものである。
【0049】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検出しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この遊技処理について説明する。
【0050】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で主制御部300を初期化する初期処理が実行される。
【0051】
ステップS102では、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入に関する処理と、スタートレバー135による遊技の開始に関する処理を行う(詳細は後述)。
【0052】
ステップS103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
【0053】
ステップS104では、ステップS103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。
【0054】
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)毎に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理でも採用される。
【0055】
又、ステップS104では、内部抽選の後、リール停止制御テーブルを選択する処理を行う。これは、各リールの停止操作に対する制御を選択する処理である。ここで、リール110乃至112の停止制御について簡単に説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。リール停止制御テーブルは、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「ベル」に内部当選していない場合、「ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
【0056】
ステップS105では、全リール110乃至112の回転を開始させる。その後、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能となる。
【0057】
ステップS106ではリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139対応するいずれかのリールをステップS104で選択したリール停止制御テーブルに従って停止させる。全リール110乃至112が停止すると次のステップS107へ進む。
【0058】
ステップS107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
【0059】
ステップS108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0060】
ステップS109では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
【0061】
以上により1ゲームの処理が終了し、その後ステップS102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0062】
<遊技メダル投入処理>
次に、図5を用いて、上述の遊技の基本的制御における遊技メダル投入処理(ステップS102)について説明する。なお、図5は遊技メダル投入処理の流れを示すフローチャートを示したものである。
【0063】
まず最初に、ステップS111では規定枚数を設定する。ここで、規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、例えば、通常遊技の場合は3枚に設定され、RBゲーム等においては1枚に設定される。
【0064】
ステップS112では、割り込みステータスが「遊技メダル投入処理中」に設定される。ここで、割り込みステータスとは、タイマ割り込み処理(詳細は後述)で実行すべき処理の内容を示す情報である。タイマ割り込み処理で実行される内容は複数種類あるため、タイマ割り込み処理中に割り込みステータスを参照することによって、遊技メダル投入処理に対応する内容が選択されるようになっている。
【0065】
ステップS113ではエラー発生の有無が判定され、エラーが発生していない場合にはステップS117へ進み、、エラーが発生している場合はステップS114へ進む。エラー発生の有無は、タイマ割り込み処理においてエラーコードが設定されたか否かに依存する。
【0066】
ステップS114では、エラー処理を行う。エラー処理の内容は種々選択できるが、ここでは遊技回数表示器126に所定のエラーコードを表示すると共に、遊技を中断することによってエラーの報知を行う。このエラーの状態は、例えばスロットマシン100に設けられたリセットスイッチが操作されると解除される。なお、エラー処理の内容はこれに限られず、例えば、警報を発したり、或いは、ホールコンピュータにエラーが生じたことを示す情報を送信する、といったことが挙げられる。
【0067】
ステップS115ではエラー停止の操作がなされたか否かを判定する。該当する場合はステップS116へ進み、そうでない場合はステップS115の判定を行いつつ、ステップS114のエラー報知を継続する。
【0068】
ステップS116ではステップS114のエラー処理を終了する。
【0069】
ステップS117は規定枚数のメダルが投入された状態で、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。該当する場合はステップS118へ進み、そうでない場合はステップS113へ戻る。
【0070】
ステップS118では5本の入賞ライン114のうち今回の遊技で有効な入賞ライン数を設定する。上述した通り、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
【0071】
ステップS119では割り込みステータスを「メダル投入処理中」から、次のステータスへ設定する。これによりタイマ割り込み処理においてメダル投入処理中の内容の処理の実行が終了することになる。
【0072】
<メダルセレクタ>
次に、図6〜図9を用いて、上述のスロットマシン100に適用されたメダルセレクタ200の構造について詳細に説明する。なお、図6は、メダルセレクタ200の概略正面図、図7〜図9は、それぞれ図6におけるVII−VII線、VIII−VIII線、IX−IX線に沿う断面図を示したものである。
【0073】
このメダルセレクタ200は、メダル投入口134から投入されるメダルMの中から適正なメダルと不正なメダルを選別可能なメダルセレクト部201と、メダル通路202の出口近傍に配設され、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様で通過したことを検出可能な通過センサ203と、メダルMがメダル通路202から落下したことを検出可能な落下センサ204と、を有して構成されている。
【0074】
<メダルセレクト部>
まず、メダルセレクト部201について詳細に説明する。
【0075】
メダルセレクト部201は、メダルMの搬送方向に向けて斜め下方に傾斜形成され、メダルMの下縁を支持する下側ガイドレール205、この下側ガイドレール205の上方に対向配置され、メダルMの上縁を案内する上側ガイドレール206と、メダルMの側面を支持するガイド片207Aを有するガイド部材207と、メダル通路202に直交する方向に回動可能なメダルブロッカ208と、このメダルブロッカ208に回動力を付勢するブロッカソレノイド209と、を備えている。
【0076】
遊技者がメダルMをメダル投入口134に投入すると、メダルMは例えば図6に2点鎖線で示すようなA〜Fの状態を経て所定位置に搬送される。このとき、メダルMの下縁を下側ガイドレール205が支持すると共に、ガイド部材207のガイド片207AがメダルMの側面を緩く押圧する。このため、メダルMが規定の外径を有する正規なものであれば、メダルMの上縁が上側ガイドレール206によってメダル通路202に沿って案内されることなる。その結果、メダルMは、自重によって下側ガイドレール205の下り傾斜に沿って転動し、メダルタンク(図示省略)に連なるメダル出口210へ到達する。
【0077】
なお、投入されたメダルMが規定枚数に達した場合には、図9に示されるように、ブロッカソレノイド209を作動させて、メダルブロッカ208を返却状態(メダルブロッカ208を回動させることによってメダル通路202が遮断された状態)とし、以後、投入されるメダルMを、強制的にメダル払出口155に返却するようになっている。また、ブロッカソレノイド209は、所定の絵柄が揃って、メダルMの再投入無しに再遊技が可能なときにも作動し、誤って投入されるメダルMを返却する。そして、メダル出口210から搬出されたメダルMは、メダルタンクへ貯蓄されることになる。
【0078】
一方、遊技者が投入したメダルMが、規定の外径よりも小さい不正メダルである場合には、メダルMの上縁が上側ガイドレール206に係止されなかったり、係止されても係止幅が僅かなので、ガイド部材207のガイド片207Aにより側面を緩く押圧されると、容易にメダルMが転倒して、メダル通路202から落下し、メダル払出口155に返却される。なお、メダル投入口134の孔は正規メダルMの外径と同じ大きさに設計されており、規定の外径よりも大きい不正メダルは、メダル投入口134から投入することができないようになっている。
【0079】
以上説明したように、通常、不正メダルはメダルセレクタ部201によってメダル通路202から落下され、メダル払出口155に返却される一方で、正規なメダルはメダル通路202を転動し、メダル出口210に到達することになる。このようにしてメダル出口210に到達したメダルMは、メダル出口210近傍に配設された通過センサ203及び落下センサ204を通過する。
【0080】
<メダル通過検出手段及びメダル落下検出手段>
次に、図10〜図19を用いて、メダル通過検出手段に含まれる通過センサ203と、メダル落下検出手段に含まれる落下センサ204について詳細に説明する。
【0081】
図10に示されるように、通過センサ203及び落下センサ204には、いわゆる透過型フォトセンサが適用されており、メダルMが通過可能に形成されたスリット211を介して対向配置された受光素子212及び発光素子213を備えている。なお、本発明に係るメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段に適用されるセンサは、透過型フォトセンサに限定されるものではなく、例えば、反射型フォトセンサ等の他のセンサを適用してもよい。
【0082】
通過センサ203及び落下センサ204では、受光素子212に入射される光が、メダルMによってどれだけ遮光されるかによってメダルMの有無を検出可能となっている。なお、説明を容易にするため、メダルMによって発光素子213の光の一部が遮光された状態、即ち、メダルMがセンサによって検出されている状態を「ON」、又、メダルMによって発光素子210の光が遮光されていない状態、即ち、メダルMがセンサによって検出されていない状態を「OFF」と表現することにする。
【0083】
通過センサ203は、この例では、2つの第1通過センサ203A及び第2通過センサ203Bによって構成されている。そして、第1、第2通過センサ203A、203Bは、メダル通路202に沿って、第1通過センサ203Aがメダル通路2021の上流側に、第2通過センサがメダル通路202の下流側にそれぞれ配設されており、メダル通路202を転動するメダルMの通過が検出可能となっている。
【0084】
具体的には、第1、第2通過センサ203A、203Bは、相対的に第1通過センサ203Aがメダル通路202の上流側に配置されているため、メダルMが第1、第2通過センサ203A、203Bを正常に通過した場合に検出される電気信号は、図11(A)に示されるような波形を示し、第1、第2通過センサ203A、203Bの検出状態は、図11(B)に示されるように、第1、第2通過センサ203A、203B=OFF(状態ST1)→第1通過センサ203A=ON且つ第2通過センサ203B=OFF(状態ST2)→第1、第2通過センサ203A、203B=ON(状態ST3)→第1通過センサ203A=OFF且つ第2通過センサ203B=ON(状態ST4)→第1、第2通過センサ203A、203B=OFF(状態ST1)→・・・と推移することになる。なお、図11(B)に示される第1、第2通過センサ203A、203Bの検出状態ST1〜ST4のデータを「正常通過判定データ」と呼ぶ。
【0085】
このような正常な通過態様に対して、メダルMがメダル通路202から落下した結果、メダルMが第1、第2通過センサ203A、203Bを正常な通過態様以外の態様で通過する場合がある。このメダルMの落下の態様を示したものが図12(A)〜(E)である。なお、図12(A)はメダルMが状態ST1から落下した例(落下タイプ1)、同図(B)はメダルMが状態ST2から落下した例(落下タイプ2)、同図(C)はメダルMが状態ST3から落下した例(落下タイプ3)、同図(D)はメダルMが状態ST4から落下した例(落下タイプ4)、同図(E)はメダルMが第1、第2通過センサ203A、203Bを通過した後に落下した例(落下タイプ5)をそれぞれ示したものである。
【0086】
本発明に係るスロットマシン100は、上記落下タイプ1〜5の内、メダルMが第1、第2通過センサ203A、203Bを正常な通過態様以外の態様で通過する落下のタイプ、即ち、落下タイプ2〜4を検出可能に構成されている。なお、本発明の発明者の検証によれば、上記落下タイプ1〜5の中でも、本発明に係るスロットマシン100によって検出可能な落下タイプ3、4の発生頻度が特に高いことが分かった。
【0087】
まず最初に、図13及び図14を用いて、上記落下タイプ2について説明する。
【0088】
図11を用いて説明したように、メダルMが状態ST2からメダル通路202を正常な通過態様で通過する場合、第1、第2通過センサ203A、203Bは状態ST2から状態ST3に推移する。
【0089】
一方、図13に示されるように、メダルMが状態ST2から落下した場合(実線で図示)、又は、メダルMが状態ST2からメダル投入口134側に故意に引き抜かれた場合(点線で図示)には、図14(A)、(B)に示されるように、第1、第2通過センサ203A、203Bは状態ST2から状態ST3´(第1、第2通過センサ203A、203B=OFF)に推移する。
【0090】
又、上記落下センサ204は、メダルMがメダル通路202を正常な通過態様以外の態様で通過したことを通過センサ203が検出するタイミングでメダルMの落下を検出可能な位置(図13において斜線で示した位置)に配設されており、メダルMの落下の場合に検出状態がONとなり、メダルMの引き抜きの場合に検出状態がOFFとなるようになっている。
【0091】
即ち、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST2から状態ST3´に推移し、且つ、落下センサ204がOFFの場合には、メダルMの引き抜きが行われたと判断することができ、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST2から状態ST3´の状態に推移し、且つ、落下センサがONの場合には、メダルMが落下したと判断することができる。
【0092】
なお、落下センサ204の配置場所は、図13に示した位置に限定されるものでなく、同図の斜線部分の範囲内に配設されていれば落下タイプ2の落下を検出可能である。
【0093】
次に、図15及び図16を用いて、上記落下タイプ3について説明する。
【0094】
図11を用いて説明したように、メダルMが状態ST3からメダル通路201を正常な通過態様で通過する場合、第1、第2通過センサ203A、203Bは状態ST3から状態ST4に推移する。
【0095】
一方、図15に示されるように、メダルMが状態ST3から落下した場合(実線で図示)、又は、メダルMが状態ST3からメダル投入口134側に故意に引き抜かれた場合(点線で図示)には、図16(A)、(B)に示されるように、第1、第2通過センサ203A、203Bは、状態ST3から状態ST4´(第1通過センサ203A=ON且つ第2通過センサ203B=OFF)、又は、状態ST4´´(第1、第2通過センサ203A、203B=OFF)に推移する。
【0096】
即ち、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST3から状態ST4´(又は状態ST4´´)に推移し、且つ、落下センサ204がOFFの場合には、メダルMの引き抜き行為が行われたと判断することができ、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST3から状態ST4´(又は状態ST4´´)に移行し、且つ、落下センサ204がONの場合は、メダルMが落下したと判断することができる。
【0097】
なお、落下センサ204の配置場所は、図15に示した位置に限定されるものでなく、同図の斜線部分の範囲内に配設されていれば落下タイプ3の落下を検出可能である。
【0098】
次に、図17及び図18を用いて、上記落下タイプ4について説明する。
【0099】
図11を用いて説明したように、メダルMが状態ST4からメダル通路201を正常な通過態様で通過する場合、第1、第2通過センサ203A、203Bは状態ST4から状態ST1に推移する。
【0100】
一方、図17に示されるように、メダルMが状態ST4から落下した場合(実線で図示)、又は、メダルMが状態ST4からメダル投入口134側に故意に引き抜かれた場合(点線で図示)には、図18(A)、(B)に示されるように、状態ST3から状態ST1´(第1通過センサ203A=ON且つ第2通過センサ203B=ON)に推移する。
【0101】
即ち、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST4から状態ST1´に移行し、且つ、落下センサ204がOFFの場合には、メダルMの引き抜き行為が行われたと判断することができ、第1、第2通過センサ203A、203Bが状態ST4から状態ST1´に移行し、且つ、落下センサ204がONの場合は、メダルMが落下したと判断することができる。
【0102】
なお、落下センサ204の配置場所は、図17に示した位置に限定されるものでなく、同図の斜線部分の範囲内に配設されていれば落下タイプ4の落下を検出可能である。ここで、落下センサ204の配置場所(斜線部分の範囲)が次に投入されるメダルMの相当位置(2点鎖線の円で図示)から除外されているのは、メダル通路202に貯まった次のメダルMによって落下センサ204が誤ってメダルMの落下を検出してしまうのを防止するためである。
【0103】
なお、落下センサ204は、上記落下タイプ2〜4の落下検出を全てカバーできるように、図19に示される塗りつぶしの範囲(図13、図15、図17の斜線部分を重ね合わせた領域)に配設されているのが好ましい。
【0104】
以下、上記図14(B)、図16(B)、図18(B)に示される第1、第2通過センサ203A、203Bの検出状態ST3´、ST4´、ST4´´、ST1´のデータを「メダル落下判定データ」と呼ぶ。
【0105】
この「メダル落下判定データ」及び上述の「正常通過判定データ」は、以下に説明するタイマ割り込み処理内で取得され、メダルMの正常通過の判定やメダルMの落下の判定に使用される。
【0106】
<タイマ割り込み処理>
次に、図20を用いて、上述のタイマ割り込み処理について詳細に説明する。なお、図20はタイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートを示したものである。
【0107】
まず、ステップS121ではCPU310の各レジスタの情報をRAM313に退避する等の処理(現在処理中のデータの一時保存)を行う。
【0108】
ステップS122では、入力インターフェース360のポートの値を取得し、RAM313の所定のエリアに保存する。図21は入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示した図である。上記図2を用いて説明した通り、入力インターフェース360には通過センサ230及び落下センサ204等が接続されており、通過センサ230の第1通過センサ203Aの検出結果はビットD0(LSB)に、通過センサ230の第2通過センサ203Bの検出結果はビットD1に、落下センサ204の検出結果はビットD2にそれぞれ割り当てられている。以下、通過センサ230及び落下センサ204の検出結果を示すビットD0〜D2の値をメダルセレクタ状態ともいう。なお、RAM313の上記所定のエリアには複数回分のポートの値が保存され、ステップS122では今回取得した新しいポートの値が最も古いポートの値に上書きされる。
【0109】
図20に戻って、ステップS123では現在の割り込みステータスが「遊技メダル投入処理中」か否かを判定する。この割り込みステータスが「遊技メダル投入処理中」の場合はステップS124へ進み、後述する<遊技メダル投入受付処理>を実行する。そうでない場合はステップS125へ進む。
【0110】
ステップS125ではカウンタタイマを更新する処理を行う。カウンタタイマは複数種類存在し、例えば、後述するメダル滞留タイマもその一つに含まれる。メダル滞留タイマは、このステップS125の処理によりカウント値が一つ減算される(但し、カウント値が0の場合は減算しない)。
【0111】
ステップS126では、上述の割り込みステータスに応じて、他の割り込み処理が実行される。
【0112】
ステップS127ではタイマ割り込み処理直後のステップS121で一時的に退避した各レジスタの情報を復帰させる処理等を行い、1単位のタイマ割り込み処理が終了する。
【0113】
<遊技メダル投入受付処理>
次に、図22を用いて、上述のタイマ割り込み処理における遊技メダル投入受付処理(ステップS124)について説明する。なお、図22は遊技メダル投入受付処理の流れを示すフローチャートを示したものである。
【0114】
ステップS131では後述する<メダルセレクタ処理>を行い、次のステップS132ではその他の処理、例えば、精算ボタン132の受付処理やメダル投入ボタン130、131の受付処理等を行う。
【0115】
<メダルセレクタ処理>
次に、図23及び図24を用いて、上述の遊技メダル投入受付処理におけるメダルセレクタ処理(ステップS131)について説明する。なお、図23及び図24はメダルセレクタ処理の流れを示すフローチャートを示したものである。
【0116】
ステップS141ではRAM313に保存してある前回のメダルセレクタ状態を取得する。
【0117】
ステップS142ではRAM313に保存してある今回のメダルセレクタ状態を取得する。
【0118】
ステップS143ではステップS141で取得した前回のメダルセレクタ状態とステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、第1通過センサ203AがOFFからONに変化したか否かを判定する。該当する場合はステップS144に進み、そうでない場合はステップS145に進む。
【0119】
ステップS144ではメダル受付フラグをONにして、ステップS147に進む。
【0120】
ステップS145では第2通過センサ203BがONからOFFに変化したか否かを判定する。該当する場合はステップS146に進み、そうでない場合はステップS147に進む。
【0121】
ステップS146ではメダル受付フラグをOFFにして、ステップS147に進む。
【0122】
ステップS147では、メダル受付フラグがONであるか否かを判定する。該当する場合はステップS148に進み、そうでない場合はステップS151に進む。
【0123】
ステップS148では、メダル滞留タイマが1であるか否か、即ち、メダルの滞留が生じているか否かを判定する。該当する場合はステップS150に進み、そうでない場合はステップS149に進む。
【0124】
ステップS149ではメダル滞留タイマが0か否かが判定され、該当する場合はステップS152に進み、そうでない場合はステップS152の処理を飛ばしステップS153に進む。
【0125】
ステップS150ではエラーコード(例えば、滞留エラーは“E001”)を設定した後、ステップS162に進む。
【0126】
ステップS151ではメダル滞留タイマのクリアが行われ、ステップS153に進む。
【0127】
ステップS152ではメダル滞留タイマに初期値が設定された後、ステップS153に進む。
【0128】
ステップS153ではメダルブロッカ208が返却状態か否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS154へ進む。
【0129】
ステップS154ではステップS141で取得した前回のメダルセレクタ状態とステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、メダルセレクタ状態に変化があったか否かを判定する。変化があった場合はステップS155へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0130】
ステップS155では上述の正常通過判定データを取得する。
【0131】
ステップS156ではステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とステップS155で取得した正常通過判定データとを比較して、正常通過中であるか否かを判定する。正常通過中の場合はステップS157へ進み、そうでない場合はステップS162へ進む。
【0132】
ここでは、例えば、ステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態が上記図11に示す状態ST2であり、ステップS155で取得した正常通過判定データが同図に示す状態ST3である場合には、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様で通過したと判断し、正常通過と判定される。一方、ステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態が同図に示す状態ST3であり、ステップS155で取得した正常通過判定データが同図に示す状態ST1である場合には、メダルMの通過が状態ST4の状態を経ずに行われたことになり、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様以外で通過したと判断し、何らかの異常があったとして正常通過中でないと判定される。
【0133】
ステップS157ではメダルMが正常に通過を完了したか否かを判定する。正常に通過を完了した場合とは、上記図11の状態ST4から状態ST1へ移行した場合である。該当する場合はステップS158へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0134】
ステップS158ではメダルMの投入枚数が上記図5のステップS111で設定した規定枚数よりも少ないか否かを判定する。該当する場合はステップS161へ進み、ベット枚数として投入されたメダル数を加算する。該当しない場合はステップS159へ進み、貯留枚数がその最大数である50よりも小さいか否かを判定する。該当する場合はステップS160へ進み、スロットマシン100に電子的に貯留されるクレジットのメダルとして投入されたメダル数を加算する。該当しない場合は処理を終了する。
【0135】
なお、ステップS160のメダル加算2は貯留枚数カウンタにより、又、ステップS161のメダル加算1はベット枚数カウンタにより行われる。これら貯留枚数カウンタ及びベット枚数カウンタは、RAM313の所定のエリア上に各カウント値が記憶され、各カウント値を更新することで貯留枚数、ベット枚数をカウントするソフトウェアカウンタである。ベット枚数カウンタは1回の遊技の終了時にクリアされる。
【0136】
ステップS162では上述のメダル落下判定データを取得する。
【0137】
ステップS163ではステップS141で取得した前回のメダルセレクタ状態とステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、メダルセレクタ状態の変化がステップS162で取得したメダル落下判定データと一致するか否かを判定する。換言すれば、このステップS163では、上記図14(A)に示される落下タイプ2の場合は第1通過センサ203Aの状態ST2から状態ST3´への変化点(立下りエッジ)を、上記図16(A)に示される落下タイプ3の場合は第2通過センサ203Bの状態ST3から状態ST4´(又はST4´´)への変化点(立下りエッジ)を、上記図18(A)に示される落下タイプ4の場合は第1通過センサ203Aの状態ST4から状態ST1´への変化点(立上がりエッジ)をそれぞれ検出し、落下センサ204によるメダルMの落下検出タイミングを把握する。そして、メダルセレクタ状態の変化がメダル落下判定データに一致した場合、即ち、落下センサ204によるメダルMの落下検出タイミングに合致した場合はS164へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0138】
より具体的には、例えばステップS141で取得した前回のメダルセレクタ状態が上記図14(B)に示す状態ST2であり、ステップS142で取得した今回のメダルセレクタ状態が同図(B)に示す状態ST3´である場合には、メダルセレクタ状態の変化が同図(B)に示すメダル落下判定データに一致するため、落下センサ204によるメダルMの落下検出タイミングに合致したと判断し、次のステップS164に進む。
【0139】
ステップS164では、落下センサ204の検出を行い、メダルMの落下か否かを判定する。そして、メダルMの落下に該当しない場合はステップ165に進み、エラーコードを設定する。このエラーコード設定が行われると、上記図5の遊技メダル投入処理におけるステップS113でメダル投入異常と判定され、ステップS114のエラー報知が行われることになる。
【0140】
一方、メダルMの落下に該当する場合はエラーコードは設定されず、遊技メダル投入処理によるエラー報知(遊技の中断やアラームによる警報等)は行われない。
【0141】
以上によりメダルセレクタ処理が終了する。
【0142】
なお、本発明に係る「メダル通過検出手段」は、本実施例1では、主に通過センサ230及びメダルセレクト処理におけるステップS155〜ステップS157が相当し、又、本発明に係る「メダル落下検出手段」は、本実施例1では、主に落下センサ204及びメダルセレクト処理におけるステップS162〜ステップS164が相当する。
【0143】
本実施例1に係る遊技台100によれば、メダルMがメダル通路202から落下したことを検出可能なメダル落下検出手段を備えると共に、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様以外の態様で通過した場合であってもメダルMの落下を検出した場合にはエラー報知を行わないようにされているため、不正行為の有無を的確に判断し、遊技を円滑に進行させることができる。
【0144】
又、メダル落下検出手段は、メダルMがメダル通路202を所定の通過態様以外の態様で通過したことをメダル通過検出手段が検出するタイミングでメダルMの落下を検出可能な位置に配設された落下センサ204を含んで構成されているため、メダルMの落下をすばやく検出することができる。
【0145】
なお、上記実施例1においては、メダル通過検出手段として2個の第1、第2通過センサ203A、203Bを、又、メダル落下検出手段として1個の落下センサ204を適用したが、本発明に係るメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段はこれに限定されるものではなく、例えば、以下の実施例2〜6において説明するようなメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段を適用してもよい。
【実施例2】
【0146】
まず、図25を用いて、本発明の実施例2に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段について説明する。
【0147】
なお、メダル通過検出手段及びメダル落下検出手段以外の部分については、上記実施例1に係るスロットマシン100と同一であるため、メダル通過検出手段及びメダル落下検出手段のセンサ部分についてのみ図示すると共に同一部分については図中において同じ符号を付し、その説明は省略することとする(以下の実施例についても同様)。
【0148】
本実施例2に係るスロットマシンは、メダル通過検出手段として2個の第1、第2通過センサ203A、203Bを適用している点では上記実施例1に係るスロットマシン100と同じであるが、メダル落下検出手段として複数個(この例では2個)の落下センサ204を適用している点で異なっている。そして、本実施例2に係るスロットマシンのメダルセレクタ処理では、上記図24のステップS164のメダル落下判定において、複数の落下センサ204の中のいずれか1個の検出状態がONであればメダルMの落下と判定するようになっている。
【0149】
本実施例2に係るスロットマシンによれば、メダル落下検出手段が複数個の落下センサ204を含んで構成されているため、メダルMの検出範囲を広げることができ、メダルMの落下をより確実に検出することができる。
【実施例3】
【0150】
次に、図26を用いて、本発明の実施例3に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段について説明する。
【0151】
本実施例3に係るスロットマシンは、メダル通過検出手段として2個の第1、第2通過センサ203A、203Bを適用している点では上記実施例1に係るスロットマシン100と同じであるが、メダル落下検出手段として複数個(この例では11個)の落下センサ204をメダル通路202におけるメダルMの上縁部が通過する位置に配設している点で異なっている。そして、本実施例3に係るスロットマシンのメダルセレクタ処理では、メダルMがメダル通路202を正常に通過する間(上記正常通過判定データが状態ST2から状態ST1になるまでの間)に、複数の落下センサ204の全ての検出状態がOFFとなった場合にメダルMの落下と判定するようになっている。
【0152】
本実施例3に係るスロットマシンによれば、メダル落下検出手段が、メダル通路202におけるメダルMの上縁部が通過する位置に配設された落下センサ204を含んで構成されているため、メダルMの落下を容易に検出することができる。
【実施例4】
【0153】
次に、図27(A)を用いて、本発明の実施例4に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段について説明する。
【0154】
本実施例4に係るスロットマシンは、メダル通過検出手段として2個の第1、第2通過センサ203A、203Bを適用している点では上記実施例1に係るスロットマシン100と同じであるが、メダル落下検出手段として1個の落下センサ204をメダル通路202の下方に配設している点で異なっている。そして、本実施例4に係るスロットマシンによるメダルセレクタ処理では、メダル通路202の下方に配設した落下センサ204の検出状態がONとなった場合にメダルMの落下と判定するようになっている。
【0155】
本実施例4に係るスロットマシンによれば、メダル落下検出手段が、メダル通路202の下方に配設された落下センサ204を含んで構成されているため、落下センサ204の設置の自由度をより一層高めることができる。
【0156】
なお、本実施例4に係る落下センサ204によれば、メダルMがメダル通過検出手段である第1、第2通過センサ203A、203Bを通過しないで落下したような場合(上記落下タイプ1又は5の場合)でもメダルMの落下を検出可能とすることができる。例えば、メダル投入口134から侵入した埃などの異物がメダル通路202上に蓄積し、この異物によってメダルMが第1、第2通過センサ203A、203Bを通過する手前でメダル通路202から落下してしまう場合があるが、本実施例4に係る落下センサ204では、このような異物に起因するメダルMの落下をも検出することが可能で、例えば、その落下回数を一定期間カウントするように構成し、メダル通路202の異常を検知可能とすれば、スロットマシンのメンテナンス性を向上させることもできる。
【0157】
又、本実施例4においては、1個の落下センサ204を配設した例を示したが、上記図27(B)に示されるように、メダル通路202の下方に落下センサ204を複数個(この例では11個)配設すれば、メダルMの落下をより確実に検出することができる。
【実施例5】
【0158】
次に、図28を用いて、本発明の実施例5に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段について説明する。
【0159】
本実施例5に係るスロットマシンは、メダル通過検出手段及びメダル落下検出手段として、メダルMの進行方向Xに対して略垂直方向に並べて配設された、一対の第1通過センサ203A及び落下センサ204と、一対の第2通過センサ203A及び落下センサ204と、を備えている。本実施例5に係るスロットマシンのメダルセレクト処理では、メダルMの正常通過中に、一対の第1通過センサ203A及び落下センサ204の一方がメダルMを検出するタイミングと、他方がメダルMを検出するタイミングが異なっていた場合、又は、一対の第2通過センサ203B及び落下センサ204の一方がメダルMを検出するタイミングと、他方がメダルMを検出するタイミングが異なっていた場合にメダルMの落下と判定するようになっている。
【0160】
本実施例5に係るスロットマシンによれば、メダル落下検出手段は、メダルMの進行方向Xに対して略垂直方向に並べて配設された一対の第1通過センサ203A及び落下センサ204(又は、一対の第2通過センサ203B及び落下センサ204)を含んでなり、一対の第1通過センサ203A及び落下センサ204(又は、一対の第2通過センサ203B及び落下センサ204)の一方がメダルMを検出するタイミングと、他方がメダルMを検出するタイミングが異なっていた場合にはメダルMの落下と判定するようにされているため、上記実施例1に係るスロットマシン100に比べ、メダルMの落下判定をより単純化することができる。
【実施例6】
【0161】
次に、図29を用いて、本発明の実施例6に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段について説明する。
【0162】
本実施例6に係るスロットマシンは、メダル通過検出手段として、メダルMの進行方向Xに対して略平行方向に並べて配設された一対の第1、第2通過センサ203A、203Bを備えている。本実施例6に係るスロットマシンのメダルセレクト処理では、一対の第1、第2通過センサ203A、203BがメダルMの検出状態から略同時にメダルMの非検出状態になった場合にはメダルMがメダル通路202から落下したと判定するようになっている。従って、第1、第2通過センサ203A、203Bは、メダルMが記メダル通路202を所定の通過態様で通過したことを検出可能であると共に、メダルMがメダル通路202から落下したことも検出可能となっている。
【0163】
本実施例6に係るスロットマシンによれば、メダル通過検出手段である一対の第1、第2通過センサ203A、203Bが、メダル落下検出手段の機能を兼ねており、メダルMがメダル通路202から落下したことを検出可能とされているため、2つの第1、第2通過センサ203A、203Bだけで、メダルMの正常通過の判定やメダルMの落下の判定を行うことができ、上記実施例1〜5に係るスロットマシンに比べ、簡易な構造とすることができる。
【0164】
なお、上記実施例1〜6においては、遊技台としてスロットマシンを例に挙げたが、本発明に係る遊技台はスロットマシンに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は、メダル(コイン)の投入により遊技の実施が可能な、スロットマシン等の遊技台に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の実施例1に係るスロットマシンの外観斜視図
【図2】同スロットマシンにおける主制御部の回路ブロック図
【図3】同スロットマシンにおける副制御部の回路ブロック図
【図4】同スロットマシンにおける遊技の基本的制御を示すフローチャート
【図5】同スロットマシンにおける遊技メダル投入処理を示すフローチャート
【図6】同スロットマシンにおけるメダルセレクタの概略正面図
【図7】図6におけるVII−VII線に沿った断面図
【図8】図6におけるVIII−VIII線に沿った断面図
【図9】図6におけるIX−IX線に沿った断面図
【図10】図6における第1通過センサ、第2通過センサ及び落下センサの概略側面図(A)及び概略正面図(B)
【図11】メダルがメダル通路を所定の通過態様で通過した場合における、第1、第2通過センサの検出波形(A)及び第1、第2通過センサの状態変化を示した図
【図12】メダルの落下の態様を示した図であり、それぞれ(A)は落下タイプ1、(B)は落下タイプ2、(C)は落下タイプ3、(D)は落下タイプ4、(E)は落下タイプ5を示した図
【図13】図12の落下タイプ2の場合におけるメダルの動きを模式的に示した図
【図14】図12の落下タイプ2の場合における、第1、第2通過センサと落下センサの検出波形(A)及び第1、第2通過センサと落下センサの状態変化を示した図
【図15】図12の落下タイプ3の場合におけるメダルの動きを模式的に示した図
【図16】図12の落下タイプ3の場合における、第1、第2通過センサと落下センサの検出波形(A)及び第1、第2通過センサと落下センサの状態変化を示した図
【図17】図12の落下タイプ4の場合におけるメダルの動きを模式的に示した図
【図18】図12の落下タイプ4の場合における、第1、第2通過センサと落下センサの検出波形(A)及び第1、第2通過センサと落下センサの状態変化を示した図
【図19】図12の落下タイプ2〜4の全てを検出可能な落下センサの配置場所を示した図
【図20】本実施例1に係るスロットマシンにおけるタイマ割り込み処理を示すフローチャート
【図21】同スロットマシンの主制御部における入力インターフェースのポートのビット割り当てを示した図
【図22】同スロットマシンにおける遊技メダル投入受付処理を示すフローチャート
【図23】同スロットマシンにおけるメダルセレクタ処理を示すフローチャート
【図24】図23のメダルセレクタ処理の続きを示すフローチャート
【図25】実施例2に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段を模式的に示した図
【図26】実施例3に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段を模式的に示した図
【図27】実施例4に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段を模式的に示した図(A)及び実施例4の他の例を示した図(B)
【図28】実施例5に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段及びメダル落下検出手段を模式的に示した図
【図29】実施例6に係るスロットマシンに適用されたメダル通過検出手段(兼メダル落下検出手段)を模式的に示した図
【図30】従来のスロットマシンに適用されたメダルセレクタの概略正面図
【符号の説明】
【0167】
M…メダル
10…メダルセレクタ
11…メダル通路
12…第1センサ
13…第2センサ
100…スロットマシン
101…本体
102…前面扉
110、111、112…リール
113…絵柄表示窓
114…入賞ライン
120…入賞ライン表示ランプ
121…スタートランプ
122…再遊技ランプ
123…告知ランプ
124…メダル投入ランプ
125…払出枚数表示器
126…遊技回数表示器
127…貯留枚数表示器
128…リールパネルランプ
130、131…メダル投入ボタン
132…精算ボタン
133…メダル返却ボタン
134…メダル投入口
135…スタートレバー
137、138、139…ストップボタン
140…ドアキー
150…上部ランプ
151…サイドランプ
152…中央ランプ
153…腰部ランプ
154…下部ランプ
155…メダル払出口
156…メダル受皿
157…演出装置
160…音孔
162…タイトルパネル
200…メダルセレクタ
201…メダルセレクト部
202…メダル通路
203…メダル通過センサ
203A…第1通過センサ
203B…第2通過センサ
204…メダル落下センサ
205…下側ガイドレール
206…上側ガイドレール
207…ガイド部材
207A…ガイド片
208…メダルブロッカ
209…ブロッカソレノイド
210…メダル出口
211…スリット
212…受光素子
213…発光素子
300…主制御部
400…副制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入されたメダルが通過するメダル通路に配設され、前記メダルが前記メダル通路を所定の通過態様で通過したことを検出可能なメダル通過検出手段を備え、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合にエラー報知が可能とされた遊技台において、
前記メダルが前記メダル通路から落下したことを検出可能なメダル落下検出手段を備えると共に、
前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過した場合であっても前記メダルの落下を検出した場合には前記エラー報知を行わないようにされている
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1において、
前記メダル落下検出手段は、前記メダルが前記メダル通路を前記所定の通過態様以外の態様で通過したことを前記メダル通過検出手段が検出するタイミングで前記メダルの落下を検出可能な位置に配設されたセンサを含んでなる
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1において、
前記メダル落下検出手段は、前記メダル通路の下方に配設されたセンサを含んでなる
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1において、
前記メダル落下検出手段は、前記メダル通路における前記メダルの上縁部が通過する位置に配設されたセンサを含んでなる
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記メダル落下検出手段は、複数個のセンサを含んでなる
ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1において、
前記メダル落下検出手段は、前記メダルの進行方向に対して略垂直方向に並べて配設された一対のセンサを含んでなり、
該一対のセンサの一方が前記メダルを検出するタイミングと、他方が前記メダルを検出するタイミングが異なっていた場合には前記メダルの落下と判定するようにされている
ことを特徴とする遊技台。
【請求項7】
請求項1において、
前記メダル通過検出手段が、前記メダル落下検出手段の機能を兼ねている
ことを特徴とする遊技台。
【請求項8】
請求項7において、
前記メダル通過検出手段は、前記メダルの進行方向に対して略平行方向に並べて配設された一対のセンサを含んでなり、
該一対のセンサが前記メダルの検出状態から略同時に前記メダルの非検出状態になった場合には前記メダルが前記メダル通路から落下したと判定するようにされている
ことを特徴とする遊技台。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれにおいて、更に、
複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
該リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるためのストップスイッチと、
予め定めた入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、を備え、
停止時の前記リールにより表示される前記絵柄の組合せが、前記内部当選した入賞役に対応して予め定めた絵柄の組合せである場合に当該入賞役に入賞するように構成されている
ことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−34407(P2006−34407A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215473(P2004−215473)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)