説明

遊技台

【課題】 1回の遊技に使う遊技媒体量を選択する楽しさを味わえる遊技台を提供すること。
【解決手段】 3枚投入遊技では、ATモードに移行するか否かの抽選を行なう。2枚投入遊技では、3枚投入遊技に比べて小役1に対する内部当選確率が高く、内部当選した場合には、抽選により押し順が制限される。ATモードでは、2枚投入遊技を行なえば、小役1に内部当選して報知された押し順で停止ボタンを操作した場合には、取りこぼしが無くなることから、メダルの獲得をねらえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技台の中には、1回の遊技に使う遊技媒体量を選択できるものがある。例えば、従来のスロットマシンでは、メダルを1枚から3枚の範囲で使うことを条件に開始される。そのようなスロットマシンの内部では、投入枚数に応じて設定された確率に基づき入賞役の抽選を行っている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−170256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来技術においては、1回の遊技に使う遊技媒体量が異なっても、遊技の内容は同じものであり、遊技者が遊技媒体量を選択して遊技することに何ら興趣をそそるものがなかった。
【0004】
また、使用する遊技媒体量を少なくして遊技を行われることは遊技店側から見ても稼働率が実質低下するものであり、好ましいものではなかった。そのため、遊技機メーカーも少ない賭け数で遊技を行われることを防止するために確率的に不利な設計を行っていた。そして、結果的に、遊技者に最大の遊技媒体量を用いた遊技を強いることとなっていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、1回の遊技に使う遊技媒体量を選択する楽しみを遊技者に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、
1回の遊技に使う遊技媒体量が第1規定数か第2規定数かを選択するための選択手段と、
予め定めた入賞役の内部当選の当否を決定する内部抽選手段と、
内部当選した入賞役に対応した絵柄組み合わせを入賞させるための入賞条件を決定する入賞条件決定手段と、
前記内部当選した場合に前記入賞条件の報知を行う、報知モードに移行するか否かの抽選を行なう報知モード移行抽選手段と、
内部当選した入賞役に対する入賞を制御する入賞制御手段と、
前記報知モードにおいて前記入賞条件の報知を行う報知手段と、
を備えた遊技台であって、
前記報知モード移行抽選手段は、前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合に、前記報知モードに移行するか否かの抽選を行ない、
前記報知手段は、前記報知モード中において、前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合に、前記入賞条件の報知を行なうことを特徴とする。
【0007】
前記内部抽選手段は、
前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合には、前記第1規定数が選択された場合に比べて高い確率で前記所定の入賞役に内部当選させることを特徴とする。
【0008】
前記報知モード移行抽選手段は、
前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合には、前記第2規定数が選択された場合に比べて高い確率で前記報知モードに移行させることを特徴とする。
【0009】
1回の遊技で消費される遊技媒体量が第1規定数か第2規定数かを選択するための選択手段と、
周囲に複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
複数種類の入賞役に対する内部当選を抽選により判定する内部抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数の停止スイッチと、
前記内部抽選手段の抽選結果及び前記停止スイッチの操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記リールが停止した状態で表示された絵柄組合せが、予め定められた複数の入賞絵柄組合せのいずれに該当するか或いはいずれにも該当しないかを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段で所定の入賞絵柄組合せが表示されていると判定した場合に、表示された入賞絵柄組合せに応じた量の遊技媒体を払い出す払出し手段と、
前記複数の停止スイッチの操作順を報知する操作順報知手段と、
を備えた遊技台であって、
前記内部抽選手段は、
前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合に、更に、前記内部当選した場合に前記操作順報知手段の報知を行う、報知モードに移行するか否かの抽選を行ない、
前記リール停止制御手段は、
前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合であって、更に、前記操作順報知手段で報知された操作順で前記複数の停止スイッチを操作した場合には、前記操作順報知手段で報知された操作順で前記複数の停止スイッチを操作しない場合に比べて高い確率で所定の入賞役に入賞するように前記リールの停止制御を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技台によれば、1回の遊技に使う遊技媒体量を選択する楽しみを遊技者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている絵柄の種類や配列、入賞役の種類や内部当選確率や払い出し枚数などはあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
なお、以下の実施形態に示す遊技台においては、遊技状態として、通常遊技モードと、BB(BIG BONUS)ゲーム(特定遊技)モードと、RB(REGULAR BONUS)/SRB(SHIFT REGULAR BONUS)ゲーム(特殊遊技)モードとの3つの状態に加えて、AT(ASSIST TIME)モード(押し順報知モード)が用意されている。BBゲームモードには、BB絵柄(特定役絵柄)が揃うことにより移行する。RB/SRBゲームモードには、RB/SRB絵柄(特殊役絵柄)が揃うことにより移行する。ATモードは、内部当選した入賞役を揃えるのに有利となる押し順を報知するモードであり、抽選によって移行し、所定のゲーム数繰り返される。通常遊技モードとは、これらのBBゲームモード、RB/SRBゲームモード、ATモード、のいずれの状態にもない場合のゲーム中の状態を指す。
【0013】
<概要>
本発明の実施形態に係る遊技台の概要について、図1を用いて説明する。本遊技台は、1回の遊技に遊技媒体としてのメダルを2枚使用するか、3枚使用するかを選択可能である。そして、2枚投入遊技(メダルを2枚使用することを選択したゲーム)での内部抽選データ10と、3枚投入遊技(メダルを3枚使用することを選択したゲーム)での内部抽選データ20とが異なる設定となっている。その最も特徴的な違いは、2枚投入の通常遊技に用いられる内部抽選データ11とBBゲーム中の一般遊技に用いられる内部抽選データ13にのみ、入賞条件として押し順が特定される入賞役(ここでは小役1:ベル−ベル−ベル)が用意され、3枚投入の通常遊技にのみAT抽選データ23が用意されていることにある。3枚投入遊技用の内部抽選データ21にもベル入賞役の抽選データは存在するが、2枚投入遊技(1/2.67)の方が、3枚投入遊技(1/15.6)よりも内部当選確率が高い。しかし、2枚投入遊技の小役1には、1/6の確率で押し順を選択する停止条件選択テーブル12が関連づけられており、内部当選しても押し順(6択)を間違えれば入賞できない。一方の3枚投入遊技の小役1に関連づけられた停止条件選択テーブル22は、押し順を特定するものではなく、3枚投入遊技においてベルに内部当選すれば押し順に拘わらず入賞可能である。したがって、押し順が分からない場合には、2枚投入遊技と3枚投入遊技とでベルに対する最終的な入賞の確率は概ね変わらない設定としても、押し順が報知されるATモードでは、2枚投入すると、ベルに内部当選した場合、押し順が報知され取りこぼしがなく100%揃うため、最終的な入賞の確率は、3枚投入遊技に比べて非常に高くなる。つまり、ATモード中は2枚投入遊技の方が、3枚投入遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となる。
【0014】
ところが、ATモードに移行するための抽選自体は、3枚投入遊技でのみ行なわれるため、通常遊技中に2枚投入を続けても、ATモードには移行されず、有利にはならない。一方、2枚投入遊技と3枚投入遊技とで期待値のバランスを取るため、RBまたはSRBゲーム中に役物(いわゆるジャック)に内部当選する抽選確率14、24は、2枚投入遊技(1/15.2)が3枚投入遊技(1/1.02)よりもかなり低く設定されている。ただし、BBゲーム中の一般遊技では、2枚投入遊技の方が小役1の当選確率が高く、更にBBゲーム中にATモードであれば押し順の報知が行なわれるので、BBゲーム中の一般遊技では2枚投入を行ない、SRBゲームに移行してから3枚投入遊技に移行することが理想的となる。
【0015】
なお、BB当選確率15、25は2枚投入時の方が、3枚投入時よりも高くなっているため、ATモードを考慮しなければ、2枚投入を続けてBBに入賞してから3枚投入に移行することも考えられる。しかし、遊技全体では、ATモードによる出玉増加がなければ出玉率が100%を下回る設計であるため、遊技者はBB当選確率の高い2枚投入遊技ではなく、ATモードに移行可能な3枚投入遊技を実行し、AT当選を待って2枚投入遊技に移行するような遊技形態となる。
【0016】
<全体構成>
図2は本発明の実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。スロットマシン100は、筐体本体を構成するキャビネット201と、キャビネット201に開閉可能に取付けられた扉体を構成する前面扉101とを備え、これらにより筐体が構成されている。キャビネット201は、その正面が開放した方形箱型をなしており、その開口した正面に前面扉101が取付けられている。前面扉101は、その左側端部において図示しないヒンジ等を介してキャビネット201に取付けられており、その上下端部及び右側端部は自由端となる。
【0017】
このスロットマシン100には、複数種類の絵柄が施された複数のリールが設けられている。具体的には、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(例えば、「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、キャビネット201の内部で回転できるように構成されている。これらのメインリール110乃至112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各メインリール110乃至112が構成されている。メインリール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各メインリール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0018】
また、各々のメインリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(不図示)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のメインリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(不図示)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにメインリール110乃至112を停止させる。
【0019】
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダル)の枚数によって変化する。例えば、図2に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
【0020】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
【0021】
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、BBやRB)に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示するようにしても良い。
【0022】
払出枚数表示器126は、遊技の結果、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0023】
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
【0024】
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(不図示)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。
【0025】
スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口133に所望するメダル枚数を投入して、スタートレバー135を操作すると、メインリール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0026】
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン136a〜cが設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110乃至112の回転を個別に停止させるボタン型のスイッチである。これらのスイッチは、レバー型やボタン型に限られず、他の形式のスイッチも使用可能である。各停止ボタンの内部にはランプ(不図示)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になると、点灯している全ランプの色が赤から青へ変化し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは、各停止ボタンが押下される毎に点灯しているランプの色が青から赤へ変化する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
【0027】
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
【0028】
鍵孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、スロットマシン100の下部に設けられた受け皿170に受けとめられて溜まるようになっている。
【0029】
LCD表示器180は、液晶表示装置であり、遊技に関する各種の情報、例えば、ゲームを盛り上げるためキャラクター等を登場させるゲーム画面、スロットマシン100の内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など、を表示する。LCD表示器180に代えて、演出用のリールを装備してもよい。演出用のリールは、リール110〜112に対応させて3つ設けるようにしてもよい。
【0030】
上部発光表示部190、側部発光表示部(上側部発光表示部151、152及び下側部発光表示部155、156)、受け皿発光表示部160は、いずれも演出用の発光表示部を構成しており、本実施形態では、スロットマシン100の前面を縁取るようにして、全体として方形環状の表示部を構成している。更に、中部発光表示部153及び154、腰部発光表示部157及び158を備え、多彩な発光表示を可能としている。音孔173はスピーカからの各種音声を外部へ出力するものであり、パネル140にはスロットマシン100のキャラクタ等が描かれる。
【0031】
<制御ブロック>
図3を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、LCD表示器180を制御するLCD表示制御部500とで構成されている。
【0032】
[主制御部300]
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺デバイスとの間で制御信号やデータの受渡しが行われる。乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
【0033】
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入ブロック133の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、停止ボタン136a〜136cのいずれかが押された場合に、どの停止ボタンが押されたかを検知する停止ボタンセンサ322、及び、メダル投入ボタン131、132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323等が接続されている。
【0034】
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、各種制御データ等を記憶する記憶手段の一つである。MainCPU310は、バス370を介して、プログラムや、各種制御データ等を読み込む。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、バス370を介して、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
【0035】
また、リール110乃至112の回転と停止を行うモータ(図示省略)を制御するモータ制御部331、及び、メダル払出装置(いわゆるホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
【0036】
表示用ランプ・表示器類333とは、図2で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース340およびバス370を介してMainCPU310に接続され制御される。
【0037】
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押された停止ボタンを示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ、音声出力、LCD表示器等による演出の内容)を規定したコマンド等がある。
【0038】
[副制御部400]
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
【0039】
バックライト421は、リールの絵柄を照らす発光手段で、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部422は、上部ランプ190、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158、受け皿ランプ160をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト421および演出用発光表示部422は、出力インターフェース420、バス470を介してSubCPU410と接続されている。
【0040】
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御データに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカー(具体的には上部スピーカー及び背面スピーカー)462から音として出力される。出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データをLCD表示制御部500へ送信する。この制御データに基づいて、LCD表示制御部500は、LCD表示器180を表示制御する。
【0041】
[LCD表示制御部500]
SubCPU510は、副制御部400から送信された各種コマンドを入力インターフェース530およびバス570を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じてLCD表示器180の表示制御を行う。ROM511は、LCD表示制御部500全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)550は、外部接続されたROM552に格納されている画像データに基づきLCD表示器180の画像表示を行う。
【0042】
SubCPU510は、副制御部400から制御コマンドを受信し、制御コマンドに応じた制御信号をVDP550へ出力する。VDP550は、制御信号に基づき必要な画像データをROM552から読み出し、出力インターフェース553を介して、LCD表示器180に画像の表示を行う。LCD表示制御部500は、遊技履歴や遊技方法等の遊技情報や、内部当選役を報知等する演出情報とその演出情報の内容を解説する解説情報とを、副制御部400の制御信号に応じてLCD表示器180へ表示する。
【0043】
<絵柄配列>
図4は、各リール110〜112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各メインリール110乃至112には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図の左端に示した番号0乃至20は、各リール110〜112上の絵柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号1のコマには「ベル」の絵柄、中リール111の番号1のコマには「スイカ」の絵柄、右リール112の番号1のコマには「リプレイ(図中Rep)」がそれぞれ配置されている。
【0044】
<入賞役の種類>
入賞役の種類は任意に採用することができるが、図5、図6に示す通り本実施形態では以下の入賞役を採用する。図5は、3枚投入での、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率とを示した図である。一方、図6は、2枚投入での、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率とを示した図である。なお、各入賞役には、設定値(例えば1〜6)ごとに内部当選確率が設定されているが、図5、図6では、説明の簡略化のため、1つの設定値についての内部当選確率を示している。
【0045】
[通常遊技中の入賞役]
まず、通常遊技中(つまり特別遊技に移行していない状態)の入賞役について図5(a)、図6(a)を用いて説明する。図5(a)、図6(a)の入賞役の列に記載されているように、通常遊技中には、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、小役1〜3、及び再遊技の6種類の入賞役が存在する。各入賞役は以下のような性格を有する。
【0046】
(1)ボーナス
・ビッグボーナス(BB):
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態では、入賞時に所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しも行う。対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「赤7−赤7−赤7」及び「白7−白7−白7」である。なお、図5(a)に示すとおり、3枚投入の場合はBBの当選確率が1/350であるのに対し、図6(b)に示すとおり、2枚投入の場合は1/298となっている。
【0047】
・レギュラーボーナス(RB):
入賞によりレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態では、入賞時に所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しも行う。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「BAR−BAR−BAR」である。
【0048】
(2)小役
入賞により所定数のメダルが払い出される役である。本実施形態の場合、小役1に内部当選する確率は、1/2.67(2枚投入時)、1/15.6(3枚投入時)であり、小役1に対応する絵柄組合せは、「ベル−ベル−ベル」であり、払い出し枚数は15枚である。他の小役2(スイカ−スイカ−スイカ)、小役3(チェリー)については、当選確率を非常に小さく設定されている。
【0049】
(3)再遊技
入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「Rep−Rep−Rep」である。また、再遊技の抽選確率1/7.3となっている。
【0050】
[BBゲーム中の入賞役]
次に、図5(b)、図6(b)を用いてBBゲーム中の入賞役について説明する。BBゲーム中にも、通常遊技中と同様に、小役1〜3の入賞役が存在するが、通常遊技中と異なり、「Rep−Rep−Rep」は、再遊技ではなく、以下のようにSRB入賞役として設定されている。
【0051】
(4)シフトレギュラーボーナス(SRB)
入賞によりシフトレギュラーボーナスゲーム(SRBゲーム)が開始される入賞役である。対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「Rep−Rep−Rep」である。
【0052】
[SRBまたはRBゲーム中の入賞役]
次に、図5(c)、図6(c)を用いて、SRBまたはRBゲーム中の入賞役について説明する。
【0053】
(5)役物
RBゲームまたはSRBゲーム中に入賞する入賞役は役物と呼ばれる入賞役のみであり、入賞により所定数(例えば、15枚)のメダルが払い出される。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「Rep−Rep−Rep」、「Bar−Rep−Rep」、「赤セブン−Rep−Rep」、「白セブン−Rep−Rep」である。なお、図5(c)に示すとおり、3枚投入の場合は役物の当選確率が1/1.02であるのに対し、図6(c)に示すとおり、2枚投入の場合は1/15.2となっている。つまり、従来と異なり、RBゲームやSRBゲームが開始しても、2枚投入では、あまり役物が揃わず、メダルも増えない。なお、図6(c)では、役物当選確率は2枚投入の場合では1/15.2としたが、図5(c)の1/1.02と同じ確率とし、このときに設定するメダルの払出枚数を1枚とするものとしてもよい。
【0054】
<制御フロー>
次に本実施形態のスロットマシン100の制御フローについて説明する。図7は本実施形態のスロットマシン100における遊技実行処理のフローチャートである。遊技実行処理は、スロットマシン100の主制御部300で行われる遊技の全体的な流れを管理する処理である。
【0055】
まず、ST1002では、メダル受付処理を行う。メダル受付処理は、メダル投入口133へのメダル投入の有無をメダルセンサ320からの検知信号によりメダル投入の有無を判定する。メダルの投入を検知した場合、投入されたメダルの枚数に対応して表示ランプ125を点灯/点滅させる。
【0056】
また、スロットマシン100内にメダルが電子的に記憶され貯留されている場合、メダル投入ボタン131又は132のいずれかを押すことでも擬似的なメダル投入を行なうことができる。一回の遊技に投入できる枚数は最大3枚である。このとき主制御部300は、副制御部400にメダル投入コマンドを送信してメダル投入を認識させる。副制御部400はメダル投入コマンドに基づいてメダル投入音を発生させる処理等を行う。
【0057】
ST1004では、遊技者によるスタートレバー135の操作の有無をスタートレバーセンサ321の検知信号により判定する。スタートレバー135の操作が検知されない場合、スタートレバー135が操作されるまで待機する。スタートレバー135の操作が、スタートレバーセンサ321で検知されるとスタートレバー受付コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400はスタートレバー受付コマンドに基づいて、待機中である場合はウエイト音等を発生させる処理等を行う。
【0058】
スタートレバー135の操作があると、ST1005に進み、スタートレバー135を操作した時点でのメダル投入数が1〜3の何れであるかを判定し、開始されたゲームにおいて使用されるメダル数を選択する。なお、本実施形態では、メダル投入数が1枚の場合にはゲームをスタートしないものとする。
【0059】
次に、ST1006へ進み、MainCPU310が乱数発生器311から乱数を取得する。本実施形態では、ST1006で、以後の抽選で使用する乱数の全てを取得しているが、無論、抽選処理を行う毎に乱数取得を行っても良い。取得した乱数に基づいて、内部抽選を行う。ここでは、主として、各入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行う。内部抽選の結果は、RAM313の所定の領域に保存され、当該遊技中に参照される。なお、図5、図6を用いて説明したとおり、2枚投入時と、3枚投入時とで異なる内部抽選テーブルを用いる。また、図8を用いて詳述するが、3枚投入時には、入賞役の内部抽選の他に、ATモードに移行するか否かの抽選も行なう。
【0060】
ST1008では、リールを停止制御するための準備処理が実行される。本実施形態では停止位置データの決定が行われる。停止位置データの準備は、ROM312に記憶されている複数種類の停止位置データ選択テーブルからST1006で内部抽選した結果に応じて設定されている停止位置データを選択することで行うことができる。
【0061】
ST1010では、上部ランプ190、LCD表示器180、リールのバックライト421等を用いた演出を、内部抽選結果や遊技状態等に基づいて抽選で決定する。主制御部300は、決定された演出に基づいて、演出コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、送信された演出コマンドに対応する演出選択テーブルに基づいて演出内容を選択し、各制御部での演出を実行する。本実施形態では、ATモードの場合、どの押し順で停止ボタンを押すべきかを演出して報知する。
【0062】
ST1012で全リール110乃至112を一斉またはランダムに回転させる。全リールの回転開始を、リール回転開始コマンドを送信して副制御部400に認識させる。副制御部400はリール回転開始コマンドに基づいて設定された演出を開始する。その後、リール回転速度が一定速度に達したか否かを監視する。全リールが定速回転になり、リール停止操作が有効化されると、ST1014へ進み、遊技者による停止ボタン136a〜cの操作の受付を開始する。
【0063】
次にST1016では、遊技者が操作した停止ボタン136a〜cがいずれのリールに対応する停止ボタンであるかを停止ボタンセンサ322により検知する。主制御部300は、停止ボタンが操作されたことを検知すると、停止ボタン受付コマンドを送信して、副制御部400に、どの停止ボタンが操作されたかを認識させる。停止ボタン受付コマンドは、停止操作のあった順に第1停止受付コマンド→第2停止受付コマンド→第3停止受付コマンドと設定され、副制御部400に送信される。主制御部300は、停止ボタンが操作された瞬間のリール位置と、予め用意された停止位置データと、に基づいて停止操作のあったリールを停止させる。但し、所定時間(例えば30秒)経過しても遊技者による停止ボタン136a〜cの操作を検知しない場合は、全リール110乃至112を自動的に停止させる。停止操作のあったリールが停止すると、停止絵柄位置に対応する停止位置情報コマンドを副制御部400へ送信する。停止位置情報コマンドにより副制御部400は、リールの停止絵柄位置を認識することができる。
【0064】
次に、ST1018では、全リールが停止したか否かを判定し、全リールが停止するまで、ST1014とST1016の処理を繰り返す。
【0065】
全リールが停止した場合には、ST1018からST1020に進み、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114上に、ST1006の乱数抽選において内部当選した内部当たりに対応する絵柄の組み合せが揃って停止しているか否かを判定する。内部当たりに対応する絵柄の組み合せが揃って停止している場合には、その絵柄組み合わせに対応した入賞役に入賞したものと判定する。そして更に、判定結果に対応した入賞判定コマンドを副制御部400に送信し入賞結果を認識させる。
【0066】
入賞判定後、ST1022へ進み、入賞した入賞役に対応して予め定めた配当数をRAM313のワークエリアにセットし、このワークエリアのデータに基づいた所定数のメダルをメダル払出口165より受皿170に払い出す処理を行う。入賞判定結果が、入賞なしであった場合は、RAM313のワークエリアには払い出し枚数0が設定される。このためメダルの払い出しは行われないことになる。メダル払出枚数は、払出枚数コマンドとして副制御部400へ送信される。
【0067】
ST1024では、払出枚数表示器126に払出枚数を表示したり、貯留枚数表示器128の表示を更新したりする。
【0068】
ST1026では、遊技状態更新処理が行われる。遊技状態更新処理とは、ST1006の内部抽選結果と、ST1020の入賞判定結果とに基づいて遊技状態を通常遊技、内部当選中、BB中、役物遊技等に変更する処理をいう。遊技状態は遊技状態コマンドとして副制御部400へ送信される。
【0069】
以上により、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返される。
【0070】
<内部抽選処理>
図8は、図7のST1006で説明した内部抽選処理の詳しい内容を説明するフローチャートである。
【0071】
まず、ST2002において、乱数を取得する。これは乱数発生器311を駆動し発生した乱数をRAM313に記憶することによって実行する。
【0072】
次に、ST2004において、3枚投入遊技か否かの判断を行なう。本実施形態では、3枚投入遊技と2枚投入遊技の2種類しかないため、3枚投入でないと判断した場合には、ST2010に進み、2枚投入用の内部抽選データから、遊技状態(通常遊技かBBゲーム中の一般遊技か、SRBゲームまたはRBゲームの遊技か)に応じた内部抽選データを取得し、ST2012に進む。つまり、通常遊技中であれば、通常遊技中の遊技用の内部抽選データ(図6(a)に対応)をROM312から読出し、RAM313に展開する。また、BBゲーム中の一般遊技であれば、BBゲーム中の一般遊技用の内部抽選テーブル(図6(b)に対応)をROM312から読出し、RAM313に展開する。
【0073】
一方、3枚投入遊技の場合には、ST2004からST2006に進み、3枚投入用の内部抽選データから、遊技状態(通常遊技かBBゲーム中の一般遊技か、SRBゲームまたはRBゲームの遊技か)に応じた内部抽選データを取得する。ステップS2006の処理を行なうと、更にST2007において通常遊技か否かの判定を行ない、通常遊技の場合には、ST2008に進み、ATモードへ移行するか否かの抽選を行なうための内部抽選データを取得し、ST2012に進む。
【0074】
ST2012では、ST2004で取得した乱数と、ST2006及びST2008またはST2010で取得した内部抽選データとを比較することにより、入賞役に当選したか否か、及びATモードへ移行するか否かを判定する。そして更にST2014に進み、抽選結果を設定する。
【0075】
<入賞条件判定>
次に、2枚投入時の通常遊技中に小役1に内部当選した場合の入賞条件判定処理について説明する。本実施形態では停止データ選択テーブル12に入賞条件として停止リールの順序が設定されている。
【0076】
2枚投入時の通常遊技中に、内部抽選処理(ST1006)において、内部抽選テーブルを用いた抽選により入賞役として小役1に内部当選すると、停止準備処理(ST1008)において、図1の12のような停止データ選択テーブルを参照する。ここでは、6通りの停止位置データT1〜T6が用意されており、それぞれの停止位置データは、「ベル−ベル−ベル」が揃う入賞条件として、3つの停止ボタン136a〜cの操作順序が異なる。ここでT1が選択されると、最初の停止操作を左の停止ボタン136a、2番目の操作を中の停止ボタン136b、最後に右の停止ボタン136cを操作する場合(順押し)に、「ベル−ベル−ベル」を揃えることができ、その他の押し順ではこれを揃えることができない。T2は、左→右→中で、ベルを揃えることができ、その他の押し順では揃えることがでない。同様に、T3は、中→左→右のみで、T4は、中→右→左のみで、T5は、右→左→中でのみ、T6は、右→中→左のみでベルを揃えることができる停止位置データである。
【0077】
このように、停止位置データが複数用意され、抽選によって決定されるので、遊技者は、たとえ内部当選しても停止操作順序が停止位置データの抽選結果と合致していなければ、希望する絵柄組合せを入賞させることができない。つまり、遊技者による停止ボタンの押し順が、停止準備処理(ST1008)で抽選により選択された押し順と同一であれば(押し順正解の場合)、リール停止処理(ST1016)においてベルを揃えることを許容し、遊技者による停止ボタンの押し順が、停止準備処理(ST1008)で抽選により選択された押し順と異なれば(押し順不正解の場合)、リール停止処理(ST1016)によりベルが揃わないようにリールを制御する。
【0078】
そして、リール停止操作後、最終的に表示された絵柄組合せと、入賞判定テーブルを対比することにより、入賞判定処理(ST1020)が行なわれる。
【0079】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者に対して投入枚数を選択する新たな楽しみを与えることができる。
【0080】
具体的には、以上のように処理を行なうことにより、2枚投入遊技を続けた場合と3枚投入遊技を続けた場合と、それらをうまく組み合わせた場合とでメダル獲得枚数に違いが発生する(図9)。図9において、一点鎖線は、2枚投入遊技を示し、破線は、3枚投入遊技を示す。そして上段のグラフは2枚投入遊技のみを連続して行なった場合、下段のグラフは3枚投入遊技のみを連続して行なった場合、中段のグラフは、2枚投入遊技と3枚投入遊技を組み合わせた場合を示す。また、右上がりの斜線部分は2枚投入遊技で入賞したBBゲーム中の遊技を示し、網掛け部分は、3枚投入遊技で当選したATモード中の遊技を示し、右下がりの斜線部分は、3枚投入遊技で入賞したBBゲーム中の遊技を示す。
【0081】
図9を見ると、2枚投入遊技を続けた場合(上段グラフ)は、ATモードへの移行がなく、BBゲーム中でもSRBゲームによるメダル獲得が期待できないためメダルは徐々に減少していく。一方、3枚投入遊技を続けた場合(下段グラフ)は、BB入賞後、BBゲーム中はメダルが増加するが、ATモードでのメダル獲得がないため、じりじりとメダル数が減っていく。
【0082】
これに対し、BB入賞後のSRBゲームでは3枚投入遊技を行ない、AT当選後は2枚投入遊技を行なった場合(中段グラフ)では、ほとんどメダルを減らすことなく、むしろより多くのメダルが獲得できることになる。
【0083】
<変形例>
上述の実施形態では3枚投入遊技でのみATモードへ移行するか否かの抽選を行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2枚投入遊技に比べて3枚投入遊技での方がATモードへの移行確率が高ければよい。図1の11ではAT抽選テーブルを有するものとし、例えば抽選確率を1/1638に設定する。また、図1の22では、小役1に何ら入賞条件を設定していなかかったので、2枚投入遊技で報知を行うこととしたが、22で小役1に入賞条件を設定し、ATモード中は3枚投入遊技においても報知を行うものとしても良い。但し、ATモード中において22で小役1に設定した入賞条件に従った遊技を実行したところで、12の小役1に設定した入賞条件に従った遊技を実行した方が、メダルの払出を多く期待できるような条件を設定とする。
【0084】

また、上記実施形態では、2枚投入遊技の所定の入賞役に課された入賞条件として6通りの停止ボタンの押し順を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、もちろん順押し、逆押しのみといった2通り(2択)の押し順を入賞条件としてもいいし、他の入賞条件でも良い。他の入賞条件としては、停止操作のあったときの絵柄番号が挙げられる。つまり、停止操作のあったときの絵柄番号によって、内部当選した小役を入賞させるか否か定めることが可能である。
【0085】
さらに、本発明に係る遊技台は、上述した遊技状態に限らず、更に別の遊技状態(例えば抽選結果に関わらず、停止ボタンの操作後、最小時間内でリールを停止させる制御を行う遊技状態(いわゆるチャレンジタイムCT))を取りえてもよい。この場合であっても、3枚投入または2枚投入を継続して遊技した場合は、遊技者の利益は概ね差異はないが、遊技に使用するメダル枚数を遊技中に変化させることを条件として、獲得枚数を変化させれば、1回の遊技に使用する遊技媒体量を選択する楽しみを遊技者に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの概要を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスロットマシンの制御ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおける、3枚投入遊技での、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率とを示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおける、2枚投入遊技での、入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率とを示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係るスロットマシンの遊技実行処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係るスロットマシンの内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るスロットマシンのメダル枚数の推移について例示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回の遊技に使う遊技媒体量が第1規定数か第2規定数かを選択するための選択手段と、
予め定めた入賞役の内部当選の当否を決定する内部抽選手段と、
内部当選した入賞役に対応した絵柄組み合わせを入賞させるための入賞条件を決定する入賞条件決定手段と、
前記内部当選した場合に前記入賞条件の報知を行う、報知モードに移行するか否かの抽選を行なう報知モード移行抽選手段と、
内部当選した入賞役に対する入賞を制御する入賞制御手段と、
前記報知モードにおいて前記入賞条件の報知を行う報知手段と、
を備えた遊技台であって、
前記報知モード移行抽選手段は、前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合に、前記報知モードに移行するか否かの抽選を行ない、
前記報知手段は、前記報知モード中において、前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合に、前記入賞条件の報知を行なうことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記内部抽選手段は、
前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合には、前記第1規定数が選択された場合に比べて高い確率で前記所定の入賞役に内部当選させることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記報知モード移行抽選手段は、
前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合には、前記第2規定数が選択された場合に比べて高い確率で前記報知モードに移行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項4】
1回の遊技で消費される遊技媒体量が第1規定数か第2規定数かを選択するための選択手段と、
周囲に複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
複数種類の入賞役に対する内部当選を抽選により判定する内部抽選手段と、
前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数の停止スイッチと、
前記内部抽選手段の抽選結果及び前記停止スイッチの操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記リールが停止した状態で表示された絵柄組合せが、予め定められた複数の入賞絵柄組合せのいずれに該当するか或いはいずれにも該当しないかを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段で所定の入賞絵柄組合せが表示されていると判定した場合に、表示された入賞絵柄組合せに応じた量の遊技媒体を払い出す払出し手段と、
前記複数の停止スイッチの操作順を報知する操作順報知手段と、
を備えた遊技台であって、
前記内部抽選手段は、
前記選択手段で前記第1規定数が選択された場合に、更に、前記内部当選した場合に前記操作順報知手段の報知を行う、報知モードに移行するか否かの抽選を行ない、
前記リール停止制御手段は、
前記選択手段で前記第2規定数が選択された場合であって、更に、前記操作順報知手段で報知された操作順で前記複数の停止スイッチを操作した場合には、前記操作順報知手段で報知された操作順で前記複数の停止スイッチを操作しない場合に比べて高い確率で所定の入賞役に入賞するように前記リールの停止制御を行なうことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−61295(P2006−61295A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245558(P2004−245558)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)