説明

遊技機

【課題】遊技者により遊技が進行されていないと考えられる場合において、スピーカから音声出力される楽曲によって周囲の遊技者になるべく迷惑がかからないようにした遊技機を提供する。
【解決手段】スタートレバーの操作によりリールが回転開始し、当選状況通知コマンドを受信すると、ゲーム中楽曲の再生を開始してスピーカから出力させるとともに、0秒から経過時間の計測を開始する。計測してる経過時間が30秒となると、これまで再生しているゲーム中楽曲よりも再生される音量のレベルが相対的に低い静音楽曲の再生を開始してスピーカから出力させる。停止ボタンの操作によりいずれかのリールが停止し、リール停止コマンドを受信すると、0秒から経過時間の計測を再び始める。静音楽曲が再生されていたときには、再びゲーム中楽曲が再生開始されてスピーカから出力される。リールが3つとも停止すると、ゲーム中楽曲(または静音楽曲)の再生が停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継続的に再生される楽曲をスピーカから音声出力する遊技機に関し、特に遊技者により遊技が行われてないと考えられるときに楽曲の再生に対して静音制御を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートレバーを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示態様に従って入賞が発生する。
【0003】
入賞となる役の種類としては、小役、ボーナス、リプレイといった種類がある。ここで、ボーナスの入賞では、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行される。レギュラーボーナスやビッグボーナスに遊技状態が移行されると、一般に通常の遊技状態に比べて遊技者が獲得できるメダルの量が大幅に増加することとなる。そこで、メダルの獲得への遊技者の期待感を高めさせて遊技の興趣を向上させるため、これらの遊技者に有利な遊技状態に移行されたときには、通常の遊技状態では再生されない所定の楽曲を再生するものとしたスロットマシンがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−277203号公報(段落0046、0048)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスロットマシンでは、レギュラーボーナスやビッグボーナスという有利な遊技状態にあるときに再生出力される楽曲は、周囲の遊技者にも知覚されるものとなり、他の遊技者が有利な遊技状態でゲームを行うことが周囲の遊技者にも有利な遊技状態の発生を期待させるという効果も得られる。しかし、特許文献1のスロットマシンでは、遊技者にとって有利な遊技状態にあれば、実際に遊技者が遊技を行っているか否かに関わらずに比較的大音量で楽曲が再生出力されたままとなるので、周囲の遊技者が却って迷惑に感じてしまう場合もあった。
【0006】
本発明は、遊技者により遊技が進行されていないと考えられる場合において、スピーカから音声出力される楽曲によって周囲の遊技者になるべく迷惑がかからないようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、
継続的に再生される楽曲(ゲーム中楽曲)をスピーカ(スピーカ7L、7R、7U)から音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段(RAM122)と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段(ADP127)と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段(CPU121)と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段(ステップS504、S509)とを備え、
前記楽曲データ記憶手段は、前記楽曲の楽曲データとは別に、再生される音量のレベルが前記楽曲よりも相対的に低い静音楽曲(静音楽曲)の楽曲データを記憶しており、
前記楽曲再生制御手段は、前記楽曲が再生されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データに代えて前記静音楽曲の楽曲データを読み出させて該静音楽曲の再生を開始させ、遊技者により遊技が行われている状態となるまで該静音楽曲を継続的に再生させる静音制御を行う静音制御手段(ステップS515)を含む
ことを特徴とする。
【0008】
上記第1の観点にかかる遊技機では、楽曲が継続的に再生されてスピーカから音声出力されるが、該楽曲が再生されている状態で遊技が行われないまま所定の時間が経過すると、再び遊技者により遊技が行われている状態となるまで、再生されている楽曲に代えて再生される音量のレベルが相対的に低い静音楽曲が再生される静音制御が行われることとなる。このため、遊技店で複数台の遊技機を並べて設置しているような場合において、遊技の行われていない遊技機から相対的に高いレベルで再生される楽曲が出力されることがなく、当該遊技の行われてない遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる遊技機は、
継続的に再生される楽曲(ゲーム中楽曲)をスピーカ(スピーカ7L、7R、7U)から音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段(RAM122)と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段(ADP127)と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段(CPU121)と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段(ステップS504、S509)とを備え、
前記スピーカは、前記遊技機の正面方向を中心とした所定の指向角の範囲で音声を出力する指向性スピーカと、該指向性スピーカの指向角よりも広い範囲で音声を出力する無指向性スピーカとを含み、
前記楽曲再生制御手段は、
前記楽曲再生手段により再生される楽曲を少なくとも前記無指向性スピーカから音声出力させる通常制御を行う通常制御手段(ステップS505の変形)と、
前記通常制御により前記楽曲が音声出力されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、遊技者により遊技が行われている状態となるまで前記楽曲再生手段により再生される楽曲を前記指向性スピーカのみから音声出力させる静音制御を行う静音制御手段(ステップS515の変形)を含む
ことを特徴とする。
【0010】
上記第2の観点にかかる遊技機では、通常制御では楽曲が継続的に再生されてスピーカのうちの少なくとも無指向性スピーカから音声出力されるが、該楽曲が通常制御により再生されている状態で遊技が行われないまま所定の時間が経過すると、再び遊技者により遊技が行われている状態となるまで、指向性スピーカのみから楽曲が音声出力される静音制御が行われることとなる。このため、遊技店で複数台の遊技機を並べて設置しているような場合において、遊技の行われていない遊技機の周辺のエリアまで再生される楽曲の音声が大きく漏れてしまうことがなく、当該遊技の行われてない遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる遊技機は、
継続的に再生される楽曲(ゲーム中楽曲)をスピーカ(スピーカ7L、7R、7U)から音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段(RAM122)と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段(ADP127)と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段(CPU121)と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段(ステップS504、S509)とを備え、
前記楽曲再生制御手段は、前記楽曲が再生されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、遊技者により遊技が行われている状態となるまで、前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを再生させて前記スピーカから音声出力させるとともに該出力される楽曲の音声とは逆位相の音声を再生させて前記スピーカから音声出力させる静音制御を行う静音制御手段(ステップS515の変形)を含む
ことを特徴とする遊技機。
【0012】
上記第3の観点にかかる遊技機では、楽曲が継続的に再生されてスピーカから音声出力されるが、該楽曲が再生されている状態で遊技が行われないまま所定の時間が経過すると、再び遊技者により遊技が行われている状態となるまで、再生されている楽曲と逆位相の音声も再生されて、スピーカから出力される静音制御が行われることとなる。再生されている楽曲の音声とは逆位相の音声も再生されてスピーカから出力されると、該逆位相の音声により楽曲の音声が打ち消される。このため、遊技店で複数台の遊技機を並べて設置しているような場合において、遊技の行われていない遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかる遊技機は、
継続的に再生される楽曲(ゲーム中楽曲)をスピーカ(スピーカ7L、7R、7U)から音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段(RAM122)と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段(ADP127)と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段(CPU121)と、
遊技を進行させるために遊技者により操作される遊技操作手段(スタートレバー11、停止ボタン12L、12C、12R)の操作を検出する遊技操作検出手段(スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R)と、
前記楽曲再生制御手段は、
前記楽曲再生手段により楽曲の再生が開始されるときに、該再生される楽曲の音量のレベルを所定レベルに設定する初期レベル設定手段(ステップS603)と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲の再生を開始させ、該楽曲再生手段により再生される楽曲を前記スピーカから音声出力させる楽曲再生制御手段(ステップS604)と、
前記楽曲が再生されているときに、前記楽曲再生手段により再生される楽曲の音量のレベルを漸次低下させる静音制御を行う静音制御手段(ステップS613)と、
前記楽曲が再生されている状態で前記遊技操作手段の操作が検出されたときに、前記楽曲再生手段により再生される音量のレベルを前記所定レベルに再設定するレベル再設定手段(ステップS609)とを含む
ことを特徴とする。
【0014】
上記第4の観点にかかる遊技機では、楽曲が継続的に再生されてスピーカから音声出力されるが、この音量のレベルは、楽曲の再生開始時に所定レベルに設定された後、遊技操作手段が操作されないと漸次低下していく静音制御が行われるものとなる。比較的長時間に亘って遊技操作手段の操作が検出されないときには、当該遊技機において遊技が行われていないという可能性が高いが、そのような場合には、スピーカから出力される楽曲の音量のレベルもかなり低下させられていることになる。このため、遊技店で複数台の遊技機を並べて設置しているような場合において、遊技の行われていない遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。一方、楽曲の音量のレベルが漸次低下させられるものとしても、遊技操作手段が操作される度に再生開始のときと同じ所定レベルに音量のレベルが再設定されるので、当該遊技機で遊技が行われているのに再生されている楽曲の音声が遊技者に聞こえにくくなってしまうということもない。また、この第4の観点にかかる遊技機は、上記第1〜第3の観点にかかる遊技機のような計時手段を設けなくても、静音制御を行うことが可能となる。
【0015】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、複数種類の遊技操作手段(スタートレバー11、停止ボタン12L、12C、12R、メダル投入口13、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15)を備えるものであってもよい。ここで、
前記計時手段は、前記複数種類の遊技操作手段のうちの特定の種類の遊技操作手段の操作が検出される度に、前記経過時間の計測を新たに開始するものとすることができる。
なお、前記計時手段は、前記複数種類の遊技操作手段のうちの特定の種類以外の遊技操作手段の操作が検出されたときに、前記経過時間の計測を停止するものとすることができる。
【0016】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機において、前記楽曲再生制御手段は、所定の再生開始条件が成立したときに前記楽曲再生手段に前記楽曲の再生を開始させるものとし、前記計時手段は、前記所定の再生開始条件が成立したときから経過した時間も計測するものとすることができる。この場合、楽曲が再生開始されてから所定の時間に亘って遊技者により遊技が行われていないときにも、静音制御を行うものとすることができる。
【0017】
上記第1〜第4の観点にかかる遊技機は、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンとしてもよい。
【0018】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機として前記スロットマシンを適用した場合において、該スロットマシンは、
前記識別情報の変動表示を開始させるために遊技者により操作される変動操作手段(スタートレバー11)の操作を検出する変動操作検出手段(スタートスイッチ41)と、
前記識別情報の変動表示を停止させるために遊技者により操作される停止操作手段(停止ボタン12L、12C、12R)の操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ42L、42C、42R)と、
前記変動操作検出手段により前記変動操作手段の操作が検出されたときに、前記可変表示装置において前記識別情報の変動表示を開始させる変動開始制御手段(ステップS4)と、
前記停止操作検出手段により前記停止操作手段の操作が検出されたときに、前記識別情報の変動表示を停止させる変動停止制御手段(ステップS204)と、
前記変動操作手段の操作または前記停止操作手段の操作が検出されたときからの経過時間を計測する手段であって、該変動操作手段の操作または該停止操作手段の操作が検出される度に、該経過時間の計測を新たに開始する変動時計時手段(ステップS504、S509)と、
前記識別情報が変動表示されている状態で前記変動時計時手段が前記所定の時間を計時したときに、前記停止操作手段の操作を促すための所定の情報を報知する操作促進情報報知手段(液晶表示器4、ステップS514)と、
前記識別情報が変動表示されている状態で前記変動時計時手段が前記所定の時間を計時したときにおいて前記楽曲が再生されているときに、前記静音制御を行う変動時静音制御手段(ステップS515)をさらに備えるものとすることができる。
【0019】
スロットマシンにおいては、変動操作手段の操作により識別情報の変動表示が開始するとゲームが開始し、停止操作手段の操作により識別情報の変動表示が停止するとゲームが終了する。つまり、識別情報の変動表示が行われている間は、ゲーム中であるということになる。もっとも、識別情報の変動表示は、遊技者が停止操作手段を操作しなければ停止しないので、識別情報が変動表示されているまま停止操作手段が操作されないで所定の時間を経過してしまうような場合には、ゲーム中であっても遊技者によって遊技が行われているとは言えない状況となる。このようにゲーム中であっても遊技者によって遊技が行われているとは言えない状況では静音制御を行うこととしているので、当該遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。また、識別情報の変動表示は、遊技者が停止操作手段を操作しない限り停止しないが、停止操作手段の操作がされずに所定の時間を経過すると操作促進報知がされることにより、遊技者が遊技機から離れてしまっているような場合を除いて、可能な限り停止操作がされて識別情報の変動表示が停止されるようにすることができる。
【0020】
上記第1〜第4の観点にかかる遊技機として前記スロットマシンを適用した場合において、該スロットマシンは、
ゲームを行うために遊技者の設定した賭数を精算させるために遊技者により操作させる精算操作手段(精算ボタン16)の操作を検出する精算操作検出手段(精算スイッチ47)と、
前記精算操作検出手段により前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記賭数の設定に用いた遊技用価値を遊技者に払い出す精算払出手段をさらに備えるものとすることができる。
また、該スロットマシンは、
遊技者の所有する遊技用価値をデータ(クレジット)として蓄積する遊技用価値蓄積手段(RAM112)をさらに備えるものとすることができ、この場合において、前記精算払出手段は、前記精算操作手段の検出されたときに、前記遊技用価値蓄積手段にデータとして蓄積された遊技用価値を遊技者に払い出すことができる。
【0021】
この場合において、前記スロットマシンは、
前記楽曲が再生されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記楽曲の再生を停止させる再生停止手段をさらに備えるものとすることができる。
【0022】
また、第1〜第3の観点にかかる遊技機に前記スロットマシンを適用した場合、該スロットマシンは、
前記楽曲が再生されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記静音制御を行う精算時静音制御手段をさらに備えるものとすることができる。
【0023】
遊技者により精算操作手段が操作されて、遊技者の設定した賭数(及びデータとして蓄積されていた遊技用価値)が払い出されたときには、ここで遊技者が遊技を継続して行うことを止めるものとした可能性が非常に高い。このような場合に楽曲の再生を停止させたり静音制御を行うこととすることで、当該遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0024】
上記第2〜第4の観点にかかる遊技機において、
前記スピーカは、高音出力用スピーカ(スピーカ7L、7R)と低音出力用スピーカ(スピーカ7U)とを含むものであってもよい。この場合において、
前記楽曲再生手段は、前記楽曲データ記憶手段から読み出した楽曲データに従って前記楽曲の高音域を含む前記高音出力用スピーカから出力すべき音声を再生する高音再生手段と、該読み出した楽曲データに従って前記楽曲の低音域を含む前記低音出力用スピーカから出力すべき音声を再生する低音再生手段とを含み、
前記静音制御手段は、前記楽曲再生手段のうちの前記高音再生手段のみに対して前記静音制御を行うものとすることができる。
【0025】
ここでは、高音再生手段のみに対して静音制御を行えばよく、遊技者により遊技が行われていない状態で経過した経過時間に関わらずに低音再生手段は同じように楽曲を再生していればよいので、最低限の制御を静音制御を行うことができるものとなる。
【0026】
上記第1〜第4の観点にかかる遊技機は、筐体本体と、一縁部が筐体本体の一縁部にヒンジを介して連結されて該筐体本体に対して開放状態となるとともに筐体の外側に向けて前記スピーカが配された前面扉とから構成されるとともに、前記前面扉が開放状態となっているか否かを検出する開放検出手段(扉開放センサ95)をさらに備えるものとすることができる。
【0027】
この場合において、前記楽曲再生制御手段は、前記開放検出手段により前記前面扉が開放状態となっている旨が検出されたときに、前記楽曲の再生を停止させる再生停止手段(ステップS518)をさらに含むものとすることができる。
【0028】
一方、第1、第3の観点にかかる遊技機では、
前記開放検出手段により前記前面扉が開放状態となっている旨が検出されたときに、前記静音制御を行う開放時静音制御手段をさらに備えるものとすることができる(ステップS518の変形)。
【0029】
遊技機の前面扉は、一縁部が筐体本体の一縁部にヒンジを介して連結されているので、前面扉を開放するということは前面扉の向きが変わり、これによってスピーカの向きも変わることとなる。こうしてスピーカの向きが変わると、その方向に設置された他の遊技機で遊技を行っている遊技者に向かってスピーカから音声が出力されることとなる。このように前面扉が開放されてスピーカの向きが変わるときには、楽曲の再生を停止させたり静音制御を行うこととすることで、当該遊技機の周辺に設置された他の遊技機で遊技を行う遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0030】
上記第1〜第4の観点にかかる遊技機は、
遊技における処理において所定のエラーが発生したかどうかを判定するエラー判定手段(図7)をさらに備えるものとしてもよい。この場合において、
前記音声再生手段は、前記エラー判定手段により前記所定のエラーが発生したと判定されたときに、所定のエラー音を再生し、前記スピーカから音声出力させるエラー音再生手段(ステップS522)をさらに含み、
前記音声再生制御手段は、前記静音制御が行われているか否かに関わらず所定の態様で前記エラー音再生手段に前記所定のエラー音を再生させて前記スピーカから音声出力させるものとすることができる。
【0031】
上記遊技機ではエラーの発声時にはエラー音を再生してスピーカから音声出力させるが、このエラー音は、静音制御が実行されているか否かに関わらず所定の態様で再生されて音声出力される。このため、例えば、楽曲の再生に対して静音制御が行われているときでも、遊技店の店員がエラー音が出力されていることに気づきにくくなるということがなくなり、エラーを生じさせるような不正な行為が遊技者によってなされるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の筐体は、後述する各構成要素を収納する箱体と、該箱体の左縁部にヒンジを介して連結された前面扉とから構成される。前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより解錠され、箱体に対してヒンジを中心に回転して開放状態とすることができる。前面扉を閉じた状態で施錠装置19にキーを差し込み、反時計回りに回動操作することにより、前面扉は、閉鎖状態のまま施錠される。前面扉の開放/閉鎖は、扉開放センサ95(図2参照)により検出される。
【0034】
このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図2参照)の駆動によって回転/停止させられる。リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
【0035】
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図2参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図2参照)とが設けられている。可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の有効ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の有効ラインが設定される。
【0036】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図2参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、RAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
【0037】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図2参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図2参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。可変表示装置2の左側には、ゲーム毎に設定されている賭け数を示すための1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。但し、ゲームを開始できる賭け数は、遊技状態に応じて予め決まっている。
【0038】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図2参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図2参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図2参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図2参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図2参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0039】
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4において行われる演出としては、リール3L、3C、3Rの停止操作が30秒に亘って行われていないときに行われる停止促進報知がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
【0040】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図2参照)が内部に配されている。
【0041】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図2参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図2参照)またはMAXBETスイッチ46(図2参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、遊技者がゲームを行うために既に設定した賭け数(リプレイ入賞により自動設定された賭け数は含まない)、及びクレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図2参照)によって操作が検出されると、既に設定された賭け数に応じたメダル及びデータとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0042】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図2参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図2参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
【0043】
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図2参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は、基本的には190ミリ秒である。
【0044】
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。なお、リール3L、3C、3Rの停止時における停止図柄の選択は、引き込み可能な図柄のうちから当選フラグの設定状況に従って選択されるものとなっている。
【0045】
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図2参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0046】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図2参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図2参照)が発した光が照射される。
【0047】
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。上部にあるスピーカ7L、7Rは、高音再生用のスピーカであり、下部にあるスピーカ7Uは、低音再生用のスピーカである(図2参照)。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、エラー発生時における警報音の出力を行うと共に、様々な演出用の音声の出力を行う。また、各ゲームの実行時において、スピーカ7L、7R、7Uからはゲーム中楽曲が出力される。
【0048】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図2参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0049】
図2は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
【0050】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図2では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
【0051】
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
【0052】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
【0053】
CPU111は、計時機能と、後述する扉開放割り込みやエラー割り込み、さらにはタイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備える。スタートレバー11、停止ボタン12L、12C、12R、1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15の操作、並びにメダル投入口13からのメダルの投入が検出されたときには、これらの状態は入力割り込みによって処理される。CPU111は、レベル別に割り込みを処理する機能を有し、電源低下割り込みの他に、後述する扉開放割り込みとエラー割り込みは、高レベル割り込みとなっている。
【0054】
CPU111は、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用され、クレジットの数は、RAM112の所定の領域に記憶される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。
【0055】
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
【0056】
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割り込み入力端子を備えており、割り込み入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に電源低下割り込みが発生し、CPU111は、電断割り込み処理を実行する。
【0057】
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
【0058】
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
【0059】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44、扉開放センサ95が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0060】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0061】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
【0062】
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
【0063】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
【0064】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0065】
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。演出制御基板102は、CPU121からの指令に基づいて高音出力用のスピーカ7L、7Rから出力する音声と低音出力用のスピーカ7Uから出力する音声とをそれぞれ再生するためのオーディオプロセッサ(ADP)127を搭載している。
【0066】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
【0067】
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。これに加えて、当選状況信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号を外部装置に出力するものであってもよい。
【0068】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
【0069】
通常の遊技状態において可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(1)に入賞となり、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されて、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。また、通常の遊技状態において可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(2)に入賞となり、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されて、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。
【0070】
通常の遊技状態において可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うと、レギュラーボーナスに入賞となり、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されて、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるレギュラーボーナスが与えられる。
【0071】
遊技状態がビッグボーナスにあるときは、払出メダル枚数が後述する所定数に達するまで、レギュラーボーナスの遊技状態が繰り返して提供される。すなわちスタートレバー11の操作時においてRAM112にビッグボーナス中フラグが設定されている状態でレギュラーボーナス中フラグが設定されていないときには、レギュラーボーナス中フラグが設定される。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定され、また、通常の賭け数とは異なる1を設定してゲームを開始させるものとなる。
【0072】
ビッグボーナスは、払出メダル枚数が465枚に達したときに終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。遊技状態がビッグボーナスにある状態でゲームの開始時においてレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、当該時点でRAM112にレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる。
【0073】
いずれの遊技状態においても可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃うと、スイカの小役に入賞となり、配当として15枚のメダルが払い出される。いずれの遊技状態においても可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うと、ベルの小役入賞となり、配当として8枚のメダルが払い出される。
【0074】
いずれの遊技状態においても可変表示装置2のいずれかの有効ラインにおいて、左のリール3Lに「チェリー」が導出されると、チェリーの小役入賞となり、1有効ライン当たり2枚のメダルが配当として払い出される。従って、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が導出されたときには、上段または下段には2本の有効ラインが設定されているために4枚のメダルが払い出され、中段に「チェリー」が導出されたときには、中段には1本だけ有効ラインが設定されているために2枚のメダルが払い出される。
【0075】
通常の遊技状態において可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃うと、リプレイ入賞となり、配当として次の1ゲームを改めて賭け数を設定せずに行うことのできる再遊技が付与される。リプレイ入賞したときは、RAM112にリプレイゲーム中フラグが設定され、次のゲームで賭け数3が自動設定されるとリプレイゲーム中フラグが消去される。
【0076】
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて当選が判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。
【0077】
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、及びビッグボーナス(2)当選フラグは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することで初めて消去される。つまり、これらの当選フラグに基づいて入賞が発生するまで持ち越されるものとなる。一方、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、及びリプレイ当選フラグは、入賞が発生したか否かに関わらず当該ゲーム限りで消去されるものとなる。
【0078】
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
【0079】
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくともBET操作コマンド、当選状況通知コマンド、リール回転開始コマンド、及びリール停止コマンドが含まれている。また、通常の遊技の進行時以外に送信されるコマンドとして、扉開放コマンド、扉閉鎖コマンド、エラーコマンド、及びエラー解除コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
【0080】
BET操作コマンドは、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15が操作されて賭け数が加算されたとき、またはメダル投入口13からメダルが投入されて賭け数が加算されたときに送信される。前回のゲームでリプレイ入賞があったときは、遊技者がリプレイゲーム中フラグに基づいて遊技者の操作なしで賭け数が自動設定されるが、このリプレイゲーム中フラグに基づいて賭け数が自動設定されたときにも、BET操作コマンドが送信される。
【0081】
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。内部抽選は、内部的な処理として行われ、遊技者の知覚する程度の時間を要しないので、当選状況通知コマンドは、スタートレバー11の操作時に送信されるものとすることができる。リール回転開始コマンドは、リール3L、3C、3Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール3L、3C、3Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール3L、3C、3Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール3L、3C、3Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
【0082】
扉開放コマンドは、スロットマシン1の前面扉が開放されたことが扉開放センサ95により検出されたときに送信される。扉閉鎖コマンドは、開放状態となっていた前面扉が閉じられたことが扉開放センサ95により検出されたときに送信される。エラーコマンドは、遊技制御基板101の側で何らかのエラーの発生を検出したときに送信される。エラー解除コマンドは、エラーが解除されたときに送信される。
【0083】
次に、演出制御基板102の側において行われる演出について説明する。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、演出制御基板102の側における演出として、ゲーム中、すなわちスタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全てが停止するまでゲーム中楽曲を継続的に再生してスピーカ7L、7R、7Uから出力させる処理がある。
【0084】
ゲーム中楽曲の楽曲データは、ROM123に予め記憶されている。ROM123には、このゲーム中楽曲よりも再生される音量のレベルが相対的に低い静音楽曲の楽曲データも予め記憶している。ゲーム中楽曲及び静音楽曲の楽曲データは、それぞれ時系列のデジタルデータとして高音/低音の別にROM123に記憶されおり、CPU121より再生開始の指令があると、ADP127によって順次読み出され、A/D変換されて高音及び低音のアナログの音声信号が合成される。高音の音声信号はスピーカ7L、7Rに出力され、低音の音声信号は、スピーカ7Uに出力される。
【0085】
CPU111から一旦再生開始の指令があると、次に再生停止や再生中断の指令があるまでか、現在再生している楽曲とは異なる他の楽曲の再生指令があるまでは、ゲーム中楽曲または静音楽曲の再生は、周期的に繰り返して行われる。すなわち、楽曲データの一番最後の部分には、最初に戻ることを示す制御情報が含まれており、楽曲データの最初から最後まで一通り再生し終わると、さらに楽曲データの最初から再生が継続される。再生中断の指令により楽曲データの再生が中断された後、再生再開の指令があったときには、中断時から楽曲データの再生を再開するものとしても、改めて最初から楽曲データの再生を開始するものとしてもよい。
【0086】
ADP127は、また、CPU121からの指令に基づいて、再生中の楽曲の再生レベルをレベル0(無音)からレベル6(最大レベル)まで段階的に調整する機能を有している。無音のレベル0に再生レベルが設定されている場合を除いて、ADP127の再生レベルが同じレベルに設定されていても、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声の相対的なレベルは、ゲーム中楽曲の方が静音楽曲よりも大きいものとなっている。もっとも、ここでは、相対的にレベルが異なるゲーム中楽曲と静音楽曲の切り替えは行うものの、ADP127について設定する楽曲の再生レベルは変化させないものとする。
【0087】
この実施の形態のスロットマシン1では、スタートレバー11が操作されると(すなわち、当選状況通知コマンドを受信すると)、ゲーム中楽曲の再生が開始される。これとともに、CPU121が有する計時機能を用いて、スタートレバー11の操作から、すなわちゲーム中楽曲の再生開始からの経過時間の計測が開始される。ゲーム中楽曲の再生開始からの時間が30秒を経過しても停止ボタン12L、12C、12Rが操作されずにリール3L、3C、3Rのいずれも停止しないときには、ゲーム中楽曲に代えて静音楽曲の再生が開始される。
【0088】
静音楽曲の再生中に停止ボタン12L、12C、12Rが操作されてリール3L、3C、3Rのいずれかが停止されると(すなわち、リール停止コマンドを受信すると)、静音楽曲に代えてゲーム中楽曲の再生が開始される。また、このときには、CPU121の計時機能を用いて、0秒から新たな経過時間の計測が開始される。静音楽曲の再生に切り替えられるより先のゲーム中楽曲の再生中に停止ボタン12L、12C、12Rが操作されてリール3L、3C、3Rのいずれかが停止されたときも、CPU121の計時機能を用いて、0秒から新たな経過時間の計測が開始される。
【0089】
静音楽曲の再生中においては、30秒以上に亘って停止ボタン12L、12C、12Rが操作されていないということになるので、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促す旨のメッセージを液晶表示器4に表示する停止促進報知が行われる。なお、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rの全てが停止されると、再生されていた楽曲(ゲーム中楽曲または静音楽曲)の再生が停止される。次のゲームでスタートレバー11が操作されると、再びゲーム中楽曲の再生が開始される。
【0090】
また、ゲーム中楽曲または静音楽曲の再生中に前面扉が開放されると(すなわち、扉開放コマンドを受信すると)、再生されていた楽曲(ゲーム中楽曲または静音楽曲)の再生が中断され、経過時間の計測も停止される。その後、前面扉が閉鎖されると(すなわち、扉閉鎖コマンドを受信すると)、再生の中断されていた楽曲(ゲーム中楽曲または静音楽曲)の再生が再開され、中断時の停止秒から経過時間の計測が再開される。
【0091】
また、遊技制御基板101の側において何らかのエラーの発生が検出されると(すなわち、エラーコマンドを受信すると)、楽曲の再生を継続したままで、さらに所定のエラー音を再生して、スピーカ7L、7R、7Uから出力させる。エラーが解除されると(すなわち、エラー解除コマンドを受信すると)、エラー音の出力が停止されることとなる。このエラー音を出力している間において、CPU121の計時機能により計時する時間が30秒を経過して、再生される楽曲がゲーム中楽曲から静音楽曲に切り替えられる場合がある。この場合でも、エラー音の出力は、そのままの状態で続けられることとなる。
【0092】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明に直接関わるものだけを説明する。
【0093】
図3は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0094】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。BETボタン14、15の操作またはメダルが投入されると、BET操作コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0095】
ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたを含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、賭け数が確定してBET処理が終了して抽選処理に移行する。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定されると、賭け数が確定してBET処理が終了して抽選処理に移行する。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままBET処理が終了して抽選処理に移行する。
【0096】
BET処理により賭け数が確定すると、スタートレバー11の操作を待機し、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0097】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転を開始させる際に、リール回転開始コマンドが演出制御基板102に送信される。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。
【0098】
ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。また、リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、リール回転開始処理が終了してリール変動停止処理に移行する。
【0099】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転が停止したときには、リール停止コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
【0100】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、レギュラーボーナスに入賞したときにはRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定され、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときにはRAM112にビッグボーナス中フラグが設定されるが、このときの入賞でレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグがRAM112から消去される。また、小役入賞したときには小役の種類に応じて払出予定数が設定され、リプレイ入賞したときにはリプレイゲーム中フラグがRAM112に設定される。
【0101】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない小役当選フラグ及びリプレイ当選フラグの消去の処理など)も行われる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0102】
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図4は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、スタートレバー11が操作されたかどうかを判定する(ステップS101)。スタートレバー11が操作されていなければ、ステップS101の処理を繰り返し、スタートレバー11が操作されるのを待機する。スタートレバー11が操作されると、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS102)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS105の処理に進む。
【0103】
遊技状態がビッグボーナスにあれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS103)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナスの最初のゲームであるか、ビッグボーナス中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナスが終了していないときのゲームであるので、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS104)。そして、ステップS105の処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS105の処理に進む。
【0104】
ステップS105では、サンプリング回路126にサンプリング指令を発して、乱数発生回路125から内部抽選用の乱数を抽出する。次に、抽出した内部抽選用の乱数の値が、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役の判定値の範囲に含まれるかどうかにより、遊技状態毎に定められた各役にそれぞれ当選したかどうかを判定する(ステップS106)。ここで、いずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS107)。いずれかの役に当選していれば、当選した役の当選フラグをRAM112に設定して(ステップS108)、ステップS109の処理に進む。いずれの役にも当選していなければ、そのままステップS109の処理に進む。
【0105】
ステップS109では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。なお、ステップS102〜S108の処理は、CPU111による内部的な処理として行われ、遊技者に知覚される程の時間を要しないので、遊技者の知覚として当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信されるタイミングは、スタートレバー11が操作されたタイミングとなる。そして、抽選処理を終了して、図3のフローチャートに復帰する。
【0106】
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図5は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。リール変動停止処理では、まず、停止ボタン12L、12C、12Rの全てを操作有効にする(ステップS201)。
【0107】
次に、ストップスイッチ42L、42C、42Rからの信号により停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS202)。ここで、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで既に操作されていて対応するリールの回転が停止しているものは操作無効となっているので、物理的な操作がされたとしても操作が検出されていないものと判定される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されていなければ、ステップS202の処理を繰り返す。
【0108】
停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出された場合には、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで操作が検出されたものと判定されたものを操作無効とする(ステップS203)。さらに、リール停止制御処理を行って、リール3L、3C、3Rのうちで操作の検出された停止ボタンに対応するものの回転を停止させる(ステップS204)。ここで、停止される図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作時において表示されていた図柄を含めて5コマの範囲にある図柄のうちから、当選フラグの設定状況に応じて選択されることとなる。
【0109】
さらに、ここで停止したリールの種類及び停止位置を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS205)。次に、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS206)。リール3L、3C、3Rのうちで未だ回転を継続しているものがあれば、ステップS202の処理に戻る。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止した場合には、リール変動停止処理を終了して、図3のフローチャートに復帰する。
【0110】
上記のように進行するゲームとゲームの間、すなわち前回のゲームで第3停止ボタン(停止ボタン12L、12C、12Rのうちで1ゲーム中で3番目に操作されるもの)が操作されてから今回のゲームでスタートレバー11が操作されるまでの間において、精算ボタン16が操作されたときには、ホッパーモータ82を駆動させることにより、蓄積されたクレジットの数に応じた枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、メダル投入口13からのメダルの投入、若しくは1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作(これらをまとめてBET操作という)によって設定されていた賭け数(前回のゲームのリプレイ入賞により自動設定された賭け数は含まれない)が設定されているときには、該賭け数の数に応じた枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。
【0111】
正常に遊技が進行している場合においては、遊技制御基板101のCPU111は、上記したように繰り返しゲームの処理を行っているが、ゲーム中またはゲーム間において何らかの原因によりエラーが発生したり、遊技店の店員により必要に応じて前面扉が開放されることもある。このようなエラーの発生や前面扉の開放が検出されると、CPU111に高レベル割り込みが発生し、割り込み処理が行われるものとなる。
【0112】
図6は、前面扉の開放が扉開放センサ95により検出された場合に実行される扉開放割り込み処理を示すフローチャートである。扉開放割り込み処理では、まず、低レベル割り込みを禁止する。これにより、メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、並びに停止ボタン12L、12C、12Rの操作が受け付けられなくなり、遊技を進行することができなくなる(ステップS301)。
【0113】
次に、前面扉が開放されたことを示す扉開放コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS302)。その後、扉開放センサ95の検出信号の状態変化を監視して、前面扉が閉鎖されるまでステップS303の処理を繰り返して待機する。前面扉の閉鎖が扉開放センサ95により検出されると、前面扉が閉鎖されたことを示す扉閉鎖コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS304)。そして、ステップS301で禁止した低レベル割り込みを許可して(ステップS305)、扉開放割り込み処理から復帰する。
【0114】
図7は、エラーの発生が検出された場合に実行されるエラー割り込み処理を示すフローチャートである。エラー割り込み処理では、まず、低レベル割り込みを禁止する。これにより、メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、並びに停止ボタン12L、12C、12Rの操作が受け付けられなくなり、遊技を進行することができなくなる(ステップS401)。
【0115】
次に、ゲーム回数表示部21に発生したエラーの種類に応じたエラーコードを表示させる(ステップS402)。さらに、発生したエラーの種類に応じたエラーコマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS403)。その後、エラー状態が解除されるまでステップS404の処理を繰り返して待機する。エラー状態が解除されると、ゲーム回数表示部21に表示したエラーコードを消去し(ステップS405)、さらにエラーが解除された旨を示すエラー解除コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS406)。そして、ステップS401で禁止した低レベル割り込みを許可して(ステップS407)、エラー割り込み処理から復帰する。
【0116】
なお、扉開放割り込み処理とエラー割り込み処理は、いずれも高レベル割り込み処理であるので、例えば、エラー割り込み処理を実行中に前面扉が開放された場合には、さらに扉割り込み処理が行われる。つまり、エラーの発生時であっても、前面扉が開放されると扉開放コマンドが演出制御基板102に送信され、前面扉が閉鎖されると扉閉鎖コマンドが演出制御基板102に送信される。一方、前面扉が開放されているときに、さらにエラーが発生するとエラーコマンドが演出制御基板102に送信され、エラーが解除されるとエラー解除コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0117】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、連続演出及び追加演出を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
【0118】
図8は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS501)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS502)。
【0119】
受信したコマンドの種類がステップS109で送信された当選状況通知コマンドであると判定された場合には、まず、RAM122の所定の領域に記憶しているリール停止数を0にクリアする(ステップS503)。次に、CPU121の計時機能を用いて、0秒から時間の計時を開始させる(ステップS504)。さらに、ROM123に記憶されているゲーム中楽曲の楽曲データの再生を開始する旨をADP127に指令する。これにより、ゲーム中楽曲が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS505)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0120】
受信したコマンドの種類がステップS205で送信されたリール停止コマンドであると判定された場合には、まず、RAM122の所定の領域に記憶しているリール停止数を1だけ加算する(ステップS506)。次に、リール停止数が3になったかどうかにより、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの全てが停止したかどうかを判定する(ステップS507)。リール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、再生中の楽曲(ゲーム中楽曲または静音楽曲)の再生を停止する旨をADP127に指令する。これにより、スピーカ7L、7U、7Rからの楽曲の出力が停止される(ステップS508)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0121】
リール停止数が1または2で未だリール3L、3C、3Rの全てが停止していない場合には、CPU121の計時機能を用いて、改めて0秒から計時を開始させる(ステップS509)。また、液晶表示器4において停止促進報知がされているか否か、すなわちゲーム中楽曲ではなく静音楽曲が再生されているか否かを判定する(ステップS510)。停止促進報知がされていなければ、そのままステップS501の処理に戻る。
【0122】
停止促進報知がされていれば、液晶表示器4において行われている停止促進報知を終了させる(ステップS511)。さらに、ROM123に記憶されているゲーム中楽曲の楽曲データの再生を開始する旨をADP127に指令する。これにより、これまで再生されていた静音中楽曲から切り替えられてゲーム中楽曲が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS512)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0123】
ステップS501で何らのコマンドも受信していないと判定された場合には、CPU121の計時機能を用いて計時している時間が30秒を経過したかどうかを判定する(ステップS513)。30秒を経過していなければ、そのままステップS501の処理に戻る。30秒を経過したときには、液晶表示器4に停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促す旨を示すメッセージを表示する停止促進報知を行う(ステップS514)。さらに、ゲーム中楽曲に代えてROM123に記憶されている静音楽曲の楽曲データの再生を開始する旨をADP127の指令する。これにより、これまで再生されていたゲーム中楽曲から切り替えられて静音楽曲が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS515)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0124】
また、ステップS502で受信したコマンドの種類がステップS302で送信された扉開放コマンドであると判定された場合には、ゲーム中楽曲または静音楽曲が再生されているかどうかを判定する(ステップS516)。ゲーム中楽曲も静音楽曲も再生されていなければ、そのままステップS501の処理に戻る。ゲーム中楽曲または静音楽曲が再生されていれば、CPU121の計時機能を用いて行っている計時を、現在の秒数で停止させる(ステップS517)。さらに、楽曲データの再生を中断する旨をADP127に指令する。これにより、スピーカ7L、7R、7Uからはゲーム中楽曲も静音楽曲も出力されなくなる(ステップS518)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0125】
受信したコマンドの種類がステップS304で送信された扉閉鎖コマンドであると判定された場合には、CPU121の計時機能を用いて行っている計時が0秒以外で停止されているかを判定する(ステップS519)。0秒で計時が停止されている場合、すなわち0秒よりも長い時間の経過を計測している場合には、そのままステップS501の処理に戻る。0秒で計時が停止されている場合には、その停止されている時間から計時を再開させる(ステップS520)。さらに、楽曲データの再生を再開する旨をADP127に指令する。これにより、再生の中断されていたゲーム中楽曲または静音楽曲が再びスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS521)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0126】
受信したコマンドの種類がステップS403で送信されたエラーコマンドであった場合には、エラー音の出力をADP127に指令する。これにより、スピーカ7L、7R、7Rからエラー音が出力されるが、ゲーム中楽曲または静音楽曲が出力中の場合には、これらの楽曲の再生は継続したままとする。エラー音は、次に説明するようにエラー解除コマンドを受信するまで、継続して出力されるものとなる。また、ゲーム中楽曲が再生されているか静音楽曲が再生されているか、若しくはいずれの楽曲も再生されていないかに関わらず、常に所定のレベルで所定の態様のエラー音が出力されるものとなる。ゲーム中楽曲から静音楽曲に切り替えられた場合も、エラー音の出力に変化は生じない(ステップS522)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0127】
受信したコマンドの種類がステップS406で送信されたエラー解除コマンドであった場合には、エラー音の出力停止をADP127に指令する。これにより、スピーカ7L、7R、7Uからのエラー音の出力が停止されるが、ゲーム中楽曲または静音楽曲もエラー音に併せて出力されていた場合には、これらの楽曲の再生は停止させない(ステップS523)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0128】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS524)。その後、ステップS501の処理に戻る。
【0129】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1によれば、スタートレバー11が操作されてリール3L、3C、3Rの回転が開始するとゲーム中楽曲の再生が開始され、静音楽曲に切り替えて再生される場合を除いてリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止するまでゲーム中楽曲が継続して再生される。また、スタートレバー11が操作されると、その操作時からの経過時間の計時が開始される。リール3L、3C、3Rの回転は、遊技者による停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されない限り停止されない。
【0130】
スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rの回転が停止してから停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rの回転が全て停止するまでは、スロットマシン1においてゲームが進行しているということになるが、リール3L、3C、3Rが回転したままで遊技者がスロットマシン1の前から離れてしまうような場合もある。スロットマシン1の前にいても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作を忘れてしまっているような場合もある。このような状況は、スロットマシン1の処理としてはゲーム中であっても、遊技者が遊技を行っているとは言い難いものとなる。
【0131】
この実施の形態にかかるスロットマシン1では、スタートレバー11が操作されてから停止ボタン12L、12C、12Rが操作されないまま30秒が経過した場合、すなわちゲーム中となっていても遊技者が遊技を行っているとは言い難いような場合には、これまで再生されていたゲーム中楽曲に代えて静音楽曲が再生されることとなる。この静音楽曲は、これまで再生されていたゲーム中楽曲よりも出力される音量のレベルが相対的に低いので、遊技店において複数台のスロットマシン1が並べて設置されているような場合において、遊技者が遊技を行っているとは言い難い状態のスロットマシン1から音量のレベルが高い状態でゲーム中楽曲が再生され続けて、当該スロットマシン1の周囲に設置された他のスロットマシンで遊技を行っている遊技者にあまり迷惑をかけないで済むようになる。
【0132】
スロットマシン1におけるゲームは、リール3L、3C、3Rの全てが回転停止して終了するので、リール3L、3C、3Rの一部が回転停止しただけで未だゲーム中であるということになる。停止ボタン12L、12C、12Rの一部が操作されてリール3L、3C、3Rの一部だけが停止したときには、その時点で0秒から改めて計時が開始され、ここから30秒経過しなければ静音楽曲に切り替えられることはない。このため、遊技者が遊技を行っていると考えられる状態にあるのに、再生される楽曲がゲーム中楽曲から静音楽曲に切り替えられてしまうことがない。また、それまで再生されていた楽曲が静音楽曲であっても停止ボタン12L、12C、12Rの操作により再びゲーム中楽曲が再生されるので、遊技者が遊技を行っていると考えられるときには、可能な限り静音楽曲ではなくゲーム中楽曲を再生してスピーカ7L、7R、7Uから出力させるものとすることができる。
【0133】
また、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されずに30秒が経過したときに、単にゲーム中楽曲の再生を停止したり、音量のレベルを低下させたりするのではなく、ゲーム中楽曲よりも相対的に音量のレベルの低い静音楽曲を再生するものとしている。ゲーム中楽曲の再生を停止したり、音量のレベルを低下させたりする場合には、スピーカ7L、7R、7UやADP127などの音声系統の回路の故障であると勘違いされてしまう虞もあるが、再生される楽曲自体が切り替えられることで、このような故障と勘違いされる虞がなくなる。
【0134】
また、再生されている楽曲(ゲーム中楽曲または静音楽曲)の音声を出力するスピーカ7L、7R、7Uは、前面扉に設置されているが、この前面扉が閉じているときには、当該スロットマシン1で遊技を行う遊技者の方向を向いていることとなる。しかし、前面扉が開放されると、スピーカ7L、7R、7Uの向きが変わり、前面扉を開放する量によっては、スピーカ7L、7R、7Uが隣に設置された他のスロットマシンで遊技を行っている遊技者の方を向いてしまうこととなる。このような場合は、ゲーム中楽曲が再生されているか静音楽曲が再生されているかに関わらず、楽曲の再生を中断するものとしている。このように前面扉が開放されて隣の遊技者にスピーカ7L、7R、7Uが向けられた状態で楽曲が再生されることがないので、当該スロットマシン1の周囲に設置された他のスロットマシンで遊技を行っている遊技者に迷惑をかけないで済むようになる。
【0135】
また、エラーが発生したときには、エラー音が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されることとなる。エラー音は、ゲーム中楽曲の再生中でもエラーが発生すれば出力されるが、30秒の経過によりゲーム中楽曲から静音楽曲に再生される楽曲が切り替えられたとしても、エラー音の出力に変化はない。このため、再生される楽曲が静音楽曲に切り替えられたからといって、エラーの発生時に遊技店の店員がエラー音に気づきにくくなるということがなくなり、エラーを生じさせるような不正な行為が遊技者によってなされるのを防ぐことができる。
【0136】
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、スタートレバー11の操作または停止ボタン12L、12C、12Rの一部の操作から30秒を経過すると再生される楽曲が静音楽曲に切り替えられるが、遊技者が自ら停止ボタン12L、12C、12Rを操作しない限り、リール3L、3C、3Rの回転が停止することがない。ここで、静音楽曲に切り替えられる30秒の経過時には、液晶表示器4において停止促進報知がなされ、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することを促すようにしている。このため、遊技者がスロットマシン1の前から離れてしまっているような場合を除いて、可能な限り遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作させてリール3L、3C、3Rの回転を停止させるようにすることができる。こうしてリール3L、3C、3Rが回転したまま長期間放置されないようにすることで、スロットマシン1の稼働率が低下するのを防ぐことができるようになる。
【0137】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な、上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0138】
上記の実施の形態では、いずれの遊技状態にあるゲームでも、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの停止までの間ゲーム中楽曲(必要に応じて静音楽曲)が再生されて、スピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとしていた。これに対して、遊技状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態にあるゲームでのみ、ゲーム中楽曲(必要に応じて静音楽曲)を再生するものとしてもよい。さらに、CT(Challenge Time)、AT(Assist Time)、RT(Replay Time)などの遊技者に有利な遊技状態を含むスロットマシンでは、これらの遊技状態にあるゲームでもゲーム中楽曲(必要に応じて静音楽曲)を再生するものとしてもよい。
【0139】
ここで、異なる遊技状態でも共通したゲーム中楽曲を再生するものとすることができるが、遊技状態に応じて異なるゲーム中楽曲を再生するものとしてもよい。遊技状態に応じて異なるゲーム中楽曲を再生するものとした場合には、静音楽曲も遊技状態毎に異なる種類のものとすることも、複数の遊技状態で共通した種類のものとすることもできる。複数の遊技状態におけるゲームで共通して用いられる静音楽曲は、いずれの遊技状態において適用されるゲーム中楽曲よりも相対的に音量のレベルが低いものとする必要がある。
【0140】
上記の実施の形態では、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されないまま30秒を経過するとゲーム中楽曲から静音楽曲に切り替えて再生されていた。もっとも、静音楽曲に切り替えるのではなく、CPU121の計時機能により計時する時間が30秒を経過したときに、少なくとも遊技者の方向以外に出力される楽曲が静かになるのであれば、ゲーム中楽曲をそのまま再生するものとし、ステップS505及びS512における処理を次のようにして行えばよい。
【0141】
例えば、スピーカ7L、スピーカ7R、スピーカ7Uがそれぞれスロットマシン1の正面方向(すなわち、遊技者の座る位置の方向)を中心とした所定の指向角の範囲に音声を出力する指向性スピーカと、この指向角の範囲よりも広い範囲に音声を出力する無指向性スピーカとから構成される場合には、CPU121の計時機能により計時している時間が30秒を経過すると、指向性スピーカのみからゲーム中楽曲を出力するように切り替えるものとしてもよい。この場合において、ゲーム中楽曲の再生レベルを変化させる必要はない。ここで、30秒を経過するより前は、指向性スピーカと無指向性スピーカの両方からゲーム中楽曲を出力するものとしても、無指向性スピーカのみからゲーム中楽曲を出力するものとしてもよい。リール停止コマンドを受信して未だリール3L、3C、3Rの全てが停止していないときには、改めて0秒から計時を開始するとともに、再び無指向性スピーカからゲーム中楽曲を出力させるものとすることができる。
【0142】
このように当選状況通知コマンドの受信またはリール停止コマンドの受信から30秒を経過しても停止ボタン12L、12C、12Rが操作されずにリール3L、3C、3Rの回転が停止されないときには、指向性スピーカのみからゲーム中楽曲が出力されるものとなる。これにより、遊技店において複数台のスロットマシン1が並べて設置されているような場合において、遊技者が遊技を行っているとは言い難い状態のスロットマシン1の周囲にゲーム中楽曲が大音量で漏れることがなく、当該スロットマシン1の周囲に設置されたスロットマシンで遊技を行っている遊技者に迷惑をかけることが少なくて済む。また、指向性スピーカのみからとなってもゲーム中楽曲自体は再生出力されているので、ADP127の故障であると勘違いされる虞はない。
【0143】
なお、このような指向性スピーカのみからのゲーム中楽曲の出力の制御は、高音用スピーカ7L、7Rから出力されるゲーム中楽曲の高音部のみに対して行うものとしてもよい。この場合、低音出力用のスピーカ7Uは、無指向性スピーカのみから構成されるものであってもよい。また、当選状況通知コマンドの受信またはリール停止コマンドの受信から30秒を経過しても、指向性スピーカのみからの切り替えは、ゲーム中楽曲の高音部に対してのみ行えばよく、低音部についてはゲーム中楽曲を同じ状態で再生して出力すれば済むので、ゲーム中楽曲を出力するスピーカの切り替えの制御負荷が大きくなりすぎないで済む。
【0144】
また、スピーカ7L、7R、7Uがそれぞれ2つずつのスピーカ対から構成される場合には、CPU121の計時機能により計時している時間が30秒を経過すると、スピーカ対を構成する一方のスピーカからはこれまでと同じようにゲーム中楽曲を出力し、スピーカ対を構成する他方のスピーカからはゲーム中楽曲とは逆位相の音声を再生して出力するものとしてもよい。この場合においても、ゲーム中楽曲の再生レベルを変化させる必要はない。また、30秒を経過するよりも前は、スピーカ対を構成する両方のスピーカからゲーム中楽曲を出力するものとしても、スピーカ対を構成する一方のスピーカのみからゲーム中楽曲を出力するものとしてもよい。リール停止コマンドを受信して未だリール3L、3C、3Rの全てが停止していないときには、改めて0秒から計時を開始するとともに、逆位相の音声の出力を停止させるものとすることができる。
【0145】
このように当選状況通知コマンドの受信またはリール停止コマンドの受信から30秒を経過しても停止ボタン12L、12C、12Rが操作されずにリール3L、3C、3Rの回転が停止されないときには、ゲーム中楽曲とは逆位相の音声も出力されて、ゲーム中楽曲の音声が打ち消されるものとなる。これにより、遊技店において複数台のスロットマシン1が並べて設置されているような場合において、遊技者が遊技を行っているとは言い難い状態のスロットマシン1の周囲に設置されたスロットマシンで遊技を行っている遊技者に迷惑をかけることが少なくて済む。また、ゲーム中楽曲そのものの再生出力は、変わらずに行われているので、ADP127などの音声系統の回路の故障であると勘違いされる虞はない。
【0146】
なお、このようなゲーム中楽曲とは逆位相の音声の出力は、高音用スピーカ7L、7Rから出力されるゲーム中楽曲の高音部のみに対して行うものとしてもよい。この場合、低音出力用のスピーカ7Uは、1つのスピーカのみから構成されるものであってもよい。また、当選状況通知コマンドの受信またはリール停止コマンドの受信から30秒を経過しても、逆位相の音声の出力はゲーム中楽曲の高音部に対してのみ行えばよく、低音部についてはゲーム中楽曲を同じ状態で再生して出力すれば済むので、ゲーム中楽曲の音声を打ち消すための制御負荷が大きくなりすぎないで済む。
【0147】
上記の実施の形態では、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されないまま30秒を経過するとゲーム中楽曲から静音楽曲に切り替えて再生されていたが、ADP127による楽曲の再生レベルが変化することはなかった。これに対して、30秒を経過する前であっても停止ボタン12L、12C、12Rが操作されずに所定の時間が経過する度に漸次楽曲の再生レベルを低下させていき、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると元のレベルに戻すものとしてもよい。この場合は、ゲーム中楽曲から静音楽曲への切り替えを行わなくてもよい。
【0148】
図9は、この変形例において演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。この変形例のフローチャートにおいて、扉開放コマンド、扉閉鎖コマンド、エラーコマンド、エラー解除コマンド、並びに当選状況通知コマンド及びリール停止コマンド以外のその他の種類のコマンドを受信したときの処理は、図8のフローチャートに示した処理と同じである。
【0149】
ステップS502において受信したコマンドの種類がステップS109で送信された当選状況通知コマンドであると判定された場合には、まず、RAM122の所定の領域に記憶しているリール停止数を0にクリアする(ステップS601)。次に、CPU121の計時機能を用いて、0秒から時間の計時を開始させる(ステップS602)。次に、ADP127に楽曲の再生レベルを最大レベルであるレベル6に設定するように指令する(ステップS603)。その後、ROM123に記憶されているゲーム中楽曲の楽曲データの再生を開始する旨をADP127に指令する。これにより、レベル6でゲーム中楽曲が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS604)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0150】
ステップS502で受信したコマンドの種類がステップS205で送信されたリール停止コマンドであると判定された場合には、まず、RAM122の所定の領域に記憶しているリール停止数を1だけ加算する(ステップS605)。次に、リール停止数が3になったかどうかにより、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの全てが停止したかどうかを判定する(ステップS606)。リール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、ゲーム中楽曲の再生を停止する旨をADP127に指令する。これにより、スピーカ7L、7U、7Rからのゲーム中楽曲の出力が停止される(ステップS607)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0151】
リール停止数が1または2で未だリール3L、3C、3Rの全てが停止していない場合には、CPU121の計時機能を用いて、改めて0秒から計時を開始させる(ステップS608)。次に、ADP127に楽曲の再生レベルを最大レベルであるレベル6に設定するように指令する。これにより、これまでの再生レベルに関わらずに、レベル6でゲーム中楽曲が再生されてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるようになる(ステップS609)。
【0152】
さらに、液晶表示器4において停止促進報知がされているか否か、すなわちゲーム中楽曲ではなく静音楽曲が再生されているか否かを判定する(ステップS610)。停止促進報知がされていなければ、そのままステップS501の処理に戻る。停止促進報知がされていれば、液晶表示器4において行われている停止促進報知を終了させる(ステップS611)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0153】
ステップS501で何らのコマンドも受信していないと判定された場合には、CPU121の計時機能を用いて計時している時間が5の倍数秒(すなわち、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒または30秒)を経過したかどうかを判定する(ステップS612)。5の倍数秒を経過していなければ、そのままステップS501の処理に戻る。5の倍数秒を経過していれば、ADP127に楽曲の再生レベルを現在の値より1だけ低下して設定するように指令する(ステップS613)。例えば、5秒の経過を計時したときには、これまでの再生レベルがレベル6であったため、レベル5でゲーム中楽曲が再生されることとなる。30秒の経過を計時したときには、これまでの再生レベルがレベル1であったため、ゲーム中楽曲の再生レベルがレベル0となり、スピーカ7L、7R、7Uから出力されなくなる。
【0154】
さらに、CPU121の計時機能を用いて計時している時間が30秒を経過したかどうかを判定する(ステップS614)。30秒を経過していなければ、そのままステップS501の処理に戻る。30秒を経過したときには、液晶表示器4に停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促す旨を示すメッセージを表示する停止促進報知を行う(ステップS615)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0155】
以上のように、この変形例によれば、スタートレバー11が操作されてリール3L、3C、3Rの回転が開始すると最大レベルでゲーム中楽曲の再生が開始され、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止するまでゲーム中楽曲が継続して再生される。また、スタートレバー11が操作されると、その操作時からの経過時間の計時が開始される。ここで、計時する時間が5秒を経過する毎に、スピーカ7L、7U、7Rから出力されるゲーム中楽曲の音量のレベルが1ずつ低下させられていく。計時する時間が3秒を経過すると、ゲーム中楽曲の音量のレベルが0となり、再生の処理そのものは行われていても、スピーカ7L、7R、7Uからはゲーム中楽曲が全く聞こえなくなる。
【0156】
スタートレバー11の操作後、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されれば遊技者によって遊技が進行させられているということになるが、停止ボタン12L、12C、12Rの操作されていない時間が長くなるほど、遊技者によって遊技が進行させられていない可能性が高いこととなる。このように遊技が進行されていない可能性が高くなるほどゲーム中楽曲の音量のレベルを低下させ、その可能性が非常に高いものと考えられる30秒の経過時にはゲーム中楽曲の音量のレベルを0にまで低下させるものとすることで、遊技店において複数台のスロットマシン1が並べて設置されているような場合において、遊技者が遊技を行っている可能性の低いスロットマシン1から音量のレベルの高いままでゲーム中楽曲が出力され続けて、当該スロットマシン1の周囲に設置された他のスロットマシンで遊技を行っている遊技者に迷惑をかけるということがなくなる。
【0157】
また、スタートレバー11の操作後、または一部の停止ボタン12L、12C、12Rの操作後に5秒ずつ経過する度にゲーム中楽曲の音量のレベルが低下させられていくが、新たに停止ボタン12L、12C、12Rの操作があって未だリール3L、3C、3Rの全てが停止しないのであれば、ここでゲーム中楽曲の音量のレベルが再び最大レベルに戻される。そして、改めてこのタイミングから5秒経過する毎に、ゲーム中楽曲の音量のレベルが1ずつ低下させられていくこととなる。このため、遊技者が実際に遊技を行っている状況にあるのに、ゲーム中楽曲が遊技者に聞こえにくくなってしまうということもない。
【0158】
なお、図9の変形例においては、高音出力用のスピーカ7L、7Rから出力されるゲーム中楽曲の高音部のレベルも、低音出力用のスピーカ7Uから出力されるゲーム中楽曲の低音部のレベルも、停止ボタン12L、12C、12Rの操作されない時間の経過とともに漸次低下させるものとしていたが、高音出力用のスピーカ7L、7Rから出力されるゲーム中楽曲の高音部のレベルのみを停止ボタン12L、12C、12Rの操作されない時間の経過に応じて漸次低下させるものとしてもよい。これにより、ゲーム中楽曲の音量のレベルを漸次低下させるための制御負荷が大きくなり過ぎないで済むようになる。
【0159】
また、図9の変形例においては、スタートレバー11の操作により送信される当選状況通知コマンドを受信したとき、または停止ボタン12L、12C、12Rの操作により送信されるリール停止コマンドを受信したときに計時を開始するものとし、ここで計時する時間に応じてゲーム中楽曲の音量のレベルを低下させていくものとしていた。もっとも、このような特別のタイマを用いなくても、例えば、リール3L、3C、3Rの基準位置が検出される度にゲーム中楽曲の音量のレベルを低下させていくものとしてもよい。所定の時間毎にタイマ割り込み処理がされる場合には、このタイマ割り込み処理においてゲーム中楽曲の音量のレベルを低下させていくものとしてもよい。このような場合には、ゲーム中楽曲の音量のレベルを調整するためのタイマを別個に設ける必要がなくなる。
【0160】
上記の実施の形態では、当選状況通知コマンドの受信、すなわちスタートレバー11の操作によってゲーム中楽曲の再生を開始するものとしていたが、スタートレバー11の操作よりもリール3L、3C、3Rの回転開始が遅れる場合もある。従って、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるときに送られるリール回転開始コマンドを受信したときに、ゲーム中楽曲の再生を開始するものとしてもよい。
【0161】
上記の実施の形態では、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rの全ての停止までの間におけるゲーム中楽曲の再生に対して本発明を適用したが、これに限るものではない。例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの開始から終了まで継続して再生されるボーナス中楽曲の再生に対しても、本発明を適用することができる。ビッグボーナス中に再生される楽曲とレギュラーボーナス中に再生される楽曲は、異なる楽曲であってもよい。
【0162】
この場合には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの開始によりボーナス中楽曲を再生開始させるものとするが、メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、若しくは停止ボタン12L、12C、12Rの操作のいずれも検出されずに所定の時間(例えば、30秒)が経過した場合には、再生する楽曲を静音楽曲に切り替えたり、上記した変形例のように指向性スピーカのみからのボーナス中楽曲の出力や、ボーナス中楽曲とは逆位相の音声を出力させるものとしてもよい。
【0163】
また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの開始によりADP127にレベル6でボーナス中楽曲を再生開始させるものとするが、メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、若しくは停止ボタン12L、12C、12Rの操作のいずれも検出されずに所定の時間(例えば、5秒)が経過する度に、ADP127によるボーナス中楽曲の再生レベルを1ずつ低下させるものとしてもよい。メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、若しくは停止ボタン12L、12C、12Rの操作のいずれがあれば、ADP127によるボーナス中楽曲の再生レベルをレベル6に戻すものとすることができる。
【0164】
また、このように所定の遊技状態にあるときに楽曲を再生するものとする場合において、第3停止ボタンの操作が検出されたときに計時を開始し、BET操作があったときに計時を停止するものとしてもよい。ここでも、第3停止ボタンの操作からBET操作がされずに所定の時間を経過した場合に、再生する楽曲を静音楽曲に切り替えたり、上記した変形例のように指向性スピーカのみからのボーナス中楽曲の出力や、ボーナス中楽曲とは逆位相の音声を出力させるものとすることができる。BET操作ではなく、スタートレバー11の操作で計時を停止するものとしてもよい。この場合は、ゲーム中では、遊技者の操作に関わらずにゲーム中楽曲を通常の状態で再生するものとするが、比較的長時間に亘ってゲームが行われないでいる状態でスピーカ7L、7L、7Uから出力される音声により周囲の遊技者に迷惑をかけてしまうのを防ぐことができる。
【0165】
さらに、楽曲が再生されている状態で精算ボタン16が操作されたときには、この時点で再生する楽曲を静音楽曲に切り替えたり、上記した変形例のように指向性スピーカのみから楽曲を出力させたり、楽曲とは逆位相の音声を出力させるものとすることができる。或いは、楽曲の再生そのものを停止させてもよい。このように精算ボタン16が操作されたときには、遊技者が遊技を継続して行う意志がないものと考えられるが、このような場合にこれらの制御を行うことで、遊技者によって遊技が行われていない状態でスピーカ7L、7L、7Uから出力される音声により周囲の遊技者に迷惑をかけてしまうのを防ぐことができる。
【0166】
なお、ビッグボーナス中に再生される楽曲とレギュラーボーナス中に再生される楽曲とが異なる楽曲である場合において、メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作、スタートレバー11の操作、若しくは停止ボタン12L、12C、12Rの操作のいずれも検出されずに所定の時間が経過した場合に再生する楽曲を静音楽曲に切り替える場合において、ビッグボーナス用の静音楽曲とレギュラーボーナス用の静音楽曲は、互いに異なる静音楽曲であっても、両者に共通した静音楽曲であってもよい。
【0167】
上記の実施の形態では、ゲーム中楽曲が再生されていたか静音楽曲が再生されていたかに関わらず、前面扉が開放されたときには楽曲の再生を停止するものとしていたが、静音楽曲が再生されているときにはそのまま再生を続け、ゲーム中楽曲が再生されているときには静音楽曲に切り替えて再生するものとしてもよい。ゲーム中楽曲が再生されていた場合も、静音楽曲が再生されていた場合も、静音楽曲よりもさらに出力される音量のレベルが相対的に低い扉開放時楽曲に切り替えて再生するものとしてもよい。また、前面扉が開放されたときに、ゲーム中楽曲と逆位相の音声を同時に再生することを適用してもよい。これらの場合も、前面扉の開放によってスピーカ7L、7R、7Uが隣の遊技者の方向を向いても、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声によって隣の遊技者に迷惑をかけることが少なくて済むようになる。
【0168】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0169】
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う有価価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。
【0170】
また、スロットマシンだけではなく、パチンコ遊技機においても本発明を適用することができる。パチンコ遊技機においては、複数の入賞口のいずれかに遊技球が入賞したときに0秒から計時をやり直すものとし、計時している時間が所定の時間を経過したときに、ゲーム中楽曲から静音楽曲への切り替えの制御や、上記した各変形例に示した制御を行うものとすることができる。パチンコ遊技機においても、前面扉の開放で楽曲の再生を停止したり、静音楽曲への切り替えや逆位相の音声の出力などを行うものとすることができるが、エラーの発生時に出力されるエラー音については、このような静音制御を行わないようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行するゲーム制御処理を示すフローチャートである。
【図4】図3の抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図5】図3のリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6】前面扉の開放時において実行される扉開放割り込み処理を示すフローチャートである。
【図7】エラー発生時において実行されるエラー割り込み処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御基板内の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図9】演出制御基板内の制御部が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0172】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
3L、3C、3R リール
4 液晶表示器
7L、7R、7U スピーカ
12L、12C、12R 停止ボタン
101 遊技制御基板
111 CPU
112 RAM
113 ROM
102 演出制御基板
121 CPU
122 RAM
123 ROM
127 ADP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的に再生される楽曲をスピーカから音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段とを備え、
前記楽曲データ記憶手段は、前記楽曲の楽曲データとは別に、再生される音量のレベルが前記楽曲よりも相対的に低い静音楽曲の楽曲データを記憶しており、
前記楽曲再生制御手段は、前記楽曲が再生されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データに代えて前記静音楽曲の楽曲データを読み出させて該静音楽曲の再生を開始させ、遊技者により遊技が行われている状態となるまで該静音楽曲を継続的に再生させる静音制御を行う静音制御手段を含む
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
継続的に再生される楽曲をスピーカから音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段とを備え、
前記スピーカは、前記遊技機の正面方向を中心とした所定の指向角の範囲で音声を出力する指向性スピーカと、該指向性スピーカの指向角よりも広い範囲で音声を出力する無指向性スピーカとを含み、
前記楽曲再生制御手段は、
前記楽曲再生手段により再生される楽曲を少なくとも前記無指向性スピーカから音声出力させる通常制御を行う通常制御手段と、
前記通常制御により前記楽曲が音声出力されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、遊技者により遊技が行われている状態となるまで前記楽曲再生手段により再生される楽曲を前記指向性スピーカのみから音声出力させる静音制御を行う静音制御手段を含む
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
継続的に再生される楽曲をスピーカから音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段と、
遊技者により遊技が行われていない状態において経過した経過時間を計測する計時手段とを備え、
前記楽曲再生制御手段は、前記楽曲が再生されている状態で前記計時手段が所定の時間を計時したときに、遊技者により遊技が行われている状態となるまで、前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを再生させて前記スピーカから音声出力させるとともに該出力される楽曲の音声とは逆位相の音声を再生させて前記スピーカから音声出力させる静音制御を行う静音制御手段を含む
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
継続的に再生される楽曲をスピーカから音声出力する遊技機であって、
前記楽曲の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段から順次読み出した楽曲データに従って前記楽曲を再生し、前記スピーカから音声出力させる楽曲再生手段を含む音声再生手段と、
前記楽曲再生手段に前記楽曲の楽曲データを読み出させて該楽曲を継続的に再生させる楽曲再生制御手段を含む音声再生制御手段と、
遊技を進行させるために遊技者により操作される遊技操作手段の操作を検出する遊技操作検出手段とを備え、
前記楽曲再生制御手段は、
前記楽曲再生手段により楽曲の再生が開始されるときに、該再生される楽曲の音量のレベルを所定レベルに設定する初期レベル設定手段と、
前記楽曲が再生されているときに、前記楽曲再生手段により再生される楽曲の音量のレベルを漸次低下させる静音制御を行う静音制御手段と、
前記楽曲が再生されている状態で前記遊技操作手段の操作が検出されたときに、前記楽曲再生手段により再生される音量のレベルを前記所定レベルに再設定するレベル再設定手段とを含む
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記遊技機は、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンであり、
前記識別情報の変動表示を開始させるために遊技者により操作される変動操作手段の操作を検出する変動操作検出手段と、
前記識別情報の変動表示を停止させるために遊技者により操作される停止操作手段の操作を検出する停止操作検出手段と、
前記変動操作検出手段により前記変動操作手段の操作が検出されたときに、前記可変表示装置において前記識別情報の変動表示を開始させる変動開始制御手段と、
前記停止操作検出手段により前記停止操作手段の操作が検出されたときに、前記識別情報の変動表示を停止させる変動停止制御手段と、
前記変動操作手段の操作または前記停止操作手段の操作が検出されたときからの経過時間を計測する手段であって、該変動操作手段の操作または該停止操作手段の操作が検出される度に、該経過時間の計測を新たに開始する変動時計時手段と、
前記識別情報が変動表示されている状態で前記変動時計時手段が前記所定の時間を計時したときに、前記停止操作手段の操作を促すための所定の情報を報知する操作促進情報報知手段と、
前記識別情報が変動表示されている状態で前記変動時計時手段が前記所定の時間を計時したときにおいて前記楽曲が再生されているときに、前記静音制御を行う変動時静音制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記スピーカは、高音出力用スピーカと低音出力用スピーカとを含み、
前記楽曲再生手段は、前記楽曲データ記憶手段から読み出した楽曲データに従って前記楽曲の高音域を含む前記高音出力用スピーカから出力すべき音声を再生する高音再生手段と、該読み出した楽曲データに従って前記楽曲の低音域を含む前記低音出力用スピーカから出力すべき音声を再生する低音再生手段とを含み、
前記静音制御手段は、前記楽曲再生手段のうちの前記高音再生手段のみに対して前記静音制御を行う
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技機は、筐体本体と、一縁部が筐体本体の一縁部にヒンジを介して連結されて該筐体本体に対して開放状態となるとともに筐体の外側に向けて前記スピーカが配された前面扉とから構成されるとともに、前記前面扉が開放状態となっているか否かを検出する開放検出手段をさらに備え、
前記楽曲再生制御手段は、前記開放検出手段により前記前面扉が開放状態となっている旨が検出されたときに、前記楽曲の再生を停止させる再生停止手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記遊技機は、筐体本体と、一縁部が筐体本体の一縁部にヒンジを介して連結されて該筐体本体に対して開放状態となるとともに筐体の外側に向けて前記スピーカが配された前面扉とから構成されるとともに、前記前面扉が開放状態となっているか否かを検出する開放検出手段と、
前記開放検出手段により前記前面扉が開放状態となっている旨が検出されたときに、前記静音制御を行う開放時静音制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または3に記載の遊技機。
【請求項9】
遊技における処理において所定のエラーが発生したかどうかを判定するエラー判定手段をさらに備え、
前記音声再生手段は、前記エラー判定手段により前記所定のエラーが発生したと判定されたときに、所定のエラー音を再生し、前記スピーカから音声出力させるエラー音再生手段をさらに含み、
前記音声再生制御手段は、前記静音制御が行われているか否かに関わらず所定の態様で前記エラー音再生手段に前記所定のエラー音を再生させて前記スピーカから音声出力させる
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−209489(P2007−209489A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31711(P2006−31711)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)