説明

運動機能向上履物

【課題】従来の履物、特に運動用シューズは、カーブを曲がる際の急峻なコーナリング動作や急停止のストップ動作に対して、体重の地面への伝わりが不安定な部分あり、十分な運動能力を発揮することができなかった。
【解決手段】本発明のシューズでは、靴底全体及び一部分を縦方向に円弧状、三角状あるいは台形状などに隆起させることにより、カーブを曲がる(コーナリング時)際の体の傾斜や急停止のストップ動作に対しても靴底が安定して地面に接地し、滑りを生じることはないので、運動能力を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運動状態においてコーナリング動作やストップ動作を俊敏に、そして安定に行えるように運動機能を向上させる靴底に関する履物。
【背景技術】
【0002】
従来の履物の靴底は、平状のものがほとんどであり運動時に急峻に曲がる、止まるを要求されるスポーツにおいて従来の靴底では運動者の力を的確にとらえる形状ではない。 たとえば、モーターサイクルや自転車のタイヤ断面が円弧状であり、コーナリング時では遠心力とバランスをとるためコーナー内側に傾けて曲がる、このときタイヤの断面が円弧状であることにより、傾けてもタイヤの地面に対する接地は安定し曲がっていくことができる。また、アイススケートで止まる時は、進行方向に対し靴を斜めに押し出すように体重をかけて止まることがある、この場合もスケート靴を斜めして慣性の力を受け止めている。このように人間の曲がる動作、止まる動作も自然の法則に従うので、急峻な曲がる動作、止まる動作を要求される運動では体の傾きにも靴底が地面に対し安定して接地できる形状が望ましい。従来の履物には履物の底裏面中央に高く段差を付け、その突起物は縦方向中央に設け美容・健康面を考慮された履物がある。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2006−55600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、急峻なストップ動作やコーナリング動作に対して、機敏な運動機能を目的とするものでなく適応できないものであった。
そこで、この発明は、機敏な運動機能を有する靴底を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、靴底側面部から靴底縦方向中央部にかけて全体及び一部分を滑らかに隆起させることにより、運動者の体重移動によって斜めにかかる力を靴底の隆起部分に確実に伝達させて、この隆起部分の少なくとも一部が地面に安定して接地することで滑りを生じることなく走る、あるいは止まることを可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明は急峻に曲がる動作や止まる動作に対して、靴底側面部から靴底縦方向中央部にかけて全体及び一部分を滑らかに隆起させることにより運動者の体重移動によって斜めにかかる力を靴底が地面に安定に接地するため機敏な運動機能を提供できる。また、足首が斜め下からの力のかかる方向に対して直線になるため足首に無理な力がかからない効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
体重の移動により、無理なく急峻なコーナリング動作やストップ動作を可能にするため
履物の靴底形状が縦方向に滑らかに隆起した構造とする。
【実施例】
【0007】
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。図1に示す如く、靴底の形状は靴底側面部2から靴底縦方向中央部3にかけて滑らかに隆起させた実施形態図である。
【0008】
図2に示す如く、コーナリング動作に於いては遠心力により体が内側に傾きながら曲がっていくので、靴底の形状が、モーターサイクルがコーナリングを行うときモーターサイクルのタイヤが地面に安定して接しながら曲がっていくように、遠心力で傾いた体から伝わる力を地面に的確に伝えながら回って行くことが可能となる靴左側4、靴右側5が共に接地した状態での靴底接地状態図である。
【0009】
図3に示す如く、急峻なストップを行う場合は、図3のように進行方向に対して靴左側4を垂直に押し出すように踏ん張ることにより体の傾きに対して靴左側4の靴底が制動力を地面に的確に伝える靴底接地状態図である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)は実施形態の靴の正面図であり、(B)はその側面図である。
【図2】コーナリング動作時の靴底接地状態を示す図である。
【図3】ストップ動作時の靴底接地状態を示す図である。
【符号の説明】
【0011】
1 靴上部
2 靴底側面部
3 靴底縦方向中央部
4 靴左側
5 靴右側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底側面部から靴底縦方向中央部にかけて全体及び一部分を滑らかに隆起させることを特徴とする運動機能向上履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−17367(P2010−17367A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180920(P2008−180920)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(307038137)
【Fターム(参考)】