説明

遊技媒体収容箱

【課題】従来の貯留箱に比べて演出効果の高い遊技媒体収容箱を提供することである。
【解決手段】筐体部2の底部に、遊技媒体の絵等を施した演出面17を備えた疑似演出部材15a,15bを設置し、疑似演出部材15a,15bが底部として機能する貯留姿勢と、筐体部2から外部に取り出し、張り出し部11a,11cに載置することで演出面17を筐体部2の外部側面から直接視認可能な演出姿勢をとる構成とし、直接視認可能な演出姿勢にすることによって演出効果を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を貯留する遊技媒体収容箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体を使用する遊技機として一般的に知られているものに、弾球遊技機(所謂パチンコ機)とスロット機がある。特にパチンコ機は、遊技媒体としてパチンコ球(以下、球ともいう)を使用して遊技するものである。パチンコ機においては、遊技中に球が入賞口に入賞し、大当たりに当選するなどの所定条件が成立することによって、所定個数の球がパチンコ機から遊技者に対して払い出される。なお、スロット機においてもパチンコ機同様、大当たりに当選するなどの所定の条件が成立すると所定枚数のメダルが払い出される構成を有しているが、以下の説明では、理解を容易にするためにパチンコ機に注目して説明する。
【0003】
パチンコ機から払い出された球のうち、少なくともパチンコ機に備えられた受け皿(上皿及び下皿)の収容量を超える分が手動操作によって、所定の貯留箱に貯留され、その貯留箱は、遊技者が遊技を終了するまで遊技場の床等に並べられる(例えば特許文献1)。これは、他の遊技者に対して、遊技場における現在の球の出具合を効果的に知らしめる手段とされており、遊技者の遊技意欲を高めたり、場内の活気を高めたりするための演出(以下、出球演出ともいう)の1つとなっていた。即ち、大当たりに当選することによって多量の球が払い出され、球を収容した貯留箱を遊技者の足元に複数段積み重ねることが、他の遊技者の球の出具合の指標となり、自分が実際に遊技するか否かを判断する指標となる場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−301860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技場の経営者にとっては、より多くの集客を望むため、他の遊技者に強い印象を与える必要がある。
そこで、従来から他の遊技者に強い印象を与える方策の1つとして、空の貯留箱上に球を貯留した貯留箱を載置し、疑似的にかさ上げされている。即ち、他の遊技者の目線に貯留箱を近づけて貯留箱内の球を見えやすくし、実際の出球以上の演出効果が図られている。
しかしながら、出球演出としてかさ上げに使用される最下層の貯留箱は単なる空箱であり、演出効果として十分満足いくものでは無かった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、演出効果の高い遊技媒体収容箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、遊技媒体を貯留する貯留部を有する遊技媒体収容箱であって、凹部を有する筐体部と、貯留部における遊技媒体の貯留状態を疑似的に演出する疑似演出手段を有し、疑似演出手段は、凹部の底にあって、貯留部の底部となる貯留姿勢と、貯留部から外部に露出し、側面から直接視認可能な演出姿勢をとることが可能であることを特徴とする遊技媒体収容箱である。
【0008】
かかる構成によれば、疑似演出手段は、凹部の底にあって、貯留部の底部となるため、通常使用時において、疑似演出手段が箱の一部として機能し、非演出時において邪魔にならない。
また、貯留部から外部に露出し、側面から直接視認可能な演出姿勢をとるため、直接視認でき、目につきやすい。即ち、演出効果が高い。
【0009】
請求項2に記載の発明は、疑似演出手段は、少なくとも一方の面に演出面を有した板状体であり、演出姿勢において、当該板状体の演出面が外部に露出していることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体収容箱である。
【0010】
ここでいう「演出面」とは、遊技媒体の疑似的な絵や、遊技媒体の個数表示等の演出効果を有する面を表す。
【0011】
かかる構成によれば、演出姿勢において、板状体の演出面が外部に露出しているため、板状体の演出面を遊技者が直接視認しやすく、演出効果が高い。
【0012】
請求項3に記載の発明は、遊技媒体を導入する開口を有し、当該開口の縁端には、外側に張り出した張り出し部が設けられており、演出姿勢において、板状体は、張り出し部に載置されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体収容箱である。
【0013】
かかる構成によれば、演出姿勢において、板状体は、張り出し部に載置されているため、板状体の設置が容易である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、疑似演出手段は、貯留部の底部となる貯留姿勢をとるため、疑似演出手段が通常使用時において、箱の一部としての機能を有し、非演出時において邪魔にならない。また、貯留部から外部に露出し、直接視認可能な演出姿勢をとるため、直接視認でき、演出効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技場の状況を示す説明図である。
【図2】遊技機で遊技した状況を示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる遊技媒体収容箱の斜視図である。
【図4】図3の遊技媒体収容箱の分解斜視図である。
【図5】図4の筐体部の部分破断斜視図である。
【図6】図3の貯留姿勢における遊技媒体収容箱の部分破断斜視図である。
【図7】図3の演出姿勢における遊技媒体収容箱の部分破断斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態にかかる遊技媒体収容箱の使用例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる遊技媒体収容箱の分解斜視図である。
【図10】図9の筐体部を別方向から視た部分破断斜視図である。
【図11】図9の貯留姿勢における遊技媒体収容箱の部分破断斜視図である。
【図12】図9の演出姿勢における遊技媒体収容箱の部分破断斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態にかかる遊技媒体収容箱の分解斜視図である。
【図14】図13の貯留姿勢における遊技媒体収容箱の部分破断斜視図である。
【図15】図13の演出姿勢における遊技媒体収容箱の説明図である。
【図16】本発明の第4実施形態にかかる遊技媒体収容箱の貯留姿勢における部分破断斜視図である。
【図17】図16の貯留姿勢から疑似演出部材を引き出した際の遊技媒体収容箱の説明図である。
【図18】図16の遊技媒体収容箱の演出姿勢における部分破断斜視図である。
【図19】図16の遊技媒体収容箱の演出姿勢における使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右の位置関係は、図3の通常の設置位置(貯留姿勢)を基準に説明する。
【0017】
本実施形態の遊技媒体収容箱1は、主に遊技場の床面に載置されるものである。本実施形態の遊技媒体収容箱1の構成に先立って、遊技場の構造について説明する。
遊技場は、主に複数の遊技機(パチンコ機やスロット機等)200を1つの群とした所謂遊技島201が複数配されている。そこで、以下の説明においては、理解を容易にするために、1つの遊技島201(遊技機群)に注目して説明する。なお、本実施形態においては、遊技機200の具体例として、パチンコ機の場合について述べる。
【0018】
即ち、図1に示すように、遊技島201においては、所定台数分(図1では5台分)の遊技機取り付け部202が設けられており、その各遊技機取り付け部202に1台ずつ遊技機200が設置されている。具体的には、遊技島201においては、所定の台数の遊技機200が2列(図1の正面側に1列、後面側に1列)に配され、各列に遊技機200が並設されている。そして、各遊技機200に対向する位置に遊技者が着座可能な椅子(図2)が1脚ずつ配置されている。
【0019】
ところで、遊技機200は、上述したように、遊技媒体(パチンコ球)を使用して遊技する。この遊技機200においては、遊技中に球が入賞口に入賞し、大当たりに当選するなどの所定条件が成立することによって、所定個数の球が遊技機200から遊技者に対して払い出される。
【0020】
そして、遊技機200から払い出された球のうち、少なくとも遊技機200に備えられた受け皿(図示しない)の収容量を超える分が手動操作によって取り出され、所定の貯留箱又は遊技媒体収容箱1に貯留され、その遊技媒体収容箱1は、遊技者が遊技を終了するまで遊技場の床面に並べられる。
このとき、本発明の遊技媒体収容箱1を裏返し、その上に球を貯留した貯留箱又は遊技媒体収容箱1を載置し、疑似的にかさ上げする。そして、本発明は、このかさ上げされた状態での最下部に配される遊技媒体収容箱1に特徴を有する。以下、遊技媒体収容箱1について説明する。
【0021】
本発明の遊技媒体収容箱1は、少なくとも遊技媒体を貯留する貯留姿勢と、遊技媒体の貯留状態を演出する演出姿勢とを取ることが可能である。
遊技媒体収容箱1は、図4のように筐体部2と、疑似演出手段3とを有する。
【0022】
まず、筐体部2の構成について説明する。
筐体部2は、図3,4のように略直方体状の本体部5と使用者が持ち運ぶための把持部12とを有している。
本体部5は、図4、図5のように長方形状の底面部7と、底面部7の端部から上方向に延びた4つの側壁部8a〜8dからなっている。即ち、底面部7の上方には、4つの側壁部8a〜8dに囲まれた貯留空間10が形成されている。貯留空間10は、上方に開放した空間である。言い換えると、底面部7と側壁部8a〜8dによって凹部が形成されている。
そして、側壁部8a〜8dの上端部(底面部7と対向側)には外側方向(貯留空間10と対向する方向)に張り出した張り出し部11a〜11dが設けられている。そして、短辺側の張り出し部11b,11dは、略中央部で把持部12と接続されている。また、張り出し部11a〜11dによって開口33が形成されている。
把持部12は、使用者が持ち運ぶ際に把持する部位である。そして、張り出し部11b,11dの上面と把持部12の上面はいずれも同一平面上にあり、面一となっている。
底面部7の長辺側に位置する張り出し部11a,11cは、図5のように外側方向先端に下方に向けて突出した係合部16a,16cを有している。即ち、本体部5は、側壁部8aと張り出し部11aと係合部16aとによって囲まれた固定空間23aを有している。同様に、本体部5は、側壁部8cと張り出し部11cと係合部16cとによって囲まれた固定空間23cを有している。固定空間23a,23cは、ともに貯留姿勢において下方に開放された空間である。
【0023】
本体部5の下部に目を移すと、底面部7の長辺と接続する側壁部8a,8cの下端部近傍には、スリット状の貫通孔20が設けられている。貫通孔20は、後述する疑似演出手段3を挿入可能となっている。即ち、貫通孔20は、側壁部8a,8cの厚み方向に貫通した孔であり、疑似演出部材15a,15b(図4参照)を挿通可能となっている。
また、貫通孔20の開口21の下辺付近には、本体部5の中途から開口21の下辺に向けて下り傾斜した傾斜部18が設けられている。傾斜部18は、緩やかに傾斜している。傾斜部18は、貫通孔20の長手方向lの中央に形成されている。
底面部7には、図5のように幅方向wの中央に固定部22が設けられている。固定部22は、長手方向l全体に亘って設けられている。固定部22は、断面形状が略「T」字状となっている。固定部22は、支持部31と、支持部31の上端部から幅方向w外側に張り出した張り出し固定部30とを有している。
即ち、張り出し固定部30と支持部31と底面部7によって囲まれた固定空間26が形成されている。固定空間26は、支持部31の幅方向wの両外側に形成されている。この固定空間26は、幅方向w外側に向けて開放された空間であり、その延長線上に貫通孔20が位置している。
張り出し固定部30は、その張り出し方向先端部に下方向に突出した突起部32を有している。突起部32は、長手方向l全体に亘って形成されている。突起部32は、疑似演出手段3の疑似演出部材15の切り欠き溝27(図4参照)と係合可能となっている。
底面部7と張り出し固定部30の下面との距離Hは、疑似演出手段3の疑似演出部材15(図4参照)の厚みとほぼ等しい。即ち、底面部7と突起部32によって、疑似演出部材15の一部を張り出し固定部30の弾性限度内で挟持可能となっている。
【0024】
続いて、疑似演出手段3の構成について説明する。
疑似演出手段3は、図4のように複数の疑似演出部材15(本実施形態では2つ)で構成されている。
本実施形態では、疑似演出手段3は、疑似演出部材15aと疑似演出部材15bとで構成されている。疑似演出部材15a,15bは、図4のように少なくとも上面に、遊技媒体の絵等を施した演出面17を有した長方形状の板状体である。疑似演出部材15a,15bは、本体部5内に底面部7と平行となる姿勢で収納可能となっている。
そして、疑似演出部材15aの幅方向(図4のw方向)内側端部付近は、長辺に沿って形成された切り欠き溝27を有している。切り欠き溝27は、長手方向l全体に亘って形成されている。そして、前記したように、切り欠き溝27は、貯留姿勢において、張り出し固定部30の突起部32(図5参照)と係合可能な形状となっている。
【0025】
一方、疑似演出部材15aの幅方向(図4のw方向)外側端部付近は、摘持部25を有している。摘持部25は、長手方向lの中央部分に形成されている。摘持部25は、部材厚方向に切り欠きされて形成されている。即ち、疑似演出部材15aは、摘持部25を摘持し、幅方向wの外側に引っ張ることによって筐体部2から着脱可能となっている。
また、疑似演出部材15bは、貯留姿勢において、疑似演出部材15aと左右対称となっていること以外はほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0026】
続いて、各姿勢における遊技媒体収容箱1の各部材の位置関係、特に筐体部2と疑似演出手段3の位置関係について、主に図6,7を参照しながら説明する。
まず、説明の都合上、図6のように筐体部2内に疑似演出手段3が収納され、遊技媒体を貯留可能な姿勢(以下、貯留姿勢ともいう)から説明する。
貯留姿勢では、遊技媒体収容箱1は、図6のように疑似演出部材15a及び疑似演出部材15bが、貫通孔20から挿入されており、その挿入方向先端部分は、固定部22によって本体部5の底部に固定されている。
具体的には、固定部22の固定空間26(図5参照)内に疑似演出部材15a及び疑似演出部材15bの内側端部が挿入されており、張り出し固定部30と底面部7によって疑似演出部材15a及び疑似演出部材15bが挟まれている。そして、突起部32が切り欠き溝27に当接している。
摘持部25は、本体部5の貯留空間10の外側に露出している。また、摘持部25は、傾斜部18の上方に位置している。即ち、本体部5の外部から疑似演出部材15a及び疑似演出部材15bを摘持可能となっている。
張り出し固定部30及び疑似演出部材15a,15bは一体となって、水平方向を向いており、底板として機能している。そして、張り出し固定部30及び疑似演出部材15a,15bのそれぞれの上面は、同一平面上にあり、面一となっている。
【0027】
次に、演出姿勢について、一般的な使用手順に沿って説明する。
まず、遊技媒体収容箱1を矢印(図6参照)のように回転させて天地を逆転させる。その後、摘持部25を摘持し、本体部5の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材15a,15bを本体部5の外側に引き抜く。そして、疑似演出部材15a,15bを本体部5の張り出し部11a,11cの上方(貯留姿勢では下方)に位置する固定空間23内に挿入する。
このとき、図7のように、本体部5の外側に疑似演出部材15a,15bが位置しており、外部側面から直接疑似演出部材15a,15bの演出面17が視認可能となっている。即ち、疑似演出部材15a,15bは、本体部5から外部に露出し、側面から演出面17を直接視認可能な姿勢(以下、演出姿勢ともいう)を取る。
【0028】
この姿勢において、張り出し部11a,11c上に疑似演出部材15a,15bが載置されている。即ち、疑似演出部材15が水平方向に対して交差する方向に立設するように疑似演出部材15を本体部5の側壁部8a,8cに立てかけている。
そして、疑似演出部材15a,15bの下面の一部(図7では内側面)は、本体部5の側壁部8a,8cに当接しており、係止されている。一方、疑似演出部材15a,15bの上面の一部(図7では外側端面)も、本体部5の係合部16a,16cの内壁に当接しており、係止されている。即ち、演出面17が外側を向いており、側面から直接視認できるようになっている。
【0029】
本発明の第1実施形態の遊技媒体収容箱1によれば、例えば、図8のように床面に並べて演出する場合、遊技媒体収容箱1内に遊技媒体が貯留されていなくても、演出姿勢にすることによって、図8のように演出面17によって出球演出が可能である。
第1実施形態の遊技媒体収容箱1によれば、演出の変更時において、疑似演出部材15a,15bを取り替えることで演出の変更が可能であるため、遊技媒体収容箱1全体を変更する必要がなく、演出の変更時のコストが低い。
【0030】
続いて、以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
第2実施形態の遊技媒体収容箱50は、第1実施形態の遊技媒体収容箱1と同様、遊技媒体を貯留する貯留姿勢と、遊技媒体の貯留状態を演出する演出姿勢とを取ることが可能である。
遊技媒体収容箱50は、図9のように筐体部52と、疑似演出手段53とを有する。
筐体部52は、第1実施形態の筐体部2とほぼ同様の構成を有している。
【0032】
第1実施形態の筐体部2と異なる点について説明すると、筐体部52には、固定部22がない。
張り出し部11a,11cには、図10のように受け穴57が複数設けられている。本実施形態では、受け穴57は張り出し部11a,11cにそれぞれ2コずつ設けられている。
また、受け穴57の位置は、図12のように組み立て、完成時(演出姿勢)に疑似演出部材60a,60bの突起部55に対応する位置に設けられている。
疑似演出手段53は、図9のように第1実施形態の疑似演出手段3の構成とほぼ同様の構成を有している。
第1実施形態の疑似演出手段3と異なる点について説明すると、疑似演出手段53は、複数の疑似演出部材60(本実施形態では2つ)から構成されている。
本実施形態では、疑似演出手段53は、疑似演出部材60aと疑似演出部材60bから構成されている。
本実施形態では、図11のように固定部22で固定する代わりに疑似演出部材60a,60b間で互いに固定する。即ち、疑似演出部材60a,60bは、双方を接続させると1枚の板材となる。疑似演出部材60a,60bは、図9のように幅方向wの内側端部に突起部55と固定穴56が設けられている。なお、図面の都合上、図9では、疑似演出部材60bのみ突起部55と固定穴56が図示されている。
突起部55は円柱状の突起であり、固定穴56は開口形状が円形の有底穴である。そして、疑似演出部材60a,60bの突起部55は、互い違いに食い違っている。一方、疑似演出部材60a,60bの固定穴56も、互い違いに食い違っている。即ち、疑似演出部材60aの突起部55と疑似演出部材60bの固定穴56、疑似演出部材60aの固定穴56と疑似演出部材60bの突起部55は、互いに嵌合可能となっている。
また、各疑似演出部材60a,60bの突起部55と固定穴56は、長手方向lに1列に並んでいる。そして、突起部55と固定穴56は、長手方向lに交互に配されている。疑似演出部材60a,60bの突起部55は、図12のように張り出し部11a,11cの受け穴57内に挿入可能であり嵌合可能となっている。
【0033】
続いて、各姿勢における遊技媒体収容箱50の各部材の位置関係、特に筐体部52と疑似演出手段53の位置関係について、主に図11,12を参照しながら説明する。
まず、貯留姿勢(図11)から説明する。
疑似演出手段53の疑似演出部材60a,60bは、筐体部52の貫通孔20から本体部5の内部に挿入されている。そして、疑似演出部材60a,60b間で、疑似演出部材60a,60bの突起部55と固定穴56が双方に挿入され、嵌合している。
摘持部25は、傾斜部18の上方に位置している。摘持部25は、貯留空間10の外側に露出している。即ち、本体部5の外部から疑似演出部材60a,60bを摘持可能となっている。
【0034】
次に、演出姿勢について、一般的な使用手順に沿って説明する。
まず、遊技媒体収容箱50を矢印(図11参照)のように回転させて天地を逆転させる。その後、摘持部25を摘持し、筐体部52の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材60a,60bを筐体部52の外部へ引き抜く。そして、疑似演出部材60a,60bを本体部5の張り出し部11a,11cの下方(図12では上方)に位置する固定空間23内に挿入する。
このとき、図12のように、本体部5の外側に疑似演出部材60a,60bが位置しており、外部から直接疑似演出部材60a,60bの演出面17を視認可能となっている。即ち、本体部5から外部に露出し、演出面17を直接視認可能な姿勢(以下、演出姿勢ともいう)を取る。
【0035】
張り出し部11a,11c上に疑似演出部材60a,60bが載置されている。即ち、疑似演出部材60が水平方向に対して交差する方向に立設するように疑似演出部材60a,60bの突起部55が、張り出し部11a,11cの受け穴57内に挿入されており、互いに嵌合している。即ち、演出面17が外側を向いており、側面から直接視認できるようになっている。
【0036】
第2実施形態の遊技媒体収容箱50は、演出姿勢において、疑似演出部材60a,60bに突起部55を有し、当該突起部55は、張り出し部11a,11cの受け穴57内に挿入されている。
【0037】
それ故に、遊技媒体収容箱50によれば、演出姿勢において、疑似演出部材60a,60bの突起部55が、張り出し部11a,11cの受け穴57内に挿入されているため、疑似演出部材60a,60bが外れにくく、倒れにくい。
【0038】
上記した実施形態では、1つの遊技媒体収容箱で疑似演出を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つの遊技媒体収容箱に跨がって疑似演出部材を設置してもよい。具体的には、第3実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
第3実施形態の遊技媒体収容箱70は、第1実施形態の遊技媒体収容箱1と同様、遊技媒体を貯留する貯留姿勢と、遊技媒体の貯留状態を演出する演出姿勢とを取ることが可能である。
【0040】
遊技媒体収容箱70は、図13のように筐体部72と疑似演出手段73とを有している。
疑似演出手段73は、複数の疑似演出部材80(本実施形態では2つ)から構成されている。
本実施形態では、疑似演出手段73は、疑似演出部材80aと疑似演出部材80bとで構成されている。疑似演出部材80a,80bの幅方向wの長さは、底面部7の幅方向wの長さよりもやや大きい。疑似演出部材80は、側面視略「L」字状となっている。疑似演出部材80a,80bは、演出本体86と、摘持部87を有している。摘持部87は、演出本体86に対して傾斜して立設している。
【0041】
続いて、各姿勢における遊技媒体収容箱70の各部材の位置関係、特に筐体部72と疑似演出手段73の位置関係について、主に図14,15を参照しながら説明する。
まず、貯留姿勢(図14)から説明する。
疑似演出手段73の疑似演出部材80a,80bは、貫通孔20から挿入されており、本体部5の内部に疑似演出部材80a,80bの双方が挿入されている。そして、疑似演出部材80a上に疑似演出部材80bが載置されている。具体的には、疑似演出部材80aの演出本体86上に疑似演出部材80bの演出本体86が載置されており、疑似演出部材80a,80bの摘持部87は互いに上下方向に対向する方向を向いている。
また、摘持部87は、本体部5の外側に露出している。ここで、摘持部87は、演出本体86に対して傾斜して立設しているため、側壁部8a,8cと摘持部87との間に所定の空間が形成されている。即ち、前記空間内に使用者の指を挿入可能となっており、本体部5の外部から疑似演出部材80a及び疑似演出部材80bを摘持可能となっている。
【0042】
次に、演出姿勢について、一般的な使用手順に沿って説明する。
まず、遊技媒体収容箱70を矢印(図14参照)のように回転させて天地を逆転させる。そして、その遊技媒体収容箱70の底面部7上に別の遊技媒体収容箱70を載置する。その後、摘持部87を摘持し、筐体部72の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材80a,80bを筐体部72の外部に引き抜く。そして、疑似演出部材80a,80bを本体部5の張り出し部11a,11cの下方(図15では上方)に位置する固定空間23内に挿入する。
このとき、図15のように、本体部5の外側に疑似演出部材80a,80bが位置しており、外部側面から直接疑似演出部材80a,80bの演出面17を視認可能となっている。即ち、本体部5から外部に露出し、演出面17を側面から直接視認可能な姿勢(以下、演出姿勢ともいう)を取る。
【0043】
この姿勢において、2コの遊技媒体収容箱70に亘って疑似演出部材80a,80bが立てかけられている。
即ち、2コの遊技媒体収容箱70(説明の都合上、上部遊技媒体収容箱70aと下部遊技媒体収容箱70b)を上下方向に設置する。このとき、遊技媒体収容箱70の互いの底面部7同士が重なっている。即ち、下部遊技媒体収容箱70bの開口33は、下方を向いており、上部遊技媒体収容箱70aの開口33は上方を向いている。
疑似演出部材80a,80bの一方の端部は上部遊技媒体収容箱70aの疑似演出部材80a,80bの摘持部87に当接している。疑似演出部材80a,80bの他方の端部は下部遊技媒体収容箱70bの係合部16a,16cに当接している。疑似演出部材80a,80bは演出面17が外側を向いており、側面から直接視認できるようになっている。
【0044】
第3実施形態の遊技媒体収容箱70は、疑似演出部材80a,80bを有し、当該疑似演出部材80a,80bは、2つの遊技媒体収容箱70に亘って、立てかけられており、疑似演出部材80a,80bの演出面17は外側を向いている。
【0045】
第3実施形態の遊技媒体収容箱70によれば、2つの遊技媒体収容箱70に亘って、疑似演出部材80a,80bが立てかけられているため、視認しやすく、演出効果が高い。
【0046】
続いて、以下、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
第4実施形態の遊技媒体収容箱100は、第1実施形態の遊技媒体収容箱1と同様、遊技媒体を貯留する貯留姿勢と、遊技媒体の貯留状態を演出する演出姿勢とを取ることが可能である。
【0048】
遊技媒体収容箱100は、図16のように筐体部102と疑似演出手段103とを有している。
疑似演出手段103は、疑似演出部材110aと疑似演出部材110bから構成されている。
固定部112は、内部に巻き取り部材115と接続部材116とを有している。また、固定部112は、外側方向に突出した係合突起120を有している。
巻き取り部材115は、接続部材116を巻き取り可能な部材であり、ケース117と接続部材116を巻き取り可能なリール118とを有している。
リール118は、ボビンである。リール118は接続部材116を巻き取る方向に付勢されている。
接続部材116は紐状体である。また、接続部材116は折り曲げ自在となっている。接続部材116の一方の端部はリール118と接着されており、接続部材116が離反することを防止している。接続部材116の他方の端部は疑似演出部材110a,110bの端部に接着されている。
係合突起120は断面形状が円形の柱体である。
【0049】
疑似演出部材110は、図17のように1又は複数の受け穴121を有している。
本実施形態では、疑似演出部材110a,110bの内側方向端面には、受け穴121がそれぞれ2つずつ設けられている。受け穴121の内壁は、係合突起120の外壁の形状とほぼ等しい。なお、図17では図面の都合上、受け穴121は1つしか図示していない。疑似演出部材110の内側方向端面の長手方向lの略中央位置には、接続部材116が固着されている。
疑似演出部材110の外側方向端面には、1又は複数の固定片122が設けられている。本実施形態では疑似演出部材110a,110bの外側方向端面には、固定片122がそれぞれ2つずつ設けられている。なお、図17では図面の都合上、固定片122は1つしか図示していない。
固定片122は、略「コ」の字状となっている。
張り出し部11a,11cの下面(図18では上面)には、演出固定部123を有している。
疑似演出部材110a,110bの固定片122は、張り出し部11a,11cの演出固定部123と係合可能となっている。そして、固定片122は、引き出す際に摘む摘持部としても機能する。
【0050】
続いて、各姿勢における遊技媒体収容箱100の各部材の位置関係、特に筐体部102と疑似演出手段103の位置関係について、主に図16,18を参照しながら説明する。
まず、貯留姿勢(図16)から説明する。
疑似演出手段103の疑似演出部材110a,110bは、貫通孔20に挿通されており、受け穴121内に係合突起120が挿入されている。
固定片122は、本体部5の外側に露出している。即ち本体部5の外部から固定片122を摘持可能となっている。
【0051】
次に、演出姿勢について、一般的な使用手順に沿って説明する。
まず、遊技媒体収容箱100を矢印(図16参照)のように回転させて天地を逆転させる。その後、固定片122を摘持し、筐体部102の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材110a,110bを筐体部102の外部に引っ張り出す。そして、疑似演出部材110a,110bを本体部5の張り出し部11a,11cの下面(図18では上面)に位置する固定空間23内に挿入する。
このとき、図19のように、本体部5の外側に疑似演出部材110a,110bが位置しており、外部から直接疑似演出部材110a,110bの演出面17を視認可能となっている。即ち、本体部5から外部に露出し、側面から演出面17を直接視認可能な姿勢(以下、演出姿勢ともいう)を取る。
演出固定部123は、図18のように固定片122と係合しており、接続部材116が張力によってケース117内への移動することを規制している。
疑似演出部材110a,110bは演出面17が外側を向いており、側面から直接視認できるようになっている。
【0052】
第4実施形態の遊技媒体収容箱100は、筐体部102と疑似演出部材110a,110bを有し、疑似演出部材110a,110bと接続される接続部材116と、接続部材116を巻き取り可能な巻き取り部材115を有し、貯留姿勢において、巻き取り部材115は接続部材116を自動的に巻き取り可能となっている。
【0053】
第4実施形態の遊技媒体収容箱100によれば、自動的に接続部材116を巻き取ることが可能であるため、姿勢の変更が容易である。
【0054】
上記した第3実施形態では、2コの遊技媒体収容箱70を上下に配列したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体収容箱70の上に従来の貯留箱を載置してもよい。
【0055】
上記した実施形態では、側壁部8a,8c側から疑似演出部材を引き抜いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、側壁部8b,8dにスリット状の貫通孔20を設けて、側壁部8b,8d側から疑似演出部材を引き抜いてもよい。
【0056】
上記した実施形態では、遊技媒体収容箱1を回転させて天地を逆転させたのちに、摘持部25を摘持し、本体部5の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材15a,15bを引き抜いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、摘持部25を摘持し、本体部5の内部(貯留空間10側)から疑似演出部材15a,15bを引き抜いた後に、遊技媒体収容箱1を回転させて天地を逆転させてもよいし、疑似演出部材15a,15bを本体部5の張り出し部11a,11cに位置する固定空間23内に挿入したのちに遊技媒体収容箱1を回転させて天地を逆転させてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,50,70,100 遊技媒体収容箱
2,52,72,102 筐体部(貯留部)
3,53,73,103 疑似演出手段
11a,11b 張り出し部
15a,15b,60a,60b,80a,80b,110a,110b 疑似演出部材
17 演出面
33 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を貯留する貯留部を有する遊技媒体収容箱であって、
凹部を有する筐体部と、
貯留部における遊技媒体の貯留状態を疑似的に演出する疑似演出手段を有し、
疑似演出手段は、凹部の底にあって、貯留部の底部となる貯留姿勢と、
貯留部から外部に露出し、側面から直接視認可能な演出姿勢をとることが可能であることを特徴とする遊技媒体収容箱。
【請求項2】
疑似演出手段は、少なくとも一方の面に演出面を有した板状体であり、
演出姿勢において、当該板状体の演出面が外部に露出していることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体収容箱。
【請求項3】
遊技媒体を導入する開口を有し、
当該開口の縁端には、外側に張り出した張り出し部が設けられており、
演出姿勢において、板状体は、張り出し部に載置されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体収容箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−48810(P2013−48810A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189417(P2011−189417)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】