説明

遊技機

【課題】遊技上の興趣を高めるこができる、転落抽選を行う遊技機を提供する。
【解決手段】当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数を含む始動入賞情報記憶する始動入賞情報記憶手段と、抽選実行条件が成立すると当り抽選を行う当り抽選手段と、当り抽選の結果等を表示する可変表示装置と、当り抽選の結果が当選となる確率を高確率に変動させる確率変動手段と、確率変動手段が作動状態で抽選実行条件が成立することを条件に確率変動手段の作動を停止させるか否かを決定する転落抽選を行う転落抽選手段を備える。転落
抽選用乱数が、予め定められた特定値と一致するか否かを転落抽選に先立って判定し、一致判定が得られた場合にその一致判定の対象となった転落抽選用乱数に基づく転落抽選が行われるまで、当り抽選の結果が当選となる確率が通常確率に転落する可能性がある旨を示唆する転落前兆演出を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボー
ル等の弾球式の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球式の遊技機(パチンコ機)として、1個若しくは2個以上の始動入賞装置(始動入
賞口)と、可変表示装置と、大入賞装置とを遊技領域内に配設したものを例示できる。か
かる遊技機においては遊技球が始動入賞装置に入賞することに基づいて、「大当り抽選用
(当否判定用)の乱数(当り抽選用乱数)」が取得される。そして、この乱数と予め定め
られた値(大当り値)とが一致するか否かを判定し、一致すれば「大当り」とされ、一致
しなければ「外れ」とされる。この大当り抽選(当り抽選)の結果は、可変表示装置にお
いて特別図柄の停止表示を用いて示される。
【0003】
大当り抽選の結果が「大当り」である旨の停止図柄(つまり、大当り図柄)が可変表示
装置に停止表示されると、遊技機は大当り遊技(特別遊技)を開始し、大入賞装置を構成
する開閉部材の開放動作を行って、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させる。
これにより、大入賞装置を構成する大入賞口への遊技球の入賞が可能、若しくは、容易と
なる。この後、この大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過すること
により、一旦、開閉部材の閉鎖動作を行い、大入賞装置を閉鎖状態とし、開閉部材に施さ
れる「1回の単位駆動」を完了する。そして、この「開閉部材の単位駆動」が、所定の回
数(所謂、「ラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機は大当り遊技を終了する。
【0004】
この種の遊技機の中には、大当り遊技を終了した後に、所謂「確変遊技(確率変動遊技
)」を開始し、大当り抽選の結果が当選(大当り)となる確率を通常確率から高確率に変
動させるものがある。即ち、遊技機が確変遊技(高確率モード)を開始すると、確変遊技
を終了するまでの間、大当り抽選手段が「当選を示す抽選結果を導出する確率(大当り図
柄が表示される確率)」が高確率に設定される。
【0005】
ところで、この種の遊技機の中には、確変遊技の継続の可否を抽選によって判断するも
のがある。すなわち、始動入賞装置への遊技球の入賞に起因して、確変遊技の継続の可否
の抽選を転落抽選として行う遊技機(以下「転落抽選機」という。)が従来より知られて
いる。そして、かかる遊技機としては、転落抽選に当選した時の図柄変動演出(可変表示
装置で特別図柄の変動表示を用いて行われる図柄変動演出)において、確変終了を遊技者
に報知するものが提案されている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−439号公報
【特許文献2】特開2003−169922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの転落抽選機では、転落抽選の当選時まで確変終了が報知されないため、確変終
了がいつ訪れるかというドキドキ感を遊技者に与えることができるというメリットがある
反面、確変終了が唐突に訪れることで遊技者に落胆を与え易いというデメリットがある。
そして、現状では、そのデメリットの方が遊技者に与える印象は強く、この結果、転落抽
選機は市場に受け入れ難いという、問題を有している。
一方、転落抽選に当選したこと(確変が終了すること)を一切報知しないことも可能で
あるが、この場合、遊技者にとって遊技を終了させる時(遊技止め時)の判断が難しい(
遊技性がわかり難い)という問題を生ずることになる。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするとこ
ろは、転落抽選を行う遊技機において、遊技上の興趣を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の遊技機は、
始動入賞に基づいて取得される当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数を含む始動入賞情報
のうちで未処理のものを、所定の上限個数を限度に記憶する記憶手段と、
抽選実行条件が成立すると、前記記憶手段に記憶されている前記始動入賞情報のうち、
最先に記憶された前記始動入賞情報に含まれる前記当り抽選用乱数を読み出して、遊技者
にとって有利な当り遊技を実行するか否かを決定するための当り抽選を行う当り抽選手段
と、
前記当り抽選の結果が得られると、当該当り抽選の結果を示す停止図柄を、図柄変動を
経て停止表示する図柄変動遊技を実行する図柄変動遊技実行手段と、
前記図柄変動遊技にて前記当り抽選の結果が当選である旨の停止図柄が停止表示される
と、前記当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
前記当り遊技の終了後に、前記当り抽選の結果が当選となる当り確率を通常確率から高
確率に変動させる確率変動手段と、
前記確率変動手段が作動している状態で前記抽選実行条件が成立すると、当該抽選実行
条件の成立に伴って読み出される前記当り抽選用乱数と同一の始動入賞情報に含まれる前
記転落抽選用乱数を読み出して、前記確率変動手段の作動を停止させるか否かを決定する
ための転落抽選を行う転落抽選手段と、
を備える遊技機であって、
前記転落抽選の実行に先立って、前記始動入賞情報に含まれる前記転落抽選用乱数が前
記確率変動手段の作動停止に対応する転落当選値と一致するか否かを事前に判定する転落
事前判定手段と、
前記転落事前判定手段によって前記転落当選値と一致しないと事前判定された前記転落
抽選用乱数を含む始動入賞情報の数に応じて、前記確率変動手段が作動する状態で前記図
柄変動遊技を実行可能な遊技回数を示唆する特殊演出を実行する特殊演出実行手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記特殊演出実行手段は、
前記転落事前判定手段によって前記転落当選値と一致しないと事前判定された前記転落
抽選用乱数を含む第1の始動入賞情報と、前記転落当選値と一致すると事前判定された前
記転落抽選用乱数を含む第2の始動入賞情報とが前記記憶手段に記憶されている場合に、
前記第2の始動入賞情報よりも先に記憶された第1の始動入賞情報の数に応じて、前記特
殊演出を実行する
ことを特徴とする。
【0010】
本明細書において参考的に開示する参考発明1の遊技機は、
始動入賞に基づいて取得される当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数を含む始動入賞情報
のうちで未処理のものを、所定の上限個数を限度に記憶する始動入賞情報記憶手段と、
抽選実行条件が成立すると、前記始動入賞情報記憶手段から最先に記憶された前記当り
抽選用乱数を読み出して、遊技者にとって有利な当り遊技を実行するか否かを決定するた
めの当り抽選を行う当り抽選手段と、
前記当り抽選の結果が得られると、当該当り抽選の結果を示す停止図柄を、図柄変動を
経て停止表示する可変表示装置と、
前記可変表示装置に前記当り抽選の結果が当選である旨の停止図柄が停止表示されると
、前記当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
前記当り遊技実行手段の作動終了後、前記当り抽選の結果が当選となる確率を通常確率
から高確率に変動させる確率変動手段と、
前記確率変動手段が作動している状態で前記抽選実行条件が成立することを条件として
、当該抽選実行条件の成立に伴って読み出される前記当り抽選用乱数と同一の始動入賞に
基づいて取得された前記転落抽選用乱数を前記始動入賞情報記憶手段から読み出し、前記
確率変動手段の作動を停止させるか否かを決定するための転落抽選を行う転落抽選手段と

を備える遊技機であって、
前記転落抽選用乱数が予め定められた特定値と一致するか否かを、前記転落抽選の実行
に先立って、前記転落抽選用乱数を取得したときに判定する転落事前判定手段と、
前記転落事前判定手段により一致判定が得られた場合に、その一致判定の対象となった
転落抽選用乱数に基づく前記転落抽選が行われるまで、前記当り抽選の結果が当選となる
確率が高確率から通常確率に転落する可能性がある旨を示唆する転落前兆演出を実行する
転落前兆演出実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
参考発明1の遊技機によると、転落前兆演出の発生により、転落抽選の結果が報知され
る時期が明確になるので、「その報知時期が到来するまでの転落前兆演出実行期間中の遊
技興趣(ドキドキ感)」を高めることができる。例えば、遊技者は、転落前兆演出が発生
すると、「転落前兆演出実行期間が終了して高確率モードが解除されるまでの間に、当り
を得られるか否か(当り抽選の結果として当選を示す結果を得られるか否か)」を、固唾
を飲んで見守ることになる。このため、参考発明1の遊技機によると、遊技上の興趣を高
めることができる。また、参考発明1の遊技機によると、転落前兆演出を発生させること
で、確変遊技(高確率モード)が唐突に終了する印象や、遊技止め時が判断し難いといっ
た印象を遊技者に与え難くなる。
【0012】
各参考発明では、(1)転落抽選の結果が当選となる場合のみに(高確率モードが実際
に終了する場合のみに)、転落前兆演出を発生させること(以下、「第1のパターン」と
いう。)としてもよいが、(2)転落抽選の結果が当選となる場合と、転落抽選の結果が
落選となる場合(高確率モードが継続される場合)の双方に転落前兆演出を発生させるこ
と(以下、「第2のパターン」という。)としてもよい(参考発明4を参照)。
【0013】
各参考発明の「転落前兆演出」の態様は種々選択でき、例えば、カウントダウンモード
演出や、バトル演出モード等を例示できる。ここで、カウントダウンモード演出とは、例
えば、転落抽選の結果が報知されるまでに実行される図柄変動の回数を、可変表示装置で
表示する演出を例示でき、「第1のパターン」及び「第2のパターン」の何れについても
好適に適用できる。また、カウントダウンモード演出によって、「確変遊技(高確率モー
ド)の終了」を報知する場合、「確変遊技(高確率モード)が終了するまでに実行される
図柄変動の回数(確変終了までの残り図柄変動回数)」を、可変表示装置で表示すること
になる。
【0014】
また、「バトル演出モード」とは、例えば、可変表示装置の表示画面上で「味方のキャ
ラクタ」と「敵のキャラクタ」とを決闘させて(バトルを行わせて)行う演出であって、
「第2のパターン」について特に好適に適用できる。この場合、決闘終了時(バトル終了
時)に、確変遊技(高確率モード)の終了若しくは継続を報知することができる。つまり
、「味方のキャラクタがバトルに勝利する」旨の演出を通じて「確変遊技が継続する」旨
を報知でき、「敵のキャラクタがバトルに勝利する」旨の演出を通じて「確変遊技が終了
する」旨を報知できる。
【0015】
各参考発明において、「当り」としては「大当り」を例示でき、「当り抽選手段」とし
ては「大当り抽選手段」を例示でき、「当り抽選用乱数」としては「大当り抽選用乱数」
を例示できる。但し、「当り」としては「大当り抽選の結果が落選である場合に成立を許
容される当り(大当りよりも有利度の低い当りであって、例えば、小当り)」を例示でき
、「当り抽選手段」としては、大当り抽選の結果が落選である場合に成立を許容される抽
選(例えば、小当り抽選手段)」を例示することもできる。
【0016】
各参考発明の始動入賞情報記憶手段(RAM等の記憶手段)は、始動入賞情報のうちで
未処理のものを、所定の上限個数(例えば、4個若しくは8個)を限度に「始動入賞の時
系列順にシフトメモリ方式」で記憶する。つまり、抽選実行条件が成立すると、最先に記
憶された始動入賞情報が処理され(抽選処理が施されてクリアーされ)、「始動入賞情報
が処理される」とは、「始動入賞情報を構成する当り抽選用乱数についての当り抽選を完
了すること」を指す。
【0017】
本明細書において参考的に開示する参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機におい
て、
前記転落前兆演出の実行期間中に、前記可変表示装置で行われる前記図柄変動に付随す
る図柄変動演出は、全てリーチ演出であることを特徴とする。
【0018】
参考発明2では、転落前兆演出の実行期間中に行われる図柄変動演出(図柄変動)にお
いて、毎回(毎変動)、リーチ演出を行うため、遊技興趣(ドキドキ感)をより一層、高
めることができる。つまり、本来「遊技者にとって利益な状態(当り)の発生を示唆する
リーチ演出」を、「遊技者にとって不利益な状態(高確率モードの終了)を発生させる可
能性を示唆する演出」として用いる。このため、遊技者は出現する「リーチ演出」にドキ
ドキ感をもって接することとなる。この場合、遊技者は、例えば、「高確率モードが終了
する前に、早く当りを引け、早く当りを引け」と願いつつ、ドキドキしながら遊技を行う
ことになる。
【0019】
尚、この「リーチ演出(表示)」とは、可変表示装置に表示される最終停止図柄となる
表示図柄以外の図柄が、当り図柄(大当り)となる特定の停止図柄態様と一致している状
態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同
一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっている状態で行われる表示等
を指す。例えば、可変表示装置の表示部(表示画面等)が表示領域をライン状に並べる場
合においては、一方の端(例えば、左側)の表示領域で変動表示されている端図柄、他方
の端(例えば、右側)の表示領域で変動表示されている端図柄、中間(例えば、真ん中)
の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がす
べて同一図柄で揃った場合に「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」となるものとする
。このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄を同一図柄で停留させることを
内容とする表示を指す。このリーチ表示を開始すると、「中の図柄」の変動表示パターン
を通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッ
シュさせたり、何らかのサインやキャラクタを登場させたりするなど色々な表示態様を採
るのが一般的である。従って、各参考発明では、リーチ表示を開始すると、保留数が所定
数以上であっても短縮変動を行わないこととして、当該リーチ表示のための演出時間を確
保することとしてもよい。
【0020】
本明細書において参考的に開示する参考発明3の遊技機は、参考発明1又は2の遊技機
において、
前記転落前兆演出は、前記一致判定が得られたときに前記始動入賞情報記憶手段に記憶
されている前記当り抽選用乱数の個数が複数個である場合に開始されることを特徴とする

【0021】
参考発明3では、連続する複数回の図柄変動に伴って転落前兆演出を行うため、この転
落前兆演出の実行期間として十分な期間を確保することが容易である。従って、転落前兆
演出をより効果的に実行することができる。
【0022】
本明細書において参考的に開示する参考発明4の遊技機は、参考発明1乃至3の何れか
一つの遊技機において
、 前記特定値は、転落抽選当選値及び特定の転落抽選落選値であることを特徴とする。
【0023】
参考発明4の遊技機では、高確率モードが実際に終了する場合と、高確率モードが継続
される場合の双方に転落前兆演出を発生させるため(第2のパターン)、「転落抽選の結
果が報知される時期が到来するまでの転落前兆演出実行期間」中の遊技興趣(ドキドキ感
)を更に一層、高めることができる。つまり、遊技者にとって、「転落前兆演出の開始=
転落抽選の当選」を意味するものではなく、開始される転落前兆演出の中には、真実の転
落前兆演出(転落抽選の結果が当選であることを前提に行われる転落前兆演出)のみなら
ず、偽りの転落前兆演出(所謂、「ガセの演出」であって、転落抽選の結果が落選である
ことを前提に行われる転落前兆演出)も存在するため、転落抽選の結果が実際に報知され
るまで、「転落前兆演出から目が離せない状態」となる。従って、参考発明4の遊技機に
よると、転落前兆演出実行期間中の遊技興趣(ドキドキ感)を更に一層、高めることがで
きる。
【0024】
ここで、「特定の転落抽選落選値」とは、複数個(N個)予定される転落抽選落選値か
ら選択される特定の一個若しくは特定の複数個(N個よりも少ない数)の転落抽選落選値
を指す。
【0025】
参考発明4に関連する発明として以下の発明(以下、「関連発明1」という。)を例示
することもできる。
すなわち、関連発明1の遊技機は、参考発明1乃至3の何れか一つの遊技機において、
前記特定値は、所定の転落抽選当選値及び特定の転落抽選落選値であることを特徴とす
る。
ここで、「所定の転落抽選当選値」とは、複数個(M個)予定される転落抽選当選値か
ら選択される所定の一個若しくは所定の複数個(M個よりも少ない数)の転落抽選当選値
を指す。
【0026】
参考発明4に関連する他の発明として以下の発明(以下、「関連発明2」という。)を
例示することもできる。
すなわち、関連発明2の遊技機は、参考発明1乃至3の一つの遊技機において、
前記特定値は、所定の転落抽選当選値及び転落抽選当選値であることを特徴とする。
【0027】
本明細書において参考的に開示する参考発明5の遊技機は、参考発明1〜4の何れか一
つの遊技機において、
開放条件が成立すると、前記始動入賞を生ずることが困難な閉鎖状態から前記始動入賞
を生ずることが容易な開放状態に所定の開放時間に渡って変化する可変式の始動入賞装置
と、
前記始動入賞を生ずる可能性が常時一定とされる固定式の始動入賞装置と、
前記当り遊技実行手段の作動終了後、前記可変式の始動入賞装置における前記開放時間
を延長させる開放延長手段と、
を備えるとともに、
前記当り遊技実行手段の作動終了後、前記可変表示装置に前記当り抽選の結果が落選で
ある旨の停止図柄が所定回数に渡って連続表示されると、前記開放延長手段の作動を停止
させることを特徴とする。
【0028】
参考発明5の遊技機は、可変式の始動入賞装置を含む、複数の始動入賞装置を備え、し
かも、開放延長手段を備えるため、始動入賞情報記憶手段に多数(例えば、上限個数若し
くは上限個数に近い数)の始動入賞情報が記憶され易い環境が整えられる。このため、転
落前兆演出を効果的に行うことが容易である。
【0029】
ここで、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり
、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つ
まり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」で
あることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前
面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材
」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使
用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
【発明の効果】
【0030】
以上記述したように各発明によると、転落抽選を行う遊技機において、遊技上の興趣を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機において本体枠等を説明するための概略的な説明図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技盤を示す正面図である。
【図5】(a)は左下表示装置の概略的な正面図であり、(b)は右下表示装置の概略的な正面図である。
【図6】本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部の説明図であり、(b)は本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図であり、(c)は本発明の各実施例に係る遊技機において、始動入賞情報メモリを説明するための説明図である。
【図9】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図10】(a)は本発明の各実施例において特別図柄表示部を示す概略的な正面図であり、(b)は本発明の各実施例において中央表示装置の表示画面を示す概略的な正面図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の実施例に係る遊技機において本図柄の停止図柄と疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の実施例に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図13】本発明の各実施例(実施例2及び3を除く)に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図14】本発明の各実施例(実施例2及び3を除く)に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図15】(a)及び(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。
【図16】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技制御処理を示すフロー図である。
【図17】本発明の各実施例に係る遊技機において普通図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図18】本発明の各実施例に係る遊技機において普通図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図19】本発明の各実施例に係る遊技機において普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。
【図20】本発明の各実施例(実施例5を除く)に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図21】本発明の各実施例(実施例5を除く)に係る遊技機において特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図22】本発明の各実施例に係る遊技機において特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図23】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機において特定値と非特定値を説明するための説明図であり、(b)は本発明の変形例に係る遊技機において特定値と非特定値を説明するための説明図である。
【図24】本発明の各実施例(実施例4を除く)に係る遊技機において特図変動表示関連処理を説明するためのフロー図である。
【図25】本発明の各実施例に係る遊技機において特図変動表示関連処理を説明するためのフロー図である。
【図26】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図27】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図28】大当り遊技処理を示すフロー図である。
【図29】大当り遊技終了処理を示すフロー図である。
【図30】本発明の各実施例(実施例5を除く)に係る遊技機において始動入賞時保留関連処理を説明するためのフロー図である。
【図31】本発明の各実施例(実施例2及び5を除く)に係る遊技機において図柄変動演出関連処理を説明するためのフロー図である。
【図32】本発明の各実施例(実施例2を除く)に係る遊技機において変動開始時保留出関連処理を説明するためのフロー図である。
【図33】本発明の実施例2に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図34】本発明の実施例2に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図35】本発明の実施例2に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図36】本発明の実施例2に係る遊技機において、転落抽選乱数事前判定処理を示すフロー図である。
【図37】本発明の実施例2に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図38】本発明の実施例2に係る遊技機において、変動パターンテーブル振分処理を示すフロー図である。
【図39】本発明の実施例2に係る遊技機において図柄変動演出関連処理を説明するためのフロー図である。
【図40】本発明の実施例3に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図41】本発明の実施例3に係る遊技機によって実行される変動演出遊技を説明するための説明図である。
【図42】本発明の実施例4に係る遊技機において特図変動表示関連処理を説明するためのフロー図である。
【図43】(a)は実施例5に係る遊技機を構成する第1の始動入賞装置及び第2の始動入賞装置を説明するための説明図、(b)は実施例5に係る遊技機を構成する特別図柄保留表示部を説明するための説明図、(c)は実施例5に係る遊技機によって実行される大当りの種類を説明するための説明図、
【図44】本発明の実施例5に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図45】本発明の実施例5に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を説明するためのフロー図である。
【図46】本発明の実施例5に係る遊技機において始動入賞時保留関連処理を説明するためのフロー図である。
【図47】本発明の実施例5に係る遊技機において図柄変動演出関連処理を説明するためのフロー図である。
【図48】本発明の実施例5に係る遊技機において図柄変動演出関連処理を説明するためのフロー図である。
【図49】本発明の実施例5に係る遊技機の特徴を説明するための説明図である。
【図50】本発明の実施例5に係る遊技機の特徴を説明するための説明図である。
【図51】本発明の実施例5の変形例に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図52】本発明の実施例5の変形例に係る遊技機において、特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図53】(a)及び(b)は本発明の実施例5の変形例に係る遊技機において、転落抽選乱数事前判定処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する
。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチ
ンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【実施例1】
【0033】
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図5を参照して説明する。この遊技機
1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、
を備えている。
【0034】
外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本
体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される
外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備
えている。
【0035】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外
枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうち
で外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5
と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図6を参照)等を主
要部としている。また、 本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2
に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着され
ている。
【0036】
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成さ
れている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの
裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出
部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3c
の突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3f
が回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させるこ
とで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
【0037】
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技
領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技
盤10の背面部には、裏機構盤102(図6参照)が装着され、この背面部を覆う状態と
されている。
【0038】
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉
可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視
認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された
遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じた
ときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可
能とされる。
【0039】
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板
43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える
。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図9参照)が内
蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP
3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのス
ピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させ
る。
【0040】
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6と
が設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状
とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えてい
る。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図7参照)及び演出ボタン基板2
28(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と「演出ボタ
ンSW」とが配置されている。
【0041】
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下
皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球
を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設
けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
【0042】
発射ハンドル9は発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンド
ル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され
ており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが
装着されている。
【0043】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で
略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着さ
れる各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着さ
れている。
【0044】
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10B
の周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、と
もに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されて
いる。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が
形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
【0045】
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)
には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞
装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入
賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設さ
れている。
【0046】
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、中央表示装置27とを備えている
。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構
成され、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を構成している。この取付部
材(化粧板)21には窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって正面
視で略矩形状の表示窓21eを構成している。
【0047】
取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部
から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着さ
れている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状
態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に
装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成
された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口
し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内
部に進入させる。
【0048】
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面
は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では
上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転
動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている
。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続す
る位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口してい
る。
【0049】
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は
転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして
、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20
外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。
尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
【0050】
中央表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるもので、後述する右下表示装置
60と同様に、可変表示装置の具体例を構成する。但し、この中央表示装置27において
は、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(
変動表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一
具体を示す。)を表示するための「可変表示装置」を構成し、中央表示装置27が、疑似
図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示する。
【0051】
中央表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄
を表示可能である。この表示画面27aには、図10(b)に示すように、3つの疑似図
柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現す
ることがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおい
て横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27d
では、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表
示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27
aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表
示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画
面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができ
る。
【0052】
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装
置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内
には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図7参照)が配設されている。そして
、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「
普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50
(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点
滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普
通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(
点灯表示)がなされると、普通電動役物17(後述する。)が、所定時間(例えば、0.
5秒)開放駆動される。
【0053】
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されてい
る。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構
成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動
口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21
vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始
動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
【0054】
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口
側部分に普通電動役物を備えている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左
右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、
この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図7参照)を備え
ている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開
放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態とな
る。
【0055】
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部
17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図7参照)が配設されて
いる。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに
入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路
の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される。
【0056】
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞
装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装
着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が
略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成
している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31
aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡され
ている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉
板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図7参照)
と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ3
1s(図7参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢
となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊
技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して
前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部
)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘
導する誘導部を構成する。
【0057】
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。こ
の左下表示装置50は、図5(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤
10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、
普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図
柄表示部56とが設けられている。
【0058】
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する
保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普
通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4
個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の
数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図
柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過
したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と
、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていな
い遊技球を指す。
【0059】
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する
保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞
したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると
共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、
順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技
球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部
62において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示と、これに先行する変動表示とがな
されていない遊技球を指す。
【0060】
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留
数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」である
ことを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」
であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d
)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、
(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
【0061】
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機
1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LE
Dを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、
LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示
される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが
高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否
判定(大当り抽選)の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55の
LEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間
)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯するこ
とはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」
から「高確率モード」になると、確変手段(当否判定において、大当り判定がなされる確
率を高く設定することを内容とする手段)と、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間
を短く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物の開放時間を長
くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技
機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、時短手段および開放
延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モード
が「時短モード」から「通常モード」に戻されると、時短手段および開放延長手段が作動
を停止する。
【0062】
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。こ
の右下表示装置60は、図5(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤
10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、
特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
【0063】
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用い
て構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴
う当否判定(大当り抽選)の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを
用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図10(a)に示すように、この「当否判定
に関する結果の表示に先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62
a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62
gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否判定(大当り抽選)に関す
る結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止
表示(確定表示)が実行される。
【0064】
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特
別図柄の当否判定(大当り抽選)に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」
を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされ
ていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄
表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯さ
せて、当該大当りの種類が表示される。
【0065】
図5(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成
する取付板51に一体化され、図5(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43
、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般
入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出ス
イッチ40s、41s、43s、44s(図7参照)が配設されている。
【0066】
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランス
を考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方に
はアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図
示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び
発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の
先端部に取り付けられている。
【0067】
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図6を参照して説明する。つまり、遊技
機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており
、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
【0068】
裏パック102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球
払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基
板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御
基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払
出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板
などが搭載されている。また、賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられて
おり、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109と
は、タンクレール106によって接続されている。更に、図6において、タンクレール1
06の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検
知スイッチが設けられている。
【0069】
(2)制御回路の構成
次に、図7〜図9を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本
遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、2
40A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成
されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部20
0Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
【0070】
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示
、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制
御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に中央表示装置
27の駆動制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構
成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発
射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部
260Aを備える。
【0071】
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制
御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行する
CPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログ
ラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのや
り取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのク
ロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り
込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LS
Iがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図7及び図9の矢印の向きは、データ
あるいは信号を入出力する方向を表している。また、図7では「主制御基板200以外の
制御基板」について、搭載されているCPUや、RAM、ROM等の図示を省略している

【0072】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16
s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s
等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定し
た後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基
板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の
コマンドを出力する。また、主制御部200Aには、発射装置ユニットから発射された遊
技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200Aは、普
通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表
示装置60、駆動モータ88に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御して
いる。
【0073】
図8(b)に示すように、主制御基板200に搭載されたRAM202には、特別図柄
保留数のデータが書き込まれる特別図柄保留数メモリ202bが設けられている。また、
このRAM202には、始動入賞情報メモリ202aが設けられ、始動入賞時に取得され
る始動入賞情報(乱数)が記憶される。ここで、始動入賞情報には、大当り抽選用乱数、
転落抽選用乱数などが含まれる。ここで、RAM202は、始動入賞情報記憶手段の具体
例を構成する。
【0074】
また、始動入賞情報メモリ202aは、始動入賞情報(大当り抽選用乱数、転落抽選用
乱数など)を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶する。この始動入賞情報メモリ
202aは、図8(c)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域
3」の4つの記憶領域を備えており、取得した始動入賞情報を、「領域0」、「領域1」
、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミング
で取得された始動入賞情報が、「領域0」に記憶される。この「領域0」に記憶された始
動入賞情報が「最先に記憶された始動入賞情報」となる。また、始動入賞情報メモリ20
2aに、同時に記憶できる始動入賞情報の上限個数は領域の数に限定される(本実施例の
上限個数は「4」)。更に、現に生じている始動入賞情報が上限個数を下回る場合には、
始動入賞情報が記憶されていない空きの領域が存在する。
【0075】
各始動入賞情報に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎(つまり、大当り抽
選用乱数を用いた大当り抽選が行われ、その抽選結果を表示するための図柄変動が開始さ
れる毎、すなわち、始動入賞情報が処理される毎)に、「領域0」の記憶データ(最古の
もの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶
データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及
び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在
しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。つまり、
後述するように、大当り抽選用乱数を用いた大当り抽選は、特別図柄の変動開始条件が成
立する毎(大当り抽選実行条件が成立する毎)に毎回行われ、転落抽選用乱数を用いた転
落抽選は「特別図柄の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立し、しかも、確率変動
手段が作動している場合」に限り行われるが、特別図柄の変動開始条件が成立する毎(大
当り抽選実行条件が成立する毎)に「領域0」に記憶された始動入賞情報(大当り抽選用
乱数、転落抽選用乱数など)は、全て処理(クリアー)される。
【0076】
サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの各種コマンドを受け取ると、コマンド
の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示
装置)27を駆動する演出表示制御基板222やスピーカSP1〜SP4を駆動するアン
プ基板224が接続されている。また、サブ制御部220Aは、「各種LED4b〜4h
搭載された基板」等の各種装飾用基板を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力す
ることにより、遊技の演出を行う。
【0077】
図9に示すように、演出ボタンSWは演出ボタン基板228を介してサブ制御基板22
0に接続されているため、この演出ボタンSWから出力される信号は演出ボタン基板22
8を介してサブ制御基板220に送信される。また、払出制御部240Aは、所謂、貸球
や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が受皿扉体5に設け
られた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板2
42から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。
【0078】
主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部24
0Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出
しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ10
9a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力さ
れる。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主
制御部200Aでも計数されている。また、払出制御部240Aは、主制御部200Aの
制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260Aに向か
って出力している。そして、発射制御部260Aは、この発射許可信号を受けて遊技球を
発射するための各種制御を行っている。
【0079】
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出
力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に
は、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基
板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように
、主制御部200Aから各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈し
て、(a)中央表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力
する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体
的な態様を決定する。次いで、中央表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)
を演出表示制御部222Aに出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表
示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置27、或
いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27r(図8参照)に格納さ
れているデータを使用する。
【0080】
疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによ
って、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信
号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED4b〜4hの駆動信号を出力すること
によって、各種ランプ類(LED4b〜4h等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また
、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号
がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信
号に基づいて、中央表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させるこ
とが可能に構成されている。
【0081】
(3)特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否判定(大当り抽選)の結果を示す確定
表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種
類の図柄表示装置(右下表示装置60及び中央表示装置27)において同時に実行する。
ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄
(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」であ
る。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する
。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定され
る。
【0082】
一方、中央表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」
であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A
(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、
この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の
停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、
外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
【0083】
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60においては、
特別図柄の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立する毎に、右下表示装置60の「
特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示を開始する。この変動表示の期間が経
過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示の態
様には、以下の態様がある。
【0084】
i)大当り
本図柄の停止表示(確定表示)を、図11(b)中欄に示すように、「特別図柄表示部
62」の2個のLEDを点灯させて行う。この2個のLEDの点灯により表示される停止
図柄(確定図柄)を、大当りの発生契機となる「大当り図柄」と称するが、この大当りを
生ずると、遊技機の遊技状態は、特別遊技状態(大当り状態)となり、特別遊技(大当り
遊技)が実行される。特別遊技状態では、大入賞装置31の大入賞口31aが入賞容易な
状態に開放され、大入賞口31aに遊技球が入賞することで、多量の賞球を伴う利益が遊
技者に付与される。
【0085】
本実施例の遊技機1では、特別遊技状態(大当り状態)を終了すると、当該遊技機1の
遊技モードは一律に高確率モード(確率変動モード)となる。すなわち、本実施例の遊技
機1は、全ての大当り図柄が確率変動図柄である遊技機、つまり、所謂「全図柄確変の遊
技機」である。
【0086】
ii)外れ
本図柄の停止表示(確定表示)を、図11(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部
62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止
図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否判定の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄
」となる。なお、特別図柄の当否判定の結果が「外れ」の場合には、「確変抽選」の結果
も外れとなる。
【0087】
iii)疑似図柄(演出図柄)
中央表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立
する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示を開始する。そして、この
変動表示の期間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき
、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否判定の結果を表示する。
【0088】
中央表示装置27の表示画面27aにおいては、図10(b)に示すように、疑似図柄
の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄
表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされ
る。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、
再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」に
よって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには
、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、
この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ
図柄を表示することができる。
【0089】
疑似図柄表示部27b〜27dに、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図
11(a)及び(b)の右欄に示す態様がある。即ち、図11(a)右欄の「外れを示す
停止図柄(判定結果図柄)」と、図11(b)の右欄に示す大当りを示す停止図柄(判定
結果図柄)」がある。このうち、「大当りを示す停止図柄」は「1」〜「9」のうちの何
れかの「数字」を3つ並べて構成される(3桁同一数字)。この場合、何れの数字が3つ
並べて揃えられても(例えば「777」のように奇数の数字が3つ並べて揃えられても、
「222」のように偶数の数字が3つ並べて揃えられても)、当該「大当りに係る大当り
遊技」の終了後に、遊技機1の遊技モードは高確率モードに移行する。尚、特別図柄表示
部62の表示態様は本実施例に例示するものに限定されない。
【0090】
(4)変動演出遊技及び大当り遊技の概要
変動演出遊技において、演出表示を、転落前兆演出を伴わない通常態様で行う場合(以
下、「通常演出」という。)と、転落前兆演出を伴う特別態様で行う場合(つまり、「特
別演出」を伴う場合)とがある。以下、この「通常演出のみで行い、特別演出を伴わない
変動演出遊技」の概要を述べた後、「特別演出を伴う変動演出遊技」の特徴的な部分につ
いて説明する。
【0091】
a.通常演出で行う場合
始動入賞を生じ、特別図柄の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、図5
(b)に示した右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の
変動表示)を開始すると共に、図12(a)〜(c)に示すように、中央表示装置27の
疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた変動演出表示を開始する。そ
して、所定の変動時間を経過した後、特別図柄表示部62a〜62gと、疑似図柄表示部
27b〜27dとの双方において、特別図柄(本図柄および疑似図柄)の停止図柄が確定
表示される。
【0092】
尚、図12(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂
「通常外れ」)であり、図12(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う表
示(所謂「外れリーチ」)」である。尚、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、変動
表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」とい
う。)以外の図柄を所定の大当り図柄を構成する図柄で停止させ、最終停止図柄の種類に
よって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出表示である。例えば、複数の
図柄の停止図柄が同一の図柄であると「大当り表示」が完成する場合に、最終停止図柄以
外の図柄を同一図柄で停止させて、「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在
することを示す表示を指す。
【0093】
図12(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、当否判定
の結果が「大当りである」旨の停止表示(大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(
疑似図柄)の変動途中に「リーチ表示」が行われた後に、この停止表示(大当り表示)が
行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表
示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始す
る。この大当り状態に移行すると、開閉板31b(開閉部材)に単位駆動が施される。こ
の「単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢
(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿
勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選
択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこ
と、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
【0094】
この「単位駆動」が、所定のインターバル時間を挟みつつ、所定回数(例えば、15回
、7回、2回などであるが、本実施例では、15回若しくは2回)実行されると、遊技機
1の遊技状態は、大当り遊技状態から図柄変動遊技状態に戻される。尚、この大当り遊技
状態の終了後において、遊技機1の遊技モードは高確率モードに設定される。
【0095】
b.特別演出を伴う場合
次に、図13及び図14に示す具体例によって「特別演出の特徴的な部分」について説
明する。この具体例は、「転落前兆演出」を4回の図柄変動に渡って行う場合を示してい
るが、本実施例においては、この「転落前兆演出」を2回若しくは3回の図柄変動に渡っ
て行うこともできる。
【0096】
この具体例では、「特別図柄の保留数が4個である状態(始動入賞情報メモリ202a
に上限個数である4個の始動入賞情報が記憶された状態)」で特別図柄の変動開始条件(
大当り抽選実行条件)が成立し(C1)、最先に記憶された始動入賞情報(大当り抽選用
乱数など)を処理し、図柄変動を開始するところから説明を始める。但し、この具体例で
は、始動入賞情報メモリ202aに記憶された転落抽選用乱数のうちで最も新しいものが
(前述の領域3に記憶されているもの)が、「転落抽選の当選値を構成する転落抽選用乱
数」であり、他の転落抽選用乱数は「転落抽選の落選値を構成する転落抽選用乱数」であ
るとする。
【0097】
この具体例では、特別図柄の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、前述
の通常演出と同様に、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を
開始し、図13に示すように、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似図柄を用いた
変動演出表示を開始する(a1)。この特別図柄の変動開始に伴って、特別図柄の保留数
が「−1」されるとともに、転落モード演出実行カウンタ(後述する。)の値が「−1」
される。このとき、前述の「領域0」の記憶データ(最古のもの)がクリアー(消去)さ
れると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データが「領域0」
に向けて「1領域ずつ」シフトされる(b2)。なお、転落モード演出実行カウンタの値
は「転落前兆演出」を実行する状態でない場合に、「ゼロ」とされ、「転落前兆演出」を
実行中には「1」、「2」、「3」若しくは「4」となる。
【0098】
特別図柄の変動(図柄変動)を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに
「転落前兆を示す表示」がなされる(a2)。つまり、この具体例では、「遊技者の味方
であるイカのキャラクタ」と、「遊技者の敵であるタコのキャラクタ」とが表示画面27
aに出現して、バトル(決闘)を開始する(a2)。そして、図柄変動の変動時間が経過
すると、大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(a3)。
【0099】
次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、同様に、特別図柄表示部62
a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始し、疑似図柄表示部27b〜27dにお
いて疑似図柄を用いた変動演出表示を開始する(a4)。この特別図柄の変動開始に伴っ
て、特別図柄の保留数が「−1」されるとともに、転落モード演出実行カウンタの値が「
−1」される。そして、特別図柄の変動(図柄変動)を開始した後、所定時間が経過する
と、表示画面27aで「イカのキャラクタ」と「タコのキャラクタ」とが、バトルを展開
した後(a5)、図柄変動の変動時間を経過を待って、大当り抽選の結果を示す停止図柄
(外れ図柄)が停止表示される(a6)。
【0100】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、図14に示すように、特
別図柄表示部62a〜62gでの点灯表示(本図柄の変動表示)と、疑似図柄表示部27b
〜27dでの変動演出表示を開始するとともに(a7)、特別図柄の保留数と転落モード
演出実行カウンタの値が「−1」される。そして、特別図柄の変動(図柄変動)を開始し
た後、所定時間が経過すると、表示画面27aで「イカのキャラクタ」と「タコのキャラ
クタ」とが、バトルを展開した後(a8)、図柄変動の変動時間を経過を待って、大当り
抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(a9)。
【0101】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜
62gでの点灯表示(本図柄の変動表示)と、疑似図柄表示部27b〜27dでの変動演出
表示を開始するとともに(a10)、特別図柄の保留数と転落モード演出実行カウンタの
値が「−1」される。そして、特別図柄の変動(図柄変動)を開始した後、所定時間が経
過すると、表示画面27aに、「タコが勝利した」旨の表示がなされ(a11)、既に、
「高確率モードから転落(転落抽選の結果に当選)している」旨の表示がなされた後(a
12)、図柄変動の変動時間を経過を待って大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄
)が停止表示される(a13)。但し、「転落抽選の結果が落選」となる場合、表示画面
27aに「イカが勝利した」旨の表示がなされ(図示を省略)、更に、「高確率モードを
継続する」旨の表示がなされた後(a14)、図柄変動の変動時間の経過を待って大当り
抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(a14)。
【0102】
遊技者は、本実施例に示す「バトル演出を用いた転落前兆演出」が始まると、表示画面
27aを、固唾を飲んで見守る。そして、最終的に表示画面27aになされる表示が、「
転落抽選の結果が当選した旨を示す表示」であるのか、或いは、「高確率モードを継続す
る旨を示す表示」であるのかを「ドキドキ」しつつ見守ることになるため、遊技上の興趣
が高められる。
【0103】
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1が、前述の「変動演出表示」等を実現するために種々の制御を行っ
ている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御
部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、こ
のコマンドが送信される様子について、図15(a)の模式図を用いて説明する。
【0104】
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接
続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、
残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aか
らサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り
当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて
1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号
の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aか
ら送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
【0105】
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基
板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図15(b)に図示したものを例示
できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記する。)、
(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)、(
C)図柄停止コマンド(以下、「HCP」と表記する。)、(D)特別図柄保留数指定コ
マンド(以下、「RHP」と表記する。)、(E)事前判定結果指定コマンド(以下、「
BHP」と表記する。)、(F)開放延長モード開始コマンド(以下、「EEC」と表記
する。)、(G)開放延長モード終了コマンド(以下、「TKC」と表記する。)、(H
)低確率状態指定コマンド(以下、「THP」と表記する。)、等がある。尚、変動パタ
ーン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定す
るコマンドでもある。
【0106】
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図16は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大ま
かな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S10)
、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処
理(S300)、大当り遊技処理(S600)、大当り遊技終了処理(S700)等の各
処理が繰り返し実行されている。尚、図16の一周の処理に要する時間は、ほぼ4mse
cとなっているため、これらの処理は約4msec毎に繰り返し実行される。
【0107】
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を
発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や
、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞
検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)などの状
態を検出する処理などが行われる。そして、図16に示す遊技制御では、制御が一周する
間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通
図柄遊技処理(S200)、普通電動役物遊技処理(S300)、特別図柄遊技処理(S
300)、大当り遊技処理(S500)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ
制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすること
により、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図14のフローチャートに従
って、遊技制御処理について説明する。
【0108】
A.賞球払出処理(S10)
主制御基板200に搭載されたCPU101は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞
球払出処理)を行う(S10)。すなわち、始動入賞検出スイッチ17s、17t若しく
は入賞球検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否か
を判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭
載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されて
いる情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、
RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた
場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力
する。
【0109】
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払
出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信
号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240
に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109
に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、
賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出
スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチ
で遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行
う。
【0110】
B.普通図柄遊技処理
図17及び図18は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通図柄遊技処
理が起動されると、CPU201は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sの状態
を検出して普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かが判断する(S105)。
このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関
する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、
所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留
数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否抽選のための乱数を取得して記憶した
後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否
定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上である
判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処
理に移行する。
【0111】
S120の処理においては、普通電動役物が作動中か否か(第2の始動入賞部17bが
開放状態であるか否か)が判断され(S120)、作動中の場合(S120;YES)、
普通図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。
【0112】
作動中でない場合(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表
示を実行中か否かが判断される(S125)。そして、S125の処理において変動表示
されていないと判断される場合には(S125;NO)、普通図柄表示部63において、
普通図柄が停止表示されているか否かが判断される(S130)。そして、普通図柄が停
止表示されていると判断されると(S130;YES)、「普通図柄の停止表示時間(例
えば、0.5秒)」が経過したか否かが判断される(図18のS180)。そして、S1
80にて肯定判断されると(S180;YES)、S185の処理に移行し、S180に
て否定判断されると(S180;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図16の遊技制御
処理に復帰する。
【0113】
また、普通電動役物が作動中でなく(図17のS120;NO)、普通図柄表示部63
において普通図柄の変動表示を実行中でなく(S125;NO)、しかも、普通図柄の停
止表示を実行中でないと判断されると(S130;NO)、普通図柄に関する保留数が「
0」であるか否か判定される(S135)。そして、この保留数が「0」と判断されると
(S135;YES)、普通図柄遊技処理を終了して遊技制御処理に復帰する。一方、こ
の保留数が「0」でないと判断されると(S135;NO)、S115の処理にて記憶さ
れた乱数を用いて、普通図柄に関する当否抽選を行うとともに、普通図柄に関する保留数
を「−1」する処理を行った後(S145)、S150以降の処理に移行する。
【0114】
S150の処理においては、「普通図柄の変動表示の時間」を短縮させる機能(以下、
「変動時間短縮機能」という。)が作動しているか否かが判断され、作動していると判断
されると(S150;YES)、「変動時間短縮機能作動時用」の普通図柄の変動表示時
間を設定した後(S155)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。一方、変
動時間短縮機能が作動していないと判断されると(S150;NO)、「変動時間短縮機
能非作動時用」の普通図柄の変動表示時間を設定した後(S156)、普通図柄の変動表
示を開始させる(S160)。そして、S150の処理において肯定判断される場合、否
定判断される場合の何れにおいても、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して
、図16の遊技制御処理に復帰する。
【0115】
また、普通電動役物が作動中でなく(S120;NO)、普通図柄表示部63において
普通図柄の変動表示を実行中の場合(S125;YES)、普通図柄の変動時間が経過し
たか否かを判断し(図18のS165)、経過していない場合(S165;NO)、普通
図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間
が経過すると(S165;YES)、普通図柄の変動表示を停止させた後(S170)、
普通図柄の停止図柄の表示時間(停止表示時間)が設定される(S5)。この後、「普通
図柄の停止表示時間」が経過すると(S180;YES)、S185の処理に移行する。
【0116】
S185の処理においては、普通図柄表示部63に停止表示された図柄が、普通電動役
物を作動させる図柄であるか否か判定され、作動させる図柄でない場合(S185;NO
)、普通図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、作動させる
図柄である場合(S185;YES)、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か
、つまり、開放延長手段が作動中であるか否かが判断される(S188)。
【0117】
開放延長手段が作動中である場合(S188;YES)、普通電動役物の開放時間(第
2の始動入賞部17bを開放状態とする時間)を「開放延長機能作動時における開放時間
(例えば、5秒)」に設定した後(S190)、普通電動役物を作動させ(S194)、
第2の始動入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して、図1
6の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合(S188;NO
)、普通電動役物の開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、0.
5秒)」に設定した後(S192)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2の始動
入賞部17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制
御処理に復帰する。
【0118】
C.普通電動役物遊技処理
図19は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図16
の遊技制御処理を行う中で、普通図柄遊技処理が起動されると、普通電動役物が作動中で
あるか否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、
作動中である(第2の始動入賞部17bが開放状態である)と判断すると(S201;Y
ES)、普通電動役物の作動時間(第2の始動入賞部17bを開放状態に維持する所定時
間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否か
を判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S20
2;YES)、普通電動役物の作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞部
17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。但し、CPU
201が、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の開放中に、第2の始動入賞部17
bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時
間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物の作動を停止させ(S206)、
普通電動役物遊技処理を終了させる。
【0119】
D.特別図柄遊技処理
図20〜22は、特別図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、図20に示すように
、特別図柄遊技処理が起動されると、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否か
が判断される(S302)。そして、S302の処理において否定的な判断(遊技球が入
賞していないとの判断)がなされる場合(S302;NO)、そのまま図21に示すS3
25以降の処理に移行する。
【0120】
一方、始動入賞装置17に遊技球が入賞したと判断されると(S302;YES)、特
別図柄の保留数が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S
304)。このS304の処理において、所定個数未満と判断されると(S304;YE
S)、特別図柄に関する抽選用乱数(つまり、始動入賞情報)を取得し、この抽選用乱数
を主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(つまり、図8の始動入賞
情報メモリ202a)に記憶するとともに、「特別図柄の保留数(図8に示す特別図柄保
留数メモリ202bの値)」を「+1」する処理が行われる(S306)。
【0121】
ここで、S306の処理において取得される抽選用乱数は「始動入賞情報」の具体例を
示している。そして、この抽選用乱数としては、(a)大当り抽選の際に用いる抽選用乱
数(つまり、大当り抽選乱数)、(b)大当り抽選の結果が当選である場合、特別図柄表
示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための決定用乱数、(c)中央表示装
置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示において、リーチ表示を行
うか否かの抽選を行うためのリーチ乱数、(d)後述する転落抽選に使用する転落抽選乱
数などがある。ここで、大当り抽選は、「遊技者にとって有利な大当り遊技を実行するか
否かを決定するために実行される抽選」であり、「当り抽選」の具体例を構成する。
【0122】
S306の処理を終了したら、S306の処理で取得した転落抽選乱数について事前判
定する処理を行う(S308)。つまり、「S306の処理で取得したばかりの転落抽選
乱数が予め定められた特定値と一致するか否か」を転落抽選(後述するS430の処理を
参照)の実行に先立って判定する。ここで、本実施例では、図23(a)に示すように、
「転落抽選の当選値」及び「転落抽選の落選値から選択される特定のもの」を「特定値」
としている。なお、図23(b)に示すように、「転落抽選の当選値から選択される特定
のもの」及び「転落抽選の落選値から選択される特定のもの」を「特定値」としたり、「
転落抽選の当選値」のみを「特定値」とすることもできる。
【0123】
CPU201は事前判定を終了すると(S308)、保留数指定コマンド(以下、S3
10処理で送信される保留数指定コマンドを、「RHP1」と表記する。)をサブ制御基
板220に送信する処理を行った後(S310)、S325以降の処理に移行する。ここ
で、本実施例では、S310処理でサブ制御基板220に送信される保留数指定コマンド
(RHP1)によって、「S306の処理を経た後の保留数」のみならず、「S308の
処理で実行された事前判定の結果」も特定される。但し、S308の処理で実行された事
前判定の結果を特定するためのコマンド(事前判定結果指定コマンド)を、保留数指定コ
マンド(RHP1)とは別に設定して、保留数指定コマンド(RHP1)とは別にサブ制
御基板220へ送信することもできる。
【0124】
S325の処理では、図21に示すように、大当り中(大当り遊技を実行中)であるか
否かが判断される。つまり、「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM2
03に格納されている。)」が作動中であるか否かが判断される(S325)。そして、
主制御基板200に搭載されたCPU201は、S325の処理において、「大当り中」
であると判断すると(S325;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技
制御処理に復帰する。ここで、大当り遊技実行手段は「当り遊技実行手段」の具体例を構
成する。
【0125】
一方、S325の処理で「大当り中」でないと判断すると(S325;NO)、特別図
柄が変動中か否かを判断する(S328)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S
328;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停
止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表
示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)である
か否かを判断する(S330)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S328;
NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S3
30;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S335)。
【0126】
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件(つまり、最先に記憶された始動入賞情報
に基づいて、変動開始条件(大当り抽選実行条件)を成立させる条件)」は「特別図柄に
関する保留数(特別図柄保留数メモリ202bの値)」が「ゼロ」でないことである。そ
して、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S335;NO)、図24及
び図25に示す「特別図柄の変動表示に関連する処理(以下、「特図変動表示関連処理」
という。)を実行する。一方、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合(S3
35;YES)、「特別図柄の変動表示を開始できる状態でないため、特別図柄遊技処理
を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。
【0127】
特図変動表示関連処理(S400)は、始動入賞装置17に遊技球が入賞したことに起
因して取得された抽選用乱数を用いた処理である。この特図変動表示関連処理(S400
)が起動すると、図24に示すように、始動入賞情報メモリ202a(図8参照)から記
憶している最も古い「大当り抽選用乱数」を読み出すとともに(S405)、確変フラグ
がセットされているか否か(確変フラグがONに設定されているか否か)の判断を行う(
S410)。ここで、確変フラグとは、遊技機1の遊技モードが高確率モード(確率変動
手段が作動し、大当り抽選の結果が当選となる確率が、通常確率から高確率に変動してい
ることを示すモード)に移行していることを示すフラグである。
【0128】
S410の処理で確変フラグがセットされていない(確変フラグがOFFに設定されて
いる)と判断されると(S410;NO)、大当り抽選を低確率(通常確率)で行った後
(S440)、S450の処理に移行する。つまり、この大当り抽選においては、ROM
203内の大当り番号メモリ203a(図8を参照)から大当り番号(通常確率用の判定
値)を読み出し、S405の処理で読み出した「大当り抽選用乱数」との比較を行い、両
者が一致していれば、大当り抽選の抽選結果が当選(以下、「大当り」という。)とされ
、一致していなければ大当り抽選の抽選結果が落選(以下、「外れ」という。)とされる
。尚、このS440に示す大当り抽選によって「大当り」が得られる確率は「1/399
.6」とされている。
【0129】
一方、S410の処理で確変フラグがセットされている(確変フラグがONに設定され
ている)と判断されると(S410;YES)、RAM202内の始動入賞情報メモリ2
02aから記憶している最も古い転落抽選乱数を読み出した後(S415)、ROM20
3内のメモリ203b(図8及び図23を参照)から転落抽選当選番号を読み出し、転落
抽選を行う(S430)。このS430の処理においては、S415の処理で読み出した
転落抽選乱数と、転落抽選当選番号との比較を行い、両者が一致していれば、転落抽選の
抽選結果が当選(つまり、高確率モードから通常確率モードへの転落)とされ、一致して
いなければ転落抽選の抽選結果が落選(つまり、高確率モードを維持)とされる。
【0130】
このS430に示す転落抽選の結果が「当選」の場合(S435;YES)、確変フラ
グを解除し、大当り抽選を通常確率で行った後(S440)、図25に示すS450の処
理に移行する。尚、S430の処理は「転落抽選手段」としての処理の具体例を示す。
【0131】
一方、このS430に示す転落抽選の結果が「落選」の場合(S435;NO)、大当
り抽選を高確率で行った後(S441)、図25に示すS450の処理に移行する。つま
り、この大当り抽選においては、ROM203内の大当り番号メモリ203a(図8を参
照)から大当り番号(高確率用の判定値)を読み出し、S405の処理で読み出した「大
当り抽選用乱数」との比較を行い、両者が一致していれば、大当り抽選の抽選結果が当選
(以下、「大当り」という。)とされ、一致していなければ大当り抽選の抽選結果が落選
(以下、「外れ」という。)とされる。尚、このS441に示す大当り抽選によって「大
当り」が得られる確率は、「1/40」とされている。尚 本実施例では、この高確率モ
ード(確変状態)は転落抽選(S430)に当選するまで継続される。
【0132】
次に、図25に示すS450の処理においては、S440若しくはS441において行
われた「大当り抽選」の結果が大当りであるかが判断される。そして、大当りである場合
は(S450;YES)、RAM202の所定領域に大当りフラグをセットした後、「大
当り用の変動パターンテーブル」をセットするとともに(S456)、「特別図柄の変動
パターンを決定するための乱数の取得と、大当り図柄決定乱数(前述のS306の処理で
取得した決定用乱数)の読み出し」とを行う(S458)。そして、変動パターン決定乱
数と、大当り用の変動パターンテーブルを用いた乱数抽選によって特別図柄の変動パター
ンが決定されるとともに、大当り図柄決定乱数を用いて特別図柄の停止図柄が決定された
後(S475)、S478の処理に移行する。
【0133】
つまり、特別図柄表示部62bにおいて実行される変動表示の時間と、特別図柄表示部
62bに停止表示される大当り図柄とが決定される(S456、S458、S475)。
尚、S456の処理においては、現在の遊技モードが時短モードであるか否かを判断し、
時短モードであれば、「大当り抽選の結果が大当りで且つ時短モードの場合に用いられる
変動パターンテーブル(当り・時短用変動パターンテーブル)」がセットされ{図26(
b)を参照}、時短モードでない場合は、「大当り抽選の結果が大当りで且つ時短モード
ではない場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・非時短用変動パターンテーブル
)」がセットされる{図26(a)を参照}。ここで、「時短モード」とは、変動時間短
縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モー
ドである。よって、以下の本実施例の説明では、「時短モード」を「開放延長モード」と
読み替えることができる。また、図26(a)及び(b)に示す変動パターンテーブルに
は「乱数の値」に対応付けて変動パターンが設定されている。尚、各「変動パターンテー
ブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
【0134】
図25に戻り、S440若しくはS441(図24参照)で行われた「大当り抽選」の
結果が外れである場合は(S450;NO)、「外れ変動用の変動パターンテーブル」を
セットするとともに(S460)、「特別図柄の変動パターンを決定するための変動パタ
ーン決定乱数の取得と、特別図柄表示部62bに停止表示される外れ図柄を決定する際に
用いる乱数の取得」を行う(S464)。そして、変動パターン決定乱数と、外れ変動用
の変動パターンテーブルを用いた乱数抽選によって特別図柄の変動パターンが決定される
とともに、外れ図柄決定乱数を用いて特別図柄の停止図柄が決定された後(S475)、
S478の処理に移行する。
【0135】
なお、S460の処理においては、「表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動
表示においてリーチ表示を行うことを予定しているか否か」と、「現在の遊技モードが時
短モードであるか否か」を判断とし、異なる変動パターンテーブルがセットされる。つま
り、リーチ表示を行うことを予定する場合、現在の遊技モードが時短モードであれば、「
外れ・時短用の変動パターンテーブルのうちで、リーチ表示を行う場合のもの{図27(
b)の下欄を参照}をセットし、時短モードでなければ、「外れ・非時短用の変動パター
ンテーブルのうちで、リーチ表示を行う場合のもの{図27(a)の下欄を参照}をセッ
トする。また、リーチ表示を行うことを予定しない場合、現在の遊技モードが時短モード
であれば、「外れ・時短用の変動パターンテーブルのうちで、リーチ表示を行わない場合
のもの{図27(b)の上欄を参照}をセットし、時短モードでなければ、「外れ・非時
短用の変動パターンテーブルのうちで、リーチ表示を行わない場合のもの{図27(a)
の上欄を参照}をセットする。
【0136】
CPU201は、以上のように、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する処理を
行ったら、特別図柄表示部62bにおいて特別図柄の変動を開始するとともに、サブ制御
部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動開始コマンド等を送信する(S4
78)。ここで、図柄変動開始コマンドは疑似図柄の変動開始の契機となるコマンドであ
って、変動パターン指定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS
)とで構成される。また、S430の転落抽選の結果が当選である場合(S435;YE
S)、S478の処理において、「低確率状態指定コマンド(THP)」も送信される。
【0137】
ここで、「変動パターン指定コマンド(CHP)」は、S475の処理において決定さ
れた変動パターンを特定するためのコマンドであり、「特別図柄停止情報指定コマンド(
CJS)」は特別図柄の停止図柄の態様(大当り図柄、外れ図柄等の停止図柄の態様)を
示すコマンドであり、サブ制御基板220を介して表示制御基板222に転送される。ま
た、「低確率状態(通常確率状態)指定コマンド(THP)」は、遊技機1の遊技モード
が高確率モードから低確率モード(通常確率モード)に転落したことを示すコマンドであ
る。但し、遊技機1の遊技モードが高確率モードである場合と、低確率モードである場合
とで選択される図柄変動開始コマンド(特に、変動パターン)が異なり、サブ制御基板2
20が、CPU201から送信される変動パターン指定コマンドによって遊技機1の遊技
モードを判別可能な場合は、この「低確率状態指定コマンド(THP)」は必ずしも必要
とされない。
【0138】
S478の処理の後、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と
、減算された後の保留数を特定するための「保留数指定コマンド(以下、S480処理で
送信される保留数指定コマンドを、「RHP2」と表記する。)をサブ制御基板220に
送信する処理とを行った後(S480)、特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制
御処理に復帰する。
【0139】
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図15に示
したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このス
トローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPUの割り込み端子に接続されてお
り、サブ制御基板220側のCPUは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号
を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、
リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が確変図柄等の種々の条件を考
慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定す
ることができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り
図柄で停止するのか、更には外れ図柄で停止するのかを知ることができる。
【0140】
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、中央表
示装置27での演出態様を決定した後、表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御
信号を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パ
ターン指定コマンド)に基づいて、中央表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か
、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220
は、こうして決定した演出内容に従って、表示制御基板222や、アンプ基板224、装
飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
【0141】
一方、特別図柄遊技処理(S300)のS328の処理(図21参照)で、特別図柄が
変動中であると判断された場合は(S328;YES)、既に、特別図柄の変動パターン
と停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別
図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S340)。即ち、特別図柄の変動時間は変
動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマ
をセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未
だ変動時間が経過していない場合は(S340;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S
400)を終了して、図16に示す遊技制御処理に復帰する。
【0142】
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S340;YES)、変動し
ている特別図柄の変動を停止させ、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンド(H
CP)をサブ制御基板220に向かって出力する(S344)。なお、図柄停止コマンド
は、サブ制御基板220を介して表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を
停止表示させる停止表示時間を設定した後(S346)、設定した停止表示時間が経過し
たか否かを判断する(S348)。
【0143】
S348の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S34
8;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図16に示す遊技制御
処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S348;YES)
、停止表示の態様が大当りを示す態様(つまり、大当り図柄)か否かを判断する(図22
のS350)。
【0144】
S350の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、「
大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)する(S352)。この「大当り遊技フラグ
」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。このように、
「大当り遊技フラグ」をセットすることにより(つまり、大当り遊技実行手段が作動を開
始することにより)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図16の遊技制御処理に復
帰すると大当り遊技処理が開始され、大当り遊技が開始されることになる。
【0145】
ところで、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」のセット中(つまり、大当
り遊技実行手段の作動中)は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。このため
、S352の処理において、「大当り遊技中フラグ」をセット(ONに設定)したら、現
在の遊技モード(大当り遊技フラグセット時の遊技モード)が高確率モードであるか否か
を判断する(S354)。そして、高確率モードである場合(S354;YES)、確率
変動手段が作動しているので、これを停止させる(S356)。つまり、確変フラグを解
除して確率変動手段の作動を停止させる。このS356の処理を終えた後、あるいはS3
54の処理にて現在の遊技モードが高確率モードでないと判断された場合には、現在の遊
技モードが時短モードであるか否か(変動時間短縮フラグがセットされているか否か)を
判断する(S358)。この結果、時短モードである場合には(S358;YES)、変
動時間短縮フラグを解除して時短機能(変動時間短縮手段)の作動を停止させる(S36
0)。
【0146】
また、本実施例では、現在の遊技モードが時短モードである場合(S358;YES)
には、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も働いているので、S362の
処理で、開放時間延長フラグを解除して、普通電動役物(始動入賞装置17)の開放時間
延長機能(開放延長手段)も停止させた後(S362)、特別図柄遊技処理(S300)
を抜けて、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、S352の処理で大当り遊技フラグ
をセットしたときの遊技モードが高確率モードでも時短モードでもなかった場合は(S3
54;NO、S358;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図1
6の遊技制御処理に復帰する。
【0147】
次に、図22のS350の処理で否定的な判断がなされると、つまり、特別図柄表示部
62において停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S350;NO)、以下の
ような処理を行う。
【0148】
先ず、現在の遊技モードが時短モード(変動時間短縮フラグがセットされているか否か
)を判断する(S370)。このS370の処理で肯定的な判断がなされる場合(S37
0;YES)、後述の大当り遊技終了時処理(S700)でセットされる「変動時間短縮
カウンタ」(図29のS720参照)を「−1(1デクリメント)」する(S372)。
このS372の処理により、「遊技機1の遊技モードが現在実行中の時短モードに移行し
た後に、S350の処理で肯定的な判断を得ることなく実行された特別図柄の変動回数(
累積回数)」、換言すると「時短モードにおいて外れ図柄が連続して停止表示された回数
」が計数される。そして、「変動時間短縮カウンタ」を「−1(1デクリメント)」した
ら、「変動時間短縮カウンタ」の値が「0(ゼロ)」になったか否かを判断し(S374
)、「0(ゼロ)」でない場合は(S374;NO)、時短モードを維持したまま、特別
図柄遊技処理を抜けて、図16の遊技制御処理に復帰する。
【0149】
一方、「変動時間短縮カウンタ」の値が「0(ゼロ)」の場合(S374;YES)、
主制御基板200のCPU201は、時短機能(変動時間短縮手段)の作動を停止させる
(S376)とともに、開放延長機能(開放延長手段)の作動を停止させる(S378)
。そして、CPU201は開放延長モード終了コマンド(TKC)をサブ制御部200A
(サブ制御基板220)に向かって送信した後(図15を参照)、特別図柄遊技処理を抜
けて、図16の遊技制御処理に復帰する。尚、開放延長モード終了コマンド(TKC)は
、開放延長モードを終了したことを示すコマンドである。また、後述するように、本実施
例では、大当り遊技終了時に「変動時間短縮カウンタ」に「100」をセットするものと
しているので、時短モードにおいて外れ図柄が「100回」連続して停止表示された場合
に、開放延長モード(時短モード)が終了する。
【0150】
E.大当り遊技処理(S600)
図28は、大当り遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201は、大当り遊技
処理(S600)が起動されると、大当り遊技フラグがセットされているか否か(大当り
遊技フラグがONに設定されているか否か)を判断し(S602)、セットされている(
ONに設定されている)場合には(S602;YES)、S604以降の処理を実行する
。尚、大当り遊技としては、実行される大当りラウンド数が多い「第1の大当り遊技」と
、実行される大当りラウンド数が少ない「第2の大当り」とが予定されている。
【0151】
S604の処理では、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定領域(図示し
ない抽選結果メモリ)に大当りフラグがセットされているか否か判断し(S604)、否
定的な判断がなされる場合(S604;NO)には、ラウンド回数R(ラウンドカウンタ
)を初期化する処理等が既に完了しているため、そのまま、S616の処理に移行する。
一方、S604の処理で肯定的な判断がなされる場合(S604;YES)、大当りフラ
グを解除する処理と、ラウンド回数R(ラウンドカウンタ)に初期値(「1」)をセット
する処理を実行した後に、S616の処理に移行する。ここで、ラウンド回数R(ラウン
ドカウンタ)とは、大当り遊技処理(S600)において、現在実行中のラウンド回数を
示すものである。そして、このラウンド回数Rの上限(n1)は、第1の大当り遊技では
15回とされ、第2の大当り遊技では2回とされる。
【0152】
S616の処理では、大入賞口31aが開放中か否かを判断する。ここで、大入賞口3
1aは、通常の遊技状態では閉鎖されており、「大当り遊技フラグ」をセットした直後は
、大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞
口31aは開放中ではないと判断され(S616;NO)、ラウンド回数(R)が所定の
上限回数(n1)に達したか否かを判断する(S640)。
【0153】
但し、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド回数(R)が所定回数(n1)に達し
ていないから、S640の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S640;NO
)。このため、S648の処理に移行して、大入賞口31aの閉鎖時間(t2)が経過し
たか否かを判断する(S648)。ここで、大入賞口の閉鎖時間(t2)とは、ラウンド
とラウンドとの間で大入賞口31aが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り
遊技が開始された直後は、大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入
賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S648;YES)、大入賞口31aを開放
させた後(S652)、図28に示す大当り遊技処理を一旦終了して、図16の遊技制御
処理に復帰する。
【0154】
CPU201は遊技制御処理に復帰すると、図16に示す一連の各種処理を行った後、
再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図16に示した遊
技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、
約4msecとなっている。従って、図28に示す大当り遊技処理(S600)も、約4
msec毎に繰り返して実行される。この際、大当り遊技の実行中に繰り返される大当り
遊技処理(S600)においては、S616以降の処理が確実に実行される。ところが、
大当り遊技の開始後に行われた初めての大当り遊技処理(S600)は、S652の処理
において大入賞口31aを開放して、そのまま、当該「大当り遊技処理(S600)」を
終了する。そして、当該「大当り遊技処理(S600)」の終了後、約4msec後に2
周目の大当り遊技処理(S600)を行う場合には、S616にて、大入賞口31aが開
放中と判断されることになる(S616;YES)。
【0155】
この2周目の大当り遊技処理(S600)においては、S616の処理で肯定的な判断
がなされた後、大入賞口31aの開放時間が所定時間(t1)に達したか否かを判断する
(S620)。そして、前述のように、大当り遊技では、大入賞口31aが開放状態とな
るが、開放時間が所定時間(t1)に達するか、又は、大入賞口31aに規定数(N1)
の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S620では大入賞口31aの
開放時間が所定時間(t1)に達したか否かを判断するのである。尚、この所定時間(t
1)は、第1の大当り遊技においては、例えば「30秒間」とされ、第2の大当り遊技に
おいては例えば「0.2秒間」とされる。
【0156】
そして、開放時間が所定時間(t1)に達していれば(S620;YES)、大入賞口
31aを閉鎖した後(S628)、図28に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて
、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間(t1)に達していない
場合は(920;NO)、大入賞口31aに入球した遊技球が規定数(N1)に達してい
るか否かを判断する(S624)。尚、この規定数は、例えば「10球」とされる。
【0157】
そして、遊技球が規定数(N1)に達した場合も(S624;YES)、大入賞口31
aを閉鎖する(S628)。これに対して、規定数(N1)に達していない場合は(S6
24;NO)、大入賞口31aの開放時間が未だ所定時間(t1)に達しておらず、しか
も、大入賞口31aに入球した遊技球も規定数(N1)に達していないと考えられるので
、大入賞口31aを開放させたまま、図28の大当り遊技処理を抜けて、図16の遊技制
御処理に復帰する。
【0158】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技中」である場合(大当り遊技フラグがセットされて
いる場合)、図14の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31
aの開放時間が所定時間(t1)に達するか(図28のS620;YES)、若しくは、
大入賞口31aに規定数(N1)の遊技球が入球して(S624;YES)、大入賞口3
1aが閉鎖される(S623)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。
【0159】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技中」である場合、次に大当り遊技処理(S600)
が実行された時には、S616において大入賞口31aが閉鎖中と判断され(S616;
NO)、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド数(連続回数R)が所定回数(n1)
に到達したか否かが判断され(S640)、所定回数(n1)に到達していなければ(S
640;NO)、大入賞口31aの閉鎖時間が所定時間(t2)に達したことを確認した
後(S648;YES)、再び大入賞口31aを開放状態として新たなラウンドを開始す
る(S652)。
【0160】
一方、S640の処理において、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド数(連続回
数R)が所定回数(n1)に到達したと判断される場合(S640;YES)には、大当
り遊技を終了し、大当り遊技フラグを解除するとともに(S644)、大当り遊技終了フ
ラグをセット(S646)して、大当り遊技処理(S600)を終了し、図14に示す遊
技制御処理に復帰する。
【0161】
F.大当り遊技終了処理(S700)
図29は、大当り遊技終了時処理の概要を示すフロー図であり、CPU201は、大当
り遊技終了処理(S700)が起動すると、大当り遊技終了フラグ(S646)がセット
されているか否か(大当り遊技終了フラグがONに設定されているか否か)を判断し(S
705)、セットされていなければ(S705;NO)、そのまま、大当り遊技終了時処
理(S700)を終了し、図16に示す遊技制御処理に復帰する。一方、セットされてい
れば(S705;YES)、CPU201は、この大当り遊技終了フラグを解除し、確変
フラグをセットして確率変動手段の作動を開始するとともに(S715)、変動時間短縮
カウンタに初期値(100)をセットする(S720)。
【0162】
また、変動時間短縮フラグをセットし、普通図柄及び特別図柄の変動時間短縮機能を作
動させるとともに(S725)、開放延長フラグをセットして、「普通電動役物(始動入
賞装置17)の開放時間を延長する開放延長手段」を作動させる(S730)。そして、
開放延長モード開始コマンド(EEC)をサブ制御部200A(サブ制御基板220)に
送信した後(S735)、大当り遊技終了処理(S700)を終了する。ここで、変動時
間短縮カウンタは、大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が行われる毎に「−1(1デ
クリメント)」される(図22のS372参照)。そして、変動時間短縮カウンタの値が
「ゼロ」になったところで、変動時間短縮機能と開放延長手段の作動が停止される。
【0163】
(7)サブ制御部220Aが行う主要な演出制御処理の概要
次に、サブ制御部220A(図9等に示すサブ制御基板220のCPU220a)が、
演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う処理のうちで、主要
な処理について、図30〜図33を用いて説明する。ここで、本実施例では、この主要な
処理として、始動入賞時保留関連処理(S1000)と、図柄変動演出関連処理(S11
00)とについて説明するが、両処理(S1000、S1100)は、「サブ制御部22
0Aが行う演出制御に関するメイン処理」のサブルーチンを構成する処理であり、所定の
周期(例えば、約2msec毎)に繰り返し実行される。
【0164】
A.始動入賞時保留関連処理(S1000)
始動入賞時保留関連処理(S1000)は、「始動入賞時(入賞装置17に遊技球が入
賞した時)に、主制御部200Aから送信された保留数指定コマンド(RHP1)」を、
サブ制御基板220が受信する毎に実行される。つまり、サブ制御基板220のCPU2
20aは、「主制御部200Aによって、前述のS310(図20参照)に従って送信さ
れた保留数指定コマンド(RHP1)」を受信すると(S1010;YES)、この受信
した保留数指定コマンド(RHP1)に基づく保留情報を、RAM220b(図9を参照
)の所定領域に記憶する(S1020)。このS1020で記憶する保留情報には、保留
数指定コマンド(RHP1)を受信したときの「特別図柄の保留数に関する情報(図20
のS306の処理を経た後の保留数に関する情報)」と、「図20のS308の処理で実
行された事前判定の結果に関する情報」が含まれる。
【0165】
サブ制御基板220のCPU220aは、このS1020の処理に続いて、特別図柄の
保留数に関する表示を「+1」する処理(S1030)を行った後、始動入賞時保留関連
処理(S1000)を終了する。つまり、特別図柄保留表示部53を用いて示される保留
数に関する表示を「+1」した後、始動入賞時保留関連処理(S1000)を終了する。
【0166】
B.図柄変動演出関連処理(S1100)
図柄変動演出関連処理(S1100)は、「前述のS478(図25参照)に従って、
主制御部200Aから送信された図柄変動開始コマンド」を、サブ制御基板220が受信
する毎に実行される。つまり、サブ制御基板220のCPU220aが、変動パターン指
定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)とを受信すること(
S1110;YES)で開始される。
【0167】
サブ制御基板220のCPU220aは、図柄変動開始コマンドを受信すると(S11
10;YES)、「転落モード演出実行フラグ」がセットされているか否かを判断する(
S1120)。なお、「転落モード演出実行カウンタ」の値は後述するように、「転落モ
ード演出(転落前兆演出)」を実行する状態でない場合に、「ゼロ」とされ、「転落モー
ド演出」を実行中には「1」、「2」、「3」若しくは「4」となる。
【0168】
そして、転落モード演出実行フラグがセットされている場合(転落モード演出実行フラ
グがONに設定されている場合)には(S1120;YES)、「転落モード演出実行時
の演出パターンテーブル」をセットした後(S1130)、S1150の処理に移行し、
転落モード演出実行フラグがセットされていない場合(転落モード演出実行フラグがOF
Fに設定されている場合)には(S1120;NO)、「転落モード演出未実行時の演出
パターンテーブル」をセットした後(S1140)、S1150の処理に移行する。
【0169】
S1150の処理においては、S1110の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマ
ンド(図柄変動開始コマンド)に基づき、主制御部200A(主制御基板200)におい
て実行された大当り抽選(図24のS440又はS441)の結果が、大当りであるか否
かが判断される。そして、大当りであると判断される場合には(S1150;YES)、
中央表示装置27の表示画面27aで行う演出表示の当り演出パターン(疑似図柄表示部
27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)と、疑似図
柄の停止表示態様(大当りを示す停止図柄の態様)を設定した後、表示画面27aの疑似
図柄表示部27b〜27dにおいて変動表示(変動演出表示)を開始させ(S1180)
、「変動開始時保留関連処理(S1200)」に移行する。
【0170】
一方、S1110の処理において受信した特別図柄停止情報指定コマンド(図柄変動開
始コマンド)に基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された大当
り抽選の結果が、「外れ」であると判断される場合には(S1150;NO)、中央表示
装置27の表示画面27aで行う演出表示の外れ演出パターン(疑似図柄表示部27b〜
27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行
する場合のリーチ表示態様等)と、疑似図柄の停止表示態様(外れを示す停止図柄の態様
)を設定した後、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて変動表示(変動演出表示)を開
始させ(S1180)、「変動開始時保留関連処理(S1200)」に移行する。
【0171】
図32に示すように、変動開始時保留関連処理(S1200)において、サブ制御基板
220のCPU220aは、「主制御部200AがS480の処理(図25参照)に従っ
て送信した保留数指定コマンド(RHP2)」を受信することを待って(S1205;Y
ES)、現在の遊技状態が確率変動状態であるか否か(現在の遊技モードが高確率モード
であるか否か)を判断する(S1210)。つまり、「始動入賞情報が処理され、特別図
柄の変動表示が開始された後の保留数を特定する保留数指定コマンド(RHP2)」を受
信することを待って(S1205;YES)、S1210の処理を行う。そして、確率変
動状態でないと判断される場合(S1210;NO)、特別図柄保留表示部53を用いて
示される保留数に関する表示を「−1」した後(S1270)、「変動開始時保留関連処
理(S1200)を終了する。
【0172】
一方、確率変動状態であると判断される場合(S1210;YES)、「転落モード演
出実行フラグ」がセットされているか否かを判断する(S1215)。ここで、「転落モ
ード演出実行フラグ」とは、「転落モード演出を実行中」であることを示すフラグである
。そして、既に、「転落モード演出実行フラグ」がセットされている場合(転落モード演
出実行フラグがONに設定されている場合)には(S1215;NO)、転落モード演出
実行の可否等を決定するための処理(S1220〜S1245までの処理)をスキップし
て、S1255の処理に移行する。
【0173】
「転落モード演出実行フラグ」がセットされていない場合(転落モード演出実行フラグ
がOFFに設定されている場合)、つまり、未だ、転落モード演出を開始していない場合
、S1205の処理を経た段階で、保留情報に含まれている保留数(図30のS1020
の処理で記憶した保留情報であって、S1205の処理を経た段階で記憶されているもの
の数)が「2」よりも大きいか否かを判断し(S1220)、「2」以下であれば、S1
270の処理を経て、変動開始時保留関連処理(S1200)を終了する。この場合、転
落モード演出を開始することなく、変動開始時保留関連処理(S1200)を終了する。
一方、保留数が2よりも大きい(本実施例では、「3」若しくは「4」)である場合(1
220;YES)、S1020の処理(図30参照)で記憶した保留情報(事前判定結果
)をチェックし(S1225)、「特定値と一致する旨の事前判定結果」が記憶されてい
るか否かを判断する(S1230)。
【0174】
S1230の処理で否定的な判断がなされると、S1270の処理を経て変動開始時保
留関連処理(S1200)を終了する。つまり、この場合も、転落モード演出を開始する
ことなく、変動開始時保留関連処理(S1200)を終了する。一方、S1230の処理
で肯定的な判断がなされると、保留情報として記憶されている保留数を、転落モード演出
実行カウンタにセットする(S1235)。つまり、現在の保留数(始動入賞情報)の数
を、転落モード演出実行カウンタにセットする(S1235)。この転落モード演出実行
カウンタは、「転落前兆演出を伴う図柄変動の残り実行回数」を示すカウンタであり、転
落モード演出を実行している最中は、「4」、「3」、「2」若しくは「1」の数値を示
すことになる。
【0175】
S1235において転落モード演出実行カウンタにセットすると、S1240にて転落
モード演出実行フラグをセットした後(転落モード演出実行フラグをONに設定した後)
、転落モード演出を開始する(S1245)。これにより、前述の転落モード演出(図1
3及び図14に例示するバトル演出)が開始されるが、この転落モード演出は転落前兆演
出の具体例を構成する。また、図32に示す処理は「サブ制御基板220のCPU220
aが前兆演出実行手段として行う処理」の具体例を構成する。
【0176】
このように、転落モード演出を開始すると、転落モード演出実行カウンタの値を「−1
」する処理を行った後(S1255)、転落モード演出実行カウンタの値が「ゼロ」であ
るか否かを判断する(S1260)。つまり、「転落前兆演出を伴う図柄変動の残り実行
回数(以下、「残り回数」という。)がゼロであるか否か」を判断するが(S1260)
、「転落モード演出を開始させた図柄変動時」には、S1260の処理において否定的な
判断がなされるため、S1270の処理を経て変動開始時保留関連処理(S1200)を
終了する。
【0177】
変動開始時保留関連処理(S1200)を終了すると、図31の図柄変動演出関連処理
(S1100)に復帰する。そして、図柄停止コマンドを受信すると(S1280;YE
S)、「1個の始動入賞情報を処理することで行われた図柄変動演出」を終了する(12
85)。つまり、表示画面27aにおいて、疑似図柄と背景図柄の変動を停止し、大当り
抽選の結果を確定表示する。
【0178】
また、「転落モード演出中の2回目以降の図柄変動」においても、S1110の肯定的
な判断を待って、S1120の肯定的な判断を経て、「転落モード演出実行時の演出パタ
ーンテーブル」をセットする(S1130)。そして、S1150、S1170(若しく
はS1160)、S1180の各処理を経て、2回目の変動開始時保留関連処理(S12
00)に移行する。更に、S1205、S1210、S1215の各処理(図32参照)
の肯定的判断を得た後、S1130の処理で設定した演出パターンテーブルに従って転落
モード演出を継続する(S1216)。
【0179】
この後、転落モード演出実行カウンタの値を「−1」する処理を行い(S1255)、
転落モード演出実行カウンタの値が「ゼロ」であるか否かを判断する(S1260)。そ
して、「ゼロ」でなければ(S1260;NO)、S1270の処理を経て変動開始時保
留関連処理(S1200)を終了した後、図31に示すS1280、S1285の処理に
至る。
【0180】
このように、「転落モード演出中の図柄変動」を所定回数(転落モード演出実行カウン
タの値に相当する回数)だけ繰り返すと、S1260の処理で、転落モード演出実行カウ
ンタの値が「ゼロ」であると判断される(S1260;YES)。この場合、転落モード
演出実行フラグを解除して(転落モード演出実行フラグをOFFに設定して)転落モード
演出を終了させた後(S1265)、S1270の処理を経て変動開始時保留関連処理(
S1200)を終了する。そして、図31に示すS1280、S1285の処理に至る。
【0181】
(8)実施例の効果
本遊技機1によると、転落前兆演出の発生により、転落抽選の結果が報知される時期が
明確になるので、「その報知時期が到来するまでの転落演出モード実行期間」中の遊技興
趣(ドキドキ感)を高めることができる。例えば、遊技者は、転落前兆演出が発生すると
、転落前兆演出実行期間が終了するまでの間に大当りを得られるか否かを、固唾を飲んで
見守ることになる。このため、本遊技機1によると、遊技上の興趣を高めることができる

【0182】
また、本遊技機1によると、転落前兆演出を発生させることで、確変遊技(高確率モー
ド)が唐突に終了する印象や、遊技の止め時が判断し難いといった印象を遊技者に与え難
くなる。尚、本実施例では、転落前兆演出を「バトル演出」として実行する具体例を述べ
たが、この転落前兆演出を、後述する「カウントダウン演出」や、「リーチ演出」を用い
て行ってもよいし、その他の演出態様を用いて行ってもよい。
【実施例2】
【0183】
次に、図33〜図40を用いて実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊
技機は、以下の点が異なる他は実施例1の遊技機1と同様である。つまり、実施例2の遊
技機では、(i)転落前兆演出を実行するための制御を、主制御部200A(主制御基板
200)が中心となって行う点と、(ii)転落前兆演出を「カウントダウン演出」で行
う点が、実施例1と異なる。そして、実施例2では、(a)図13、図14の代わりに、
図33、図34を用いる点と、(b)図20の代わりに、図35、図36を用いる点と、
(c)図25の代わりに図37、図38を用いる点と、(d)図31、図32の代わりに
図39を用いる点を除いて実施例1と同様である。
【0184】
先ず、図33及び図34を用いて、この「カウントダウン演出」の特徴的な部分につい
て説明する。この「カウントダウン演出」は、4回の図柄変動に渡って行う場合として示
されているが、本実施例においては、この「カウントダウン演出」を2回若しくは3回の
図柄変動に渡って行うこともできる。
【0185】
この具体例においても、「特別図柄の保留数が4個である状態(始動入賞情報メモリ2
02aに上限個数である4個の始動入賞情報の記憶された状態)」で変動開始条件(大当
り抽選実行条件)が成立し(d1)、最先に記憶された始動入賞情報(大当り抽選用乱数
など)を処理し、図柄変動を開始するところから説明を始める。尚、この具体例において
も、始動入賞情報メモリ202aに記憶された転落抽選用乱数のうちで最も新しいもの(
図8(c)に示す領域3に記憶されているもの)が、「転落抽選の当選値を構成する転落
抽選用乱数」であり、他の転落抽選用乱数は「転落抽選の落選値を構成する転落抽選用乱
数」であるとする。
【0186】
この具体例においても、図柄変動の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると
、前述の通常演出と同様に、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(変動表示)を開始
し、図33に示すように、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似図柄を用いた変動
演出表示を開始する(b1)。この図柄変動の開始に伴って、特別図柄の保留数が「−1
」されるとともに、転落モードカウンタ(後述する。)の値が「−1」される。このとき
、図8(c)の「領域0」の記憶データ(最古のもの)がクリアーされると共に、「領域
1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データが「領域0」に向けて「1領域ず
つ」シフトされる(d2)。なお、転落モードカウンタの値は「転落前兆演出」を実行す
る状態でない場合に「ゼロ」となり、「転落前兆演出」を実行中の場合には「1」、「2
」、「3」若しくは「4」となる。
【0187】
図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに「転落前兆を示す表
示」がなされる(b2)。つまり、この具体例では、「あと3回、図柄変動を行うと、転
落抽選の結果が報知される」旨の表示がなされる(b2)。そして、図柄変動の変動時間
が経過すると、大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(b3)

【0188】
次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、同様に、特別図柄表示部62
a〜62gで点灯表示(変動表示)を開始し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似
図柄を用いた変動演出表示を開始する(b4)。この図柄変動の変動開始に伴って、特別
図柄の保留数が「−1」されるとともに、転落モードカウンタの値が「−1」される。そ
して、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに、「あと2回、
図柄変動を行うと、転落抽選の結果が報知される」旨の表示がなされた後(b5)、図柄
変動の変動時間の経過を待って、大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表
示される(b6)。
【0189】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、図34に示すように、特
別図柄表示部62a〜62gでの点灯表示(変動表示)と、疑似図柄表示部27b〜27d
での変動演出表示を開始するとともに(b7)、特別図柄の保留数と転落モードカウンタ
の値が「−1」される。そして、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画
面27aに、「あと1回、図柄変動を行うと、転落抽選の結果が報知される」旨の表示が
なされた後(b8)、図柄変動の変動時間の経過を待って、大当り抽選の結果を示す停止
図柄(外れ図柄)が停止表示される(b9)。
【0190】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜
62gでの点灯表示(変動表示)と、疑似図柄表示部27b〜27dでの変動演出表示を開
始するとともに(b10)、特別図柄の保留数と転落モード演出実行カウンタの値が「−
1」される。そして、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに
、「転落抽選の結果が当選である(つまり、高確率モードが終了する)」旨の表示がなさ
れた後(b11)、図柄変動の変動時間の経過を待って大当り抽選の結果を示す停止図柄
(外れ図柄)が停止表示される(b12)。但し、「転落抽選の結果が落選」となる場合
、表示画面27aに「高確率モードを継続する」旨の表示がなされた後(b13)、図柄
変動の変動時間の経過を待って大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示
される(a12)。
【0191】
遊技者は、本実施例に示す「カウントダウン表示を用いた転落前兆演出」が始まると、
表示画面27aを、固唾を飲んで見守る。そして、最終的に表示画面27aになされる表
示が、「転落抽選の結果が当選である旨を示す表示(高確率モードが終了する旨を示す表
示)」であるのか、或いは、「高確率モードを継続する旨を示す表示」であるのかを「ド
キドキ」しつつ見守ることになるため、遊技上の興趣が高められる。
【0192】
次に、実施例2の遊技機を構成する主制御部200Aが実行する特別図柄遊技処理(S
300)について説明する。この特別図柄遊技処理(S300)は、図35、36、21
〜24、37及び38に従って実行される。以下、この実施例2の特別図柄遊技処理(S
300)について、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と相違する点を中心に説明
する。
【0193】
実施例2の特別図柄遊技処理(S300)においても、図35に示すように、特別図柄
遊技処理が起動されると、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否かが判断され
(S302)、否定的な判断がなされる場合(S302;NO)、そのまま図21に示す
S325以降の処理に移行する。一方、肯定的な判断がされると(S302;YES)、
特別図柄の保留数が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断され(S
304)、所定個数未満と判断されると(S304;YES)、特別図柄に関する抽選用
乱数(つまり、始動入賞情報)を取得し、この抽選用乱数が主制御基板200に搭載され
たRAM202の所定アドレス(つまり、図8の始動入賞情報メモリ202a)に記憶す
るとともに、「特別図柄の保留数(図8に示す特別図柄保留数メモリ202bの値)」を
「+1」する処理が行われる(S306)。このS306の処理において取得される抽選
用乱数は、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)におけるS306の処理で取得され
る抽選用乱数と同様である。
【0194】
S306の処理を終了したら、保留数指定コマンド(RHP)をサブ制御基板220に
送信する処理を行う(S311)。つまり、S306の処理で「+1」された保留数を特
定する保留数指定コマンド(RHP)がサブ制御基板220に送信される。この後、主制
御基板200に搭載されたCPU201は、現在の遊技状態(遊技モード)が確率変動状
態(高確率モード)であるか否かを判断し(S312)、確率変動状態でなければ(S3
12;NO)、そのまま図21に示すS325以降の処理に移行する。一方、確率変動状
態であれば(S312;YES)、現在の保留数が「2」よりも大きいか否かを判断し(
S314)、「2」以下の場合(S312;NOであって、「1」若しくは「2」の場合
)、そのまま図21に示すS325以降の処理に移行するが、「2」よりも大きい場合(
S312;YESであって、「3」若しくは「4」の場合)、転落抽選用乱数の事前判定
処理(S320)を行った後、図21に示すS325以降の処理に移行する。
【0195】
この事前判定処理(S320)では、図36に示すように、S306の処理で取得した
転落抽選乱数が、予め定められた特定値と一致するか否かを判定し、一致しない場合には
(S321;NO)、そのまま事前判定処理(S320)を終了する。一方、一致する場
合には(S321;YES)、現在の保留数(始動入賞情報)の数を、転落モードカウン
タにセットする処理(S322)と、転落モードフラグをセットする(転落モードフラグ
をONに設定する)処理(S323)を行った後、事前判定処理(S320)を終了する

【0196】
実施例2の特別図柄遊技処理(S300)においても、S325以降の処理は図21〜
図23に従って、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様に行われる。但し、特
別図柄変動関連処理(S400)の内容に変更が加えられている。具体的には、実施例2
の特別図柄変動関連処理(S400)においても、S440若しくはS441に至るまで
の処理は、図24に従って実施例1と同様に行われる。
【0197】
但し、実施例2の特別図柄変動関連処理(S400)において、S440及びS441
以降の処理は、図37及び図38に従って行われる。つまり、主制御基板200に搭載さ
れたCPU201は、S440の処理若しくはS441の処理を行った後、変動パターン
振分処理を実行する(S460)。
【0198】
この変動パターン振分処理(S460)では、先ず、図38に示すように、S440若
しくはS441(図24参照)において行われた「大当り抽選」の結果が大当りであるか
が判断される(S461)。そして、大当りである場合は(S461;YES)、転落モ
ードフラグがセットされているか否か(転落モードフラグがONに設定されているか否か
)を判断し(S462)、セットされている場合(転落モードフラグがONに設定されて
いる場合)には(S462;YES)、「転落モード時の大当り用の変動パターンテーブ
ル」をセットした後(S463)、「特別図柄の変動パターンを決定するための乱数の取
得と、大当り図柄決定乱数(前述のS306の処理で取得したもの)の読み出し」を行い
(S465)、変動パターン振分処理(S460)を終了する。
【0199】
一方、S462の処理で、転落モードフラグがセットされていない(転落モードフラグ
がOFFに設定されている)と判断される場合には(S462;NO)、「通常の大当り
用の変動パターンテーブル」をセットした後(S464)、「特別図柄の変動パターンを
決定するための乱数の取得と、大当り図柄決定乱数(前述のS306の処理で取得したも
の)の読み出し」を行い(S465)、変動パターン振分処理(S460)を終了する
【0200】
また、図24のS440若しくはS441において行われた「大当り抽選」の結果が外
れである場合も(S461;NO)、転落モードフラグがセットされているか否か(転落
モードフラグがONに設定されているか否か)を判断し(S466)、セットされている
場合(転落モードフラグがONに設定されている場合)には(S466;YES)、「転
落モード時の外れ用の変動パターンテーブル」をセットした後(S467)、「特別図柄
の変動パターンを決定するための乱数の取得と、外れ図柄決定乱数(前述のS306の処
理で取得したもの)の取得」を行い(S469)、変動パターン振分処理(S460)を
終了する。
【0201】
一方、S466の処理で、転落モードフラグがセットされていないと判断される場合(
転落モードフラグがOFFに設定されている場合)には(S466;NO)、「通常の外
れ用の変動パターンテーブル」をセットした後(S468)、「特別図柄の変動パターン
を決定するための乱数の取得と、外れ図柄決定乱数(前述のS306の処理で取得したも
の)の取得」を行い(S465)、変動パターン振分処理(S460)を終了する
【0202】
図37に戻り、変動パターン振分処理(S460)を終了すると、この変動パターン振
分処理(S460)の処理でセットした変動パターンテーブルと、読み出し若しくは取得
した乱数とを用いて、特別図柄の変動パターンと、特別図柄の停止図柄を決定した後(S
475)、S478の処理に移行する。尚、実施例2において、各「変動パターンテーブ
ル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
【0203】
そして、CPU201は、以上のように、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定す
る処理を行ったら、特別図柄表示部62bにおいて特別図柄の変動を開始するとともに、
サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動開始コマンド等を送信す
る(S478)。また、S430(図24参照)の転落抽選の結果が当選である場合(図
24のS435;YES)、S478の処理において、「低確率状態指定コマンド(TH
P)」も送信される。
【0204】
尚、実施例2においても、遊技機1の遊技モードが高確率モードである場合と、低確率
モードである場合と選択される図柄変動開始コマンド(特に、変動パターン)が異なり、
サブ制御基板220が、CPU201から送信される変動パターン指定コマンドによって
遊技機1の遊技モードを判別可能な場合は、この「低確率状態指定コマンド(THP)」
は必ずしも必要とされない。
【0205】
S478の処理の後、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と
、減算された後の保留数を特定するための「保留数指定コマンド(RHP)」をサブ制御
基板220に送信する処理とを行った後(S480)、転落モードフラグがセットされて
いるか否か(転落モードフラグがONに設定されているか否か)を判断し(S481)、
セットされていない場合(転落モードフラグがOFFに設定されている場合)には(S4
81;NO)、特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、
セットされている場合(転落モードフラグがONに設定されている場合)には(S481
;YES)、S483以降の処理に移行する。
【0206】
つまり、転落モードフラグがセットされている場合(転落モードフラグがONに設定さ
れている場合)には(S481;YES)、転落モードカウンタの値を「−1」する処理
を行った後(S483)、転落モードカウンタの値が「ゼロ」であるか否かを判断する(
S484)。そして、否定的な判断がなされる場合(S484)、特別図柄遊技処理を終
了して、図16の遊技制御処理に復帰する。尚、「転落モードフラグの設定した時点の図
柄変動」の際には、S484の処理において否定的な判断がなされるため、特別図柄遊技
処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。このため、次回の特別図柄遊技処理
における「変動パターン振分処理」においては、「転落モード時の大当り用の変動パター
ンテーブル(S463)」若しくは「転落モード時の外れ用の変動パターンテーブル(S
467)」が選択される。
【0207】
一方、「転落モード演出中の2回目以降の図柄変動時」においては、S481の肯定的
な判断と、転落モードカウンタの値を「−1」する処理(S483)と、S484の否定
的な判断を経て、特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。この
場合も、次回の特別図柄遊技処理における「変動パターン振分処理(図38参照)」にお
いては、「転落モード時の大当り用の変動パターンテーブル(S463)」若しくは「転
落モード時の外れ用の変動パターンテーブル(S467)」が選択される。
【0208】
そして、図柄変動(特別図柄遊技処理)を繰り返すうちに、図37のS484の処理で
肯定的な判断を得ると、転落モードフラグを解除した後(S486)、特別図柄遊技処理
を終了する。この場合、以後、S461若しくはS466の処理で否定的な判断がされる
ため、次回の特別図柄遊技処理における「変動パターン振分処理」においては、「通常時
の大当り用の変動パターンテーブル(図38のS464参照)」若しくは「通常時の外れ
用の変動パターンテーブル(図38のS467参照)」が選択される。
【0209】
次に、サブ制御部220Aが行う主要な演出制御処理の概要について説明する。つまり
、実施例2の遊技機においても、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU22
0a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う処理のう
ちで、主要な処理として、始動入賞時保留関連処理(S1000)と、図柄変動演出関連
処理(S1100)とを挙げることができるが、始動入賞時保留関連処理(S1000)
については実施例1と同様であるための、その説明を省略する。
【0210】
実施例2の図柄変動演出関連処理(S1100)は、図39に従って実行される。この
図柄変動演出関連処理(S1100)は、「図37のS478に従って、主制御部200
Aから送信された図柄変動開始コマンド」を、サブ制御基板220が受信する毎に実行さ
れる。つまり、サブ制御基板220のCPU220aが、変動パターン指定コマンド(C
HP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)とを受信すること(S1100;Y
ES)で開始される。
【0211】
サブ制御基板220のCPU220aは、図柄変動開始コマンドを受信すると(S11
10;YES)、その受信した図柄変動開始コマンドに含まれる特別図柄停止情報指定コ
マンドに基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行された大当り抽選
(図24のS440又はS441)の結果が、大当りであるか否かを判断する(S115
0)。そして、大当りであると判断される場合には(S1150;YES)、中央表示装
置27の表示画面27aで行う演出表示の当り演出パターン(疑似図柄表示部27b〜2
7dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)と、疑似図柄の停止表
示態様(大当りを示す停止図柄の態様)を設定した後(S1160)、疑似図柄表示部2
7b〜27dにおいて変動表示(変動演出表示)を開始させ(S1180)、S1185
に移行する。
【0212】
この場合、S1110の処理において受信した図柄変動開始コマンドに含まれる変動パ
ターン指定コマンド(CHP)が、「転落モード時の大当り用の変動パターンテーブル(
図38のS463参照)」を用いて決定されたものである場合、S1160において転落
演出実行時の「当り演出パターン」がセットされるため、変動表示が開始されると(S1
180)、前述のカウントダウン表示(図33,34参照)が行われる(残り変動回数を
示す数字を表示)。一方、S1110の処理において受信した変動パターン指定コマンド
(CHP)が、「通常時の大当り用の変動パターンテーブル(図38のS464参照)」
を用いて決定されたものである場合、S1160において転落演出未実行時の「当り演出
パターン」がセットされるため、変動表示が開始されても(S1180)、前述のカウン
トダウン表示は行われない。
【0213】
一方、S1110の処理において受信した図柄変動開始コマンドに含まれる特別図柄停
止情報指定コマンドに基づき、主制御部200A(主制御基板200)において実行され
た大当り抽選(図24のS440又はS441)の結果が、「外れ」であると判断される
場合には(S1150;NO)、中央表示装置27の表示画面27aで行う演出表示の外
れ演出パターン(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、
リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)と、疑似図柄の
停止表示態様(外れを示す停止図柄の態様)を設定した後、疑似図柄表示部27b〜27
dにおいて変動表示(変動演出表示)を開始させ(S1180)、S1185に移行する

【0214】
この場合、S1110の処理において受信した図柄変動開始コマンドに含まれる変動パ
ターン指定コマンド(CHP)が、「転落モード時の外れ用の変動パターンテーブル(図
38のS467参照)」を用いて決定されたものである場合、S1160において転落演
出実行時の「外れ演出パターン」がセットされるため、変動表示が開始されると(S11
80)、前述のカウントダウン表示(図33,34参照)が行われる(残り変動回数を示
す数字を表示)。一方、S1110の処理において受信した図柄変動開始コマンドに含ま
れる変動パターン指定コマンド(CHP)が、「通常時の外れ用の変動パターンテーブル
(図38のS468参照)」を用いて決定されたものである場合、S1160において転
落演出未実行時の「外れ演出パターン」がセットされるため、変動表示が開始されても(
S1180)、前述のカウントダウン表示は行われない。
【0215】
S1185の処理において、サブ制御基板220のCPU220aは、「主制御部20
0Aが図37のS480の処理に従って送信した保留数指定コマンド(RHP)」を受信
するまで待機する。つまり、始動入賞情報が処理され、特別図柄の変動表示が開始された
後の保留数を示す「保留数指定コマンド(RHP)コマンド」を受信するまで待機する(
S1185)。そして、受信すると(S1185;YES)、特別図柄保留表示部53を
用いて示される保留数に関する表示を「−1」した後、S1280以降の処理に移行する
。そして、図柄停止コマンドを受信すると(S1280;YES)、「1個の始動入賞情
報を処理つつ行われた図柄変動演出」を終了する(1285)。つまり、表示画面27a
において、疑似図柄と背景図柄の変動を停止し、大当り抽選の結果を確定表示する。
【0216】
実施例2によっても、実施例1と同様な効果を得ることができる。尚、本実施例では、
転落前兆演出を「カウントダウン演出」として実行する具体例を述べたが、この転落前兆
演出を、「バトル演出」や後述する「リーチ演出」を用いて行ってもよいし、その他の演
出態様を用いて行ってもよい。
【実施例3】
【0217】
次に、図40及び図41を用いて実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の
遊技機は、実施例2の遊技機の変形例を構成するものである。具体的には、図33及び図
34の代わりに、図40及び図41を用いる点を除いて実施例2と同様である。
【0218】
実施例3では、転落演出実行において、転落前兆演出の実行期間中に、特別図柄表示部
62での図柄変動(本図柄の変動表示)に付随して中央表示装置27で行われる図柄変動
演出(疑似図柄の変動表示)は、全てリーチ演出としている。つまり、「転落モード時の
大当り用の変動パターンテーブル(図38のS463参照)を用いて決定される全変動パ
ターン」のみならず、「転落モード時の外れ用の変動パターンテーブル(図38のS46
7参照)を用いて決定される全変動パターン」が、リーチ演出を予定するものとされてい
る。このため、転落演出実行には、中央表示装置27の表示画面27aにおいて疑似図柄
の変動表示が開始されると(S1180)、大当り抽選の結果にかかわらず、一律にリー
チ演出を実行する。
【0219】
ここで、図40及び図41を用いて、この「転落モード演出(以下、「リーチ転落演出
」という。)の特徴的な部分を、具体例を用いて説明する。尚、この具体例においては、
リーチ転落演出を、4回の図柄変動に渡って行う場合を例にとり説明するが、本実施例に
おいては、この「リーチ転落演出」を2回若しくは3回の図柄変動に渡って行うこともで
きる。
【0220】
この具体例においても、「特別図柄の保留数が4個である状態(始動入賞情報メモリ2
02aに上限個数である4個の始動入賞情報の記憶された状態)」で変動開始条件(大当
り抽選実行条件)が成立し(f1)、最先に記憶された始動入賞情報(大当り抽選用乱数
など)を処理し、図柄変動を開始するところから説明を始める。尚、この具体例において
も、始動入賞情報メモリ202aに記憶された転落抽選用乱数のうちで最も新しいもの(
図8(c)に示す領域3に記憶されているもの)が、「転落抽選の当選値を構成する転落
抽選用乱数」であり、他の転落抽選用乱数は「転落抽選の落選値を構成する転落抽選用乱
数」であるとする。
【0221】
この具体例においても、図柄変動の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると
、前述の通常演出と同様に、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(変動表示)を開始
し、図33に示すように、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似図柄を用いた変動
演出表示を開始する(e1)。この図柄変動の開始に伴って、特別図柄の保留数が「−1
」されるとともに、転落モードカウンタの値が「−1」される。このとき、図8(c)に
示す「領域0」の記憶データ(最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領
域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データが「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフト
される(d2)。なお、転落モードカウンタの値は「転落前兆演出」を実行する状態でな
い場合に、「ゼロ」とされ、「転落前兆演出」を実行中には「1」、「2」、「3」若し
くは「4」となる。
【0222】
図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに「転落前兆を示す表
示」がなされる(e2)。つまり、この具体例では、「リーチ演出」が開始される(e2
)。そして、図柄変動の変動時間が経過すると、大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ
図柄)が停止表示される(e3)。
【0223】
次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、同様に、特別図柄表示部62
a〜62gで点灯表示(変動表示)を開始し、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似
図柄を用いた変動演出表示を開始する(e4)。この図柄変動の開始に伴って、特別図柄
の保留数が「−1」されるとともに、転落モード演出実行カウンタの値が「−1」される
。そして、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aで「リーチ演
出」が開始され(e5)、図柄変動の変動時間の経過を待って、大当り抽選の結果を示す
停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(e6)。
【0224】
このように、「リーチ演出」が連続して実行されると、遊技者は「もうすぐ、転落抽選
の結果が報知されるのでは?」と考えることになる。
【0225】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、図41に示すように、特
別図柄表示部62a〜62gでの点灯表示(変動表示)と、疑似図柄表示部27b〜27d
での変動演出表示を開始するとともに(e7)、特別図柄の保留数と転落モードカウンタ
の値が「−1」される。そして、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画
面27aで「リーチ演出」が行われた後(e8)、図柄変動の変動時間の経過を待って、
大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(e9)。
【0226】
更に次の変動開始条件(大当り抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜
62gでの点灯表示(変動表示)と、疑似図柄表示部27b〜27dでの変動演出表示を開
始するとともに(e10)、特別図柄の保留数と転落モード演出実行カウンタの値が「−
1」される。そして、図柄変動を開始した後、所定時間が経過すると、表示画面27aに
「リーチ演出」が行われた後(e11)、「転落抽選の結果が当選した(つまり、高確率
モードが終了する)」旨の表示がなされ(e12)、図柄変動の変動時間の経過を待って
大当り抽選の結果を示す停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(e13)。但し、「転
落抽選の結果が落選」となる場合、表示画面27aに「高確率モードを継続する」旨の表
示がなされた後(e14)、図柄変動の変動時間の経過を待って大当り抽選の結果を示す
停止図柄(外れ図柄)が停止表示される(a13)。
【0227】
実施例3によると、実施例2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。つまり
、実施例3の遊技機では、転落前兆演出の実行期間中に行われる図柄変動演出(図柄変動
)において、毎回(毎変動)リーチ演出を行うため、遊技興趣(ドキドキ感)をより一層
、高めることができる。つまり、本来「遊技者にとって利益な状態(大当り)の発生を示
唆するリーチ演出」を、「遊技者にとって不利益な状態(高確率モードの終了)を発生さ
せる可能性を示唆する演出」として用いる。このため、遊技者は、ドキドキ感をもって「
リーチ演出」に接することとなる。この場合、遊技者は、例えば、「高確率モードが終了
する前に、早く当りを引け、早く当りを引け」と願いつつ、ドキドキしながら遊技を行う
ことになる。
【実施例4】
【0228】
次に、実施例4の遊技機について図42を用いて説明する。この実施例4は、実施例1
の変形例を構成するものであり、図24及び図25の代わりに、図42を用いる点を除い
て実施例1と同様である。つまり、実施例1〜3では、大当り抽選に先立って転落抽選を
行う具体例を例示したが、実施例4では、図42に示すように、大当り抽選の後に転落抽
選に関する一連の処理(S451、S452、S453、S455、S455の処理)を
行うこととしている。
【0229】
この実施例4では、最も古い抽選用乱数を読み出した後(S405)、直ちに大当り抽
選を行い(S406)、大当りの場合(S450;YES)、実施例1の場合と同様に、
S456以降の処理に行う。一方、外れの場合(S450;NO)、確変フラグがセット
されているか否かの判断を行う(S451)。そして、確変フラグがセットされていない
(確変フラグがOFFに設定されている)と判断されると(S451;NO)、S460
の処理に移行する。これに対して、確変フラグがセットされている(確変フラグがONに
設定されている)と判断されると(S451;YES)、記憶している最も古い転落抽選
乱数を読み出し(S452)、転落抽選を行う(S453)。
【0230】
転落抽選の結果が「落選」の場合(S454;NO)、そのまま、S460以降の処理
に移行し、転落抽選の結果が「当選」の場合(S454;YES)、確変フラグを解除し
た後(S455)、S460以降の処理に移行する。
【0231】
この実施例4では、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、
大当り抽選の後に転落抽選を行うため、遊技者は大当り遊技の終了後において、最低1回
は「高確率モード」による利益を得ることができる。尚、実施例4を実施例1の変形例と
して説明したが、実施例4によって、実施例2若しくは実施例3の変形例を構成してもよ
い。また、本実施例では、転落前兆演出を「カウントダウン演出」若しくは「リーチ演出
」を用いて行ってもよいし、その他の演出態様を用いて行ってもよい。
【実施例5】
【0232】
次に、図43〜図50を用いて実施例5の遊技機について説明する。この実施例5は実
施例1の変形例に相当するものである。この実施例5の始動入賞装置として、第1の始動
入賞装置17Aと、第2の始動入賞装置17Bとを備えるとともに、第1の始動入賞装置
17Aに対応する特別図柄(第1の特別図柄。以下、「特図1」ともいう。)と、第2の
始動入賞装置17Bに対応する特別図柄(第2の特別図柄。以下、「特図2」ともいう。
)とを備える点が実施例1と異なる。また、第1の始動入賞装置17Aへの始動入賞に基
づく始動入賞情報と、第2の始動入賞装置17Bへの始動入賞に基づく始動入賞情報とが
記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される点(以下、「第2の始動入賞情報の
優先処理」という。)が実施例1と異なる。
【0233】
図43に示すように、第1の始動入賞装置17Aと、第2の始動入賞装置17Bは遊技
盤10面において、上下に配設されている。また、第1の始動入賞装置17Aは固定式の
始動入賞装置であり、上方に開口部(第1の始動口)を開口させたポケット形状を備え、
この開口部(第1の始動口)を通じて遊技球を受け入れ可能とされている。更に、第1の
始動入賞装置17Aの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17tが配
設されている。
【0234】
第2の始動入賞装置17Bは、実施例1の「第2の始動入賞部17b」と同様な可変式
の始動入賞装置である。また、実施例5の遊技機は、図43(b)に示すように、第1の
始動入賞装置17Aに対応する特別図柄保留表示部53Aと、第2の始動入賞装置17B
に対応する特別図柄保留表示部53Bを備えている。
【0235】
本実施例の遊技機においては、図43(c)に示すように、2種類の大当り(大当りA
、大当りB)を予定しているが、何れの大当りを生じた場合も、大当り遊技終了後に遊技
機の遊技モードが高確率モードとなる。但し、「第1の大当り図柄(図示を省略)が表示
画面27aに停止されることに起因して生ずる大当りA」においては、その大当り遊技を
終了した後、「第2の始動入賞装置17Bを構成する(普通電動役物)」の開放時間を長
くする開放延長手段が作動するが(特別図柄が100回転するまでの間)、「第2の大当
り図柄(図示を省略)が表示画面27aに停止されることに起因して生ずる大当りB」に
おいては、その大当り遊技を終了した後、開放延長手段が作動しない。つまり、大当りB
に係る大当り遊技を終了した後は、所謂「潜伏確変」の状態となる。なお、前述のように
、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220
)へは、開放延長モード開始コマンド(EEC)、開放延長モード終了コマンド(TKC
)が送信されるため、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は現在の遊技モードが
開放延長モードであるか否かを判断することができる。
【0236】
実施例5においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は、図16に従って
遊技制御処理を行う。但し、実施例5では、実施例1の「特図変動表示関連処理(図24
,25参照)」が、第1の始動入賞装置17Aに対応する「第1の特別図柄」と、第2の
始動入賞装置17Bに対応する「第2の特別図柄」の各々について実行される点で、遊技
制御処理の内容が異なっている。以下、このことについて説明する。
【0237】
実施例5の「特別図柄遊技処理」は、図44、図45及び図22〜図27に従って、以
下のように実行される。つまり、図44に示すように、特別図柄遊技処理が起動されると
、先ず、第1の始動入賞装置17A若しくは第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入賞し
たか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS3
02bの処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合
(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図45に示すS325以降の処理に
移行する。尚、本実施例では、第1の始動入賞装置17A若しくは第2の始動入賞装置1
7Bへの始動入賞に起因して行われる処理は、実施例1の始動入賞装置17への始動入賞
に起因して行われる処理(図20参照)と同様であるため、詳細な説明を省略することが
ある。
【0238】
一方、第1の始動入賞装置17Aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;Y
ES)、「第1の始動入賞装置17Aに対応する特別図柄(第1の特別図柄)の保留数」
が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。こ
のS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、特
別図柄(第1の特別図柄)に関する抽選用乱数(つまり、始動入賞情報)を取得し、この
抽選用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(つまり、図8
の始動入賞情報メモリ202a)に記憶するとともに、「特別図柄の保留数(図8に示す
特別図柄保留数メモリ202bの値)」を「+1」する処理が行われる(S306a)。
【0239】
ここで、S306aの処理において取得される抽選用乱数は「始動入賞情報」の具体例
を示している。そして、この抽選用乱数としては、(a)大当り抽選乱数、(b)大当り
抽選の結果が当選である場合、特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定
するための決定用乱数、(c)中央表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似
図柄の変動表示において、リーチ表示を行うか否かの抽選を行うためのリーチ乱数、(d
)後述する転落抽選に使用する転落抽選乱数などがある。
【0240】
S306aの処理を終了したら、S306aの処理で取得した転落抽選乱数について事
前判定する処理を行う(S308a)。そして、CPU201は事前判定を終了すると(
S308a)、保留数指定コマンド(RHP)をサブ制御基板220に送信する処理を行
った後(S310a)、図45のS325以降の処理に移行する。
【0241】
また、第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;Y
ES)、第1の始動入賞装置17Aに遊技球が入賞した場合と同様に、S304b、S3
06b、S308b、S310bの処理を行った後、S325以降の処理に移行する。な
お、第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入賞した場合には、第2の特別図柄の保留や抽
選用乱数に係る処理が、前述の「第1の始動入賞装置17Aに遊技球が入賞した場合」と
同様にして行われる。
【0242】
S325の処理では、図45に示すように、大当り中(大当り遊技を実行中)であるか
否かが判断される。そして、「大当り中」であると判断されると(S325;YES)、
特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復帰する。一方、S325の処理
で「大当り中」でないと判断すると(S325;NO)、特別図柄が変動中か否か、つま
り、第1の始動入賞装置17Aに対応する第1の特別図柄及び第2の始動入賞装置17B
に対応する第2の特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S328)
。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S328;NO)、特別図柄の停止図柄を表
示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)である
か否かを判断する(S330)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S328;
NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S3
30;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S332、S334)。
【0243】
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1の特別図柄に関する保留数」と
、「第2の特別図柄に関する保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことであるが、
本実施例の遊技機1を構成するCPU201は、「第2の特別図柄に関する保留数」が「
ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S332)。つまり、「第2の特別図柄に関す
る保留数」が「ゼロ」でない場合、「第2の特別図柄の変動表示に関連する処理(以下、
「特図2変動表示関連処理」という。)」を実行する(S400b)。ここで、「特図2
変動表示関連処理」は、実施例1の「特図変動表示関連処理(図24,25参照)」にお
ける抽選(大当り抽選及び転落抽選)で用いる特図抽選用乱数(大当り抽選用乱数及び転
落抽選用乱数)が「第2の特別図柄に対応する乱数(特図2抽選用乱数)」に置き換わる
だけで、基本的な処理内容は、実施例1の「特図変動表示関連処理(図24,25参照)
」と同一である。よって、ここでは、「特図2変動表示関連処理」についての詳細な説明
を省略する。
【0244】
また、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合、「第1の特別図柄に
関する保留数」が「ゼロ」であるか否かを判断し(S334)、「ゼロ」でない場合(S
334;NO)、「第1の特別図柄の変動表示に関連する処理(以下、「特図1変動表示
関連処理」という。)を実行する(S400a)。尚、この「特図1変動表示関連処理」
は、実施例1の「特図変動表示関連処理(図24,25参照)」における抽選(大当り抽
選及び転落抽選)で用いる特図抽選用乱数(大当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数)が「
第1の特別図柄に対応する乱数(特図1抽選用乱数)」に置き換わるだけで、基本的な処
理内容は、実施例1の「特図変動表示関連処理(図24,25参照)」と同一である。よ
って、ここでは、「特図1変動表示関連処理」についての詳細な説明を省略する。
【0245】
一方、「第2の特別図柄に関する保留数」及び「第1の特別図柄に関する保留数」が共
に「ゼロ」である場合(S332;YES、S334;YES)、「特別図柄の変動表示
を開始できる状態でないため、特別図柄遊技処理を終了して、図16の遊技制御処理に復
帰する。
【0246】
なお、実施例5の「特別図柄遊技処理」のその他の処理については、図45及び図22
に従って実施例1と同様に行われる。また、実施例5においては、「大当りAに係る大当
り遊技」の終了時の「大当り遊技終了処理(S700)」は、図29に示した実施例1の
「大当り遊技終了処理(S700)」と同様に行われるが、「大当りBに係る大当り遊技
」の終了時の「大当り遊技終了処理(S700)」においては、図29のS720、S7
25及びS730の処理を省略した状態で行われる。
【0247】
次に、「サブ制御部220Aが行う主要な演出制御処理の概要」を説明する。この実施
例5においても、実施例1(図30〜32参照)と同様に、主要な演出制御処理として、
始動入賞時保留関連処理(S1000)と、図柄変動演出関連処理(S1100)を行う

【0248】
実施例5の始動入賞時保留関連処理(S1000)は、「第1の始動入賞装置17Aに
遊技球が入賞した時に、主制御部200Aから送信された特図1保留数指定コマンド(R
HP)」をサブ制御基板220が受信するか、「第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入
賞した時に、主制御部200Aから送信された特図2保留数指定コマンド(RHP)」受
信すると実行される。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、図46に示すよ
うに、「主制御部200Aによって、前述のS310aに従って送信された特図1保留数
指定コマンド(RHP)」を受信すると(S1001;YES)、この受信した特図1保
留数指定コマンド(RHP)に基づく保留情報(特図1保留情報)を、RAM220bの
所定領域に記憶する(S1002)。このS1002で記憶する特図1保留情報には、特
図1保留数指定コマンド(RHP)を受信したときの「第1の特別図柄の保留数に関する
情報(S306aの処理を経た後の保留数に関する情報」と、「S308aの処理で実行
された事前判定の結果に関する情報」)が含まれる。
【0249】
サブ制御基板220のCPU220aは、このS1002の処理に続いて、第1の特別
図柄の保留数に関する表示を「+1」する処理を行った後(S1003)、始動入賞時保
留関連処理(S1000)を終了する。つまり、特別図柄保留表示部53A(図43(b
)参照)を用いて示される保留数に関する表示を「+1」した後、始動入賞時保留関連処
理(S1000)を終了する。
【0250】
また、サブ制御基板220のCPU220aは、「主制御部200Aによって、前述の
S310bに従って送信された特図2保留数指定コマンド(RHP)」を受信すると(S
1004;YES)、この受信した特図2保留数指定コマンド(RHP)に基づく保留情
報(特図2保留情報)を、RAM220bの所定領域に記憶する(S1005)。このS
1005で記憶する特図2保留情報には、保留数指定コマンド(RHP)を受信したとき
の「第2の特別図柄の保留数に関する情報(S306bの処理を経た後の保留数に関する
情報」と、「S308bの処理で実行された事前判定の結果に関する情報」)が含まれる

【0251】
サブ制御基板220のCPU220aは、このS1005の処理に続いて、第2の特別
図柄の保留数に関する表示を「+1」する処理を行った後(S1006)、現在の遊技モ
ード(遊技状態)が開放延長モードであるか否かを判断する(S1007)。このS10
07の処理は、開放延長フラグがセットされているか否か(開放延長フラグがONに設定
されているか否か)を判断することによって行われる。
【0252】
開放延長モードである場合には(S1007;YES)、そのまま始動入賞時保留関連
処理(S1000)を終了し、開放延長モードでない場合には(S1007;NO)、転
落モード演出実行カウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(S1008)。そ
して、転落モード演出実行カウンタの値が「ゼロ」の場合(S1008;NO)、そのま
ま始動入賞時保留関連処理(S1000)を終了し、「1」以上である場合(S1008
;YES)、S1011の処理に移行する。
【0253】
S1011の処理では、S1005の処理で記憶した事前判定の結果が「転落抽選用乱
数が特定値と一致する」旨の結果か否かを判断し(S1011)、一致する旨の結果の場
合(S1011;YES)、転落モード演出実行カウンタの値を強制的に「1」に設定す
る処理を行った後(S1012)、始動入賞時保留関連処理(S1000)を終了する。
一方、一致しない旨の結果の場合(S1011;NO)、転落モード演出実行カウンタの
値を「+1」する処理(「1」加算する処理)を行った後(S1013)、始動入賞時保
留関連処理(S1000)を終了する。
【0254】
実施例5の図柄変動演出関連処理(S1100)は、実施例1の図柄変動演出関連処理
(図31参照)と比較して、次の点が異なる。つまり、実施例1の「図柄変動演出関連処
理(図31参照)」における「変動開始時保留関連処理(図32参照)」が、実施例5で
は、図47及び図48に示す処理となる。具体的には、図47のS1215の処理の後、
遊技機1の遊技モードが開放延長モードであるか否かを判断し(S1217)、開放延長
モードである場合(S1217;YES)、図46のS1005の処理で記憶された保留
情報(特図2保留情報)に基づいて、S1220以降の処理を行う。つまり、開放延長モ
ードである場合(S1217;YES)、第2の始動入賞装置17B(可変式の始動入賞
装置)への始動入賞に基づいて取得された第2の始動入賞情報(以下、「特図2始動入賞
情報」ともいう。)に基づいて、転落モード演出に関する処理が行われる。
【0255】
一方、開放延長モードでない場合(S1217;NOであって、「非開放延長モードで
ある場合」という。)、原則的には、図46のS1002の処理で記憶された保留情報(
特図1保留情報)に基づいて、S1221以降の処理を行う。つまり、開放延長モードで
ない場合(S1217;NO)、第1の始動入賞装置17A(固定式の始動入賞装置)へ
の始動入賞に基づいて取得された第1の始動入賞情報(以下、「特図1始動入賞情報」と
もいう。)に基づいて、転落モード演出に関する処理が行われる。但し、前述のように、
実施例5の遊技機1では、「第2の始動入賞情報の優先処理」を行うため、非開放延長モ
ードである場合に第2の始動入賞装置17Bへの始動入賞を生ずると、転落モード演出の
実行時おける図柄変動の回数を調整することが必要となる。
【0256】
このため、実施例5では、図46及び図49に示すように、「特図2始動入賞情報(図
46のS1005に記載の特図2保留情報)」を生じ、非開放延長モードであるとともに
転落モード演出を既に実行中であり(S1004;YES、S1007;NO、S100
8;YES)、しかも「生じた特図2始動入賞情報(特図2保留情報)を構成する転落抽
選用乱数」が特定値と一致しない場合は(S1011;NO)、転落モード演出実行カウ
ンタの値を「+1」する処理を行い(S1013)、転落モード演出の実行時おける図柄
変動の回数を増加させる。このため、転落モード演出の実行時に、「特図2始動入賞情報
に基づく図柄変動」が優先的に行われても、転落モード演出を終了したときに、転落モー
ド開始時に記憶された「特図1始動入賞情報」を全て消化した状態とすることができる。
【0257】
一方、図46及び図50に示すように、「特図2始動入賞情報(特図2保留情報)」を
生じ、非開放延長モードであるとともに転落モード演出を既に実行中であり(S1004
;YES、S1007;NO、S1008;YES)、しかも「生じた特図2始動入賞情
報(特図2保留情報)を構成する転落抽選用乱数」が特定値と一致する場合は(S101
1;YES)、転落モード演出実行カウンタの値を強制的に「1」に設定する処理を行う
(S1012)。このため、優先的に行われる「特図2始動入賞情報に基づく図柄変動」
において、転落抽選の結果が表示される場合は、その段階で転落モード演出を一端終了さ
せることができる。
【0258】
実施例5によっても、実施例1と同様な効果が得られる。また、実施例5では、複数の
「始動入賞装置17A、17B」を備えつつ、一方の始動入賞装置17Bへの始動入賞に
基づく始動入賞情報(特図2始動入賞情報)を優先的に処理する状況の下においても、転
落モード演出を適切に実行することができる。
【0259】
次に、実施例5の変形例について説明する。この変形例は実施例2及び実施例5の変形
例に相当するものである。この変形例の遊技機においても、実施例5の遊技機と同様に、
第1の始動入賞装置17A(第1の特別図柄)と、第2の始動入賞装置17B(第2の特
別図柄)とを備え、「第2の始動入賞情報の優先処理」を行う。
【0260】
また、変形例の遊技機では、実施例2の遊技機と同様、(i)転落前兆演出を実行する
ための制御を、主制御部200A(主制御基板200)が中心となって行う点が実施例5
(実施例1)と異なる。つまり、この変形例では、(a)図44の代わりに、図51、図
52及び図53を用いる点が実施例5と異なる。
【0261】
更に、図45をそのまま適用できるが、図45の「特図2変動表示関連処理(S400
b)」及び「特図1変動表示関連処理(S400a)」を実行する際には、図24及び図
37(図38を含む。)を用いて実施例2の「特図変動表示関連処理」と同様に行われる
。この場合、実施例2の「特図変動表示関連処理」における抽選(大当り抽選及び転落抽
選)で用いる特図抽選用乱数(大当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数)が、「第1の特別
図柄に対応する乱数(特図1抽選用乱数)」又は「第2の特別図柄に対応する乱数(特図
2抽選用乱数)」に置き換わるだけである。更に、この変形例の図柄変動演出関連処理は
、図39を用いて実施例2と同様に行われる。以下、この変形例の特徴的な部分について
説明する。
【0262】
この変形例では、図51及び図52に示すように、特別図柄遊技処理が起動されると、
先ず、第1の始動入賞装置17A若しくは第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入賞した
か否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS30
2bの処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(
S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図45に示すS325以降の処理に移
行する。
【0263】
一方、第1の始動入賞装置17Aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;Y
ES)、「第1の始動入賞装置17Aに対応する第1の特別図柄の保留数(特図1保留数
)」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304a)
。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)
、第1の特別図柄に関する抽選用乱数(つまり、特図1始動入賞情報)を取得し、この抽
選用乱数を主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(つまり、図8の
始動入賞情報メモリ202a)に記憶するとともに、「第1の特別図柄の保留数(図8に
示す特別図柄保留数メモリ202bの値)」を「+1」する処理が行われる(S306a
)。
【0264】
S306aの処理を終了したら、保留数指定コマンド(RHP)をサブ制御基板220
に送信する処理を行う(S311a)。つまり、S306aの処理で「+1」された特図
1保留数を特定する保留数指定コマンド(RHP)がサブ制御基板220に送信される。
この後、主制御基板200に搭載されたCPU201は、現在の遊技モードが開放延長モ
ードであるか否かを判断し(S313a)、開放延長モードである場合(S313a;Y
ES)、そのまま図45に示すS325以降の処理に移行する。つまり、開放延長モード
である場合(S313a;YES)、「特図1始動入賞情報」に基づいて、転落延長モー
ドに関する制御が行われることがない。
【0265】
一方、非開放延長モードである場合(S313a;NO)、現在の遊技状態(遊技モー
ド)が確率変動状態(高確率モード)であるか否かを判断し(S315a)、確率変動状
態でなければ(S315a;NO)、そのまま図45に示すS325以降の処理に移行す
る。一方、確率変動状態(所謂「潜伏確変状態」)であれば(S315a;YES)、現
在の特図1保留数が「2」よりも大きいか否かを判断し(S316a)、「2」以下の場
合(S316a;NO)、そのまま図45に示すS325以降の処理に移行するが、「2
」よりも大きい場合(S312a;YESであって、「3」若しくは「4」の場合)、転
落抽選用乱数の第1事前判定処理(S320a)を行った後、図45に示すS325以降
の処理に移行する。
【0266】
この第1事前判定処理(S320a)では、図53(a)に示すように、図51のS3
06aの処理で取得した特図1抽選用乱数に含まれる転落抽選乱数が、予め定められた特
定値と一致するか否かを判定し、一致しない場合には(S321a;NO)、第1事前判
定処理(S320a)を終了する。一方、一致する場合には(S321a;YES)、現
在の特図1保留数(特図1始動入賞情報に含まれる保留数)を、第1転落モードカウンタ
にセットする処理(S322a)と、転落モードフラグをセット(ONに設定)する処理
(S323a)を行った後、第1事前判定処理(S320a)を終了する。
【0267】
また、図52に示すように、第2の始動入賞装置17Bに遊技球が入賞したと判断され
ると(S302b;YES)、「第2の始動入賞装置17Bに対応する第2の特別図柄の
保留数(特図2保留数)」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断
される(S304b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(
S304b;YES)、第2の特別図柄に関する抽選用乱数(つまり、特図2始動入賞情
報)を取得し、この抽選用乱数を主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アド
レス(つまり、図8の始動入賞情報メモリ202a)に記憶するとともに、「第2の特別
図柄の保留数(図8に示す特別図柄保留数メモリ202bの値)」を「+1」する処理が
行われる(S306b)。
【0268】
S306bの処理を終了したら、保留数指定コマンド(RHP)をサブ制御基板220
に送信する処理を行う(S311b)。つまり、S306bの処理で「+1」された特図
2保留数を特定する保留数指定コマンド(RHP)がサブ制御基板220に送信される。
この後、主制御基板200に搭載されたCPU201は、現在の遊技モードが開放延長モ
ードであるか否かを判断し(S313b)、開放延長モードである場合(S313b;Y
ES)、現在の遊技状態(遊技モード)が確率変動状態(高確率モード)であるか否かを
判断し(S315b)、確率変動状態でなければ(S315b;NO)、そのまま図45
に示すS325以降の処理に移行する。一方、確率変動状態であれば(S315b;YE
S)、現在の保留数が「2」よりも大きいか否かを判断し(S316b)、「2」以下の
場合(S316b;NO)、そのまま図45に示すS325以降の処理に移行するが、「
2」よりも大きい場合(S316b;YESであって、「3」若しくは「4」の場合)、
転落抽選用乱数の第2事前判定処理(S320b)を行った後、図45に示すS325以
降の処理に移行する。
【0269】
この第2事前判定処理(S320b)では、図53(b)に示すように、図52のS3
06bの処理で取得した特図2抽選用乱数に含まれる転落抽選乱数が、予め定められた特
定値と一致するか否かを判定し、一致しない場合には(S321b;NO)、第2事前判
定処理(S320b)を終了する。一方、一致する場合には(S321b;YES)、現
在の特図2保留数(特図2始動入賞情報に含まれる保留数)を、第2転落モードカウンタ
にセットする処理(S322b)と、転落モードフラグをセット(ONに設定)する処理
(S323b)を行った後、第2事前判定処理(S320b)を終了する。なお、この変
形例では、図53(a)に従って行う第1事前判定処理(S320a)と、図53(b)
に従って行う第2事前判定処理(S320b)とで、設定する転落モードカウンタを区別
しているが、両者を共通化することもできる。
【0270】
図52に戻り、S313bの処理で、現在の遊技モードが非開放延長モードであると判
断される場合(S313b;NO)、第1転落モードカウンタの値が「0」よりも大きい
か否か(転落モード演出を実行中であるか否か)を判断する(S316b)。そして、「
0」よりも大きいと判断される場合には(S316b;YES)、「S306bの処理で
取得した転落抽選用乱数が特定値と一致するか否か」を判断し(S317b)、一致する
場合には(S317b;YES)、第1転落モードカウンタの値を強制的に「1」に設定
する処理を行った後(S318b)、図45に示すS325以降の処理に移行する。一方
、一致しない場合には(S317b;NO)、第1転落モードカウンタの値を「+1」す
る処理を行った後(S319b)、図45に示すS325以降の処理に移行する。
【0271】
この変形例によっても、実施例5と同様な効果が得られる。また、実施例5及びその変
形例では、転落前兆演出(転落モード演出)を、「カウントダウン演出」、「バトル演出
」及び「リーチ演出」のうちの何れを用いて行ってもよいし、その他の演出態様を用いて
行ってもよい。
【0272】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各
請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそ
れらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改
良を適宜付加することができる。
【0273】
例えば、転落モード演出の実行期間中に大当りを生ずる場合、その大当りに係わる大当
り演出中や、エンディング演出中などに転落モード演出を実行することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0274】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【符号の説明】
【0275】
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
3;本体枠、
11;遊技領域、
20;中央装置、
27;中央表示装置(可変表示装置)、
27a;表示画面、
200;主制御部(当り抽選手段、当り遊技実行手段、確率変動手段、転落抽選手段、
転落事前判定手段、転落前兆演出実行手段)、
220A;サブ制御部(転落前兆演出実行手段)、
202;RAM(始動入賞情報記憶手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞に基づいて取得される当り抽選用乱数及び転落抽選用乱数を含む始動入賞情報
のうちで未処理のものを、所定の上限個数を限度に記憶する記憶手段と、
抽選実行条件が成立すると、前記記憶手段に記憶されている前記始動入賞情報のうち、
最先に記憶された前記始動入賞情報に含まれる前記当り抽選用乱数を読み出して、遊技者
にとって有利な当り遊技を実行するか否かを決定するための当り抽選を行う当り抽選手段
と、
前記当り抽選の結果が得られると、当該当り抽選の結果を示す停止図柄を、図柄変動を
経て停止表示する図柄変動遊技を実行する図柄変動遊技実行手段と、
前記図柄変動遊技にて前記当り抽選の結果が当選である旨の停止図柄が停止表示される
と、前記当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
前記当り遊技の終了後に、前記当り抽選の結果が当選となる当り確率を通常確率から高
確率に変動させる確率変動手段と、
前記確率変動手段が作動している状態で前記抽選実行条件が成立すると、当該抽選実行
条件の成立に伴って読み出される前記当り抽選用乱数と同一の始動入賞情報に含まれる前
記転落抽選用乱数を読み出して、前記確率変動手段の作動を停止させるか否かを決定する
ための転落抽選を行う転落抽選手段と、
を備える遊技機であって、
前記転落抽選の実行に先立って、前記始動入賞情報に含まれる前記転落抽選用乱数が前
記確率変動手段の作動停止に対応する転落当選値と一致するか否かを事前に判定する転落
事前判定手段と、
前記転落事前判定手段によって前記転落当選値と一致しないと事前判定された前記転落
抽選用乱数を含む始動入賞情報の数に応じて、前記確率変動手段が作動する状態で前記図
柄変動遊技を実行可能な遊技回数を示唆する特殊演出を実行する特殊演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特殊演出実行手段は、
前記転落事前判定手段によって前記転落当選値と一致しないと事前判定された前記転落
抽選用乱数を含む第1の始動入賞情報と、前記転落当選値と一致すると事前判定された前
記転落抽選用乱数を含む第2の始動入賞情報とが前記記憶手段に記憶されている場合に、
前記第2の始動入賞情報よりも先に記憶された第1の始動入賞情報の数に応じて、前記特
殊演出を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2013−27720(P2013−27720A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210681(P2012−210681)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2009−124238(P2009−124238)の分割
【原出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】