説明

遊技機

【課題】遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起後において遊技者の確率変動状態への関心を段階的に高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図り得る。
【解決手段】秘匿状態であることを報知するチャンスタイムでは、確変報知用メータHMを画像表示部GHに画像表示させて、遊技状態が確変状態である可能性を段階的に遊技者に把握させるようにした。そして、確変報知用メータHMの報知段階の変化態様から確変状態である可能性を遊技者に把握させるようにした。このため、遊技者に対しては、確変状態に移行したか否かを、チャンスタイムが開始されたか否かのみでなく、チャンスタイム実行中においても確変報知用メータHMの変化態様から遊技状態の変化を推測させるようにした。したがって、秘匿状態の生起後において遊技者の確率変動状態への関心を段階的に高める演出を行えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には大当り遊技が行われ、確変判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、大入賞口を開放する大当り遊技が行われ、該大当り遊技終了後、大当りの当選確率が低確率である通常確率から高確率に変動する確率変動状態、又は大当りの当選確率が通常確率である非確率変動状態を付与するものが提供されている。すなわち、このようなパチンコ遊技機において遊技状態は、大当り遊技を契機に確率変動状態、又は非確率変動状態に移行するように構成されている。さらに、このようなパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後、遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する秘匿状態を生起させるものもあった(例えば、特許文献1)。そして、特許文献1では、大当り遊技終了後、遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する秘匿状態を生起させることで、遊技者にその内部状態(遊技状態)の変化を推測させて興趣を向上させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−125320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1において、秘匿状態であることを報知する「特別モード」の演出としては、1種類(三日月が描かれた夜の背景)のみを設けて演出内容の変化から(昼の背景から夜の背景に変化する)秘匿状態に移行したことを遊技者に認識させるようになっていた。すなわち、遊技者は、遊技状態が確率変動状態に移行したか否かは、特別モードの演出により秘匿状態に移行したか否かのみにより推測するしかなかった。その一方で、近年では、秘匿状態である特別モードに移行するか否かだけでなく、特別モードの移行後においても遊技者にその内部状態(遊技状態)の変化を推測させて特別モード(秘匿状態)中の興趣を向上させることが望まれている。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起後において遊技者の確率変動状態への関心を段階的に高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図り得る遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合には前記図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が行われ、前記大当り遊技は当該大当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される一方で、前記図柄変動ゲームにて小当り表示結果が表示された場合には前記図柄変動ゲームの終了後に小当り遊技が行われ、前記小当り遊技は当該小当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される遊技機において、前記大当り遊技は複数種類用意され、各大当り遊技は当該大当り遊技中に複数回のラウンド遊技によって構成されるとともに大当り遊技毎に上限ラウンド回数が設定され、前記大当り遊技における1回のラウンド遊技では前記入賞手段の開放及び閉鎖からなる開閉動作が少なくとも1回行われ、第1大当り遊技と、前記第1大当り遊技よりも前記上限ラウンド回数を少なく設定した第2大当り遊技を含み、前記小当り遊技におけるラウンド遊技では前記入賞手段の開放及び閉鎖からなる開閉動作が前記第2大当り遊技に設定した前記上限ラウンド回数と同一回数分行われ、前記図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果を表示させる大当りとするか否かを判定する大当り判定を実行する一方で、前記大当り判定において大当りを決定しない場合には前記図柄変動ゲームにて小当り表示結果を表示させる小当りとするか否かを判定する小当り判定を実行する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、前記第1の大当り遊技及び第2の大当り遊技のいずれの大当り遊技を付与するかを決定するとともに、前記大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率である通常状態から高確率に変動させる確率変動状態を付与するか否かを判定する状態移行判定を実行し、前記状態移行判定の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態を付与する一方で、前記状態移行判定の判定結果が否定の場合には前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態を付与せず、前記小当り判定の判定結果が肯定の場合には前記状態移行判定を実行せずに、前記小当り遊技終了後に前記小当りの当選時の遊技状態を継続させる状態移行制御手段と、前記第2の大当り遊技及び前記小当り遊技の終了後、これら遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態である可能性を段階的に遊技者に把握させる段階報知手段と、前記第2の大当り遊技及び前記小当り遊技の終了後、これら遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、該秘匿状態の生起中に前記段階報知手段を制御する秘匿演出制御手段と、を備え、前記段階報知手段は、初期段階から最終段階までの複数段階に亘って報知段階が構成されるものであって、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態中の前記図柄変動ゲームの開始に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させ、前記段階報知手段の報知段階を変化させるにあたって、前記確率変動状態である場合に前記段階報知手段の段階を現在の段階を基準として変化させる変化率を、前記確率変動状態でない場合よりも高い割合で大きくなるように決定し、決定した変化率にしたがって前記段階報知手段の報知段階を変化させることで前記段階報知手段の変化態様から遊技者に前記大当り遊技終了後の遊技状態を段階的に把握させる確変報知演出を実行させるようにした。
【0007】
上記遊技機について、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを、前記大当り判定手段の判定結果に基づき複数種類の中から選択する演出パターン選択手段と、前記秘匿演出制御手段は、前記演出パターン選択手段が特定の演出パターンを選択する場合に該特定の演出パターンに基づく図柄変動ゲームの実行に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定することが好ましい。
【0008】
上記遊技機について、前記演出パターン選択手段は、前記大当り判定手段の前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合に前記特定の演出パターンを選択することが好ましい。
【0009】
上記遊技機について、前記遊技状態が確率変動状態である可能性を前記段階報知手段の報知段階とは異なる態様で示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備え、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中に前記演出パターン選択手段により前記特定の演出パターンが選択されることに基づいて、前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定するか否かの段階更新判定を行い、この判定結果が肯定の場合に該演出パターンで特定される図柄変動ゲームの実行に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定する一方で、前記秘匿状態の生起中に前記演出パターン選択手段により前記特定の演出パターンが選択されることに基づいて、前記段階更新判定の判定結果が否定の場合に該演出パターンで特定される図柄変動ゲームの開始に伴って前記示唆演出実行手段に示唆演出を行わせ、前記示唆演出を実行するにあたって、前記確率変動状態であるか否かに基づき複数種類の示唆演出パターンの中から1つの示唆演出パターンを決定し、決定した示唆演出パターンにしたがって前記示唆演出を実行させることが好ましい。
【0010】
上記遊技機について、前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知は、終了条件の成立により終了し、前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知が終了した時点において前記段階報知手段の報知段階を記憶する段階記憶手段を備え、前記秘匿演出制御手段は、前記終了条件が成立する場合に前記段階報知手段の態様を遊技状態が前記確率変動状態でないことを遊技者に把握させる態様と同じ態様で制御し、前記終了条件が成立してから所定回数の図柄変動ゲームが経過するまでにおいて前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させるか否かの再開条件が成立する場合には前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させ、前記段階記憶手段に記憶されている報知段階となるように前記段階報知手段を制御することが好ましい。
【0011】
上記遊技機について、前記秘匿演出制御手段は、前記段階報知手段を変化させるに際し、少なくとも報知段階を進ませる態様及び報知段階を変化させない態様のいずれかの態様で変化率を決定し、前記段階報知手段の報知段階を連続的に報知段階を進ませる態様で変化させる連続更新演出を実行させるか否かを判定し、この判定結果が肯定と判定される以降において前記特定の演出パターンに基づく図柄変動ゲームの開始に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定するか否かの段階更新判定を行うことなく所定の変化率ずつ報知段階を進ませる態様で変化させることが好ましい。
【0012】
上記遊技機について、前記段階報知手段では、前記初期段階から第1の所定段階に到達すると演出内容が変化するようになっているとともに、前記第1の所定段階から報知段階がさらに進んで第2の所定段階に到達すると前記段階報知手段の演出内容がさらに変化するようになっており、前記秘匿演出制御手段は、前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定する場合に、現在の報知段階が前記第1の所定段階に到達していない、且つ前記確率変動状態であるときにのみ該現在の報知段階から前記第2の所定段階に到達するまでの報知段階の差を変化率として決定することが好ましい。
【0013】
上記遊技機について、遊技球の入球を契機に前記図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動入賞手段と、前記図柄変動ゲームの実行中に前記始動入賞手段に入球した遊技球を予め定めた規定個数まで始動保留球として記憶する始動記憶手段と、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを、前記大当り判定手段の判定結果に基づき複数種類の中から選択する演出パターン選択手段と、を備え、前記演出パターンには、前記図柄変動ゲームを開始させてから前記図柄を確定停止表示させて該図柄変動ゲームを終了させるまでの変動時間を定め、前記特定の演出パターンには、前記演出パターン選択手段が前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合であって前記始動記憶手段に所定値以上の前記始動保留球が記憶されているときに選択される演出パターンよりも長い変動時間を定め、前記演出パターン選択手段は、前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合であって前記図柄変動ゲームの開始に伴い前記始動記憶手段に所定値未満の前記始動保留球が記憶されているときに前記特定の演出パターンを選択することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起後において遊技者の確率変動状態への関心を段階的に高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】遊技盤を示す拡大図。
【図3】大当り遊技及び小当り遊技の内容を説明する説明図。
【図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図5】変動パターン振分テーブルを説明する説明図。
【図6】変化率決定テーブルを説明する説明図。
【図7】転落抽選テーブルを説明する説明図。
【図8】キャラ演出テーブルを説明する説明図。
【図9】セリフ演出テーブルを説明する説明図。
【図10】スポット演出テーブルを説明する説明図。
【図11】連続メータアップ演出テーブルを説明する説明図。
【図12】アップパターン決定テーブルを説明する説明図。
【図13】再開抽選テーブルを説明する説明図。
【図14】チャンスタイム演出処理を示すフローチャート。
【図15】連続メータアップ演出処理を示すフローチャート。
【図16】チャンスタイム第1再開演出処理を示すフローチャート。
【図17】チャンスタイム第2再開演出処理を示すフローチャート。
【図18】(a)チャンスタイム開始時及び弱ステージ滞在時の表示装置の表示内容を示す模式図、(b)中ステージ滞在時の表示内容を示す模式図、(c)は強ステージ滞在時の表示装置の表示内容を示す模式図。
【図19】(a)〜(g)はメータ更新演出時の表示装置の表示内容を示す模式図。
【図20】(a)〜(e)はセリフ演出時の表示装置の表示内容を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図20にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する枠用ランプ部16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、上球皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
【0017】
また、上球皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む取込口が設けられている。上球皿15に貯留された遊技球は、貯留通路により前記取込口へ案内されるとともに該取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤13に向けて発射される。遊技盤13に向けて発射される遊技球は、発射装置19の発射ハンドル19aの回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下球皿18には、上球皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
【0018】
また、図2に示すように、遊技盤13の前面には、発射ハンドル19aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール13bが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール13bによって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路13cが形成されるとともに、誘導レール13bの内側に遊技領域13aが形成される。遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されている。表示枠体20の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口20aが形成されており、当該セット口20aに整合して液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28(画像表示部GH)には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。
【0019】
また、表示枠体20の右下方には、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0020】
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り又ははずれを認識し得る図柄が確定的に停止表示(以下、「確定停止表示」と示す)される。
【0021】
具体的に言えば、特別図柄表示装置30には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。本実施形態において複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる複数種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる複数種類のはずれ図柄とに分類される。複数種類の大当り図柄には、大当りに当選し、15ラウンド大当り遊技の場合に選択される大当り図柄と、2ラウンド大当り遊技の場合に選択される大当り図柄とがある。また、複数種類のはずれ図柄には、大当り抽選に当選しなかった場合に行う小当り抽選に当選した場合に選択されるはずれ図柄と、前記小当り抽選に当選しなかった場合に選択されるはずれ図柄とがある。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において大当り遊技の種類として規定する15ラウンド大当り遊技、2ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技については後で詳細に説明する。また、以下の説明においては、はずれ図柄のうち、小当り遊技に当選した場合に選択されるはずれ図柄を「小当り図柄」と示す場合もある。
【0022】
そして、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、特別図柄表示装置30の図柄変動ゲームの変動表示結果に対応付けて行われ、特別図柄の変動表示結果に対応する飾り図柄の変動表示結果を導出する。具体的に言えば、演出表示装置28には、大当り抽選に当選している場合、特別図柄表示装置30に導出される大当り図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示される。大当り図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾り図柄が同一の飾り図柄からなる組み合わせ([111]など)がある。一方、演出表示装置28には、大当り抽選に当選していない場合、特別図柄表示装置30に導出されるはずれ図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示される。はずれ図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾り図柄が同一の飾り図柄とはならない組み合わせ([123]など)や、2列の飾り図柄が同一の飾り図柄であって、1列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる組み合わせ([121]や[112]など)がある。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、[1]〜[8]までの数字を模した図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。
【0023】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。また、本実施形態において、演出表示装置28の図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列が変動表示される。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に変動が停止するようになっている。変動の停止によって表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、リーチが形成され、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識し得る。リーチは、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一種類となって表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)が変動表示されている状態である。
【0024】
また、表示枠体20の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口Naを有する上始動入賞口21aと遊技球の入球口Nbを有する下始動入賞口21bが上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口21aは、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口Naを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口21bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えており、開閉羽根22が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口Nbを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口21bは、開閉羽根22が開動作して入球口Nbが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。本実施形態では、上始動入賞口21aと下始動入賞口21bにより、始動入賞手段が構成される。本実施形態では、開閉羽根22とアクチュエータによって下始動入賞口21bの開閉機構が構成される。
【0025】
上始動入賞口21aの奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口21bの奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口21aと下始動入賞口21bは、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口21bは開閉羽根22が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根22が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
【0026】
また、表示枠体20であって、下始動入賞口21bの下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)23が配設されている。大入賞口23の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口23は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0027】
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉24が開動作して大入賞口23が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、大入賞口23への遊技球の入球個数に応じた賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、賞球獲得のチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、大当り抽選に当選し、特別図柄表示装置30の図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
【0028】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉24の開動作により大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(上限ラウンド回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過したこと、及び1回のラウンド遊技において予め定めた入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
【0029】
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口23よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口25が形成されている。アウト球口25を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の遊技機設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
【0030】
また、表示枠体20の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート26が配設されている。普通図柄作動ゲート26の奥方には、該普通図柄作動ゲート26へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート26は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。そして、表示枠体20の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。本実施形態において普通図柄表示装置31は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根22の開動作により下始動入賞口21bを開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる当り図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなるはずれ図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
【0031】
また、表示枠体20の右下方には、機内部(主制御用RAM45c)で記憶される図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を報知する特別図柄保留表示装置32が設けられている。特図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。そして、特図保留記憶数は、始動入賞口(上始動入賞口21aと下始動入賞口21b)に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。特別図柄保留表示装置32は、例えば複数のランプから構成され、特図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって特図保留記憶数を遊技者に報知する。
【0032】
また、表示枠体20の右下方には、機内部(主制御用RAM45c)で記憶される普通図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の普通図柄変動ゲームの回数を報知する普通図柄保留表示装置33が設けられている。普図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。そして、普図保留記憶数は、普通図柄作動ゲート26に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート26へ遊技球が入球すると、普図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。普通図柄保留表示装置33は、例えば複数のランプから構成され、普図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって普図保留記憶数を遊技者に報知する。
【0033】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)を付与する機能である。確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態において確変状態は、予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
【0034】
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(大当り抽選の低確率抽選状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数種類の特別図柄の大当り図柄を、確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)と非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)とから構成している。
【0035】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート26の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当りの当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する時短状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されている場合と時短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口21bの開閉羽根22は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、時短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根22が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、0.3(秒))経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、時短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根22が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1.4(秒))が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根22は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。なお、時短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
【0036】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と2ラウンド大当り遊技)、及び小当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において複数種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、及び図柄Cの3種類に分類される。また、図3に示す図柄Dには、小当りに対応する複数種類の特別図柄(はずれ図柄)が振分けられている。
【0037】
図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「確変15ラウンド大当り遊技」と示す。確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで時短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。
【0038】
また、確変15ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、確変15ラウンド大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25(秒)」は最大時間となる。なお、図3には図示しないが、確変15ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」に設定されている。
【0039】
図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「確変2ラウンド大当り遊技」と示す。確変2ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変2ラウンド大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、確変2ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態とその確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみを付与する場合とがある。
【0040】
また、確変2ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.6(秒)」が、エンディング時間として「0.9(秒)」がそれぞれ設定されている。また、図3には図示しないが、確変2ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、確変2ラウンド大当り遊技は、大当り遊技が開始してから終了するまでの時間が、0.004(秒)+0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)+0.9(秒)=4.104(秒)となる。このため、確変2ラウンド大当り遊技が付与される場合には、確変2ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止後、前述した「4.104(秒)」の確変2ラウンド大当り遊技を経て、次回の図柄変動ゲームが開始することになる。
【0041】
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、確変2ラウンド大当り遊技のラウンド遊技時間(0.6(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口23に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「0.6(秒)」となる。したがって、確変2ラウンド大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(0.6(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
【0042】
図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Cに基づく大当りを「非確変15ラウンド大当り遊技」と示す。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として時短状態を付与するようになっている。
【0043】
また、非確変15ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。つまり、確変15ラウンド大当り遊技と非確変15ラウンド大当り遊技は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かが異なり、規定ラウンド数、入球上限個数、オープニング時間、ラウンド遊技時間、及びエンディング時間は、同一態様の設定とされている。なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。なお、図3には図示しないが、非確変15ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
【0044】
図柄Dに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口23を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を時短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態に継続させる。
【0045】
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、エンディング時間として「0.9(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口23の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.6(秒)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)」からなる「3.2(秒)」に設定されていることになる。このため、小当り遊技のラウンド遊技時間は、確変2ラウンド大当り遊技の1ラウンド目で大入賞口23が開放してから2ラウンド目で大入賞口23が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。
【0046】
また、小当り遊技は、小当り遊技が開始してから終了するまでの時間が、0.004(秒)+0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)+0.9(秒)=4.104(秒)となる。このため、小当り遊技が付与される場合には、小当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止後、前述した「4.104(秒)」の小当り遊技を経て、次回の図柄変動ゲームが開始することになる。すなわち、本実施形態では、確変2ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から確変2ラウンド大当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間と、小当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から小当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間が、同一時間に設定されている。したがって、本実施形態において、確変2ラウンド大当り遊技と小当り遊技は、大入賞口23の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されたのかを大入賞口23の開閉動作や時間からは判別し得ない。
【0047】
なお、小当り遊技におけるラウンド遊技のラウンド遊技時間は、ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、小当り遊技のラウンド遊技時間(3.2(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口23に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。したがって、小当り遊技のラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(3.2(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
【0048】
なお、図3の「当った時の状態」欄に示す「低確+時短なし」、「低確+時短あり」、「高確+時短なし」、「高確+時短あり」の4つの状態は、それぞれ次のような状態を示す。「低確+時短なし」は、非確変状態で、かつ非時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10においては「通常状態」となる。「低確+時短あり」は、非確変状態で、かつ時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「低確+時短あり」の状態は、非確変15ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。「高確+時短なし」は、確変状態で、かつ非時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短なし」の状態は、「低確+時短なし」の状態で確変2ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。「高確+時短あり」は、確変状態で、かつ時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短あり」の状態は、確変15ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短あり」の状態は、「低確+時短あり」、「高確+時短なし」及び「高確+時短あり」の状態で2ラウンド大当り遊技が付与されることによっても作り出される。
【0049】
本実施形態では、確変15ラウンド大当り遊技(図柄Aに基づく大当り遊技)が「第1大当り遊技」となり、確変2ラウンド大当り遊技(図柄Bに基づく大当り遊技)が「第2大当り遊技」となる。そして、確変15ラウンド大当り遊技と確変2ラウンド大当り遊技では、大入賞口23への1球の入球に対する賞球数(例えば、15球)を同一設定にしたもとで、ラウンド遊技時間やラウンド回数が異なることにより、遊技者に与えられる価値(獲得賞球数)が異なる。
【0050】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48によって副制御装置が構成されている。
【0051】
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠用ランプ部16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0052】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口21aに入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口21bに入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口23に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート26を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31、特別図柄保留表示装置32、及び普通図柄保留表示装置33が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31、特別図柄保留表示装置32、及び普通図柄保留表示装置33と対応する位置に装着されている。
【0053】
主制御用CPU45aは、特別図柄用の当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普通図柄用の当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普通図柄用の当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普通図柄当り抽選(普通図柄当り判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0054】
主制御用ROM45bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、小当り判定値、普通図柄当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。例えば、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の大当り判定値として2個の値を設定した場合、非確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は600分の2(300分の1)となる。また、当り判定用乱数の取り得る数値「0(零)」〜「599」の中から、高確率用の大当り判定値として20個の値を設定した場合、確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は600分の20(30分の1)となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変状態時の大当り抽選の当選確率を、非確変状態時の大当り抽選の当選確率に対して10倍に設定している。
【0055】
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から小当り判定値として3つの値を設定した場合、小当り判定が肯定判定される割合、すなわち小当りの当選確率は600分の3(200分の1)となる。
【0056】
普通図柄当り判定値は、普通図柄当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、普通図柄当り判定値は、遊技状態が非時短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる低確率用の普通図柄当り判定値と、遊技状態が時短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる高確率用の普通図柄当り判定値とがある。例えば、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「250」までの全251通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の普通図柄当り判定値として1個の値を設定した場合、非時短状態時に普通図柄当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の1となる。また、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値「0(零)」〜「251」の中から、高確率用の普通図柄当り判定値として250個の値を設定した場合、時短状態時に普通図柄当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の250となる。
【0057】
変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。すなわち、変動パターンの決定により、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームの演出態様が決定される。
【0058】
そして、変動パターンに基づき特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に図柄の変動が停止し、大当り図柄、小当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に図柄の変動が停止し、特別図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。
【0059】
変動パターンは、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンと、小当り抽選に当選した際に選択される小当り演出用の変動パターンと、大当り抽選及び小当り抽選の何れにも当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンとからなる。はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成した後に最終的にはずれとするリーチありの変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしの変動パターンとがある。また、リーチなしの変動パターンには、通常変動用の変動パターンと、通常変動用の変動パターンよりも短い変動時間が設定されている短縮変動用の変動パターンとがある。そして、本実施形態では、特図保留記憶数が所定値である「3」未満(特図保留記憶数が「1」又は「2」)の場合に通常変動用の変動パターンが選択され、特図保留記憶数が所定値である「3」以上(特図保留記憶数が「3」又は「4」)の場合に短縮変動用の変動パターンが選択される。また、本実施形態において大当り演出用の変動パターンには、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンや、確変2ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンがある。本実施形態において確変2ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンは、図柄変動ゲームにおいて共通の演出を実行し、かつ同一の変動時間が対応付けられたパターンとなっている。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、画像表示部GHの表示内容を視認しても、確変2ラウンド大当り遊技と小当り遊技の区別が付かない。
【0060】
なお、図5は、主制御用ROM45bに記憶される変動パターン振分テーブルを示す。図5の変動パターン振分テーブルには、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP1を、2ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP2を例示している。また、図5の変動パターン振分テーブルには、小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP3を例示している。また、図5の変動パターン振分テーブルには、リーチを形成した後に最終的にはずれとするリーチありの変動パターンとして変動パターンP4を例示している。また、図5の変動パターン振分テーブルには、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしの通常変動用の変動パターンとして変動パターンP5を、リーチなしの短縮変動用の変動パターンとして変動パターンP6を例示している。
【0061】
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0062】
統括制御用ROM46bには、前記制御プログラムに加え、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10(図6に示す)、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10(図6に示す)、非確変用転落抽選テーブルTC1(図7に示す)、確変用転落抽選テーブルTC2(図7に示す)が記憶されている。また、統括制御用ROM46bには、キャラ演出テーブルTD1〜TD5(図8に示す)、非確変用セリフ演出テーブルTE1(図9に示す)、確変用セリフ演出テーブルTE2(図9に示す)、スポット演出テーブルTF1〜TF3(図10に示す)が記憶されている。また、統括制御用ROM46bには、連続メータアップ演出テーブルTG1(図11に示す)、非確変用アップパターン決定テーブルTH1(図12に示す)、確変用アップパターン決定テーブルTH2(図12に示す)が記憶されている。また、統括制御用ROM46bには、非確変用再開抽選テーブルTK1(図13に示す)、確変用再開抽選テーブルTK2(図13に示す)などの各種テーブルが記憶されている。なお、各テーブルについての詳細は、後述する。
【0063】
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0064】
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板45の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御基板45の主制御用CPU45aが、大当り判定手段、確変判定手段、演出パターン選択手段、状態移行制御手段、及び状態制御手段として機能する。また、特図保留記憶を記憶する主制御用RAM45cが、始動記憶手段として機能する。
【0065】
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口21a又は下始動入賞口21bへ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの特図保留判定を行う。特図保留判定の判定結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特図保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、特図保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、特図保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
【0066】
そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非確変状態の場合には低確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態の場合には高確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。
【0067】
大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。すなわち、本実施形態において主制御用CPU45aは、大当り図柄を決定することにより確変状態を付与するか否かを判定(確変判定)する。
【0068】
また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄から今回付与する大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に対応する大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、大当り図柄が、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、変動パターンとして変動パターンP1を選択し、決定する。一方、主制御用CPU45aは、大当り図柄が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、変動パターンとして変動パターンP2を選択し、決定する。
【0069】
また、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、前記特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当りか否かの小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特別図柄)を決定する。そして、小当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した小当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、小当りを決定した主制御用CPU45aは、小当り演出用の変動パターンP3を選択し、決定する。
【0070】
また、主制御用CPU45aは、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU45aは、リーチ演出を実行するか否かの判定(リーチ判定)を行い、リーチ判定の判定結果と特図保留記憶数とに基づきはずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、リーチ判定で肯定判定する場合、変動パターンとしてリーチありの変動パターンP4を選択し、決定する。一方、主制御用CPU45aは、リーチ判定で否定判定する、且つ特図保留記憶数が「3」未満である場合、変動パターンとしてリーチなし通常変動用の変動パターンP5を選択し、決定する。さらに、主制御用CPU45aは、リーチ判定で否定判定する、且つ特図保留記憶数が「3」以上である場合、変動パターンとしてリーチなし短縮変動用の変動パターンP6を選択し、決定する。
【0071】
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0072】
また、主制御基板45の主制御用CPU45aは、普通図柄作動ゲート26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている普図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの普図保留判定を行う。普図保留判定の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、普図保留記憶数を1加算(+1)し、普図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、普図保留判定を肯定判定している場合、普通図柄用の当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した普通図柄用の当り判定用乱数の値を普図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、普図保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普通図柄用の当り判定用乱数の値を取得しない。
【0073】
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した普通図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した普通図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている普通図柄当り判定値とを比較し、普通図柄当りか否かの普通図柄当り判定を行う。普通図柄当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非時短状態の場合には低確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が時短状態の場合には高確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。
【0074】
普通図柄当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と普通図柄当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、普通図柄当りを決定する。普通図柄当りを決定した主制御用CPU45aは、普通図柄表示装置31で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる当り図柄(普通図柄)を決定する。一方、普通図柄当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と普通図柄当り判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU45aは、普通図柄はずれを決定する。普通図柄はずれを決定した主制御用CPU45aは、普通図柄表示装置31で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(普通図柄)を決定する。
【0075】
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、非時短状態の場合には変動時間として「10000(m秒)」を設定し、時短状態の場合には変動時間として非時短状態時よりも短い時間となる「1100(m秒)」を設定する。これにより、時短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非時短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0076】
次に、主制御用CPU45aが実行する制御内容として、大当り遊技時及び小当り遊技時の制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、これら当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらにこれら各当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口23を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉24のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉24が開動作される。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口23を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉24のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉24が閉動作される。
【0077】
そして、大当り遊技及び小当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技及び小当り遊技の終了時点の特図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、大当り遊技及び小当り遊技の終了時点の特図保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
【0078】
また、各大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの確変判定(状態移行判定)の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、確変15ラウンド大当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技に当選している場合、前記確変判定(状態移行判定)が肯定判定される。そして、主制御用CPU45aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態及び時短状態とする場合には高確率指定コマンドと時短作動コマンドを出力し、時短状態とする場合には時短作動コマンドのみを出力する。一方、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU45aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御し、かつ小当り遊技終了後には遊技状態を指定するコマンドを出力しない。すなわち、主制御用CPU45aは、小当り遊技に当選した場合、確変状態を付与するか否かの確変判定(状態移行判定)を行わない。なお、主制御用CPU45aは、非確変15ラウンド大当り遊技の終了後、時短作動コマンドを出力して大当り及び小当りのいずれにも当選することなく100回の図柄変動ゲームが経過した場合に時短停止コマンドを出力して時短状態を終了させる。
【0079】
次に、主制御用CPU45aが実行する制御内容として、普通図柄当り時の制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、普通図柄当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根22を開放させるための開放信号と開閉羽根22を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉羽根22の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉羽根22のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根22が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根22が閉動作される。そして、主制御用CPU45aは、普通図柄当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根22の開放態様を制御する。具体的に言えば、非時短状態時において主制御用CPU45aは、開閉羽根22を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、時短状態時において主制御用CPU45aは、開閉羽根22を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
【0080】
また、主制御用CPU45aは、開閉羽根22の開放中に下始動入賞口21bに入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉羽根22を閉動作させ、普通図柄当りに基づく開閉羽根22の開放制御を終了する。普通図柄当りに基づく開閉羽根22の開放制御を終了した主制御用CPU45aは、その終了時点の普図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、開閉羽根22の開放制御の終了時点の普図保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート26に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
【0081】
次に、サブ統括制御基板46の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムに基づき以下に説明する各種処理を実行するサブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aが、秘匿演出制御手段、及び秘匿状態生起手段として機能する。また、本実施形態では、統括制御用RAM46cが、段階記憶手段として機能する。
【0082】
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、特別図柄の停止図柄指定として大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄の大当り図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、主制御基板45からオープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48にそれぞれ出力する。また、統括制御用CPU46aは、高確率指定コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM46cに設定し、低確率指定コマンドを入力すると通常状態(非確変状態)が付与されることを統括制御用RAM46cに設定する。また、統括制御用CPU46aは、時短作動コマンドを入力すると時短状態が付与されることを統括制御用RAM46cに設定し、時短停止コマンドを入力すると時短状態が終了されることを統括制御用RAM46cに設定する。そして、統括制御用CPU46aは、高確率指定コマンド、低確率指定コマンド、時短停止コマンド、及び時短終了コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM46cに記憶維持させる。また、統括制御用CPU46aは、高確率指定コマンド、低確率指定コマンド、時短作動コマンド及ぶ時短作動停止コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
【0083】
統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、非確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、非確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。特定の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、小当り図柄の場合には、確変2ラウンド大当り遊技の時と同様に、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、小当り図柄を除くはずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、はずれ図柄の場合にはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する際には、前記特定の図柄組み合わせを除いて組み合わせを決定しても良いし、前記特定の図柄組み合わせを含んで組み合わせを決定しても良い。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
【0084】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した場合、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、秘匿演出(以下、「チャンスタイム」と示す)を実行させるようになっている。秘匿状態は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに付与されるようになっている。そして、本実施形態において秘匿状態は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後であって、その終了後に時短状態が付与されない、又は継続されない場合に生起される。すなわち、秘匿状態は、時短状態が付与されていない通常状態時の大当りに伴う確変2ラウンド大当り遊技の終了後、及び時短状態が付与されていない小当りに伴う小当り遊技の終了後に生起される。確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後に時短状態が付与(継続)される場合には、その時短状態の付与態様(時短状態が継続する回数や、時短状態が付与されたか否か)により、秘匿状態を生起させたとしても遊技者に遊技状態が確変状態であるか否かを認識させてしまう可能性がある。このため、遊技者が確変状態であるか否かを認識し得ない、時短状態が付与されていない通常状態時の大当りに伴う確変2ラウンド大当り遊技の終了後、及び時短状態が付与されていない小当りに伴う小当り遊技の終了後に生起される。その一方で、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後に時短状態が付与(継続)される場合には、秘匿状態を生起させないで、遊技者に確変状態であることを報知するようになっている。
【0085】
そして、秘匿状態では、遊技者に秘匿状態が生起されていることを報知させるためチャンスタイムが実行(開始)される。すなわち、チャンスタイムの実行中は、少なくとも秘匿状態であることが遊技者に報知される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイムの実行中の秘匿状態とチャンスタイムの非実行中の秘匿状態とがあり、チャンスタイムの非実行中であっても内部的に秘匿状態が生起されている場合がある。したがって、チャンスタイムの実行中は、遊技状態が確変状態であることを示唆する特別演出モードである。また、秘匿状態であってチャンスタイムの非実行中は、遊技状態が非確変状態であることを示唆する通常演出モードである。また、このチャンスタイムの開始時には、図18(a)に示すように、画像表示部GHの背景画像が、チャンスタイム背景画像H3に設定されるとともに、「チャンスタイム突入」という文字画像Inaが画像表示されて、遊技者に報知される。さらに、本実施形態においてチャンスタイム実行中には、図18(a)〜(c)に示すように、画像表示部GHの背景画像に、確変報知用メータHMが画像表示されて、遊技状態の確変状態である可能性が遊技者に報知されるようになっている。
【0086】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図18(a)〜(c)に示すように、演出表示装置28の画像表示部GHの表示領域に、予め定めた下限表示位置から予め定めた上限表示位置の範囲で表示画像が動きを伴って動的表示を行う動的表示手段としての確変報知用メータHMを形成している。本実施形態において確変報知用メータHMは、動的表示部としてのメータM1,メータM2・・・,メータM9,メータM10の10種類のメータから構成され、報知段階HD0,報知段階HD1,・・・報知段階HD9,報知段階HD10の11種類の報知段階を有しており、点灯するメータの個数により報知段階が定められている。そして、報知段階HD0では、確変報知用メータHMのメータM1〜M10のいずれのメータも点灯していない状態である。また、報知段階HD1では、確変報知用メータHMのメータM1のみが点灯している状態である。また、報知段階HD2では、確変報知用メータHMのメータM1,M2の2個のメータが点灯している状態である。そして、報知段階HD3〜HD10では、確変報知用メータHMのメータがメータM1から順に対応する個数だけ点灯している状態である。すなわち、報知段階HD3ではメータM1〜M3の3個、報知段階HD4ではメータM1〜M4までの4個、・・・、報知段階HD9ではメータM1〜M9の9個、報知段階HD10では確変報知用メータHMの全てのメータ(メータM1〜M10の10個)が点灯している状態である。そして、本実施形態において確変報知用メータHMは、報知段階HD0を初期段階として、報知段階HD10を最終段階とする複数の報知段階を有している段階報知手段である。
【0087】
また、本実施形態において確変報知用メータHMでは、弱ステージ、中ステージ、及び強ステージの3種類のステージを有し、メータの点灯による報知段階とステージとにより、遊技状態が確変状態である可能性を遊技者に段階的に報知するようになっている。そして、確変報知用メータHMによる弱ステージは、いずれのメータも点灯していない報知段階HD0からメータM1〜M4が点灯している報知段階HD4の間に滞在するステージである。この弱ステージでは、図18(a)に示すように、チャンスタイム背景画像H3に設定されて弱ステージに滞在していることが遊技者に報知される。また、確変報知用メータHMによる中ステージは、メータM1〜M5が点灯している第1の所定段階となる報知段階HD5からメータM1〜M9が点灯している報知段階HD9の間に滞在するステージである。この中ステージでは、図18(b)に示すように、チャンスタイム背景画像H4(画像表示部GHに斜線状に装飾される)に設定されて中ステージに滞在していることが遊技者に報知される。さらに、確変報知用メータHMによる強ステージは、メータM1〜M10の全てのメータが点灯している第2の所定段階となる報知段階HD10のときに滞在するステージである。この強ステージでは、図18(c)に示すように、チャンスタイム背景画像H5(画像表示部GHに中心から放射状に装飾される)に設定されて強ステージに滞在していることが遊技者に報知される。このため、確変報知用メータHMでは、報知段階により次のステージに移行するまでの段階の差が遊技者に報知されている。すなわち、報知段階HD1が報知される場合には、弱ステージから中ステージに移行するまでに、残り4段階あることが報知されているとともに、強ステージに移行するまでに、残り9段階あることが報知されている。また、報知段階HD7が報知される場合には、中ステージに移行してから2段階だけ報知段階が進行しているとともに、強ステージに移行するまでに、残り3段階あることが報知されている。
【0088】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイム実行中に、特定の変動パターンである通常変動用の変動パターンP5が選択される場合、図柄変動ゲームの開始時に確変報知用メータHMの報知段階の変化率(報知段階を増加、減少、又は維持させる)を決定してその内容を更新させるメータ更新演出を実行するようになっている。そして、確変報知用メータHMにおいては、報知段階が進んでいるほど、遊技状態が確変状態である期待度が高くなるように構成されている。すなわち、確変報知用メータHMにおいては、強ステージ>中ステージ>弱ステージの順に確変状態への期待度が高く構成されている。さらに、確変報知用メータHMにおいては、メータ更新演出による報知段階の1回の更新で報知段階を増加させる段階数が多いほど確変状態への期待度が高く構成されている。
【0089】
また、メータ更新演出では、図柄変動ゲームの開始とともにスポットライトSRが出現し、そのスポットライトSRの中からメータ更新演出により変化させるメータの変化率(現在のメータ数を基準としての変化するメータ数)を示したプレートPを持ったキャラクタKが出現する態様で実行されるようになっている。そして、メータ更新演出においてスポットライトSRが出現するスポットライト演出では、スポットライトの色が異なる3種類の演出内容が用意され、色毎に確変状態である期待度が異なるように構成され、その色により確変状態である可能性を遊技者に報知するようになっている。本実施形態のスポットライト演出では、白色のスポットライトが出現する演出内容と、赤色のスポットライトが出現する演出内容と、金色のスポットライトが出現する演出内容とがある。また、メータ更新演出においてキャラクタKが登場するキャラ演出では、キャラクタの種類の異なる4種類の演出内容が用意され、キャラクタ毎に確変状態である期待度が異なるように構成され、そのキャラタクタにより確変状態である可能性が遊技者に報知されるようになっている。本実施形態のキャラ演出では、キャラAが出現する演出内容と、キャラBが出現する演出内容と、キャラCが出現する演出内容と、キャラDが出現する演出内容とがある。
【0090】
一方、本実施形態では、チャンスタイム実行中に特定の変動パターンである通常変動用の変動パターンP5が選択される場合、メータ更新演出とは異なり、キャラクタKとしてキャラSPを出現させて該キャラSPの台詞(コメント)SWにより確変状態への可能性を報知するセリフ演出が行われるようになっている。このセリフ演出では、スポットライトSRが出現し、そのスポットライトの中からキャラSPが出現し、出現したキャラSPが台詞(コメント)SWを発言する態様で実行されるようになっている。そして、セリフ演出では、台詞の内容の異なる3種類の演出内容が用意され、台詞の内容毎に確変状態への期待度が異なるように構成され、その台詞の内容により確変状態である可能性を遊技者に報知するようになっている。本実施形態のセリフ演出では、台詞SWの内容を「COOL!」とするセリフ強の演出内容と、台詞SWの内容を「GOOD!」とするセリフ中の演出内容と、台詞SWの内容を「BAD!」とするセリフ弱の演出内容とがある。
【0091】
このため、チャンスタイム実行中においては、メータ更新演出により確変報知用メータHMのメータを変化させて報知段階を更新する結果、その変化態様、滞在している報知段階、及び滞在しているステージにより、遊技状態が確変状態である可能性が段階的に遊技者に報知されるようになっている。さらに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メータ更新演出によるスポットライト演出や、キャラ演出の演出内容からも遊技状態が確変状態である可能性が遊技者に報知されるようになっている。その一方で、チャンスタイム実行中においては、メータ更新演出が行われない場合であってもセリフ演出により台詞(コメント)を出現させる結果、スポットライトの種類や、台詞(コメント)の内容から遊技状態が確変状態である可能性が遊技者に報知されるようになっている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、チャンスタイム実行中において、確変報知用メータHMを用いた演出と、確変報知用メータHMを用いない演出との演出態様の異なる2系統の演出により確変状態である可能性が遊技者に報知される。なお、本実施形態において、遊技状態が確変状態である可能性を報知するメータ更新演出や、セリフ演出は、特定の変動パターンで変動パターンP5が選択されるはずれとなる図柄変動ゲームでのみ実行可能とされ、大当り抽選の結果を遊技者に報知する大当り予告演出とは系統(報知する内容)を異ならせる演出である。なお、本実施形態において大当り予告演出は、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆する演出である。
【0092】
また、本実施形態では、大当り抽選ではずれを決定している、且つ特図保留記憶数が3未満である場合に選択される変動パターンP5の選択を契機にメータ更新演出や、セリフ演出を実行させるようになっている。
【0093】
また、チャンスタイムは、チャンスタイム実行中に実行される転落抽選に当選すること終了され、終了後には大当りや小当りの抽選とは別に行われる再開抽選(第1再開抽選)に当選することでチャンスタイムが再度開始(再開)される可能性があるチャンスタイム非実行の秘匿状態が設定されるようになっている。チャンスタイム非実行の秘匿状態は、チャンスタイム終了後であってもチャンスタイムが再開されることで、チャンスタイム実行中と同様に確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる状態である。また、本実施形態では、チャンスタイムの非実行中に大当り又は小当りとは異なる第2再開抽選に当選することで、チャンスタイムが開始されるようになっている。したがって、本実施形態においてチャンスタイムは、時短状態が付与されていない通常状態時の大当りに伴う確変2ラウンド大当り遊技の終了後、及び時短状態が付与されていない小当りに伴う小当り遊技の終了後に生起される。さらに、チャンスタイムは、該チャンスタイムの終了後、大当りや小当りの抽選とは別に行われる再開抽選(第1再開抽選)に当選することを再開条件の成立として再度開始(再開)されるようになっている。加えて、チャンスタイムは、チャンスタイムの非実行中に大当り又は小当りとは異なる第2再開抽選に当選することでも開始されるようになっている。すなわち、チャンスタイムの実行契機は、大当りや小当りの到来時と、大当りや小当りとは異なる第1再開抽選や、第2再開抽選の当選時の2通り存在することとなる。
【0094】
なお、本実施形態において、チャンスタイムを終了させる場合には、画像表示部GHの背景画像が、チャンスタイム背景画像H3〜H5から通常背景画像H1に設定される。そして、本実施形態においてチャンスタイムの終了後には、画像表示部GHの背景画像に画像表示されている確変報知用メータHMが非表示にされて、特別演出モードから通常演出モードに移行し、遊技状態として通常状態であることを示唆する背景画像と同じ態様で背景画像が画像表示される。なお、秘匿状態は、チャンスタイムの終了後においても継続されている。
【0095】
そして、本実施形態において統括制御用CPU46aは、時短状態が付与されていない通常状態時の大当りに伴う確変2ラウンド大当り遊技の終了後、及び時短状態が付与されていない小当りに伴う小当り遊技の終了後に秘匿状態を生起させて秘匿状態中であることを統括制御用RAM46cに設定する。また、統括制御用CPU46aは、秘匿状態の生起に伴いチャンスタイムを開始させてチャンスタイム中であることを統括制御用RAM46cに設定する。また、統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aの決定した特図と、主制御用CPU45aから出力される高確率指定コマンド、低確率指定コマンド、時短停止コマンド及び時短作動コマンドにより秘匿状態を生起させるか否かを判断する。そして、統括制御用CPU46aは、確変2ラウンド大当り遊技が決定されて、大当りの決定時の遊技状態が通常状態であって時短状態が付与されていない場合に秘匿状態の生起を決定するとともに、チャンスタイムを開始させることを統括制御用RAM46cに設定する。さらに、統括制御用CPU46aは、小当り遊技が決定されて、小当りの決定時の遊技状態が時短状態が付与されていない場合に秘匿状態の生起を決定するとともに、チャンスタイムを開始させることを統括制御用RAM46cに設定する。そして、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを開始させる場合に、該チャンスタイムの開始を指示するチャンスタイム指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
【0096】
一方、本実施形態において、確変2ラウンド大当り遊技が決定されて、大当りの決定時の遊技状態が確変状態である場合や、確変15ラウンド大当り遊技が決定される場合には、秘匿状態を生起させないとともに画像表示部GHの背景画像が、確変背景画像H2に設定される。また、小当り遊技が決定されて、小当りの決定時の遊技状態が確変状態であって、すでに確変背景画像H2に設定されている場合には、確変背景画像H2をそのまま継続して設定する。そして、統括制御用CPU46aは、確変背景画像H2による確変演出モードを開始させる場合に、確変演出モードの生起を指示する確変報知指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、本実施形態において、非確変15ラウンド大当り遊技が決定されて、大当りの決定時の遊技状態が非確変状態である場合には、秘匿状態を生起させないとともに画像表示部GHの背景画像が、通常背景画像H1に設定される。そして、統括制御用CPU46aは、通常背景画像H1による通常演出モードを開始させる場合に、通常演出モードの生起を指示する通常報知指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
【0097】
また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム実行中の秘匿状態で転落抽選に当選する場合にチャンスタイムを終了させることを統括制御用RAM46cに設定する。この場合において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに秘匿状態であることを設定している一方で、チャンスタイムの非実行であることを設定している。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム非実行の秘匿状態で再開条件が成立する場合にチャンスタイムを実行させることを統括制御用RAM46cに設定する。この場合において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに秘匿状態であることを設定しているとともに、チャンスタイム実行中であることを設定している。
【0098】
そして、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに秘匿状態中であることが設定されている場合や、チャンスタイム中であることが設定されている場合に、チャンスタイムに係るチャンスタイム演出処理、連続メータアップ演出処理、チャンスタイム第1再開演出処理などの各種処理を実行する。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム第2再開演出処理などの各種処理を実行する。
【0099】
次に、統括制御用CPU46aが実行するチャンスタイムに係るそれぞれの処理について図14〜図17に基づき説明する。
図14は、チャンスタイム実行中の毎図柄変動ゲームの実行時に確変報知用メータHMの報知段階を更新する際のチャンスタイム演出処理を示す。
【0100】
統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにチャンスタイム実行中であることが設定されている場合に変動パターン指定コマンドを入力することを契機にチャンスタイム演出処理を実行する。一方、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにチャンスタイムの非実行中であることが設定されている場合に変動パターン指定コマンドを入力してもチャンスタイム演出処理を実行しない。
【0101】
チャンスタイム演出処理において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている連続メータアップ演出フラグ「ON」であるか否かを判定する(ステップS10)。連続メータアップ演出フラグは、チャンスタイム実行中に連続メータアップ演出の実行中であるか否かを示すものである。連続メータアップ演出の実行中には、連続メータアップ演出フラグに「ON」(「1」)が設定(セット)され、連続メータアップ演出の非実行中には、連続メータアップ演出フラグに「OFF」(「0(零)」)が設定(セット)されている。なお、連続メータアップ演出の詳細については、後述する。そして、ステップS10の判定結果が肯定の場合(連続メータアップ演出フラグが「ON」である場合)、統括制御用CPU46aは、後述する図15の連続メータアップ演出処理のステップS43に移行する。
【0102】
一方、ステップS10の判定結果が否定の場合(連続メータアップ演出フラグが「OFF」である場合)、統括制御用CPU46aは、今回実行させる図柄変動ゲームが確変報知用メータHMの点灯しているメータ数が5である報知段階HD5に到達後、最初の変動であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において統括制御用CPU46aは、点灯しているメータ数が5である報知段階HD5であって、且つ報知段階HD5に到達して最初(到達して次)の変動(図柄変動ゲーム)を開始させるか否かを判定している。なお、統括制御用CPU46aは、報知段階HD5よりも進行した報知段階であって、且つ報知段階HD5よりも進行した報知段階に到達して最初の図柄変動ゲームである場合に、ステップS11を否定判定する。また、本実施形態において1変動とは、1回分の図柄変動ゲームを示しており、例えば15変動とは15回分の図柄変動ゲームを示し、30変動とは30回分の図柄変動ゲームを示している。
【0103】
続いて、ステップS11の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、後述するステップS32に移行して連続メータアップ演出に係る処理を実行する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに指定されている変動パターンが変動パターンP5であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、確変報知用メータHMの報知段階の更新を行わないため、後述するステップS31に移行する。一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム実行後(開始後)、15変動以上しているか否かを判定する(ステップS13)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、チャンスタイム開始後、実行された図柄変動ゲームのチャンスタイム変動回数を統括制御用RAM46cにてカウントしている。そして、ステップS13において、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cでカウントしているチャンスタイム変動回数に基づき判定を行う。
【0104】
そして、ステップS13の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、ステップS20に移行する。一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、強ステージ移行後、該強ステージに滞在した状態で5変動以上しているか否かを判定する(ステップS14)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、強ステージ移行後、該強ステージに滞在した状態で実行された図柄変動ゲームの滞在変動回数を統括制御用RAM46cにてカウントしている。そして、ステップS14において、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cでカウントしている滞在変動回数に基づき判定を行う。
【0105】
続いて、ステップS14の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、ステップS20に移行する。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において、統括制御用CPU46aは、高確率指定コマンドを入力して確変状態である旨が主制御用CPU45aにより指定されているか否かを判定している。
【0106】
そして、ステップS15の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、高確率テーブルに基づきチャンスタイムの転落抽選を実行する(ステップS16)。ステップS16において統括制御用CPU46aは、図7に示す確変用転落抽選テーブルTC2に基づく乱数による乱数抽選を実行し、遊技状態が確変状態である場合に当選確率が10分の1となるように乱数を振分けて転落抽選を実行する。一方、ステップS15の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、低確率テーブルに基づきチャンスタイムの転落抽選を実行する(ステップS17)。ステップS17において統括制御用CPU46aは、図7に示す非確変用転落抽選テーブルTC1に基づく乱数による乱数抽選を実行し、遊技状態が非確変状態である場合に当選確率が3分の1となるように乱数を振分けて転落抽選を実行する。
【0107】
本実施形態において統括制御用CPU46aは、変動パターンP5が指定されている場合に、チャンスタイム実行後、15変動以上している、且つ強ステージ移行後、該強ステージに滞在した状態で5変動以上していることを条件としてチャンスタイムを終了させる転落抽選を行うようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、ステップS12、ステップS13及びステップS14をともに肯定判定する場合に遊技状態にしたがい転落抽選を行う。そして、ステップS16,S17で用いられる抽選テーブルは、図7に示すように、高確率テーブルである確変用転落抽選テーブルTC2よりも低確率テーブルである非確変用転落抽選テーブルTC1のほうが転落抽選の当選確率が高く構成されている。このため、転落抽選において遊技状態が確変状態である場合に非確変状態である場合よりも転落抽選に当選し難く、チャンスタイムは、遊技状態が確変状態である場合に非確変状態である場合よりも終了され難く構成されている。したがって、遊技状態が確変状態である場合には、非確変状態よりも多くの変動(図柄変動ゲーム)に亘ってチャンスタイムを実行させる可能性が高い結果、非確変状態よりも確変報知用メータHMの報知段階が進む可能性が高くなる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変報知用メータHMの報知段階が進むほど確変状態への期待度が高くなるようになっている。
【0108】
ステップS16、及びステップS17の説明に戻り、これらのステップで転落抽選を実行した統括制御用CPU46aは、ステップS18に移行して転落抽選に当選したか否かを判定する。そして、この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、ステップS20に移行する。なお、統括制御用CPU46aは、転落抽選に非当選となりステップS18を否定判定する場合、チャンスタイムを終了させることなく以降の処理に移行する。
【0109】
一方、ステップS18の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム終了演出の実行を指示するチャンスタイム終了指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力してチャンスタイムを終了させる(ステップS19)。そして、統括制御用CPU46aは、転落抽選に当選してチャンスタイムを終了させる場合、統括制御用RAM46cにチャンスタイムを非実行であることを設定し、通常演出モードでの演出の実行を指示する通常報知コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム変動回数を「0」にリセットするとともに、滞在変動回数を「0」にリセットする。さらに、統括制御用CPU46aは、転落抽選の当選時まで滞在していたチャンスタイムの情報として、転落抽選の当選時に確変報知用メータHMで報知していた報知段階及びステージを示すメータ情報を統括制御用RAM46cに設定する(記憶させる)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、転落抽選に当選することを、チャンスタイムを終了させる終了条件の成立としてチャンスタイムを終了させる。
【0110】
また、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cで転落抽選の当選後に実行された図柄変動ゲームの転落後変動回数をカウントするようになっている。なお、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムの開始又は再開に伴って、統括制御用RAM46cに記憶されている転落後変動回数を「0」にリセットする。そして、統括制御用CPU46aは、遊技状態が非確変状態である場合に転落後変動回数に基づき、該転落後変動回数が第2の所定回数である50に達する図柄変動ゲームの終了(50変動に到達したとき)と、次に大当り又は小当りに当選することとのいずれかを契機に、前記メータ情報を消去(クリア)させる。すなわち、統括制御用CPU46aは、遊技状態が非確変状態である場合に転落後変動回数に基づき、該転落後変動回数が50に達する図柄変動ゲームが終了されるまで、及び次に大当り又は小当りに当選するまでのいずれかとなるまでの間、前記メータ情報を記憶保持させる。一方、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態である場合に次に大当り又は小当りに当選することを契機に、前記メータ情報を消去(クリア)させる。すなわち、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態である場合に次に大当り又は小当りに当選するまでの間、前記メータ情報を記憶保持させる。
【0111】
チャンスタイム演出処理の説明に戻り、ステップS13、ステップS14又はステップS18からステップS20に移行した統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(遊技状態が確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、高確率テーブルに基づきメータ更新演出を実行させるか否かとともに、メータ更新演出で更新させる段階の変化率を抽選により選択する(ステップS21)。ステップS21において統括制御用CPU46aは、図6に示す確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10のいずれかに基づく乱数による乱数抽選によりメータ更新演出を実行させるか否かとともに、メータ更新演出で更新させる段階の変化率を選択し、決定する。一方、ステップS20の判定結果が否定の場合(遊技状態が非確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、低確率テーブルに基づきメータ更新演出を実行させるか否かとともに、メータ更新演出で更新させる段階の変化率を抽選により選択する(ステップS22)。ステップS22において統括制御用CPU46aは、図6に示す非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10のいずれかに基づく乱数による乱数抽選によりメータ更新演出を実行させるか否かとともに、メータ更新演出で更新させる段階の変化率を選択し、決定する。
【0112】
図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態毎に非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10と確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10とが用意されており、それぞれ確変報知用メータHMで滞在しているメータ(ステージ)毎にテーブルが用意されている。
【0113】
そして、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10は、遊技状態が非確変状態である場合に用いられる。また、非確変用変化率決定テーブルTA0は報知段階HD0(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA1は報知段階HD1(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA2は報知段階HD2(弱ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、非確変用変化率決定テーブルTA3は報知段階HD3(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA4は報知段階HD4(弱ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、非確変用変化率決定テーブルTA5は報知段階HD5(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA6は報知段階HD6(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA7は報知段階HD7(中ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、非確変用変化率決定テーブルTA8は報知段階HD8(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA9は報知段階HD9(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、非確変用変化率決定テーブルTA10は報知段階HD10(強ステージ)に滞在している場合に用いられる。
【0114】
また、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10は、遊技状態が確変状態である場合に用いられる。また、確変用変化率決定テーブルTB0は報知段階HD0(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB1は報知段階HD1(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB2は報知段階HD2(弱ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、確変用変化率決定テーブルTB3は報知段階HD3(弱ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB4は報知段階HD4(弱ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、確変用変化率決定テーブルTB5は報知段階HD5(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB6は報知段階HD6(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB7は報知段階HD7(中ステージ)に滞在している場合に用いられる。また、確変用変化率決定テーブルTB8は報知段階HD8(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB9は報知段階HD9(中ステージ)に滞在している場合に用いられ、確変用変化率決定テーブルTB10は報知段階HD10(強ステージ)に滞在している場合に用いられる。
【0115】
そして、これら非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10、及び確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10の各変化率決定テーブルでは、テーブル毎にメータ更新演出を実行するか否かが定められているとともに、メータ更新演出を実行する場合に更新後に点灯しているメータ数(滞在する報知段階)が定められている。図6では、各変化率決定テーブルにおいて、更新後の点灯しているメータ数が変化しない場合をメータ維持(キープ)欄に示し、更新後の点灯しているメータ数が減少する場合をメータ減少(ダウン)欄に示し、更新後の点灯しているメータ数が増加する場合をメータ増加(アップ)欄に示している。また、図6では、メータ更新演出を実行しないことを選択する場合を「演出なし」と示し、更新後にいずれのメータも点灯していない場合(メータ数「0」)を「HD0」、更新後に1個のメータM1が点灯している場合(メータ数「1」)を「HD1」、更新後に2個のメータM1,M2が点灯している場合(メータ数「2」)を「HD2」と示している。また、図6では、更新後に3個のメータM1〜M3が点灯している場合(メータ数「3」)を「HD3」、更新後に4個のメータM1〜M4が点灯している場合(メータ数「4」)を「HD4」、更新後に5個のメータM1〜M5が点灯している場合(メータ数「5」)を「HD5」と示している。また、図6では、更新後に6個のメータM1〜M6が点灯している場合(メータ数「6」)を「HD6」、更新後に7個のメータM1〜M7が点灯している場合(メータ数「7」)を「HD7」、更新後に8個のメータM1〜M8が点灯している場合(メータ数「8」)を「HHD8」と示している。また、図6では、更新後に9個のメータM1〜M9が点灯している場合(メータ数「9」)を「HD9」、更新後に10個全てのメータM1〜M10が点灯している場合(メータ数「10」)を「HD10」と示している。なお、「演出なし」が選択される場合には、メータ更新演出が実行されてメータ維持が選択される場合と同じ演出結果となる。そして、各変化率決定テーブルには、テーブル毎にそれぞれ変化率決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜198までの全199通りの整数)が「演出なし」、「HD0」、「HD1」、・・・、「HD9」、「HD10」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。変化率決定乱数は、統括制御用CPU46aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括制御用CPU46aは、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
【0116】
例えば、非確変用変化率決定テーブルTA4では、78個の乱数を「演出なし」に、3個の乱数をメータ維持欄の「HD4」に、5個の乱数をメータ減少欄の「HD1」に、8個の乱数をメータ減少欄の「HD2」に、15個の乱数をメータ減少欄の「HD3」に振分けている。また、非確変用変化率決定テーブルTA4では、65個の乱数をメータ増加欄の「HD5」に、20個の乱数をメータ増加欄の「HD6」に、5個の乱数をメータ増加欄の「HD7」に振分けている。このため、非確変用変化率決定テーブルTA4では、「演出なし」が選択される確率を199分の78に振分け、メータ更新演出としてメータ維持が選択される確率を199分の3に振分けられている。また、非確変用変化率決定テーブルTA4では、メータ更新演出としてメータ減少が選択される確率を199分の28(全199個の乱数のうちメータ減少欄に振分けられる5+8+15=28個の乱数)に振分けられている。また、非確変用変化率決定テーブルTA4では、メータ更新演出としてメータ増加が選択される確率を199分の90(全199個の乱数のうちメータ増加欄に振分けられる65+20+5=90個の乱数)振分けられている。すなわち、本実施形態では、「演出なし」に振分けられる乱数の総数によりメータ更新演出を実行させるか否かの確率が定められ、メータ維持欄に振分けられる乱数の総数によりメータ更新演出としてメータ維持が選択される確率が定められている。また、本実施形態では、メータ減少欄に振分けられる乱数の総数によりメータ更新演出としてメータ減少が選択される確率が定められ、メータ増加欄に振分けられる乱数の総数によりメータ更新演出としてメータ増加が選択される確率が定められている。このようにして各変化率決定テーブル毎に、メータ更新演出としてメータ減少の選択確率、メータ増加の選択確率がそれぞれ定められている。
【0117】
また、図6に示すように、報知段階HD0,HD1に滞在している場合に用いられる非確変用変化率決定テーブルTA0,TA1、及び確変用変化率決定テーブルTB0,TB1では、メータ維持欄及びメータ減少欄に乱数が振分けられておらず、「演出なし」及びメータ増加欄にのみ乱数が振分けられている。すなわち、報知段階HD0,HD1に滞在している場合には、メータ更新演出によりメータが減少してチャンスタイムが終了したり報知段階HD1から報知段階が後退(点灯しているメータ数が減少)したりすることがないようになっている。
【0118】
また、報知段階HD3,HD4に滞在している場合に用いられる非確変用変化率決定テーブルTA3,TA4、及び確変用変化率決定テーブルTB3,TB4では、メータ増加欄に弱ステージから中ステージに移行する契機となる報知段階HD5を飛び越えて更新される「HD6」、「HD7」に乱数が振分けられている。
【0119】
また、報知段階HD5〜HD9の中ステージに滞在している場合に用いられる非確変用変化率決定テーブルTA5〜TA9、及び確変用変化率決定テーブルTB5〜TB9では、メータ減少欄に乱数が振分けられているものの、更新されて中ステージから弱ステージに移行する弱ステージに対応する「HD0」〜「HD4」に乱数が振分けられていない。なお、報知段階HD5の中ステージに滞在している場合に用いられる非確変用変化率決定テーブルTA5、及び確変用変化率決定テーブルTB5では、メータが減少すると弱ステージに移行してしまうためメータ減少欄に乱数が振分けられていない。さらに、報知段階HD10の強ステージに滞在している場合に用いられる非確変用変化率決定テーブルTA10、及び確変用変化率決定テーブルTB10では、「演出なし」にのみ乱数が振分けられており、メータ更新演出が行われないようになっている。このため、報知段階HD10の強ステージに滞在している場合には、メータ更新演出により強ステージから中ステージや弱ステージにステージが移行しないようになっている。すなわち、本実施形態においてメータ更新演出では、メータ数が減少する可能性はあるものの、メータの減少に伴ってステージが強ステージから中ステージや弱ステージに移行したり、中ステージから弱ステージに移行したりすることがないようになっている。
【0120】
また、各変化率決定テーブルでは、メータ減少欄に振分けられる乱数の総数よりもメータ増加欄に振分けられる乱数の総数のほうが多くなるように構成され、いずれのパターンにおいてもメータ減少よりもメータ増加のほうが選択されやすく構成されている。
【0121】
また、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10では、非確変用変化率決定テーブルTA5>TA4>TA3>TA2>TA1>TA0、及び非確変用変化率決定テーブルTA10>TA9>TA8>TA7>TA6の順に「演出なし」に多くの乱数が振分けられている。なお、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10の中においては、非確変用変化率決定テーブルTA10の「演出なし」に最も多くの乱数が振分けられている一方、非確変用変化率決定テーブルTA0の「演出なし」に最も少ない乱数が振分けられている。また、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10では、確変用変化率決定テーブルTB8>TB7>TB6>TB5>TB4>TB3>TB2>TB1>TB0、及び確変用変化率決定テーブルTB10>TB9の順に「演出なし」に多くの乱数が振分けられている。なお、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10の中においては、確変用変化率決定テーブルTB10の「演出なし」に最も多くの乱数が振分けられている一方、確変用変化率決定テーブルTB0の「演出なし」に最も少ない乱数が振分けられている。このため、報知段階HD0の滞在中には、メータ更新演出により最もメータが増加する可能性が高く、報知段階HD10の滞在中には、メータ更新演出が行われない可能性が最も高い。
【0122】
また、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10と、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10とを比較すると、同じ報知段階に滞在している場合には、非確変状態であるときに確変状態であるときよりも「演出なし」に乱数が多く振分けられている。また、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10と、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10とを比較すると、同じ報知段階に滞在している場合には、確変状態であるときに非確変状態であるときよりもメータ減少欄に振分けられる乱数の総数は少なく、メータ増加欄に振分けられる乱数の総数は多くなっている。すなわち、非確変用変化率決定テーブルTA0〜TA10と、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10とを比較すると、同じ報知段階に滞在している場合には、確変状態であるときに非確変状態であるときよりもメータ増加欄に振分けられる乱数の総数とメータ減少欄に振分けられる乱数の総数との差が大きくなるようになっている。また、確変用変化率決定テーブルTB0〜TB10のうち確変用変化率決定テーブルTB0〜TB9には、滞在している報知段階及びステージに拘わらず、強ステージである報知段階HD10に一気に移行する「HD10」に乱数が振分けられている。
【0123】
そして、統括制御用CPU46aは、このように構成される各変化率決定テーブルから遊技状態と、確変報知用メータHMで滞在しているメータ(ステージ)にしたがってテーブルを選択し、選択したテーブルにしたがってメータ更新演出を実行するか否かとともに、該演出を実行させるときに更新後のメータ数を選択する。本実施形態において統括制御用CPU46aは、更新後のメータ数を選択することにより変化率を決定している。すなわち、統括制御用CPU46aは、メータ更新演出としてメータ維持欄から選択する場合に変化率が「0」となる変化率維持を決定する。また、統括制御用CPU46aは、メータ更新演出としてメータ減少欄から選択する場合に、現在の報知段階と更新後の報知段階との差分減少させる変化率がマイナスとなる変化率減を決定する。また、統括制御用CPU46aは、メータ演出としてメータ増加欄から選択する場合に、現在の報知段階と更新後の報知段階との差分増加させる変化率がプラスとなる変化率増を決定する。なお、統括制御用CPU46aは、変化率として確変報知用メータHMに表示されている表示画像の現在の表示量に対する表示変化量を決定し、決定した表示変化量に基づき確変報知用メータHMの表示量を変化させる。そして、本実施形態において統括制御用CPU46aは、図6に示す各変化率決定テーブルに基づき変化率を選択することで、確変状態であるときに非確変状態であるときよりも変化率増として値の大きい変化率を決定し易い。その結果、確変報知用メータHMにおいては、報知段階が進んでいる(点灯しているメータ数が多い)ほど、遊技状態が確変状態である期待度が高くなり、報知段階HD10>HD9>HD8>HD7>HD6>HD5>HD4>HD3>HD2>HD1>HD0の順に確変状態への期待度が高くなる。すなわち、本実施形態では、確変報知用メータHMで報知される報知段階に応じて、ステージが強ステージ>中ステージ>弱ステージの順に確変状態への期待度が高くなる。さらに、確変報知用メータHMにおいては、メータ更新演出によるメータ数の1回の更新でメータ数を増加させる数が多い(変化率が大きい)ほど確変状態への期待度が高くなる。
【0124】
ステップS21、及びステップS22の説明に戻り、これらのステップでメータ更新演出を実行するか否かとともに、変化率を決定した統括制御用CPU46aは、ステップS23に移行してメータ更新演出を実行するか否か(「演出なし」が選択されていないか否か)を判定する。この判定結果が肯定の場合(メータ更新演出を実行する場合)、統括制御用CPU46aは、選択した選択率とともに更新後に点灯させるメータ数(更新後に滞在させる報知段階)を、これらの情報を指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する(ステップS24)。
【0125】
続いて、統括制御用CPU46aは、ステップS21、又はステップS22で選択した変化率に基づきメータ更新演出で出現させるキャラクタの種類をキャラ演出テーブルから選択する(ステップS25)。ステップS25において統括制御用CPU46aは、図8に示すキャラ演出テーブルTD1〜TD5のいずれかに基づく乱数による乱数抽選によりメータ更新演出におけるキャラ演出で出現させるキャラクタの種類(演出内容)を選択し、決定する。
【0126】
図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、ステップS21、又はステップS22で選択した変化率毎にキャラ演出テーブルTD1〜TD5が用意されている。
そして、キャラ演出テーブルTD1は選択した変化率が変化率増であってその値がプラスの「5」以上である場合に用いられ、キャラ演出テーブルTD2は選択した変化率が変化率増であってその値がプラスの「3」又はプラスの「4」である場合に用いられる。また、キャラ演出テーブルTD3は選択した変化率が変化率増であってその値がプラスの「1」又はプラスの「2」である場合に用いられ、キャラ演出テーブルTD4は選択した変化率が変化率維持である場合に用いられ、キャラ演出テーブルTD5は選択した変化率が変化率減である場合に用いられる。
【0127】
また、各キャラ演出テーブルTD1〜TD5では、テーブル毎にキャラ演出で出現させるキャラクタの種類が定められている。そして、図8では、キャラ演出でキャラAを出現させることを選択する場合を「キャラA」、キャラ演出でキャラBを出現させることを選択する場合を「キャラB」、キャラ演出でキャラCを出現させることを選択する場合を「キャラC」、キャラ演出でキャラDを出現させることを選択する場合を「キャラD」と示している。そして、各キャラ演出テーブルTD1〜TD5では、テーブル毎にそれぞれ演出決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜269までの全270通りの整数)が「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、「キャラD」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
【0128】
また、図8に示すように、キャラ演出テーブルTD1〜TD5では、キャラA>キャラB>キャラC>キャラDの順に変化率増が選択されている場合に選択され易く乱数が振分けられている。さらに、「キャラA」には、変化率増が選択されてその値がプラスの「5」以上であるキャラ演出テーブルTD1にのみ乱数が振分けられている。その一方で、「キャラD」には、変化率維持であるキャラ演出テーブルTD4、又は変化率減であるキャラ演出テーブルTD5にのみ乱数が振分けられている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メータ更新演出でメータ数が増加する、さらには増加するメータ数(変化率)が大きいほどキャラAが選択され易く、メータ更新演出でメータ数が減少する場合にキャラDが選択され易い。
【0129】
そして、統括制御用CPU46aは、このように構成される各キャラ演出テーブルTD1〜TD5から選択する変化率にしたがってテーブルを選択し、選択したテーブルに基づきキャラ演出で出現させるキャラクタを選択する。また、統括制御用CPU46aは、図8に示す各キャラ演出テーブルTD1〜TD5に基づきキャラクタを選択することで、確変状態であるときに非確変状態であるときよりもキャラクタとしてキャラAを決定し易い。その結果、キャラ演出では、キャラA>キャラB>キャラC>キャラDの順に確変状態への期待度が高くなる。
【0130】
ステップS25の説明に戻り、このステップでキャラ演出で出現させるキャラクタを決定した統括制御用CPU46aは、ステップS26に移行して選択したキャラクタの種類を、これらを指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する(ステップS26)。そして、統括制御用CPU46aは、ステップS30に移行する。
【0131】
また、ステップS23の説明に戻り、このステップを否定判定した統括制御用CPU46aは、ステップS27に移行して非確変用セリフ演出テーブルTE1、確変用セリフ演出テーブルTE2のいずれかに基づきセリフ演出を実行させるか否かとともに、セリフ演出の台詞(コメント)の内容(演出内容)を抽選により決定する。ステップS27において統括制御用CPU46aは、図9に示す非確変用セリフ演出テーブルTE1、確変用セリフ演出テーブルTE2のいずれかに基づく乱数による乱数抽選によりセリフ演出を実行させるか否かとともに、セリフ演出の台詞(コメント)の内容(演出内容)を選択し、決定する。
【0132】
図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じてテーブルが用意されている。そして、非確変用セリフ演出テーブルTE1は遊技状態が非確変状態である場合に用いられ、確変用セリフ演出テーブルTE2は遊技状態が確変状態である場合に用いられる。
【0133】
また、これら非確変用セリフ演出テーブルTE1、及び確変用セリフ演出テーブルTE2では、テーブル毎にセリフ演出を実行させるか否かとともに、セリフ演出の台詞の内容が定められている。そして、図9では、セリフ演出でセリフ強の演出内容を選択する場合を「セリフ強」、セリフ演出でセリフ中の演出内容を選択する場合を「セリフ弱」と示している。また、図9では、セリフ演出を実行しないことを演出内容として選択する場合を「セリフなし」と示している。そして、非確変用セリフ演出テーブルTE1、及び確変用セリフ演出テーブルTE2では、テーブル毎にそれぞれ演出決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜269までの全270通りの整数)が「セリフ強」、「セリフ中」、「セリフ弱」、「セリフなし」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
【0134】
また、図9に示すように、非確変用セリフ演出テーブルTE1では、セリフ弱>セリフ中>セリフ強の順に選択され易く乱数が振分けられている。その一方で、確変用セリフ演出テーブルTE2では、セリフ強>セリフ中>セリフ弱の順に選択され易く乱数が振分けられている。なお、いずれのセリフ演出テーブルTE1,TE2においても、「セリフなし」が最も選択され易く乱数が振分けられている。
【0135】
そして、統括制御用CPU46aは、このように構成される非確変用セリフ演出テーブルTE1、及び確変用セリフ演出テーブルTE2のいずれかから遊技状態にしたがってテーブルを選択し、選択したテーブルに基づきセリフ演出で出現させる台詞の内容を選択する。また、統括制御用CPU46aは、図9に示す非確変用セリフ演出テーブルTE1、及び確変用セリフ演出テーブルTE2に基づき台詞の内容を選択することで、確変状態であるときに非確変状態であるときよりも台詞の内容としてセリフ強を決定し易い。その結果、セリフ演出では、セリフ強>セリフ中>セリフ弱の順に確変状態への期待度が高くなる。
【0136】
ステップS27の説明に戻り、このステップでセリフ演出の台詞の内容を決定した統括制御用CPU46aは、ステップS28に移行してセリフ演出を実行するか否か(「セリフなし」が選択されていないか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合(セリフ演出を実行しない場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS31に移行する。一方、ステップS28の判定結果が肯定の場合(セリフ演出を実行する場合)、統括制御用CPU46aは、選択した台詞の内容を、これらを指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する(ステップS26)。そして、統括制御用CPU46aは、ステップS30に移行する。
【0137】
続いて、ステップS26、又はステップS29からステップS30に移行した統括制御用CPU46aは、ステップS21、又はステップS22で選択した変化率、又はステップS27で選択したセリフ演出の台詞の内容に基づくスポット演出テーブルにしたがって、スポットライト演出で出現させるスポットライトの色(演出内容)を抽選により決定する。ステップS30において統括制御用CPU46aは、図10に示すスポット演出テーブルTF1〜TF3のいずれかに基づく乱数による乱数抽選によりスポットライト演出の演出内容を選択し、決定する。
【0138】
図10に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、ステップS21、又はステップS22で選択した変化率、又はステップS27で選択したセリフ演出の台詞の内容毎にスポット演出テーブルTF1〜TF3が用意されている。
【0139】
そして、スポット演出テーブルTF1は選択した変化率が「変化率増」である場合、又は選択したセリフ演出の台詞の内容が「セリフ強」である場合に用いられ、スポット演出テーブルTF2は選択した変化率が「変化率維持」である場合、又は選択したセリフ演出の台詞の内容が「セリフ中」である場合に用いられる。さらに、スポット演出テーブルTF3は、選択変化率が「変化率減」である場合、又はセリフ演出の台詞の内容が「セリフ弱」である場合に用いられる。
【0140】
また、これらスポット演出テーブルTF1〜TF3では、テーブル毎にスポットライト演出で出現させるスポットライトの色が定められている。そして、図10では、スポットライト演出で白色のスポットライトの演出内容を選択する場合を「白スポットライト」、スポットライト演出で赤色のスポットライトの演出内容を選択する場合を「赤スポットライト」、スポットライト演出で金色のスポットライトの演出内容を選択する場合を「金スポットライト」と示している。そして、各スポット演出テーブルTF1〜TF3では、テーブル毎にそれぞれ演出決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜269までの全270通りの整数)が「白スポットライト」、「赤スポットライト」、「金スポットライト」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
【0141】
また、図10に示すように、スポット演出テーブルTF1では、金スポットライト>赤スポットライト>白スポットライトの順に選択され易く乱数が振分けられている。また、スポット演出テーブルTF2では、赤スポットライト>白スポットライトの順に選択され易く乱数が振分けられている。また、スポット演出テーブルTF3では、白スポットライト>赤スポットライトの順に選択され易く乱数が振分けられている。さらに、「金スポットライト」には、変化率増である又はセリフ強であるスポット演出テーブルTF1にのみ乱数が振分けられている。その一方で、「赤スポットライト」及び「白スポットライト」には、変化率維持及び変化率減である、又はセリフ中及びセリフ弱であるスポット演出テーブルTF2、TF3にのみ乱数が振分けられている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メータ更新演出でメータ数が増加する場合に金スポットライトが選択され易く、メータ更新演出でメータ数が減少する場合に白スポットライトが選択され易い。また、本実施形態では、セリフ演出でセリフ強である場合に金スポットライトが選択され易く、セリフ演出でセリフ弱である場合に白スポットライトが選択され易い。
【0142】
そして、統括制御用CPU46aは、このように構成されるスポット演出テーブルTF1〜TF3のいずれかから変化率、又は台詞の内容にしたがってテーブルを選択し、選択したテーブルに基づきスポットライト演出で出現させるスポットライトの色(演出内容)を選択する。また、統括制御用CPU46aは、図10に示すスポット演出テーブルTF1〜TF3に基づきスポットライトの色(演出内容)を選択することで、確変状態であるときに非確変状態であるときよりもスポットライトの色として金スポットライトを決定し易い。その結果、セリフ演出では、金スポットライト>赤スポットライト>白スポットライトの順に確変状態への期待度が高くなる。
【0143】
ステップS30の説明に戻り、このステップでスポットライト演出のスポットライトの色を決定した統括制御用CPU46aは、選択したスポットライトの色を、これらを指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する。そして、統括制御用CPU46aは、ステップS31に移行する。
【0144】
ステップS12、ステップS28、又はステップS30からステップS31に移行した統括制御用CPU46aは、大当り予告演出の演出内容を予告抽選により決定する。ステップS31において統括制御用CPU46aは、予告抽選を予告決定乱数による乱数抽選により演出内容を決定する。予告決定乱数は、統括制御用CPU46aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括制御用CPU46aは、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、ステップS31で大当り予告演出の演出内容を決定した統括制御用CPU46aは、選択した大当り予告演出の演出内容を、これらを指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する。そして、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム演出処理を終了する。
【0145】
次に、チャンスタイム演出処理のステップS10を肯定判定する場合、又はステップS11を肯定判定する場合、統括制御用CPU46aが実行する連続メータアップ演出に係る処理について図15に基づき詳しく説明する。
【0146】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイム実行中、特定の変動パターンである変動パターンP5が選択される毎に所定の段階ずつ(本実施形態では1段階ずつ)報知段階を進ませる(メータ数をアップさせる)連続メータアップ演出が行われるようになっている。連続メータアップ演出の実行中は、確変報知用メータHMにおいて、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームが開始される毎に報知段階を1段階ずつ進ませる(メータ数を1つずつアップさせる)。そして、本実施形態では、チャンスタイムが開始されて点灯しているメータ数が5である報知段階HD5に到達して弱ステージから中ステージへの移行後、最初の(次の)図柄変動ゲームの開始時に連続メータアップ演出を実行させるか否かが抽選により決定されるようになっている。なお、連続メータアップ演出が実行されない場合には、チャンスタイム演出処理のステップS12〜S30にしたがった通常メータアップ演出が実行される。
【0147】
そして、連続メータアップ演出の実行が決定される場合には、連続メータアップ演出の態様としてアップパターンUP1、アップパターンUP2のいずれのパターンに基づき連続メータアップ演出が展開される。アップパターンUP1では、報知段階HD5に到達後、変動パターンP5が合計で5回選択されるまでの間、変動パターンP5に基づく各図柄変動ゲームで確変報知用メータHMの報知段階を1段階ずつ進ませるパターンとなっている。その結果、アップパターンUP1に基づく連続メータアップ演出が実行される場合には、報知段階HD5から変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームが行われる毎に1段階ずつ進み、報知段階HD10に到達して強ステージに移行する。
【0148】
また、アップパターンUP2では、報知段階HD5に到達後、変動パターンP5が合計で4回選択されるまでの間、変動パターンP5に基づく各図柄変動ゲームで確変報知用メータHMの報知段階を1段階ずつ進ませるパターンとなっている。さらに、アップパターンUP2では、報知段階HD5に到達後、合計で5回目の変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームで確変報知用メータHMの報知段階を報知段階HD0に転落させるパターンとなっている。その結果、アップパターンUP2に基づく連続メータアップ演出が実行される場合には、報知段階HD0に転落してチャンスタイムが終了される。
【0149】
そして、連続メータアップ演出に係る処理において統括制御用CPU46aは、確変報知用メータHMで報知段階HD5に到達した最初の(次の)図柄変動ゲームを開始させる際に、連続メータ演出を実行させるか否かを抽選して決定する。このため、チャンスタイム演出処理のステップS11において統括制御用CPU46aは、肯定判定する場合に連続メータアップ演出を実行させるか否かの連続メータアップ演出抽選を行う(ステップS32)。ステップS32において統括制御用CPU46aは、図11に示す連続メータアップ演出テーブルTG1に基づく乱数による乱数抽選により連続メータアップ演出を実行させるか否かを決定する。
【0150】
図11では、連続メータアップ演出テーブルTG1では、連続メータアップ演出の実行を決定する場合を「連続メータアップ演出」、連続メータアップ演出の実行を決定しないで通常メータアップ演出の実行を決定する場合を「通常メータアップ演出」と示している。そして、図11に示すように、連続メータアップ演出テーブルTG1では、連続メータアップ演出決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜6までの全7通りの整数)が「連続メータアップ演出」、「通常メータアップ演出」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。連続メータアップ演出決定乱数は、統括制御用CPU46aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括制御用CPU46aは、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
【0151】
図11に示すように、連続メータアップ演出を実行させる確率は遊技状態に関わらず一定(7分の1)に定められているとともに、連続メータアップ演出を実行しない(通常メータアップ演出を実行させる)確率は遊技状態に拘わらず一定(7分の6)に定められている。
【0152】
ステップS32の説明に戻り、このステップで連続メータアップ演出を実行させるか否かを決定した統括制御用CPU46aは、ステップS33に移行して連続メータアップ演出を実行するか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(通常メータアップ演出を実行させる場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS12に移行してステップS12〜ステップS30の処理を実行する。すなわち、統括制御用CPU46aは、通常メータアップ演出を実行する。一方、ステップS33の判定結果が肯定の場合(連続メータアップ演出を実行させる場合)、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている連続メータアップ演出フラグに「ON」を設定し(ステップS34)、ステップS35に移行して後述する図15の連続メータアップ演出処理を実行する。すなわち、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出を実行する。
【0153】
図15に示すように、ステップS34からステップS35に移行した統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出処理において、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定の場合(遊技状態が確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、高確率テーブルに基づき連続メータアップ演出の態様(アップパターン)を抽選により決定する(ステップS41)。ステップS41において統括制御用CPU46aは、図12に示す確変用アップパターン決定テーブルTH2に基づく乱数による乱数抽選により、連続メータアップ演出の態様を選択し、決定する。一方、ステップS40の判定結果が否定の場合(遊技状態が非確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、低確率テーブルに基づき連続メータアップ演出の態様(アップパターン)を抽選により決定する(ステップS42)。ステップS42において統括制御用CPU46aは、図12に示す非確変用アップパターン決定テーブルTH1に基づく乱数による乱数抽選により、連続メータアップ演出の態様を選択し、決定する。
【0154】
図12に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じてテーブルが用意されている。そして、非確変用アップパターン決定テーブルTH1は遊技状態が非確変状態である場合に用いられ、確変用アップパターン決定テーブルTH2は遊技状態が確変状態である場合に用いられる。
【0155】
また、これら非確変用アップパターン決定テーブルTH1、及び確変用アップパターン決定テーブルTH2では、テーブル毎に連続メータアップ演出の態様(アップパターン)が定められている。そして、図12では、アップパターンUP1の態様を選択する場合を「アップパターンUP1」、アップパターンUP2の態様を選択する場合を「アップパターンUP2」と示している。そして、非確変用アップパターン決定テーブルTH1、及び確変用アップパターン決定テーブルTH2では、テーブル毎にそれぞれアップパターン決定乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜10までの全11通りの整数)が「アップパターンUP1」、「アップパターンUP2」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
【0156】
また、図12に示すように、非確変用アップパターン決定テーブルTH1では、アップパターンUP2>アップパターンUP1の順に選択され易く乱数が振分けられている。その一方で、確変用アップパターン決定テーブルTH2では、アップパターンUP1>アップパターンUP2の順に選択され易く乱数が振分けられている。
【0157】
そして、統括制御用CPU46aは、このように構成される非確変用アップパターン決定テーブルTH1、及び確変用アップパターン決定テーブルTH2のいずれかから遊技状態にしたがってテーブルを選択し、選択したテーブルに基づき連続メータアップ演出の態様を選択する。また、統括制御用CPU46aは、図12に示す非確変用アップパターン決定テーブルTH1、及び確変用アップパターン決定テーブルTH2に基づき連続メータアップ演出の態様を選択することで、確変状態であるときに非確変状態であるときよりもアップパターンUP1を決定し易い。その結果、連続メータアップ演出では、アップパターンUP1>アップパターンUP2の順に確変状態への期待度が高くなる。
【0158】
ステップS41、及びステップS42の説明に戻り、これらステップで連続メータアップ演出の態様(アップパターン)を決定した統括制御用CPU46aは、ステップS43に移行して変動パターン指定コマンドに指定されている変動パターンが変動パターンP5であるか否かを判定する。なお、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム演出処理のステップS10を肯定判定する場合(連続メータアップ演出フラグが「ON」である場合)にもステップS43の処理を実行する。すなわち、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出フラグが「ON」である場合、チャンスタイム演出処理のステップS12〜ステップS30の通常メータアップ演出に係る処理を実行する換わりに、ステップS43以降の連続メータアップ演出に係る処理を実行する。
【0159】
続いて、ステップS43の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出処理からチャンスタイム演出処理に復帰し、該チャンスタイム演出処理を終了する。一方、ステップS43の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに指定されている変動パターンP5が、連続メータアップ演出の実行後(連続メータアップ演出フラグに「ON」がセットされてから)、5回目の変動パターンP5であるか否かを判定する(ステップS44)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出の実行後(連続メータアップ演出フラグに「ON」がセットされてから)、変動パターンP5を指定する変動パターン指定コマンドを入力した(変動パターンP5が選択された)パターン選択回数を統括制御用RAM46cにてカウントしている。そして、ステップS44において、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cでカウントしているパターン選択回数に基づき判定を行う。
【0160】
ステップS44の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、変動パターンP5が指定されパターン選択回数が5回に到達していないので、連続メータアップ演出により確変報知用メータHMの現在のメータ数に1加算したメータ数になるように確変報知用メータHMを更新させる(ステップS45)。ステップS45において統括制御用CPU46aは、更新後に点灯させるメータ数(更新後に滞在させる報知段階)を、これらの情報を指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する。また、ステップS45において統括制御用CPU46aは、現在、点灯しているメータ数に基づき該メータ数に1加算したメータ数を指定する。すなわち、現在のメータ数が「5」である場合にメータ数として「6」を指定し、現在のメータ数が「6」である場合にメータ数として「7」を指定し、現在のメータ数が「7」である場合にメータ数として「8」を指定し、現在のメータ数が「8」の場合にメータ数として「9」を指定する。そして、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出処理からチャンスタイム演出処理に復帰し、該チャンスタイム演出処理を終了する。
【0161】
一方、ステップS44の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、変動パターンP5が指定されパターン選択回数が5回に到達しているので、5回目の態様がアップパターンUP1、及びアップパターンUP2のいずれに基づく態様であるか(アップパターンUP2であるか否か)を判定する(ステップS46)。この判定結果が否定の場合(アップパターンUP1に基づく態様である場合)、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出により確変報知用メータHMの現在のメータ数に1加算したメータ数になるように確変報知用メータHMを更新させる(ステップS47)。ステップS47において統括制御用CPU46aは、更新後に点灯させるメータ数(更新後に滞在させる報知段階)を、これらの情報を指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する。また、ステップS47において統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出により現在のメータ数が「9」に到達しているため、メータ数として「10」を指定している。
【0162】
一方、ステップS46の判定結果が肯定の場合(アップパターンUP2に基づく態様である場合)、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出により確変報知用メータHMのメータ数を「0」に更新させるとともに、チャンスタイムを終了させるチャンスタイム終了演出の実行を指示する(ステップS48)。ステップS48において統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出により、更新後に点灯させるメータ数(更新後に滞在させる報知段階)と、チャンスタイム終了演出の実行指示を、これらの情報を指定する制御コマンドを出力することで演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に送信する。また、ステップS48において統括制御用CPU46aは、メータ数として「0」を指定している。そして、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを終了させる場合、チャンスタイム演出処理のステップS19と同様の処理を実行し、統括制御用RAM46cにチャンスタイムを非実行であることを設定し、通常演出モードでの演出の実行を指示するチャンスタイム終了指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム変動回数を「0」にリセットするとともに、滞在変動回数を「0」にリセットする。さらに、統括制御用CPU46aは、ステップS48によりチャンスタイムを終了させる場合には、確変報知用メータHMのメータ数が「0」となるため、チャンスタイム終了まで滞在していたメータ情報として、メータ数が「0」であって弱ステージに滞在していたことを示す情報を統括制御用RAM46cに設定する(記憶させる)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、ステップS46を肯定判定する(アップパターンU2を選択している)ことを、チャンスタイムを終了させる終了条件の成立としてチャンスタイムを終了させる。
【0163】
ステップS47、及びステップS48の説明に戻り、これらステップで連続メータアップ演出の実行後、5回目の確変報知用メータHMの更新を指示した統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている連続メータアップ演出フラグを「OFF」にして連続メータアップ演出を終了させる。そして、統括制御用CPU46aは、連続メータアップ演出処理からチャンスタイム演出処理に復帰し、該チャンスタイム演出処理を終了する。
【0164】
次に、統括制御用RAM46cに秘匿状態であることを設定している一方で、チャンスタイム非実行であることを設定している場合、統括制御用CPU46aが実行するチャンスタイム第1再開演出処理について図16に基づき詳しく説明する。なお、本実施形態において、統括制御用RAM46cに秘匿状態であることを設定している一方で、チャンスタイム非実行であることを設定している場合とは、チャンスタイム演出処理のステップS19、及び連続メータアップ演出処理のステップS48でチャンスタイムが終了された後の状態である。
【0165】
まず、チャンスタイム第1再開演出処理について説明する。
統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに秘匿状態であることを設定している一方で、チャンスタイム非実行であることを設定している場合に、変動パターン指定コマンドを入力することを契機にチャンスタイム第1再開演出処理を実行する。そして、チャンスタイム第1再開演出処理において統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS60)。この判定結果が否定の場合(遊技状態が非確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている転落後変動回数が30以下であるか否かを(チャンスタイムの終了後、30変動以内であるか否か)を判定する(ステップS61)。この判定結果が否定の場合(チャンスタイムの終了後、30変動を超えている場合)、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム第1再開演出処理を終了する。
【0166】
一方、ステップS61の判定結果が肯定の場合、遊技状態が非確変状態であってチャンスタイムの終了から30変動以内であるため統括制御用CPU46aは、低確率テーブルに基づき、チャンスタイムを再開させるか否かの第1再開抽選を実行する(ステップS62)。ステップS62において統括制御用CPU46aは、図13に示す非確変用再開抽選テーブルTK1に基づく乱数による乱数抽選を実行し、遊技状態が非確変状態である場合に当選確率が1000分の3となるように乱数を振分けて第1再開抽選を実行する。
【0167】
ステップS60の説明に戻り、このステップで判定結果が肯定の場合(遊技状態が確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であるためチャンスタイムの終了からの変動数(転落後変動回数)に拘わらず、高確率テーブルに基づき、チャンスタイムを再開させるか否かの第1再開抽選を実行する(ステップS63)。ステップS63において統括制御用CPU46aは、図13に示す確変用再開抽選テーブルTK2に基づく乱数による乱数抽選を実行し、遊技状態が確変状態である場合に当選確率が200分の11となるように乱数を振分けて第1再開抽選を実行する。
【0168】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイムの終了後、第1再開抽選に当選することによりチャンスタイムが再開され、遊技状態が非確変状態である場合にチャンスタイムの終了から最大で第1の所定回数である30変動が経過するまでの間、各変動開始時に第1再開抽選が実行される。一方、遊技状態が確変状態である場合にチャンスタイムの終了から経過した変動数に拘わらず、次に大当り又は小当りに当選するまでの間、各変動開始時に第1再開抽選が実行される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイムの終了後、第1再開抽選に当選することを再開条件の成立としてチャンスタイムを再開させる。また、第1再開抽選は、チャンスタイムの終了後であって遊技状態が非確変状態の場合に最大で30変動が経過するまでの間に行われる図柄変動ゲームの開始条件の成立を条件として行われる。また、第1再開抽選は、チャンスタイムの終了後であって遊技状態が確変状態の場合に行われる図柄変動ゲームの開始条件の成立を条件として行われる。
【0169】
そして、ステップS62、及びステップS63の第1再開抽選で当選を決定してチャンスタイムを再開させる場合に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにチャンスタイムを再び開始させることを設定する。統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを開始させるために該チャンスタイムの開始を指示するチャンスタイム指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを再開させる場合に、チャンスタイムの開始に伴って、統括制御用RAM46cに記憶されているメータ情報に基づき再開させるチャンスタイムにおけるメータ数(報知段階)も同時に指示する。そして、統括制御用CPU46aは、第1再開抽選に当選した図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを再開させる。一方、ステップS62、及びステップS63の第1再開抽選で非当選を決定する場合に、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを再開させない。
【0170】
そして、ステップS62、及びステップS63においてチャンスタイムを再開させるか否かを抽選した統括制御用CPU46aは、チャンスタイム第1再開演出処理を終了する。
【0171】
次に、統括制御用RAM46cにチャンスタイム非実行であることを設定している場合、統括制御用CPU46aが実行するチャンスタイム第2再開演出処理について図17に基づき詳しく説明する。なお、本実施形態において、統括制御用RAM46cにチャンスタイム非実行であることを設定している場合とは、秘匿状態が生起されていない場合や、チャンスタイム演出処理のステップS19、及び連続メータアップ演出処理のステップS48でチャンスタイムが終了された後の状態である。
【0172】
統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにチャンスタイム非実行であることを設定している場合に、変動パターン指定コマンドを入力することを契機にチャンスタイム第2再開演出処理を実行する。そして、チャンスタイム第2再開演出処理において統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS70)。この判定結果が肯定の場合(遊技状態が確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、第2再開抽選を実行することなくチャンスタイム第2再開演出処理を終了する。
【0173】
一方、ステップS70の判定結果が否定の場合(遊技状態が非確変状態である場合)、統括制御用CPU46aは、大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後から301〜320変動目のいずれか否かを判定する(ステップS71)。本実施形態において統括制御用CPU46aは、大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後、次に大当り又は小当りに当選するまでに実行された図柄変動ゲームの当り後変動回数を統括制御用RAM46cにてカウントしている。そして、ステップS71において統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cでカウントしている当り後変動回数に基づき判定を行う。なお、統括制御用CPU46aは、大当り又は小当りのいずれかの当選に伴って、統括制御用RAM46cに記憶されている当り後変動回数を「0」にリセットする。
【0174】
そして、ステップS71の判定結果が否定の場合(大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後から301〜320変動目のいずれでもない場合)、統括制御用CPU46aは、第2再開抽選を実行することなくチャンスタイム第2再開演出処理を終了する。
【0175】
一方、ステップS71の判定結果が肯定の場合、遊技状態が非確変状態であって大当り遊技終了後又は小当り遊技(当り遊技)の終了後から301〜320変動目のいずれかであるため統括制御用CPU46aは、低確率テーブルに基づき、チャンスタイムを開始させるか否かの第2再開抽選を実行する(ステップS72)。ステップS72において統括制御用CPU46aは、図13に示す非確変用再開抽選テーブルTK1に基づく乱数による乱数抽選を実行する。
【0176】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイムの非実行中、第2再開抽選に当選することによりチャンスタイムが開始される。そして、遊技状態が非確変状態である場合に限っては、大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後から第3の所定回数である301〜320変動目に対応する各変動開始時に第2再開抽選が実行される。一方、遊技状態が確変状態である場合には、第2再開抽選が実行されない。
【0177】
そして、ステップS72の第2再開抽選で当選を決定してチャンスタイムを開始させる場合に、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにチャンスタイムを開始させることを設定する。統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを開始させるために該チャンスタイムの開始を指示するチャンスタイム指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを開始させる場合に、チャンスタイムの開始に伴って、統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されているときにはそのメータ情報に基づき開始させるチャンスタイムにおけるメータ数(報知段階)、及びステージの種類も同時に指示する。一方、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを開始させる場合に、チャンスタイムの開始に伴って、統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されていないときには大当り又は小当りを契機とするチャンスタイムと同じようにメータ数「0」の弱ステージも同時に指示する。そして、統括制御用CPU46aは、第2再開抽選に当選した図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを開始させる。なお、第2再開抽選の当選時に統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されている場合とは、チャンスタイムの終了後、転落後変動回数が統括制御用RAM46cでメータ情報を記憶保持する上限である50回以内のときである。また、第2再開抽選の当選時に統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されていない場合とは、チャンスタイムの終了後、転落後変動回数が統括制御用RAM46cでメータ情報を記憶保持する上限である50回を超えているときである。このため、本実施形態において、第2再開抽選の当選時に統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されている場合には、転落時の状態でチャンスタイムが開始されるため、第1再開抽選に当選するときと同様にチャンスタイムが再開されたことを遊技者に認識させることができる。一方で、第2再開抽選の当選時に統括制御用RAM46cにメータ情報が記憶されていない場合には、確変2ラウンド大当り遊技又は小当りを契機にするチャンスタイムと同じ態様でチャンスタイムが開始されるため、いかにも新たにチャンスタイムが開始されたかのように遊技者に認識させることができる。
【0178】
そして、ステップS72においてチャンスタイムを開始させるか否かを抽選した統括制御用CPU46aは、チャンスタイム第2再開演出処理を終了する。
次に、演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aが実行する制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムに基づき以下に説明する各種処理を実行する表示制御用CPU47aが、演出制御手段、示唆演出実行手段として機能する。
【0179】
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、チャンスタイムの実行、チャンスタイムの終了を指定する制御コマンド(チャンスタイム指示コマンド、チャンスタイム終了指示コマンド)を入力すると、これらコマンドに指示される演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、確変報知指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、通常報知指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、メータ更新演出に係る各種演出内容、セリフ演出の各種演出内容を指定する制御コマンドを入力すると、該コマンドに指定される演出内容を選択し、該演出内容で対応する演出を図柄変動ゲームの開始とともに行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、大当り予告演出の演出内容を指定する制御コマンドを入力した場合、該コマンドに指示される演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲーム中に大当り予告演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
【0180】
本実施形態において表示制御用CPU47aは、チャンスタイム指示コマンドを入力すると、「チャンスタイム突入」という文字画像Inaと、確変報知用メータHMとを画像表示させて画像表示部GHの背景画像を、チャンスタイム背景画像H3に設定する(図18(a))。なお、表示制御用CPU47aは、チャンスタイム指示コマンドを入力する場合に、チャンスタイムの再開(開始)に伴いメータ情報に伴うメータ数及びステージが定められているときには該メータ情報に基づく背景画像を設定するとともに、確変報知用メータHMの報知段階を画像表示させる。また、表示制御用CPU47aは、チャンスタイム終了指示コマンドを入力すると、「チャンスタイム終了」という文字画像を画像表示させて、画像表示部GHの背景画像を通常背景画像H1に設定する。また、表示制御用CPU47aは、チャンスタイム実行中にチャンスタイム指示コマンドを入力すると、「チャンスタイム継続」という文字画像を画像表示させて画像表示部GHに画像表示させている背景画像を維持させる(図18(g))。また、表示制御用CPU47aは、確変報知指示コマンドを入力すると、「確変状態突入」の文字画像を表示させて、画像表示部GHの背景画像を確変背景画像H2に設定する。また、表示制御用CPU47aは、通常報知指示コマンドを入力すると、画像表示部GHの背景画像を通常背景画像H1に設定する。なお、チャンスタイム実行中にチャンスタイム指示コマンドを入力する場合とは、チャンスタイム実行中に小当りに当選した場合であって、その場合に表示制御用CPU47aは統括制御用CPU46aからチャンスタイム指示コマンドを入力する。
【0181】
また、表示制御用CPU47aは、メータ更新演出に係る制御コマンドを入力する場合に、該コマンドにメータ数が指定されている場合に指定されている確変報知用メータHMがメータ数となるように画像表示部GHの表示内容を設定する。そして、表示制御用CPU47aは、確変報知用メータHMのメータ数に応じて、確変報知用メータHMのメータ数による報知段階が報知段階HD0〜HD4の場合に画像表示部GHの背景画像を、チャンスタイム背景画像H3(弱ステージ用)に設定する。また、表示制御用CPU47aは、確変報知用メータHMのメータ数に応じて、確変報知用メータHMのメータ数による報知段階が報知段階HD5〜HD9の場合に画像表示部GHの背景画像を、チャンスタイム背景画像H4(中ステージ用)に設定する(図18(b))。また、表示制御用CPU47aは、確変報知用メータHMのメータ数による報知段階が報知段階HD10の場合に画像表示部GHの背景画像を、チャンスタイム背景画像H5(強ステージ用)に設定する(図18(c))。
【0182】
また、表示制御用CPU47aは、メータ更新演出に係る制御コマンドを入力する場合に、該コマンドに演出内容として、変化率、スポットライトの種類、キャラクタの種類が指定されている場合に、それぞれに対応する表示演出を所定のタイミングで実行させるように画像表示部GHの表示内容を設定する。そして、表示制御用CPU47aは、所定のタイミングにおいて、指定されるスポットライトの種類に応じた色のスポットライトSRを画像表示部GHに画像表示させ、指定されるキャラクタの種類に応じたキャラクタKを画像表示部GHに画像表示させ、指定される変化率を示すプレートPを画像表示部GHに画像表示させる。
【0183】
また、表示制御用CPU47aは、セリフ演出に係る制御コマンドを入力する場合に、該コマンドに演出内容として、スポットライトの種類、キャラクタの種類、台詞の内容が指定されている場合に、それぞれに対応する表示演出を所定のタイミングで実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、所定のタイミングにおいて、指定されるスポットライトの種類に応じた色のスポットライトSRを画像表示部GHに画像表示させ、指定される台詞の内容に応じたキャラクタKを画像表示部GHに画像表示させる。
【0184】
そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と指定される各種演出内容をもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
【0185】
また、表示制御用CPU47aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板46が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。具体的に言えば、表示制御用CPU47aは、各演出に係る演出指示コマンドを入力すると、所定の演出内容で各演出をそれぞれ実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、入力するコマンドに指定される演出内容をもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。
【0186】
また、表示制御用CPU47aは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板46が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。このとき、表示制御用CPU47aは、演出内容から確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されているか分からないように、同一演出内容で演出を実行させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大入賞口23の開放態様に加えて、確変2ラウンド大当り遊技中及び小当り遊技中の演出内容からも何れが付与されているのか認識し得ないようになっている。
【0187】
なお、音声・ランプ制御基板48は、各種コマンドを入力すると、枠用ランプ部16の発光態様、及びスピーカ17の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板48は、演出表示制御基板47と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
【0188】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10においてチャンスタイムが実行される態様を、図19及び図20にしたがって説明する。図19(a)〜(e)は、報知段階HD2に滞在中に変動パターンP5が選択され、その選択に伴いプラスの「3」の変化率増、赤スポットライト、キャラBが出現して報知段階HD5に段階が進む態様を例示している。さらに、図19(a)〜(e)は、図柄変動ゲーム中に弱ステージから中ステージにステージ移行(ステージアップ)するメータ更新演出が実行される態様例を示している。また、図19(a)〜(c),(f),(g)は、報知段階HD2に滞在中に変動パターンP5が選択され、その選択に伴いプラスの「8」の変化率増、金スポットライト、キャラAが出現して報知段階5を飛び越えて報知段階HD10に段階が進む態様を例示している。さらに、図19(a)〜(c),(f),(g)は、図柄変動ゲーム中に弱ステージから中ステージを飛び越えて、強ステージにステージ移行(ステージアップ)するメータ更新演出が実行される態様を例示している。また、図20(a)〜(e)は、報知段階HD2に滞在中に変動パターンP5が選択され、その選択に伴い赤スポットライト、キャラSPが出現して台詞SWとしてセリフ中の内容が出現するセリフ演出の態様を例示している。
【0189】
まず、図19(a)〜(e)に基づきメータ更新演出の結果、弱ステージから中ステージに移行する態様について説明する。
図柄変動ゲームの開始時、画像表示部GHでは、報知段階HD2を示す確変報知用メータHMが画像表示され、チャンスタイム背景画像H3による弱ステージの背景画像が画像表示されている(図19(a))。続いて、図柄変動ゲームの開始とともにメータ更新演出が実行され、画像表示部GHでは、メータ更新演出が実行されることに伴って、スポットライト演出が実行されて赤色のスポットライトSRが出現する(図19(b))。そして、スポットライトSRの出現により、そのスポットライトの色から確変状態である可能性が遊技者に報知される。
【0190】
続いて、スポットライトSRの出現後キャラ演出が実行されて、画像表示部GHでは、ライトの中からキャラクタKのシルエットが出現し(図19(c)、そのシルエットの中から「+3(メータ数を3増加させる)」の変化率を示したプレートPを持ったキャラBのキャラクタKが出現する(図19(d))。さらに、図19(d)において画像表示部GHでは、確変報知用メータHMのプレートPに示した変化率分だけ、メータ数が増加する結果、報知段階HD5を示し、チャンスタイム背景画像H4による中ステージの背景画像が画像表示される。そして、キャラクタKの出現によりそのキャラクタの種類から確変状態である可能性が遊技者に報知される。さらに、キャラクタKの持っているプレートPに示される変化率によりその変化率の種類(増加、維持、減少)から確変状態である可能性が遊技者に報知される。また、画像表示部GHでは、確変報知用メータHMのメータ数が増加して報知段階HD10に近づいたことで、確変状態である可能性が増加したことを遊技者に報知している。
【0191】
そして、画像表示部GHでは、ステージが弱ステージから中ステージに移行したため、「ステージアップ」の文字画像Inbが画像表示され(図19(e))、ステージが移行したことが遊技者に報知される。
【0192】
次に、図19(a)〜(c),(f),(g)に基づきメータ更新演出の結果、弱ステージから強ステージに移行する態様について説明する。
図柄変動ゲームが開始されると、画像表示部GHでは、図19(a)〜(c)と同じ態様で画像表示が行われ、スポットライト演出が実行されて金色のスポットライトSRが出現する。続いて、画像表示部GHでは、キャラ演出が実行されて、シルエットの中から「+8(メータ数を8増加させる)」の変化率を示したプレートPを持ったキャラAのキャラクタKが出現する(図19(f))。さらに、図19(f)において画像表示部GHでは、確変報知用メータHMのプレートPに示した変化率分だけ、メータ数が増加する結果、報知段階HD10を示し、チャンスタイム背景画像H5による強ステージの背景画像が画像表示される。そして、キャラクタKの出現によりそのキャラクタの種類から確変状態である可能性が遊技者に報知される。さらに、キャラクタKの持っているプレートPに示される変化率によりその変化率の種類(増加、維持、減少)から確変状態である可能性が遊技者に報知される。また、画像表示部GHでは、確変報知用メータHMのメータ数が増加して報知段階HD10に到達したことで、確変状態である可能性が増加したことを遊技者に報知している。
【0193】
そして、画像表示部GHでは、ステージが弱ステージから強ステージに移行したため、「ステージアップ」の文字画像Inbが画像表示され(図19(g))、ステージが移行したことが遊技者に報知される。
【0194】
なお、変化率として「−1(メータ数を1減少させる)」が示される場合、画像表示部GHでは、「−1」の変化率を示したプレートPを持ったキャラクタKが出現し、その変化率に応じて確変報知用メータHMのメータ数が変化する。また、変化率として「0(メータ数を維持させる)」が示される場合、画像表示部GHでは、「0」の変化率を示したプレートを持ったキャラクタKが出現し、確変報知用メータHMのメータ数が変化しない。
【0195】
次に、図20(a)〜(e)に基づきセリフ演出が実行される態様について説明する。
図柄変動ゲームが開始されると、画像表示部GHでは、図19(a)〜(c)と同じ態様で画像表示が行われ、スポットライト演出が実行されて赤色のスポットライトSRが出現する。続いて、画像表示部GHでは、セリフ演出が実行されて(図20(a)〜(c)、シルエットの中からキャラSPが出現して「GOOD!」というセリフ中の内容の台詞SWが画像表示される(図20(d))。そして、セリフ演出において画像表示部GHでは、確変報知用メータHMの内容を更新しないため、チャンスタイム背景画像H3による弱ステージのままの背景画像が画像表示されている。
【0196】
そして、キャラクタKの出現によりそのキャラクタの種類から確変状態である可能性が遊技者に報知される。さらに、キャラクタKの台詞SWの内容から確変状態である可能性が遊技者に報知される。そして、セリフ演出の結果、確変報知用メータHMの内容は更新されないため、図柄変動ゲームの開始時と同じ状態で図柄変動ゲームが終了される。そして、画像表示部GHでは、図20(a)と同じ態様で図柄変動ゲームが終了される(図20(e))。
【0197】
このような態様で演出を実行する本実施形態のパチンコ遊技機10では、画像表示部GHでチャンスタイムが開始されることにより、秘匿状態が生起されたことが遊技者に報知され、確変報知用メータHMの変化態様によりチャンスタイム実行中においても遊技状態が確変状態である可能性が遊技者に報知される。そして、これら確変報知用メータHMの変化態様は、遊技状態に基づき統括制御用CPU46aによりその内容が決定される。このため、チャンスタイム実行中においては、画像表示部GHの態様に基づき、遊技者に確変状態であるか否かを推測させることができる。また、本実施形態では、確変報知用メータHMの内容を更新するメータ更新演出だけでなく、確変報知用メータHMの内容が更新されない場合であっても、セリフ演出により遊技状態が確変状態である可能性を遊技者に推測させることができるようになっている。
【0198】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)秘匿状態の生起中においては、チャンスタイムの実行により図柄変動ゲームの開始に伴って確変報知用メータHMの報知段階を変化させることで、報知段階の変化態様から確変状態であるか否かを段階的に遊技者に把握させるようにした。すなわち、遊技者に対しては、遊技状態が確変状態に移行したか否かを、チャンスタイムの開始により秘匿状態に移行したか否かのみにより推測させるのではなく、秘匿状態の生起後のチャンスタイム実行中においても確変報知用メータHMの変化態様からその内部状態(遊技状態)の変化を推測させることができる。したがって、遊技状態が確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態の生起後において遊技者の確率変動状態への関心を段階的に高める演出を行うことで、秘匿状態の生起中の演出に対する興趣の向上を図り得る。
【0199】
(2)チャンスタイム実行中は、図柄変動ゲームの開始契機が到来する毎に確変報知用メータHMの内容(報知段階)が変化するチャンスが訪れることとなる。このため、チャンスタイム実行中の図柄変動ゲームに対して遊技者に関心を抱かせることができる。したがって、チャンスタイム実行中においても遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0200】
(3)特定の演出パターンである変動パターンP5は、大当り抽選ではずれが決定されている場合に選択されるように構成した。このため、図柄変動ゲームの結果がはずれである場合であっても、確変報知用メータHMの変化態様に対して遊技者の関心を惹き付けることができる。したがって、遊技者の遊技に対する関心が低下するはずれの図柄変動ゲームであっても、チャンスタイム実行中においては、確変報知用メータHMの変化に対して関心を抱かせることで遊技者の遊技に対する関心が低下することを抑制させることができる。
【0201】
(4)チャンスタイム実行中に確変状態であるか否かは、画像表示部GHで実行されるメータ更新演出だけでなく、画像表示部GHで実行されるセリフ演出においても遊技者に推測させることができるように構成した。このため、メータ更新演出が実行されないで確変報知用メータHMの報知段階が変化しない場合であっても、セリフ演出が行われることで内部状態を遊技者に推測させることができる。また、セリフ演出は、はずれが決定している変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームであっても内部状態を遊技者に推測させることができるため、はずれとなる図柄変動ゲームにおいても遊技の興趣を向上させることができる。
【0202】
(5)変動パターンP5が選択される場合には、共にスポットライト演出を経由した結果、メータ更新演出及びセリフ演出のいずれかが実行されるようにした。さらに、メータ更新演出とセリフ演出とでは、共用化したスポット演出テーブルに基づき該スポットライト演出の演出内容を決定するようにした。このため、スポットライト演出の実行時には、該演出により確変状態である可能性を遊技者に推測させることができ、メータ更新演出及びセリフ演出のいずれの演出が実行されるかに対して遊技者の関心を惹き付けることができる。したがって、変動パターンP5が選択される場合には、演出が進むことによる時間の経過に伴い様々な期待感や関心を遊技者に抱かせることができる。
【0203】
(6)チャンスタイムは、転落抽選に当選することを契機に終了されるようにした。また、遊技状態が確変状態である場合には、非確変状態である場合よりも転落抽選に当選し難く構成することで、長くチャンスタイムを継続させることができるようにした。このため、チャンスタイムの滞在する期間が長いほど確変状態である可能性が高くなることを遊技者に報知することができる。したがって、チャンスタイム実行中は、該チャンスタイム実行中の演出だけでなく、どれだけ継続するかにも遊技者に関心を抱かせることで、チャンスタイム実行中の遊技の興趣を向上させることができる。
【0204】
(7)チャンスタイムが一旦終了されたとしても該終了後、遊技状態に拘わらず転落後変動回数が少なくとも30に達するまでにおいては、第1再開抽選の当選を契機にチャンスタイムが再開されるようにした。このため、チャンスタイムの終了後であっても、チャンスタイムが再開されることに対して遊技者に期待を抱かせることができ、遊技者に再度確変状態への期待を抱かせることができる。すなわち、チャンスタイムの終了後であっても、遊技者には確変状態への期待を継続して抱かせることができる。
【0205】
(8)チャンスタイムの終了後、遊技状態が確変状態である場合においては、転落後変動回数に拘わらず第1再開抽選に当選することを契機にチャンスタイムが再開されるようにした。このため、チャンスタイムの終了後、確変状態である場合には、非確変状態である場合よりもチャンスタイムが再開され易く構成されている。したがって、チャンスタイムが再開される場合に遊技状態が確変状態である可能性が高くなるため、チャンスタイムの終了後であってもチャンスタイムの再開に対して遊技者に期待を抱かせることができ、チャンスタイムが終了されても遊技の興趣の低下を抑制することができる。
【0206】
(9)チャンスタイムが再開されるときには確変報知用メータHMの内容がメータ情報に基づき再現されるようにした。このため、チャンスタイムが再開される場合には、初めからやり直すという感覚ではなく、いかにも復活したという印象を与え、遊技者の感情を前向きにさせることができる。
【0207】
(10)チャンスタイム実行中には、連続メータアップ演出を実行可能に構成した。このため、連続メータアップ演出で連続的に確変報知用メータHMの報知段階を進ませる態様で変化させることで、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームが行われる毎に遊技者に内部状態を推測させることができる。このため、チャンスタイム実行中は、図柄変動ゲームの結果が大当りであるか否かだけでなく確変報知用メータHMに関わる演出に対しても遊技者の関心を惹き付けることができる。したがって、チャンスタイムが実行されるか否かだけでなく、該チャンスタイム実行中においても確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる。
【0208】
(11)統括制御用CPU46aは、現在の報知段階が報知段階HD5に到達していない、且つ遊技状態が確変状態である場合にのみ変化率として、現在の報知段階から報知段階HD10に到達するまでの報知段階の差を変化率として決定し得るように構成した。このため、報知段階HD5を飛び越して報知段階HD10まで一気に変化する変化率に基づき確変報知用メータHMが更新される場合には、遊技状態が確変状態であることが確定することとなる。すなわち、弱ステージから中ステージを飛び越えて、強ステージに移行する場合には、確変状態であることが確定することとなる。したがって、チャンスタイム実行中には、報知段階HD5を飛び越して報知段階HD10まで一気に変化されることに対して遊技者に期待を抱かせつつ遊技を行わせることができる。また、このような構成を採用することで、パチンコ遊技機10で繰り返し遊技を行う遊技者に対して、通常の変化率と異なる変化率によって、確変報知用メータHMの報知段階を進ませることで、意外性を与えることができる。
【0209】
(12)変動パターンP5は、特図保留記憶数が「3」未満である場合に選択されるとともに、特図保留記憶数が「3」以上である場合に選択される変動パターンP6よりも変動時間を長く構成した。このため、特図保留記憶数が「3」以上である場合には、特図保留記憶数が「3」未満であるときよりも単位時間あたりの図柄変動ゲームの実行回数が多くなる。すなわち、特図保留記憶数が「3」未満である場合には、特図保留記憶数が「3」以上であるときよりも図柄変動ゲームが実行され難い(始動条件が成立し難い)状態となり、図柄変動ゲームが実行され難いため遊技者にとって退屈な状態となり得る。したがって、特図保留記憶数が「3」未満である場合に、確変報知用メータHMを更新させたりセリフ演出を実行させたりするように構成することで、遊技者が退屈となり得る状態においても遊技者に遊技状態を推測させる機会を与えて遊技者が感じる退屈を解消することができる。
【0210】
(13)また、通常変動用の変動パターンP5における図柄変動ゲームでは、変動パターンP6における図柄変動ゲームよりも遊技者が退屈に感じる時間が長くなる。したがって、変動パターンP6よりも退屈に感じる変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームを対象にメータ更新演出や、セリフ演出を実行させるようにしたことで、遊技者が退屈に感じる時間に遊技状態を推測させることで遊技の興趣を低下を抑えつつ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0211】
(14)一旦、確変報知用メータHMのステージが進行した場合には、次のメータ更新演出で変化率としてステージが後退しないように変化率が選択されるように構成した。このため、チャンスタイムが終了するまでの間、確変報知用メータHMの報知内容によって遊技状態が確率変動状態であることに対する遊技者の期待を持続させることができる。
【0212】
(15)メータ更新演出で出現させるキャラクタの種類と、セリフ演出で出現させる台詞の内容と、メータ更新演出及びセリフ演出でスポットライトの種類とは、演出決定乱数を共用化することにより決定するようにした。このため、各種演出を実行するための決定事項が増加する場合であっても、統括制御用CPU46aで管理される乱数の種類を減少させて、統括制御用CPU46aの乱数に係る処理負担の増加を抑制することができる。
【0213】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態において段階報知手段は、遊技状態である可能性を段階的に報知可能であれば、他の態様で遊技者に報知してもよい。また、段階報知手段は、演出表示装置28とは異なる装置であって遊技盤13上に設けられ遊技者が視認可能であれば、機械式の演出用可動体で実現することもできる。また、例えば、遊技盤13に点灯可能なメータ部を複数設け、メータ部の点灯個数などにより確変状態である可能性を遊技者に報知してもよい。また、遊技盤13に白色や、赤色や、金色などに点灯可能な報知ランプを設け、報知ランプの点灯態様により予め設け、そのメータ部の白色、赤色、金色などの点灯態様により確変状態である可能性を遊技者に段階的に報知してもよい。
【0214】
・本実施形態では、メータ更新演出の変化率として確変報知用メータHMのメータ数が減少する変化率減を設定しない構成を採用することもできる。すなわち、本別例では、変化率として変化率維持、及び変化率増のいずれかのみが選択され得る構成となる。
【0215】
・本実施形態では、メータ更新演出の変化率としてステージが後退するように変化率を設定することもできる。例えば、報知段階HD6に滞在している場合に、変化率減として「−3(現在のメータ数を3減少させる)」を選択し得るように構成し、中ステージから弱ステージに移行し得るように構成してもよい。また、変化率減により報知段階HD0に更新される場合には、その時点でチャンスタイムを終了させるようにしてもよい。
【0216】
・本実施形態において特定の変動パターンは、はずれ演出用の変動パターンであって通常変動用の変動パターンに限らず、例えば、短縮変動用の変動パターンであってもよい。また、特定の変動パターンは、はずれリーチ用の変動パターンとしてもよい。このように構成される場合には、該変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中では、メータ更新演出やセリフ演出の実行後にリーチ演出を実行させるようにしてもよい。また、特定の変動パターンは、大当り演出用の変動パターンに対応付けることもできる。
【0217】
・本実施形態において、チャンスタイム実行中の画像表示部GHの背景画像は、確変報知用メータHMの報知内容に拘わらず、チャンスタイム用の専用の背景画像を継続して画像表示させるようにしてもよい。また、チャンスタイム背景画像の種類は、2種類や、5種類以上設定可能に構成してもよい。例えば、報知段階HD3、報知段階HD6、報知段階HD9、報知段階HD10のそれぞれをステージの移行契機として、4種類のステージに移行するようにすることもできる。
【0218】
・本実施形態において確変報知用メータHMの報知段階は10段階未満や、11段階以上に任意に変更してもよい。そして、報知段階の変更に応じて、ステージの種類も変更してもよい。
【0219】
・本実施形態では、メータ更新演出で出現させるキャラクタの種類を決定するための乱数と、セリフ演出で出現させる台詞の内容を決定するための乱数と、スポットライトの種類を決定するための乱数とは、それぞれ異なる乱数を用いることにより選択するようにしてもよい。また、この中でメータ更新演出に係る決定事項は、同じ乱数を用いるようにするとともに、セリフ演出に係る決定事項は、同じ乱数を用いるようにして、各種決定事項のうち一部で用いる乱数を共用化してもよい。
【0220】
・本実施形態では、図19(c)や図20(c)に示すように、シルエットを出現させる場合に、そのシルエットの形や色などにより、確変状態への可能性を遊技者に報知するように構成することもできる。
【0221】
・本実施形態において連続メータアップ演出では、メータ更新演出により2段階ずつ更新させたり、各変化率決定テーブルに基づき「演出なし」を決定しないように構成してもよい。また、連続メータ演出においてメータ更新演出により変化率増のみを選択するように構成し、変化率増の値のみを抽選により決定するようにしてもよい。
【0222】
・本実施形態は、セリフ演出を実行しなくてもよい。
・本実施形態は、連続メータアップ演出を実行しなくてもよい。
・本実施形態は、連続メータアップ演出を実行するか否かを確変報知用メータHMのメータ数に拘わらずチャンスタイムの開始時や、チャンスタイム実行中に抽選して決定してもよい。
【0223】
・本実施形態は、チャンスタイムの終了後、チャンスタイムを再開させないように構成してもよい。また、チャンスタイムの終了後、抽選により遊技状態がいずれであるかを遊技者に報知する構成を採用することもできる。また、チャンスタイムの終了後、非確変状態である場合にのみ抽選により遊技状態が非確変状態である旨を遊技者に報知する構成を採用することもできる。
【0224】
・本実施形態においてチャンスタイムを再開させる場合には、転落時のメータ情報に基づきチャンスタイムを再開させるのではなく、毎回、報知段階HD0から開始されるように構成してもよい。
【0225】
・本実施形態に転落抽選を実行する契機は、任意に変更してもよく、例えば、チャンスタイム実行中で図柄変動ゲームの開始毎に転落抽選を実行するように構成してもよい。
・本実施形態は、メータ情報を転落後変動回数に拘わらず次に大当り又は小当りに当選するまでの間、記憶保持されるようにしてもよい。また、チャンスタイムの終了後、メータ情報を記憶保持している回数は、遊技状態に拘わらず上限を設定してもよいし、遊技状態毎にそれぞれ異なる上限を設定してもよい。
【0226】
・本実施形態において第1再開抽選は、チャンスタイムの終了後、少なくとも40回や、50回の図柄変動ゲームが行われるまで実行されるようにしてもよい。また、第2再開抽選を実行しないように構成するとともに、第1再開抽選は、遊技状態に拘わらず次に大当り又は小当りに当選するまでの間、実行されるようにしてもよい。
【0227】
・本実施形態は、第2再開抽選を、例えば、大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後、101〜120、201〜220、301〜320、・・・のように100変動毎に周期的に抽選期間を設定する周期抽選とする構成を採用することもできる。また、大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後から特定の変動回数である1200変動の到達時には、チャンスタイム実行中でないときに必ずチャンスタイムが開始されるようにしてもよい。このように構成することで、周期的に訪れる第2再開抽選により、大当りや小当りに当選しない場合であっても、周期的にチャンスタイムを実行させるチャンスを設定して適度にチャンスタイムを実行させることで、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
【0228】
・本実施形態は、大当りの種類として確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技のみを設ける仕様とすることもできる。また、大当りの種類として、確変15ラウンド大当り遊技と同じ態様で大当り遊技が行われ、大当り遊技終了後に確変状態と予め定めた回数(100回)を上限として時短状態とを付与する大当りを加えてもよい。このような場合には、15ラウンド大当り遊技の終了後、時短状態が付与されている間は、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に認識させることができない。そして、予め定めた回数の時短状態の終了後には、秘匿状態を生起させて、チャンスタイムを開始させることもできる。また、15ラウンド大当り遊技の終了後、時短状態が付与されている間にも秘匿状態を生起させるように、チャンスタイムを開始させることもできる。また、大当りの種類としては、2ラウンド大当り遊技と同じ態様で大当り遊技行われ、2ラウンド大当り遊技の終了後に非確変状態が付与される大当りを設けてもよい。
【0229】
・本実施形態は、時短状態が付与されるか否か、又は継続されるか否かに拘わらず確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後に秘匿状態を生起させて、チャンスタイムを開始させるようにしてもよい。また、全ての大当り遊技及び小当り遊技の終了後には、秘匿状態を生起させるように構成することもできる。
【0230】
次に、上記実施形態及び別例から把握される技術的思想について追記する。
(イ)前記秘匿演出制御手段は、前記第1の所定段階又は第2の所定段階に一旦到達した後に前記特定の演出パターンが選択される場合に、前記段階報知手段の報知段階が前記第1の所定段階又は第2の所定段階よりも前の報知段階に戻らないように前記変化率を決定する。
【0231】
(ロ)前記秘匿演出制御手段は、変化後の前記段階報知手段の報知段階が前記段階報知手段の報知段階を進行させる及び報知段階を維持させるいずれかになるように前記変化率を決定する。
【0232】
(ハ)前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知は、終了条件の成立により終了し、前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知が終了した時点において前記段階報知手段の報知段階を記憶する段階記憶手段を備え、前記段階記憶手段は、遊技状態が前記確率変動状態でない場合に前記終了条件が成立してから第2の所定回数の図柄変動ゲームが経過する、及び次に大当りに当選するいずれかが到来するまで該終了条件の成立時点の前記段階報知手段の報知段階を記憶保持する一方で、遊技状態が前記確率変動状態である場合に次に大当りに当選するまで該終了条件の成立時点の前記段階報知手段の報知段階を記憶保持し、前記秘匿演出制御手段は、前記終了条件が成立する場合に前記段階報知手段の態様を遊技状態が前記確率変動状態でないことを遊技者に把握させる態様と同じ態様で制御し、前記終了条件が成立してから前記第2の所定回数よりも少ない第1の所定回数の図柄変動ゲームが経過するまでにおいて前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させるか否かの第1の再開条件が成立する場合には前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させ、前記段階記憶手段に記憶されている報知段階となるように前記段階報知手段を制御する一方で、前記終了条件の成立後で前記遊技者への報知が実行されていない、且つ前記大当り遊技終了後又は小当り遊技の終了後から前記大当りに当選することなく第3の所定回数に達している時点において前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を開始させるか否かの第2の再開条件が成立する場合には前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を開始させ、開始させるにあたって、該終了条件の成立から前記第2の所定回数以内であるときには前記段階記憶手段に記憶されている報知段階となるように前記段階報知手段を制御する。
【0233】
(二)複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段と、大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に大当りの抽選確率が低確率である通常状態から高確率である確率変動状態に変動させるか否かを判定する確変判定手段とを備え、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には大当り遊技が行われるとともに、前記確変判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与される遊技機において、前記大当り遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態である可能性を段階的に遊技者に把握させる段階報知手段と、前記大当り遊技終了後、当該大当り遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、該秘匿状態の生起中に前記段階報知手段を制御する秘匿演出制御手段と、を備え、前記段階報知手段は、初期段階から最終段階までの複数段階に亘って報知段階が構成されるものであって、前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態中の前記図柄変動ゲームの開始に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させ、前記段階報知手段の報知段階を変化させるにあたって、前記確率変動状態である場合に前記段階報知手段の報知段階を現在の報知段階を基準として変化させる変化率を、前記確率変動状態でない場合よりも高い割合で大きくなるように決定し、決定した変化率にしたがって前記段階報知手段の報知段階を変化させることで前記段階報知手段の変化態様から遊技者に前記大当り遊技終了後の遊技状態を段階的に把握させることを特徴とする遊技機。
【0234】
(ホ)大当り遊技終了後に大当りの抽選確率を低確率から高確率に変動させる確率変動状態を付与するか否かを決定する確変決定手段と、前記大当り遊技終了後に、確率変動状態が付与されているか否かを秘匿する秘匿状態を生起させる秘匿状態生起手段と、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを画像表示する表示装置と、前記表示装置の表示内容を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記秘匿状態の生起中、予め定めた下限表示位置から予め定めた上限位置の範囲で表示画像が動きを伴って動的表示を行う動的表示部を前記表示装置の表示領域に形成し、前記秘匿状態中の前記図柄変動ゲームの開始時に、前記動的表示部に表示されている表示画像の現在の表示量に対する表示変化量を決定し、前記図柄変動ゲーム中に決定した表示変化量に基づき前記動的表示手段の表示量を変化させることにより表示変化量の変化態様から前記確率変動状態が付与されている可能性を遊技者に把握させる確変報知演出を実行させることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0235】
HD0〜HD10…報知段階、HM…確変報知用メータ、M1〜M10…メータ、10…パチンコ遊技機、21a…上始動入賞口、21b…下始動入賞口、23…大入賞口、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームにて大当り表示結果が表示された場合には前記図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が行われ、前記大当り遊技は当該大当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される一方で、前記図柄変動ゲームにて小当り表示結果が表示された場合には前記図柄変動ゲームの終了後に小当り遊技が行われ、前記小当り遊技は当該小当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される遊技機において、
前記大当り遊技は複数種類用意され、各大当り遊技は当該大当り遊技中に複数回のラウンド遊技によって構成されるとともに大当り遊技毎に上限ラウンド回数が設定され、前記大当り遊技における1回のラウンド遊技では前記入賞手段の開放及び閉鎖からなる開閉動作が少なくとも1回行われ、第1大当り遊技と、前記第1大当り遊技よりも前記上限ラウンド回数を少なく設定した第2大当り遊技を含み、前記小当り遊技におけるラウンド遊技では前記入賞手段の開放及び閉鎖からなる開閉動作が前記第2大当り遊技に設定した前記上限ラウンド回数と同一回数分行われ、
前記図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果を表示させる大当りとするか否かを判定する大当り判定を実行する一方で、前記大当り判定において大当りを決定しない場合には前記図柄変動ゲームにて小当り表示結果を表示させる小当りとするか否かを判定する小当り判定を実行する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、前記第1の大当り遊技及び第2の大当り遊技のいずれの大当り遊技を付与するかを決定するとともに、前記大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率である通常状態から高確率に変動させる確率変動状態を付与するか否かを判定する状態移行判定を実行し、前記状態移行判定の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態を付与する一方で、前記状態移行判定の判定結果が否定の場合には前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態を付与せず、前記小当り判定の判定結果が肯定の場合には前記状態移行判定を実行せずに、前記小当り遊技終了後に前記小当りの当選時の遊技状態を継続させる状態移行制御手段と、
前記第2の大当り遊技及び前記小当り遊技の終了後、これら遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態である可能性を段階的に遊技者に把握させる段階報知手段と、
前記第2の大当り遊技及び前記小当り遊技の終了後、これら遊技終了後の遊技状態が前記確率変動状態であるか否かを秘匿する秘匿状態を生起させ、該秘匿状態の生起中に前記段階報知手段を制御する秘匿演出制御手段と、を備え、
前記段階報知手段は、初期段階から最終段階までの複数段階に亘って報知段階が構成されるものであって、
前記秘匿演出制御手段は、前記秘匿状態中の前記図柄変動ゲームの開始に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させ、前記段階報知手段の報知段階を変化させるにあたって、前記確率変動状態である場合に前記段階報知手段の段階を現在の段階を基準として変化させる変化率を、前記確率変動状態でない場合よりも高い割合で大きくなるように決定し、決定した変化率にしたがって前記段階報知手段の報知段階を変化させることで前記段階報知手段の変化態様から遊技者に前記大当り遊技終了後の遊技状態を段階的に把握させる確変報知演出を実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを、前記大当り判定手段の判定結果に基づき複数種類の中から選択する演出パターン選択手段と、
前記秘匿演出制御手段は、前記演出パターン選択手段が特定の演出パターンを選択する場合に該特定の演出パターンに基づく図柄変動ゲームの実行に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出パターン選択手段は、前記大当り判定手段の前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合に前記特定の演出パターンを選択する請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技状態が確率変動状態である可能性を前記段階報知手段の報知段階とは異なる態様で示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備え、
前記秘匿演出制御手段は、
前記秘匿状態の生起中に前記演出パターン選択手段により前記特定の演出パターンが選択されることに基づいて、前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定するか否かの段階更新判定を行い、この判定結果が肯定の場合に該演出パターンで特定される図柄変動ゲームの実行に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定する一方で、
前記秘匿状態の生起中に前記演出パターン選択手段により前記特定の演出パターンが選択されることに基づいて、前記段階更新判定の判定結果が否定の場合に該演出パターンで特定される図柄変動ゲームの開始に伴って前記示唆演出実行手段に示唆演出を行わせ、前記示唆演出を実行するにあたって、前記確率変動状態であるか否かに基づき複数種類の示唆演出パターンの中から1つの示唆演出パターンを決定し、決定した示唆演出パターンにしたがって前記示唆演出を実行させる請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知は、終了条件の成立により終了し、前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知が終了した時点において前記段階報知手段の報知段階を記憶する段階記憶手段を備え、
前記秘匿演出制御手段は、
前記終了条件が成立する場合に前記段階報知手段の態様を遊技状態が前記確率変動状態でないことを遊技者に把握させる態様と同じ態様で制御し、
前記終了条件が成立してから所定回数の図柄変動ゲームが経過するまでにおいて前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させるか否かの再開条件が成立する場合には前記段階報知手段の報知段階による遊技者への報知を再開させ、前記段階記憶手段に記憶されている報知段階となるように前記段階報知手段を制御する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記秘匿演出制御手段は、前記段階報知手段を変化させるに際し、少なくとも報知段階を進ませる態様及び報知段階を変化させない態様のいずれかの態様で変化率を決定し、
前記段階報知手段の報知段階を連続的に報知段階を進ませる態様で変化させる連続更新演出を実行させるか否かを判定し、この判定結果が肯定と判定される以降において前記特定の演出パターンに基づく図柄変動ゲームの開始に伴って前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定するか否かの段階更新判定を行うことなく所定の変化率ずつ報知段階を進ませる態様で変化させる請求項2〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記段階報知手段では、前記初期段階から第1の所定段階に到達すると演出内容が変化するようになっているとともに、前記第1の所定段階から報知段階がさらに進んで第2の所定段階に到達すると前記段階報知手段の演出内容がさらに変化するようになっており、
前記秘匿演出制御手段は、前記段階報知手段の報知段階を変化させる変化率を決定する場合に、現在の報知段階が前記第1の所定段階に到達していない、且つ前記確率変動状態であるときにのみ該現在の報知段階から前記第2の所定段階に到達するまでの報知段階の差を変化率として決定する請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
遊技球の入球を契機に前記図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動入賞手段と、
前記図柄変動ゲームの実行中に前記始動入賞手段に入球した遊技球を予め定めた規定個数まで始動保留球として記憶する始動記憶手段と、
前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを、前記大当り判定手段の判定結果に基づき複数種類の中から選択する演出パターン選択手段と、を備え、
前記演出パターンには、前記図柄変動ゲームを開始させてから前記図柄を確定停止表示させて該図柄変動ゲームを終了させるまでの変動時間を定め、
前記特定の演出パターンには、前記演出パターン選択手段が前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合であって前記始動記憶手段に所定値以上の前記始動保留球が記憶されているときに選択される演出パターンよりも長い変動時間を定め、
前記演出パターン選択手段は、前記大当り判定及び小当り判定で前記大当り及び小当りのいずれも決定しない場合であって前記図柄変動ゲームの開始に伴い前記始動記憶手段に所定値未満の前記始動保留球が記憶されているときに前記特定の演出パターンを選択する請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−31781(P2013−31781A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256259(P2012−256259)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2007−298071(P2007−298071)の分割
【原出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】