説明

遊技機

【課題】本体枠に対して遊技盤を着脱可能にした遊技機において、遊技機の製造や開発のコストを下げる。
【解決手段】演出制御装置を、演算機能を有する第1演出制御装置33と、第1演算制御装置33により制御され、電気的機器の駆動機能を有する第2演出制御装置31と、に別個に設けて構成し、新機種の入れ替えで遊技盤1のみを交換する際には該第1演出制御装置33を本体枠(120)側に残して新たな遊技盤1でも使用できるようにし、無駄をなくして遊技機全体のコストを下げる。また、第1演出制御装置を本体枠に配設してコネクタ部の接続面を前方に向けて突出するように設け、第2演出制御装置を遊技盤の裏面側に配設してのコネクタ部の接続面を後方に向けて設け、遊技盤を本体枠に取り付ける際の取付動作に応じて第1演出制御装置と第2演出制御装置のコネクタ部同士の接続を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体枠に対して遊技盤を着脱可能にした遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機としてパチンコ遊技機において、遊技領域を形成する遊技盤を本体枠(前面枠)に対して着脱自在に構成し、新機種の入れ替え時には遊技盤のみを交換できるようにしたものが知られている。
遊技盤には、表示ゲームを表示可能な画像表示装置や表示ゲームを装飾する発光部材等が備えられている。一方、本体枠には遊技盤の入賞口へ遊技球が入賞した場合に所定数の遊技球を排出する排出装置や遊技球を遊技領域に発射する発射装置等が配設されている。また、近年では、前記画像表示装置を遊技盤ではなく本体枠に配設したものも考えられている。
【0003】
遊技機には、上記した各種電気機器を制御する制御装置が備えられているが、近年では、これら制御装置を各機能別に分割して設けることが多く、例えば、遊技の進行を制御する遊技制御装置、前記画像表示装置を制御する表示制御装置、装飾装置を制御する装飾制御装置、発射装置を制御する発射制御装置、排出装置を制御する排出制御装置等を備え、メインの制御装置である遊技制御装置からの信号により各制御装置の処理が行われるようになっている。
【0004】
前記遊技制御装置や表示制御装置、装飾制御装置等は各機種独自の機能を制御するものであることから遊技盤と共に交換される装置であるのに対して、発射制御装置や排出制御装置は複数の機種で共通使用できるものであることから、遊技制御装置や表示制御装置は遊技盤の後面に配設し、発射制御装置や排出制御装置は本体枠に配設するようにして遊技盤の交換作業性等を向上させるようにした遊技機が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−116915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、表示制御装置や装飾制御装置におけるプログラムを記憶した記憶機能部や駆動機能部は、遊技盤独自のものであり遊技盤と共に交換できる方がよいが、その他、演算機能部等は、他の機種でも共通に使用できることから、これらも遊技盤と共に交換してしまうのは効率が悪く、遊技機全体のコストアップにもつながってしまう。
【0007】
本発明の目的は、本体枠に対して遊技盤を着脱可能にした遊技機において、遊技機の製造や開発のコストを下げることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、本体枠に対して遊技盤を着脱可能に構成し、遊技の進行を制御する遊技制御装置からの信号に基づいて、前記遊技盤に配設された電気的機器を制御する演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出制御装置は、
演算機能を有する第1演出制御装置と、前記第1演出制御装置により制御され、電気的機器の駆動機能を有する第2演出制御装置と、から構成され、
前記第1演出制御装置を本体枠に配設するとともに、該第1演出制御装置のコネクタ部がその接続面を前方に向けて突出するように設けられ、
前記第2演出制御装置を前記遊技盤の裏面側に配設するとともに、該第2演出制御装置のコネクタ部がその接続面を後方に向けて設けられ、
前記遊技盤を前記本体枠に取り付ける際の当該遊技盤の当該本体枠への取付動作に応じて、前記第1演出制御装置の前記コネクタ部と前記第2演出制御装置の前記コネクタ部の接続が行われるように構成したことを特徴とする。
【0009】
ここで、「遊技盤」は、透明合成樹脂で形成して遊技盤を透かして後方の画像表示装置の画像を視認できるように構成してもよいし、遊技盤に開口部を形成して該開口部から後方の画像表示装置の画像を視認できるように構成してもよい。
また、「第2演出制御装置」は、演出データ基板と演出駆動基板を1つのケースに収納したものの他、演出データ基板と演出駆動基板を別々のケースに収納したもの、すなわち基板ケースを2個備えたものも含む。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、演出制御装置を、演算機能を有する第1演出制御装置と、第1演算制御装置により制御され、電気的機器の駆動機能を有する第2演出制御装置と、に別個に設けて構成したので、新機種の入れ替えで遊技盤のみを交換する際には該第1演出制御装置を本体枠側に残して、新たな遊技盤でも使用でき、無駄がなくなり遊技機全体のコストを下げることができる。
【0011】
また、請求項1に記載の発明によれば、第1演出制御装置を本体枠に配設するとともに、該第1演出制御装置のコネクタ部がその接続面を前方に向けて突出するように設けられ、第2演出制御装置を遊技盤の裏面側に配設するとともに、該第2演出制御装置のコネクタ部がその接続面を後方に向けて設けられているため、遊技盤を前記本体枠に取り付ける際の当該遊技盤の当該本体枠への取付動作に応じて、前記第1演出制御装置のコネクタ部と前記第2演出制御装置のコネクタ部の接続が行われるように構成したので、遊技盤を本体枠に装着するだけでコネクタ部の接続が完了するため遊技盤の交換時の作業を極めて効率よく行うことが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記第2演出制御装置の背面に前記遊技制御装置を回動可能に軸着し、
前記遊技盤を前記本体枠に装着する際には前記遊技制御装置を該遊技盤と略直交するように傾倒させるとともに、該遊技盤を装着した後には該遊技制御装置を前記遊技盤と略平行となるように起立させることで該遊技制御装置の回動端部側所要部位が前記本体枠背面に配設された前記第1演出制御装置に重合するように構成し、
前記遊技制御装置には、当該遊技制御装置を前記起立状態へ変換する際の変換方向側に、該変換動作に応じて前記第1演出制御装置の所定部位を押圧可能な押圧用突起が形成され、
前記押圧用突起の押圧により前記第1演出制御装置の前記コネクタ部と前記第2演出制御装置の前記コネクタ部との接続の補助が行われるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第2演出制御装置の背面に遊技制御装置を回動可能に軸着し、遊技盤を本体枠に装着する際には遊技制御装置を該遊技盤と略直交するように傾倒させるとともに、装着した後には両者を略平行にするように起立させることで重合するように構成し、遊技制御装置には、第1演出制御装置のコネクタ部と第2演出制御装置のコネクタ部との接続を補助する押圧用突起を形成したので、遊技制御装置の状態変換によりコネクタ部の接続を確実にすることが可能となり、別途接続に関する作業無しでもコネクタ部の接続不良による不具合の発生を防止できる。すなわち、第1演出制御装置のコネクタ部が形成された部位を、第2演出制御装置のコネクタ部が形成された部位と遊技制御装置に形成された押圧用突起とによって挟み込むことで、コネクタ部の接続の補助が行われ、確実に接続することが可能となる。
【0014】
なお、請求項1及び請求項2の遊技機にあっては、前記本体枠には、前記遊技盤の後方に画像表示装置を配設可能な収納部を備えた裏機構枠を設け、前記裏機構枠には、前記収納部の下方部に、前記遊技盤に配設された第2演出制御装置が遊技機の裏面に臨む開口部を形成し、前記第1演出制御装置のコネクタ部が前記開口部内にその接続面を前方に向けて突出するように当該第1演出制御装置を前記裏機構枠の背面に配設することで、遊技盤の前記本体枠への装着動作に応じて該第1演出制御装置のコネクタ部と前記第2演出制御装置のコネクタ部の接続が行われるように構成しても良い。
【0015】
このような構成によれば、本体枠に、遊技盤に配設された第2演出制御装置が遊技機の裏面に臨む開口部を形成した裏機構枠を設け、第1演出制御装置をコネクタ部が開口部内にその接続面を前方に向けて突出するように裏機構枠の後面に配設することで、遊技盤の本体枠への装着動作に応じて該第1演出制御装置のコネクタ部と第2演出制御装置のコネクタ部の接続が行われるように構成したので、遊技盤を本体枠に装着するだけでコネクタ部の接続が完了するので遊技盤の交換時の作業を極めて効率よく行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、演出制御装置を、演算機能を有する第1演出制御装置と、第1演算制御装置により制御され、電気的機器の駆動機能を有する第2演出制御装置と、に別個に設けて構成したので、新機種の入れ替えで遊技盤のみを交換する際には該第1演出制御装置を本体枠側に残して、新たな遊技盤でも使用でき、無駄がなくなり遊技機全体のコストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す遊技機の正面図である。
【図2】透明部材保持枠を取り外した状態の遊技機の正面図である。
【図3】透明部材保持枠、遊技盤を取り外した状態の前面枠の前面側から見た斜視図である。
【図4】遊技機の背面図である。
【図5】遊技機の背面側から見た斜視図である。
【図6】遊技機の背面側から見た斜視図であって、遊技制御装置を水平な状態(傾倒状態)にした様子を示す図である。
【図7】遊技盤を取り外した状態の前面枠の背面側から見た斜視図である。
【図8】遊技盤の背面図である。
【図9】遊技盤の背面側から見た斜視図である。
【図10】遊技盤の背面側から見た斜視図であって、遊技制御装置を水平な状態(傾倒状態)にした様子を示す図である。
【図11】第1演出制御装置の背面側から見た斜視図である。
【図12】第1演出制御装置の前面側から見た斜視図である。
【図13】第2演出制御装置の背面図である。
【図14】第2演出制御装置の背面側から見た斜視図である。
【図15】第2演出制御装置の背面側から見た分解斜視図である。
【図16】押圧用突起によるコネクタ部の接続の補助を説明するための遊技機の下部側面図であって、(a)遊技制御装置を水平な状態(傾倒状態)にした様子を示す図、(b)遊技制御装置を傾倒状態から回動させ垂直な状態にした様子を示す図である。
【図17】遊技制御装置を垂直な状態(起立状態)で固定する固定手段を説明するための遊技機の下部側面図であって、(a)遊技制御装置を傾倒状態から回動させ垂直な状態にした様子を示す図、(b)遊技制御装置を(a)の状態から下方に移動させた様子を示す図である。
【図18】遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図18を用いて説明を行う。
【0019】
図1から4に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
【0020】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
【0021】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0022】
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、図1に示すように、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0023】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置57としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58,58などが設けられている。
【0024】
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0025】
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置60(図18に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン59(図18に図示)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ58などが設けられている。
【0026】
また、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
【0027】
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
【0028】
図3から7に示すように、裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33、賞球などを排出する排出装置190と排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192が設けられている。
【0029】
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。すなわち、裏機構枠160に表示ユニット170が配設されることで、表示ユニット170は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後面部161aとなる。
【0030】
裏機構枠本体161は所定の厚みを有し、この裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット170を前側に付勢する表示ユニット付勢手段をなす付勢部材としての圧縮コイルばね(図示略)を収納する後側が閉鎖された筒状の付勢部材収納部181,181(裏面側のみを図示)や、裏機構枠本体161を補強するための補強リブが形成されている。また、後述するように裏機構枠本体161の後面部161aの背面には、第1演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
【0031】
また、図3に示すように、この裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。そして、後面部161aおよび周囲壁187、ガイド部162,162によって、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、この空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、ガイド部162,162は裏機構枠本体161における後面部161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
【0032】
このように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の画像表示面171が臨むようになっている。
【0033】
表示ユニット170は、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56を含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
【0034】
表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所からは、側部に対して垂直に外側に突出する被案内部(図示略)が設けられている。この被案内部は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材を、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えている。そして、表示ユニット収納部168には、この被案内部と対応する位置に前後に延在する溝状の案内部(図示略)が形成されており、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内において前後動自在に配されることとなる。また、案内部に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部もしくは回転可能なローラが当接することとなり、被案内部と案内部との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット170を円滑に前後方向に移動することができるようになっている。
【0035】
表示ユニットケース174の裏面には、表示ユニットケース174に収納される液晶表示パネル175と、裏機構枠160の裏面側に配される演出制御装置33とを接続する配線を通すための、前後に貫通した図示しない配線用開口が形成されている。この配線用開口は、液晶表示パネル175の裏面側に設けられたコネクタ部の位置に対応して形成されており、液晶表示パネル175を表示ユニットケース174に収納すると、この配線用開口からコネクタ部が露出するようになっている。なお、この配線用開口が形成された位置は、表示ユニット170を表示ユニット収納部168に収納した際に、後面部161aに形成された第1演出制御装置配設部165に対応する位置となっており、第1演出制御装置配設部165にもこれに対応して配線を挿通する配線用開口が形成されている。
【0036】
液晶表示パネル175は、矩形板状であって表示ユニットケース174にちょうど収まる大きさとなっている。この液晶表示パネル175は、液晶表示器55とバックライト56などから構成され、液晶表示器55の画像表示面171が、前側に臨むように配されている。
【0037】
液晶表示器55の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口87よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器55の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
【0038】
また、液晶表示器55は、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は第2演出制御装置31の演出データ基板32に記憶されているが、第2演出制御装置31は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に第2演出制御装置31も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
【0039】
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット170の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット170の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット170の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部内に被案内部が収納された状態となっているので、表示ユニット170が非平行状態になっても被案内部が案内部から脱落することがない。
【0040】
また、表示ユニット170は、圧縮コイルばねからなる表示ユニット付勢手段により前方側に向かって付勢された状態となっており、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、前後の移動範囲の最も前側の位置に配される。
【0041】
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、後述する遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット170の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、図16,17に示すように、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット170の前面に密着し、表示ユニット170は遊技盤裏面構成部材80のベース盤81の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。以上のような構成によって、液晶表示器55を備えた表示ユニット170は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
【0042】
図3から7、11,12に示すように、裏機構枠160の後面部161aの背面(裏面)には、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である第1演出制御装置配設部165が形成され、ここに第1演出制御装置33が配設されている。この第1演出制御装置33はCPUなどを備えた演出制御基板33kがボックス33aに収納されたものであって、画像表示装置をなす表示ユニット170における液晶表示器55の表示を制御する表示制御装置をなすものである。この演出制御基板33kを収納したボックス33aの下側部分の裏面側には、図4に示すように、遊技制御装置30を起立した状態としたときにその一部が重合して配されるようになっており、この部分はその厚みの分だけ薄く形成されている。また、この遊技制御装置30が重合して配される部分には、後述するように遊技制御装置30が起立した状態を保つための係止受部33p、ロック片33qが形成されている。
【0043】
遊技機100の裏面側に面する第1演出制御装置33の裏面側部には、演出制御基板33kに設けられたコネクタ部33n,33n,…が外部に露出している。この外部に露出したコネクタ部33n,33n,…によって第1演出制御装置33は他の装置と接続できるようになっている。また、裏機構枠160の後面部161aと対向する第1演出制御装置33の前面にも、演出制御基板33kに設けられたコネクタ部33s,33sが外部に露出している。この外部に露出したコネクタ部33s,33sには、後面部161aの背面であって、第1演出制御装置配設部165が形成された部分に形成された表示ユニット収納部168に連通する配線用開口を通して液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)からの配線が接続されるようになっている。これによって第1演出制御装置33と液晶表示パネル175が接続されるようになっている。
【0044】
また、第1演出制御装置33を収容したボックス33aの上下幅は、第1演出制御装置配設部165の上下幅よりも広く、第1演出制御装置配設部165にこのボックス33aを収容すると、ボックス33aの下部が第1演出制御装置配設部165の下方に形成された開口部163に延出するようになっている。すなわち、第1演出制御装置33の下部は、開口部163に延出する突出部とされている。そして、図3に示すように、第1演出制御装置33の前面側であって開口部163に延出する部分からはコネクタ部33mがボックス33aの外側に露出している。
【0045】
後述するように、遊技盤1の裏面には図10,15に示すように演出データ基板32を備える第2演出制御装置31が取り付けられており、この第2演出制御装置31の裏面であって、第1演出制御装置33が取り付けられた第1演出制御装置配設部165の下方に位置する部分には、演出データ基板32のコネクタ部32fが外部に露出している。そして、この演出データ基板32のコネクタ部32fと第1演出制御装置33のコネクタ部33mは、互いに対向するように配され、演出データ基板32と第1演出制御装置33が直接接続できるようになっている。また、コネクタ部33mのコネクタ部32fとの接続面における両端部には、前方へ突出する円柱状の嵌合凸部33t,33tが形成されている。この嵌合凸部33t,33tは、コネクタ部32fのコネクタ部33mとの接続面における両端部に形成された嵌合凹部32g,32gに嵌合可能であり、これによって、両コネクタ部33m,32fが正しく接続されるようになっている。
【0046】
また、第1演出制御装置33の下端部には、前後に貫通した矩形状の開口を有する係合受部33r,33rが形成されている。この係合受部33r,33rには、第2演出制御装置31の裏面側に形成された係合部71p,71pが係合するようになっており、第1演出制御装置33と第2演出制御装置31が確実に接続できるようになっている。また、第1演出制御装置33の裏面上部には、音量を調節する音声ボリューム33gが外部から操作可能に設けられている。
【0047】
さらに、第1演出制御装置33の裏面には、後述する遊技制御装置30に形成された板状の係止部92を係止する係止受部33pが形成されている。この係止受部33pは、遊技制御装置30を所定位置に配した際に係止部92が位置する部分にあって、ボックス33aの裏面から垂直に後方へ延出するとともに、先端部が右側へ直角に屈曲した略L字状に形成され、係止部92の後方への移動を規制するものである。また、ボックス33aの裏面には、後述する遊技制御装置30に形成されたロック受突起94と係合し、上方向への移動を規制するロック片33qが形成されている。このロック片33qはボックス33aの一部をU字型に切り取ることで、上部のみがボックス33aと連続した板状の部材で、前後に弾性変形可能となっている。また、板状のロック片33qは、上下方向に沿った中央で後方に屈曲しており、下端部が後方(ボックス33aの外側方向)へ突出するようになっている。なお、これら係止受部33p、ロック片33qによる遊技制御装置30の移動の規制については後述する。
【0048】
以上のことから、裏機構枠160の背面であって開口部163の縁に遊技制御装置30からの信号に基づき画像表示装置(表示ユニット170)の表示制御を行う表示制御装置(第1演出制御装置33)を配設し、表示制御装置のケース部材(ボックス33a)にロック片33qを設けている。
【0049】
また、図4に示すように、後面部161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て、第1演出制御装置配設部165の右側には、第1演出制御装置33と他の装置等を接続する配線を収納する接続用凹部183が形成されている。
【0050】
この接続用凹部183の上半部はカバー部材204によって覆われ、下半部は遊技制御装置30によって覆われるようになっている。このように配線を接続用凹部183内に収納し、接続用凹部183の開口部分をカバー部材204および遊技制御装置30で覆って閉鎖することにより、配線が露出してばらけてしまうことを防止することができる。
【0051】
裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する貯留タンク192が取り付けられるようになっている。
【0052】
貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する貯留タンク192の底面には、貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口(図示略)が形成されている。
【0053】
貯留タンク192の排出口は後面部161aの背面に位置しており、後面部161aの背面に形成された流路形成凹部184には、この排出口に連通した導出流路を形成する導出流路形成部材195,196が取り付けられている。この導出流路は、排出口から排出された遊技球を裏機構枠160の右端部へ誘導するとともに、裏機構枠160の右端部においてさらに下方へ誘導するように形成されており、その下流側端部は裏機構枠160の裏面に設けられた排出装置190に接続している。また、貯留タンク192隣設して、遊技機外部の装置(管理装置)と接続するための盤用外部出力端子206が設けられている。
【0054】
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。この排出装置190は、上部に導出流路に接続する遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続する遊技球を排出する排出口を備えており、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることで、所定数の遊技球を下部流路に排出するようになっている。
【0055】
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見た右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成されており、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。この下部流路の下流側端部は、発射操作ユニット150の前面に形成された上皿153に連通しており、排出装置190から排出された所定数の遊技球が上皿153排出されるようになっている。なお、貯留タンク192の排出口から排出装置190に至る導出流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって導出流路内の遊技球が排出されることに伴って貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
【0056】
図2、8から10に示すように、前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた第1遊技領域1aを有し、この第1遊技領域1a内に発射装置60から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0057】
図2に示すように、遊技盤本体1bの前面側には、第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。この遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて第1遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、第1遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0058】
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材132,132が係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材132,132に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部に収容し、固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
【0059】
また、図8から10に示すように、遊技盤本体1bの裏面側に設けられた遊技盤裏面構成部材80は、遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状をしており、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80における遊技盤本体1bの裏面に沿って配されるベース盤81の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された第1遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
【0060】
また、ベース盤81の裏面側には、視認開口87の左右および下側に沿って後方に突出する表示領域区画壁82が形成されており、また上側には、演出部材を備え、遊技盤装飾装置54の一部をなす演出装置25が配されており、これによって前後方向に沿った筒状の空間が形成されている。この表示領域区画壁82および演出装置25は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面171に近接するように配される(当接はしない)ようになっており、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するものである。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171のうち、視認開口87の周縁に沿って形成された表示領域区画壁82および演出装置25で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。また、表示領域区画壁82が遊技盤1と表示ユニット170との間の空間の側壁を構成する側部囲い壁をなす。これによって、第1遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁82および演出装置25で囲まれた領域の一部が、遊技球が流下可能な第2遊技領域20とされている。
【0061】
以上のことから、画像表示装置(表示ユニット170)を、遊技盤1の後方側であって本体枠(前面枠120)に設けて、該遊技盤1に形成された表示領域から表示ゲームを視認できるように構成したこととなる。
【0062】
なお、上述したように画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。また、左右の表示領域区画壁82は、表示領域区画壁82を通して遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、表示領域区画壁82の外側を前方から隠蔽するように構成されている。また、下部の表示領域区画壁82は着色されて不透明とされ、遊技機100の内部が見えないようになっている。また、視認開口87の上端部を区画する演出装置25も不透明な材質からなり、遊技機100の内部(例えば、変動入賞装置の駆動源や配線)が見えないようになっている。さらに、演出装置25の前面側には、例えば機種名や装飾図柄などが描かれた装飾板が配されており、遊技盤1の前面側から演出装置25が見えないようになっている。すなわち、表示領域区画壁82と演出装置25で囲まれた視認開口87の外周部分となる領域は遊技盤1の前面側からは見えないようにされており、この領域が隠蔽領域となる。
【0063】
演出装置25は、内部に演出部材と、この演出部材を駆動する駆動装置が設けられており、遊技の進行に合わせて演出部材を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。すなわち演出部材は、通常時は演出装置25の内部に収納された状態となっていて、遊技者からは見えないように隠蔽されており、この状態から駆動装置により駆動されて視認開口87に現出し、遊技者から視認可能となることで演出を行うようになっている。また、この演出装置25は遊技盤装飾装置54の一部をなすものであって、図18に示すように、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31のドライバ基板35を介して制御するようになっている。
【0064】
図8から10に示すように、ベース盤81の裏面には、左右の端部に隣接する位置に、後方へ突出する押圧部83,83,…が上下に形成されている。この押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね182)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
【0065】
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、遊技盤1と表示ユニット170は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁82の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、表示領域区画壁82が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
【0066】
このように、遊技盤1に対して表示ユニット170が所定の間隔をおいて遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット170と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット170を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
【0067】
また、押圧部83,83,…はベース盤81に形成された基部83aと、基部83aの後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、図10に示すように、ベース盤81の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部83aには、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付け可能とされている。
【0068】
表示ユニット170の前面に当接する押圧部83,83,…がこのような構成を有することで、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
【0069】
図2に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1a内には、遊技盤1の装飾や遊技球を流下案内する遊技装置として、普図始動ゲート6、始動入賞口10および普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4が設けられている。さらに遊技装置として、一般入賞口形成部材14,14に設けられた一般入賞口2,2、風車と呼ばれる打球方向変換部材11,11、多数の障害釘(図示略)、流下方向規制装置7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置54(図18に図示)などが設けられている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、遊技球が流下可能な後述する第2遊技領域20が設けられ、第1遊技領域1aには遊技装置として、この第2遊技領域20への導入口をなすワープ入口12,12、第2遊技領域20からの導出口13が設けられている。
【0070】
普図始動ゲート6は遊技球が上下に通過可能なゲートであり、その内部には遊技球の通過を検出するゲートセンサが設けられている。そして、該ゲートセンサで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。また、普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない普図変動表示器にて表示されるようになっている。さらに、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない普図始動記憶表示器が設けられている。
【0071】
始動入賞口10および普通変動入賞装置3は第1遊技領域1aの下部にあって、その内部には遊技球の流入を検出する始動口センサ50(図18に図示)が設けられている。この始動入賞口10および普通変動入賞装置3は、特図始動入賞口であって、始動口センサ50で遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない特図変動表示器にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない特図始動記憶表示器が設けられている。
【0072】
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動入賞口10の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0073】
また、特図変動表示ゲームは、第1遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット170の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、後述するように、遊技盤1を構成する遊技盤裏面構成部材80に形成された表示領域区画壁82によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、遊技機100に特図変動表示器を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
【0074】
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは、ソレノイド(大入賞口SOL53、図18に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(カウントセンサ51、図18に図示)が配設されている。
【0075】
一般入賞口形成部材14,14は、第1遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って配されており、前面側には一般入賞口2,2が形成されている。また、この一般入賞口2,2には、一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ52(図18に図示)が配設されている。また、一般入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて不透明となっているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置54の一部をなしている。
【0076】
そして、遊技を開始することにより第1遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、特図始動入賞口(始動入賞口10、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が後述の排出発射制御装置34(排出発射制御基板)の制御により排出装置190によって貯留皿に排出される(払い出される)ようになっている。
【0077】
また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられている。この流下方向規制装置7は透光性を有する材質からなる部材で、鎧部7aとその両端に接続した案内部7b,7bとから略コ字状に形成されていて、コ字状の開口部分が下側を向くように第1遊技領域1aの中央部に配され、第1遊技領域1aの中央部分を区画するようになっている。これによって、第1遊技領域1aに発射されて流下する遊技球が第1遊技領域1aの左右に振り分けられ、第1遊技領域1aの中央部分における画像表示面171の視認性が保たれるようになっている。
【0078】
この流下方向規制装置7の鎧部7aは、第1遊技領域1aの中央部分に対して上側に配されて上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、第1遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。
【0079】
また、鎧部7aの端部に連続した案内部7b,7bは、第1遊技領域1aの中央部分に対して左右に配されて下方に向かって延在するようになっている。この案内部7b,7bは、鎧部7aで左右に振り分けられた遊技球が中央部分へ戻らないように下方へ案内するものである。また、この案内部7b,7bの下端部にはワープ流路24a,24aへの入口となるワープ入口12,12が、流下方向規制装置7の外側(案内部7bと、対向する遊技領域区画壁9との間)を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されている。また、遊技盤本体1bにおけるワープ入口12,12が配される部分には、前後に貫通したワープ孔が形成され、ワープ入口12,12から流入した遊技球を、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述する第2遊技領域20へ誘導可能とされている。
【0080】
図9,10に示すように、遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁82で囲まれた領域内には、遊技装置としてのステージ部材21が配されている。このステージ部材21は透光性を有する材質からなる板状の部材であって、左右の端部は表示領域区画壁82の内周面と近接して配され、後端部は表示領域区画壁82の後端部と等しい前後位置に配されている。すなわち、このステージ部材21によって、表示領域区画壁82によって形成された前後方向に沿った筒状の空間が上下に区画されるようになっている。そして、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170が配されることで、表示ユニット170と表示領域区画壁82、ステージ部材21によって囲まれた空間である第2遊技領域20が遊技盤本体1bの裏面側に形成される。このように形成される第2遊技領域20へは、案内部7b,7bに形成されたワープ入口12,12に流入した遊技球が誘導されるようになっている。
【0081】
遊技盤本体1bの裏面におけるワープ入口12,12と対応する位置には、遊技装置としての遊技球流路形成部材をなすワープ流路形成部材24,24が配されている。このワープ流路形成部材24,24は透光性を有する材質からなる部材で、ワープ入口12,12に流入してワープ孔を通って遊技盤本体1bの裏面に至った遊技球を、ステージ21a上に誘導するワープ流路24aを備える。このワープ流路24aは、遊技球を一列で流下可能な筒状の流路であって、その入口となる上流側端部は遊技盤本体1bに形成されたワープ孔に接続しており、ここから遊技盤本体1bの裏面に沿って遊技盤本体1bの側端方向へ屈曲し、出口となる下流側端部はステージ21aの側端部の上方に近接した位置に配されるようになっている。これによって、第1遊技領域1aに開口したワープ入口12に流入した遊技球は、ワープ流路24aを通って第2遊技領域20におけるステージ部材21の上面に形成されたステージ21aに誘導されることとなる。
【0082】
ステージ部材21は、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。このステージ部材21の上面における前側は、遊技球が転動するステージ21aとされ、後側は、ステージ21aよりも一段高くなった段部27とされている。さらにステージ部材21の後端部となる段部27の後端部には、段部27の上方に突出する起立壁28が形成されている。
【0083】
ステージ21aには上述したワープ流路24aを流下した遊技球が誘導されるようになっており、ステージ21aに誘導された遊技球は、略W字状の傾斜に沿って左右に転動するようになっている。また、ステージ21aの後方に、一段高くなった段部27が形成されていることにより、ステージ21a上を転動する遊技球がステージ21aを外れて後方へ行かないように規制される。さらに、段部27の後端部に、段部27の上方に突出する起立壁28が形成されていることにより、ステージ21aを外れて段部27に載ってしまった遊技球が、ステージ部材21の後端部を超えて後方へ行かないように規制される。このような段部27と起立壁28により、ステージ21a上を転動する遊技球が、ステージ部材21の後方に配される表示ユニット170に接触することを防止している。
【0084】
また、略W字状に形成されたステージ部材21のステージ21aにおいて、上向きに突出した中央部の両側に位置する最も低くなった部分は、前方に向かって下る傾斜面21b,21bとされている。また、このステージ部材21の中央部は、遊技盤本体1bに形成された導出口13の後方に位置するように形成されており、ステージ21aは、導出口形成部材23によって形成された導出口13の底面に連続するようになっている。これによって、ステージ21a上を転動する遊技球は前側へ誘導され、導出口13から第1遊技領域1aへ導出されることとなる。
【0085】
また、ステージの左右方向の中央であって、遊技球が転動する面の下側には、遊技球が流下可能な流路である球誘導路22の後方部分が形成されている。この球誘導路22は、前後方向に沿って延在するように形成された遊技球が一個流下可能な内径を有する筒状の流路で、前側に向かって下るように傾斜している。この球誘導路22の下流側端部はステージ部材21の前端部に開口しており、導出口形成部材23に形成された球誘導路22の前方部分に接続するようになっている。
【0086】
この球誘導路22には、ステージ21aから垂直に下方へ延在する流入流路21cが接続している。この流入流路21cは、ステージの左右方向の中央に形成されており、流入口21dとなる上流側端部がステージ21a上に開口している。また、ステージ21aの上面であって流入流路21cの流入口21dの後側には、ステージ21a上を転動する遊技球を流入口21dに誘導するように、前後方向に沿って延在し、流入口21dに向かって下る傾斜を有する溝部21eが形成されている。この他にステージ21aの上面には、遊技球の転動態様に変化を与えるリブ21fや突条21gが形成されている。
【0087】
図2に示すように、第1遊技領域1aにおける始動入賞口10の上側には、第2遊技領域20からの導出口13が形成されている。この導出口13は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通した導出孔に導出口形成部材23を取り付けることで構成されている。この導出口形成部材23は、遊技盤本体1bと略同じ厚みを有し、導出孔に嵌め込まれる部分に導出口13を形成する筒状の開口23aが形成されている。この筒状の開口23aの内周面における下側の面(導出口13の底面)は、後方に配されるステージ21aの形状に合わせた曲面とされているとともに前側に傾斜するようにされており、ステージ21aから前側に誘導された遊技球を第1遊技領域1aに誘導可能とされている。また、この曲面とされた遊技球が転動する下側の面の下方には、ステージ21aの下方に前後方向に沿って延在するように形成された球誘導路22の後方部分と連通する球誘導路22の前方部分が形成され、これらによって、前後方向に延在する球誘導路22が形成される。導出口形成部材の前端部に位置する球誘導路22の下流側端部は、始動入賞口10の直上に位置するようになっており、ここを流下した遊技球は高い確率で始動入賞口10に流入するようになっている。
【0088】
図9,10に示すように、遊技盤裏面構成部材80の裏面側であって、視認開口87の下側には、取付ベース85が設けられている。この取付ベース85には、始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路が設けられている。この入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。また、この取付ベース85の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸86,86が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
【0089】
図13から15に示すように、第2演出制御装置31は、画像データなどを記憶したROM(図18に図示)を備える演出データ基板32と、遊技盤装飾装置54を駆動するための盤装飾ドライバ35a(図18に図示)を備えたドライバ基板35がケース部材70に収納されたものである。このケース部材70は、演出データ基板32、ドライバ基板35を収納する凹室状の空間を有する透明な合成樹脂製の第1ケース部材71と、該第1ケース部材71に形成された凹室状の空間の開口を閉鎖する透明な合成樹脂製の第2ケース部材72とからなる。またケース部材70は、左右の両端部が前方に向かって延出し、上方から見てコ字状に形成されていて、取付ベース85の裏面に取り付けることで、該取付ベース85との間に空間が形成されるようになっている。このように形成された空間は変動入賞装置(普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4)の設置空間をなし、変動入賞装置に入賞した遊技球を流下させる流路や、変動入賞装置の駆動部材(開閉部材3a,3a、開閉扉4a)を動作させるための駆動源が配されるようになっている。
【0090】
第1ケース部材71は、その裏面側が第2演出制御装置31の裏面をなし、前面側に演出データ基板32、ドライバ基板35を収容する凹室状の空間が形成されている。この第1ケース部材71には、演出データ基板32のコネクタ部32f、ドライバ基板35のコネクタ部35bを露出させるための前後に貫通する開口71q,71rが形成され、両基板32,35が他の装置と接続できるようにされている。このうち、演出データ基板32のコネクタ部32fが露出する第1ケース部材71の裏面側から見て左側の開口71qの周囲は、このコネクタ部32fに接続する第1演出制御装置33の突出部の下端部を収容可能となるように、前方に窪んだ第1演出制御装置収容凹部71aとされている。また、第1演出制御装置収容凹部71aの下側には係合部71p,71pが形成されており、上述した第1演出制御装置33に形成された係合受部33r,33rに係合することで、第1演出制御装置33と第2演出制御装置31とが連結されるようになっている。
【0091】
また、第1ケース部材の裏面側に露出するコネクタ部32fのコネクタ部33mとの接続面における両端部には、筒状の凹部である嵌合凹部32g,32gが形成されている。この嵌合凹部32g,32gは、コネクタ部33mのコネクタ部32fとの接続面における両端部に形成された円柱状の嵌合凸部33t,33tに嵌合可能であり、これによって、両コネクタ部33m,32fが正しく接続されるようになっている。
【0092】
また、ドライバ基板35のコネクタ部35bが露出する第1ケース部材71の裏面側から見て右側の開口71rの周囲は、裏機構枠160の裏面に形成された接続用凹部183と段差なく連続する凹部71bとされており、コネクタ部35bに接続した配線は、接続用凹部183内に配設されるようになっている。なお、第1演出制御装置収容凹部71aよりも接続用凹部183に連続する凹部71bの方が前側に大きく窪んでおり、演出データ基板32とドライバ基板35の収容部分の間には、前後方向に段差をなす段差部71sが形成され、演出データ基板32よりもドライバ基板35の方が前側の位置に配されるようになっている。
【0093】
また、第1ケース部材71の裏面側から見て左側部には、軸受部71c,71cが側方へ突出するように形成されている。この軸受部71c,71cは上下に貫通する貫通穴を有し、この貫通穴に取付ベース85の裏面側に形成された、上下方向に沿って延在する回動軸86,86を挿入することで、取付ベース85に対して第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
【0094】
さらに、第1ケース部材71の裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸71dを備える一対の支持部71e,71eが形成されており、後述する遊技制御装置30を収納したボックス30aに形成された回動軸受90,90の挿通穴90a,90aに嵌合することで、遊技制御装置30を回動可能に軸支するようになっている。すなわち、第2演出制御装置31の裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。また、遊技制御装置30を収納したボックス30aを軸支する一対の支持部71e,71eの間には、遊技制御装置30を水平状態に倒した状態で、遊技制御装置30を下側から支えて水平状態を保持する保持板71fが後方へ延出するように形成されている。これにより、第2演出制御装置31の裏面に回動可能に取り付けられる遊技制御装置30の回動範囲が、図5に示すように、第2演出制御装置31の裏面に沿って垂直な状態となる起立状態から、図6に示すように、保持板71fに支持されて水平な状態となる傾倒状態までの間とされる。
【0095】
また、遊技制御装置30を収納したボックス30aを軸支する支持部71e,71eの近傍には、遊技制御装置30が第1ケース部材71の裏面に沿って配された状態、すなわち遊技制御装置30が起立した状態を保持する保持部材71gが設けられている。この保持部材71gは、一端に第1ケース部材71に形成された回動軸71hを受け入れる軸受部71iが形成され、他端に遊技制御装置30に形成された係止片91を係止する係止部71jが形成されている。そして、軸受部71iが第1ケース部材71の裏面に形成された回動軸71hに回動可能に軸支されることで、第1ケース部材71の裏面に沿って回動可能に取り付けられることとなる。このように取り付けられた保持部材71gは、係止部71jが係止片91から退避した解除状態と、係止部71jが係止片91の上側に係合し、遊技制御装置30の上方向への移動を規制する固定状態とに変換可能とされている。
【0096】
また、第1ケース部材71の裏面には、遊技制御装置30に形成された係止部92,92,…を受け入れる係止受部71k,71k,…が形成されている。この係止受部71k,71k,…は、遊技制御装置30を所定位置に配した際に係止部92が位置する部分にあって、第1ケース部材71の裏面から垂直に後方へ延出するとともに、先端部が上側へ直角に屈曲した略L字状に形成され、係止部92の下方および後方への移動を規制するものである。
【0097】
この他に、第1ケース部材71の裏面には、配線を保持するための配線保持部71m,71m,…が形成されている。また、第1ケース部材71の裏面における左下部には、遊技制御装置30と第1演出制御装置33との間の接続を中継するための中継基板73を収納する前方へ窪んだ中継基板収納部71tが形成され、ここに中継基板73が取り付けられている。さらに、第1ケース部材71の下部には、第2ケース部材72に形成されたかしめ受部72aとによって、第2ケース部材72と第1ケース部材71とを容易に開封できないように固着するかしめ部71nが形成されている。
【0098】
第1ケース部材71に形成された凹室状の空間には、裏面側から見て左側に内側カバー部材74を挟んで演出データ基板32が収納され、右側にドライバ基板35が収納されるようになっている。このように両基板を収納することで、第1ケース部材71に形成された開口部からコネクタ部32f,35bが外部に露出するようになっている。そして、第2ケース部材72を取り付けることで両基板がケース部材70内に収容された状態となる。
【0099】
ここで、内側カバー部材74は、所定の厚み(前後幅)を有するとともに、上部に切欠状の開口74aを有する透明な合成樹脂からなるU字形板状の部材で、第1ケース部材71における演出データ基板32を収容する部分の前側の面(ケース部材70の内側となるの面)に沿って配されるようになっている。そして、内側カバー部材74が第1ケース部材71に配された状態において、切欠状の開口74aには、第1ケース部材71の前面に前方へ突出するように形成された第1演出制御装置収容凹部71aがちょうど嵌るようになっている。すなわち、内側カバー部材74は、第1ケース部材71における演出データ基板32を収容する部分のうち、第1演出制御装置収容凹部71aを除く部分に配されるようになっている。
【0100】
また、第1ケース部材71の前面に沿って配される内側カバー部材74の裏面側には、第1ケース部材71の前面に前方へ突出するように形成された係合部71p,71p、中継基板保持部71tをちょうど収容可能な収容凹部74b,74b,74bが形成されており、内側カバー部材74が第1ケース部材71の前面の凹凸に沿って配されるようになっている。このような構成を有する内側カバー部材74により、第1ケース部材71に支持部71eや係止受部71k,71k,…、配線保持部71m、係合部71p,71pなどを形成したことによる開口を内側から閉鎖することができ、ピアノ線などがこれらの開口から挿入されることを防止し、第2演出制御装置31に対する不正行為を防止することができる。
【0101】
また、内側カバー部材74の内部は前側に開口した空間となっており、この空間を囲む内側カバー部材74の周壁74cにおける最も前側に延出した端部は同一面上に位置し、演出データ基板32の裏面における電子部品(図示略)が配されていない周縁部に当接するようになっている。すなわち、内側ケース部材74は、その裏面側に形成された収容凹部74b,74b,74bで第1ケース部材71の前面の凹凸を吸収し、前面側の端部で演出データ基板32を適切な位置に配設する位置決め部材としての機能も有する。
【0102】
第2ケース部材72は、第1ケース部材71に形成された凹室状の開口にちょうど嵌る大きさの板状の部材であって、第1ケース部材71に対してねじによって固定できるようになっている。さらに、第2ケース部材72の下部には、第1ケース部材71に形成されたかしめ部71nと対向する位置に、かしめ受部72aが形成されており、これらによって第2ケース部材72と第1ケース部材71が容易に開封できないように固着され、不正行為を防止するようにしている。また、第2ケース部材72には、ドライバ基板35に形成されたコネクタ部35cを外部に露出させるための開口72bが形成されている。なお、このコネクタ部35cは、遊技盤装飾装置54とドライバ基板35を接続するためのものである。
【0103】
以上のことから、演出データ基板32と、演出駆動基板(ドライバ基板35)と、該演出データ基板32及び演出駆動基板を収納するケース部材70と、により第2演出制御装置31を構成したこととなる。
【0104】
図4から6、8から10、図16,17に示すように、第2演出制御装置31の裏面側には遊技制御装置30が配されている。この遊技制御装置30は、CPUなどが備えられた遊技制御基板がボックス30aに収納されたものである。この遊技制御基板を収納しているボックス30aには、遊技制御基板に設けられたコネクタ部30e,30e,…を外部に露出させるための開口が形成されており、遊技制御装置30を他の装置と接続できるようになっている。
【0105】
また、ボックス30aの下部には、第2演出制御装置31の裏面に形成された支持部71eの回動軸71dを挿通可能な挿通穴90aを備える回動軸受90,90が形成されている。この回動軸受90は、ボックス30aの下端から下方に延出するように形成されており、ここに形成される挿通穴90aは左右に貫通するように形成されているとともに、遊技制御装置30の上下方向に沿って延在する長穴とされている。これにより、遊技制御装置30は、第2演出制御装置31に対して回動可能に配される。すなわち、支持部71e,71e、回動軸受90,90が、遊技制御装置30を、図5に示すように、第2演出制御装置31の裏面に沿って遊技盤1と略平行な起立状態から、図6に示すように、保持板71fに支持されて水平な状態となって開口部163に挿脱可能となる傾倒状態に変換可能とする回動機構をなす。
【0106】
また、ボックス30aの下部であって、第2演出制御装置31に設けられた保持部材71gと対応する位置には、保持部材71gの係止部71jが係合可能な係止片91が形成されている。また、ボックス30aの周囲には、第1演出制御装置33、第2演出制御装置31に形成された係止受部33p、71k,71k,…と対応する位置に、ボックス30aの周囲から外側へ向かって延出する板状の係止部92,92,…が形成されている。これらによって後述するように遊技制御装置30を起立状態で保持できるようになっている。
【0107】
また、第1演出制御装置33の裏面と対向する(重合する)ボックス30aの前面側(回動端部側所要部位)には、第1演出制御装置33の裏面に当接して押圧するリブ状の押圧用突起93がボックス30aの前面から前方へ(変換方向側へ)突出するように形成されている。さらに、同じく第1演出制御装置33の裏面と対向するボックス30aの前面側であって、第1演出制御装置33の裏面に形成されたロック片33qと対応する位置には、リブ状のロック受突起94が形成されている。
【0108】
以上のことから、第2演出制御装置31(データ装置)の背面に遊技制御装置30を軸着したこととなる。
【0109】
次に、遊技機100の制御系について図18を参照して説明する。遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30(主制御基板、主制御回路)、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う第2演出制御装置31(演出データ基板32、ドライバ基板35)、第1演出制御装置33(演出制御基板)、排出装置190による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置60による遊技球の発射の制御を行う排出発射制御装置34(排出発射制御基板、排出発射制御回路)、電力を供給する電源供給装置37(電源基板、電源回路)を備えている。
【0110】
遊技制御装置30は、CPU30b、RAM30c、ROM30d等を有する遊技用マイクロコンピュータを備えるとともに、図示しない入出力インタフェース、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(発振器)等により構成されている。
【0111】
CPU30bは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM30cは、始動入賞口10および普通変動入賞装置3内に設けられた始動口センサ50のオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU30bの作業領域等を備えている。ROM30dには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
【0112】
また、入出力インタフェースには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口10および普通変動入賞装置3の始動口センサ50、大入賞口のカウントセンサ51、一般入賞口2,2の一般入賞口センサ52などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU30bに対し出力される。
【0113】
さらに、入出力インタフェースには、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別変動入賞装置4の駆動手段としての各種開閉ソレノイド(例えば、大入賞口SOL53)、第1演出制御装置33、賞球の排出や遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34などに出力されている。
【0114】
第2演出制御装置31は遊技機固有のデータを記憶するデータ装置として、演出に関するデータを記憶したROMを備える演出データ基板32と、遊技盤1に配設された電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板をなすドライバ基板35とを有する。演出データ基板32は、演出の制御内容を記憶した制御ROM32c、画像や映像データが記憶されたキャラクタROM32b、音データが記憶された音声データROM32dを備えている。なお、この演出データ基板32に備えられた各種ROMの記憶内容は、遊技機の機種に依存するものである。ドライバ基板35は、ランプ・LED、装飾用役物(ソレノイド)などの遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備え、第1演出制御装置33が遊技制御装置30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)この盤装飾ドライバ35aを制御し、盤装飾を行うようになっている。
【0115】
また、第1演出制御装置33は、制御装置としてのCPU33b、RAM33cや、表示ユニット170(液晶表示パネル175)における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP33d(video display processor)、画像や映像データが記憶されたサブ画像ROM33eなどを含むビデオ回路、音の出力を制御する音声LSI33f、音量を調節する音声ボリューム33gを備えている。また、前面枠120に設けられたランプ、LEDなどの前面枠120を装飾する枠装飾装置57を駆動する枠装飾ドライバ33hを備えている。さらに、表示ユニット170の液晶表示パネル175における表示状態を調節するための、輝度調節器33i、コントラスト調節器33jが備えられている。
【0116】
第1演出制御装置33は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30、第2演出制御装置31の演出データ基板32、遊技機の前面(例えば、上皿153の周囲)に設けられた遊技者が操作可能な演出用ボタン59などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU33bに対し出力される。なお、遊技制御装置30から出力される制御信号(各種コマンドなど)は中継基板73を介して第1演出制御装置33に送信されるようになっている。
【0117】
さらに、入出力インタフェースには、CPU33bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出データ基板32、液晶表示パネル175のバックライト56、枠装飾装置57(枠装飾ドライバ33hを介して)などに出力されている。なお、CPU33bから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU33bからVDP33dに出力され、VDP33dから該制御信号に基づく画像データが液晶表示器55に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU33bから音声LSI33fに出力され、音声LSI33fから該制御信号に基づく音声データがスピーカ58に出力される。
【0118】
そして、第1演出制御装置33は、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、枠装飾装置57による枠装飾の制御、表示ユニット170に備えられる液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)の制御、スピーカ58による音の出力の制御を行う。さらに、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)ドライバ基板35の盤装飾ドライバ35aを介して遊技盤装飾装置54の制御を行う。
【0119】
排出発射制御装置34は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを有し、遊技制御装置30からの制御信号(賞球コマンド)や、球貸機(図示略)からの制御信号(球貸しコマンド)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置190から排出させる制御を行う。また、発射装置60による遊技球の発射制御を行う。この排出発射制御装置34には、操作ハンドル156からの信号(操作ハンドル156に設けられたタッチセンサからの信号や、操作ハンドル156の回動角度を判断するための信号)が入力されるようになっており、この入力信号に基づき発射装置60を作動、停止する制御や発射勢を調節する制御を行う。
【0120】
そして、上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、前面枠本体130に設けられた電源供給装置37(電源回路、電源基板)から電力が供給されるようになっている。なお、第2演出制御装置31への電源供給は第1演出制御装置33を介して行われるようになっている。
【0121】
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のCPU30bでは、始動入賞口10および普通変動入賞装置3に備えられた始動口センサ50からの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM30dに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号を、中継基板73を介して第1演出制御装置33に出力する。
【0122】
第1演出制御装置33とこれに接続した第2演出制御装置31では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、表示ユニット170の液晶表示パネル175で特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームを表示する処理や、スピーカ58からの音の出力、ランプ、LED、演出装置25などの遊技盤装飾装置54を制御する処理、ランプ、LEDなどの枠装飾装置57を制御する処理を行う。そして、遊技制御装置30のCPU30bは、特図変動表示ゲームが大当たりであった場合に特別遊技状態を発生し、大入賞口SOL53により特別変動入賞装置4を動作する制御を行う。
【0123】
また、遊技制御装置30のCPU30bは、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口センサ50、カウントセンサ51、一般入賞口センサ52)から入力される遊技球の検出信号に基づき排出発射制御装置34に制御信号を出力する。排出発射制御装置34は、制御信号の入力に基づき排出装置190を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。また、排出発射制御装置34は、操作ハンドル156の操作に基づく入力および操作ハンドル156に設けられた図示しないタッチセンサからの入力に基づき、発射装置60を制御して遊技球が第1遊技領域1aに発射されるようにする。すなわち、以上のことから遊技制御装置30は、遊技の進行を制御する遊技制御装置をなし、第1演出制御装置33と第2演出制御装置31とが遊技機100における種々の演出を制御する演出制御装置をなす。
【0124】
また、これらの各基板は上述したように、画像表示面171における表示データなど、機種に依存するデータが記憶された演出データ基板32と、遊技盤1に備えられた電気的機器を駆動するためのドライバ基板35を備えた第2演出制御装置31が、遊技盤1の裏面側下方部に設けられた取付ベース85の裏面側であって、裏機構枠160の下縁からその下側に取り付けられている。そして、第2演出制御装置31の裏面側に露出したコネクタ部32fにより、第1演出制御装置33と演出データ基板32が接続され、コネクタ部35bにより、第1演出制御装置33とドライバ基板35が接続される。また、第2演出制御装置31の前面側に露出したコネクタ部35cにより、ドライバ基板35と遊技盤装飾装置54が接続される。また、第2演出制御装置31の裏面側には、ボックス30aに収納された遊技を制御する遊技制御装置30が取り付けられるようになっている。
【0125】
また、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33は、前面枠本体130の裏面側に取り付けられた裏機構枠160に取り付けられ、前側の下部に設けられたコネクタ部33mが、演出データ基板32のコネクタ部32fと接続することで、第1演出制御装置33と演出データ基板32が直接接続されるようになっている。
【0126】
また、排出装置190による賞球の排出、発射装置60による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37は、それぞれボックス34a、37aに収納された状態で、前面枠本体130の裏面側の遊技盤1より下側となる位置に取り付けられている。
【0127】
すなわち、機種に依存する演出データ基板32やドライバ基板35を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0128】
なお、機種に依存する演出に関するデータを記憶する演出データ基板32におけるデータを記憶する部分は、ハード的には遊技盤毎に変更することは少ないのに対して、遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備えるドライバ基板35は、遊技盤毎に変更することが多い。よって、このように演出データ基板32とドライバ基板35を分割構成することで、遊技盤の種類によりハード的に変更するドライバ基板35のみの設計を変更したり開発したりできるので非常に効率のよい構成となる。
【0129】
以上のことから、本体枠(前面枠120)に対して遊技盤1を着脱可能に構成し、画像表示装置(表示ユニット170)により該遊技盤固有の表示ゲームを表示するようにした遊技機100であって、遊技の進行を制御する遊技制御装置30からの信号に基づいて、画像表示装置および遊技盤1に配設された電気的機器(遊技盤装飾装置54)を制御する演出制御装置を、演算機能を有するとともに複数種の遊技盤で共通使用可能な第1演出制御装置33と、各遊技盤固有の第2演出制御装置31と、に別個に設けて、該第1演出制御装置33を本体枠に配設する一方、該第2演出制御装置31を遊技盤1に配設し、さらに、第2演出制御装置31の基板を、データ記憶機能を有する演出データ基板32と、電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板(ドライバ基板35)と、に分割構成したこととなる。
【0130】
次に、以上のような構成を有する遊技機100における遊技盤1の取付方法について説明する。なお、ここでは開口部131に遊技盤1がなく、また、裏機構枠160は、前面枠本体130の裏面側に表示ユニット170が臨む状態とされているものとする。また、遊技制御装置30は、後方に倒されて水平な状態(遊技制御装置30を遊技盤1とが略直交する状態)とされているものとする。なお、この状態で遊技制御装置30は、第2演出制御装置31の裏面に形成された支持部71e,71eの回動軸71d,71dによって軸支されているとともに、保持板71fによって裏面が下側から支持されて、水平な状態で保持されている。
【0131】
図2に示すように、前面枠本体130の開口部131の前面側から見て左側、すなわち、裏機構枠160が軸着された側には、遊技盤1の係合凹部8bに係合可能な係合部材132,132が設けられていて、遊技盤1を開口部131に取り付ける際には、まず、開口部131に対してその前側から、遊技盤1の係合凹部8bをこの係合部材132,132に係合させるように斜めに挿入する。そして、係合部材132,132によって係合された側を軸として、遊技盤1を遊技機100の後方側へ回動させながら開口部131に嵌め込む。
【0132】
ここで、裏機構枠160に保持されている表示ユニット170は、表示ユニット収納部168内で前後移動可能に、かつ、表示ユニット付勢手段としての圧縮コイルばねによって前方向に付勢された状態で収納されている。この表示ユニット170の前面における周縁をなす表示ユニットケース174には、遊技盤1を後方側に回動させる過程において、遊技盤1の後方に突出する押圧部83,83,…が当接する。そして、遊技盤1を開口部131に嵌め込むために、さらに後方側に回動させるのに伴い、表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段としての圧縮コイルばねの付勢力に抗して後方向へ押し込まれることとなる。
【0133】
ここで遊技盤1は、係合部材132,132に係合した一側部を軸として回動するので、遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられた押圧部83,83,…のうち、裏面側から見て右側、すなわち遊技盤1の回動軸に近い側に設けられた押圧部83,83が先に表示ユニット170の前面に当接する。より詳しくは、遊技盤1の回動軸に近い側にある押圧部83の後端部に取り付けられた押圧部材83bに設けられたローラ83cが、表示ユニット170の前面における周縁をなす表示ユニットケース174に当接する。表示ユニット170は、表示ユニット収納部168内で若干傾斜した状態(表示ユニット170が裏機構枠160の左右方向と非平行状態)となることが可能であり、押圧部83(ローラ83c)が当接した側が、より後方向に押し込まれるように傾斜した状態で移動する。
【0134】
遊技盤1を回動させる過程において、遊技盤1の回動軸に近い側に設けられた押圧部83は、表示ユニット170の前面にローラ83cが当接した状態で、表示ユニット170を後方へ押圧しつつ、左右方向に沿って移動することとなる。この際、ローラ83cが回転することにより、円滑に移動することが可能となっている。
【0135】
また、遊技盤1は回動させることで徐々に遊技機100の左右方向に沿うようになるが、この過程において、ローラ83c以外に押圧部材83bも表示ユニット170の前面に当接し、表示ユニット170を後方へ押圧しつつ、左右方向に沿って移動することとなる。この際、押圧部材83bが摩擦係数の低い材質からなることから円滑に移動することが可能となっている。また、遊技盤1を回動させる過程において、表示ユニット170は表示ユニット収納部168内で後方へ移動することとなるが、この表示ユニット170は、上述したように上下側面に設けられた被案内部が、表示ユニット収納部168に形成された案内部に案内されるようになっているので円滑に前後移動することが可能となっている。
【0136】
また、遊技盤1を後方に回動させる過程において、図6に示すように、後方に倒して水平な状態とされた遊技制御装置30は、裏機構枠160の下部に形成された開口部163を通って、遊技機100の裏面側に至るようになっている。さらに、図16(a)に示すように、遊技盤1の裏面に設けられた第2演出制御装置31の裏面に露出したコネクタ部32fと、裏機構枠160の裏面に設けられた第1演出制御装置33の、開口部163に臨む突出部に形成されたコネクタ部33mとが接続されるようになっている。このとき、コネクタ部33mに形成された嵌合凸部33t,33tが、コネクタ部32fに形成された嵌合凹部32g,32gに嵌合することで、両コネクタ部33m、32fが正しく接続されるようになっている。
【0137】
遊技盤1を完全に開口部131に嵌め込んだ状態としたら、遊技盤前面の固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させ、遊技盤1を前面枠本体130に固定する。このように遊技盤1が完全に開口部131に嵌め込まれた状態では、遊技機100の左右方向に平行な状態となる。また、表示ユニット170の傾斜も、遊技盤1を回動させることで徐々に遊技機100の左右方向に沿うようになる。このように、遊技盤1が完全に開口部131に嵌め込まれた状態では、表示ユニット170の前面が押圧部83の後端部に設けられた押圧部材83bに面接触する。各押圧部83の後端部に設けられた押圧部材83bの後端面は、同じ前後位置となっており、表示ユニット170は遊技盤1と平行に配される。
【0138】
また、表示ユニット170は圧縮コイルばねによって前側に付勢されているので、前面が押圧部83の後端部に設けられた押圧部材83bに密着した状態で保持される。すなわち、このときの表示ユニット170の前後位置が遊技機100の使用時における前後位置となる。また、表示領域区画壁82の後方突出量は、押圧部83の後方突出量よりも少なく、表示ユニット170の前面に当接はしないが、近接した位置に配されるようになる。
【0139】
遊技盤1を開口部131に嵌め込んだ後、図5に示すように、裏機構枠160の裏面側に配された遊技制御装置30を前方向に回動させて起立した状態とする。図16(a)に示すように、遊技制御装置30の回動軸受90,90に形成された挿通穴90a,90aは長穴とされており、遊技制御装置30を起立した状態とする際には、まず、回動軸71d,71dを中心に水平状態から前方向へ回動させて、図16(b)に示すように、前面が第1演出制御装置33、第2演出制御装置31の裏面に沿った垂直な状態とする。このとき、図17(a)に示すように、遊技制御装置30の前面に形成されたロック受突起94が、第1演出制御装置33の裏面に形成されたロック片33qの後面に接して前方向へ押圧し、ロック片33qが前側に弾性変形した状態となる。
【0140】
この状態から、遊技制御装置30を回動軸受90,90に形成された挿通穴90a,90aの延在方向に沿って下方へ移動させることで、遊技制御装置30は所定の位置に配されることとなる。すなわち、支持部71e,71eと回動軸受90,90が遊技制御装置30を下方に移動させる移動手段をなす。このとき、図17(b)に示すように、遊技制御装置30の周縁に形成された係止部92,92,…が係止受部33p、71k,71k,…に挿入されて嵌合し、遊技制御装置30の下方、後方への移動が規制される。すなわち、係止部92,92,…と係止受部33p、71k,71k,…が、移動手段による移動動作に応じて遊技制御装置30を係止する係止手段をなす。
【0141】
また、ロック受突起94はロック片33qを前側に弾性変形させた状態で下方向へ移動し、遊技制御装置30が所定の位置に配された状態となると、ロック受突起94がちょうどロック片33qの下端部を越えるようになっている。これにより、前側に弾性変形していたロック片33qが元の状態に復帰し、ロック受突起94の上方に突出するようになるので、ロック受突起94は上方向への移動が規制され、遊技制御装置30の上方向への移動が規制されるようになる。すなわち、ロック片33qとロック受突起94が、遊技制御装置30の上方への移動を規制する移動規制手段をなす。
【0142】
すなわち、遊技制御装置30は、支持部71e,71eと回動軸受90,90からなる移動手段により下方に移動させることで、係止部92,92,…と係止受部33p、71k,71k,…からなる係止手段により下方向、後方向への移動が規制される。さらに、ロック受突起94とロック片33qからなる移動規制手段により上方向への移動が規制され、起立した状態で固定されることとなる。つまり、移動手段と係止手段、移動規制手段が起立状態に変換された遊技制御装置30を裏機構枠160の所定箇所に固定する固定手段をなす。そして、保持部材71gを係止部71jが係止片91から退避した解除状態から、係止部71jが係止片91の上側に係合し、遊技制御装置30の上方向への移動を規制する固定状態に変換することで、遊技制御装置30が起立した状態が保持されるようになっている。
【0143】
また、このように遊技制御装置30を起立した状態とする際に、図16(b)に示すように、遊技制御装置30がその前面に形成された押圧用突起93を介して第1演出制御装置33の裏面を前方側に押圧し、遊技制御装置30の前方に位置する第1演出制御装置33と演出データ基板32の接続部(コネクタ部33mとコネクタ部32fの接続部)を前方向に押圧する。これにより、第1演出制御装置33のコネクタ部33mが形成された部位が、第2演出制御装置31のコネクタ部32fが形成された部位と遊技制御装置30に形成された押圧用突起93とによって挟まれ、前後に向かい合うように接続する第1演出制御装置33と演出データ基板32の接続が補助されるようになっている(接続が完全でない場合などはこの動作で押し込まれる)。そしてこの後、各種配線などを接続して遊技盤1の取り付けが完了する。
【0144】
以上のように取り付けられた遊技盤1を前面枠120から取り外す場合は、上述の作業と逆の作業を行えばよい。すなわち、まず、保持部材71gを係止片91から退避した解除状態に変換し、ロック片33qを前側に弾性変形させてロック受突起94の係合状態を解除し、遊技制御装置30を上方向に引き上げる。図4に示すようにロック片33qの上部は、遊技制御装置30の側端よりも上側に位置していて遊技機100の裏面側に露出した状態となっており、この露出した部分を前側に押圧することで弾性変形させることができる。そして、上方向に引き上げた遊技制御装置30を、後方に回動させて水平な傾倒状態としたら、遊技盤1の前面側における固定部133,133による固定を解除し、係合部材132,132に係合した一側部を軸として前側へ回動させることで取り外すことができる。なお、このように遊技制御装置30は簡単には取り外せないようになっているので、遊技店の営業中に遊技制御装置30を交換する不正行為を防止できる。
【0145】
以上のことから、本体枠(前面枠120)は、遊技盤1の後方に画像表示装置(表示ユニット170)を配設可能な収納部(表示ユニット収納部168)を備えた裏機構枠160を設け、裏機構枠160には、収納部の下方部に、遊技盤1に配設された第2演出制御装置31が遊技機100の裏面に臨む開口部163を形成し、第1演出制御装置33のコネクタ部33mが開口部163内にその接続面を前方に向けて突出するように当該第1演出制御装置33を裏機構枠160の背面に配設することで、遊技盤1の本体枠への装着動作に応じて該第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fの接続が行われるように構成したこととなる。
【0146】
また、第2演出制御装置31の背面に遊技制御装置30を回動可能に軸着し、遊技盤1を本体枠(前面枠120)に装着する際には遊技制御装置30を該遊技盤1と略直交するように傾倒させるとともに、該遊技盤1を装着した後には該遊技制御装置30を遊技盤1と略平行となるように起立させることで該遊技制御装置30の回動端部側所要部位が裏機構枠背面に配設された第1演出制御装置33に重合するように構成し、遊技制御装置30には、当該遊技制御装置30を起立状態へ変換する際の変換方向側に、該変換動作に応じて第1演出制御装置33の所定部位を押圧可能な押圧用突起93が形成され、押圧用突起93の押圧により第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fとの接続の補助が行われるようにしたこととなる。
すなわち、第1演出制御装置33のコネクタ部33mが形成された部位を、第2演出制御装置31のコネクタ部32fが形成された部位と遊技制御装置30に形成された押圧用突起93とによって挟むことで、コネクタ部33mとコネクタ部32fとの接続の補助が行われるようにしたこととなる。
【0147】
また、遊技領域1aを有する遊技盤1を前面枠120に着脱自在に装着した遊技機100において、遊技盤1の後方位置であって前面枠120の裏面に、表示ゲームを表示する画像表示装置(表示ユニット170)を配設した裏機構枠160を設け、裏機構枠160には、前後方向に貫通した開口部163を形成し、遊技盤1は、開口部163に対応する箇所に、遊技の進行を制御する遊技制御装置30を回動機構(支持部71e,71e、回動軸受90,90)を介して配設し、遊技制御装置30は、遊技盤1を前面枠120に対して着脱する際に、該遊技盤1と略平行な起立状態から、当該遊技制御装置30が開口部163に挿脱可能となる傾倒状態に、回動機構により変換可能に構成され、遊技盤1を前面枠120に装着した後、起立状態に変換された遊技制御装置30を裏機構枠160の所定箇所に固定する固定手段を備え、固定手段は、遊技制御装置30を下方に移動させる移動手段(支持部71e,71e、回動軸受90,90)と、移動手段による移動動作に応じて遊技制御装置30を係止する係止手段(係止部92,92,…、係止受部33p、71k,71k,…)と、係止手段(係止部92,92,…、係止受部33p、71k,71k,…)により係止された遊技制御装置30の上方への移動を規制する移動規制手段(ロック片33q、ロック受突起94)と、を備えたこととなる。
【0148】
また、移動規制手段(ロック片33q、ロック受突起94)は、裏機構枠160の所定部位に設けられ遊技制御装置30の移動を規制する状態と規制を解除する状態とに弾性変形可能なロック片33qと、該遊技制御装置30の所定部位に設けられ当該遊技制御装置30の起立状態への変換により該ロック片33qを押圧することで当該ロック片33qを規制を解除する状態に変位させるロック受突起94と、により構成され、遊技制御装置30の下方への移動によりロック受突起94によるロック片33qの押圧が解除されて常態位置に復帰したロック片33qが該ロック受突起94に係合することで該遊技制御装置30の上方への移動が規制されるように構成したこととなる。
【0149】
また、裏機構枠160の背面における開口部163の縁に、複数種の遊技盤1で共通使用可能であって遊技制御装置30からの信号に基づき該画像表示装置(表示ユニット170)の表示制御を行う表示制御装置(第1演出制御装置33)を配設し、遊技盤1の開口部163に対応する箇所に、遊技盤固有であって画像表示装置の画像データを記憶したデータ装置(第2演出制御装置31)を配設し、遊技盤1を前面枠120に装着する際の動作に応じて、表示制御装置のコネクタ部33mとデータ装置のコネクタ部32fとが接続されるように構成したこととなる。
【0150】
また、遊技制御装置30には、当該遊技制御装置30を起立状態へ変換する際の変換方向側に、表示制御装置(第1演出制御装置33)の所定部位を押圧可能な押圧用突起93が形成され、押圧用突起93の押圧により表示制御装置のコネクタ部33mとデータ装置(第2演出制御装置31)のコネクタ部32fとの接続の補助が行われるようにしたこととなる。
【0151】
なお、遊技盤1は、前面枠120に対して前側から取り付ける構成としたが、遊技盤1を前面枠120に後側から取り付ける(或いはサイドからスライド挿入する)構成としても良い。この場合は、前面枠120に遊技盤1を装着した後に裏機構枠160を閉鎖することとなり、この際に上述した制御装置の接続作業がなされる。また、本実施形態のように遊技盤1を前側から取り付ける構成であっても、メンテナンス等の場合に裏機構枠160を開放した場合は、再び裏機構枠160を閉鎖する際に上述した制御装置の接続作業がなされる。
【0152】
また、裏機構枠160を開閉可能としたが、遊技盤1を前側から取り付ける構成の場合は、開閉できない裏機構枠160であっても良い。また、裏機構枠160を別途設けずに、前面枠本体130の裏面側に表示ユニット170を前後動可能に配するようにしても良い。また、表示ユニット170が遊技盤1の後方の所定間隔を空けた位置に配されるように、前面枠120などに固定されている構成としても良い。
【0153】
また、遊技盤1は透明な合成樹脂からなるとしたが、少なくとも視認開口87が設定される部分が透明であれば良く、遊技盤1の全てが透明であっても良いし、一部が透明であっても良い。
【0154】
また、遊技盤1は、透明な合成樹脂で形成して遊技盤1を透かして後方の表示ユニット170の画像を視認できるように構成してもよいし、遊技盤1に開口部を形成して該開口部から後方の表示ユニット170の画像を視認できるように構成してもよい。このように遊技盤に開口部を形成する場合は、遊技盤は透明な合成樹脂製のものに限られず、木製などでもよい。なお、遊技盤を透明な合成樹脂で構成した場合は遊技盤1(表面)の全体或いは一部が表示領域を構成し、遊技盤1に開口部を形成した場合には開口部が表示領域を構成する。
【0155】
また、表示ユニット170は前面枠120(裏機構枠160)に設けるとしたが、従来の遊技機のように遊技盤1の裏面に直接取り付けるようにしても良い。
【0156】
また、第2演出制御装置31は、演出データ基板32とドライバ基板35(演出駆動基板)を1つのケース部材70に収納したものとしたが、演出データ基板32とドライバ基板35を別々のケース部材に収納したもの、すなわち基板ケースを2個備えるものとしても良い。
【0157】
また、遊技制御装置30と第1演出制御装置33との間の接続を、中継基板73を介してリード線によって行っているが、第1演出制御装置33と直接接続される第2演出制御装置31を介して接続するようにしてもよい。なお、遊技制御装置30と第1演出制御装置33との間の通信においては、第2演出制御装置31は単に信号を通過させるのみ(スルー接続)としてもよい。
【0158】
以上のような遊技機は、本体枠(前面枠120)に対して遊技盤1を着脱可能に構成し、画像表示装置(表示ユニット170)により該遊技盤固有の表示ゲームを表示するようにした遊技機100であって、遊技の進行を制御する遊技制御装置30からの信号に基づいて、画像表示装置および遊技盤1に配設された電気的機器(遊技盤装飾装置54)を制御する演出制御装置を、演算機能を有するとともに複数種の遊技盤で共通使用可能な第1演出制御装置33と、各遊技盤固有の第2演出制御装置31と、に別個に設けて、該第1演出制御装置33を本体枠に配設する一方、該第2演出制御装置31を遊技盤1に配設し、さらに、第2演出制御装置31の基板を、データ記憶機能を有する演出データ基板32と、電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板(ドライバ基板35)と、に分割構成している。
【0159】
したがって、演出制御装置を、演算機能を有する第1演出制御装置33と、各遊技盤固有の第2演出制御装置31と、に別個に設けて構成したので、新機種の入れ替えで遊技盤1のみを交換する際には該第1演出制御装置33を本体枠側に残して、新たな遊技盤1でも使用でき、無駄がなくなり遊技機全体のコストを下げることができる。また、遊技盤1と共に交換する第2演出制御装置31も、データを記憶する部分はハード的には遊技盤毎に変更することは少ないのに対して、駆動機能を有する部分は遊技盤毎に変更することが多い。このデータ記憶機能を有する演出データ基板32と、電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板31と、に分割構成したので、遊技盤1の種類によりハード的に変更する駆動基板だけを変更したり開発したりできるので非常に効率のよい構成となる。
【0160】
また、画像表示装置(表示ユニット170)を、遊技盤1の後方側であって本体枠(前面枠120)に設けて、該遊技盤1に形成された表示領域から表示ゲームを視認できるように構成している。
【0161】
したがって、画像表示装置を、遊技盤1の後方側であって本体枠に設けて、該遊技盤1に形成された表示領域から表示ゲームを視認できるように構成したので、画像表示装置を遊技盤1の交換の際に交換せずに新たな遊技盤1でも使用することが可能となり、無駄のない構成となる。
【0162】
また、演出データ基板32と、演出駆動基板(ドライバ基板35)と、該演出データ基板32及び演出駆動基板を収納するケース部材70と、により第2演出制御装置31を構成している。
【0163】
したがって、演出データ基板32と、演出駆動基板(ドライバ基板35)と、該演出データ基板32及び演出駆動基板を収納するケース部材70と、により第2演出制御装置31を構成したので、第2演出制御装置31がコンパクトになり、組み立てや交換作業性が向上するとともに配設に対する自由度が増す。
【0164】
また、本体枠(前面枠120)は、遊技盤1の後方に画像表示装置(表示ユニット170)を配設可能な収納部(表示ユニット収納部168)を備えた裏機構枠160を設け、裏機構枠160には、収納部の下方部に、遊技盤1に配設された第2演出制御装置31が遊技機100の裏面に臨む開口部163を形成し、第1演出制御装置33のコネクタ部33mが開口部163内にその接続面を前方に向けて突出するように当該第1演出制御装置33を裏機構枠160の背面に配設することで、遊技盤1の本体枠への装着動作に応じて該第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fの接続が行われるように構成している。
【0165】
したがって、本体枠に、遊技盤1に配設された第2演出制御装置31が遊技機100の裏面に臨む開口部163を形成した裏機構枠160を設け、第1演出制御装置33をコネクタ部33mが開口部163内にその接続面を前方に向けて突出するように裏機構枠160の後面に配設することで、遊技盤1の本体枠への装着動作に応じて該第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fの接続が行われるように構成したので、遊技盤1を本体枠に装着するだけでコネクタ部33m,32fの接続が完了するので遊技盤1の交換時の作業を極めて効率よく行うことが可能となる。
【0166】
また、第2演出制御装置31の背面に遊技制御装置30を回動可能に軸着し、遊技盤1を本体枠(前面枠120)に装着する際には遊技制御装置30を該遊技盤1と略直交するように傾倒させるとともに、該遊技盤1を装着した後には該遊技制御装置30を遊技盤1と略平行となるように起立させることで該遊技制御装置30の回動端部側所要部位が裏機構枠背面に配設された第1演出制御装置33に重合するように構成し、遊技制御装置30には、当該遊技制御装置30を起立状態へ変換する際の変換方向側に、該変換動作に応じて第1演出制御装置33の所定部位を押圧可能な押圧用突起93が形成され、押圧用突起93の押圧により第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fとの接続の補助が行われるようにしている。
【0167】
したがって、第2演出制御装置31の背面に遊技制御装置30を回動可能に軸着し、遊技盤1を本体枠(前面枠120)に装着する際には遊技制御装置30を該遊技盤1と略直交するように傾倒させるとともに、装着した後には両者を略平行となるように起立させることで重合するように構成し、遊技制御装置30には、第1演出制御装置33のコネクタ部33mと第2演出制御装置31のコネクタ部32fとの接続を補助する押圧用突起93を形成したので、遊技制御装置30の状態変換によりコネクタ部33m,32fの接続を確実にすることが可能となり、別途接続に関する作業無しでもコネクタ部33m,32fの接続不良による不具合の発生を防止できる。すなわち、第1演出制御装置33のコネクタ部33mが形成された部位を、第2演出制御装置31のコネクタ部32fが形成された部位と遊技制御装置30に形成された押圧用突起93とによって挟み込むことで、コネクタ部33mとコネクタ部32fとの接続の補助が行われ、確実に接続することが可能となる。
【0168】
なお、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0169】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0170】
1 遊技盤
30 遊技制御装置
31 第2演出制御装置
32 演出データ基板
32f コネクタ部
33 第1演出制御装置
33m コネクタ部
35 ドライバ基板(演出駆動基板)
54 遊技盤装飾装置(電気的機器)
70 ケース部材
93 押圧用突起
100 遊技機
120 前面枠(本体枠)
160 裏機構枠
163 開口部
168 表示ユニット収納部(収納部)
170 表示ユニット(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体枠に対して遊技盤を着脱可能に構成し、遊技の進行を制御する遊技制御装置からの信号に基づいて、前記遊技盤に配設された電気的機器を制御する演出制御装置を備えた遊技機において、
前記演出制御装置は、
演算機能を有する第1演出制御装置と、前記第1演出制御装置により制御され、電気的機器の駆動機能を有する第2演出制御装置と、から構成され、
前記第1演出制御装置を本体枠に配設するとともに、該第1演出制御装置のコネクタ部がその接続面を前方に向けて突出するように設けられ、
前記第2演出制御装置を前記遊技盤の裏面側に配設するとともに、該第2演出制御装置のコネクタ部がその接続面を後方に向けて設けられ、
前記遊技盤を前記本体枠に取り付ける際の当該遊技盤の当該本体枠への取付動作に応じて、前記第1演出制御装置の前記コネクタ部と前記第2演出制御装置の前記コネクタ部の接続が行われるように構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2演出制御装置の背面に前記遊技制御装置を回動可能に軸着し、
前記遊技盤を前記本体枠に装着する際には前記遊技制御装置を該遊技盤と略直交するように傾倒させるとともに、該遊技盤を装着した後には該遊技制御装置を前記遊技盤と略平行となるように起立させることで該遊技制御装置の回動端部側所要部位が前記本体枠背面に配設された前記第1演出制御装置に重合するように構成し、
前記遊技制御装置には、当該遊技制御装置を前記起立状態へ変換する際の変換方向側に、該変換動作に応じて前記第1演出制御装置の所定部位を押圧可能な押圧用突起が形成さ れ、
前記押圧用突起の押圧により前記第1演出制御装置の前記コネクタ部と前記第2演出制御装置の前記コネクタ部との接続の補助が行われるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−143626(P2012−143626A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105645(P2012−105645)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2010−275211(P2010−275211)の分割
【原出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】