説明

運転支援装置

【課題】運転者の運転をより適切に支援することができる運転支援装置を提供すること。
【解決手段】車両の運転を支援する運転支援装置であって、車両の走行速度を検出する車速センサと、車両の走行方向に配置された信号機の表示が切り替わるサイクルである信号サイクルの情報を取得するインフラ通信部と、車両と前記信号機との相対位置情報を算出する位置算出部と、対象の信号機より手前の交差点地点における運転状況を検出し、運転状況と車速センサで検出した現車速とに基づいて補正車速を算出し、補正車速と、信号機が配置された信号機地点との相対位置情報およびインフラ通信部で取得した信号サイクルとの情報に基づいて、信号機地点を通過できるか判定する通過支援制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両には、運転者による運転を支援する運転支援装置を搭載しているものがある。例えば、特許文献1には、車両の走行状態および信号機の状態に基づいて、交差点を適切に通行できるように走行の支援を行う運転支援装置が記載されている。例えば、特許文献1には、自車前方を走行する前方通信車の加速度を前記前方通信車から無線通信により取得する前方通信車加速度取得手段と、前方通信車と自車との間を走行する車両の台数である車間台数を推定する車間台数推定手段と、自車前方の信号機が現時点から通過可能な信号を表示する時間である通過可信号点灯時間を取得する信号機情報取得手段と、前方通信車加速度取得手段が取得した前方通信車の加速度と、車間台数推定手段が推定した車間台数とに基づいて、自車の将来の速度を予測する自車速度予測手段と、信号機情報取得手段が取得した通過可信号点灯時間と、自車速度予測手段が予測した自車の将来の速度とに基づいて、通過可信号点灯時間の経過前に自車が前記信号機を通過可能か否かを判定する通過判定手段と、を備えた運転支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−103078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の装置は、前車との関係に基づいて、信号機を通過できるかを判定しているが、前車との関係に基づいて判定を行っても適切に信号機を通過できない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、運転者の運転をより適切に支援することができる運転支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置であって、前記車両の走行速度を検出する車速センサと、前記車両の走行方向に配置された信号機の表示が切り替わるサイクルである信号サイクルの情報を取得するインフラ通信部と、前記車両と前記信号機との相対位置情報を算出する位置算出部と、前記対象の信号機より手前の交差点地点における運転状況を検出し、前記運転状況と前記車速センサで検出した現車速とに基づいて補正車速を算出し、前記補正車速と、前記信号機が配置された信号機地点との相対位置情報および前記インフラ通信部で取得した信号サイクルとの情報に基づいて、前記信号機地点を通過できるか判定する通過支援制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記運転状況は、前記交差点地点で右左折をしたかを含み、前記通過支援制御部は、前記交差点地点で右左折をしたと判定した場合、前記現車速に所定の速度を加算した速度を前記補正車速とすることが好ましい。
【0008】
また、前記車両のステア角を検出するステア角センサをさらに有し、前記通過支援制御部は、前記交差点地点の通過時のステア角が閾値以上である場合、前記交差点地点で右左折をしたと判定することが好ましい。
【0009】
また、前記運転状況は、前記交差点地点で停止したかを含み、前記通過支援制御部は、前記交差点地点で停止したと判定した場合、前記現車速に所定の速度を加算した速度を前記補正車速とすることが好ましい。
【0010】
また、前記通過支援制御部は、前記交差点地点における車速が閾値速度以上であると判定した場合、前記現車速を前記補正車速とすることが好ましい。
【0011】
また、前記交差点地点は、道路が分岐している地点と停止線が設けられている地点とを含むことが好ましい。
【0012】
また、目標車速域を表示する目標車速表示部をさらに有し、前記通過支援制御部は、前記信号機地点を通過できると判定した場合、前記信号機が配置された信号機地点を前記車両が通過できる速度域を前記目標車速域として決定し、前記目標車速表示部は、前記通過支援制御部で決定した前記目標車速域を表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記通過支援制御部は、前記補正車速を基準として、前記補正車速から許容加速度で加速した場合および前記補正車速から許容減速度で減速した場合の少なくとも一方の範囲に基づいて、前記信号機地点を通過できるかを判定することが好ましい。
【0014】
また、前記通過支援制御部は、前記補正車速で走行した場合に前記信号機地点に到達する到着タイミングと、前記補正車速から前記許容加速度で加速して走行した場合に前記信号機地点に到達する加速到着タイミングと、を検出し、前記加速到着タイミングから前記到着タイミングまでの間に、前記信号機が通過可能な表示が含まれる場合、前記信号機地点を通過できると判定することが好ましい。
【0015】
また、前記通過支援制御部は、前記補正車速で走行した場合に前記信号機地点に到達する到着タイミングと、前記補正車速から前記許容減速度で減速して走行した場合に前記信号機地点に到達する減速到着タイミングと、を検出し、前記到着タイミングから前記減速到着タイミングまでの間に、前記信号機が通過可能な表示含まれる場合、前記信号機地点を通過できると判定することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる運転支援装置は、運転者の運転をより適切に支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本実施形態の運転支援システムの一例を示す説明図である。
【図2】図2は、実施形態にかかる運転支援装置が搭載された車両の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【図4】図4は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【図7】図7は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【図8】図8は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、運転支援装置の処理の一例を説明するための説明図である。
【図10】図10は、運転支援装置の処理の他の例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、運転支援装置の処理の一例を説明するための説明図である。
【図12】図12は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、通過停止判定の判定処理の一例を説明するための説明図である。
【図14】図14は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【図15】図15は、運転支援装置の処理の他の例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、表示装置の速度表示領域の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態にかかる運転支援装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
(実施形態)
図1から図7を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、運転支援装置が搭載された車両を有する運転支援システムに関する。まず、図1から図3を用いて、運転支援装置が搭載された車両を有する運転支援システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の運転支援システムの一例を示す説明図である。図2は、実施形態にかかる運転支援装置が搭載された車両の概略構成を示すブロック図である。図3は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【0020】
図1に示す運転支援システム1は、複数の車両10と、複数の信号機12、12aと、複数のインフラ情報送信装置14と、GPS衛星16と、を有する。運転支援システム1は、複数の車両10のうち、後述する運転支援装置19を搭載する車両10が、他の車両10との関係を検出したり、インフラ情報送信装置14やGPS衛星16から取得したりすることで得た情報に基づいて運転者の運転を支援するシステムである。
【0021】
車両10は、道路を走行可能な車両、例えば自動車、トラック等である。車両10は、信号機12、12aが配置された道路を走行することができる。車両10の構成については後ほど説明する。
【0022】
信号機12、12aは、交差点に配置された灯火装置である。信号機12は、緑色、黄色、赤色の3色の灯火部を備えている。また、信号機12aは、緑色、黄色、赤色の3色の灯火部に加え、矢印を表示する灯火部(矢灯器)を備えている。信号機12、12aは、道路の車両の走行方向のそれぞれに配置されている。信号機12は、緑色、黄色、赤色の3色の灯火部のうち、発光させる灯火部を切り替えることで、当該道路の車両10の走行方向を車両10が通過してよい状態であるか、車両10が通過不可の状態、つまり停止すべき状態であるか、を示している。なお、図1に示す運転支援システム1は、信号機12、12aを交差点に配置した場合を示しているが、信号機12、12aの配置位置は交差点に限定されない。信号機12、12aは、例えば、横断歩道に対して配置してもよい。なお、図1では、信号機12、12aを灯火部の表示が全て見える状態で示しているが、信号機12、12aは、灯火部が進行方向の車両10(当該信号機12、12aを通過する車両)に見える向きで配置されている。
【0023】
インフラ情報送信装置14は、車両10が走行する道路の道路情報や、車両10の走行方向前方の信号機12、12aに関する信号情報等のインフラ情報を送信する。本実施形態のインフラ情報送信装置14は、交差点毎に配置されており、周囲の一定範囲を走行する車両10に対して無線通信でインフラ情報を送信する。ここで、道路情報は、典型的には、車両10が走行する道路の制限速度情報、交差点の停止線位置情報等を含む。信号情報は、典型的には、信号機12、12aの青信号、黄信号、赤信号の点灯サイクルや信号変化タイミング等の信号サイクル情報を含む。なお、インフラ情報送信装置14は、信号機12、12a毎に設けてもよいし、複数の交差点に1つ設けてもよい。
【0024】
GPS衛星16は、GPS(GPS:Global Positioning System、全地球測位システム)による位置検出に必要なGPS信号を出力する衛星である。運転支援システム1は、図1で1つのGPS衛星16のみを示したが、少なくとも3つのGPS衛星16を備えている。GPSにより位置を検出する装置は、少なくとも3つのGPS衛星16から出力されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を比較することで、自機の位置を検出する。
【0025】
次に、図2を用いて、運転支援装置19を搭載している車両10について説明する。なお、図1に示す運転支援システム1は、全ての車両を、運転支援装置19を搭載している車両10としたが、少なくとも1つの車両10が運転支援装置19を搭載していればよい。つまり、運転支援システム1は、運転支援装置19を搭載している車両10の前後に運転支援装置19を搭載していない車両が走行してもよい。
【0026】
車両10は、ECU20と、記憶部22と、アクセルアクチュエータ24と、ブレーキアクチュエータ26と、カーナビゲーション装置28と、スピーカ30と、GPS通信部32と、車載カメラ34と、インフラ通信部38と、車速センサ40と、表示装置42と、ACCスイッチ44と、PCSスイッチ46と、を有する。なお、車両10のECU20と、記憶部22と、アクセルアクチュエータ24と、ブレーキアクチュエータ26と、カーナビゲーション装置28と、スピーカ30と、GPS通信部32と、車載カメラ34と、インフラ通信部38と、車速センサ40と、ステア角センサ41と、表示装置42と、ACCスイッチ44と、PCSスイッチ46と、は、車両10の運転支援装置19ともなる。また、車両10は、上述した各部以外にも車両が一般的に備えている各部、車体、駆動源、ブレーキ装置、操作部(例えばハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル)等を備えている。
【0027】
ECU20は、電子制御ユニットであり、車両10の各部、アクセルアクチュエータ24、ブレーキアクチュエータ26、カーナビゲーション装置28、スピーカ30、GPS通信部32、車載カメラ34、インフラ通信部38、車速センサ40および表示装置42等を制御する。ECU20は、GPS通信部32、車載カメラ34、インフラ通信部38および車速センサ40で取得した情報や、ACCスイッチ44、PCSスイッチ46および図示を省略したアクセルペダル、ブレーキペダル等の各種操作部から入力された運転者等の操作に基づいて、各部の動作を制御する。また、ECU20は、目標車速制御部20aを有する。目標車速制御部20aについては、後述する。
【0028】
記憶部22は、メモリ等の記憶装置であり、ECU20での各種処理に必要な条件やデータ、ECU20で実行する各種プログラムが記憶されている。また、記憶部22は、地図情報データベース22aが記憶されている。地図情報データベース22aは、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路、サグ、トンネルなど)が記憶されている。また、地図情報データベース22aは、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイルを備えている。ECU20は、地図情報データベース22aを参照して、必要な情報を読み出す。
【0029】
アクセルアクチュエータ24は、エンジン、モータ等の車両10の動力源の出力を制御するものである。アクセルアクチュエータ24は、例えば、エンジンへの吸気量、吸気タイミングや発火タイミング、モータの供給する電圧値、周波数等を制御することができる。アクセルアクチュエータ24は、ECU20に電気的に接続され、ECU20により動作が制御される。ECU20は、アクセル制御信号に応じてアクセルアクチュエータ24を作動し、エンジンへの吸気量、吸気タイミングや発火タイミング、モータの供給する電圧値、周波数を調整する。言い換えれば、アクセルアクチュエータ24は、動力源による駆動力を自動制御するための装置であり、ECU20から出力されるアクセル制御信号を受信して各部を駆動させることで駆動条件を制御し所望とする駆動力を発生させる。このようにしてアクセルアクチュエータ24は、車両10に作用する駆動力を制御することで、加速度を調節する。
【0030】
ブレーキアクチュエータ26は、車両10に搭載されたブレーキ装置の駆動を制御するものである。ブレーキアクチュエータ26は、例えば、ブレーキ装置に設けられるホイールシリンダの油圧を制御する。ブレーキアクチュエータ26は、ECU20に電気的に接続され、ECU20により動作が制御される。ECU20は、ブレーキ制御信号に応じてブレーキアクチュエータ26を作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。言い換えれば、ブレーキアクチュエータ26は、ブレーキによる制動力を自動制御するための装置であり、ECU20から出力されるブレーキ制御信号を受信してホイールシリンダに作動油を供給する機構のソレノイドやモータなどを駆動させることでブレーキ油圧を制御し所望とする制動力を発生させる。このようにしてブレーキアクチュエータ26は、車両10に作用する制動力を制御することで、減速度を調節する。
【0031】
カーナビゲーション装置28は、車両10を所定の目的地に誘導する装置である。カーナビゲーション装置28は、ECU20と双方向の通信が可能である。カーナビゲーション装置28は、表示部を備えており、地図情報データベース22aに記憶されている情報や、後述するGPS通信部32で取得した現在位置の情報に基づいて、周辺の地図情報を表示部に表示する。また、カーナビゲーション装置28は、地図情報データベース22aに記憶されている情報と、後述するGPS通信部32で取得した現在位置の情報と、運転者等により入力された目的地の情報とから目的地までの経路を検出し、検出した経路情報を表示部に表示させる。なおカーナビゲーション装置28は、地図情報データベース22aとGPS通信部32とは別に自機に地図情報データベースとGPS通信部とを備え、自機の各部を用いて経路案内や、現在地情報の通知を行うようにしてもよい。
【0032】
スピーカ30は、車両10の車内に音声を出力するものである。スピーカ30は、ECU20から送信される音声信号に対応する音声を車内に出力する。
【0033】
GPS通信部32は、複数のGPS衛星16から出力されるGPS信号をそれぞれ受信するものである。GPS通信部32は、受信したGPS信号をECU20に送る。ECU20は、受信した複数のGPS信号を解析することで、自機の位置情報を検出する。
【0034】
車載カメラ34は、車両10の前方に配置された撮影機器であり、車両10の前方(進行方向前側)の画像を取得するものである。車載カメラ34は、取得した車両10の前方の画像をECU20に送る。ECU20は、車載カメラ34が取得した画像を解析することで、車両10の前方の状態、つまり、前方に他の車両10がいるか、信号機12、12aは近いか、交差点は近いか等の情報を取得することができる。
【0035】
インフラ通信部38は、上述したインフラ情報送信装置14と無線で通信するものである。インフラ通信部38は、インフラ情報送信装置14から送信されたインフラ情報を取得し、取得したインフラ情報をECU20に送信する。インフラ通信部38は、通信可能なインフラ情報送信装置14と常に通信を行い、インフラ情報を取得してもよいし、一定時間間隔でインフラ情報送信装置14と通信を行い、インフラ情報を取得してもよいし、新たなインフラ情報送信装置14と通信可能となった場合に当該インフラ情報送信装置14と通信を行い、インフラ情報を取得してもよい。
【0036】
車速センサ40は、車両10の車速を検出するものである。車速センサ40は、取得した車速の情報をECU20に送信する。
【0037】
ステア角センサ41は、ドライバが操作するステアリングの角度(ステアリング角度、入力舵角)を検出するものである。ステア角センサ41は、ステアリングの角度を検出することで、車両10の車輪の角度を検出することができる。ステア角センサ41は、取得した操舵角(ステア角)の情報をECU20に送信する。
【0038】
表示装置42は、運転者に通知する各種情報を表示する表示装置であり、例えば車両10のダッシュボードに配置されたインストルメントパネルである。表示装置42は、液晶表示装置であってもよいし、各種計器を配置した表示装置であってもよい。表示装置42は、燃料の残量や、駆動源の出力(エンジン回転数)、ドアの開閉状態、シートベルト着用の状態等の情報を表示する。表示装置42は、車速を表示する速度表示領域48を備える。
【0039】
速度表示領域48は、図3に示すように、目盛り表示部50と、針52と、を有する。目盛り表示部50は、円弧形状であり、0km/hから160km/hまでの目盛りを有する。針52は、計測結果の車速を指すものであり、図3では40km/hを指している。速度表示領域48は、アナログメータであり、現在の車速に合わせて、針52が指す目盛り表示部50の位置が変化する。これにより、運転者は、速度表示領域48の針52の位置を確認することで、現在の車速の検出結果を認識することができる。
【0040】
次に、ECU20の目標車速制御部(通過支援制御部)20aで実行する制御について説明する。目標車速制御部20aは、車両10の各部で取得した情報に基づいて、対象の信号機地点を通過できるかを判定し、通過できると判定した場合、当該対象の信号機地点を通過できる速度範囲を目標車速域(目標速度域)として決定し、決定した目標車速域を表示装置42の速度表示領域48に表示させる。具体的には、目標車速制御部20aは、インフラ通信部38で取得した通過対象の交差点や横断歩道に配置された信号機12、12aの点灯サイクルや信号変化タイミング等の信号サイクル情報、車両10と当該信号機12、12aとの距離(正確には、当該信号機12、12aが配置された交差点や横断歩道(通過対象となる領域、信号機地点)までの距離)を車速センサ40で検出した現車速の情報、対象の信号機地点より手前の交差点地点での運転状況、運転状況に基づいた車速の補正条件等の情報に基づいて、当該信号機12、12aが青信号の間に(つまり信号機が通過可能表示状態の間に)通過することができるか判定する。なお、交差点地点とは、車両が停止する停止線や、車両が右左折する分岐がある地点であり、交差点だけではなく横断歩道も含む。交差点地点には、交差点だけではなく横断歩道とその前後の領域を含めてもよい。交差点地点には、信号機を備えていてもいなくてもよい。目標車速制御部20aは、対象の信号機が通過できるとは判定した場合、当該信号機12、12aが青信号の間に(つまり信号機が通過可能表示状態の間に)通過するために必要な走行速度の範囲(目標車速域)を算出する。目標車速制御部20aは、算出した目標車速域(推奨する走行速度の範囲)を速度表示領域48に表示させる。目標車速制御部20aは、このようにして、車両10が赤信号で停止する回数をより低減することができるように運転者に車速の誘導を行う制御である、グリーンウェーブ支援を行う。なお、信号機が通過可能表示状態であるとは、信号機が対象の経路の通過が可能であることを示す表示を実行している状態であり、青信号の表示に限定されず、矢灯器を表示している状態も含む。また、設定により黄信号を表示している状態も信号機が通過可能表示状態であるとすることができる。
【0041】
以下、図4から図7を用いて、車両10のECU20の目標車速制御部20aで実行する制御についてより詳細に説明する。図4および図5は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。図6および図7は、それぞれ表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。
【0042】
ECU20の目標車速制御部20aは、ステップS12としてグリーンウェーブ支援が可能であるかを判定する。具体的には、目標車速制御部20aは、目標車速域を算出するために必要な情報が取得できている状態で、かつ目標車速域を表示可能な条件を満たしているかを判定する。なお、目標車速域を算出するために必要な情報としては、上述した通過対象の信号機12、12aの点灯サイクルや信号変化タイミング等であるインフラ情報、車両10と当該信号機12、12aとの距離の算出に必要な現在位置の情報や、信号機12、12aの位置情報を含む地図情報である。また、目標車速域を表示可能な条件としては、車両10と信号機12、12aとの距離(対象の交差点等までの距離)が一定距離以上であること、また、車両10の現在の車速が一定速度以上であること等である。目標車速制御部20aは、車両10と信号機12、12aとの距離(対象の交差点等までの距離)が一定距離未満の場合、目標車速域を表示しても運転者がその表示に対応して運転を行うことが困難であるため、グリーンウェーブ支援を行わないと判定する。また、車速制御部20aは、車両10の現在の車速が一定速度未満の場合、走行している道が渋滞していて走行速度が制限される、また何らかの理由で停止しようとしているまたは停止している等である可能性が高く、目標車速域を表示しても運転者がその表示に対応して運転を行うことが困難であるため、グリーンウェーブ支援を行わないと判定する。目標車速制御部20aは、ステップS12で支援可能ではない(No)、つまり支援できないと判定した場合、本処理を終了する。
【0043】
また、目標車速制御部20aは、ステップS12で支援可能である(Yes)と判定した場合、ステップS14として通過停止判定を行う。以下、図5を用いて、通過停止判定の処理について説明する。
【0044】
目標車速制御部20aは、図5に示すようにステップS30として、信号サイクルを取得する。つまり、目標車速制御部20aは、判定の対象となる信号機、通常、次に通過する信号機の信号サイクルを取得する。ここで、信号サイクルとは、信号機の赤、青、黄色等の表示が切り替わるタイミングの情報である。目標車速制御部20aは、ステップS30で信号サイクルを取得したら、ステップS32として、過去の直近の所定距離内で車速<Vmin、または、ステア角>Smaxとなったかを判定する。目標車速制御部20aは、過去の直近の所定距離内で車速<Vminとなったかを判定することで、対象の信号機地点よりも手前にある交差点地点を通過する際に停止または大きな減速を行ったかを判定することができる。目標車速制御部20aは、過去の直近の所定距離内でステア角>Smaxとなったかを判定することで、対象の信号機地点よりも手前にある交差点地点を通過する際に右折、左折したかを判定することができる。なお、閾値となるSmax、Vminは、実験等によって算出した値を用いればよい。
【0045】
目標車速制御部20aは、ステップS32で車速<Vminではなく、かつ、ステア角>Smaxでもない(No)と判定した場合、対象の信号機地点よりも手前にある交差点地点を通過する際に停止も右左折もしていないと判定し、ステップS38に進む。
【0046】
目標車速制御部20aは、ステップS32で車速<Vminである、ステア角>Smaxである、または、車速<Vminでありステア角>Smaxである(Yes)と判定した場合、対象の信号機地点よりも手前にある交差点地点を通過する際に停止および右左折のいずれか一方が実行されたと判定し、ステップS34として、信号機地点までの距離D>閾値であるかを判定する。なお、閾値となるDは、実験等によって算出した値を用いればよい。
【0047】
目標車速制御部20aは、ステップS34で信号機地点までの距離D>閾値であると判定した場合、つまり、信号機地点までの距離が閾値以上の距離であると判定した場合、ステップS36に進む。目標車速制御部20aは、ステップS34で信号機地点までの距離D>閾値ではないと判定した場合、つまり、信号機地点までの距離が閾値よりも短い距離であると判定した場合、ステップS38に進む。
【0048】
目標車速制御部20aは、ステップS34でYesと判定した場合、ステップS36として、補正車速Vを現車速+αとする。つまり、目標車速制御部20aは、過去の直近の所定距離内で車速<Vmin、または、ステア角>Smaxの少なくとも一方となり、かつ、対象の信号機までの距離Dが閾値以上の場合、補正車速Vを実際の車速よりもα速い速度とする。目標車速制御部20aは、ステップS36で補正車速を決定したら、ステップS40に進む。
【0049】
目標車速制御部20aは、ステップS32でNoまたはステップS34でNoと判定した場合、ステップS38として、補正車速Vを現車速とする。つまり、目標車速制御部20aは、過去の直近の所定距離内で車速<Vminにもステア角>Smaxにもなっていない場合、または、対象の信号機までの距離Dが閾値未満の場合、補正車速Vを実際の車速とする。目標車速制御部20aは、ステップS38で補正車速を決定したら、ステップS40に進む。
【0050】
目標車速制御部20aは、ステップS36またはステップS38で補正車速を決定したら、ステップS40として補正車速Vを用いて通過停止判定を実行する。例えば、目標車速制御部20aは、取得した情報に基づいて基準目標車速域を算出し、算出した基準目標車速域と補正車速との関係から通過支援を行うか、停止支援を行うかの判定を行う。ここで、基準目標車速域とは、対象の交差点、横断歩道等を通過することが可能となる車速の範囲、つまり、対象の信号機が青信号である間に対象の交差点、横断歩道等を通過することができる車速の範囲である。目標車速制御部20aは、算出した基準目標車速域の下限が補正車速よりも速度β以上速い速度である場合、つまり、(補正車速+β)<(基準目標車速域の下限の速度)である場合、停止支援を行うと判定する。なお、補正車速Vを用いた通過停止判定はこれに限定されない。補正車速Vを用いた通過停止判定の他の例については後述する。
【0051】
図4に戻り、フローチャートの説明を続ける。目標車速制御部20aは、ステップS14で判定を行ったら、ステップS16で通過支援可能か、つまりステップS14で判定した結果が通過支援であったか否かを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS16で通過支援可能である(Yes)と判定した場合、つまりステップS14の判定結果が通過支援であった場合、ステップS18として目標車速域を決定する。例えば、目標車速制御部20aは、ステップS14で算出した基準目標車速域と補正車速と予め設定した条件とに基づいて、速度表示領域48に表示する目標車速域を調整する。ここで、本実施形態の目標車速制御部20aは、目標車速域の上限値(表示上限速度)を補正車速+β以下の速度とする。
【0052】
目標車速制御部20aは、ステップS18で目標車速域を決定したら、ステップS20として、通過支援表示を実行する。目標車速制御部20aは、通過支援表示として、決定した目標車速域を速度表示領域48に表示する。例えば、目標車速制御部20aは、図6に示す速度表示領域48aを表示する。速度表示領域48aは、目盛り表示部50の目標車速域と重なる速度範囲に目印60を表示している。ここで、本実施形態では、目標車速域が30km/hから50km/hであるため、速度表示領域48aは、目印60を30km/hから50km/hの速度域に表示する。また、速度表示領域48aは、実際の現車速約が10km/hであるため、針52が約10km/hを指している。また、速度表示領域48aは、補正車速が約40km/hであり、目標車速域は、針52aで示す約40km/hにmを基準として算出している。なお、速度表示領域48aは、目盛り表示部50を液晶表示装置に画像で表示している場合、当該液晶表示装置に表示する画像として目印60の画像を重ねればよい。また、速度表示領域48aは、目盛り表示部50がインク等で記入されている場合、目盛り表示部50の目盛りの表示部分に発光部を配置し、目標車速域の発光部を点灯させることで目印60を表示してもよい。このように、目標車速制御部20aは、決定した目標車速域を目印60として目盛り表示部50に重ねて表示することで、利用者に決定した目標車速域を認識させることができる。目標車速制御部20aは、ステップS20に示す処理を行ったら、ステップS24に進む。
【0053】
目標車速制御部20aは、ステップS16で通過支援が可能ではない(No)と判定した場合、つまり、ステップS14で停止支援であると判定されている場合、ステップS22として停止支援表示を実行する。ここで、停止支援表示とは、目標車速域として0km/h付近の速度域を表示する。例えば、目標車速制御部20aは、図7に示す速度表示領域48bを表示する。速度表示領域48bは、目盛り表示部50の目標車速域と重なる速度範囲に目印62を表示している。ここで、停止支援表示は、目標車速域が0km/h付近の速度域(0km/hを含む速度域、本実施形態では、0km/hから10km/h)であるため、速度表示領域48bは、目印62を0km/h付近の速度域に表示する。また、速度表示領域48aは、実際の現車速約が10km/hであるため、針52が約10km/hを指している。また、速度表示領域48aは、補正車速が約40km/hであり、目標車速域は、針52aで示す約40km/hにmを基準として算出している。このように、目標車速制御部20aは、決定した目標車速域を目印62として目盛り表示部50に重ねて表示することで、利用者に決定した目標車速域を認識させることができる。これにより、ステップS22では利用者に車両10を停止させることを推奨していることを認識させることができる。目標車速制御部20aは、ステップS22に示す処理を行ったら、ステップS24に進む。
【0054】
目標車速制御部20aは、ステップS20の処理またはステップS22の処理を行ったら、ステップS24として表示終了条件が成立しているかを判定する。ここで、表示終了条件とは、予め設定した目標車速域の表示終了の条件であり、例えば、車両と交差点(対象の信号機)との距離が一定以下となった場合、車速が一定の範囲外となった場合、目標車速域を表示してから一定時間が経過した場合等である。目標車速制御部20aは、ステップS24で条件が成立していない(No)と判定した場合、ステップS14に進み、上述した処理を繰り返す。つまり目標車速域を再度算出して目標車速域を再表示させる。目標車速制御部20aは、ステップS24で条件が成立した(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0055】
運転支援装置19(およびこれを有する車両10、運転支援システム1)は、このように、図5に示す処理に基づいて、車両10の運転状況、具体的には対象の信号機よりも手前の交差点地点の通過時の運転状況に基づいて補正車速を算出し、算出した補正車速に基づいて通過停止判定を行うことで、車両10の走行により適した条件で通過停止判定を行うことができる。
【0056】
ここで、車両10は、交差点地点で発進した直後や、交差点地点を右左折した直後の場合、車速が低いため、現車速を基準として通過停止判定を行うと制限速度に向けて加速すれば通過できる場合も、現車速が判定基準を満たさずに通過できないと判定してしまう場合がある。これに対して、運転支援装置19は、運転状況に応じて現車速を補正し、補正車速を算出することで、交差点地点の通過時、通過後も、当該交差点地点の先にある信号機地点の信号機に対する通過判定を適切に実行することができる。つまり、交差点地点で発進した直後や、交差点地点を右左折した直後等、当該交差点地点に向けて所定の速度までの加速が予想される場合、現車速ではなく速度αが加算された補正車速を基準とすることで、実際の走行に即した条件で通過停止判定を行うことができる。運転支援装置19は、補正車速に基づいて判定を行うことで、運転者が加速したら通過できたのではないかという条件の場合、通過支援可能と判定することができ、運転者に不信感を与えにくい運転支援を行うことができ、運転者の運転をより適切に支援することができる。
【0057】
運転支援装置19は、交差点地点までの距離が一定未満の場合、補正車速を現車速とすることで、車速αまでの加速が急加速となる条件で、現車速+αで判定が実行されることを抑制できる。これにより、条件を満たすことが困難な場合に通過支援で目標車速域が表示されることを抑制することができる。
【0058】
目標車速制御部20aは、ステップS36で補正車速を現車速+αとしたが、車速の補正方法はこれに限定されない。目標車速制御部20aは、例えば、ステップS36で補正車速を制限速度としてもよい。また、目標車速制御部20aは、交差点地点までの距離や、加速状態等に基づいて補正量を算出する式を用いて、補正車速を算出してもよい。
【0059】
目標車速制御部20aは、ステップS36で前方に車両がある場合、補正車速を現車速としてもよい。このように、前方に車両がある場合、車速を補正しないことで、加速に制限がある場合に加速が必要な目標車速域が表示されることを抑制できる。
【0060】
次に、図8から図11を用いて、ステップS40の通過停止判定の他の例について説明する。ここで、図8は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。図9は、運転支援装置の処理の一例を説明するための説明図である。
【0061】
目標車速制御部20aは、ステップS54として、補正車速で対象の交差点(つまり信号機地点)到着時の信号状態Sを予測する。具体的には、車両10と対象の信号機12、12a、正確には信号機が配置された信号機地点となる交差点や横断歩道との距離と補正車速に基づいて、信号機に到着する時点を予測し、予測した時点と信号サイクルの情報とに基づいて、予測した時点における信号サイクルの状況を信号状態Sとして予測する。ここで、信号状態Sは、到着時の信号の灯色、表示している灯色の表示時間(表示してからの経過時間)、次の灯色に切り替わるまでの時間(表示している灯色の残時間)を含む。
【0062】
目標車速制御部20aは、ステップS54で到着時の信号状態Sを予測したら、ステップS56として、補正車速に加速度(許容加速度)Ga、減速度(許容減速度)Gbを考慮した際の交差点到着時の信号状態Sa、Sbを算出する。加速度(許容加速度)Gaを考慮した際の交差点到着時の信号状態Saの算出について説明する。目標車速制御部20aは、距離と補正車速と加速度(許容加速度)Gaとに基づいて、補正車速から加速度Gaで加速して走行した場合に信号機に到着する時点(加速到着タイミング)を予測し、予測した時点と信号サイクルの情報とに基づいて、予測した時点における信号サイクルの状況を信号状態Saとして予測する。次に、減速度(許容減速度)Gbを考慮した際の交差点到着時の信号状態Sbの算出について説明する。目標車速制御部20aは、距離と補正車速と減速度(許容減速度)Gbとに基づいて、補正車速から減速度Gbで減速して走行した場合に信号機に到着する時点(減速到着タイミング)を予測し、予測した時点と信号サイクルの情報とに基づいて、予測した時点における信号サイクルの状況を信号状態Sbとして予測する。ここで、加速度(許容加速度)Ga、減速度(許容減速度)Gbは、予め設定された条件である。
【0063】
目標車速制御部20aは、ステップS56で信号状態Sa、Sbを算出したら、ステップS58として、Sa〜S間に通過領域ありかを判定する。ここで、Sa〜S間とは、信号状態Sa以降信号状態S以前のことである。信号状態Sa以降信号状態S以前とは、信号状態Saで算出される予測到着時から信号状態Sで算出される予測到着時までの間の時間帯の信号状態である。また、通過領域とは、信号状態が青である領域である。つまり目標車速制御部20aは、信号状態Sa以降信号状態S以前に予測到着時の信号機の灯色が青となる時間帯があるかを判定する。
【0064】
目標車速制御部20aは、ステップS58で、Sa〜S間に通過領域あり(Yse)と判定した場合、ステップS62に進む。目標車速制御部20aは、ステップS58でSa〜S間に通過領域なし(No)と判定したら、ステップS60として、S〜Sb間に通過領域ありかを判定する。ここで、S〜Sb間とは、信号状態S以降信号状態Sb以前のことである。信号状態S以降信号状態Sb以前とは、信号状態Sで算出される予測到着時から信号状態Sbで算出される予測到着時までの間の時間帯の信号状態である。つまり目標車速制御部20aは、信号状態S以降信号状態Sb以前に予測到着時の信号機の灯色が青となる時間帯があるかを判定する。
【0065】
目標車速制御部20aは、ステップS60で、S〜Sb間に通過領域あり(Yse)と判定した場合、ステップS62に進む。目標車速制御部20aは、ステップS58でYesまたはステップS60でYesと判定した場合、ステップS62として、通過支援可能と判定し、本処理を終了する。また、目標車速制御部20aは、ステップS60で、S〜Sb間に通過領域なし(No)と判定した場合、ステップS64として停止支援と判定し、本処理を終了する。
【0066】
ここで、図9を用いて、図8に示す処理と、予測到着時の信号機の灯色との関係について説明する。図9に示す信号サイクル70は、予測到着時の信号機の灯色を示している。信号サイクル70は、灯色が青から黄に切り替わり、黄から赤に切り替わり、赤から青に切り替わる。また、目標車速制御部20aは、信号サイクル70の通過領域Ea、Ebは、信号の灯色が青で、かつ、灯色が青から赤に切り替わるまでの残り時間が所定時間以上であり、灯色が青になってからの時間が所定時間以上である時間領域である。つまり、目標車速制御部20aは、灯色が青である時間帯のうち、初期と終期の所定時間を除いた時間耐を通過領域Ea、Ebに設定している。なお、信号サイクル70は、時間の経過とともに左から右に向けて進むが、図9に示す処理と、予測到着時の信号機の灯色との関係を模式的に示しているため時間軸が一定ではない。
【0067】
また、図9に示すパターン72a、パターン72bは、それぞれある時点において判定を行った場合の算出結果である。パターン72aは、補正車速で走行した場合の予測到着時が矢印74aに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印74aの先にある信号状態Sとなる。パターン72aは、補正車速から加速度Gaで加速して走行した場合の予測到着時が矢印76aに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印76aの先にある信号状態Saとなる。パターン72aは、補正車速から減速度Gbで減速して走行した場合の予測到着時が矢印78aに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印78aの先にある信号状態Sbとなる。同様に、パターン72bは、補正車速で走行した場合の予測到着時が矢印74bに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印74bの先にある信号状態Sとなる。パターン72bは、補正車速から加速度Gaで加速して走行した場合の予測到着時が矢印76bに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印76bの先にある信号状態Saとなる。パターン72bは、補正車速から減速度Gbで減速して走行した場合の予測到着時が矢印78bに示す線となり、予測到着時の信号状態が矢印78bの先にある信号状態Sbとなる。
【0068】
目標車速制御部20aは、図8に示す処理で通過停止判定を行う。例えば、目標車速制御部20aは、パターン72aの時点で判定を行った場合、信号状態SaからSの一部の領域80が、通過領域Eaと重なる。これにより、目標車速制御部20aは、ステップS58でYesと判定し、通過支援可能と判定する。なお、目標車速制御部20aは、領域80に対応する速度領域を目標車速域として算出することが好ましい。
【0069】
また、目標車速制御部20aは、パターン72bの時点で判定を行った場合、測状況SaからSの間が、通過領域Ea、Ebのいずれとも重ならず、信号状態SからSbの一部の領域82が、通過領域Ebと重なる。これにより、目標車速制御部20aは、ステップS58でNo、ステップS60でYesと判定し、通過支援可能と判定する。なお、目標車速制御部20aは、領域82に対応する速度領域を目標車速域として算出することが好ましい。
【0070】
運転支援装置19は、このように、図8に示す処理で通過停止判定処理を行う。具体的には、運転支援装置19は、図9に示すように、判定時点において、補正車速で走行した場合、補正車速から加速度Gaで加速して走行した場合、補正車速から減速度Gbで減速して走行した場合のそれぞれの場合についての信号状態S、Sa、Sbを算出することでパターン72a、72bを算出する。運転支援装置19は、パターン72a、72bを算出することで、補正車速から加速度Gaで走行し、設定されている条件の中で最も速く信号機地点に到達する場合から、補正車速から減速度Gbで走行し、設定されている条件の中で最も遅く信号機地点に到達する場合までの時間範囲を検出することができる。また、運転支援装置19は、パターン72a、72bと通過領域Ea、Ebとが重なるかを判定することで、設定した条件内で信号機地点に到達させた場合に、信号状態が青である場合があるかを判定することができる。
【0071】
運転支援装置19は、図8および図9に示す処理に基づいて通過停止判定を行うことで、補正車速を基準として設定した加速または減速で信号機地点の到着時に、信号機地点の到着時に灯色が青となる場合、通過支援を行うことができる。これにより、運転支援装置19は、補正車速に過度な加速、減速が必要な場合は、通過できないと判定するため、許容加速度Ga、許容減速度Gbを超える速度変化が必要となる通過判定の目標速度域を、速度表示領域48に表示する目標車速域として表示させない。これにより、運転支援装置19は、急激な加速、減速が必要な目標車速域が表示されることを抑制することができ、運転者に違和感やストレスを与える恐れの低い、目標車速域を表示させることができる。また、運転者は、適切な範囲の加速と減速で目標車速域での走行が可能となるため、運転しやすい状態を維持しつつ、好適な条件(本実施形態では、赤信号での停止を少なくしつつ)車両10を走行させることができる。なお、運転支援装置19は、停止判定を行った場合は、信号機地点よりも前で車両を停止させるため、許容減速度Gbを超える減速度の目標速度域を表示させることがある。
【0072】
また、所定の加速や減速で信号機を通過できる場合に、好適な通過支援を行うことができ、運転者により好適な目標速度域を表示させることができる。また、運転者に所定の加速、減速で通過できたのではないかという印象を与えることを防止することができ、運転者に不信感を与えにくい運転支援を行うことができる。
【0073】
また、運転支援装置19は、このように算出したパターン72a、72bと通過領域Ea、Ebとの関係に基づいて目標車速域を算出することが好ましい。つまり、運転支援装置19は、補正車速に基づいて設定した加速度、減速度に基づいて目標車速域を決定し、表示させる。つまり、運転支援装置19は、速度表示領域48に表示する目標車速域として、補正車速から過度な加速、減速が必要な速度を目標車速域に表示しない。これにより、運転支援装置19は、急激な加速、減速が必要な目標車速域が表示されることをより確実に抑制することができ、運転者に違和感やストレスを与える恐れの低い、目標車速域を表示させることができる。また、運転者は、適切な範囲の加速と減速で目標車速域での走行が可能となるため、運転しやすい状態を維持しつつ、好適な条件(本実施形態では、赤信号での停止を少なくしつつ)車両10を走行させることができる。
【0074】
運転支援装置19は、補正車速を基準として許容加速度Gaで走行した場合、許容減速度Gbで走行した場合の両方について信号状態を算出し、パターンを形成して判定を行うことが好ましいが、いずれか一方でもよい。つまり、運転支援装置19は、補正車速で走行した場合の信号状態Sと補正車速を基準として許容加速度Gaで走行した場合との信号状態Saを算出して、信号状態Saと信号状態Sとの間と通過領域との関係に基づいて、通過判定を行うようにしてもよい。同様に運転支援装置19は、補正車速で走行した場合の信号状態Sと補正車速を基準として許容減速度Gbで走行した場合との信号状態Sbを算出して、信号状態Sと信号状態Sbとの間と通過領域との関係に基づいて、通過判定を行うようにしてもよい。
【0075】
運転支援装置19は、所定の加速度で加速した場合の信号状態が通過領域Eaと重なり、所定の減速度で減速した場合の信号状態が通過領域Ebと重なる場合、所定の加速度で加速した場合の信号状態と通過領域との比較を先に実行することが好ましい。運転支援装置19は、所定の加速度で加速した場合の信号状態と通過領域との比較を先に実行することで、通過領域Eaと重なっている領域に基づいた目標車速域の算出を優先することができる。このように、運転支援装置19は、所定の加速度で加速した場合の信号状態と通過領域との比較を先に実行することで、より早く当該信号機を通過することが可能となる。
【0076】
なお、運転支援装置19は、図8に示す処理のステップS58とステップS60の順序を入れ替えてもよい。また、運転支援装置19は、図8に示す処理のステップS58とステップS60の順序を各種条件に基づいて決定してもよい。例えば、運転支援装置19は、車載カメラ34やミリ波レーダ等で先方の車両の有無を判定し、前方の近接した位置に車両がある場合、ステップS60の処理をステップS58よりも先に実行し、前方の近接した位置に車両がない場合、ステップS58の処理をステップS60よりも先に実行するようにしてもよい。また、運転支援装置19は、加速した場合の目標車速域と減速した場合の目標車速域の算出処理を両方行い、補正車速により近い目標車速域を含む目標車速域を算出結果として表示させてもよい。運転支援装置19は、加速した場合の目標車速域と減速した場合の目標車速域の算出処理を両方行い、両方の目標車速域を表示させてもよい。
【0077】
運転支援装置19は、図9に示すように、通過領域Ea、Ebを信号機が通過可能な表示ではない(例えば、灯色が赤)状態から前記信号機が通過可能な表示である(例えば、灯色が青)状態に切り替わって閾値時間経過した後から、信号機が通過可能な表示である(例えば、灯色が青)状態から信号機が通過可能な表示ではない(例えば、灯色が赤)状態に切り替わるよりも閾値時間前までの間とし、当該通過領域Ea、Ebの間に信号機が配置された信号機地点を車両が通過できる速度域を目標車速域として算出する。
【0078】
このように、運転支援装置19は、目標車速域を、灯色が青から赤に切り替わるまでの残り時間が所定時間以上となる範囲とすることで、走行時に目標車速以下に減速してしまい信号機に到達するまでに時間が多少かかってしまった場合でも、灯色が赤になる前に信号機を通過することができる。運転支援装置19は、目標車速域を、灯色が青になってからの時間が所定時間以上となる範囲とすることで、信号機に到達する前に一定の余裕がある距離で、信号機の灯色が赤から青に切り替わる。これにより、灯色が赤のままで変わらない状態で信号機に接近することを抑制でき、運転者に対して灯色が切り替わるか、減速するべきかという不安を与えることを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
【0079】
また、運転支援装置19は、上述した目標車速域の算出の閾値時間(所定時間)、つまり、予測到着時の灯色が青のうち、目標車速域の算出の対象としない境界の時間を、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離に応じて調整、決定することが好ましい。これにより、距離に応じた処理を好適に実行することができる。
【0080】
また、運転支援装置19は、上述した通過停止判定の許容加速度Ga、許容減速度Gbを、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離に応じて調整、決定することが好ましい。これにより、運転支援装置19は、車両と信号機地点との距離に対応して通過停止判定の基準を変更することができ、より適切な通過停止判定を行うことができる。具体的には、車両と信号機が配置された信号機地点との距離が長いほど許容加速度Ga、許容減速度Gbを小さくし、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離が短いほど許容加速度Ga、許容減速度Gbを大きくすることが好ましい。これにより、加速が大きくなりすぎ、実際に実現できない目標車速を算出してしまう恐れを低減することができる。
【0081】
また、運転支援装置19は、上述した通過停止判定の許容加速度Ga、許容減速度Gbを、現在の信号機の灯色に応じて調整、決定することも好ましい。運転支援装置19は、例えば現在の信号機の灯色が赤の場合は、許容加速度Gaをより小さい値に変更し、許容減速度Gbをより大きい値に変更してもよい。運転支援装置19は、例えば現在の信号機の灯色が青の場合は、許容加速度Gaをより大きい値に変更し、許容減速度Gbをより小さい値に変更してもよい。これにより、運転者は、前方にある信号機の灯色が赤の場合は、パターンと次に青が点灯された際の通過領域とが重なりやすくなり、停止せずに信号機を通過する速度をより確実に算出することができる。運転者は、前方にある信号機の灯色が青の場合は、パターンと現在点灯している青の信号状態を含む通過領域とが重なりやすくなり、停止せずに信号機を通過する速度をより確実に算出することができる。なお、許容加速度Gaの基準の値としては、0.1G、許容減速度Gbの基準の値としては0.3G(−0.3G)が例示される。
【0082】
本実施形態の運転支援装置19は、停止支援として、0km/hの目標車速域を表示したが、これに限定されない。運転支援装置19は、通過支援が可能ではない場合、目標車速域を表示しないようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態の運転支援装置19は、加速時から減速時までの信号状態と通過領域とが重なる領域に基づいて目標車速域を決定したが、目標速度域を種々の基準で決定、加工することができる。運転支援装置19は、信号状態Saに基づいて、目標速度域の上限速度を決定してもよい。これにより、許容加速度で到達することができる速度を目標速度域の上限速度とすることができる。ここで、運転支援装置19は、目標速度域の上限速度をパターン72aと重なっている通過領域Eaの最も早い時点に基づいて算出してもよい。この場合、目標車速域の上限速度は、大きくなるため、別途閾値を設けてもよい。例えば、上述したように補正車速の所定車速α、速い速度を上限速度としてもよい。
【0084】
運転支援装置19は、目標速度域の上限速度を現車速+α、つまり現車速よりも一定速度速い速度にもこれに限定されない。また、通過支援可能かを判断する基準の速度も以下に説明する目標速度域の上限速度と同様に各種基準を用いることができる。
【0085】
運転支援装置19は、信号状態Sbに基づいて、目標速度域の下限速度を決定してもよい。これにより、許容減速度で到達することができる速度を目標速度域の下限速度とすることができる。ここで、運転支援装置19は、目標速度域の下限速度をパターン72bと重なっている通過領域Ebの最も遅い時点に基づいて算出してもよい。この場合、目標車速域の下限速度は、小さくなる。このため、下限速度は、上限速度と同様に別途閾値を設けてもよい。
【0086】
運転支援装置19は、通過支援時に表示する目標車速域と、停止支援時に表示する目標車速域とで、表示する目印の色を異なる色とすることが好ましい。なお、色ではなく模様や、点灯状態等を異なるようにしてもよい。これにより、運転者は、通過支援が表示されているか、停止支援が表示されているかをすぐに把握することができる。
【0087】
また、上記実施形態の運転支援装置19は、通過判定のパターンの算出時にも車両が走行している道路(道)の制限車速を考慮することが好ましい。また、制限車速は、例えば現在走行している道路の法定速度であり、インフラ通信部38で取得するインフラ情報や、GPS通信部32で受信したGPS信号で現在位置を検出し地図情報データベース22aに記憶されている現在位置の情報から取得すればよい。運転支援装置19は、制限車速の情報を取得する情報取得部として、インフラ通信部38やGPS通信部32と地図情報データベース22aとの組み合わせを用いることができる。制限車速の情報を取得する情報取得部は、運転支援装置19の他の機能、例えば車載カメラ34を用いてもよい。運転支援装置19は、車載カメラ34で走行中の道路に設置された標識の画像を取得し、当該標識の画像に表示されている法定速度を制限車速として検出してもよい。図10は、運転支援装置の処理の他の例を示すフローチャートである。図11は、運転支援装置の処理の一例を説明するための説明図である。ここで、図10に示す処理は、図4に示すステップS16の処理の一部として実行される。図10に示す処理は、信号状態Saの算出時に用いる車速の条件を決定する処理である。
【0088】
運転支援装置19の目標車速制御部20aは、図10に示すように、ステップS80として、補正車速<制限車速であるかを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS80で補正車速<制限車速ではない(No)と判定した場合、ステップS81として、Va=制限車速として、本処理を終了する。これにより、目標車速制御部20aは、現車速が制限車速以上である場合、許容加速度Gaを加味せず、制限速度で走行した場合の到達予測時の信号状態を信号状態Saとして算出する。
【0089】
目標車速制御部20aは、ステップS80で補正車速<制限車速ではある(Yes)と判定した場合、ステップS82として、加速度Gaで加速した場合に制限車速に到達する地点Daを算出し、ステップS84として、Da<Distであるかを判定する。ここで、Distは、現在位置から信号機地点までの距離である。つまり、目標車速制御部20aは、ステップS44として、加速度Gaで加速した場合に制限車速に到達する地点Daまでの距離が、現在位置から信号機地点までの距離でよりも短いかを判定している。
【0090】
目標車速制御部20aは、ステップS84でDa<Distではある(Yes)と判定した場合、ステップS86としてDa以降はVa=制限車速として、本処理を終了する。これにより、目標車速制御部20aは、Da<Distではある場合、図11に示すパターン72dを算出する。パターン72dは、矢印76dに示すように、地点Daまでは加速度Gaで加速し、矢印76eに示すように、地点Da以降は制限速度で走行して信号機地点まで走行した場合の予想到達時の信号状態を信号状態Saとして算出する。また、パターン72dは、現車速で走行した場合の予想到達時の信号状態を信号状態Sとしている。
【0091】
目標車速制御部20aは、ステップS84でDa<Distはない(No)と判定した場合、ステップS88としてVa=V0+Ga×tとして、本処理を終了する。これにより、目標車速制御部20aは、Da<Distではない場合、信号機地点まで許容加速度Gaで加速して走行した場合の到達予測時の信号状態を信号状態Saとして算出する。
【0092】
運転支援装置19は、図10および図11に示すように、制限車速を加味して信号状態Saを算出し、算出した信号状態Saと現車速を用いて算出した信号状態Sとを用いて、通過停止判定を行うことで、規則上走行できない車速範囲の目標車速域が表示されることを抑制することができる。これにより、運転者に不要なストレスを与えることを抑制することができる。
【0093】
以下、図12および図13を用いて、車両10のECU20の目標車速制御部20aで実行する制御についてより詳細に説明する。図12は、運転支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。図13は、通過判定の判定処理の一例を説明するための説明図である。
【0094】
目標車速制御部20aは、ステップS112として補正車速で対象の信号機到着時の信号状態Sを予測する。具体的には、車両10と対象の信号機12、12a、正確には信号機が配置された信号機地点となる交差点や横断歩道との距離と補正車速に基づいて、信号機に到着する時点を予測し、予測した時点と信号サイクルの情報とに基づいて、予測した時点における信号サイクルの状況を信号状態Sとして予測する。ここで、信号状態Sは、到着時の信号の灯色、表示している灯色の表示時間(表示してからの経過時間)、次の灯色に切り替わるまでの時間(表示している灯色の残時間)を含む。
【0095】
目標車速制御部20aは、ステップS112で到着時の信号状態Sを予測したら、ステップS114として、予測到着時の灯色=赤であるか、つまり信号状態Sが赤信号であるかを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS114で灯色が赤ではない(No)と判定した場合、ステップS118に進む。
【0096】
目標車速制御部20aは、ステップS114で灯色が赤である(Yes)と判定した場合、ステップS116として、赤の設定時間−到着後の赤の残時間<T2であるかを判定する。つまり、目標車速制御部20aは、灯色である場合、到着時において、信号機の灯色が赤になってからの経過時間がT2よりも短いかを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS116で赤の設定時間−到着後の赤の残時間<T2である(Yes)と判定した場合、ステップS118に進む。
【0097】
目標車速制御部20aは、ステップS114でNo、またはステップS116でYesと判定された場合、つまり、予測到着時の信号機の灯色が青の場合、または、予測到着時の信号機の灯色が赤でかつ信号機の灯色が赤になってからの経過時間がT2よりも短い場合、ステップS118として、予測到着時と比べ、同じ又は1つ前の青信号に対して通過支援を可能と判定する。具体的には、目標車速制御部20aは、予測到着時の信号の灯色が青の場合、予測到着時に表示されている青信号で通過することができると判定する。目標車速制御部20aは、予測到着時の信号の灯色が赤でかつ信号機の灯色が赤になってからの経過時間がT2よりも短い場合、予測到着時に表示されている赤信号の前に表示されている青信号で通過することができると判定する。目標車速制御部20aは、ステップS118で通過支援可能と判定したら、本処理、つまり通過停止判定を終了する。
【0098】
また、目標車速制御部20aは、ステップS116で赤の設定時間−到着後の赤の残時間<T2ではない(No)と判定した場合、ステップS120として、予測到着後の赤の残時間<T1であるかを判定する。つまり、目標車速制御部20aは、灯色である場合、到着時において、信号機の灯色が赤から次の灯色(通過可能な灯色、基本的には青)に変わるまでに必要な時間がT1よりも短いかを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS120で予測到着後の赤の残時間<T1である(Yes)と判定した場合、ステップS122として、予測到着時と比べ、1つ後の青信号に対して通過支援を可能と判定する。具体的には、目標車速制御部20aは、予測到着時の信号の灯色が赤でかつ信号機の灯色が青に変わるまでの残り時間がT1よりも短い場合、予測到着時に表示されている赤信号の次に表示されている青信号で通過することができると判定する。目標車速制御部20aは、ステップS122で通過支援可能と判定したら、本処理、通過停止判定を終了する。
【0099】
目標車速制御部20aは、ステップS120で予測到着後の赤の残時間<T1ではない(No)と判定した場合、ステップS124として停止支援と判定する。目標車速制御部20aは、ステップS124で停止支援と判定したら、本処理、つまり通過停止判定を終了する。
【0100】
次に、図13を用いて、図12に示す通過停止判定の処理と、予測到着時の信号機の灯色との関係について説明する。図13に示す信号サイクル90は、上述した図9の信号サイクルと同じであり、予測到着時の信号機の灯色を示している。なお、図12に示す処理では、黄信号は、青信号に含まれるものとする。目標車速制御部20aは、図12に示す処理で通過停止判定を行うことで、予測到着時が、領域92または領域96である場合、通過支援を行うと判定し、予測到着時が、領域94である場合、停止支援を行うと判定する。ここで、領域92は、灯色が青、黄である場合と、灯色が赤になってからの時間が時間T2未満の場合とを含む。また、領域96は、灯色が赤で灯色が赤から青に切り替わるまでの残り時間が時間T1より短い場合と、当該灯色が赤から切り替わった青の場合を含む。また、領域94は、灯色が赤で、灯色が赤になってからの時間が時間T2以上であり、灯色が赤から青に切り替わるまでの残り時間が時間T1以上である場合となる。
【0101】
目標車速制御部20aは、図12および図13に示すように、領域92の場合は、通過支援を行うことで、補正車速で走行すると信号機地点の到着時には灯色が赤であるが、補正車速から加速したら、信号機地点の到着時に灯色が青となる場合、通過支援を行うことができる。また、目標車速制御部20aは、図12および図13に示すように、領域96の場合は、通過支援を行うことで、補正車速で走行すると信号機地点の到着時には灯色が赤であるが、補正車速から減速したら、信号機地点の到着時に灯色が青となる場合、通過支援を行うことができる。
【0102】
また、運転支援装置19は、図12および図13に示す処理に基づいて通過停止判定を行うことで、補正車速で走行すると信号機地点の到着時には灯色が赤であるが、補正車速から減速したら、信号機地点の到着時に灯色が青となる場合、通過支援を行うことができる。これにより、所定の減速で信号機を通過できる場合に、好適な通過支援を行うことができ、運転者により好適な目標速度域を表示させることができる。また、運転者にあと少しの減速で通過ではないかという印象を与えることを防止することができ、運転者に不信感を与えにくい運転支援を行うことができる。
【0103】
運転支援装置19は、図12および図13に示す処理に基づいて通過停止判定を行うことで、補正車速と信号サイクルと予測到着時とに基づいて通過停止判定を行うことができる。これにより、簡単な処理で通過停止判定を行うことができる。
【0104】
また、運転支援装置19は、上述した通過停止判定の閾値時間、つまり、予測到着時の灯色が赤でも通過支援を行う境界の時間である、時間T1、T2を、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離に応じて調整、決定することが好ましい。これにより、運転支援装置19は、車両と信号機地点との距離に対応して通過停止判定の基準を変更することができ、より適切な通過停止判定を行うことができる。具体的には、車両と信号機が配置された信号機地点との距離が長いほど閾値時間を長くし、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離が短いほど閾値時間を短くすることが好ましい。例えば、距離をDとした場合、T1=D×係数、T2=D×係数として、時間T1、T2を決定してもよい。これにより、距離Dが遠いほど時間T1、T2を大きくすることができ、距離Dが遠ければ予測到着時の灯色が赤でも通過判定となる時間帯をより大きくすることができる。これにより、より車速の調整がしやすい状態のときに通過判定が行われやすくすることができ、無停止で信号機を通過しやすくすることができる。
【0105】
ここで、運転支援装置19は、上述と同様に、信号機が通過可能な表示ではない(例えば、灯色が赤)状態から前記信号機が通過可能な表示である(例えば、灯色が青)状態に切り替わって閾値時間経過した後から、信号機が通過可能な表示である(例えば、灯色が青)状態から信号機が通過可能な表示ではない(例えば、灯色が赤)状態に切り替わるよりも閾値時間前までの間に信号機が配置された信号機地点を前記車両が通過できる速度域を目標車速域として算出することが好ましい。このように、運転支援装置19は、目標車速域を、灯色が青から赤に切り替わるまでの残り時間が所定時間以上となる範囲とすることで、走行時に目標車速以下に減速してしまい信号機に到達するまでに時間が多少かかってしまった場合でも、灯色が赤になる前に信号機を通過することができる。運転支援装置19は、目標車速域を、灯色が青になってからの時間が所定時間以上となる範囲とすることで、信号機に到達する前に一定の余裕がある距離で、信号機の灯色が赤から青に切り替わる。これにより、灯色が赤のままで変わらない状態で信号機に接近することを抑制でき、運転者に対して灯色が切り替わるか、減速するべきかという不安を与えることを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
【0106】
また、運転支援装置19は、上述した目標車速域の算出の閾値時間、つまり、予測到着時の灯色が青のうち、目標車速域の算出の対象としない境界の時間を、位置算出部で算出した車両と信号機が配置された信号機地点との距離に応じて調整、決定することが好ましい。これにより、時間T1、T2の場合と同様に、距離に応じた処理を好適に実行することができる。
【0107】
また、運転支援装置19は、目標速度域を種々の基準で決定することができる。また、通過支援可能かを判断する基準の速度も以下に説明する目標速度域の上限速度と同様に各種基準を用いることができる。ここで、運転支援装置19は、目標速度域の上限速度を補正車速+G×tとしてもよい。ここで、Gは加速度であり、tは時間である。つまり、運転支援装置19は、表示上限速度を補正車速+G×t、つまり、t秒間に加速度Gで実現できる速度としてもよい。ここで、t秒は、信号機までの距離と補正車速とに基づいて変化する値としてもよい。例えば、信号機までの距離が長い時はtを大きくし、信号機までの距離が短い時はtを小さくしてもよい。
【0108】
また、本実施形態の運転支援装置19は、目標速度域の上限速度を補正車速としてもよい。ここで、図14は、表示装置の速度表示領域の一例を示す模式図である。図14に示す速度表示領域48cは、目盛り表示部50の目標車速域と重なる速度範囲に目印64を表示している。ここで、図14に示す速度表示領域48cは、目標速度域の上限速度を現車速としているため、目標車速域の上限が補正車速となる。速度表示領域48cは、針52aが示しているように補正車速が40km/hであるため、目標車速域の上限が40km/hとなる。また、速度表示領域48cは、針52が示しているように補正車速が約10km/hである。ここで、針52aは、仮想の針であり、運転者には針52が見えている。また、目標車速域が20km/hから40km/hであるため、速度表示領域48cは、目印64を20km/hから40km/hの速度域に表示する。このように、目標車速制御部20aは、目標速度域の上限速度を現車速とすることで、目標車速域を加速が必要のない速度とすることができる。これにより、運転支援装置19は、運転者に加速が必要な目標車速域を推奨しないため、運転者に違和感やストレスを与える恐れのより低い目標車速域を表示させることができる。なお、通過停止判定が上述した時間T1の場合、信号機通過のために加速が必要になる。この場合、運転支援装置19は、目標速度域の上限速度を現車速よりも速い速度とする。
【0109】
また、上記実施形態の運転支援装置19は、いずれも補正車速を用いて、目標速度域の上限速度を決定したがこれに限定されない。運転支援装置19は、目標速度域の上限速度として、車両が走行している道路(道)の制限速度を用いてもよい。運転支援装置19は、表示上限速度として、制限速度を用いることで、目標車速域の表示が制限速度を超えることを抑制することができる。これにより、運転支援装置19は、制限速度以下の速度で目標車速域を表示することができるため、実際には走行してはいけない速度が表示されることを抑制でき、運転者に違和感やストレスを与える恐れのより低い目標車速域を表示させることができる。
【0110】
なお、上記実施形態の運転支援装置19は、現車速と制限速度の両方を用いて目標速度域の上限速度を決定することがより好ましい。つまり、運転支援装置19は、いずれも現車速を用いて、目標速度域の上限速度を決定する場合も目標車速域が制限速度を超えないようにすることが好ましい。これにより、運転支援装置19は、上述の両方の効果を得ることができ、運転者に違和感やストレスを与える恐れのより低い目標車速域を表示させることができる。
【0111】
運転支援装置19は、通過支援時に表示する目標車速域と、停止支援時に表示する目標車速域とで、表示する目印の色を異なる色とすることが好ましい。なお、色ではなく模様や、点灯状態等を異なるようにしてもよい。これにより、運転者は、通過支援が表示されているか、停止支援が表示されているかをすぐに把握することができる。
【0112】
次に、図15を用いて、運転支援装置の処理の他の例を説明する。ここで、図15は、運転支援装置の処理の他の例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、上述した図4のステップS18とステップS20とに代えて実行する処理である。つまり、図15に示す処理は、図4に示すステップS16でYesと判定した場合に実行され、本処理を終了いしたら、ステップS24に進む。
【0113】
運転支援装置19のECU20の目標車速制御部20aは、ステップS140として、目標車速域を決定する。目標車速制御部20aは、ステップS18で目標車速域を決定したら、ステップS142として、上限値Vmax−下限値Vmin>閾値であるか、つまり、目標車速域の上限値Vmaxと下限値Vminの差が閾値よりも大きいかを判定する。目標車速制御部20aは、ステップS142で、上限値Vmax−下限値Vmin>閾値である(Yes)と判定した場合、ステップS144として、決定した目標車速域を速度表示領域に表示する。目標車速制御部20aは、ステップS144の処理を行ったら、本処理を終了する。
【0114】
また、目標車速制御部20aは、ステップS142で、上限値Vmax−下限値Vmin>閾値はない(No)、つまり上限値Vmax−下限値Vmin≦閾値と判定した場合、ステップS146として、決定した目標車速域を非表示にする、つまり、目標車速域を速度表示領域に表示しない。目標車速制御部20aは、ステップS146の処理を行ったら、本処理を終了する。
【0115】
運転支援装置19は、図15に示すように上限値Vmax−下限値Vmin≦閾値、つまり、決定した目標車速域の上限値と下限値との速度差が閾値よりも狭い場合、目標車速域を表示しないことで、許容される速度範囲が狭く、速度の調整が難しい条件の目標車速域を表示しないようにすることができる。これにより、運転支援装置19は、許容される速度範囲が広く、速度の調整が比較的簡単な条件の目標車速域を選択的に表示することができ、運転者に違和感やストレスを与える恐れのより低い目標車速域を表示させることができる。
【0116】
また、上記実施形態の運転支援装置19は、表示装置42の速度表示領域48に表示する速度表示をアナログメータとしたが、これに限定されない。上記実施形態の運転支援装置19は、表示装置42の速度表示領域48に表示する速度表示をデジタルメータとしてもよい。ここで、図16は、表示装置の速度表示領域の他の例を示す模式図である。速度表示領域102は、数字で速度を表示する表示機構であり、第1領域104と第2領域106とを有する。第1領域104は、現車速を表示する領域である。図16の第1領域104は、「20km/h」が表示されている。第2領域106は、第1領域104の画面上側の領域であり、目標車速域を表示する領域である。図16の第2領域106は、「30km/h〜53km/h」が表示されている。このように、運転支援装置19は、表示装置42の速度表示領域102をデジタルメータで表示しても、上記と同様の効果を得ることができる。ここで、運転支援装置19は、速度表示領域102の第1領域104に表示させる現車速と、第2領域106に表示させる目標車速域と、を異なる色および異なる大きさの少なくとも一方で表示させることが好ましい。これにより、運転支援装置19は、運転者が現車速と目標車速域とを混同する恐れを抑制することができる。
【0117】
上記実施形態の運転支援装置19は、通過支援制御部となる目標車速制御部20aで各処理を行い、目標車速域を表示させたが、これに限定されない。運転支援装置19は、目標車速域、つまり車速以外の制御条件で推奨する走行状態を通知するようにしてもよい。運転支援装置19は、通過支援制御部として、車速に替えて、あるいは車速に加えてアクセル開度を通知するようにしてもよい。
【0118】
上記実施形態の運転支援装置19は、速度表示領域に目標速度域を表示させることで、運転者に目標車速域を通知したが、本発明はこれに限定されない。上記実施形態の運転支援装置19は、通過判定を行えばよく、通過判定の結果の出力方法、使用方法については特に限定されない。運転支援装置19は、例えば通過判定の結果や判定に基づいて算出した推奨の走行状態を音声で通知してもよいし、通過判定の結果に基づいて運転条件を自動で制御するようにしてもよいし、推奨の走行状態となるように運転条件を自動で制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 運転支援システム
10 車両
12、12a 信号機
14 インフラ情報送信装置
16 GPS衛星
19 運転支援装置
20 ECU
20a 目標車速制御部
22 記憶部
24 アクセルアクチュエータ
26 ブレーキアクチュエータ
28 カーナビゲーション装置
30 スピーカ
32 GPS通信部
34 車載カメラ
38 インフラ通信部
40 車速センサ
41 ステア角センサ
42 表示装置
48 速度表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転を支援する運転支援装置であって、
前記車両の走行速度を検出する車速センサと、
前記車両の走行方向に配置された信号機の表示が切り替わるサイクルである信号サイクルの情報を取得するインフラ通信部と、
前記車両と前記信号機との相対位置情報を算出する位置算出部と、
前記対象の信号機より手前の交差点地点における運転状況を検出し、前記運転状況と前記車速センサで検出した現車速とに基づいて補正車速を算出し、前記補正車速と、前記信号機が配置された信号機地点との相対位置情報および前記インフラ通信部で取得した信号サイクルとの情報に基づいて、前記信号機地点を通過できるか判定する通過支援制御部と、を有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記運転状況は、前記交差点地点で右左折をしたかを含み、
前記通過支援制御部は、前記交差点地点で右左折をしたと判定した場合、前記現車速に所定の速度を加算した速度を前記補正車速とすることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記車両のステア角を検出するステア角センサをさらに有し、
前記通過支援制御部は、前記交差点地点の通過時のステア角が閾値以上である場合、前記交差点地点で右左折をしたと判定することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記運転状況は、前記交差点地点で停止したかを含み、
前記通過支援制御部は、前記交差点地点で停止したと判定した場合、前記現車速に所定の速度を加算した速度を前記補正車速とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記通過支援制御部は、前記交差点地点における車速が閾値速度以上であると判定した場合、前記現車速を前記補正車速とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記交差点地点は、道路が分岐している地点と停止線が設けられている地点とを含むことを特徴する請求項1から5のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
目標車速域を表示する目標車速表示部をさらに有し、
前記通過支援制御部は、前記信号機地点を通過できると判定した場合、前記信号機が配置された信号機地点を前記車両が通過できる速度域を前記目標車速域として決定し、
前記目標車速表示部は、前記通過支援制御部で決定した前記目標車速域を表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記通過支援制御部は、前記補正車速を基準として、前記補正車速から許容加速度で加速した場合および前記補正車速から許容減速度で減速した場合の少なくとも一方の範囲に基づいて、前記信号機地点を通過できるかを判定することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記通過支援制御部は、前記補正車速で走行した場合に前記信号機地点に到達する到着タイミングと、前記補正車速から前記許容加速度で加速して走行した場合に前記信号機地点に到達する加速到着タイミングと、を検出し、前記加速到着タイミングから前記到着タイミングまでの間に、前記信号機が通過可能な表示が含まれる場合、前記信号機地点を通過できると判定することを特徴とする請求項8に記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記通過支援制御部は、前記補正車速で走行した場合に前記信号機地点に到達する到着タイミングと、前記補正車速から前記許容減速度で減速して走行した場合に前記信号機地点に到達する減速到着タイミングと、を検出し、前記到着タイミングから前記減速到着タイミングまでの間に、前記信号機が通過可能な表示含まれる場合、前記信号機地点を通過できると判定することを特徴とする請求項8または9に記載の運転支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−97622(P2013−97622A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240591(P2011−240591)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】