説明

遊技装置及びその制御方法

【課題】 遊技の内容によってはプレーヤーの入力操作に関して説明し難い場合又は面白みに欠ける場合が有る、ボタンなどの入力機器では機械的な障害が発生し易い、遊技の高度化に伴い遊技装置の筐体内に新たな機器を配置するスペースが無くなってきているといった問題を解決した、電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置、特にスロットマシン、及びその制御方法を提供することである。
【解決手段】 電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置であって、電子表示機器上におけるタッチパネル方式の入力機器を有し、基本ゲームとボーナスゲームとから成る遊技を実行する遊技装置において、この入力機器を介して、基本ゲームとボーナスゲームのすべての操作及び制御に関する入力を行う遊技装置及び制御方法によって解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置、特にスロットマシン、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置、特にスロットマシンにおいては、プレーヤーは、スロットゲームなどの遊技内容の画像やスコアなどの数値情報を電子表示機器で見ながら、遊技開始の選択やベットするスコア値の入力などをボタン、レバー等の機械的な入力機器で制御するのが一般的である。また、特許文献3では、電子表示機器にタッチパネル付ディスプレイを採用しており、支払額や操作方法を表示する場合などの一部の入力をタッチパネルで行っているが、遊技の開始、ベット、払出しなど主な遊技進行に関わる入力はすべてボタンで行っている。
【0003】
スロットマシンでは、一般的に縦横に並んだ数種類のシンボルを縦方向に独立してスピンさせて、停止した時のシンボルの配置パターンとベット数によってスコアが決まる基本ゲームと、このシンボルの配置パターンが所定のパターンとなった時に実行することができるボーナスゲームとが有る。基本ゲームは、ほぼ決まっており、ほとんどの人が操作方法を知っているが、ボーナスゲームは、様々な趣向を凝らしたものが有る。しかし、これまでのボーナスゲームの操作及び制御に関する入力は、従来のボタン、レバー等の機械的な入力機器か、あるいは前述したように、支払額や操作方法を表示する場合などの一部の入力のみをタッチパネルで行っており、操作性や遊技内容に限界があった。
【特許文献1】特開平9−84937号公報
【特許文献2】特開2003−799号公報
【特許文献3】特開2003−24510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のとおり、従来の遊技装置には、遊技の内容によってはプレーヤーの入力操作に関して説明し難い場合又は面白みに欠ける場合が有る、ボタンなどの入力機器では機械的な障害が発生し易い、遊技の高度化に伴い遊技装置の筐体内に新たな機器を配置するスペースが無くなってきているといった問題が有る。
【0005】
従って、本発明の課題は、これらの問題を解決した、電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置、特にスロットマシン、及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置であって、電子表示機器上におけるタッチパネル方式の入力機器を有し、基本ゲームとボーナスゲームとから成る遊技を実行する遊技装置において、この入力機器を介して、基本ゲームとボーナスゲームのすべての操作及び制御に関する入力を行う遊技装置及び制御方法によって解決される。
【0007】
ここで、電子表示機器は、例えばCRT又は液晶ディスプレイであり、コンピュータ制御による遊技装置は、例えばゲームセンターなどで見かける遊技装置、特にスロットマシンである。タッチパネル方式の入力機器は、電子表示機器上に設置される、従来から周知の機器であり、タッチパネル方式以外にも、非接触方式の入力機器を使用することも可能である。また、ほとんどの人に周知の基本ゲームの操作及び制御に関する入力を従来通りボタン、レバー等の機械的な入力機器によっても行うことができるようにすることにより、多くの人に対する親和性を保ちつつ、全体的な操作性を向上するとともに、より面白い遊技を実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
これらの入力機器は、プレーヤーとの間で機械的な入力機構を使用していないので、障害が発生し難く、筐体内のスペースを節約することができる。また、電子表示機器の画像表示を見ながら、これらの入力機器から、基本ゲームとボーナスゲームのすべての操作及び制御に関する入力を行うことによって、初心者にも直ぐに馴染める表示画像と連動した分かり易い操作性、この分かり易い操作性による時間当りの遊技回数の増加、射幸心をそそるような面白い遊技内容の実現を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下において、本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1は、本発明によるスロットマシンの外観図であり、図2と3は、正面図と側面図である。正面中央には、プレーヤーの手の届く位置にタッチパネル付きのTFTディスプレイ1があり、正面下方には、デスク型の操作部2が配置されている。この操作部には、ベット、スピン開始などの機械式の入力ボタン3が配備されている。また、ディスプレイの下方には、コイン投入口4と紙幣投入口5が配備されている。その他、正面上部には、イラスト入りのアクリルパネル6を嵌め込んであり、内側からランプで照明している。
【0011】
この筐体内には、図4のブロック回路図で示すとおり、CPU、制御用ROM、ワークRAMなどのメイン制御回路10、シリアルインタフェースの通信回路11、グラフィックスIC、画像データROMなどの画像制御回路12、音声IC、音声データ用ROMなどの音声制御回路14、電源回路15から成る回路基板、電源装置等が納められている。また、このソフトウェアは、図5で示すモジュール構成を採用しており、モジュールを交換・追加することにより、所望の様々なゲームを実行できる構成としている。
【0012】
この実施例では、機械式の入力ボタン3を持つ操作部2を配備しているが、この操作部を無くして、タッチパネルだけですべての操作・制御入力を行うこともできる。
【0013】
図6は、本発明によるスロットマシンの基本ゲームの画面図であり、画面中央には、縦方向の5つのリールを配置し、当該のリールに含まれるシンボルの中の3つの計15個の位置に様々なシンボルを表示する基本部分が有り、画面の下方には、クレジット数やベット数などの表示部分及びライン選択、ベット数入力、スピン開始などの入力部分が有る。基本ゲームは、コイン等の遊戯媒体を投入後、投入された媒体数に基づき、媒体数の範囲内においてライン数を設定し、次にライン当たりのベット数を設定する。ライン数とベット数を設定し、開始ボタンを押すとリールが回転し基本ゲームがスタートされる。ライン毎にベット数を入力して、スピンを開始すると、これらのシンボルが縦方向にスピンして、停止した時のシンボルが所定のパターンと合致した場合、その合致したパターンとベット数に応じて、所定のスコアが獲得できるゲームである。これらのライン選択やスピン開始などの入力は、これらの入力に対応するディスプレイ上に表示された絵柄に触れるか、又は操作部2のボタン3を押すことによって行うことができる。
【0014】
図7は本発明によるスロットマシンのボーナスゲームの一つであるホールドゲームの画面の一例を示している。ホールドゲームとは、基本ゲームにおいて予め設定された特定のシンボルが有効ラインには関係なく画面上に左端の列から順に少なくとも3つ以上連続して停止した場合に実行できるものであり、当該の基本ゲームが停止した時に表示されていたシンボルの組合わせのうち、左端から3列を固定したままで、残りの2列だけを回転させて停止させた時に表示される5列全体のシンボルの組合わせにより、スコアを加算できるゲームである。ホールドゲームの画面は、数種類用意されている。図7で説明すると、基本ゲームにおいて予め設定された特定のシンボルが有効ラインに関係なく画面上に左端の列から順に少なくとも3つ以上連続して停止した場合に左の画面が出現し、図中の3人のガンマンの中の1人を指で触れて選択すると、回数が表示され、表示された回数分、当該の基本ゲームが停止した時に表示されていたシンボルの組合わせのうち、左端から3列を固定したままで、残りの2列だけを回転させて停止することができる。従って、その回数分、左端から3列を固定したままで、残りの2列だけを回転させて停止させた時に表示される5列全体のシンボルの組合わせにより、スコアを加算できることになる。更に、それに続いて、右に示す画面が出現し、この画面に表示されている5つの樽の中の一つを指で触れて選択すると、倍率が出現して、当該の基本ゲームで獲得したスコアを更に倍増できるものである。
【0015】
図8に、ボーナスゲームの別の例を示す。この例では、同じく基本ゲームにおいて予め設定された特定のシンボルが有効ラインに関係なく画面上に左端の列から順に少なくとも3つ以上連続して停止した場合に、左の画面に示す小魚の集合体からなる魚群の動画が3つ画面上に現れる。この3つの魚群のいずれか一つを選択すると、魚群が散在してゆき、回数が画面上に表示され、表示された回数分、当該の基本ゲームが停止した時に表示されていたシンボルの組合わせのうち、左端から3列を固定したままで、残りの2列だけを回転させて停止することができる。このホールドゲームの終了後、右に示す別の画面に切り替わる。この切り替わった画面上には大きめの二枚貝が5つあり、その中から一つを指で触れて選択すると、倍率が出現して、当該の基本ゲームで獲得したスコアを更に倍増できるものである。
【0016】
また、これらの他に、基本ゲームにおいて予め設定された所定のシンボルの組合わせが出現した場合に新たに硬貨等遊技媒体を入れなくとも自動的に実行されるフリーゲームや、入賞シンボルの組合わせの出現により獲得したスコアを倍増させることが可能なダブルアップチャンス等のゲームがある。
【0017】
尚、基本ゲームの後に出現するゲームの種類ならびに遊戯方法は先に記述したことに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0018】
以上のゲームは、プレーヤーが容易に入力、設定並びに選択することで初めてプレーヤーにとって面白みと趣向性が発生するものであり、タッチパネル付きディスプレイを導入することによって、従来の機械式での別途入力するような操作では得られない、簡単かつ多様な形で応答可能な操作性が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明によるスロットマシンの外観図
【図2】本発明によるスロットマシンの正面図
【図3】本発明によるスロットマシンの側面図
【図4】本発明によるスロットマシンのブロック回路図
【図5】本発明によるスロットマシンのソフトウェアモジュール構成図
【図6】本発明によるスロットマシンの基本ゲームの画面図
【図7】本発明によるスロットマシンのボーナスゲームの画面図
【図8】本発明によるスロットマシンのボーナスゲームの別の画面図
【符号の説明】
【0020】
1 TFTディスプレイ
2 操作部
3 機械式の入力ボタン
4 コイン投入口
5 紙幣投入口
6 アクリルパネル
10 メイン制御回路
11 通信回路
12 画像制御回路
13 ランプ制御回路
14 音声制御回路
15 電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置であって、電子表示機器上におけるタッチパネル方式の入力機器を有し、基本ゲームとボーナスゲームとから成る遊技を実行する遊技装置において、この入力機器を介して、基本ゲームとボーナスゲームのすべての操作及び制御に関する入力を行うことを特徴とする装置。
【請求項2】
当該の遊技装置が、スロットマシンであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電子表示機器を有するコンピュータ制御による遊技装置であって、電子表示機器上におけるタッチパネル方式の入力機器を有し、基本ゲームとボーナスゲームとから成る遊技を実行する遊技装置の制御方法において、この入力機能を介して、基本ゲームとボーナスゲームのすべての操作及び制御に関する入力を行うことを特徴とする方法。
【請求項4】
当該の遊技装置が、スロットマシンであることを特徴とする請求項3に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−22867(P2008−22867A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360368(P2004−360368)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(301025313)株式会社データ・アート (6)