説明

遊技機

【課題】電源が投入された際の振る舞いを多様化させ、興趣性を向上させること。
【解決手段】ぱちんこ遊技機100は、記憶制御部304と、モード制御部305と、モード選択部306と、実行部307と、を備えて構成されている。記憶部303は、設定された遊技状態を記憶する。記憶制御部304は、記憶部303に対し、電源が切断された場合においても電源切断以前の遊技状態を記憶させる。モード制御部305は、遊技状態を示唆する演出モードの制御をおこない、モード選択部306と、実行部307と、を有する。モード選択部306は、電源が投入されてから予め定められた所定のタイミングにて、記憶部303によって記憶された遊技状態に基づいて、高確率遊技状態に対する信頼度がそれぞれ異なる複数の演出モードのうち、一の演出モードを選択する。実行部307は、モード選択部306によって設定された演出モードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技状態を示唆する演出モードを複数有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の遊技領域に打ち出した遊技球が特定の始動口に入賞すると、主制御基板の制御により、始動入賞のタイミングにて乱数を取得し、当該乱数が予め定められた大当たり乱数と一致する場合に、大当たりを示す図柄にて特別図柄を停止させるとともに、大当たり遊技状態に移行させるようにしたぱちんこ遊技機が広く使用されている。
【0003】
このようなぱちんこ遊技機の主制御基板は、複数の遊技状態を有し、大当たりに当選する毎に、当選した大当たりに対応した遊技状態へ移行するものが一般的である。複数の遊技状態とは、例えば、大当たりの当選確率が通常である低確率遊技状態、低確率遊技状態よりも大当たりに当選する確率の高い高確率遊技状態、などがある。
【0004】
また、このようなぱちんこ遊技機には、主制御基板による大当たり乱数の判定結果を受けて演出をおこなう演出制御基板が設けられている。演出制御基板は、遊技盤中央に設けられた画像表示部を制御して、特別図柄の変動表示に合わせて、例えば3列の演出図柄(数字、文字、記号など)を上から下に移動するように変動表示させる。そして、大当たりである場合には、あるライン(有効ライン)上に同一または関連性のある演出図柄が揃うように画像表示部を制御する。
【0005】
さらに、近年のぱちんこ遊技機における演出制御基板は、現在の遊技状態を示唆する複数の演出モードを有し、遊技状態に基づいたいずれか一つの演出モードにおいて演出をおこなうものが一般的であった(例えば、下記特許文献1参照。)。その際、遊技者は、高確率遊技状態に対する信頼度が高い演出モードを期待する。なお、演出制御基板は、所定回数の変動をおこなう毎に演出モードを移行させるか否かを判定し、演出モードを移行させると判定した場合に新たな演出モードへ移行させるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−62073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、遊技機の電源が投入された際、予め設定された演出モードから開始するため、遊技者に退屈感を与えるといった問題があった。例えば、遊技店の開店とともに遊技を開始しようとする遊技者は、予め設定された演出モードにて遊技を開始するため、遊技機の振る舞いは毎回同様であり、興趣性に欠け、遊技者に退屈感を与えてしまっていた。
【0008】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、電源が投入された際にも、実行する演出の振る舞いを多様化させ、興趣性を向上させることのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、低確率遊技状態と、当該低確率遊技状態よりも特別遊技をおこなうと判定する確率の高い高確率遊技状態とのいずれかの遊技状態により遊技を進行させる遊技機において、始動条件の成立により前記特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合、遊技者にとって有利な前記特別遊技をおこなう特別遊技実行手段と、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技後、前記低確率遊技状態または前記高確率遊技状態の一方の遊技状態を設定する設定手段と、前記設定手段により設定されている遊技状態に基づいて、前記低確率遊技状態または前記高確率遊技状態を示唆する複数の演出モードのうち、一の演出モードを実行する実行手段と、前記実行手段により実行されている演出モードを移行させるか否かの移行判定をおこなうとともに、当該移行判定において演出モードを移行させると判定されると、移行させる演出モードを選択する第1モード選択手段と、前記遊技機の電源が切断された場合、当該電源切断時に前記設定手段によって設定されている遊技状態を記憶手段に記憶させる制御手段と、前記遊技機の電源が投入された場合、当該電源投入時に前記記憶手段に記憶されている遊技状態に基づいて、前記移行判定をおこなうことなく、前記複数の演出モードのうち、一の演出モードを選択する第2モード選択手段と、を備え、前記実行手段は、前記第1モード選択手段または前記第2モード選択手段によって選択された演出モードを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技機の電源が投入された際にも、実行する演出モードを多様化させ、興趣性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。
【図2】実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示した説明図である。
【図4】実施の形態1にかかる主制御部が実行するメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】主制御部が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】主制御部が実行する始動口SW処理を示したフローチャートである。
【図7】主制御部が実行する事前判定処理を示したフローチャートである。
【図8】主制御部が実行する特別図柄処理を示すフローチャートである。
【図9】大当たり判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】変動パターン選択処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】主制御部がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。
【図12】主制御部がおこなう大入賞口処理を示したフローチャートである。
【図13】遊技状態設定処理を示したフローチャートである。
【図14−1】実施の形態1にかかる演出メイン制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14−2】特殊移行モード選択テーブルを示す説明図である。
【図15】演出統括部が実行する演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図16】演出統括部が実行するコマンド受信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】演出統括部が実行する変動演出終了中処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態1にかかる演出統括部が実行する演出モード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】演出モード移行抽選テーブルを示す説明図である。
【図20】通常移行モード選択テーブルを示す説明図である。
【図21】実施の形態2にかかる主制御部が実行するメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態2にかかる演出メイン制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態2にかかる演出統括部が実行する演出モード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、実施の形態1のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号282参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
【0014】
遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
【0015】
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
【0016】
第2始動口106の近傍には、電動役物としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
【0017】
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。なお、ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してもよい。
【0018】
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放して、遊技球が入賞することにより所定個数(例えば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
【0019】
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(例えば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してもよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
【0020】
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
【0021】
ここで、特図1は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。特図2は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、遊技状態を大当たり状態とするか否かの抽選である。
【0022】
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわすものである。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態(長開放または短開放)とするか否かの抽選である。普通図柄表示部113は、例えば、7セグメントディスプレイからなる。
【0023】
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留数を表示する保留球表示部114が配置されている。例えば、保留球表示部114としてはLED(Light−Emitting Diode)が用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数をあらわす。例えば、保留球表示部114を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄に対する保留数は2であることをあらわす。
【0024】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ランプは、演出ライト部116に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
【0025】
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
【0026】
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
【0027】
画像表示部104の下部には、可動演出役物130が配設されている。可動演出役物130は、駆動モータによって、遊技盤101上において回転可能となっている。具体的には、可動演出役物130は、例えば円柱形状のドラム130a〜130cが連なって並列されている構成となっている。各ドラム(左ドラム130a、中ドラム130b、右ドラム130c)は、その中心軸が遊技盤101に平行であり、底面どうしが対面するように並列されている。
【0028】
また、各ドラム130a〜130cは、一つずつの駆動モータを備え、独立して回転駆動する。なお、図示を省略するが、遊技領域103内の所定位置(例えば画像表示部104の周囲)には演出用の他の役物が設けられている。
【0029】
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
【0030】
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0031】
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。例えば、主制御部201は、主制御基板によって実現される。
【0032】
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、保留記憶プログラム、当たり抽選プログラム、事前判定プログラム、特別図柄変動プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、遊技状態記憶制御プログラムなどが記憶されている。
【0033】
保留記憶プログラムは、第1始動口SW221によって検出された遊技球を特1保留球として記憶するとともに、第2始動口SW222によって検出された遊技球を特2保留球として記憶するプログラムである。当たり抽選プログラムは、特1保留球および特2保留球に対する当たり抽選をおこなうプログラムである。
【0034】
当たりには、大当たりと小当たりとがある。大当たりには、獲得出玉の見込める長当たりと、獲得出玉の見込めない短当たりとがある。なお、特2保留球に対する当たり抽選は、特1保留球に対する当たり抽選よりも、遊技者にとって有利な当たり(長当たり)が発生し易くなっている。
【0035】
事前判定プログラムは、遊技球が始動入賞したタイミングにて、当たりか否かの判定や、特別図柄の変動時間の判定をおこなうプログラムである。特別図柄変動プログラムは、当たり抽選の抽選結果を特別図柄として変動停止させるとともに、電チューサポートを付加する時短付き遊技状態においては、保留数および当たり抽選の抽選結果に関わらず、同一の変動時間をもって特別図柄を変動させるプログラムである。
【0036】
特1保留球に対する当たり抽選(第1当たり抽選)の抽選結果は、第1特別図柄表示部112aの特図1として変動停止される一方、特2保留球に対する当たり抽選(第2当たり抽選)の抽選結果は、第2特別図柄表示部112bの特図2として変動停止される。なお、特2保留球に対する特別図柄の変動は、特1保留球よりも優先しておこなわれるようになっている。
【0037】
大入賞口制御プログラムは、当たり時に、短当たりまたは長当たりに応じた所定の開放時間を1ラウンドとして、例えば15ラウンド、大入賞口109を開放させるプログラムである。長当たりは、1ラウンド毎の大入賞口109の開放時間を長くして(例えば30秒)、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)大入賞口109を開放させることにより、遊技者に多数の出玉を獲得させる大当たりである。
【0038】
短当たりは、1ラウンド毎の大入賞口109の開放時間を短くして(例えば0.1秒)、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)大入賞口109を開放させる、獲得出玉の見込めない大当たりである。また、小当たりは、0.1秒の開放×15回を1ラウンドとして、短当たりと同様の振る舞いをする、獲得出玉の見込めない当たりである。
【0039】
遊技状態設定プログラムは、当たりの種類に応じて、当たり終了後の遊技状態を、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定するとともに、電チューサポートを付加する時短付き遊技状態または電チューサポートを付加しない時短無し遊技状態を設定するプログラムである。電チューサポートは、普通図柄の変動時間を短くするとともに、電動チューリップ107の開放時間を長くする機能である。
【0040】
低確率遊技状態は、大当たりが発生しにくい遊技状態である。高確率遊技状態は、低確率遊技状態に比べて、10倍程度大当たりが発生し易い遊技状態である。ここで、大当たり、および大当たり後の遊技状態について、具体例を挙げて説明しておく。大当たりには、確変長当たり、通常長当たり、潜確短当たりがある。確変長当たりの場合、大当たり終了後に、時短遊技が付加される時短付き高確率遊技状態(確変遊技状態)に移行する。
【0041】
通常長当たりの場合、大当たり終了後に、時短遊技が付加される時短付き低確率遊技状態(時短遊技状態)に移行する。潜確短当たりの場合、大当たり終了後に、時短遊技が付加されない時短無し高確率遊技状態(潜確遊技状態)に移行する。なお、小当たりの場合、小当たり終了後には小当たり開始前の遊技状態に移行し、すなわち、遊技状態に変化はない。
【0042】
遊技状態記憶制御プログラムは、RAM213に対して現在の遊技状態を記憶させるプログラムであり、遊技機の電源が切断された場合にも、遊技状態に関する情報をRAM213に保持させるプログラムである。これにより、電源の切断の前後で遊技状態の変化はない構成である。
【0043】
また、主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、電動チューリップ107や、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
【0044】
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
【0045】
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
【0046】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。例えば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。また、主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
【0047】
主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。
【0048】
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、大当たり開始コマンドなどを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。
【0049】
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。また、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【0050】
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0051】
CPU241は、実行する演出を選択する演出パターン選択処理などを実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムなどが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
【0052】
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容に関する処理を実行する。ROM242には、演出統括プログラム、演出モード移行抽選プログラム、演出モード選択プログラム、などが記憶されている。演出統括プログラムは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出内容を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部202全体を統括するプログラムである。
【0053】
演出モード移行抽選プログラムは、遊技状態を示唆する演出モードを移行させるか否かを決定する抽選を、毎変動終了時におこなうプログラムである。演出モード選択プログラムは、演出モードを移行させることが決定した場合、または電源投入時に、移行する演出モードを選択するプログラムである。なお、演出モードには、高確率遊技状態である信頼度が最も高いAモードと、その次に高いBモードと、その次に高いCモードと、最も信頼度の低いDモードと、がある。
【0054】
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置してもよい。
【0055】
また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されている。例えば、演出ボタン119は、遊技者から操作を受け付けると、対応するデータを演出統括部202aへ入力する。また、図2において図示は省略するが、十字キー120も演出統括部202aに接続されている。十字キー120は、遊技者によって選択されたキーに対応するデータを演出統括部202aへ入力する。
【0056】
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0057】
CPU251は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
【0058】
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
【0059】
また、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
【0060】
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
【0061】
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
【0062】
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
【0063】
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物ランプ265と接続され、点灯制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯や、演出役物ランプ265の点灯や動作を制御するように機能する。
【0064】
本実施の形態1では、演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【0065】
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU271と、ROM272と、RAM273と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU271は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM272には、当該処理に必要となる賞球プログラムなどが記憶されている。RAM273は、CPU271のワークエリアとして機能する。
【0066】
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)281と、発射部282と、定位置検出SW283と、払出球検出SW284と、球有り検出SW285と、満タン検出SW286と接続される。
【0067】
賞球制御部203は、払出部281に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部281は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部281に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【0068】
また、賞球制御部203は、発射部282に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部282は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部282のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0069】
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW283、払出球検出SW284、球有り検出SW285、満タン検出SW286等がある。例えば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【0070】
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板287が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板288が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0071】
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0072】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
本実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力する。そして、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
【0073】
また、始動口105,106に遊技球が入賞する毎に、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、画像表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たり発生が決定しているときには、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、所定の図柄で揃えて停止させる。このときには、さらに、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
【0074】
演出制御部202は、当選したイベントに対応する各種演出をおこなう。ここで、イベントには、例えば、大当たりや、小当たりなどが含まれる。
【0075】
例えば、演出制御部202は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、演出図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、可動演出役物130に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部116、盤ランプ264、可動演出役物130の点灯状態を変更したりする演出をおこなう。
【0076】
そして、例えば、大当たり発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球が例えば9個入賞したとき、あるいは所定期間とされている。
【0077】
この際に、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり、例えば15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり状態が解除され、当選した大当たりに対応した遊技状態へ移行する。
【0078】
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
次に、図3を用いて、本実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図3は、本実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の機能的構成を示した説明図である。
【0079】
図3において、ぱちんこ遊技機100は、第1始動口SW221と、第2始動口SW222と、抽選部301と、遊技状態設定部302と、記憶部303と、記憶制御部304と、モード制御部305と、モード選択部306と、実行部307と、移行判定部308と、画像表示部104と、を備えて構成されている。
【0080】
抽選部301は、第1始動口105または第2始動口へ入賞した遊技球に対し、大当たりか否かを決定する大当たり抽選をおこなう。遊技状態設定部302は、抽選部301による大当たり抽選の抽選結果に基づいて、高確率遊技状態および低確率遊技状態のいずれか一方の遊技状態を設定する。
【0081】
記憶部303は、遊技状態設定部302によって設定された遊技状態を記憶する。記憶制御部304は、記憶部303に対し、電源が切断された場合においても電源切断以前の遊技状態を記憶させる。例えば、高確率遊技状態において電源が切断された場合、電源が投入された後も記憶部303が高確率遊技状態を記憶しておくように制御する。
【0082】
モード制御部305は、遊技状態を示唆する演出モードの制御をおこない、モード選択部306と、実行部307と、移行判定部308と、を有する。モード選択部306は、電源が投入されてから予め定められた所定のタイミングにて、記憶部303によって記憶された遊技状態に基づいて、高確率遊技状態に対する信頼度がそれぞれ異なる複数の演出モードのうち、一の演出モードを選択する。また、高確率遊技状態に対する信頼度がそれぞれ異なる複数の演出モードとは、Aモード〜Dモードである。演出モードを選択するとは、演出モード選択用の乱数を取得し、予め設定されたテーブルを用いて抽選をおこなうことである。
【0083】
また、所定のタイミングとは、例えば、電源が投入されたタイミングや、電源が投入されてから所定回数の変動がおこなわれたタイミングがある。実施の形態1においては、電源が投入されたタイミングにて一の演出モードを選択する場合における処理を説明する。電源が投入されてから所定回数の変動がおこなわれたタイミングにて一の演出モードを選択する場合における処理の詳細は、実施の形態2に後述する。
【0084】
実行部307は、モード選択部306によって選択された演出モードを実行する。演出モードを実行するとは、例えば、演出モードに対応した画像データまたは音声データを、画像表示部104に表示させたり、スピーカ254に出力させたりすることである。
【0085】
また、モード選択部306は、所定のタイミングでない期間は、所定の確率を有する通常テーブルを用いて演出モードを選択する。所定のタイミングでない期間とは、例えば、毎変動終了時や、潜確大当たりまたは小当たりに当選した時などである。
【0086】
また、所定のタイミングでは、当該通常テーブルよりも、高確率遊技状態であれば信頼度の高い演出モードを選択し易く、かつ、低確率遊技状態であれば前記信頼度の低い演出モードを選択し易くした特殊テーブルを用いて演出モードを選択する。
【0087】
通常テーブルとは、図20に後述する通常移行モード選択テーブルであり、特殊テーブルとは、図14−2に後述する特殊移行モード選択テーブルである。
【0088】
移行判定部308は、所定のタイミングでない場合、所定回数の変動毎に、演出モードを移行するか否かの移行判定をおこなう。この所定回数とは、例えば、1回である。また、移行判定とは、演出モードを移行するか否かを決定するモード移行抽選をおこなうことである。具体的には、乱数を取得し、予め定められた割合のテーブルを用いて、抽選をおこなう。
【0089】
モード選択部306は、移行判定部308によって移行判定がおこなわれなかった場合、または、移行判定部308によって演出モードを移行すると判定された場合、演出モードを選択する。
【0090】
言い換えれば、所定のタイミングでは、移行判定部308が移行判定はおこなわないにも関わらず、モード選択部306は演出モードを選択する。所定のタイミング以外では、移行判定部308が演出モードを移行すると判定した場合に、モード選択部306は演出モードを選択する。
【0091】
なお、抽選部301と、遊技状態設定部302と、記憶制御部304とは、主制御部201のCPU211によって実現される。すなわち、CPU211が、当たり抽選プログラム、遊技状態設定プログラム、遊技状態記憶制御プログラムなどの各種プログラムを実行することにより、各部を実現する。また、記憶部303は、主制御部201のRAM213によって実現される。
【0092】
また、モード制御部305と、モード選択部306と、実行部307と、移行判定部308とは、演出統括部202aのCPU241によって実現される。すなわち、演出統括部202aのCPU241が演出統括プログラムや、演出モード移行抽選プログラムや、演出モード選択プログラム、などの各種プログラムを実行することにより、各部を実現する。
【0093】
(主制御部が実行するメイン処理)
次に、図4を用いて、主制御部201が実行するメイン処理について説明する。図4は、実施の形態1にかかる主制御部が実行するメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。例えば、このメイン処理は、主制御部201に電源が投入されると開始され、主制御部201の起動中継続的に実行される。
【0094】
図4に示すように、メイン処理において主制御部201は、まず、1000ms待機し(ステップS401)、その後、RAM213へのアクセスを許可する(ステップS402)。RAM213へのアクセスを許可すると、主制御部201は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS403)。
【0095】
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS403:Yes)、主制御部201は、RAMクリアをおこなう(ステップS404)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM213に蓄積されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。
【0096】
RAMクリアをおこなうと、主制御部201は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS405)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS406)。ここで、周辺部とは、演出制御部202、賞球制御部203などである。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによりおこなわれる。
【0097】
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS403:No)、主制御部201は、バックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS407)。バックアップフラグがONであれば(ステップS407:Yes)、主制御部201は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS408)。
【0098】
チェックサムが正常であれば(ステップS408:Yes)、主制御部201は、復旧処理を実行する(ステップS409)。また、バックアップフラグがONでなければ(ステップS407:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS408:No)、ステップS404へ移行してRAMクリアをおこなう。
【0099】
次に、主制御部201は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する(ステップS410)。なお、主制御部201は、ここで設定された周期を用いてタイマ割込処理を実行する。ステップS410においてCTCの周期を設定すると、主制御部201は、現在の遊技状態に関する情報を含む遊技状態コマンドを演出統括部202aに送信する(ステップS411)。その後、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS412)。
【0100】
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部201は、変動パターン乱数を更新し(ステップS413)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS414)。そして、主制御部201は、初期値乱数を更新し(ステップS415)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS416)、ステップS412へ移行する。以降、主制御部201は、ステップS412からステップS416の処理を繰り返し実行する。
【0101】
次に、本実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の通常の遊技時における処理内容について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100のタイマ割込処理について説明する。
【0102】
(タイマ割込処理)
図5は、主制御部201が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。例えば、タイマ割込処理は、図4のステップS410のCTC周期設定において設定された周期にて、メイン処理に割り込み実行される。図5に示すように、タイマ割込処理において主制御部201は、まず、乱数更新処理を実行する(ステップS501)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、例えば、乱数更新処理では、第1大当たり抽選や第2大当たり抽選に用いる大当たり乱数などの更新をおこなう。
【0103】
次に、主制御部201は、スイッチ処理を実行する(ステップS502)。スイッチ処理には、第1始動口105、第2始動口106への遊技球の入賞を検出して、入賞時の乱数を取得する始動口SW処理などがあり、その詳細は図6に後述する。また、大入賞口109、普通入賞口110への遊技球の入賞を検出して、入賞した入賞口に対応する賞球コマンドをセットする。
【0104】
次に、主制御部201は、図柄処理を実行する(ステップS503)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理では特別図柄を変動/停止表示させるとともに、大当たり抽選をおこなう(図8参照)。普通図柄処理では普通図柄を変動/停止表示させるとともに、普通図柄抽選をおこなう(詳細な説明は省略する)。
【0105】
図柄処理を実行すると、主制御部201は、電動役物処理を実行する(ステップS504)。電動役物処理では、可動演出役物130、電動チューリップソレノイド231、大入賞口ソレノイド232などの主制御部201に接続された各種電動役物の動作制御をおこなう。大入賞口ソレノイド232の動作制御をおこなう大入賞口処理の詳細については、図12に後述する。
【0106】
次に、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行して(ステップS505)、上記の処理によりRAM213にセットされたコマンドを演出制御部202などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS506)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201は、メイン処理へ戻る。
【0107】
(始動口SW処理)
次に、図6を用いて、主制御部201が実行する始動口SW処理について説明する。図6は、主制御部が実行する始動口SW処理を示したフローチャートである。この始動口SW処理は、図5のステップS502に示したスイッチ処理に含まれる処理内容である。
【0108】
図6において、主制御部201のCPU211は、第1始動口105の第1始動口SW221がONであるか否かの判定をおこない(ステップS601)、第1始動口SW221がONであると判定した場合(ステップS601:Yes)、第1始動口SW221の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、「4」より小さいか否かの判定をおこなう(ステップS602)。
【0109】
カウント値U1が「4」より小さい場合(ステップS602:Yes)、カウント値U1に「1」を加算する(ステップS603)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS604)。なお、乱数は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などである。大当たり乱数は、大当たり、小当たり、またははずれのいずれかを決定するものであり、例えば、「0」〜「399」の400個の乱数から一つの当たり乱数が無作為に取得される。
【0110】
図柄乱数は、大当たりの種類(高確率遊技状態への移行の有無、長当たりまたは短当たり、時短遊技の有無)を決定するものであり、例えば、「0」〜「249」の250個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。
【0111】
リーチ乱数は、大当たり抽選の抽選結果がはずれである場合に、リーチの有無を決定するものであり、例えば、「0」〜「249」の250個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に取得される。
【0112】
変動パターン乱数は、変動パターンを決定するものであり、例えば、「0」〜「99」の100個の乱数から一つの変動パターン乱数が無作為に取得される。
【0113】
この後、事前判定処理をおこない(ステップS605)、第1始動口105への遊技球の入賞を示す保留数1が増加した旨を示す保留数1増加コマンドをセットする(ステップS606)。事前判定処理の詳細については、図7において後述する。ステップS601において、第1始動口SW221がONではない場合(ステップS601:No)、ステップS607に移行する。ステップS602において、カウント値U1が「4」であると判定した場合(ステップS602:No)、ステップS607に移行する。
【0114】
ステップS607では、第2始動口106の第2始動口SW222がONであるか否かの判定をおこない(ステップS607)、第2始動口SW222がOFFであると判定した場合(ステップS607:No)、そのまま処理を終了する。また、第2始動口SW222がONであると判定した場合(ステップS607:Yes)、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、「4」より小さいか否かの判定をおこなう(ステップS608)。
【0115】
カウント値U2が「4」より小さい場合(ステップS608:Yes)、カウント値U2に「1」を加算する(ステップS609)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS610)。また、ステップS608において、カウント値U2が「4」であると判定した場合(ステップS608:No)、そのまま処理を終了する。
【0116】
ステップS610の処理の後、事前判定処理をおこない(ステップS611)、第2始動口106への遊技球の入賞を示す保留数2が増加した旨を示す保留数2増加コマンドをセットし(ステップS612)、処理を終了する。
【0117】
(事前判定処理)
次に、図7を用いて、主制御部201が実行する事前判定処理について説明する。事前判定処理は、図6のステップS605およびステップS611に示した処理である。図7は、主制御部が実行する事前判定処理を示したフローチャートである。事前判定処理において、まず、高確率遊技状態か否かを判定する(ステップS701)。
【0118】
ステップS701において、高確率遊技状態であると判定した場合(ステップS701:Yes)、「高確率時乱数判定テーブル」を選択し(ステップS702)、各乱数判定をおこなう(ステップS703)。「高確率時乱数判定テーブル」とは、高確率遊技状態における乱数判定に用いる各テーブル(大当たり乱数判定テーブル、リーチ乱数判定テーブル、変動パターン乱数判定テーブル)である。また、乱数判定は、大当たり乱数判定、第1始動口105への入賞による大当たり時の図柄乱数の判定、第2始動口106への入賞による大当たり時の図柄乱数の判定、リーチ乱数判定、変動パターン乱数判定などである。
【0119】
その後、ステップS703の判定結果を事前判定情報として記憶し(ステップS704)、そのまま処理を終了する。なお、記憶された事前判定情報は、図6のステップS606およびステップS612に示した保留数増加コマンドによって演出統括部202aへ送信される。
【0120】
また、ステップS701において、高確率遊技状態でないと判定した場合には(ステップS701:No)、「低確率時乱数判定テーブル」を選択し(ステップS705)、ステップS703をおこなう。「低確率時乱数判定テーブル」とは、低確率遊技状態における乱数判定に用いる各テーブル(大当たり乱数判定テーブル、リーチ乱数判定テーブル、変動パターン乱数判定テーブル)である。
【0121】
(特別図柄処理)
次に、図8を用いて、主制御部201が実行する特別図柄処理について説明する。図8は、主制御部が実行する特別図柄処理を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図5に示したステップS503の図柄処理に含まれる処理内容である。
【0122】
図8において、主制御部201のCPU211は、当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS801)。当たり遊技フラグは、ステップS815に示す停止中処理において、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に設定されるフラグである。
【0123】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS801:Yes)、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがONでなければ(ステップS801:No)、特別図柄の変動中であるか否かを判定し(ステップS802)、変動中である場合(ステップS802:Yes)、ステップS811に移行する。変動中ではない場合(ステップS802:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留数としての第2始動口検知カウンタのカウント値U2が最低1個あるか否かを判定する(ステップS803)。
【0124】
カウント値U2が1個以上ある場合(ステップS803:Yes)、カウント値U2を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS804)、ステップS808に移行する。ステップS803において、カウント値U2が1個以上ない場合(ステップS803:No)、すなわち「U2=0」の場合、第1始動口105に入賞した遊技球の保留数としての第1始動口検知カウンタのカウント値U1が最低1個あるか否かを判定する(ステップS805)。カウント値U1が1個以上ない場合(ステップS805:No)、すなわち「U1=0」の場合、そのまま処理を終了する。
【0125】
カウント値U1が1個以上ある場合(ステップS805:Yes)、カウント値U1を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS806)、ステップS807に移行する。ステップS807では、大当たり判定処理をおこなう(ステップS807)。大当たり判定処理は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞した際に取得した大当たり乱数が、予め設定される大当たり乱数に一致するか否かを判定する処理であり、その詳細は図9に後述する。
【0126】
なお、実施の形態1においては、ステップS803〜ステップS806に示したように、第1始動口105に入賞した遊技球よりも、第2始動口106に入賞した遊技球が先に消化されるようになっている。この後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS808)。この変動パターン選択処理は、大当たり判定処理の判定結果に応じて、特別図柄の変動パターンを選択する処理であり、その詳細は、図10に後述する。
【0127】
この後、特別図柄の変動を開始する(ステップS809)。さらに、変動開始コマンドをRAM213にセットする(ステップS810)。そして、特別図柄の変動時間が、変動パターン選択処理によって選択された変動時間を経過したか否かを判定する(ステップS811)。変動時間経過していない場合には(ステップS811:No)、そのまま処理を終了する。
【0128】
変動時間経過した場合には(ステップS811:Yes)、特別図柄の変動を停止するとともに(ステップS812)、変動停止コマンドをセットする(ステップS813)。この後、停止中処理を実行し(ステップS814)、処理を終了する。なお、停止中処理は、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に当たり遊技フラグを設定したり、時短遊技状態を示す時短フラグを時短残余回数に応じてOFFにしたりする処理であり、その詳細は図11に後述する。
【0129】
(大当たり判定処理)
次に、図9を用いて、大当たり判定処理の処理手順について説明する。図9は、大当たり判定処理の処理手順を示すフローチャートである。大当たり判定処理とは、図8のステップS808に示した処理である。
【0130】
大当たり判定処理において、まず、大当たり乱数判定処理をおこなう(ステップS901)。大当たり乱数判定処理では、大当たり乱数判定テーブルを用いて、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞した際に取得した大当たり乱数が、大当たりであるか、はずれであるか、を判定する。
【0131】
ステップS901の後、大当たり乱数判定処理の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS902)。大当たりである場合(ステップS902:Yes)、遊技状態を参照し(ステップS903)、大当たり図柄乱数テーブルをセットする(ステップS904)。
【0132】
ステップS904の後、図柄乱数判定処理をおこなう(ステップS905)。図柄乱数判定処理とは、図柄乱数判定テーブルを用いて、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞した際に取得した図柄乱数が、いずれの種類の大当たりを示すかを判定する処理である。ステップS905の後、大当たり図柄をセットし(ステップS906)、そのまま処理を終了する。
【0133】
ステップS902において、大当たりでないと判定した場合(ステップS902:No)、小当たりであるか否かを判定し(ステップS907)、小当たりである場合(ステップS907:Yes)、小当たり図柄をセットし(ステップS908)、そのまま処理を終了する。また、ステップS907において、小当たりでない場合(ステップS907:No)、はずれ図柄をセットし(ステップS909)、そのまま処理を終了する。
【0134】
(変動パターン選択処理)
次に、図10を用いて、変動パターン選択処理について説明する。図10は、変動パターン選択処理の処理手順を示すフローチャートである。変動パターン選択処理とは、図8のステップS809において示した処理である。
【0135】
変動パターン選択処理において、まず、当たりであるか否かを判定し(ステップS1001)、当たりである場合(ステップS1001:Yes)、当たり用変動パターンテーブルをセットする(ステップS1002)。当たり用変動パターンテーブルとは、当たりの種類毎に設けられた変動パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
【0136】
ステップS1001において、当たりでない場合(ステップS1001:No)、リーチ乱数判定処理をおこなう(ステップS1003)。リーチ乱数判定処理とは、取得したリーチ乱数を用いて、リーチの有無を決定する処理である。その後、リーチであるか否かを判定し(ステップS1004)、リーチである場合(ステップS1004:Yes)、リーチ用変動パターンテーブルをセットする(ステップS1005)。リーチ用変動パターンテーブルとは、リーチにおける変動パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
【0137】
また、ステップS1004において、リーチでないと判定した場合、すなわち、はずれである場合(ステップS1004:No)、はずれ用変動パターンテーブルをセットする(ステップS1006)。はずれ用変動パターンテーブルとは、はずれにおける変動パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
【0138】
ステップS1002、ステップS1005、ステップS1006において、変動パターンテーブルをセットした後、変動パターン乱数判定処理をおこなう(ステップS1008)。変動パターン乱数判定処理とは、取得した変動パターン乱数および各変動パターンテーブルを用いて、変動パターンを選択する処理である。その後、変動パターンを設定し(ステップS1009)、そのまま処理を終了する。
【0139】
(停止中処理)
次に、主制御部201がおこなう停止中処理について説明する。図11は、主制御部がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。図11において、主制御部201のCPU211は、まず、時短フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1101)。なお、時短フラグは、図13に後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。時短フラグがONではない場合(ステップS1101:No)、ステップS1105に移行する。
【0140】
時短フラグがONである場合(ステップS1101:Yes)、時短遊技残余回数Jから「1」減算した値を新たな時短遊技残余回数Jとする(ステップS1102)。なお、時短遊技残余回数Jは、時短遊技状態における遊技の残余回数を示しており、通常大当たり後に、例えば100回にセットされる数値である。時短遊技残余回数Jのセットについては、遊技状態設定処理(図13を参照)にて後述する。この後、時短遊技残余回数Jが「0」であるか判定する(ステップS1103)。
【0141】
時短遊技残余回数Jが「0」である場合(ステップS1103:Yes)、時短フラグをOFFにする(ステップS1104)。時短遊技残余回数Jが「0」ではない場合(ステップS1103:No)、ステップS1105に移行する。ステップS1105では、高確率遊技状態を示す高確率フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1105)。
【0142】
ステップS1105において、高確率フラグがOFFである場合(ステップS1105:No)、ステップS1109に移行する。高確率フラグがONである場合(ステップS1105:Yes)、高確率遊技残余回数Xから「1」減算した値を新たな高確率遊技残余回数Xとする(ステップS1106)。
【0143】
高確率遊技残余回数Xは、具体的には、確変遊技状態または潜確遊技状態における遊技の残余回数を示しており、確変大当たり、潜確大当たり終了後にそれぞれ、例えば10000回にセットされる数値である。なお、「10000」という数値は、次の大当たりに当選するまで高確率遊技状態が変更されないようにするために、便宜上定めた数字である。高確率遊技残余回数Xのセットについては、遊技状態設定処理(図13を参照)にて後述する。
【0144】
この後、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか判定し(ステップS1107)、高確率遊技残余回数Xが「0」である場合(ステップS1107:Yes)、高確率フラグをOFFにする(ステップS1108)。高確率遊技残余回数Xが「0」ではない場合(ステップS1107:No)、ステップS1109に移行する。
【0145】
ステップS1109では、停止した特別図柄が大当たりであるか否かを判定し、大当たりではない場合(ステップS1109:No)、停止した特別図柄が小当たりであるか否かを判定する(ステップS1110)。停止した特別図柄が小当たりではない場合(ステップS1110:No)、処理を終了する。停止した特別図柄が小当たりである場合(ステップS1110:Yes)、小当たり遊技フラグをONにし(ステップS1111)、当たりのオープニングを開始する(ステップS1112)。この後、オープニングコマンドをセットし(ステップS1113)、処理を終了する。
【0146】
また、ステップS1109において、停止した特別図柄が大当たり図柄である場合(ステップS1109:Yes)、1ラウンドにおける大入賞口109の開放時間が長い長当たりであるか否かを判定する(ステップS1114)。長当たりである場合(ステップS1114:Yes)、長当たり遊技フラグをONにし(ステップS1115)、ステップS1117に移行する。
【0147】
長当たりではない場合(ステップS1114:No)、短当たり遊技フラグをONにし(ステップS1116)、ステップS1117に移行する。ステップS1117では、時短遊技残余回数Jまたは高確率遊技残余回数Xを「0」にする(ステップS1117)。この後、時短フラグまたは高確率フラグをOFFにし(ステップS1118)、ステップS1112に移行する。
【0148】
なお、上述した処理によって、時短フラグおよび高確率フラグがともにONになっているときは確変遊技状態となっており、時短フラグがONであり、かつ、高確率フラグがOFFになっているときは時短遊技状態となっている。また、時短フラグがOFFであり、かつ、高確率フラグがONになっているときは潜確遊技状態となっている。時短フラグおよび高確率フラグがともにOFFになっているときは通常遊技状態となっている。
【0149】
(大入賞口処理)
次に、図12を用いて、主制御部201がおこなう大入賞口処理について説明する。図12は、主制御部がおこなう大入賞口処理を示したフローチャートである。この大入賞口処理は、図5のステップS504に示した電動役物処理に含まれる一処理である。
【0150】
図12において、主制御部201のCPU211は、当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1201)。なお、当たり遊技フラグは、図11に示した停止中処理にて設定される、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグまたは小当たり遊技フラグである。
【0151】
ステップS1201において、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS1201:No)、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがONである場合(ステップS1201:Yes)、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS1202)。ここで、オープニングとは、大入賞口109を開放する前の所定の時間をいう。
【0152】
オープニング中であれば(ステップS1202:Yes)、所定のオープニング時間が経過したか判定する(ステップS1203)。オープニング時間が経過していない場合(ステップS1203:No)、そのまま処理を終了する。
【0153】
オープニング時間が経過していれば(ステップS1203:Yes)、ラウンド数/作動パターン設定処理を実行する(ステップS1204)。ラウンド数/作動パターン設定処理では、当たり遊技フラグに応じたラウンド数と大入賞口109の作動パターンが設定される。例えば大当たりの場合、ラウンド数を15ラウンドに設定する。さらに、長当たりの場合には1ラウンド30秒の作動パターンを設定し、短当たりの場合には1ラウンド0.1秒の作動パターンを設定する。また、小当たりの場合、ラウンド数を1ラウンドに設定し、1ラウンドを0.1秒×15回とした作動パターンを設定する。
【0154】
ステップS1204において、ラウンド数/作動パターン設定処理を実行した後、各ラウンドにおける大入賞口109への入賞カウント値Cを「0」にセットする(ステップS1205)。そして、ラウンド数Rを「1」加算した値を新たなラウンド数Rとする(ステップS1206)。この後、ラウンドを開始することを示すラウンド開始コマンドをセットする(ステップS1207)。さらに、大入賞口ソレノイド232を制御して、大入賞口109の作動を開始する(ステップS1208)。
【0155】
そして、作動時間または作動パターンが終了したか否かを判定する(ステップS1209)。作動時間の終了とは、大入賞口109の作動を開始してから所定時間(30秒または0.1秒)が経過することである。また、作動パターンの終了とは、小当たり時における0.1秒×15回の作動パターンが終了することである。
【0156】
作動時間または作動パターンが終了していないときには(ステップS1209:No)、大入賞口109への遊技球の入賞カウント値Cが規定数(例えば「10」)であるか否かを判定する(ステップS1210)。入賞カウント値Cが規定数であるときには(ステップS1210:Yes)、大入賞口109の作動を終了させる(ステップS1211)。入賞カウント値Cが規定数ではないときには(ステップS1210:No)、そのまま処理を終了する。
【0157】
ステップS1209において、作動時間または作動パターンが終了したときには(ステップS1209:Yes)、ステップS1211へ移行し、大入賞口109の作動を終了させる。すなわち、大当たりの場合、大入賞口109は、作動時間の経過または所定の入賞数のいずれか一方が満たされた場合に作動を終了する。
【0158】
なお、小当たりや、潜確大当たりなどの短当たりでは作動時間が0.1秒に設定されるため、この間に大入賞口109へ遊技球を入賞させることは困難である。すなわち、小当たりや短当たりは、賞球数がほとんどない当たりとなっている。
【0159】
ステップS1211において大入賞口109の作動を終了させた後、最終ラウンドとなったか否かを判定する(ステップS1212)。例えば、ステップS1204のラウンド数設定処理において設定されたラウンド数Rが15ラウンドであれば、「ラウンド数R=15」の場合に最終ラウンドとなる。また、小当たり時のように、ラウンド数設定処理において設定されたラウンド数Rが1ラウンドであれば、「ラウンド数R=1」の場合に最終ラウンドとなる。
【0160】
ステップS1212において最終ラウンドではないときには(ステップS1212:No)、処理を終了する。最終ラウンドであるときには(ステップS1212:Yes)、エンディングを開始する(ステップS1213)。ここで、エンディングは、大入賞口109の作動終了後の所定の演出用の時間をいう。
【0161】
ステップS1213においてエンディングを開始した後、エンディングコマンドをセットする(ステップS1214)。そして、ラウンド数Rを「0」にセットし(ステップS1215)、エンディング時間が経過したか判定する(ステップS1216)。エンディング時間が経過していれば(ステップS1216:Yes)、遊技状態設定処理を実行する(ステップS1217)。なお、遊技状態設定処理については、図13を用いて後述する。この後、当たり遊技フラグをOFFにし(ステップS1218)、処理を終了する。エンディング時間が経過していなければ(ステップS1216:No)、そのまま処理を終了する。
【0162】
一方、ステップS1202において、オープニング中ではない場合には(ステップS1202:No)、エンディング中であるか否かを判定する(ステップS1219)。エンディング中である場合(ステップS1219:Yes)、ステップS1216に移行する。エンディング中ではない場合(ステップS1219:No)、大入賞口109が作動中であるか否かを判定する(ステップS1220)。大入賞口109が作動中ではない場合(ステップS1220:No)、ステップS1205に移行する。大入賞口109が作動中である場合(ステップS1220:Yes)、ステップS1209に移行する。
【0163】
(遊技状態設定処理)
次に、図13を用いて、主制御部201がおこなう遊技状態設定処理について説明する。図13は、遊技状態設定処理を示したフローチャートである。なお、遊技状態設定処理は、図12のステップS1217に示した処理である。図13において、主制御部201のCPU211は、小当たりであるか否かを判定する(ステップS1301)。
【0164】
小当たりではない場合(ステップS1301:No)、通常大当たりであるか否かを判定する(ステップS1302)。通常大当たりである場合(ステップS1302:Yes)、時短フラグをONにする(ステップS1303)。そして、時短遊技残余回数Jを「100」にセットし(ステップS1304)、処理を終了する。
【0165】
通常大当たりではない場合(ステップS1302:No)、確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS1305)。確変大当たりである場合(ステップS1305:Yes)、時短フラグをONにし(ステップS1306)、時短遊技残余回数Jを「10000」にセットする(ステップS1307)。なお、この「10000」の値は、次の大当たりに当選するまで遊技状態が変更されないようにするために、便宜上定めた数字である。
【0166】
この後、高確率フラグをONにするとともに(ステップS1308)、高確率遊技残余回数Xを「10000」にセットし(ステップS1309)、処理を終了する。ステップS1305において、確変大当たりではない場合(ステップS1305:No)、すなわち、潜確大当たりである場合、ステップS1308に移行する。また、ステップS1301において、小当たりである場合(ステップS1301:Yes)、そのまま処理を終了する。
【0167】
(演出メイン制御処理)
次に、図14−1を用いて、演出メイン制御処理について説明する。図14−1は、実施の形態1にかかる演出メイン制御処理の処理内容を示すフローチャートである。図14−1に示す演出メイン制御処理は、演出統括部202aへの電源供給時に開始され、演出統括部202aの起動中継続的におこなわれる。
【0168】
図14−1に示すように、演出メイン制御処理において、演出統括部202aは、まず、所定の初期設定をおこない(ステップS1401)、CTC周期の設定をおこなう(ステップS1402)。ここで設定されたCTC周期に基づき、演出統括部202aは、後述する演出タイマ割込処理(図15参照)を、この演出メイン制御処理に対して割り込み実行する。
【0169】
CTC周期を設定すると、演出統括部202aは、ぱちんこ遊技機100の演出に関する各種乱数を更新する乱数更新処理をおこない(ステップS1403)、主制御部201から送信された遊技状態コマンドを受信する(ステップS1403)。
【0170】
その後、遊技状態コマンドに含まれる現在の遊技状態を参照し(ステップS1404)、図14−2に後述する特殊移行モード選択テーブルをセットし(ステップS1405)、移行する演出モードを決定する移行モード抽選をおこなう(ステップS1406)。具体的には、移行モード選択乱数を取得し、図14−2に後述する移行モード選択テーブルを用いて移行モード抽選をおこなう。
【0171】
その後、ステップS1406において決定された演出モードに移行し(ステップS1407)、その後、ステップS1408の処理を繰り返す。ステップS1408において更新される乱数は、例えば、変動中の演出を決定する抽選に用いる変動演出選択乱数などが挙げられる。
【0172】
このように、ステップS1403〜ステップS1407の処理をおこなうことにより、電源投入時に遊技状態に基づいた演出モードを設定することができる。これにより、電源投入直後の演出モードの多様化を図ることができる。
【0173】
(特殊移行モード選択テーブル)
次に、図14−2を用いて、特殊移行モード選択テーブルについて説明する。特殊移行モード選択テーブルとは、図14−1のステップS1405においてセットされ、移行モード抽選に用いられるテーブルである。図14−2は、移行モード選択テーブルを示す説明図である。
【0174】
図14−2に示す特殊移行モード選択テーブル1420は、遊技状態1421と、移行確率1422と、を含む。遊技状態1421は、移行モード抽選をおこなう際の遊技状態を示しており、高確率遊技状態および低確率遊技状態である。移行確率1422は、移行する演出モードの選択確率を示している。
【0175】
特殊移行モード選択テーブル1420において、例えば、遊技状態1421が高確率遊技状態である場合、Aモードへの移行確率1422は50/100であり、Bモードへの移行確率1422は35/100であり、Cモードへの移行確率1422は10/100であり、Dモードへの移行確率1422は5/100である。
【0176】
また、例えば、遊技状態1421が低確率遊技状態である場合に、Aモードへの移行確率1422は5/100であり、Bモードへの移行確率1422は10/100であり、Cモードへの移行確率1422は35/100であり、Dモードへの移行確率1422は50/100である。このように設定することで、図20に後述する通常移行モード選択テーブルよりも、遊技状態を強く示唆する構成としてある。
【0177】
(演出統括部が実行する演出タイマ割込処理)
次に、図15を用いて、演出制御部202の演出統括部202aが実行する演出タイマ割込処理について説明する。図15は、演出統括部が実行する演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出タイマ割込処理は、演出統括部202aが、起動中、所定期間(例えば4ms)毎に演出統括部202aが実行する演出メイン制御処理に割り込み動作する処理である。
【0178】
図15において、演出統括部202aのCPU241は、主制御部201からコマンドを受信した際におこなうコマンド受信処理を実行する(ステップS1501)。なお、コマンド受信処理については、図16を用いて後述する。さらに、演出ボタン119が押下された際におこなう演出ボタン処理を実行する(ステップS1502)。そして、画像・音声制御部202bまたはランプ制御部202cに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し(ステップS1503)、処理を終了する。
【0179】
(コマンド受信処理)
次に、図16を用いて、演出統括部202aが実行するコマンド受信処理の詳細について説明する。コマンド受信処理とは、図15のステップS1501に示した処理である。図16は、演出統括部が実行するコマンド受信処理の処理手順を示すフローチャートである。図16において、まず、演出統括部202aのCPU241は、保留数増加コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1601)。保留数増加コマンドとは、主制御部201から出力されるコマンドであり、図6のステップS606またはステップS612においてセットされるコマンドである。
【0180】
保留数増加コマンドを受信していない場合(ステップS1601:No)、後述するステップS1605をおこなう。保留数増加コマンドを受信している場合(ステップS1601:Yes)、保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報を記憶し(ステップS1602)、予兆保留表示抽選処理をおこなう(ステップS1603)。予兆保留表示抽選処理とは、遊技者に有利な大当たり抽選の抽選結果の保留の有無を、画像表示部104に表示するか否かを決定する抽選をおこなう処理である。
【0181】
ステップS1603の後、保留増加コマンドをセットする(ステップS1604)。保留増加コマンドとは、保留球数の増加情報を含むコマンドであり、画像・音声制御部202bに送信される。その後、主制御部201から特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1605)。なお、変動開始コマンドは、主制御部201による特別図柄処理においてセットされたコマンドである(図8のステップS810参照)。
【0182】
ステップS1605において、変動開始コマンドを受信しない場合(ステップS1605:No)、後述するステップS1607に移行する。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1605:Yes)、変動演出を決定する演出選択処理を実行する(ステップS1606)。
【0183】
この後、演出図柄を停止させるための変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1607)。なお、変動停止コマンドは、特別図柄の変動停止を示すコマンドであり、主制御部201の特別図柄処理においてセットされるコマンドである(図8のステップS813参照)。
【0184】
変動停止コマンドを受信しない場合(ステップS1607:No)、後述するステップS1609をおこなう。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1607:Yes)、変動演出終了中処理を実行し(ステップS1608)、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1609)。なお、変動演出終了中処理は、演出図柄の変動を停止させたり、遊技状態に応じた演出モードを変動回数に応じて終了させたりする処理であり、図17に後述する。また、オープニングコマンドとは、図11に示した停止中処理のステップS1113においてセットされたコマンドである。
【0185】
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1609:Yes)、当たり演出選択処理をおこなう(ステップS1610)。当たり演出選択処理とは、当たり中の演出内容を選択する処理である。オープニングコマンドを受信していない場合(ステップS1609:No)、後述するステップS1611をおこなう。
【0186】
ステップS1610の後、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1611)。エンディングコマンドとは、図12に示した大入賞口処理のステップS1214においてセットされたコマンドである。エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1611:No)、そのまま処理を終了する。
【0187】
ステップS1611において、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS1611:Yes)、エンディング演出選択処理をおこない(ステップS1612)、そのまま処理を終了する。エンディング演出選択処理とは、エンディングコマンドを解析し、エンディング演出を選択する処理である。
【0188】
(変動演出終了中処理)
次に、図17を用いて、演出統括部202aが実行する変動演出終了中処理について説明する。変動演出終了中処理とは、図16のステップS1608に示した処理である。図17は、演出統括部が実行する変動演出終了中処理の処理手順を示すフローチャートである。変動演出終了中処理において、まず、変動停止コマンドを解析する(ステップS1701)。変動停止コマンドとは、図16のステップS1607において受信したコマンドである。
【0189】
次に、モードフラグを参照し(ステップS1702)、演出モード移行処理をおこなう(ステップS1703)。演出モード移行処理の詳細は、図18に後述する。その後、変動停止コマンドに当たりを示す情報が含まれているか否かを判定し(ステップS1704)、当たりを示す情報が含まれている場合(ステップS1704:Yes)、モードフラグ変更処理をおこなう(ステップS1705)。
【0190】
ステップS1704において、当たりを示す情報が含まれていない場合(ステップS1704:No)、モードフラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS1706)。すなわち、通常遊技状態であるか否かを判定する。モードフラグが「0」である場合(ステップS1706:Yes)、後述するステップS1710をおこなう。
【0191】
ステップS1706において、モードフラグが「0」でないと判定した場合(ステップS1706:No)、モード残余変動回数Mから「1」を減算することにより、新たなモード残余変動回数Mを計測する(ステップS1707)。その後、モード残余変動回数Mが「0」であるか否かを判定し(ステップS1708)、モード残余変動回数Mが「0」でない場合(ステップS1708:No)、後述するステップS1710をおこなう。
【0192】
ステップS1708において、モード残余変動回数Mが「0」である場合(ステップS1708:Yes)、モードフラグを「0」にし(ステップS1709)、変動演出終了コマンドをセットし(ステップS1710)、そのまま処理を終了する。
【0193】
(演出モード移行処理)
次に、図18を用いて、演出統括部202aが実行する演出モード移行処理について説明する。演出モード移行処理とは、図17のステップS1703に示した処理である。図18は、実施の形態1にかかる演出統括部が実行する演出モード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0194】
演出モード移行処理において、まず、演出モード移行抽選をおこなう(ステップS1801)。演出モード移行抽選とは、A〜Dモードのいずれかに移行するか否かを決定する抽選であり、演出モード移行乱数を取得し、演出モード移行抽選テーブルを用いておこなう。なお、演出モード移行抽選テーブルの詳細を、図19に後述する。
【0195】
ステップS1801の後、演出モードを移行するか否かを判定し(ステップS1802)、演出モードを移行しないと判定した場合(ステップS1802:No)、そのまま処理を終了する。演出モードを移行する場合(ステップS1802:Yes)、図20に後述する通常移行モード選択テーブルをセットし(ステップS1803)、移行する演出モードを決定する移行モード抽選をおこない(ステップS1804)、演出モードを移行し(ステップS1805)、そのまま処理を終了する。
【0196】
(演出モード移行抽選テーブル)
次に、図19を用いて、演出モード移行抽選テーブルについて説明する。図19は、演出モード移行抽選テーブルを示す説明図である。演出モード移行抽選テーブルは、図18のステップS1801において用いるテーブルである。図19に示す演出モード移行抽選テーブル1900は、移行の有無1901と、範囲1902と、割合1903と、乱数値1904とを含む。
【0197】
移行の有無1901は、演出モードを移行するか否かを示しており、演出モードを移行する場合は「有」、演出モードを移行しない場合は「無」である。範囲1902は、演出モード移行乱数の範囲を示しており、0〜49である。割合1903は、範囲1902の個数で乱数値1904の個数を除した数値である。乱数値1904は、移行の有無1901に応じた演出モード移行乱数を示している。
【0198】
例えば、取得した乱数値1904が0〜4のいずれかである場合、移行の有無1901は「有」であり、その割合1903は5/50である。また、取得した乱数値1904が5〜49のいずれかである場合、移行の有無1901は「無」であり、その割合1903は45/50である。
【0199】
(通常移行モード選択テーブル)
次に、図20を用いて、通常移行モード選択テーブルについて説明する。通常移行モード選択テーブルとは、図18のステップS1803においてセットされ、移行モード抽選に用いられるテーブルである。図20は、通常移行モード選択テーブルを示す説明図である。図20に示す通常移行モード選択テーブル2000は、図14−2に示した特殊移行モード選択テーブル1420と同様に、遊技状態1421と、移行確率1422と、を含む。
【0200】
図20に示す通常移行モード選択テーブル2000において、例えば、遊技状態1421が高確率遊技状態である場合、Aモードへの移行確率1422は40/100であり、Bモードへの移行確率1422は30/100であり、Cモードへの移行確率1422は20/100であり、Dモードへの移行確率1422は10/100である。
【0201】
また、例えば、遊技状態1421が低確率遊技状態である場合に、Aモードへの移行確率1422は10/100であり、Bモードへの移行確率1422は20/100であり、Cモードへの移行確率1422は30/100であり、Dモードへの移行確率1422は40/100である。このように設定することで、Aモードの大当たりに対する信頼度が最も高く、次いでBモードが高く、その次にCモードが高く、Dモードの信頼度が最も低い構成となっている。
【0202】
上述したように、実施の形態1において、電源投入後の予め定められた所定のタイミングにて、遊技状態に基づいた演出モードを選択し、移行する構成とした。これにより、電源投入後の遊技機の振る舞いを多様化させることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0203】
また、電源投入のタイミングにて、遊技状態に基づいた演出モードを選択し、移行する構成とした。これにより、遊技者に対し、電源投入後における遊技状態を示唆することができる。したがって、遊技店の開店直後の演出モードを、遊技者が遊技台を選ぶ際の判断材料とすることができ、開店直後に遊技をおこなう遊技者の高揚感を向上させるとともに、開店直後の遊技に対する期待感を与えることができる。
【0204】
また、特殊移行モード選択テーブルを、通常移行モード選択テーブルよりも、高確率遊技状態にAモードおよびBモードを選択し易い設定とし、また、低確率遊技状態にCモードおよびDモードを選択し易い設定とした。これにより、電源投入直後に演出モードを移行する場合、毎変動終了時に所定の確率にて演出モードを移行する場合よりも、演出モードの遊技状態に対する信頼度を高くすることができる。したがって、電源投入直後に遊技者に与える高揚感および期待感を、より向上させることができる。
【0205】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、演出モードを設定するタイミングが、電源投入時ではなく、電源投入後に1回の変動を終了した時点とした点が実施の形態1と異なる。なお、以下の説明において、実施の形態1にて説明した点については説明を省略し、実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。
【0206】
まず、実施の形態2において、演出統括部202aのROM242に記憶されている演出モード選択プログラムは、演出モードを移行させることが決定した場合、または電源投入から1回の変動がおこなわれたときに、移行する演出モードを選択するプログラムである。
【0207】
(主制御部が実行するメイン処理)
次に、図21を用いて、主制御部201が実行するメイン処理について説明する。図21は、実施の形態2にかかる主制御部が実行するメイン処理の処理内容を示すフローチャートである。例えば、このメイン処理は、主制御部201に電源が投入されると開始され、主制御部201の起動中継続的に実行される。
【0208】
図21に示すように、メイン処理において主制御部201は、まず、1000ms待機し(ステップS2101)、その後、RAM213へのアクセスを許可する(ステップS2102)。RAM213へのアクセスを許可すると、主制御部201は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS2103)。
【0209】
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS2103:Yes)、主制御部201は、RAMクリアをおこなう(ステップS2104)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM213に蓄積されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。
【0210】
RAMクリアをおこなうと、主制御部201は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS2105)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS2106)。ここで、周辺部とは、演出制御部202、賞球制御部203などである。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによりおこなわれる。
【0211】
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS2103:No)、主制御部201は、バックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS2107)。バックアップフラグがONであれば(ステップS2107:Yes)、主制御部201は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS2108)。
【0212】
チェックサムが正常であれば(ステップS2108:Yes)、主制御部201は、復旧処理を実行する(ステップS2109)。また、バックアップフラグがONでなければ(ステップS2107:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS2108:No)、ステップS2104へ移行してRAMクリアをおこなう。
【0213】
次に、主制御部201は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する(ステップS2110)。なお、主制御部201は、ここで設定された周期を用いてタイマ割込処理を実行する。ステップS2110においてCTCの周期を設定すると、主制御部201は、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS2111)。
【0214】
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部201は、変動パターン乱数を更新し(ステップS2112)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS2113)。そして、主制御部201は、初期値乱数を更新し(ステップS2114)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS2115)、ステップS2111へ移行する。以降、主制御部201は、ステップS2111からステップS2115の処理を繰り返し実行する。
【0215】
(演出メイン制御処理)
次に、図22を用いて、演出メイン制御処理について説明する。図22は、実施の形態2にかかる演出メイン制御処理の処理内容を示すフローチャートである。図22に示す演出メイン制御処理は、演出統括部202aへの電源供給時に開始され、演出統括部202aの起動中継続的におこなわれる。
【0216】
図22に示すように、演出メイン制御処理において、演出統括部202aは、まず、所定の初期設定をおこない(ステップS2201)、CTC周期の設定をおこなう(ステップS2202)。ここで設定されたCTC周期に基づき、演出統括部202aは、図15に示した演出タイマ割込処理を、この演出メイン制御処理に対して割り込み実行する。
【0217】
CTC周期を設定すると、演出統括部202aは、電源投入時から所定の変動をおこなっていないことを示す待機フラグをONにする。なお、実施の形態2においては、1変動を終了する時点において待機フラグをOFFにする。
【0218】
ステップS2203の後、ぱちんこ遊技機100の演出に関する各種乱数を更新する乱数更新処理をおこない(ステップS2204)、以降、ステップS2204の処理を繰り返す。ステップS2203において更新される乱数は、例えば、連続予告演出の実行の有無を決定する抽選に用いる連続予告演出実行乱数などが挙げられる。
【0219】
(演出モード移行処理)
次に、図23を用いて、演出統括部202aが実行する演出モード移行処理について説明する。演出モード移行処理とは、図17のステップS1703に示した処理である。図23は、実施の形態2にかかる演出統括部が実行する演出モード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0220】
演出モード移行処理において、まず、待機フラグがONであるか否かを判定し(ステップS2301)、待機フラグがONである場合(ステップS2301:Yes)、待機フラグをOFFにし(ステップS2302)、図14−2に示した特殊移行モード選択テーブルをセットし(ステップS2303)、後述するステップS2307をおこなう。また、ステップS2301において、待機フラグがOFFである場合(ステップS2301:No)、A〜Dモードのいずれかに演出モードを移行するか否かを決定する演出モード移行抽選をおこなう(ステップS2304)。
【0221】
ステップS2304の後、演出モードを移行するか否かを判定し(ステップS2305)、演出モードを移行しないと判定した場合(ステップS2305:No)、そのまま処理を終了する。演出モードを移行する場合(ステップS2305:Yes)、通常移行モード選択テーブルをセットし(ステップS2306)、移行モード抽選をおこない(ステップS2307)、演出モードを移行し(ステップS2308)、そのまま処理を終了する。
【0222】
なお、電源を投入してからステップS2308において演出モードを移行するまで、すなわち、電源を投入してから1回目の変動では、予め設定されている演出モードをおこなうものとしてもよいし、また、演出モードとは異なる特殊な演出をおこなうものとしてもよい。特殊な演出とは、例えば、「いらっしゃいませ」といった文字情報を画像表示部104に表示する演出などである。
【0223】
上述したように、実施の形態2において、電源の投入から1回の変動をおこなったタイミングにて、遊技状態に基づいた演出モードを選択し、移行する構成とした。これにより、遊技者に対し、遊技開始より前は遊技状態を認識させず、遊技開始直後に遊技状態を示唆することができる。したがって、電源を投入した直後に遊技をおこなう遊技者に対し、遊技を開始するまで遊技状態に対する不安感と期待感を与えることができるとともに、遊技開始直後の演出パターンを多様化させることにより、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0224】
なお、実施の形態2においては電源を投入してから1回の変動をおこなったタイミングにて演出モードを移行するものとしたが、これに限るものではなく、例えば、3回の変動をおこなったタイミングでもよい。
【0225】
また、実施の形態1および実施の形態2において、毎変動終了時に所定の確率で演出モードを移行する構成としたが、電源投入直後に演出モードを移行する構成であればこれに限るものではなく、予め設定されたタイミングにて演出モードを移行する構成としてもよい。たとえば、潜確大当たりまたは小当たりに当選したタイミングにて演出モードを移行するものとしてもよい。
【0226】
また、実施の形態1および実施の形態2において、一の演出モードに移行した後、毎変動終了時に所定の確率にて演出モードを移行する構成としたが、電源投入直後に演出モードを移行する構成であれば、これに限るものではない。たとえば、演出モードを移行するタイミングと、その移行先の演出モードと、を含む演出モード移行パターンを複数有し、その中から一の演出モード移行パターンを選択し、実行するものでもよい。
【0227】
演出モード移行パターンとは、具体的には、「まずAモードに移行し、15回の変動をおこなった後にBモードに移行し、更に30回の変動をおこなった後にCモードに移行する」などの演出モードの移行パターンであり、いずれのタイミングにて演出モードを移行する場合においても、演出モード移行パターンを選択し、実行するものとしてよい。
【0228】
また、実施の形態1および実施の形態2において、電源投入タイミング、または1回の変動をおこなったタイミングに演出モードを移行する際に、演出モードを移行させるか否かを決定する演出モード移行抽選をおこなわない構成とした。
【0229】
ここで、仮に電源投入タイミング、または1回の変動をおこなったタイミングに演出モードを移行する際に演出モード移行抽選をおこなった上で演出モードを移行させる場合を考えてみる。その場合、演出モードを必ず移行させる割り振りで設定されたテーブルを新たに記憶する必要があり、ROM242の記憶容量を圧迫してしまう。そのため、上述したような構成とすることにより、ROM242の記憶容量を圧迫することなく電源投入後の演出モードを多様化させることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0230】
以上説明したように、本発明の遊技機によれば、電源投入後の予め設定された所定のタイミングにて、遊技状態に基づいて演出モードを選択し、実行することにより、電源投入直後の演出の振る舞いを多様化することができ遊技の興趣性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0231】
100 ぱちんこ遊技機(ぱちんこ遊技機)
104 画像表示部
201 主制御部
202 演出制御部
202a 演出統括部
211 CPU
213 RAM
221 第1始動口SW
222 第2始動口SW
241 CPU
301 抽選部
302 遊技状態設定部
303 記憶部(記憶手段)
304 記憶制御部(記憶制御手段)
305 モード制御部(モード制御手段)
306 モード選択部(モード選択手段)
307 実行部(実行手段)
308 移行判定部(移行判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低確率遊技状態と、当該低確率遊技状態よりも特別遊技をおこなうと判定する確率の高い高確率遊技状態とのいずれかの遊技状態により遊技を進行させる遊技機において、
始動条件の成立により前記特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合、遊技者にとって有利な前記特別遊技をおこなう特別遊技実行手段と、
前記特別遊技実行手段による前記特別遊技後、前記低確率遊技状態または前記高確率遊技状態の一方の遊技状態を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されている遊技状態に基づいて、前記低確率遊技状態または前記高確率遊技状態を示唆する複数の演出モードのうち、一の演出モードを実行する実行手段と、
前記実行手段により実行されている演出モードを移行させるか否かの移行判定をおこなうとともに、当該移行判定において演出モードを移行させると判定されると、移行させる演出モードを選択する第1モード選択手段と、
前記遊技機の電源が切断された場合、当該電源切断時に前記設定手段によって設定されている遊技状態を記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記遊技機の電源が投入された場合、当該電源投入時に前記記憶手段に記憶されている遊技状態に基づいて、前記移行判定をおこなうことなく、前記複数の演出モードのうち、一の演出モードを選択する第2モード選択手段と、
を備え、
前記実行手段は、
前記第1モード選択手段または前記第2モード選択手段によって選択された演出モードを実行することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−99629(P2013−99629A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−37414(P2013−37414)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2009−285749(P2009−285749)の分割
【原出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】