説明

運搬具

【課題】 本発明は、簡易な構成で、運搬対象物の出し入れ作業及び運搬作業を容易に行うことができる運搬具を提供することを目的とする。
【解決手段】 運搬シート20と、運搬シート20の4辺のうち、長手方向と直交する方向に対向する2辺に、長手方向に沿って筒状にそれぞれ形成された第1及び第2の支持棒挿通部20A及び20Bと、両端部分が第1及び第2の支持棒挿通部20A及び20Bからそれぞれ露出するようにして、第1及び第2の支持棒挿通部20A及び20Bにそれぞれ挿通された第1及び第2の支持棒30A及び30Bと、第1及び第2の支持棒30A及び30Bの外径の合計より大きい内径を有する輪が、両端にそれぞれ形成された肩担ぎ用紐50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除草後に残された草や小枝を集めて運搬する際には、例えば、上面が開口するようにして形成された開口部を有する直方体形状の収納袋に、上方から開口部を通じて草や小枝を入れた上で運搬することが一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−38575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かかる収納袋に草を入れる際には、集めた草を一旦持ち上げた上で、上方から開口部を通じて収納袋の中に入れる。そして、草が収納された収納袋を運搬する際には、開口部を形成する4辺のうち、対向する2辺に設けられた取っ手を掴んで運搬する。その後、収納袋から草を取り出す際には、開口部を下方に向けるようにして、収納袋を逆さにすることにより、収納袋から草を取り出す。
【0005】
このように、上述した収納袋を使用する場合には、集めた草を収納袋に入れる作業、草が収納された収納袋を運搬する作業、及び収納袋から草を取り出す作業のいずれの作業を行う場合でも、多くの労力を必要とし、使い勝手が悪い問題があった。
【0006】
本発明は、簡易な構成で、運搬対象物の出し入れ作業及び運搬作業を容易に行うことができる運搬具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による運搬具は、
軟質シート材によって形成された長方形状の運搬シートと、
前記運搬シートの4辺のうち、長手方向と直交する方向に対向する2辺に、所望の内径を有するようにして、長手方向に沿って筒状にそれぞれ形成された第1及び第2の支持棒挿通部と、
前記運搬シートの長手方向における長さより長くなるようにそれぞれ形成されると共に、前記第1及び第2の支持棒挿通部の内径より小さい外径を有するようにそれぞれ形成され、その両端部分が前記第1及び第2の支持棒挿通部からそれぞれ露出するようにして、前記第1及び第2の支持棒挿通部にそれぞれ挿通された第1及び第2の支持棒と、
前記第1及び第2の支持棒の外径の合計より大きい内径を有する輪が、両端にそれぞれ形成された肩担ぎ用紐と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の運搬具によれば、簡易な構成で、運搬対象物の出し入れ作業及び運搬作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態の運搬具の構成を示す平面図である。
【図2】同運搬具を使用する際の使用形態を示す斜視図である。
【図3】同運搬具を用いて運搬作業を行う際の様子を示す斜視図である。
【図4】同運搬具を用いて袋詰め作業を行う際の様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、本発明の実施の形態による運搬具10の構成を示す。この運搬具10は、例えば合成樹脂などからなる軟質シート材によって形成された長方形状の運搬シート20と、当該運搬シート20を支持するための支持棒30A及び30Bとを有する。
【0012】
運搬シート20を形成する4辺のうち、長手方向と直交する方向に対向する2辺には、所望の内径を有するようにして、支持棒挿通部20A及び20B(すなわち、第1及び第2の支持棒挿通部)が、長手方向に沿って筒状にそれぞれ形成されている。
【0013】
支持棒30A(すなわち第1の支持棒)は、運搬シート20の長手方向における長さより長くなるように形成されると共に、支持棒挿通部20Aの内径より小さい外径を有するように形成され、その両端部分が支持棒挿通部20Aから露出するようにして、支持棒挿通部20Aに挿通されている。これにより、支持棒30Aの両端部分は、運搬者によって把持される把手としての役割を果たす。
【0014】
支持棒30B(すなわち第2の支持棒)は、支持棒30Aと同様の長さ及び外径を有し、支持棒30Aと同様に、その両端部分が、支持棒挿通部20Bから露出するようにして、支持棒挿通部20Bに挿通されている。これにより、支持棒30Bの両端部分は、支持棒30Aの両端部分と同様に、運搬者によって把持される把手としての役割を果たす。
【0015】
また、運搬シート20のうち、支持棒挿通部20A及び20Bがそれぞれ形成された2辺の中央部分には、当該中央部分を切り取るようにして、切欠40A及び40B(すなわち、第1及び第2の切欠)がそれぞれ形成されている。これにより、支持棒30A及び30Bの中央部分が、支持棒挿通部20A及び20Bからそれぞれ露出する。従って、支持棒30A及び30Bの中央部分は、支持棒30A及び30Bの両端部分と同様に、運搬者によって把時される把手としての役割を果たすことができる。
【0016】
さらに、運搬具10には、運搬者が運搬具10を肩から担ぐための肩担ぎ用紐50が用意されている。この肩担ぎ用紐50の両端には、支持棒30A及び30Bの外径の合計より大きい内径を有する輪50A及び50Bが、それぞれ形成されている。
【0017】
図2に示すように、運搬具10を運搬する際には、運搬シート20を筒状に変形させながら、支持棒30A及び30B同士(すなわち、支持棒挿通部20A及び20B同士)を接触させた上で、肩担ぎ用紐50の両端に形成された環50A及び50Bに、接触された支持棒30A及び30Bの両端部分をそれぞれ挿通させる。
【0018】
すなわち、除草後に残された草や小枝を集める際には、まず運搬シート20を地面に敷いた後、箒などの清掃道具を用いて、草や小枝などを、地面に敷かれた運搬シート20上に集めるようにして載せる。
【0019】
これにより、開口部を有する直方体形状の収納袋のように、集めた草を一旦持ち上げた上で、上方から開口部を通じて収納袋の中に入れる場合と比較して、集めた草を容易に運搬シート20に掃き入れることができる。
【0020】
図3に示すように、支持棒30A及び30Bの両端部分又は中央部分を把持しながら持ち上げると、運搬シート20上に載せられた草60の重みによって、運搬シート20の中央部分が下方に垂下する。そして、運搬シート20によって草60を包み込むようにして、支持棒30A及び30B同士(すなわち、支持棒挿通部20A及び20B同士)を接触させる。
【0021】
この状態において、肩担ぎ用紐50の両端に形成された環50A及び50Bに、接触された支持棒30A及び30Bの両端部分をそれぞれ挿通させる。これにより、運搬シート20が開いて、草60が散らばることを防止することができる。そして、肩担ぎ用紐50の中央部分を運搬者の肩に掛け、支持棒30A及び30Bの両端部分を把持して運搬する。
【0022】
これにより、開口部を形成する4辺のうち、対向する2辺に取っ手が設けられた直方体形状の収納袋のように、当該取っ手を掴みながら草が収納された収納袋を運搬する場合と比較して、容易に運搬作業を行うことができる。
【0023】
図4に示すように、運搬シート20に包み込まれた草60を取り出し、いわゆる袋詰めを行う際には、支持棒30A及び30Bから肩担ぎ用紐50を外し、上面が開口した袋70内に、草60が包み込まれた運搬シート20を差し込むようにして入れる。
【0024】
続いて、運搬シート20から袋70内に草60を移し入れた後、袋70から運搬シート20を取り出す。その後、紐などを用いて袋70の口を閉じることにより、袋詰めを行う。
【0025】
これにより、開口部を有する直方体形状の収納袋のように、収納袋を逆さにして、収納袋から草を取り出す場合と比較して、容易に草60を取り出して袋詰め作業を行うことができる。
【0026】
このように本実施の形態によれば、簡易な構成で、運搬対象物である草60の出し入れ作業及び運搬作業を容易に行うことができる。
【0027】
なお上述の実施の形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば、肩担ぎ用紐50を用いることなく、切欠40A及び40Bによって露出された支持棒30A及び30Bの中央部分を把持しながら運搬するようにしても良い。
【符号の説明】
【0028】
10 運搬具
20 運搬シート
20A、20B 支持棒挿通部
30A、30B 支持棒
40A、40B 切欠
50 肩担ぎ紐
50A、50B 輪


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質シート材によって形成された長方形状の運搬シートと、
前記運搬シートの4辺のうち、長手方向と直交する方向に対向する2辺に、所望の内径を有するようにして、長手方向に沿って筒状にそれぞれ形成された第1及び第2の支持棒挿通部と、
前記運搬シートの長手方向における長さより長くなるようにそれぞれ形成されると共に、前記第1及び第2の支持棒挿通部の内径より小さい外径を有するようにそれぞれ形成され、その両端部分が前記第1及び第2の支持棒挿通部からそれぞれ露出するようにして、前記第1及び第2の支持棒挿通部にそれぞれ挿通された第1及び第2の支持棒と、
前記第1及び第2の支持棒の外径の合計より大きい内径を有する輪が、両端にそれぞれ形成された肩担ぎ用紐と
を備えることを特徴とする運搬具。
【請求項2】
前記第1及び第2の支持棒の中央部分が、前記第1及び第2の支持棒挿通部からそれぞれ露出するようにして、前記運搬シートのうち、前記第1及び第2の支持棒挿通部がそれぞれ形成された2辺の中央部分に、当該中央部分を切り取るようにしてそれぞれ形成された第1及び第2の切欠
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の運搬具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−16566(P2011−16566A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163567(P2009−163567)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(509196279)
【Fターム(参考)】