説明

遊技台

【課題】遊技店の店員以外の者が不正に遊技台における設定値の変更操作を行う不正行為を防止し得る遊技台を提供する。
【解決手段】設定変更キースイッチがONにされたときから、計時を開始し、所定時間経過した場合には、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタンが押下された場合)、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、設定が確定される。次いで、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定し、設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関し、より詳しくは、遊技台の設定値を設定変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技台は、予め定められた条件において取得されたカウンタ値と抽選データとを比較して内部当選の有無を判定する内部抽選を行い、内部抽選により当選した入賞役の組み合わせ図柄が所定の表示窓上に停止することにより、予め定められた所定の遊技媒体を払い出すように構成されている。
【0003】
遊技台における入賞の当否を決定する内部の抽選データは設定値に応じて複数段階設定することが可能であり、所定期間の遊技を行った際の遊技者が使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合が複数段階の設定値に応じてそれぞれ異なるように定められている。遊技店では、遊技台の設定値を所望の段階に設定操作することにより営業を行っている。
【0004】
ところで、このような遊技台の設定値の設定操作は、一日の売上目標の達成のためや、一日の売上の予測や、集客力の向上のための宣伝のために遊技店側が利用するものである。
【0005】
しかし、遊技店が遊技台の設定操作を行い、所望の設定値に設定操作したにもかかわらず、遊技店の店員以外の者が営業時間中に不正に遊技台の設定値の変更操作を行う、いわゆる不正行為も少なくない。これにより遊技店側は一日の売上目標の達成が困難になり、また、一日の売上予測を立てることも困難になってしまう。また、遊技店の信用も失い、集客力低下を招くおそれもある。よって、遊技店の店員は絶えず遊技者に不審な者がいないかどうか注視する必要があった。
【0006】
このような遊技台において、設定値の変更操作を行う際に警報音を出力するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−97334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、遊技店側が集客力向上のために営業時間中に設定値の変更操作を行うときにも警報音が鳴るため、不正行為によって警報音が鳴ったとしても遊技店の店員は宣伝のために遊技台の設定値を変更操作したものであると誤認してしまい、さらには注意意識が低下してしまうおそれがあった。
【0009】
さらに、遊技者に対して必要な情報を店内でアナウンスしたり、遊技者の遊技意欲を向上させるために店内に音楽をかけたりする遊技店もあり、そのような遊技店では不正行為によって遊技台における設定値の変更操作が行われて警報音が鳴ったとしても、遊技店の店員が気づかないといった問題があった。
【0010】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、遊技店の店員以外の者が不正に遊技台における設定値の変更操作を行う不正行為を極力防止することができるとともに、不正行為を抑止する抑止効果をもたらすことが可能な遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、次のように構成される。
【0012】
本発明に係る遊技台は、その一態様として、各々異なる払出率が定められた複数種類の抽選データの設定変更が可能な遊技台であって、複数の工程からなる前記抽選データの設定変更操作に関する時間を計測する計測手段と、前記抽選データの設定変更操作の少なくとも一工程以上において、前記計測手段により計測された時間と予め定められた閾値に基づいて設定変更の可否を制御する設定変更制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、「払出率」とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合をいい、この払出率は抽選データの設定に応じて定められている。また、「各々異なる払出率が定められた複数種類の抽選データ」とは、少なくとも異なる払出率が2段階あればよい。
【0014】
本発明の一態様においては、抽選データの設定変更操作のいずれかの工程に要する時間を計測し、計測された時間と予め定めた閾値を比較して、設定変更の可否を判断するので、抽選データの設定変更操作に時間をかけることができ、これにより、不正行為を極力防止することができるとともに、不正行為を抑止する抑止効果をもたらすことができる。
【0015】
この場合、一例として、前記設定変更制御手段は、前記設定変更が可であるときは、前記抽選データの設定変更操作に関する指示を受け付けるように構成される。
【0016】
また、一例として、前記設定変更制御手段は、前記抽選データの設定変更操作に関する指示を受け付ける有効時間を備え、該有効時間内の指示受け付けに基づいて設定変更の可否を制御するように構成される。
【0017】
さらに、好適には、上述した前記抽選データの設定変更操作に関する指示は、前記複数種類の抽選データの中から所望の抽選データを選択する指示である。ここで、「抽選データを選択する指示」とは、具体的には、設定変更ボタンによる操作指示が考えられる。尚、前記抽選データの設定変更操作に関する指示は、これ以外の指示、例えば、前記抽選データの決定を行う指示であってもよく、ここで、「抽選データの決定を行う指示」とは、具体的には、スタートレバーによる操作指示が考えられる。
【0018】
また、例えば、前記設定変更制御手段は、前記複数の工程のうち少なくとも一工程以上について、予め定められた反復回数分の処理を終了したときは、前記設定変更を可とするように構成される。
【0019】
また、本発明に係る遊技台は、別の態様として、各々異なる払出率が定められた複数種類の抽選データの設定変更が可能な遊技台であって、前記抽選データの種類を報知する報知手段と、予め定められた時間を要して、報知するように前記報知手段を制御する報知制御手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
ここで、「報知手段」とは、抽選データの種類を視覚や聴覚により報知するものであれば何であってもよく、例えば、抽選データの種類に対応した音やランプによる報知も含むものである。この際、設定値を報知する態様としては、バックライトの点灯態様、例えば、各図柄に対応して設けられたバックライトを点灯し、照射された各図柄の個数によって設定値を報知してもよい。
【0021】
本発明の別の態様においては、抽選データの種類を報知するのに予め定められた時間を要するように制御しているので、抽選データの設定変更操作に時間をかけることができ、これにより、不正行為を防止することができるとともに、不正行為を抑止する抑止効果をもたらすことができる。
【0022】
この場合、一例として、前記報知手段は、前記抽選データの種類を表示する表示手段を含み、前記報知制御手段は、予め定められた時間が経過した後、前記抽選データの種類を任意の順序で表示するように制御するのが好ましい。
【0023】
ここで、「表示手段」は、画像表示装置全般を含むもので、液晶等を用いた画像表示装置であってもよい。また、「任意の順序で表示する」とは、表示手段を構成する複数の構成要素それぞれを任意の順序で表示することをいい、例えば7セグメント表示器においては、各セグメントを任意の順序で表示することをいう。
【0024】
また、その他の一例として、前記報知手段は、前記抽選データの種類を複数の表示セグメントからなるセグメント表示手段を含むのが好ましい。
【0025】
尚、本発明に係る遊技台は、上述したそれぞれの態様において、前記抽選データの設定変更処理中、又は扉が開放されたときには、その旨を所定の態様で報知して警告する警告手段を有するように構成してもよい。これにより、設定変更するときは必ず扉を開けるようになっているため、不正な設定変更処理を未然に防止することができる。
【0026】
また、本発明に係る遊技台は、好適には、遊技の進行を制御する制御手段を含む制御装置を扉を備える遊技台の箱体内に有し、前記制御装置は、抽選データの設定変更を開始する開始手段と、複数種類の抽選データの中から所望の抽選データを選択する抽選データ選択手段と、選択された抽選データの決定を行う抽選データ決定手段と、抽選データの設定変更を終了する終了手段と、を有する。尚、開始手段と終了手段は同一装置により実現されてもよい。例えば、具体的には、開始手段は、設定変更キースイッチが相当し、抽選データ選択手段は、設定変更ボタンが相当し、抽選データ決定手段は、スタートレバーが相当し、終了手段は、設定変更キースイッチが相当するように割り当てもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の遊技台によれば、抽選データの設定変更の操作に時間がかかるように制御されているので、遊技店の店員以外の者が不正に遊技台における設定値の変更操作を行う不正行為を極力防止することができるとともに、不正行為を抑止する抑止効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0029】
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合わせが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0030】
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
【0031】
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0032】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0033】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0034】
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
【0035】
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック134のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
【0036】
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿210に排出するためのボタンである。
【0037】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉102を開けることができる。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
【0038】
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置180を含み、各種の情報が表示される。
【0039】
液晶表示装置180は、遊技に関する各種の情報を表示する。もちろん、液晶表示装置180のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いても良い。
【0040】
スロットマシン100にはメダル投入口から投入されるメダルが通過する通路を形成し正規のメダルを選別するメダルセレクタ(図示省略)が前面扉102の裏面に設けられている。メダルセレクタはメダルの通路に直交する方向に回動可能なメダルブロッカと、メダルブロッカに回動力を付勢する電磁ソレノイドが設けられており、所定の条件が成立した場合(例えば、スタートレバー135の操作があった後等)ではメダルが通過できないようにメダルブロッカを返却状態(メダルブロッカがメダルの通路に突出してメダル通路が閉じられた状態)としている。
【0041】
次に、図2を参照してスロットマシン100の筐体内部の構成を説明する。
【0042】
図2は前面扉102を取り外したスロットマシン100の正面図である。主制御基板200はスロットマシン100の主要部分の制御を行う制御基板である。副制御基板210はスロットマシン100の主要部分以外の補助的部分の制御を行う制御基板である。この副制御基板210には、図3(a)に示すように、スロットマシン100の設定を行う設定用ディップスイッチ424が設けられている。このディップスイッチは2ビットのディップスイッチである。その設定内容については後述する。リールマウント220は上述したリール111乃至113を回転自在に支持するもので、これらを回転駆動する図示しないモータ等も搭載する。外部集中端子板230は主制御基板200及び副制御基板210に接続され、スロットマシン100内で生成された各種の情報を外部へ出力するインターフェース基板であり、この外部集中端子板230を介して当該情報が例えば遊技場の管理コンピュータ等に送信される。電源スイッチ240はスロットマシン100の電源をON・OFFするスイッチである。ホッパー250はメダルを払い出すための装置である。
【0043】
設定変更ユニット260は、スロットマシン100の設定を変更するためのスイッチ群及び表示器を備えており、具体的には、電源スイッチ240、設定変更キースイッチ241、設定変更ボタン242、及び設定表示器243を含む構成である。設定変更キースイッチ241はスロットマシン100の設定を変更するためのキースイッチである。設定変更ボタン242は、設定変更キースイッチ241がONの状態において押下すると、設定値が変更されるボタンであり、設定表示器243は、この設定値を表示する2つの7セグメント表示器からなり、2桁の数字を表示可能である。この設定変更ユニット260は、後述するようにスロットマシン100の内部当選確率の抽選データの設定を行うために用いる。尚、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるものであり、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。
【0044】
ここで、設定変更操作の基本的な手順について説明する。まず、電源スイッチ240がOFFの状態で、設定変更キースイッチ241をONにし、次に、電源スイッチ240をONにする。これを契機に、スロットマシン100においては、設定変更処理が開始されるので、設定変更ボタン242を操作しつつ、設定表示器243に表示される設定値を確認し、スタートレバー135を叩いて、設定値を確定させる。最後に、設定変更キースイッチをOFFにする。本実施の形態においては、この一連の操作により、設定変更操作が行われる。尚、設定表示器243に表示される設定値は、設定変更ボタン242を押下するたびにインクリメントされるようになっており、例えば、現在の設定が「3」であるときに設定変更ボタン242が押下されると、設定は「4」となり、現在の設定が「6」であるときに設定変更ボタン242が押下されると、設定を「1」に戻すようになっている。
【0045】
<入賞役>
図4は、スロットマシン100で採用可能な入賞役の種類と、対応する絵柄組み合わせと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率との例を示した図である。同図に示すように、入賞役としては、ビッグボーナスゲームを開始させるビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナスゲームを開始させるレギュラーボーナス(RB)、次回の遊技においてメダルの投入が不要な再遊技、小役、シフトレギュラーボーナスゲームを開始させるシフトレギュラーボーナス(SRB)、役物がある。各入賞役の内部当選確率は遊技の状態(通常遊技、BB遊技中の一般遊技、RB・SRB遊技)毎に設定されており、設定1から設定6まで複数種類存在する。そして、通常遊技においては、設定6が最も内部当選確率が高くなっており、以下設定1へ向かうに従って内部当選確率が低くなっている。すなわち、設定6の場合が遊技者にとって最も有利になる。
【0046】
<内部当選確率の設定>
上述した通り、スロットマシン100では各入賞役の内部当選確率について設定1〜設定6までを選択することができる(以下、この内部当選確率の設定のことを確率設定ともいう)。この確率設定は本来遊技場の関係者のみが行うものであるが、不正行為により確率設定を変更する遊技者も存在する。そこで、本実施形態では、遊技場の関係者以外の者により、確率設定が変更された場合に、種々の処理を行うことで不正行為を防止するようになっている。なお、本実施形態では不正行為を防止する遊技条件の設定として各入賞役の内部当選確率を挙げるが、これに限られず、例えば、アシストタイム機における、ストップボタンの操作順序を報知するアシストタイムの条件の設定等、他の遊技条件の設定を不正行為の防止の対象とすることも可能であることは言うまでもない。即ち、設定変更の対象とされる抽選データは、後述する主制御部300だけ備えるものではなく、副制御部400が備えるものであってもよい。尚、この場合においては、設定表示機器243の2つの各7セグメントに表示される設定値が同一でないと、副制御部400は正常に動作を行わない。
【0047】
次に、これらの設定に付随する設定について説明する。図3(a)に示すように副制御基板210には設定用ディップスイッチ424が設けられている。このディップスイッチ424において、まず、「Bit0」のスイッチは扉が開放された場合に、扉開放音を出力するか否かの設定をするためのスイッチであり、これをONにすると前面扉102が開放されると、例えば、図3(b)に示すように、スピーカ483から「扉が開いています」といった音声が出力されるとともに、液晶表示装置180上に警告表示がなされることになる。「Bit1」のスイッチは設定変更キースイッチ241がONにされ、設定変更処理が開始された場合に、設定変更時音声を出力するか否かの設定をするためのスイッチであり、これをONにすると、例えば、図3(c)に示すように、スピーカ483から「設定変更中です」といった音声が出力されるとともに、液晶表示装置180上に警告表示がなされることになる。
【0048】
<制御部>
次に、図5及び図6を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御情報(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
【0049】
<主制御部>
まず、図5を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0050】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0051】
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326、判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0052】
スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。
【0053】
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、
371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー250のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。また、出力インタフェース370には電磁ソレノイドが接続されている。
【0054】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0055】
<副制御部>
次に、図6を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0056】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
【0057】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
【0058】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、演出装置制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は、図1の演出装置600を制御する制御部である。
【0059】
<主制御部の処理>
図7は主制御部300の電源投入時の処理を示すフローチャートである。ステップS11では主制御部300のイニシャル処理(初期化処理)を行う。ステップS12ではRAM313のエラーチェックを行う。本実施形態ではRAM313の記憶内容は電源OFF時にバックアップされ、直前の遊技の内容がRAM313に保持される。ステップS12ではその記憶内容が破壊されていないかをチェックする。エラーと判定した場合はステップS13へ進み、エラー処理を行う。エラー処理では例えば図示しないリセットスイッチを押すことでRAM313の記憶内容を消去するといった処理を行う。
【0060】
ステップS14では設定変更キースイッチ241がONか否かを判定する。本実施形態において確率設定はスロットマシン100の電源をOFFにした状態で設定キースイッチ241に所定のキーを差込んでONにし、その後電源をONにした場合にのみ開始される。
【0061】
設定変更キースイッチ241がOFFの場合、確率設定を行わずステップS15及びステップS16へ進み、副制御部400に対して電源復帰コマンド、遊技状態セットコマンドが送信される。このコマンドにより副制御部400は直前の遊技内容から継続した遊技が実行されるように処理を行うことになる。ステップS17では主制御部300が直前の遊技内容から継続した遊技が実行されるように処理を行う。
【0062】
一方、ステップS14で設定変更キースイッチ241がONの場合、確率設定を変更するための処理が開始される。ステップS18では設定開始コマンドを副制御部400へ送信する。これにより副制御部400でも設定変更のための処理を行うことになる。ステップS19では確率設定の設定変更処理を行う。詳細は後述する。ステップS19の処理が終了すると、ステップS20へ進み、副制御部400に対して設定終了コマンドを送信する。その後、S21では後述する遊技開始処理が実行され、遊技が進行することになる。
【0063】
<遊技開始処理>
図8は、図7のステップS18に示した「遊技開始処理」を詳しく説明するフローチャートである。この処理は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を繰り返し実行する。以下、この遊技開始処理について説明する。
【0064】
ステップS101では、メダルの受付に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、メダル投入の規定枚数を設定する。また投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。なお、規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、本実施形態の場合、通常遊技の場合は3枚に、RBゲーム等においては1枚に設定される。
【0065】
メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
【0066】
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
【0067】
ステップS103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得し、取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、各入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行う。
【0068】
ステップS104では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
【0069】
ステップS105では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかを停止させる。リールの停止制御はステップS103の内部抽選結果に応じて実行され、例えば、ROM312に内部抽選結果に応じた複数種類のリール停止制御テーブルを格納しておき、これを参照することで停止制御を行う。
【0070】
ステップS106では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選中の入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。
【0071】
ステップS107では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
【0072】
<設定変更処理>
次に、図7のステップS20に示した「設定変更処理」を詳しく説明する。ここで、「設定変更処理」は、従来の設定変更処理と比べて、その作業に時間がかかるように処置を施されたものであるが、複数の方法が考えられるため、以下、個別に説明する。
【0073】
<設定変更処理1>
図9は、設定変更処理1を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理1は、所定の時間経過しないと、設定変更ボタン242の操作が行えないように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0074】
ステップS201では、計時を開始する。即ち、図7のステップS14において、設定変更キースイッチ241がONにされたときから、計時を開始する。
【0075】
ステップS202では、計時から所定時間T1経過しているか否か判定する。所定時間T1経過した場合には、ステップS203に進み、所定時間T1経過していない場合には、ステップS202を繰り返す。
【0076】
ステップS203では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合;設定値はインクリメントされる)、ステップS203を繰り返し、再び設定変更ボタン242がONであるか否かを検証する。設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合;設定値はそのまま)、ステップS204に進む。
【0077】
ステップS204では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS205に進み、設定が確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、再度、ステップS203に進む。
【0078】
ステップS206では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS206を繰り返す。
【0079】
ところで、上述した設定変更処理の間、設定表示器243は、以下のような表示態様を示すようになっている。まず、設定が確定されていない間は(ステップS201〜ステップS204)、設定値を点滅させている。即ち、設定変更ボタン242が押下されるたびに設定値は変更され、点滅している。一方、設定が確定されると(ステップS205〜ステップS206)、設定された設定値を点灯させる。尚、この設定表示器243の表示態様は、以下の設定変更処理2乃至6においても同様である。
【0080】
また、上述した所定時間T1は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、所定時間T1を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。
【0081】
<設定変更処理2>
図10は、設定変更処理2を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理2は、所定の時間経過しないと、スタートレバー135の操作が行えないように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0082】
ステップS301では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合)、ステップS302に進み、設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合)、ステップS301を繰り返す。
【0083】
ステップS302では、計時を開始する。即ち、ステップS301で設定変更ボタン242が押下されると、このときより計時を開始する。尚、新たに設定変更ボタン242が押下されると、計時時間がクリアされ、再び、新たに設定変更ボタン242が押下されたときから、計時を開始する。例えば、設定変更ボタン242を押下して、設定4を設定5に変更し、計時が開始された場合、再び、設定変更ボタン242を押下して、設定5を設定6に変更すると、計時時間はクリアされ、再び、計時されるものである。
【0084】
ステップS303では、計時から所定時間T2経過しているか否か判定する。所定時間T2経過した場合には、ステップS304に進み、所定時間T2経過していない場合には、ステップS303を繰り返す。
【0085】
ステップS304では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS305に進み、設定が確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS307に進み、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。
【0086】
ステップS307において、設定変更ボタン242がONである場合には、ステップS302に戻り、新たに計時を開始し、設定変更ボタン242がONでない場合には、ステップS304を繰り返す。
【0087】
ステップS306では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS306を繰り返す。
【0088】
尚、上述した所定時間T2は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、所定時間T2を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。また、所定時間T2を、設定変更キースイッチ241をONにしたときからの経過時間T2’として、経過時間を判定してもよい。
【0089】
<設定変更処理3>
図11は、設定変更処理3を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理3は、スタートレバー135の操作を複数回繰り返すように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0090】
ステップS401では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合)、ステップS402に進み、設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合)、ステップS401を繰り返す。
【0091】
ステップS402では、計時を開始する。即ち、ステップS401で設定変更ボタン242が押下されると、このときより計時を開始する。尚、新たに設定変更ボタン242が押下されると、計時時間がクリアされ、再び、新たに設定変更ボタン242が押下されたときから、計時を開始する。
【0092】
ステップS403では、計時から所定時間T2経過しているか否か判定する。所定時間T2経過した場合には、ステップS404に進み、所定時間T2経過していない場合には、ステップS403を繰り返す。
【0093】
ステップS404では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS405に進み、設定が仮確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS412に進み、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。
【0094】
ステップS412において、設定変更ボタン242がONである場合には、ステップS402に戻り、新たに計時を開始し、設定変更ボタン242がONでない場合には、ステップS404を繰り返す。
【0095】
ステップS406では、設定が仮確定されたときから、再び、計時を開始する。
【0096】
ステップS407では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合)、ステップS402に進み、設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合)、ステップS408に進む。これは、ステップS405で設定が仮確定された後でも、設定の確認をしたい場合や間違った設定をした場合には、設定変更ボタン242を押下することで、再設定が可能であることを示している。
【0097】
ステップS408では、ステップS406の計時から所定時間T3経過しているか否か判定する。所定時間T3経過した場合には、ステップS409に進み、所定時間T3経過していない場合には、ステップS407に戻る。
【0098】
ステップS409では、再び、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS410に進み、設定が本確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS407に戻る。
【0099】
ステップS411では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS411を繰り返す。
【0100】
尚、図11においては、スタートレバー135の操作を2回繰り返すようにしたが、繰り返し回数は2回に限定されず、所定の複数回N1以上であればよい。
【0101】
また、上述した所定時間T3および所定回数N1は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、所定時間T3および所定回数N1を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。
【0102】
<設定変更処理4>
図12は、設定変更処理4を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理4は、所定時間経過後にスタートレバー135の操作を受け付ける有効時間を設けるように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0103】
ステップS501では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合)、ステップS502に進み、設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合)、ステップS501を繰り返す。
【0104】
ステップS502では、計時を開始する。即ち、ステップS501で設定変更ボタン242が押下されると、このときより計時を開始する。尚、新たに設定変更ボタン242が押下されると、計時時間がクリアされ、再び、新たに設定変更ボタン242が押下されたときから、計時を開始する。
【0105】
ステップS503では、計時から所定時間T2経過しているか否か判定する。所定時間T2経過した場合には、ステップS504に進み、所定時間T2経過していない場合には、ステップS503を繰り返す。
【0106】
ステップS504では、スタートレバー受付時間T4(例えば、2秒など)を設定し、ステップS505では、スタートレバー受付時間T4経過しているか否か判定する。所定時間T2経過後、スタートレバー受付時間T4経過していない場合には、ステップS506に進み、スタートレバー受付時間T4経過した場合には、有効時間を経過したので、ステップS502に戻る。
【0107】
ステップS506では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS507に進み、設定が確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS509に進み、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。
【0108】
ステップS509において、設定変更ボタン242がONである場合には、ステップS502に戻り、新たに計時を開始し、設定変更ボタン242がONでない場合には、ステップS506を繰り返す。
【0109】
ステップS508では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS508を繰り返す。
【0110】
尚、スタートレバー受付時間T4は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、スタートレバー受付時間T4を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。
【0111】
<設定変更処理5>
図13は、設定変更処理5を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理5は、設定変更ボタン242の操作を所定の複数回繰り返すように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0112】
ステップS601では、計時を開始する。即ち、図6のステップS14において、設定変更キースイッチ241がONにされたときから、計時を開始する。
【0113】
ステップS602では、計時から所定時間T1経過しているか否か判定する。所定時間T1経過した場合には、ステップS603に進み、所定時間T1経過していない場合には、ステップS602を繰り返す。
【0114】
ステップS603では、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。設定変更ボタン242がONである場合には(設定変更ボタン242が押下された場合)、ステップS604に進み、設定変更ボタン242がONでない場合には(設定変更ボタン242が押下されていない場合)、ステップS603を繰り返す。
【0115】
ステップS604では、設定変更ボタン242により設定された設定値で所定時間T5経過しているか否かを判定する。これは、ステップS603で設定された設定値が同一値のまま所定時間T5継続すると、変更予定の値として扱われることを意味する。所定時間T5経過した場合には、ステップS605に進み、所定時間T5経過していない場合には、ステップS604を繰り返す。
【0116】
ステップS605では、ステップS603の設定変更ボタン242のON操作が予め定めたN2回目以上か否か判定する。設定変更ボタン242のON操作が予め定めた回数であるN2回目以上である場合には、設定変更ボタン242の操作が予め定めた回数を繰り返したので、ステップS606に進む。一方、設定変更ボタン242のON操作がN2回目でない場合には、予め定めた回数をまだ繰り返していないので、ステップS601に戻る。
【0117】
ステップS606では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS607に進み、設定が確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS609に進み、設定変更ボタン242がONであるか否かを判定する。
【0118】
ステップS609において、設定変更ボタン242がONである場合には、ステップS604に戻り、設定変更ボタン242がONでない場合には、ステップS606を繰り返す。
【0119】
ステップS608では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS608を繰り返す。
【0120】
尚、所定時間T5及び所定回数N2は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、所定時間T5及び所定回数N2を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。
【0121】
<設定変更処理6>
図14は、設定変更処理6を示すフローチャートである。概説すると、設定変更処理6は、所定時間経過後に設定変更ボタン242の操作を受け付ける有効時間を設けるように制御したもので、これにより、設定変更処理に時間がかかるようにしたものである。
【0122】
ステップS701では、計時を開始する。即ち、図6のステップS14において、設定変更キースイッチ241がONにされたときから、計時を開始する。
【0123】
ステップS702では、計時から所定時間T1経過しているか否か判定する。所定時間T1経過した場合には、ステップS703に進み、所定時間T1経過していない場合には、ステップS702を繰り返す。
【0124】
ステップS703では、設定変更ボタン受付時間T6(例えば、2秒など)を設定し、ステップS704では、設定変更ボタン受付時間T6経過しているか否か判定する。所定時間T1経過後、設定変更ボタン受付時間T6経過していない場合には、ステップS705に進み、設定変更ボタン受付時間T6経過した場合には、有効時間を経過したので、ステップS702に戻る。
【0125】
ステップS705では、設定変更ボタン242が操作されたか否かを判定する。設定変更ボタン242が操作された場合には、ステップS706に進み、設定変更ボタン242が操作されない場合には、ステップS704に戻る。
【0126】
ステップS706では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合には、ステップS707に進み、設定が確定される。これに対して、スタートレバー135が操作されない場合には、ステップS704に戻る。
【0127】
ステップS708では、設定変更キースイッチ241がOFFであるか否かを判定する。設定変更キースイッチ241がOFFである場合には、設定変更処理を終了し、設定変更キースイッチ241がOFFでない場合には、ステップS708を繰り返す。
【0128】
尚、設定変更ボタン受付時間T6は予め定められ、ROM312に格納されているが、本発明はこれに限定されず、設定変更ボタン受付時間T6を可変値とし、遊技店側で任意に設定可能な計時時間可変操作手段を備えていてもよい。
【0129】
以上、設定変更処理の各方法について説明したが、本発明の設定変更処理に対しては種々の変形や変更を施すことができる。例えば、設定変更キースイッチ241をOFFにする操作に時間をかけるようにしてもよいもので、スタートレバー135操作後の所定時間T7経過後に設定変更キースイッチ241をOFFに操作できるように制御してもよい。また、上述した設定変更処理1乃至6を組み合わせても新たな設定変更処理としてもよい。さらには、本発明の設定変更処理は、上述した一連の設定変更処理全体で時間がかかるように制御すればよいので、(1)電源240OFF(2)設定変更キースイッチ241ON(3)電源240ON(4)設定変更ボタン242ON(5)スタートレバー135操作(6)設定変更キースイッチ241OFFという一連の工程のうち少なくともいずれか1以上の工程に対して時間をかけるように制御し、その結果として、設定変更処理の開始から終了までに要する時間が増大すればよいものである。
【0130】
尚、上記設定変更処理中は、メダルが通過できないようにメダルブロッカを返却状態としている。これにより、メダルを検知する処理を行わなくても済み、メダルの飲み込み防止という効果を得ることができる。
【0131】
従って、本実施の形態に係る遊技台によれば、従来の遊技台に比べて設定変更処理に費やす時間を増加させるべく制御しているので、可及的に不正行為を防止することができるとともに、不正行為の抑止効果をもたらすことができる。
【0132】
<副制御部の処理>
図15は副制御部400の処理を示すフローチャートである。ステップS31では副制御部400のイニシャル処理(初期化処理)を行う。ステップS32では主制御部300からコマンドを受信したか否かの判定をする。コマンドを受信した場合には、ステップS33に進み、受信したコマンドの内容を判定する。コマンドを受信しない場合には、ステップS32を繰り返す。
【0133】
ステップS34では、受信したコマンドが扉開放コマンドであるか否かを判定し、扉開放コマンドである場合には、ステップS35に進み、設定用ディップスイッチ424の扉解放時音声ディップスイッチがONであるか否かを判定する。扉解放時音声ディップスイッチがONである場合には、ステップS36及びS37に進み、例えば、「扉が開いています」という警告音をスピーカ483を介して出力するとともに、演出装置600の液晶表示装置180上に、例えば、図16(a)に示すような警告表示(「扉が開いています」等のメッセージの表示)を行う。次いで、ステップS42に進み、電源がOFFであるか否かを判定し、電源がOFFである場合には、処理を終了し、電源がOFFでない場合には、ステップS32に戻る。
【0134】
ステップS34で、受信したコマンドが扉開放コマンドでない場合には、ステップS38に進む。ステップS38では、受信したコマンドが設定変更開始コマンドであるか否かの判定をし、設定変更開始コマンドである場合には、ステップS39に進み、設定用ディップスイッチ424の設定変更時音声ディップスイッチがONであるか否かを判定する。設定変更時音声ディップスイッチがONである場合には、ステップS40及びS41に進み、例えば、「設定変更中です」という警告音をスピーカ483を介して出力するとともに、演出装置600の液晶表示装置180上に、例えば、図16(b)に示すような警告表示(「設定変更中です」等のメッセージの表示)を行う。次いで、ステップS42に進み、電源がOFFであるか否かを判定し、電源がOFFである場合には、処理を終了し、電源がOFFでない場合には、ステップS32に戻る。
【0135】
ステップS38で、受信したコマンドが設定変更開始コマンドでない場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、受信したコマンドが設定変更終了コマンドであるか否かを判定し、設定変更開始コマンドである場合には、ステップS44に進み、終了時の処理を行い、処理を終了する。
【0136】
これに対して、ステップS43で、受信したコマンドが設定変更終了コマンドでもない場合には、コマンドに対応するその他の処理を行い、処理を終了する。
【0137】
尚、警告音及び警告表示とともに、図16(c)に示すように扉が開放中であることや設定変更中である旨をランプ(上部ランプ150、サイドランプ151、腰部ランプ153、下部ランプ154など)の点滅により報知するようにしてもよい。さらには、この場合の点滅パターンを遊技中の演出表示態様と類似させることにより、不正行為者には判断できないが、店員のみが判断できるようにすると、不正行為者を特定するのにより効果的である。
【0138】
従って、本実施の形態に係る遊技台は、設定変更処理に時間をかけるように制御するとともに、設定変更処理中に扉開放警告音及び設定変更中警告音を出力し、また、これに伴い警告表示も行うので、さらに不正行為防止及び不正行為抑止に寄与することができる。
【0139】
<その他の実施形態>
上記実施の形態においては、設定変更処理のいずれかの操作に対して時間がかかるように制御したものであるが、他の方法により設定変更処理に時間をかけるようにしてもよい。例えば、上述したように設定値は設定表示器243に表示されるが、この7セグメント表示器への設定値表示に時間をかけるように制御して、結果として設定変更処理に時間をかけることも可能である。以下、この設定表示器243への設定値表示制御について説明する。
【0140】
図17(a)は、設定表示器243の2つの7セグメント表示器DIG.1及びDIG.2の外観を示す図である。図17(a)に示すように各セグメント表示器は、7つの表示セグメント(発光ダイオード)a,b,c,d,e,f,gを備えており、この各セグメントを点灯制御することで所望の数字を表示できるようになっている。尚、7セグメント表示器DIG.1は10の位の数値、7セグメント表示器DIG.2は、1の位の数字を表示する。
【0141】
図17(b)は、発光ダイオードの接続概略図であり、主制御部300のマイコンは、ポートB0乃至B6に対しては、全桁共通の7セグメントの制御信号を出力する。尚、各ポートB0乃至B6のビットに、「High」が出力されると対応する表示セグメントは点灯する。例えば、「High」をそれぞれ、表示セグメントa,f,e,d,c,gに対応する各ポートに出力すると、表示は「6」になる。また、7セグメント表示器DIG.1とDIG.2の切替制御は、ポートA0及びA1の選択により行われる。尚、本実施の形態においては、設定値が6段階であるので、7セグメント表示器DIG.2だけで事足りるが、仮に2桁の設定値を備えるようにしても、本実施の形態においては対応可能である。また、本実施の形態においては、設定表示器243は発光ダイオードを用いて構成されているが、本発明はこれに限定されず、設定値を表示可能な表示器であれば、他の素材、例えば、液晶表示素材を用いて構成されてもよい。
【0142】
図17(c)は、2桁の設定値を点灯制御する場合の7セグメント表示器DIG.1とDIG.2の切替のタイミングを示す図である。図17(c)に示すように、短時間(例えば、10mSEC)で、7セグメント表示器DIG.1とDIG.2の点灯を切り替えているので、人間の目には、あたかも各桁が連続して点灯して見えるものである。
【0143】
このような7セグメント表示器は、通常、所定の数字を表示する場合、各表示セグメントを同時に点灯制御するようになっているが(例えば、上述した「6」のときは、表示セグメントa,f,e,d,c,gが同時に点灯される)、本実施の形態においては、同時ではなく、ランダムに順次点灯制御するようになっている。尚、点灯順序に関しては、各数字に共通して点灯される表示セグメントから優先的に先に点灯するようにしてもよい。
【0144】
図18は、設定「2」を表示するときの点灯順序の一例を示している。図18においては、各数字に共通して点灯される表示セグメントから優先的に点灯するように制御しているので、表示セグメントg→d→a→b→eの順序で点灯している。例えば、表示セグメントgだけが点灯しているときは、設定2〜6までの可能性が考えられるし、表示セグメントg,d,aが点灯しているときは、設定2,3,5,6の可能性が考えられるので、この段階では数値を看破することはできない。
【0145】
図19は、図18の場合における各表示セグメントの表示タイミングの一例を示す図である。図19によれば、各表示セグメントを500mSECの間隔で順次点灯しているので、最終的に設定「2」が表示されるまでに、2秒要することになる。このように、各表示セグメントの点灯するタイミングを制御することで、ゆっくり表示することができる。尚、各表示セグメントの表示タイミングを一様に500mSECとせず、各各表示セグメントごとに異なるように設定してもよい。
【0146】
従って、本実施の形態の遊技台によれば、設定変更処理の不正行為をしようとしても、最終的に数字が表示されるまで時間がかかるとともに、最終的に数字が表示されるまで設定値を看破することができないので、可及的に不正行為を防止することができるとともに、不正行為の抑止効果をもたらすことができる。
【0147】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施の形態においては、図2に示すような設定変更ユニット260を備えるスロットマシン100を前提に設定変更処理を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形態の操作スイッチ及びボタンを備えるものであってもよいし、設定変更用の各スイッチ及びボタンは、既存の遊技用の操作手段(例えば、メダル投入ボタン131など)と兼用してもよい。
【0148】
また、上記実施の形態においては、メダルを用いるスロットマシン100に対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球(パチンコ球等)を用いたスロットマシンに適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシン100本体内の制御装置を示す図である。
【図3】スロットマシン100の副制御基板210を示す図である。
【図4】スロットマシン100における採用可能な入賞役の種類、対応する絵柄組み合わせ、メダルの払い出し枚数、及び内部当選確率の一例を示す図である。
【図5】スロットマシン100の主制御部300を示すブロック図である。
【図6】スロットマシン100の副制御部400を示すブロック図である。
【図7】スロットマシン100の主制御処理を示すフローチャートである。
【図8】スロットマシン100の遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図9】スロットマシン100の設定変更処理1を示すフローチャートである。
【図10】スロットマシン100の設定変更処理2を示すフローチャートである。
【図11】スロットマシン100の設定変更処理3を示すフローチャートである。
【図12】スロットマシン100の設定変更処理4を示すフローチャートである。
【図13】スロットマシン100の設定変更処理5を示すフローチャートである。
【図14】スロットマシン100の設定変更処理6を示すフローチャートである。
【図15】スロットマシン100の副制御処理を示すフローチャートである。
【図16】スロットマシン100の警告表示の態様を説明する図である。
【図17】スロットマシン100の設定表示器における7セグメント表示器を説明する図である。
【図18】スロットマシン100の設定表示器の7セグメント表示器の点灯順序を説明する図である。
【図19】図18の点灯順序における各表示セグメントの表示タイミングを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々異なる払出率が定められた複数種類の抽選データの設定変更が可能な遊技台であって、
複数の工程からなる前記抽選データの設定変更操作に関する時間を計測する計測手段と、
前記抽選データの設定変更操作の少なくとも一工程以上において前記計測手段により計測された時間と予め定められた閾値に基づいて設定変更の可否を制御する設定変更制御手段と、
を有することを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記設定変更制御手段は、
前記設定変更が可であるときは、前記抽選データの設定変更操作に関する指示を受け付けることを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記設定変更制御手段は、
前記抽選データの設定変更操作に関する指示を受け付ける有効時間を備え、該有効時間内の指示受け付けに基づいて設定変更の可否を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技台。
【請求項4】
前記抽選データの設定変更操作に関する指示は、前記複数種類の抽選データの中から所望の抽選データを選択する指示であることを特徴とする請求項2又は3記載の遊技台。
【請求項5】
前記設定変更制御手段は、
前記複数の工程のうち少なくとも一工程以上について、予め定められた反復回数分の処理を終了したときは、前記設定変更を可とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台。
【請求項6】
各々異なる払出率が定められた複数種類の抽選データの設定変更が可能な遊技台であって、
前記抽選データの種類を報知する報知手段と、
予め定められた時間を要して、報知するように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を有することを特徴とする遊技台。
【請求項7】
前記報知手段は、前記抽選データの種類を表示する表示手段を含み、
前記報知制御手段は、予め定められた時間が経過した後、前記抽選データの種類を任意の順序で表示するように制御することを特徴とする請求項6記載の遊技台。
【請求項8】
前記報知手段は、前記抽選データの種類を複数の表示セグメントからなるセグメント表示手段を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−34749(P2006−34749A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221116(P2004−221116)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)