説明

遊技機

【課題】遊技領域を最大限まで拡大することを可能にした遊技機を提供する。
【解決手段】球移動領域が形成される遊技盤と、該遊技盤を収納する遊技盤収納部が形成された内枠と、を備えた遊技機において、前記球移動領域は、遊技球が転動する遊技領域と、該遊技領域へ向けて発射された遊技球を誘導する球発射通路と、から形成されるとともに、前記遊技盤を区画することによって該遊技領域と該球発射通路とを形成する区画部材を有し、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、遊技球を誘導可能な球移動領域の一部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いる遊技機の遊技領域に関し、特に、遊技に使用される領域の拡大を図る遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内枠の前面に、遊技盤の遊技領域を囲むように内周面にレール案内部を成形した覆い部材を取り付けた外側レールを取り付けることで、遊技盤交換時に外側レールを移し替える作業を省くとともに、前面枠本体の簡素化を図り、制作費を軽減する遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−143985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した従来の遊技機では、内枠に遊技球を案内する外側レールのほぼ全体を取り付けることになるので、遊技領域の大幅な確保をすることはできず、かえって遊技領域を狭めることになっていた。
【0004】
そこで本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、遊技に使用される領域を最大限まで拡大することを可能にした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、球移動領域が形成される遊技盤と、該遊技盤を収納する遊技盤収納部が形成された内枠と、を備えた遊技機において、前記球移動領域は、遊技球が転動する遊技領域と、該遊技領域へ向けて発射された遊技球を誘導する球発射通路と、から形成されるとともに、前記遊技盤を区画することによって該遊技領域と該球発射通路とを形成する区画部材を有し、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、遊技球を誘導可能な球移動領域の一部を形成する。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記球発射通路の一部を形成する。
【0007】
第3の発明は、第1の発明において、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記遊技領域の一部を形成する。
【0008】
第4の発明は、第2の発明において、前記内枠に形成された球発射通路の一部の底面部は、前記遊技盤の表面と面一に形成されるとともに、前記球発射通路の壁部は、遊技領域側へ傾斜している。
【0009】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、前記内枠は、当該内枠の内周縁上部に突設される引掛片と、当該内枠の内周縁部に複数設けられ、前記遊技盤を当該内枠に止着するための止着部材と、を有し、前記区画部材は、当該区画部材の上辺部に形成され、前記引掛片に係合する取付部と、当該区画部材の周縁部に形成され、前記内枠に止着するために止着部材と係合する止着部材受部と、を有し、前記引掛片を前記取付部に係合させてから、前記止着部材受部に止着部材を止着させることにより、前記遊技盤を前記内枠に取り付ける。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、球移動領域が形成される遊技盤と、該遊技盤を収納する遊技盤収納部が形成された内枠と、を備えた遊技機において、前記球移動領域は、遊技球が転動する遊技領域と、該遊技領域へ向けて発射された遊技球を誘導する球発射通路と、から形成されるとともに、前記遊技盤を区画することによって該遊技領域と該球発射通路とを形成する区画部材を有し、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、遊技球を誘導可能な球移動領域の一部を形成するので、遊技に使用される領域を遊技盤外部の内枠にまで拡大することが可能となる。
【0011】
第2の発明によれば、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記球発射通路の一部を形成するので、球発射通路を内枠に設けることで、遊技盤上の球発射通路の面積を減少させることが可能となり、これによって遊技領域を拡大することができる。
【0012】
第3の発明によれば、前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記遊技領域の一部を形成するので、内枠を用いて遊技領域を拡大することができる。
【0013】
第4の発明によれば、前記内枠に形成された球発射通路の一部の底面部は、前記遊技盤の表面と面一に形成されるとともに、前記球発射通路の壁部は、遊技領域側へ傾斜しているので、区画部材と内枠に球発射通路を分割構成した場合でも、発射された遊技球の流れに支障を来すことなくスムーズに遊技球を誘導することができ、球移動領域の遊技球の転動に与える影響を低減させることが可能となる。
【0014】
第5の発明によれば、前記内枠は、当該内枠の内周縁上部に突設される引掛片と、当該内枠の内周縁部に複数設けられ、前記遊技盤を当該内枠に止着するための止着部材と、を有し、前記区画部材は、当該区画部材の上辺部に形成され、前記引掛片に係合する取付部と、当該区画部材の周縁部に形成され、前記内枠に止着するために止着部材と係合する止着部材受部と、を有し、前記引掛片を前記取付部に係合させてから、前記止着部材受部に止着部材を止着させることにより、前記遊技盤を前記内枠に取り付けるので、遊技盤を取り付ける際に上部を優先的に取り付けるようにしたことによって、横方向に無駄なスペースを確保しておく必要がなく、遊技機内部の遊技に使用される領域を効率的に確保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)1の正面図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態のガラス枠8が開放された内枠23の正面図である。
【0017】
遊技機1の前面枠3は、機枠2にヒンジ4aを介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤5は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収納される。後述する遊技領域7の前面は、内枠23にヒンジ4bを介して開閉可能に取り付けられたガラス枠8に組み込まれたカバーガラス9で覆われる。ガラス枠8の前面は、略円形状の開口部10aが形成される。
【0018】
なお、図2では、カバーガラス9を介して透過されるガラス枠8の前面の装飾部材の図示を省略する。図2において、ガラス枠8の裏面に形成された略半円状の枠は、カバーガラス9を固定するための部材に形成された開口枠であって、ガラス枠8の前面からその形状を視認できない。つまり、当該枠の形状は、ガラス枠8の前面に形成された開口部10aの形状と対応しない。
【0019】
遊技盤5の表面には、外側レール6a及び内側レール6b(図1の点線)、この内側レール6bで囲われた略円形状の遊技領域7並びに外側レール6a及び内側レール6bに挟まれて構成され、遊技領域7に向けて発射された遊技球を遊技領域7に誘導する球発射通路121が形成される。外側レール6bには、後述する金属製のガイドレール49が取付けられる。このガイドレール49が発射された遊技球を滑らかに遊技領域7へ誘導する。
【0020】
遊技機1の球発射通路121は、ガラス枠8内のガラス9を透して視認可能である(図2参照)。
【0021】
遊技盤5は、遊技領域7及び球発射通路121から形成される球移動領域122並びに樹脂製の区画部材45によって構成される(図2参照)。この区画部材45は、発射装置から発射された遊技球を遊技領域7へ案内し、球発射通路121及び遊技領域7の球発射通路側(図4左側)を区画する第1区画部材46と、該第1区画部材46の一端(図4右上端)に隣接した状態で遊技盤5に固定され、遊技領域7の右上側を区画する第2区画部材47と、上記第1区画部材46の他端(図4右下端)に隣接した状態で遊技盤5に固定されているとともに第2区画部材47に隣接した状態で固定され、遊技領域7の右下側を区画する第3区画部材48とに3分割して構成されている。
【0022】
区画部材45の一部を構成し、遊技領域7の右下に設けられた後述する第3区画部材48は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート301で覆われている。そして、証紙プレート301に覆われた領域内には、三連の7セグメントLEDよりなる遊技状態表示器11が、開口部10aを通して視認できる位置に設けられている。この7セグメントLEDは、発光した状態では証紙プレート301を透過して視認可能である。
【0023】
前面枠3の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置12が設けられ、これらの装飾発光装置12は、大当り等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する。前面枠3の下部には、遊技球を発射装置に案内する上皿13、下皿14及び打球発射装置の操作部15が配設される。
【0024】
上皿13の右上部には、球貸しを指令する球貸スイッチ17、及び、カードの返却を指令する返却ボタン18が設けられる。これらのボタン17、18の右上方には、遊技球の残数(カードの残高)を表示する残存球表示部19が設けられる。また、下皿14の左には、スピーカ20及び灰皿21が設けられる。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤5と内枠23の説明図である。図3(A)は、区画部材45が取り付けられた遊技盤5の説明図である。図3(B)は、遊技機正面から見て左側に、区画部41によって球移動部40が形成された内枠23の説明図である。
【0026】
遊技盤5は、図3(A)に示すように、後述する第1区画部材46、第2区画部材47、第3区画部材48及びガイドレール49等の区画部材が取付けられている。
【0027】
また、ガイドレール49の左端は、遊技盤5からはみ出している。このガイドレール49のはみ出した部分を保護すべく、運搬時、保管時などには、遊技盤5の左端にガイドレール保護部材36を取付けて保護することもできる。これによって、薄い金属性のガイドレール49を、運搬時や保管時の破損、変形などから保護することができるとともに、運搬時や保管時の作業者の負傷も防止することができる。
【0028】
内枠23は、図3(B)に示すように、前面枠3に取付けられる矩形状の開口部20を上寄りに開設した略額縁状の部材である。この内枠23の遊技盤収納部70(図5参照)内に遊技盤5を交換可能な状態で取り付けることができる。
【0029】
内枠23の開口部20の内周縁の遊技機前面から見て左側部には、区画部41が設けられている。内枠23には、前述したガイドレール49の遊技盤5からはみ出した部分が嵌合される、球移動領域122の一部を構成する球移動部40が、区画部41によって形成されている。この球移動部40を内枠23に形成し、遊技盤5に形成された球移動領域122と接続して、ガイドレール49を発射球案内部材61の外側に露出させることで、遊技に使用される領域を拡大することが可能となる。
【0030】
ここで、前述したように、従来、内枠の前面に、遊技盤の遊技領域を囲むように内周面にレール案内部を成形した覆い部材を取付けた外側レールを取付けるものがある(特許文献1参照)。
【0031】
しかし、本願発明の第1の実施形態では、内枠に対して外側レールを取り付ける必要がないことから、部品点数の削減が可能となる。さらに外側レールの取付け作業も必要ないため、作業性の向上を実現することができる。
【0032】
次に遊技盤5上に球移動領域122を区画する区画部材について説明する。
【0033】
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤5と区画部材45の分解斜視図である。
【0034】
遊技盤5は、図4に示すように、合板やプラスチックなどからなる遊技盤5の表面に、装飾用のセルシートを貼付し、該セルシートの上から球移動領域122を略円形に区画して、球移動領域122、並びに球発射通路121及び遊技領域7を形成するための区画部材45を、遊技盤5の各辺に沿う状態で止着されている。この区画部材45は、前述したように、発射装置から発射された遊技球を遊技領域7へ案内し、球発射通路121及び遊技領域7の球発射通路側(図中左側)を区画する略C字状の第1区画部材46と、該第1区画部材46の一端(図中右上端)に隣接した状態で遊技盤5にネジ止め等の手段によって固定され、遊技領域7の右上側を区画する第2区画部材47と、上記第1区画部材46の他端(図中右下端)に隣接した状態で遊技盤5にネジ止め等の手段によって固定されているとともに第2区画部材47に隣接した状態で遊技盤5にネジ止め等の手段によって固定され、遊技領域7の右下側を区画する第3区画部材48とに3分割して構成されている。
【0035】
第1区画部材46は、球移動領域122の球発射通路側(図中左側)を区画する部材であり、遊技盤5の前面側に球発射通路121を形成する合成樹脂製の発射球案内部材61と、該発射球案内部材61に取り付けられる金属製のガイドレール49と、遊技盤5の前方からガイドレール49を発射球案内部材61に取り付けるためのガイドレール取付部材63とにより構成されている。
【0036】
また、第1区画部材46は、遊技盤5の上方左側部(図中上方左側部)に位置する部分に指先を引っ掛けられる程度の窪部を設けて、遊技盤5を内枠23から着脱する際のハンドル部50が形成され、さらに、遊技盤5に取り付けられた状態における、遊技盤5の上辺左側に位置する箇所に、後述する内枠23の引掛片30を係合する取付部33を備えている。
【0037】
ここで、第1区画部材は、この発射球案内部材61に設けられたガイドレール49を支持する壁部67の一部(図中左端)を欠いた構成としている。これにより、後述するように、この欠いた部分からガイドレール49を発射球案内部材61の外側に露出して、球発射通路121を内枠23に形成することによって、球移動領域122と球移動部40を接続することで遊技に使用される領域を拡大することができる。
【0038】
ガイドレール49は、壁部67と略同じ幅を有する帯状の金属板(例えば、ステンレス鋼板)により形成されており、壁部67の内周面に、その長手方向に沿って円弧状に湾曲した状態で取り付けられている。このガイドレール49は、上下各端を遊技領域7の外側に向かってクランク状に屈曲している。なお、本実施形態におけるガイドレール49の材質は、上記したステンレス鋼に限らず、例えば、鉄に亜鉛メッキを施したものでもよい。
【0039】
第2区画部材47は、遊技領域7側の端部に円弧状の区画壁51を一体成形している。この区画壁51は、遊技盤5の上部から右側中央部分にかけて遊技盤5の前方に向かって起立しており、球発射通路121から遊技領域7へ誘導された遊技球が遊技領域7の外へ飛び出さないようにしている。
【0040】
また、第2区画部材47は、遊技盤5の上方右側部(図中上方右側部)に位置する部分に指先を引っ掛けられる程度の窪部を設けて、遊技盤5を内枠23から着脱する際のハンドル部56が形成され、さらに、遊技盤5の上辺右側に位置する部分に、後述する内枠23の引掛片31を係合する取付部34を備えている。
【0041】
第3区画部材48は、遊技領域7側の端部に円弧状の区画壁52を一体成形している。この区画壁52は、一端(図中上端)を区画壁51の下端に連続するように設けられており、遊技盤5の左側中央部分から下部にかけて遊技盤5の前方に向かって起立している。そして、第3区画部材48は、前面の一部に認可シールや確率スペック等の表示シールを貼付して掲示する掲示部53を備えている。
【0042】
また、第3区画部材48は、遊技盤5の下方左側部(図中下方左側部)に位置する部分に指先を引っ掛けられる程度の窪部を設けて、遊技盤5を内枠23から着脱する際のハンドル部58が形成され、さらに、遊技盤5に取り付けられた状態における、遊技盤5の上辺左側に位置する箇所に、後述する内枠23の引掛片30を係合する取付部33を備えている。
【0043】
図5は、本発明の第1の実施の形態の内枠23の斜視図である。
【0044】
前述したように、内枠23は、前面枠3に取付けられる矩形状の開口部20を上寄りに開設した略額縁状の部材である。
【0045】
内枠23は、一体成型した合成樹脂製の枠体であり、遊技盤収納部70内に遊技盤5を交換可能な状態で取付けることができる。遊技盤収納部70は、内枠23の裏側の内周縁の上部に設けられた内周縁上部(図示省略)、内枠23の左右に設けられた左の側壁部78及び右の側壁部(図示省略)、並びに内枠23の下部に設けられた底面部74によって四方を囲むことによって形成されている。内枠23の開口部20の内周縁上部に、遊技盤5を係合するための引掛片30、31が形成されており、遊技盤5の上辺の左右にそれぞれ設けた取付部33、34(図4参照)とにより遊技盤5を着脱可能な状態で止着することができるように構成されている。
【0046】
引掛片30、31は、遊技盤5の上辺のそれぞれ左右の取付部に係合して遊技盤を掛止する部材である。また、引掛片30、31は、弾性を有する部材、例えば金属により形成されており、引掛片30、31を前方に撓ませることにより復元力を生じて、この復元力によって遊技盤5を、後方へ押し付けながら掛止できるように構成されている。
【0047】
また、内枠23は、開口部の内周縁の左側の側壁部78の上側左部及び上側右部、並びに右側の側壁部の下側左部にクランプ54、55及び59を備えている。このクランプ54、55及び59は、遊技盤5を後方へ押え付けながら固定するための部材である。
【0048】
まず、クランプ54、55及び59が遊技盤5の配置される領域から退避するように、左側のクランプ54及び59は時計回りに回動させて下向させ、右側のクランプ55は反時計回りに回動させて下向させる(図3参照)。次に、遊技盤5を前述した引掛片30、31で掛止して内枠に嵌め込んだ後、クランプ54、55及び59が遊技盤の前面に配置されるように、クランプ54及び59を反時計回りに回動させ、クランプ55を時計回りに回動させる。これによって、クランプ54、55及び59と内枠23の前面部との間で遊技盤5の左右側部にそれぞれ設けられたハンドル部50、56及び58(図4参照)を挟み込むことによって、遊技盤5を固定することができるように構成されている。
【0049】
また、前述したように、内枠23の遊技盤収納部70の左の側壁部70に、前述したガイドレール49の遊技盤5からはみ出した部分が嵌合される球移動部40が形成されている。この球移動部40を内枠23に形成し、遊技盤5に形成された球移動領域122と接続することによって、遊技に使用される領域を拡大することが可能となる。
【0050】
なお、本実施の形態では、クランプ54、55及び59を内枠23の遊技盤収納部70の左の側壁部78の上側左部及び上側右部並びに右の側壁部の下側左部に設けているが、クランプ54、55及び59を遊技盤収納部70の左の側壁部70及び/又は右の側壁部の中央部又は下部に設けてもよく、また、遊技盤収納部70の底面部74に設けてもよい。
【0051】
ここで、クランプ54、55及び59を、内枠23に形成された球移動部40を回避して設けることによって、球移動領域122と球移動部40の接続による遊技に使用される領域の拡大を妨げずに、遊技盤5を内枠23に固定することが可能となる。
【0052】
図6は本発明の第1の実施の形態の遊技盤5とガイドレール保護部材36とが結合している状態の斜視図である。
【0053】
図6に示すように、遊技盤5には、遊技盤5の各辺に沿う状態で第1区画部材46、第2区画部材47及び第3区画部材48が止着されている。これらの区画部材が遊技盤5に止着されることで、遊技盤5から遊技機前方へ向かって起立した壁部62によって遊技盤5が区画される。これによって遊技球が転動する遊技領域7、遊技領域に向けて発射された遊技球を遊技領域に誘導する球発射通路121及びこれらから形成される球移動領域122が形成される。また、前述したように、遊技盤5の左側の第1区画部材46の欠けた部分からガイドレール49がはみ出すことになるが、この遊技盤5の左側には、前述したガイドレール保護部材36が結合されている。
【0054】
このように、遊技盤5に第1区画部材46〜第3区画部材48によって形成される球移動領域122は、内枠23の左側に形成された球移動部40と接続されることによって、遊技に使用される領域が拡大されている。
【0055】
図7は、本発明の第1の実施の形態の球移動領域122の球発射通路121の説明図である。図7(A)は、球発射通路121の正面図である。図7(B)は、図7(A)の球発射通路121のA−A断面図である。
【0056】
球発射通路121は、図7(A)に示すように、左右の壁はそれぞれ外側レール6a及び内側レール6bによって、底面は内枠23に備えられた区画部41及び遊技盤5によって構成される。
【0057】
外側レール6a及び内側レール6bは、ともに円弧状に形成されている。外側レール6aは、発射された遊技球を球発射通路121の外側から案内することで遊技機正面から見て時計回りに回転運動させて遊技領域7まで導く。内側レール6bは、球発射通路121と遊技領域7とを区画して遊技球が遊技領域7に流入することを防止する。
【0058】
なお、外側レール6aは、その内側にガイドレール49が取付けられているため、球移動領域122と球移動部40の接続部分を遊技球が通過する際にも、遊技球は滑らかに外側レール6aに取付けられたガイドレール49に沿って球発射通路121を遊技領域7に向けて移動することができ、発射された遊技球の流れに支障を来すことなく、スムーズに遊技球を誘導することができる。
【0059】
また、球発射通路121の底面80は、内枠に形成されている底面81と遊技盤に形成されている底面82とから構成されており、図7(b)に示すように、内枠23に設けられた区画部41の底面81と遊技盤5の底面82とが略同一面を形成している。これによって、底面81と底面82に段差がないので、球移動領域122と球移動部40の接続部分を遊技球が通過する際にも、遊技球は滑らかに球発射通路121を遊技領域7に向けて移動することができ、発射された遊技球の流れに支障を来すことなく、スムーズに遊技球を誘導することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、外側レール6aは、遊技盤5から垂直に起立しているが、外側レール6aを遊技機の内側(遊技領域7側)に傾斜させてもよい。
【0061】
外側レール6aを内側に傾斜させた場合には、球発射通路121を転動する遊技球を、球発射通路121の底面80に押し付けるようにしながら誘導することができ、発射された遊技球の流れに支障を来すことなく、スムーズに遊技球を誘導することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態においては、内枠23に設けられた区画部41に形成されている底面81及び遊技盤5に形成されている底面82から形成されている球発射通路121の底面80は、遊技盤7と平行な平面によって構成されているが、これに限らず、底面80は遊技盤7との関係において傾斜していてもよく、さらに、底面80は曲面によって一部又は全部を構成してもよい。
【0063】
〈第1の実施の形態の変形例〉
ここで、本発明の第1の実施の形態の変形例について説明する。
【0064】
この変形例は、ガラス枠8の枠の一部を半透明の樹脂製とする構成である点が異なる。なお、第1の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図8は、本発明の第1の実施の形態の変形例の遊技機(パチンコ機)201の正面図である。
【0066】
この変形例は、図8に示すように、ガラス枠8の枠の左側の球発射通路121を覆う部分を半透明の樹脂製として、背後の球発射通路121を遊技者が視認可能な半透明部202を形成した構成になっている。これによって、球移動領域122が視認可能となっている。
【0067】
また、遊技盤5の前面枠3にヒンジ4bを介して開閉可能に取り付けられたガラス枠8の前面には、略円形状の開口部10aとともに、開口部10aの円弧を外側に右下方に拡張するようにして形成された切欠部10b形成されている。
【0068】
この切欠部10bによって、証紙プレート301に覆われた領域内の、三連の7セグメントLEDよりなる遊技状態表示器11が、視認可能となっている。
【0069】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0070】
第2の実施の形態は、球移動領域2122と接続することによって、遊技に使用される領域を拡大する球移動部2040が遊技機正面から見て右側に形成されている点が異なる。なお、第1の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
図9及び図10は、本発明の第2の実施の形態の遊技機2001の拡大された球移動領域2122を説明する図である。
【0072】
図9は、本発明の第2の実施の形態のガラス枠8と内枠23を示す正面図である。
【0073】
本実施の形態の遊技機2001は、内枠23の右側部に区画部2041が設けられている。この区画部2041によって球移動領域2122と接続することによって遊技に使用される領域を拡大する球移動部2040が形成されている。これによって、遊技に使用される領域が遊技盤5から遊技機正面から見て右にはみ出して拡大されている。また、ガラス枠8は、この球移動部2040を転動する遊技球を視認できるように、略半円形の開口部10aは右に(図中左)に拡大されている。
【0074】
図10は、本発明の第2の実施の形態の遊技盤5と内枠23の説明図である。図10(A)は、第1区画部材46、第2区画部材47、第3区画部材48及びガイドレール49等によって形成される区画部材45が取付けられた遊技盤5の説明図である。図10(B)は、遊技機正面から見て右側に、内枠23が有する区画部2041によって球移動部2040が形成された内枠23の説明図である。
【0075】
遊技盤5は、図10(A)に示すように、第1区画部材46、第2区画部材47、第3区画部材48及びガイドレール49等の区画部材が取付けられている。
【0076】
内枠23は、図10(B)に示すように、前面枠3に取付けられる矩形状の開口部20を上寄りに開設した略額縁状の部材である。
【0077】
内枠23の開口部20の内周縁の遊技機前面から見て右側部には、区画部2041が設けられている。遊技盤5に取付けられた区画部材の切れ目と接続される球移動部2040が形成されている。この球移動部2040を内枠23に形成することによって、第2区画部材47及び第3区画部材48と内枠23に備えられ球移動部2040を区画する区画部2041とを接続することで、球移動領域2122内枠を23に形成された球移動部2040と接続して、遊技に使用される領域を拡大することが可能となる。
【0078】
以上説明したように、第2の実施の形態では、球移動領域2122を拡大する球移動部2040を遊技盤5の右側に形成している。これによって、拡大された部分が接続されるのは、第1の実施の形態のように球発射通路ではなく遊技領域であるため、区画部2041によって内枠23に形成された球移動部2040のとの接続部分の状態が遊技球の流れに及ぼす影響は比較的少ないので、内枠23の底面と遊技盤5の底面との接続面が多少ずれていたり、接続されて出来た形状が完全な弧を描いていなくても遊技に来す支障が少ないことによって、内枠23と遊技盤5との接続状態の条件を緩和しつつ球移動領域を拡大することが可能となる。
【0079】
上記した実施形態は、代表的な弾球遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技球を発射装置から球発射通路を通して遊技領域に発射して遊技を行う弾球遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、内部に封入した遊技球を循環させる封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機等の弾球遊技機であってもよい。
【0080】
また、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、今回開示した実施の形態では、球移動領域を内枠の左又は右に拡大した例を例示したが、内枠の上方に拡大してもよく、さらに拡大する箇所は、一箇所に限らず複数であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遊技機全体の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のガラス枠が開放された内枠の構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の遊技盤と内枠の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の遊技盤と区画部材の分解斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の内枠の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の遊技盤とガイドレール保護部材とが結合している状態の斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の球移動領域の球発射通路の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の変形例の遊技機全体の構成を示す正面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のガラス枠と内枠を示す正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の遊技盤と内枠の説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 遊技機
3 前面枠
5 遊技盤
7 遊技領域
6a 外側レール
6b 内側レール
23 内枠
30、31 引掛片
33 取付部
34 取付部
40 球移動部
41 区画部
45 区画部材
46 第1区画部材
47 第2区画部材
48 第3区画部材
49 ガイドレール
50、56、58 ハンドル部
54、55、59 クランプ
121 球発射通路
122 球移動領域
2001 遊技機
2040 球移動部
2121 球発射通路
2122 球移動領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球移動領域が形成される遊技盤と、
該遊技盤を収納する遊技盤収納部が形成された内枠と、を備えた遊技機において、
前記球移動領域は、遊技球が転動する遊技領域と、該遊技領域へ向けて発射された遊技球を誘導する球発射通路と、から形成されるとともに、前記遊技盤を区画することによって該遊技領域と該球発射通路とを形成する区画部材を有し、
前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記球移動領域の一部を形成することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記球発射通路の一部を形成することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記内枠は、前記区画部材と接続することによって、前記遊技領域の一部を形成することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記内枠に形成された球発射通路の一部の底面部は、前記遊技盤の表面と面一に形成されるとともに、前記球発射通路の壁部は、遊技領域側へ傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記内枠は、
当該内枠の内周縁上部に突設される引掛片と、
当該内枠の内周縁部に複数設けられ、前記遊技盤を当該内枠に止着するための止着部材と、を有し、
前記区画部材は、
当該区画部材の上辺部に形成され、前記引掛片に係合する取付部と、
当該区画部材の周縁部に形成され、前記内枠に止着するために止着部材と係合する止着部材受部と、を有し、
前記引掛片を前記取付部に係合させてから、前記止着部材受部に止着部材を止着させることにより、前記遊技盤を前記内枠に取り付けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−181529(P2007−181529A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−737(P2006−737)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】