遊技機
【課題】疑似連演出を行う遊技機において、遊技興趣を向上させる。
【解決手段】大当り抽選の実行に伴って抽選図柄を変動表示および停止表示させ、抽選図柄の1回の変動表示中に演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う疑似連演出を実行する遊技機であって、後に行われるリーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するようになっており、リーチ示唆情報として、後に行われるリーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われるリーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知する。
【解決手段】大当り抽選の実行に伴って抽選図柄を変動表示および停止表示させ、抽選図柄の1回の変動表示中に演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う疑似連演出を実行する遊技機であって、後に行われるリーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するようになっており、リーチ示唆情報として、後に行われるリーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われるリーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機では、始動口への遊技球入球を契機として大当り抽選(当否判定)を行い、該大当り抽選の結果を受けて特別図柄の変動表示を開始し、大当り抽選の結果が大当りの場合には特別図柄を大当り図柄で停止表示させて大当り遊技を実行するように構成されている。このようなパチンコ遊技機の中には、特別図柄の1回の変動表示期間中に、特別図柄と異なる演出図柄の変動表示および仮停止表示が複数回行われる「疑似連変動期間」と、疑似連変動期間に続く「リーチ変動期間」とが実行されるものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のパチンコ遊技機では、疑似連変動期間中に、今回の大当り抽選の結果が大当りであるか否かに関する「当り信頼度」を示す特定の画像を表示することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、疑似連変動期間中に当り信頼度を示すことは多くのパチンコ遊技機で実施されており、単に当り信頼度を示すだけでは遊技興趣を向上させることが困難となっている。
【0005】
そこで、本発明は上記点に鑑み、疑似連変動期間に特殊な演出を行うことによって遊技興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
始動口への遊技球入球を契機として当否判定を行い、該当否判定の結果を受けて抽選図柄の変動表示を開始し、該当否判定の結果が当りの場合に、前記抽選図柄を当り図柄で停止表示させて当り遊技を実行する遊技機において、
前記当否判定の結果を受けて、前記抽選図柄を変動表示および停止表示させる抽選図柄表示手段と、
前記抽選図柄の変動表示に対応して演出図柄を変動表示させ、前記抽選図柄の停止表示に対応して前記演出図柄を停止表示させる演出図柄表示手段と、
前記抽選図柄の1回の変動表示中に、前記演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う演出図柄再変動手段と、
前記疑似連演出の実行後に、前記演出図柄を所定のリーチ状態とするリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段と、
後に行われる前記リーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するリーチ示唆情報報知手段と、を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、
前記リーチ示唆情報として、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知することを特徴としている。
【0007】
このように、後に実行されるリーチ演出の進行内容の一部を示唆する複数のリーチ示唆情報を、演出図柄の仮停止及び再変動が行われる度に順次報知することで、「演出図柄の仮停止及び再変動が行われる回数が増加するにつれて、リーチ演出の内容が徐々に判明する」こととなり、その判明度合いにより当り信頼度を遊技者に推測させる新規な演出が実現できる。これにより、疑似連変動期間中に新たな態様で遊技興趣を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の遊技機では、前記リーチ示唆情報報知手段が前記リーチ示唆情報を報知する前に、前記リーチ示唆情報報知手段によって報知される前記リーチ示唆情報の数を報知する数値情報報知手段を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、前記数値情報報知手段によって報知された数値情報に対応する数の前記リーチ示唆情報を報知することを特徴としている。
【0009】
これにより、リーチ演出の進行過程を示唆するリーチ示唆情報の報知個数を様々に示した後で、その個数に対応するリーチ示唆情報の報知が行われることとなり、リーチ演出の内容を判明させるバリエーションを多様化することができる。
【0010】
また、本発明の遊技機では、前記リーチ演出の進行中に、該リーチ演出に先立って報知された前記リーチ示唆情報を表示するリーチ示唆情報表示手段を備えることを特徴としている。
【0011】
これにより、先に報知されたリーチ示唆情報を遊技者が確認しながらリーチ演出を進行させることができ、今後のリーチ演出の展開に遊技者を一層注目させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、疑似連変動期間に特殊な演出を行うことによって遊技機において、遊技興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例の遊技機を示す正面図である。
【図2】遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図3】リーチ演出の具体例を示す説明図である。
【図4】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図5】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図6】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図7】疑似連演出の流れを示す説明図である。
【図8】電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】メインジョブの流れを示すフローチャートである。
【図10(a)】特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図10(b)】特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】特別図柄変動表示処理を示すフローチャートである。
【図12】大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動演出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
【0015】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、外枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0016】
外枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠3はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。なお、遊技盤20は枠体部(中枠3)に対して着脱自在に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
【0017】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(操作手段)や球貸ボタン5e等が設けられている。
【0019】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0020】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
【0021】
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0022】
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
【0023】
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【0024】
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
【0025】
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
【0026】
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図8参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
【0027】
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
【0028】
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。すなわち、本実施例の始動口28は、遊技球の入球が困難な閉塞状態と遊技球の入球が容易な開放状態とに切替可能に構成されている。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
【0029】
始動口28の内部には、第1始動口28aまたは第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図8参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図8参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が第1始動口28a、第2始動口28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。なお、以下の説明における「遊技球が始動口28に入球する」旨の記載は、特段の理がない限り、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球することを意味する。
【0030】
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図8参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図8参照)とから主に構成されている。
【0031】
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0032】
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。一方、第2装飾部材60には、特別図柄表示部61が設けられている。特別図柄表示部61は、特別図柄の変動表示と複数の表示パターンで特別図柄の停止表示を行うことができればよく、7セグメント表示装置や、複数のLEDを組合せたLED表示装置等によって構成することができる。本実施例では、特別図柄表示部61として7セグメント表示装置を用いている。
【0033】
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
【0034】
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
【0035】
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
【0036】
次に、特別図柄表示部61による特別図柄の表示について説明する。上述したように、本実施例の特別図柄表示部61は7セグメント表示装置によって構成されている。特別図柄表示部61は、各セグメントの点灯および消灯が可能となっており、これら各セグメントの点灯および消灯の組合せにより複数の表示態様を採ることができる。特別図柄表示部61で表示される特別図柄のうち、特定の組合せが大当り図柄として設定されており、大当り図柄以外が外れ図柄として設定されている。なお、本実施例では、大当り図柄が複数設定されており、具体的には、後述のように「確変大当り図柄」と「通常大当り図柄」とが設定されている。
【0037】
次に、始動口28(第1始動口28aまたは第2始動口28b)に遊技球が入球することによって、特別図柄表示部61で特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される図柄変動遊技が行われる。
【0038】
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得される特別図柄用乱数として、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの大当り抽選(特別図柄当否判定)に用いられる大当り抽選乱数(特別図柄当否判定用乱数)、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数が設けられている。
【0039】
始動口28への遊技球の入球に伴って、特別図柄用乱数(大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数、リーチ乱数)が取得され、この取得された特別図柄用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に保留として記憶される。
【0040】
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
【0041】
始動口28に入球した遊技球の数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される特別図柄用乱数(大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、大当り抽選(特別図柄当否判定)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
【0042】
大当り抽選は、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致するか否かを判定すること(当否判定)によって行われ、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する場合に「大当り」と判定され、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致しない場合に「外れ」と判定される。大当り抽選が「外れ」の場合には、リーチ乱数を用いて、リーチ変動を伴う「リーチあり外れ」であるか、あるいはリーチ変動を伴わない「リーチなし外れ」であるかが決定される。大当り抽選は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。大当り当選値は、抽選テーブルに予め設定されており、後述する確率変動機能が作動している場合には、大当り当選値が多く設定された高確率抽選テーブルが用いられ、確率変動機能が作動していない場合には、大当り当選値が少なく設定された低確率抽選テーブルが用いられる。
【0043】
大当り抽選の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。大当り図柄の種類は、特別図柄決定用乱数を用いて決定される。特別図柄決定用乱数で決定される大当り図柄が確変大当り図柄の場合には、大当りの種類が確率変動機能の作動を伴う確変大当りとなり、特別図柄決定用乱数で決定される大当り図柄が通常大当り図柄の場合には、大当りの種類が確率変動機能の作動を伴わない通常大当りとなる。一方、大当り抽選の結果が大当りでない場合には、外れであり、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。
【0044】
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するもので、複数種類の変動パターンが変動パターン決定用の乱数値と対応付けて変動パターンテーブルに含まれている。特別図柄の変動パターンは、大当り抽選(特別図柄当否判定)が実行されて特別図柄の変動表示が開始される際に、変動パターンテーブルから抽選により選択される。本実施例では、大当り抽選の結果が大当りの場合に選択される大当り変動パターンを規定する大当り変動パターンテーブルと、大当り抽選の結果がリーチ変動を伴うリーチあり外れの場合に選択されるリーチあり外れ変動パターンを規定するリーチあり外れ変動パターンテーブルと、大当り抽選の結果がリーチ変動を伴わないリーチなし外れの場合に選択されるリーチなし外れ変動パターンを規定するリーチなし外れ変動パターンテーブルとが設けられている。なお、本実施例では、リーチ演出を伴う変動パターン(大当り変動パターン、リーチあり外れ変動パターン)では、リーチ演出に先立って、後述の疑似連演出が実行される。疑似連演出についての詳細は後述するが、簡潔に説明すると、疑似連演出は、「特別図柄が1回変動表示する間に、演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回(本実施例では、1回又は2回)行う演出」である。このため、リーチ演出を伴う変動パターンとしては、演出図柄の仮停止および再変動が1回行われることに対応する疑似1用リーチあり外れ変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が2回行われることに対応する疑似2用リーチあり外れ変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が1回行われることに対応する疑似1用大当り変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が2回行われることに対応する疑似2用大当り変動パターンと、が設けられている。これら疑似連演出用の変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターン)の各々は、対応するリーチ演出のパターン(後述する)を異ならせて、それぞれ複数種類ずつ設けられる。
【0045】
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動表示および停止表示(図柄変動遊技)は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。このため、主制御部200が本発明の「抽選図柄表示手段」に相当している。
【0046】
次に、特別遊技の一態様である大当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合(大当り抽選の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技を開始させる。
【0047】
大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始する。また、大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。大当り遊技は、後述の大当り遊技処理(S600)が繰り返し実行されることによって実現される。
【0048】
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
【0049】
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(本実施例では30秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
【0050】
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特典遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。
【0051】
大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を通常時の設定時間(通常時間)よりも延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。時短遊技は、主制御部200の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、第1開放時間(例えば0.1秒)であったのが第2開放時間(例えば4〜6秒)に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放時間延長機能非作動時)に比べて高くなる。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
【0052】
特別図柄当否判定の結果が大当りであり、その大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、大当り抽選の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。このように確率変動機能が作動している遊技状態を「高確率状態」ともいい、確率変動機能が作動していない遊技状態を「低確率状態」ともいう。なお、本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで「高確率状態」となるように構成されている。
【0053】
確率変動機能作動中は、大当り抽選用の大当り当選値が増加することで、大当り抽選の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、通常遊技中(確率変動機能非作動時)には、低確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率となり、確変遊技中(確率変動機能作動時)には、高確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率となる。
【0054】
なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能は、主制御部200の制御により実現されるものである。
【0055】
演出表示装置25の表示領域Vでは、大当り遊技中に大当り遊技の進行に伴う当り関連演出が行われる。当り関連演出としては、大当り遊技開始時に実行される大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)、大当り遊技中に実行されるラウンド演出(大当り遊技演出)、大当り遊技終了時に実行される大当り遊技終了演出(エンディング演出)等がある。これらの当り関連演出は、後述のサブ制御部260が大当り遊技の進行に伴って主制御部200から送信されるコマンドに基づいて実行する。
【0056】
本実施例の遊技機1では、特別図柄表示部61を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置25にて所定の演出表示が行われる。演出表示装置25にて行われる演出表示としては、例えば特別図柄表示部61での特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる表示が挙げられる。なお、演出表示は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部280のROMに記憶されている。
【0057】
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。図2に示すように、演出表示装置25の表示領域Vには、3桁の演出図柄が表示され、第1演出図柄が表示される第1表示領域25a、第2演出図柄が表示される第2表示領域25b、第3演出図柄が表示される第3表示領域25cから構成された演出図柄表示領域が設けられている。各表示領域25a〜25cは、「1」〜「9」からなる第1〜第3演出図柄が表示可能となっており、3桁の演出図柄の配置方向と略直交する向き、この場合は、上下方向(縦方向)に沿って、上から下に向かって第1〜第3演出図柄が変動表示可能に設定されている。
【0058】
3桁の演出図柄は、特別図柄が変動表示を開始することにより一斉に変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されるときに、3桁の演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。本実施例では、3桁の演出図柄が全て同一の図柄組合せ(「7・7・7」等)が特別図柄の大当り図柄に対応する大当り態様となっており、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応する外れ態様となっている。
【0059】
本実施例では、3桁の演出図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に、演出表示装置25の表示領域にて、後述する「疑似連演出」や「リーチ演出」などの演出表示を行うように構成されている。リーチ演出は、3桁の演出図柄のうちの2桁の演出図柄(本実施例では第1演出図柄と第3演出図柄)が同一の図柄で停止表示した後に、最終停止図柄となる残り桁の演出図柄(本実施例では第2演出図柄)の変動表示が継続した状態で行われる演出表示である。
【0060】
本実施例には、複数パターンのリーチ演出が設けられており、各リーチ演出には、複数種類の演出画像(図柄、キャラクタのような、遊技者の視覚で認識できるもの)を順次表示する「画像表示パターン」と、所定の演出音(効果音、メロディ音、音声のような、遊技者の聴覚で認識できるもの)が出力される「音声出力パターン」とが様々に設定されている。そして、複数パターンのリーチ演出のうちのいずれかのリーチ演出が開始されると、当該リーチ演出に設定された画像表示パターンと音声出力パターンに従って、演出画像および演出音が出力される。また、本実施例では、各リーチ演出の各々に対し、「特別図柄の変動表示後に大当り遊技が発生する大当り信頼度」が対応付けられており、各リーチ演出に設定された画像表示パターンと音声出力パターンによって、当該当り信頼度を遊技者に示唆するように構成されている。
【0061】
本実施例では、リーチ演出として「サッカーリーチ」が設けられており、この「サッカーリーチ」は、味方キャラと敵キャラがPK対決をする演出動画で構成され、敵キャラが守るゴールに味方キャラの蹴ったボールが入らないことで外れを示し、敵キャラが守るゴールに味方キャラの蹴ったボールが入ることで大当りを示すリーチ演出である。
【0062】
そして、このサッカーリーチ中には、「味方キャラが発するセリフ画像およびセリフ音声」、「対戦する敵キャラ画像」、「使用されるサッカーボール画像」等の様々の演出要素が大当り信頼度の高低に対応付けて複数種類用意されており、「画像表示パターン」や「音声出力パターン」には、これらの演出要素(演出画像や演出音)が様々に設定されている。
【0063】
このサッカーリーチについて、図3を用いて具体的に説明する。図3は、1回のリーチ演出の進行段階(1〜5)に応じて表示される演出内容と、その具体的な演出要素(a〜j)が記載されている。
【0064】
サッカーリーチが開始されると、先ず第1段階目として、味方キャラ(キッカー)が登場してセリフを発する演出画像が表示される。この味方キャラのセリフ画像(演出要素)としては2種類(a、b)が設けられており、いずれか一方のセリフ画像が表示される。次に、第2段階目として、敵キャラ(キーパー)が登場する演出画像が表示される。この敵キャラの画像(演出要素)も2種類(c、d)が設けられており、いずれか一方の敵キャラの画像が表示される。次に、第3段階目として、PKに使用するボールの演出画像が表示される。このボールの画像(演出要素)も2種類(e、f)が設けられており、いずれか一方のボールの画像が表示される。次に、第4段階目として、味方キャラがボールを蹴る演出画像が表示される。ボールを蹴る演出画像(演出要素)も2種類(g、h)が設けられており、いずれか一方の画像が表示される。最後に、第5段階目として、敵キャラがゴールを守る演出画像が表示される。ゴールを守る演出画像(演出要素)も2種類(i、j)が設けられており、いずれか一方の画像が表示される。
【0065】
本実施例のサッカーリーチは、これら5段階の演出が順次進行していくように構成されており、各段階における2種類の演出要素のいずれかが様々に選択される複数の演出パターン(画像表示パターン及び音声出力パターン)が予め記憶されている。
【0066】
また、本実施例では、リーチ演出の実行に先立って、疑似連演出が実行される。疑似連演出は、特別図柄が1回変動表示する間に、3桁の演出図柄が仮停止を伴って複数回変動表示し、始動口への1回の遊技球入球によって図柄変動が複数回行われたように見せる演出表示である。疑似連演出では、3桁の演出図柄が特別図柄と同時に変動開始し、特別図柄の変動表示中に3桁の演出図柄が少なくとも1回の仮停止および再変動を行った後、特別図柄が所定の停止図柄で停止表示するのに合わせて3桁の演出図柄が特別図柄に対応する停止図柄で本停止する。
【0067】
本実施例では、特別図柄の変動回数(1回)を超えて行われる3桁の演出図柄の変動回数、つまり3桁の演出図柄の仮停止後に行われる再変動の回数を「疑似連回数」としている。このため、特別図柄変動中における3桁の演出図柄の2回目の変動表示(1回目の再変動表示)が「疑似連1回目」となり、3桁の演出図柄の3回目の変動表示(2回目の再変動表示)が「疑似連2回目」となる。
【0068】
本実施例の疑似連演出中には、「疑似連演出後に行われるリーチ演出の実行内容の一部を示す特殊図柄」を演出表示装置25の表示領域Vに表示する「リーチ内容示唆演出」が実行される。リーチ内容示唆演出は、疑似連演出が終了するまで継続する演出であって、3桁の演出図柄が再変動する度に新たな特殊図柄を表示する演出である。また、リーチ内容示唆演出は、後に行われるリーチ演出に対応付けて複数パターンの演出(表示する特殊図柄の種類が異なる演出)が設定されている。疑似連演出中にリーチ内容示唆演出が実行されることで、遊技者はリーチ演出の開始前にその後の展開の一部を認識することができる。なお、特殊図柄が本発明の「リーチ示唆情報」に相当している。
【0069】
リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄は、後に行われるリーチ演出の内容を絞り込む情報を有するものであればよく、例えば、「後に行われるサッカーリーチで使用されるサッカーボールの種類」を示す特殊図柄Aや、「後に行われるサッカーリーチ中に登場する敵キャラの種類」を示す特殊図柄B等が挙げられる。
【0070】
また、本実施例のリーチ内容示唆演出では、特殊図柄の表示に先立って、これから表示する特殊図柄の数を示す特殊図柄数表示演出が行われる。
【0071】
図4〜図6は、疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。図4は特別図柄の変動パターン1(変動時間30秒)に対応する演出図柄の演出パターンA〜D(疑似連回数1回)を示し、図5は特別図柄の変動パターン2(変動時間40秒)に対応する演出図柄の演出パターンE〜H(疑似連回数2回)を示し、図4は特別図柄の変動パターン3(変動時間50秒)に対応する演出図柄の演出パターンI、J(疑似連回数2回)を示している。なお、変動パターン1は、上述した「疑似1用大当り変動パターン」と「疑似1用リーチあり外れ変動パターン」に含まれ、変動パターン2,3は、上述した「疑似2用大当り変動パターン」と「疑似2用リーチあり外れ変動パターン」に含まれる。また、図4〜図6に示す演出パターンA〜Jで行われる疑似連演出は、全てリーチ内容示唆演出を行う疑似連演出パターンとなっており、各演出パターンでリーチ内容示唆演出の内容が異なるものとされている。
【0072】
また、図4〜図6に示すように、演出パターンA〜Jで行われるリーチ演出は、上述したサッカーリーチを示す演出パターンであり、演出画像や演出音から成る10種類の演出要素a〜jのうち5種類の演出要素から構成されている。各演出要素a〜jは、演出段階に分けて2つずつグループ化されており、第1段階(味方キャラのセリフ)に属する演出要素a、bと、第2段階(敵キャラの種類)に属する演出要素c、dと、第3段階(サッカーボールの種類)に属する演出要素e、fと、第4段階(味方キャラの攻撃の強弱)に属する演出要素g、hと、第5段階(敵キャラの守りの強弱)に属する演出要素i、jとに大別される。なお、一の演出パターンに対し、同一段階の演出要素が2つ設定されることはない。また、各段階の演出要素には、相対的な大当り信頼度が個別に設定されており、第1段階の大当り信頼度は「a<b」であり、第2段階の大当り信頼度は「c<d」であり、第3段階の大当り信頼度は「e<f」であり、第4段階の大当り信頼度は「g<h」であり、第5段階の大当り信頼度は「i<j」となるように関係付けられている。
【0073】
このため、各演出パターンA〜Jのリーチ演出は、演出要素a〜jの組合せによって大当り信頼度が異なっている。具体的には、演出パターンAが大当り信頼度10%、演出パターンBが大当り信頼度15%、演出パターンCが大当り信頼度20%、演出パターンDが大当り信頼度25%、演出パターンEが大当り信頼度30%、演出パターンFが大当り信頼度35%、演出パターンGが大当り信頼度45%、演出パターンHが大当り信頼度50%、演出パターンIが大当り信頼度55%、演出パターンJが大当り信頼度60%となっている。なお、「大当り信頼度が高い演出パターン」は、大当り抽選で「大当り」と判定されたとき(疑似1用大当り変動パターンあるいは疑似2用大当り変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が高く、大当り抽選で「外れ」と判定されたとき(疑似1用リーチあり外れ変動パターンあるいは疑似2用リーチあり外れ変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が低い演出パターンである。一方、「大当り信頼度が低い演出パターン」は、大当り抽選で「大当り」と判定されたとき(疑似1用大当り変動パターンあるいは疑似2用大当り変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が低く、大当り抽選で「外れ」と判定されたとき(疑似1用リーチあり外れ変動パターンあるいは疑似2用リーチあり外れ変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が高い演出パターンである。
【0074】
次に、疑似連回数が2回である演出パターンE(図5)の疑似連演出の流れを図7を用いて説明する。図7は、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示の対応関係を示している。演出パターンEでは、疑似連演出中に行われるリーチ内容示唆演出にて「3個」の特殊図柄が表示される様子を示している。
【0075】
まず、特別図柄の変動開始に伴って、演出表示装置25の表示領域Vで演出図柄が変動開始する(初回変動)。その後、3桁の演出図柄が1回目の仮停止をして、3桁の演出図柄の仮停止中に特殊図柄数表示演出が行われる。演出パターンEの特殊図柄数表示演出では、演出表示装置25の表示領域Vに設けられた表示部25dに、後に表示される特殊図柄の数を示す「1!?」が表示され、後に少なくとも1個の特殊図柄が表示されることが示唆される。
【0076】
そして、3桁の演出図柄が仮停止を経て再変動を開始すると(疑似連1回目)、演出図柄の再変動中に、特殊図柄を表示するリーチ内容示唆演出が行われる。リーチ内容示唆演出では、演出表示装置25の表示領域Vに設けられた表示部25eに、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jの何れかを示す特殊図柄を表示することで行われる。図7に示す例では、最初に演出要素aを示す特殊図柄である「特殊図柄a」が表示される。これにより、後に行われるリーチ演出中に演出要素a(弱セリフ)が実行されることを遊技者に認識させることができる。
【0077】
続いて疑似連演出が継続することを示す疑似連継続用の特殊図柄である「特殊図柄x」が表示される。この特殊図柄xは、他の特殊図柄と性質が異なり、疑似連演出が継続することだけを示すものである。
【0078】
次に、3桁の演出図柄が2回目の仮停止をする。演出図柄の2回目の仮停止中に、2回目の特殊図柄数表示演出が行われる。演出パターンEでは、2回目の特殊図柄数表示演出として表示部25dに「2!」が表示され、後に少なくとも2個の特殊図柄が表示されることが示唆される。
【0079】
そして、3桁の演出図柄が2回目の仮停止を経て2回目の再変動を開始すると(疑似連2回目)、演出図柄の2回目の再変動中に、新たな特殊図柄を表示するリーチ内容示唆演出が行われる。疑似連2回目の演出図柄変動中には、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jのうち、演出要素gを示す「特殊図柄g」が表示部25eに表示され、続いて演出要素jを示す「特殊図柄j」が表示部25eに表示される。これにより、後に行われるリーチ演出中に演出要素a(味方キャラのセリフ弱)に加え、演出要素g(味方キャラの攻撃:弱)と演出要素j(敵キャラの守り:強)が実行されることを遊技者に認識させることができる。
【0080】
次に、疑似連演出からリーチ演出に移行する。演出パターンEのリーチ演出では、リーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jが「演出要素a」→「演出要素c」→「演出要素e」→「演出要素g」→「演出要素j」の順で表示される。なお、本実施例では、リーチ演出の演出要素a、c、e、g、jのうちリーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jによって特定された演出要素a、g、jが表示される順番(「演出要素a」→「演出要素g」→「演出要素j」)は、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番(「特殊図柄a」→「特殊図柄g」→「特殊図柄j」)に対応している。
【0081】
また、リーチ演出中も表示部25eに特殊図柄が表示されたまま維持され、対応する演出要素が実行されることで、表示部25eの特殊図柄表示が「実施済み」を示す表示となる。図7に示す例では、リーチ演出中において、表示部25eの「特殊図柄a」に対応する箇所が斜線で示され、「実施済み」であることを示している。そして、特別図柄が停止表示することで、演出図柄も停止表示する。
【0082】
なお、図柄変動演出、疑似連演出、疑似連開始演出、特殊図柄数表示演出、リーチ演出の実行は、サブ制御部260によって行われる。このためサブ制御部260が本発明の「演出図柄表示手段」、「演出図柄再変動手段」、「リーチ演出実行手段」、「リーチ示唆情報報知手段」に相当している。
【0083】
演出図柄表示部25aにおける演出図柄(数字図柄、背景図柄、キャラクタ図柄など)の演出パターンおよび停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、疑似連演出の実行有無、疑似連演出での演出図柄の仮停止及び再変動の回数、リーチ演出の実行有無等の演出内容を示している。主制御部200は、上述した変動パターンテーブルを用いて、大当り抽選(特別図柄当否判定)の結果に応じた特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンの種類を示す変動パターン指定コマンドをサブ制御部260が受信すると、その受信したコマンドに基づいて、演出図柄表示部25aの各図柄表示領域25a〜25cで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。本実施例の演出図柄の演出パターンには、特別図柄の1回の変動表示に対応して、演出図柄を複数回変動表示させる疑似連あり演出パターンと、特別図柄の1回の変動表示に対応して、演出図柄を1回変動表示させる疑似連なし演出パターンとが含まれている。
【0084】
また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される停止情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、大当り抽選(特別図柄当否判定)の結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aの各図柄表示領域25a〜25cで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。そして、サブ制御部260により決定された演出図柄の演出パターンおよび停止図柄を示す表示制御コマンドが演出表示制御部280に向けて送信され、それらコマンドを受信した演出表示制御部280が、演出表示装置25の表示制御(演出図柄の変動表示および停止表示)を実行する。
【0085】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図8に基づいて説明する。図8は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0086】
図8に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
【0087】
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0088】
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0089】
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当り抽選)を行う当否判定手段(大当り抽選実行手段)を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定(大当り抽選)を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから大当り変動パターン(疑似1用大当り変動パターンと疑似2用大当り変動パターンを含む)を決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
【0090】
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51(1個のLED)、特別図柄表示部61(7セグメント表示装置)、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
【0091】
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
【0092】
発射制御部250は、遊技盤上への遊技球の発射を制御する発射制御手段を構成しており、発射制御基板250aは、発射モータ(図示略)、タッチスイッチ8a、発射停止スイッチ8b等が接続されている。発射モータは、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌を稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。また、発射制御基板250aには、遊技者による発射ハンドル8の操作量を示す発射ボリューム信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチ端子信号等が入力される。
【0093】
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
【0094】
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、大当り遊技終了後の遊技進行形態である変動モードを指定するモード指定コマンド、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
【0095】
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
【0096】
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されており、アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ10a〜10dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示パターンの選択・実行処理等を行う。
【0097】
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図9は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図9に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
【0098】
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
【0099】
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
【0100】
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
【0101】
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図10、図11のフローチャートに基づいて説明する。特別図柄遊技処理(S500)では、まず、図10(a)に示すように、始動口28(第1始動口28aまたは第2始動口28b)に入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S504の処理に移行する。一方、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S502:NO)、S504の処理に移行し、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数を取得してRAMの所定領域に記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。特別図柄用乱数を取得することにより、特別図柄保留数が1増加する。
【0102】
次に、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S504)。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S504:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S504:NO)、さらに、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。
【0103】
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS509の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、さらに、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数が「ゼロ」であるか否かを判定する(S507)。
【0104】
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、特別図柄変動表示関連処理を行う(S508)。
【0105】
ここで、特別図柄変動表示関連処理(S508)を図11のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。
【0106】
次に、S508bで行った特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する(S508d)。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない(外れである)と判定された場合には(S508c:NO)、外れ時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する(S508g)。外れ時変動パターンテーブル振分処理では、リーチ乱数を用いてリーチ変動を伴うリーチあり外れであるか否かを判定し、リーチあり外れの場合は、リーチあり外れ変動パターンテーブルをセットし、リーチあり外れの場合は、リーチなし外れ変動パターンテーブルをセットする。
【0107】
次に、変動パターン決定乱数を取得するとともに、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数(第1始動口28aまたは第2始動口28bへの遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S508h)。
【0108】
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508i)。特別図柄の変動パターンは、S508hで取得した特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、S508d、S508gの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルに規定される複数種類の変動パターンの中から一の変動パターンを選択する。また、特別図柄の停止図柄は、S508hで読み出した図柄決定用乱数を用いて、特別図柄の停止図柄の種類(特別図柄表示部61におけるLEDの表示パターン)を決定する。
【0109】
次に、S508iで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し(S508j)、これに付随して、図柄変動開始時コマンドとしての特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S508k)。変動パターン指定コマンドは、S508iで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。この変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信すると、これらコマンド(図柄変動開始時コマンド)を受信したサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。そして、特別図柄保留数を1減算する(S508l)。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
【0110】
次に、図10(a)に戻り、上記S503の処理で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S508)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S509)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S510)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S511)。
【0111】
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S512)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S512:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S512:YES)、特別図柄表示部61に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄である否かを判定する(図10(b)のS513)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S513:YES)、大当り遊技フラグをONにセットする(S514)。これにより、大当り遊技が開始される。
【0112】
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S515)、確変フラグがONであると判定された場合は(S515:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S516)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S517)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S518)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【0113】
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定し(S519)、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S519:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S519:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S517)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S518)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【0114】
次に、上記S513の判定処理で、特別図柄表示部61に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(外れ図柄の場合)には(S513:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S520)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S520:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S520:YES)、変動短縮カウンタから「1」を減算する(S521)。なお、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を監視するためのものであり、大当り遊技の終了時に、その大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類(大当り遊技の発生時の遊技状態)に応じて後述のS614の処理(図12参照)で所定の設定値がセットされる。
【0115】
そして、S521で「1」を減算した変動短縮カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S522:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S522:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S523)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S524)。
【0116】
これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。そして、サブ制御部260に変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動しない低確率通常変動モードであることを示す遊技状態指定コマンドを送信する(S525)。この遊技状態指定コマンドを受けたサブ制御部260では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が非作動の状態(通常状態)である旨を示す文字やキャラクタや背景等を演出表示装置25の表示領域に表示する処理を行う。
【0117】
次に、大当り遊技処理(S600)について図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか否か)を判定する(S604)。
【0118】
この結果、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、当り遊技処理を終了し、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
【0119】
また、上記S602の判定処理で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。S606の判定処理は、大当り遊技のラウンド数が最大継続ラウンド数である15ラウンドに達したか否かを判定する。
【0120】
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
【0121】
上記S606の判定処理で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S609)。これにより、大当り遊技が終了する。
【0122】
次に、終了した大当り遊技を開始させる起因となった大当り図柄の種類が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S610)。
【0123】
この結果、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」であると判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットする(S611)。これにより、確率変動機能が作動開始する。一方、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」でない(「通常大当り図柄」である)と判定された場合には(S610:NO)、確変フラグをONにセットする(S611)を行うことなく、S612の処理に移行する。そして、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットし(S613)、変動短縮カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値をセットする(S614)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。なお、本実施例では、終了した大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類が確変大当り図柄である場合(S610:YES)には、変動短縮カウンタに「10,000」をセットし、通常大当り図柄である場合(S610:NO)には、変動短縮カウンタに「100」をセットすることとしている。これにより、確変大当り図柄の停止表示を契機とする大当り遊技の終了後は、確率変動機能が作動するとともに、特別図柄の変動回数が10,000回に到達するまで変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動する。つまり、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能のすべてが、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。また、通常大当り図柄の停止表示を契機とする大当り遊技の終了後は、確率変動機能が作動することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで作動する。
【0124】
次に、サブ制御部260が実行する保留発生時演出処理について図13のフローチャートに基づいて説明する。図13は、サブ制御部260の制御下で行われる保留発生時演出処理の一例であり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図13に示す保留発生時演出処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。
【0125】
まず、S508kの処理(図11)で主制御部200が送信する図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S700:NO)、図柄変動開始時コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄変動開始時コマンドを受信したと判定された場合には(S700:YES)、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターンを含む)であるか否かを判定する(S701)。この結果、リーチ演出を伴う変動パターンであると判定された場合には(S701:YES)、変動パターンの種類に基づき、リーチ演出の種類(リーチ演出の演出パターン)を決定する(S702)。本実施例では、「リーチを伴う変動パターン」は異なる変動時間の変動パタ−ンが多数設けられており、各変動パターンに対してリーチ演出のパターンが一義的に対応づけられている。例えば、「リーチを伴う変動パターン」として「変動パターンA」を指定する変動パターン指定コマンドを受けた場合には、リーチ演出の種類として、それに一義的に対応する対応する演出パターンAが設定されることとなる。そして、このS702の処理により、リーチ演出を構成する演出要素が決定される。
【0126】
次に、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが、疑似連演出用の変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターン)であるか否かを判定する(S703)。この結果、疑似連演出用の変動パターンであると判定された場合には(S703:YES)、S702の処理で決定したリーチ演出の種類に基づき、リーチ内容示唆演出の演出パターンを設定する(S704)。具体的には、本実施例では、「リーチ内容示唆演出の演出パターン」は、疑似連演出用の変動パターンの各々に対して複数種類ずつ設けられており(前述の演出パターンA〜D、E〜H、I、J等)、サブ制御部260によりリーチ内容示唆演出の演出パターンを決定するための「演出パターン決定抽選」を行うことで、一の演出パターンが決定され、当該演出パターンがリーチ内容示唆演出の演出パターンとして設定される。
【0127】
次に、演出表示装置25の表示領域で3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S705)、演出図柄を仮停止させ(S706)、先に決定したリーチ内容示唆演出の演出パターンに従って、3桁の演出図柄の仮停止中に特殊図柄数表示演出を実行する(S707)。そして、3桁の演出図柄の再変動を開始し(S708)、演出図柄の再変動中にリーチ内容示唆演出を実行する(S709)。リーチ内容示唆演出では、先に決定したリーチ内容示唆演出の演出パターンに従って、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素の何れかを示す特殊図柄を順次表示する演出を行う。
【0128】
次に、疑似連演出を継続するか否かを判定する(S710)。S710の判定処理は、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が限度回数に達したか否かによって、疑似連演出を継続するか否かを判定する。ここで、疑似連回数の限度回数とは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが「疑似1用大当り変動パターン」または「疑似1用リーチあり外れ変動パターン」である場合には「1回」が相当し、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが「疑似2用大当り変動パターン」または「疑似2用リーチあり外れ変動パターン」である場合には「2回」が相当するものである。限度回数の計数は、S708における3桁の演出図柄の再変動の開始により「1」が加算される。
【0129】
そして、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が未だ限度回数に達しておらず、疑似連演出を継続すると判定された場合には(S710:YES)、S706の処理に戻り、S706〜S710の処理を再度実行する。一方、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が限度回数に達し、疑似連演出を継続しないと判定された場合には(S710:NO)、疑似連演出を終了してリーチ演出を実行する(S711)。リーチ演出では、リーチ演出を構成する演出要素(リーチ内容示唆演出で表示された特殊図柄で示される演出要素を含む)を順次表示するリーチ演出が行われる。また、本実施例では、リーチ内容示唆演出を受けて実行されるリーチ演出中は、リーチ内容示唆演出で表示された特殊図柄を表示部25eに表示したまま維持することとしている。そして、リーチ演出の進行に応じて、表示されている特殊図柄に対応するリーチ演出の進行段階に達することで(表示されている特殊図柄に対応する演出要素a〜jが表示されることで)、表示部25eに表示される特殊図柄を「実施済み」の表示変更することとしている。
【0130】
次に、S511の処理で主制御部200が送信する図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S712)。この結果、図柄停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S712:NO)、図柄停止コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄停止コマンドを受信したと判定された場合には(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示させる(S713)。
【0131】
次に、上記S703の判定処理で、疑似連演出用の変動パターンでないと判定された場合には(S703:NO)、3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S714)、リーチ内容示唆演出および疑似連演出を伴わない通常の変動表示演出を実行する(S715)。そして、通常のリーチ演出を実行し(S711)、主制御部200から図柄停止コマンドを受信することで(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示する(S713)。
【0132】
次に、上記S701の判定処理で、リーチ演出を伴う変動パターンでないと判定された場合には(S701:NO)、3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S716)、主制御部200から図柄停止コマンドを受信することで(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示する(S713)。
【0133】
ここで、図10〜図13のフローチャートに示した処理と本発明の各手段との対応について説明しておくと、「S508〜S510の処理(図10(a)、図11)」が「抽選図柄表示手段」に対応し、「S700〜S716の処理(図13)」が「演出図柄表示手段」に対応し、「S705〜S710の処理(図13)」が「演出図柄再変動手段」に対応し、「S711の処理(図13)」が「リーチ演出実行手段」に対応している。
【0134】
以上説明した本実施例では、疑似連演出の進行に応じて、後に行われるリーチ演出を構成する演出要素を示す複数の特殊図柄を順次表示するリーチ内容示唆演出を実行することで、後に行われるリーチ演出の内容を遊技者に示唆することができる。さらに、本実施例では、疑似連演出中に、演出図柄の仮停止および再変動の回数が増加する毎にリーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄が増加し、特殊図柄で示されるリーチ演出の内容が徐々に具現化されることとなる。この結果、「疑似連演出が継続するにしたがってリーチ演出の内容を徐々に判明させ、これに応じてリーチ演出の大当り信頼度を推測させる」という新規な遊技性を提供することができる。
【0135】
また、本実施例では、リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄の数が複数パターン設定されており、リーチ演出の内容を徐々に判明させるバリエーションを多彩にすることができ、上述したゲーム性を一層効果的に実現できる。
【0136】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0137】
例えば、上記実施例では、リーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jで特定された演出要素a、g、jがリーチ演出中に表示される順番を、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番に対応するように構成したが、これに限らず、リーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jで特定された演出要素a、g、jがリーチ演出中に表示される順番を、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番と異ならせるようにしてもよい。
【0138】
具体的には、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが「特殊図柄a」→「特殊図柄g」→「特殊図柄j」の順番で表示された場合に、特殊図柄a、g、jで特定される演出要素a、g、jを、「演出要素j」→「演出要素g」→「演出要素a」や「演出要素g」→「演出要素j」→「演出要素a」の順番等で表示されるようにすることができる。このように、リーチ内容示唆演出の特殊図柄表示順序とリーチ演出の演出要素の表示順序を対応させないことによって、リーチ演出における演出要素の出現に意外性を持たせることができるとともに、後から行われるリーチ演出の内容を判明させるバリエーションを多様化することができる。
【0139】
また、上記実施例では、疑似連演出中に実行されるリーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄とリーチ演出を構成する演出要素が一対一で対応するように構成したが、リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄とリーチ演出を構成する演出要素は、必ずしも一対一で対応している必要はない。例えば、図4の変動パターンAにおいて、リーチ内容示唆演出で「特殊図柄a、z」と表示し、その後に行われるリーチ演出では「特殊図柄a、z」で示される演出要素a、zのうち演出要素aのみが現れるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…遊技機、25…演出表示装置、61…特別図柄表示部、200…主制御部(抽選図柄表示手段)、260…サブ制御部(演出図柄表示手段、演出図柄再変動手段、リーチ演出実行手段、リーチ示唆情報報知手段)、280…演出表示制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機では、始動口への遊技球入球を契機として大当り抽選(当否判定)を行い、該大当り抽選の結果を受けて特別図柄の変動表示を開始し、大当り抽選の結果が大当りの場合には特別図柄を大当り図柄で停止表示させて大当り遊技を実行するように構成されている。このようなパチンコ遊技機の中には、特別図柄の1回の変動表示期間中に、特別図柄と異なる演出図柄の変動表示および仮停止表示が複数回行われる「疑似連変動期間」と、疑似連変動期間に続く「リーチ変動期間」とが実行されるものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のパチンコ遊技機では、疑似連変動期間中に、今回の大当り抽選の結果が大当りであるか否かに関する「当り信頼度」を示す特定の画像を表示することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、疑似連変動期間中に当り信頼度を示すことは多くのパチンコ遊技機で実施されており、単に当り信頼度を示すだけでは遊技興趣を向上させることが困難となっている。
【0005】
そこで、本発明は上記点に鑑み、疑似連変動期間に特殊な演出を行うことによって遊技興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
始動口への遊技球入球を契機として当否判定を行い、該当否判定の結果を受けて抽選図柄の変動表示を開始し、該当否判定の結果が当りの場合に、前記抽選図柄を当り図柄で停止表示させて当り遊技を実行する遊技機において、
前記当否判定の結果を受けて、前記抽選図柄を変動表示および停止表示させる抽選図柄表示手段と、
前記抽選図柄の変動表示に対応して演出図柄を変動表示させ、前記抽選図柄の停止表示に対応して前記演出図柄を停止表示させる演出図柄表示手段と、
前記抽選図柄の1回の変動表示中に、前記演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う演出図柄再変動手段と、
前記疑似連演出の実行後に、前記演出図柄を所定のリーチ状態とするリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段と、
後に行われる前記リーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するリーチ示唆情報報知手段と、を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、
前記リーチ示唆情報として、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知することを特徴としている。
【0007】
このように、後に実行されるリーチ演出の進行内容の一部を示唆する複数のリーチ示唆情報を、演出図柄の仮停止及び再変動が行われる度に順次報知することで、「演出図柄の仮停止及び再変動が行われる回数が増加するにつれて、リーチ演出の内容が徐々に判明する」こととなり、その判明度合いにより当り信頼度を遊技者に推測させる新規な演出が実現できる。これにより、疑似連変動期間中に新たな態様で遊技興趣を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の遊技機では、前記リーチ示唆情報報知手段が前記リーチ示唆情報を報知する前に、前記リーチ示唆情報報知手段によって報知される前記リーチ示唆情報の数を報知する数値情報報知手段を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、前記数値情報報知手段によって報知された数値情報に対応する数の前記リーチ示唆情報を報知することを特徴としている。
【0009】
これにより、リーチ演出の進行過程を示唆するリーチ示唆情報の報知個数を様々に示した後で、その個数に対応するリーチ示唆情報の報知が行われることとなり、リーチ演出の内容を判明させるバリエーションを多様化することができる。
【0010】
また、本発明の遊技機では、前記リーチ演出の進行中に、該リーチ演出に先立って報知された前記リーチ示唆情報を表示するリーチ示唆情報表示手段を備えることを特徴としている。
【0011】
これにより、先に報知されたリーチ示唆情報を遊技者が確認しながらリーチ演出を進行させることができ、今後のリーチ演出の展開に遊技者を一層注目させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、疑似連変動期間に特殊な演出を行うことによって遊技機において、遊技興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例の遊技機を示す正面図である。
【図2】遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図3】リーチ演出の具体例を示す説明図である。
【図4】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図5】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図6】疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。
【図7】疑似連演出の流れを示す説明図である。
【図8】電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】メインジョブの流れを示すフローチャートである。
【図10(a)】特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図10(b)】特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】特別図柄変動表示処理を示すフローチャートである。
【図12】大当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動演出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
【0015】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、外枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0016】
外枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠3はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。なお、遊技盤20は枠体部(中枠3)に対して着脱自在に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
【0017】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(操作手段)や球貸ボタン5e等が設けられている。
【0019】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0020】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
【0021】
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0022】
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
【0023】
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【0024】
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
【0025】
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
【0026】
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図8参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
【0027】
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
【0028】
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。すなわち、本実施例の始動口28は、遊技球の入球が困難な閉塞状態と遊技球の入球が容易な開放状態とに切替可能に構成されている。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
【0029】
始動口28の内部には、第1始動口28aまたは第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図8参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図8参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が第1始動口28a、第2始動口28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。なお、以下の説明における「遊技球が始動口28に入球する」旨の記載は、特段の理がない限り、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球することを意味する。
【0030】
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図8参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図8参照)とから主に構成されている。
【0031】
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0032】
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。一方、第2装飾部材60には、特別図柄表示部61が設けられている。特別図柄表示部61は、特別図柄の変動表示と複数の表示パターンで特別図柄の停止表示を行うことができればよく、7セグメント表示装置や、複数のLEDを組合せたLED表示装置等によって構成することができる。本実施例では、特別図柄表示部61として7セグメント表示装置を用いている。
【0033】
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
【0034】
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
【0035】
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
【0036】
次に、特別図柄表示部61による特別図柄の表示について説明する。上述したように、本実施例の特別図柄表示部61は7セグメント表示装置によって構成されている。特別図柄表示部61は、各セグメントの点灯および消灯が可能となっており、これら各セグメントの点灯および消灯の組合せにより複数の表示態様を採ることができる。特別図柄表示部61で表示される特別図柄のうち、特定の組合せが大当り図柄として設定されており、大当り図柄以外が外れ図柄として設定されている。なお、本実施例では、大当り図柄が複数設定されており、具体的には、後述のように「確変大当り図柄」と「通常大当り図柄」とが設定されている。
【0037】
次に、始動口28(第1始動口28aまたは第2始動口28b)に遊技球が入球することによって、特別図柄表示部61で特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される図柄変動遊技が行われる。
【0038】
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得される特別図柄用乱数として、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの大当り抽選(特別図柄当否判定)に用いられる大当り抽選乱数(特別図柄当否判定用乱数)、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数が設けられている。
【0039】
始動口28への遊技球の入球に伴って、特別図柄用乱数(大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数、リーチ乱数)が取得され、この取得された特別図柄用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に保留として記憶される。
【0040】
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
【0041】
始動口28に入球した遊技球の数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される特別図柄用乱数(大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、大当り抽選(特別図柄当否判定)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
【0042】
大当り抽選は、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致するか否かを判定すること(当否判定)によって行われ、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する場合に「大当り」と判定され、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致しない場合に「外れ」と判定される。大当り抽選が「外れ」の場合には、リーチ乱数を用いて、リーチ変動を伴う「リーチあり外れ」であるか、あるいはリーチ変動を伴わない「リーチなし外れ」であるかが決定される。大当り抽選は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。大当り当選値は、抽選テーブルに予め設定されており、後述する確率変動機能が作動している場合には、大当り当選値が多く設定された高確率抽選テーブルが用いられ、確率変動機能が作動していない場合には、大当り当選値が少なく設定された低確率抽選テーブルが用いられる。
【0043】
大当り抽選の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。大当り図柄の種類は、特別図柄決定用乱数を用いて決定される。特別図柄決定用乱数で決定される大当り図柄が確変大当り図柄の場合には、大当りの種類が確率変動機能の作動を伴う確変大当りとなり、特別図柄決定用乱数で決定される大当り図柄が通常大当り図柄の場合には、大当りの種類が確率変動機能の作動を伴わない通常大当りとなる。一方、大当り抽選の結果が大当りでない場合には、外れであり、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。
【0044】
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するもので、複数種類の変動パターンが変動パターン決定用の乱数値と対応付けて変動パターンテーブルに含まれている。特別図柄の変動パターンは、大当り抽選(特別図柄当否判定)が実行されて特別図柄の変動表示が開始される際に、変動パターンテーブルから抽選により選択される。本実施例では、大当り抽選の結果が大当りの場合に選択される大当り変動パターンを規定する大当り変動パターンテーブルと、大当り抽選の結果がリーチ変動を伴うリーチあり外れの場合に選択されるリーチあり外れ変動パターンを規定するリーチあり外れ変動パターンテーブルと、大当り抽選の結果がリーチ変動を伴わないリーチなし外れの場合に選択されるリーチなし外れ変動パターンを規定するリーチなし外れ変動パターンテーブルとが設けられている。なお、本実施例では、リーチ演出を伴う変動パターン(大当り変動パターン、リーチあり外れ変動パターン)では、リーチ演出に先立って、後述の疑似連演出が実行される。疑似連演出についての詳細は後述するが、簡潔に説明すると、疑似連演出は、「特別図柄が1回変動表示する間に、演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回(本実施例では、1回又は2回)行う演出」である。このため、リーチ演出を伴う変動パターンとしては、演出図柄の仮停止および再変動が1回行われることに対応する疑似1用リーチあり外れ変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が2回行われることに対応する疑似2用リーチあり外れ変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が1回行われることに対応する疑似1用大当り変動パターンと、演出図柄の仮停止および再変動が2回行われることに対応する疑似2用大当り変動パターンと、が設けられている。これら疑似連演出用の変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターン)の各々は、対応するリーチ演出のパターン(後述する)を異ならせて、それぞれ複数種類ずつ設けられる。
【0045】
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄の変動表示および停止表示(図柄変動遊技)は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。このため、主制御部200が本発明の「抽選図柄表示手段」に相当している。
【0046】
次に、特別遊技の一態様である大当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合(大当り抽選の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技を開始させる。
【0047】
大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始する。また、大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。大当り遊技は、後述の大当り遊技処理(S600)が繰り返し実行されることによって実現される。
【0048】
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
【0049】
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(本実施例では30秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
【0050】
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特典遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。
【0051】
大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を通常時の設定時間(通常時間)よりも延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。時短遊技は、主制御部200の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、第1開放時間(例えば0.1秒)であったのが第2開放時間(例えば4〜6秒)に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放時間延長機能非作動時)に比べて高くなる。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
【0052】
特別図柄当否判定の結果が大当りであり、その大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、大当り抽選の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。このように確率変動機能が作動している遊技状態を「高確率状態」ともいい、確率変動機能が作動していない遊技状態を「低確率状態」ともいう。なお、本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで「高確率状態」となるように構成されている。
【0053】
確率変動機能作動中は、大当り抽選用の大当り当選値が増加することで、大当り抽選の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、通常遊技中(確率変動機能非作動時)には、低確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率となり、確変遊技中(確率変動機能作動時)には、高確率抽選テーブルを用いて大当り抽選を行うことで、大当り抽選乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率となる。
【0054】
なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能は、主制御部200の制御により実現されるものである。
【0055】
演出表示装置25の表示領域Vでは、大当り遊技中に大当り遊技の進行に伴う当り関連演出が行われる。当り関連演出としては、大当り遊技開始時に実行される大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)、大当り遊技中に実行されるラウンド演出(大当り遊技演出)、大当り遊技終了時に実行される大当り遊技終了演出(エンディング演出)等がある。これらの当り関連演出は、後述のサブ制御部260が大当り遊技の進行に伴って主制御部200から送信されるコマンドに基づいて実行する。
【0056】
本実施例の遊技機1では、特別図柄表示部61を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置25にて所定の演出表示が行われる。演出表示装置25にて行われる演出表示としては、例えば特別図柄表示部61での特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる表示が挙げられる。なお、演出表示は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部280のROMに記憶されている。
【0057】
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。図2に示すように、演出表示装置25の表示領域Vには、3桁の演出図柄が表示され、第1演出図柄が表示される第1表示領域25a、第2演出図柄が表示される第2表示領域25b、第3演出図柄が表示される第3表示領域25cから構成された演出図柄表示領域が設けられている。各表示領域25a〜25cは、「1」〜「9」からなる第1〜第3演出図柄が表示可能となっており、3桁の演出図柄の配置方向と略直交する向き、この場合は、上下方向(縦方向)に沿って、上から下に向かって第1〜第3演出図柄が変動表示可能に設定されている。
【0058】
3桁の演出図柄は、特別図柄が変動表示を開始することにより一斉に変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されるときに、3桁の演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。本実施例では、3桁の演出図柄が全て同一の図柄組合せ(「7・7・7」等)が特別図柄の大当り図柄に対応する大当り態様となっており、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応する外れ態様となっている。
【0059】
本実施例では、3桁の演出図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に、演出表示装置25の表示領域にて、後述する「疑似連演出」や「リーチ演出」などの演出表示を行うように構成されている。リーチ演出は、3桁の演出図柄のうちの2桁の演出図柄(本実施例では第1演出図柄と第3演出図柄)が同一の図柄で停止表示した後に、最終停止図柄となる残り桁の演出図柄(本実施例では第2演出図柄)の変動表示が継続した状態で行われる演出表示である。
【0060】
本実施例には、複数パターンのリーチ演出が設けられており、各リーチ演出には、複数種類の演出画像(図柄、キャラクタのような、遊技者の視覚で認識できるもの)を順次表示する「画像表示パターン」と、所定の演出音(効果音、メロディ音、音声のような、遊技者の聴覚で認識できるもの)が出力される「音声出力パターン」とが様々に設定されている。そして、複数パターンのリーチ演出のうちのいずれかのリーチ演出が開始されると、当該リーチ演出に設定された画像表示パターンと音声出力パターンに従って、演出画像および演出音が出力される。また、本実施例では、各リーチ演出の各々に対し、「特別図柄の変動表示後に大当り遊技が発生する大当り信頼度」が対応付けられており、各リーチ演出に設定された画像表示パターンと音声出力パターンによって、当該当り信頼度を遊技者に示唆するように構成されている。
【0061】
本実施例では、リーチ演出として「サッカーリーチ」が設けられており、この「サッカーリーチ」は、味方キャラと敵キャラがPK対決をする演出動画で構成され、敵キャラが守るゴールに味方キャラの蹴ったボールが入らないことで外れを示し、敵キャラが守るゴールに味方キャラの蹴ったボールが入ることで大当りを示すリーチ演出である。
【0062】
そして、このサッカーリーチ中には、「味方キャラが発するセリフ画像およびセリフ音声」、「対戦する敵キャラ画像」、「使用されるサッカーボール画像」等の様々の演出要素が大当り信頼度の高低に対応付けて複数種類用意されており、「画像表示パターン」や「音声出力パターン」には、これらの演出要素(演出画像や演出音)が様々に設定されている。
【0063】
このサッカーリーチについて、図3を用いて具体的に説明する。図3は、1回のリーチ演出の進行段階(1〜5)に応じて表示される演出内容と、その具体的な演出要素(a〜j)が記載されている。
【0064】
サッカーリーチが開始されると、先ず第1段階目として、味方キャラ(キッカー)が登場してセリフを発する演出画像が表示される。この味方キャラのセリフ画像(演出要素)としては2種類(a、b)が設けられており、いずれか一方のセリフ画像が表示される。次に、第2段階目として、敵キャラ(キーパー)が登場する演出画像が表示される。この敵キャラの画像(演出要素)も2種類(c、d)が設けられており、いずれか一方の敵キャラの画像が表示される。次に、第3段階目として、PKに使用するボールの演出画像が表示される。このボールの画像(演出要素)も2種類(e、f)が設けられており、いずれか一方のボールの画像が表示される。次に、第4段階目として、味方キャラがボールを蹴る演出画像が表示される。ボールを蹴る演出画像(演出要素)も2種類(g、h)が設けられており、いずれか一方の画像が表示される。最後に、第5段階目として、敵キャラがゴールを守る演出画像が表示される。ゴールを守る演出画像(演出要素)も2種類(i、j)が設けられており、いずれか一方の画像が表示される。
【0065】
本実施例のサッカーリーチは、これら5段階の演出が順次進行していくように構成されており、各段階における2種類の演出要素のいずれかが様々に選択される複数の演出パターン(画像表示パターン及び音声出力パターン)が予め記憶されている。
【0066】
また、本実施例では、リーチ演出の実行に先立って、疑似連演出が実行される。疑似連演出は、特別図柄が1回変動表示する間に、3桁の演出図柄が仮停止を伴って複数回変動表示し、始動口への1回の遊技球入球によって図柄変動が複数回行われたように見せる演出表示である。疑似連演出では、3桁の演出図柄が特別図柄と同時に変動開始し、特別図柄の変動表示中に3桁の演出図柄が少なくとも1回の仮停止および再変動を行った後、特別図柄が所定の停止図柄で停止表示するのに合わせて3桁の演出図柄が特別図柄に対応する停止図柄で本停止する。
【0067】
本実施例では、特別図柄の変動回数(1回)を超えて行われる3桁の演出図柄の変動回数、つまり3桁の演出図柄の仮停止後に行われる再変動の回数を「疑似連回数」としている。このため、特別図柄変動中における3桁の演出図柄の2回目の変動表示(1回目の再変動表示)が「疑似連1回目」となり、3桁の演出図柄の3回目の変動表示(2回目の再変動表示)が「疑似連2回目」となる。
【0068】
本実施例の疑似連演出中には、「疑似連演出後に行われるリーチ演出の実行内容の一部を示す特殊図柄」を演出表示装置25の表示領域Vに表示する「リーチ内容示唆演出」が実行される。リーチ内容示唆演出は、疑似連演出が終了するまで継続する演出であって、3桁の演出図柄が再変動する度に新たな特殊図柄を表示する演出である。また、リーチ内容示唆演出は、後に行われるリーチ演出に対応付けて複数パターンの演出(表示する特殊図柄の種類が異なる演出)が設定されている。疑似連演出中にリーチ内容示唆演出が実行されることで、遊技者はリーチ演出の開始前にその後の展開の一部を認識することができる。なお、特殊図柄が本発明の「リーチ示唆情報」に相当している。
【0069】
リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄は、後に行われるリーチ演出の内容を絞り込む情報を有するものであればよく、例えば、「後に行われるサッカーリーチで使用されるサッカーボールの種類」を示す特殊図柄Aや、「後に行われるサッカーリーチ中に登場する敵キャラの種類」を示す特殊図柄B等が挙げられる。
【0070】
また、本実施例のリーチ内容示唆演出では、特殊図柄の表示に先立って、これから表示する特殊図柄の数を示す特殊図柄数表示演出が行われる。
【0071】
図4〜図6は、疑似連演出の内容を示すタイミングチャートである。図4は特別図柄の変動パターン1(変動時間30秒)に対応する演出図柄の演出パターンA〜D(疑似連回数1回)を示し、図5は特別図柄の変動パターン2(変動時間40秒)に対応する演出図柄の演出パターンE〜H(疑似連回数2回)を示し、図4は特別図柄の変動パターン3(変動時間50秒)に対応する演出図柄の演出パターンI、J(疑似連回数2回)を示している。なお、変動パターン1は、上述した「疑似1用大当り変動パターン」と「疑似1用リーチあり外れ変動パターン」に含まれ、変動パターン2,3は、上述した「疑似2用大当り変動パターン」と「疑似2用リーチあり外れ変動パターン」に含まれる。また、図4〜図6に示す演出パターンA〜Jで行われる疑似連演出は、全てリーチ内容示唆演出を行う疑似連演出パターンとなっており、各演出パターンでリーチ内容示唆演出の内容が異なるものとされている。
【0072】
また、図4〜図6に示すように、演出パターンA〜Jで行われるリーチ演出は、上述したサッカーリーチを示す演出パターンであり、演出画像や演出音から成る10種類の演出要素a〜jのうち5種類の演出要素から構成されている。各演出要素a〜jは、演出段階に分けて2つずつグループ化されており、第1段階(味方キャラのセリフ)に属する演出要素a、bと、第2段階(敵キャラの種類)に属する演出要素c、dと、第3段階(サッカーボールの種類)に属する演出要素e、fと、第4段階(味方キャラの攻撃の強弱)に属する演出要素g、hと、第5段階(敵キャラの守りの強弱)に属する演出要素i、jとに大別される。なお、一の演出パターンに対し、同一段階の演出要素が2つ設定されることはない。また、各段階の演出要素には、相対的な大当り信頼度が個別に設定されており、第1段階の大当り信頼度は「a<b」であり、第2段階の大当り信頼度は「c<d」であり、第3段階の大当り信頼度は「e<f」であり、第4段階の大当り信頼度は「g<h」であり、第5段階の大当り信頼度は「i<j」となるように関係付けられている。
【0073】
このため、各演出パターンA〜Jのリーチ演出は、演出要素a〜jの組合せによって大当り信頼度が異なっている。具体的には、演出パターンAが大当り信頼度10%、演出パターンBが大当り信頼度15%、演出パターンCが大当り信頼度20%、演出パターンDが大当り信頼度25%、演出パターンEが大当り信頼度30%、演出パターンFが大当り信頼度35%、演出パターンGが大当り信頼度45%、演出パターンHが大当り信頼度50%、演出パターンIが大当り信頼度55%、演出パターンJが大当り信頼度60%となっている。なお、「大当り信頼度が高い演出パターン」は、大当り抽選で「大当り」と判定されたとき(疑似1用大当り変動パターンあるいは疑似2用大当り変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が高く、大当り抽選で「外れ」と判定されたとき(疑似1用リーチあり外れ変動パターンあるいは疑似2用リーチあり外れ変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が低い演出パターンである。一方、「大当り信頼度が低い演出パターン」は、大当り抽選で「大当り」と判定されたとき(疑似1用大当り変動パターンあるいは疑似2用大当り変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が低く、大当り抽選で「外れ」と判定されたとき(疑似1用リーチあり外れ変動パターンあるいは疑似2用リーチあり外れ変動パターンが設定されたとき)に選択される確率が高い演出パターンである。
【0074】
次に、疑似連回数が2回である演出パターンE(図5)の疑似連演出の流れを図7を用いて説明する。図7は、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示の対応関係を示している。演出パターンEでは、疑似連演出中に行われるリーチ内容示唆演出にて「3個」の特殊図柄が表示される様子を示している。
【0075】
まず、特別図柄の変動開始に伴って、演出表示装置25の表示領域Vで演出図柄が変動開始する(初回変動)。その後、3桁の演出図柄が1回目の仮停止をして、3桁の演出図柄の仮停止中に特殊図柄数表示演出が行われる。演出パターンEの特殊図柄数表示演出では、演出表示装置25の表示領域Vに設けられた表示部25dに、後に表示される特殊図柄の数を示す「1!?」が表示され、後に少なくとも1個の特殊図柄が表示されることが示唆される。
【0076】
そして、3桁の演出図柄が仮停止を経て再変動を開始すると(疑似連1回目)、演出図柄の再変動中に、特殊図柄を表示するリーチ内容示唆演出が行われる。リーチ内容示唆演出では、演出表示装置25の表示領域Vに設けられた表示部25eに、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jの何れかを示す特殊図柄を表示することで行われる。図7に示す例では、最初に演出要素aを示す特殊図柄である「特殊図柄a」が表示される。これにより、後に行われるリーチ演出中に演出要素a(弱セリフ)が実行されることを遊技者に認識させることができる。
【0077】
続いて疑似連演出が継続することを示す疑似連継続用の特殊図柄である「特殊図柄x」が表示される。この特殊図柄xは、他の特殊図柄と性質が異なり、疑似連演出が継続することだけを示すものである。
【0078】
次に、3桁の演出図柄が2回目の仮停止をする。演出図柄の2回目の仮停止中に、2回目の特殊図柄数表示演出が行われる。演出パターンEでは、2回目の特殊図柄数表示演出として表示部25dに「2!」が表示され、後に少なくとも2個の特殊図柄が表示されることが示唆される。
【0079】
そして、3桁の演出図柄が2回目の仮停止を経て2回目の再変動を開始すると(疑似連2回目)、演出図柄の2回目の再変動中に、新たな特殊図柄を表示するリーチ内容示唆演出が行われる。疑似連2回目の演出図柄変動中には、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jのうち、演出要素gを示す「特殊図柄g」が表示部25eに表示され、続いて演出要素jを示す「特殊図柄j」が表示部25eに表示される。これにより、後に行われるリーチ演出中に演出要素a(味方キャラのセリフ弱)に加え、演出要素g(味方キャラの攻撃:弱)と演出要素j(敵キャラの守り:強)が実行されることを遊技者に認識させることができる。
【0080】
次に、疑似連演出からリーチ演出に移行する。演出パターンEのリーチ演出では、リーチ演出を構成する演出要素a、c、e、g、jが「演出要素a」→「演出要素c」→「演出要素e」→「演出要素g」→「演出要素j」の順で表示される。なお、本実施例では、リーチ演出の演出要素a、c、e、g、jのうちリーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jによって特定された演出要素a、g、jが表示される順番(「演出要素a」→「演出要素g」→「演出要素j」)は、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番(「特殊図柄a」→「特殊図柄g」→「特殊図柄j」)に対応している。
【0081】
また、リーチ演出中も表示部25eに特殊図柄が表示されたまま維持され、対応する演出要素が実行されることで、表示部25eの特殊図柄表示が「実施済み」を示す表示となる。図7に示す例では、リーチ演出中において、表示部25eの「特殊図柄a」に対応する箇所が斜線で示され、「実施済み」であることを示している。そして、特別図柄が停止表示することで、演出図柄も停止表示する。
【0082】
なお、図柄変動演出、疑似連演出、疑似連開始演出、特殊図柄数表示演出、リーチ演出の実行は、サブ制御部260によって行われる。このためサブ制御部260が本発明の「演出図柄表示手段」、「演出図柄再変動手段」、「リーチ演出実行手段」、「リーチ示唆情報報知手段」に相当している。
【0083】
演出図柄表示部25aにおける演出図柄(数字図柄、背景図柄、キャラクタ図柄など)の演出パターンおよび停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、疑似連演出の実行有無、疑似連演出での演出図柄の仮停止及び再変動の回数、リーチ演出の実行有無等の演出内容を示している。主制御部200は、上述した変動パターンテーブルを用いて、大当り抽選(特別図柄当否判定)の結果に応じた特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンの種類を示す変動パターン指定コマンドをサブ制御部260が受信すると、その受信したコマンドに基づいて、演出図柄表示部25aの各図柄表示領域25a〜25cで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。本実施例の演出図柄の演出パターンには、特別図柄の1回の変動表示に対応して、演出図柄を複数回変動表示させる疑似連あり演出パターンと、特別図柄の1回の変動表示に対応して、演出図柄を1回変動表示させる疑似連なし演出パターンとが含まれている。
【0084】
また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される停止情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、大当り抽選(特別図柄当否判定)の結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aの各図柄表示領域25a〜25cで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。そして、サブ制御部260により決定された演出図柄の演出パターンおよび停止図柄を示す表示制御コマンドが演出表示制御部280に向けて送信され、それらコマンドを受信した演出表示制御部280が、演出表示装置25の表示制御(演出図柄の変動表示および停止表示)を実行する。
【0085】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図8に基づいて説明する。図8は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0086】
図8に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
【0087】
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0088】
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0089】
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当り抽選)を行う当否判定手段(大当り抽選実行手段)を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定(大当り抽選)を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから大当り変動パターン(疑似1用大当り変動パターンと疑似2用大当り変動パターンを含む)を決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
【0090】
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51(1個のLED)、特別図柄表示部61(7セグメント表示装置)、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
【0091】
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
【0092】
発射制御部250は、遊技盤上への遊技球の発射を制御する発射制御手段を構成しており、発射制御基板250aは、発射モータ(図示略)、タッチスイッチ8a、発射停止スイッチ8b等が接続されている。発射モータは、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌を稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。また、発射制御基板250aには、遊技者による発射ハンドル8の操作量を示す発射ボリューム信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチ端子信号等が入力される。
【0093】
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
【0094】
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、大当り遊技終了後の遊技進行形態である変動モードを指定するモード指定コマンド、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
【0095】
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
【0096】
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されており、アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ10a〜10dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示パターンの選択・実行処理等を行う。
【0097】
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図9は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図9に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
【0098】
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
【0099】
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
【0100】
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
【0101】
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図10、図11のフローチャートに基づいて説明する。特別図柄遊技処理(S500)では、まず、図10(a)に示すように、始動口28(第1始動口28aまたは第2始動口28b)に入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S504の処理に移行する。一方、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S502:NO)、S504の処理に移行し、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数を取得してRAMの所定領域に記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、大当り抽選乱数、特別図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。特別図柄用乱数を取得することにより、特別図柄保留数が1増加する。
【0102】
次に、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S504)。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S504:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S504:NO)、さらに、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。
【0103】
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS509の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、さらに、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数が「ゼロ」であるか否かを判定する(S507)。
【0104】
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、特別図柄変動表示関連処理を行う(S508)。
【0105】
ここで、特別図柄変動表示関連処理(S508)を図11のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。
【0106】
次に、S508bで行った特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する(S508d)。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない(外れである)と判定された場合には(S508c:NO)、外れ時変動パターンテーブル振分処理によって特別図柄の変動パターンテーブルを設定する(S508g)。外れ時変動パターンテーブル振分処理では、リーチ乱数を用いてリーチ変動を伴うリーチあり外れであるか否かを判定し、リーチあり外れの場合は、リーチあり外れ変動パターンテーブルをセットし、リーチあり外れの場合は、リーチなし外れ変動パターンテーブルをセットする。
【0107】
次に、変動パターン決定乱数を取得するとともに、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数(第1始動口28aまたは第2始動口28bへの遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S508h)。
【0108】
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508i)。特別図柄の変動パターンは、S508hで取得した特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、S508d、S508gの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルに規定される複数種類の変動パターンの中から一の変動パターンを選択する。また、特別図柄の停止図柄は、S508hで読み出した図柄決定用乱数を用いて、特別図柄の停止図柄の種類(特別図柄表示部61におけるLEDの表示パターン)を決定する。
【0109】
次に、S508iで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し(S508j)、これに付随して、図柄変動開始時コマンドとしての特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S508k)。変動パターン指定コマンドは、S508iで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。この変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信すると、これらコマンド(図柄変動開始時コマンド)を受信したサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。そして、特別図柄保留数を1減算する(S508l)。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
【0110】
次に、図10(a)に戻り、上記S503の処理で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S508)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S509)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S510)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S511)。
【0111】
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S512)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S512:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S512:YES)、特別図柄表示部61に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄である否かを判定する(図10(b)のS513)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S513:YES)、大当り遊技フラグをONにセットする(S514)。これにより、大当り遊技が開始される。
【0112】
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S515)、確変フラグがONであると判定された場合は(S515:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S516)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S517)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S518)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【0113】
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定し(S519)、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S519:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S519:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S517)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S518)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【0114】
次に、上記S513の判定処理で、特別図柄表示部61に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(外れ図柄の場合)には(S513:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S520)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S520:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S520:YES)、変動短縮カウンタから「1」を減算する(S521)。なお、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を監視するためのものであり、大当り遊技の終了時に、その大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類(大当り遊技の発生時の遊技状態)に応じて後述のS614の処理(図12参照)で所定の設定値がセットされる。
【0115】
そして、S521で「1」を減算した変動短縮カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S522:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S522:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S523)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S524)。
【0116】
これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。そして、サブ制御部260に変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動しない低確率通常変動モードであることを示す遊技状態指定コマンドを送信する(S525)。この遊技状態指定コマンドを受けたサブ制御部260では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が非作動の状態(通常状態)である旨を示す文字やキャラクタや背景等を演出表示装置25の表示領域に表示する処理を行う。
【0117】
次に、大当り遊技処理(S600)について図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか否か)を判定する(S604)。
【0118】
この結果、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、当り遊技処理を終了し、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
【0119】
また、上記S602の判定処理で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。S606の判定処理は、大当り遊技のラウンド数が最大継続ラウンド数である15ラウンドに達したか否かを判定する。
【0120】
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
【0121】
上記S606の判定処理で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S609)。これにより、大当り遊技が終了する。
【0122】
次に、終了した大当り遊技を開始させる起因となった大当り図柄の種類が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S610)。
【0123】
この結果、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」であると判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットする(S611)。これにより、確率変動機能が作動開始する。一方、大当り図柄の種類が「確変大当り図柄」でない(「通常大当り図柄」である)と判定された場合には(S610:NO)、確変フラグをONにセットする(S611)を行うことなく、S612の処理に移行する。そして、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットし(S613)、変動短縮カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値をセットする(S614)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。なお、本実施例では、終了した大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類が確変大当り図柄である場合(S610:YES)には、変動短縮カウンタに「10,000」をセットし、通常大当り図柄である場合(S610:NO)には、変動短縮カウンタに「100」をセットすることとしている。これにより、確変大当り図柄の停止表示を契機とする大当り遊技の終了後は、確率変動機能が作動するとともに、特別図柄の変動回数が10,000回に到達するまで変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動する。つまり、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能のすべてが、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。また、通常大当り図柄の停止表示を契機とする大当り遊技の終了後は、確率変動機能が作動することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで作動する。
【0124】
次に、サブ制御部260が実行する保留発生時演出処理について図13のフローチャートに基づいて説明する。図13は、サブ制御部260の制御下で行われる保留発生時演出処理の一例であり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図13に示す保留発生時演出処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。
【0125】
まず、S508kの処理(図11)で主制御部200が送信する図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S700:NO)、図柄変動開始時コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄変動開始時コマンドを受信したと判定された場合には(S700:YES)、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターンを含む)であるか否かを判定する(S701)。この結果、リーチ演出を伴う変動パターンであると判定された場合には(S701:YES)、変動パターンの種類に基づき、リーチ演出の種類(リーチ演出の演出パターン)を決定する(S702)。本実施例では、「リーチを伴う変動パターン」は異なる変動時間の変動パタ−ンが多数設けられており、各変動パターンに対してリーチ演出のパターンが一義的に対応づけられている。例えば、「リーチを伴う変動パターン」として「変動パターンA」を指定する変動パターン指定コマンドを受けた場合には、リーチ演出の種類として、それに一義的に対応する対応する演出パターンAが設定されることとなる。そして、このS702の処理により、リーチ演出を構成する演出要素が決定される。
【0126】
次に、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが、疑似連演出用の変動パターン(疑似1用大当り変動パターン、疑似2用大当り変動パターン、疑似1用リーチあり外れ変動パターン、疑似2用リーチあり外れ変動パターン)であるか否かを判定する(S703)。この結果、疑似連演出用の変動パターンであると判定された場合には(S703:YES)、S702の処理で決定したリーチ演出の種類に基づき、リーチ内容示唆演出の演出パターンを設定する(S704)。具体的には、本実施例では、「リーチ内容示唆演出の演出パターン」は、疑似連演出用の変動パターンの各々に対して複数種類ずつ設けられており(前述の演出パターンA〜D、E〜H、I、J等)、サブ制御部260によりリーチ内容示唆演出の演出パターンを決定するための「演出パターン決定抽選」を行うことで、一の演出パターンが決定され、当該演出パターンがリーチ内容示唆演出の演出パターンとして設定される。
【0127】
次に、演出表示装置25の表示領域で3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S705)、演出図柄を仮停止させ(S706)、先に決定したリーチ内容示唆演出の演出パターンに従って、3桁の演出図柄の仮停止中に特殊図柄数表示演出を実行する(S707)。そして、3桁の演出図柄の再変動を開始し(S708)、演出図柄の再変動中にリーチ内容示唆演出を実行する(S709)。リーチ内容示唆演出では、先に決定したリーチ内容示唆演出の演出パターンに従って、後で行われるリーチ演出を構成する演出要素の何れかを示す特殊図柄を順次表示する演出を行う。
【0128】
次に、疑似連演出を継続するか否かを判定する(S710)。S710の判定処理は、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が限度回数に達したか否かによって、疑似連演出を継続するか否かを判定する。ここで、疑似連回数の限度回数とは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが「疑似1用大当り変動パターン」または「疑似1用リーチあり外れ変動パターン」である場合には「1回」が相当し、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが「疑似2用大当り変動パターン」または「疑似2用リーチあり外れ変動パターン」である場合には「2回」が相当するものである。限度回数の計数は、S708における3桁の演出図柄の再変動の開始により「1」が加算される。
【0129】
そして、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が未だ限度回数に達しておらず、疑似連演出を継続すると判定された場合には(S710:YES)、S706の処理に戻り、S706〜S710の処理を再度実行する。一方、疑似連演出用の変動パターンに規定される疑似連回数が限度回数に達し、疑似連演出を継続しないと判定された場合には(S710:NO)、疑似連演出を終了してリーチ演出を実行する(S711)。リーチ演出では、リーチ演出を構成する演出要素(リーチ内容示唆演出で表示された特殊図柄で示される演出要素を含む)を順次表示するリーチ演出が行われる。また、本実施例では、リーチ内容示唆演出を受けて実行されるリーチ演出中は、リーチ内容示唆演出で表示された特殊図柄を表示部25eに表示したまま維持することとしている。そして、リーチ演出の進行に応じて、表示されている特殊図柄に対応するリーチ演出の進行段階に達することで(表示されている特殊図柄に対応する演出要素a〜jが表示されることで)、表示部25eに表示される特殊図柄を「実施済み」の表示変更することとしている。
【0130】
次に、S511の処理で主制御部200が送信する図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S712)。この結果、図柄停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S712:NO)、図柄停止コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄停止コマンドを受信したと判定された場合には(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示させる(S713)。
【0131】
次に、上記S703の判定処理で、疑似連演出用の変動パターンでないと判定された場合には(S703:NO)、3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S714)、リーチ内容示唆演出および疑似連演出を伴わない通常の変動表示演出を実行する(S715)。そして、通常のリーチ演出を実行し(S711)、主制御部200から図柄停止コマンドを受信することで(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示する(S713)。
【0132】
次に、上記S701の判定処理で、リーチ演出を伴う変動パターンでないと判定された場合には(S701:NO)、3桁の演出図柄の変動表示を開始し(S716)、主制御部200から図柄停止コマンドを受信することで(S712:YES)、3桁の演出図柄を停止表示する(S713)。
【0133】
ここで、図10〜図13のフローチャートに示した処理と本発明の各手段との対応について説明しておくと、「S508〜S510の処理(図10(a)、図11)」が「抽選図柄表示手段」に対応し、「S700〜S716の処理(図13)」が「演出図柄表示手段」に対応し、「S705〜S710の処理(図13)」が「演出図柄再変動手段」に対応し、「S711の処理(図13)」が「リーチ演出実行手段」に対応している。
【0134】
以上説明した本実施例では、疑似連演出の進行に応じて、後に行われるリーチ演出を構成する演出要素を示す複数の特殊図柄を順次表示するリーチ内容示唆演出を実行することで、後に行われるリーチ演出の内容を遊技者に示唆することができる。さらに、本実施例では、疑似連演出中に、演出図柄の仮停止および再変動の回数が増加する毎にリーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄が増加し、特殊図柄で示されるリーチ演出の内容が徐々に具現化されることとなる。この結果、「疑似連演出が継続するにしたがってリーチ演出の内容を徐々に判明させ、これに応じてリーチ演出の大当り信頼度を推測させる」という新規な遊技性を提供することができる。
【0135】
また、本実施例では、リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄の数が複数パターン設定されており、リーチ演出の内容を徐々に判明させるバリエーションを多彩にすることができ、上述したゲーム性を一層効果的に実現できる。
【0136】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0137】
例えば、上記実施例では、リーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jで特定された演出要素a、g、jがリーチ演出中に表示される順番を、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番に対応するように構成したが、これに限らず、リーチ内容示唆演出の特殊図柄a、g、jで特定された演出要素a、g、jがリーチ演出中に表示される順番を、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが表示された順番と異ならせるようにしてもよい。
【0138】
具体的には、リーチ内容示唆演出で特殊図柄a、g、jが「特殊図柄a」→「特殊図柄g」→「特殊図柄j」の順番で表示された場合に、特殊図柄a、g、jで特定される演出要素a、g、jを、「演出要素j」→「演出要素g」→「演出要素a」や「演出要素g」→「演出要素j」→「演出要素a」の順番等で表示されるようにすることができる。このように、リーチ内容示唆演出の特殊図柄表示順序とリーチ演出の演出要素の表示順序を対応させないことによって、リーチ演出における演出要素の出現に意外性を持たせることができるとともに、後から行われるリーチ演出の内容を判明させるバリエーションを多様化することができる。
【0139】
また、上記実施例では、疑似連演出中に実行されるリーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄とリーチ演出を構成する演出要素が一対一で対応するように構成したが、リーチ内容示唆演出で表示される特殊図柄とリーチ演出を構成する演出要素は、必ずしも一対一で対応している必要はない。例えば、図4の変動パターンAにおいて、リーチ内容示唆演出で「特殊図柄a、z」と表示し、その後に行われるリーチ演出では「特殊図柄a、z」で示される演出要素a、zのうち演出要素aのみが現れるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…遊技機、25…演出表示装置、61…特別図柄表示部、200…主制御部(抽選図柄表示手段)、260…サブ制御部(演出図柄表示手段、演出図柄再変動手段、リーチ演出実行手段、リーチ示唆情報報知手段)、280…演出表示制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球入球を契機として当否判定を行い、該当否判定の結果を受けて抽選図柄の変動表示を開始し、該当否判定の結果が当りの場合に、前記抽選図柄を当り図柄で停止表示させて当り遊技を実行する遊技機において、
前記当否判定の結果を受けて、前記抽選図柄を変動表示および停止表示させる抽選図柄表示手段と、
前記抽選図柄の変動表示に対応して演出図柄を変動表示させ、前記抽選図柄の停止表示に対応して前記演出図柄を停止表示させる演出図柄表示手段と、
前記抽選図柄の1回の変動表示中に、前記演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う演出図柄再変動手段と、
前記疑似連演出の実行後に、前記演出図柄を所定のリーチ状態とするリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段と、
後に行われる前記リーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するリーチ示唆情報報知手段と、を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、
前記リーチ示唆情報として、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記リーチ示唆情報報知手段が前記リーチ示唆情報を報知する前に、前記リーチ示唆情報報知手段によって報知される前記リーチ示唆情報の数を示す数値情報を報知する数値情報報知手段を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、前記数値情報報知手段によって報知された数値情報に対応する数の前記リーチ示唆情報を報知する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記リーチ演出の進行中に、該リーチ演出に先立って報知された前記リーチ示唆情報を表示するリーチ示唆情報表示手段を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項1】
始動口への遊技球入球を契機として当否判定を行い、該当否判定の結果を受けて抽選図柄の変動表示を開始し、該当否判定の結果が当りの場合に、前記抽選図柄を当り図柄で停止表示させて当り遊技を実行する遊技機において、
前記当否判定の結果を受けて、前記抽選図柄を変動表示および停止表示させる抽選図柄表示手段と、
前記抽選図柄の変動表示に対応して演出図柄を変動表示させ、前記抽選図柄の停止表示に対応して前記演出図柄を停止表示させる演出図柄表示手段と、
前記抽選図柄の1回の変動表示中に、前記演出図柄の仮停止および再変動を少なくとも1回行う演出図柄再変動手段と、
前記疑似連演出の実行後に、前記演出図柄を所定のリーチ状態とするリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段と、
後に行われる前記リーチ演出の進行内容の一部を示唆するリーチ示唆情報を、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる際に報知するリーチ示唆情報報知手段と、を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、
前記リーチ示唆情報として、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第1の進行過程を示唆する第1のリーチ示唆情報と、後に行われる前記リーチ演出の進行内容のうちの第2の進行過程を示唆する第2のリーチ示唆情報とを、前記演出図柄の仮停止および再変動が行われる度に所定の順序で個別に報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記リーチ示唆情報報知手段が前記リーチ示唆情報を報知する前に、前記リーチ示唆情報報知手段によって報知される前記リーチ示唆情報の数を示す数値情報を報知する数値情報報知手段を備え、
前記リーチ示唆情報報知手段は、前記数値情報報知手段によって報知された数値情報に対応する数の前記リーチ示唆情報を報知する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記リーチ演出の進行中に、該リーチ演出に先立って報知された前記リーチ示唆情報を表示するリーチ示唆情報表示手段を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−74913(P2013−74913A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214882(P2011−214882)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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