説明

遊技台

【課題】 確変期間の喜びを、より一層向上させるスロットマシン等の遊技台を提供すること。
【解決手段】 通常遊技時の遊技モードとして確変モードを設定可能とし、確変モードではシングルボーナスに入賞可能か、入賞し易くすると共に、シングルボーナスゲームでビッグボーナスに入賞可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンの一つとして、所定の入賞役の内部当選確率が高くなる確変期間(確率変動期間)を設定するものが提案されている(特許文献1)。確変期間では、たとえば、ボーナスに入賞し易くなり、遊技者としては喜ばしいものとなる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−178989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のスロットマシンでは、確変期間中に特定の入賞役に入賞し易くなるものの、これに留まり、遊技者としては単調な遊技が続く傾向にある。
【0005】
このような問題点に鑑み、本発明の目的は、確変期間の喜びを、より一層向上させることが可能な遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、少なくとも前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台であって、確変モードを含む、通常遊技時の遊技モードの設定を行うモード設定手段を備え、前記入賞役が、入賞により第1特別遊技を開始させる第1の入賞役と、入賞により第2特別遊技を開始させ、かつ、前記確変モードにおいてのみ入賞可能か、又は、前記確変モードにおいては他の前記遊技モードの場合よりも前記内部当選の確率が高く設定された第2の入賞役と、を含み、前記抽選手段は、前記通常遊技に加えて前記第2特別遊技においても前記第1の入賞役の前記内部当選の当否の抽選を行うことを特徴とする遊技台が提供される。
【0007】
この遊技台では、前記確変モードが設定されると、前記第2の入賞役に入賞可能となるか、又は、入賞し易くなるが、これに加えて、前記第2特別遊技において前記第1の入賞役の前記内部当選の抽選が行われ、入賞可能となる。つまり、前記第2の入賞役に入賞すると、前記第1の入賞役にも入賞して前記第1特別遊技を楽しめる機会が遊技者に与えられることになり、確変期間の喜びを、より一層向上させることができる。
【0008】
本発明においては、前記通常遊技時よりも前記第2特別遊技時の方が前記第1の入賞役の前記内部当選の確率が高く設定することもできる。この構成によれば確変期間の喜びを、更に向上させることができる。
【0009】
また、本発明においては、前記通常遊技時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は、前記第1の入賞役に入賞するまで当該内部当選が持ち越される一方、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は、その遊技において前記第1の入賞役に入賞しなければ当該内部当選が消滅するようにすることもできる。この構成によれば、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に入賞するチャンスは、これに前記内部当選した遊技に限られるため、緊張感のある遊技を実現できる。
【0010】
また、本発明においては、前記モード設定手段は、前記確変モード時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は前記確変モードを終了させる一方、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に入賞した場合は前記第1特別遊技終了後の前記通常遊技において前記確変モードを設定することもできる。この構成によれば、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に入賞した場合は前記確変モードが継続されることになるので、遊技者は確変期間の継続の有無を察知することができると共に、確変期間の喜びを更に向上させることができる。
【0011】
また、前記第2特別遊技は1回の遊技で終了することもできる。前記第2特別遊技を1回の遊技で終了させることにより緊張感のある遊技を実現できる。
【0012】
また、前記第1特別遊技はビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲーム等のボーナスゲームであり、前記第2特別遊技は役物遊技であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上述べた通り、本発明によれば、確変期間の喜びを、より一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観図である。
【0015】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は絵柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0016】
各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0017】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0018】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0019】
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもでき、投入とは両者を含む意味である。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器126は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
【0020】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130、131を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155より受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
【0022】
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置を含み、各種の情報が表示される。
【0023】
<制御部>
次に、図2及び図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100は、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
【0024】
<主制御部>
まず、図2を参照してスロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0025】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やリールを回転駆動するモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0026】
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御用データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
【0027】
メダル投入センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130、131のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払い出しセンサ326はスロットマシン100から払い出されるメダルをカウントするために、払い出されるメダルを1枚づつ検出するセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0028】
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを回転駆動するステッピングモータ等を駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント表示器341(払出枚数表示器125、表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
【0029】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
【0030】
<副制御部>
次に、図3を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0031】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
【0032】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
【0033】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、受け皿ランプ210を制御する。なお、CPU410は、演出装置制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は、演出装置600を制御する。
【0034】
<絵柄配列>
図4は、各リール110〜112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110乃至112には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図では、各絵柄を簡略化して文字で示しているが、実際には、各種デザイン、例えば、「スイカ」ならば、スイカを模した絵図等が描かれている。なお、同図の左端に示した絵柄配置番号0乃至20は、各リール110〜112上の絵柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマにはチェリーの絵柄、右リール112の番号0のコマにはタイガーの絵柄、がそれぞれ配置されている。
【0035】
<入賞役の種類>
入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施形態では以下の入賞役を採用する。図5(a)乃至(c)は、通常遊技時の各遊技モード(A乃至C
における、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、入賞時のメダルの払出枚数と、内部抽選の当選確率と、対応するリール制御データの内容と、を示した図であり、図5(a)がモードAの場合、図5(b)がモードBの場合、図5(c)がモードCの場合を示す。なお、図5においては説明の便宜上、入賞役に「当たりなし」が含まれているが、これは入賞役ではなく、単なるハズレである。
【0036】
・ビッグボーナス(BB):
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム/第1特別遊技)が開始される入賞役である。BBは通常遊技(モードA)のみならず、後述するシングルボーナスゲームにおいても内部抽選の対象となる。また、本実施形態では通常遊技(モードA)時にBBに内部当選した場合はフラグ持ち越し、つまり、BBに入賞するまでBBの内部当選が持ち越されるが、シングルボーナスゲーム時にBBに内部当選した場合はフラグ持ち越しを行わず、その遊技でBBに入賞できなければBBの内部当選は消滅する。
・シングルボーナス(SB):
入賞により、シングルボーナスゲーム(SBゲーム/第2特別遊技)が開始される入賞役である。上述した通り本実施形態ではSBゲームにおいてもBBが内部抽選の対象となり、しかも通常遊技時(モードA)よりも内部当選の確率が高く設定されている(図5(a)、(d)参照。)
・小役:
入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、本実施形態の場合、スイカ、ベル、チェリーの3種類である。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。チェリーについては中リール111と右リール112の絵柄は問われない。
・リプレイ(再遊技):
入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0037】
次に、図5(d)はSBゲーム時の入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、入賞時のメダルの払出枚数と、内部抽選の当選確率と、対応するリール制御データの内容と、を示した図である。
・役物:
入賞により所定数(ここでは、15枚)のメダルが払い出される入賞役である。
【0038】
次に、図5には図示していないが、以下の入賞役もある。
・シフトレギュラーボーナス(SRB)
BBゲーム中(より詳細にはBB一般遊技中)にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりシフトレギュラーボーナスゲーム(SRBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態の場合、SRBゲーム中の入賞役は役物である。
【0039】
なお、各入賞役には、設定値(例えば1〜6)ごと、に内部当選確率が設定されている(図5の内部当選確率は一例を例示)。尤も、各設定値間で当選確率を同じにしてもよい。なお、同図では当選確率を示しているが、実際の内部抽選時の処理としては以下のようになる。すなわち、入賞役内部抽選時に取得される乱数値の範囲(0〜65535)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。これらの情報は、各遊技状態、各遊技モード毎に入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。入賞役に内部当選すると、対応する内部当選フラグがONとなる。内部当選フラグはRAM313上の所定のエリアに設定され、フラグ持ち越しの対象となる場合を除き、その遊技が終了するとOFFとなる。
【0040】
<リールの停止制御>
次に、リール110乃至112の停止制御について説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から内部抽選結果、遊技状態並びに遊技モードに基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。リール停止制御データは主制御部300のROM312に格納されている。
【0041】
図5(a)乃至(d)には、通常遊技の各遊技モード(図5(a)乃至(c))、並びに、SBゲーム(図5(d))の場合における、各入賞役に内部当選した場合、又は、当たりなしの場合の、リール停止制御データの「名称」、「制御内容」及び「選択確率」が示されている。なお、この他にSRBゲーム、BBゲーム時のリール停止制御データも用意されるがここでは割愛する。
【0042】
同図において「名称」は本実施形態の説明の便宜のために付されたものであり、実際には各データに固有の識別子が設定されて各リール停止制御データが識別される。「制御内容」は、そのリール停止制御データが選択されたことにより実行されるリールの停止制御の内容を示す。このうち、「...揃う」とされているものは、所定の絵柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容するリール停止制御データであることを示す。
【0043】
但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137乃至139を操作するタイミングが悪ければ対応する絵柄組合せが揃わない場合もある。尤も、リール110乃至112における絵柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。本実施形態の場合、「名称」がSB−A、ベルA、リプレイA、リプレイC、役物−Aのリール停止制御データは対応する絵柄組合せが100%揃う場合を想定している。
【0044】
「ハズレ」とは、各ストップボタン137乃至139を操作するタイミングに関わらず、入賞役に対応する絵柄組合せが何も揃わないように制御されることを意味する。「選択確率」は一つの入賞役に複数のリール停止制御データが対応付けられている場合に、抽選でどのリール停止制御データが選択されるかの確率を示している。
【0045】
<遊技状態>
本実施形態では、遊技状態として通常遊技、BBゲーム(詳細にはBB一般遊技)、SRBゲーム及びSBゲームがある。現在設定される遊技状態の情報はRAM313上の所定のエリアに記憶される。
・BBゲーム:
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームを、SRBゲーム中の場合とそうでない場合とを区別するため、後者をBB一般遊技と称する。BBゲームの終了条件は、複数種類考えられるが、本実施形態では、SRBの入賞回数が所定数に達した場合(ここでは3回)か、BB一般遊技の回数が所定数に達した場合(ここでは30回)にBBゲームを終了する。BB一般遊技の遊技回数及びSRBの入賞回数は、それぞれRAM313上の所定のエリアに設定される、「BB一般遊技回数カウンタ」、「SRB入賞回数カウンタ」により管理される。なお、本実施形態では第1特別遊技としてビッグボーナスゲームを採用するがレギュラーボーナスであってもよい。レギュラーボーナスゲームの内容は複数種類考えられるが、SRBゲームと同じ内容とすることができる。
・SRBゲーム:
SRBゲームの内容は複数種類考えられるが、本実施形態の場合、予め定めた回数(本実施形態では12回)の遊技(役物遊技という。)を消化するか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施形態では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することにより終了する。SRBゲームの遊技回数及び役物の入賞回数は、それぞれRAM313上の所定のエリアに設定される、「SRB遊技回数カウンタ」、「役物入賞回数カウンタ」により管理される。
・SBゲーム:
SBゲームの内容は複数種類考えられるが、本実施形態の場合、予め定めた回数(本実施形態では1回)の遊技(役物遊技)を消化すると終了する。換言すれば、役物遊技を1回だけできるゲームである。
【0046】
<遊技モード>
本実施形態では通常遊技時に、以下の3つの遊技モードのいずれかが設定される。現在設定される遊技モードの情報はRAM313上の所定のエリアに記憶される。
・モードA(確変モード)
SBが内部抽選の対象となり、SBに入賞可能なモードである。SBに入賞するとSBゲームが開始されるが、本実施形態では上述した通りSBゲームにおいてもBBが内部抽選の対象となり、BBに入賞可能となる。SBは1/40の確率で内部当選するため(図5(a)参照。)、比較的高確率で入賞でき、それ自体遊技者に有利に働くが、更に、上述した通り、SBゲームにおいてBBに入賞可能であり、しかも、本実施形態ではBBの内部当選確率がSBゲームにおいては通常遊技(モードA)の場合よりも高く設定されているため(図5(a)、(d)参照。)、BBに入賞し易く、極めて遊技者に有利に働くモードとなる。
【0047】
モードAはBBゲームの終了直後に設定され、BBに内部当選することで終了し、モードBへ移行する。つまり、モードAにおいてBBに内部当選した場合はモードAが終了するが、モードA時にSBに入賞し、SBゲーム時にBBに入賞した場合はその終了後の通常遊技はモードAとなるため、モードAが継続されることになり、遊技者に有利な状態が続くことになる。
【0048】
・モードB(ハマリモード)
BB、SBが内部抽選の対象とならない。従って、SBに入賞することはない。本実施形態ではモードBでは、フラグ持ち越しによりBBに内部当選したままとなるが、「BB−A」のリール停止制御データが選択された場合に極めて低い確率(1/65536。図5(b)参照。)でしかBBに入賞しない。従って、実質的にはBBに入賞することがほとんどない、ハマリのモードとなる。なお、BBに全く入賞できなくしてもよい。モードBはモードAにおいてBBに内部当選することで設定され、「リプレイC」のリール停止制御データが選択されて所定の絵柄組合せ(ベル−ベル−タイガー)が揃って表示されると終了し、モードCへ移行する。また、モードBは所定の遊技回数が消化された場合も終了する。この遊技回数はRAM313上の所定のエリアに設定される「モードB遊技回数カウンタ」により管理される。
【0049】
・モードC(ハマリ終了モード)
BB、SBが内部抽選の対象とならない。従って、SBに入賞することはない。本実施形態ではモードCでは、モードBから引き続いてフラグ持ち越しによりBBに内部当選したままとなり、「BB−A」のリール停止制御データが選択されて極めて高い確率(1/1.28。図5(c)参照。)でBBに入賞することになる。つまり、モードCはハマリ(モードB)を終了させるモードとなる。なお、モードBの場合とモードCの場合とでは、リプレイの内部当選確率が著しくことなるが(前者は1/1.09、後者は1/7.30。図5(b)及び(c)参照。)、モードBの場合はリールの停止制御により、実質的なリプレイの入賞確率は略1/7.30(内部当選確率:1/1.09×リプレイAの選択確率:1/6.69(図5(b)参照)となっており、モードCの場合の入賞確率と略同じになっているため、リプレイの入賞の頻度によりモードBが設定されているかモードCが設定されているかを遊技者が判別できないようにしている。
【0050】
<遊技の概略>
図13は本実施形態における遊技の概略を示す図である。通常遊技でモードAが設定されている場合から説明すると、モードAではSBに比較的高確率で入賞可能な確変モードであるため、SBに度々入賞し、SBゲームが行える。そして、SBゲームにおいてBBに入賞するとBBゲームが行われ、BBゲームの終了後の通常遊技では再びモードAが設定される。このため、遊技者が利益が得られる状態が続く。しかし、通常遊技のモードAでBBに内部当選してしまうと遊技モードとしてモードBが設定され、SBに入賞することはできず、また、BBにも実質的に入賞することができない、遊技者に不利なハマリの状態が続くことになる。
【0051】
モードBにおいてベル−ベル−タイガーが揃って表示されるか、所定の遊技回数が消化されるとモードBが終了し、モードCが設定される。ここで、遊技者はBBに入賞することが可能となり、BBに入賞するとBBゲームが行われる。BBゲームの終了後の通常遊技ではモードAが設定され、遊技者にチャンスが与えられる。以降、遊技状態、遊技モードが同様に切り替えられて遊技が進行していくことになる。
【0052】
このように本実施形態では、モードAが設定されると、SBに入賞可能となるかが、これに加えて、SBゲームにおいてBBの入賞役の内部抽選が行われ、入賞可能となる。つまり、SBに入賞すると、BBにも入賞してBBゲームを楽しめる機会が遊技者に与えられることになり、確変期間の喜びを、より一層向上させることができる。また、通常遊技時よりもSBゲーム時の方がBBの内部当選の確率が高く設定されているので、確変期間の喜びを、更に向上させることができる。
【0053】
また、SBゲーム時にBBに入賞した場合はモードAが継続されることになるので、遊技者は確変期間の継続の有無を察知することができると共に、確変期間の喜びを更に向上させることができる。また、SBゲームは1回の遊技で終了するので緊張感のある遊技を実現できる。
【0054】
<遊技の基本的制御>
図6(a)は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。以下、この処理について説明する。電源投入が行われると、まず、S1で初期処理が実行される。初期処理の詳細は後述する。S2では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
【0055】
S3では、遊技のスタート操作の受付に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、続くS4では、有効な入賞ライン114を確定する。S5では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。S6では、現在の遊技状態、遊技モードに応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS5で取得した乱数値とを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。更に、内部抽選結果等に基づき、図5に例示したリール停止制御データを選択する。また、S5で取得した乱数値が副制御部400へ送信され、副制御部400では演出抽選が実行され、その遊技の演出内容が決定される。
【0056】
S7では、全リール110乃至112の回転を開始させる。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかを、S6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「スイカ−スイカ−スイカ」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、各入賞役の内部当選を示すフラグがリセットされる。但し、上述した通りBBについては入賞しなかった場合は所定の場合にONの状態が維持され、次遊技移行に持ち越される。S10では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0057】
S11乃至S14ではそれぞれ遊技モードの設定に関する処理を行う。詳細は後述する。S15ではBBの内部当選フラグに関するフラグ消滅処理を行う。詳細は後述する。S16では遊技状態制御処理を行う。詳細は後述する。以上により1ゲームが終了し、以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0058】
<初期処理>
次に、S1の初期処理について説明する。図6(b)はS1の初期処理を示すフローチャートである。S21では主制御部300の各種の初期化処理を行う。S22では入賞役の内部当選確率の設定が変更されたか否かを判定する。該当する場合はS23へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S23では設定変更を反映させる処理を行う。S24では遊技モードとしてモードAを設定する。以上により初期処理が終了する。本実施形態では入賞役の内部当選確率の設定が変更されると、遊技モードとしてモードAが設定されることになる。
【0059】
<モード設定処理1>
次に、S11のモード設定処理1について説明する。図7はS11のモード設定処理1を示すフローチャートである。S31では今回の遊技の内部抽選(S6)においてBBに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S32では現在の遊技状態がSBゲームか否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、該当しない場合はS33へ進む。S33では遊技モードとしてモードBを設定する。つまり、この処理が行われる場合はモードAでBBに内部当選した場合である。S34では「モードB遊技回数カウンタ」に遊技回数の初期値(ここでは1500回)をセットする。この初期値は抽選で決定するようにしてもよい。モードBではこの「モードB遊技回数カウンタ」のカウント値が遊技の消化毎に減算され、0になるとモードBが終了することになる。従って、上記初期値はモードBの天井遊技回数となる。以上により処理が終了する。
【0060】
<モード設定処理2>
次に、S12のモード設定処理2について説明する。図8はS12のモード設定処理2を示すフローチャートである。S41では今回の遊技ではモードBの終了絵柄組合せ(ベル−ベル−タイガー)が揃って表示されたか否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS43へ進む。S42では遊技モードとしてモードCを設定する。つまり、モードBの終了絵柄組合せ(ベル−ベル−タイガー)が表示されたことによりモードBが終了し、モードCが開始される。S43では現在の遊技モードがモードBか否かを判定する。該当する場合はS44へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S44では今回の遊技でBBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S45では遊技モードとしてモードAを設定する。つまり、実際上はほとんど有り得ないが、モードBにおいてBBに入賞した場合、BBゲーム終了後の通常遊技の遊技モードとしてモードAが設定されることになる。
【0061】
<モード設定処理3>
次に、S13のモード設定処理3について説明する。図9はS13のモード設定処理3を示すフローチャートである。S51では現在の遊技モードがモードCか否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S52では今回の遊技でBBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS53へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S53では遊技モードとしてモードAを設定する。つまり、モードCにおいてBBに入賞した場合、BBゲーム終了後の通常遊技の遊技モードとしてモードAが設定されることになる。以上により処理が終了する。
【0062】
<モード設定処理4>
次に、S14のモード設定処理4について説明する。図10はS14のモード設定処理4を示すフローチャートである。S61では現在の遊技状態が通常遊技か否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合はS66へ進む。S62では現在の遊技モードがモードBか否かを判定する。該当する場合はS63へ進み、該当しない場合はS66へ進む。S63では「モードB遊技回数カウンタ」のカウント値を1つ減算する。つまり、モードBにおける遊技回数の管理である。S64では「モードB遊技回数カウンタ」のカウント値が0か否かを判定する。該当する場合はS65へ進み、該当しない場合はS66へ進む。S65では遊技モードとしてモードCを設定する。この処理が行われる場合はモードBが所定の遊技回数の消化により終了する場合である。
【0063】
S66では今回の遊技においてBBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS67へ進み、該当しない場合はS67へ進む。S67では「モードB遊技回数カウンタ」のカウント値を0にセットする。以上により処理が終了する。
【0064】
<フラグ消滅処理>
次に、S15のフラグ消滅処理について説明する。図11はS15のフラグ消滅処理を示すフローチャートである。S71では現在の遊技モードがモードAか否かを判定する。該当する場合はS72へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S72では現在の遊技状態がSBゲーム中か否かを判定する。該当する場合はS73へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S73ではBBの内部当選フラグがONか否かを判定する。該当する場合はS74へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S74ではBBの内部当選フラグを消滅する。(OFFにリセットする)。上述した通り、SBゲーム中にBBに内部当選した場合はフラグ持ち越しを行わない。以上により処理が終了する。
【0065】
この処理により、通常遊技時にBBに内部当選した場合は、BBに入賞するまで当該内部当選が持ち越されるが、SBゲーム時にBBに内部当選した場合は、その遊技においてBBに入賞しなければ当該内部当選が消滅する。従って、SBゲーム時にBBに入賞するチャンスは、これに内部当選した遊技に限られるため、緊張感のある遊技を実現できる。
【0066】
<遊技状態制御処理>
次に、S16の遊技状態更新処理について説明する。図12はS16の遊技状態制御処理を示すフローチャートである。S81では今回の遊技でSBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS87へ進み、該当しない場合はS82へ進む。S82では今回の遊技でSRBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS88へ進み、該当しない場合はS83へ進む。S83では今回の遊技でBBに入賞したか否かを判定する。該当する場合はS89へ進み、該当しない場合はS84へ進む。
【0067】
S84では現在の遊技状態がSBゲームか否かを判定する。該当する場合はS90へ進み、該当しない場合はS85へ進む。S85では現在の遊技状態がSRBゲームか否かを判定する。該当する場合はS91へ進み、該当しない場合はS86へ進む。S86では現在の遊技状態がBB一般遊技か否かを判定する。該当する場合はS92へ進み、該当しない場合は処理を終了する。S87ではSB入賞時の処理を行う。ここでは遊技状態としてSBゲームを設定する。また、SBの内部当選フラグをOFFにする。S88ではSRB入賞時の処理を行う。ここでは遊技状態としてSRBゲームを設定する。また、SRBの内部当選フラグをOFFにする。更に、「SRB遊技回数カウンタ」、「役物入賞回数カウンタ」の初期値として、それぞれ12回、8回をセットし、「BB一般遊技回数カウンタ」、「SRB入賞回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する。
【0068】
S89ではBB入賞時の処理を行う。ここでは遊技状態としてBBゲーム(BB一般遊技)を設定する。また、BBの内部当選フラグをOFFにする。更に、「BB一般遊技回数カウンタ」、「SRB入賞回数カウンタ」の初期値として、それぞれ30回、3回をセットする。S90ではSBゲーム中の処理を行う。ここでは遊技状態として通常遊技を設定する。S91ではSRBゲーム中の処理を行う。ここでは、「SRB遊技回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する。また、今回の遊技で役物に入賞した場合は、「役物入賞回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する。更に、「SRB遊技回数カウンタ」、「役物入賞回数カウンタ」のカウント値のいずれかが0になった場合は遊技状態としてBB一般遊技を設定する。S92ではBB一般遊技中の処理を行う。ここでは「BB一般遊技回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する。また、「BB一般遊技回数カウンタ」、「SRB入賞回数カウンタ」のカウント値のいずれかが0になった場合は遊技状態として通常遊技を設定する。以上により処理が終了する。
【0069】
<他の実施形態>
上記実施形態ではSBの内部抽選をモードAのみで行っており、モードAが設定された通常遊技でのみSB入賞可能としたが、他の遊技モード(モードB及びCの少なくともいずれか)においてもSBの内部抽選を行い、入賞可能とすることもできる。この場合、モードAにおいては他の遊技モードの場合よりもSBの内部当選の確率を高く設定し、モードAにおいてSBに入賞し易くすることで、モードAが確変モードであるということには変わりがない。
【0070】
次に、上記実施形態では通常遊技時の遊技モードとして、モードA乃至Cのいずれかが設定されるようにしたが、遊技モードの構成はこれに限られない。図14は通常遊技時の遊技モードとしてモードA乃至Dのいずれかが設定される例を示した遊技の概略図である。
【0071】
図14の例では、上述したモードA乃至Cに加えてモードDが用意されている。そして、抽選により、BBゲームの終了後の通常遊技をモードAかモードDのいずれかに設定する。モードDはSBに入賞できないことを除いてモードAと略同様の内容である。つまり、モードDではSBに入賞できないので、BBに入賞することもできず、BBに内部当選するとモードBへ移行することになる。この図14の例ではBBゲームの終了後の通常遊技の遊技モードとしてモードAが常に設定されるとは限らず、SBゲームでBBに入賞したとしてもモードAが継続されない。従って、BBゲーム終了時に遊技者にモードAが継続するかどうかというドキドキ感を与えることができる。
【0072】
次に、図15は通常遊技時の遊技モードとしてモードA及びBのいずれかが設定される例を示した遊技の概略図である。つまり、モードCがなく、遊技モードはモードAかモードBの2種類である。モードCがないので、モードBが終了すると直ぐにモードAに移行し、遊技者に有利な状態となる。
【0073】
次に、上記実施形態では、遊技モードの情報をRAM313上の所定のエリアに記憶することで、現在の遊技モードを判別したが、モードAに関してはBBの内部当選フラグがONになるとモードBへ移行するため、BBの内部当選フラグがOFFの場合はモードAである。従って、BBの内部当選フラグのON・OFFにより、モードAか否かを判定することができる。特に、図15の例では遊技モードがモードAとBの2種類なので、BBの内部当選フラグのON・OFFにより現在の遊技モードを判別することも可能となり、遊技モードの情報をRAM313上の所定のエリアに記憶する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観図である。
【図2】スロットマシン100の主制御部300のブロック図である。
【図3】スロットマシン100の副制御部400のブロック図である。
【図4】各リール110〜112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【図5】(a)乃至(c)は、通常遊技時の各遊技モードにおける、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、入賞時のメダルの払出枚数と、内部抽選の当選確率と、対応するリール制御データの内容と、を示した図、(d)はSBゲームにおける、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、入賞時のメダルの払出枚数と、内部抽選の当選確率と、対応するリール制御データの内容と、を示した図である。
【図6】(a)はスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャート、(b)はS1の初期処理を示すフローチャートである。
【図7】S11のモード設定処理1を示すフローチャートである。
【図8】S12のモード設定処理2を示すフローチャートである。
【図9】S13のモード設定処理3を示すフローチャートである。
【図10】S14のモード設定処理4を示すフローチャートである。
【図11】S15のフラグ消滅処理を示すフローチャートである。
【図12】S16の遊技状態制御処理を示すフローチャートである。
【図13】遊技の概略を示す図である。
【図14】通常遊技時の遊技モードとしてモードA乃至Dのいずれかが設定される例を示した遊技の概略図である。
【図15】通常遊技時の遊技モードとしてモードA及びBのいずれかが設定される例を示した遊技の概略図である。
【符号の説明】
【0075】
100 スロットマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
少なくとも前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台であって、
確変モードを含む、通常遊技時の遊技モードの設定を行うモード設定手段を備え、
前記入賞役が、入賞により第1特別遊技を開始させる第1の入賞役と、入賞により第2特別遊技を開始させ、かつ、前記確変モードにおいてのみ入賞可能か、又は、前記確変モードにおいては他の前記遊技モードの場合よりも前記内部当選の確率が高く設定された第2の入賞役と、を含み、
前記抽選手段は、前記通常遊技に加えて前記第2特別遊技においても前記第1の入賞役の前記内部当選の当否の抽選を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記通常遊技時よりも前記第2特別遊技時の方が前記第1の入賞役の前記内部当選の確率が高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記通常遊技時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は、前記第1の入賞役に入賞するまで当該内部当選が持ち越される一方、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は、その遊技において前記第1の入賞役に入賞しなければ当該内部当選が消滅することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技台。
【請求項4】
前記モード設定手段は、
前記確変モード時に前記第1の入賞役に前記内部当選した場合は前記確変モードを終了させる一方、前記第2特別遊技時に前記第1の入賞役に入賞した場合は前記第1特別遊技終了後の前記通常遊技において前記確変モードを設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技台。
【請求項5】
前記第2特別遊技は1回の遊技で終了することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技台。
【請求項6】
前記第1特別遊技はボーナスゲームであり、前記第2特別遊技は役物遊技であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−55514(P2006−55514A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242610(P2004−242610)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)