説明

遊技媒体収容箱、及び遊技媒体管理システム

【課題】遊技媒体の貸出比率及び景品の交換比率が複数設定されているときに、貸出比率及び交換比率が異なった遊技媒体で遊技することを防止するとともに、貸出比率及び交換比率の異なった遊技媒体が混同することを防止可能な遊技媒体収容箱、及び遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】遊技媒体を収容する有底筒状の箱部2と、前記箱部2から外方に延出する延出部3と、前記延出部3に設けられる共振タグ4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体収容箱及び遊技媒体管理システムに関し、特に、貸出比率の異なる遊技媒体の混同がないように、顧客に貸し出した遊技媒体を管理とする遊技媒体収容箱及び遊技媒体管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やスロット機等の遊技機は、遊技客が店舗から借りた遊技媒体を用いており、大当たり等の所定の条件を満たしたときに遊技客に所定の数量の遊技媒体を払い戻している。そして、遊技を終了するときには、獲得した遊技媒体を景品に交換している。
【0003】
パチンコ機で使用される遊技媒体としてのパチンコ玉や、スロット機で使用される遊技媒体としてのメダルは、店舗毎にその貸出比率や景品への交換比率が予め決まっている。つまり、同一店舗内では、1000円で貸し出されるパチンコ玉の数は同じであり、同一の景品であればパチンコ玉1000個で交換可能な数量も同じであった。
【0004】
最近は、1000円で250個(パチンコ玉1個当たり4円)の比率でパチンコ玉を貸し出しているのが一般的であるが、少額でも長時間遊技したいという遊技客の要望に応え、1000円で1000個(パチンコ玉1個当たり1円)の比率で貸し出している店舗もある。当然のことながら、パチンコ玉を景品に交換する交換比率は、貸出比率に対応し、それぞれ異なった交換比率で景品に交換している。
【0005】
例えば、複数のフロア(階)で営業している店舗では、フロア毎にパチンコ玉の貸出比率及び景品への交換比率を設定し、且つ、パチンコ玉を所持してのフロア間の移動を制限することにより、1個当たり1円で貸し出されたパチンコ玉を、1個当たり4円に対応する交換比率で景品に交換することを防いでいた。
【0006】
また、特許文献1には、パチンコ玉の貸出比率が異なっている場合には、貸出比率毎に着色されたパチンコ玉を使用する島別換金率可変可能な遊技方式が記載されている。
特許文献1の島別換金率可変可能な遊技方式は、複数のパチンコ機が一列に設置されたいわゆる島毎にパチンコ玉の貸出比率及び景品への交換比率を設置しておき、各島毎に異なる色彩のパチンコ玉を使用することで、交換比率の異なる他の島へパチンコ玉を所持したまま移動したとしても、店員に判別できるようにしている。つまり、1個当たり1円で貸し出されるパチンコ玉を金色に、1個当たり4円で貸し出されるパチンコ玉を通常の銀色にすることにより、貸出比率及び交換比率が異なるパチンコ玉が混同することを防止している。
【0007】
また、特許文献2には、遊技媒体の貯留状態を判定するために、遊技媒体貯留容器の側壁の外面にICタグを取り付ける、又は把手上面に水平にICタグを取り付けることが記載されています。このICタグが取り付けられた遊技媒体貯留容器は、遊技機から払い出される遊技媒体を受ける下皿の下方のカウンタに、遊技媒体貯留容器を載置する容器載置部と、容器載置部の中央に前記ICタグに記録された情報を読み取るICタグリーダとを備えている。そして、遊技媒体が貯留されればされる程、ICタグから発せられる電波の検出が困難になるという性質を利用して、ICタグからの電波の受信状態に基づいて遊技媒体の貯留状体を判定している。
【特許文献1】特開平10−216348号
【特許文献2】特開2006−263294号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ワンフロアのみで営業している店舗においては、従来のようにフロア毎に貸出比率及び交換比率が設定することはできないため、従来のように店舗内では、フロアの一画のみを貸出比率及び交換比率が異なる遊技機を設置し、通常より多くの店員を配置させて遊技媒体の移動を抑止する必要があり、人件費が通常より必要であった。
【0009】
また、特許文献1記載のように、島毎に異なった色彩の遊技媒体を使用することで、交換比率の異なる他の島へ遊技媒体を所持したまま移動したとしても、店員が容易に判別できるようにし、遊技媒体の混同を防止しているが、パチンコ玉であれば彩色されたパチンコ玉を新たに購入する必要性があり、多大な初期費用を必要としていた。さらに、遊技客の要望に対応し、彩色されたパチンコ玉を使用する島を増加させる場合には、新たに追加した島で使用する彩色されたパチンコ玉を大量に購入しなければならない。一方、彩色されたパチンコ玉を使用する島を減少させる場合には、減少した島で使用していたパチンコ玉は使用されなくなるだけでなく、従来の銀色のパチンコ玉を新たに購入する必要性があり、遊技客の要望に合わせて比率の異なる島を増減させることはできなかった。
【0010】
また、特許文献2記載の遊技媒体貯留容器は、遊技媒体貯留容器にICタグを取り付けICタグに記録された情報に基づいて遊技媒体貯留容器を識別可能でもある。しかし、当該貯留容器に遊技媒体が貯留していない状態ではICタグリーダがICタグに記録されている情報を読み取ることはできるが、貯留容器に遊技媒体が貯留した状態では、ICタグに記録されている情報を読み取ることができないため、当該貯留容器に遊技媒体を貯留した状態で比率(貸出比率及び交換比率)の異なる遊技機に移動しても判別することができないため、遊技客が不正に比率の異なる遊技機で遊技することがある。
【0011】
本発明は、係る問題に鑑み、遊技媒体の貸出比率及び景品の交換比率が複数設定されているときに、貸出比率及び交換比率が異なった遊技媒体で遊技することを防止するとともに、貸出比率及び交換比率の異なった遊技媒体が混同することを防止可能な遊技媒体収容箱、及び遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る遊技媒体収容箱は、遊技媒体を収容する有底筒状の箱部と、前記箱部から外方に延出する延出部と、前記延出部に設けられる共振タグとを備えることを特徴とする。
また本発明に係る遊技媒体管理システムは、遊技媒体収容箱と、予め設置された範囲の周波数に渡って一定の周期で反復掃引される周波数帯域を発生する送信手段と、前記遊技媒体収容箱に備える共振タグが前記掃引された電磁場によって発生する共振周波数を検出する受信手段を備えたゲート装置とを備えることを特徴とする。
したがって、箱部に遊技媒体が収容された状態でも、遊技媒体にゲート装置からの電波が遮断されても、その影響が少なく共振タグを検知することができる。
【0013】
複数の前記共振タグを延出部の異なる位置に備えてもよい。
【0014】
箱部の上端から外方に延出する延出部に一対の把持部を対向して設け、前記一対の把持部のそれぞれに前記共振タグを備えてもよい。
【0015】
前記共振タグは面上コイルを備え、水平方向に対して前記面上コイル面が所定の設置角を有して備えてもよい。
【0016】
前記面状コイルは、前記1対の把持部のそれぞれ備え、前記設置角が略45度且つ双方の面状コイルが直交するように備えてなる請求項4記載の遊技媒体収容箱。
【発明の効果】
【0017】
以上にしてなる本発明に係る遊技媒体収容箱及び遊技媒体管理システムは、箱部に金属製の遊技媒体が収容された場合でも、遊技媒体による電波の遮断の影響を少なくし、ゲート装置で共振タグを検知することができる。したがって、遊技媒体の貸出比率や交換比率が異なる店舗運営をするときでも、他の貸出比率や交換比率の場所に移動することを検知でき、貸出比率や交換比率の異なる遊技媒体を混同させることがない。
また、遊技媒体を遊技媒体収容箱に収容した状態で、貸出比率や交換比率の異なる場所に移動することを阻止するので、貸出比率や交換比率毎に着色した遊技媒体を使用する必要性がない。したがって、従来の遊技媒体を使用できるので、新たに着色した遊技媒体を購入するコストが不要となる。また、貸出比率や交換比率の異なる遊技機の台数を増減する場合でも、着色した遊技媒体を追加購入する必要性もない。
さらに、店員による監視の負担を軽減することができるので、店員が常に監視する必要性も無くなり、人件費を削減することもできる。
【0018】
また、延出部の異なる位置に共振タグを設置しているので、遊技媒体収容箱がゲート装置間を通過したときに高感度で検知することができる。
【0019】
把持部に共振タグを設けているので、把持部内に共振タグを収納することができる。
【0020】
また、共振タグのコイル面を水平方向に対して45度に設置する共に、2つの共振タグの面方向が直交していると、遊技媒体収容箱に遊技媒体を収容した状態でもゲート装置間を通過したことを確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る遊技媒体収容箱1は、パチンコ機やスロット機等の遊技機で使用されるパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を収容する収容箱である。また、遊技媒体収容箱1には共振タグ4が備えられ、後述するゲートG間を通過すると、ゲートGが共振タグを検知して遊技媒体収容箱1が通過したことが検知可能となる。
【0022】
以下の説明では、遊技機としてパチンコ機を一例に挙げて説明する。したがって、パチンコ玉が遊技媒体であり、遊技媒体収容箱1にパチンコ玉を収容する。なお、遊技機がスロット機の場合にはメダルが遊技媒体であり、メダルを遊技媒体収容箱1に収容する。遊技機がパチンコ機やスロット機以外の遊技機の場合には、当該遊技機に用いられる球やメダル等の物体が遊技媒体となる。
【0023】
また、遊技媒体収容箱1及び遊技媒体管理システムを説明するにあたり、図5に示すように、遊技店(パチンコ店)に、複数の遊技機が横方向に一列に並んで設置され、いわゆる島M(M1,…,M8)を構成し、この島Mの複数が同一フロアに設置されているときを例に説明する。
本実施例では、1000円で250個の貸出比率のパチンコ機(以下、「4円パチンコ機」と称す。)が設置された島Mと、1000円で1000個の貸出比率のパチンコ機(以下、「1円パチンコ機」と称す。)が設置された島Mとが、パチンコ店に設けられている。
図5では、島M1から島M5までの島に設置されたパチンコ機は4円パチンコ機で、島M6から島M8までの島に設置されたパチンコ機は1円パチンコ機であり、4円パチンコ機と1円パチンコ機の境界となる島M5と島M6との間の通路には、共振タグを検知するゲートG(G1,G2,G3,G4)が設けられている。
【0024】
まず、本発明の遊技媒体収容箱1について説明する。
本発明に係る遊技媒体収容箱1は、パチンコ機で使用されるパチンコ玉を収容するものであり、図2に示すように、有底筒状の箱部2と、前記箱部2から外方に向かって延出された延出部3と、前記延出部3に備えられた共振タグ4によって構成されている。
遊技媒体収容箱1は、前記共振タグ4を除き合成樹脂で構成されているが、金属以外の材質であれば木等で構成してもよい。
【0025】
前記箱部2は、上面が開口された有底筒状の箱状部材であり、底部7は略矩形状に構成されている。底部7の周囲には側壁8が設けられ、側壁8の上端から外方に延出された延出部3が設けられている。
前記延出部3には、底部の長手方向に一対の把持部5,5が設けられ、当該把持部5,5を両手で握り、持ち運び容易に構成されている。
【0026】
また、把持部5には、共振タグ4を収納する共振タグ収納部5aが設けられ、当該共振タグ収納部5aに共振タグ4を収納した後に、収納部カバー6を上方から装着されている。この収納部カバー6は、いわゆるはめ殺しの状態になるように把持部5に装着される。したがって、収納部カバー6を装着した後には、把持部5から離脱困難であり、共振タグ4を取り外すことが困難である。
また、遊技媒体収容箱1にはパチンコ玉を大量に収容した状態で持ち運ぶので、箱部の強度を高めるだけでなく、把持部5の強度を高める必要性がある。
さらに、把持部5を手で持ち上げるときに手でつかみやすくするために、箱部2の上端から下方に向かった延出させることにより持ち運び容易となるだけでなく、把持部5を共振タグ収納部5aとすることができる。
【0027】
共振タグ4は、図4に示す回路図のように、コイル9とこのコイル9に接続されたコンデンサ10とから構成している。
共振タグ4は、ほぼ矩形状のシートコイル9とコンデンサ10とからなる電波共鳴吸収回路を備えている。そして、図2に示すように、共振タグ4は前記把持部5に1つずつ備えられている。コイル9によって構成されるコイル面が水平方向に対して所定の設置角θを有して備えられている。
なお、共振タグ4の形状及び構成は、これに限定されるものではなく、各種の共振タグ
4を用いることができる。
把持部5に備えられた2つの共振タグ4,4は、それぞれ水平方向に対して略45度の設定角を有し、共振タグ4と他方の共振タグ4が直交するように設けられている。つまり、2つの共振タグ4のコイル面が直交しているので、ゲートGからの電波を受けることが困難であっても、他方の共振タグ4でゲートGからの電波を確実に受信することができる。
【0028】
また、本発明では遊技媒体収容箱1に共振タグ4を備えているが、ICタグを備えさせてもよい。ただし、ICタグはその構造上、送信側のゲートからの送信電波を受信することにより、ICに電力が供給され、ICに記録されたデータを読み取り、当該データを含んだ電波を受信側のゲートが受信して遊技媒体収容箱1がゲート間を通過したことを検知する。一方、共振タグ4は、送信側のゲートからの送信電波を受信すると、単にこの電波に共振して発せられた電波を受信側のゲートが受信してゲート間を通過したことを検知する。つまり、共振タグ4の方が単純な構成であり、ICタグのゲート間の検知距離が90〜120cm程度であるのに対し、共振タグでは150〜180cmの距離であっても検知可能である。当然のことながら、共振タグの検知距離が150cm以下であっても検知可能である。
さらに、共振タグ用の1対のゲートが20〜40万円であるのに対し、ICタグ用の1対のゲートは100万円程度と高額で初期コストが高く、共振タグを用いる方が初期コストを抑えることができる。また、ICタグ用のゲートに比べて共振タグ用のゲートの方が、設置及び調整が容易であるため、これらのコストも抑えることができる。
【0029】
つぎに、前記共振タグ4を検知するゲートG(G1,G2)について説明する。
共振タグ4を検知する1対のゲートG,Gは、送信側ゲートG1と受信側ゲートG2とからゲート装置を構成している。
【0030】
送信側ゲートG1は、図7に示すように、同一形状の単独の2つのループ11A,11Bを共通平面内の上下方向に配置して構成されている。前記両ループ11A,11Bは、予め決められた範囲の周波数にわたって一定の周期で反復掃引される周波数帯域を発生する送信手段としての送信機13に結合されている。
また、前記両ループ11A,11Bの各々が電磁的に180度逆位相になるように駆動する増幅器を前記送信機13に備えさせている。前記2つのループ11A,11Bを同一形状のものから構成することによって、ある位相の有効全ループ面積と逆位相の有効全ループ面積とが同一になるようにしている。
【0031】
受信側ゲートG2は、図7に示すように、前記各ループ11A,11Bと同一形状の単独の1つのループ12Aと、このループ12Aと共通平面内の上下にそれぞれ配置し、且つ、上下長さが該ループ12Aの1/2を有する上側ループ12B及び下側ループ12Cとから構成されている。前記3つのループ12A,12B,12Cは、掃引された電磁場によって発生した共振タグ4の共振周波数を検出する受信手段としての受信機14に結合されている。また、前記上下中央のループ12Aと、上下端部に位置する上側ループ12B及び下側ループ12Cとが電磁的に180度逆位相になるように駆動する増幅器を前記受信機14に備えさせている。前記増幅器を受信機14に備えさせる他、単独で構成してもよい。そして、前記上側ループ12Bのループ面積と下側ループ12Cのループ面積とを加えた面積と、上下中央のループ12Aのループ面積とを同一に構成している。つまり、ある位相の有効全ループ面積と逆位相の有効全ループ面積とが同一になるようにしている。
【0032】
送信側ゲートG1は、2つのループから構成し、受信側ゲートG2は3つのループから構成し、送信側と受信側のループの高さを異ならせているので、ゲートG1,G2間には、斜め方向に電波が飛ぶように構成されている。
【0033】
前記2つのゲートG1,G2間を、図6に示すように、遊技媒体収容箱1が通過すると、ゲートG2が遊技媒体収容箱1に備えられている共振タグ4を検知し、音や光等によって店員に報知可能としている。
例えば、図5に示すように、1円パチンコ機の島M6で得たパチンコ玉を遊技媒体収容箱1に収容して4円パチンコ機の島M4に移動する場合には、ゲートG1,G2間、又はゲートG3,G4間を通過する。従って、パチンコ玉の貸出比率及び景品との交換比率の異なる島Mに移動すると、ゲートから報知音が発せられ、比率の異なる島M間の移動を阻止することができる。一方、1円パチンコ機の島M6から同じ1円パチンコ機の島M8に移動するときや、4円パチンコ機の島M4から同じ4円パチンコ機の島M2に移動する時等は、ゲートG,G間を通過することなく移動可能となる。
【0034】
つぎに、共振タグ4を遊技媒体収容箱1を設置する位置と、ゲートG,G間を通過したときの高さを変化させたときの、ゲートの感度について図2,8及び表1に基づいて説明する。
【0035】
Aパターン:図2に示すように、対向する1対の把持部5,5に共振タグ4,4を水平に対して45度の角度に備え直交させたとき。
Bパターン:図3(a)に示すように、対向する1対の把持部5,5に共振タグ4B,4Bを水平(0度の角度)に備えさせたとき。
Cパターン:図3(b)に示すように、底部7の中央上面に共振タグ4Cを1つ備えさせたとき
Dパターン:図3(c)に示すように、底部7の長手方向の1対の側壁8B,8Bに共振タグ4D,4Dを備えさせたとき。
なお、図2の共振タグ4と図3(a)〜(c)の共振タグ4B,4C,4Dは、同じ共振タグである。
【0036】
表1及び図8は、遊技媒体収容箱1の上端までパチンコ玉を収納し、送信側ゲートG1と受信側ゲートG2の中央を通過したときの共振タグ4の高さと、受信側ゲートG2の受信感度(V)との関係を示している。
なお、送信側ゲートG1と受信側ゲートG2の高さは、共に155cmであり、ゲートG1,G2間の距離は160cmである。また、受信側ゲートG2の受信感度の最大値は10Vである。
【0037】
【表1】

【0038】
表1及び図8に示しているように、把持部5,5それぞれに45度の角度で共振タグ4,4を備えさせたAパターンのときには、40〜130cmの高さで最高感度の10Vとなる。また、ゲートGの高さ(155cm)の範囲内での最低の感度は、4Vである。
【0039】
把持部5、5それぞれに水平に共振タグ4B,4Bを備えさせたBパターンのときには、Aパターンに比べて全体的に感度が低くなるが、ゲートGの高さの範囲内での最低感度は2Vである。
【0040】
底部7の中央上面に共振タグ4Cを1つ備えさせたCパターンのときには、高さ90〜110cmのときに2Vの感度を得ることができたが、それ以外の高さは1V以下である。
【0041】
側壁8B,8Bに共振タグ4D,4Dを備えさせたDパターンのときには、高さ70〜90cmのときに1Vの感度を得ることができた。
【0042】
以上のことから、遊技媒体収容箱1の底面や側壁に共振タグ4を設置したときには、ゲートG2の感度が低く、遊技媒体収容箱1がゲートG1,G2間を通過しても非常に検知しにくい。
一方、把持部5(延出部3)に共振タグ4を設置したときには、ゲートG2の比較的に高い感度で検知できる。特に共振タグ4,4を水平方向に対してそれぞれ45度になるようにすると共に、2つの共振タグ4,4のコイル面が直交するように設置したときには、非常に感度が良く確実に遊技媒体収容箱1がゲートG,G間を通過したことを検出することができる。特に、40〜130cmという人が遊技媒体収容箱1を持ち運ぶ高さにおいて、10Vの感度を得ているので、ゲートG1,G2間に遊技媒体収容箱1が通過したことを確実に検出できる。
【0043】
また、本発明は、4円パチンコ機と1円パチンコ機とでパチンコ玉の色を変える必要性も無いので、4円パチンコ機と1円パチンコ機とで同じパチンコ玉を使用することができる。従って、図5に示すように、1円パチンコ機の評判が高いときには、島M5と島M6との境界に設置された4つのゲートG1,G2,G3,G4を、島M3と島M4との境界の位置G5,G6,G7,G8にそれぞれ移設させるだけで、容易に1円パチンコ機の台数を増やすことができる。つまり、ゲートG,Gを移設するだけで貸出比率及び交換比率の異なるパチンコ機を増やすことができるので、色彩のついたパチンコ玉を新たに購入する必要性も無く低コストかつ遊技客の要望に沿った店舗運営を行うことができる・
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】遊技媒体収容箱の斜視図である。
【図2】遊技媒体収容箱の側面図であり、右半分はその断面図である。
【図3】(a)は遊技媒体収容箱の取手部に共振タグを水平に取り付けた状態の側面図であり、(b)は遊技媒体収容箱の底部に共振タグを取り付けた状態の側面図であり、(c)は遊技媒体収容箱の側壁に共振タグを取り付けた状態の側面図である。
【図4】共振タグの回路説明図である。
【図5】遊技媒体の貸出比率の異なる島の境界に、ゲートを設置した状態の説明図である。
【図6】遊技媒体収容箱に遊技媒体を収容した状態でゲート間を通過した状態の説明図である。
【図7】ゲートのアンテナの形状を示す概略図である。
【図8】共振タグの高さとゲートでの受信感度の実験結果のグラフである。
【符号の説明】
【0045】
1 遊技媒体収容箱
2 箱部
3 延出部
4 共振タグ
5 把持部
5a 共振タグ収納部
6 収納部カバー
7 底部
8 側壁
9 コイル
10 コンデンサ
11 ループ
12 ループ
13 送信機
14 受信機
G ゲート
G1 送信側ゲート
G2 受信側ゲート
M 島

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を収容する遊技媒体収容箱であって、
前記遊技媒体を収容する有底筒状の箱部と、前記箱部から外方に延出する延出部と、前記延出部に設けられる共振タグとを備えることを特徴とする遊技媒体収容箱。
【請求項2】
複数の前記共振タグを延出部の異なる位置に備えてなる請求項1記載の遊技媒体収容箱。
【請求項3】
前記箱部の上端から外方に延出する延出部に一対の把持部を対向して設け、前記一対の把持部のそれぞれに前記共振タグを備えてなる請求項1又は2記載の遊技媒体収容箱。
【請求項4】
前記共振タグは面上コイルを備え、
水平方向に対して前記面上コイル面が所定の設置角を有して備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の遊技媒体収容箱。
【請求項5】
前記設置角は略45度である請求項4記載の遊技媒体収容箱。
【請求項6】
請求項1〜5に記載した遊技媒体収容箱と、
予め設置された範囲の周波数に渡って一定の周期で反復掃引される周波数帯域を発生する送信手段と、前記遊技媒体収容箱に備える共振タグが前記掃引された電磁場によって発生する共振周波数を検出する受信手段を備えたゲート装置とを備えることを特徴とする遊技媒体管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−89741(P2009−89741A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260374(P2007−260374)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(597007710)ACTUNI株式会社 (8)
【出願人】(398007025)
【出願人】(398007014)
【Fターム(参考)】