説明

遊技台

【課題】遊技を盛り上げるために遊技進行に伴う演出動作を行う演出装置が故障した場合でも、稼働停止せずに継続使用できるような遊技台を提供する。
【解決手段】主制御部より演出動作についての情報を含む主制御コマンドを受けた副制御部A400は、各種表示ランプやスピーカを作動させて演出動作を実行すると共に、表示装置170と扉装置180による演出動作を含む場合、演出切換スイッチ423が扉装置180を作動さる設定になっていれば、両装置を作動させる通常の副制御コマンドを副制御部500へ送信して扉装置180と表示装置170の両方を作動させた演出動作を行わせ、演出切換スイッチ423が扉装置180を作動さない設定になっていれば、表示装置170のみを作動させる演出内容の副制御コマンドに変更して副制御部500へ送信し、表示装置170のみによる演出動作を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの遊技台は、リール表示窓を介して複数列のリールを回転させ絵柄の可変表示を行わせ、停止表示された絵柄の組合せに応じて配当が得られるようになっている。
【0003】
近年のスロットマシンは、各リールの図柄停止位置の組合せによりゲームを楽しませるのみではなく、補助リールや液晶表示装置等の演出装置を備え、遊技進行に伴って演出装置による演出動作を適宜行うことで、遊技者への期待感を一層高めるものとなっている。このような演出効果を高めるスロットマシンとして、3つのリールを順次停止して行く過程で、第二番目のリールが停止したことにもとづいて一段階目の演出を行う第一演出装置と、第三リール(最後のリール)が停止したことにもとづいて二段階目の演出を行う第二演出装置50とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−325542号公報
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、複数種類の演出装置が適正に動作しなくなって、遊技進行に伴う適正な演出動作が実行できない場合について、何ら考慮されておらず、リール停止内容にそぐわない演出が行われて遊技者に混乱を与える可能性がある。しかも、複数種類の演出装置が相互に関連して動作する構成(例えば、演出用の表示を行う表示装置と、その前面で開閉する扉装置とを備えた構成)とした場合には、一方の演出装置が動作不良となることが、他方の演出装置による演出動作にも大きく影響することとなる。
【0006】
また、遊技進行に直接的な影響のない演出動作のみに用いられる演出装置が故障した場合、スロットマシンとしての遊技は続行できるものの、演出装置が異常動作していると、遊技進行と噛み合わない演出動作が行われて、遊技本来の興趣までも減退させてしまう可能性があるので、遊技店は演出装置が異常動作するスロットマシンを故障台として稼働停止させ、営業終了後に遊技店員等が修理を試みたり、製造メーカーに修理を依頼したりして、修理が完了するまでは営業に使用しない運用を行う。
【0007】
このように、演出装置が故障しただけのスロットマシンであっても稼働停止させる運用を続けていれば、比較的故障率の高い演出装置(例えば、可動部分を有するもの)を備えるスロットマシンを導入した場合、演出装置不良に起因してスロットマシンの稼働率が低下する可能性も高くなり、それだけ遊技店の利益も損なわれることとなるので、遊技店にとっては望ましいことではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような問題点に鑑み、本発明は、遊技を盛り上げるために遊技進行に伴う演出動作を行う演出装置が故障した場合でも、稼働停止せずに継続使用できるような遊技台の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技者の遊技操作に基づいて遊技の進行を制御する制御手段と、前記制御手段により制御され、遊技の進行に伴う演出動作を行うための演出実行手段を複数種類備えた遊技台において、前記制御手段による演出実行手段の制御を可能とする演出動作可能状態と、前記制御手段による演出実行手段の制御を停止する演出動作停止状態と、を手動操作により切り換え設定可能な演出動作切換手段を備え、該演出動作切換手段の設定に応じて制御手段が演出実行手段に対する動作・停止を実行するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技台において、前記演出動作切替手段は、各演出実行手段毎に演出動作可能状態と演出動作停止状態とに切換可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技台において、前記複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技台において、前記制御手段は、演出動作切替手段により扉装置の演出動作停止状態が設定されていることを条件に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項5に係る発明は、遊技者の遊技操作に基づいて遊技の進行を制御する制御手段と、前記制御手段により制御され、遊技の進行に伴う演出動作を行うための演出実行手段を複数種類備えた遊技台において、前記複数種類の演出実行手段のうち、予め定めた1以上の演出実行手段に対して、適正な演出動作を実行できない異常状態を検出する異常検出手段を設け、該異常検出手段の検出状態に応じて制御手段が演出実行手段に対する制御を変更するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5に記載の遊技台において、前記複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含み、少なくとも、前記扉装置に対して異常検出手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の遊技台において、前記扉装置が開状態か閉状態かを検出可能な開閉状態検出手段を設け、前記異常検出手段は、前記制御手段が扉装置の開状態もしくは閉状態に変換させる動作制御を行なったにもかかわらず、前記扉装置が開状態もしくは閉状態であると開閉状態検出手段が検出していないことに基づいて、異常状態を検出するようにし、前記制御手段は、少なくとも前記異常検出手段により扉装置の異常状態が検出され、且つ、前記開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されていることを必要条件として、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項7に記載の遊技台において、前記制御手段は、前記扉装置に対する動作制御を行って、異常検出手段により異常状態が検出されると異常カウンタのカウント値を加算し、異常状態検出手段が異常状態を検出しないときには異常カウンタのカウント値をクリアするものとし、該異常カウンタのカウント値が予め定めた所定数に達し、且つ、前記開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されている場合に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る遊技台によれば、制御手段による演出実行手段の制御を可能とする演出動作可能状態と、制御手段による演出実行手段の制御を停止する演出動作停止状態と、を手動操作により切り換え設定可能な演出動作切換手段を備え、該演出動作切換手段の設定に応じて制御手段が演出実行手段に対する動作・停止を実行するので、異常動作していることが分かった演出実行手段を演出動作停止状態とするように、遊技店員等が演出動作切換手段の設定を切り換えれば、遊技進行にそぐわない演出動作が演出実行手段により行われることが無くなり、遊技者にとって違和感のない演出に切り換えた遊技台として継続使用できる。
【0018】
また、請求項2に係る遊技台によれば、演出動作切替手段は、各演出実行手段毎に演出動作可能状態と演出動作停止状態とに切換可能としたので、複数種類の演出実行手段のうち、演出動作可能状態の演出実行手段により演出動作を続行することができる。
【0019】
また、請求項3に係る遊技台によれば、複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含むので、表示装置による表示内容と扉装置による開閉動作を相互に関連させた高度な演出動作を実行できる。
【0020】
また、請求項4に係る遊技台によれば、制御手段は、演出動作切替手段により扉装置の演出動作停止状態が設定されていることを条件に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたので、表示装置単独での演出動作を行う場合でも、遊技者にとって違和感のない演出を行うことが可能となる。
【0021】
請求項5に係る遊技台によれば、複数種類の演出実行手段のうち、予め定めた1以上の演出実行手段に対して、適正な演出動作を実行できない異常状態を検出する異常検出手段を設け、該異常検出手段の検出状態に応じて制御手段が演出実行手段に対する制御を変更するようにしたので、異常状態の検出された演出実行手段に対する制御が自動で変更され、遊技進行にそぐわない演出動作が演出実行手段により行われることが無くなり、遊技者にとって違和感のない演出に切り換えた遊技台として継続使用できる。
【0022】
また、請求項6に係る遊技台によれば、複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含み、少なくとも、扉装置に対して異常検出手段を設けたので、表示装置による表示内容と扉装置による開閉動作を相互に関連させた高度な演出動作を実行できると共に、モータ等の駆動源を必要とする扉装置の異常を的確に検出して動作停止することで、扉装置の駆動モータが異常発熱する等の二次的被害の発生を抑制できる。
【0023】
また、請求項7に係る遊技台によれば、扉装置が開状態か閉状態かを検出可能な開閉状態検出手段を設け、異常検出手段は、制御手段が扉装置の開状態もしくは閉状態に変換させる動作制御を行なったにもかかわらず、扉装置が開状態もしくは閉状態であると開閉状態検出手段が検出していないことに基づいて、異常状態を検出するようにし、制御手段は、少なくとも異常検出手段により扉装置の異常状態が検出され、且つ、開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されていることを必要条件として、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたので、表示装置との連携による演出動作として重要な扉装置の開閉状態から異常の有無を的確に検出することが可能となり、異常状態にある扉装置が開状態で、表示装置の表示画面が遊技者から視認できる場合に限って、表示装置単独での表示演出に切り換えことにより、遊技者にとって違和感のない演出を表示装置で行うことが可能となる。
【0024】
また、請求項8に係る遊技台によれば、制御手段は、扉装置に対する動作制御を行って、異常検出手段により異常状態が検出されると異常カウンタのカウント値を加算し、異常状態検出手段が異常状態を検出しないときには異常カウンタのカウント値をクリアするものとし、該異常カウンタのカウント値が予め定めた所定数に達し、且つ、開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されている場合に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたので、扉装置に生じた一時的な動作不良から異常状態と判定されてしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
〈全体の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す正面図である。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(例えば、赤ベル、BAR等)を配列した円筒状のリールが3個(左リール111、中リール112、右リール113)収納され、スロットマシン本体102の内部で回転駆動されるように構成されている。
【0027】
スロットマシン100の前面扉101には、リール表示窓110が設けられており、リール111〜113を正面から眺めると、これに施された図柄がリール表示窓から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール111〜113が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の図柄を見ることができる。これらのリール111〜113が回転駆動され、適宜なタイミングで各リール111〜113が停止されると、様々な図柄の組合せが表示されることになる。
【0028】
なお、本実施形態のスロットマシン100では、3個のリール111〜113を備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。また、各リール111〜113の裏側には、リール表示窓上に表示される個々の図柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
【0029】
入賞ライン表示ランプ125は、各遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン上に揃った図柄の組合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
【0030】
払出枚数表示器123は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器122は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器121は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ126は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0031】
メダル投入ボタン130、131は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1枚メダル投入ボタン130を有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器121に表示される。メダル投入口ブロック136は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。以下、メダルの投入とは、メダル投入ボタン130、131による電子的なメダルの投入と、メダル投入口ブロック136からのメダルの投入との双方の意味である。
【0032】
スタートレバー132は、遊技の開始操作として、リール111〜113の回転を開始させる契機となる操作を行うためのレバー型のスイッチである。ストップボタン133、134、135は、リール111〜113にそれぞれ対応して設けられており、押下することによって対応するリール111〜113を停止させるボタン型のスイッチである。各ストップボタン133〜135の内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー132が操作された後、リール111〜113の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、各ストップボタン133〜135が押下されるごとに消灯する。貯留/精算ボタン137は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルを精算し、メダル払出口151よりメダルを排出するための精算機能と、メダル投入口ブロック136から投入されたメダルを電子的に貯留する機能と、を切換えるためのボタンである。
【0033】
メダル排出口151は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、排出口151周辺に設けられた受け皿に溜まるようになっている。上部ランプ144、サイドランプ141、腰部ランプ143、下部ランプ142、受け皿ランプ(メダルの受け皿に構成)152は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。中央スピーカの音孔160と上部スピーカの音孔161は、装飾が施されたスピーカーカバーが装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
【0034】
表示装置170は、前面に臨む表示画面171に遊技に関する各種の情報(遊技を盛り上げる演出情報、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー情報など)を表示することができる。なお、表示装置170としては、液晶表示器やドットマトリックス式表示器などを用いることができる。
【0035】
上記表示装置170の表示画面171の前面側に設けた扉装置180は、左扉181と右扉182を備え、左扉181および右扉182が側方に移動して表示画面171が視認可能となる開状態と、左扉181が表示画面171の左半分を右扉182が表示画面171の右半分を覆い隠すことで表示画面171の全面が視認不可能となる閉状態とに変換できるものである。
【0036】
扉装置180を構成する左扉181と右扉182の概略構造を図2に示す。左扉181は、遮蔽部1811を形成した略四角形状の左扉部材1810と、その駆動機構から成り、駆動機構は、扉部材180に一体的に設けられた案内部材1812と、案内部材1812に設けられたラック1813と、ラック1813に噛み合わさるピニオンギヤ1814と、該ピニオンギヤ1814駆動する左扉用モータ1815とで構成されている。同様に、右扉182は、遮蔽部1821を形成した略四角形状の右扉部材1820と、その駆動機構から成り、駆動機構は、扉部材180に一体的に設けられた案内部材1822と、案内部材1822に設けられたラック1823と、ラック1823に噛み合わさるピニオンギヤ1824と、該ピニオンギヤ1824駆動する右扉用モータ1825とで構成されている。
【0037】
左扉部材1810および右扉部材1820の移動範囲は、それぞれ、表示装置170の表示領域171の丁度半分までとなっている。したがって、左右扉部材1810,1820が互いに相反する横方向へスライド移動することで、開状態と閉状態とを生ぜしめることができる。なお、本構成例では、表示画面171の左半分および右半分を夫々左扉部材1810と右扉部材1820で遮蔽するものとしたが、これに限らず、一つの扉部材で開状態と閉状態を生ぜしめるようにしても良いし、3つ以上の扉部材で開状態と閉状態を生ぜしめるようにしても良い。
【0038】
また、左右扉部材1810,1820は、その上下を図示しないガイドレール等の案内部材によって支持案内され、左右方向に直線往復移動できるように規制されている。これら左右扉部材1810,1820の遮蔽部1811、1821には、扉の形態に応じた装飾が施してあり、本構成例では、左扉181および右扉182を障子戸にせるような格子装飾とした。また、絵柄(レンガ、襖等)や模様(大理石、木目、金属等)を施したシールを左右扉部材1810,1820に貼り付けることで、様々なデザインの扉にすることもできる。
【0039】
更に、左右扉部材1810,1820の駆動源であるモータ1815,1825をステッピングモータとすることで、左右扉部材1810、1820の移動速度や停止制御を好適に行うことができる。なお、扉装置181としての開状態および閉状態が適切に検知できるように、左扉部材1810の開位置および閉位置を検出できる左扉用の扉位置センサおよび右扉部材1820の開位置および閉位置を検出できる右扉用の扉位置センサを設けてある(図示省略)。
【0040】
〈内部構成〉
図3(a)は、スロットマシン100の前面扉101を開いたスロットマシン本体102の上半部の概略を示すもので、遊技者の遊技操作に基づいて遊技の進行を制御する制御手段として、全体を制御する主制御部300,遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部A400が適宜な位置に収納されている。また、前面扉101に取り付けられる表示装置170の背面等には、上記副制御部A400からの指令により表示装置170や扉装置180の制御を行う副制御部Bが設けられる。
【0041】
そして、本実施形態のスロットマシン100においては、副制御部Bにより制御され、遊技の進行に伴う演出動作を行う表示装置170や扉装置180を、演出実行手段とし、その動作・停止を切換制御できるものとした。なお、演出実行手段は、表示装置170や扉装置180に限定されない。例えば、副制御部A400により直接制御される各種表示ランプ(演出用ランプ126、上部ランプ144、サイドランプ141、腰部ランプ143、下部ランプ142、受け皿ランプ152)やスピーカも演出実行手段であるから、これらの動作・停止を切り換えられるようにしても良い。
【0042】
図3(b)に示すのは、副制御部A400の基板面の部分拡大図であり、そこには、副制御部A400の制御をリセットするサブリセットスイッチ421、左右のスピーカ音量を調整するスピーカスイッチ422a、後部のスピーカ音量を調整するスピーカスイッチ422b、演出実行手段の動作・停止を切り換えるディップスイッチ式の演出切換スイッチ423等を設けてある。
【0043】
また、上記演出切換スイッチ423は、8つのディップスイッチを備えるもので、これらのディップスイッチのON/OFFを、何れかの演出実行手段の動作/停止に対応させてある。例えば、扉装置180の動作・停止に対応させた第7ディップスイッチ4237がONであれば、副制御部A400は扉装置180による演出動作を副制御部Bへ指示して実行させ、第7ディップスイッチ4237がOFFであれば、副制御部A400は扉装置180を動作させる指示を副制御部500へ行わず、扉装置180による演出動作を停止させるのである。
【0044】
次に、スロットマシン100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図4は主制御部300の詳細を示すもので、図5は副制御部A400の詳細を示すもので、図6は副制御部B500の詳細を示すものである。
【0045】
〈主制御部の構成〉
まず、図4を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
【0046】
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0047】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
【0048】
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0049】
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
【0050】
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324、メダル払出センサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
【0051】
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン133〜135に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0052】
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130、131のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン131が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
【0053】
精算/貯留スイッチ324は、精算/貯留ボタン137に設けられている。精算/貯留スイッチ132が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。メダル払出センサ326は、メダルホッパによって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0054】
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0055】
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール111〜113の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0056】
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ125、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント表示器341(払出枚数表示器123、遊技回数表示器122、貯留枚数表示器121等)が接続されている。
【0057】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
【0058】
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
【0059】
〈副制御部の構成〉
次に、図5を用いて、スロットマシン100の副制御部A400について説明する。副制御部A400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部A400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0060】
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0061】
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0062】
また、CPU410には、副制御部A400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0063】
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール111〜113の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421、左右のスピーカ音量を調整するスピーカスイッチ422a、後部のスピーカ音量を調整するスピーカスイッチ422b、演出実行手段の動作・停止を切り換えるディップスイッチ式の演出切換スイッチ423等が接続されている。
【0064】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
【0065】
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
【0066】
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インターフェース470、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、副制御部B500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC424、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
【0067】
時計IC424が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部A400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
【0068】
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ144、サイドランプ141、腰部ランプ143、下部ランプ142、リールパネルランプ145、タイトルパネルランプ147、受け皿ランプ152、払出口ストロボ153を制御する。
【0069】
タイトルパネルランプ147は、タイトルパネルを照明するランプであり、払出口ストロボ153は、払い出し口151の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
【0070】
なお、CPU410は、副制御部B500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して副制御部B500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して副制御部B500と双方向通信を行う。
【0071】
〈副制御部B500〉
次に、図6を用いて、スロットマシン100の副制御部B500について説明する。副制御部B500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0072】
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
【0073】
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0074】
CPU510は、副制御部A400の出力インターフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたCPU410からの信号を、入力インターフェース520およびバスを介して受信し、副制御部B500全体を制御する。また、CPU510は、必要に応じて、出力インターフェース521を介して、副制御部A400に信号を送信する。
【0075】
ROM512には、副制御部B500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。
【0076】
また、CPU510には、バスを介して、表示制御用CPU530、左扉用のモータ電源制御回路540、右扉用のモータ電源制御回路550、左扉用のモータドライバ542、右扉用のモータドライバ552、左扉用の扉位置センサ1816、右扉用の扉位置センサ1826が接続されている。
【0077】
表示制御用CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
【0078】
一方、ROM531には、表示制御用CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、表示制御用CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、液晶表示装置700の画像データが複数種類格納されている。そして、表示制御用CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、表示装置170の表示画面171に画像を表示する。
【0079】
左扉用モータ1815は、左扉180の駆動源であり、右扉用モータ1825は、右扉182の駆動源である。両モータはパルスモータでり、モータ電源制御回路540,550およびモータドライバ542,552により制御される。
【0080】
モータ電源制御回路540は、左扉用モータ1815への駆動電圧を設定するための回路であり、本実施形態では、+5Vと+12Vの電圧を選択的に供給可能である。モータドライバ542は、CPU510からの信号をもとに駆動パルスを左扉用モータ1815へ出力するICである。
【0081】
また、モータ電源制御回路550は、右扉用モータ1825への駆動電圧を設定するための回路であり、前述と同様、+5Vと+12Vの電圧を選択的に供給可能である。モータドライバ552は、CPU510からの信号をもとに駆動パルスを右扉用モータ1825へ出力するICである。
【0082】
左扉用の扉位置センサ1816は、左扉181が表示画面171の左半分を遮蔽した左扉閉状態と、左扉181が左側へ移動して表示画面171の左半分が視認可能となった左扉開状態とを検出できるものである。その検出構造は特に限定されないが、例えば、左扉部材1810の適所に被検知片を設け、左扉部材1810が閉位置にあるときの被検知片を検出する閉位置センサと、左扉部材1810が開位置にあるときの被検知片を検出する開位置センサとによって扉位置センサ1816を構成すれば、開位置センサもしくは閉位置センサの出力によって、左扉開状態と左扉閉状態とを確実に検出できる。
【0083】
右扉用の扉位置センサ1826は、右扉182が表示画面171の右半分を遮蔽した右扉閉状態と、右扉182が右側へ移動して表示画面171の右半分が視認可能となった右扉開状態とを検出できるものである。その検出構造は特に限定されないが、例えば、右扉部材1820の適所に被検知片を設け、右扉部材1820が閉位置にあるときの被検知片を検出する閉位置センサと、右扉部材1820が開位置にあるときの被検知片を検出する開位置センサとによって扉位置センサ1826を構成すれば、開位置センサもしくは閉位置センサの出力によって、右扉開状態と右扉閉状態とを確実に検出できる。
【0084】
なお、本構成例においては、左扉用の扉位置センサ1816と右扉用の扉位置センサ1826を各扉の開状態と閉状態を検出できる位置に設けることで、扉位置センサ1816,1826を「扉装置180が開状態か閉状態かを検出可能な開閉状態検出手段」として用いるものとしたが、これに限らず、例えば、扉装置180開閉制御に際して左右扉181,182の減速を行うタイミングとなる位置を検出するセンサを設け、このセンサ出力を受けた副制御部B500が、その後に左右扉用のモータ1815,1825へ減速パターンで出力したパルスから左右扉181,182の開位置もしくは閉位置を検出するようにしても良い。斯くする場合は、左右扉181,182の位置センサと副制御部B500とが協働することによって、開閉状態検出手段としての機能を実現できるのである。
【0085】
〈主制御部メイン処理〉
図7は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御(主制御部メイン処理)を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、一連の処理を繰り返し実行する。
【0086】
ステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ125を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
【0087】
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、確定した投入枚数に応じて、有効な入賞ライン114を確定する。
【0088】
ステップS103では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
【0089】
ステップS104では、上記S103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の抽選を行う。なお、入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)、小役、再遊技などが存在する。各入賞役には、設定値毎、投入枚数毎に、抽選データが設定されている。
【0090】
ステップS105では、引込みテーブルを選択する。なお、引込みテーブルは、入賞役ごとに複数種類用意されており、抽選によって選択する。これらのリール停止制御テーブルは、ROM312にあらかじめ格納されている。
【0091】
ステップS106では、あらかじめ用意された複数種類の演出コマンドの中からいずれか一つを選択し、選択した演出コマンドを副制御部A400に送信する。
【0092】
ステップS107では、全リール111〜113の回転を開始させる。
【0093】
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S105で選択された引込みテーブルに基づいて停止させる。
【0094】
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、「7−7−7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。入賞結果は、入賞結果コードとして格納される。
【0095】
ステップS110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0096】
ステップS111では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技の種類を移行させるための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には、次回からBBゲームを開始できるよう準備し、BBゲームの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
【0097】
以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
【0098】
〈演出コード設定処理〉
ここで、上記ステップS106で行う演出コード設定処理の詳細を図8に基づき詳述する。先ず、ステップS201で引込みテーブルに応じた選択情報を取得する。なお、演出コードの選択情報を取得するに際しては、そのときの遊技状態(BB未作動時一般遊技中、BB作動時一般遊技中、役物遊技中など)に応じて、参照する引込みテーブル対応表を変更し、遊技状態に応じた抽選結果に対応する演出コードが設定できるようにする。
【0099】
例えば、BB未作動時一般遊技中(BB内部当たり中を除く)に演出コード設定処理を行う場合に参照する引込みテーブル対応表は、図9に示すようなもので、内部抽選により決定した図柄抽選結果に応じて選択可能な引込みテーブルの種別が定まっており、上記主制御部メイン処理におけるステップS105の引込みテーブル選択処理で、その中から一つの引込みテーブルが抽選により選択されており、その引込みテーブルに対応する演出コードの選択情報を取得するのである。なお、演出コードの選択情報は演出コードとその選択確率からなる。
【0100】
具体的に説明すると、図柄抽選結果としてベルが決定していた場合には、引込みテーブルとして「ベル1A」もしくは「ベル1B」が選択可能であり、これら2つの選択候補の中から抽選で「ベル1A」が選ばれた場合、この「ベル1A」に対しては2つの演出コード(演出コード2および演出コード16)が選択可能となっている。そして、演出コード2が選択される確率は65535/65536と定められ、演出コード16が選択される確率は1/65536と定められている。
【0101】
続いて、ステップS202では、演出コード抽選の有無を判定し、抽選の必要があれば演出コードの抽選を行い(ステップS203)、演出コードを決定する(ステップS204)。すなわち、選択された引込みテーブルに対応する演出コードが1つしかない場合(引込みテーブルが、当たりなしA,再遊技B,ベル1B,チェリーBの場合)には抽選の必要がないが、複数の演出コードに対応している場合(引込みテーブルが、当たりなしB,再遊技A,ベル1A,チェリーAの場合)には一つの演出コードを選択するために抽選を行うのである。例えば、上記のように引込みテーブルとして「ベル1A」が選択された場合、演出コード2が抽選で選択される可能性が極めて高い。
【0102】
上記のようにして演出コードを設定した後には、演出コードに対応する演出コマンドを設定し(ステップS205)、その演出コマンドを副制御部A400へ送信する(ステップS206)。演出コードとコマンドデータとの対応表は図9(b)に示すようなもので、設定された演出コードに応じて、副制御部A400へ主制御部コマンドとして送信するコマンドデータが一義的に定まる。
【0103】
例えば、引込みテーブルで「ベル1A」が選択されて、2つの候補(演出コード2および演出コード16)から抽選の結果、演出コード2が選択された場合、演出用のコマンドとして「4081」が設定される。なお、演出コマンドは4桁の16進コードである。
【0104】
〈副制御部における演出動作の概要〉
上述したように主制御部300で決定されたコマンドに基づいて演出動作が行われるまでの制御の流れを図10に示す。
【0105】
主制御部300から演出コマンドを受け取った副制御部A400では、演出コマンドに応じた演出テーブルを参照し、演出テーブルに定められた演出順序で演出動作を実行してゆく。その演出動作を実行するための具体的なデバイス制御は、演出コードに応じて参照する制御データテーブルに定められており、各デバイスドライバを介して演出用のデバイス(各種ランプやスピーカなど)を作動させる。
【0106】
また、副制御部B500により制御する表示装置170や扉装置180を使った演出を含む場合には、制御データテーブルに副制御コマンドが設定されており、この副制御コマンドを副制御部B500へ送信する。
【0107】
しかして、本実施形態に係るスロットマシン100においては、演出切換スイッチ423を備え、その第1〜第8ディップスイッチのON/OFF設定状態に応じて、副制御部B500へ送信する副制御コマンドを変更し、副制御部B500による表示装置170や扉装置180に対する制御内容を変更するのである。
【0108】
上記のような制御過程を具体的に説明すると、主制御部300よりコマンド「4082」を受信した副制御部A400では、コマンドに応じた演出テーブルを参照し、その演出順序で第1リール停止操作,第1リール停止,第2リール停止操作,第2リール停止,…を実行してゆき、例えば、第3リール停止操作で参照する制御データテーブルに含まれる副制御コマンド「0023」を副制御部B500へ送信するに際して、演出切換スイッチ423の全てのディップスイッチがONであれば、副制御コマンドを変更することなく「0023」のまま副制御部B500へ送信する。
【0109】
副制御コマンド「0023」を受けた副制御部B500は、そのコマンドに応じた制御データテーブルAを選択し、コマンドに応じた制御データナンバ4の制御を実行する。制御データナンバ4の制御では、扉装置180は左右扉181,182を閉状態から半開きにした後に全開にし、これと平行して表示装置170を表示制御データ64(制御データナンバ4に対応する表示制御データであり、小さい「当」を表示した後に大きい「当」を表示し、最後に「ベル当たり」を表示する手順)で表示制御する。
【0110】
一方、演出切換スイッチ423の中で、第7ディップスイッチ4237がOFFであれば、扉装置180に対する制御を停止する設定であるから、副制御コマンドを「002B」に変更して副制御部B500へ送信する。副制御コマンド「002B」を受けた副制御部500は、そのコマンドに応じた制御データテーブルAを選択し、コマンドに応じた制御データナンバ12の制御を実行する。制御データナンバ12の制御では、扉装置180に対する制御は無く、表示装置170を表示制御データ72(制御データナンバ12に対応する表示制御データであり、「ベル当たり」を継続的に表示するだけの手順)で表示制御する。
【0111】
すなわち、本実施形態に係るスロットマシン100では、演出実行手段の一例である扉装置180の動作・停止を切り換える演出切換スイッチ423を「制御手段による演出実行手段の制御を可能とする演出動作可能状態と、制御手段による演出実行手段の制御を停止する演出動作停止状態と、を手動操作により切り換え設定可能な演出動作切換手段」として設け、演出切換スイッチ423の設定に応じて制御手段(副制御部A400および副制御部B500)が扉装置180に対する動作・停止を実行できる。
【0112】
従って、左右扉181,182が途中までしか閉まらなかったり、左右扉181,182の一方が動かなくなってしまうような異常動作が生じた扉装置180を演出動作停止状態とするように、遊技店員等が演出切換スイッチ423の設定を切り換えれば、扉装置180が動作停止することとなり、遊技者にとって違和感のない演出に切り換えたスロットマシン100として継続使用できる。また、表示装置170が動作不良となった場合には、表示装置170を動作停止させて、扉装置180の開閉による演出動作のみを行わせるようにしても良い。
【0113】
このように、演出切換スイッチ423を用いた簡易な操作で、特定の演出実行手段に対する動作・停止を切り換えることができるようにすれば、副制御部B500と扉装置180との接続ラインを探し出して、そのコネクタを取り外すことで扉装置180を停止させるような繁雑な作業を行う必要が無く、遊技店の営業中に演出実行手段が動作不良となったスロットマシン100が見つかった場合でも、素早く演出実行手段を動作停止状態に切り換えて、スロットマシン100を再稼働させることができるので、遊技店のメリットも大きい。
【0114】
しかも、演出切換スイッチ423の第7ディップスイッチ4237がOFFとなっていれば、副制御部B500への副制御コマンドを変更することで、表示装置170に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるので、表示装置170単独での演出動作を行う場合でも、遊技者にとって違和感のない演出を行うことが可能となる。
【0115】
なお、表示装置170による表示内容と扉装置180による開閉動作を相互に関連させた高度な演出動作を実行できるスロットマシン100においては、扉装置180が閉状態になったまま故障した場合、そのまま演出切換スイッチ423で扉装置180を動作停止させてしまうと、表示装置170による表示演出が遊技者から見えなくなってしまうので、そのような場合には、遊技店員等が演出切換スイッチ423の切り換え操作を行う際に、左右扉181,182を手動で開状態に変換しておく必要がある。
【0116】
また、演出切換スイッチ423による動作・停止を切り換えられる演出実行手段は、上述した表示装置170や扉装置180に限定されるものではなく、副制御部A400が動作制御している演出用のランプやスピーカ等を演出実行手段として、そのON/OFFを切り換えられるようにしても良い。斯くする場合には、演出切換スイッチ423がOFFとなっているデバイスの制御を行うデバイスドライバへの出力を停止させれば、その演出用デバイスを動作停止状態とすることができる。
【0117】
次に、図11〜図18に基づいて、副制御部A400および副制御部B500により行われる演出変更制御を詳細に説明する。
【0118】
〈副制御部A主制御コマンド受信処理〉
図11に示すのは、副制御部A400における主制御コマンド受信処理のフローチャートであり、電源断等を検知しないかぎり、副制御部A400のCPU410で繰り返し実行される。先ず、ステップS301では、主制御部300から送信されたコマンド(主制御コマンド)を受信したか否かを判定し、主制御コマンドを受信していれば、主制御コマンドをRAM413に一旦格納し(ステップS302)、処理を終了する。
【0119】
〈副制御部Aメイン処理〉
図12に示すのは、副制御部A400におけるメイン処理のフローチャートであり、副制御部A400のCPU410が中心になって演出に関する制御を行い、電源断等を検知しないかぎり、同様の処理を繰り返し実行する。先ず、上述した副制御部A主制御コマンド受信処理において主制御コマンドが格納されているか否かを判定し(ステップS401)、主制御コマンドが格納されていれば、その主制御コマンドを判定する(ステップS402)。
【0120】
次いで行うステップS403の演出処理の詳細は、図13のフローチャートに示す。先ず、上記ステップS402で主制御コマンドを演出コマンドと判定することに伴って、その演出コマンドに対応する演出テーブルおよび制御データテーブルを取得する必要があるか否かを判定し(ステップS501)、演出コマンドに対応する演出テーブルおよび制御データテーブルを取得する必要があった場合には、その演出コマンドに対応する演出テーブルおよび制御データテーブルを取得し(ステップS502)、処理を終了する。一方、主制御部300からの主制御コマンドを受信していなかった場合もしくは受信した主制御コマンドが演出コマンドでなかったために演出テーブルおよび制御データテーブルを取得する必要がなかった場合には、表示装置170に対するデモ演出表示のような予め定められた他の処理を行う(ステップS503)。
【0121】
上記ステップS403の演出処理が終了した後には、演出処理において取得した制御データテーブルに、副制御部A400が直接制御する演出装置である各種表示ランプ(演出用ランプ126、上部ランプ144、サイドランプ141、腰部ランプ143、下部ランプ142、受け皿ランプ152)やスピーカを制御するデバイスドライバへの制御データが有るか判定し(ステップS404)、制御データが有れば、対応する演出装置へ制御データを出力する(ステップS405)。
【0122】
例えば、主制御コマンド「4082」から取得した演出テーブルにおける第3リール停止操作である「003B」に対応する制御データテーブルでは、効果音出力の制御データ「0031」,システム音出力の制御データ「000A」,バックライト点灯の制御データ「0005」,上部ランプ点灯の制御データ「0009」,サイドランプ等点灯の制御データ「000B」,リール照明ランプ点灯の制御データ「0002」,リールパネルランプ点灯の制御データ「0005」,タイトルパネルランプ点灯の制御データ「0001」,受け皿ランプ点灯の制御データ「003F」,払出口ストロボ点灯の制御データ「0032」等が有るので、各制御データを対応するデバイス制御用のデバイスドライバへ出力するのである。なお、制御データは4桁の16進コードである。
【0123】
次いで、演出処理において取得した制御データテーブルに、副制御部B500へ送信する副制御コマンドが有るか否かを判定し(ステップS406)、副制御コマンドが有ればコマンド変更処理を行い(ステップS407)、送信用にセットされた副制御コマンドを副制御部B500へ送信し(ステップS408)、処理を終了する。
【0124】
上記ステップS407で行うコマンド変更処理の詳細は、図14のフローチャートに示す。先ず、演出切換スイッチ423の第7ディップスイッチ4237がOFFに設定されているか否かを判定し(ステップS601)、第7ディップスイッチ4237がOFFであれば、その副制御コマンドを変更する必要があるか否か判定し(ステップS602)、副制御コマンドに扉装置180の演出動作が含まれていなければ変更の必要がないと判定され、そのまま処理を終了する。
【0125】
一方、上記ステップS602で副制御コマンドを変更する必要があると判定された場合には、副制御コマンドを変更する(ステップS603)。副制御コマンドを変更する手法は特に限定されるものではないが、以下に、副制御コマンドの変更手法の一具体例を図15に基づき説明する。
【0126】
副制御コマンドは、上記したように4桁の16進コードであり、この第1桁(一番右側の桁)に制御データナンバ情報を割り当て、第2桁(右から二番目の桁)に制御データテーブル情報を割り当ててある(図15(a)参照)。そして、副制御コマンドを受けた副制御部B500においては、第2桁の制御データテーブル情報から参照する制御データテーブルを特定し、この制御データテーブルにおける制御データナンバに対応して定められた演出処理動作情報に基づいて表示装置170および扉装置180の制御を行う。
【0127】
副制御コマンドの変更手法としては、第1桁の制御データナンバ情報を変更して扉装置180の制御を含まない演出処理動作情報に変更する方法と、第2桁の制御データテーブル情報を変更して扉装置180の制御を含まない制御データテーブルに差し替える方法があり、本例では前者を採用して、制御データナンバ情報を変更するものとした。すなわち、取得した副制御コマンド(以下、取得コマンドという)の第1桁の値を変更することで、扉装置180の動作を含まない演出動作に変更した副制御コマンド(以下、変更コマンドという)を生成するのである。
【0128】
取得コマンドの第1桁である“3”を4ビットのビットパターンで表すと、「0011」であり(図15(b)参照)、通常の副制御コマンドで指定する制御データナンバ情報は16進数で0〜7の範囲の値をとるものとし、第4ビットは必ず“0”に固定する。そこで、制御データナンバ情報の変更に際しては、第4ビットを“1”に変更することで、変更コマンドで指定する制御データナンバ情報は16進数で8〜Fの範囲となるように設定する。すなわち、変更コマンドの第1桁はビットパターンで「1011」と変更され(図15(b)参照)、変更コマンドにおける制御データナンバ情報が「B」となる。
【0129】
このようにして、取得コマンド「0023」は変更コマンド「002B」に変更されるのである(図15(c)参照)。同様の変更手法により、取得コマンド「0020」は変更コマンド「0028」に、取得コマンド「0021」は変更コマンド「0029」に、取得コマンド「0022」は変更コマンド「002A」に変更される(図15(d)参照)。なお、取得コマンド「0025」〜「0028」は扉装置180に対する動作制御を演出情報として含まないものとしたので、副制御コマンドに対する変更処理を行わないため、図15(d)には、これらに対応する変更コマンドが無いのである。
【0130】
一方、上記ステップS601で演出切換スイッチ423の第7ディップスイッチ4237がONであった場合には、他のディップスイッチのON/OFF判定を行って、動作停止を行う演出装置に対するコマンドの変更を行う(ステップS604)。本実施形態においては、副制御部B500により制御する演出装置は、表示装置170と扉装置180であるから、ここでは、表示装置170の動作・停止に割り当てた第8ディップスイッチのON/OFFを判定し、第8ディップスイッチがOFFであれば、表示装置170の制御を含む副制御コマンドかどうかを判定し、表示装置170の制御を含む副制御コマンドであった場合には、表示装置170の制御を含まない副制御コマンドに変更する。
【0131】
〈副制御部Bコマンド受信処理〉
図16に示すのは、副制御部B500におけるコマンド受信処理であり、上記のようにして副制御部400から送信された副制御コマンドを副制御部500で受信する。先ず、副制御コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS701)、受信していなければそのまま処理を終了する。一方、副制御コマンドを受信していた場合には、副制御コマンドを判定し(ステップS702)、副制御コマンドに応じた制御データテーブルを取得し、その制御データテーブルにおける制御データナンバ(制御データナンバ情報により定まるナンバ)の演出処理動作情報を特定し(ステップS703)、その演出処理動作情報に応じて演出装置のデバイスドライバへ制御データを出力する(ステップS704)。
【0132】
例えば、副制御コマンドが「0023」であった場合には、制御データテーブル情報が「2」であることに基づいて制御データテーブルA(小役入賞時に使用するテーブル)を選択する。制御データテーブルAの一例は図17(a)に示すようなもので、受信した副制御コマンドにおける制御データナンバ情報(受信情報)が「3」であることから、制御データナンバ4の演出処理動作情報として、表示装置170および扉装置180に対する制御が特定される。なお、表示装置170の制御に用いる表示制御データの一例は図17(b)に示すようなもので、表示制御データ64に対する画面表示手順が特定される。
【0133】
そして、制御データテーブルAにおける制御データナンバ4が選定されることにより、表示装置170と扉装置180を用いて行う演出処理動作は、先ず、左右扉181,182が表示画面171を完全に遮蔽した閉状態から半開きになるまで徐々に開いて行き、その開き具合に応じた適宜なタイミングで表示画面171に小さい「当」の表示(図18(a1)参照)、大きい「当」の表示(図18(a2)参照)を行い、その後、左右扉181,182が半開きから全開放へ変換され、表示画面171には「ベル当たり」が表示される(図18(a3)参照)。
【0134】
一方、演出切換スイッチ423により扉装置180の動作停止が設定(第7ディップスイッチ4237がOFFに設定)されいたために、副制御コマンド「0023」が「002B」に変更されていた場合には、その制御データナンバ情報(受信情報)が「B」であることから、制御データナンバ12の演出処理動作情報として、表示装置170のみに対する制御が特定される。なお、制御データナンバ12の演出処理動作情報としては、表示制御データ72の画面表示手順が特定される。
【0135】
そして、制御データテーブルAにおける制御データナンバ12が選定されることにより、表示装置170のみを用いて行う演出処理動作は、左右扉181,182が全開状態に保持されたまま、表示画面171に「ベル当たり」の表示を行うものである(図18(b)参照)。
【0136】
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン100においては、主制御部100から副制御部A400へ送信されたコマンドが同じでも、演出切換スイッチ423の設定に応じて、副制御部B500による表示装置170および扉装置180に対する演出処理動作制御が変更される。しかも、扉装置180を動作させないだけではなく、扉装置180と連携動作して効果のある演出表示から表示装置170単体による演出表示として効果のある表示に変更するので、扉装置180が動作しなくても違和感のない表示演出を実現できる。
【0137】
なお、演出切換スイッチ423により動作・停止を切り換えられる演出実行手段としては、表示装置170および扉装置180に限らない。例えば、図19に示すスロットマシン100′の如く、表示画面171の左右側方部に設けた左サブリール191および右サブリール192を動作・停止の切換が可能な演出実行手段としても良い。これら左右サブリール191,192による演出は、当選内容に応じた文字や図柄でリールを停止させて、その文字や図柄をサブリール表示窓から遊技者に視認させるものであり、左右サブリール191,192が故障して動かなくなった場合には、その後に表示装置170で行われる演出表示と関係のない文字や図柄のリール表示に固定されてしまい、演出上望ましくない。そこで、左右サブリール191,192を動作停止に切り換える遊技店員等が手動で左右サブリール191,192の図柄を遊技結果等に関連しないものに変えたり、サブリール表示窓を簡易な装飾シールで隠すような作業を行えば、表示装置170のみによる演出動作として違和感を無くすことができる。
【0138】
〈第2実施形態〉
上述した第1実施形態に係るスロットマシン100においては、扉装置180等の演出実行手段の動作不良が分かった後に、遊技店員等が手動で演出切換スイッチ423を操作しなければ、演出実行手段を動作停止状態に切り換えることができないものであるが、演出実行手段の動作不良が検出された時点で速やかに動作停止状態への切換が自動実行されれば、遊技店員等の手間を省くことができるし、何より演出実行手段が異常動作するスロットマシンを遊技者に使わせずに済む。そこで、本発明に係る遊技台の第2実施形態として、故障などで動作不良となった演出実行手段を自動停止させるスロットマシンを以下に説明する。
【0139】
第2実施形態に係るスロットマシンも、上述したスロットマシン100とほぼ同様な構成で、複数種類の演出実行手段として、副制御部B500からの出力で制御される表示装置170,扉装置180を備え、扉装置180を構成する左右扉181,182の開閉状態を扉位置センサ1816,1826からの検出出力によって、副制御部B500が検知できる。したがって、副制御部B500は、左右扉181,182のモータ1815,1825に駆動パルスを出力して開状態もしくは閉状態へ変換制御したにも拘わらず、扉位置センサ1816,1826から開位置もしくは閉位置の検出信号が入力されないことで、左右扉181,182が開状態もしくは閉状態に変換されていない状態を判定できる。すなわち、本実施形態においては、扉位置センサ1816,1826と副制御部B500が協働することで「予め定めた1以上の演出実行手段に対して、適正な演出動作を実行できない異常状態を検出する異常検出手段」として機能する。
【0140】
そして、扉装置180の異常状態を検出した副制御部B500は、副制御部A400に対してエラーコマンドを送信する。このエラーコマンドを受けた副制御部A400は演出変更モードに移行し、以降は異常動作している演出実行手段に対する演出動作を含んだ副制御コマンドを、当該演出実行手段に対する演出動作を含まない副制御コマンドに変更して副制御部B500へ送出する。斯くして、上述した第1実施形態のスロットマシン100と同様に、扉装置180が動作不良の場合には、表示装置170のみによる演出動作に切り換えられるのである。すなわち、本実施形態においては、副制御部A400と副制御部B500が協働することで「異常検出手段の検出状態に応じて制御手段が演出実行手段に対する制御を変更する」機能を実現できるのである。
【0141】
このように、本実施形態に係るスロットマシンにおいては、異常状態の検出された演出実行手段に対する制御が自動で変更され、遊技進行にそぐわない演出動作が演出実行手段により行われることが無くなり、遊技者にとって違和感のない演出に切り換えて、遊技を継続させることができる。しかも、駆動源としてモータ1815,1825を必要とする扉装置180を演出実行手段として用いる場合には、扉装置180の異常を的確に検出して動作停止することで、扉装置180のモータ1815,1825が異常発熱する等の二次的被害の発生を抑制できるという利点もある。
【0142】
なお、演出実行手段の異常状態を検出する手法は特に限定されるものではないが、図20および図21に基づいて、扉装置180の異常検出の一具体例を説明する。
【0143】
図20は、副制御部B500で行うモータ制御処理を示す。先ず、現在の制御動作として設定された加速パターン・減速パターンもしくは等速パターンに基づく左右扉181,182のモータ1815,1825へのパルス出力タイミングか否かを判定し(ステップS801)、未だパルス出力タイミングでなければ、そのまま処理を終了する。
【0144】
一方、上記ステップS801でパルス出力タイミングであった場合には、モータ電源制御回路540,550への駆動電圧を設定し(ステップS802)、モータドライバ542,552へのパルス出力および方向信号出力を行う(ステップS803)。これにより、左右扉181,182のモータ1815,1825へ適宜な駆動パルスが供給され、回転子が所定角度だけ所定方向へ回転することとなる。
【0145】
次いで、上記のようなモータ駆動を行わせた信号出力で左右扉181,182が全開位置もしくは全閉位置になるのか否かを判定し(ステップS804)、未だ全閉・全開位置に到達させるまでのパルス出力が残っていれば、そのまま処理を終了する。一方、上記ステップS804で全開位置もしくは全閉位置へ到達させるための信号出力が完了していた場合には、扉位置センサ1816,1826から全開位置検出信号もしくは全閉位置検出信号が入力されているか否かを判定する(ステップS805)。
【0146】
例えば、左右扉181,182を全閉位置から全開位置へ変換させる制御を行う場合、その移動に必要な駆動パルスをモータ1815,1825へ供給したときに、扉位置センサ1816,1826から全開位置検出信号が入力されていなければ、モータ1815,1826が適正に駆動していないとか、モータ1815,1825の駆動力が左右扉部材1811,1821をスライド移動させる力として伝達されていないといった動作不良が生じていると考えられる。従って、上記ステップS805でセンサ検出無しと判定された場合には、異常状態を検出したものとして、エラーカウンタ更新処理を行う(ステップS806)。
【0147】
なお、上記のように、全開位置もしくは全閉位置へ移動させるためのモータ駆動制御が終了した時点で、左右扉181,182が全開位置もしくは全閉位置へ移動していないことで異常状態を検出手法する手法に限らず、全開位置もしくは全閉位置へ移動させるためのモータ駆動制御が終わっていないにも拘わらず、左右扉181,182が全開位置もしくは全閉位置にあると検出されていることで異常状態を検出するようにしても良い。扉装置180が完全に故障して左右扉181,182が全く動かないような場合には、このような異常状態検出手法が有効である。また、この異常状態検出手法を採用する場合には、上記ステップS804でNo判定となった後に、扉位置センサ1816,1826による検知の有無を判定し、ここで扉位置センサ1816,1826から全開位置検出信号が入力されていなければ、ステップS806のエラーカウンタ更新処理を行うようにすれば良い。
【0148】
上記ステップS807で行うエラーカウンタ更新処理の詳細を図21に示す。先ず、エラーカウンタに“1”を加算し(ステップS901)、次いでエラーカウンタのカウント値が“10”に達したか否かを判定し(ステップS902)、未だエラーカウンタのカウント値が10未満であれば、そのまま処理を終了する。
【0149】
一方、エラーカウンタ更新処理の実行回数が10回目となって、エラーカウンタのカウント値が10となっていた場合には、エラーフラグをセットし(ステップS903)、エラーカウンタをリセットする(ステップS904)。
【0150】
このように、本例で示す異常状態検出手法では、扉装置180に対する駆動制御内容と左右扉181,182の実際の位置とが一致しない異常状態が所定回数(例えば10回)に達することで、扉装置180の動作停止を行うためのエラーフラグをセットするものとした。斯くすれば、扉装置180に生じた一時的な動作不良を異常状態と判定して、すぐに正常動作に復帰可能な場合までも扉装置180を動作停止状態にしてしまう事態を回避できる。また、扉装置180のエラーが1時間に1回程度たまたま起きるような場合でも、スロットマシンの稼働時間が長ければエラーカウンタのカウント値が10に達してしまうので、例えば、エラーカウンタのカウント値が1になってから所定時間が経過するとエラーカウンタをクリアするようにしても良い。
【0151】
なお、上記モータ制御処理におけるステップS806でセンサ検出無しと判定された場合に、エラーカウンタ更新処理を行わないで、直ぐにエラーフラグをセットする処理としても良い。斯くすれば、最初に扉装置180の異常動作を検出からその後に9回も扉装置180の異常動作が検出されるまで異常状態の判定を先延ばしせず、異常状態の判定を速やかに行うことができるので、迅速な対応を可能とし、演出動作の信頼性を高めることができる。
【0152】
上記のような手法で副制御部B500が検知した扉装置180の異常状態を副制御部A400へ送信する副制御部Bコマンド送信処理を図22に示す。先ず、エラーフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS1001)、エラーフラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
【0153】
上記ステップS1001でエラーフラグ有りと判定された場合には、扉装置180が全開状態(左右扉181,182が各々全開位置にある)か否かを判定し(ステップS1002)、全開状態であれば、送信コマンドとしてエラーコマンドをセットし(ステップS1003)、エラーフラグを解除して(ステップS1004)、処理を終了する。すなわち、扉装置180の適正動作が期せない異常状態の発生に基づいてエラーフラグがセットされ、尚且つ、左右扉181,182が表示装置170の表示画面171を遮蔽していない場合(表示装置170の表示画面171が遊技者から視認でき、扉装置180を作動させないで、表示装置170の表示制御のみによる演出動作を違和感なく行える場合)に限って、副制御部B500から副制御部A400へエラーコマンドを送信するのである。
【0154】
上記のようにセットされたエラーコマンドが、副制御部B500から副制御部A400へ送信されると、これを受けた副制御部A400は、演出内容として扉装置180の動作制御を含む副制御コマンドを、扉装置180の動作制御を含まない副制御コマンドに変更して、副制御部B500へ送信するようになる。斯くして、副制御部B500による演出動作として、扉装置180に対する動作制御が行われることはなくなり、且つ、表示装置170に対する制御は扉装置不使用時の表示演出に切り換えるので、表示装置170単独での表示演出を遊技者にとって違和感のないものとすることができる。
【0155】
一方、上記ステップS1002で扉装置180が全開状態ではないと判定された場合には、送信コマンドとして障害発生コマンドをセットする(ステップS1005)。すなわち、扉装置180の適正動作が期せない異常状態の発生に基づいてエラーフラグがセットされ、尚且つ、左右扉181,182が表示装置170の表示画面171の全部もしくは一部を遮蔽している場合(表示装置170の表示画面171が遊技者から明瞭に視認できない可能性があり、表示装置170の表示制御のみによる演出動作が有効とはいえない場合)には、副制御部B500から副制御部A400へ障害発生コマンドを送信するのである。
【0156】
上記のようにセットされた障害発生コマンドが、副制御部B500から副制御部A400へ送信されると、これを受けた副制御部A400は、障害発生状況を報知するように各種ランプや表示動作を行い、遊技店員等に迅速な対処を促す。斯くして、扉装置180が異常動作する状態のスロットマシンを遊技者に長時間使わせてしまうような事態を効果的に回避できる。なお、遊技店員等が当該スロットマシンの補修を行っても、扉装置180の故障が簡単に直らない場合は、一時的な処置として扉装置180の左右扉181,182を全開状態に変換すれば良い。左右扉181,182が全開位置に有れば、上記副制御部Bコマンド送信処理のステップS1002でYes判定となるため、扉装置180を使わない表示装置170だけの表示演出に変更されるので、扉装置180による演出を行わないスロットマシンとして継続使用でき、遊技店における遊技台の稼働率を低下させずに済むという利点がある。
【0157】
本実施形態では、左右扉181,182が共に全開位置に有る場合に限って、副制御部B500から副制御部A400へエラーコマンドを送信し、副制御コマンドの変更を促すものとしたが、これに限らず、例えば、左右扉181,182の何れか一方が全開位置で他方が全閉位置に有る場合(表示装置170の表示画面171の右半分もしくは左半分のみが遊技者から視認できる場合)にも、エラーコマンドを副制御部A400へ送信するようにし、これを受けた副制御部A400は、表示画面171の右半分もしくは左半分のみを使った演出表示を行う副制御コマンドに変更して、副制御部B500へ送信するようにしても良い。
【0158】
〈第3実施形態〉
また、上述した第2実施形態では、副制御部A400と副制御部B500が協働して、異常状態の演出実行手段を動作停止状態とする制御手段として機能させたが、これに限らず、演出実行手段である表示制御装置170および扉装置180を直接制御している副制御部B500が自ら異常状態の扉装置180を動作停止状態とするような制御を採用しても構わない。
【0159】
例えば、上述した各実施形態では、動作停止状態とする演出実行手段に応じて、副制御部A400が副制御コマンドの第1桁である制御データナンバ情報を変更することにより、副制御部B500が制御データテーブルから参照する制御データナンバを変更するものであったが、第3実施形態に係るスロットマシンにおいては、この参照する制御データナンバを副制御部B500が自ら変更することで、演出実行手段に対する制御内容を変更し、異常状態の演出実行手段に対する動作制御を含まない演出制御を行うものとし、副制御部B500単独で「異常検出手段の検出状態に応じて演出実行手段に対する制御を変更する制御手段」としての機能を実現するものとした。
【0160】
斯くするために、副制御部B500は、エラーフラグがセットされたとき(演出実行手段の異常動作が所定回数発生したとき)に参照するための制御データを予め含ませた制御データテーブルを備える。その一例は、小役入賞時に使用する制御データテーブルAにおいて、通常の副制御コマンドで指定される制御データナンバ1〜8に加えて、変更用の制御データナンバ9〜16を付加したものである(図23を参照)。
【0161】
すなわち、エラーフラグがセットされているときには、受信した副制御コマンドの第1桁である制御データナンバ情報の第4ビットを“0”から“1”に変更することにより、制御データナンバ情報0〜7を制御データナンバ情報8〜Fに各々変更して参照先を変えてやれば、扉装置180に対する動作制御を演出内容として含む制御データナンバ1〜4は、扉装置180に対する動作制御を演出内容として含まない制御データナンバ9〜12となることで、扉装置180が動作停止状態となるのである。
【0162】
なお、制御データナンバ5〜8は扉装置180に対する動作制御を演出内容として含まないので、参照先としての制御データナンバを変更する必要はないのであるが、受信した副制御コマンドの第1桁である制御データナンバ情報の第4ビットを“0”から“1”に変更する手法を採用した場合、エラーフラグがセットされているときには、データ制御ナンバ情報4〜7もデータ制御ナンバC〜Fに変更されるので、制御データナンバ13〜16に対応する制御内容も用意しておくものとした。
【0163】
以上、本発明に係る遊技台をいくつかの実施形態として説明したが、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り、如何様な等価技術を転用して実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】遊技台の一例であるスロットマシンの正面図である。
【図2】扉装置の概略構成を示す前側俯瞰斜視図である。
【図3】(a)は、スロットマシン内部の上半部における正面図である。(b)は、副制御部Bの基板面の一部拡大図である。
【図4】主制御部の概略構成図である。
【図5】副制御部Aの概略構成図である。
【図6】副制御部Bの概略構成図である。
【図7】主制御部によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図8】主制御部による演出コード設定処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)は、引込みテーブルと演出コードの対応説明図である。(b)は、演出コードとコマンドデータの対応説明図である。
【図10】演出切換スイッチの設定に応じて行われる副制御コマンド変更の概要を示す説明図である。
【図11】副制御部Aによる主制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図12】副制御部Aによるメイン処理を示すフローチャートである。
【図13】副制御部Aによる演出処理を示すフローチャートである。
【図14】副制御部Aによるコマンド処理を示すフローチャートである。
【図15】取得コマンドから変更コマンドを得る過程の説明図である。
【図16】副制御部Bによるコマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図17】(a)は、副制御部Bが参照する制御データテーブルAの概略説明図である。(b)は、表示制御データナンバと画面表示手順の対応説明図である。
【図18】(a1)〜(a3)は、制御データナンバ4による演出内容説明図である。(b)は、制御データナンバ12による演出内容説明図である。
【図19】演出実行手段として左右一対のサブリールを備えるスロットマシンの上部を示す正面図である。
【図20】第2実施形態に係るスロットマシンの副制御部Bによるモータ制御処理を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態に係るスロットマシンの副制御部Bによるエラーカウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【図22】第2実施形態に係るスロットマシンの副制御部Bによるコマンド送信処理を示すフローチャートである。
【図23】第3実施形態に係るスロットマシンの副制御部Bが山椒移す制御データテーブルAの概略説明図である。
【符号の説明】
【0165】
100 スロットマシン
170 表示装置
171 表示画面
180 扉装置
181 左扉
1815 モータ(左扉用)
1816 扉位置センサ(左扉用)
182 右扉
1825 モータ(右扉用)
1826 扉位置センサ(右扉用)
300 主制御部
400 副制御部A
423 扉切換スイッチ
4237 第7ディップスイッチ
500 副制御部B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の遊技操作に基づいて遊技の進行を制御する制御手段と、
前記制御手段により制御され、遊技の進行に伴う演出動作を行うための演出実行手段を複数種類備えた遊技台において、
前記制御手段による演出実行手段の制御を可能とする演出動作可能状態と、前記制御手段による演出実行手段の制御を停止する演出動作停止状態と、を手動操作により切り換え設定可能な演出動作切換手段を備え、該演出動作切換手段の設定に応じて制御手段が演出実行手段に対する動作・停止を実行するようにしたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記演出動作切替手段は、各演出実行手段毎に演出動作可能状態と演出動作停止状態とに切換可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技台。
【請求項4】
前記制御手段は、演出動作切替手段により扉装置の演出動作停止状態が設定されていることを条件に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技台。
【請求項5】
遊技者の遊技操作に基づいて遊技の進行を制御する制御手段と、
前記制御手段により制御され、遊技の進行に伴う演出動作を行うための演出実行手段を複数種類備えた遊技台において、
前記複数種類の演出実行手段のうち、予め定めた1以上の演出実行手段に対して、適正な演出動作を実行できない異常状態を検出する異常検出手段を設け、該異常検出手段の検出状態に応じて制御手段が演出実行手段に対する制御を変更するようにしたことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
前記複数種類の演出実行手段としては、少なくとも、種々の可視情報を表示画面上に表示可能な表示装置と、該表示装置の表示画面の前面側で開閉される扉装置と、を含み、
少なくとも、前記扉装置に対して異常検出手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の遊技台。
【請求項7】
前記扉装置が開状態か閉状態かを検出可能な開閉状態検出手段を設け、
前記異常検出手段は、前記制御手段が扉装置の開状態もしくは閉状態に変換させる動作制御を行なったにもかかわらず、前記扉装置が開状態もしくは閉状態であると開閉状態検出手段が検出していないことに基づいて、異常状態を検出するようにし、
前記制御手段は、少なくとも前記異常検出手段により扉装置の異常状態が検出され、且つ、前記開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されていることを必要条件として、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の遊技台。
【請求項8】
前記制御手段は、前記扉装置に対する動作制御を行って、異常検出手段により異常状態が検出されると異常カウンタのカウント値を加算し、異常状態検出手段が異常状態を検出しないときには異常カウンタのカウント値をクリアするものとし、該異常カウンタのカウント値が予め定めた所定数に達し、且つ、前記開閉状態検出手段により扉装置の開状態が検出されている場合に、表示装置に対する演出動作を扉装置不使用時の表示演出に切り換えるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−43257(P2006−43257A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230749(P2004−230749)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)