説明

遊技機

【課題】整流部における球詰まりを抑制して、遊技球をスムーズに取り込むことができる搬送装置を備えた遊技機を提供すること。
【解決手段】駆動体121は、凹部121b1が凸部121c2に対応する位置に配置されると共に凹部121c1が凸部121b2に対応する位置に配置されているので、遊技球を凹部121b1と凹部121c1とにより交互に受け入れと共に、それら凹部121b1と凹部121c1とから交互に遊技球を第1従動体122の凹部122b1へ1個ずつ受け渡すことができる。従って、駆動体121を駆動モータ130により回転駆動して、取込口110aに2列(複列幅)で取り込まれた遊技球を強制的に一列に整列させる構成であるので、遊技球を整流しつつも球詰まりを抑制することができる。また、回収通路の通路幅を狭める必要がなく、遊技球を搬送装置100にスムーズに取り込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などに代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ球などの遊技球を使用して遊技を行う遊技機の一例として、所定個数の遊技球を遊技機内に封入し、それら所定個数の遊技球を遊技機内で循環させて遊技に使用する封入式遊技機が知られている。
【0003】
一般に、封入式遊技機は、遊技球を供給する通路となる供給通路と、その供給通路から供給された遊技球を発射する発射装置と、その発射装置から発射された遊技球を回収する通路となる回収通路と、その回収通路から供給通路へ遊技球を搬送する搬送装置とを備え、それら供給通路と発射装置と回収通路と搬送装置との間で遊技球を循環させるように構成されている(例えば、特許文献1)。
また、上記のように構成される封入式遊技機では、遊技に使用する遊技球数を管理する必要があり、遊技球を1個ずつ検出するためには、遊技球を整流して一列に整列させる整流部が必要となる。従って、回収通路では、遊技球を複列幅で回収し、整流部において遊技球の自然流下を利用して一列に整列させた後、搬送装置に取り込むように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3828311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技球を複列幅で回収し、整流部において遊技球の自然流下を利用して一列に整列させる構成では、かかる整流部に遊技球が集中して、球詰まりが生じ易いという問題点があった。
【0006】
また、勢いよく流下する遊技球は、整流部において、球同士の衝突または狭まった通路壁との衝突を起こすため、遊技球の回収が遅れ、搬送装置への遊技球の取込不順を起こし易いという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、整流部における球詰まりを抑制して、遊技球をスムーズに取り込むことができる搬送装置を備えた遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球を供給する通路となる供給通路と、その供給通路から供給された遊技球を発射する発射装置と、その発射装置から発射された遊技球を回収する通路となる回収通路と、その回収通路から前記供給通路へ前記遊技球を搬送する搬送装置とを備え、前記搬送装置は、箱状の筐体と、その筐体の内部に収容され回転可能に軸支される複数の回転体と、それら複数の回転体の内の1の回転体に駆動力を付与して回転駆動する回転駆動手段とを備え、前記筐体は、前記回収通路から前記遊技球を複列幅で取り込む取込口と、その取込口から取り込まれた遊技球を一列で搬送する搬送通路と、その搬送通路を通じて搬送された遊技球を排出する排出口とを備え、前記複数の回転体は、前記搬送通路を通じて前記遊技球を搬送するためのものであり、前記取込口に臨んで配設されると共に前記回転駆動手段により駆動力が付与されることで回転する駆動体と、その駆動体の周囲に配設されると共に前記遊技球を媒体として前記駆動体の回転力が伝達されることで回転する従動体とを備え、前記駆動体は、回転軸と直交する方向へ張り出すと共に前記回転軸方向に対向して配設される一対の羽根部を備え、その一対の羽根部の外周面に前記取込口から前記遊技球を受け入れる凹部および前記遊技球を受け支える凸部が回転方向に沿って交互に形成されると共に、前記回転軸方向視において前記一対の羽根部の一方の羽根部の凹部が他方の羽根部の凸部に対応する位置に配置され、前記従動体は、回転軸と直交する方向へ張り出す一枚の羽根部を備え、その一枚の羽根部の外周面に前記駆動体の凹部から前記遊技球を受け入れる凹部が回転方向に沿って複数形成されると共に、前記回転軸方向において前記一枚の羽根部が前記駆動体の前記一対の羽根部の対向間に介挿される位置に配設されるものであって、前記駆動体が回転することで前記取込口から前記遊技球を前記一対の羽根部の一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とにより交互に1個ずつ受け入れると共に、その受け入れられた遊技球を前記一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とから交互に前記従動体の凹部へ1個ずつ受け渡すことにより、前記搬送通路を通じて前記遊技球を搬送する。
【0009】
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記駆動体は、前記回転軸方向視において前記一方の羽根部の凸部が前記対応する位置に配置される他方の羽根部の凹部を覆う形状に形成されている。
【0010】
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記駆動体は、前記回転軸方向視において前記一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とが回転方向に沿って連続して配置されている。
【0011】
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記駆動体の凹部は、前記回転軸方向へ向けて湾曲する円弧状に形成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の遊技機によれば、駆動体を回転駆動手段により回転駆動して強制的に遊技球を一列に整列させる構成であるので、遊技球を複列幅で回収し、整流部において遊技球の自然流下を利用して一列に整列させる場合と比較して、遊技球を整流しつつも球詰まりを抑制することができるという効果がある。
【0013】
また、駆動体の一方の羽根部の凹部が取込口に臨む場合に、その凹部に対応する位置に配置される他方の羽根部の凸部が取込口に臨む構成であるので、回収通路の通路幅を狭める必要がなく、遊技球を搬送装置にスムーズに取り込むことができるという効果がある。
【0014】
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、駆動体は、回転軸方向視において一方の羽根部の凸部がその凸部に対応する位置に配置される他方の羽根部の凹部を覆う形状に形成されているので、一方の羽根部の凹部に遊技球を受け入れる際に、その一方の羽根部の凹部へ遊技球を他方の羽根部の凸部により誘導することができ、駆動体の凹部に遊技球を円滑に受け入れることができるという効果がある。その結果、遊技球の整流を効率良く行うことができると共に、その分、球詰まりの抑制を図ることができるという効果がある。
【0015】
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、駆動体は、回転軸方向視において一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とが回転方向に沿って連続して配置されているので、駆動体の回転位置がどの位置であろうと、一方の羽根部の凹部または他方の羽根部の凹部のいずれかに遊技球を受け入れることができるという効果がある。その結果、遊技球を凹部に効率良く受け入れて、球詰まりの抑制を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、駆動体の凹部は、回転軸方向へ向けて湾曲する円弧状に形成されているので、かかる凹部に受け入れた遊技球の勢いを放射状に分散して減じることができ、凹部による球はじきを防止することができるという効果がある。その結果、駆動体の凹部に遊技球を円滑に受け入れて、球詰まりの抑制を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】パチンコ機および球貸ユニットの正面図である。
【図2】パチンコ機の背面図である。
【図3】前面枠を取り外した状態を示すパチンコ機の正面図である。
【図4】前面枠の分解斜視図である。
【図5】搬送装置100の分解斜視図である。
【図6】(a)は、駆動体の斜視図であり、(b)は、回転軸方向視における駆動体の正面図である。
【図7】(a)は、第1従動体の斜視図であり、(b)は、回転軸方向視における第1従動体の正面図である。
【図8】(a)は、第2従動体の斜視図であり、(b)は、回転軸方向視における第2従動体の正面図である。
【図9】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図10】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図11】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図12】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図13】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図14】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図15】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図16】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図17】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図18】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図19】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【図20】図5の矢印A方向視における搬送装置の内部構造を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明におけるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称す。)10の外観構成および球貸ユニット70について説明する。なお、本実施の形態において、パチンコ機10は、球貸ユニット70に接続されて使用されるものであり、球貸ユニット70に投入された紙幣やカードの残額に応じて遊技を行うことができるように構成されている。また、パチンコ機10は、遊技者への遊技球の直接的な貸し出しや払い出しを行うものではなく、貸出球や賞球を数値化して(得点として)遊技者に付与することで、パチンコ機10内に封入された所定個数(本実施の形態では40個)の遊技球(パチンコ球)をパチンコ機10内で循環させて遊技に使用する、いわゆる封入式のパチンコ遊技機として構成されている。
【0018】
図1は、パチンコ機10及び球貸ユニット70の正面図である。図1に示すように、パチンコ機10は、外郭を形成する外枠11と、その外枠11に開閉可能に支持される内枠12とを備えている。外枠11には、正面視左側(図1左側)の上下2か所にヒンジ17が配設され、このヒンジ17を介して内枠12が開閉可能に支持されている。内枠12には、楕円形状の開口部12a(図3参照)が開口形成され、この開口部12aには、裏面側から遊技盤13が着脱可能に取り付けられている。
【0019】
遊技盤13の前面には、発射装置50(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤13の上部に案内するためのレール21,22(図3参照)が配設されている。パチンコ機10では、レール21,22により遊技盤13の前面上部に案内された遊技球が遊技盤13の前面(遊技領域)を落下することにより遊技が行われる。
【0020】
遊技盤13には、遊技球が入球し得る一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口(大開放口)25が配設されている。これら一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口25に遊技球が入球すると、賞球としての得点が遊技者に付与される。また、遊技盤13には、一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口25のいずれにも入球しなかった遊技球(以下、「アウト球」と称す。)が入球するアウト口26が配設されている。
【0021】
その他、遊技盤13の前面には、遊技球の落下方向を分散および調整するための多数の釘27、風車などの各種部材28及び第1入球口24への入球をトリガとして図柄を変動表示する可変表示装置ユニット29等が配設されている。
【0022】
内枠12には、正面視左側(図1左側)の上下2か所にヒンジ18が配設され、このヒンジ18を介して前面枠14が開閉可能に支持されている。前面枠14には、楕円形状の開口部14aが開口形成されている。この開口部14aには、裏面側から板ガラス(図示せず)が取り付けられ、この板ガラスを介して遊技盤13の前面が視認可能となっている。
【0023】
また、前面枠14には、その周囲にランプ31〜36が配設されている。遊技に際しては、これらランプ31〜36により、その都度、遊技状況に応じたランプ演出が行われる。即ち、ランプ31〜36による発光色や発光パターンを適宜変更することで、役の成立やエラーなどが遊技者に告知される。
【0024】
開口部14aの下方(図1下側)には、遊技者の持球を得点として表示するための得点表示部37が配設されている。この得点表示部37では、貸出球や賞球の総数が遊技者の持球として得点表示される。
【0025】
また、開口部14aの下方(図1下側)には、上皿16及び搬送装置100(いずれも図4参照)を内部に配設するための張出部38が前方(図1紙面表側)に張り出して形成されている。なお、本実施の形態において、パチンコ機10は、一般的なパチンコ遊技機とは異なり、遊技球を貯留するための下皿が省略されている。
【0026】
張出部38の正面視右側(図1右側)には、遊技球を遊技領域へ打ち込むための操作ハンドル39が配設されている。遊技者により操作ハンドル39が回動操作されると、操作ハンドル39の回動操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
【0027】
パチンコ機10の正面視左側(図1左側)には、球貸ユニット70が配置されている。この球貸ユニット70には、紙幣を投入するための紙幣投入口71及びカードを挿入するためのカード挿入口72が配設されている。遊技者により紙幣投入口71に紙幣が投入される、或いはカード挿入口72にカードが挿入されると、紙幣やカードの残額に応じて、遊技者への貸出球の貸出が可能な状態となる。
【0028】
紙幣投入口71の下方(図1下側)には、紙幣投入口71に投入された紙幣やカード挿入口72に挿入されたカードの残額を表示するための残額表示部73が配設されると共に、その残額表示部73の下方(図1下側)には、貸出球を得るための貸出ボタン74が配設されている。遊技者により貸出ボタン74が操作されると、紙幣またはカードに残額が存在する限りにおいて、得点表示部37に表示された得点が貸出ボタン74の操作回数に応じて加算される。
【0029】
貸出ボタン74の下方(図1下側)には、カード投入孔72に挿入されたカードの返却を求めるための返却ボタン75が配設されている。その他、球貸ユニット70には、貸出球や賞球の球単価を設定するための球単価設定ボタン76(例えば、球単価を2円、3円または4円の内から選択して設定するボタン)やカード挿入口72に挿入されたカードの暗証番号を入力するための入力ボタン77等が配設されている。
【0030】
次いで、図2から図4を参照して、パチンコ機10の内部構成について説明する。図2は、パチンコ機10の背面図であり、図3は、前面枠14を取り外した状態を示すパチンコ機10の正面図である。また、図4は、前面枠14の分解斜視図である。なお、図3では、図面の理解を容易とするために、遊技盤13の構成を一部省略して図示している。
【0031】
図2に示すように、遊技盤13の裏面には、一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口25(図1参照)に入球した遊技球(以下、「入賞球」と称す。)を遊技盤13の裏面側で回収するため入賞球回収盤41が取り付けられている。この入賞球回収盤41には、一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口25にそれぞれ連通されると共に下方(図2下側)が開放される回収通路41aが形成されている。
【0032】
また、入賞球回収盤41の下方(図2下側)には、入賞球回収盤41により回収された入賞球を内枠12の前面へ案内するための案内盤42が取り付けられている。この案内盤42には、上方(図2上側)が開放されると共に内枠12の前面に取り付けられたファール球回収盤43の回収通路43a(図3参照)に連通される案内通路42aが形成されている。
【0033】
従って、入賞球は、図2の仮想線で示すように、まず、入賞球回収盤41の回収通路41aを通じて回収され、その後、案内盤42の案内通路42aを通じて内枠12の前面へ案内される。また、案内盤42の案内通路42aは、アウト口26(図1参照)にも連通されており、アウト球も同様に、案内盤42の案内通路42aを通じて内枠12の前面へ案内される。
【0034】
また、遊技盤13の裏面には、一般入賞口23への遊技球の入球を検出する入賞口検出スイッチ44、第1入球口24への遊技球の入球を検出する第1入球口検出スイッチ45、特定入賞口25への遊技球の入球数をカウントするカウントスイッチ46が配設されている。これら各スイッチ44〜46により遊技球の入球が検出されると、検出結果に基づいて賞球数が決定されると共に、その決定された賞球数に応じて得点表示部37に表示された得点が加算される。
【0035】
図3に示すように、内枠12の前面には、遊技球を遊技領域へ発射するための発射装置50が配設されている。この発射装置50は、遊技球に発射力を付与する発射ソレノイド51と、その発射ソレノイド51から遊技盤13のレール21,22へ遊技球を案内する発射レール52と、上皿16(図4参照)から案内された遊技球を1個ずつ発射レール52に供給する供給装置53とを備えている。なお、発射ソレノイド51により遊技球に付与される発射力は、遊技者による操作ハンドル39(図1参照)の回動操作量に応じて決定される。発射装置50により遊技球が発射されると、発射された遊技球が検出スイッチ(図示せず)により検出され、その都度、得点表示部37に表示された得点が1点ずつ減算される。
【0036】
また、遊技盤13のレール21,22と発射装置50の発射レール52との間には隙間が形成されており、その隙間の下方(図3下側)には、発射装置50により発射されたものの、発射力が弱く遊技領域まで到達せずに発射装置50側に戻ってきた遊技球(以下、「ファール球」と称す。)を回収すると共に、回収したファール球を前面枠14へ案内するためのファール球回収盤43が取り付けられている。このファール球回収盤43には、上方(図3上側)が開放されると共に前方(図3紙面表側)が開放された開放口43bを有する回収通路43aが形成されている。
【0037】
従って、ファール球は、ファール球回収盤43の回収通路43aを通じて開放口43bから前面枠14へ案内される。また、上述したように、案内盤42の案内通路42aは、ファール球回収盤43の回収通路43aに連通されているので、案内盤42の案内通路42aを通じて内枠12の前面へ案内された入賞球およびアウト球も同様に、ファール球回収盤43の回収通路43a通じて開放口43bから前面枠14へ案内される。
【0038】
図4に示すように、前面枠14の裏面には下部ユニット15が取り付けられている。この下部ユニット15の前面には、上皿16及び搬送装置100が配設されている。下部ユニット15が前面枠14に取り付けられた状態では、上述したように、前面枠14に形成された張出部38の内部に上皿16及び搬送装置100が配置される。
【0039】
下部ユニット15には、前面枠14を内枠12に対して閉鎖した状態においてファール球回収盤43の開放口43b(図3参照)に連通される連通口15aが開口形成されている。従って、ファール球回収盤43の回収通路43aを通じて開放口43bから前面枠14へ案内された遊技球(入賞球、アウト球およびファール球)は、連通口15aから前面枠14の内部へ案内される。
【0040】
本実施の形態において、上皿16は、一般的なパチンコ機の上皿とは異なり、遊技球を貯留するためのものではなく、単に、遊技球を発射装置50(図3参照)へ案内するためのものである。この上皿16には、遊技球の通路となる供給通路16aが遊技球の直径と同等の幅で形成されている。よって、遊技球を供給通路16aにおいて一列に整列させることができるので、遊技球を整流するための整流部を設ける必要がなく、かかる整流部において生じ易い球詰まりの抑制を図ることができる。
【0041】
また、上皿16の底面には、搬送装置100が挿通される挿通口16bが開口形成されている。上皿16及び搬送装置100が下部ユニット15に配設された状態では、上皿16の挿通口16bに搬送装置100が挿通されると共に、後述する搬送装置100の排出口110bが上皿16の底面よりも上方へ突出した状態に配置される。また、上皿16の上面には、遊技球が遊技者に触れられることを防止するためのカバー19が配設されている。
【0042】
搬送装置100は、下部ユニット15の連通口15aから前面枠14の内部へ案内された遊技球(入賞球、アウト球およびファール球)を上皿16へ搬送(揚送)するためのものであり、この搬送装置100により搬送された遊技球は、上皿16を介して発射装置50へ案内される。これにより、パチンコ機10内に封入された遊技球をパチンコ機10内で循環させて遊技に使用することが可能となる。
【0043】
搬送装置100の下部には、取込口110aが開口形成されている。取込口110aは、搬送装置100への遊技球の入口をなすものであり、下部ユニット15の連通口15aから前面枠14の内部へ案内された遊技球(入賞球、アウト球およびファール球)は、まず、取込口110aへ案内され、その後、取込口110aから搬送装置100の内部に取り込まれる。取込口110aの間口は、遊技球の2球分に相当し、遊技球を2列(複列幅)で取り込むことができるように構成されている。
【0044】
一方、搬送装置100の上部には、排出口110bが開口形成されている。排出口110bは、搬送装置100からの遊技球の出口をなすものであり、搬送装置100に取り込まれた遊技球(入賞球、アウト球およびファール球)は、排出口110bから上皿16へ排出される。
【0045】
次いで、図5を参照して、本発明の主要部である搬送装置100の詳細構成について説明する。図5は、搬送装置100の分解斜視図である。なお、図5の矢印U−D,L−R,F−Bは、搬送装置100の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
【0046】
図5に示すように、搬送装置100は、筐体110と、その筐体110の内部に収容される回転体120と、筐体110の側面(矢印L方向側の面)に取着盤115を介して配設される駆動モータ130とを備えている。
【0047】
筐体110は、搬送装置100の外殻を形成するものであり、合成樹脂成型品からなる表裏一体のハウジング部材111a,111bと、それらハウジング部材111a,111bの前方(矢印F方向)に挟持される通路形成部材112とを備え、両ハウジング部材111a,111bがネジ等(図示せず)により結合されることで、箱状に構成されている。この筐体110の内部には、遊技球を搬送する通路となる搬送通路Wが形成されている。なお、搬送通路Wの形状については、図10を参照して後述する。
【0048】
回転体120は、搬送通路Wを通じて遊技球を1個ずつ搬送するためのものであり、上述した取込口110aに臨んで配設される駆動体121と、その駆動体121の上方(矢印U方向)に配設される第1従動体122と、その第1従動体122の上方に配設される第2従動体123と、その第2従動体123の上方に配設される第3従動体124と、その第3従動体124の上方に配設される第4従動体125との合計5つの部材を備えて構成されている。これら各部材121〜125は、それぞれ筐体110(ハウジング部材111a,111b)に回転可能に軸支され、それぞれの回転軸が平行となるように配置されている。なお、各部材121〜125の形状については、図6から図8を参照して後述すると共に、各部材121〜125の配置については、図9を参照して後述する。
【0049】
駆動モータ130は、駆動体121に駆動力を付与して回転駆動するものである。この駆動モータ130の駆動力は、回転子130aに出力され、その結果、回転子130aに取着された駆動体121が回転する。なお、駆動モータ130は、パチンコ機10の電源が投入されている間、駆動体121に駆動力を常に付与することで、常時、駆動体121が回転するように構成されている。
【0050】
次いで、図6を参照して、駆動体121の形状について説明する。図6(a)は、駆動体121の斜視図であり、図6(b)は、回転軸C0方向視における駆動体121の正面図である。なお、図6(b)中の矢印R0は、駆動体121の回転方向を示している。
【0051】
図6に示すように、駆動体121は、軸心を有する円柱軸状の軸部121aと、その軸部121aの径方向(軸部121aの軸心と直交する方向)へ向けて張り出して形成される一対の羽根部121b,121cとを備えている。この駆動体121は、軸部121aが筐体110(ハウジング部材111a,111b)に回転可能に軸支され(図5参照)、軸部121aの軸心を回転軸C0として回転する。
【0052】
図6(b)に示すように、軸部121aには、円形の一部を平面で切り欠いた断面形状の軸孔121a1が軸心に沿って穿設されている。一方、駆動モータ130の回転子130a(図5参照)は、軸部121aの軸孔121a1の断面形状に対応した外形形状に形成されており、軸部121aの軸孔121a1と駆動モータ130の回転子130aとが係合することで、駆動モータ130の駆動力が駆動体121に付与される。
【0053】
一対の羽根部121b,121cは、軸部121aの軸心方向に対向して配置されている。これら一対の羽根部121b,121cは、同一の外周面形状に形成され、その外周面には、それぞれ遊技球を1個ずつ受け入れる3つの凹部121b1,121c1が凹設されると共に、外周面で遊技球を受け支える3つの凸部121b2,121c2が設けられている。これら凹部121b1,121c1及び凸部121b2,121c2は、矢印R0方向に沿って交互に設けられ、それぞれ120度の中心角を隔てて等間隔に配置されている。遊技球の搬送は、遊技球を凹部121b1,121c1に受け入れつつ駆動体121が回転することで行われる。
【0054】
また、一対の羽根部121b,121cは、回転軸C0方向視において羽根部121bの凹部121b1が羽根部121cの凸部121c2に対応する位置に配置されると共に、羽根部121cの凹部121c1が羽根部121bの凸部121b2に対応する位置に配置されている。即ち、一対の羽根部121b,121cが互いに矢印R0方向へ60度ずれた状態に配置されている。
【0055】
更に、一対の羽根部121b,121cは、回転軸C0方向視において羽根部121bの凸部121b2がその凸部121b2に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)羽根部121cの凹部121c1を覆うと共に羽根部121cの凸部121c2がその凸部121c2に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)羽根部121bの凹部121b1を覆う形状に形成され、羽根部121bの凹部121b1と羽根部121cの凹部121c1とが矢印R0方向に沿って連続して配置されている。
【0056】
図6(b)に示すように、凹部121b1,121c1は、所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球(図6(b)の二点差線)を受け入れられるように、回転軸C0方向視において軸部121aの軸心方向へ向けて凹となる円弧状に形成されると共に、その深さが遊技球の半径よりも深く、且つその開口側(羽根部121b,121cの外周側)の幅が底側(軸部121aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されている。
【0057】
次いで、図7を参照して、第1従動体122の形状について説明する。なお、第1従動体122と第3従動体124とは同一形状であるので、ここでは、第1従動体122を例に説明し、第3従動体124については、その説明を省略する。図7(a)は、第1従動体122の斜視図であり、図7(b)は、回転軸C1方向視における第1従動体122の正面図である。なお、図7(b)中の矢印R1は、第1従動体122の回転方向を示している。
【0058】
図7に示すように、第1従動体122は、軸心を有する円柱軸状の軸部122aと、その軸部122aの径方向(軸部122aの軸心と直交する方向)へ向けて張り出して形成される羽根部122bとを備えている。この第1従動体122は、軸部122aが筐体110(ハウジング部材111a,111b)に回転可能に軸支され(図5参照)、軸部122aの軸心を回転軸C1として回転する。
【0059】
羽根部122bの外周面には、遊技球を1個ずつ受け入れる6つの凹部122b1が凹設されている。この凹部122b1は、矢印R1方向に沿って一列で形成され、それぞれ60度の中心角を隔てて等間隔に配置されている。ここで、本実施の形態では、各凹部122b1の中心が直線上に位置するように凹部122b1が一列で形成されるが、各凹部122b1の中心が直線上に位置する場合に限られるものではない。遊技球の搬送は、遊技球を凹部122b1に受け入れつつ第1従動体122が回転することで行われる。
【0060】
図7(b)に示すように、凹部122b1は、所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球(図7(b)の二点差線)を受け入れられるように、回転軸C1方向視において軸部122aの軸心方向へ向けて凹となる円弧状に形成されると共に、その深さが遊技球の半径よりも深く、且つその開口側(羽根部122bの外周側)の幅が底側(軸部122aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されている。
【0061】
次いで、図8を参照して、第2従動体123の形状について説明する。なお、第2従動体123と第4従動体125とは同一形状であるので、ここでは、第2従動体123を例に説明し、第4従動体125については、その説明を省略する。図8(a)は、第2従動体123の斜視図であり、図8(b)は、回転軸C2方向視における第2従動体123の正面図である。なお、図8(b)中の矢印R2は、第2従動体123の回転方向を示している。
【0062】
図8に示すように、第2従動体123は、軸心を有する円柱軸状の軸部123aと、その軸部123aの径方向(軸部123aの軸心と直交する方向)へ向けて張り出して形成される一対の羽根部123b,123cとを備えている。この第2従動体123は、軸部123aが筐体110(ハウジング部材111a,111b)に回転可能に軸支され(図5参照)、軸部123aの軸心を回転軸C2として回転する。
【0063】
一対の羽根部123b,123cは、軸部123aの軸心方向に対向して配置されている。これら一対の羽根部123b,123cは、同一の外周面形状に形成され、その外周面には、それぞれ遊技球を1個ずつ受け入れる6つの凹部123b1,123c1が凹設されている。これら凹部123b1,123c1は、矢印R2方向に沿って一列で形成され、それぞれ60度の中心角を隔てて等間隔に配置されている。ここで、本実施の形態では、各凹部123b1,123c1の中心が直線上に位置するように凹部123b1,123c1が一列で形成されるが、各凹部123b1,123c1の中心が直線上に位置する場合に限られるものではない。遊技球の搬送は、遊技球を凹部123b1,123c1に受け入れつつ第2従動体123が回転することで行われる。
【0064】
また、一対の羽根部123b,123cは、回転軸C2方向視において羽根部123bの凹部123b1と羽根部123cの凹部123c1との位置が一致するように配置されている。
【0065】
図8(b)に示すように、凹部123b1,123c1は、所定サイズ(例えば直径11mm)の遊技球(図8(b)の二点差線)を受け入れられるように、回転軸C2方向視において軸部123aの軸心方向へ向けて凹となる円弧状に形成されると共に、その深さが遊技球の半径よりも深く、且つその開口側(羽根部123b,123cの外周側)の幅が底側(軸部123aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されている。
【0066】
次いで、図9を参照して、回転体120の各部材121〜125の配置について説明する。図9は、図5の矢印A方向視における搬送装置100の内部構造を示す構造図である。なお、図9の矢印U−D,L−R,F−Bは、搬送装置100の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
【0067】
図9に示すように、駆動体121と第1従動体122とは、第1従動体122の羽根部122bが駆動体121の一対の羽根部121b,121cの対向間に介挿され、駆動体121の凹部121b1,121c1の回転軌跡と第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されると共に、駆動体121の凹部121b1,121c1と第1従動体122の凹部122b1とが対向した状態で、それら駆動体121の凹部121b1,121c1と第1従動体122の凹部122b1との間に遊技球を受け入れる隙間が形成されるような相対位置で配置されている。
【0068】
また、第1従動体122と第2従動体123とは、第1従動体122の羽根部122bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡と第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されると共に、第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1とが対向した状態で、それら第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1との間に遊技球を受け入れる隙間が形成されるような相対位置で配置されている。
【0069】
同様に、第2従動体123と第3従動体124とは、第3従動体124の羽根部124bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡と第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されると共に、第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1とが対向した状態で、それら第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1との間に遊技球を受け入れる隙間が形成されるような相対位置で配置されている。
【0070】
同様に、第3従動体124と第4従動体125とは、第3従動体124の羽根部124bが第4従動体125の一対の羽根部125b,125cの対向間に介挿され、第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡と第4従動体125の凹部125b1,125c1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されると共に、第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1とが対向した状態で、それら第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1との間に遊技球を受け入れる隙間が形成されるような相対位置で配置されている。
【0071】
また、図9に示すように、第1〜第4従動体122〜125は、鉛直線上に直列に配置される一方、駆動体121は、第1〜第4従動体122〜125に対して後方(矢印B方向)へずれて配置されている。
【0072】
次いで、図10を参照して、筐体110の内部に形成される搬送通路Wの形状について説明する。図10は、図5の矢印A方向視における搬送装置100の内部構造を示す構造図である。なお、図10では、図面の理解を容易とするために、回転体120の各部材121〜125を透視して示している。また、図10の矢印U−D,L−R,F−Bは、搬送装置100の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
【0073】
図10に示すように、搬送通路Wは、通路形成部材112に形成された第1案内壁131及び第3案内壁133と、ハウジング部材111a,111bにそれぞれ形成された第2案内壁132及び第4案内壁134との合計4つの案内壁により構成されている。
【0074】
第1案内壁131は、第1従動体122の外周面に対向して配設され、第1従動体122の回転軸C1に平行であって回転軸C1を中心とする円弧状の面を形成している。また、その下端が駆動体121の一対の羽根部121b,121cの対向間に介挿され、駆動体121の凹部121b1,121c1の回転軌跡に交差すると共に凹部121b1,121c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されている。一方、上端が第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡に交差すると共に凹部123b1,123c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されている。
【0075】
第2案内壁132は、第2従動体123の外周面に対向して配設され、第2従動体123の回転軸C2に平行であって回転軸C2を中心とする円弧状の面を形成している。また、その下端が第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡に交差すると共に凹部122b1の最低部における回転軌跡に達するまで延設されている。一方、上端が第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡に交差すると共に凹部124b1の最低部における回転軌跡に達するまで延設されている。この第2案内壁132は、上述したように、ハウジング部材111a,111bにそれぞれ形成されているので、第1従動体122を挟んで一対が配設されると共に、第3従動体124を挟んで一対が配設されている。
【0076】
同様に、第3案内壁133は、第3従動体124の外周面に対向して配設され、第3従動体124の回転軸C3に平行であって回転軸C3を中心とする円弧状の面を形成している。また、その下端が第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡に交差すると共に凹部123b1,123c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されている。一方、上端が第4従動体125の一対の羽根部125b,125cの対向間に介挿され、第4従動体125の凹部125b1,125c1の回転軌跡に交差すると共に凹部125b1,125c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されている。
【0077】
同様に、第4案内壁134は、第4従動体125の外周面に対向して配設され、第4従動体125の回転軸C4に平行であって回転軸C4を中心とする円弧状の面を形成している。また、その下端が第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡に交差すると共に凹部124b1の最低部における回転軌跡に達するまで延設されている。一方、上端が排出口110bに連設されている。この第4案内壁134は、上述したように、ハウジング部材111a,111bにそれぞれ形成されているので、第3従動体124を挟んで一対が配設されている。
【0078】
これにより、各案内壁131〜134と第1〜第4従動体122〜125の外周面との間に搬送通路Wが略S字状に湾曲して形成される。遊技球の搬送は、遊技球を各案内壁131〜134に沿って行われる。
【0079】
次いで、図11から図20を参照して、搬送装置100による遊技球の搬送動作について説明する。図11から図20は、図5の矢印A方向視における搬送装置100の内部構造を示す構造図である。また、図11から図20の矢印R0,R1,R2,R3,R4は、駆動体121の回転方向、第1従動体122の回転方向、第2従動体123の回転方向、第3従動体124の回転方向、第4従動体125の回転方向を、それぞれ示している。
【0080】
まず、図11に示すように、駆動体121を駆動モータ130により回転駆動して、駆動体121が矢印R0方向へ回転すると、駆動体121の凹部121b1(又は凹部121c1)が取込口110aに臨み、取込口110aに取り込まれた遊技球が凹部121b1(又は凹部121c1)に受け入れられる。
【0081】
ここで、本実施の形態では、上述したように、駆動体121は、凹部121b1が凸部121c2に対応する位置に配置されると共に凹部121c1が凸部121c2に対応する位置に配置されているので、凹部121b1(又は凹部121c1)が取込口110aに臨む場合には、その凹部121b1(又は凹部121c1)に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)凸部121c2(又は凸部121b2)が取込口110aに臨み、取込口110aに取り込まれた遊技球を凹部121b1と凹部121c1とにより交互に受け入れることができる。よって、回収通路の通路幅を狭める必要がなく、遊技球を搬送装置100にスムーズに取り込むことができる。
【0082】
また、上述したように、駆動体121は、凸部121b2がその凸部121b2に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)凹部121c1を覆うと共に凸部121c2がその凸部121c2に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)凹部121b1を覆う形状に形成されているので、凹部121b1(又は凹部121c1)に遊技球を受け入れる際に、その凹部121b1(又は凹部121c1)へ遊技球を凸部121c2(又は凸部121b2)により誘導することができ、凹部121b1,121c1に遊技球を円滑に受け入れることができる。
【0083】
また、上述したように、駆動体121は、凹部121b1と凹部121c1とが回転方向R0に沿って連続して配置されているので、駆動体121の回転位置がどの位置であろうと、凹部121b1又は凹部121c1のいずれかに遊技球を受け入れることができる。その結果、遊技球を凹部121b1,121c1に効率良く受け入れて、球詰まりの抑制を図ることができる。
【0084】
また、上述したように、凹部121b1,121c1は、軸部121aの軸心方向へ向けて凹となる円弧状に形成されているので、かかる凹部121b1,121c1に受け入れた遊技球の勢いを放射状に分散して減じることができ、凹部121b1,121c1による球はじきを防止することができる。その結果、凹部121b1,121c1に遊技球を円滑に受け入れて、球詰まりの抑制を図ることができる。
【0085】
次いで、図11の状態から、駆動体121が更に矢印R0方向へ回転すると、駆動体121により遊技球が搬送され、図12に示すように、駆動体121の凹部121b1(又は凹部121c1)と第1従動体122の凹部122b1とが対向して、それら駆動体121の凹部121b1(又は凹部121c1)と第1従動体122の凹部122b1との間に遊技球が受け入れられる。
【0086】
次いで、図12の状態から、駆動体121が更に矢印R0方向へ回転すると、図13に示すように、駆動体121の凹部121b1と第1従動体122の凹部122b1との間に受け入れられた遊技球を媒体として駆動体121の回転力が第1従動体122に伝達され、第1従動体122が駆動体121の回転に従動され矢印R1方向へ回転する。これにより、遊技球が駆動体121の凹部121b1(又は121c1)から送り出され第1従動体122へ受け渡される。
【0087】
ここで、本実施の形態では、上述したように、駆動体121は、凹部121b1が凸部121c2に対応する位置に配置されると共に凹部121c1が凸部121b2に対応する位置に配置されているので、凹部121b1(又は凹部121c1)が第1従動体122の凹部122b1に対向する場合には、その凹部121b1(又は凹部121c1)に対応する位置に配置される(回転軸C0方向に対向する)凸部121c2(又は凸部121b2)が第1従動体122の凹部122b1に対向し、凹部121b1,121c1に受け入れた遊技球を凹部121b1と凹部121c1とから交互に第1従動体122の凹部122b1へ1個ずつ受け渡すことができる。これにより、第1従動体122の外周面に一列で凹設された凹部122b1に遊技球を1個ずつ受け入れて一列に整列させることができる。
【0088】
従って、駆動体121を駆動モータ130により回転駆動して、取込口110aに2列(複列幅)で取り込まれた遊技球を強制的に一列に整列させる構成であるので、遊技球を複列幅で回収し、整流部において遊技球の自然流下を利用して一列に整列させる場合と比較して、遊技球を整流しつつも球詰まりを抑制することができる。
【0089】
また、上述したように、駆動体121は、凹部121b1,121c1の深さが遊技球の半径よりも深く形成されているので、凹部121b1,121c1への遊技球の掛かり量を大きく確保することができる。
【0090】
また、上述したように、第1案内壁131は、駆動体121の一対の羽根部121b,121cの対向間に介挿され、駆動体121の凹部121b1,121c1の回転軌跡に交差すると共に凹部121b1,121c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されているので、駆動体121が回転して遊技球を凹部121b1,121c1から送り出す際に、凹部121b1,121c1と第1案内壁131との間に遊技球を挟み込んで送り出すと共に、第1案内壁131に沿って遊技球を押し続けることができる。
【0091】
また、上述したように、凹部121b1,121c1は、開口側(羽根部121b,121cの外周側)の幅が底側(軸部121aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されているので、凹部121b1,121c1と第1案内壁131との間に遊技球を挟み込んで送り出す構成であっても、遊技球を凹部121b1,121c1から円滑に送り出すことができる。よって、凹部121b1,121c1への遊技球の掛かり量を大きく確保できると共に、駆動体121が回転して遊技球を凹部121b1,121c1から送り出す際に、凹部121b1,121c1と第1案内壁131との間に遊技球を挟み込みつつ円滑に送り出すことができ、且つ、第1案内壁131に沿って遊技球を押し続けることができるので、駆動体121の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができる。また、凹部121b1,121c1の開口側の幅が底側の幅よりも幅広に形成され、遊技球を凹部121b1,121c1から円滑に送り出すことができるので、凹部121b1,121c1と第1案内壁131との間の遊技球の噛み込みを防止することができる。
【0092】
また、上述したように、駆動体121と第1従動体122とは、第1従動体122の羽根部122bが駆動体121の一対の羽根部121b,121cの対向間に介挿され、駆動体121の凹部121b1,121c1の回転軌跡と第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されているので、駆動体121の凹部121b1,121c1及び第1従動体122の凹部122b1への遊技球の掛かり量をいずれも大きく確保することができる。よって、駆動体121が回転して第1従動体122へ遊技球を受け渡す際に、駆動体121の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第1従動体122に十分に伝達することができる。
【0093】
また、上述したように、第1従動体122の羽根部122bが駆動体121の一対の羽根部121b,121cの対向間に介挿されているので、駆動体121から第1従動体122へ遊技球を受け渡す際に、駆動体121の凹部121b1,121c1と第1従動体122の凹部122b1との間で遊技球を安定して保持することができる。その結果、搬送力を遊技球に確実に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第1従動体122に確実に伝達することができる。
【0094】
このように、第1従動体122による遊技球の搬送は、図11から図13の動作が繰り返されることで行われる。よって、駆動体121の凹部121b1(又は凹部121c1)と第1従動体122の凹部122b1との間に遊技球が存在しなければ、第1従動体122は回転しないので、遊技球の搬送を行わず、搬送装置100内に遊技球を貯留することができる。
【0095】
また、駆動体121の凹部121b1,121c1と第1従動体122の凹部122b1との間に受け入れられた遊技球を媒体として駆動体121の回転力が第1従動体122に伝達され、第1従動体122が駆動体121の回転に従動され回転するように構成されているので、駆動体121の回転と第1従動体122の回転とを同期させる必要がなく、それら回転のずれの問題を解消して、駆動体121と第1従動体122との間に遊技球を噛み込み難くすることができる。その結果、駆動体121から第1従動体122へ遊技球を円滑に受け渡して、球詰まりの抑制を図ることができる。
【0096】
次いで、図13の状態から、第1従動体122が更に矢印R1方向へ回転すると、第1従動体121により遊技球が搬送され、図14に示すように、第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1とが対向して、それら第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1との間に遊技球が受け入れられる。
【0097】
次いで、図14の状態から、第1従動体122が更に矢印R1方向へ回転すると、図15に示すように、第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1との間に受け入れられた遊技球を媒体として第1従動体122の回転力が第2従動体123に伝達され、第2従動体123が第1従動体122の回転に従動され矢印R2方向へ回転する。これにより、遊技球が第1従動体122の凹部122b1から送り出され第2従動体123へ受け渡される。
【0098】
ここで、本実施の形態では、上述したように、第1従動体122は、凹部122b1の深さが遊技球の半径よりも深く形成されているので、凹部122b1への遊技球の掛かり量を大きく確保することができる。
【0099】
また、上述したように、第2案内壁132は、第1従動体122を挟んで一対配設され、第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡に交差すると共に凹部122b1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されているので、第1従動体122が回転して遊技球を凹部122b1から送り出す際に、凹部122b1と第2案内壁132との間に遊技球を挟み込んで送り出すと共に、第2案内壁132に沿って遊技球を押し続けることができる。
【0100】
また、上述したように、凹部122b1は、開口側(羽根部122bの外周側)の幅が底側(軸部122aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されているので、凹部122b1と第2案内壁132との間に遊技球を挟み込んで送り出す構成であっても、遊技球を凹部122b1から円滑に送り出すことができる。よって、凹部122b1への遊技球の掛かり量を大きく確保できると共に、第1従動体122が回転して遊技球を凹部122b1から送り出す際に、凹部122b1と第2案内壁132との間に遊技球を挟み込みつつ円滑に送り出すことができ、且つ、第2案内壁132に沿って遊技球を押し続けることができるので、第1従動体122の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができる。また、凹部122b1の開口側の幅が底側の幅よりも幅広に形成され、遊技球を凹部122b1から円滑に送り出すことができるので、凹部122b1と第2案内壁132との間の遊技球の噛み込みを防止することができる。
【0101】
また、上述したように、第1従動体122と第2従動体123とは、第1従動体122の羽根部122bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第1従動体122の凹部122b1の回転軌跡と第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されているので、第1従動体122の凹部122b1及び第2従動体123の凹部123b1,123c1への遊技球の掛かり量をいずれも大きく確保することができる。よって、第1従動体122が回転して第2従動体123へ遊技球を受け渡す際に、第1従動体122の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第2従動体123に十分に伝達することができる。
【0102】
また、上述したように、第1従動体122の羽根部122bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿されているので、第1従動体122から第2従動体123へ遊技球を受け渡す際に、第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1との間で遊技球を安定して保持することができる。その結果、搬送力を遊技球に確実に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第2従動体123に確実に伝達することができる。
【0103】
このように、第2従動体123による遊技球の搬送は、図14及び図15の動作が繰り返されることで行われる。よって、第1従動体122の凹部122b1と第2従動体123の凹部123b1,123c1との間に遊技球が存在しなければ、第2従動体123は回転しないので、遊技球の搬送を行わず、搬送装置100内に遊技球を貯留することができる。
【0104】
次いで、図15の状態から、第2従動体123が更に矢印R2方向へ回転すると、第2従動体123により遊技球が搬送され、図16に示すように、第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1とが対向して、それら第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1との間に遊技球が受け入れられる。
【0105】
次いで、図16の状態から、第2従動体123が更に矢印R2方向へ回転すると、図17に示すように、第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1との間に受け入れられた遊技球を媒体として第2従動体123の回転力が第3従動体124に伝達され、第3従動体124が第2従動体123の回転に従動され矢印R3方向へ回転する。これにより、遊技球が第2従動体123の凹部123b1,123c1から送り出され第3従動体124へ受け渡される。
【0106】
ここで、本実施の形態では、上述したように、第2従動体123は、凹部123b1,123c1の深さが遊技球の半径よりも深く形成されているので、凹部123b1,123c1への遊技球の掛かり量を大きく確保することができる。
【0107】
また、上述したように、第3案内壁133は、第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡に交差すると共に凹部123b1,123c1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されているので、第2従動体123が回転して遊技球を凹部123b1,123c1から送り出す際に、凹部123b1,123c1と第3案内壁133との間に遊技球を挟み込んで送り出すと共に、第3案内壁133に沿って遊技球を押し続けることができる。
【0108】
また、上述したように、凹部123b1,123c1は、開口側(羽根部123b,123cの外周側)の幅が底側(軸部123aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されているので、凹部123b1,123c1と第3案内壁133との間に遊技球を挟み込んで送り出す構成であっても、遊技球を凹部123b1,123c1から円滑に送り出すことができる。よって、凹部123b1,123c1への遊技球の掛かり量を大きく確保できると共に、第2従動体123が回転して遊技球を凹部123b1,123c1から送り出す際に、凹部123b1,123c1と第3案内壁133との間に遊技球を挟み込みつつ円滑に送り出すことができ、且つ、第3案内壁133に沿って遊技球を押し続けることができるので、第2従動体123の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができる。また、凹部123b1,123c1の開口側の幅が底側の幅よりも幅広に形成され、遊技球を凹部123b1,123c1から円滑に送り出すことができるので、凹部123b1,123c1と第3案内壁133との間の遊技球の噛み込みを防止することができる。
【0109】
また、上述したように、第2従動体123と第3従動体124とは、第3従動体124の羽根部124bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿され、第2従動体123の凹部123b1,123c1の回転軌跡と第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されているので、第2従動体123の凹部123b1,123c1及び第3従動体124の凹部124b1への遊技球の掛かり量をいずれも大きく確保することができる。よって、第2従動体123が回転して第3従動体124へ遊技球を受け渡す際に、第2従動体123の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第3従動体124に十分に伝達することができる。
【0110】
また、上述したように、第3従動体124の羽根部124bが第2従動体123の一対の羽根部123b,123cの対向間に介挿されているので、第2従動体123から第3従動体124へ遊技球を受け渡す際に、第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1との間で遊技球を安定して保持することができる。その結果、搬送力を遊技球に確実に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第3従動体124に確実に伝達することができる。
【0111】
このように、第3従動体124による遊技球の搬送は、図16及び図17の動作が繰り返されることで行われる。よって、第2従動体123の凹部123b1,123c1と第3従動体124の凹部124b1との間に遊技球が存在しなければ、第3従動体124は回転しないので、遊技球の搬送を行わず、搬送装置100内に遊技球を貯留することができる。
【0112】
次いで、図17の状態から、第3従動体124が更に矢印R3方向へ回転すると、第3従動体124により遊技球が搬送され、図18に示すように、第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1とが対向して、それら第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1との間に遊技球が受け入れられる。
【0113】
次いで、図18の状態から、第3従動体124が更に矢印R3方向へ回転すると、図19に示すように、第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1との間に受け入れられた遊技球を媒体として第3従動体124の回転力が第4従動体125に伝達され、第4従動体125が第3従動体124の回転に従動され矢印R4方向へ回転する。これにより、遊技球が第3従動体124の凹部124b1から送り出され第4従動体125へ受け渡される。
【0114】
ここで、本実施の形態では、上述したように、第3従動体124は、凹部124b1の深さが遊技球の半径よりも深く形成されているので、凹部124b1への遊技球の掛かり量を大きく確保することができる。
【0115】
また、上述したように、第4案内壁134は、第3従動体124を挟んで一対配設され、第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡に交差すると共に凹部124b1の最底部における回転軌跡に達するまで延設されているので、第3従動体124が回転して遊技球を凹部124b1から送り出す際に、凹部124b1と第4案内壁134との間に遊技球を挟み込んで送り出すと共に、第4案内壁134に沿って遊技球を押し続けることができる。
【0116】
また、上述したように、凹部124b1は、開口側(羽根部124bの外周側)の幅が底側(軸部124aの軸心側)の幅よりも幅広に形成されているので、凹部124b1と第4案内壁134との間に遊技球を挟み込んで送り出す構成であっても、遊技球を凹部124b1から円滑に送り出すことができる。よって、凹部124b1への遊技球の掛かり量を大きく確保できると共に、第3従動体124が回転して遊技球を凹部124b1から送り出す際に、凹部124b1と第4案内壁134との間に遊技球を挟み込みつつ円滑に送り出すことができ、且つ、第4案内壁134に沿って遊技球を押し続けることができるので、第3従動体124の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができる。また、凹部124b1の開口側の幅が底側の幅よりも幅広に形成され、遊技球を凹部124b1から円滑に送り出すことができるので、凹部124b1と第4案内壁134との間の遊技球の噛み込みを防止することができる。
【0117】
また、上述したように、第3従動体124と第4従動体125とは、第3従動体124の羽根部124bが第4従動体125の一対の羽根部125b,125cの対向間に介挿され、第3従動体124の凹部124b1の回転軌跡と第4従動体125の凹部125b1,125c1の回転軌跡とが重なり合うような相対位置で配置されているので、第3従動体124の凹部124b1及び第4従動体125の凹部125b1,125c1への遊技球の掛かり量をいずれも大きく確保することができる。よって、第3従動体124が回転して第4従動体125へ遊技球を受け渡す際に、第3従動体124の回転力、即ち、搬送力を遊技球に十分に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第4従動体125に十分に伝達することができる。
【0118】
また、上述したように、第3従動体124の羽根部124bが第4従動体125の一対の羽根部125b,125cの対向間に介挿されているので、第3従動体124から第4従動体125へ遊技球を受け渡す際に、第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1との間で遊技球を安定して保持することができる。その結果、搬送力を遊技球に確実に付与することができると共に、遊技球に付与された搬送力を第4従動体125に確実に伝達することができる。
【0119】
このように、第4従動体125による遊技球の搬送は、図18及び図19の動作が繰り返されることで行われる。よって、第3従動体124の凹部124b1と第4従動体125の凹部125b1,125c1との間に遊技球が存在しなければ、第4従動体125は回転しないので、遊技球の搬送を行わず、搬送装置100内に遊技球を貯留することができる。
【0120】
次いで、図19の状態から、第4従動体125が更に矢印R4方向へ回転すると、第4従動体125により遊技球が搬送され、図20に示すように、第4従動体125の凹部125b1,125c1が排出口110bに臨み、第4従動体125の凹部125b1,125c1に受け入れられた遊技球が排出口110bから上皿16へ排出される。
【0121】
以上、説明したように、パチンコ機10は、搬送装置100を遊技球の搬送のためだけに用いるのではなく、遊技球の貯留スペースとして利用することで、より多くの遊技球を遊技機内に貯留することができる。
【0122】
また、回転体120は、複数の従動体(本実施の形態では、第1従動体122、第2従動体123、第3従動体124及び第4従動体125)を備えて構成されているので、例えば、同数の遊技球を搬送装置100内に貯留する場合、複数の従動体を備えていない搬送装置と比較して、各従動体を小型化することで、同数の遊技球を貯留可能としつつも搬送装置100を小型化することができる。
【0123】
また、筐体110の内部に形成される搬送通路Wは、S字状に湾曲して形成されているので、かかる搬送通路Wを直線状に形成する場合と比較して、より多くの遊技球を遊技機内に貯留することができる。
【0124】
ところで、従来、封入式遊技機では、単に、遊技球を数珠繋ぎに並べて貯留するように構成されていた。しかしながら、かかる構成では、例えば、一般入賞口23、第1入球口24及び特定入賞口25等へ入球し易くするために、正常な遊技球の直径よりも小径の不正球を用いて遊技が不正に行われたとしても、その不正を検出することができなかった。
【0125】
即ち、不正球を用いると、数珠繋ぎに並んだ遊技球の最後尾の位置が変化するため、遊技球の存在を検知するセンサ等を設けることで不正を検出することはできるが、正常な封入個数よりも多くの不正球が機内に投入された場合には、かかるセンサ等を設けたとしても、不正を検出することができなかった。これに対し、本実施の形態における搬送装置100によれば、搬送装置100内に貯留できる遊技球の個数を予め設定できるので、容易に不正を検出することができる。
【0126】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0127】
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0128】
上記実施の形態では、パチンコ機10を封入式のパチンコ遊技機として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技者への遊技球の直接的な貸し出しや払い出しを行う一般的なパチンコ遊技機として構成しても良い。
【0129】
上記実施の形態では、回転体120を駆動体121と第1従動体122と第2従動体123と第3従動体124と第4従動体125との合計5つの部材を備えて構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、駆動体121と第1従動体122のみ、或いは6つ以上の部材を備えて構成しても良い。これにより、搬送装置100による遊技球の貯留個数を任意に変更することができる。
【0130】
また、駆動体121の凹部121b1,121c1、第1従動体122の凹部122b1、第2従動体123の凹部123b1,123c1、第3従動体124の凹部124b1及び第4従動体125の凹部125b1,125c1の個数は上記実施の形態に限られるものではなく、他の個数とすることは当然可能である。
【0131】
上記実施の形態では、搬送装置100により遊技球をパチンコ機10の上方(図1上側)へ揚送する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、パチンコ機10の左右方向(図1左側または右側)へ搬送するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0132】
10 パチンコ機(遊技機)
16 上皿(供給通路)
41a 回収通路
42a 案内通路(回収通路)
43a 回収通路
50 発射装置
100 搬送装置
110 筐体
110a 取込口
110b 排出口
120 回転体
121 駆動体(回転体の一部)
121a 軸部
121b,121c 羽根部
121b1,121c1 凹部
121b2,121c2 凸部
122 第1従動体(回転体の一部、従動体)
122a 軸部
122b 羽根部
122b1 凹部
123 第2従動体(回転体の一部)
123a 軸部
123b,123c 羽根部
123b1,123c1 凹部
124 第3従動体(回転体の一部)
124a 軸部
124b 羽根部
124b1 凹部
125 第4従動体(回転体の一部)
125a 軸部
125b,125c 羽根部
125b1,125c1 凹部
130 駆動モータ(回転駆動手段)
131 第1案内壁(案内壁の一部)
132 第2案内壁(案内壁の一部)
133 第3案内壁(案内壁の一部)
134 第4案内壁(案内壁の一部)
W 搬送通路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を供給する通路となる供給通路と、その供給通路から供給された遊技球を発射する発射装置と、その発射装置から発射された遊技球を回収する通路となる回収通路と、その回収通路から前記供給通路へ前記遊技球を搬送する搬送装置とを備えた遊技機において、
前記搬送装置は、
箱状の筐体と、
その筐体の内部に収容され回転可能に軸支される複数の回転体と、
それら複数の回転体の内の1の回転体に駆動力を付与して回転駆動する回転駆動手段とを備え、
前記筐体は、
前記回収通路から前記遊技球を複列幅で取り込む取込口と、
その取込口から取り込まれた遊技球を一列で搬送する搬送通路と、
その搬送通路を通じて搬送された遊技球を排出する排出口とを備え、
前記複数の回転体は、
前記搬送通路を通じて前記遊技球を搬送するためのものであり、前記取込口に臨んで配設されると共に前記回転駆動手段により駆動力が付与されることで回転する駆動体と、
その駆動体の周囲に配設されると共に前記遊技球を媒体として前記駆動体の回転力が伝達されることで回転する従動体とを備え、
前記駆動体は、
回転軸と直交する方向へ張り出すと共に前記回転軸方向に対向して配設される一対の羽根部を備え、
その一対の羽根部の外周面に前記取込口から前記遊技球を受け入れる凹部および前記遊技球を受け支える凸部が回転方向に沿って交互に形成されると共に、前記回転軸方向視において前記一対の羽根部の一方の羽根部の凹部が他方の羽根部の凸部に対応する位置に配置され、
前記従動体は、
回転軸と直交する方向へ張り出す一枚の羽根部を備え、
その一枚の羽根部の外周面に前記駆動体の凹部から前記遊技球を受け入れる凹部が回転方向に沿って複数形成されると共に、前記回転軸方向において前記一枚の羽根部が前記駆動体の前記一対の羽根部の対向間に介挿される位置に配設されるものであって、
前記駆動体が回転することで前記取込口から前記遊技球を前記一対の羽根部の一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とにより交互に1個ずつ受け入れると共に、その受け入れられた遊技球を前記一方の羽根部の凹部と他方の羽根部の凹部とから交互に前記従動体の凹部へ1個ずつ受け渡すことにより、前記搬送通路を通じて前記遊技球を搬送することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−31733(P2013−31733A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−250765(P2012−250765)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2007−292545(P2007−292545)の分割
【原出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】