説明

運賃収受装置

【課題】装置本体の幅厚を薄型化することができる運賃収受装置を提供する。
【解決手段】路線バスやワンマン式鉄道等の車内には、運賃を収受する集金機器として運賃箱1が設置されている。この種の運賃箱1には、プリペイドカード等の磁気カード6aによる運賃支払いを可能とする磁気リーダ6と、貨幣(紙幣及び硬貨)を両替可能な貨幣両替器10とが設けられている。これら磁気リーダ6と貨幣両替器10(実際は内部の紙幣識別部材)とは、筐体2の高さ方向に沿い並んで配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃投入口から運賃として投入された貨幣を保管する運賃収受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路線バスや鉄道等の車内には、乗客が支払った運賃を収受する装置として運賃収受装置が設置されている。この種の運賃収受装置は、硬貨計数機能や両替機能を持った装置が広く使用され、この装置例が例えば特許文献1,2等に開示されている。図10に示すように、一般的な運賃収受装置81は、その上面に運賃投入口82を有し、乗客が運賃投入口82に運賃及び整理券を投入した際はこれら券銭を分離し、その時の投入硬貨の計数及び保管や、整理券の番号読み取りなどを行う。
【0003】
運賃収受装置81においては、運賃として硬貨を受け付けることから、貨幣を両替する両替機83が搭載されている。また、運賃収受装置81の種類によっては、運賃払いの手間を省くことを目的に、プリペイドカード等の磁気カードでの運賃精算を行う磁気リーダ84が搭載される機種もある。磁気リーダ84は、そのスロットから磁気カードを取り込むと、磁気カードから乗車位置を読み取って降車位置までの運賃を算出し、磁気カードの残金から運賃を課金し、課金後の残金を磁気カードに書き込んで排出する動作を行う。
【特許文献1】意匠登録第0981159号公報
【特許文献2】意匠登録第1228959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、運賃収受装置81に磁気リーダ84を搭載する場合、従来の運賃収受装置81においては、磁気リーダ84が両替機83の隣位置に配置されていた。このため、運賃収受装置81の幅方向に部品が2つ並設されることになるので、運賃収受装置81が幅方向に大型化する問題があった。特に、車内において充分な通路幅を確保するためには、運賃収受装置81の幅厚を狭める必要があり、通路幅確保の観点からも運賃収受装置81の幅厚を狭くすることは切に望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、装置本体の幅厚を薄型化することができる運賃収受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明では、運賃投入口から運賃として投入された貨幣を保管する運賃収受装置において、前記貨幣以外で運賃支払いを行うべく投入された磁気カード乗車券をデータ読み取りして運賃精算を行う磁気カード処理機構と、投入された貨幣を両替したり又は当該貨幣から運賃を差し引いて運賃精算後の残金を返却したりする貨幣処理機構とを備え、前記カード処理機構と前記貨幣処理機構とが、装置本体の高さ方向に並設されていることを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、カード処理機構と貨幣処理機構とを装置本体の高さ方向に並設すれば、これら機構を装置本体の幅方向に重ならせて配置することになるので、運賃収受装置を装置本体の幅方向において薄型化することが可能となる。
【0008】
本発明では、前記カード処理機構と前記貨幣処理機構とは、前記装置本体の前記高さ方向において前記カード処理機構が前記貨幣処理機構の上側に配置されていることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、一般的な貨幣処理機構は、これが仮に貨幣の両替を行う両替機構の場合、例えば貨幣識別を行う貨幣識別部材、識別後の貨幣を通す通路、貨幣を保管する金庫等々を備える機構であるが、このうちの金庫は回りの部品位置の関係上、運賃収受装置の下部位置に配置されることが多い。このため、カード処理機構と貨幣処理機構とを装置本体の高さ方向に配置したとしても、カード処理機構を貨幣処理機構の上側に配置すれば、貨幣処理機構の構成部材をお互いに近傍位置に配置することが可能となるので、貨幣識別部材と金庫とを大きく離した位置とせずに済み、貨幣処理機構において構造の複雑化を招く心配がない。
【0010】
本発明では、前記装置本体の側壁に当該装置本体に対して開閉可能な扉部を有し、前記扉部が開状態となった際に、前記磁気カード処理機構を前記装置本体に対して引き出すことを許容する扉開閉機構を備えたことを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、装置本体の側壁に扉開閉機構を設けて磁気カード処理機構を装置本体の側方に引き出し可能としたので、例えば磁気カード処理機構をメンテナンスするに際し、磁気カードをわざわざ持ち上げて装置本体から取り出す必要がなくなり、メンテナンス作業性の向上に効果がある。
【0012】
本発明では、前記装置本体の上部に当該装置本体の内部を上方側に開口すべく第2扉部が設けられ、当該第2扉部が前記装置本体に対してその幅方向に横開きする第2扉開閉機構を備えたことを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、磁気カード処理機構と貨幣処理機構とを装置本体の高さ方向に並設することにより装置本体を薄型化したとしても、装置本体の上部の第2扉部についてはこれを横開き式とする第2扉開閉機構を設けたので、第2扉部の開閉時においてその第2扉を広い部位で支持することが可能となることから、第2扉部の開閉時における機械的強度を確保することが可能となる。
【0014】
本発明では、前記扉開閉機構の前記扉部が閉状態となった際に、前記装置本体及び前記扉部のうち一方に形成された係止部を他方の被係止部に係止することにより、前記閉状態を維持すべく前記扉部を前記装置本体に係止する係止機構を備えたことを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、扉部を閉じた後は係止機構により扉部が装置本体に対して仮止めされた状態をとるので、その閉じられた扉部が勝手に開いてしまうような状況が生じ難くなる。
【0016】
本発明では、前記扉開閉機構は、前記扉部において前記カード処理機構のカード挿入口と前記貨幣処理機構の紙幣挿入口と対応する位置に貫通孔が各々形成され、前記扉部が閉状態となった際、前記磁気カード処理機構及び前記貨幣処理機構の各々の前記挿入口を前記貫通孔で外側に露出させた状態でこれら機構を前記扉部で前記装置本体の側方の側から覆い、前記扉部が開状態となった際、前記磁気カード処理機構及び前記貨幣処理機構の両方を前記側方の側に開放することを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、カード処理機構や貨幣処理機構を装置本体の側方で開放すべく扉開閉機構を設け、扉閉状態時においては扉部によってカード処理機構や貨幣処理機構をその側方から覆うようにしたとしても、扉部にカード処理機構や貨幣処理機構の各挿入口を外部に露出する貫通孔を設けたので、扉部を閉状態とした際には、これら貫通孔を通じて各挿入口を外部に露出させることが可能となる。このように、カード処理機構や貨幣処理機構は各挿入口が装置本体の側壁よりも外方に露出していればカードや紙幣を各挿入口に挿入し易くなるので、カード処理機構や貨幣処理機構の使い勝手のよさが確保される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置本体の幅厚を薄型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した運賃収受装置の一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
路線バスやワンマン式鉄道等の車内には、運賃を収受する集金機器として図1に示すような運賃箱1が設置されている。運賃箱1の外枠ケースを成す筐体2の上面には、運賃としての硬貨3を投入する投入先として運賃投入口4が設けられている。運賃箱1は、運賃投入口4に硬貨3が投入されると、硬貨3を識別、計数、保管等するとともに、乗車場所を証明する整理券5が硬貨3と一緒に投入された場合、硬貨3と整理券5との分離や整理券5の番号読み取りについても同時に行う。なお、運賃箱1が運賃収受装置に相当し、筐体2が装置本体に相当し、硬貨3が貨幣を構成する。
【0020】
図2に示すように、筐体2の内部には、プリペイドカード等の磁気カード6aによる運賃支払いが可能となるように磁気リーダ6が内蔵されている。磁気リーダ6は、運賃支払い時に乗客が位置する正面側(手前側)にカード挿入口7が設けられ、このカード挿入口7に磁気カード6aが挿入されると、その磁気カード6aに登録された残金から運賃を差し引いて運賃精算を行い、運賃精算後は運賃差し引き後の新たな残金を磁気カード6aに書き込み、背面側(奥行き側)に設けられたカード排出口8から磁気カード6aを排出する。磁気リーダ6は、筐体内部において上部手前側寄りの位置に配置され、筐体2の4側壁のうち乗客が運賃支払い時に位置する正面側壁2aにカード挿入口7が位置している。
【0021】
図1及び図2に示すように、筐体2の上部には、例えば液晶などから成る表示モニタ9が取り付けられている。表示モニタ9は、硬貨3や磁気カード6aで運賃支払いを行った際に、投入金額、支払い運賃、磁気カード6aの残金等々を表示するモニタであって、乗客から見やすい角度に起立した取り付け状態をとっている。なお、磁気リーダ6が磁気カード処理機構に相当し、磁気カード6aが磁気カード乗車券に相当し、正面側壁2aが側壁に相当する。
【0022】
図1〜図3に示すように、筐体2の内部には、貨幣(紙幣及び硬貨)を両替可能な貨幣両替器10が内蔵されている。貨幣両替器10は、紙幣12a(図1及び図3参照)を硬貨に両替したり、或いは金額の大きな硬貨を細かな硬貨に両替したりする機器である。貨幣両替器10には、紙幣挿入口11から取り込んだ紙幣12aの金種を識別する図3に示すような紙幣識別部材12が設けられている。この種の貨幣両替器10は、紙幣挿入口11に紙幣12aが挿入されると、紙幣識別部材12で紙幣種類を識別してその紙幣種に応じた硬貨種に両替し、筐体2の正面側壁2aに設けられた両替硬貨受け皿13に両替硬貨を排出する。
【0023】
また、紙幣識別部材12の下方位置には、紙幣識別部材12の紙幣出口から出力された識別済み紙幣を下方に送る筒状の紙幣シュート14が配置されている。紙幣識別部材12は、紙幣挿入口11で取り込んだ紙幣12aを、自身の背面側の出口から紙幣シュート14に送り出す。紙幣シュート14は、広げられた状態の紙幣12aを取りこぼさないようにすべく上部が大きく拡開されるとともに、筐体下部に収納された金庫15に下部が連結されている。紙幣シュート14を通過した紙幣12aは、紙幣シュート14の下方位置に位置する金庫15に収納される。なお、貨幣両替器10が貨幣処理機構に相当し、紙幣12aが貨幣を構成する。
【0024】
図4に示すように、磁気リーダ6と貨幣両替器10(実際は紙幣識別部材12)とは、筐体2の高さ方向(図4の矢印A方向)に沿い並んで配置されている。本例においては、磁気リーダ6と貨幣両替器10とが、筐体2の幅方向(図4の矢印B方向)に若干ずれてはいるものの、筐体2の高さ方向に沿って重なるように配置されている。このため、磁気リーダ6のカード挿入口7と貨幣両替器10の紙幣挿入口11とが、筐体2の幅方向に若干ずれてはいるが、筐体2の高さ方向に沿って重なる位置状態をとる。
【0025】
筐体2の上部には、筐体内部をその上部位置で開放する上蓋開閉機構16が設けられている。この上蓋開閉機構16を以下に説明すると、筐体2の上部には、筐体2の図2に示す上面開口部17を開閉可能な長細い無底略箱形状を成した上蓋18が設けられている。この上蓋18は、自身の側縁に形成された複数のヒンジ部19、…(図2は1箇所のみ図示)で上面開口部17の幅方向における側縁に連結され、ヒンジ部19,…の軸心La回りに沿う幅方向に横開き開閉動作が可能である。なお、上蓋開閉機構16が第2扉開閉機構に相当し、上蓋18が第2扉部に相当する。
【0026】
上蓋18が横開き操作によって図2に示す開状態となった際、上面開口部17が開放状態となることから、筐体内部に収納された各種部品のメンテナンスを行うことが可能となる。このメンテナンス対象部品としては、図3に示すように例えば運賃投入口から投入された硬貨と整理券を分離して硬貨を即時計数する券硬貨分離装置20や、即時計数後の硬貨や分離後の整理券をまとめて下流側に搬送する搬送ベルト21や、硬貨をもう一度細かく識別してこれらを種類別に分けるセレクタ22などがある。
【0027】
図1〜図4に示すように、筐体2の正面側壁2aには、筐体内部を正面側壁2aの位置で開放する正面扉開閉機構23が設けられている。この正面扉開閉機構23を以下に説明すると、筐体2の正面側壁2aには、正面側壁2aにその上端から連続して切り欠かれた図2に示す側壁開口部24を開閉可能な正面扉25が設けられている。この正面扉25は、自身の下端縁に形成された対を成すヒンジ部26,26で側壁開口部24の下端縁に連結され、ヒンジ部26の軸心Lb回りに沿う上下方向に開閉動作が可能である。正面扉25は、下開き動作によって図2に示す開状態となった場合、扉自体が両替硬貨受け皿13に当接することにより、それ以上の下開き動作が規制されている。なお、正面扉開閉機構23が扉開閉機構に相当し、正面扉25が扉部に相当する。
【0028】
正面扉25には、磁気リーダ6のカード挿入口7と対応する位置に断面長方形状の磁気リーダ用孔27が貫設されている。カード挿入口7は、磁気カード6aを磁気リーダ6に通す際の入れ易さを確保すべく、正面扉25が閉状態なった時はその正面扉25の表面よりも側方に突出する長さを有した形状に形成されているが、正面扉25が閉状態となった際は磁気リーダ用孔27から筐体外部に露出する取り付け状態となることにより、この構造をとることが可能となっている。
【0029】
正面扉25には、紙幣識別部材12と対応する位置に薄長い隙間からなる両替器用孔28が貫設されている。紙幣挿入口11は、カード挿入口7と同じ理由から、正面扉25が閉状態となった時はその正面扉25の表面よりも側方に突出する長さを有した形状をとっているが、本例のように正面扉開閉機構23を設けた場合であっても両替器用孔28を形成することでこの構造を許容する。また、両替器用孔28において紙幣挿入口11の表側(図2の上側)には、曲面形状を有する案内面29が形成されている。紙幣挿入口11に紙幣12aを投入する際、案内面29が紙幣挿入口11への紙幣12aの入り込みを案内することにより、紙幣12aの挿入し易さを確保する。なお、磁気リーダ用孔27及び両替器用孔28が貫通孔を構成する。
【0030】
正面扉25が開いた状態では、側壁開口部24がその側面側において開放されることから、図5及び図6に示すように磁気リーダ6を手前側にスライド移動して筐体内部から引き出すことが可能である。また、貨幣両替器10について見てみると、正面扉25が開いた状態では、紙幣挿入口11が正面扉25の両替器用孔28でその上下方向に位置規制されている状態が解消されることから、磁気リーダ6を手前側にスライド移動して筐体から引き出せば、メンテナンス等を行う場合において紙幣識別部材12を上側に引き上げて筐体2から取り外すことが可能となる。
【0031】
図7に示すように、磁気リーダ6の底面には、磁気リーダ6で磁気カードにパンチ処理を行った際に生じるパンチ屑をまとめて収納するパンチ屑収納部30が設けられている。正面扉25を開状態にして磁気リーダ6を筐体2の長さ方向手前側に所定量スライド移動した際、磁気リーダ6はその底面の一部が筐体外部に開放されることから、磁気リーダ6の下面にあるパンチ屑収納部30が外部に露出し、そのパンチ屑収納部30に溜まったパンチ屑を取り出すことが可能となる。また、磁気リーダ6を長さ方向手前側にスライド移動すると、その移動により筐体内部に空間スペースが生じることから、磁気リーダ6の下側に位置する搬送ベルト21やセレクタ22をメンテナンスする際の作業スペースを広くとることも可能となる。
【0032】
図5、図6及び図7に示すように、磁気リーダ6の正面側端縁には、下方に折り曲げ形成された取付片31が形成されている。磁気リーダ6は、この取付片31を複数(本例は2つ)のねじ部材32(図5及び図6参照)で、筐体内部の支持片33に取り付け固定されることにより、位置決め状態で筐体2に組み付けることが可能となる。また、図5に示すように、筐体2の内壁面には、筐体2の長さ方向に並ぶ一対の係止片34が突設されている。磁気リーダ6は、図6に示すように磁気リーダ6の板状底壁を当接片35とし、筐体収納時においては当接片35を係止片34に係合することにより、高さ方向の位置移動が規制されている。
【0033】
このため、筐体内部に収納された磁気リーダ6を手前側に引き出すに際しては、螺着状態のねじ部材32を取り外し、当接片35を係止片34に沿わせて磁気リーダ6を手前側にスライド移動させることにより行う。また、引き出した磁気リーダ6を筐体内部に収納するに際しては、引き出された磁気リーダ6を、その当接片35を係止片34に沿わせて磁気リーダ6を奥行き側にスライド移動させ、当接片35を係止片34に係止するとともに、ねじ部材32で取付片31を支持片33に取り付けることによって行う。
【0034】
図5及び図8に示すように、筐体2と正面扉25との間には、正面扉25を閉じた際にその閉状態を仮止め状態で保持する仮止め機構36が設けられている。この仮止め機構36を以下に説明すると、正面扉25の裏面には、例えば金属針金を折り曲げ形成した係止部材37が複数のねじ部材38(図5は1つのみ図示)により取り付けられ、この係止部材37の幅方向両端突部を一対の係止突37a,37aとする。そして、正面扉25が閉じられた際には、図8の実線で示すように一対の係止突37a,37aを側壁開口部24の各々の側端縁24aに各々係止することにより、正面扉25が筐体2に対して仮止め状態となる。
【0035】
本例の正面扉25は、図8に示すように自身が閉状態でさらに上蓋18を閉状態にした際、正面扉25の上端部25aが上蓋18の正面側端縁18aで表面側から押さえ込まれることにより、正面扉25の単独での開操作が規制される状態となる。このため、正面扉25を閉状態にした際のその係止構造は、上蓋18及び仮止め機構36による2重止め構造となり、閉状態の正面扉25を開操作するに際しては、まず最初に上蓋18を開状態にして正面側端縁18aによる正面扉25の止め状態を解除しないと、正面扉25を開操作できないことになる。なお、側端縁24aが被係止部に相当し、仮止め機構36が係止機構に相当し、係止突37aが係止部に相当する。
【0036】
図9に示すように、貨幣両替器10には、一つの硬貨を更に細かい硬貨種に両替する硬貨識別部材39が設けられている。硬貨識別部材39は、紙幣識別部材12の上部に位置するとともに、筐体2の内部において磁気リーダ6の隣位置に配置されている。紙幣識別部材12において反磁気リーダ6側の側壁12bには、筐体2の高さ方向に延設する断面コ字形状の通路壁40が取り付け固定され、この通路壁40の内面と紙幣識別部材12の側壁12bとで、硬貨識別部材39の硬貨返却通路が形成されている。硬貨識別部材39は、硬貨挿入口39aに硬貨が挿入されると、その投入硬貨の硬貨種類を識別し、この硬貨識別時において正常に識別ができれば硬貨を両替し、正常に硬貨識別ができなければ硬貨返却通路から投入硬貨を両替硬貨受け皿13に排出する。
【0037】
図1及び図4に示すように、正面側壁2aにおいて両替硬貨受け皿13の位置には、紙幣識別部材12及び硬貨識別部材39で両替した際の硬貨が排出される両替硬貨排出口41と、硬貨識別部材39で両替できなかった硬貨を返却する硬貨返却口42とが設けられている。両替硬貨排出口41と硬貨返却口42とは、正面側壁2aにおいて幅方向の両端位置に配置されている。紙幣識別部材12及び硬貨識別部材39で両替した硬貨と、硬貨識別部材39で両替できなかった硬貨とは、ともに同じ両替硬貨受け皿13に排出される。
【0038】
図4に示すように、正面扉25の下部位置には、両替硬貨受け皿13の内部を照射して両替硬貨を照らし出すことが可能な照明灯43が設けられている。この照明灯43は、例えばランプ等から成り、運賃箱1で両替が行われた際に所定時間の間、両替硬貨受け皿13の内部を照らし出すように動作し、図2に示すように照明灯43の照明灯配線44が正面扉25のヒンジ部19付近を通じて筐体内部に導入されている。また、表示モニタ9から延びるモニタ配線45は、上蓋18のヒンジ部19側の側縁を伝って筐体内部に導入されている。
【0039】
さて、上蓋18及び正面扉25の両方が閉じている状態のときに、磁気リーダ6のパンチ屑を清掃したい場合は、まずは上蓋18を軸心La回りに沿って横開き操作することにより、上蓋18を開状態にする。上蓋18を開けば正面扉25の開操作が可能となるので、続いて閉状態の正面扉25を軸心Lb回りに沿って下開き操作することにより、正面扉25開状態にする。これにより、筐体2の正面側壁2aの側壁開口部24が開放状態となり、磁気リーダ6を手前側へ引き出すことが可能になる。
【0040】
磁気リーダ6のパンチ屑を清掃するに際しては、磁気リーダ6を手前側に所定量だけスライド移動させて引き出す。すると、磁気リーダ6の手前側の底面が筐体内部から外部に露出する状態となり、磁気リーダ6の底面にあるパンチ屑収納部30が外部に露出する。これにより、操作者はパンチ屑収納部30の蓋を取り外すことが可能となり、この蓋を取り外してその内部に溜まったパンチ屑を取り出すことにより、パンチ屑を磁気リーダ6から捨てることが可能となる。
【0041】
さらに、貨幣両替器10をメンテナンスするに際しては、磁気リーダ6を手前側にスライド操作して筐体2から取り外し、貨幣両替器10の上方の作業スペースを開放する。そして、貨幣両替器10を持ち上げて筐体2から取り外す作業を行うが、このときの持ち上げ作業スペースは、貨幣両替器10の上方(即ち、磁気リーダ6を筐体2に収納する際のその配置スペース)のみならず、側壁開口部24もその作業スペースとなる。このように、貨幣両替器10は持ち上げ操作により筐体2から取り外されてメンテナンス作業が行われる。
【0042】
逆に、パンチ屑清掃を施した磁気リーダ6や、メンテナンスが完了した貨幣両替器10を筐体内部に収納するに際しては、まず最初に貨幣両替器10を上側から筐体内部に挿し込んで収納し、続いて磁気リーダ6を側壁開口部24から筐体2の奥行き側にスライド移動させて押し込み、磁気リーダ6を筐体内部に収納する。続いて、開状態の正面扉25を軸心Lb回りに沿って上閉じ操作することにより、正面扉25を側壁開口部24に対して閉状態にする。正面扉25が閉状態になった際には、磁気リーダ6のカード挿入口7は磁気リーダ用孔27から外部に露出し、貨幣両替器10の紙幣挿入口11は両替器用孔28から外部に露出した位置状態をとる。
【0043】
また、正面扉25を閉状態にしたときは、正面扉25に設けた一対の係止突37a,37aが、側壁開口部24の各側端縁24aに各々係止することにより、正面扉25が筐体2に対して仮止め状態となる。続いて、上蓋18を軸心La回りに沿って横閉じ操作することにより、上蓋18を閉状態にする。このとき、上蓋18が閉状態になると、その正面側端縁18aが外側から正面扉25の上端部25aに係止することになり、正面扉25は上蓋18及び仮止め機構36の2部材でその閉状態位置が固定された2重止めの固定状態をとる。
【0044】
以上により、本例においては、磁気リーダ6と貨幣両替器10(実際は紙幣識別部材12)とを筐体2の高さ方向に並べて配置したので、例えば磁気リーダ6と貨幣両替器10とを筐体2の幅方向に並べて配置する場合に比べて運賃箱1を幅方向に小型化することが可能となり、運賃箱1の薄型化を図ることが可能となる。このように、運賃箱1が薄型化すれば、車内の通路を広くとることが可能となり、車内における乗客の乗車環境を向上する上でこれは非常に効果が高い。
【0045】
ここで、磁気リーダ6や貨幣両替器10のメンテナンス(磁気リーダ6のパンチ屑清掃も含む)を行うときのことを考える。本例のように磁気リーダ6及び貨幣両替器10を筐体2の高さ方向に並べて配置する構造を採用すると、これらメンテナンスに際して例えばただ単に筐体2から磁気リーダ6や貨幣両替器10を上方に持ち上げて取り出す方式を用いると、磁気リーダ6や貨幣両替器10はこれら挿入口7,11を筐体側面よりも外部に突出させる位置をとる関係上、磁気リーダ6や貨幣両替器10を持ち上げるに際して各挿入口7,11が筐体側壁に引っ掛かることが考えられる。このため、その持ち上げ作業が非常に困難であり、これは下側に位置する貨幣両替器10に関して特に言えることである。
【0046】
しかし、本例においては、筐体2の正面側壁2aに正面扉25を設け、この正面扉25を開状態として正面側壁2aの側壁開口部24を開放可能とすることにより、磁気リーダ6をスライド移動操作で取り出し可能とし、しかも貨幣両替器10の紙幣挿入口11がこの正面扉25の両替器用孔28で位置規制される状態も開放される。このため、スライド操作という簡単な作業で磁気リーダ6を筐体2から取り外すことにより、貨幣両替器10の上方を開放することが可能となり、しかも磁気リーダ6を筐体2から取り外すと、貨幣両替器10の上方は側壁開口部24によっても空間が開放された状態となるので、スライド操作という簡単な作業で貨幣両替器10の上方に大きな作業スペースを作り出すことも可能となる。
【0047】
従って、磁気リーダ6及び貨幣両替器10を筐体2の高さ方向に並んで配置し、貨幣両替器10をメンテナンスする際にはこれを筐体2から持ち上げる構造をとったとしても、磁気リーダ6の取り出しはスライド移動操作で簡単であるし、磁気リーダ6を筐体2から取り出したときは貨幣両替器10の上方に側壁開口部24を含めた大きな作業スペースが生じるので、貨幣両替器10を取り出しメンテナンスする際の作業性は充分に確保されることになる。即ち、運賃箱1の薄型化と、貨幣両替器10のメンテナンス作業性確保との両立を図ることが可能となる。
【0048】
また、磁気リーダ6のパンチ屑を清掃は、磁気リーダ6を所定量スライド移動操作することだけで実施可能となるので、パンチ屑清掃に際して磁気リーダ6をわざわざ持ち上げたりするなどの作業が不要となることから、パンチ屑清掃を楽な作業で行うことが可能となる。また、仮に磁気リーダ6を持ち上げてパンチ屑清掃を行う場合は、磁気リーダ6から延びる配線を取り外す作業が必要となってこれが面倒であるが、本例のように磁気リーダ6をスライド移動操作することでパンチ屑清掃を行うようにすれば、配線の取り外し作業は不要であるので、このこともパンチ屑清掃を楽に行う上で効果が高い。
【0049】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)磁気リーダ6と貨幣両替器10とを筐体2の高さ方向に並べて配置したので、これらをその幅方向に並べて配置する場合に比較して筐体2の幅サイズが小さく済むことから、その分だけ運賃箱1を薄型化することができる。
【0050】
(2)一般的な貨幣両替器10は紙幣両替に際して取り込んだ紙幣を筐体下部の金庫15に搬送することから、貨幣両替器10と金庫15との間には両替紙幣を金庫15に送る搬送機構が必要になる。ところで、磁気リーダ6と貨幣両替器10とを筐体2の高さ方向に並べて配置するに際し、仮に貨幣両替器10を上に、磁気リーダ6を下に配置すると、両替紙幣の搬送機構は磁気リーダ6をまたぐことになって複雑化する可能性があるが、本例のように磁気リーダ6を上に、貨幣両替器10を下に配置すれば、両替紙幣の搬送機構は複雑化せずに済む。
【0051】
(3)運賃箱1の正面側壁2aに正面扉25を設け、この正面扉25を開操作して正面側壁2aの側壁開口部24を開放することにより、磁気リーダ6をスライド引き出し可能とした。これにより、磁気リーダ6に溜まったパンチ屑を取り出すに際し、磁気リーダ6をわざわざ持ち上げて筐体2から取り外す必要がなくなり、磁気リーダ6のパンチ屑清掃をスライド移動操作という簡単な作業で行うことができる。
【0052】
(4)上蓋18が開閉する構造の運賃箱1を薄型化しているが、この薄型化に伴って上蓋18は今までよりも一層細長い形状をとることになる。このため、仮に上蓋18をその短い辺を回動支点に開閉させると、支持長さの短い部位で上蓋18を回動させることになるため強度的な問題が生じるが、本例のように上蓋18を横開きとすれば、回動する上蓋18が広い支持部位で支えられるので、上蓋18の充分な機械的強度を確保することができる。
【0053】
(5)正面扉25が閉じられる際には、仮止め機構36により正面扉25が筐体2に仮止めされるので、正面扉25を閉じた際に正面扉25が勝手に開いてしまうような状況を生じ難くすることができる。
【0054】
(6)正面扉25を閉じて上蓋18も閉じた際には、正面扉25が仮止め機構36と上蓋18との両方で位置固定される2重止め構造により筐体2に固定されるので、正面扉25の勝手な開き動作を一層確実に防止することができる。
【0055】
(7)磁気リーダ6や貨幣両替器10はその挿入口7,11が正面扉25の表面よりも外側に突出しているので、これら挿入口7,11の位置が分かり易いことから、磁気リーダ6に磁気カード6aを投入したり、或いは貨幣両替器10に紙幣12aを投入したりする際のその投入し易さを確保することができる。
【0056】
(8)本例のように正面扉25を設けた場合、両替硬貨受け皿13の照明灯43は位置関係上、正面扉25の下部に取り付けざるを得ない。しかし、本例の正面扉25は下開き構造となっているので、照明灯43の照明灯配線44は正面扉25の回動軸心となる一辺に沿うことになり、正面扉25を設けてそれに照明灯43を取り付けたとしても、照明灯43の配線取り回しに正面扉25が影響を受けることはない。なお、このことは上蓋18におけるモニタ配線45についても言える。
【0057】
(9)紙幣識別部材12の側壁12bを利用して貨幣両替器10の硬貨返却通路が形成されているので、紙幣識別部材12と硬貨識別部材39とで部品共用化を図ることができる。このため、貨幣両替器10の小型化が可能となり、運賃箱1の更なる薄型化に効果がある。
【0058】
なお、実施形態はこれまでの構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ 磁気リーダ6と貨幣両替器10とを筐体2の高さ方向に配置する場合、これは必ずしも磁気リーダ6が上で貨幣両替器10が下に配置される位置関係に限定されず、貨幣両替器10が上で磁気リーダ6が下に位置する位置関係でもよい。
【0059】
・ 正面扉25を開操作した際の筐体2からのスライド引き出し対象は、必ずしも磁気リーダ6に限らず、これに代えて貨幣両替器10としてもよい。また、正面扉25を開操作した際は、磁気リーダ6及び貨幣両替器10のうち一方のみスライド引き出し操作可能であることに限定されず、これら両方をスライド引き出し可能としてもよい。
【0060】
・ 正面扉25の開閉構造は、必ずしも下開き構造に限定されず、これを横開き構造や上開き構造としてもよい。また、上蓋18もこれは横開き構造に限定されず、上蓋18において長さの短い一辺を回動支点とする縦開き構造としてもよい。
【0061】
・ 正面扉25の配置位置は、必ずしも運賃箱1の正面側壁2aであることに限らず、例えば正面側壁2aの両側の側壁2b,2c(2bは図6、2cは図1参照)でもよい。
・ 正面扉25を閉状態とする際の筐体2に対する固定構造は、仮止め機構36及び上蓋18を用いた2重止め構造に限定されず、仮止め機構36及び上蓋18の一方のみの固定構造を採用してもよい。
【0062】
・ 正面扉25の開閉構造を用いた場合、磁気リーダ6の取り外し構造は、必ずしも磁気リーダ6をスライド移動させることにより行う構造に限定されない。即ち、正面扉25を開状態としたときには、磁気リーダ6及び貨幣両替器10の各挿入口7,11が正面扉25による位置規制状態から開放されるが、磁気リーダ6はスライド移動不可能なままの状態となる構造とし、磁気リーダ6や貨幣両替器10を筐体2から取り出すに際しては、磁気リーダ6及び貨幣両替器10をそのままの位置から上方に引き出すことにより行う構造としてもよい。
【0063】
・ 磁気リーダ6を筐体2から取り外す構造は、必ずしも正面扉25を開操作して側壁開口部24を開放し、磁気リーダ6を手前側にスライド移動して側壁開口部24から取り出す構造に限定されない。例えば、正面扉25を省略し、上蓋18を開操作して磁気リーダ6をただ単に持ち上げ操作することにより、筐体2から取り外す構造でもよい。
【0064】
・ 券硬貨分離装置20で分離する券類は、車両においてその乗車位置を証明する整理券5に限定されず、これは例えば、債券、証券、食券、馬券、郵券等の種々の券に具体化してもよい。
【0065】
・ 運賃箱1は、運賃投入口4に硬貨3が投入されると、硬貨を識別、計数、保管等するとともに、硬貨3と整理券5との分離や整理券番号読み取りを行う機能を持つものに限定されない。例えば、この種の運賃箱は、硬貨3の識別計数機能、硬貨3と整理券5との分離機能、整理券5の番号読み取り機能等の各種機能が省略されたものでもよい。
【0066】
・ 運賃箱1は、貨幣処理機構を貨幣両替器10として、紙幣挿入口11に挿入された紙幣を硬貨に両替した後、或いは硬貨挿入口39aに挿入された金額の大きな硬貨を細かな硬貨に両替した後、運賃相当額の硬貨を運賃投入口4に投入する、いわゆる両替方式運賃箱に限定されない。即ち、例えばこれは、投入された貨幣の金額と運賃との差額をお釣りとして返却する運賃計数機構を貨幣処理機構とすることにより、いわゆる釣り銭方式運賃箱としてもよい。この種の釣り銭方式運賃箱の場合、貨幣両替器10による両替を行うことなく、運賃投入口4に投入された硬貨3の金額と運賃との差額、或いは紙幣挿入口11に挿入された紙幣12aの金額と運賃との差額をお釣りとして両替硬貨受け皿13に返却する。
【0067】
・ この種の運賃箱1は、均一運賃路線等の整理券を用いない運行路線用の運賃箱や、或いは硬貨計数機能の付いていない運賃箱の場合には、運賃の投入先は運賃投入口4ではなく、運賃投入口4を省略して硬貨挿入口39aがそれに相当してもよい。この場合、硬貨挿入口39aに投入された硬貨の金額と運賃との差額がお釣りとして両替硬貨受け皿13に返却される。
【0068】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜6のうちいずれか一項において、前記装置本体の側面に当該装置本体に対して開閉可能な扉部を有し、前記扉部が開状態となった際に、前記側面を開放する扉開閉機構を備えた。この場合、磁気カード処理機構や貨幣処理機構を装置本体から取り外す際に、その作業を簡単に行うことができる。
【0069】
(2)請求項3〜6のうちいずれか一項において、前記扉開閉機構は、前記装置本体において前記乗客が運賃支払い時に位置する側の面に設けられている。この場合、運賃収受装置を使用場所に設置した場合、乗客が運賃払いする側は広いスペースが存在するので、この側に扉開閉機構を設ければ、扉部が開状態になる際に他の部品に当たって開動作に影響が出るような心配はない。
【0070】
(3)請求項4〜6のいずれか一項において、前記第2扉開閉機構は、前記第2扉部が閉状態になった際に当該第2扉部が前記扉開閉機構の前記扉部に表面側から当接することにより、前記扉部が単独で開状態となることを規制する。この場合、扉部が閉状態になるときは2重止め構造で装置本体に固定されるので、閉じた扉部が意に反して開状態になってしまう状況が生じ難い。
【0071】
(4)運賃投入口から運賃として投入された貨幣を計数する貨幣計数機構と、前記貨幣以外で運賃支払いを行うべく投入された磁気カード乗車券をデータ読み取りして運賃精算を行う磁気カード処理機構と、投入された紙幣を硬貨に両替する貨幣処理機構とを備えた運賃収受装置において、装置本体の側面に当該装置本体に対して開閉可能な扉部が設けられ、前記扉部が開状態となった際に、前記磁気カード処理機構及び前記貨幣処理機構のうち少なくとも一方を前記側面の側に開放する扉開閉機構を備えたことを特徴とする運賃収受装置。
【0072】
(5)前記技術的思想(4)において、請求項2〜6及び前記技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載の技術内容を含む。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】一実施形態における運賃箱の斜視図。
【図2】運賃箱の正面扉が開いた状態の斜視図。
【図3】運賃箱の概略構成を示す模式図。
【図4】カード挿入口と紙幣挿入口との位置関係を示す運賃箱の正面図。
【図5】磁気リーダ及び両替器を筐体から取り外した状態を示す運賃箱の斜視図。
【図6】磁気リーダ及び両替器を筐体から取り外した状態を示す運賃箱の他の斜視図。
【図7】底面側から見た磁気リーダの斜視図。
【図8】正面扉の開閉状態を示す正面扉付近の断面図。
【図9】両替器の正面図。
【図10】従来における運賃収受装置の斜視図。
【符号の説明】
【0074】
1…運賃収受装置としての運賃箱、2…装置本体としての筐体、2a…側壁としての正面側壁、3…貨幣としての硬貨、4…運賃投入口、6…磁気カード処理機構としての磁気リーダ、6a…磁気カード乗車券としての磁気カード、7…カード挿入口、10…貨幣処理機構としての貨幣両替器、11…紙幣挿入口、12a…貨幣としての紙幣、16…第2扉開閉機構としての上蓋開閉機構、18…第2扉部としての上蓋、23…扉開閉機構としての正面扉開閉機構、24a…被係止部としての側端縁、25…扉部としての正面扉、27…貫通孔を構成する磁気リーダ用孔、28…貫通孔を構成する両替器用孔、36…係止機構としての仮止め機構、37a…係止部としての係止突。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運賃投入口から運賃として投入された貨幣を保管する運賃収受装置において、
前記貨幣以外で運賃支払いを行うべく投入された磁気カード乗車券をデータ読み取りして運賃精算を行う磁気カード処理機構と、投入された貨幣を両替したり又は当該貨幣から運賃を差し引いて運賃精算後の残金を返却したりする貨幣処理機構とを備え、
前記カード処理機構と前記貨幣処理機構とが、装置本体の高さ方向に並設されていることを特徴とする運賃収受装置。
【請求項2】
前記カード処理機構と前記貨幣処理機構とは、前記装置本体の前記高さ方向において前記カード処理機構が前記貨幣処理機構の上側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の運賃収受装置。
【請求項3】
前記装置本体の側壁に当該装置本体に対して開閉可能な扉部を有し、前記扉部が開状態となった際に、前記磁気カード処理機構を前記装置本体に対して引き出すことを許容する扉開閉機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の運賃収受装置。
【請求項4】
前記装置本体の上部に当該装置本体の内部を上方側に開口すべく第2扉部が設けられ、当該第2扉部が前記装置本体に対してその幅方向に横開きする第2扉開閉機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の運賃収受装置。
【請求項5】
前記扉開閉機構の前記扉部が閉状態となった際に、前記装置本体及び前記扉部のうち一方に形成された係止部を他方の被係止部に係止することにより、前記閉状態を維持すべく前記扉部を前記装置本体に係止する係止機構を備えたことを特徴とする請求項3〜4のうちいずれか一項に記載の運賃収受装置。
【請求項6】
前記扉開閉機構は、前記扉部において前記カード処理機構のカード挿入口と前記貨幣処理機構の紙幣挿入口と対応する位置に貫通孔が各々形成され、前記扉部が閉状態となった際、前記磁気カード処理機構及び前記貨幣処理機構の各々の前記挿入口を前記貫通孔で外側に露出させた状態でこれら機構を前記扉部で前記装置本体の側方の側から覆い、前記扉部が開状態となった際、前記磁気カード処理機構及び前記貨幣処理機構の両方を前記側方の側に開放することを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の運賃収受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−97431(P2008−97431A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280083(P2006−280083)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)