説明

遊技場用システム

【課題】表示画面を閲覧する遊技者の状況を考慮した上で、遊技者にとって関心の高い表示画面を特定し、表示装置を開発するメーカにとって表示画面の開発優先度を特定する上での有用な指標を提示する。
【解決手段】遊技者が遊技していない非稼動状態における表示期間を計上対象とせずに、遊技者が遊技している稼動状態における表示期間のみを計上対象とし、稼動表示期間を表示画面毎に集計して出力する。遊技者の関心に対応した表示情報を適切に管理することができ、表示装置2を開発するメーカにとって表示画面の開発優先度を特定する上での有用な指標を提示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機毎に設けられた表示装置が各種遊技データを表示するように構成されている遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技機毎に表示装置が設けられ、各種遊技データを表示装置にて提供している。この場合、会員番号毎に表示画面毎の選択回数を集計すれば、会員番号を特定することで選択頻度の高い表示画面を優先して表示する等が可能となる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−255056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、このような表示装置を開発するメーカは、開発コストを低く抑えつつも顧客である遊技場に来店する遊技者の満足度(顧客満足度)を高め得る表示装置を開発する必要があるが、全ての表示画面を同一の優先度合いで開発していては開発コストが高くなるばかりか顧客満足度も上がらない。そこで、上記した表示画面毎の選択回数を管理すれば、遊技者がどのような表示画面に関心を持って表示画面を選択するかを把握することができ、表示画面毎に開発優先度合いを特定可能となり、顧客満足度の高い表示装置を開発可能となる。
【0005】
ところで、遊技者が表示装置の遊技データを閲覧する場合には、遊技機を選択しているとき(選択中)と遊技機で遊技しているとき(遊技中)とで閲覧する遊技データが異なる。即ち、前者の場合であれば、空台である遊技機に対応する表示装置を操作することで閲覧したい表示画面を選択することになり、この場合、表示画面が表示された後では当該表示画面が遊技者の意向に沿わなければ、そのまま他の遊技機に対応する表示装置の遊技データを閲覧することになる。即ち、特許文献1のように選択回数の多い表示画面が遊技者にとって関心の高い表示画面となり得る。その一方で、後者の場合であれば、表示画面を一度選択してしまえば、遊技に応じて変化する遊技データをそのままの表示画面にて確認することができるので、表示画面を表示したままにする。即ち、選択回数の多い表示画面ではなく表示期間が長い表示画面が遊技者にとって関心の高い表示画面となり得る。
【0006】
しかしながら、従来の遊技場用システムでは、遊技者が選択する表示画面の利用状況の管理として選択された回数(表示回数)のみを集計していたので、遊技者の状況に合わせて遊技者にとって関心の高い表示画面を特定することが今一歩、難しかった。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示画面を閲覧する遊技者の状況を考慮した上で、遊技者にとって関心の高い表示画面を特定し、表示装置を開発するメーカにとって表示画面の開発優先度を特定する上での有用な指標を提示することを可能とする遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、少なくとも対応する遊技機の遊技データを表示するために、遊技者の選択操作に応じて複数種類の表示画面のうち何れかの表示画面を選択的に表示可能な表示手段と、遊技機側から出力される遊技機の稼動状態を特定可能な稼動信号、及び前記表示手段に対する開始操作の受付けの少なくとも一方により、前記表示手段に対応する遊技機が稼動状態であるか否かを判定する稼動判定手段と、前記表示手段により選択表示された表示画面が、前記複数種類の表示画面のうち何れの表示画面であるのかを特定可能に、当該表示画面の表示期間を特定する期間特定手段と、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された表示期間に関わる稼動表示期間情報を表示画面毎に集計する稼動表示期間集計手段と、前記稼動表示期間集計手段により表示画面毎に集計された稼動表示期間情報を出力する出力手段と、を備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項2に記載した発明は、前記表示手段における表示画面の継続的な表示期間の閾値である設定表示期間を設定する設定手段を備え、前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された継続した表示期間が前記設定表示期間となった回数、又は前記設定表示期間を超過して前記表示期間が終了した回数である稼動超過表示回数を前記稼動表示期間情報として集計するところに特徴を有する。
【0010】
請求項3に記載した発明は、前記表示手段は、前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示した場合に、当該表示画面の表示を遊技者の操作によらずに終了可能であり、前記設定手段は、前記表示手段が前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示することで当該表示画面の表示を終了してから、当該表示画面を再度表示するまでの期間についての閾値である呼戻期間を設定し、前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記表示手段が前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示することで当該表示画面の表示を終了してから、当該表示画面を再度表示するまでの期間が前記呼戻期間に達しなかった回数である呼戻回数、又は前記稼動超過表示回数に対する呼戻回数の割合を前記稼動表示期間情報として集計するところに特徴を有する。
【0011】
請求項4に記載した発明は、前記稼動判定手段により稼動状態でない旨の判定がなされた状態で、前記表示手段が遊技者の選択操作に応じて表示画面を切替表示した回数である非稼動切替回数を表示画面毎に集計する非稼動集計手段と、表示画面毎に評価値を演算する評価値演算手段と、を備え、前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された表示期間である稼動表示期間を表示画面毎に集計し、前記評価値演算手段は、前記稼動表示期間集計手段により集計された稼動表示期間が、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされている期間である稼動期間に占める割合を表す稼動シェアを表示画面毎に特定する一方、前記非稼動集計手段により集計された表示画面毎の非稼動切替回数が、全ての表示画面の非稼動切替回数の合計値に占める割合を表す非稼動シェアを表示画面毎に特定し、それら稼動シェアと非稼動シェアとを組み合わせることで表示画面毎の前記評価値を演算し、前記出力手段は、前記評価値演算手段により演算された表示画面毎の評価値を前記稼動表示期間情報と比較可能に出力するところに特徴を有する。
【0012】
請求項5に記載した発明は、前記表示手段に対応して設けられ、前記表示手段が表示画面を切替えた場合、前記稼動判定手段が非稼動状態から稼動状態になった旨の判定である稼動開始判定を行った場合、及び前記稼動判定手段が稼動状態から非稼動状態になった旨の判定である稼動終了判定を行った場合に、その時刻を特定可能な時刻情報を対応付けて表示対象となる表示画面を特定可能なログ情報を作成するログ情報作成手段を備え、前記期間特定手段は、前記表示手段が表示画面を切替えた旨のログ情報である画面切替ログにより表示画面の切替えを特定し、その画面切替ログに対応する時刻情報と、その画面切替ログの次の画面切替ログの時刻情報とにより、当該画面切替ログに対応した表示画面の表示期間を特定し、前記稼動表示期間集計手段は、前記ログ情報作成手段により作成されたログ情報に基づいて、稼動開始判定がなされた旨のログ情報、及び稼動終了判定がなされた旨のログ情報に対応する時刻情報により稼動状態である旨の判定がなされている期間である稼動期間を特定し、当該稼動期間において前記期間特定手段により特定された表示期間を表示画面毎に集計することで稼動表示期間情報を集計するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載した発明によれば、遊技者が遊技していない非稼動状態における表示期間を計上対象とせずに、遊技者が遊技している稼動状態における表示期間のみを計上対象とし、表示期間に関わる稼動表示期間情報を表示画面毎に集計して出力するように構成したので、遊技者の関心に対応した表示画面を適切に管理することができ、表示装置を開発するメーカにとって表示画面の開発優先度を特定する上での有用な指標を提示することができる。即ち、表示画面の表示期間により遊技者の関心度合いを特定する場合には遊技者の状態を考慮する必要があり、遊技者が遊技機の選択時に表示画面を切替表示し、その遊技データが遊技者の意向に沿わずに次の遊技機に対応する表示装置の選択操作に移行する場合であれば、多くの遊技者は画面表示の終了操作を行わないのが一般的であることから、単に表示期間を特定するだけでは遊技者が不在の(遊技者が関心を持っていない)状態で表示画面だけが継続表示される表示期間を計上してしまう虞があるが、このような遊技者が不在で表示画面だけが継続表示される状況を除外した上で、表示画面毎の表示期間を集計することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明によれば、遊技者が比較的長い期間表示させていた表示画面を特定することができ、遊技者の関心の高い表示画面を容易に特定することができる。
請求項3に記載した発明によれば、遊技者は遊技中に表示装置を操作することなく、表示画面を横目に閲覧しながら遊技の経過情報を把握するが、表示装置により稼動状態を特定しない場合等に、遊技者が閲覧しているにも拘らず、表示画面の表示を終了し、メニュー画面等に移行する場合があり、この場合、遊技者が表示画面に関心を持っていれば同一の表示画面を再度表示させることになるが、このような遊技者が関心を持つ表示画面を特定することができる。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、上記したように遊技機に対応する表示装置の表示画面についての遊技者の関心度合いを特定する場合に、稼動状態であれば表示期間が重要となる一方、非稼動状態では表示回数が重要となるが、稼動表示期間の稼動期間に占める割合である稼動シェアと、表示画面毎の非稼動切替回数の合計値に占める割合である非稼動シェアとを特定し、それら稼動シェアと非稼動シェアとを組み合わせて評価値を特定することにより、遊技者の関心度合いを如実に反映させた評価値を把握することができる。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、上記したように稼動表示期間情報は表示装置を開発するメーカ側が主に欲する情報であり、遊技場側の関心は低く、稼動表示期間情報を営業中にリアルタイムに作成していては、遊技場側の関心の高い稼動情報の作成に掛かる処理負担に影響を及ぼす虞があるが、ログ情報により稼動表示期間情報を特定することができる。即ち、稼動表示期間情報を営業中にリアルタイムに作成する必要がなく、営業終了後、又はログ情報のみを遊技場外へと持ち出すことで、遊技場側の関心の高い稼動情報の作成に掛かる処理負担に影響を及ぼさずに稼動表示期間情報を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】遊技データ表示画面を示す図(その1)
【図3】遊技データ表示画面を示す図(その2)
【図4】設定情報を示す図
【図5】操作ログを示す図
【図6】ログ集計を示す図
【図7】利用画面集計を示す図
【図8】表示装置が行うログ情報作成処理を示すフローチャート(その1)
【図9】表示装置が行うログ情報作成処理を示すフローチャート(その2)
【図10】管理装置が行うログ情報集計処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場にはパチンコ遊技機(以下、遊技機と称する)1に対応して表示装置(貸出装置)2が設置されており、2台の遊技機1及び2台の表示装置2は中継装置3に接続されている。中継装置3はLAN4を介して例えば管理室に設置されている管理装置5に接続されている。管理装置5は、遊技機1側(遊技機1及び表示装置2等)から出力された各種遊技信号を中継装置3を介して受信する。尚、図1では省略しているが、数100台の遊技機1が管理装置5の管理対象となる。
【0019】
遊技機1は、所謂デジパチとしての周知の構成を有し、払出された遊技玉を受ける上部玉受皿6、上部玉受皿6から溢れた玉又は図示しないレバー操作により上部玉受皿6から導かれた玉を受ける下部玉受皿7、上部玉受皿6の玉を盤面に発射するためのハンドル8等が設けられている。又、遊技機1の盤面には、普図(普通図柄)入賞口9、第1始動口10、第2始動口11、第1始動口10又は第2始動口11への入賞に応じて表示図柄が変動する液晶表示部12、液晶表示部12に表示された図柄が大当たり図柄である場合に発生する大当たり時に開放する大入賞口13等が設けられている。
【0020】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口10又は第2始動口11への入賞に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部12にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
(2)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300であり、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)であり、平均継続数は1÷(1−(2/3))=3回である。
(3)大当たりが発生すると対応するラウンド(R)に応じた分(15R分)だけ大入賞口13を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(4)確変中は大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口11への入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回の大当たりまで継続するので、大当たり後に通常遊技状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続する。又、確変及び時短等の遊技者にとって通常よりも大当たりを発生させ易い状態を甘中とする。
【0021】
表示装置2は、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口14、各種遊技データや残高や獲得玉等の各種情報を表示する表示機能及び遊技者からの入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部15(本発明でいう表示手段)、遊技者が会員カードを挿入するためのカード挿入口16、遊技者がカード挿入口16に挿入されている会員カードを排出させるために操作する返却釦(排出釦)17等が設けられている。又、遊技機1の上部玉受皿7よりやや上方の位置に玉払出口18が設けられていると共に、玉払出口18を覆うように払出ノズル19が設けられており、玉払出口18から払出された遊技玉は払出ノズル19を経由して上部玉受皿7に供給される。表示装置2は、CPUからなる制御部(本発明でいう稼動判定手段、ログ情報作成手段)、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部等を備えており、各種信号や各種情報を中継装置3を介して送受信する。
【0022】
遊技機1側からは次に示す遊技信号が出力される。
「アウト信号」:使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用媒体数)を特定可能な信号(稼動信号)である。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
「セーフ信号」:遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号である。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
「スタート信号」:遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号である。第1始動口10又は第2始動口11への入賞により変動(作動)する液晶表示部12(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、第1始動口10又は第2始動口11への入賞に応じて出力される始動入賞信号を図柄変動と見做してスタート信号としても良い。
【0023】
「大当たり信号」:遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
「特別状態信号」:遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号である。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)であるので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。尚、第1始動口10又は第2始動口11への入賞率が向上する時短中にレベル出力される状態信号(時短信号)であっても良い。
「売上信号」:表示装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸出単価(例えば4円)」を売上額として特定する。
【0024】
上記した表示装置2は、遊技者からの入力(タッチ操作)を液晶表示部15にて受付けると、そのタッチ操作に応じて図2及び図3に示すような各種遊技データを表示する表示画面を表示可能である。本実施形態では表示装置2が表示する表示画面としては以下に示す7種類がある。
「メニュー画面」:「デカ文字台データ」釦20a、「台データ+大当たり履歴」釦20b、「出玉グラフ」釦20cの3個の釦20a〜20cをタッチ釦として形成して表示する「メニュー画面1」と、「30日履歴」釦、「比較データ」釦、「データ一覧」釦の3個の釦をタッチ釦として形成して表示する「メニュー画面2」(図示せず)とを切替表示する表示画面である。「次へ」釦20d又は「戻る」釦20eが押下されることで「メニュー画面1」と「メニュー画面2」とを切替表示する。
「デカ文字台データ画面」:「メニュー画面1」にて「デカ文字台データ」釦20aが押下されることで表示する表示画面であり、出玉グラフと共に周知の遊技項目(大当たり回数等)を大きな文字で表示する。「1日前」釦21a、「2日前」釦21b又は「戻る」釦21cが押下されることで1日前のデータ、2日前のデータを切替表示する。
【0025】
「台データ+大当たり履歴画面」:「メニュー画面1」にて「台データ+大当たり履歴」釦20bが押下されることで表示する表示画面であり、上記した「デカ文字台データ画面」にて表示する遊技項目に加えて、所謂大当たり履歴等を表示する。「1日前」釦22a、「2日前」釦22b、「3日連続」釦22c又は「戻る」釦22dが押下されることで1日前のデータ、2日前のデータ、3日連続のデータを切替表示する。
「出玉グラフ画面」:「メニュー画面1」にて「出玉グラフ」釦20cが押下されることで表示する表示画面であり、本日と過去7日分との出玉グラフを一覧表示する。
「30日履歴画面」:「メニュー画面2」にて「30日履歴」釦が押下されることで表示する表示画面であり、過去30日分の大当たり回数グラフを表示する。
「比較データ画面」:「メニュー画面2」にて「比較データ」釦が押下されることで表示する表示画面であり、対応する遊技機1を除く任意の遊技機1を登録したときに、対応する遊技機1と、その登録した遊技機1との遊技データを比較表示する。
「データ一覧画面」:「メニュー画面2」にて「データ一覧」釦が押下されることで表示する表示画面であり、各遊技機1の出玉グラフ等を表示する。
【0026】
中継装置3は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ)、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部等を備えており、各種信号や各種情報を送受信する(中継する)。
【0027】
管理装置5は、CPUからなる制御部(本発明でいう期間特定手段、稼動表示期間集計手段、出力手段、設定手段、非稼動集計手段、評価値演算手段)、HDD、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部、キーボード及びマウス等からなる操作部等を備え、遊技機1側から出力された遊技信号を受信することに基づいて遊技データを当該遊技機1に対して個別に付与されている遊技機ID(台番)毎に集計して特定する機能を有している。
【0028】
上記した構成では、管理装置5は、図4に示す設定情報を記憶保持しており、例えば遊技場の管理者により設定情報の更新が行われると、その更新後の設定情報を中継装置3を介して表示装置2に送信する。表示装置2は、管理装置5から送信された設定情報を中継装置3を介して受信すると、その管理装置5から送信された設定情報を新規に記憶することで自身が保持する設定情報を更新する。設定情報における各項目の意味は次の通りである。
「保持タイマ」:「メニュー画面」以外の表示画面を継続して表示する時間である。この保持タイマのタイムアップ後は遊技者の操作によらずに「メニュー画面」を表示する。
「切替タイマ」:「メニュー画面」を表示してから作動するタイマであり、この切替タイマ作動中に他の表示画面が選択された場合には「メニュー画面」への切替を操作ログ(詳しくは後述する)に記録しない。
「大当たり切替期間」:大当たり開始から次の表示画面に切替えるまでの期間に対する設定値であり、この大当たり切替期間以内に次の表示画面が切替表示された場合には、その表示画面を遊技者が大当たりの発生に伴い確認したい表示画面であると特定する。
「呼戻期間」:保持タイマのタイムアップによりメニュー画面を表示してからタイムアップ前の表示画面を表示するまでの期間に対する設定値であり、この呼戻期間以内に表示された表示画面を遊技者がタイムアップしたが継続して確認したい表示画面であると特定する。
【0029】
表示装置2は、遊技機1側から出力されたアウト信号を中継装置3を介して受信することで稼動タイマ(60秒)を作動させ、その稼動タイマの作動中を稼動中として特定したり、遊技機1から出力された大当たり信号を中継装置3を介して受信することで大当たり期間を特定したりし、図5に示す操作ログのうちログ情報を記録する。ログ情報は「時刻」及び「イベント」からなる情報(詳しくは後述する)である。そして、表示装置2は、その記録したログ情報を所定時間(例えば2時間)毎に管理装置5に送信する。
【0030】
管理装置5は、上記した表示装置2から送信されたログ情報を中継装置3を介して受信すると、ログ情報を集計することで操作ログのうち集計情報を作成し、その作成した集計情報を集計して図6に示すログ集計を作成する。集計情報は「時間間隔」、「稼動中」、「表示画面」、「タイムアウト」、「呼戻」及び「大当たり切替」からなる情報(詳しくは後述する)である。ログ集計は表示装置2が表示した表示画面の利用情報を集計したものである。管理装置5は、作成したログ集計を印字又は表示により出力可能である。又、管理装置5は、インターネット回線等の公衆回線を介して表示装置2を開発するメーカが所有するサーバと接続することで、作成したログ集計を公衆回線を介して表示装置2の開発メーカが所有するサーバにもデータ送信可能であり、更にDVD等の記録媒体にもデータ出力可能である(持ち出し可能である)。尚、インターネット回線等の公衆回線7を採用する場合にはVPN技術等を利用することでセキュリティレベルを高くすることが可能である。又、公衆回線はINS回線や電話回線等の他の回線を採用しても良い。
【0031】
操作ログにおける各項目の意味は次の通りである。尚、図5で説明した操作ログのログ情報のイベント欄及び集計情報の表示画面欄に示す<1>〜<7>は上記した7種類の表示画面に対応している。即ち、<1>は「メニュー画面」に対応し、<2>は「デカ文字台データ画面」に対応し、<3>は「台データ+大当たり履歴画面」に対応し、<4>は「出玉グラフ画面」に対応し、<5>は「30日履歴画面」に対応し、<6>は「比較データ画面」に対応し、<7>は「データ一覧画面」に対応する。
「時刻」:ログの作成時刻(時刻情報)である。ログとは換言すればレコードである。
「イベント」:ログの作成要因である。
【0032】
「時間間隔」:直前のログ(前ログ)の時刻からの差引時間である。
「稼動中」:遊技機1が稼動中であるか否かの情報であり、イベント欄に「稼動開始」を記録したログの直後のログ(次ログ)からイベント欄に「稼動終了」を記録したログまでの期間に該当するログに「○」を記録する。図5では、「NO7」から「NO22」までのログが対応する。
「表示画面」:ログ作成時に表示していた表示画面であり、イベント欄に「画面表示」を記録したログである画面切替ログのうち直前の画面切替ログより特定する。即ち、図5では、「NO10」のログについては直前の画面切替ログが「NO9」のログであるので、「NO9」のログ作成時に表示していた「台データ+大当たり履歴画面」を特定する一方、「NO13」及び「NO14」のログについては直前の画面切替ログが共に「NO12」のログであるので、「NO12」のログ作成時に表示していた「デカ文字台データ画面」を特定する。
【0033】
「タイムアウト」:画面表示中に保持タイマにより「メニュー画面」へと戻ったか否かの情報であり、イベント欄に「画面表示」を記録したログであり、直前のログからの時間間隔が保持タイマ(10分)と同一であり、更に稼動中欄に「○」を記録したログに「○」を記録する。図5では、「NO8」、「NO10」、「NO15」、「NO17」のログが対応する。
「呼戻」:タイムアウト後に同一画面が再度表示されたか否かの情報であり、直前のログがタイムアウト欄に「○」を記録したログであり、更に直前のログから呼戻期間(60秒)以内に前々ログと同一の表示画面をイベント欄に記録したログに「○」を記録する。図5では、「NO9」、「NO16」のログが対応する。
「大当たり切替」:イベント欄に「大当たり開始」を記録したログからの時間間隔が大当たり切替期間(60秒)以内であり、イベント欄に「画面表示」を記録したログに「○」を記録する。図5では、「NO12」、「NO19」のログが対応する。
【0034】
上記した操作ログにおいて、表示期間の計上対象は「稼動中」であるので、稼動中欄に「○」を記録したログが計上対象となる。即ち、「NO6」のログと「NO7」のログとでは同一の表示画面が継続表示されているが、稼動中欄に「○」を記録した「NO7」のログだけが計上対象となる一方、稼動中欄に「○」を記録しなかった「NO6」のログは計上対象とはならない。尚、表示装置2から管理装置5に送信されるログ情報は「時刻」と「イベント」とが少なくとも特定可能であれば良い。
【0035】
そして、管理装置5は、このようにして作成した遊技機1毎のログ集計の平均値を特定することで図7に示す利用画面集計を作成する。利用画面集計における各項目の意味は次の通りである。
「稼動中」:稼動中に表示されていた時間である。尚、合計は稼動時間である。
「非稼動中」:非稼動中に切替表示された回数である。
「平均切替期間」:非稼動中に切替表示される間隔である。尚、合計は非稼動時間(営業時間−稼動時間)を示し、「非稼動時間÷非稼動中」の演算式にて演算する。
「タイムアウト」:表示中に稼動状態でタイムアウト(10分)を迎えた回数である。
「呼戻」:タイムアウト後の所定時間(60秒)以内に再度表示された回数である。
「呼戻率」:タイムアウトに対する呼戻の割合であり、「呼戻÷タイムアウト」の演算式にて演算する。
「大当たり切替」:大当たりが開始してから大当たり切替期間(60秒)以内に切替表示された回数である。
「非稼動シェア」:非稼動中における全ての画面切替回数に対する切替表示回数の割合であり、「非稼動中÷非稼動中合計」の演算式にて演算する。
「稼動シェア」:稼動中における表示期間の割合であり、「稼動中÷稼動時間」の演算式にて演算する。
「総合シェア」:非稼動シェアと稼動シェアとの平均値である。
【0036】
図7に例示した利用画面集計では、「デカ文字台データ画面」と「出玉グラフ画面」とが非稼動シェアが高く、遊技者が遊技機1を選択しているときに閲覧する頻度が高い表示画面であり、遊技機1を選択中の遊技者にとって関心の高い表示画面であることが判る。その一方、「デカ文字台データ画面」と「台データ+大当たり履歴画面」とが稼動シェアが高く、遊技者が遊技機1で遊技しているときに閲覧する頻度が高い表示画面であり、遊技機1で遊技中の遊技者にとって関心の高い表示画面であることが判る。これらの結果を踏まえて、表示装置を開発するメーカでは、「デカ文字台データ画面」と「台データ+大当たり履歴画面」と「出玉グラフ画面」とについて開発優先度を高くすれば良いと判断することができる。又、表示装置を開発するメーカでは、「メニュー画面」の表示期間が長い場合であれば、表示画面自体に遊技者が関心を示していない場合が多く、関心を抱かせるような「メニュー画面」を開発する必要があると判断することができる。
【0037】
次に、上記した構成の作用について、図8乃至図9を参照して説明する。図8及び図9は表示装置2が本発明に関連して行うログ情報作成処理を示しており、図10は管理装置5が本発明に関連して行うログ情報集計処理を示している。以下、これらの処理を順次説明する。
【0038】
(1)ログ情報作成処理
表示装置2は、メイン処理を実行中にあるときにログ情報作成処理を所定周期のタイミングで開始する。表示装置2は、ログ情報作成処理を開始すると、遊技機1側から出力されたアウト信号を中継装置3を介して受信したか否かを判定する(A1)。ここで、表示装置2は、遊技機1側から出力されたアウト信号を中継装置3を介して受信したと判定すると(A1:YES)、稼動タイマを作動開始させ(A2)、稼動中であるか否かを示す稼動フラグを「0」に設定しているか否かを判定する(A3)。
【0039】
次いで、表示装置2は、稼動フラグを「0」に設定している、即ち、遊技機1側から出力されたアウト信号を中継装置3を介して受信したことに応じて稼動を開始したと判定すると(A3:YES)、稼動フラグを稼動中であることを示す「1」に設定し(A4)、時刻と対応付けて「稼動開始」をログ情報のイベント欄に記録する(A5)。図5では「NO6」のログを記録する。そして、表示装置2は、大当たり中であるか否かを示す大当たりフラグを判定する(A6)。又、表示装置2は、稼動フラグを「0」に設定していない、即ち、稼動フラグを「1」に設定しており、既に稼動中であると判定すると(A3:NO)、稼動タイマを作動開始(リスタート)させるだけで、「稼動開始」をログ情報のイベント欄に新たに記録することなく、大当たり中であるか否かを示す大当たりフラグを判定する(A6)。
【0040】
一方、表示装置2は、遊技機1側から出力されたアウト信号を中継装置3を介して受信していないと判定すると(A1:NO)、稼動中であるか否かを示す稼動フラグを「1」に設定しているか否かを判定する(A7)。ここで、表示装置2は、稼動フラグを「1」に設定している、即ち、既に稼動中であると判定すると(A7:YES)、稼動タイマがタイムアップしたか否かを判定し(A8)、稼動タイマがタイムアップしたと判定すると(A8:YES)、稼動フラグを稼動中でない(非稼動中である)、即ち、稼動を終了したことを示す「0」に設定し(A9)、時刻と対応付けて「稼動終了」をログ情報のイベント欄に記録する(A10)。図5では「NO22」のログを記録する。そして、表示装置2は、大当たり中であるか否かを示す大当たりフラグを判定する(A6)。又、表示装置2は、稼動タイマがタイムアップしていないと判定すると(A8:NO)、「稼動終了」をログ情報のイベント欄に記録することなく、大当たり中であるか否かを示す大当たりフラグを判定する(A6)。
【0041】
次いで、表示装置2は、大当たりフラグを「0」に設定している、即ち、大当たり中でないと判定すると(A6:YES)、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を開始したか否かを判定する(A11)。ここで、表示装置2は、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を開始したと判定すると(A11:YES)、大当たりフラグを大当たり中であることを示す「1」に設定し(A12)、時刻と対応付けて「大当たり開始」をログ情報のイベント欄に記録する(A13)。図5では「NO11」や「NO18」のログを記録する。そして、表示装置2は、表示画面を切替えたか否かを判定する(A14)。又、表示装置2は、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を開始していないと判定すると(A11:NO)、「大当たり開始」をログ情報のイベント欄に新たに記録することなく、表示画面を切替えたか否かを判定する(A14)。
【0042】
一方、表示装置2は、大当たりフラグを「0」に設定していない、即ち、大当たりフラグを「1」に設定しており、既に大当たり中であると判定すると(A6:NO)、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を終了したか否かを判定する(A15)。ここで、表示装置2は、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を終了したと判定すると(A15:YES)、大当たりフラグを大当たり中でない、即ち、大当たりを終了したことを示す「0」に設定し(A16)、時刻と対応付けて「大当たり終了」をログ情報のイベント欄に記録する(A17)。図5では「NO13」や「NO20」のログを記録する。そして、表示装置2は、表示画面を切替えたか否かを判定する(A14)。又、表示装置2は、遊技機1側から出力された大当たり信号の受信を終了していないと判定すると(A15:NO)、「大当たり終了」をログ情報のイベント欄に記録することなく、表示画面を切替えたか否かを判定する(A14)。
【0043】
次いで、表示装置2は、表示画面を切替えたと判定すると(A14:YES)、切替後の表示画面(切替画面)が「メニュー画面」であるか否かを判定する(A18)。ここで、表示装置2は、切替後の表示画面が「メニュー画面」でない、即ち、切替後の表示画面が「メニュー画面」以外の表示画面である例えば「デカ文字台データ画面」や「台データ+大当たり履歴画面」等であると判定すると(A18:NO)、「メニュー画面」以外の表示画面を対象として「画面表示」をログ情報のイベント欄に記録する(画面切替ログを記録する)(A19)。図5では「NO3」や「NO7」等のログを記録する。
【0044】
次いで、表示装置2は、保持タイマの作動を開始させ(A20)、切替タイマを作動中であるか否かを判定する(A21)。そして、表示装置2は、切替タイマを作動中であると判定すると(A21:YES)、切替タイマの作動を停止させ(A22)、切替フラグを「0」に設定し(A23)、ログ情報作成処理を終了してメイン処理にリターンする。又、表示装置2は、切替タイマを作動中でないと判定すると(A21:NO)、ログ情報作成処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0045】
一方、表示装置2は、切替後の表示画面が「メニュー画面」であると判定すると(A18:YES)、「メニュー画面」を対象とする「画面表示」のログ情報のイベント欄への記録(画面切替ログの記録)を保留する(A24)。そして、表示装置2は、切替タイマの作動を開始させ(A25)、切替フラグを「1」に設定し(A26)、ログ情報作成処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0046】
又、表示装置2は、表示画面を切替えていないと判定すると(A14:NO)、「メニュー画面」を表示中であるか否かを判定する(A27)。ここで、表示装置2は、「メニュー画面」を表示中でないと判定すると(A27:NO)、保持タイマがタイムアップしたか否かを判定し(A28)、保持タイマがタイムアップした、即ち、「メニュー画面」以外の表示画面を表示してから当該表示画面を切替えることなく10分が経過したと判定すると(A28:YES)、表示画面を「メニュー画面」に切替え(A29)、「メニュー画面」を対象として「画面表示」のログ情報をイベント欄に記録する(A30)。図5では「NO8」や「NO10」等のログを記録する。そして、表示装置2は、ログ情報作成処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0047】
一方、表示装置2は、「メニュー画面」を表示中であると判定すると(A27:YES)、切替タイマが作動中であるか否かを示す切替フラグを「1」に設定しているか否かを判定し(A31)、切替フラグを「1」に設定していると判定すると(A31:YES)、切替タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A32)。そして、表示装置2は、切替タイマがタイムアップした、即ち、「メニュー画面」を表示してから当該表示画面を切替えることなく10秒が経過したと判定すると(A32:YES)、これよりも先に保留しておいた「メニュー画面」を対象とする「画面表示」をログ情報のイベント欄に記録し(A33)、切替フラグを「0」に設定し(A34)、ログ情報作成処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0048】
(2)ログ情報集計処理
管理装置5は、メイン処理を実行中にあるときにログ情報集計処理を所定周期のタイミングで開始する。管理装置5は、ログ情報集計処理を開始すると、これよりも先に表示装置2から中継装置3を介して受信したログ情報に基づいて以下の処理を行う。即ち、管理装置5は、ログ間の時刻に基づいて集計情報の時間間隔を特定し、その特定した時間間隔を集計情報の時間間隔欄に記録する(B1)。次いで、管理装置5は、イベント欄に「稼動開始」が記録されているログと「稼動終了」が記録されているログとに基づいて稼動期間を特定し、集計情報の稼動中欄にログ毎に「○」又は「×」を記録する(B2)。次いで、管理装置5は、ログ毎にイベント欄に「画面表示」が記録されている直前のログに基づいて表示画面を特定し、集計情報の表示画面欄にログ毎に該当する表示画面を記録する(B3)。
【0049】
次いで、管理装置5は、イベント欄に「画面表示」を記録したログであり、直前のログからの時間間隔が保持タイマ(10分)と同一であり、更に稼動中欄に「○」を記録したログをタイムアウトに該当するログであると特定し、集計情報のタイムアウト欄の該当するログに「○」を記録する(B4)。次いで、管理装置5は、直前のログがタイムアウト欄に「○」を記録したログであり、更に直前のログから呼戻期間(60秒)以内に前々ログと同一の表示画面をイベント欄に記録したログを呼戻に該当するログであると特定し、集計情報の呼戻欄の該当するログに「○」を記録する(B5)。次いで、管理装置5は、イベント欄に「大当たり開始」を記録したログからの時間間隔が大当たり切替期間(60秒)以内であり、イベント欄に「画面表示」を記録したログを大当たり切替に該当するログであると特定し、集計情報の大当たり切替欄の該当するログに「○」を記録する(B6)。
【0050】
次いで、管理装置5は、表示画面毎に稼動中の時間間隔(稼動表示期間)を集計し、ログ集計の稼動中欄に当該集計した時間間隔を記録し(B7)、表示画面毎に非稼動中の切替回数(非稼動切替回数)を集計し、ログ集計の非稼動中欄に当該集計した切替回数を記録する(B8)。次いで、管理装置5は、表示画面毎にタイムアウト、呼戻、大当たり切替の回数を集計し、ログ集計のタイムアウト欄、呼戻欄、大当たり欄に当該集計した回数を記録する(B9)。そして、管理装置5は、遊技機1毎のログ集計の平均値を特定し、利用画面集計を作成し(B10)、ログ情報集計処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0051】
以上に説明したように本実施形態によれば、遊技者が遊技していない非稼動状態における表示期間を計上対象とせずに、遊技者が遊技している稼動状態における表示期間のみを計上対象とし、稼動表示期間を表示画面毎に集計して出力するように構成したので、遊技者の関心に対応した表示画面を適切に管理することができ、表示装置2を開発するメーカにとって表示画面の開発優先度を特定する上での有用な指標を提示することができる。
【0052】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
図6に示したログ集計を例えば1時間単位で作成することで、図7に示した利用画面集計を1時間毎に作成しても良い。即ち、単位期間としては、営業日としても良いし時間としても良く、更には1週間単位でもどのような期間を採用しても良い。又、例示した数値等は適宜変更しても良いし、対象となる表示装置2の表示画面等もどのような表示画面を対象としても良い。
【0053】
ログ情報を営業中の所定時間毎に送信したが、ログ情報を営業終了後に送信しても良い。又、図7に示した利用画面集計を遊技場内の管理装置5にて作成することに限らず、ログ情報を表示装置2の開発メーカのサーバへと送信したり記録媒体へと出力したりすることで、利用画面集計を表示装置2の開発メーカのサーバにて作成しても良い。
ログ情報を作成することなく、図7に示した利用表示画面を表示装置2又は管理装置5にてリアルタイムに作成しても良い。
保持タイマについて、タイムアウト後に「メニュー画面」を表示したが、そのまま継続して同一画面を表示しても良い。又、ログ情報から時間間隔と同一である場合にタイムアウトを特定したが、時間間隔が超過した場合にタイムアウトを特定しても良い。
【0054】
時刻情報として時刻を直接的に特定したが、営業開始時刻等の基準時刻からの経過時間等によっても基準時刻が特定可能であれば時刻を特定可能な時刻情報として採用しても良い。
評価値として非稼動シェアと稼動シェアの平均値である総合シェアを特定したが、両者の合計としたり、一方を他方により除算した値(稼動状態又は非稼動状態の関心度の特定が可能となる)としたりする等、どのような組み合わせにより特定しても良い。
アウト信号以外(例えばスタート信号等)の遊技信号を稼動信号として採用し、稼動タイマを作動させても良い。
遊技開始(稼動開始)の判定を遊技信号により特定したが、会員カードの受付や、別途設ける遊技開始釦の操作等の表示装置2への開始操作の受付に応じて特定しても良い。更に、同等の構成で遊技終了を別途判定するようにしても良い。
対象とする遊技機は例示した以外のパチンコ遊技機やパチスロ遊技機等であっても良い。
表示装置2が行う情報処理の一部又は全部を中継装置3や管理装置5等にて行う構成としても良い。又、管理装置5が行う情報処理の一部を中継装置3や表示装置2にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は遊技機、2は表示装置(表示手段、稼動判定手段、ログ情報作成手段)、5は管理装置(期間特定手段、稼動表示期間集計手段、出力手段、設定手段、非稼動集計手段、評価値演算手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、少なくとも対応する遊技機の遊技データを表示するために、遊技者の選択操作に応じて複数種類の表示画面のうち何れかの表示画面を選択的に表示可能な表示手段と、
遊技機側から出力される遊技機の稼動状態を特定可能な稼動信号、及び前記表示手段に対する開始操作の受付けの少なくとも一方により、前記表示手段に対応する遊技機が稼動状態であるか否かを判定する稼動判定手段と、
前記表示手段により選択表示された表示画面が、前記複数種類の表示画面のうち何れの表示画面であるのかを特定可能に、当該表示画面の表示期間を特定する期間特定手段と、
前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された表示期間に関わる稼動表示期間情報を表示画面毎に集計する稼動表示期間集計手段と、
前記稼動表示期間集計手段により表示画面毎に集計された稼動表示期間情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記表示手段における表示画面の継続的な表示期間の閾値である設定表示期間を設定する設定手段を備え、
前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された継続した表示期間が前記設定表示期間となった回数、又は前記設定表示期間を超過して前記表示期間が終了した回数である稼動超過表示回数を前記稼動表示期間情報として集計することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示した場合に、当該表示画面の表示を遊技者の操作によらずに終了可能であり、
前記設定手段は、前記表示手段が前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示することで当該表示画面の表示を終了してから、当該表示画面を再度表示するまでの期間についての閾値である呼戻期間を設定し、
前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記表示手段が前記設定表示期間継続して同一の表示画面を表示することで当該表示画面の表示を終了してから、当該表示画面を再度表示するまでの期間が前記呼戻期間に達しなかった回数である呼戻回数、又は前記稼動超過表示回数に対する呼戻回数の割合を前記稼動表示期間情報として集計することを特徴とする請求項2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記稼動判定手段により稼動状態でない旨の判定がなされた状態で、前記表示手段が遊技者の選択操作に応じて表示画面を切替表示した回数である非稼動切替回数を表示画面毎に集計する非稼動集計手段と、
表示画面毎に評価値を演算する評価値演算手段と、を備え、
前記稼動表示期間集計手段は、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされた状態で、前記期間特定手段により特定された表示期間である稼動表示期間を表示画面毎に集計し、
前記評価値演算手段は、前記稼動表示期間集計手段により集計された稼動表示期間が、前記稼動判定手段により稼動状態である旨の判定がなされている期間である稼動期間に占める割合を表す稼動シェアを表示画面毎に特定する一方、前記非稼動集計手段により集計された表示画面毎の非稼動切替回数が、全ての表示画面の非稼動切替回数の合計値に占める割合を表す非稼動シェアを表示画面毎に特定し、それら稼動シェアと非稼動シェアとを組み合わせることで表示画面毎の前記評価値を演算し、
前記出力手段は、前記評価値演算手段により演算された表示画面毎の評価値を前記稼動表示期間情報と比較可能に出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記表示手段に対応して設けられ、前記表示手段が表示画面を切替えた場合、前記稼動判定手段が非稼動状態から稼動状態になった旨の判定である稼動開始判定を行った場合、及び前記稼動判定手段が稼動状態から非稼動状態になった旨の判定である稼動終了判定を行った場合に、その時刻を特定可能な時刻情報を対応付けて表示対象となる表示画面を特定可能なログ情報を作成するログ情報作成手段を備え、
前記期間特定手段は、前記表示手段が表示画面を切替えた旨のログ情報である画面切替ログにより表示画面の切替えを特定し、その画面切替ログに対応する時刻情報と、その画面切替ログの次の画面切替ログの時刻情報とにより、当該画面切替ログに対応した表示画面の表示期間を特定し、
前記稼動表示期間集計手段は、前記ログ情報作成手段により作成されたログ情報に基づいて、稼動開始判定がなされた旨のログ情報、及び稼動終了判定がなされた旨のログ情報に対応する時刻情報により稼動状態である旨の判定がなされている期間である稼動期間を特定し、当該稼動期間において前記期間特定手段により特定された表示期間を表示画面毎に集計することで稼動表示期間情報を集計することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した遊技場用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−103976(P2011−103976A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259902(P2009−259902)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】